(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】スルー・ビアを有するブリッジ・チップ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/04 20230101AFI20241031BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H01L25/04 Z
H01L23/12 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524413
(86)(22)【出願日】2022-11-14
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 EP2022081847
(87)【国際公開番号】W WO2023088849
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009531
【氏名又は名称】インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MACHINES CORPORATION
【住所又は居所原語表記】New Orchard Road, Armonk, New York 10504, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100112690
【氏名又は名称】太佐 種一
(74)【代理人】
【識別番号】100120710
【氏名又は名称】片岡 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ファルーク、ムクタ
(72)【発明者】
【氏名】ケリー、ジェームス
(57)【要約】
スルー・ビアを有するブリッジ・チップを使用してチップ同士を相互接続するための技術が提供される。1つの態様では、構造体は、少なくとも第1のチップおよび第2のチップに取り付けられたブリッジ・チップを含み、ブリッジ・チップが第1のチップと第2のチップとのうちの一方にブリッジ・チップを接続する少なくとも1つの導電性スルー・ビアを有する。ブリッジ・チップは、第1のキャッピング層と第2のキャッピング層との間に存在する複数のメタル・ラインを有する配線層を含むことができ、少なくとも1つの導電性スルー・ビアは、複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの少なくとも側壁に直に接触できる。本ブリッジ・チップを使用してチップを集積する方法もまた提供される。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のチップおよび第2のチップに取り付けられたブリッジ・チップであり、前記ブリッジ・チップが前記第1のチップと前記第2のチップとのうちの一方に前記ブリッジ・チップを接続する少なくとも1つの導電性スルー・ビアを備える、前記ブリッジ・チップ
を具備する、構造体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアの上部部分に沿った側壁が、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアの底部部分に沿った側壁に段差により接合される、請求項1に記載の構造体。
【請求項3】
前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアの前記上部部分が、幅W1
CONDUCTIVE VIAを有し、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアの前記底部部分が、幅W2
CONDUCTIVE VIAを有し、W1
CONDUCTIVE VIA>W2
CONDUCTIVE VIAである、請求項1に記載の構造体。
【請求項4】
前記ブリッジ・チップが、
第1のキャッピング層と第2のキャッピング層との間に存在する複数のメタル・ラインを有する配線層
をさらに備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項5】
前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが、前記複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの上面および側壁と直に接触する、請求項4に記載の構造体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが、前記複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの側壁にだけ直に接触する、請求項4に記載の構造体。
【請求項7】
前記第1のチップおよび前記第2のチップが、金属パッドを備え、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが、前記複数の金属パッドのうちの少なくとも1つと直に接触する、請求項1に記載の構造体。
【請求項8】
前記第1のチップおよび前記第2のチップが、互いに異なる高さを有する、請求項1に記載の構造体。
【請求項9】
前記第1のチップおよび前記第2のチップが、メモリ・チップ、ロジック・チップ、およびその組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の構造体。
【請求項10】
前記ブリッジ・チップ、前記第1のチップおよび前記第2のチップを覆って配置された封止材
をさらに備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項11】
ラミネート・パッケージと、
前記第1のチップおよび前記第2のチップを前記ラミネート・パッケージに接続し、前記封止材内に存在する導電性スルー・モールド・ビアと
をさらに備える、請求項10に記載の構造体。
【請求項12】
前記ブリッジ・チップに取り付けられ、前記第1のチップおよび前記第2のチップとは反対の前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアの端部と接触している少なくとも1つの第3のチップ
をさらに備える、請求項1に記載の構造体。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第3のチップが、メモリ・チップまたはロジック・チップである、請求項12に記載の構造体。
【請求項14】
少なくとも第1のチップおよび第2のチップに取り付けられたブリッジ・チップであって、前記ブリッジ・チップが前記第1のチップと前記第2のチップとのうちの一方に前記ブリッジ・チップを接続する少なくとも1つの導電性スルー・ビアと、第1のキャッピング層と第2のキャッピング層との間に存在する複数のメタル・ラインを有する配線層とを備え、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが、前記複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの少なくとも側壁に直に接触する、前記ブリッジ・チップ
を具備する、構造体。
【請求項15】
前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが、前記複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの上面および側壁に直に接触する、請求項14に記載の構造体。
