(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】折り畳みジョイント及びチャイルドキャリア
(51)【国際特許分類】
B62B 7/08 20060101AFI20241031BHJP
F16C 11/04 20060101ALI20241031BHJP
F16C 11/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B62B7/08
F16C11/04 F
F16C11/10 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024523996
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-06-11
(86)【国際出願番号】 EP2022079456
(87)【国際公開番号】W WO2023067180
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111235808.4
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ハイタオ
【テーマコード(参考)】
3D051
3J105
【Fターム(参考)】
3D051AA02
3D051AA08
3D051AA11
3D051AA23
3D051BB11
3D051CG04
3D051CG07
3D051DD12
3J105AA04
3J105AB02
3J105AB15
3J105AB24
3J105AC10
3J105BC02
3J105DA13
(57)【要約】
折り畳みジョイント(100)及びチャイルドキャリア(900)を提供する。折り畳みジョイントは、第1収容キャビティ(10)及び第1係合部(11)を有する第1ホルダ本体(1)と、第1ホルダ本体(1)に回動可能に接続され、第2収容キャビティ(20)及び第2係合部(21)を有する第2ホルダ本体(2)と、ロック解除位置、及び第1、第2ロック位置を有するロック部材(4)と、ロック部材に力を加えるための弾性部材(5)とを含む。ロック部材が第1ロック位置又は第2ロック位置にあるとき、第1係合部及び第2係合部と同時に係合する。第1ロック位置における第2係合部と係合するロック部材の軸方向の係合深さである第1深さ(L1)は、第2ロック位置における第2係合部と係合するロック部材の軸方向の係合深さよりも大きい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1収容キャビティ(10)を有し、前記第1収容キャビティ(10)が第1係合部(11)を内部に備える第1ホルダ本体(1)と、
枢軸(3)を介して前記第1ホルダ本体(1)と回動可能に接続され、第2収容キャビティ(20)を有し、前記第2収容キャビティ(20)が第2係合部(21)を内部に備える第2ホルダ本体(2)と、
前記第1収容キャビティ(10)と前記第2収容キャビティ(20)とによって画定される空間に取り付けられ、ロック解除位置、第1ロック位置、及び第2ロック位置を有するロック部材(4)と、
前記第1収容キャビティ(10)内に配置され、前記ロック部材(4)に軸力を加える弾性部材(5)と
を備え、
前記ロック部材(4)が前記ロック解除位置にあるとき、前記ロック部材(4)は、前記第2係合部(21)から離間するように、前記第1収容キャビティ(10)内に後退して前記第1係合部(11)と係合し、それにより、前記第1ホルダ本体(1)と前記第2ホルダ本体(2)との間の前記枢軸(3)を中心とする相対回転が可能になり、
前記ロック部材(4)が前記第1ロック位置又は前記第2ロック位置にあるとき、前記ロック部材(4)は、前記弾性部材(5)によって駆動されて前記第2収容キャビティ(20)内に部分的に突出して前記第1係合部(11)及び前記第2係合部(21)と同時に係合し、前記第1ホルダ本体(1)と前記第2ホルダ本体(2)とが第1相対位置又は第2相対位置でロックされ、
前記第1ロック位置において前記第2係合部(21)と係合する前記ロック部材(4)の軸方向の係合深さを第1深さ(L1)として定義し、前記第2ロック位置において前記第2係合部(21)と係合する前記ロック部材(4)の前記軸方向の係合深さを第2深さ(L2)として定義し、前記第2深さ(L2)が前記第1深さ(L1)よりも小さい、折り畳みジョイント(100)。
【請求項2】
前記ロック部材(4)が前記第2ロック位置にあるとき、前記第1係合部(21)と係合する前記ロック部材(4)の軸方向の係合深さは第4深さ(L4)であり、前記第4深さ(L4)は前記第2深さ(L2)よりも大きい、請求項1に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項3】
前記第2深さ(L2)は、前記第2ホルダ本体(2)に加えられるトルクが所定値よりも大きい場合に、前記第2係合部(21)が前記ロック部材(4)に対して滑ることを可能にするように構成されている、請求項1又は2に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項4】
前記第2収容キャビティ(20)は、少なくとも1つの押圧部(22)を内部に備え、
前記ロック部材(4)は、少なくとも1つの干渉回避部(41)を備え、
前記ロック部材(4)が前記第1ロック位置にあるとき、前記少なくとも1つの押圧部(22)は、前記第2係合部(21)と係合する前記ロック部材(4)の前記軸方向の係合深さが前記第1深さとなるように前記少なくとも1つの干渉回避部(41)と協働し、
前記ロック部材(4)が前記第2ロック位置にあるとき、前記少なくとも1つの押圧部(22)は、前記ロック部材(4)の端面(4a、4b)に押し付けられて、前記第2係合部(21)と係合する前記ロック部材(4)の前記軸方向の係合深さを前記第2深さ(L2)に制限する、請求項1から3のいずれか1項に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項5】
前記第2収容キャビティ(20)は、周方向において所定の角度だけ互いに離間して配置される少なくとも2つの押圧部(221、222)を備えている、請求項4に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項6】
前記ロック部材(4)は、前記枢軸(3)に外嵌され、前記ロック部材(4)は、周方向に互いに離間して配置される第1歯群(421)及び第2歯群(422)と、径方向において互いに対向し、前記第1歯群(421)と前記第2歯群(422)との間に配置される第1接続部(423)及び第2接続部(424)とを備え、前記第1係合部(11)及び前記第2係合部(21)は各々、前記第1歯群(421)及び前記第2歯群(422)と係合するための複数の係合歯(111、112、211、212)を含み、
