(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ポリオール由来の化合物
(51)【国際特許分類】
C07C 69/675 20060101AFI20241031BHJP
C07C 67/46 20060101ALI20241031BHJP
C07C 67/31 20060101ALI20241031BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
C07C69/675 CSP
C07C67/46
C07C67/31
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024524585
(86)(22)【出願日】2022-10-18
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2022078986
(87)【国際公開番号】W WO2023083570
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521143228
【氏名又は名称】アークサーダ・アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100141265
【氏名又は名称】小笠原 有紀
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーホッファー,ウーリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ベンツ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル,ジャニス
(72)【発明者】
【氏名】ダルダノ,フローリアン
(72)【発明者】
【氏名】ヘッドナー,マリアンヌ
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AC41
4H006AC48
4H006BA23
4H006BA30
4H006BA44
4H006BB16
4H006BB17
4H006BE20
4H006BN10
4H006KA37
4H006KC12
4H039CA60
4H039CB20
(57)【要約】
本発明は、ポリオール由来の化合物およびそれを調製するプロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物
【化1】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【請求項2】
式1の化合物
【化2】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式2の有機ポリオールをジケテン3と反応させて、式4の化合物
【化3】
を形成すること;および
(iia)触媒の存在下で、式4の化合物を水素と反応させて、式5の化合物
【化4】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式5の化合物を、化合物LG-R
1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式6の化合物
【化5】
を形成すること
を含む、上記プロセス。
【請求項3】
前記有機ポリオールが、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルから選択される、請求項1に記載の化合物または請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキルが、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択され;および/または前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物またはプロセス。
【請求項5】
前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物または請求項2に記載のプロセス。
【請求項6】
前記単糖類が、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、前記単糖類が、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトース、およびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の化合物またはプロセス。
【請求項7】
前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5または6に記載の化合物またはプロセス。
【請求項8】
前記有機ポリオールが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
【請求項9】
前記化合物が、
【化6】
【化7】
からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
【請求項10】
式9の化合物
【化8】
(式中、
zは、0または1であり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【請求項11】
前記有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルから選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択されるか、および/または前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、請求項10に記載の化合物。
【請求項14】
前記単糖類が、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、前記単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項13または14に記載の化合物。
【請求項16】
前記有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、請求項10~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
前記有機ポリオールが、エリスリトールである、請求項10~16のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が、
【化9】
からなる群から選択される、請求項10~17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、請求項1~18のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
【請求項20】
R
1が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であり、好ましくは、該オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、もしくはそれらの組合せであり、および/または該中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
【請求項21】
式9の化合物
【化10】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、ただし有機ポリオールはエリスリトールではなく、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【請求項22】
zが、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20であり、好ましくは、zが、0~20、例えば0~19、例えば0~18、例えば0~17、例えば0~16、例えば0~15、例えば0~14、例えば0~13、例えば0~12、例えば0~11、例えば0~10、例えば0~9、例えば0~8、例えば0~7、例えば0~6、例えば0~5、例えば0~4、例えば0~3、例えば0~2であり、より好ましくは、zが、0または1である、請求項21に記載の化合物。
【請求項23】
前記有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルから選択される、請求項21または22に記載の化合物。
【請求項24】
前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択され、および/または前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、請求項21または22に記載の化合物。
【請求項26】
前記単糖類が、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、前記単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
前記糖アルコールが、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項25または26に記載の化合物。
【請求項28】
前記有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、請求項21~27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が、
【化11】
からなる群から選択される、請求項21~28のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、請求項21~29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
R
1が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であり、好ましくは、該オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、もしくはそれらの組合せであり、および/または該中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項21~30のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
式9の化合物
【化12】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式10の化合物を、ジケテン3と反応させて、式11の化合物
【化13】
を形成すること
を含み、任意に、
(iia)触媒の存在下で、式11の化合物を水素と反応させて、式12の化合物
【化14】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式12の化合物を、化合物LG-R
1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式13の化合物
【化15】
を形成すること
を含む、上記プロセス。
【請求項33】
zが、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20であり、好ましくは、zが、0~20、例えば0~19、例えば0~18、例えば0~17、例えば0~16、例えば0~15、例えば0~14、例えば0~13、例えば0~12、例えば0~11、例えば0~10、例えば0~9、例えば0~8、例えば0~7、例えば0~6、例えば0~5、例えば0~4、例えば0~3、例えば0~2であり、より好ましくは、zが、0または1である、請求項32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルから選択される、請求項32または33に記載のプロセス。
【請求項35】
前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択され、および/または前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項34に記載のプロセス。
【請求項36】
前記有機ポリオールが、単糖、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、請求項32または33に記載のプロセス。
【請求項37】
前記単糖類が、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、前記単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項36に記載のプロセス。
【請求項38】
前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項36または37に記載のプロセス。
【請求項39】
前記有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、請求項32~38のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項40】
前記有機ポリオールが、エリスリトールである、請求項32~39のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項41】
前記化合物が、
【化16】
からなる群から選択される、請求項32~40のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項42】
yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、請求項32~41のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項43】
R
1が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であり、好ましくは、該オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、もしくはそれらの組合せであり、および/または該中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項32~42のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項44】
全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、R配置である、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリオール由来の化合物およびそれを調製するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
アセトアセチル化ポリアルコールおよびそれから調製されたポリアルコールのβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)エステルは、例えば非経口の栄養剤として、または特定の疾患の処置のために多方面で利用される有用な化合物である。
【0003】
US2019/117612A1は、片頭痛の分野および3-ヒドロキシ酪酸グリセリドを使用したその総合的症状の管理に関する。
【0004】
US2018/193300A1は、3-ヒドロキシ酪酸グリセリドを使用した軽度から中程度の非穿通性閉鎖性の外傷性脳損傷および外科的介入による軽度から中程度の外傷性脳損傷の処置方法に関する。
【0005】
アセトアセチル化ポリアルコールおよびポリアルコールのβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)エステルは通常、グリセロールなどのポリアルコールを、保護されたベータヒドロキシ酪酸またはアセト酢酸エステルとカップリングすることによって調製される。どちらの方法も、原子の経済性不良の問題があり、多くの廃棄物が生じる。
【0006】
さらに、ポリアルコールのBHBエステルは通常、ポリアルコール1単位当たりのBHB含量が低い。しかしながら、BHB送達効率を増加させるために、ポリアルコール1単位当たり高いBHB含量が望ましいと予想される。さらに、ポリアルコールのBHBエステル中のBHB単位を保護することは、さらなるBHB前駆体の送達を可能にすることになり、このような前駆体は、加水分解されると体内でBHBに酸化され、BHB送達効率をさらに増加させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US2019/117612 A1
【特許文献2】US2018/193300 A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、ポリアルコール1単位当たり高いBHB単位またはアセトアセテート濃度を有するポリアルコールを提供することの必要性がある。さらに、BHB単位がさらに官能化または保護されたポリアルコールのBHBエステルを提供する必要性がある。
【0009】
ポリアルコール1単位当たり高い含量のBHB単位またはアセトアセテートを有するこのようなアセトアセチル化ポリアルコールおよびポリアルコールのβ-ヒドロキシ酪酸(BHB)エステルの合成のための最適化されたプロセスがさらに必要である。BHB単位がさらに官能化または保護されたポリアルコールのBHBエステルの合成のための最適化されたプロセスがさらに必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明者らは、驚くべきことに、ジケテンをポリオールまたはポリオールのβ-ヒドロキシル酪酸エステルと反応させることによる本発明によるプロセスが、ベータヒドロキシ酪酸の安定で中性のアナログを生産するための優れた方法を提供することを見出した。ポリオールまたはポリオールのβ-ヒドロキシル酪酸エステルとジケテンとの反応、それに続く水素化、さらに任意選択のエステル化は、望ましい生成物への容易なアクセスを可能にする。非対称水素化を使用することは、鏡像異性的に純粋な誘導体へのアクセスを提供する。さらに、本発明によるプロセスは、ポリアルコール1単位当たり高いBHB単位またはアセトアセテート濃度を有するポリアルコールの合成を可能にする。
【0011】
したがって、本発明は、式1の化合物
【0012】
【0013】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0014】
別の形態において、本発明は、式9の化合物
【0015】
【0016】
(式中、
zは、0または1であり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0017】
別の形態において、本発明は、式9の化合物
【0018】
【0019】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、ただし有機ポリオールはエリスリトールではなく、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0020】
別の形態において、本発明は、式1の化合物
【0021】
【0022】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式2の有機ポリオールをジケテン3と反応させて、式4の化合物
【0023】
【0024】
を形成すること;
および
(iia)触媒の存在下で、式4の化合物を水素と反応させて、式5の化合物
【0025】
【0026】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)化合物5を化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式6の化合物
【0027】
【0028】
を形成すること
を含む、プロセスを提供する。
【0029】
別の形態において、本発明は、式9の化合物
【0030】
【0031】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式10の化合物を、ジケテン3と反応させて、式11の化合物
【0032】
【0033】
を形成すること
を含み、任意に、
(iia)触媒の存在下で、式11の化合物を水素と反応させて、式12の化合物
【0034】
【0035】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式12の化合物を、化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式13の化合物
【0036】
【0037】
を形成すること
を含む、プロセスを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下において、本発明をより詳細に説明する。
【0039】
定義
本発明を容易に理解できるようにするために、本発明にわたり使用される数々の用語の定義を以下に記載する。
【0040】
本発明によれば、用語「直鎖または分岐鎖C1~12アルキル」は、1~12個の炭素原子、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を指し、その例としては、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、および1-エチル-2-メチルプロピルが挙げられる。
【0041】
本発明によれば、用語「C3~8シクロアルキル」は、3~8個の炭素環員を有する、例えば2、3、4、5、6、7、または8個の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基を指し、その例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。