【請求項16】
前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが、前記複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの側壁にだけ直に接触する、請求項14に記載の構造体。
【請求項17】
前記ブリッジ・チップ、前記第1のチップおよび前記第2のチップを覆って配置された封止材と、
ラミネート・パッケージと、
前記第1のチップおよび前記第2のチップを前記ラミネート・パッケージに接続し、前記封止材内に存在する導電性スルー・モールド・ビアと
をさらに備える、請求項14に記載の構造体。
【請求項18】
前記第1のチップおよび前記第2のチップとは反対の前記ブリッジ・チップの側に取り付けられた少なくとも1つの第3のチップであって、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが前記少なくとも1つの第3のチップと接触している、前記少なくとも1つの第3のチップ
をさらに備える、請求項14に記載の構造体。
【請求項19】
チップを集積する方法であって、
基板内に存在する少なくとも1つのビアと、前記基板上に配置された第1のキャッピング層と、前記第1のキャッピング層上に配置された複数のメタル・ラインを有する配線層と、前記配線層上に配置された第2のキャッピング層とを備えるブリッジ・チップを形成することであり、前記少なくとも1つのビアが犠牲材料で埋められる、前記ブリッジ・チップを前記形成することと、
少なくとも第1のチップおよび第2のチップを覆って前記ブリッジ・チップを設置することと、
前記少なくとも1つのビアから前記犠牲材料を除去することと、
前記第1のチップおよび前記第2のチップに至るまで前記第1のキャッピング層、前記配線層および前記第2のキャッピング層を貫通して前記少なくとも1つのビアを延伸させることと、
少なくとも1つの導電性スルー・ビアを形成するために少なくとも1つの金属で前記少なくとも1つのビアを埋めることであり、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが前記複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの少なくとも側壁に直に接触し、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが前記第1のチップおよび前記第2のチップのうちの一方に前記ブリッジ・チップを接続する、前記少なくとも1つのビアを前記埋めることと
を含む、方法。
【請求項20】
前記第1のチップおよび前記第2のチップとは反対の前記ブリッジ・チップの側に少なくとも1つの第3のチップを取り付けることであって、前記少なくとも1つの導電性スルー・ビアが前記少なくとも1つの第3のチップと接触している、前記少なくとも1つの第3のチップを前記取り付けること
をさらに含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ相互接続技術に関し、特に、チップ同士の間の外部接続部を削除するスルー・ビアを有するブリッジ・チップを使用してチップ同士を相互接続するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能ワークロードに関するヘテロジニアス・インテグレーションの際に、チップ間通信にとって広帯域幅で生じることが重要である。いくつかの構成では、このチップ間通信は、チップがラミネート・パッケージに接続されている間に生じなければならない。
【0003】
チップがラミネート・パッケージに取り付けられながら比較的低パワー損失で相互に通信することを可能にするために、ブリッジ・チップが、チップ同士を接続するために使用されることがある。はんだまたは(接着剤などの)他の好適なタイプの相互接続材料が、ブリッジ・チップをラミネート・パッケージに取り付けるためにそのときには採用されてもよい。
【0004】
しかしながら、チップ・レイアウト・デザインへのブリッジ・チップの集積にともなういくつかの顕著な難題がある。例えば、いくつかのデザインは、ラミネート・パッケージにはめ込まれたブリッジ・チップを有する。そのケースでは、専用リセス含有ラミネートが必要とされる。これは、ラミネートのある一定の領域内に厳密に制御された深さのリセス(またはおそらく複数のリセス)を精密に配置することの必要性のために良い生産歩留まりで製造することが困難であり費用が掛かることがあるカスタマイズされたラミネートを必然的にともなう。
【0005】
さらに、チップ・レイアウト・デザインへとブリッジ・チップを集積するための従来の手法は、雑多なピッチを有する外部はんだ接続部を必要とすることがあり、したがって小さなチップ寸法に縮小することが困難である。従来のはんだ接合法よりも銅(Cu)-to-Cuチップ接続の実装は、よりタイトなピッチに対する可能性を提供できる。しかしながら、Cu-to-Cuチップ接続は、Cu/誘電体平坦性必要条件およびボンディング用の汚染のないCu-to-Cu界面を得ることに付随する難題のために実際に実装することが困難である。
【0006】
それゆえに、チップ・レイアウト・デザインへのブリッジ・チップの集積のための技術の改善が望まれるはずである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、チップ同士の間の外部接続部を削除するスルー・ビアを有するブリッジ・チップを使用してチップ同士を相互接続するための技術を提供する。発明の1つの態様では、構造体が提供される。この構造体は、少なくとも第1のチップおよび第2のチップに取り付けられたブリッジ・チップを含み、ブリッジ・チップが第1のチップと第2のチップとのうちの一方にブリッジ・チップを接続する少なくとも1つの導電性スルー・ビアを有する。例えば、少なくとも1つの導電性スルー・ビアの上部部分に沿った側壁は、少なくとも1つの導電性スルー・ビアの底部部分に沿った側壁に段差により接合されてもよく、そのため、少なくとも1つの導電性スルー・ビアの上部部分が幅W1CONDUCTIVE VIAを有し、少なくとも1つの導電性スルー・ビアの底部部分が幅W2CONDUCTIVE VIAを有し、W1CONDUCTIVE VIA>W2CONDUCTIVE VIAである。
【0008】
発明のもう1つの態様では、もう1つの構造体が提供される。この構造体は、少なくとも第1のチップおよび第2のチップに取り付けられたブリッジ・チップを含み、ブリッジ・チップが、第1のチップと第2のチップとのうちの一方にブリッジ・チップを接続する少なくとも1つの導電性スルー・ビアと、第1のキャッピング層と第2のキャッピング層との間に存在するメタル・ラインを有する配線層とを有し、少なくとも1つの導電性スルー・ビアが、複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの少なくとも側壁に直に接触する。例えば、少なくとも1つの導電性スルー・ビアは、複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの上面および側壁に直に接触できる。あるいは、少なくとも1つの導電性スルー・ビアは、複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの側壁にだけ直に接触できる。
