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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】回転軸機構および電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   F16C 11/04 20060101AFI20241031BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241031BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241031BHJP
   F16C 11/10 20060101ALI20241031BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20241031BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241031BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F16C11/04 F
G09F9/00 302
G09F9/00 350Z
G09F9/30 308Z
F16C11/10 C
H04M1/02 C
H05K5/02 M
G06F1/16 312F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024524465
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-23
(86)【国際出願番号】 CN2022127007
(87)【国際公開番号】W WO2023071978
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】202111269091.5
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲ジャン▼ ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄒▼ ▲亜▼科
(72)【発明者】
【氏名】花 蕾蕾
【テーマコード(参考)】
3J105
4E360
5C094
5G435
5K023
【Fターム(参考)】
3J105AA03
3J105AA12
3J105AB02
3J105AB14
3J105AB24
3J105AC07
3J105BC02
3J105DA13
4E360AA02
4E360BB20
4E360BB22
4E360BC06
4E360GA11
4E360GB45
5C094AA36
5C094DA06
5C094HA08
5G435AA07
5G435EE02
5G435EE13
5G435EE16
5G435KK02
5G435LL07
5G435LL08
5K023AA07
5K023DD08
5K023HH05
5K023MM25
(57)【要約】
本出願は、回転軸機構と、電子デバイスと、を提供する。回転軸機構(1)は主軸モジュール(101)を備え、主軸モジュール(101)は、基部(1013)、第1の支持板(1011)、第2の支持板(1012)、第1のギヤ連動部(1014)、第2のギヤ連動部(1015)、弾性機械部品(1022)、および結合カム(1021)を含む。第1の支持板(1011)および第2の支持板(1012)は、基部(1013)に回転可能に結合される。第1のギヤ連動部(1014)および第2のギヤ連動部(1015)は、基部(1013)の端部に回転可能に結合され、かつ第1のギヤ連動部(1014)と第2のギヤ連動部(1015)とは、互いに係合するギヤを使用して、伝動によって結合される。また、第1のギヤ連動部(1014)における第2のギヤ連動部(1015)から離れた一端は、第1の支持板(1011)に摺動可能に結合される。第2のギヤ連動部(1015)における第1のギヤ連動部(1014)から離れた一端は、第2の支持板(1012)に摺動可能に結合される。第1のギヤ連動部(1014)および第2のギヤ連動部(1015)に、カム構造が個別に設けられてもよく、弾性機械部品(1022)は、2つのギヤ連動部のカム構造を結合カム(1021)に押圧することができる。本出願の解決策によれば、第1の支持板と第2の支持板とは同期して回転でき、その結果、フレキシブルディスプレイに対する損傷のリスクが低減され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸機構であって、主軸モジュールを備え、前記主軸モジュールは、基部、第1の支持板、第2の支持板、第1のギヤ連動部、第2のギヤ連動部、弾性機械部品、および結合カムを含み、
前記第1の支持板および前記第2の支持板は前記基部の両側に配置され、前記第1の支持板および前記第2の支持板は、前記基部に回転可能に結合され、前記第1の支持板に第1のトラック溝が設けられ、前記第2の支持板に第2のトラック溝が設けられ、
前記第1のギヤ連動部および前記第2のギヤ連動部は、前記基部の端部に回転可能に結合され、前記第1のギヤ連動部における前記第2のギヤ連動部に面する一端に、同軸に配置された第1のギヤおよび第1のカム構造が設けられ、前記第1のギヤ連動部における前記第2のギヤ連動部から離れた一端に、第1のガイド部品が設けられ、前記第2のギヤ連動部における前記第1のギヤ連動部に面する一端に、同軸に配置された第2のギヤおよび第2のカム構造が設けられ、前記第2のギヤ連動部における前記第1のギヤ連動部から離れた一端に、第2のガイド部品が設けられ、
前記第1のギヤと前記第2のギヤとは伝動によって結合され、前記第1のガイド部品は、前記第1のトラック溝に挿入され、前記第1のトラック溝に沿って摺動可能であり、前記第2のガイド部品は、前記第2のトラック溝に挿入され、前記第2のトラック溝に沿って摺動可能であり、
前記結合カムに、第3のカム構造および第4のカム構造が設けられ、前記第3のカム構造は前記第1のカム構造に対向して配置され、前記第4のカム構造は前記第2のカム構造に対向して配置され、
前記弾性機械部品は、前記第1のカム構造および前記第2のカム構造における前記結合カムから離れた側に配置され、かつ前記弾性機械部品は、前記第1のカム構造および前記第2のカム構造を前記結合カムに押圧する、
回転軸機構。
【請求項2】
前記主軸モジュールは、第1のギヤ軸および第2のギヤ軸をさらに含み、前記第1のギヤ軸は、前記第1のギヤ、前記第1のカム構造、および前記第3のカム構造を通り、前記第1のギヤ連動部は、前記第1のギヤ軸に回転可能に結合され、前記第2のギヤ軸は、前記第2のギヤ、前記第2のカム構造、および前記第4のカム構造を通り、前記第2のギヤ連動部は、前記第2のギヤ軸に回転可能に結合される、請求項1に記載の回転軸機構。
【請求項3】
前記主軸モジュールが結合留め具をさらに含み、前記第1のギヤ軸における前記第1のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で前記結合留め具に結合され、前記第2のギヤ軸における前記第2のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で前記結合留め具に結合され、
前記弾性機械部品が、前記結合留め具と前記第1のギヤおよび前記第2のギヤとの間に配置され、前記弾性機械部品が、前記結合留め具、前記第1のギヤ、および前記第2のギヤに個別に弾性的に当接する、請求項2に記載の回転軸機構。
【請求項4】
複数の弾性機械部品があり、少なくとも1つの弾性機械部品が前記第1のギヤ軸上でスリーブとされ、少なくとも1つの弾性機械部品が前記第2のギヤ軸上でスリーブとされる、請求項3に記載の回転軸機構。
【請求項5】
前記基部に、収容溝がさらに設けられ、前記結合留め具、前記弾性機械部品、前記第1のギヤ軸、および前記第2のギヤ軸が、前記収容溝内に収容され、前記結合留め具が、前記収容溝の溝壁に当接する、請求項3または4に記載の回転軸機構。
【請求項6】
前記基部に、第1の摺動溝および第2の摺動溝が設けられ、前記第1の支持板における前記基部に面する側に第1の摺動アームが設けられ、前記第2の支持板における前記基部に面する側に第2の摺動アームが設けられ、
前記第1の摺動アームは前記第1の摺動溝内に収容され、前記第1の摺動アームは、前記第2の支持板に近づくかまたは離れる方向へ、前記第1の摺動溝に沿って摺動可能であり、前記第2の摺動アームは前記第2の摺動溝内に収容され、前記第2の摺動アームは、前記第1の支持板に近づくかまたは離れる方向へ、前記第2の摺動溝に沿って摺動可能である、請求項1から5のいずれか一項に記載の回転軸機構。
【請求項7】
前記第1の摺動溝および前記第2の摺動溝が、前記第1の支持板から前記第2の支持板までの方向へ互い違いに配置される、請求項6に記載の回転軸機構。
