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▶ フィフス エレメント リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】オートメーション化ハンド
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/56 20060101AFI20241031BHJP
   B25J 15/08 20060101ALI20241031BHJP
   B25J 15/10 20060101ALI20241031BHJP
   B25J 15/12 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61F2/56
B25J15/08 J
B25J15/10
B25J15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024525267
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-06-13
(86)【国際出願番号】 NZ2022050135
(87)【国際公開番号】W WO2023080796
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】781940
(32)【優先日】2021-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NZ
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518092126
【氏名又は名称】フィフス エレメント リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】バージェス,エイダン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】リチャード,キャメロン リース グウェン
(72)【発明者】
【氏名】ベスト,ダリル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ラブグローブ,デイビッド ニール
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,ロス ハガン
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ウェルフ,マイケル ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,マシュー サルタン
【テーマコード(参考)】
3C707
4C097
【Fターム(参考)】
3C707CY29
3C707ES06
3C707ES07
3C707HS27
4C097AA11
4C097BB03
4C097CC01
4C097CC07
4C097SC07
(57)【要約】
力がディジットに加えられたときに、ディジットのコネクタが回転できるよう、ディジットコネクタを取り付けるための装置を有するオートメーション化ハンド。この装置は、剛性マウント及び弾性変形するスリーブを含むことができ、このスリーブ内にコネクタを伴う。オートメーション化ハンドは、タッチスクリーンとの互換性があるものとすることができる。オートメーション化ハンドは、ディジットを回転させるためのウォーム駆動部を有することができ、このウォーム駆動部は、両方向の軸方向負荷に抵抗するよう構成された軸受を含む。オートメーション化ハンドは、補助的支持部を伴う親指部を有することができる。キャッチ部は、負荷下におけるディジットの枢動を制限するために設けることができる。リストは、ハンドに締め付けることができ、ハンドに解放可能に電気連結することができ、回転に対して係止することができ、かつ弾性変形するピースを含むことができる。カバーも、オートメーション化ハンドに設けることができる。このカバーは、編物本体及び構造用ブレースを含むことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オートメーション化ハンドであって、
a.掌部、
b.前記掌部の中または上における剛性マウント、
c.前記剛性マウント内に位置され、かつ中にスリーブのアパーチャを有する、弾性変形するスリーブ、及び
d.前記スリーブのアパーチャ内に位置されたコネクタであって、前記コネクタから延びて掌部に対して可動であるディジットを有する、コネクタ、
を備え、
前記マウントから延びた前記ディジットに力が加えられたときに、前記コネクタが前記マウントに対して回転できるよう配置される、オートメーション化ハンド。
【請求項2】
装置は、各コネクタが前記掌部の面で回転できるものである、請求項1に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項3】
前記装置は、各コネクタが前記掌部の面に対して垂直面で回転できるものである、請求項1または2に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項4】
前記装置は、各コネクタがその長手方向軸周りで回転できるものである、請求項1~3の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項5】
前記装置は、前記コネクタから延びた前記ディジットに力が加えられたとき、各コネクタが並進できるものである、請求項1~4の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項6】
前記装置は、各コネクタが、並進方向に3自由度で並進できるものである、請求項5に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項7】
前記ディジットに対して長手方向に加えられた衝撃を吸収するよう構成される、請求項1~6の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項8】
前記コネクタは、前記ディジットの屈曲及び/または伸張を駆動する、ディジットの駆動部の一部である、請求項1~7の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項9】
前記コネクタはアクチュエータを備える、請求項8に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項10】
前記アクチュエータはモータを備える、請求項9に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項11】
前記コネクタはアクチュエータと前記ディジットとの間に接続される、請求項8に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項12】
前記ディジットにアクチュエータを備え、前記アクチュエータは前記ディジットの屈曲及び/または伸長を駆動する、請求項1~7の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項13】
前記コネクタと前記剛性マウントとの間に枢軸を備え、前記コネクタは前記マウントに対して前記枢軸周りを回転できる、請求項1~12の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項14】
前記枢軸は、1対または複数対の軸受面を備え、前記軸受面の内1つは、前記剛性マウントの上にあるか、または前記剛性マウントに連結され、前記軸受面の他のものは、前記コネクタ上にあるか、または前記コネクタに連結され、前記軸受面の各対は互いに近接している、請求項13に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項15】
前記弾性変形するスリーブは、中に形成された1つまたは複数のアパーチャを有し、前記軸受面の各対の内1つは、前記アパーチャのそれぞれを少なくとも部分的に通して突出した突出部上にある、請求項14に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項16】
前記コネクタと前記弾性変形するスリーブとの間に、剛性スリーブをさらに備える、請求項1~15の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項17】
前記剛性スリーブは、前記コネクタを前記剛性マウントに連結するよう構成される、請求項16に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項18】
前記硬質スリーブは、1つまたは複数の捩じり係止特徴部を備え、前記剛性マウントに対して前記剛性スリーブを保持する保持部において、相補的な捩じり係止特徴部に捩じり係止する、請求項17に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項19】
請求項14または15に従属するとき、各対の前記軸受面の内1つが前記剛性スリーブに設けられる、請求項16~18の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項20】
前記コネクタと前記剛性マウントとの間に封止部をさらに備え、前記オートメーション化ハンド内の封止領域に液体が入るのを防止する、請求項1~19の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項21】
請求項13~15の内いずれか、または請求項19に従属するとき、前記封止部は前記枢軸の近くにある、請求項20に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項22】
前記掌部に装着された、1つまたは複数の別の剛性マウント、
1つまたは複数の別の弾性変形するスリーブであって、各々は中にそれぞれスリーブのアパーチャを伴い、各々別の弾性変形するスリーブは、1つまたは複数の別の前記剛性マウントのそれぞれの中に位置される、1つまたは複数の別の弾性変形するスリーブ、
1つまたは複数の別のコネクタであって、各々はそれぞれのスリーブのアパーチャ内に位置され、各々別のコネクタは、そこから延びた別のディジットを有する、1つまたは複数の別のコネクタ、
を備え、
各々別のコネクタは、そこから延びた別の前記ディジットに力が加えられたとき、それぞれの剛性マウントに対して回転できる、請求項1~21の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項23】
前記剛性マウントは、互いに一体化される、請求項22に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項24】
前記剛性マウントは、互いから分離される、請求項22に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項25】
前記剛性マウントは、前記マウントに対する前記コネクタの回転を制限するよう構成される、請求項1~21の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項26】
前記弾性変形するスリーブが中に置かれる、前記剛性マウントにおける内面は、1本または複数本の軸周りの、前記コネクタの最大側方回転を制御するよう、寸法が決められる、請求項25に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項27】
前記剛性マウント内に無い前記コネクタの部分の周りに、障壁をさらに備え、前記障壁は、1本または複数本の軸周りの、前記コネクタの側方回転を制限するよう構成される、請求項1~24の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項28】
前記剛性マウントの内面は、1つまたは複数の回転抑制部を含み、前記コネクタの長手方向軸長手方向軸周りの、前記コネクタの回転を制限する、請求項25~27の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項29】
各コネクタは、関節接合部によって、それぞれの前記ディジットに連結する、請求項1~28の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項30】
前記弾性変形するスリーブは、エラストマ、ゴム、シリコーン、またはポリマーを含む、請求項1~29の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項31】
前記弾性変形するスリーブは、ポリウレタン、またはハイドロカーボンベースのエラストマ、フッ化炭素ベースのエラストマ、もしくはシリカベースのエラストマ、を含む、請求項30に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項32】
前記弾性変形するスリーブは、熱硬化性エラストマである、請求項31に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項33】
前記弾性変形するスリーブは、熱可撓性エラストマなどの熱可撓性材料である、請求項30に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項34】
前記弾性変形するスリーブは、熱硬化性ゴムである、請求項30に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項35】
前記弾性変形するスリーブは、請求項30~34で列挙した材料の内1つまたは複数の、発泡性組成物を含む、請求項30に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項36】
前記弾性変形するスリーブは、請求項30~34で列挙した材料の内2つ以上の合金または混合物を含む、請求項30に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項37】
前記弾性変形するスリーブは、約-20~約100℃の温度範囲にわたり、DMTAにおける約0.05~約0.8の減衰係数を伴う材料を含む、請求項1~36の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項38】
前記弾性変形するスリーブは、約-20~約100℃の温度範囲にわたり、DMTAにおける約0.05~約0.5の減衰係数を伴う材料を含む、請求項37に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項39】
約20~約60%の弾性を有する材料を含む、請求項1~38の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項40】