前記少なくとも1つの干渉回避部(41)は、前記第1接続部(423)に備えられる第1干渉回避部(411)を含み、前記少なくとも1つの押圧部(22)は、前記ロック部材(4)が前記第1ロック位置にあるときに前記第1干渉回避部(411)と協働し、前記ロック部材(4)が前記第2ロック位置にあるときに前記第2接続部(424)の端面(4a)に押し付けられる第1押圧部(221)を含む、請求項4又は5に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項7】
前記第1干渉回避部(411)は、前記第1接続部(423)に形成された平面部であり、前記第1押圧部(221)は、前記第2収容キャビティ(20)の底壁(201)から軸方向に延びる少なくとも1つの突起を含む、請求項6に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの干渉回避部(41)は、前記第2接続部(424)の少なくとも1つの周方向端部に配置される第2干渉回避部(412)を更に備え、前記少なくとも1つの押圧部(22)は、前記ロック部材(4)が前記第1ロック位置にあるときに前記第2干渉回避部(412)と協働し、前記ロック部材(4)が前記第2ロック位置にあるときに前記第1接続部(423)の端面(4b)に押し付けられる第2押圧部(222)を更に備える、請求項6又は7に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項9】
前記第2干渉回避部(412)は、歯溝として形成され、前記第2押圧部(222)は、凸歯として形成されている、請求項8に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項10】
前記ロック部材(4)に作動可能に接続され、前記ロック部材(4)を前記ロック解除位置に切り替えるように駆動するロック解除部材(6)を更に備える、請求項4に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項11】
前記ロック解除部材(6)は、前記ロック部材(4)と前記第2収容キャビティ(20)の底壁(201)との間に配置され、前記ロック解除部材(6)は、前記枢軸(3)に外嵌されるスロット孔(60c)を有し、
ガイド構造(61、202)と押圧構造(62、203)とは、前記ロック解除部材(6)と前記第2収容キャビティ(20)の前記底壁(201)との間に配置され、前記ガイド構造は、前記枢軸(3)に対して垂直な径方向への前記ロック解除部材(6)の移動をガイドするように構成され、前記押圧構造は、前記ロック解除部材(6)が径方向へ移動すると、前記ロック解除部材(6)を前記枢軸(3)の軸方向に移動させるように構成されている、請求項10に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項12】
前記ロック解除部材(6)に結合され、前記ロック解除部材(6)を引っ張って径方向に移動させるための引っ張りケーブル(7)を更に備える、請求項11に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項13】
前記押圧構造は、前記第2収容キャビティ(20)の底壁(201)から軸方向に延びる押圧柱(203)と、
前記ロック解除部材(6)に形成され、前記押圧柱(203)の自由端に当接するように構成される押圧面(62)と
備える、請求項11又は12に記載の折り畳みジョイント(100)。
【請求項14】
第1チューブ(91)と第2チューブ(92)とを含むベビーカーフレームを備え、
前記第1チューブ(91)と前記第2チューブ(92)とが、請求項1から13のいずれか一項に記載の折り畳みジョイント(100)によって連結されている、チャイルドキャリア(900)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年10月22日に出願された中国特許出願第202111235808.4号の優先権を主張するものであり、発明の名称は「折り畳みジョイント及びチャイルドキャリア」であり、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、チャイルドキャリアの技術分野に関する。より詳細には、本開示は、折り畳みジョイント及びチャイルドキャリアに関する。
【0003】
子供用ベビーカーは、子供を抱っこする人の屋外活動を支援することができる。保管と持ち運びを支援するため、子供用ベビーカーは、通常、折り畳み可能に設計されている。このように、子供用ベビーカーは、使用される際には展開状態である。子供用ベビーカーは、子供用ベビーカーを使用しない際、保管又は持ち運びを便利するために折り畳むことができる。
【0004】
従来の子供用ベビーカーは、前輪支持フレームと後輪支持フレームとが前後方向に接近するだけでなく、ハンドルフレームと背もたれフレームとが上下方向に接近して折り畳むことができため、折り畳まれた子供用ベビーカーの占有スペースが小さくなる。ロック機構は、通常、ハンドルフレームと背もたれフレームとの間に備えられる。ハンドルフレーム及び背もたれフレームは、ロック機構に対して回動して折りたたみ又は展開できるように構成されている。ロック機構は、ハンドルフレーム及び背もたれフレームを折り畳み状態又は展開状態でロックするように構成されている。ロック機構に操作可能に接続されたロック解除ボタンは、通常、ハンドルフレームに設けられている。ロック解除ボタンを操作することにより、ハンドルフレームと背もたれフレームとの間の相対位置のロック状態を、ロック機構を介してユーザが変更することができ、ハンドルフレームと背もたれフレームとを折り畳み状態又は展開状態のいずれかにすることができる。
【0005】
本開示は、折り畳みジョイントの操作利便性を向上させる折り畳みジョイント、及び、それを用いたチャイルドキャリアを提供することを目的とする。
【0006】
一態様において、本開示は、折り畳みジョイントを提供する。この折り畳みジョイントは、第1収容キャビティを有し、第1収容キャビティが第1係合部を内部に備える第1ホルダ本体と、枢軸を介して第1ホルダ本体に回動可能に接続され、第2収容キャビティを有し、第2収容キャビティが第2係合部を内部に備える第2ホルダ本体と、第1収容キャビティと第2収容キャビティとによって画定される空間に取り付けられ、ロック解除位置、第1ロック位置、及び第2ロック位置を有するロック部材と、第1収容キャビティ内に配置され、ロック部材に軸力を加える弾性部材とを備え、ロック部材がロック解除位置にあるとき、ロック部材は、第2係合部から離間するように、第1収容キャビティ内に後退して第1係合部と係合し、それにより、第1ホルダ本体と第2ホルダ本体との間の枢軸を中心とする相対回転が可能になり、ロック部材が第1ロック位置又は第2ロック位置にあるとき、ロック部材は、弾性部材によって駆動されて第2収容キャビティ内に部分的に突出して第1係合部及び第2係合部と同時に係合し、第1ホルダ本体と第2ホルダ本体とが第1相対位置又は第2相対位置でロックされる。第1ロック位置において第2係合部と係合するロック部材の軸方向の係合深さを第1深さとして定義し、第2ロック位置において第2係合部と係合するロック部材の軸方向の係合深さを第2深さと定義し、第2深さは第1深さよりも小さい。