【0009】
発明のさらにもう1つの態様では、チップを集積する方法が提供される。この方法は、基板内に存在する少なくとも1つのビアと、基板上に配置された第1のキャッピング層と、第1のキャッピング層上に配置されたメタル・ラインを有する配線層と、配線層上に配置された第2のキャッピング層とを有するブリッジ・チップを形成することであって、少なくとも1つのビアが犠牲材料で埋められる、ブリッジ・チップを形成することと;少なくとも第1のチップおよび第2のチップを覆ってブリッジ・チップを設置することと;少なくとも1つのビアから犠牲材料を除去することと;第1のチップおよび第2のチップに至るまで第1のキャッピング層、配線層および第2のキャッピング層を貫通して少なくとも1つのビアを延伸することと;少なくとも1つの導電性スルー・ビアを形成するために少なくとも1つの金属で少なくとも1つのビアを埋めることであって、少なくとも1つの導電性スルー・ビアが複数のメタル・ラインのうちの少なくとも1つの少なくとも側壁に直に接触し、少なくとも1つの導電性スルー・ビアが第1のチップと第2のチップとのうちの一方にブリッジ・チップを接続する、少なくとも1つのビアを埋めることとを含む。
【0010】
本発明のより完全な理解、ならびに本発明のさらなる特徴および利点は、下記の詳細な説明および図面への参照により得られるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態にしたがって基板にパターニングされているビアを図説する断面図である。
【
図2】本発明の実施形態にしたがって犠牲材料で埋められているビアを図説する断面図である。
【
図3】本発明の実施形態による、ビア/犠牲材料を覆って基板上に形成されている(第1の)キャッピング層、第1のキャッピング層上に形成されているメタル・ラインを有する配線層、およびメタル・ラインを覆う配線層上に形成されている(第2の)キャッピング層を図説する断面図である。
【
図4】本発明の実施形態による、配線層とは反対の第2のキャッピング層の側に取り付けられているハンドル・ウェハ、およびブリッジ・チップを形成するために基板の他方の側に開口されているビアを図説する断面図である。
【
図5】本発明の実施形態による、ひっくり返されているブリッジ・チップ、およびビアの開口部をマーキングし基板上に形成されているブロック・マスクを図説する断面図である。
【
図6】本発明の実施形態による、フィクスチャ(fixture)上に存在する金属パッドを有する(第1/第2の)チップ、および第1/第2のチップを覆いそしてまたがって設置されているブリッジ・チップを図説する断面図である。
【
図7】本発明の実施形態にしたがって、金属パッドがビアの直下にどのように設置されるかを図説する拡大図である。
【
図8】本発明の実施形態にしたがって、ブリッジ・チップおよび第1/第2のチップを覆ってフィクスチャ上へと堆積され、埋め込んでいる封止材を図説する断面図である。
【
図9】本発明の実施形態にしたがって、平坦化され、ビアを覆うブロック・マスクから取り除かれている堆積されたままの封止材を図説する断面図である。
【
図10】本発明の実施形態にしたがって、犠牲材料が選択的に除去され、それによりビアを再び開口することを図説する断面図である。
【
図11】本発明の実施形態にしたがって、金属パッドに至るまで第1/第2のキャッピング層および配線層を貫通してビアを延伸するように実行されているエッチ(etch)を図説する断面図である。
【
図12】本発明の実施形態にしたがって、第1/第2のチップの金属パッド、ならびにメタル・ラインの上面および側壁(すなわち、肩)と直に接触する導電性スルー・ビアを形成するためにある金属または複数の金属の組み合わせで埋められているビアを図説する断面図である。
【
図13A】本発明の実施形態にしたがって導電性スルー・ビアが互いに隣接して整列されるメタル・ラインに対する導電性スルー・ビアの例示的な配置を図説するトップ・ダウン図である。
【
図13B】本発明の実施形態にしたがって導電性スルー・ビアが相互にオフセットされるメタル・ラインに対する導電性スルー・ビアの、代替実施形態による、配置を図説するトップ・ダウン図である。
【
図14】本発明の実施形態にしたがって第1/第2のチップを覆う封止材にパターニングされているスルー・モールド・ビアを図説する断面図である。
【
図15】本発明の実施形態による、ブリッジ・チップの両側に第1/第2のチップと直に接触する導電性モールド・ビアを形成するために金属で埋められているスルー・モールド・ビアと、ひっくり返されているアセンブリと、導電性スルー・ビア/導電性モールド・ビアとラミネート・パッケージとの間に形成されているはんだボンド部と、フィクスチャが除去されていることとを図説する断面図である。
【
図16】本発明の実施形態による最終アセンブリを図説するトップ・ダウン図である。
【
図17】本発明の実施形態にしたがってブロック・マスクを覆うブリッジ・チップに取り付けられており金属パッドとは反対の導電性スルー・ビアの端部に直に接触している(第3の)チップを、もう1つの代替実施形態にしたがって図説する
図12から続く断面図である。
【
図18】本発明の実施形態にしたがって第1/第2のチップを覆う封止材にパターニングされているスルー・モールド・ビアを図説する断面図である。
【
図19】本発明の実施形態による、第1/第2のチップをブリッジ・チップ/第3のチップの両側と直に接触する導電性モールド・ビアを形成するために金属で埋められているスルー・モールド・ビアと、ひっくり返されているアセンブリと、導電性モールド・ビアとラミネート・パッケージとの間に形成されているはんだボンド部と、フィクスチャが除去されていることとを図説する断面図である。
【
図20】本発明の実施形態による最終アセンブリを図説するトップ・ダウン図である。
【
図21】さらにもう1つの代替の実施形態にしたがって、本発明の実施形態による第1/第2のチップの金属パッド、ならびにメタル・ラインの側壁だけに直に接触する(すなわち、スキム・バイ(skim-by)接続)導電性スルー・ビアを図説する断面図である。
【
図22】さらにまたもう1つの代替実施形態にしたがって、本発明の実施形態による様々な高さのチップを収容するためのリセスを含み、採用されてきている修正したフィクスチャを図説する断面図である。
【
図23】本発明の実施形態にしたがって、様々な高さのチップと接触して形成されている導電性スルー・ビアを図説する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上に述べたように、従来のチップ集積技術は、チップ同士の間のはんだまたは銅(Cu)-to-Cuインターフェース接続部を一般に採用する。しかしながら、これらの手法の各々に関係する顕著な欠点がある。例えば、はんだ接続部は、基本的に悪い寄生性、厳しいピッチ制限があり、熱ストレスのために故障することがある。適正なCu-to-Cuボンディングは、酸化物のないCu-to-Cuインターフェースを必要とし、したがって減圧雰囲気中でボンディングを実行するという制約を追加する。
【0013】
本明細書において提供するものは、形成されたスルー・ビアを有するブリッジ・チップを使用して複数のチップを相互接続するための技術である。有利なことに、ブリッジ・チップ内にスルー・ビアを設置することは、チップ同士の間のはんだまたはCu-to-Cuインターフェース接続部などの外部接続部に対する必要性を削除する。スケーラビリティに関して、よりタイトなピッチが、はんだ接続部またはそれどころかCu-to-Cuインターフェース接続部と比較して本技術を用いて実現され得る。また、本ブリッジ・チップ・デザインによりサポートされるスルー・ビア伝送は、非常に大きな帯域幅でのチップ同士の間のバック・エンド・オブ・ライン(BEOL)タイプの高品質接続性を提供する。