前記弾性変形するスリーブは、約10~約90のショアA硬度を有する材料を含む、請求項1~39の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項41】
前記弾性変形するスリーブは、約30~約60のショアA硬度を有する材料を含む、請求項40に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項42】
前記弾性変形するスリーブは、約30のショアA硬度を有する材料を含む、請求項41に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項43】
前記弾性変形するスリーブは、約40~約90のショアD硬度を有する材料を含む、請求項1~39の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項44】
タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンドであって、
a.導電性部材、
b.ディジット、及び
c.1つまたは複数の導電性装着具、
を備え、
1つまたは複数の前記導電性装着具は、前記ディジットに装着されて、前記ディジットの外側から前記導電性部材までの導電経路を提供するよう構成され、
前記オートメーション化ハンドは、前記導電経路が前記オートメーション化ハンドの使用者の身体から絶縁されたとき、前記タッチスクリーンの操作を可能にするよう構成される、タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンド。
【請求項45】
タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンドであって、
a.導電性部材、
b.ディジット、及び
c.1つまたは複数の導電性装着具;
を備え、
1つまたは複数の前記導電性装着具は、前記ディジットに装着されて、前記ディジットの外側から前記導電性部材までの導電経路を提供するよう構成され、前記導電経路は、使用中に前記オートメーション化ハンドの使用者の身体から絶縁される、タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンド。
【請求項46】
1つまたは複数の前記導電性装着具は、ポリマーを含む、請求項44または45に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項47】
前記ポリマーはシリコーンである、請求項46に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項48】
1つまたは複数の前記導電性装着具は、導電性カーボン添加剤も含む、請求項46または47に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項49】
前記導電性カーボン添加剤は、カーボンナノチューブを含む、請求項48に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項50】
前記導電性部材は、前記オートメーション化ハンドの構造部材である、請求項44~49の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項51】
前記導電性部材は、前記ディジットの構造部材である、請求項50に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項52】
前記導電性部材は、前記ディジットの連接部の一部である、請求項51に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項53】
1つまたは複数の前記導電性装着具は、パッド及び連接ピースを備え、前記パッドは、使用中に前記ディジットの外部に位置され、前記連接ピースは、使用中に前記パッド及び前記導電性部材と接触する、請求項44~52の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項54】
前記パッドは、請求項46~49の内いずれか一項において定義された導電性装着具である、請求項53に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項55】
前記連接ピースはバネであり、前記バネは前記導電性部材と接触するよう付勢される、請求項53または54に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項56】
1つまたは複数の前記導電性装着具は、前記ディジットにおける導電性の末節骨部を備える、請求項44~52の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項57】
請求項50~52の内いずれかに従属するとき、前記導電性部材は、前記導電性の末節骨部に機械的に連結される、請求項56に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項58】
前記導電経路は、前記オートメーション化ハンドのアクチュエータの端子から絶縁される、請求項44~57の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項59】
前記導電経路は、前記アクチュエータのハウジングから絶縁される、請求項58に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項60】
前記導電性部材及び1つまたは複数の前記導電性装着具は、前記導電性装着具の内1つが前記タッチスクリーンに触れたとき、前記タッチスクリーンにおけるタッチセンシングアレイに、実際の人の指が前記タッチスクリーンに触れるのを表示する範囲内の、静電容量の変化を感知させる、請求項44~59の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項61】
前記導電経路は、前記導電性部材で終端する、請求項44~60の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項62】
1つまたは複数の前記導電性装着具は、現存のタッチスクリーンとの互換性がないオートメーション化ハンドに組み込むよう構成される、請求項44~61の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項63】
方法であって、
1つまたは複数の導電性装着具を、オートメーション化ハンドのディジットに装着すること、及び
1つまたは複数の前記導電性装着具の内1つを、前記オートメーション化ハンドの導電性部材に接触するよう設置すること、
を含み、
1つまたは複数の前記導電性装着具は、前記ディジットの外側から前記導電性部材までの導電経路を提供する、方法。
【請求項64】
前記導電性部材は、前記オートメーション化ハンドの構造部材である、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記導電性部材は、前記ディジットの連接部の一部である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記導電性装着具の内1つはポリマーを含む、請求項63~65の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記導電性装着具の内1つは、導電性カーボン添加剤も含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記導電性カーボン添加剤は、カーボンナノチューブを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
1つまたは複数の導電性装着具を前記ディジットに装着することは、
前記ディジットに連接ピースを装着すること、及び
前記ディジットの外側にパッドを装着して、前記連接ピースに接触させること、
を含み、
1つまたは複数の前記導電性装着具の内1つを、前記オートメーション化ハンドの導電性部材に接触させるよう設置することは、前記連接ピースを前記導電性部材と接触するよう付勢することを含む、請求項63~68の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
1つまたは複数の前記導電性装着具を、タッチスクリーンとの互換性がないオートメーション化ハンドに組み込んで、タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンドを生成することを含む、請求項63~69の内いずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
タッチスクリーンとの互換性がないオートメーション化ハンドの、非導電部分を取り外して、前記導電性装着具の内1つまたは複数を用いて取り替えることさらに含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
オートメーション化ハンドであって、
a.掌部、
b.前記掌部から延びたディジット部、
c.使用中に前記掌部に対して前記ディジットを回転させるよう構成されたウォーム駆動部であって、ウォームと、前記ウォームによって生成された軸力に対して、ウォームの長手方向軸に沿った両方向で抵抗するよう構成された軸受と、を含んだ、ウォーム駆動部、
を備える、オートメーション化ハンド。
【請求項73】
前記軸受は、前記ウォームと前記ウォームの回転を駆動するモータとの間に設置される、請求項72に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項74】
前記軸受は深溝の玉軸受である、請求項72または73に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項75】
前記ウォームは、前記軸受に対して軸方向の動きに対抗して拘束される、請求項72~74の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項76】
前記ウォームに固定されたフランジをさらに備え、前記軸受の各側部に1つのフランジが伴う、請求項75に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項77】
前記フランジの内1つまたは複数は、前記ウォームに溶接される、請求項76に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項78】
2つの部分から成るハウジングをさらに備え、前記軸受の外輪は、前記ハウジングの2つの部分間に保持される、請求項72~77の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項79】
前記ウォーム駆動部は、前記軸受から前記ウォームの反対側において、第2の軸受をさらに備える、請求項72~78の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項80】
前記第2の軸受は、前記軸受よりも小さい、請求項79に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項81】
前記第2の軸受の径は、前記軸受の径の約2/3以下である、請求項80に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項82】
前記第2の軸受の径は、前記軸受の径の約1/2である、請求項81に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項83】
前記第2の軸受は、前記ウォームの径方向の力に抵抗するよう構成される、請求項79~82の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項84】
前記第2の軸受は、前記ウォームによって生成された軸力に対して実質的に抵抗しないよう構成される、請求項79~83の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項85】
前記第2の軸受は、前記ウォームの長手方向軸に対して摺動可能に構成される、請求項84に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項86】
オートメーション化ハンドのカバーであって、
a.編物材を含んだカバー本体、及び
b.オートメーション化ハンドに固定されるよう構成された、前記カバー本体上のハンド連結部、
を備える、カバー。
【請求項87】
前記編物材は、第1の伸縮範囲にわたって伸縮に対して低い抵抗性を有するよう、かつ第2の伸縮範囲にわたって伸縮に対して高い抵抗性を有するよう構成され、ここで前記第2の範囲は前記第1の範囲よりも高い、請求項86に記載のカバー。
【請求項88】
伸縮に対する抵抗性は、前記第1の伸縮範囲と前記第2の伸縮範囲との間で急増する、請求項87に記載のカバー。
【請求項89】
前記カバー本体は、前記オートメーション化ハンドの関節接合部を覆うよう構成される、請求項86~88の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項90】
前記カバー本体は、前記オートメーション化ハンドの親指接合部を覆うよう構成される、請求項89に記載のカバー。
【請求項91】
前記カバー本体は、前記オートメーション化ハンドとリストとの間の接合部を覆うよう構成される、請求項86~90の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項92】
前記カバー本体は、前記接合部で動く間、実質的に円滑な表面を維持するよう構成される、請求項89~91の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項93】
前記関節接合部における動きを駆動するアクチュエータに大きい負荷を加えることなく、前記関節接合部の動きの全範囲にわたる動きを可能にするよう構成される、請求項89または90に記載のカバー。
【請求項94】
前記関節接合部が伸縮したときに、前記関節接合部の動きを駆動するアクチュエータを逆駆動させないよう構成される、請求項89、90、または93に記載のカバー。
【請求項95】
前記編物材は、伸縮性のある糸から編まれる、請求項86~94のうちいずれか一項に記載のカバー。
【請求項96】
前記ハンド連結部は、カバー本体の材料よりも大きい剛性を有する、形状化された本体である、請求項86~95の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項97】
前記ハンド連結部は、成形プラスチックで作られる、請求項96に記載のカバー。
【請求項98】
前記ハンド連結部は、前記カバーの縁部を少なくとも部分的に取り囲む、請求項97に記載のカバー。
【請求項99】