【0007】
本開示によるいくつかの実施形態において、ロック部材が第2ロック位置にあるとき、第1係合部と係合するロック部材の軸方向の係合深さは、第4深さであってもよく、第4深さは、第2深さよりも大きい。
【0008】
本開示によるいくつかの実施形態において、第2深さは、第2ホルダ本体に加えられるトルクが所定値より大きい場合に、第2係合部がロック部材に対して滑ることを可能にするように構成されてもよい。
【0009】
本開示によるいくつかの実施形態では、第2収容キャビティは、少なくとも1つの押圧部を内部に備えてもよく、ロック部材は、少なくとも1つの干渉回避部を備える。
【0010】
本開示によるいくつかの実施形態では、ロック部材が第1ロック位置にあるとき、少なくとも1つの押圧部は、第2係合部と係合するロック部材の軸方向の係合深さが第1深さとなるように、少なくとも1つの干渉回避部と協働してもよく、ロック部材が第2ロック位置にあるとき、少なくとも1つの押圧部は、ロック部材の端面に押し付けられて、第2係合部と係合するロック部材の軸方向の係合深さを第2深さに制限してもよい。
【0011】
本開示によるいくつかの実施形態では、第2収容キャビティは、周方向において所定の角度だけ互いに離間して配置される少なくとも2つの押圧部を備えてもよい。
【0012】
本開示によるいくつかの実施形態では、ロック部材は、枢軸に外嵌されてもよく、周方向に互いに離間して配置される第1、第2の歯群と、径方向において互い対向し、第1歯群と第2歯群との間に配置される第1接続部及び第2接続部とを含んでもよい。第1係合部及び第2係合部は各々、第1歯群及び第2歯群と係合するための複数の係合歯を含み、少なくとも1つの干渉回避部は、第1接続部に設けられる第1干渉回避部を含んでもよく、少なくとも1つの押圧部は、ロック部材が第1ロック位置にあるときに第1干渉回避部と協働し、ロック部材が第2ロック位置にあるときに第2接続部の端面に押し付けられる第1押圧部を含んでもよい。
【0013】
本開示によるいくつかの実施形態では、第1干渉回避部は、第1接続部に形成された平面部であってもよく、第1押圧部は、第2収容キャビティの底壁から軸方向に延びる少なくとも1つの突起を含んでもよい。
【0014】
本開示によるいくつかの実施形態において、少なくとも1つの干渉回避部は、第2接続部の少なくとも1つの周方向端部に配置される第2干渉回避部を更に含んでもよく、少なくとも1つの押圧部は、ロック部材が第1ロック位置にあるときに第2干渉回避部と協働し、ロック部材が第2ロック位置にあるときに第1接続部の端面に押し付けられる第2押圧部を更に含んでもよい。
【0015】
本開示によるいくつかの実施形態において、第2干渉回避部は、歯溝として形成されてもよく、第2押圧部は、凸歯として形成されてもよい。
【0016】
本開示によるいくつかの実施形態では、折り畳みジョイントは、ロック部材に作動可能に接続され、ロック部材をロック解除位置に切り替えるように駆動するロック解除部材を更に含んでもよい。
【0017】
本開示によるいくつかの実施形態では、ロック解除部材は、ロック部材と第2収容キャビティの底壁との間に配置されてもよく、ロック解除部材は、枢軸に外嵌されるスロット孔を有してもよく、ガイド構造と押圧構造とは、ロック解除部材と第2収容キャビティの底壁との間に配置される。ガイド構造は、枢軸に対して垂直な径方向へのロック解除部材の移動をガイドするように構成されていてもよく、押圧構造は、ロック解除部材が径方向に移動すると、ロック解除部材を枢軸の軸方向に移動させるように構成されていてもよい。
【0018】
本開示によるいくつかの実施形態では、折り畳みジョイントは、ロック解除部材に結合され、ロック解除部材を引っ張って径方向に移動させるための引っ張りケーブルを更に含む。
【0019】
本開示によるいくつかの実施形態では、押圧構造は、第2収容キャビティの底壁から軸方向に延びる押圧柱と、ロック解除部材上に形成され、押圧柱の自由端に当接するように構成される押圧面とを含む。
【0020】
別の態様において、本開示は、チャイルドキャリアを更に備える。チャイルドキャリアのベビーカーフレームは、第1チューブと第2チューブとを含み、第1チューブと第2チューブとは、上述の折り畳みジョイントによって連結される。
【0021】
本開示によって提供される折り畳みジョイントにおいて、ロック部材が第2ロック位置にあるとき、ロック部材と第2ホルダ本体との係合は、ロック部材と第1ホルダ本体との係合よりも弱い。この場合、第1ホルダ本体と第2ホルダ本体との間の相対位置を変更する必要がある場合には、第1ホルダ本体及び/又は第2ホルダ本体に十分なトルクを直接加えて、第2係合部がロック部材に対して滑るようにしてもよく、すなわち、ロック部材を追加的に解除することなく、第2ホルダ本体と第1ホルダ本体とを相対的に回転させることができ、これにより、折り畳みジョイントの状態遷移操作を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントを模式的に示す斜視図
【
図2】
図1に示す折り畳みジョイントを模式的に示す分解斜視図
【
図3】本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントにおけるロック部材を模式的に示す斜視図
【
図4】本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントにおける第2ホルダ本体を模式的に示す斜視図
【
図5】本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントを模式的に示す断面図であり、ロック部材がロック解除位置にあるときのロック部材、第1ホルダ本体及び第2ホルダ本体の相対位置関係を示すように折り畳みジョイントの様々な構成要素を簡略化して示す図
【
図6】ロック部材が第1ロック位置にある本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントを模式的に示す断面図
【
図7】本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントを模式的に示す断面図であり、ロック部材が第1ロック位置にあるときのロック部材、第1ホルダ本体及び第2ホルダ本体の相対位置関係を示すように折り畳みジョイントの様々な構成要素を簡略化して示す図