【0014】
スルー・ビアを有する本ブリッジ・チップを形成するための例示的な方法が、
図1~
図5への参照を通してここで説明される。
図1に示したように、ブリッジ・チップを形成するためのプロセスは、基板102への少なくとも2つのビア104のパターニングで始まる。例示的な実施形態によれば、基板102は、バルク・シリコン(Si)、バルク・ゲルマニウム(Ge)、バルク・シリコン・ゲルマニウム(SiGe)またはバルクIII-V族半導体ウェハあるいはその組み合わせなどのバルク半導体ウェハである。あるいは、基板102は、セミコンダクタ・オン・インシュレータ(SOI)ウェハであってもよい。SOIウェハは、下にある基板から埋め込み絶縁体により分離されたSOI層を含む。埋め込み絶縁体が酸化物であるときに、本明細書では埋め込み酸化物またはBOXとも呼ばれる。SOI層は、Si、Ge、SiGeまたはIII-V族半導体あるいはその組み合わせなどのいずれかの好適な半導体材料を含むことができる。さらに、基板102は、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、レジスタ、インターコネクト、配線、等などの予め造られた構造体(図示せず)を既に有することがある。
【0015】
標準リソグラフィおよびエッチング技術が、基板102にビア104をパターニングするために採用されてもよい。標準リソグラフィおよびエッチング技術を用いて、リソグラフィ積層体(図示せず)、例えば、フォトレジスト/反射防止コーティング(ARC)/有機平坦化層(OPL)、が、パターニングしようとするフィーチャ(このケースではビア104)のフットプリントおよび場所を有するハードマスク(図示せず)をパターニングするために使用される。あるいは、ハードマスクは、限定されないが、側壁イメージ転写(SIT)、自己整合ダブル・パターニング(SADP)、自己整合クァドルプル・パターニング(SAQP)、および他の自己整合多重パターニング(SAMP)を含め、他の好適な技術により形成されてもよい。エッチが次いで、ハードマスクから下にある基板102へパターンを転写するために使用されて、ビア104を形成する。反応性イオン・エッチング(RIE)などの指向性(異方性)エッチング・プロセスが、ビア・エッチのために採用されてもよい。好適なハードマスク材料は、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)および/もしくはシリコン炭窒化物(SiCN)などの窒化物ハードマスク材料、またはSiOxなどの酸化物ハードマスク材料あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0016】
図1に示したように、パターニングされたままのビア104は、基板102の途中までしか延伸しない。プロセスの後になって、ビア104は、基板102の他方の側で開口されて、スルー・ビア(すなわち、一方の側から他方まで基板102を貫通して延伸するビア)を形成するだろう。例示的な実施形態によれば、ビア104の各々は、約1マイクロメートル(μm)から約10μmまでおよびこの間の範囲の直径、ならびに約5から約10までおよびこの間の範囲のアスペクト比(高さ対直径)を有する。図における2つのビア104の描写は、本技術を図説するために使用される例に過ぎないことが注目に値する。実施形態は、示したものよりも数多くの(または数少ない)ビア104が基板102に形成される場合を本明細書では想定している。ビア104のパターニングに続いて、約0.1マイクロメートル(μm)から約1μmまでおよびこの間の範囲の公称厚さの酸化物ライナ(図示せず)が、ビア104から電気的に基板102を絶縁するために、減圧化学気相堆積(SACVD)、プラズマ化学気相堆積(PECVD)/化学気相堆積(CVD)または原子層堆積(ALD)プロセスを使用してビア104の中へと堆積されそしてライニングされてもよい。この酸化物ライナは、その品質ならびにウェットおよびドライ・エッチングに対する耐性を向上させるために(例えば、スチーム・アニールまたは良い品質の酸化物にとって好ましい何らかの他の環境を使用して約800度摂氏(℃)から約1100℃までおよびこの間の範囲の温度で)アニールされてもよい。
【0017】
ビア104は、次いで犠牲材料202で埋められる。
図2参照。本明細書において使用されるように「犠牲」という用語は、製造プロセス中に全部がまたは一部が除去される構造体を呼ぶ。好適な犠牲材料は、シリコン酸化物(SiOx)またはシリコン窒化物(SiN)あるいはその両方などの誘電体材料を含むが、これらに限定されず、これらの誘電体材料は、CVD、ALD、物理気相堆積(PVD)などのプロセスまたはスピン・コーティングもしくはスプレイ・キャスティングなどのキャスティング・プロセスを使用して堆積されてもよい。堆積に続いて、任意選択の品質安定アニールが実行されてもよい。犠牲材料202は次いで、化学機械研磨(CMP)などのプロセスを使用して基板102の表面に至るまでポリッシングされる。点線は、ビア104(ここでは犠牲材料202で埋められる)の輪郭を描写するためにここでは使用される。
【0018】
キャッピング層302が次いで、ビア104/犠牲材料202を覆って基板102上に形成される。
図3参照。キャッピング層302用の好適な材料は、SiN、シリコン酸窒化物(SiON)、またはシリコン酸炭窒化物(SiOCN)あるいはその組み合わせなどの窒化物材料を含むが、これらに限定されず、これらの窒化物材料は、CVD、ALDまたはPVDなどのプロセスを使用して堆積されてもよい。例示的な実施形態によれば、キャッピング層302は、約2ナノメートル(nm)から約500nmまでおよびこの間の範囲の厚さを有する。
【0019】
バック・エンド・オブ・ライン(BEOL)配線層304が次いで、キャッピング層302上に形成される。例示的な実施形態によれば、配線層304は、キャッピング層302上へと層間誘電体(ILD)306を最初に堆積することによって形成される。好適なILD306材料は、SiOxおよび/もしくは有機ケイ酸塩ガラス(SiCOH)などの酸化物材料、または、例えば、2.7未満の誘電率κを有する超low-κ層間誘電体(ULK-ILD)材料、あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。好適な超low-κ誘電体材料は、多孔質有機ケイ酸塩ガラス(pSiCOH)を含むが、これに限定されない。CVD、ALD、またはPVDなどのプロセスが、ILD306を堆積するために使用されてもよい。堆積に続いて、ILD306は、CMPなどのプロセスを使用してポリッシュされてもよい。
【0020】