前記ハンド連結部は、前記オートメーション化ハンドの掌部に連結するよう構成される、請求項86~98の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項100】
前記オートメーション化ハンドが連結されるリストに連結するよう構成された、リスト連結部をさらに備える、請求項99に記載のカバー。
【請求項101】
前記オートメーション化ハンドの親指部に連結するよう構成された、親指連結部をさらに備える、請求項99または100に記載のカバー。
【請求項102】
前記ハンド連結部は、前記オートメーション化ハンドの外殻ピース間に構成される、請求項86~101の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項103】
請求項100に従属するとき、前記リスト連結部は、前記リストを取り囲んだ溝に保持されるよう構成される、請求項100、101、または102に記載のカバー。
【請求項104】
前記カバーの形状を維持するために役立つよう、前記カバー本体の材料よりも大きい剛性を有する材料の、1つまたは複数の追加の本体をさらに備える、請求項86~103の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項105】
前記追加の本体は、前記カバーの一部を完全に、またはほとんどを取り囲んだ、1つまたは複数のフープ部を備える、請求項104に記載のカバー。
【請求項106】
前記追加の本体は、成形プラスチックで作られる、請求項104、または105に記載のカバー。
【請求項107】
前記カバー本体は、水が前記オートメーション化ハンドと前記カバーとの間の領域から排出できるように、水が通過できるよう構成される、請求項86~106の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項108】
前記カバー本体の材料は、かなり粗いニットで編まれ、水が前記材料を通過するのを可能にする、請求項107に記載のカバー。
【請求項109】
前記カバー本体は、3D編成工程によって形成される、請求項86~108のうちいずれか一項に記載のカバー。
【請求項110】
前記カバー本体は、互いに異なる特性を有する複数の領域を備える、請求項86~109の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項111】
前記カバー本体は、前記オートメーション化ハンドの親指部の少なくとも一部を覆う親指部領域と、前記オートメーション化ハンドの掌部の少なくとも一部を覆う掌部領域と、を備える、請求項110に記載のカバー。
【請求項112】
2つ以上の領域は、互いに異なる伸縮特性を有する、請求項110または111に記載のカバー。
【請求項113】
請求項111に従属するとき、前記親指部領域は、前記掌部領域よりも小さい伸縮性の材料で形成される、請求項112に記載のカバー。
【請求項114】
2つ以上の前記領域は、互いに異なる粗度を有する、請求項110~113の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項115】
請求項110に従属するとき、前記親指部領域は、前記掌部領域よりも粗い材料で形成される、請求項114に記載のカバー。
【請求項116】
複数の前記領域は、編物材で作られない領域を含む、請求項110~115の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項117】
請求項111に従属するとき、前記親指部領域は編物材で作られ、前記掌部領域は織布材を含む、請求項116に記載のカバー。
【請求項118】
前記カバー本体は、異なる方向で異なる伸縮特性を有する、請求項86~117のうちいずれか一項に記載のカバー。
【請求項119】
前記カバーによって覆われた前記オートメーション化ハンドの部分に応答する、実際の人の手の部分の形状に近似するよう構成される、請求項86~118の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項120】
前記カバー本体は、使用中に実質的に皺がない、請求項119に記載のカバー。
【請求項121】
前記オートメーション化ハンドの突出した特徴部、またはユーザ入力特徴部、の上に載るよう構成された、1つまたは複数の補強領域をさらに備える、請求項86~120の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項122】
前記オートメーション化ハンドのユーザ入力特徴部の上に載るよう構成された、1つまたは複数の視覚的インジケータをさらに備える、請求項86~121の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項123】
1つまたは複数の継ぎ目をさらに備え、前記継ぎ目は縫われるか、編まれるか、接着されるか、または接合用テープを使用して接合される、請求項86~122の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項124】
オートメーション化ハンドのカバーであって、
a.織物材を含んだカバー本体、及び
b.前記カバー本体に装着され、外力に対して前記カバー本体を支持するよう構成された、構造用ブレース、
を備え、
オートメーション化ハンドに固定されるよう構成される、カバー。
【請求項125】
前記カバー本体は、前記オートメーション化ハンドの関節接合部を覆うよう構成される、請求項124に記載のカバー。
【請求項126】
前記カバー本体は、前記オートメーション化ハンドの親指接合部を覆うよう構成される、請求項125に記載のカバー。
【請求項127】
前記カバー本体は、前記オートメーション化ハンドとリストとの間の接合部を覆うよう構成される、請求項124~126の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項128】
前記カバー本体は、前記接合部で動く間、実質的に円滑な表面を維持するよう構成される、請求項125~127の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項129】
前記関節接合部における動きを駆動するアクチュエータに大きい負荷を加えることなく、前記関節接合部の動きの全範囲にわたる動きを可能にするよう構成される、請求項125または126に記載のカバー。
【請求項130】
前記関節接合部が伸縮したときに、前記関節接合部の動きを駆動するアクチュエータを逆駆動させないよう構成される、請求項125、126、または129に記載のカバー。
【請求項131】
前記カバー本体は、編物材を含む、請求項124~130のうちいずれか一項に記載のカバー。
【請求項132】
前記構造用ブレースは、前記カバーを前記オートメーション化ハンドに連結するよう構成されたハンド連結部を備える、請求項124~131の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項133】
前記ハンド連結部は、成形プラスチックで作られる、請求項132に記載のカバー。
【請求項134】
前記ハンド連結部は、前記カバーの縁部を少なくとも部分的に取り囲む、請求項133に記載のカバー。
【請求項135】
前記ハンド連結部は、前記オートメーション化ハンドの掌部に連結するよう構成される、請求項132~134の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項136】
前記構造用ブレースは、前記オートメーション化ハンドが連結されたリストに連結するよう構成された、リスト連結部を備える、請求項124~135の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項137】
前記構造用ブレースは、前記オートメーション化ハンドの親指部に連結するよう構成された親指連結部を備える、請求項124~136の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項138】
前記ハンド連結部は、前記オートメーション化ハンドの外殻ピース間に構成される、請求項132~135の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項139】
前記リスト連結部は、前記リストを取り囲んだ溝に保持されるよう構成される、請求項136に記載のカバー。
【請求項140】
前記構造用ブレースは、前記カバーの形状を維持するために役立つよう、前記カバー本体の縁部から内側に位置された、1つまたは複数の内側ブレースのピースを備える、請求項124~139の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項141】
前記内側ブレースは、前記カバーの一部を完全に、またはほとんどを取り囲んだ、1つまたは複数のフープ部を備える、請求項140に記載のカバー。
【請求項142】
前記内側ブレースは、成形プラスチックで作られる、請求項140または141に記載のカバー。
【請求項143】
前記リスト連結部及び/または前記親指連結部は、成形プラスチックで作られる、請求項136、137、または139に記載のカバー。
【請求項144】
前記カバー本体は、水が前記オートメーション化ハンドと前記カバーとの間の領域から排水できるように、水が通過できるよう構成される、請求項124~143の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項145】
前記カバー本体は、織布材を含む、請求項124~144のうちいずれか一項に記載のカバー。
【請求項146】
前記カバーによって覆われた前記オートメーション化ハンドの部分に相当する、実際の人の手の部分の形状に近似するよう構成される、請求項124~145の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項147】
前記構造用ブレースは、前記カバーが前記オートメーション化ハンドに付いていないときに、前記カバーの形状を維持するよう構成される、請求項146に記載のカバー。
【請求項148】
前記カバー本体は、使用中に実質的に皺がない、請求項147に記載のカバー。
【請求項149】
前記オートメーション化ハンドの突出した特徴部、またはユーザ入力特徴部、の上に載るよう構成された、1つまたは複数の補強領域をさらに備える、請求項124~148の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項150】
前記オートメーション化ハンドのユーザ入力特徴部の上に載るよう構成された、1つまたは複数の視覚的インジケータをさらに備える、請求項124~149の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項151】
1つまたは複数の継ぎ目をさらに備え、前記継ぎ目は縫われるか、編まれるか、接着されるか、または接合用テープを使用して接合される、請求項124~150の内いずれか一項に記載のカバー。
【請求項152】
オートメーション化ハンドであって、
a.掌部、
b.第1の接続部において、前記ハンドの前記掌部に枢動可能に取り付けられた、親指部、及び
c.前記親指部に沿った中間箇所から、前記掌部における第2の接続部までの、補助的支持部、
を備える、オートメーション化ハンド。
【請求項153】
前記掌部における前記第2の接続部は、前記第1の接続部から離隔される、請求項152に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項154】
前記第1の接続部は、前記掌部の基部にある、請求項152または153に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項155】
前記第2の接続部は、前記掌部の基部及び前記掌部の遠位端の中間である、請求項152~154の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項156】
前記中間箇所は、前記親指部の端部から、前記親指部の延長の少なくとも10%である、請求項152~155のいずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項157】
前記中間箇所は、前記親指部の端部から、前記親指部の延長の少なくとも25%である、請求項156に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項158】
前記親指部は、関節接合部によって接続された2つのセグメントを備える、請求項152~157の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項159】
前記中間箇所は前記関節接合部の近くにある、請求項158に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項160】
前記中間箇所は前記関節接合部にある、請求項158に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項161】
前記中間箇所は前記関節接合部の遠位にある、請求項158に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項162】
前記補助的支持部は可撓性である、請求項152~161の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項163】
前記補助的支持部は支持アームである、請求項152~162の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項164】
前記支持アームは、例えばポリマーなどの弾性材料を含む、請求項163に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項165】
前記第2の接続部は枢動接続である、請求項163または164に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項166】
前記支持アームは、前記親指部の両側に前記中間箇所において接続するよう構成される、請求項163~165のいずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項167】
前記支持アームは、張力下で真直ぐにできる湾曲形状を有する、請求項163~166の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項168】
前記支持アームの、前記掌部の基部から反対に面した側は、対象物の把持を補助するよう、窪んだ部分を有する、請求項163~167の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項169】