【請求項8】
前記主軸モジュールが従動ギヤをさらに含み、偶数の従動ギヤがあり、前記従動ギヤは、前記第1のギヤと前記第2のギヤとの間に配置され、前記第1のギヤと前記第2のギヤとは、前記従動ギヤを使用して伝動によって結合される、請求項1から7のいずれか一項に記載の回転軸機構。
【請求項9】
前記主軸モジュールが、中間ギヤ軸をさらに含み、前記従動ギヤが、前記中間ギヤ軸上でスリーブとされ、前記従動ギヤは、前記中間ギヤ軸に回転可能に結合される、請求項8に記載の回転軸機構。
【請求項10】
前記基部が、ギヤボックスをさらに設けられ、前記従動ギヤが前記ギヤボックス内に取り付けられる、請求項8または9に記載の回転軸機構。
【請求項11】
前記基部に、第1の取付孔および第2の取付孔が設けられ、前記第1の取付孔および前記第2の取付孔の開口方向が、前記回転軸機構の延長方向と同じであり、前記第1のギヤは前記第1の取付孔内に取り付けられ、前記第2のギヤは前記第2の取付孔内に取り付けられ、前記第1の取付孔および前記第2の取付孔は、前記ギヤボックスと連通している、請求項10に記載の回転軸機構。
【請求項12】
前記回転軸機構が複数の主軸モジュールを備え、前記複数の主軸モジュールが間隔をおいて配置され、
前記回転軸機構がカバー板をさらに備え、前記カバー板が、2つの隣接する主軸モジュール同士の間に配置され、前記カバー板が、第1のサブカバー板および第2のサブカバー板を含み、前記第1のサブカバー板および前記第2のサブカバー板は、前記基部に回転可能に結合され、前記第1のサブカバー板は前記第1の支持板に固定され、前記第2のサブカバー板は前記第2の支持板に固定される、請求項1から11のいずれか一項に記載の回転軸機構。
【請求項13】
電子デバイスであって、第1のハウジング、第2のハウジング、フレキシブルディスプレイ、および請求項1から12のいずれか一項に記載の回転軸機構を備え、
前記第1のハウジングおよび前記第2のハウジングは、前記回転軸機構の両側にそれぞれ配置され、前記第1の支持板は前記第1のハウジングに固定され、前記第2の支持板は前記第2のハウジングに固定され、
前記フレキシブルディスプレイは、前記第1のハウジング、前記第2のハウジング、および前記回転軸機構を連続的に覆い、前記フレキシブルディスプレイは、前記第1のハウジングおよび前記第2のハウジングに固定される、
電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月29日に中国国家知識産権局に提出された、「回転軸機構および電子デバイス」と題する中国特許出願第202111269091.5号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、電子デバイス技術の分野に関し、特に、回転軸機構および電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
フレキシブルディスプレイ技術がますます成熟するのに伴い、電子デバイスのディスプレイの形態に大きな変化が起きている。折畳み式フレキシブルディスプレイを有する携帯電話、折畳み式フレキシブルディスプレイを有するタブレット、折畳み式フレキシブルディスプレイを有するウェアラブル電子デバイスなどは、将来におけるスマート電子デバイスの重要な発展の方向の1つである。
【0004】
フレキシブルディスプレイは、折畳み式電子デバイスにおける重要な構成要素であり、連続的な折畳みを特徴とする。一般に、折畳み式電子デバイスを折り畳む過程では、フレキシブルディスプレイが引っ張られたり圧迫されたりするのを防止するために、電子デバイスを折り畳む過程において、フレキシブルディスプレイのすべての部分が受ける力が、比較的均等になるようにする必要がある。
【発明の概要】
【0005】
したがって、折畳み式電子デバイスを折り畳む過程でフレキシブルディスプレイが引っ張られたり圧迫されたりするのを防止することによって、フレキシブルディスプレイの損傷のリスクをどのようにして低減するかが、当業者によって早急に対処されるべき課題になっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、フレキシブルディスプレイに対する損傷のリスクを低減し、フレキシブルディスプレイの寿命を延ばし、電子デバイスの信頼性を高めるための、回転軸機構および電子デバイスを提供する。
【0007】
第1の態様によれば、本出願は、回転軸機構を提供する。回転軸機構は、主軸モジュールを備えることができる。主軸モジュールは基部を含むことができ、基部は、主軸モジュール全体の支持構造として使用されてもよい。また、主軸モジュールは、第1の支持板、第2の支持板、第1のギヤ連動部、および第2のギヤ連動部をさらに含むことができる。第1の支持板および第2の支持板は、基部の両側に配置され、第1の支持板および第2の支持板は両方とも、基部に回転可能に結合される。第1のギヤ連動部および第2のギヤ連動部は、基部の端部に回転可能に結合され、第1のギヤ連動部と第1の支持板とは基部の同じ側に配置され、第2のギヤ連動部と第2の支持板とは基部の同じ側に配置される。第1のギヤ連動部における第2のギヤ連動部に面する一端に、同軸に配置された第1のギヤおよび第1のカム構造が設けられ、第2のギヤ連動部における第1のギヤ連動部に面する一端に、同軸に配置された第2のギヤが設けられる。第1のギヤと第2のギヤとは、第1のギヤと第2のギヤとの伝動結合を実施するように係合されてもよい。また、第1の支持板に第1のトラック溝が設けられてもよく、第1のギヤ連動部に第1のガイド部品が設けられてもよい。第1のガイド部品は第1のトラック溝に挿入されてもよく、第1のトラック溝に沿って摺動することができる。同様に、第2の支持板に第2のトラック溝が設けられてもよく、第2のギヤ連動部に第2のガイド部品が設けられてもよい。第2のガイド部品は第2のトラック溝に挿入され、第2のトラック溝に沿って摺動することができる。
【0008】
本出願では、主軸モジュールは結合カムをさらに含むことができる。結合カムに、第2のカム構造および第4のカム構造が設けられる。第3のカム構造は第1のカム構造に対向して配置され、第4のカム構造は第2のカム構造に対向して配置される。また、弾性機械部品が、第1のカム構造および第2のカム構造における結合カムから離れた側に配置されてもよい。弾性機械部品によって蓄積された弾性力は、第1のカム構造および第2のカム構造を結合カムに押圧でき、その結果、第1のカム構造が第3のカム構造に密着し、第2のカム構造が第4のカム構造に密着する。このようにして、第1のギヤ連動部および第2のギヤ連動部が基部に対して回転する過程で、第1のカム構造と第3のカム構造、ならびに第2のカム構造と第4のカム構造が互いに篏合でき、異なる回転位置で、対応する減衰力を生成する。これにより、ユーザにはっきりとした回転する感覚をもたらし、ユーザ体験が向上する。また、異なる回転位置で生成された減衰力は、第1のギヤ連動部および第2のギヤ連動部が、外力なしで運動を停止することをさらに可能にでき、その結果、第1の支持板および第2の支持板は、対応する異なる回転位置で停止される。これが電子デバイスに適用されると、ユーザの個人的な使用要件が満たされ得る。
【0009】
本出願で提供される回転軸機構によれば、第1の支持板が基部に対して回転すると、第1のガイド部品が第1のトラック溝に沿って摺動でき、第1のギヤ連動部を基部の周囲で回転するように駆動させる。また、第1のギヤ連動部と第2のギヤ連動部とは、第1のギヤおよび第2のギヤを使用して伝動によって結合され、その結果、第2のギヤ連動部は、第1のギヤ連動部と同期して回転することができる。この場合、第2のガイド部品は第2のトラック溝に沿って摺動でき、第2の支持板を基部に対して回転するように駆動させる。このようにして、第1の支持板と第2の支持板とは、同期して回転することができる。回転軸機構が電子デバイスに適用されるときは、第1の支持板は、電子デバイスの1つのハウジングに固定されてもよく、第2の支持板は、電子デバイスの他方のハウジングに固定されてもよい。この場合、第1の支持板と第2の支持板とは同期して回転し、その結果、電子デバイスの2つのハウジングの同期回転が実施され得る。このようにして、2つのハウジングに固定されたフレキシブルディスプレイの各部における力を比較的均等にすることができ、フレキシブルディスプレイが引っ張られたり圧迫されたりすることが回避され得る。したがって、フレキシブルディスプレイに対する損傷のリスクが低減され、フレキシブルディスプレイの構造信頼性が高められる。
【0010】