【
図8】ロック部材が第2ロック位置にある本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントにおける第2ホルダ本体、ロック部材及び弾性部材を模式的に示す斜視図
【
図9】本開示の実施形態に係る折り畳みジョイントを模式的に示す軸方向断面図であり、ロック部材が第2ロック位置にあるときのロック部材、第1ホルダ本体及び第2ホルダ本体の相対位置関係を示すように折り畳みジョイントの様々な構成要素を簡略化して示す図
【
図10】チャイルドキャリアが展開状態にある本開示の実施形態に係るチャイルドキャリアを模式的に示す斜視図
【
図11】チャイルドキャリアが折り畳まれた状態にある本開示の実施形態に係るチャイルドキャリアを模式的に示す斜視図
【0023】
図1~
図9は、本開示の実施形態による折り畳みジョイント100の構造を模式的に示す図であり、
図10及び
図11は、本開示の実施形態による折り畳みジョイント100が適用された本開示の実施形態によるチャイルドキャリア900(例えば、子供用ベビーカー)を示す図である。本開示の実施形態において提供される折り畳みジョイント100は、チャイルドキャリア900に適用されることに限定されないことが理解され得る。本開示の実施形態におけるチャイルドキャリア900は、例えば、子供用ベビーカーとして説明されているが、チャイルドキャリア900は、例えば、子供用プレイヤード、子供用ハンモック等の他のタイプのキャリアであってもよい。
【0024】
図1及び
図2を参照すると、折り畳みジョイント100は、第1ホルダ本体1、第2ホルダ本体2、枢軸3、ロック部材4、及び弾性部材5を含むことができる。第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2とは、枢軸3を介して回動可能に接続されている。第1ホルダ本体1は、第1アーム19を備え、又は、第1アーム19に接続され、第2ホルダ本体2は、第2アーム29を備え、又は、第2アーム29に接続されていてもよい。ロック部材4は、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との間の相対回動をロックするように構成されていてもよいし、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との間の回動規制を解除するように構成されていてもよく、これにより、第1アーム19と第2アーム29とが必要に応じて相対回動したり、必要に応じて一定の回動角度を維持したりすることができる。弾性部材5は、ロック部材4をロック位置に維持できるように、ロック部材4に力を加えるように構成されている。
【0025】
図2、
図4、及び
図5を参照すると、本開示によるいくつかの実施形態において、第1ホルダ本体1は、第1収容キャビティ10を有することができ、第1係合部11が第1収容キャビティ10内に配置されてもよい。第1係合部11は、例えば、周方向に間隔を空けて配置される第1係合歯群111及び第2係合歯群112を含む。本開示において、第1係合歯群111及び第2係合歯群112の各々に含まれる係合歯の数量は、限定されない。第1ホルダ本体1の端部カバー(もしあれば)又は端面には、枢軸3が通過可能な中央孔10cを備えることができる。第2ホルダ本体2は、例えば、第2係合部21を備えことができる第2収容キャビティ20を有する。第2係合部21は、例えば、周方向に間隔をあけて配置される第3係合歯群211及び第4係合歯群212を含む。本開示において、第3係合歯群211及び第4係合歯群212の各々に含まれる係合歯の数量は、限定されない。第2ホルダ本体2の端部カバー(もしあれば)又は端面には、枢軸3が通過可能な中央孔20cを備えてもよい。第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2は、中央孔10c及び20cを通過する枢軸3によって回動可能に接続され、第1収容キャビティ10と第2収容キャビティ11とが互いに連結する。
【0026】
図5、
図7及び
図9を参照すると、ロック部材4は、第1収容キャビティ10と第2収容キャビティ11とによって共通に画定される空間に設置されていることが分かる。
図2を参照すると、例えば、ロック部材4は中央孔40cを有し、枢軸3は中央孔40cを通過することができる。
図3を参照すると、第1係合部11及び第2係合部21が各々歯付き構造を有する場合、これに応じてロック部材4も歯付き構造であってもよい。例えば、ロック部材4は、周方向に互いに離間する第1歯群421及び第2歯群422と、径方向において互いに対向して第1歯群421と第2歯群422との間に配置される第1接続部423及び第2接続部424とを含む。第1歯群421及び第2歯群422は、それぞれ、第1係合歯群111及び第2係合歯群112と係合するように構成されており、ロック部材4と第1ホルダ本体1との間の相対回転を防止することができるとともに、第1歯群421及び第2歯群422は、第1係合歯群111及び第2係合歯群112に対して軸方向にスライドする。更に、第1歯群421及び第2歯群422は、第3係合歯群211及び第4係合歯群212とも選択的に係合するように構成されており、第1歯群421及び第2歯群422は、第3係合歯群211及び第4係合歯群212に対して軸方向にスライド可能である。
【0027】
ロック部材4は、
図5に示すロック解除位置、
図7に示す第1ロック位置、及び
図9に示す第2ロック位置を有することができる。弾性部材5は、第1収容キャビティ10内に配置され、ロック部材4を第1ロック位置又は第2ロック位置に維持するために、ロック部材4に軸力を加えるように構成されている。弾性部材5は、例えば、枢軸3に外嵌されたばねであってもよい。
【0028】
図5を参照すると、ロック部材4がロック解除位置にあるとき、弾性部材5は圧縮され、ロック部材4は第1収容キャビティ10内に後退し、ロック部材4は第2係合部21から離間した状態で第1係合部11のみに係合することができる。したがって、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2とは、第1アーム19と第2アーム29との位置関係の変更の利便性のため、枢軸3を中心として相対的に回動することができる。
【0029】
図7を参照すると、ロック部材4が第1ロック位置にあるとき、ロック部材4は弾性部材5によって駆動され、第2収容キャビティ20内に部分的に突出して第1係合部11及び第2係合部21の両方に係合し、それにより、第1ホルダ本体1及び第2ホルダ本体2を第1相対位置にロックする。本開示のいくつかの実施形態において、ロック部材4が第1ロック位置にあるとき、第1係合部11と係合するロック部材4の軸方向の係合深さは、第3深さL3として定義され、第2係合部21と係合するロック部材4の軸方向の係合深さは、第1深さL1として定義され、第3深さL3は、第1深さL1と実質的に等しい、又は、第1深さL1よりも大きくてもよい。