【0042】
本発明によれば、用語「直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル」は、2~12個の炭素原子、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12個の炭素原子を有し、少なくとも1個の水素原子がヒドロキシ基で置き換えられている直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を指し、例えば、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチル、1-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシイソプロピル、1-ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチル、4-ヒドロキシブチル、1-ヒドロキシペンチル、2-ヒドロキシペンチル、3-ヒドロキシペンチル、4-ヒドロキシペンチル、5-ヒドロキシペンチル、1-ヒドロキシヘキシル、2-ヒドロキシヘキシル、3-ヒドロキシヘキシル、4-ヒドロキシヘキシル、5-ヒドロキシヘキシル、および6-ヒドロキシヘキシルを含む。
【0043】
本発明によれば、用語「直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル」は、上記で定義された1~12個の炭素原子を有し、少なくとも1個の水素原子がカルボキシ基で置き換えられている直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基を指し、例えば、カルボキシメチル、1-カルボキシエチル、2-カルボキシエチル、1-メチル-2-カルボキシエチル、1-カルボキシプロピル、2-カルボキシプロピル、3-カルボキシプロピル、1-メチル-2-カルボキシプロピル、1-メチル-3-カルボキシプロピル、1,1-ジメチル-2-カルボキシプロピル、1,1-ジメチル-3-カルボキシプロピル、1,2-ジメチル-3-カルボキシプロピル、2,2-ジメチル-3-カルボキシプロピル、1-カルボキシブチル、2-カルボキシブチル、3-カルボキシブチル、4-カルボキシブチル、1-メチル-4-カルボキシブチル、2-メチル-4-カルボキシブチル、3-メチル-4-カルボキシブチル、1,1-ジメチル-4-カルボキシブチル、1,2-ジメチル-4-カルボキシブチル、1,3-ジメチル-4-カルボキシブチル、2,2-ジメチル-4-カルボキシブチル、2,3-ジメチル-4-カルボキシブチル、3,3-ジメチル-4-カルボキシブチル、5-カルボキシペンチル、および6-カルボキシヘキシルを含む。
【0044】
本発明によれば、用語「カルボキシフェニル」は、少なくとも1個の水素原子がカルボキシ基で置き換えられているフェノール基、例えば、o/m/p-カルボキシフェノールなどを指し、その例としては、カルボキシメチル、1-カルボキシエチル、2-カルボキシエチル、1-メチル-2-カルボキシエチル、1-カルボキシプロピル、2-カルボキシプロピル、3-カルボキシプロピル、1-メチル-2-カルボキシプロピル、1-メチル-3-カルボキシプロピル、1,1-ジメチル-2-カルボキシプロピル、1,1-ジメチル-3-カルボキシプロピル、1,2-ジメチル-3-カルボキシプロピル、2,2-ジメチル-3-カルボキシプロピル、1-カルボキシブチル、2-カルボキシブチル、3-カルボキシブチル、4-カルボキシブチル、1-メチル-4-カルボキシブチル、2-メチル-4-カルボキシブチル、3-メチル-4-カルボキシブチル、1,1-ジメチル-4-カルボキシブチル、1,2-ジメチル-4-カルボキシブチル、1,3-ジメチル-4-カルボキシブチル、2,2-ジメチル-4-カルボキシブチル、2,3-ジメチル-4-カルボキシブチル、3,3-ジメチル-4-カルボキシブチル、5-カルボキシペンチル、および6-カルボキシヘキシルなどの1個またはそれより多くのカルボキシ官能基のエステルが挙げられる。
【0045】
本発明によれば、用語「直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル」は、基-C(O)-R-(式中、Rは、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルキル基である)を指す。その例としては、脂肪酸から得られたアルカノイルが挙げられ、例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、およびラウリン酸などの中鎖脂肪酸;ヘキサデカトリエン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、クルパノドン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、およびテトラコサヘキサエン酸などのオメガ3脂肪酸;ならびにリノール酸、ガンマリノレン酸、カレンジン酸、エイコサジエン酸、ジホモガンマリノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、オズボンド酸、テトラコサテトラエン酸、およびテトラコサペンタエン酸などのオメガ6脂肪酸から得られたアルカノイルが挙げられる。
【0046】
本発明によれば、用語「有機ポリオール」は、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、または少なくとも4個のヒドロキシル基を有する、2~18個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、または環状有機化合物を指す。そのようなものとして、有機ポリオールは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個の炭素原子を有し得る。一実施態様において、1個のみのヒドロキシル基が、1個の炭素原子に接続される。一実施態様において、有機ポリオールは、炭素、水素、および酸素原子のみを含有する。
【0047】
本発明によれば、用語「少なくとも3個のヒドロキシル基」は、それぞれの化合物が3個またはそれより多くのヒドロキシル基を有することを意味する。一実施態様において、「少なくとも3個のヒドロキシル基」としては、3~18個のヒドロキシル基、例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個のヒドロキシル基が挙げられる。一実施態様において、「少なくとも3個のヒドロキシル基」としては、3~12個のヒドロキシル基、例えば3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個のヒドロキシル基が挙げられる。一実施態様において、「少なくとも3個のヒドロキシル基」としては、3~9個のヒドロキシル基、例えば3、4、5、6、7、8、または9個のヒドロキシル基が挙げられる。一実施態様において、「少なくとも3個のヒドロキシル基」としては、3~6個のヒドロキシル基、例えば3、4、5、または6個のヒドロキシル基が挙げられる。
【0048】
本発明によれば、用語「少なくとも4個のヒドロキシル基」は、それぞれの化合物が4個またはそれより多くのヒドロキシル基を有することを意味する。一実施態様において、「少なくとも4個のヒドロキシル基」としては、4~18個のヒドロキシル基、例えば4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個のヒドロキシル基が挙げられる。一実施態様において、「少なくとも4個のヒドロキシル基」としては、4~12個のヒドロキシル基、例えば4、5、6、7、8、9、10、11、または12個のヒドロキシル基が挙げられる。一実施態様において、「少なくとも4個のヒドロキシル基」としては、4~9個のヒドロキシル基、例えば4、5、6、7、8、または9個のヒドロキシル基が挙げられる。一実施態様において、「少なくとも4個のヒドロキシル基」としては、4~6個のヒドロキシル基、例えば4、5、または6個のヒドロキシル基が挙げられる。
【0049】
本発明によれば、用語「脱離基」または「LG」は、不均等結合開裂において電子対と共に脱離する基を指す。例示的な脱離基としては、ハロゲン化物(例えばF、Cl、Br、またはI)、スルホン酸エステル(例えばトシレート(TsO-))、ペンタフルオロフェノレート、N-ヒドロキシスクシンイミド、Ν,N-ジシクロヘキシルウレア、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-3-エチルウレア、ヒドロキシル基、アンモニア基および第三級アミン、チオエステル、硝酸エステル、リン酸エステル、アセト酢酸エステル、およびカルボン酸エステルが挙げられる。一実施態様において、LGは、アセト酢酸エステル、F、Cl、Br、I、またはTsOである。
【0050】
直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、フェニル、カルボキシフェニル、および直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイルは、任意に、さらに置換されていてもよいことが理解されるであろう。例示的な置換基としては、ヒドロキシ、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、カルボキシ基、ハロゲン、およびフェニルが挙げられる。
【0051】
そうではないことが明示的に述べられていない場合、異なる立体異性体として存在し得る、または異なるコンフォメーションおよび立体配置で存在し得る化合物および官能基によって、全ての立体異性体、コンフォメーション、および立体配置が包含されることが理解されるであろう。例えば、用語「イノシトール」は、全ての立体異性体およびコンフォメーション、例えばミオ、シロ、ムコ、D-カイロ、ネオイノシトール、L-カイロ、アロ、エピ、およびシスイノシトールを含むとして理解されるものとする。例えば、用語「ヘキサントリオール」は、3個のヒドロキシル基を含む全てのヘキサン異性体、例えば1,1,1-ヘキサントリオール、1,1,2-ヘキサントリオール、1,2,2-ヘキサントリオール、1,2,3-ヘキサントリオール、1,2,4-ヘキサントリオール、1,2,5-ヘキサントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,3,5-ヘキサントリオール、1,3,6-ヘキサントリオール、2,3,4-ヘキサントリオール、2,3,5-ヘキサントリオールなどを含むとして理解されるものとする。
【0052】
本明細書に記載されるA、R、R1、X、およびLGについての意味および好ましい意味は、本明細書で詳述されるプロセス工程のすべてにおいて、化合物の前駆体を含む全ての化合物およびプロセスに適用される。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」と「からなる」の両方を包含するとして解釈されるものとし、本発明の実施態様の両方の意味が具体的に意図されており、個々に開示されている。
【0054】
本明細書で使用される場合、要素または成分の前に付く冠詞「1つの(a)」および「1つの(an)」は、要素または成分の事例(すなわち存在)の数に関して非制限的であることが意図される。それゆえに、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つ、または少なくとも1つを含むように読むものとし、要素または成分の単数形の語形はまた、数が明らかに単数形であることを意味しない限り、複数形も含む。
【0055】
本明細書で使用される場合、採用される物質、成分、構成要素、またはパラメーターの量を修飾する用語「約」は、例えば、典型的な測定や取り扱い手順、例えば、濃縮物または溶液を作製するのに使用される液体の取り扱い手順を介して起こる可能性がある数量の変動を指す。さらに、変動は、測定手順や、方法を実行するのに採用される成分の製造、源、または純度の差などにおける意図しないエラーにより生じる可能性がある。一実施態様において、用語「約」は、報告された数値の10%以内を意味する。より具体的な実施態様において、用語「約」は、報告された数値の5%以内を意味する。
【0056】
上記で概説したように、本発明の主題は、式1の化合物
【0057】
【0058】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供することである。
【0059】
一実施態様において、本発明は、式1の化合物
【0060】
【0061】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0062】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する、2~18個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、または環状有機化合物である。
【0063】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される。
【0064】
好ましくは、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルは、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択される。
【0065】
好ましくは、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルは、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される。
【0066】
一実施態様において、有機ポリオールは、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される。
【0067】
単糖類は、一般的に、化学式CnH2nOnを有する。単糖類は、それらが含有する炭素原子の数である(CH2O)xのxによって分類することができ、すなわち、トリオース(x=3)、テトロース(x=4)、ペントース(x=5)、ヘキソース(x=6)およびヘプトース(x=7)である。
【0068】
一実施態様において、単糖類は、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択される。好ましくは、単糖類は、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、およびケトヘキソースから選択される。
【0069】
一実施態様において、単糖類は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース(chinovose)、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0070】
糖アルコール(多価アルコール、ポリアルコール、アルジトールまたはグリシトールとも称される)は、典型的には、各炭素原子に結合した1個のヒドロキシル基(-OH)を含有する糖から得られる有機化合物である。
【0071】
一実施態様において、糖アルコールは、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0072】
糖酸は、一般的に、炭素鎖の1つの末端または両方の末端にカルボキシル基を有する単糖類である。糖酸の主要なクラスとしては、アルドン酸、ウロソン酸、ウロン酸、およびアルダル酸が挙げられる。アルドン酸では、アルドースの最初の末端(1位)に配置されたアルデヒド基(-CHO)が酸化される。ウロソン酸では、2-ケトースの最初の末端における-CH2(OH)基が酸化されて、α-ケト酸が生じる。ウロン酸では、アルドースまたはケトースの終端における-CH2(OH)基が酸化される。アルダル酸では、アルドースの両方の末端(-CHOおよび-CH2(OH))が酸化される。
【0073】
一実施態様において、糖酸は、アルドン酸、ウロソン酸、ウロン酸、およびアルダル酸から選択される。好ましくは、糖酸は、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸(ketodeoxyoctonic acid)、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、サッカリン酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0074】
一実施態様において、有機ポリオールは、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択される。好ましくは、有機ポリオールは、エリスリトールである。
【0075】
一実施態様において、yは、2から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。好ましくは、yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。したがって、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に応じて、yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。一実施態様において、yは、2である。一実施態様において、yは、3である。一実施態様において、yは、4である。一実施態様において、yは、5である。一実施態様において、yは、6である。一実施態様において、yは、7である。一実施態様において、yは、8である。一実施態様において、yは、9である。一実施態様において、yは、10である。
【0076】
一実施態様において、式1の化合物において、yは、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい。
【0077】
一実施態様において、式1の化合物における残基
【0078】
【0079】
は、同一であってもよいし、または各存在につき、それぞれ独立して異なっていてもよい。
【0080】
一実施態様において、式1の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置またはL配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、DおよびL配置の非ラセミ混合物として式1の化合物中に存在する。
【0081】
一実施態様において、式1の化合物は、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置である。
【0082】
一実施態様において、式1の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置またはS配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、RおよびS配置の非ラセミ混合物として式1の化合物中に存在する。
【0083】
一実施態様において、式1の化合物は、S配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのR配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置である。
【0084】
一実施態様において、Xは、-C(H)(OH)-である。
【0085】
一実施態様において、式1の化合物は、以下からなる群から選択される。
【0086】
【0087】
【0088】
別の形態において、本発明は、式1の化合物
【0089】
【0090】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式2の有機ポリオールをジケテン3と反応させて、式4の化合物
【0091】
【0092】
を形成すること;
および
(iia)触媒の存在下で、式4の化合物を水素と反応させて、式5の化合物
【0093】
【0094】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式5の化合物を、化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式6の化合物
【0095】
【0096】
を形成すること
を含む、プロセスを提供する。
【0097】
本発明者らは、驚くべきことに、式1の化合物を調製するための本発明によるプロセスは、ジケテン3がこの反応に直接採用される場合、著しく改善された原子の経済性とアセトアセテート1単位当たりの費用効果を達成することを見出した。ポリオールに対して高い比率のBHB単位またはその誘導体が望ましい用途にとって、ポリオールコア1つ当たりより多くのBHB単位またはBHB誘導体単位が好都合である。さらに、末端BHB単位をさらに反応させて、例えばBHB-エステルにしてもよい。本発明によるプロセスは、ポリオール単位当たり高いBHB単位含量を達成する。さらに、本発明によるプロセスは、BHB単位が例えばエステルまたはエーテルによってさらに官能化または保護されたBHBエステルポリオールを提供する。
【0098】
一実施態様において、本発明は、式1の化合物
【0099】
【0100】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式2の有機ポリオールをジケテン3と反応させて、式4の化合物
【0101】
【0102】
を形成すること;
および
(iia)触媒の存在下で、式4の化合物を水素と反応させて、式5の化合物
【0103】
【0104】
を形成すること
を含み、任意に
(iib)式5の化合物を、化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式6の化合物
【0105】
【0106】
を形成すること
を含む、プロセスを提供する。