本出願の可能な実施態様では、主軸モジュールは、第1のギヤ軸および第2のギヤ軸をさらに含むことができる。第1のギヤ軸は、第1のギヤ、第1のカム構造、および第3のカム構造を同時に通る。第1のギヤ連動部は、第1のギヤ軸に回転可能に結合されてもよい。同様に、第2のギヤ軸は、第2のギヤ、第2のカム構造、および第4のカム構造を同時に通る。第2のギヤ連動部は、第2のギヤ軸に回転可能に結合されてもよい。第1のギヤ連動部および第2のギヤ連動部は対応するギヤ軸の周囲で回転でき、その結果、第1のギヤ連動部および第2のギヤ連動部の回転信頼性が高められ得る。これにより、主軸モジュール全体の運動安定性が向上する。
【0011】
また、主軸モジュールは結合留め具をさらに含むことができる。第1のギヤ軸における第1のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で結合留め具に結合されてもよい。第2のギヤ軸における第2のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で結合留め具に結合されてもよい。この場合、弾性機械部品は、結合留め具と、第1のギヤおよび第2のギヤと、の間に配置されてもよく、かつ弾性機械部品は、結合留め具、第1のギヤ、および第2のギヤに弾性的に当接でき、その結果、弾性機械部品は、第1のカム構造および第2のカム構造を結合カムに押圧することが可能になる。
【0012】
第1のカム構造と第3のカム構造との間、ならびに第2のカム構造と第4のカム構造との間の嵌合のきつさは、互いに篏合するカム構造同士の間で生成される減衰力に対して重要な影響を持つことが理解されよう。嵌合のきつさは、第1のカム構造および第2のカム構造を結合カムに押圧するための弾性機械部品の押圧力を用いて調整されてもよい。また、第2のギヤ軸における第2のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で結合留め具に結合されてもよく、第2のギヤ軸における第2のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で結合留め具に結合されてもよい。したがって、第1のギヤ軸と結合留め具、ならびに第2のギヤ軸と結合留め具との締付け具合が調整され、その結果、弾性機械部品の変形が調整され得る。このようにして、第1のカム構造および第2のカム構造を結合カムに押圧するための弾性機械部品の押圧力が調整される。
【0013】
本出願では、弾性機械部品が具体的に配置されるときは、弾性機械部品は、これに限定されないが、ばねであってもよい。複数の弾性機械部品があってもよい。少なくとも1つの弾性機械部品が、第1のギヤ軸上でスリーブとされてもよく、少なくとも1つの弾性機械部品によって生成された弾性作用力が、第1のギヤに印加されてもよい。少なくとも1つの弾性機械部品が、第2のギヤ軸上でスリーブとされてもよく、少なくとも1つの弾性機械部品によって生成された弾性作用力が、第2のギヤに印加されてもよい。
【0014】
結合留め具、弾性機械部品、第1のギヤ軸、および第2のギヤ軸などの構造は、基部に取り付けられてもよい。本出願の可能な実施態様では、基部に収容溝がさらに設けられてもよい。その後、結合留め具、弾性機械部品、第1のギヤ軸、および第2のギヤ軸などの構造が、収容溝内に収容されてもよい。また、結合留め具は収容溝の溝壁に当接でき、その結果、結合留め具は基部にしっかりと結合される。
【0015】
第1の支持板と基部、ならびに第2の支持板と基部との回転結合を実施するために、本出願の可能な実施態様では、基部に、第1の摺動溝および第2の摺動溝が設けられる。第1の支持板における基部に面する側面に、第1の摺動アームが設けられ、第2の支持板における基部に面する側面に、第2の摺動アームが設けられる。第1の摺動アームは、第1の摺動溝内に収容されてもよく、第1の摺動アームは、第2の支持板に近づくかまたは離れる方向へ、第1の摺動溝に沿って摺動可能である。第2の摺動アームは、第2の摺動溝内に収容されてもよく、第2の摺動アームは、第2の支持板に近づくかまたは離れる方向へ、第2の摺動溝に沿って摺動可能である。このようにして、第1の支持板および第2の支持板は両方とも、摺動アームと摺動溝とが互いに篏合する仮想軸を使用して、回転結合を実施することができる。これにより、比較的コンパクトで、主軸モジュールの小型化設計の実施が容易な、主軸モジュールの構造を作ることができ、その結果、回転軸機構内で主軸モジュールが占める空間は比較的小さく、回転軸機構内に、より多くの機能モジュールが配置される。
【0016】
また、第1の摺動溝および第2の摺動溝が具体的に配置されるときは、第1の摺動溝および第2の摺動溝は、第1の支持板および第2の支持板の方向へ互い違いに配置されてもよく、その結果、主軸モジュールの構造がよりコンパクトになる。本出願のいくつかの他の実施態様では、第1の摺動溝と第2の摺動溝とは、あるいは互いに対向して配置されてもよい。
【0017】
本出願の可能な実施態様では、主軸モジュールは、従動ギヤをさらに含むことができ、偶数の従動ギヤがあり、偶数の従動ギヤは、第1のギヤと第2のギヤとの間に配置され、その結果、第1のギヤと第2のギヤとは、偶数の従動ギヤを使用して、伝動によって結合される。これにより、第1のギヤおよび第2のギヤの伝動安定性が向上し、主軸モジュールの運動安定性が向上する。
【0018】
主軸モジュールは、中間ギヤ軸をさらに含むことができる。従動ギヤは中間ギヤ軸上でスリーブとされてもよく、かつ従動ギヤは、中間ギヤ軸に回転可能に結合されてもよく、その結果、従動ギヤの回転信頼性が高められる。
【0019】
本出願では、基部にギヤボックスがさらに設けられてもよく、各従動ギヤは、ギヤボックス内に取り付けられてもよい。ギヤボックスは、伝動によって結合された従動ギヤの接触面の摩耗を低減するために、従動ギヤに加える潤滑剤を貯蔵することができる。
【0020】
また、基部に、第1の取付孔および第2の取付孔がさらに設けられてもよく、第1の取付孔および第2の取付孔の開口方向は、回転軸機構の延長方向と同じであってもよい。第1のギヤ連動部の第1のギヤは第1の取付孔内に取り付けられてもよく、第2のギヤ連動部の第2のギヤは第2の取付孔内に取り付けられてもよい。第1のギヤと第2のギヤとは、従動ギヤを使用して、伝動によって結合されてもよい。本出願では、第1の取付孔および第2の取付孔は、ギヤボックスと連通していてもよい。このようにして、ギヤボックス内に貯蔵された潤滑剤が、従動ギヤと第1のギヤ、ならびに従動ギヤと第2のギヤの接触面の摩耗を低減するのに役立つように、第1のギヤおよび第2のギヤの潤滑に使用され得る。これにより、各ギヤの構造信頼性が高まる。
【0021】
本出願では、回転軸機構は、複数の前述した主軸モジュールを備えることができ、複数の主軸モジュールは、回転軸機構の延長長さに基づいて、具体的に配置されてもよい。また、回転軸機構が複数の主軸モジュールを備えているときは、複数の主軸モジュールが間隔をおいて配置されてもよい。主軸モジュール同士の間のギャップを低減するために、回転軸機構はカバー板をさらに備えてもよく、カバー板は、2つの隣接する主軸モジュール同士の間に配置されてもよい。カバー板は、第1のサブカバー板および第2のサブカバー板を含んでもよく、第1のサブカバー板および第2のサブカバー板は、基部に回転可能に結合される。第1のサブカバー板および第1の支持板は、基部の同じ側に配置されてもよく、第1のサブカバー板は、第1の支持板に固定される。第2のサブカバー板および第2の支持板は、基部の同じ側に配置されてもよく、第2のサブカバー板は、第2の支持板に固定される。このようにして、第1のサブカバー板と第1の支持板とが、平坦で連続的な支持面を形成するように結合され、第2のサブカバー板と第2の支持板とが、平坦で連続的な支持面を形成するように結合される。したがって、回転軸機構が電子デバイスに適用されると、電子デバイスのフレキシブルディスプレイが安定的に支持され得る。
【0022】
第2の態様によれば、本出願は電子デバイスをさらに提供する。電子デバイスは、第1のハウジングと、第2のハウジングと、フレキシブルディスプレイと、第1の態様における回転軸機構と、を備える。第1のハウジングおよび第2のハウジングは、回転軸機構の両側にそれぞれ配置され、第1の支持板は第1のハウジングに固定され、第2の支持板は第2のハウジングに固定される。フレキシブルディスプレイは、第1のハウジング、第2のハウジング、および回転軸機構を連続的に覆い、フレキシブルディスプレイは、第1のハウジングおよび第2のハウジングに固定される。
【0023】
本出願における電子デバイスでは、回転軸機構の第1の支持板と第2の支持板とは同期して回転でき、その結果、電子デバイスの2つのハウジングの同期回転が実施され得る。このようにして、2つのハウジングに固定されたフレキシブルディスプレイの各部における力を比較的均等にすることができ、フレキシブルディスプレイが引っ張られたり圧迫されたりすることが回避され得る。したがって、フレキシブルディスプレイに対する損傷のリスクが低減され、フレキシブルディスプレイの構造信頼性が高められる。
【0024】