前記親指部がその動きの全範囲を通して動く際に、前記支持アームは、前記第1及び第2の接続部以外で、前記掌部または前記親指部と干渉しないよう構成される、請求項163~168の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項170】
前記補助的支持部はコードである、請求項162に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項171】
前記親指部は、前記第1の接続部と前記中間箇所との間に順応部分を有する、請求項152~170の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項172】
前記第1の接続部は、前記掌部の中または上に、実質的な剛性マウントを備える、請求項152~171の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項173】
前記補助的支持部は壊れやすく、前記親指部は安全枢動を介して前記掌部に接続され、前記安全安全枢動は、前記補助的支持部が壊れる際に、前記親指部が伸長方向で自由に枢動するのを可能にする、請求項152~172の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項174】
前記親指部に負荷が加えられたときに、前記第1の接続部において前記親指部の枢動を制限するよう構成された、キャッチ部をさらに備える、請求項152~173の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項175】
オートメーション化ハンドであって、
a.枢動マウントを有する掌部、
b.第1の軸周りに枢動するよう前記枢動マウントに取り付けられ、かつ前記枢動マウントの遠位の順応箇所で順応する、ディジット、及び
c.前記ディジットが負荷下で順応箇所で順応するとき、前記第1の軸周りの前記ディジットの枢動を選択的に制限するよう構成された、キャッチ部、
を備える、オートメーション化ハンド。
【請求項176】
前記ディジットは、前記ディジットの屈曲伸長軸に対応した第2の軸周りで順応する、請求項175に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項177】
前記ディジットは親指部である、請求項175または176に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項178】
前記第1の軸は、前記親指部の前位・後位軸に相当する、請求項177に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項179】
請求項175に従属するとき、前記枢動マウントは、前記第2の軸周りに実質的に非順応的である、請求項177または178に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項180】
前記ディジットは、前記掌部の第1の側に、またはその近くに配設され、前記キャッチ部は、前記ディジットと前記掌部の第1の側との間に位置される、請求項175~179の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項181】
前記キャッチ部は、前記ディジットに装着された歯状部と、前記掌部における1つまたは複数の凹部とを含み、前記歯状部は、前記ディジットが前記順応箇所で順応するときに、前記凹部に向けて駆動される、請求項180に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項182】
前記歯状部は、前記ディジットが負荷下にないとき、前記凹部から離れるよう付勢される、請求項181に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項183】
前記負荷は、前記ディジットの伸張方向における負荷である、請求項181または182に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項184】
前記ディジットは、前記順応箇所において順応する関節接合部を備える、請求項175~183の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項185】
前記キャッチ部は、外力が前記ディジットの伸張に向けて、順応する関節接合部において前記ディジットに加えられたときに、前記第1の軸周りの前記ディジットの枢動を制限するよう構成される、請求項184に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項186】
前記キャッチ部は、ディジットのアクチュエータが、前記順応する関節接合部において、前記ディジットの屈曲に向けて駆動したとき、前記第1の軸周りの前記ディジットの枢動を制限するよう構成される、請求項184または185に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項187】
前記キャッチ部は、順応して取り付けられたギアに連結された連接アームを含み、順応して取り付けられた前記ギアは、前記関節接合部の近位側にある前記ディジットのセグメントに取り付けられ、かつ前記関節接合部の遠位側におけるギアと係合される、請求項184~186の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項188】
前記関節接合部の遠位側のギアは、前記関節接合部で前記ディジットの回転を駆動する駆動ギアである、請求項187に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項189】
前記関節接合部の遠位側において、前記駆動ギアを駆動するよう構成された、前記ディジットのアクチュエータをさらに備える、請求項188に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項190】
請求項181~183の内いずれか一項に従属するとき、前記歯状部は前記連接アーム上で保持される、請求項187~189の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項191】
請求項182に従属するとき、前記付勢は、前記連接アームに運動学的に連結されたバネによって提供される、請求項187~190の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項192】
前記ディジットの近位部分は、前記順応箇所または別のこのような順応箇所において、順応するハウジングを備える、請求項175~191の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンド。
【請求項193】
リスト及びオートメーション化ハンドを備えたアセンブリであって、
a.前記リストまたは前記オートメーション化ハンドから延び、遠位部分及び近位部分を有し、前記遠位部分は前記近位部分よりも幅広である、連結舌状部、及び
b.前記リスト及び前記オートメーション化ハンドの内、他方から延び、前記連結舌状部を受け入れて締め付け、前記リストを前記オートメーション化ハンドに解放可能に連結するよう構成された、連結クランプ、
をさらに備える、アセンブリ。
【請求項194】
前記連結クランプは、前記連結舌状部に堅固に締められるよう構成された、クランププレートを備える、請求項193に記載のアセンブリ。
【請求項195】
前記連結クランプは、前記クランププレートを堅固に締めるための、1つまたは複数のネジ締め機を備える、請求項194に記載のアセンブリ。
【請求項196】
前記連結クランプを前記連結舌状部に締め付けることで、前記リスト及び前記ハンドを共に引張る、請求項193~195のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項197】
前記連結舌状部が前記連結クランプに受け入れられたときに、前記連結クランプ及び前記連結舌状部が互いに接触する接触界面が、前記リスト及び前記オートメーション化ハンドを通り抜ける長手方向軸に対して斜角となるよう構成される、請求項196に記載のアセンブリ。
【請求項198】
前記連結クランプ及び前記連結舌状部は、互いに当接して、前記リストに対する前記ハンドの側方の動きを制限するよう構成された、相補的な面を有する、請求項193~196の内いずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項199】
前記連結舌状部はポケット内に位置され、前記連結クランプは、前記相補的な面が、前記ポケットの内面及び前記連結クランプの外面を含むように、前記ポケット内でぴったりと嵌合するよう構成される、請求項198に記載のアセンブリ。
【請求項200】
前記連結舌状部は、1つまたは複数のリブを含み、前記連結クランプは、前記リブの上でぴったりと嵌合するよう構成された1つまたは複数のスロットを含み、それによって前記相補的な面は、前記リブの側部及び前記スロットの側部を含む、請求項198または199に記載のアセンブリ。
【請求項201】
オートメーション化ハンドのアセンブリであって、
a.オートメーション化ハンド、
b.リスト、
c.前記リストを前記オートメーション化ハンドに、解放可能に機械的に連結するための、解放可能な機械的連結部、及び
d.前記リストを前記オートメーション化ハンドに、解放可能に電気的に連結するための、解放可能な電気的連結部、
を備え、
前記解放可能な電気的連結部は、前記オートメーション化ハンドまたは前記リストにおいて、付勢された複数の端子を備え、前記付勢された各端子は、前記オートメーション化ハンド及び前記リストの内、他方における相補的な端子に向けて付勢され、前記付勢された各端子は、前記リストが前記オートメーション化ハンドに機械的に連結されたときに、前記相補的な端子に電気的に接続するよう構成される、オートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項202】
前記付勢された端子はバネで留められる、請求項201に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項203】
前記相補的な端子はパッドである、請求項201または202に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項204】
前記パッドは窪んでいる、請求項203に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項205】
前記リストはケーブルを備え、前記付勢された端子または前記相補的な端子は、前記ケーブルの端部に位置される、請求項201~204の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項206】
前記ケーブルに摩擦嵌合特徴部をさらに備え、それは前記ハンドの摩擦嵌合特徴部に連結するよう構成される、請求項205に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項207】
前記リストにブレースをさらに備え、前記ブレースは、前記ケーブル及び前記ハンドが機械的に連結されたときに、前記端子の電気的分離を防止するよう構成される、請求項205または206に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項208】
前記リストは、中に形成されたポートを有し、前記ケーブルが前記リストの一方の側から他方の側まで通るのを可能にする、請求項205~207の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項209】
前記リストをアームソケットに連結するための回転連結部をさらに備え、前記回転連結部は、前記リストが前記アームソケットの長手方向軸周りに回転するのを可能にする、請求項201~208の内いずれか一項に記載のオートメーション化ハンドのアセンブリ。
【請求項210】
オートメーション化ハンドと共に使用するリストであって、
a.前記リストをアームソケットに連結するための、第1の連結部、
b.前記リストを前記オートメーション化ハンドに連結するための、第2の連結部、
c.前記第1の連結部と前記第2の連結部との間で、前記オートメーション化ハンドの屈曲または伸張を可能にするために回転するよう構成された、回転可能なリスト接合部、及び
d.基部を備えた係止機構、及び前記リスト接合部が回転する際に互いに対して回転するよう構成された係止プレートであって、前記基部は1つまたは複数の凹部を有し、前記係止プレートは、2つの状態すなわち、前記係止プレートが、前記基部の1つまたは複数の凹部の内1つとの係合に向けて付勢された、第1の状態と、前記係止プレートが前記基部の凹部と係合しないよう保持された、第2の状態と、の間で選択可能に構成できる、係止機構及び係止プレート、
を備え、
前記係止機構は、前記係止プレートが、前記基部の1つまたは複数の凹部の内1つと係合したときに、前記リスト接合部の回転を制限するよう構成される、リスト。
【請求項211】
前記係止機構は、第1の軸に沿って押圧して前記係止プレートの構成を選択するよう構成された係止ボタンをさらに含み、前記第1の軸は、前記係止プレートが前記凹部に入るために動く方向に対して横断方向である、請求項210に記載のリスト。
【請求項212】
前記第1の軸は、回転可能な前記リスト接合部に沿って置かれる、請求項211に記載のリスト。
【請求項213】
前記係止プレートは、係止アクチュエータに連結されるピンを受け入れるための凹部を有し、前記凹部は傾斜面を有し、前記プレートは、前記ピンが傾斜面を乗り越えたとき、前記凹部からの係合から外れるよう動かされる、請求項210~212の内いずれか一項に記載のリスト。
【請求項214】
前記プレートを前記凹部と係合するよう付勢するよう構成された、バネをさらに備える、請求項213に記載のリスト。
【請求項215】
1つまたは複数の前記凹部は、回転可能な前記リスト接合部の回転軸周りに、径方向に配置された複数の凹部である、請求項210~214の内いずれか一項に記載のリスト。
【請求項216】
前記係止プレートは、前記凹部と係合するために、回転可能な前記リスト接合部の回転軸に向けて直接動くよう構成される、請求項210~215の内いずれか一項に記載のリスト。
【請求項217】
オートメーション化ハンドと共に使用するリスト接合部であって、
a.中に形成された、断面が非円形であるアパーチャを伴う、剛性スリーブ、
b.前記アパーチャを通って延びた、断面が非円形である、剛性軸、及び
c.前記剛性スリーブと前記剛性軸との間の前記アパーチャにおける、1つまたは複数の弾性変形するピース、
を備え、
前記剛性軸は、前記剛性スリーブに対して中立方向であり、1つまたは複数の前記弾性変形するピースは、中立方向から離れた回転の後に、前記剛性軸を中立方向に向けて戻す、リスト接合部。