【0107】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する、2~18個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、または環状有機化合物である。
【0108】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される。
【0109】
好ましくは、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルは、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択される。
【0110】
好ましくは、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルは、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される。
【0111】
一実施態様において、有機ポリオールは、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される。
【0112】
単糖類は、一般的に、化学式CnH2nOnを有する。単糖類は、それらが含有する炭素原子の数である(CH2O)xのxによって分類することができ、すなわち、トリオース(x=3)、テトロース(x=4)、ペントース(x=5)、ヘキソース(x=6)およびヘプトース(x=7)である。
【0113】
一実施態様において、単糖類は、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択される。好ましくは、単糖類は、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、およびケトヘキソースから選択される。
【0114】
一実施態様において、単糖類は、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0115】
糖アルコール(多価アルコール、ポリアルコール、アルジトールまたはグリシトールとも称される)は、典型的には、各炭素原子に結合した1個のヒドロキシル基(-OH)を含有する糖から得られる有機化合物である。
【0116】
一実施態様において、糖アルコールは、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0117】
糖酸は、一般的に、炭素鎖の1つの末端または両方の末端にカルボキシル基を有する単糖類である。糖酸の主要なクラスとしては、アルドン酸、ウロソン酸、ウロン酸、およびアルダル酸が挙げられる。アルドン酸では、アルドースの最初の末端(1位)に配置されたアルデヒド基(-CHO)が酸化される。ウロソン酸では、2-ケトースの最初の末端における-CH2(OH)基が酸化されて、α-ケト酸が生じる。ウロン酸では、アルドースまたはケトースの終端における-CH2(OH)基が酸化される。アルダル酸では、アルドースの両方の末端(-CHOおよび-CH2(OH))が酸化される。
【0118】
一実施態様において、糖酸は、アルドン酸、ウロソン酸、ウロン酸、およびアルダル酸から選択される。好ましくは、糖酸は、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0119】
一実施態様において、有機ポリオールは、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択される。好ましくは、有機ポリオールは、エリスリトールである。
【0120】
一実施態様において、yは、2から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。好ましくは、yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。したがって、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に応じて、yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。一実施態様において、yは、2である。一実施態様において、yは、3である。一実施態様において、yは、4である。一実施態様において、yは、5である。一実施態様において、yは、6である。一実施態様において、yは、7である。一実施態様において、yは、8である。一実施態様において、yは、9である。一実施態様において、yは、10である。
【0121】
一実施態様において、式1の化合物において、yは、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい。
【0122】
一実施態様において、式1の化合物における残基
【0123】
【0124】
は、同一であってもよいし、または各存在につき、それぞれ独立して異なっていてもよい。
【0125】
一実施態様において、式1の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置またはL配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、DおよびL配置の非ラセミ混合物として式1の化合物中に存在する。
【0126】
一実施態様において、式1の化合物は、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置である。
【0127】
一実施態様において、式1の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置またはS配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、RおよびS配置の非ラセミ混合物として式1の化合物中に存在する。
【0128】
一実施態様において、式1の化合物は、S配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのR配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置である。
【0129】
一実施態様において、Xは、-C(H)(OH)-である。
【0130】
一実施態様において、式1の化合物は、以下からなる群から選択される。
【0131】
【0132】
【0133】
一実施態様において、反応工程(i)は、有機アミン触媒の存在下で実行される。好適な有機アミン触媒としては、第三級アミンが挙げられる。好ましくは、有機アミン触媒は、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である。
【0134】
工程(iia)において、式4の化合物は触媒の存在下で水素と反応して、式5の化合物が形成される。一実施態様において、反応工程(iia)は、金属ベースの触媒の存在下で実行される。好ましくは、金属ベースの触媒は、Niベースの触媒、Pdベースの触媒、Ptベースの触媒、Ruベースの触媒、Coベースの触媒、Irベースの触媒、またはRhベースの触媒である。
【0135】
一実施態様において、反応工程(iia)は、金属ベースの触媒と複合体を形成することが可能なキラルリガンドの存在下で実行される。好ましいキラルリガンドは、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)、1,1’-ビ-2-ナフトール(BINOL)、2,3-O-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DIOP)、2,2’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-3,3’-ビチオフェン(テトラMe-BITIOP)、ビス(ジフェニルホスフィノ)-7,8-ジヒドロ-6H-ジベンゾ[f,h][1,5]ジオキソニン(C3-TunePhos)、4,4’-ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ)-2,2’,6,6’-テトラメトキシ-3,3’-ビピリジン(Xyl-p-PHOS)、(6,6’-ジメトキシビフェニル-2,2’-ジイル)-ビス-(ジフェニルホスフィン)(MeO-BIPHEP)、および1,2-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン(DIPAMP)からなる群から選択される。
【0136】
好ましくは、反応工程(iia)は、Ruベースの触媒の存在下で実行される。好ましいRuベースの触媒は、酸化ルテニウム触媒であり、例えばRuO2である。さらなる好ましいRuベースの触媒としては、Ru/C、RuAl2O3、Ru(OAc)2(BINAP)、Ru(Cl)2(BINAP)、C3-[(S,S)-teth-MtsDpenRuCl]、[(R)-BinapRuCl(p-シメン)]Cl、および[クロロ(R)-C3-TunePhos)(p-シメン)ルテニウム(II)]クロリドが挙げられる。
【0137】
一実施態様において、化合物5は、末端β-ヒドロキシル酪酸エステル単位の少なくとも1つのヒドロキシル基において、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せでさらにエステル化される。この状況において、式6の化合物におけるR1は、本明細書で詳述される脂肪酸から得られる脂肪酸残基であることが理解されるであろう。これは、反応工程(iib)で好適に行われる。このケースにおいて、LG-R1が使用され、式中、R1は、脂肪酸残基であり、LGは、カルボン酸官能基においてヒドロキシル基を置き換える脱離基であり、すなわちLG-C(O)-R-であり、式中、Rは、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルキル残基である。例えば、LG-R1は、脂肪酸ハロゲン化物、例えばカプロン酸クロリド、カプリル酸クロリド、カプリン酸クロリド、またはラウリン酸クロリドであってもよい。
【0138】
一実施態様において、オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、またはそれらの組合せである。一実施態様において、オメガ3脂肪酸は、ヘキサデカトリエン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、クルパノドン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、およびテトラコサヘキサエン酸からなる群から選択される。一実施態様において、オメガ6脂肪酸は、リノール酸、ガンマ-リノレン酸、カレンジン酸、エイコサジエン酸、ジホモガンマリノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、オズボンド酸、テトラコサテトラエン酸、およびテトラコサペンタエン酸からなる群から選択される。
【0139】
一実施態様において、中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0140】
一実施態様において、LG-R1は、本明細書で詳述される脂肪酸のいずれか1つの脂肪酸ハロゲン化物である。
【0141】
化合物5は、1種のみのオメガ脂肪酸または中鎖脂肪酸でエステル化されてもよいし、またはオメガ脂肪酸および/または中鎖脂肪酸のあらゆる組合せでエステル化されてもよい。
【0142】
有機ポリオールのタイプに応じて、式1の化合物を調製するためのプロセスは、有機溶媒中で実行してもよいし、または溶媒なしで実行してもよい。具体的には、低い融点(典型的には<120℃)を有する液体有機ポリオールまたは有機ポリオールの場合、有機溶媒は必要ではなく、プロセスは溶媒なしで実行することができる。したがって、一実施態様において、式1の化合物を調製するためのプロセスは、溶媒なしで実行される。別の実施態様において、式1の化合物を調製するためのプロセスは、有機溶媒中で実行される。
【0143】
好適な有機溶媒としては、酢酸エチル、ジエチルエーテル、MTBE、テトラヒドロフラン、n-ペンタン、シクロペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、DMF、DMSO、アセトン、アセトニトリル、トルエン、クロロホルム、1,4-ジオキサン、またはo/m/p-キシレンが挙げられる。好ましくは、有機溶媒は、酢酸エチルである。
【0144】
一実施態様において、式1の化合物を調製するためのプロセスにおいて、反応工程(i)は、20~100℃の温度で実行される。好ましくは、反応工程(i)は、40~70℃の温度で実行される。加えて、反応工程(i)の反応温度は、ジケテン3の添加が完了した後に40~70℃に維持してもよい。
【0145】
一実施態様において、式1の化合物を調製するためのプロセスにおいて、反応工程(i)は、0~100℃の温度で実行される。好ましくは、反応工程(i)は、15~70℃の温度で実行される。加えて、反応工程(i)の反応温度は、ジケテン3の添加が完了した後に20~70℃に維持してもよい。
【0146】
一実施態様において、反応工程(i)中に、ジケテン3は、1~6時間の期間にわたり、副産物の形成を回避するために、ゆっくり、例えば一滴ずつ反応混合物に添加される。
【0147】
一実施態様において、反応工程(i)中に、ジケテン3は、1~10時間の期間にわたり、副産物の形成を回避するために、ゆっくり、例えば一滴ずつ反応混合物に添加される。
【0148】
一実施態様において、反応工程(iia)は、水素圧力下で、閉じた容器中で実行される。好ましくは、反応工程(iia)は、5~30barの水素圧力で実行され、さらにより好ましくは10~20barの水素圧力で実行される。
【0149】
一実施態様において、反応工程(iia)は、20~90℃の温度で実行される。一実施態様において、反応工程(iia)は、30~90℃の温度で実行される。好ましくは、反応工程(iia)は、50~70℃の温度で実行され、より好ましくは、反応工程(iia)は、約60℃の温度で実行される。
【0150】
一実施態様において、反応工程(iia)は、反応混合物への水素拡散が十分になるように、800~1200rpmで撹拌される。
【0151】
別の形態において、本発明は、式9の化合物
【0152】
【0153】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0154】
一実施態様において、本発明は、式9の化合物
【0155】
【0156】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0157】
一実施態様において、zは、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20である。一実施態様において、zは、0~20であり、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である。一実施態様において、zは、0~20であり、例えば、0~19、0~18、0~17、0~16、0~15、0~14、0~13、0~12、0~11、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、1、または0である。好ましくは、zは、0または1である。
【0158】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有し、2~18個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖、または環状有機化合物である。
【0159】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される。
【0160】
好ましくは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルは、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0161】
一実施態様において、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルは、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0162】
一実施態様において、有機ポリオールは、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される。
【0163】
一実施態様において、単糖類は、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、単糖類は、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される。
【0164】
好ましくは、単糖類は、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0165】
好ましくは、糖アルコールは、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0166】
好ましくは、糖酸は、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0167】
一実施態様において、有機ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される。好ましくは、有機ポリオールは、エリスリトールである。
【0168】
一実施態様において、yは、2から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。したがって、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に応じて、yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。一実施態様において、yは、2である。一実施態様において、yは、3である。一実施態様において、yは、4である。一実施態様において、yは、5である。一実施態様において、yは、6である。一実施態様において、yは、7である。一実施態様において、yは、8である。一実施態様において、yは、9である。一実施態様において、yは、10である。
【0169】
一実施態様において、式9の化合物において、yは、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい。
【0170】
一実施態様において、式9の化合物における残基
【0171】
【0172】
は、同一であってもよいし、または各存在につき、それぞれ独立して異なっていてもよい。
【0173】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置またはL配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、DおよびL配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0174】
一実施態様において、式9の化合物は、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置である。
【0175】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置またはS配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、RおよびS配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0176】
一実施態様において、式9の化合物は、S配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのR配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置である。
【0177】
一実施態様において、Xは、-C(O)-である。一実施態様において、Xは、-C(H)(OH)-である。
【0178】
一実施態様において、式9の化合物は、以下からなる群から選択される。
【0179】
【0180】
別の形態において、本発明は、式9の化合物
【0181】
【0182】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式10の化合物を、ジケテン3と反応させて、式11の化合物
【0183】
【0184】
を形成すること
を含み、任意に
(iia)触媒の存在下で、式11の化合物を水素と反応させて、式12の化合物
【0185】
【0186】
を形成すること
を含み、任意に
(iib)式12の化合物を、化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式13の化合物
【0187】
【0188】
を形成すること
を含む、プロセスを提供する。
【0189】
一実施態様において、本発明は、式9の化合物
【0190】
【0191】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式10の化合物を、ジケテン3と反応させて、式11の化合物
【0192】
【0193】
を形成すること
を含み、任意に
(iia)触媒の存在下で、式11の化合物を水素と反応させて、式12の化合物
【0194】
【0195】
を形成すること
を含み、任意に
(iib)式12の化合物を、化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式13の化合物
【0196】
【0197】
を形成すること
を含む、プロセスを提供する。
【0198】