【0030】
図9を参照すると、ロック部材4が第2ロック位置にあるとき、ロック部材4は弾性部材5によって駆動され、第2収容キャビティ20内に部分的に突出して第1係合部11及び第2係合部21の両方に係合し、それにより、第1ホルダ本体1及び第2ホルダ本体2を第2相対位置にロックする。本開示のいくつかの実施形態において、ロック部材4が第2ロック位置にあるとき、第1係合部11と係合するロック部材4の軸方向の係合深さは、第4深さL4として定義され、第2係合部21と係合するロック部材4の軸方向の係合深さは、第2深さL2として定義され、第4深さL4は、第2深さL2よりもはるかに大きい。第2深さL2は、上述の第1深さL1よりも小さいことに留意すべきである。本開示のいくつかの実施形態において、第2深さL2は、第2ホルダ本体2に加えられるトルクが所定値よりも大きい場合に、第2係合部21がロック部材4に対して滑ることを可能にするように構成されている。
【0031】
上述したように、ロック部材4が第1ロック位置にあるとき、ロック部材4と第1ホルダ本体1及び第2ホルダ本体2との係合は比較的安定している。この状態で、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との相対位置を変更したい場合には、ロック部材4をロック解除位置に移動させて、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との相対位置を変更できるようにする必要がある。ロック部材4が第2ロック位置にあるとき、ロック部材4と第2ホルダ本体2との係合は、ロック部材4と第1ホルダ本体1との係合よりも弱い。この場合、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との相対位置を変更する必要がある場合には、ロック部材4をロック解除位置にする必要はない。その代わりに、第1ホルダ本体1及び/又は第2ホルダ本体2に十分なトルクを直接加えて第2係合部21がロック部材4に対してスリップさせることができ、その結果、第2ホルダ本体2と第1ホルダ本体1とを相対的に回転させることができる。また、ロック部材4は、ロック部材4が第2ロック位置にあるときに、予めロック部材4のロック解除操作を行うことなく、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との相対位置を変更することができるので、折り畳みジョイントの状態遷移操作が簡略化される。
【0032】
上述の例では、ロック部材4は、歯の係合によって第1係合部11及び第2係合部21と係合したが、他の実施形態では、ロック部材4は、他の方法によって第1係合部11及び第2係合部21と係合し得ることが理解され得ることに留意すべきである。例えば、ロック部材4は、キー係合によって第1係合部分11及び第2係合部21と係合させることができる。
【0033】
本開示のいくつかの実施形態では、折り畳みジョイント100を含む製品(例えば、チャイルドキャリア)は、安定した展開状態と、比較的安定した折り畳み状態とを有することができる。例えば、製品が展開状態にあるとき、これは製品の通常使用状態に対応する。製品が折り畳み状態にあるときは、製品の持ち運び及び保管を簡便にすることに適している。ロック部材4の第1ロック位置は、製品の展開状態に対応することができ、ロック部材4の第2ロック位置は、製品の折り畳み状態に対応することができる。このように、製品の使用時に、製品を折り畳み状態に変更する必要がある場合、製品を折り畳むことを可能にするためのロック部材4の操作が必要であり、これにより、製品が誤って折り畳まれることによる望ましくない結果を効果的に防止することができる。製品が折り畳み状態にあるとき、ユーザは、ロック部材4を追加的に操作することなく、第1アーム19及び/又は第2アーム29に力を加えて引くことによって、製品を折り畳み状態から展開状態に素早く変更することができ、それにより、折り畳み状態から展開状態にする製品の操作が簡素化される。
【0034】
図2~
図4を参照する。ロック部材4を第1ロック位置又は第2ロック位置に維持するための解決策が提供される。例えば、第2収容キャビティ20に少なくとも1つの押圧部22を備え、少なくとも1つの押圧部22に対応する少なくとも1つの干渉回避部41をロック部材4が備えてもよい。ロック部材4が第1ロック位置にあるとき、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との相対位置は、以下の条件を満たす:押圧部22が干渉回避部41と協働して、第2係合部21に係合するロック部材4の軸方向の係合深さが第1深さL1に達することを許容する。一方、干渉回避部41は、押圧部22に軸方向に移動可能な空間を提供し、ロック部材4が弾性部材5の駆動を受けて第2収容キャビティ20内に突出している間、押圧部22から軸方向の抵抗を受けないようにする。ロック部材4が第2ロック位置にあるとき、第2ホルダ本体2と第1ホルダ本体1とが互いに回転できるようにするためには、第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との相対位置は、以下の条件を満たしていればよい:干渉回避部41と押圧部22とが周方向にオフセットしている。ロック部材4が弾性部材5による駆動を受けて第2収容キャビティ20内に突出している間、押圧部22はロック部材4の端面を押圧してロック部材4が第2収容キャビティ20内に更に突出することを規制し、これにより、ロック部材4の第2係合部21と係合する軸方向の係合深さが第2深さL2に制限される。
【0035】
押圧部22及び干渉回避部41の数量及び/又は形状が異なる様々な実施形態があり得ることを理解されたい。本開示のいくつかの実施形態では、少なくとも2つの押圧部22が、周方向に所定の角度だけ互いに離間して配置されて第2収容キャビティ20に設けられてもよい。ロック部材4が第2ロック位置にあるとき、少なくとも2つの押圧部22は、ロック部材4をよりバランスよく支持することができる。
【0036】
図3、
図4、
図6及び
図9を参照すると、少なくとも1つの干渉回避部41は、第1接続部423に備えられる第1干渉回避部411を含んでよく、第1干渉回避部411は、例えば、第1接続部423に形成された平面部であってもよい。少なくとも1つの押圧部22は、第1押圧部221を含んでもよく、第1押圧部221は、例えば、第2収容キャビティ20の底壁201から軸方向に延びる少なくとも1つの突起を含んでもよい。本実施形態では、第1押圧部221は、例えば、2つの隣接する歯状突起を含む。加えて、少なくとも1つの干渉回避部41は、例えば、第2接続部424の少なくとも1つの周方向端部に形成された第2干渉回避部412を更に含んでもよい。第2干渉回避部412は、例えば、歯溝であってもよい。また、少なくとも1つの押圧部22は、例えば、第3係合歯群211及び/又は第4係合歯群212に隣接する凸歯であり得る第2押圧部222を含んでもよい。