【請求項218】
前記剛性軸は、前記弾性変形するピースの内少なくとも1つに隣接した、非平坦面を有する、請求項217に記載のリスト接合部。
【請求項219】
オートメーション化ハンドと共に使用するリスト接合部であって、
a.中に形成された、断面が非円形であるアパーチャを伴う、剛性スリーブ、
b.前記アパーチャを通って延びた、断面が非円形である、剛性軸、及び
c.前記剛性スリーブと前記剛性軸との間の前記アパーチャにおける、1つまたは複数の弾性変形するピース、
を備え、
前記剛性軸は、1つまたは複数の前記弾性変形するピースの内少なくとも1つに隣接した、非平坦面を有し、前記非平坦面は、前記剛性スリーブに対して前記剛性軸の中立方向を提供するよう形状付けられ、1つまたは複数の前記弾性変形するピースは、好ましい中立方向から離れる回転の後に、前記剛性軸を中立方向に向けて戻す、リスト接合部。
【請求項220】
前記非平面は窪んでいる、請求項218または219に記載のリスト接合部。
【請求項221】
前記非平坦面は、中立方向からの小さい逸脱のために、中立方向に向けて平坦面よりも高い戻りトルクを提供するよう構成される、請求項218~220の内いずれか一項に記載のリスト接合部。
【請求項222】
前記剛性スリーブにおける前記アパーチャは、複数の角部を有し、各々の角部には弾性変形するピースが伴う、請求項217~221の内いずれか一項に記載のリスト接合部。
【請求項223】
断面において、前記アパーチャの外周は、1つまたは複数の部分的円弧及び1つまたは複数の凹部を含み、
1つまたは複数の前記凹部の各々は、1つまたは複数の前記弾性変形するピースの内1つを受け入れるよう構成される、
請求項217~221の内いずれか一項に記載のリスト接合部。
【請求項224】
断面において、前記剛性軸の外周は、1つまたは複数の部分的円弧、及び中に形成された1つまたは複数の凹部を含み、
前記剛性軸の各凹部は、1つまたは複数の前記弾性変形するピースの内1つを受け入れるよう構成され、
1つまたは複数の前記弾性変形するピースの各々は、前記アパーチャの前記凹部の内1つと、前記剛性軸の前記凹部の内1つとの間に把持される、
請求項223に記載のリスト接合部。
【請求項225】
前記弾性変形するスリーブは、エラストマ、または好適なポリマーである、請求項217~224の内いずれか一項に記載のリスト接合部。。
【請求項226】
前記構造用ブレースは、重力による崩れに対して前記カバー本体を支持する、請求項124~151の内いずれか一項に記載のカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートメーション化ハンドに関する。本発明は、オートメーション化ハンドのカバーにも関する。本発明は、オートメーション化ハンドのリストにも関する。本発明は、リスト接合部にも関する。本発明は、リスト接合部及びオートメーション化ハンドを含んだアセンブリにも関する。
【背景技術】
【0002】
オートメーション化ハンドは、人工装具用ハンドとして一般的に使用され、それは対象物を把持するため、別の人の手を握るため、及び人の手によって一般的に実行される他の作業を実施するため、に使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
1つの例によると、オートメーション化ハンドは:
a.掌部;
b.掌部の中または上における剛性マウント;
c.剛性マウント内に位置され、かつ中にスリーブのアパーチャを有する、弾性変形するスリーブ;及び
d.スリーブのアパーチャ内に位置されたコネクタであって、このコネクタから延びて掌部に対して可動であるディジットを有する、コネクタ、
を備え、
オートメーション化ハンドは、コネクタから延びたディジットに力が加えられたときに、コネクタがマウントに対して回転できるよう配置される。
【0004】
いくつかの例において、配置は、各コネクタが掌部の面で回転できるようなものである。
【0005】
いくつかの例において、配置は、各コネクタが掌部の面に対して垂直面で回転できるようなものである。
【0006】
いくつかの例において、配置は、各コネクタがその長手方向軸周りを回転できるようなものである。
【0007】
いくつかの例において、配置は、コネクタから延びたディジットに力が加えられたとき、各コネクタが並進できるようなものである。
【0008】
いくつかの例において、配置は、各コネクタが並進方向に3自由度で並進できるようなものである。
【0009】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、ディジットに対して長手方向に加えられた衝撃を吸収するよう構成される。
【0010】
いくつかの例において、コネクタは、ディジットの屈曲及び/または伸張を駆動する、ディジット駆動部の一部である。
【0011】
いくつかの例において、コネクタはアクチュエータを備える。
【0012】
いくつかの例において、アクチュエータはモータを備える。
【0013】
いくつかの例において、コネクタはアクチュエータとディジットとの間に接続される。
【0014】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、ディジットにアクチュエータを備え、このアクチュエータはディジットの屈曲及び/または伸張を駆動する。
【0015】
いくつかの例において、アクチュエータはコネクタと剛性マウントとの間に枢軸を備え、コネクタはマウントに対してこの枢軸周りを回転できる。
【0016】
いくつかの例において、枢軸は、1対または複数対の軸受面を備え、これらの軸受面の内1つは、剛性マウントの上にあるか、または剛性マウントに連結され、軸受面の他のものは、コネクタ上にあるか、またはコネクタに連結され、軸受面の各対は互いに近接する。
【0017】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、中に形成された1または複数のアパーチャを有し、軸受面の各対の内1つは、アパーチャそれぞれの1つを少なくとも部分的に通して突出した、突出部上にある。
【0018】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、コネクタと弾性変形するスリーブとの間に、剛性スリーブをさらに備える。
【0019】
いくつかの例において、剛性スリーブは、コネクタを剛性マウントに連結するよう構成される。
【0020】
いくつかの例において、剛性スリーブは、1つまたは複数の捩じり係止特徴部を備え、剛性マウントに対して剛性スリーブを保持する保持部において、相補的な捩じり係止特徴部に捩じり係止する。
【0021】
いくつかの例において、軸受面の各対の内1つは、剛性スリーブに設けられる。
【0022】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、コネクタと剛性マウントとの間に封止部をさらに備え、オートメーション化ハンド内の封止領域に液体が入るのを防止する。
【0023】
いくつかの例において、封止部は枢軸の近くに位置される。
【0024】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは:
掌部に装着された、1つまたは複数の別の剛性マウント;
1つまたは複数の別の弾性変形するスリーブであって、各々は中にそれぞれのスリーブのアパーチャを伴い、各々別の弾性変形するスリーブは、1つまたは複数の別の剛性マウントの内、それぞれ1つの中に位置される、1つまたは複数の別の弾性変形するスリーブ;及び
1つまたは複数の別のコネクタであって、各々はそれぞれのスリーブのアパーチャ内に位置され、各々別のコネクタは、コネクタから延びた別のディジットを有する、1つまたは複数の別のコネクタ;
を備え、
各々別のコネクタは、コネクタから延びた別のディジットに力が加えられたとき、それぞれの剛性マウントに対して回転できる。
【0025】
いくつかの例において、剛性マウントは互いに一体化される。
【0026】
いくつかの例において、剛性マウントは互いから分離している。
【0027】
いくつかの例において、剛性マウントは、このマウントに対するコネクタの回転を制限するよう構成される。
【0028】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブが中に置かれる、剛性マウントにおける内面は、1本または複数本の軸周りの、コネクタの最大側方回転を制御するよう、寸法が決められる。
【0029】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、剛性マウント内にないコネクタの部分の周りに障壁をさらに備える。この障壁は、1本または複数本の軸周りの、コネクタの側方回転を制限するよう構成される。
【0030】
いくつかの例において、剛性マウントの内面は、1つまたは複数の回転抑制部を含み、コネクタの長手方向軸周りの、コネクタの回転を制限する。
【0031】
いくつかの例において、各コネクタは、関節接合部によってそれぞれのディジットに連結される。
【0032】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、エラストマ、ゴム、シリコーン、またはポリマー、を含む、
【0033】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、ポリウレタン、またはハイドロカーボンベースのエラストマ、フッ化炭素ベースのエラストマ、もしくはシリカベースのエラストマ、を含む。
【0034】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、熱硬化性エラストマである。
【0035】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、熱可撓性エラストマなどの熱可撓性材料である。
【0036】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、熱硬化性ゴムである。
【0037】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、前述の段落で列挙した材料の内1つまたは複数の、発泡性組成物を含む。
【0038】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、前述の段落で列挙した材料の内2つ以上の合金または混合物を含む。
【0039】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、約-20~約100℃の温度範囲にわたり、DMTAにおける約0.05~約0.8の減衰係数を伴う材料で、構成される。
【0040】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、約-20~約100℃の温度範囲にわたり、DMTAにおける約0.05~約0.5の減衰係数を伴う材料で、構成される。
【0041】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、約20~約60%の弾性を有する材料を含む。
【0042】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、約10~約90のショアA硬度を有する材料を含む。
【0043】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、約30~約60のショアA硬度を有する材料を含む。
【0044】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、約30のショアA硬度を有する材料を含む。
【0045】
いくつかの例において、弾性変形するスリーブは、約40~約90のショアD硬度を有する材料を含む。
【0046】
別の例によると、タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンドが提供され、それは:
a.導電性部材;
b.ディジット;及び
c.1つまたは複数の導電性装着具;
を備え、
1つまたは複数の導電性装着具は、ディジットに装着されて、ディジットの外側から導電性部材までの導電経路を提供するよう構成され、
オートメーション化ハンドは、導電経路がオートメーション化ハンドの使用者の身体から電気絶縁されたとき、タッチスクリーンの操作を可能にするよう構成される。
【0047】
別の例によると、タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンドが提供され、それは:
a.導電性部材;
b.ディジット;及び
c.1つまたは複数の導電性装着具;
を備え、
1つまたは複数の導電性装着具は、ディジットに装着されて、ディジットの外側から導電性部材までの導電経路を提供するよう構成され、この導電経路は、使用中にオートメーション化ハンドの使用者の身体から絶縁される。
【0048】
いくつかの例において、導電性装着具の内1つまたは複数は、ポリマーを含む。
【0049】
いくつかの例において、このポリマーはシリコーンである。
【0050】
いくつかの例において、導電性装着具の内1つまたは複数は、導電性炭素添加物も含む。
【0051】
いくつかの例において、この導電性炭素添加物は、カーボンナノチューブを含む。
【0052】
いくつかの例において、導電性部材は、オートメーション化ハンドの構造部材である。
【0053】
いくつかの例において、導電性部材は、ディジットの構造部材である。
【0054】
いくつかの例において、導電性部材は、ディジットの連接部の一部である。
【0055】
いくつかの例において、1つまたは複数の導電性装着具は、パッド及び連接ピースを備える。このパッドは、使用中にディジットの外部に位置され、連接ピースは、使用中にこのパッド及び導電性部材と接触する。
【0056】
いくつかの例において、パッドは、前述の段落における任意の1つで定義された導電性装着具である。
【0057】
いくつかの例において、連接ピースはバネであり、それは導電性部材と接触するよう付勢される。
【0058】
いくつかの例において、1つまたは複数の導電性装着具は、ディジットの導電性の末節骨部を備える。
【0059】
いくつかの例において、導電性部材は、導電性の末節骨部に機械連結される。
【0060】
いくつかの例において、導電経路は、オートメーション化ハンドのアクチュエータの端子から絶縁される。
【0061】
いくつかの例において、導電経路は、アクチュエータのハウジングから絶縁される。
【0062】
いくつかの例において、導電性部材及び1つまたは複数の導電性装着具は、導電性装着具の内1つがタッチスクリーンに触れたとき、タッチスクリーンにおけるタッチセンシングアレイに、実際の人の指がタッチスクリーンに触れるのを示す範囲内の、静電容量の変化を感知させるよう構成される。
【0063】
いくつかの例において、導電経路は、導電性部材で終端する。
