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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ヘアコンディショニング組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20241031BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q5/12
A61K8/31
A61K8/92
A61K8/37
A61K8/41
A61K8/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024525051
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2022079586
(87)【国際公開番号】W WO2023072828
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】21205126.2
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100228980
【弁理士】
【氏名又は名称】副島 由加里
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】エイヴリー,アンドリュー・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】オルトゥオステ・エルコロ,ネレア
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB332
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC072
4C083AC302
4C083AC351
4C083AC532
4C083AC691
4C083AC692
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD241
4C083AD242
4C083BB06
4C083CC33
4C083DD39
4C083EE07
4C083EE28
(57)【要約】
優れたドライコンディショニング効果は、以下を含むヘアコンディショナー組成物によって提供される:A)全組成物の重量基準で0.01~5重量%のブレンドであって、i)1~12ミクロンのDv(50)粒径を有する沸騰耐性デンプンの粒子およびii)疎水性非シリコーン油をデンプン対油の重量比0.5:1~1:0.5で含む、ブレンドと、B)0.01~5重量%の乳化非シリコーン油とを含み、A)およびB)が、C)カチオン性界面活性剤と脂肪質とを含むコンディショニングゲル相に分散されており、コンディショナーはシリコーンを含まない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショナー組成物であって、
A)全組成物の重量基準で0.01~5重量%のブレンドであって、
i)1~12ミクロンのDv(50)粒径を有する沸騰耐性デンプンの粒子、および
ii)疎水性非シリコーン油
をデンプン対油の重量比0.5:1~1:0.5で含む、前記ブレンドと、
B)0.01~5重量%の乳化非シリコーン油と
を含み、A)およびB)が、
C)カチオン性界面活性剤と脂肪質とを含むコンディショニングゲル相に分散されており、
前記コンディショナーがシリコーンを含まない、
ヘアコンディショナー組成物。
【請求項2】
前記沸騰耐性デンプンが架橋されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記沸騰耐性デンプンが、架橋米デンプン、架橋キヌアデンプン、架橋アマランスデンプンおよびそれらの混合物、好ましくは架橋米デンプンから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記沸騰耐性デンプンが架橋二リン酸米デンプンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記沸騰耐性デンプンが、3~9ミクロンのDv(50)粒径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記疎水性非シリコーン油が、炭化水素油、脂肪エステル油およびそれらの混合物から選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記疎水性非シリコーン油が、パラフィン油、鉱油、ポリアルファオレフィン、スクアラン、脂肪酸またはアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステル、およびそれらの混合物から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記乳化非シリコーン油が、パラフィン油、鉱油、ポリアルファオレフィン、スクアラン、脂肪酸またはアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステル、およびそれらの混合物から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記カチオン性コンディショニング界面活性剤が、第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤である、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤が、セチルトリメチルアンモニウムおよびベヘニルトリメチルアンモニウムから選択されるカチオンを有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記脂肪アルコールが、C8~C22の炭素-炭素鎖長を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物を毛髪に適用するステップを含む、毛髪を処理する方法。