【0037】
図6を参照すると、ロック部材4が第1ロック位置にあるとき、第1押圧部221及び第2押圧部222は、それぞれ第1干渉回避部411及び第2干渉回避部412と協働する。具体的には、第1押圧部221は、第1干渉回避部411によって確保された空間にあり、第2押圧部222は、第2干渉回避部412によって確保された空間にあり、第1押圧部221及び第2押圧部222は、ロック部材4に力を及ぼさない。加えて、第1係合歯群111及び第3係合歯群211は、第1歯群421と係合している。第2係合歯群112及び第4係合歯群212は、第2歯群422と係合している。
図7に示すように、ロック部材4は、弾性部材5の復元力を受けて第1収容キャビティ10から第2収容キャビティ20へ移動し、ロック部材4と第2係合部21との間の係合深さが第1深さL1となる。
【0038】
図3及び
図8を参照すると、ロック部材4が第2ロック位置にあるとき、第1押圧部221は第2接続部424の端面4aを押圧し、第2押圧部222は第1接続部423の端面4bを押圧する。更に、第1係合歯群111と第4係合歯群212とが第1歯群421に係合し、第2係合歯群112と第3係合歯群211とが第2歯群422に係合する。
図9を参照すると、第2係合部21と係合するロック部材4の係合深さは、弾性部材5、第1押圧部221及び第2押圧部222の作用により、第2深さL2に規制される。
【0039】
なお、押圧部22及び干渉回避部41の実施形態は、第2ロック位置おける第2係合部21と係合するロック部材4の係合深さが、第1ロック位置において第2係合部21と係合するロック部材4の係合深さよりも小さく、ロック部材4を追加的に操作することなく第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2との相対回動を実現できれば、上述した例に限定されないことを理解されたい。
【0040】
図2、
図5、
図7及び
図9を参照すると、ロック部材4を解除するための形態も本実施形態に示されている。折り畳みジョイント100は、ロック部材4を駆動してロック解除位置に移動させるために、ロック部材4に作動可能に接続されたロック解除部材6を更に含んでもよい。例えば、本開示のいくつかの実施形態では、ロック解除部材6は、第2収容キャビティ20内において、ロック部材4と第2収容キャビティ20の底壁201との間に配置されてもよい。ロック解除部材6は、枢軸3に外嵌されるスロット孔60cを有してもよい。更に、ロック解除部材6の移動は、ガイド構造と押圧構造とによってアシストされる。一実施形態では、ガイド構造及び押圧構造は、ロック解除部材6と第2収容キャビティ20の底壁201との間に設けられてもよい。ガイド構造は、枢軸3に対して垂直な径方向へのロック解除部材6の移動をガイドするように構成されており、ロック解除部材6は、例えば、ロック解除部材6に接続された引っ張りケーブル7が引っ張られることにより、径方向に移動することができる。押圧構造は、ロック解除部材6が径方向に移動すると、ロック解除部材6を枢軸3の軸方向に移動させるように構成され、ロック部材4に対してロック解除部材6がロック解除圧力を付与したり付与しなかったりすることができる。
【0041】
図2及び
図4を参照すると、本開示のいくつかの実施形態において、ガイド構造は、平行に配置される2つのガイド側壁202と、平行に配置される2つのスライド壁61とを含んでもよい。ガイド側壁202は、第2収容キャビティ20に形成され、スライド壁61は、ロック解除部材6の壁に形成され、ロック解除部材6の径方向への移動をガイドするように、2つのガイド側壁202とそれぞれスライド係合可能に構成される。
【0042】
図2、
図5、
図7及び
図9を参照すると、本開示のいくつかの実施形態では、押圧構造は、押圧柱203及び押圧面62を含んでもよい。押圧柱203は、例えば、第2収容キャビティ20の底壁201から軸方向に延びている。押圧面62は、ロック解除部材6に形成され、押圧柱203の自由端に対して当接するように構成されている。このようにして、引っ張りケーブル7を引っ張ることによってロック解除部材6を径方向に移動させると、ロック解除部材6は、押圧面62と押圧柱203との協働によって、弾性部材5の弾性力に抗してロック部材4を押圧し、ロック部材4をロック解除位置に切り替えてもよい。ロック解除部材6に作用していた引っ張りケーブル7の引っ張り力が解除されると、弾性部材5は、ロック部材4を介してロック解除部材6に力を作用させ、押圧面62と押圧柱203との協働によってロック解除部材6を元に戻す。
【0043】
本開示の他の実施態様において、ロック解除部材6は、実用的な要件に従ってロック部材4のロックを解除することができ、ロック部材4のロックに影響を与えない限り、異なる構造又は機構を有していてもよく、そのような他の実施態様は、本明細書において詳細に例示されないことを理解されたい。更に、引っ張りケーブル7を介してロック解除部材6を操作してロック部材4を解除する解決策も先行技術に含まれており、その詳細は省略する。
【0044】
図10及び
図11を参照すると、本開示の実施形態に従って提供されるチャイルドキャリア900が示されている。チャイルドキャリア900は、例えば、子供用ベビーカーであってもよく、子供用ベビーカーのベビーカーフレームは、第1チューブ91及び第2チューブ92を含む。第1チューブ91は、例えば、下部サポートチューブであってもよく、第2チューブ92は、例えば、ハンドルチューブであってもよい。第1チューブ91と第2チューブ92とは、上述した折り畳みジョイント100によって連結される。第1チューブ91は、第1ホルダ本体1に接続され、第2チューブ92は、第2ホルダ本体2に接続される。詳しくは、第1チューブ91は第1アーム19に外嵌され、第2チューブ92は第2アーム29に外嵌されてもよい。また、操作部材90は、第2チューブ92に備えられてもよく、ユーザが操作部材90を押してロック部材4のロックを解除するようにしてもよい。例えば、本開示のいくつかの実施形態において、ユーザが操作部材90を押すと、引っ張りケーブル7が引っ張られてロック解除部材6によってロック部材4が解除されてもよい。
【0045】
以上の説明によれば、
図10に示すように、子供用ベビーカーが展開状態にあるとき、ロック部材4は第1ロック位置にあり、外力によって子供用ベビーカーが誤って折り畳まれることは容易ではない。ユーザが操作部材90を押してロック部材4を解除した後、