標準リソグラフィおよびエッチング技術(上記参照)が次いで、ILD306にビアまたはトレンチあるいはその両方などのフィーチャをパターニングするために採用され、これらのフィーチャは次いで、金属(または複数の金属の組み合わせ)で埋められて、ILD306内にメタル・ライン308を形成する。好適な金属は、銅(Cu)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)または白金(Pt)あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されず、これらの金属は、蒸着、スパッタリング、または電気化学メッキなどのプロセスを使用してフィーチャへと堆積されてもよい。堆積に続いて、金属オーバーバードンが、CMPなどのプロセスを使用して除去されてもよい。フィーチャへと金属を堆積することの前に、コンフォーマル・バリア層(図示せず)がフィーチャへと堆積されそしてライニングされてもよい。このようなバリア層の使用は、周囲の誘電体への金属の拡散を防止するために役立つ。好適なバリア層材料は、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、または窒化チタン(TiN)あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。加えて、シード層(図示せず)が、金属堆積に先立ってフィーチャへと堆積されそしてライニングされてもよい。シード層は、フィーチャへの金属のメッキを容易にする。
【0021】
次に、キャッピング層310が、メタル・ライン308を覆って配線層304上に形成される。明確にするために、「第1の」および「第2の」という用語はまた、本明細書ではそれぞれ、キャッピング層302およびキャッピング層310に言及するときにも使用されてもよい。キャッピング層310用の好適な材料は、SiN、SiONまたはSiOCNあるいはその組み合わせなどの窒化物材料を含むが、これらに限定されず、これらの窒化物材料はCVD、ALDまたはPVDなどのプロセスを使用して堆積されてもよい。例示的な実施形態によれば、キャッピング層310は、約2nmから約500nmまでおよびこの間の範囲の厚さを有する。
【0022】
上に与えられたように、パターニングされたままのビア104は、基板102の一部だけに延伸する。しかしながら、ハンドル・ウェハ402が次に、配線層304とは反対のキャッピング層310の側に取り付けられ、ビア104は、基板102の他方の側に開口されてスルー・ビアを形成する。
図4参照。単に例として、ハンドル・ウェハ402は、接着剤、誘電体ボンディングまたはこの分野で知られているいずれかの他の標準的なウェハ・ボンディング技術あるいはその組み合わせを使用してキャッピング層310に取り付けられてもよい。例示的な実施形態によれば、一時的な接着剤がハンドル・ウェハ402をキャッピング層310に取り付けるために使用される。そのように、ハンドル・ウェハは、ブリッジ・チップ構造体の完成の後に容易に取り除かれ得る(下記参照)。単に例として、好適な一時的な接着剤は、ミズーリ州、ローラ市のブリューワーサイエンス社(Brewer Science, Inc.)からおよびミネソタ州、セント・ポール市の3M社から市販されている。任意選択で、使用した接着剤は、紫外線(UV)テープなどの光剥離性接着剤である。好適な光剥離性接着剤は、例えば、日本、東京の古河電気工業株式会社から市販されている。
【0023】
構造体をしっかりと固定するためにハンドル・ウェハ402が所定の場所にある状態で、基板102の裏側シンニング(backside thinning)が、実行されて、基板102の裏側(すなわち、ハンドル・ウェハ402とは反対の基板102の側)のところにビア104/犠牲材料202を露出させる。CMPまたはグラインディングなどのプロセスが、基板102を薄くするために使用されてもよい。
【0024】
ブリッジ・チップ501(すなわち、(スルー)ビア104/キャッピング層302/配線層304/キャッピング層310を有する基板102)がここで形成される。ブリッジ・チップ501がハンドル・ウェハ402に依然としてマウントされている間に、ブリッジ・チップが次いでひっくり返され、そしてブロック・マスク502が基板102上に形成されて、(スルー)ビア104の開口部をマーキングする。
図5参照。「ひっくり返す」によって、ブリッジ・チップ構造体の底部の構成部品が、今では最上部にあり、逆もまた同様であることを意味する。
【0025】
下記に詳細に説明されるように、ブリッジ・チップが、少なくとも2つのチップを相互接続するために使用されるだろう。そのプロセス中に、犠牲材料202が除去されるだろう、そして金属で置き換えられて、ブリッジ・チップ内に導電性スルー・ビアを形成する。ブロック・マスク502は、犠牲材料202の選択的除去および(スルー・)ビア104の中への金属の堆積を容易にするだろう。ブロック・マスク502用の好適な材料は、SiN、SiONまたはSiCNあるいはその組み合わせなどの窒化物材料を含むが、これらに限定されず、これらの窒化物材料はCVD、ALDまたはPVDなどのプロセスを使用して堆積されてもよい。例示的な実施形態によれば、ブロック・マスク502は、約2nmから約500nmまでおよびこの間の範囲の厚さを有する。標準リソグラフィおよびエッチング技術(上記参照)が、ブロック・マスク502をパターニングするために採用されてもよい。ブロック・マスク502の堆積およびパターニングに続いて、ブリッジ・チップは、ハンドル・ウェハ402から剥離されてもよい。
【0026】
本例が所与のブリッジ・チップの形成に焦点を当てているが、上に説明したプロセスが、共通基板上の複数のブリッジ・チップの製造において説明した同じ方式で実施されてもよいことが当業者には明らかであろう。ブロック・マスク502の堆積およびパターニングに続いて、標準ウェハ・ダイシング処置が、使用のためおよび必要な場合に配置のために個別のブリッジ・チップへと基板を分割するためにそのときには採用されてもよい。
【0027】
ブリッジ・チップは、少なくとも2つの別のチップを相互接続するためにそのときには使用される。本ブリッジ・チップ・デザインを使用するチップ集積のための例示的な方法が、
図6~
図16を参照してここで説明される。
図6に示したように、チップ604と606が、フィクスチャ602上に存在し、そしてブリッジ・チップ501が、チップ604と606を覆いそしてまたがって設置される。具体的に、ブリッジ・チップ501は、フィクスチャ602とは反対のチップ604と606との側にボンディングされる。より具体的に、ブリッジ・チップ501のキャッピング層310が、チップ604と606の各々の上面の少なくとも一部分にボンディングされる。単に例として、ブリッジ・チップ501は、接着剤、誘電体ボンディングまたはボンディング層を使用してチップ604と606にボンディングされてもよい。これらのウェハ・ボンディング技術は、当業者に知られおり、したがって本明細書ではさらには説明されない。
【0028】
フィクスチャ602は一般に、チップ604と606が上に配置され得る任意のタイプの基板を表す。例えば、例示的な実施形態によれば、フィクスチャ602は、一旦、チップ604と606がブリッジ・チップに取り付けられてしまうとフィクスチャ602の剥離を可能にする一時的な接着剤(上記参照)を使用してチップ604と606に取り付けられるガラス板またはシリコン・ウェハである。有利なことに、ガラス板またはシリコン・ウェハは、光に透明である。そのケースでは、光剥離性接着剤が、(透明)フィクスチャ602を通して照射されるレーザ放射光、紫外線(UV)放射光、光放射光または赤外線(IR)放射光あるいはその組み合わせを使用して容易に剥離するためにフィクスチャ602にチップ604と606を取り付けるために採用されてもよい。例示的な実施形態によれば、チップ604と606は、ロジック・チップまたはメモリ・チップあるいはその両方である。チップ604と606とが、類似の寸法を有するとこの例では示されるが、実施形態は、フィクスチャが様々な高さのチップを収容するように構成される場合が本明細書では想定される。