【請求項13】
毛髪にコンディショニング効果を与えるための、請求項1~11に記載のシリコーン不含組成物における沸騰耐性デンプンの使用。
【請求項14】
毛髪にコンディショニング効果を与えるための、請求項1~11に記載のシリコーン不含有組成物における沸騰耐性デンプン粒子と非シリコーン油とのブレンドの使用。
【請求項15】
前記コンディショニング効果が、シリコーンを含み沸騰耐性デンプンを含まない同じ組成物で処理された毛髪に与えられる摩擦係数に等しい摩擦係数である、請求項13または請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンを含まずに毛髪にコンディショニング効果をもたらすヘアコンディショナー組成物の分野にある。
【背景技術】
【0002】
消費者は、コンディショニング効果、例えば、平滑性、櫛通りの良さおよび柔軟性を毛髪にもたらす、シャンプーおよびコンディショナーなどのヘアトリートメントを望む。
【0003】
ヘアトリートメント製品に使用される、最も広く使用されているコンディショニング剤は、シリコーンである。シリコーンは、その潤滑特性およびそれが作り出すことによる特徴的に柔らかい滑らかな感触について、広く認識されている。コンディショニングは、シリコーンを毛髪上に堆積させて、膜を形成することによって達成される。シリコーン膜は、優れたコンディショニングを与え、例えば柔軟性、平滑性および櫛通りの良さなどの広範囲の利点に起因している。
【0004】
コンディショニング剤としてのシリコーンの有効性は、その高い潤滑性に大きく起因する可能性があり、その結果、処理された毛髪に低い摩擦係数を与える。
【0005】
シリコーンは、このような利益をもたらすのに非常に効果的であったため、半世紀以上にわたって、当業者によって最適なコンディショニング剤であった。しかしながら、シリコーンを含まないヘアトリートメント組成物に対する現代の消費者からの需要が近年生じている。
【0006】
コンディショニングの利点は、洗浄プロセス中および洗浄プロセス後の両方で消費者によって望まれ、認識される。したがって、コンディショニングは、毛髪が濡れているときと乾燥しているときの両方で評価される。したがって、コンディショナーなどの洗い流すヘアケア製品は、使用の異なる段階で複数の利点を提供することが望ましい。ウェットコンディショニングおよびドライコンディショニングは異なる利点であり、典型的には異なる方法で送達される。
【0007】
コンディショニング製品のゲル相成分の影響は、濡れたまたは湿った毛髪が評価されるとき、ならびに毛髪を介した適用および分布中に最も明らかである。乾燥後段階では、コンディショニング効果は主にシリコーンによってもたらされる。
【0008】
シリコーンを含まないコンディショナー配合物では、このような利点を提供するために代替アプローチが必要とされる。しかしながら、シリコーンの潤滑特性は、この分野では比類がなく、適切な代替物は、ニーズを満たすことが困難であることが判明している。
【0009】
デンプンは、ヘアコンディショニング組成物に使用されている。
【0010】
米国特許出願公開第2006/0182702号明細書(L’Oreal)は、毛髪に対する改善されたコンディショニング効果、特に端部の平滑化を提供するために、カチオン性界面活性剤と、好ましくは変性されたデンプンと、5meq/g以上のカチオン電荷密度を有する非シリコーンカチオン性ポリマーと、35℃以上の融点および/または40℃の温度および1s-1の剪断速度で1Pa.s以上の粘度を有する非イオン性非ポリマー性固体化合物とを含む組成物を使用する。
【0011】
仏国特許出願公開第2976488号明細書(L’Oreal)は、表面に損傷を受けたケラチン繊維の耐久性のある処理を提供するために、軽石粒子(i);1以上のデンプン(ii);1以上の固体脂肪アルコール(iii);および1以上の脂肪エステル(iv)の組み合わせを含む化粧品組成物を開示している。毛髪を滑らかにするための使用が開示されている。アルファ化ヒドロキシプロピルトウモロコシのジスターチホスフェートが例示されている。
【0012】
米国特許出願公開第2005069511号明細書(L’Oreal)は、少なくとも1つのデンプン、少なくとも1つのカルボン酸エステル、水、および組成物の総重量に対して最大20重量%の脂肪相を含む化粧品組成物を開示している。特定のエステルおよびデンプンに基づくこれらの組成物の使用は、ほぐれが容易であり、根元から先端まで滑らかである毛髪を提供し、スタイルの保持を改善するとされている。実施例では、水酸化ナトリウムで中和された2-クロロ-エチルアミドジプロピオン酸で修飾されたアルファ化コーンジスターチホスフェートまたはジャガイモフェクラ(Potato fecula)を濡れた毛髪に利用して、重くなく、毛髪の成形が容易な濡れた毛髪を提供する。
【0013】