本出願の可能な実施態様では、第1のハウジングにおける第2のハウジングに面する端部に、第1の開口溝が設けられ、第2のハウジングにおける第1のハウジングに面する端部に、第2の開口溝が設けられる。このようにして、第1の支持板が第1のハウジングに固定されるときは、第1の支持板は第1の開口溝内に配置されてもよく、かつ第1の支持板は、第1の開口溝の溝壁に固定される。第2の支持板は、第2の開口溝内に配置されてもよく、かつ第2の支持板は、第2の開口溝の溝壁に固定される。
【0025】
また、電子デバイスが展開状態になっているときは、第1の開口溝と第2の開口溝とは、収容部を形成するように互いに押圧でき、回転軸機構は収容部内に隠され得る。このようにして、電子デバイスは、電子デバイスの外観上の美観が高まるように、一体化された設計の外観効果を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本出願の一実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
図2】本出願の別の実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
図3】本出願の別の実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。
図4】本出願の一実施形態による電子デバイスの分解構造の概略図である。
図5】本出願の一実施形態による主軸モジュールの構造の概略図である。
図6図5に示す主軸モジュールのA方向視である。
図7図6に示す主軸モジュールの分解構造の概略図である。
図8】本出願の一実施形態による基部の構造の概略図である。
図9a】本出願の別の実施形態による主軸モジュールの構造の概略図である。
図9b】本出願の別の実施形態による主軸モジュールの構造の概略図である。
図10】本出願の一実施形態による、第1のギヤ連動部および第2のギヤ連動部の伝動方式の概略図である。
図11図6に示す主軸モジュールの、B-Bに沿った断面図である。
図12】本出願の一実施形態による、第1のカム構造と、第2のカム構造と、結合カムと、の嵌合の概略図である。
図13】本出願の別の実施形態による、回転軸機構の構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本出願の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、以下は、添付図面を参照して本出願を詳細にさらに説明する。
【0028】
本出願の実施形態で提供される回転軸機構の理解を容易にするために、以下では最初に、回転軸機構の適用シナリオについて説明する。回転軸機構は、これに限定されないが、携帯電話、パームトップ(personal digital assistant、PDA)、ノートパソコン、またはタブレットなどの折畳み式電子デバイスに適用され得る。本出願の実施形態で提供される回転軸機構の電子デバイスへの適用時については、図1を参照されたい。図1は、本出願の一実施形態による電子デバイスの構造の概略図である。回転軸機構1に加えて、電子デバイスは、第1のハウジング2、第2のハウジング3、およびフレキシブルディスプレイ(図1には示されていない)をさらに含んでもよい。第1のハウジング2および第2のハウジング3は、回転軸機構1の両側に配置され、回転軸機構1の周囲で回転可能である。電子デバイスの使用時に、電子デバイスは、さまざまな使用シナリオに基づいて、閉じられたり展開されたりしてもよい。図1に示す実施形態において、電子デバイスは閉じた状態である。また、図1は、電子デバイスが閉じた状態になっているときの、回転軸機構1と2つのハウジングとの相対的な位置関係を示している。この場合、回転軸機構1の表面、第1のハウジング2の第1の面2a、および第2のハウジング3の第1の面3aは、電子デバイスの外面として併せて使用されてもよい。第1のハウジング2の第1の面2aは、第1のハウジング2におけるフレキシブルディスプレイから離れた表面であり、第2のハウジング3の第1の面3aは、第2のハウジング3におけるフレキシブルディスプレイから離れた表面である。
【0029】
また、図2は、展開状態になっている電子デバイスの構造の概略図である。図2は、第1のハウジング2の第2の面2bの構造、および第2のハウジング3の第2の面3bの構造を示していることに留意されたい。第1のハウジング2の第2の面2bは、第1のハウジング2におけるフレキシブルディスプレイを支持するのに使用される表面であり、第2のハウジング3の第2の面3bは、第2のハウジング3におけるフレキシブルディスプレイを支持するのに使用される表面である。フレキシブルディスプレイは、第1のハウジング2の第2の面2bと、第2のハウジング3の第2の面3bと、回転軸機構1と、を連続的に覆うことができる。また、フレキシブルディスプレイは、第1のハウジング2の第2の面2b、および第2のハウジング3の第2の面3bに固定されてもよく、結合方法は、これに限定されないが、接着であってもよい。このようにして、図2に示すように電子デバイスが展開状態になっているときは、第1のハウジング2および第2のハウジング3は、フレキシブルディスプレイを支持することができる。
【0030】
図3は、展開状態から閉じた状態まで、または閉じた状態から展開状態までの中間状態になっている、電子デバイスの構造の概略図である。図3に示す状態では、第1のハウジング2の第2の面2bと、第2のハウジング3の第2の面3bと、の間の挟角は0°よりも大きくかつ180°よりも小さく、例えば、150°であってもよい。第1のハウジング2および第2のハウジング3が、図2に示す展開状態から図1に示す閉じた状態まで、または図1に示す閉じた状態から図2に示す展開状態まで相対的に回転する過程で、フレキシブルディスプレイは、第1のハウジング2および第2のハウジング3と共に折り畳まれてもよい。
【0031】
電子デバイスが、図2に示す展開状態から図1に示す閉じた状態に、または図1に示す閉じた状態から図2に示す展開状態に切り替わる過程は、第1のハウジング2および第2のハウジング3が回転軸機構1の周囲で回転する過程であることが理解されよう。折畳み式電子デバイスの主要な機能構成要素として、回転軸機構1は、フレキシブルディスプレイの折畳み部分に対応して配置されてもよい。したがって、回転軸機構1は、図2に示す展開状態になっているフレキシブルディスプレイの折畳み部分の支持において、かつ図1に示す閉じた状態になっているフレキシブルディスプレイの折畳み部分の収容において重要な役割を果たす。また、回転軸機構1の信頼性が高い構造は、電子デバイスを動かす過程の安定性を実現するうえで重要な役割を果たすことができる。本出願の実施形態で提供される回転軸機構1の理解を容易にするために、以下、添付の図面を参照しながら、回転軸機構1の構造を詳細に説明する。
【0032】
以下の実施形態で使用される用語は、特定の実施形態を説明することを意図されているにすぎず、本出願を限定することを意図されていない。本明細書および本出願の添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「one」、「a」、「the foregoing」、「this」、および「the one」という用語は、文脈において明確に特に指定されない限り、「one or more(1つまたは複数)」などの表現も含むことが意図されている。
【0033】
本明細書で記載される「一実施形態」、「いくつかの実施形態」などへの言及は、本出願の1つまたは複数の実施形態が実施形態を参照して記載される特定の特徴、構造、または特性を含むことを示す。したがって、本明細書の様々な箇所に現れる「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「いくつかの他の実施形態において」、および「他の実施形態において」などの記述は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。代わりに、これらの記述は、別の方法で特に強調されない限り、「すべてではないが1つまたは複数の実施形態」を意味する。用語「含む」、「備える」および「有する」およびこれらの変化形のすべては、別様に別段特に強調されない限り、「含むが、これに限定されない」ことを意味する。
【0034】
図4は、図2に示す電子デバイスの分解構造の概略図である。図4に示すように、第1のハウジング2および第2のハウジング3は、回転軸機構1の両側に配置される。図2図4とを併せて参照すると、本出願の実施形態で提供される回転軸機構1は、主軸モジュール101を備えることができる。1つ以上の主軸モジュール101があってもよく、主軸モジュール101は具体的には、回転軸機構1の延長方向へ、回転軸機構1の長さに基づいて配置される。本出願では、回転軸機構1の延長方向は、回転軸機構1の周囲で第1のハウジング2および第2のハウジング3が回転する回転軸の軸線方向と同じである。図2および図4に示す実施形態において、回転軸機構1は2つの主軸モジュール101を備え、2つの主軸モジュール101は、回転軸機構1の延長方向に沿って対称に配置されてもよい。