【0029】
図6に示したように、チップ604と606は各々、その上面にそれぞれ金属パッド608と610を有する。標準メタライゼーション技術が、チップ604と606に金属パッド608と610を形成するために採用されてもよい。とりわけ、これらの金属パッド608と610との少なくとも一部分が、複数のビア104のうちの1つの直下に設置される。さらに、メタル・ライン308の一部分または「肩」が、金属パッド608/610とそれぞれのビア104との間の経路内に設置される。この概念の図解を助けるために、領域612の拡大図が
図7に提供される。
図7に示したように、金属パッド610が、複数のビア104のうちの1つの直下に設置される。したがって、犠牲材料202が後に除去され、そしてエッチがキャッピング層302/ILD306/キャッピング層310を貫通してビア104を延伸させるために使用されるときに、エッチは、金属パッド610上に十分に到達するだろう。拡大図では見えないが、同じ配置が金属パッド608にあてはまる。さらに、矢印702が、金属パッド610とそれぞれのビア104との間の経路を示すために
図7では使用されている。この構成を用いて、複数のメタル・ライン308のうちの1つの一部分が、金属パッド610とビア104との間の経路内に存在する。この特定のケースでは、メタル・ライン308の上面/底面および側壁(まとめて「肩」と本明細書では呼ぶ)の一部分が、金属パッド610とビア104との間の経路内に存在する。再び、同じ配置が、金属パッド608にあてはまる。このように、ビア104と金属パッド610との間にプロセス中に後に形成される導電性スルー・ビアもまた、メタル・ライン308の「肩」と接触するだろう。他の構成もまた本明細書では想定されることが注目される。例えば、下記に詳細に説明する代替の実施形態では、接触がメタル・ライン308の(「肩」全体というよりはむしろ)側壁にだけ行われる「スキム・バイ(skim-by)」構成が、代わりに採用される。
【0030】
封止材802が次いで、ブリッジ・チップ501/チップ604と606を覆ってフィクスチャ602上へと堆積され、そして上記チップを埋め込む。
図8参照。好適な封止材材料は、シアン酸エステル類を含むが、これに限定されない。堆積されたままの封止材802は次いで、CMPなどのプロセスを使用して平坦化される。
図9参照。ブロック・マスク502は、この平坦化プロセスに関するエッチ・ストップとして働く。
図9に示したように、封止材802が、ビア104の上方のブロック・マスク502から取り除かれる。平坦化後に残っている封止材802の量は、最小であり、ブリッジ・チップ501の左右の封止材802のバルクに、あったとしてもほとんど影響せずに好適なウェットまたはドライ・エッチング・プロセスを使用して容易に除去され得る。
【0031】
上に説明したように、ブロック・マスク502は、露出したビア104の内部に犠牲材料202を残す。犠牲材料202は次いで、選択的に除去されてビア104を再開口する。
図10参照。例示的な実施形態によれば、犠牲材料202は、ウェット化学エッチまたは気相エッチなどの無指向性(すなわち、等方性)エッチング・プロセスを使用して選択的に除去される。
【0032】
エッチが次いで、金属パッド608と610に至るまで、キャッピング層302、ILD306およびキャッピング層310を貫通してビア104を延伸させるために実行される。
図11参照。この特定の例では、メタル・ライン308の「肩」は、ビア104と金属パッド608および610との間の経路内に存在する。メタル・ライン308のこの「肩」の周りにビア104を延伸させることは、「肩」を覆う階段状の側壁を有しそして異なる上部幅と底部幅とを有するビア104をもたらす。すなわち、
図11に示したように、ビア104の一方の側壁(すなわち、「肩」とは反対の側壁)は連続的であり直線的であり、一方で、ビア104の上部部分に沿った(すなわち、メタル・ライン308より上の)対向する側壁は、ビア104の底部部分に沿った(すなわち、メタル・ライン308より下の)側壁に段差により接合される。この構成に基づいて、ビア104の上部部分は、幅W1
VIAを有し、ビア104の底部部分は、幅W2
VIAを有し、ここでは、W1
VIAがW2
VIAよりも大きい、すなわち、W1
VIA>W2
VIAである。ビア延伸エッチに続いて、追加で堆積される酸化物ライナ(図示せず)が、ビア104内に付けられて、ビア延伸エッチ中に露わにされている周囲のBEOL構造体からそれらを絶縁する。SACVD、PECVD/CVDまたはALDなどのプロセスが、約0.1μmから約1μmまでおよびこの間の範囲の厚さにこの追加の酸化物ライナを堆積するために使用されてもよい。
【0033】
ビア104は次いで、ある金属または複数の金属の組み合わせで埋められて、導電性スルー・ビア1202を形成する。
図12参照。しかしながら、金属でビア104を埋めることの前に、コリメーティッド・ドライ・エッチが、ブリッジ・チップ501のBEOL層の金属構造体の最上部ならびにブリッジ・チップ501により接続されるべきチップ604と606の最上部からすべての酸化物を除去するために実行される。例えばアルゴン(Ar)イオンを使用する反応イオン・エッチが使用されてもよい。このエッチは、すべての酸化物がなくそして引き続くメタライゼーション・プロセス中に接続される用意ができた金属構造体の上面を残す。導電性スルー・ビア1202にとって好適な金属は、銅(Cu)、タングステン(W)、ルテニウム(Ru)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、または白金(Pt)あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されず、これらの金属は、蒸着、スパッタリング、または電気化学メッキなどのプロセスを使用してビア104へと堆積されてもよい。堆積に続いて、金属オーバーバードンが、CMPなどのプロセスを使用して除去されてもよい。コリメーティッド・ドライ・エッチが実行された後であるが、ビア104の中へと金属を堆積することの前に、コンフォーマル・バリア層(図示せず)がビア104へと堆積されそしてライニングされてもよい。そのようなバリア層の使用は、周囲の誘電体への金属の拡散を防止するために役立つ。好適なバリア層材料は、ルテニウム(Ru)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、チタン(Ti)、または窒化チタン(TiN)あるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。加えて、シード層(図示せず)が、金属堆積に先立ってビア104へと堆積されそしてライニングされてもよい。シード層は、ビア104の中への金属のメッキを容易にする。
【0034】
図12に示したように、導電性スルー・ビア1202は、チップ604/606内の金属パッド608/610、ならびにメタル・ライン308の上面および側壁(本明細書では「肩」とも呼ばれる)に直に接触する。この構成の結果として、導電性スルー・ビア1202は、「肩」を覆う階段状の側壁ならびに異なる上部幅および底部幅を有する。すなわち、導電性スルー・ビア1202の一方の側壁(すなわち、「肩」とは反対の側壁)は、連続的で真っ直ぐであり、一方で、導電性スルー・ビア1202の上部部分(すなわち、メタル・ライン308より上)に沿った対向する側壁は、導電性スルー・ビア1202の底部部分(すなわち、メタル・ライン308より下)に沿った側壁に段差により接合される。この構成に基づいて、導電性スルー・ビア1202の上部部分は、幅W1