米国特許出願公開第2016038397号明細書(Penford Corp)は、パーソナルケア組成物に改善されたコンディショニング特性をもたらすために、水と、洗剤および非洗浄コンディショニング剤から選択される成分と、a)アミロペクチン/アミロースの重量比が60/40以上;b)見かけのカチオン性分子量が1200万ダルトン以上;およびc)カチオン置換度が0.5meq/g~2.5meq/gであることを特徴とするカチオン性デンプンとを含む化粧品組成物を開示している。パーソナルケア配合物は、シリコーンを用いてまたは用いずに使用することができる。カチオン性置換デンプンを含むシャンプーは、湿潤段階でコンディショニング効果を与えるとされている。
【0014】
欧州特許第1927346号明細書は、油および/またはワックス、天然デンプン、乳化剤ならびに膜形成ポリマーを含む、ケラチン繊維のための水性組成物を開示している。
【0015】
先行技術にもかかわらず、シリコーンを含まないが、毛髪をコンディショニングするのに等しく効果的なヘアトリートメント組成物が、依然として必要とされている。
【0016】
本発明者らは、驚くべきことに、低摩擦係数の送達によって証明されるように、シリコーンで達成されるものと同等のドライコンディショニングを、油とブレンドされた粒状の沸騰耐性デンプンの使用によってコンディショナーから送達することができることを見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0182702号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2976488号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005069511号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2016038397号明細書
【特許文献5】欧州特許第1927346号明細書
【発明の概要】
【0018】
第1の態様では、本発明は、ヘアコンディショナー組成物であって、
A)0.01~5重量%(全組成物の重量基準)のブレンドであって、
i)1~12ミクロンのDv(50)粒径を有する沸騰耐性デンプンの粒子、および
ii)疎水性非シリコーン油
をデンプン対油の重量比0.5:1~1:0.5で含む、ブレンドと、
B)0.01~5重量%の乳化非シリコーン油と
を含み、A)およびB)が、
C)カチオン性界面活性剤と脂肪アルコールとを含むコンディショニングゲル相に分散されており、
コンディショナーがシリコーンを含まない、
ヘアコンディショナー組成物を提供する。
【0019】
第2の態様では、第1の態様の組成物を毛髪に塗布する工程を含む、毛髪を処理する方法が提供される。好ましくは、本方法は、毛髪から組成物をすすぐ工程を含む。より好ましくは、組成物は、組成物を毛髪上に20秒間~20分間、例えば30秒間~10分間放置し、次いで毛髪からすすぐ工程を含む。
【0020】
毛髪にコンディショニング効果を与えるための、第1の態様のシリコーン不含有組成物における沸騰耐性デンプンの使用も提供される。毛髪にコンディショニング効果を与えるための、第1の態様のシリコーン不含有組成物における沸騰耐性デンプン粒子と非シリコーン油とのブレンドの使用も提供される。
【0021】
本発明の使用において、コンディショニング効果は、好ましくは、シリコーンを含み沸騰耐性デンプンを含まない同じ組成物で処理された毛髪に与えられる摩擦係数に等しい摩擦係数である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明のヘアコンディショナー組成物は、
A)0.01~5重量%(全組成物の重量基準)のブレンドであって、ブレンドが
i)1~12ミクロンの粒径を有する沸騰耐性デンプンの粒子であるデンプン、およびii)疎水性非シリコーン油を、デンプン対油の重量比0.5:1~1:0.5で含む、ブレンドを含む。
デンプンと油とのブレンドは、0.01~5重量%、好ましくは0.1~4重量%、より好ましくは0.5~4重量%、最も好ましくは0.5~3重量%の量で存在する。
ブレンド中のデンプン対油の重量比は、0.5:1~1:0.5、好ましくは1:1である。
【0023】
デンプン
本発明の組成物は、粒状の沸騰耐性デンプン(boiling resistant starch)であるデンプンを含む。そのようなデンプンは、「調理安定性」または「アミルム・ノンムシナギノスム(Amylum Non Mucinaginosum)」(ANM)デンプンとしても知られている。デンプンは、組成物中で粒状のままである。
【0024】
本発明で使用するためのデンプンは、1~12ミクロン、好ましくは2~10ミクロン、最も好ましくは3~9ミクロンのDv(50)粒径を有する。
【0025】
任意の適切な粒径分析器、例えばMalvern Mastersizer 3000を使用して、デンプン粒子を特徴付けることができる。デンプンの好適な屈折率(RI)は1.530である(Holes in Starch Granules:Confocal,SEM and Light Microscopy Studies of Starch Granule Structure,Baldwin,P.M.,Adler,J.,Davies,M.C.,Melia,C.D.,Starch/Starke 46(1994)Nr.9,S.341-346で示されるように)。
【0026】