本発明者らは、驚くべきことに、式9の化合物を調製するための本発明によるプロセスは、式10に係る化合物をジケテン3と反応させて式11の化合物を形成する場合、著しく改善された原子の経済性とアセトアセテート1単位当たりの費用対効果を達成することを見出した。ポリオールに対して高い比率のアセトアセテートおよび/またはBHB単位またはその誘導体が望ましい用途にとって、ポリオールコア1つ当たりより多くのアセトアセテートおよび/またはBHB単位が好都合である。さらに、本発明者らは、驚くべきことに、化合物11の化合物12への水素化の後、得られた化合物をジケテン3と反応させるプロセスは、繰り返すことができることを見出した。これは、最終的に、望ましい長さの複数のBHB単位を有するデンドリマーをもたらす。末端アセトアセテートおよび/またはBHB単位をさらに反応させてもよく、例えばBHB-エステルを得てもよい。したがって、本発明によるプロセスは、ポリオール単位当たり高いBHB単位含量を達成する。さらに、本発明によるプロセスは、BHB単位が、例えばエステルまたはエーテルによって、さらに官能化または保護されているBHBエステルポリオールを提供する。
【0199】
一実施態様において、zは、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20である。一実施態様において、zは、0~20であり、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である。一実施態様において、zは、0~20であり、例えば、0~19、0~18、0~17、0~16、0~15、0~14、0~13、0~12、0~11、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、1、または0である。好ましくは、zは、0または1である。
【0200】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、2~18個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、または環状有機化合物である。
【0201】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される。
【0202】
好ましくは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルは、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0203】
一実施態様において、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルは、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0204】
一実施態様において、有機ポリオールは、単糖、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される。
【0205】
一実施態様において、単糖類は、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、単糖類は、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される。
【0206】
好ましくは、単糖類は、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0207】
好ましくは、糖アルコールは、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0208】
好ましくは、糖酸は、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0209】
一実施態様において、有機ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される。好ましくは、有機ポリオールは、エリスリトールである。
【0210】
一実施態様において、yは、2から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。したがって、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に応じて、yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。一実施態様において、yは、2である。一実施態様において、yは、3である。一実施態様において、yは、4である。一実施態様において、yは、5である。一実施態様において、yは、6である。一実施態様において、yは、7である。一実施態様において、yは、8である。一実施態様において、yは、9である。一実施態様において、yは、10である。
【0211】
一実施態様において、式9の化合物において、yは、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい。
【0212】
一実施態様において、式9の化合物における残基
【0213】
【0214】
は、同一であってもよいし、または各存在につき、それぞれ独立して異なっていてもよい。
【0215】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置またはL配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、DおよびL配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0216】
一実施態様において、式9の化合物は、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置である。
【0217】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置またはS配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、RおよびS配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0218】
一実施態様において、式9の化合物は、S配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのR配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置である。
【0219】
一実施態様において、Xは、-C(O)-である。一実施態様において、Xは、-C(H)(OH)-である。
【0220】
一実施態様において、式9の化合物は、以下からなる群から選択される。
【0221】
【0222】
一実施態様において、反応工程(i)は、有機アミン触媒の存在下で実行される。好適な有機アミン触媒としては、第三級アミンが挙げられる。好ましくは、有機アミン触媒は、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)である。
【0223】
工程(iia)において、式11の化合物は触媒の存在下で水素と反応して、式12の化合物が形成される。一実施態様において、反応工程(iia)は、金属ベースの触媒の存在下で実行される。好ましくは、金属ベースの触媒は、Niベースの触媒、Pdベースの触媒、Ptベースの触媒、Ruベースの触媒、Coベースの触媒、Irベースの触媒、またはRhベースの触媒である。
【0224】
一実施態様において、反応工程(iia)は、金属ベースの触媒と複合体を形成することが可能なキラルリガンドの存在下で実行される。好ましいキラルリガンドは、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)、1,1’-ビ-2-ナフトール(BINOL)、2,3-O-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DIOP)、2,2’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-3,3’-ビチオフェン(テトラMe-BITIOP)、ビス(ジフェニルホスフィノ)-7,8-ジヒドロ-6H-ジベンゾ[f,h][1,5]ジオキソニン(C3-TunePhos)、4,4’-ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ)-2,2’,6,6’-テトラメトキシ-3,3’-ビピリジン(Xyl-p-PHOS)、(6,6’-ジメトキシビフェニル-2,2’-ジイル)-ビス-(ジフェニルホスフィン)(MeO-BIPHEP)、および1,2-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン(DIPAMP)からなる群から選択される。
【0225】
好ましくは、反応工程(iia)は、Ruベースの触媒の存在下で実行される。好ましいRuベースの触媒は、酸化ルテニウム触媒のいずれかであり、例えばRuO2である。さらなる好ましいRuベースの触媒としては、Ru/C、RuAl2O3、Ru(OAc)2(BINAP)、Ru(Cl)2(BINAP)、C3-[(S,S)-teth-MtsDpenRuCl]、[(R)-BinapRuCl(p-シメン)]Cl、および[クロロ(R)-C3-TunePhos)(p-シメン)ルテニウム(II)]クロリドが挙げられる。
【0226】
一実施態様において、化合物12は、末端β-ヒドロキシル酪酸エステル単位の少なくとも1つのヒドロキシル基において、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せでさらにエステル化される。この状況において、式13の化合物におけるR1は、本明細書で詳述される脂肪酸から得られる脂肪酸残基であることが理解されるであろう。これは、反応工程(iib)で好適に行われる。このケースにおいて、LG-R1が使用され、式中、R1は、脂肪酸残基であり、LGは、カルボン酸官能基においてヒドロキシル基を置き換える脱離基であり、すなわちLG-C(O)-R-であり、式中、Rは、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルキル残基である。例えば、LG-R1は、脂肪酸ハロゲン化物、例えばカプロン酸クロリド、カプリル酸クロリド、カプリン酸クロリド、またはラウリン酸クロリドであってもよい。
【0227】
一実施態様において、オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、またはそれらの組合せである。一実施態様において、オメガ3脂肪酸は、ヘキサデカトリエン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、クルパノドン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、およびテトラコサヘキサエン酸からなる群から選択される。一実施態様において、オメガ6脂肪酸は、リノール酸、ガンマ-リノレン酸、カレンジン酸、エイコサジエン酸、ジホモガンマリノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、オズボンド酸、テトラコサテトラエン酸、およびテトラコサペンタエン酸からなる群から選択される。
【0228】
一実施態様において、中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0229】
一実施態様において、LG-R1は、本明細書で詳述される脂肪酸のいずれか1つの脂肪酸ハロゲン化物である。
【0230】
化合物12は、1種のみのオメガ脂肪酸または中鎖脂肪酸でエステル化されてもよいし、またはオメガ脂肪酸および/または中鎖脂肪酸のあらゆる組合せでエステル化されてもよい。
【0231】
有機ポリオールのタイプに応じて、式9の化合物を調製するためのプロセスは、有機溶媒中で実行してもよいし、または溶媒なしで実行してもよい。具体的には、低い融点(典型的には<120℃)を有する液体有機ポリオールまたは有機ポリオールの場合、有機溶媒は必要ではなく、プロセスは溶媒なしで実行することができる。したがって、一実施態様において、式9の化合物を調製するためのプロセスは、溶媒なしで実行される。別の実施態様において、式9の化合物を調製するためのプロセスは、有機溶媒中で実行される。
【0232】
好適な有機溶媒としては、酢酸エチル、ジエチルエーテル、MTBE、テトラヒドロフラン、n-ペンタン、シクロペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン、n-ヘプタン、DMF、DMSO、アセトン、t-ブチルアルコール、アセトニトリル、トルエン、クロロホルム、1,4-ジオキサン、メタノール、エタノール、またはo/m/p-キシレンが挙げられる。好ましくは、有機溶媒は、酢酸エチルである。
【0233】
一実施態様において、式9の化合物を調製するためのプロセスにおいて、反応工程(i)は、20~100℃の温度で実行される。好ましくは、反応工程(i)は、40~70℃の温度で実行される。加えて、反応工程(i)の反応温度は、ジケテン3の添加が完了した後に40~70℃に維持してもよい。
【0234】
一実施態様において、式9の化合物を調製するためのプロセスにおいて、反応工程(i)は、0~100℃の温度で実行される。好ましくは、反応工程(i)は、15~70℃の温度で実行される。加えて、反応工程(i)の反応温度は、ジケテン3の添加が完了した後に20~70℃に維持してもよい。
【0235】
一実施態様において、反応工程(i)中に、ジケテン3は、1~6時間の期間にわたり、ゆっくり、副産物の形成を回避するために、例えば一滴ずつ反応混合物に添加される。
【0236】
一実施態様において、反応工程(i)中に、ジケテン3は、1~10時間の期間にわたり、副産物の形成を回避するために、ゆっくり、例えば一滴ずつ反応混合物に添加される。
【0237】
一実施態様において、反応工程(iia)は、水素圧力下で、閉じた容器中で実行される。好ましくは、反応工程(iia)は、5~30barの水素圧力で実行され、さらにより好ましくは10~20barの水素圧力で実行される。
【0238】
一実施態様において、反応工程(iia)は、20~90℃の温度で実行される。一実施態様において、反応工程(iia)は、30~90℃の温度で実行される。好ましくは、反応工程(iia)は、50~70℃の温度で実行され、より好ましくは、反応工程(iia)は、約60℃の温度で実行される。
【0239】
一実施態様において、反応工程(iia)は、反応混合物への水素拡散が十分になるように、800~1200rpmで撹拌される。
【0240】
別の形態において、本発明は、式9の化合物
【0241】
【0242】
(式中、
zは、0または1であり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0243】
一実施態様において、本発明は、式9の化合物
【0244】
【0245】
(式中、
zは、0または1であり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0246】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する、2~18個の炭素原子を有する直鎖、分岐鎖、または環状有機化合物である。
【0247】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される。
【0248】
好ましくは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルは、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0249】
一実施態様において、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルは、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0250】
一実施態様において、有機ポリオールは、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される。
【0251】
一実施態様において、単糖類は、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、単糖類は、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される。
【0252】
好ましくは、単糖類は、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0253】
好ましくは、糖アルコールは、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0254】
好ましくは、糖酸は、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0255】
一実施態様において、有機ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される。好ましくは、有機ポリオールは、エリスリトールである。
【0256】
一実施態様において、yは、2から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。したがって、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に応じて、yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。一実施態様において、yは、2である。一実施態様において、yは、3である。一実施態様において、yは、4である。一実施態様において、yは、5である。一実施態様において、yは、6である。一実施態様において、yは、7である。一実施態様において、yは、8である。一実施態様において、yは、9である。一実施態様において、yは、10である。
【0257】
一実施態様において、式9の化合物において、yは、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい。
【0258】
一実施態様において、式9の化合物における残基
【0259】
【0260】
は、同一であってもよいし、または各存在につき、それぞれ独立して異なっていてもよい。
【0261】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置またはL配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、DおよびL配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0262】
一実施態様において、式9の化合物は、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置である。
【0263】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置またはS配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、RおよびS配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0264】
一実施態様において、式9の化合物は、S配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのR配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置である。
【0265】
一実施態様において、Xは、-C(O)-である。一実施態様において、Xは、-C(H)(OH)-である。
【0266】
一実施態様において、式9の化合物は、以下からなる群から選択される。
【0267】
【0268】
別の形態において、本発明は、式9の化合物
【0269】
【0270】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、ただし有機ポリオールはエリスリトールではなく、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0271】
一実施態様において、本発明は、式9の化合物
【0272】
【0273】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、ただし有機ポリオールはエリスリトールではなく、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を提供する。
【0274】
一実施態様において、zは、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20である。一実施態様において、zは、0~20であり、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である。一実施態様において、zは、0~20であり、例えば、0~19、0~18、0~17、0~16、0~15、0~14、0~13、0~12、0~11、0~10、0~9、0~8、0~7、0~6、0~5、0~4、0~3、0~2、1、または0である。好ましくは、zは、0または1である。
【0275】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有し、2~18個の炭素原子を有する、直鎖、分岐鎖、または環状有機化合物である。
【0276】
一実施態様において、有機ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される。