【0035】
具体的な配置時の各主軸モジュール101については、図5を参照されたい。図5は、本出願の一実施形態による主軸モジュール101の構造の概略図である。この実施形態において、主軸モジュール101は、第1の支持板1011および第2の支持板1012を含むことができる。第1の支持板1011は、図4に示す電子デバイスの第1のハウジング2に固定されてもよく、第2の支持板1012は、電子デバイスの第2のハウジング3に固定されてもよい。第1のハウジング2および第2のハウジング3が回転軸機構1に対して回転する過程では、対応する側の支持板が、回転するように駆動されてもよい。
【0036】
図4および図5を参照すると、本出願の実施形態において、第1のハウジング2における第2のハウジング3に面する端部に、第1の開口溝201が設けられてもよく、第2のハウジング3における第1のハウジング2に面する端部に、第2の開口溝301が設けられてもよい。この場合、第1の支持板1011は、第1の開口溝201内に配置されてもよく、第1の開口溝201の溝壁に固定される。第2の支持板1012は、第2の開口溝301内に配置されてもよく、第2の開口溝301の溝壁に固定される。
【0037】
また、図2図4とを併せて参照すると、電子デバイスが展開状態になっているときは、第1の開口溝201と第2の開口溝301とは、第1のハウジング2と第2のハウジング3との間に収容部を形成するように互いに押圧する。電子デバイスが展開状態になっているときは、回転軸機構1全体が収容部内に隠れ得ることが図2から分かる。
【0038】
本出願では、第1の支持板1011および第2の支持板1012は、フレキシブルディスプレイを支持することができる。図5は、電子デバイスが展開状態になっているときの主軸モジュール101の構造を示す。この場合、第1の支持板1011と第2の支持板1012とが互いに押圧し、2つの支持板同士の間のギャップが比較的小さいために、結合によって平坦かつ連続的な支持面を形成し、その結果、フレキシブルディスプレイは安定して支持されることができ、かつ回転軸機構1でフレキシブルディスプレイが破損することが防止されて、フレキシブルディスプレイの変形を低減し、フレキシブルディスプレイの構造信頼性を高める。
【0039】
図6は、図5に示す主軸モジュール101のA方向視である。本出願では、主軸モジュール101は、基部1013をさらに含むことができ、基部1013は、主軸モジュール101全体の支持構造として使用されてもよい。第1の支持板1011および第2の支持板1012は、基部1013の両側に配置されてもよく、個別に基部1013に回転可能に結合される。具体的な実施については、図7を参照されたい。図7は、図6に示す主軸モジュール101の分解構造の概略図である。基部1013に、第1の摺動溝10131および第2の摺動溝10132が設けられてもよい。第1の摺動溝10131および第2の摺動溝10132は、円弧溝であってもよい。また、第1の支持板1011から第2の支持板1012までの方向へ、第1の摺動溝10131および第2の摺動溝10132が、互いに対向して配置されてもよい。あるいは、第1の摺動溝10131および第2の摺動溝10132は、互い違いに配置される。このようにして、第1の支持板1011から第2の支持板1012までの方向における基部1013のサイズが効果的に低減されて、回転軸機構1の小型化設計が容易になる。
【0040】
図7をさらに参照すると、本出願では、第1の支持板1011における基部1013に面する側面に第1の摺動アーム10111が設けられてもよく、第2の支持板1012における基部1013に面する側面に、第2の摺動アーム10121が設けられてもよい。第1の摺動アーム10111は、第1の摺動溝10131内に収容されてもよく、第1の摺動アーム10111は、第2の支持板1012に近づくかまたは離れる方向へ、第1の摺動溝10131に沿って摺動可能である。第2の摺動アーム10121は、第2の摺動溝10132内に収容されてもよく、第2の摺動アーム10121は、第1の支持板1011に近づくかまたは離れる方向へ、第1の摺動溝10131に沿って摺動可能である。本出願では、第1の支持板1011および第2の支持板1012は、摺動アームと摺動溝とが互いに篏合する仮想軸を使用して、個別に基部1013に回転可能に結合され、その結果、回転軸機構1の構造的なコンパクトさが効果的に向上され得る。
【0041】
また、図5および図7の両方を参照すると、本出願では、第1の支持板1011上に第1の回避開口10112が設けられ、第2の支持板1012上に第2の回避開口10122が設けられる。このようにして、第1の回避開口10112は、第2の摺動アーム10121が摺動するための回避空間を提供でき、第2の回避開口10122は、第1の摺動アーム10111が摺動するための回避空間を提供でき、その結果、第1の支持板1011および第2の支持板1012の運動の相互干渉が回避され得る。また、図5をさらに参照すると、回転軸機構1が展開状態になっているときは、第1の摺動アーム10111は第2の回避開口10122に収容され、第2の摺動アーム10121は第1の回避開口10112に収容され、その結果、第1の支持板1011および第2の支持板1012は、フレキシブルディスプレイを支持するのに使用される連続した平坦な支持面を形成することができる。
【0042】
図7をさらに参照すると、本出願では、主軸モジュール101は、第1のギヤ連動部1014および第2のギヤ連動部1015をさらに含むことができる。第1のギヤ連動部1014における第2のギヤ連動部1015に面する端部に第1のギヤ10141が設けられ、第2のギヤ連動部1015における第1のギヤ連動部1014に面する端部に第2のギヤ10151が設けられる。第1のギヤ10141と第2のギヤ10151とは、伝動によって結合されてもよい。
【0043】
また、図8は、本出願による基部1013の構造の概略図である。基部1013の端部に第1の取付孔10133および第2の取付孔10134が設けられ、第1の取付孔10133および第2の取付孔10134の開口方向は、回転軸機構1の延長方向と同じであってもよい。図8に示す実施形態において、第1の取付孔10133および第2の取付孔10134は両方とも、第1の摺動溝10131および第2の摺動溝10132から離れた方向に設けられる。図7図8とを併せて参照すると、本出願では、第1のギヤ10141は第1の取付孔10133内に取り付けられてもよく、第2のギヤ10151は第2の取付孔10134内に取り付けられてもよい。また、第1のギヤ10141は第1の取付孔10133内で回転でき、第2のギヤ10151は第2の取付孔10134内で回転でき、その結果、第1のギヤ連動部1014および第2のギヤ連動部1015が、基部1013に回転可能に結合される。
【0044】
図6および図7を参照すると、第1の支持板1011に第1のトラック溝10113がさらに設けられ、第2の支持板1012に第2のトラック溝10123がさらに設けられる。第1のトラック溝10113の開口方向は、第1の取付孔10133の開口方向と同じであり、第2のトラック溝10123の開口方向は、第2の取付孔10134の開口方向と同じである。第1のギヤ連動部1014における第2のギヤ連動部1015から離れた端部に、第1のガイド部品10142が設けられる。第1のガイド部品10142は第1のトラック溝10113に挿入され、第1のトラック溝10113に沿って摺動可能である。第2のギヤ連動部1015における第1のギヤ連動部1014から離れた端部に、第2のガイド部品10152が設けられる。第2のガイド部品10152は第2のトラック溝10123に挿入され、第2のトラック溝10123に沿って摺動可能である。
【0045】
本出願では、第1のトラック溝10113および第2のトラック溝10123の具体的な形状は限定されないことが理解されよう。例えば、第1のトラック溝10113および第2のトラック溝10123は条溝であってもよく、第1の支持板1011および第2の支持板1012が動いている間は、第1の支持板1011が第1のガイド部品10142を駆動して、第1のトラック溝10113に沿った特定のトラックに沿って摺動させ、かつ第2の支持板1012が第2のガイド部品10152を駆動して、第2のトラック溝10123に沿った特定のトラックに沿って摺動させる。また、第1のガイド部品10142および第2のガイド部品10152の具体的な構造形態は、本出願では限定されない。例えば、第1のガイド部品10142および第2のガイド部品10152はピン軸であってもよく、ピン軸の一端はギヤ連動部に固定され、他方の端部は対応するトラック溝を通る。ピン軸が対応するトラック溝から脱落するのを避けることについては、図6図7とを併せて参照されたい。トラック溝を通り、かつギヤ連動部から離れたピン軸の端部に、ナットなどのファスナーが配置されてもよい。