【0064】
いくつかの例において、1つまたは複数の導電性装着具は、タッチスクリーンとの互換性がない現存のオートメーション化ハンドに組み込まれるよう構成される。
【0065】
別の例によると、方法が提供され、それは:
1つまたは複数の導電性装着具を、オートメーション化ハンドのディジットに装着すること;及び
1つまたは複数の導電性装着具の内1つを、オートメーション化ハンドの導電性部材に接触させるよう設置すること、
を含み、
1つまたは複数の導電性装着具は、ディジットの外側から導電性部材までの導電経路を提供する。
【0066】
いくつかの例において、導電性部材は、オートメーション化ハンドの構造部材である。
【0067】
いくつかの例において、導電性部材は、ディジットの連接部の一部である。
【0068】
いくつかの例において、導電性装着具の内1つは、ポリマーを含む。
【0069】
いくつかの例において、導電性装着具の内1つは、導電性炭素添加物も含む。
【0070】
いくつかの例において、この導電性炭素添加物は、カーボンナノチューブを含む。
【0071】
いくつかの例において、1つまたは複数の導電性の装着具をディジットに装着することは:
ディジットに連接ピースを装着すること;及び
ディジットの外側にパッドを装着して、連接ピースに接触させること;
を含み、
1つまたは複数の導電性装着具の内1つを、オートメーション化ハンドの導電性部材に接触させるよう設置することは、連接ピースを導電性部材との接触に向けて付勢することを含む。
【0072】
いくつかの例において、本方法は、1つまたは複数の導電性装着具を、タッチスクリーンとの互換性がないオートメーション化ハンドに組み込んで、タッチスクリーンとの互換性があるオートメーション化ハンドを生成することを含む。
【0073】
いくつかの例において、本方法は、タッチスクリーンとの互換性がないオートメーション化ハンドの、非導電部分を取り外して、導電性装着具の内1つまたは複数を用いて取り替えることを、さらに含む。
【0074】
別の例によると、オートメーション化ハンドが提供され、それは:
a.掌部;
b.この掌部から延びたディジット;及び
c.使用中に掌部に対してディジットを回転させるよう構成されたウォーム駆動部であって、ウォームと、ウォームによって生成された軸力に対して、ウォームの長手方向軸に沿った両方向で抵抗するよう構成された軸受と、を含んだ、ウォーム駆動部、
を備える。
【0075】
いくつかの例において、軸受は、ウォームとウォームの回転を駆動するモータとの間に設置される。
【0076】
いくつかの例において、軸受は深溝の玉軸受である。
【0077】
いくつかの例において、ウォームは、軸受に対する軸方向の動きに対して拘束される。
【0078】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、ウォームに固定されたフランジを備え、軸受の各々の側部に1つのフランジが伴う。
【0079】
いくつかの例において、フランジの内1つまたは複数は、ウォームに溶接される。
【0080】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、2つの部分から成るハウジングをさらに備え、軸受の外輪は、このハウジングの2つの部分間に保持される。
【0081】
いくつかの例において、ウォーム駆動部は、軸受からウォームの反対側において、第2の軸受をさらに備える。
【0082】
いくつかの例において、第2の軸受は、上記の軸受よりも小さい。
【0083】
いくつかの例において、第2の軸受の径は、上記における軸受の径の約2/3以下である。
【0084】
いくつかの例において、第2の軸受の径は、上記における軸受の径の約1/2である。
【0085】
いくつかの例において、第2の軸受は、ウォームにおける径方向の力に抵抗するよう構成される。
【0086】
いくつかの例において、第2の軸受は、ウォームによって生成される軸力に対して、実質的に抵抗しないよう構成される。
【0087】
いくつかの例において、第2の軸受は、ウォームの長手方向軸に対して摺動可能に構成される。
【0088】
別の例によると、オートメーション化ハンドのカバーが設けられ、このカバーは:
a.編物材を含んだカバー本体;及び
b.オートメーション化ハンドに固定されるよう構成された、カバー本体上のハンド連結部、
を備える。
【0089】
いくつかの例において、編物材は、第1の伸縮範囲にわたって伸縮に対して低い抵抗性を有するよう、かつ第2の伸縮範囲にわたって伸縮に対して高い抵抗性を有するよう構成され、ここで第2の範囲は第1の範囲よりも高い。
【0090】
いくつかの例において、伸縮に対する抵抗性は、第1の伸縮範囲と第2の伸縮範囲との間で急増する。
【0091】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドの関節接合部を覆うよう構成される。
【0092】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドの親指接合部を覆うよう構成される。
【0093】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドとリストとの間の接合部を覆うよう構成される。
【0094】
いくつかの例において、カバー本体は、接合部が動く間に、実質的に滑らかな表面を維持するよう構成される。
【0095】
いくつかの例において、カバーは、関節接合部における動きを駆動するアクチュエータに、大幅に負荷を加えることなく、関節接合部の動きの全範囲にわたる運動を可能にするよう構成される。
【0096】
いくつかの例において、カバーは、関節接合部が伸縮したときに、関節接合部の動きを駆動するアクチュエータが逆駆動しないよう構成される。
【0097】
いくつかの例において、編物材は伸縮性のある糸から編まれる。
【0098】
いくつかの例において、ハンド連結部は、カバー本体の材料よりも大きい剛性を有する、形状化された本体である。
【0099】
いくつかの例において、ハンド連結部は、成形プラスチックで作られる。
【0100】
いくつかの例において、ハンド連結部は、カバーの縁部を少なくとも部分的に取り囲む。
【0101】
いくつかの例において、ハンド連結部は、オートメーション化ハンドの掌部に連結するよう構成される。
【0102】
いくつかの例において、カバーは、オートメーション化ハンドが連結されるリストに連結するよう構成された、リスト連結部をさらに備える。
【0103】
いくつかの例において、カバーは、オートメーション化ハンドの親指部に連結するよう構成された、親指連結部をさらに備える。
【0104】
いくつかの例において、ハンド連結部は、オートメーション化ハンドの外殻ピース間に挟まれるよう構成される。
【0105】
いくつかの例において、リスト連結部は、リストを取り囲んだ溝に保持されるよう構成される。
【0106】
いくつかの例において、カバーは、カバーの形状を維持するために役立つよう、カバー本体の材料よりも大きい剛性を有する材料の、1つまたは複数の追加本体をさらに備える。
【0107】
いくつかの例において、これら追加の本体は、カバーの一部を完全に、またはほとんどを取り囲んだ、1つまたは複数のフープ部を備える。
【0108】
いくつかの例において、追加の本体は、成形プラスチックで作られる。
【0109】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドとカバーとの間の領域から水を排出できるよう、水が通過できるように構成される。
【0110】
いくつかの例において、カバー本体の材料は、水が材料を通過するのを可能にするため、十分に粗いニットで編まれる。
【0111】
いくつかの例において、カバー本体は、3D編成プロセスによって形成される。
【0112】
いくつかの例において、カバー本体は、互いに異なる特性を有する複数の領域を備える。
【0113】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドの親指部の少なくとも一部を覆う親指部領域と、オートメーション化ハンドの掌部の少なくとも一部を覆う掌部領域と、を備える。
【0114】
いくつかの例において、これら領域の2つ以上は、互いに異なる伸縮特性を有する。
【0115】
いくつかの例において、親指部領域は、掌部領域よりも伸縮性の小さい材料で形成される。
【0116】
いくつかの例において、領域の2つ以上は、互いに異なる粗度を有する。
【0117】
いくつかの例において、親指部領域は、掌部領域よりも粗度の大きい材料で形成される。
【0118】
いくつかの例において、複数の領域は、編物材で作られない領域を含む。
【0119】
いくつかの例において、親指部領域は編物材で作られ、掌部領域は織布材料を含む。
【0120】
いくつかの例において、カバー本体は、異なる方向で異なる伸縮特性を有する。
【0121】
いくつかの例において、カバーは、カバーによって覆われたオートメーション化ハンドの部分に応答する、実際の人の手の部分の形状に近似するよう構成される。
【0122】
いくつかの例において、カバー本体は、使用中に実質的に皺がない。
【0123】
いくつかの例において、カバーは、突出した特徴部、またはオートメーション化ハンドのユーザ入力特徴部、の上に載るよう構成された、1つまたは複数の補強領域をさらに備える。
【0124】
いくつかの例において、カバーは、オートメーション化ハンドのユーザ入力特徴部の上に載るよう構成された、1つまたは複数の視覚的インジケータをさらに備える。
【0125】
いくつかの例において、カバーは、1つまたは複数の継ぎ目をさらに備える。これらの継ぎ目は縫われるか、編まれるか、接着されるか、または接合用テープを使用して接合される。
【0126】
別の例によると、オートメーション化ハンドのカバーが設けられ、このカバーは:
a.織物材を含んだカバー本体;及び
b.カバー本体に装着され、外力に対してカバー本体を支持するよう構成された、構造用ブレース、
を備え、
このカバーは、オートメーション化ハンドに固定されるよう構成される。
【0127】
いくつかの例において、構造用ブレースは、重力による崩れに対してカバー本体を支持するよう構成される。
【0128】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドの関節接合部を覆うよう構成される。
【0129】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドの親指接合部を覆うよう構成される。
【0130】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドとリストとの間の接合部を覆うよう構成される。
【0131】
いくつかの例において、カバー本体は、接合部が動く間に、実質的に滑らかな表面を維持するよう構成される。
【0132】
いくつかの例において、カバーは、関節接合部における動きを駆動するアクチュエータに、大幅に負荷を加えることなく、関節接合部の動きの全範囲にわたる運動を可能にするよう構成される。
【0133】
いくつかの例において、カバーは、関節接合部が伸縮したときに、関節接合部の動きを駆動するアクチュエータが逆駆動しないよう構成される。
【0134】
いくつかの例において、カバー本体は編物材を含む。
【0135】
いくつかの例において、構造用ブレースは、オートメーション化ハンドにカバーを連結するよう構成された、ハンド連結部を備える。
【0136】
いくつかの例において、ハンド連結部は、成形プラスチックで作られる。
【0137】
いくつかの例において、ハンド連結部は、カバーの縁部を少なくとも部分的に取り囲む。
【0138】
いくつかの例において、ハンド連結部は、オートメーション化ハンドの掌部に連結するよう構成される。
【0139】
いくつかの例において、構造用ブレースは、オートメーション化ハンドが連結されるリストに連結するよう構成された、リスト連結部を備える。
【0140】
いくつかの例において、構造用ブレースは、オートメーション化ハンドの親指部に連結するよう構成された、親指連結部をさらに備える。
【0141】
いくつかの例において、ハンド連結部は、オートメーション化ハンドの外殻ピース間に挟まれるよう構成される。
【0142】
いくつかの例において、リスト連結部は、リストを取り囲んだ溝に保持されるよう構成される。
【0143】
いくつかの例において、構造用ブレースは、カバーの形状を維持するために役立つよう、カバー本体の縁部から内側に位置された、1つまたは複数の内側ブレースのピースを備える。
【0144】
いくつかの例において、この内側ブレースは、カバーの一部を完全に、またはほとんどを取り囲んだ、1つまたは複数のフープ部を備える。
【0145】
いくつかの例において、内側ブレースは、成形プラスチックで作られる。
【0146】
いくつかの例において、リスト連結部及び/または親指連結部は、成形プラスチックで作られる。
【0147】
いくつかの例において、カバー本体は、オートメーション化ハンドとカバーとの間の領域から水を排出できるよう、水が通過できるよう構成される。
【0148】
いくつかの例において、カバー本体は織布材を含む。
【0149】
いくつかの例において、カバーは、カバーによって覆われたオートメーション化ハンドの部分に相当する、実際の人の手の部分の形状に近似するよう構成される。
【0150】
いくつかの例において、構造用ブレースは、カバーがオートメーション化ハンドに付けられていないときに、カバーの形状を維持するよう構成される。
【0151】
いくつかの例において、カバー本体は、使用中に実質的に皺がない。
【0152】
いくつかの例において、カバーは、突出した特徴部、またはオートメーション化ハンドのユーザ入力特徴部、の上に載るよう構成された、1つまたは複数の補強領域をさらに備える。
【0153】
いくつかの例において、カバーは、オートメーション化ハンドのユーザ入力特徴部の上に載るよう構成された、1つまたは複数の視覚的インジケータをさらに備える。
【0154】
いくつかの例において、カバーは、1つまたは複数の継ぎ目をさらに備える。これらの継ぎ目は縫われるか、編まれるか、接着されるか、または接合用テープを使用して接合される。
【0155】
1つの例によると、オートメーション化ハンドが提供され、それは:
a.掌部;
b.ハンドの掌部に取り付けられ、第1の接続部においてこの掌部に枢動可能に取り付けられた、親指部;及び
c.親指部に沿った中間箇所から、掌部における第2の接続部までの、補助的支持部、
を備える。
【0156】
いくつかの例において、掌部における第2の接続部は、第1の接続部から離隔される。
【0157】
いくつかの例において、第1の接続部は、掌部の基部にある。
【0158】
いくつかの例において、第2の接続部は、掌部の基部の中間、かつ掌部の遠位端にある。
【0159】
いくつかの例において、この中間箇所は、掌部の端部から、親指部の延長の少なくとも10%である。
【0160】