レーザー回折技術を使用することができる。試料を水(1.330のRIを有する)に分散させ、再循環セルを使用して試料窓を通過させ、存在する粒子は光を散乱させる。粒子および懸濁媒体の両方の屈折率は、粒径の決定に使用される。以下の方法が好適に使用され得る。
【0027】
デンプン粉末(0.1g)を10mLの脱イオン水に懸濁し、5%の遮蔽限界に達するまでMastersizer 3000 Hydro Medium Volumeセルにピペットで入れる。このプロセスを、好ましくは、各デンプン試料について2400rpmの撹拌機速度で3回繰り返す。
【0028】
結果は、ここではDv(10)、Dv(50)およびDv(90)の「体積(%)に対する粒径(μm)」として報告されており、粒子のそれぞれ10%、50%および90%が見積サイズよりも小さいことを示している。
【0029】
本発明の組成物に使用するためのデンプンは、別個の粒子の形態である。本発明で使用するためのデンプンは、本発明の組成物中で粒子形態のままである。
【0030】
デンプンは、ゼラチン化または「膨潤」デンプンではない。ゼラチン化またはゼラチン化可能なデンプンは、ヘアトリートメント組成物などの製剤に組み込まれた場合、粒子として残存しない。
【0031】
ゼラチン化は、デンプンの親水性に依存する。ある研究では、Senanayake et al(International Journal of Food Science;Volume 2014,Article ID 148982;Suraji Senanayake,Anil Gunaratne,K.K.D.S.Ranaweera and Arthur Bamunuarachchi)、ヒドロキシプロピル基で置換されたデンプンは、未修飾の天然デンプンと比較して有意に高いレベルの膨潤力および水溶性指数を示した。著者らによれば、親水性であるヒドロキシプロピル基の存在は、顆粒構造内への水分子の引力を増強し、顆粒内の早期膨潤を引き起こす。
【0032】
好適なタイプの沸騰耐性デンプンは架橋される。好ましい架橋沸騰耐性デンプンは、リン酸ジスターチである。最も好ましくは、沸騰耐性デンプンは、架橋米デンプンである。非常に好ましい沸騰耐性米デンプンは、架橋二リン酸デンプンから選択され得る(例えば、Agrana Starch社製のRice PO4 Natural)。
【0033】
好ましくは、架橋沸騰耐性デンプンは、架橋米デンプン、架橋キヌアデンプン、架橋アマランスデンプンおよびそれらの混合物から選択される。より好ましくは、デンプンは、架橋米デンプン、架橋キヌアデンプンおよびそれらの混合物から選択され、最も好ましくは沸騰耐性デンプンは架橋米デンプンである。
【0034】
デンプンは、疎水性非シリコーン油とブレンドされる。したがって、デンプン粒子は連続油相内にある。
【0035】
疎水性非シリコーン油(i)
本発明の組成物に使用するための油は、疎水性非シリコーン油である。
【0036】
適切な疎水性非シリコーン油は、炭化水素油、脂肪エステル油およびそれらの混合物から選択される。
【0037】
炭化水素油は、天然または合成であり得る。
【0038】
直鎖炭化水素油は、好ましくは約12~約30個の炭素原子を含有する。好ましくは約12~約42個の炭素原子を含有する分枝鎖炭化水素油も好適である。C2~C6アルケニルモノマーなどのアルケニルモノマーのポリマー炭化水素も適している。
【0039】
好適な炭化水素油の具体例としては、パラフィン油、鉱油、ポリアルファオレフィン、スクアラン、飽和および不飽和ドデカン、飽和および不飽和トリデカン、飽和および不飽和テトラデカン、飽和および不飽和ペンタデカン、飽和および不飽和ヘキサデカン、ならびにそれらの混合物が挙げられる。これらの化合物の分枝鎖異性体、ならびにより長い鎖長の炭化水素の分枝鎖異性体も使用することができる。別の適切な材料はポリイソブチレンである。
【0040】
好ましいポリアルファオレフィンは、IneosからSilkflo 366(商標)(dec-1-ene)として市販されている。
【0041】
適切な脂肪酸エステルは、少なくとも6個の炭素原子を有することを特徴とし、脂肪酸またはアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステルを含む。モノカルボン酸エステルには、式R’COORのアルコールおよび/または酸のエステルが含まれ、式中、R’およびRは独立してアルキルまたはアルケニル基を表し、R’およびRの炭素原子の合計は少なくとも10、好ましくは少なくとも20である。カルボン酸のジアルキルエステルおよびトリアルキルエステルならびにアルケニルエステルも使用することができる。
【0042】
特に好ましい脂肪酸エステルは、モノ-、ジ-およびトリグリセリド、より具体的には、グリセロールとC1-C22カルボン酸などの長鎖カルボン酸とのモノ-、ジ-およびトリ-エステルである。好ましい材料としては、カカオ脂、パームステアリン、ヒマワリ油、ダイズ油、ココナツ油などが挙げられる。
【0043】
疎水性非シリコーン油は、好ましくは、パラフィン油、鉱油、ポリアルファオレフィン油、脂肪酸またはアルコールから誘導されるヒドロカルビル鎖を有するエステル、およびそれらの混合物から選択される炭化水素油から選択される。
好ましくは、油はワックスではなく、特にペトロラタムおよびオゾケライトではない。
【0044】
乳化非シリコーン油
本発明の組成物は、乳化非シリコーン油を含む。デンプンとのブレンドに使用するための疎水性非シリコーン油については、油は好ましくは上記のように説明される。