【0277】
好ましくは、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルは、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0278】
一実施態様において、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルは、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0279】
一実施態様において、有機ポリオールは、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される。
【0280】
一実施態様において、単糖類は、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、単糖類は、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される。
【0281】
好ましくは、単糖類は、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0282】
好ましくは、糖アルコールは、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0283】
好ましくは、糖酸は、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0284】
一実施態様において、有機ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される。
【0285】
一実施態様において、yは、2から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。一実施態様において、yは、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである。したがって、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に応じて、yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10であってもよい。一実施態様において、yは、2である。一実施態様において、yは、3である。一実施態様において、yは、4である。一実施態様において、yは、5である。一実施態様において、yは、6である。一実施態様において、yは、7である。一実施態様において、yは、8である。一実施態様において、yは、9である。一実施態様において、yは、10である。
【0286】
一実施態様において、式9の化合物において、yは、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい。
【0287】
一実施態様において、式9の化合物における残基
【0288】
【0289】
は、同一であってもよいし、または各存在につき、それぞれ独立して異なっていてもよい。
【0290】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置またはL配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、DおよびL配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0291】
一実施態様において、式9の化合物は、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、D配置である。
【0292】
一実施態様において、式9の化合物において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置またはS配置のいずれかである。別の実施態様において、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、RおよびS配置の非ラセミ混合物として式9の化合物中に存在する。
【0293】
一実施態様において、式9の化合物は、S配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのR配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有する。好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位は、R配置である。
【0294】
一実施態様において、Xは、-C(O)-である。一実施態様において、Xは、-C(H)(OH)-である。
【0295】
一実施態様において、式9の化合物は、以下からなる群から選択される。
【0296】
【0297】
以下の番号付けされた項目で、本発明の好ましい実施態様をさらに定義する。
【0298】
1.式1の化合物
【0299】
【0300】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【0301】
2.有機ポリオールが、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される、項目1に記載の化合物。
【0302】
3.少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルが、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択される、項目2に記載の化合物。
【0303】
4.少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルが、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される、項目2または3に記載の化合物。
【0304】
5.有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目1に記載の化合物。
【0305】
6.単糖類が、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、単糖類が、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトース、およびケトヘプトースから選択される、項目5に記載の化合物。
【0306】
7.単糖類が、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目5または6に記載の化合物。
【0307】
8.糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目5~7のいずれか一項に記載の化合物。
【0308】
9.糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目5~8のいずれか一項に記載の化合物。
【0309】
10.有機ポリオールが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択され、好ましくは、有機ポリオールが、エリスリトールである、項目1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【0310】
11.化合物が、
【0311】
【0312】
【0313】
からなる群から選択される、項目1~10のいずれか一項に記載の化合物。
【0314】
12.全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置またはL配置のいずれかであるか、または全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、DおよびL配置の非ラセミ混合物として存在する、項目1~11のいずれか一項に記載の化合物。
【0315】
13.化合物が、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有し、好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置である、項目1~12のいずれか一項に記載の化合物。
【0316】
14.式9の化合物
【0317】
【0318】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【0319】
15.zが、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20であり、好ましくは、zが、0~20、例えば0~19、例えば0~18、例えば0~17、例えば0~16、例えば0~15、例えば0~14、例えば0~13、例えば0~12、例えば0~11、例えば0~10、例えば0~9、例えば0~8、例えば0~7、例えば0~6、例えば0~5、例えば0~4、例えば0~3、例えば0~2であり、より好ましくは、zが、0または1である、項目14に記載の化合物。
【0320】
16.有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される、項目14または15に記載の化合物。
【0321】
17.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目16に記載の化合物。
【0322】
18.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目16または17に記載の化合物。
【0323】
19.有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目14または15に記載の化合物。
【0324】
20.単糖類が、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される、項目19に記載の化合物。
【0325】
21.単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目19または20に記載の化合物。
【0326】
22.糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目19~21のいずれか一項に記載の化合物。
【0327】
23.糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目19~22のいずれか一項に記載の化合物。
【0328】
24.有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択され、好ましくは、有機ポリオールは、エリスリトールである、項目14~23のいずれか一項に記載の化合物。
【0329】
25.化合物が、
【0330】
【0331】
からなる群から選択される、項目14~24のいずれか一項に記載の化合物。
【0332】
26.全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置またはL配置のいずれかであるか、または全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、DおよびL配置の非ラセミ混合物として存在する、項目14~25のいずれか一項に記載の化合物。
【0333】
27.化合物が、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有し、好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置である、項目14~26のいずれか一項に記載の化合物。
【0334】
28.yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、項目1~27のいずれか一項に記載の化合物。
【0335】
29.式1の化合物
【0336】
【0337】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式2の有機ポリオールをジケテン3と反応させて、式4の化合物
【0338】
【0339】
を形成すること;
および
(iia)触媒の存在下で、式4の化合物を水素と反応させて、式5の化合物
【0340】
【0341】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式5の化合物を、化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式6の化合物
【0342】
【0343】
を形成すること
を含む、上記プロセス。
【0344】
30.有機ポリオールが、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される、項目29に記載のプロセス。
【0345】
31.少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルが、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択される、項目30に記載のプロセス。
【0346】
32.少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルが、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される、項目30または31に記載のプロセス。
【0347】
33.有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目29に記載のプロセス。
【0348】
34.単糖類が、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、単糖類が、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトース、およびケトヘプトースから選択される、項目33に記載のプロセス。
【0349】
35.単糖類が、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目33または34に記載のプロセス。
【0350】
36.糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目34~35のいずれか一項に記載のプロセス。
【0351】
37.糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目33~36のいずれか一項に記載のプロセス。
【0352】
38.有機ポリオールが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択され、好ましくは、有機ポリオールが、エリスリトールである、項目29~37のいずれか一項に記載のプロセス。
【0353】
39.化合物が、
【0354】
【0355】
【0356】
からなる群から選択される、項目29~38のいずれか一項に記載のプロセス。
【0357】
40.式9の化合物
【0358】
【0359】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式10の化合物を、ジケテン3と反応させて、式11の化合物
【0360】
【0361】
を形成すること
を含み、任意に、
(iia)触媒の存在下で、式11の化合物を水素と反応させて、式12の化合物
【0362】
【0363】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式12の化合物を、化合物LG-R1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式13の化合物
【0364】
【0365】
を形成すること
を含む、上記プロセス。
【0366】
41.zが、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20であり、好ましくは、zが、0~20、例えば0~19、例えば0~18、例えば0~17、例えば0~16、例えば0~15、例えば0~14、例えば0~13、例えば0~12、例えば0~11、例えば0~10、例えば0~9、例えば0~8、例えば0~7、例えば0~6、例えば0~5、例えば0~4、例えば0~3、例えば0~2であり、より好ましくは、zが、0または1である、項目40に記載のプロセス。
【0367】
42.有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される、項目40または41に記載のプロセス。
【0368】
43.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目42に記載のプロセス。
【0369】
44.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目42または43に記載のプロセス。
【0370】
45.有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目40または41に記載のプロセス。
【0371】
46.単糖類が、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される、項目45に記載のプロセス。
【0372】
47.単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目45または46に記載のプロセス。
【0373】
48.糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目45~47のいずれか一項に記載のプロセス。
【0374】
49.糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目45~48のいずれか一項に記載のプロセス。
【0375】
50.有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択され、好ましくは、有機ポリオールが、エリスリトールである、項目40~49のいずれか一項に記載のプロセス。
【0376】
51.化合物が、
【0377】
【0378】
からなる群から選択される、項目40~50のいずれか一項に記載のプロセス。
【0379】
52.反応工程(i)が、有機アミン触媒の存在下で実行される、項目29~51のいずれか一項に記載のプロセス。
【0380】
53.有機アミン触媒が、第三級アミンである、項目52に記載のプロセス。
【0381】
54.有機アミン触媒が、DABCOである、項目53に記載のプロセス。
【0382】
55.反応工程(iia)が、金属ベースの触媒の存在下で実行され、好ましくはNiベースの触媒、Pdベースの触媒、Ptベースの触媒、Ruベースの触媒、Coベースの触媒、Irベースの触媒、またはRhベースの触媒の存在下で実行される、項目29~54のいずれか一項に記載のプロセス。
【0383】
56.反応工程(iia)が、Ruベースの触媒の存在下で実行され、好ましくは、該Ruベースの触媒は、酸化ルテニウム触媒、Ru/C、RuAl2O3、RuO2、Ru(OAc)2(BINAP)、Ru(Cl)2(BINAP)、C3-[(S,S)-teth-MtsDpenRuCl]、[(R)-BinapRuCl(p-シメン)]Cl、および[クロロ(R)-C3-TunePhos)(p-シメン)ルテニウム(II)]クロリドから選択される、項目29~55のいずれか一項に記載のプロセス。
【0384】
57.反応工程(iia)が、金属ベースの触媒と複合体を形成することが可能なキラルリガンドの存在下で実行され、好ましくは、該キラルリガンドは、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)、1,1’-ビ-2-ナフトール(BINOL)、2,3-O-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DIOP)、2,2’,5,5’-テトラメチル-4,4’-ビス-(ジフェニルホスフィノ)-3,3’-ビチオフェン(テトラMe-BITIOP)、ビス(ジフェニルホスフィノ)-7,8-ジヒドロ-6H-ジベンゾ[f,h][1,5]ジオキソニン(C3-TunePhos)、4,4’-ビス(ビス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィノ)-2,2’,6,6’-テトラメトキシ-3,3’-ビピリジン(Xyl-p-PHOS)、(6,6’-ジメトキシビフェニル-2,2’-ジイル)-ビス-(ジフェニルホスフィン)(MeO-BIPHEP)、および1,2-ビス[(2-メトキシフェニル)フェニルホスフィノ]エタン(DIPAMP)からなる群から選択される、項目29~56のいずれか一項に記載のプロセス。
【0385】
58.全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置またはL配置のいずれかであるか、または全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、DおよびL配置の非ラセミ混合物として存在する、項目29~56のいずれか一項に記載のプロセス。
【0386】
59.化合物が、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有し、好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置である、項目29~58のいずれか一項に記載のプロセス。
【0387】