【0046】
前述した実施形態の説明から、第1のギヤ連動部1014は、第1のギヤ10141および第2のギヤ10151を使用して、伝動によって第2のギヤ連動部1015に結合されることが分かる。第1のギヤ連動部1014は、第1のガイド部品10142および第1のトラック溝10113を使用して、第1の支持板1011に摺動可能に結合され、第2のギヤ連動部1015は、第2のガイド部品10152および第2のトラック溝10123を使用して、第2の支持板1012に摺動可能に結合される。図9aと図9bとを併せて参照すると、図9aは、展開状態における、第1の支持板1011と、第2の支持板1012と、第1のギヤ連動部1014と、第2のギヤ連動部1015と、の相対的な位置関係を示す。図9bは、中間状態における、第1の支持板1011と、第2の支持板1012と、第1のギヤ連動部1014と、第2のギヤ連動部1015と、の相対的な位置関係を示す。図9aに示す展開状態から、図9bに示す中間状態までの過程で、第1の支持板1011が、第2の支持板1012から離れる方向へ基部1013に対して回転して、第1のギヤ連動部1014を駆動して、基部1013に対して同じ方向へ回転させる。このようにして、第2のギヤ連動部1015は、第1のギヤ連動部1014とは反対方向へ、基部1013に対して回転する。第2のギヤ連動部1015は、第1の支持板1011から離れる方向へ、基部1013に対して回転するように、第2の支持板1012を駆動させることができ、その結果、第1の支持板1011と第2の支持板1012とが同期して回転し、第2の支持板1012の回転方向は、第1の支持板1011の回転方向とは反対になる。図9aおよび図9bから、展開状態から閉じた状態に変化する過程で、第1の支持板1011と、第2の支持板1012と、基部1013と、の間に、ディスプレイ収容空間が形成され得ることが分かる。ディスプレイ収容空間は、フレキシブルディスプレイの折畳み可能な部分を収容するために使用されてもよく、その結果、フレキシブルディスプレイに対する圧迫が低減され、フレキシブルディスプレイが損傷するリスクが低減され得る。
【0047】
第1の支持板1011は電子デバイスの第1のハウジング2に固定されてもよく、第2の支持板1012は電子デバイスの第2のハウジング3に固定されてもよく、その結果、本出願で提供される前述の解決策を使用して、第1のハウジング2と第2のハウジング3との同期回転が実施され得ることに留意されたい。第1のハウジング2と第2のハウジング3との同期回転が、フレキシブルディスプレイにおける第1のハウジング2および第2のハウジング3に固定された部分の同期運動を駆動でき、フレキシブルディスプレイの各部分に印加される力の均一性を効果的に高められることが理解されよう。このようにして、フレキシブルディスプレイは引っ張られたり圧迫されたりするのを回避でき、その結果、フレキシブルディスプレイの構造信頼性が高まる。
【0048】
図7をさらに参照すると、主軸モジュール101は、第1のギヤ軸1016および第2のギヤ軸1017をさらに含むことができる。第1のギヤ10141は第1のギヤ軸1016上でスリーブとされ、かつ第1のギヤ10141は、第1のギヤ軸1016に回転可能に結合されてもよい。第2のギヤ10151は第2のギヤ軸1017上でスリーブとされ、かつ第2のギヤ10151は、第2のギヤ軸1017に回転可能に結合されてもよい。このようにして、第1のギヤ連動部1014および第2のギヤ連動部1015の運動安定性が高められる。
【0049】
図10は、本出願の一実施形態による、第1のギヤ連動部1014および第2のギヤ連動部1015の伝動方式の概略図である。本出願のこの実施形態において、従動ギヤ1018が、第1のギヤ10141と第2のギヤ10151との間にさらに配置されてもよい。偶数の従動ギヤ1018があってもよく、第1のギヤ10141と第2のギヤ10151とは、従動ギヤ1018を使用して、伝動によって結合される。このようにして、第1のギヤ連動部1014および第2のギヤ連動部1015の回転安定性が高められる。
【0050】
図11は、図6に示す主軸モジュール101の、B-Bに沿った断面図である。本出願のこの実施形態において、第1の支持板1011が基部1013に対して回転する過程で、第1のギヤ連動部1014が、基部1013に対して回転するように駆動されてもよい。第1のギヤ10141は、第1のギヤ連動部1014に伴って回転し、従動ギヤ1018を回転するように駆動し、第2のギヤ10151に回転力を伝達し、その結果、第2のギヤ連動部1015は、第1のギヤ連動部1014とは反対方向へ、基部1013に対して回転する。第2のギヤ連動部1015は回転して、第2の支持板1012が基部1013に対して回転するように駆動させ、第2の支持板1012の回転方向は、第1の支持板1011の回転方向とは反対であり、その結果、第1の支持板1011と第2の支持板1012とは同期して回転する。
【0051】
図8および図11を参照すると、本出願では、基部1013に、ギヤボックス10135がさらに設けられ、従動ギヤ1018は、ギヤボックス10135内に取り付けられてもよい。第1のギヤ10141と、第2のギヤ10151と、従動ギヤ1018と、の間で伝動結合を実施するために、第1の取付孔10133および第2の取付孔10134は、ギヤボックス10135と連通していることが理解されよう。ギヤボックス10135が配置され、従動ギヤ1018がギヤボックス10135内に取り付けられて、潤滑剤の貯蔵を容易にし、隣接する各従動ギヤ1018同士の間の潤滑、従動ギヤ1018と第1のギヤ10141との接触面の潤滑、および従動ギヤ1018と第2のギヤ10151との接触面の潤滑を実施する。このようにして、各従動ギヤ1018、第1のギヤ10141、および第2のギヤ10151の摩耗のリスクが低減され、主軸モジュール101の構造の信頼性が高められる。
【0052】
また、本出願において、図7図11とを併せて参照すると、主軸モジュール101は、中間ギヤ軸1019をさらに含むことができ、各従動ギヤ1018は、1つの中間ギヤ軸1019上でスリーブとされてもよく、かつ従動ギヤ1018は、中間ギヤ軸1019に回転可能に結合されてもよい。図7および図8を参照すると、本出願では、基部1013に、取付溝10136がさらに設けられる。取付溝10136は、第1の摺動溝10131(第2の摺動溝10132)と第1の取付孔10133(第2の取付孔10134)との間に配置されてもよい。第1のギヤ軸1016、第2のギヤ軸1017、および中間ギヤ軸1019は、取付溝10136内に取り付けられてもよく、その結果、主軸モジュール101の構造は比較的コンパクトになる。
【0053】
図7をさらに参照すると、主軸モジュール101は結合留め具1020を含むことができ、第1のギヤ軸1016、第2のギヤ軸1017、および中間ギヤ軸1019における第1のギヤ連動部1014および第2のギヤ連動部1015から離れた端部は、結合留め具1020を使用して結合されてもよい。第1のギヤ軸1016、第2のギヤ軸1017、および中間ギヤ軸1019は、ねじ式で結合留め具1020に結合されてもよい。つまり、結合留め具1020において、第1のギヤ軸1016、第2のギヤ軸1017、および中間ギヤ軸1019に対応する位置にねじ孔が配置される。第1のギヤ軸1016、第2のギヤ軸1017、および中間ギヤ軸1019の端部には雄ねじが配置される。したがって、第1のギヤ軸1016、第2のギヤ軸1017、および中間ギヤ軸1019が、結合留め具1020に結合されるのに好都合である。図6および図7の両方を参照すると、本出願では、結合留め具1020は、取付溝10136内に取り付けられてもよく、結合留め具1020は、取付溝10136における第1の取付孔10133(第2の取付孔10134)から離れた溝壁に当接することができる。また、本出願の可能な実施態様では、結合留め具1020と基部1013との結合の信頼性を高めるために、結合留め具1020と取付溝10136の溝壁とは、接着、固定ロックなどの方法で固定されてもよい。
【0054】