いくつかの例において、中間箇所は、掌部の端部から、親指部の延長の少なくとも25%である。
【0161】
いくつかの例において、親指部は、関節接合部によって接続された2つのセグメントを備える。
【0162】
いくつかの例において、中間箇所は関節接合部の近くにある。
【0163】
いくつかの例において、中間箇所は関節接合部にある。
【0164】
いくつかの例において、中間位置は関節接合部の遠位にある。
【0165】
いくつかの例において、補助的支持部は可撓性である。
【0166】
いくつかの例において、補助的支持部は支持アームである。
【0167】
いくつかの例において、この支持アームは、例えばポリマーなどの弾性材料を含む。
【0168】
いくつかの例において、第2の接続部は枢軸接続である。
【0169】
いくつかの例において、支持アームは、中間箇所において、親指部の両側に接続するよう構成される。
【0170】
いくつかの例において、支持アームは、張力下で真直ぐにできる、湾曲した形状を有する。
【0171】
いくつかの例において、支持アームの、掌部の基部から反対に面した側は、対象物の把持を補助するために、窪んだ部分を有する。
【0172】
いくつかの例において、親指部がその動きの全範囲を通して動く際に、支持アームは、第1及び第2の接続部以外で、親指部が掌部または親指部と干渉しないよう構成される。
【0173】
いくつかの例において、補助的支持部はコードである。
【0174】
いくつかの例において、親指部は、第1の接続部と中間箇所との間において順応部分を有する。
【0175】
いくつかの例において、第1の接続部は、掌部の中または上に、実質的な剛性マウントを備える。
【0176】
いくつかの例において、補助的支持部は壊れやすく、親指部は安全枢動を介して掌部に接続される。この安全枢動は、補助的支持部が壊れるときに、親指部が伸長方向で自由に枢動するのを可能にする。
【0177】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、親指部が負荷下で、第1の接続部において親指部の枢動を制限するよう構成された、キャッチ部をさらに備える。
【0178】
別の例によると、オートメーション化ハンドが提供され、それは:
a.枢動マウントを有する掌部;
b.第1の軸周りに枢動するよう枢動マウントに取り付けられ、この枢動マウントの遠位における順応箇所で順応する、ディジット;及び
c.ディジットが負荷下で順応箇所において順応するとき、第1の軸周りのディジットの枢動を選択的に制限するよう構成された、キャッチ部、
を備える。
【0179】
いくつかの例において、ディジットは、ディジットの屈曲・伸長軸に対応した第2の軸周りで順応的である。
【0180】
いくつかの例において、ディジットは親指部である。
【0181】
いくつかの例において、第1の軸は、親指部の前位・後位軸に相当する。
【0182】
いくつかの例において、枢動マウントは、第2の軸周りで実質的に非順応的である。
【0183】
いくつかの例において、ディジットは、掌部の第1の側に、またはその近くに配設され、キャッチ部は、ディジットと掌部の第1の側との間に位置される。
【0184】
いくつかの例において、キャッチ部は、ディジットに装着された歯状部と、掌部の1つまたは複数の凹部とを含み、この歯状部は、ディジットが順応箇所で順応するときに、凹部に向けて駆動される。
【0185】
いくつかの例において、歯状部は、ディジットに負荷がかかっていないとき、凹部から離れるよう付勢される。
【0186】
いくつかの例において、この負荷は、ディジットの伸長方向の負荷である。
【0187】
いくつかの例において、ディジットは、順応箇所において順応する関節接合部を備える。
【0188】
いくつかの例において、キャッチ部は、外力がディジットの伸長に向けて、順応する関節接合部においてディジットに加えられたときに、第1の軸周りのディジットの枢動を制限するよう構成される。
【0189】
いくつかの例において、キャッチ部は、ディジットのアクチュエータが、順応する関節接合部において、ディジットの屈曲に向けて駆動したときに、第1の軸周りにおけるディジットの枢動を制限するよう構成される。
【0190】
いくつかの例において、キャッチ部は、順応して取り付けられたギアに連結された連接アームを含む。この順応して取り付けられたギアは、関節接合部の近位側にあるディジットのセグメントに取り付けられ、かつ関節接合部の遠位側におけるギアと係合される。
【0191】
いくつかの例において、関節接合部の遠位側のギアは、ディジットの関節接合部における回転を駆動する駆動ギアである。
【0192】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドは、関節接合部の遠位側において、駆動ギアを駆動するよう構成された、ディジットのアクチュエータをさらに備える。
【0193】
いくつかの例において、歯状部は連接アーム上で保持される。
【0194】
いくつかの例において、付勢は、連接アームに運動学的に連結されたバネによって提供される。
【0195】
いくつかの例において、ディジットの近位部分は、上記の順応箇所または別のこのような順応箇所において、順応するハウジングを備える。
【0196】
別の例によると、リスト及びオートメーション化ハンドを備えたアセンブリが提供され、このアセンブリは:
a.リストまたはオートメーション化ハンドから延び、遠位部分及び近位部分を有し、この遠位部分は近位部分よりも幅広である、連結舌状部;
b.リスト及びオートメーション化ハンドの内、他方から延び、連結舌状部を受け入れて締め付け、リストをオートメーション化ハンドに解放可能に連結するよう構成された、連結クランプ、
をさらに備える。
【0197】
いくつかの例において、連結クランプは、連結舌状部に堅固に締められるよう構成された、クランププレートを備える。
【0198】
いくつかの例において、連結クランプは、このクランププレートを堅固に締めるための、1つまたは複数のネジ締め機を備える。
【0199】
いくつかの例において、連結クランプを連結舌状部に締め付けることで、リスト及びハンドを共に引張る。
【0200】
いくつかの例において、アセンブリは、連結舌状部が連結クランプに受け入れられたときに、連結クランプ及び連結舌状部が互いに接触する接触界面が、リスト及びオートメーション化ハンドを通り抜ける長手方向軸に対して斜角となるよう、構成される。
【0201】
いくつかの例において、連結クランプ及び連結舌状部は、互いに当接して、リストに対するハンドの側方の動きを制限するよう構成された、相補的な面を有する。
【0202】
いくつかの例において、連結舌状部はポケット内に位置され、連結クランプは、相補的な面が、ポケットの内面及び連結クランプの外面を含むように、ポケット内でぴったりと嵌合するよう構成される。
【0203】
いくつかの例において、連結舌状部は1つまたは複数のリブを含む。連結クランプは、相補的な面が、リブの側部及びスロットの側部を含むようにリブの上でぴったりと嵌合するよう構成された、1つまたは複数のスロットを含む。
【0204】
別の例によると、オートメーション化ハンドのアセンブリが提供され、それは:
a.オートメーション化ハンド;
b.リスト;
c.リストをオートメーション化ハンドに、解放可能に機械的に連結するための、解放可能な機械的連結部;及び
d.リストをオートメーション化ハンドに、解放可能に電気的に連結するための、解放可能な電気的連結部、
を備え、
この解放可能な電気的連結部は、オートメーション化ハンドまたはリストにおいて、付勢された複数の端子を備え、付勢された各端子は、オートメーション化ハンド及びリストの内、他方における相補的な端子に向けて付勢され、付勢された各端子は、リストがオートメーション化ハンドに機械的に連結されたときに、相補的な端子に電気的に接続するよう構成される。
【0205】
いくつかの例において、付勢された端子は、バネで留められる。
【0206】
いくつかの例において、相補的な端子はパッドである。
【0207】
いくつかの例において、パッドは窪んでいる。
【0208】
いくつかの例において、リストはケーブルを備え、このケーブルの端部に位置された、付勢された端子または相補的な端子を伴う。
【0209】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドのアセンブリは、ケーブルに摩擦嵌合特徴部をさらに備え、それはハンドの摩擦嵌合特徴部に連結するよう構成される。
【0210】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドのアセンブリは、リストにブレースをさらに備える。このブレースは、ケーブル及びハンドが機械的に連結されたときに、端子の電気的分離を防止するよう構成される。
【0211】
いくつかの例において、リストは中にポートを有し、ケーブルがリストの一方の側から他方の側まで通過するのを可能にする。
【0212】
いくつかの例において、オートメーション化ハンドのアセンブリは、リストをアームソケットに連結するための回転連結部をさらに備える。この回転連結部は、リストがアームソケットの長手方向軸周りに回転するのを可能にするよう構成される。
【0213】
別の例によると、オートメーション化ハンドと共に使用するリストが提供され、それは:
a.リストをアームソケットに連結するための、第1の連結部;
b.リストをオートメーション化ハンドに連結するための、第2の連結部;
c.第1の連結部と第2の連結部との間で、オートメーション化ハンドが屈曲または伸張できるよう回転させるよう構成された、回転可能なリスト接合部;及び
d.基部を備えた係止機構、及びリスト接合部が回転する際に互いに対して回転するよう構成された係止プレート、であって、この基部は1つまたは複数の凹部を有し、係止プレートは、2つの状態すなわち、係止プレートが、基部の1つまたは複数の凹部の内1つとの係合に向けて付勢された、第1の状態と、係止プレートが基部の凹部と係合しないよう保持された、第2の状態と、の間で選択可能に構成できる、係止機構及び係止プレート;
を備え、
係止機構は、係止プレートが、基部の1つまたは複数の凹部の内1つと係合したときに、リスト接合部の回転を制限するよう構成される。
【0214】
いくつかの例において、係止機構は、第1の軸に沿って押圧されて係止プレートの構成を選択するよう構成された、係止ボタンをさらに含む。第1の軸は、係止プレートが凹部に入るために動く方向に対して横断方向である。
【0215】
いくつかの例において、第1の軸は、回転可能なリスト接合部の回転軸に沿って置かれる。
【0216】
いくつかの例において、係止プレートは、係止アクチュエータに連結されたピンを受け入れるための凹部を有する。これらの凹部は傾斜面を有し、このプレートは、ピンが傾斜面を乗り越えたとき、凹部からの係合から外れるよう動かされる。
【0217】
いくつかの例において、リストは、プレートを凹部に係合するよう付勢するために構成されたバネを、さらに備える。
【0218】
いくつかの例において、1つまたは複数の凹部は、回転可能なリスト接合部の回転軸周りに、径方向に配置された複数の凹部である。
【0219】
いくつかの例において、係止プレートは、凹部と係合するために、回転可能なリスト接合部の回転軸に向けて直接動くよう構成される。
【0220】
別の例によると、オートメーション化ハンドと共に使用するリスト接合部が提供され、それは:
a.中に形成された、断面が非円形であるアパーチャを伴う、剛性スリーブ;
b.上記のアパーチャを通って延びた、断面が非円形である、剛性軸;及び
c.剛性スリーブと剛性軸との間のアパーチャにおける、1つまたは複数の弾性変形するピース;
を備え、
剛性軸は、剛性スリーブに対して中立方向であり、1つまたは複数の弾性変形するピースは、中立方向から離れた回転の後に、剛性軸を中立方向に向けて戻す。
【0221】
いくつかの例において、剛性軸は、弾性変形するピースの内少なくとも1つに隣接した、非平坦面を有する。
【0222】
別の例によると、オートメーション化ハンドと共に使用するリスト接合部が提供され、それは:
a.中に形成された、断面が非円形であるアパーチャを伴う、剛性スリーブ;
b.上記のアパーチャを通って延びた、断面が非円形である、剛性軸;及び
c.剛性スリーブと剛性軸との間のアパーチャにおける、1つまたは複数の弾性変形するピース;
を備え、
剛性軸は、1つまたは複数の弾性変形するピースの内少なくとも1つに隣接した、非平坦面を有し、この非平坦面は、剛性スリーブに対して剛性軸の中立方向を提供するよう形状付けられ、1つまたは複数の弾性変形するピースは、好ましい中立方向から離れる回転の後に、中立方向に向けて剛性軸を戻す。
【0223】
いくつかの例において、非平坦面は窪んでいる。
【0224】
いくつかの例において、非平坦面は、中立方向からの小さい逸脱のために、中立方向に向けて、平坦面よりも高い戻りトルクを提供するよう構成される。
【0225】
いくつかの例において、剛性スリーブにおけるアパーチャは、複数の角部を有し、各々の角部には弾性変形するピースが伴う。
【0226】
いくつかの例において、アパーチャの周囲は、断面において1つまたは複数の部分的円弧、及び1つまたは複数の凹部を含む。1つまたは複数の凹部の各々は、1つまたは複数の弾性変形するピースの内1つを受け入れるよう構成される。
【0227】
いくつかの例において、剛性軸の周囲は、断面において1つまたは複数の部分的円弧、及び中に形成された1つまたは複数の凹部を含み:
剛性軸の各凹部は、1つまたは複数の弾性変形するピースの内1つを受け入れるよう構成され、1つまたは複数の弾性変形するピースの各々は、アパーチャの凹部の1つと、剛性軸の凹部の1つと、の間に保持される。
【0228】
いくつかの例において、弾性変形するピースは、エラストマ、または好適なポリマーである。
【0229】
用語「備える、含む(comprise、comprises)」及び「備えている、含んでいる(comprising)」は、様々な法制度において、排他的または包含的のいずれかの意味に属し得ることを理解されたい。本明細書の目的のために、別途明記しない限り、これらの用語は包含的意味が意図される。すなわち、これらの用語は、直接的な引用、及び場合によっては、他の指定されない構成要素または要素の引用に使用する、列挙された構成要素を包含することを意味するものと、捉えられる。
【0230】
他の書類と有効に結合可能な先行技術、または共通の一般知識の一部を形成する、本明細書における任意の書類を参照することは、承認されない。
【0231】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図は、本発明の実施形態を例示し、上述の本発明の全体的な記載、及び以下の「発明を実施するための形態」と共に、本発明の原理を説明する役割を担う。
【図面の簡単な説明】
【0232】
図1】1つの例によるオートメーション化ハンドの斜視図である。
図2図1のオートメーション化ハンドの別の斜視図である。