CONDUCTIVE VIAを有し、導電性スルー・ビア1202の底部部分は、幅W2
CONDUCTIVE VIAを有し、ここでは、W1
CONDUCTIVE VIAがW2
CONDUCTIVE VIAよりも大きい、すなわち、W1
CONDUCTIVE VIA>W2
CONDUCTIVE VIAである。
【0035】
さらに
図12に示したように、導電性スルー・ビア1202の各々は、ブリッジ・チップ501をチップ604と606とのうちの一方に接続する。例えば、
図12の左に示した導電性スルー・ビア1202は、メタル・ライン308および金属パッド608の両方に接触し、これによりブリッジ・チップ501をチップ604に接続する。同様に、
図12の右に示した導電性スルー・ビア1202は、メタル・ライン308および金属パッド610の両方に接触し、これによりブリッジ・チップ501をチップ606に接続する。本例が1対の導電性スルー・ビア1202を採用するとは言え、これは単に例示的で非限定的な例に過ぎず、示したものよりもより数多くの(またはより数少ない)導電性スルー・ビア1202が採用されてもよいことが理解されるべきであることが注目される。例えば、実施形態は、本明細書では、ブリッジ・チップ501が単一の導電性スルー・ビア1202だけを採用する場合が想定される。
【0036】
図13Aは、メタル・ライン308に対する導電性スルー・ビア1202の例示的な配置の(例えば、視点Aからの-
図12参照)トップ・ダウン図である。例えば、
図12(および先行する図)は、線A-A’に沿ってトップ・ダウン図を切り通した断面を図示する。描写の容易さおよび明確さのために、メタル・ライン308を覆って存在する層は、トップ・ダウン図から省略されている。示されたメタル・ライン308の正確なルーティングは任意であることが注目される。重要なのは、導電性スルー・ビア1202がメタル・ライン308へ、それぞれチップ604と606の金属パッド608と610を相互接続するように働くことである。導電性スルー・ビア1202の配置もまた変えられてもよいことがさらに注目される。例えば、(
図13Aのように)互いに隣接して整列させるよりはむしろ、導電性スルー・ビア1202は、代わりに互いにオフセットされてもよく、メタル・ライン308の配置がそれに応じて調節される。例えば、(やはりトップ・ダウン図である)
図13Bに図解して示された代替の実施形態を参照のこと。
【0037】
任意選択で、標準リソグラフィおよびエッチング技術(上記参照)が次いで、チップ604と606を覆う封止材802にスルー・モールド・ビア1402をパターニングするために使用される。
図14参照。
図14に示したように、スルー・モールド・ビア1402は、ブリッジ・チップ501の右および左に設置され、チップ604と606に至るまで封止材802を貫通して延伸する。下記に詳細に説明されるように、スルー・モールド・ビア1402は、チップ604/606とラミネート・パッケージとの間の接続部を形成するために使用されるだろう。
【0038】
スルー・モールド・ビア1402は次いで、金属で埋められて、ブリッジ・チップ501の両側にチップ604/606を直に接触させる導電性モールド・ビア1502を形成する。
図15参照。好適な金属は、Cu、W、Ru、Co、NiまたはPtあるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されず、これらの金属は、蒸着、スパッタリング、または電気化学メッキなどのプロセスを使用してスルー・モールド・ビア1402の中へと堆積されてもよい。堆積に続いて、金属オーバーバードンが、CMPなどのプロセスを使用して除去されてもよい。スルー・モールド・ビア1402の中へと金属を堆積することの前に、コンフォーマル・バリア層(図示せず)がスルー・モールド・ビア1402の中へと堆積されそしてライニングされてもよい。上に提供されたように、このようなバリア層の使用は、周囲の誘電体への金属の拡散を防止するために役立つ。好適なバリア層材料は、Ru、Ta、TaN、Ti、またはTiNあるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。加えて、シード層(図示せず)が、金属堆積に先立ってスルー・モールド・ビア1402の中へと堆積されそしてライニングされてもよい。シード層は、スルー・モールド・ビア1402への金属のメッキを容易にする。
【0039】
図15に示したように、導電性モールド・ビア1502が次いで、ラミネート・パッケージ1506にブリッジ・チップ501/チップ604/606アセンブリをマウントするために使用されてもよい。すなわち、ブリッジ・チップ501/チップ604/606アセンブリは、チップ604/606が最上部でありそしてブリッジ・チップ501が底部であるようにひっくり返されてもよい。はんだボンド部1504が次いで、導電性スルー・ビア1202/導電性モールド・ビア1502とラミネート・パッケージ1506との間に形成される。例示的な実施形態によれば、はんだボンド部は、スズ(Sn)、銀(Ag)、Cu、またはスズ・銀(SnAg)はんだおよび/もしくはスズ・銀・銅(SnAgCu)はんだなどのこれらの合金あるいはその組み合わせを含む。
【0040】
フィクスチャ602が次いで除去されてもよい。例えば、上に述べたように、フィクスチャは、光剥離性接着剤などの一時的な接着剤を使用してチップ604と606に取り付けられてもよい。そのケースでは、光に透明であるフィクスチャ602が採用されてもよく、その光は、(透明)フィクスチャ602を通して照射されるレーザ放射光、紫外線(UV)放射光、光放射光または赤外線(IR)放射光あるいはその組み合わせを使用してチップ604と606からのフィクスチャ602の剥離を可能にするだろう。
図16は、最終アセンブリの(例えば、視点Bからの-
図15参照)トップ・ダウン図である。描写の容易さおよび明確さのために、封止材802が、トップ・ダウン図から省略されている。
【0041】
実施形態はまた、本明細書では少なくとも1つの追加の(例えば、ロジックまたはメモリあるいはその両方の)チップ1702がアセンブリへと集積される場合も想定される。
図17参照。明確にするために、「第1の」、「第2の」および「第3の」という用語はまた、それぞれ、チップ604、606および1702を呼ぶときに、本明細書では使用されることがある。この例示的な実施形態では、インテグレーション・プロセス・フローは、上記の
図1~
図5の記載とともに説明したように製造されたブリッジ・チップ501と上記と同じ方式で進み、ブリッジ・チップは次いで、(フィクスチャ602にマウントされた)チップ604と606ならびに、上記の
図6~
図12の記載とともに説明したようにチップ604と606およびメタル・ライン308の少なくとも側壁に直に接触して形成される導電性スルー・ビア1202を覆って/またいで設置される。したがって、
図17に描かれたものは、
図12に示されたアセンブリから続く。類似の構造体は、図では同様に番号を付けられる。ここでは、しかしながら、チップ1702は次に、ブロック・マスク502を覆ってブリッジ・チップ501に取り付けられ、金属パッド608/610とは反対の導電性スルー・ビア1202の端部に直に接触する。