【0045】
デンプンおよび乳化油とのブレンドに使用するための油は、同じであっても異なっていてもよい。
【0046】
乳化非シリコーンは、任意の適切なプロセスによって作製され得、当業者は、そのような乳化油を調製する方法を知っているであろう。好ましいプロセスでは、乳化非シリコーン油は、高剪断ホモジナイザー(例えば、ドイツのIKA製の、S25N-10G分散ツールを備えたUltra Turrax T25 Basic S2)を使用した壊滅的な反転プロセスによって製造され得る。エマルジョンは、反転点の前に、剪断下で、例えば毎分0.5mlの速度で、油と界面活性剤との混合物に水を滴下することによって形成され得る。
【0047】
(1または複数の)乳化性界面活性剤は、非イオン性、カチオン性、または非イオン性とカチオン性の混合物であってもよく、総界面活性剤量の含有レベルは、典型的にはエマルジョンの0.1%~2%(重量基準)の範囲であり得る。適切な非イオン性界面活性剤は当業者に公知であり、例えばLutensol XP-79(BASF社製)を含み得る。適切なカチオン性界面活性剤は当業者に公知であり、例えば塩化セトリモニウムを含み得る。
【0048】
シリコーン不含有
本発明の組成物はシリコーンを含まない。本発明の文脈において、含まないとは、組成物全体の重量基準で0.4重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、さらにより好ましくは0.05重量%未満、さらにより好ましくは0.001重量%未満、さらに好ましくは0.0001重量%未満、最も好ましくは0重量%のシリコーンを有することを意味する。
【0049】
好ましくは、本発明の組成物はシランも含まない。
【0050】
コンディショニングゲル基剤
コンディショニング基剤は、カチオン性コンディショニング界面活性剤および脂肪アルコールを含む。
【0051】
本発明による組成物は、化粧品として許容され、毛髪への局所適用に適した1以上のコンディショニング界面活性剤を含む。
【0052】
適切なコンディショニング界面活性剤は、単独でまたは混合して使用されるカチオン性界面活性剤から選択される。例としては、以下の一般式に対応する第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤が挙げられ、
[N(R)(R)(R)(R)](X)
式中、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、(a)炭素原子16~22個の脂肪族基、または(b)22個までの炭素原子を有する芳香族、アルコキシ、ポリオキシアルキレン、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アリールまたはアルキルアリール基から選択され、Xは、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、硝酸リン酸塩、硫酸塩、およびアルキル硫酸塩、例えばメトサルフェート、ラジカルから選択されるものなどの塩形成アニオンである。
【0053】
脂肪族基は、炭素原子および水素原子に加えて、エーテル結合、およびアミノ基などの他の基を含むことができる。脂肪族基、例えば、炭素約12個以上の脂肪族基は、飽和または不飽和であり得る。
【0054】
上記一般式のこのような第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤の具体例は、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム(BTAC)、塩化セチルピリジニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化オクチルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化オクチルジメチルベンジルアンモニウム、塩化デシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ジドデシルジメチルアンモニウム、塩化ジオクタデシルジメチルアンモニウム、塩化タロウトリメチルアンモニウム、塩化ココトリメチルアンモニウム、塩化ジパルミトイルエチルジメチルアンモニウム、PEG-2塩化オレイルアンモニウムおよびこれらの塩であり、塩化物は、他のハロゲン化物(例えば、臭化物)、酢酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、グリコール酸塩、リン酸塩、硝酸塩、またはアルキル硫酸塩によって置き換えられる。
【0055】
上記一般式のカチオン性界面活性剤の好ましいクラスでは、RはC16~C22の飽和または不飽和、好ましくは飽和アルキル鎖であり、R、RおよびRはそれぞれ独立してCHおよびCHCHOH、好ましくはCHから選択される。
【0056】
このような好ましい第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤の具体例は、セチルトリメチルアンモニウムクロリド(CTAC)、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロリド(BTAC)およびこれらの混合物である。
【0057】
好ましくは、第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤は、セチルトリメチルアンモニウムおよびベヘニルトリメチルアンモニウムから選択されるカチオンを有する。