60.化合物5または12が、末端β-ヒドロキシル酪酸エステル単位の少なくとも1つのヒドロキシル基において、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せでさらにエステル化され、好ましくは、該オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、またはそれらの組合せであるか、および/または該中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目29~59のいずれか一項に記載のプロセス。
【0388】
61.yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、項目29~60のいずれか一項に記載のプロセス。
【0389】
62.式9の化合物
【0390】
【0391】
(式中、
zは、0または1であり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【0392】
63.有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される、項目62に記載の化合物。
【0393】
64.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目63に記載の化合物。
【0394】
65.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目63または64に記載の化合物。
【0395】
66.有機ポリオールが、単糖、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目62に記載の化合物。
【0396】
67.単糖類が、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される、項目66に記載の化合物。
【0397】
68.単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目66または67に記載の化合物。
【0398】
69.糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目66~68のいずれか一項に記載の化合物。
【0399】
70.糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目66~69のいずれか一項に記載の化合物。
【0400】
71.有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択され、好ましくは、有機ポリオールが、エリスリトールである、項目62~70のいずれか一項に記載の化合物。
【0401】
72.化合物が、
【0402】
【0403】
からなる群から選択される、項目62~71のいずれか一項に記載の化合物。
【0404】
73.全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置またはL配置のいずれかであるか、または全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、DおよびL配置の非ラセミ混合物として存在する、項目62~72のいずれか一項に記載の化合物。
【0405】
74.化合物が、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有し、好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置である、項目62~73のいずれか一項に記載の化合物。
【0406】
75.yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、項目62~74のいずれか一項に記載の化合物。
【0407】
76.式9の化合物
【0408】
【0409】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、ただし有機ポリオールはエリスリトールではなく、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR1)-であり、
R1は、直鎖または分岐鎖C1~12アルキル、C3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【0410】
77.zが、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20であり、好ましくは、zが、0~20、例えば0~19、例えば0~18、例えば0~17、例えば0~16、例えば0~15、例えば0~14、例えば0~13、例えば0~12、例えば0~11、例えば0~10、例えば0~9、例えば0~8、例えば0~7、例えば0~6、例えば0~5、例えば0~4、例えば0~3、例えば0~2であり、より好ましくは、zが、0または1である、項目76に記載の化合物。
【0411】
78.有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルから選択される、項目76または77に記載の化合物。
【0412】
79.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目78に記載の化合物。
【0413】
80.少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目78または79に記載の化合物。
【0414】
81.有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目76または77に記載の化合物。
【0415】
82.単糖類が、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択される、項目81に記載の化合物。
【0416】
83.単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目81または82に記載の化合物。
【0417】
84.糖アルコールが、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目81~83のいずれか一項に記載の化合物。
【0418】
85.糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目81~84のいずれか一項に記載の化合物。
【0419】
86.有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、項目76~85のいずれか一項に記載の化合物。
【0420】
87.化合物が、
【0421】
【0422】
からなる群から選択される、項目76~86のいずれか一項に記載の化合物。
【0423】
88.全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置またはL配置のいずれかであるか、または全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、DおよびL配置の非ラセミ混合物として存在する、項目76~87のいずれか一項に記載の化合物。
【0424】
89.化合物が、L配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位より多くのD配置のβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位を含有し、好ましくは、全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、D配置である、項目76~88のいずれか一項に記載の化合物。
【0425】
90.yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、項目76~89のいずれか一項に記載の化合物。
【0426】
91.全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、R配置である、項目1~90のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
【0427】
これらの実施態様および項目は複数の可能性の例を描写しているに過ぎないことは、当業者にとって明白であろう。したがって、本明細書で示される実施態様は、これらの特徴および形態の限定を形成すると理解されるべきではない。本発明の範囲にしたがって、記載された特徴のあらゆる可能性のある組合せおよび形態を選択することができる。本発明の1つの特定の形態(例えば本発明の保存剤組成物)と関連して本明細書に記載される全ての実施態様および好ましい実施態様は、本発明の全ての他の形態に、例えば本発明による最終用途配合物、使用、または方法に、同様に適用されるものとする。
【0428】
以下の実施例によって、本発明をさらに例示する。
【実施例】
【0429】
実施例1:
【0430】
【0431】
プロパン-1,2,3-トリルトリス(3-ヒドロキシブタノエート)(180.0g、514mmol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入した。DABCO(70mg、0.7mmol、0.0013当量)を添加し、混合物を撹拌して、均一な混合物を得た。その後、ジケテン(129.6g、1.5mol、ヒドロキシル基1個当たり1当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら反応混合物にゆっくり添加して、40~70℃の内部温度を維持した。40~70℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を40~70℃の内部温度で追加の30分間維持した。最後に、反応混合物を室温に冷却し、分析した。最終産物であるプロパン-1,2,3-トリルトリス(3-((3-オキソブタノイル)オキシ)ブタノエート)を定量可能な収量で得て、純度は64%-a/aであった(220nmでのHPLCによって)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.05 - 1.10 (m, 9 H) 1.19 - 1.26 (m, 9 H) 2.24 - 2.38 (m, 6 H) 2.54 - 2.73 (m, 6 H) 3.91 - 4.01 (m, 3 H) 4.09 - 4.19 (m, 2 H) 4.20 - 4.32 (m, 2 H) 4.57 - 4.76 (m, 3 H) 5.05 - 5.15 (m, 3 H) 5.16 - 5.23 (m, 1 H)。
【0432】
実施例2:
【0433】
【0434】
ソルビトール(800g、4.39mol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、酢酸エチル(1.6l、2相対体積)を添加した。この懸濁液に、DABCO(0.64g、5.7mmol、0.0013当量)を添加した。その後、ジケテン(2.24kg、26.61mol、ヒドロキシル基1個当たり1当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら反応混合物にゆっくり添加して、30~50℃の内部温度を維持した。30~50℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、室温に冷却する前に、混合物を50℃の内部温度で追加の30分間維持した。その後、水(800mL、1相対体積)および硫酸96%w/w(4g)を添加し、混合物を10分撹拌した。水性相を捨て、有機相からの溶媒を蒸発させ、反応混合物を分析した。最終産物(2R,3R,4R,5S)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサイルヘキサキス(3-オキソブタノエート)を定量可能な収量で得て、純度は72%-a/aであった(220nmでのHPLCによって)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.11 - 2.28 (m, 18 H) 3.45 - 3.82 (m, 12 H) 4.10 - 4.35 (m, 3 H) 4.35 - 4.50 (m, 1 H) 4.98 - 5.15 (m, 1 H) 5.26 - 5.35 (m, 1 H) 5.35 - 5.44 (m, 1 H) 5.44 - 5.55 (m, 1 H)。
【0435】
実施例3:
【0436】
【0437】
キシリトール(50g、329mmol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、この懸濁液に、DABCO(0.37g、3、0.01当量)を添加した。その後、ジケテン(143.7g、1.7mol、ヒドロキシル基1個当たり1.04当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら反応混合物にゆっくり添加して、50~100℃の内部温度を維持した。50~100℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を100℃の内部温度で追加の30分間維持し、反応混合物を室温に冷却し、分析した。最終産物(2R,3R,4S)-ペンタン-1,2,3,4,5-ペンタイルペンタキス(3-オキソブタノエート)を定量可能な収量で得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.19 (s, 15 H) 3.49 - 3.79 (m, 10 H) 3.88 - 4.12 (m, 2 H) 4.23 - 4.37 (m, 2 H) 5.07 - 5.21 (m, 1 H) 5.29 - 5.41 (m, 1 H) 5.41 - 5.68 (m, 1 H)。
【0438】
実施例4:
【0439】
【0440】
マンニトール(20g、110mmol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、アセトン(100ml、5相対体積))を添加した。この懸濁液に、DABCO(0.12g、1.1mmol、0.01当量)を添加した。その後、ジケテン(57.2g、52.5mmol、ヒドロキシル基1個当たり1.03当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら反応混合物にゆっくり添加して、40℃での還流を維持した。還流を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を追加の30分間還流しながら維持し、溶媒を蒸発させた。最後に、反応混合物を室温に冷却し、ろ過し、分析した。最終産物(2R,3R,4R,5R)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサイルヘキサキス(3-オキソブタノエート)を、90%の収量および85.3%-a/aの純度(220nmでのHPLCによって)で単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.17 - 2.23 (m, 18 H) 3.50 - 3.81 (m, 12 H) 4.11 - 4.30 (m, 2 H) 4.35 - 4.53 (m, 2 H) 5.04 - 5.25 (m, 2 H) 5.37 - 5.57 (m, 2 H)。
【0441】
実施例5:
【0442】
【0443】
エリスリトール(50g、555mmol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、酢酸エチル(150ml、3相対体積)を添加した。この懸濁液に、DABCO(82mg、0.72mmol、0.0013当量)を添加した。その後、ジケテン(195.9g、2.33mol、ヒドロキシル基1個当たり1.05当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら反応混合物にゆっくり添加して、50~65℃の内部温度を維持した。50~65℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を60℃の内部温度で追加の30分間維持し、溶媒を蒸発させた。最後に、反応混合物を室温に冷却し、分析した。最終産物(2R,3S)-ブタン-1,2,3,4-テトライルテトラキス(3-オキソブタノエート)を定量可能な収量で単離した。LC-MS: 459.14 [M+H]+, 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.19 (br s, 12 H) 3.63 (d, J=16.81 Hz, 8 H) 4.24 - 4.31 (m, 2 H) 4.31 - 4.56 (m, 2 H) 5.17 - 5.38 (m, 2 H)。
【0444】
実施例6:
【0445】
【0446】
ペンタエリスリトール(40g、294mmol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、アセトン(150ml、2.5相対体積)を添加した。この懸濁液に、DABCO(333mg、2.9mmol、0.01当量)を添加した。その後、ジケテン(98.8g、1.17mol、ヒドロキシル基1個当たり1.0当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら反応混合物にゆっくり添加して、30~40℃の内部温度を維持した。30~40℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を40℃の内部温度で追加の30分間維持し、溶媒を蒸発させた。最後に、反応混合物を室温に冷却し、分析した。最終産物2,2-ビス(((3-オキソブタノイル)オキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイルビス(3-オキソブタノエート)を定量可能な収量および86.2%-a/aの純度(220nmでのHPLCによって)で単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.12 - 2.25 (m, 12 H) 3.57 - 3.72 (m, 8 H) 4.07 - 4.30 (m, 8 H)。
【0447】
実施例7:
【0448】
【0449】
プロパン-1,2,3-トリルトリス(3-ヒドロキシブタノエート)(100g、175mmol、1当量)をオートクレーブに入れ、酢酸エチル(400ml、4相対体積)を添加した。次いで触媒(RuO2、232mg、1.7mmol、0.01当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10~20barに調整し、混合物を、さらなる水素の取り込みが観察されなくなるまで、1000rpmで撹拌しながら60℃に加熱した(約12時間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。最終産物プロパン-1,2,3-トリルトリス(3-((3-ヒドロキシブタノイル)オキシ)ブタノエート)を、87%の収量および58%-a/aの純度で(220nmでのHPLCによって)単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.08 (dd, J=6.27, 1.38 Hz, 9 H) 1.21 (br d, J=6.27 Hz, 9 H) 2.24 - 2.38 (m, 6 H) 2.54 - 2.73 (m, 6 H) 3.91 - 4.01 (m, 3 H) 4.09 - 4.19 (m, 2 H) 4.20 - 4.32 (m, 2 H) 4.57 - 4.76 (m, 3 H) 5.05 - 5.15 (m, 3 H) 5.16 - 5.23 (m, 1 H)。
【0450】
実施例8:
【0451】
【0452】
(2R,3R,4R,5S)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサイルヘキサキス(3-オキソブタノエート)(1.2kg、1.75mol、1当量)をオートクレーブに入れ、酢酸エチル(300ml、0.25相対体積)を添加した。次いで触媒(RuO2、2.33g、17.5mmol、0.01当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10~20barに調整し、混合物を、さらなる水素の取り込みが観察されなくなるまで、1000rpmで撹拌しながら60℃に加熱した(18時間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。最終産物(2R,3R,4R,5S)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサイルヘキサキス(3-ヒドロキシブタノエート)を、92%の収量および64%-a/aの純度(220nmでのHPLCによって)で単離した。HPLC-MS: 699.3 [M+H], 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.96 - 1.15 (m, 18 H) 2.17 - 2.49 (m, 12 H) 3.83 - 4.12 (m, 8 H) 4.12 - 4.49 (m, 2 H) 4.51 - 4.88 (m, 6 H) 4.91 - 5.10 (m, 1 H) 5.10 - 5.31 (m, 1 H) 5.31 - 5.37 (m, 1 H) 5.37 - 5.59 (m, 1 H)。
【0453】
実施例9:
【0454】
【0455】