図11に示すように、子供用ベビーカーを折り畳んで折り畳み状態にすることができる。この状態では、ロック部材4は第2ロック位置にあり、子供用ベビーカーの保管及び運搬に便利である。子供用ベビーカーを再び展開する必要がある場合、ユーザは、操作部材90を押すことなく、ハンドルチューブを直接引くことができ、ベビーカーフレームを便利に開くことができる。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態では、子供用ベビーカーに適用される折り畳みジョイント100の押圧部22は、例えば、第3係合歯群211及び第4係合歯群212よりも、0.6mm~1mm低い。したがって、第2深さL2は、0.6mm~1mmの範囲内である。このように、ロック部材4が第2ロック位置にあるとき、ロック部材4と第2ホルダ本体2との係合は、ベビーカーフレームが誤って展開されることを防止するだけでなく、大きなトルクを受けたときにベビーカーフレームを直接展開できることを保証することもできる。
【0047】
上述した実施形態における各技術的特徴は、任意に組み合わせることができる。簡略化のため、上述の実施形態における各技術的特徴の可能な全ての組み合わせが記載されているわけではない。しかしながら、これらの技術的特徴の組み合わせは、互いに矛盾しない限り、本明細書の範囲内であると考えられるべきである。
【0048】
上述した実施形態は、本開示のいくつかの実施形態に過ぎず、説明はより具体的かつ詳細であるが、したがって、本出願の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。当業者であれば、本開示の概念から逸脱することなく、様々な変形及び修正を行うことができ、その全てが本開示の範囲内に含まれることに留意すべきである。したがって、本発明特許の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるべきである。
【符号の説明】
【0049】
100 折り畳みジョイント
1 第1ホルダ本体
10 第1収容キャビティ
10c 中央孔
11 第1係合部
111 第1係合歯群
112 第2係合歯群
19 第1アーム
2 第2ホルダ本体
20 第2収容キャビティ
20c 中央孔
201 底壁
202 ガイド側壁
203 押圧柱
21 第2係合部
211 第3係合歯群
212 第4係合歯群
22 押圧部
221 第1押圧部
222 第2押圧部
29 第2アーム
3 枢軸
4 ロック部材
4a 端面
4b 端面
40c 中央孔
41 干渉回避部
411 第1干渉回避部
412 第2干渉回避部
421 第1歯群
422 第2歯群
423 第1接続部
424 第2接続部
5 弾性部材
6 ロック解除部材
60c スロット孔
61 スライド壁
62 押圧面
7 引っ張りケーブル
900 チャイルドキャリア
90 操作部材
91 第1チューブ
92 第2チューブ
L1 第1深さ
L2 第2深さ
L3 第3深さ
L4 第4深さ
【手続補正書】
【提出日】2024-06-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ホルダ本
体と、
前記第1ホルダ本体
に軸方向を中心として回動可能に接続さ
れる第2ホルダ本
体と、
第1ロック位置、及び第2ロック位置を有するロック部
材と
を備え、
前記ロック部
材が前記第1ロック位置
にある場合の前記第2
ホルダ本体と係合する前記ロック部
材の軸方向の係合深さを第1深
さとして定義し、
前記ロック部材が前記第2ロック位置
にある場合の前記第2
ホルダ本体と係合する前記ロック部
材の軸方向の係合深さを第2深
さとして定義し、前記第2深
さが前記第1深
さよりも小さい、折り畳みジョイン
ト。
【請求項2】
前記第1ホルダ本体が第1収容キャビティを有し、前記第1収容キャビティは、第1係合部を内部に備え、前記第2ホルダ本体は、第2収容キャビティを有し、前記第2収容キャビティは、第2係合部を内部に備え、前記ロック部材は、前記第1収容キャビティによって画定される空間に取り付けられ、前記ロック部材が前記第1ロック位置又は前記第2ロック位置にあるとき、前記第2係合部と係合し、
前記折り畳みジョイントは、前記第1収容キャビティ内に配置され、前記ロック部材に軸力を加えるように構成された弾性部材を更に備え、前記ロック部材が前記第1ロック位置又は前記第2ロック位置にあるとき、前記ロック部材は、前記弾性部材によって駆動されて前記第2収容キャビティ内に部分的に突出して前記第1係合部及び前記第2係合部と同時に係合し、前記第1ホルダ本体及び前記第2ホルダ本体は、第1相対位置又は第2相対位置でロックされる、請求項1に記載の折り畳みジョイント。
【請求項3】
前記ロック部材が前記第2ロック位置にあるとき、前記第1ホルダ本体と係合する前記ロック部材の軸方向の係合深さは第4深さであり、前記第4深さは前記第2深さよりも大きい、又は、
前記第2深
さは、前記第2ホルダ本
体に加えられるトルクが所定値よりも大きい場合に、前記第2
ホルダ本体が前記ロック部
材に対して滑ることを可能にするように構成さ
れ、
又は、
前記第2深さは、0.6mm~1mmの範囲内である、請求項1又は2に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項4】
前記第2
ホルダ本体は、少なくとも1つの押圧
部を内部に備え、
前記ロック部
材は、少なくとも1つの干渉回避
部を備え、
前記ロック部
材が前記第1ロック位置にあるとき、前記少なくとも1つの押圧
部は、前記第2
ホルダ本体と係合する前記ロック部
材の前記軸方向の係合深さが前記第1深さとなるように前記少なくとも1つの干渉回避
部と協働し、
前記ロック部
材が前記第2ロック位置にあるとき、前記少なくとも1つの押圧
部は、前記ロック部
材の端
面に押し付けられて、前記第2
ホルダ本体と係合する前記ロック部
材の前記軸方向の係合深さを前記第2深
さに制限する、請求項1
又は2に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項5】
前記第2
ホルダ本体は、周方向において所定の角度だけ互いに離間して配置された少なくとも2つの押圧
部を備えている、請求項4に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項6】
前記ロック部
材は、径方向において互いに対向
する第1接続
部及び第2接続
部を備え
、
前記少なくとも1つの干渉回避
部は、前記第1接続
部に備えられた第1干渉回避
部を含み、前記少なくとも1つの押圧
部は、前記ロック部
材が前記第1ロック位置にあるときに前記第1干渉回避
部と協働し、前記ロック部
材が前記第2ロック位置にあるときに前記第2接続
部の端
面に押し付けられる第1押圧
部を含む、請求項
4に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項7】