本出願で提供される、回転軸機構1を使用して電子デバイスを展開したり閉じたりする過程は、通常は第1のハウジング2および/または第2のハウジング3に回転力を印加することによって実施される。第1のハウジング2および第2のハウジング3が、基部1013に対して回転する過程において、ユーザは、電子デバイスを展開したり閉じたりする過程の感覚を比較的はっきりと持てるようになる。本出願で提供される主軸モジュール101は、減衰力をさらに生成することができる。具体的な実施態様について、図7をさらに参照すると、第1のギヤ連動部1014に、第1のカム構造10143がさらに設けられてもよく、第1のカム構造10143と第1のギヤ10141とは同軸に配置される。また、第1のカム構造10143は、基部1013の外部に配置される。同様に、第2のギヤ連動部1015に、第2のカム構造10153がさらに設けられてもよい。第2のカム構造10153と第2のギヤ10151とは同軸に配置され、第2のカム構造10153は、基部1013の外部に配置される。本出願では、第1のカム構造10143と第1のギヤ10141とが一体化構造であってもよく、かつ第2のカム構造10153と第2のギヤ10151とが一体化構造であってもよい。これにより、第1のギヤ連動部1014および第2のギヤ連動部1015の構造信頼性が高まる。
【0055】
また、主軸モジュール101は、結合カム1021をさらに含んでもよく、結合カム1021は、第3のカム構造10211および第4のカム構造10212を含んでもよい。第3のカム構造10211は、第1のカム構造10143に対向して配置されてもよく、かつ第3のカム構造10211は、第1のギヤ軸1016上でスリーブとされてもよい。この場合、第1のギヤ軸1016は、第1のギヤ10141、第1のカム構造10143、および第3のカム構造10211を同時に通ることができる。第4のカム構造10212は、第2のカム構造10153に対向して配置されてもよく、第4のカム構造10212は、第2のギヤ軸1017上でスリーブとされてもよい。この場合、第2のギヤ軸1017は、第2のギヤ10151、第2のカム構造10153、および第4のカム構造10212を同時に通ることができる。本出願では、カム構造は、複数の凸部および凹部を含むことに留意されたい。対向して配置された2つのカム構造のうちの1つの凸部が、他方のカム構造の凹部内にあるときは2つのカム構造は係合されており、2つのカム構造同士の相対回転を防止することによって減衰力を形成する。対向して配置された2つのカム構造のうちの1つの凸部が、他方のカム構造の凸部と接触しているときは、2つのカム構造は互いに当接している。
【0056】
相対回転の過程で、対向して配置された2つのカム構造が設定回転位置まで回転し、その結果、2つのカム構造が係合されると、対応する減衰力が形成され得るということが分かるであろう。このようにして、電子デバイスが回転する過程でユーザに比較的はっきりした感覚がもたらされ得、電子デバイスの誤った開閉が回避され得、ユーザ体験が向上する。また、カム構造の凸部と凹部との間隔が適切に設計され、その結果、電子デバイスが特定の角度まで閉じられるかまたは展開されたときに、電子デバイスは外力なしで対応する回転位置を維持することができ、あるいは電子デバイスが比較的大きい角度(例えば、150°以上)まで展開されたときは、電子デバイスは外力なしで平坦な状態までの展開を継続でき、あるいは電子デバイスが比較的小さい角度(例えば、30°以下)まで閉じられたときは、電子デバイスは完全に閉じられるまで、外力なしで閉じる方向へ動き続けることができる。このようにして、ユーザの個人的な使用要件が満たされ得る。
【0057】
図12は、本出願の一実施形態による、第1のカム構造10143と、第2のカム構造10153と、結合カム1021と、の嵌合関係を示す。本出願では、主軸モジュール101は、弾性機械部品1022をさらに含んでもよく、弾性機械部品1022は、第1のカム構造10143および第2のカム構造10153を結合カム1021に押圧するように構成されてもよい。具体的な実施態様について、弾性機械部品1022は、結合留め具1020と、第1のギヤ10141および第2のギヤ10151と、の間に配置されてもよい。弾性機械部品1022は、結合留め具1020、第1のギヤ10141、および第2のギヤ10151に個別に弾性的に当接し、その結果、弾性機械部品1022は、結合留め具1020から第1のギヤ10141および第2のギヤ10151の方向への弾性押圧力を蓄積して、第1のカム構造10143および第2のカム構造10153を結合カム1021に押圧する。
【0058】
本出願では、弾性機械部品1022の具体的な配置形態は限定されない。例えば、弾性機械部品1022はばねであってもよく、複数の弾性機械部品1022があってもよく、少なくとも1つの弾性機械部品1022が、第1のギヤ軸1016上でスリーブとされてもよく、かつ少なくとも1つの弾性機械部品1022が、第2のギヤ軸1017上でスリーブとされてもよい。本出願の一部の実施形態において、弾性機械部品1022は、第1のカム構造10143と、第2のカム構造10153と、結合カム1021と、の間に十分な押圧力を与えるために、中間ギヤ軸1019上でスリーブとされてもよい。
【0059】
図12をさらに参照すると、本出願では、結合カム1021が第1のギヤ軸1016および第2のギヤ軸1017から脱落するのを防止するために、結合カム1021における基部1013から離れた側に、ナットなどのファスナーがさらに配置されてもよい。ファスナーは、第1のギヤ軸1016および第2のギヤ軸1017上に配置されてもよく、第1のギヤ軸1016および第2のギヤ軸1017にロックされるので、結合カム1021は、第1のギヤ軸1016および第2のギヤ軸1017に制限される。
【0060】
前述の実施形態の説明から、第1のギヤ軸1016、第2のギヤ軸1017、および中間ギヤ軸1019は、すべてねじ式で結合留め具1020に結合されてもよいことが分かる。これに基づいて、本出願では、第1のギヤ軸1016と結合留め具1020、第2のギヤ軸1017と結合留め具1020、および中間ギヤ軸1019と結合留め具1020との締付け具合が調整され、その結果、弾性機械部品1022の変形が調整され得る。このようにして、第1のカム構造10143と、第2のカム構造10153と、結合カム1021と、の間の押圧力が調整され、主軸モジュール101の回転過程において減衰力を調整する目的が達成される。
【0061】
本出願で提供される回転軸機構1が使用されれば、同期回転を実施するように構成されたモジュールと、回転軸機構1の主軸モジュール101内に減衰力をもたらすモジュールと、が1つに統合され得、その結果、主軸モジュール101の構造が効果的に簡略化され、かつ主軸モジュール101の構造が比較的コンパクトにされ得る。したがって、回転軸機構1において主軸モジュール101によって占有される空間が低減され、その結果、回転軸機構1内に、より多くの機能モジュールが配置され、回転軸機構1を使用する電子デバイスの多様な機能設計が実施される。
【0062】
本出願では、回転軸機構1が複数の主軸モジュール101を有するときは、複数の主軸モジュール101が間隔をおいて配置されてもよい。2つの隣接する主軸モジュール101同士の間のギャップが低減され、その結果、回転軸機構1は、比較的完全な支持面を形成することができる。図13は、本出願の一実施形態による、回転軸機構1の構造の概略図である。本出願で提供される回転軸機構1は、カバー板をさらに含むことができる。カバー板は2つの隣接する主軸モジュール101同士の間に配置されてもよく、カバー板は第1のサブカバー板1023および第2のサブカバー板1024を含む。第1のサブカバー板1023は基部1013に回転可能に結合され、かつ第1のサブカバー板1023は第1の支持板1011に固定されて、第1のサブカバー板1023と第1の支持板1011との間に連続的で平坦な支持面を形成する。同様に、第2のサブカバー板1024は基部1013に回転可能に結合され、かつ第2のサブカバー板1024は第2の支持板1012に固定されて、第2のサブカバー板1024と第2の支持板1012との間に連続的で平坦な支持面を形成する。このようにして、第1の支持板1011が基部1013に対して回転する過程で、第1のサブカバー板1023は同期して回転するように駆動されてもよく、第2の支持板1012が基部1013に対して回転する過程で、第2のサブカバー板1024は同期して回転するように駆動されてもよい。
【0063】
また、回路基板またはセンサなどのデバイスが、電子デバイスの2つのハウジング内に配置されてもよく、回転軸機構1を通過するケーブルを通じて、2つのハウジング内のデバイス間の電気接続が実施されてもよいことが理解されよう。本出願のこの実施形態において、2つのハウジングを有するデバイスを結合するのに使用されるケーブルは、カバー板に覆われた領域を通って回転軸機構1を通過でき、その結果、ケーブルと主軸モジュール101との干渉が回避され得、ケーブルは、回転軸機構1の外観上の美観を高めるために、カバー板に覆われた領域内にさらに隠されてもよい。
【0064】