(2R,3R,4S)-ペンタン-1,2,3,4,5-ペンタイルペンタキス(3-オキソブタノエート)(100g、175mmol、1当量)をオートクレーブに入れ、酢酸エチル(400ml、4相対体積)を添加した。次いで触媒(RuO2、232mg、1.75mmol、0.01当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10~20barに調整し、混合物を、さらなる水素の取り込みが観察されなくなるまで、1000rpmで撹拌しながら60℃に加熱した(36時間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。最終産物(2R,3R,4S)-ペンタン-1,2,3,4,5-ペンタイルペンタキス(3-ヒドロキシブタノエート)を87.8%の収量で単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.95 - 1.13 (m, 15 H) 2.22 - 2.48 (m, 10 H) 3.82 - 4.12 (m, 7 H) 4.12 - 4.33 (m, 2 H) 4.57 - 4.79 (m, 5 H) 5.00 - 5.20 (m, 1 H) 5.21 - 5.36 (m, 1 H) 5.36 - 5.55 (m, 1 H)。
【0456】
実施例10:
【0457】
【0458】
(2R,3R,4R,5R)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサイルヘキサキス(3-オキソブタノエート)(100g、146mmol、1当量)をオートクレーブに入れ、酢酸エチル(200ml、2相対体積)を添加した。次いで触媒(RuO2、194mg、1.46mmol、0.01当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10~20barに調整し、混合物を、さらなる水素の取り込みが観察されなくなるまで、1000rpmで撹拌しながら60℃に加熱した(120時間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。最終産物(2R,3R,4R,5R)-ヘキサン-1,2,3,4,5,6-ヘキサイルヘキサキス(3-ヒドロキシブタノエート)を82.6%の収量で単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.02 - 1.16 (m, 18 H) 2.29 - 2.47 (m, 12 H) 3.92 - 4.02 (m, 6 H) 4.09 - 4.20 (m, 1 H) 4.21 - 4.45 (m, 3 H) 4.55 - 4.83 (m, 6 H) 4.91 - 5.26 (m, 3 H) 5.30 - 5.41 (m, 1 H)。
【0459】
実施例11:
【0460】
【0461】
(2R,3S)-ブタン-1,2,3,4-テトライルテトラキス(3-オキソブタノエート)(200g、436mmol、1当量)をオートクレーブに入れ、酢酸エチル(300ml、1.5相対体積)を添加した。次いで触媒(RuO2、581mg、4.4mmol、0.01当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10~20barに調整し、混合物を、さらなる水素の取り込みが観察されなくなるまで、1000rpmで撹拌しながら60℃に加熱した(18時間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。最終産物(2R,3S)-ブタン-1,2,3,4-テトライルテトラキス(3-ヒドロキシブタノエート)を86.0%の収量で単離した。LC-MS: 467.21 [M+H]+, 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.97 - 1.13 (m, 12 H) 2.21 - 2.45 (m, 8 H) 4.01 (s, 5 H) 4.07 - 4.23 (m, 2 H) 4.23 - 4.40 (m, 2 H) 4.54 - 4.77 (m, 4 H) 5.14 - 5.28 (m, 2 H)。
【0462】
実施例12:
【0463】
【0464】
(2R,3S)-ブタン-1,2,3,4-テトライルテトラキス(3-オキソブタノエート)(50g、106mmol、1当量)をオートクレーブに入れ、酢酸エチル(300ml、1.5相対体積)を添加した。次いで触媒(RuO2、146mg、1.1mmol、0.01当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10~20barに調整し、混合物を、さらなる水素の取り込みが観察されなくなるまで、1000rpmで撹拌しながら60℃に加熱した(36時間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。最終産物2,2-ビス(((3-ヒドロキシブタノイル)オキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイルビス(3-ヒドロキシブタノエート)を81.4%の収量で単離した。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 0.85 (d, J=6.27 Hz, 12 H) 2.07 - 2.17 (m, 8 H) 3.66 - 3.79 (m, 4 H) 3.79 - 3.95 (m, 8 H) 4.32 - 4.63 (m, 4 H)。
【0465】
実施例13:
【0466】
【0467】
(2R,3S)-ブタン-1,2,3,4-テトライルテトラキス(3-オキソブタノエート)(25g、54.5mmol、1当量)をオートクレーブに入れ、メタノール(77ml、35当量)を添加した。次いで触媒([RuCl2((R)-BINAP)]2NEt3、218mg、0.11mmol、0.002当量)およびH2SO4(2N、97mg、0.002当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を30barに調整し、混合物を、さらなる水素の取り込みが観察されなくなるまで、600rpmで撹拌しながら60℃に加熱した(5日)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトとシリカでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。最終産物(2R,3S)-ブタン-1,2,3,4-テトライル(3R,3’R,3”R,3”’R)-テトラキス(3-ヒドロキシブタノエート)を、定量可能な収量で茶色の液体として単離した(ee=95.4%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.28 (m, 12 H), 2.50 (m, 8 H), 4.39 (m, 8 H), 5.25 (m, 2 H)。
【0468】
実施例14:
メソエリスリトール(6g、0.05mol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、酢酸エチル(10.8g、2.5当量)を添加した。この懸濁液に、DABCO(7.2mg、0.0001mol、0.0013当量)を添加した。その後、ジケテン(4.1g、0.05mol、1当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら、8時間にわたり反応混合物にゆっくり添加して、40℃の内部温度を維持した。40℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を40℃の内部温度で一晩維持した。溶媒を減圧下で除去して、メソエリスリトールモノアセトアセテートの異性体の混合物(7.2g、72%)を黄色みがかった白色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.18 (m, 3H), 3.39 (s, 5H), 4.35 (m, 2H), 4.48 (s, 2H)。
【0469】
実施例15:
メソエリスリトール(6g、0.05mol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、酢酸エチル(10.8g、2.5当量)を添加した。この懸濁液に、DABCO(7.2mg、0.0001mol、0.0013当量)を添加した。その後、ジケテン(8.3g、0.1mol、2当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら、8時間にわたり反応混合物にゆっくり添加して、40℃の内部温度を維持した。40℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を40℃の内部温度で一晩維持した。溶媒を減圧下で除去して、メソエリスリトールジアセトアセテートの異性体の混合物(13.4g、94%)をオレンジ色の固体として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.18 (m, 6H), 3.38 (m, 6H), 3.54 (m, 2H), 4.24 (m, 1H), 4.43 (m, 1H), 4.48 (s, 1H), 5.52 (m, 1H)。
【0470】
実施例16:
メソエリスリトール(6g、0.05mol、1当量)を撹拌タンクのリアクターに導入し、酢酸エチル(10.8g、2.5当量)を添加した。この懸濁液に、DABCO(7.2mg、0.0001mol、0.0013当量)を添加した。その後、ジケテン(12.4g、0.15mol、3当量)を、リアクターのジャケットを冷却しながら、8時間にわたり反応混合物にゆっくり添加して、40℃の内部温度を維持した。40℃の内部温度を維持するために、供給速度を調整した。添加が完了した後、混合物を40℃の内部温度で一晩維持した。溶媒を減圧下で除去して、メソエリスリトールトリアセトアセテートの異性体の混合物(18.1g、99%)を黄色の懸濁液として得た。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.18 (m, 9H), 3.37 (m, 7H), 3.61 (m, 3H), 3.65(m, 3H), 4.23 (m, 1H), 4.35 (m, 2H), 5.25 (m, 1H)。
【0471】
実施例17:
メソエリスリトールモノアセトアセテートの異性体の混合物(6.9g、0.03mol、1当量、実施例14)を、酢酸エチル(141g、41当量)と共にオートクレーブに入れた。RuO2(0.08g、0.6mmol、0.02当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を20barに調整し、混合物を1000rpmで撹拌しながら60℃に加熱し、起こり得る水素の取り込みを観察した(6日間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。得られたメソエリスリトールモノ(3-ヒドロキシブタノエート)の異性体の混合物を黄色の油として単離した(3.42g、49%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.09 (m, 3H), 2.36 (m, 2H), 3.36 (m, 3H), 3.94 (m, 3H), 4.30 (m, 3H)。
【0472】
実施例18:
メソエリスリトールジアセトアセテートの異性体の混合物(11.9g、0.04mol、1当量、実施例15)を、酢酸エチル(141g、41当量)と共にオートクレーブに入れた。Ru/C(5wt%、4g、2.0mmol、0.05当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10barに調整し、混合物を1000rpmで撹拌しながら40℃に加熱し、起こり得る水素の取り込みを観察した(1日間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。得られたメソエリスリトールジ(3-ヒドロキシブタノエート)の異性体の混合物を黄色の油として単離した(7.51g、64%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.10 (m, 6H), 2.36 (m, 4H), 4.01 (m, 3H), 4.17 (m, 1H), 4.34 (m, 1H), 4.74 (m, 2H)。
【0473】
実施例19:
メソエリスリトールトリアセトアセテートの異性体の混合物(16.5g、0.04mol、1当量、実施例16)を、酢酸エチル(140g、36当量)と共にオートクレーブに入れた。Ru/C(5wt%、5.5g、2.7mmol、0.06当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10barに調整し、混合物を1000rpmで撹拌しながら40℃に加熱し、起こり得る水素の取り込みを観察した(1日間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。得られたメソエリスリトールトリ(3-ヒドロキシブタノエート)の異性体の混合物を黄色の油として単離した(16.6g、99%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.09 (m, 9H), 2.37 (m, 6H), 3.99 (m, 3H) 4.15 (m, 1H), 4.31 (m, 1H), 4.74 (m, 3H)。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1の化合物
【化1】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
【請求項2】
式1の化合物
【化2】
(式中、
Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式2の有機ポリオールをジケテン3と反応させて、式4の化合物
【化3】
を形成すること;および
(iia)触媒の存在下で、式4の化合物を水素と反応させて、式5の化合物
【化4】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式5の化合物を、化合物LG-R
1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式6の化合物
【化5】
を形成すること
を含む、上記プロセス。
【請求項3】
前記有機ポリオールが、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルから選択される、請求項1に記載の化合物
。
【請求項4】
前記有機ポリオールが、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルから選択される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項5】
前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキルが、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択され;および/または前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物
。
【請求項6】
前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキルが、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択され;および/または前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルが、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される、請求項4に記載のプロセス。
【請求項7】
前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物
。
【請求項8】
前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、請求項2に記載のプロセス。
【請求項9】
前記単糖類が、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され
る、請求項
7に記載の化合物。
【請求項10】
前記単糖類が、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項11】
前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
7に記載の化合物。
【請求項12】
前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項8に記載のプロセス。
【請求項13】
前記有機ポリオールが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択される、請求項1
または3に記載の化合物。
【請求項14】
前記有機ポリオールが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択される、請求項2または4に記載のプロセス。
【請求項15】
前記化合物が、
【化6】
【化7】
からなる群から選択される、請求項1
または3に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、
【化8】
【化9】
からなる群から選択される、請求項2または4に記載のプロセス。
【請求項17】
式9の化合物
【化10】
(式中、
zは、0または1であり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
であって、
前記有機ポリオールが、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキルであるか、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルから選択される、上記化合物。
【請求項18】
前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
17に記載の化合物。
【請求項19】
yが、3から、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、請求項1
または17に記載の化合物。
【請求項20】
yが、3から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、請求項2または4に記載のプロセス。
【請求項21】
R
1が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であ
る、請求項1
または17に記載の化合物。
【請求項22】
R
1
が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基である、請求項2または4に記載のプロセス。
【請求項23】
式9の化合物
【化11】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、ただし有機ポリオールはエリスリトールではなく、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
であって、
前記有機ポリオールが、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択される少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキルであるか、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルから選択される、上記化合物。
【請求項24】
zが、0~100であ
る、請求項
23に記載の化合物。
【請求項25】
前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
23に記載の化合物。
【請求項26】
yが、3から、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、請求項
23または24に記載の化合物。
【請求項27】
R
1が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であ
る、請求項
23または24に記載の化合物。
【請求項28】
式9の化合物
【化12】
(式中、
zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1)-であり、
R
1は、直鎖または分岐鎖C
1~12アルキル、C
3~8シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式10の化合物を、ジケテン3と反応させて、式11の化合物
【化13】
を形成すること
を含み、任意に、
(iia)触媒の存在下で、式11の化合物を水素と反応させて、式12の化合物
【化14】
を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式12の化合物を、化合物LG-R
1(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式13の化合物
【化15】
を形成すること
を含む、上記プロセス。
【請求項29】
zが、0~100であ
る、請求項
28に記載のプロセス。
【請求項30】
前記有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルから選択される、請求項
28または29に記載のプロセス。
【請求項31】