前記第1干渉回避
部は、前記第1接続
部に形成された平面部であり、前記第1押圧
部は、軸方向に延びる少なくとも1つの突起を含む、請求項6に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項8】
前記少なくとも1つの干渉回避
部は、前記第2接続
部の少なくとも1つの周方向端部に配置された第2干渉回避
部を更に備え、前記少なくとも1つの押圧
部は、前記ロック部
材が前記第1ロック位置にあるときに前記第2干渉回避
部と協働し、前記ロック部
材が前記第2ロック位置にあるときに前記第1接続
部の端
面に押し付けられる第2押圧
部を更に備える、請求項
6に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項9】
前記第2干渉回避
部は、歯溝として形成され、前記第2押圧
部は、凸歯として形成されている、請求項8に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項10】
前記ロック部材は、ロック解除位置を更に備え、前記ロック部材が前記ロック解除位置にあるとき、前記ロック部材は、前記第2ホルダ本体から外れるように、前記第1ホルダ本体内に後退して前記第1ホルダ本体と係合し、それにより、前記第1ホルダ本体と前記第2ホルダ本体との間の前記軸方向を中心とする相対回転が可能になり、
前記折り畳みジョイントは、前記ロック部
材に作動可能に接続され、前記ロック部
材を前記ロック解除位置に切り替えるように駆動するロック解除部
材を更に備える、請求項
1又は2に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項11】
前記ロック解除部
材は、前記ロック部
材と前記第2
ホルダ本体との間に配置され
、
ガイド構
造と押圧構
造とは、前記ロック解除部
材と前記第2
ホルダ本体との間に配置され、前記ガイド構造は、前記
軸方向に対して垂直な径方向への前記ロック解除部
材の移動をガイドするように構成され、前記押圧構造は、前記ロック解除部
材が径方向へ移動すると、前記ロック解除部
材を前記軸方向に移動させるように構成されている、請求項10に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項12】
前記折り畳みジョイントは、前記ロック解除部
材に結合され、前記ロック解除部
材を引っ張って径方向に移動させるための引っ張りケーブ
ルを更に備える、
又は、
前記押圧構造は、前記第2ホルダ本体から前記軸方向に延びる押圧柱と、
前記ロック解除部材に形成され、前記押圧柱の自由端に当接するように構成された押圧面とを備える、請求項11に記載の折り畳みジョイン
ト。
【請求項13】
前記ロック部材は、周方向に互いに離間して配置され、前記第1接続部と前記第2接続部との間に位置する第1歯群と第2歯群とを備え、
前記第2ホルダ本体は、前記第1歯群及び前記第2歯群と係合する複数の係合歯を含み、前記第2ホルダ本体の押圧部は、前記第2ホルダ本体の複数の係合歯よりも低い、又は
前記第1ホルダ本体は、周方向に互いに離間して配置される第1係合歯群及び第2係合歯群を含み、前記第2ホルダ本体は、周方向に互いに離間して配置される第3係合歯群及び第4係合歯群を含み、前記第1押圧部は、前記第3係合歯群と前記第4係合歯群との間に位置し 、
前記ロック部材が前記第1ロック位置にあるとき、前記第1係合歯群及び前記第3係合歯群が前記第1歯群と係合するとともに、前記第2係合歯群及び前記第4係合歯群が前記第2歯群と係合し、
前記ロック部材が前記第2ロック位置にあるとき、前記第1係合歯群及び前記第4係合歯群が前記第1歯群と係合するとともに、前記第2係合歯群及び前記第3係合歯群が前記第2歯群と係合する、請求項8に記載の折り畳みジョイント。
【請求項14】
第1チュー
ブ及び第2チュー
ブを含むベビーカーフレームを備え、
前記第1チュー
ブと前記第2チュー
ブとが、請求項1
又は2に記載の折り畳みジョイン
トによって連結されている、チャイルドキャリ
ア。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図2、
図4、及び
図5を参照すると、本開示によるいくつかの実施形態において、第1ホルダ本体1は、第1収容キャビティ10を有することができ、第1係合部11が第1収容キャビティ10内に配置されてもよい。第1係合部11は、例えば、周方向に間隔を空けて配置される第1係合歯群111及び第2係合歯群112を含む。本開示において、第1係合歯群111及び第2係合歯群112の各々に含まれる係合歯の数量は、限定されない。第1ホルダ本体1の端部カバー(もしあれば)又は端面には、枢軸3が通過可能な中央孔10cを備えることができる。第2ホルダ本体2は、例えば、第2係合部21を備えことができる第2収容キャビティ20を有する。第2係合部21は、例えば、周方向に間隔をあけて配置される第3係合歯群211及び第4係合歯群212を含む。本開示において、第3係合歯群211及び第4係合歯群212の各々に含まれる係合歯の数量は、限定されない。第2ホルダ本体2の端部カバー(もしあれば)又は端面には、枢軸3が通過可能な中央孔20cを備えてもよい。第1ホルダ本体1と第2ホルダ本体2は、中央孔10c及び20cを通過する枢軸3によって回動可能に接続され、第1収容キャビティ10と第2収容キャビティ
20とが互いに連結する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
図5、
図7及び
図9を参照すると、ロック部材4は、第1収容キャビティ10と第2収容キャビティ
20とによって共通に画定される空間に設置されていることが分かる。
図2を参照すると、例えば、ロック部材4は中央孔40cを有し、枢軸3は中央孔40cを通過することができる。
図3を参照すると、第1係合部11及び第2係合部21が各々歯付き構造を有する場合、これに応じてロック部材4も歯付き構造であってもよい。例えば、ロック部材4は、周方向に互いに離間する第1歯群421及び第2歯群422と、径方向において互いに対向して第1歯群421と第2歯群422との間に配置される第1接続部423及び第2接続部424とを含む。第1歯群421及び第2歯群422は、それぞれ、第1係合歯群111及び第2係合歯群112と係合するように構成されており、ロック部材4と第1ホルダ本体1との間の相対回転を防止することができるとともに、第1歯群421及び第2歯群422は、第1係合歯群111及び第2係合歯群112に対して軸方向にスライドする。更に、第1歯群421及び第2歯群422は、第3係合歯群211及び第4係合歯群212とも選択的に係合するように構成されており、第1歯群421及び第2歯群422は、第3係合歯群211及び第4係合歯群212に対して軸方向にスライド可能である。
【国際調査報告】