【0058】
あるいは、第一級、第二級または第三級脂肪アミンを酸と組み合わせて使用して、本発明での使用に適したカチオン性界面活性剤をもたらしてもよい。酸は、アミンをプロトン化し、ヘアケア組成物中でその場でアミン塩を形成する。したがって、アミンは実質的に、非永久的な第四級アンモニウムまたは擬第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤である。
【0059】
このタイプの適切な脂肪アミンには、以下の一般式のアミドアミンが含まれ、
-C(O)-N(H)-R-N(R)(R
式中、Rは、12~22個の炭素原子を含む脂肪酸鎖であり、Rは、1~4個の炭素原子を含むアルキレン基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、1~4個の炭素原子を有するアルキル基である。
【0060】
上記一般式の適切な材料の具体例は、ステアラミドプロピルジメチルアミン、ステアラミドプロピルジエチルアミン、ステアラミドエチルジエチルアミン、ステアラミドエチルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジメチルアミン、パルミタミドプロピルジエチルアミン、パルミタミドエチルジエチルアミン、パルミタミドエチルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジメチルアミン、ベヘナミドプロピルジエチルミン、ベヘナミドエチルジエチルアミン、ベヘナミドエチルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジメチルアミン、アラキダミドプロピルジエチルアミン、アラキダミドエチルジエチルアミン、アラキダミドエチルジメチルアミン、およびジエチルアミノエチルステアラミドである。
【0061】
ジメチルステアラミン、ジメチルソイアミン、オイアミン(oyamine)、ミリスチルアミン、トリデシルアミン、エチルステアリルアミン、N-タロウプロパンジアミン、エトキシル化(5モルのエチレンオキシドを有する)ステアリルアミン、ジヒドロキシエチルステアリルアミン、およびアラキジルベヘニルアミンも有用である。
【0062】
ステアラミドプロピルジメチルアミンが特に好ましい。
【0063】
コンディショニング界面活性剤は、組成物中に、組成物の重量基準で0.1~10%、好ましくは少なくとも0.5%、より好ましくは少なくとも1%、さらにより好ましくは少なくとも2%、さらにより好ましくは少なくとも3%またはさらに少なくとも4%の濃度で存在するが、典型的には、9%以下、好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下、さらにより好ましくは6%以下、さらにより好ましくは5%以下の濃度で存在する。
【0064】
脂肪アルコール
本発明の組成物は、C~C22の炭素-炭素鎖長を有する脂肪アルコールを含む。
【0065】
コンディショニング組成物における脂肪アルコールおよびカチオン性界面活性剤の併用は、カチオン性界面活性剤が分散されたラメラ相の形成をもたらすので好ましい。
【0066】
脂肪アルコールは、8~22個の炭素原子、好ましくは16~22個、最も好ましくはC16~C18を含む。脂肪アルコールは、典型的には、直鎖アルキル基を含有する化合物である。好ましくは、アルキル基は飽和している。好ましい脂肪アルコールの例としては、セチルアルコール、ステアリルアルコールおよびそれらの混合物が挙げられる。これらの材料の使用はまた、本発明で使用するための組成物の全体的なコンディショニング特性に寄与するという点で有利である。
【0067】
本発明で使用するためのコンディショナー中の脂肪アルコールのレベルは、一般に、組成物の重量基準で、0.01~10%、好ましくは0.1~8%、より好ましくは0.2~7%、最も好ましくは0.3~6%の範囲である。
【0068】
カチオン性界面活性剤と脂肪アルコールの重量比は、適切には1:1~1:10、好ましくは1:1.5~1:8、最適には1:2~1:5である。脂肪アルコールに対するカチオン性界面活性剤の重量比が高すぎる場合、これは組成物からの眼刺激性をもたらし得る。低すぎると、一部の消費者に毛髪のきしみを感じさせる可能性がある。
【0069】
好ましいコンディショナーは、小胞含有量がほとんどまたは全くないコンディショニングゲル相を含む。そのようなコンディショナーおよびその製造方法は、国際公開第2014/016354号、国際公開第2014/016353号、国際公開第2012/016352号および国際公開第2014/016351号に記載されている。
【0070】
そのようなコンディショニングゲル相は、組成物の総重量で、
i)炭素8~22個を有する0.4~8重量%の脂肪アルコール、
ii)0.1~2重量%のカチオン性界面活性剤
を含み、
組成物は、組成物で処理された毛髪に1~250g、好ましくは2~100g、より好ましくは2~50g、さらにより好ましくは5~40g、最も好ましくは5~25gの引っ張り質量を与える。
【0071】
引っ張り質量は、櫛またはブラシを通してヘアピースを引っ張るのに必要な質量である。したがって、毛髪が絡み合うほど、櫛またはブラシを通してヘアピースを引っ張るのに必要な質量が大きくなり、毛髪の状態のレベルが高くなるほど、引っ張り質量が低くなる。
【0072】