前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択され、および/または前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
30に記載のプロセス。
【請求項32】
前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、請求項
28または29に記載のプロセス。
【請求項33】
前記単糖類が、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され
る、請求項
32に記載のプロセス。
【請求項34】
前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項
32に記載のプロセス。
【請求項35】
前記有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、請求項
28または29に記載のプロセス。
【請求項36】
前記有機ポリオールが、エリスリトールである、請求項
28または29に記載のプロセス。
【請求項37】
前記化合物が、
【化16】
からなる群から選択される、請求項
28または29に記載のプロセス。
【請求項38】
yが、3から、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初の
有機ポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、請求項
28または29に記載のプロセス。
【請求項39】
R
1が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であ
る、請求項
28または29に記載のプロセス。
【請求項40】
全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、R配置である、請求項1
、17、または23に記載の化合物
。
【請求項41】
全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、R配置である、請求項2または28に記載のプロセス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0473
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0473】
実施例19:
メソエリスリトールトリアセトアセテートの異性体の混合物(16.5g、0.04mol、1当量、実施例16)を、酢酸エチル(140g、36当量)と共にオートクレーブに入れた。Ru/C(5wt%、5.5g、2.7mmol、0.06当量)を添加し、リアクターを窒素で3回加圧し、続いて水素で3回加圧することによって雰囲気を交換した。水素圧力を10barに調整し、混合物を1000rpmで撹拌しながら40℃に加熱し、起こり得る水素の取り込みを観察した(1日間)。その後、混合物を室温に冷却し、水素雰囲気を窒素で交換した。反応混合物を活性炭と混合し、セライトでろ過した。ろ液から溶媒を蒸発させ、生成物を分析した。得られたメソエリスリトールトリ(3-ヒドロキシブタノエート)の異性体の混合物を黄色の油として単離した(16.6g、99%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 1.09 (m, 9H), 2.37 (m, 6H), 3.99 (m, 3H) 4.15 (m, 1H), 4.31 (m, 1H), 4.74 (m, 3H)。以下に本願の出願時の特許請求の範囲の記載の一部を転記する。
(項目1)式1の化合物(式中、Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR
1
)-であり、
R
1
は、直鎖または分岐鎖C
1~12
アルキル、C
3~8
シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12
ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12
カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24
アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
(項目2)式1の化合物(式中、Aは、少なくとも4個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(H)(OH)-または-C(H)(OR
1
)-であり、
R
1
は、直鎖または分岐鎖C
1~12
アルキル、C
3~8
シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12
ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12
カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24
アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式2の有機ポリオールをジケテン3と反応させて、式4の化合物を形成すること;および
(iia)触媒の存在下で、式4の化合物を水素と反応させて、式5の化合物を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式5の化合物を、化合物LG-R
1
(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式6の化合物を形成すること
を含む、上記プロセス。
(項目3)前記有機ポリオールが、少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキル、または少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルから選択される、項目1に記載の化合物または項目2に記載のプロセス。
(項目4)前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキルが、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、およびヘキサンペントールからなる群から選択され;および/または前記少なくとも4個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルが、シクロペンタンテトロール、シクロペンタンペントール、シクロヘキサンテトロール、シクロヘキサンペントール、およびシクロヘキサンヘキソールからなる群から選択される、項目3に記載の化合物またはプロセス。
(項目5)前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目1に記載の化合物または項目2に記載のプロセス。
(項目6)前記単糖類が、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、前記単糖類が、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトース、およびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目5に記載の化合物またはプロセス。
(項目7)前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目5または6に記載の化合物またはプロセス。
(項目8)前記有機ポリオールが、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、およびペンタエリスリトールからなる群から選択される、項目1~7のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
(項目10)
式9の化合物(式中、zは、0または1であり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1
)-であり、
R
1
は、直鎖または分岐鎖C
1~12
アルキル、C
3~8
シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12
ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12
カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24
アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
(項目11)前記有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルから選択される、項目10に記載の化合物。
(項目12)前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択されるか、および/または前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目11に記載の化合物。
(項目13)前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目10に記載の化合物。
(項目14)前記単糖類が、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、前記単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目13に記載の化合物。
(項目15)前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目13または14に記載の化合物。
(項目16)前記有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、項目10~15のいずれか一項に記載の化合物。
(項目17)前記有機ポリオールが、エリスリトールである、項目10~16のいずれか一項に記載の化合物。
(項目19)yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、項目1~18のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
(項目20)R
1
が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であり、好ましくは、該オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、もしくはそれらの組合せであり、および/または該中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目1~19のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
(項目21)式9の化合物(式中、zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、ただし有機ポリオールはエリスリトールではなく、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1
)-であり、
R
1
は、直鎖または分岐鎖C
1~12
アルキル、C
3~8
シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12
ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12
カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24
アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までである)。
(項目22)zが、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20であり、好ましくは、zが、0~20、例えば0~19、例えば0~18、例えば0~17、例えば0~16、例えば0~15、例えば0~14、例えば0~13、例えば0~12、例えば0~11、例えば0~10、例えば0~9、例えば0~8、例えば0~7、例えば0~6、例えば0~5、例えば0~4、例えば0~3、例えば0~2であり、より好ましくは、zが、0または1である、項目21に記載の化合物。
(項目23)前記有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルから選択される、項目21または22に記載の化合物。
(項目24)前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択され、および/または前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目23に記載の化合物。
(項目25)前記有機ポリオールが、単糖類、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目21または22に記載の化合物。
(項目26)前記単糖類が、好ましくは、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、前記単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目25に記載の化合物。
(項目27)前記糖アルコールが、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目25または26に記載の化合物。
(項目28)前記有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、項目21~27のいずれか一項に記載の化合物。
(項目30)yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、項目21~29のいずれか一項に記載の化合物。
(項目31)R
1
が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であり、好ましくは、該オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、もしくはそれらの組合せであり、および/または該中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目21~30のいずれか一項に記載の化合物。
(項目32)式9の化合物(式中、zは、0またはそれより多くであり、
Aは、少なくとも3個のヒドロキシル基を有する有機ポリオールから得られ、
Xは、-C(O)-、-C(H)(OH)-、または-C(H)(OR
1
)-であり、
R
1
は、直鎖または分岐鎖C
1~12
アルキル、C
3~8
シクロアルキル、直鎖または分岐鎖C
2~12
ヒドロキシアルキル、直鎖または分岐鎖C
1~12
カルボキシアルキル、直鎖または分岐鎖飽和または不飽和C
1~24
アルカノイル、フェニル、およびカルボキシフェニルから選択され、
yは、1から、最初の有機ポリオールAのヒドロキシル基の数までである)
を調製するためのプロセスであって、
(i)式10の化合物を、ジケテン3と反応させて、式11の化合物を形成すること
を含み、任意に、
(iia)触媒の存在下で、式11の化合物を水素と反応させて、式12の化合物を形成すること
を含み、任意に、
(iib)式12の化合物を、化合物LG-R
1
(式中、LGは、脱離基である)と反応させて、式13の化合物を形成すること
を含む、上記プロセス。
(項目33)zが、0~100であり、例えば、0~95、0~90、0~85、0~80、0~75、0~70、0~65、0~60、0~55、0~50、0~45、0~40、0~35、0~30、0~25、または0~20であり、好ましくは、zが、0~20、例えば0~19、例えば0~18、例えば0~17、例えば0~16、例えば0~15、例えば0~14、例えば0~13、例えば0~12、例えば0~11、例えば0~10、例えば0~9、例えば0~8、例えば0~7、例えば0~6、例えば0~5、例えば0~4、例えば0~3、例えば0~2であり、より好ましくは、zが、0または1である、項目32に記載のプロセス。
(項目34)前記有機ポリオールが、少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキル、または少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルから選択される、項目32または33に記載のプロセス。
(項目35)前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換された直鎖または分岐鎖C
2~12
アルキルが、グリセロール、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、2-メチル-プロパントリオール、ペンタントリオール、3-メチル-ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ブタンテトロール、ペンタンテトロール、ヘキサンテトロール、ヘキサンペントール、およびそれらの組合せからなる群から選択され、および/または前記少なくとも3個のヒドロキシル基で置換されたC
3~8
シクロアルキルが、シクロペンタントリオール、シクロヘキサントリオール、シクロペンタンテトロール、シクロヘキサンテトロール、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目34に記載のプロセス。
(項目36)前記有機ポリオールが、単糖、糖アルコール、および糖酸からなる群から選択される、項目32または33に記載のプロセス。
(項目37)前記単糖類が、テトロース、ペントース、ヘキソース、およびヘプトースから選択され、好ましくは、前記単糖類が、アルドテトロース、ケトテトロース、アルドペントース、ケトペントース、アルドヘキソース、ケトヘキソース、アルドヘプトースおよびケトヘプトースから選択され、
好ましくは、前記単糖類が、エリトロース、トレオース、エリトルロース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、デオキシリボース、ケトペントース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、n-アセチル-d-グルコサミン、グルコサミン、N-アセチル-D-ガラクトサミン、フコース、ラムノース、シノボース、フルクトース、2-デオキシ-D-グルコース、フルオロデオキシグルコース、6-デオキシフルクトース、1,6-ジクロロフルクトース、3,6-アンヒドロガラクトース、1-O-メチルガラクトース、1-O-メチル-D-グルコース、1-O-メチル-D-フルクトース、3-O-メチル-D-フルクトース、6-O-メチル-D-ガラクトース、セドヘプツロース、マンノヘプツロース、L-グリセロ-D-マンノヘプトース、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目36に記載のプロセス。
(項目38)前記糖アルコールが、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、およびそれらの組合せからなる群から選択され;
および/または前記糖酸が、キシロン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ノイラミン酸、ケトデオキシオクトン酸、グルクロン酸、ガラクツロン酸、イズロン酸、粘液酸、糖酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目36または37に記載のプロセス。
(項目39)前記有機ポリオールが、グリセロール、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、エリスリトール、マルチトール、グルコース、グルシトール、リブロース、ペンタエリスリトール、およびトリメチロールプロパンからなる群から選択される、項目32~38のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目40)前記有機ポリオールが、エリスリトールである、項目32~39のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目42)yが、3から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、yが、4から、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数までであるか、またはyが、最初のポリオールAのヒドロキシル基の数に等しい、項目32~41のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目43)R
1
が、オメガ脂肪酸、中鎖脂肪酸、またはそれらの組合せから選択される脂肪酸残基であり、好ましくは、該オメガ脂肪酸は、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ3,6脂肪酸、もしくはそれらの組合せであり、および/または該中鎖脂肪酸は、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸およびそれらの組合せからなる群から選択される、項目32~42のいずれか一項に記載のプロセス。
(項目44)全てのβ-ヒドロキシル酪酸エステル単位が、R配置である、項目1~43のいずれか一項に記載の化合物またはプロセス。
【国際調査報告】