本出願で提供される回転軸機構1の電子デバイスへの適用時については、図4をさらに参照されたい。上記の構造に加えて、回転軸機構1は、装飾カバー1025をさらに備えることができる。装飾カバー1025は収容溝10251を有する。本出願では、基部1013は回転軸機構1の支持構成要素として使用されてもよく、したがって基部1013は収容溝10251内に収容されてもよく、かつ基部1013は収容溝10251に固定される。結合方法は、これに限定されないが、ねじ、ボルトなどを使用した固定結合であってもよい。また、図1を参照すると、電子デバイスが閉じた状態になっているときは、電子デバイスの外観上の美観を高めるのに役立つように、装飾カバー1025の表面が回転軸機構1の外面として使用されてもよい。
【0065】
前述の説明は、本出願の特定の実施態様にすぎず、本出願の保護範囲を限定することが意図されるものではない。本出願で開示されている技術的範囲の当業者によって容易に想到されるあらゆる変形や置換が本出願の保護範囲に含まれる。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0066】
1 回転軸機構
101 主軸モジュール
1011 第1の支持板
10111 第1の摺動アーム
10112 第1の回避開口
10113 第1のトラック溝
1012 第2の支持板
10121 第2の摺動アーム
10122 第2の回避開口
10123 第2のトラック溝
1013 基部
10131 第1の摺動溝
10132 第2の摺動溝
10133 第1の取付孔
10134 第2の取付孔
10135 ギヤボックス
10136 取付溝
1014 第1のギヤ連動部
10141 第1のギヤ
10142 第1のガイド部品
10143 第1のカム構造
1015 第2のギヤ連動部
10151 第2のギヤ
10152 第2のガイド部品
10153 第2のカム構造
1016 第1のギヤ軸
1017 第2のギヤ軸
1018 従動ギヤ
1019 中間ギヤ軸
1020 結合留め具
1021 結合カム
10211 第3のカム構造
10212 第4のカム構造
1022 弾性機械部品
1023 第1のサブカバー板
1024 第2のサブカバー板
1025 装飾カバー
10251 収容溝
2 第1のハウジング
2a 第1の面
2b 第2の面
201 第1の開口溝
3 第2のハウジング
3a 第1の面
3b 第2の面
301 第2の開口溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-04-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸機構であって、主軸モジュールを備え、前記主軸モジュールは、基部、第1の支持板、第2の支持板、第1のギヤ連動部、第2のギヤ連動部、弾性機械部品、および結合カムを含み、
前記第1の支持板および前記第2の支持板は前記基部の両側に配置され、前記第1の支持板および前記第2の支持板は、前記基部に回転可能に結合され、前記第1の支持板に第1のトラック溝が設けられ、前記第2の支持板に第2のトラック溝が設けられ、
前記第1のギヤ連動部および前記第2のギヤ連動部は、前記基部の端部に回転可能に結合され、前記第1のギヤ連動部における前記第2のギヤ連動部に面する一端に、同軸に配置された第1のギヤおよび第1のカム構造が設けられ、前記第1のギヤ連動部における前記第2のギヤ連動部から離れた一端に、第1のガイド部品が設けられ、前記第2のギヤ連動部における前記第1のギヤ連動部に面する一端に、同軸に配置された第2のギヤおよび第2のカム構造が設けられ、前記第2のギヤ連動部における前記第1のギヤ連動部から離れた一端に、第2のガイド部品が設けられ、
前記第1のギヤと前記第2のギヤとは伝動によって結合され、前記第1のガイド部品は、前記第1のトラック溝に挿入され、前記第1のトラック溝に沿って摺動可能であり、前記第2のガイド部品は、前記第2のトラック溝に挿入され、前記第2のトラック溝に沿って摺動可能であり、
前記結合カムに、第3のカム構造および第4のカム構造が設けられ、前記第3のカム構造は前記第1のカム構造に対向して配置され、前記第4のカム構造は前記第2のカム構造に対向して配置され、
前記弾性機械部品は、前記第1のカム構造および前記第2のカム構造における前記結合カムから離れた側に配置され、かつ前記弾性機械部品は、前記第1のカム構造および前記第2のカム構造を前記結合カムに押圧する、
回転軸機構。
【請求項2】
前記主軸モジュールは、第1のギヤ軸および第2のギヤ軸をさらに含み、前記第1のギヤ軸は、前記第1のギヤ、前記第1のカム構造、および前記第3のカム構造を通り、前記第1のギヤ連動部は、前記第1のギヤ軸に回転可能に結合され、前記第2のギヤ軸は、前記第2のギヤ、前記第2のカム構造、および前記第4のカム構造を通り、前記第2のギヤ連動部は、前記第2のギヤ軸に回転可能に結合される、請求項1に記載の回転軸機構。
【請求項3】
前記主軸モジュールが結合留め具をさらに含み、前記第1のギヤ軸における前記第1のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で前記結合留め具に結合され、前記第2のギヤ軸における前記第2のギヤ連動部から離れた端部が、ねじ式で前記結合留め具に結合され、
前記弾性機械部品が、前記結合留め具と前記第1のギヤおよび前記第2のギヤとの間に配置され、前記弾性機械部品が、前記結合留め具、前記第1のギヤ、および前記第2のギヤに個別に弾性的に当接する、請求項2に記載の回転軸機構。
【請求項4】
複数の弾性機械部品があり、少なくとも1つの弾性機械部品が前記第1のギヤ軸上でスリーブとされ、少なくとも1つの弾性機械部品が前記第2のギヤ軸上でスリーブとされる、請求項3に記載の回転軸機構。
【請求項5】
前記基部に、収容溝がさらに設けられ、前記結合留め具、前記弾性機械部品、前記第1のギヤ軸、および前記第2のギヤ軸が、前記収容溝内に収容され、前記結合留め具が、前記収容溝の溝壁に当接する、請求項3に記載の回転軸機構。
【請求項6】
前記基部に、第1の摺動溝および第2の摺動溝が設けられ、前記第1の支持板における前記基部に面する側に第1の摺動アームが設けられ、前記第2の支持板における前記基部に面する側に第2の摺動アームが設けられ、
前記第1の摺動アームは前記第1の摺動溝内に収容され、前記第1の摺動アームは、前記第2の支持板に近づくかまたは離れる方向へ、前記第1の摺動溝に沿って摺動可能であり、前記第2の摺動アームは前記第2の摺動溝内に収容され、前記第2の摺動アームは、前記第1の支持板に近づくかまたは離れる方向へ、前記第2の摺動溝に沿って摺動可能である、請求項1に記載の回転軸機構。
【請求項7】
前記第1の摺動溝および前記第2の摺動溝が、前記第1の支持板から前記第2の支持板までの方向へ互い違いに配置される、請求項6に記載の回転軸機構。
【請求項8】
前記主軸モジュールが従動ギヤをさらに含み、偶数の従動ギヤがあり、前記従動ギヤは、前記第1のギヤと前記第2のギヤとの間に配置され、前記第1のギヤと前記第2のギヤとは、前記従動ギヤを使用して伝動によって結合される、請求項1に記載の回転軸機構。
【請求項9】
前記主軸モジュールが、中間ギヤ軸をさらに含み、前記従動ギヤが、前記中間ギヤ軸上でスリーブとされ、前記従動ギヤは、前記中間ギヤ軸に回転可能に結合される、請求項8に記載の回転軸機構。
【請求項10】
前記基部が、ギヤボックスをさらに設けられ、前記従動ギヤが前記ギヤボックス内に取り付けられる、請求項8に記載の回転軸機構。
【請求項11】
前記基部に、第1の取付孔および第2の取付孔が設けられ、前記第1の取付孔および前記第2の取付孔の開口方向が、前記回転軸機構の延長方向と同じであり、前記第1のギヤは前記第1の取付孔内に取り付けられ、前記第2のギヤは前記第2の取付孔内に取り付けられ、前記第1の取付孔および前記第2の取付孔は、前記ギヤボックスと連通している、請求項10に記載の回転軸機構。
【請求項12】
前記回転軸機構が複数の主軸モジュールを備え、前記複数の主軸モジュールが間隔をおいて配置され、
前記回転軸機構がカバー板をさらに備え、前記カバー板が、2つの隣接する主軸モジュール同士の間に配置され、前記カバー板が、第1のサブカバー板および第2のサブカバー板を含み、前記第1のサブカバー板および前記第2のサブカバー板は、前記基部に回転可能に結合され、前記第1のサブカバー板は前記第1の支持板に固定され、前記第2のサブカバー板は前記第2の支持板に固定される、請求項1に記載の回転軸機構。
【請求項13】
電子デバイスであって、第1のハウジング、第2のハウジング、フレキシブルディスプレイ、および請求項1から12のいずれか一項に記載の回転軸機構を備え、
前記第1のハウジングおよび前記第2のハウジングは、前記回転軸機構の両側にそれぞれ配置され、前記第1の支持板は前記第1のハウジングに固定され、前記第2の支持板は前記第2のハウジングに固定され、
前記フレキシブルディスプレイは、前記第1のハウジング、前記第2のハウジング、および前記回転軸機構を連続的に覆い、前記フレキシブルディスプレイは、前記第1のハウジングおよび前記第2のハウジングに固定される、
電子デバイス。
【国際調査報告】