図17参照。単に例として、チップ1702は、接着剤、誘電体ボンディングまたはこの分野で知られているいずれかの他の標準的なウェハ・ボンディング技術あるいはその組み合わせを使用してブリッジ・チップ501に取り付けられてもよい。
【0042】
上に説明したような同じ方式で、標準リソグラフィおよびエッチング技術が次いで、チップ604と606とを覆う封止材802にスルー・モールド・ビア1802をパターニングするために使用される。
図18参照。
図18に示したように、チップ1702は、ブリッジ・チップ501を直に覆い、スルー・モールド・ビア1802が、ブリッジ・チップ501/チップ1702の右および左に設置される。スルー・モールド・ビア1802は、チップ604と606とに至るまで封止材802を貫通して延伸する。下記に詳細に説明されるように、スルー・モールド・ビア1402が、チップ604/606とラミネート・パッケージとの間の接続部を形成するために使用されるだろう。
【0043】
スルー・モールド・ビア1802は次いで、金属で埋められて、ブリッジ・チップ501/チップ1702の両側にチップ604/606と直に接触する導電性モールド・ビア1902を形成する。
図19参照。好適な金属は、Cu、W、Ru、Co、NiまたはPtあるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されず、これらの金属は、蒸着、スパッタリング、または電気化学メッキなどのプロセスを使用してスルー・モールド・ビア1802の中へと堆積されてもよい。堆積に続いて、金属オーバーバードンが、CMPなどのプロセスを使用して除去されてもよい。スルー・モールド・ビア1802の中へと金属を堆積することの前に、コンフォーマル・バリア層(図示せず)がスルー・モールド・ビア1902の中へと堆積されそしてライニングされてもよい。上に提供されたように、このようなバリア層の使用は、周囲の誘電体への金属の拡散を防止するために役立つ。好適なバリア層材料は、Ru、Ta、TaN、Ti、またはTiNあるいはその組み合わせを含むが、これらに限定されない。加えて、シード層(図示せず)が、金属堆積に先立ってスルー・モールド・ビア1802の中へと堆積されそしてライニングされてもよい。シード層は、スルー・モールド・ビア1802の中への金属のメッキを容易にする。
【0044】
図19に示したように、導電性モールド・ビア1902は次いで、ラミネート・パッケージ1906にブリッジ・チップ501/チップ604/606/1702アセンブリをマウントするために使用されてもよい。すなわち、ブリッジ・チップ501/チップ604/606/1702アセンブリは、チップ604/606が最上部でありそしてブリッジ・チップ501/1702が底部であるようにひっくり返されてもよい。はんだボンド部1904が次いで、導電性モールド・ビア1902とラミネート・パッケージ1906との間に形成される。例示的な実施形態によれば、はんだボンド部は、Sn、Ag、Cu、またはSnAgはんだおよび/もしくはSnAgCuはんだなどのこれらの合金あるいはその組み合わせを含む。
【0045】
フィクスチャ602は次いで除去され得る。例えば、上に説明したように、フィクスチャ602は、光剥離性接着剤などの一時的な接着剤を使用してチップ604と606に取り付けられてもよい。そのケースでは、光に透明であるフィクスチャ602が採用されてもよく、その光は、(透明)フィクスチャ602を通して照射されるレーザ放射光、UV放射光、光放射光またはIR放射光あるいはその組み合わせを使用してチップ604と606からのフィクスチャ602の剥離を可能にするだろう。
図20は、最終アセンブリの(例えば、視点Cからの-
図19参照)トップ・ダウン図である。描写の容易さおよび明確さのために、封止材802が、トップ・ダウン図から省略されている。破線は、チップ1702の場所を描くために使用される。
【0046】
上の例では、導電性スルー・ビア1202は、メタル・ライン308の「肩」(すなわち、上面および側壁)と接触する。しかしながら、適正な接続は、導電性スルー・ビア1202がメタル・ライン308の少なくとも側壁と接触する限り行われ得る。例えば、代替の実施形態によれば、メタル・ラインは、導電性スルー・ビアがメタル・ラインの側壁だけに接触するように設置される。
図21参照。この構成はまた、導電性スルー・ビアがメタル・ラインの側壁表面のすれすれを通るので、「スキム・バイ」接続とも本明細書では呼ばれる。明確化のために、この代替の実施形態でのメタル・ラインおよび導電性スルー・ビアは、参照番号308’および1202’を与えられる。上に記したように、類似の構造体は、図では同様の番号を付けられる。このケースでは、上に説明したような選択的酸化物ライナ堆積プロセスが、ブリッジ・チップ501内のメタル・ライン308’と導電性スルー・ビア1202’との間の電気的接続を可能にするようにブリッジ・チップ501のBEOL層に追加の酸化物材料(図示せず)を付けるために使用される。
【0047】
図21に示したように、導電性スルー・ビア1202’は、チップ604/606内の金属パッド608/610に直に接触する。しかしながら、メタル・ライン308’は、導電性スルー・ビア1202’がメタル・ライン308’の側壁だけと接触するように設置される。有利には、「スキム・バイ」接続を用いて、導電性スルー・ビア1202’の幅は、メタル・ライン308’より下では減少されない。すなわち、
図21に示したように、導電性スルー・ビア1202’は、一様な幅W’
CONDUCTIVE VIAおよび真っ直ぐで垂直な側壁を有する。比較すると、先の例では(例えば、
図12参照)、ビア104と金属パッド608/610との間の経路内のメタル・ライン308の「肩」の存在は、メタル・ライン308より下の導電性スルー・ビア1202の幅(すなわち、W2
CONDUCTIVE VIA)の減少を引き起こした、そして側壁に沿った段差を生成する。メタル・ライン308’との導電性スルー・ビア1202’の接触面積が「スキム・バイ」接続では減少する一方で、導電性スルー・ビア1202’の一様な幅は、相互接続部の総合的な抵抗を減少させる。
【0048】
先の例では、チップ604と606とは、類似の寸法を有するように示されている。しかしながら、実施形態は、本アセンブリが多様な高さなどの異なる寸法のチップを収容するように構成されることが本明細書では想定される。
図22参照。上に記したように、類似の構造体は、図では同様に番号を付けられる。
図22に示したように、チップ604’は第1の高さH1を有し、チップ606’は第2の高さH2を有し、ここではH2がH1よりも大きい、すなわち、H2>H1である。チップ604’と606’との間のこの高さの違いに関して対応するために、高い方のチップ606’が位置するリセス2202(点線で示される)を含む修正したフィクスチャ602’が採用され、これによりブリッジ・チップ501が取り付けられるチップ604’と606’との表面を一定の高さにする。プロセスの残りは、その時には上に記載したものと同じである。完全にするために、導電性スルー・ビア1202の形成に続く多様な高さのチップ604’と606’とを有するアセンブリの描写が、
図23に示される。
【0049】
本発明の例示の実施形態が本明細書では説明されてきているとはいえ、発明がこれらの精細な実施形態に限定されないことおよび様々な他の変更および修正が発明の範囲から乖離せずに当業者により行われてもよいことを理解されたい。
【国際調査報告】