引っ張り質量は、例えば重量1~20g、長さ10~30cm、および幅0.5~5cmのヘアピースを、櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量であり、最初にヘアピースを櫛またはブラシ上に置き、ヘアピースの接着された端部に5~20cmの毛髪を吊るしたままにし、次いで、ヘアピースが櫛またはブラシを通って落下するまで、吊るされた端部に重量を加えることによって測定する。
【0073】
好ましくは、ヘアピースは重量が1~20g、より好ましくは2~15g、最も好ましくは5~10gである。好ましくは、ヘアピースは、長さが10~40cm、より好ましくは10~30cm、幅が0.5~5cm、より好ましくは1.5~4cmである。
【0074】
最も好ましくは、引っ張り質量は、例えば重量10g、長さ20cm、および幅3cmのヘアピースを、櫛またはブラシを通して引っ張るのに必要な質量であり、最初にヘアピースを櫛またはブラシ上に置き、ヘアピースの接着された端部に20cmの毛髪を吊るしたままにし、次いで、ヘアピースが櫛またはブラシを通って落下するまで、吊るされた端部に重量を加えることによって測定する。
【0075】
別段の指示がない限り、本明細書で言及される比率、百分率、部などは重量による。
【0076】
次に、本発明の態様を以下の実施例によって説明する。
[実施例]
[実施例1]
以下の例で使用するための組成物の調製
本発明による組成物1および比較用組成物Aの調製
以下のコンディショナー組成物を調製した。
組成物1:本発明による沸騰耐性粒状デンプンと油とのブレンドを含むコンディショナー
組成物A:非沸騰耐性粒状デンプンと油とのブレンドを含む比較用コンディショナー
【0077】
以下の表では、油およびデンプンはブレンド中に存在する。
粒状デンプンの粒径は、本明細書に記載の方法を用いて測定した。
【0078】
【表1】
【0079】
乳化油を、Ultra Turrax T25 Basic S2高剪断ホモジナイザーおよび分散ツールを使用した壊滅的な反転プロセスによって製造した。水を、反転点の前に、100mlのステンレス鋼ビーカー中、剪断下で、毎分0.5mlの速度で、油と界面活性剤との混合物に滴下した。得られた組成を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】
表1の組成物は、以下のように調製した。
1.水を適切な容器に入れ、80℃に加熱した。
2.界面活性剤および脂肪質を適切な容器に入れ、脂肪質の融点を超えて加熱して溶融物を形成した。
3.溶融物を水相と合わせ、得られた混合物を不透明で濃厚になるまで混合した。
4.次いで、加熱を止め、急冷水を加えた。
5.次いで、混合物を40℃未満に冷却し、乳化油、芳香剤を含む残りの材料を加えた。
6.デンプンおよび油を一緒に混合してブレンドを形成した後、組成物に添加した。
7.最後に、配合物をシルバーソンミキサーで5000rpmで5分間高剪断で混合した。
【0082】
本発明による例2および3ならびに比較例BおよびCの調製
以下の例で使用するために、異なるコンディショナーゲル基剤を使用して、さらなる組成物を調製した。
組成物2および3:本発明による沸騰耐性粒状デンプンと油とのブレンドを含むシリコーン不含有コンディショナー
組成物BおよびC:シリコーンを含むが、デンプン/油ブレンドを含まない、比較用コンディショナー
【0083】
乳化した油と油/デンプンのブレンドを、上に詳述したように調製した。
【0084】
以下の表では、油およびデンプンはブレンド中に存在する。
【0085】
【表3】
【0086】
表3の組成物は、以下のように調製した。
1.水を適切な容器に入れ、任意の乳酸を添加し、容器を80℃に加熱した。
2.界面活性剤および脂肪質を適切な容器に入れ、脂肪質の融点を超えて加熱して溶融物を形成した。
3.溶融物を水相と合わせ、得られた混合物を不透明で濃厚になるまで混合した。
4.次いで、加熱を止め、急冷水を加えた。
5.次いで、混合物を40℃未満に冷却し、乳化油、芳香剤およびシリコーン(必要に応じて)を含む残りの材料を加えた。
6.デンプンおよび油を一緒に混合してブレンドを形成した後、組成物に添加した。
7.最後に、配合物をシルバーソンミキサーで5000rpmで5分間高剪断で混合した。
【0087】
[実施例3]
処理した毛髪の摩擦係数に対する組成物1およびAの効果
本発明による組成物1および比較例Aを使用して毛髪を処理した。
【0088】
毛髪を、以下の方法を使用して処理した。
5g10インチのDark Brown Europeanヘアピースを蛇口の下で濡らした。エトキシル化の一単位を有する14重量%ラウレス硫酸ナトリウムの溶液をヘアピースに塗布した(毛髪1グラム当たり0.1g)。ヘアピースを30秒間マッサージし、次いで蛇口の下で30秒間すすいだ。これを繰り返した。次いで、櫛を使用して濡れたヘアピースを梳かした。次いで、コンディショナー組成物(毛髪1グラム当たり0.2g)を毛髪に塗布し、1分間マッサージした後、制御された水流下で1分間すすいだ。ヘアピースを室温で乾燥させた。
【0089】
次いで、処理後の毛髪の摩擦係数を、適切な信号処理およびデータ取得と共に、複数の力変換器に取り付けられた平板に基づく装置を使用して分析した。適切な装置の例は、Guest S.et al,Journal of Cosmetics,Dermatological Sciences and Applications,Vol.3,2013,pp.66-78およびGuest S.et al,Journal of Texture Studies,Vol.43,2012,pp.77-93およびその参考文献に記載されている。本明細書で使用される特定の装置は、Dasylabデータ取得ソフトウェア(米国National Instruments社)およびガラス-バルサパネル(米国Aerospace Composite Products社)に取り付けられた6つの10ニュートン容量のSMT1力変換器(米国Interface Inc.)と共に、Micro Analog 3信号処理システム(英国Fylde Electronic Laboratories Ltd.)を使用した。本明細書に提示されるデータは、摩擦力および負荷力の記録、ならびに結果として生じる摩擦係数の計算を可能にするために、装置上に平らに置いた乾燥し処理した毛束(上述)の表面に沿ってオペレータが指を走らせることによって収集した。
結果を以下の表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】
結果は、沸騰耐性粒状デンプンを含む本発明による組成物(例1)では、非沸騰耐性の比較用デンプンを含む比較例の場合よりも低い摩擦係数が得られることを示す。
【0092】
[実施例4]
処理した毛髪の摩擦係数に対する組成物2および3ならびにBおよびCの効果
本発明による組成物2および3、ならびに比較例BおよびCを使用して、毛髪を処理した。
【0093】
上記の方法を用いて毛髪を処理し、上記のように摩擦係数を測定した。
結果を以下の表5に示す。
【0094】
【表5】
【0095】
結果は、例1および例2の本発明による組成物、非シリコーン組成物が、シリコーンを含有する比較用組成物で処理した毛髪の摩擦係数に等しい摩擦係数を毛髪に与えることを示す。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショナー組成物であって、
A)全組成物の重量基準で0.01~5重量%のブレンドであって、
i)1~12ミクロンのDv(50)粒径を有する沸騰耐性デンプンの粒子、および
ii)疎水性非シリコーン油
をデンプン対油の重量比0.5:1~1:0.5で含む、前記ブレンドと、
B)0.01~5重量%の乳化非シリコーン油と
を含み、A)およびB)が、
C)カチオン性界面活性剤と脂肪質とを含むコンディショニングゲル相に分散されており、
前記コンディショナーがシリコーンを含まない、
ヘアコンディショナー組成物。
【請求項2】
前記沸騰耐性デンプンが架橋されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記沸騰耐性デンプンが、架橋米デンプン、架橋キヌアデンプン、架橋アマランスデンプンおよびそれらの混合物、好ましくは架橋米デンプンから選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記沸騰耐性デンプンが架橋二リン酸米デンプンである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記沸騰耐性デンプンが、3~9ミクロンのDv(50)粒径を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記疎水性非シリコーン油が、炭化水素油、脂肪エステル油およびそれらの混合物から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記疎水性非シリコーン油が、パラフィン油、鉱油、ポリアルファオレフィン、スクアラン、脂肪酸またはアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステル、およびそれらの混合物から選択される、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記乳化非シリコーン油が、パラフィン油、鉱油、ポリアルファオレフィン、スクアラン、脂肪酸またはアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステル、およびそれらの混合物から選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記カチオン性コンディショニング界面活性剤が、第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記第四級アンモニウムカチオン性界面活性剤が、セチルトリメチルアンモニウムおよびベヘニルトリメチルアンモニウムから選択されるカチオンを有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記脂肪アルコールが、C8~C22の炭素-炭素鎖長を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1~のいずれか一項に記載の組成物を毛髪に適用するステップを含む、毛髪を処理する方法。
【請求項13】
毛髪にコンディショニング効果を与えるための、請求項1~に記載のシリコーン不含組成物における沸騰耐性デンプン粒子の使用。
【請求項14】
沸騰耐性デンプン粒子非シリコーン油とブレンドされる、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記コンディショニング効果が、シリコーンを含み沸騰耐性デンプンを含まない同じ組成物で処理された毛髪に与えられる摩擦係数に等しい摩擦係数である、請求項13に記載の使用。
【国際調査報告】