図3図1のオートメーション化ハンドの部分的分解組立図である。
図4図1のオートメーション化ハンドの、一部の斜視図である。
図5】1つの例によるコネクタ取り付け装置の斜視図である。
図6図5のコネクタ取り付け装置の別の斜視図である。
図7図6のコネクタ取り付け装置の縦断面図である。
図8】1つの例によるコネクタマウントの斜視図である。
図9図8のコネクタマウントの部分的分解組立図である。
図10】1つの例によるコネクタマウントの一部の正面図である。
図11】1つの例によるアクチュエータのアセンブリの上面図である。
図12図11におけるアクチュエータのアセンブリの縦断面図である。
図13】1つの例によるギア軸受装置の部分的分解組立図である。
図14】1つの例によるディジット駆動装置の部分的分解組立図である。
図15】1つの例によるディジットの部分的分解組立図である。
図16】1つの例によるディジットの上面図である。
図17図16のディジットの縦断面図である。
図18】1つの例によるカバーの斜視図である。
図19図18のカバーの別の斜視図である。
図20】1つの例による、掌部シャーシに接続されたリストのアセンブリの側面図である。
図21】互いから分離された、図20におけるリストのアセンブリ及び掌部シャーシの側面図である。
図22】互いから分離された、図20におけるリストのアセンブリ及び掌部シャーシの、別の側面図である。
図23図20の掌部シャーシの端面図である。
図24図20におけるリストのアセンブリの部分的分解組立図である。
図25】1つの例によるリストの斜視図である。
図26図25のリストの、2つの構成要素を示す図である。
図27図25のリストの上面図である。
図28図20のリストの断面図である。
図29図20のリストの部分的分解組立図である。
図30】1つの例による係止機構の一部の斜視図である。
図31】1つの例による、掌部シャーシに接続されたリストのアセンブリの斜視図である。
図32】1つの例による親指部のアセンブリの斜視図である。
図33図32における親指部のアセンブリの、別の斜視図である。
図34図32における親指部のアセンブリの上面図である。
図35】1つの例による係止部のアセンブリの、構成要素の斜視図である。
図36図32における親指部のアセンブリの分解組立図である。
図37図32における親指部のアセンブリの、別の分解組立図である。
図38図32における親指部のアセンブリの、別の図である。
図39図20のリストに対する、代替のリストの断面図である。
図40】別の例による係止機構の構成要素の斜視図である。
図41】別の例による親指部のアセンブリの、構成要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0233】
本明細書は、オートメーション化ハンドと、このオートメーション化ハンドと共に使用するための構成要素と、のいくつかの態様を説明かつ請求する。態様または構成要素が、互いに代替的に使用されることが文脈から明白である場合を除いて、説明かつ請求する態様及び構成要素の、任意の組み合わせは、オートメーション化ハンドまたはオートメーション化ハンドを含んだアセンブリで共に提供され得る。
【0234】
図1及び図2は、実施形態例によるオートメーション化ハンド1を示す。
【0235】
サイズは、オートメーション化ハンドの設計で重要な要件となる場合がある。過剰に大きいオートメーション化ハンドは、使用者にとって重く、不便で、かつ不釣り合いとなり得る。オートメーション化ハンド1は、空間を節約するいくつかの特徴部を有する場合があり、それは、オートメーション化ハンド1が比較的小型でコンパクトに作られるのを可能にし得る。
【0236】
オートメーション化ハンド1は、掌部2を有する。ディジット3、4は掌部2に装着される。掌部2及びディジット3、4は、実際の人の手の掌及びディジットに対応して配置することができる。
【0237】
この例において、ディジットは4本の指部3及び1本の親指部4を含む。この例の指部3は、実際の人の手における4本の指のように配置される。この例の指部3は、実際の人の手における4本の指のように、互いに異なり得る。特に指部3は、実際の人の手における指のように、異なるサイズを有し得る。
【0238】
この例の指部4は、実際の人の手における親指のように配置される。親指部4は、実際の人の手の親指と類似の方法で、指部3に対向して可動とすることができる。
【0239】
概してこの例におけるオートメーション化ハンド1は、全体的に、解剖学的に正確に配置される。他の例において、オートメーション化ハンド1は、解剖学的にそれほど正確ではなくてもよく、実際の人の手とは異なるよう配置される。例えば、オートメーション化ハンド1は、4本の指部よりも多く、または少なくてもよく、1本の親指部よりも多く、または少なくてもよい。
【0240】
この例における指部3は、各々2つのセクション31及び32から作られる。セクション31は、本明細書では基節骨部31と称する。セクション32は、本明細書では末節骨部32と称する。基節骨部31及び末節骨部32は、指関節部として働く関節接合部34によって接続される。この例における指部3は、実際の人の手が3つの指節骨すなわち基節骨、中間節骨、及び末節骨を有するという点で、実際の人の手とは異なる。いくつかの例において、各指部3は、2つの指節骨部よりも多く、または少なくし得る。例えば、実際の人の手のように、基節骨部、中間節骨部、及び末節骨部を有し得る。
【0241】
図2で最良に示されるように、パッド35aを、各指部3の端部に設けることができる。
これは把持力を向上させ得る。パッド35aは、図15図17を参照してさらに詳述されるように、指部3がタッチスクリーンを操作するのを可能にすることにも役立ち得る。
【0242】
指部3は、それぞれの関節接合部33によって掌部2に接続される。関節接合部33を、それぞれの指関節部21に設けることができる。図4図10を参照してさらに詳述されるように、指部3は、掌部2に順応して取り付けることができる。
【0243】
この例における親指部4は、各々2つのセクション42及び43から作られる。セクション43は、本明細書では親指中手骨部と称する。セクション42は、本明細書では親指節骨部と称する。セクション42及び43は、関節接合部(図1及び図2では示されず)によって互いに接続することができる。親指部4は、関節接合部(図1及び図2では示されず)によって掌部2に接続することができる。この例における親指部4は、実際の人の親指が親指中手骨ならびに基節骨及び末節骨を有し、それらの間に関節接合部を伴うという点で、実際の人の手の親指とは異なる。他の例において、親指部4は、より多い、または少ないセクションを有し得る。例えば親指部4は、実際の人の親指のように、中手骨部、基節骨部、及び末節骨部を有し得る。
【0244】
図2で最良に示されるように、パッド35bを、親指部4の端部に設けることができる。これは把持力を向上させ得る。パッド35bは、図15図17を参照してさらに詳述されるように、親指部4がタッチスクリーンを操作するのを可能にすることにも役立ち得る。
【0245】
図1及び図2において、親指部4はカバー41に覆われて示される。カバー41は、親指中手骨部43を掌部2に接続する関節接合部、及び/または親指中手骨部43を親指節骨部42に接続する関節接合部、を覆うことができる。
【0246】
図1及び図2でさらに示されるのは、オートメーション化ハンド1を使用者の腕に接続するためのリスト5’である。オートメーション化ハンド1は、様々な範囲のリストを用いて使用するために好適となり得る。図1及び図2の例において、リスト5’は、迅速接続解除式のリストである。この例におけるリスト5’は、24a及び24bを同時に押圧することによって、オートメーション化ハンドをアーム連結部から接続解除するよう操作することができる。パッチまたは他の視覚的インジケータは、リスト5’を接続解除するためにどこを押圧するかを示すため、領域24a及び24bにおいてカバー41上に設けられ得る。
【0247】
この例における掌部2は、フェースプレート25によって部分的に覆われている。フェースプレート25において、使用者のインターフェースパネル23が存在する。ユーザインタフェースパネル23は、ボタンなどの入力デバイスを有し得る。ユーザインタフェースパネル23は、光または表示スクリーンなどの出力デバイスを有し得る。ユーザインタフェースパネル23は、入力/出力デバイスとして役立つタッチスクリーンを有し得る。
【0248】
帯状面22も、指関節部21の近くの掌部2に設けることができる。これは、掌部2にぴったりと嵌合するよう、かつ指関節部21を覆うように、成形され得る。
【0249】
図3において、オートメーション化ハンド1は、(上部22a及び下部22bで作られた)帯状面22、フェースプレート25、インターフェースパネル23、及びハンド1の残りから分離されたカバー41、と共に示される。これらの部品が分離されて、掌部2の内部6が視認できる。制御エレクトロニクス及びディジットのアクチュエータを、内部6の中に封止することができる。やはりハンド1の残りから分離されて示されるのは、掌部シャーシ26及び掌部カバー28であり、それらは組み立てられたときに、掌部2の内部6を囲む。フェースプレート25、インターフェースパネル23、帯状面22、及びカバー41は、シャーシ26及び掌部カバー28を覆った掌部の上に、組み立てることができる。カバー41は、図18及び図19を参照してさらに詳述するように、掌部に固定することができる。例えばカバー41は、フェースプレート25の下にクリップ留めされ得る。リスト5’は、図20図22及び図31に対してさらに詳述するように、掌部シャーシ26に固定することができる。
【0250】
図3は、組み立てられたときに、オートメーション化ハンド1における帯状面22の下に位置された、コネクタマウント27を示す。コネクタマウント27は、1本または複数本のディジットが接続される、1つまたは複数のコネクタを取り付ける。図3の例において、コネクタマウント27は、図4に示されるように4本の指部3を取り付ける。
【0251】
[ディジット取り付け装置]
オートメーション化ハンドにおいて、内部を水の浸入に対して封止することが望ましい場合がある。ディジットなどのハンドの部品を、順応させて取り付けることが望ましい場合もある。ディジットは、使用中にぶつけられ、引張られ、及び押し込まれ得る。ディジットのマウントに順応性を提供することで、ディジットのマウントが、取り付け点において損傷を受けることなく、かつディジットのマウントが取り付けられるハンドの部品を損傷させることなく、これらのシナリオで多少動くことを可能にする。これは、ディジットのマウントが、把持される対象物の形状に受動的に順応するのを可能にし、例えば握手など、より自然に感じることを可能にする。しかし、ディジットが互いに対して、かつ残りのハンドに対して、正確に位置されて方向付けられることを保証することも望ましい場合があり、そうすることは、ディジットが順応して取り付けられたときに困難となり、ディジットが所望の把持を正確に実施することを保証するために、ディジットの制御アルゴリズムの大幅な「チューニング」、及び/または取り付け後におけるディジットの位置の調整、を必要とし得る。追加として、順応する取り付け装置は、いくつかの場合において封止機能も提供し、それは、良好な封止及び良好な順応性の両方を提供する順応要素を設計することを、困難とし得る。他のオートメーション化ハンドにおけるものよりも正確に、ディジットの順応する動きの制限及び他のパラメータを機械的に制御することも、望ましい場合がある。
【0252】
図4は、コネクタマウント27を使用して取り付けられた、図1図3の典型的なオートメーション化ハンド1における4本の指部3を示す。他の例において、より多くまたはより少ない指部、及び/または1本または複数本の親指部が、コネクタマウント27を使用して取り付けられ得る。
【0253】
図4で示されるように、コネクタ29はマウント27に取り付けられる。指部3は、指関節部21においてそれぞれのコネクタ29に接続される。それによって指部3は、コネクタ29及びマウント27を介して掌部に取り付けられる。いくつかの例において、コネクタ29は、ディジットを屈曲及び/または伸張させるよう駆動する、ディジット駆動部の一部を形成することができる。例えば、各コネクタ29はアクチュエータを含み得る。他の例において、各コネクタ29は、1本もしくは複数本のケーブル、または連接部の1つまたは複数の連接アームを含み得る。これらの例において、ケーブルまたは連接アームは、ディジットと、掌部のさらに後部、リスト、またはリストの背部、に位置されたアクチュエータと、の間に位置され得る。他の例において、ディジットは、掌部に対するディジットの動きを生じさせるアクチュエータ(例えばモータ)を含み得る。この例において、それぞれのコネクタは、「受動的」であってもよく、指部の動きを作動させない。例えば、コネクタは、その端部に固定ギアを伴う取り付けアームを含み、ディジットにおけるアクチュエータを伴い得る。このアクチュエータは、固定ギアと係合し、かつディジットの動きを駆動するよう回転する、駆動ギアを有する。
【0254】
各コネクタ29は、コネクタ29から延びたディジットに力が加えられたときに、マウント27内で動くことができるよう、取り付けられる。マウント27は、掌部の面におけるコネクタ29の回転(すなわち掌部の面に対して横断方向または概ね直角である軸の周り)、掌部の面に対して直角面におけるコネクタ29の回転(すなわち掌部を通して概ね側方に延びた軸の周り)、及び/またはコネクタ29の長手方向軸周りのコネクタ29の回転、を可能にし得る。マウント27は、掌部の面または掌部の面に対して直角の、コネクタ29の並進を可能にし得る。したがって各コネクタ29は、並進方向に3自由度、回転方向で3自由度で、取り付けられ得る。しかしいくつかの例において、コネクタ29は、回転方向または並進方向の、より小さい自由度を伴って取り付けられ得る。
【0255】
マウント27は、図3に示されるように、掌部の前部またはその近くに位置させることができる。マウント27は、一般的に、実際の人の手における中手骨に対応した、掌部の一部とすることができる。コネクタ29は、実際の人の手の中手骨に対応する場合がある。実際の人の手において、中手骨は、掌を通して指関節に向けて延び、そこで中手骨はディジットに接続する。コネクタ29は、同様にオートメーション化ハンド1の掌部2を通して延び、オートメーション化ハンド1のディジット3、4に接続し得る。本明細書で説明する詳細の例において、マウント27は、4本の指に接続する実際の人の手における4つの中手骨に対応したコネクタ29を介して、オートメーション化ハンド1の4本の指部3を取り付ける。他の例において、マウントは、より多い、もしくはより少ない指部3を取り付けるか、または、親指部4のみ、もしくは1本もしくは複数本の指部3と組み合わせた親指部4、を取り付け得る。
【0256】
図5及び図6は、ディジットの取り付け装置をより詳細に示す。例におけるコネクタ29は、モータ295の形態のアクチュエータを含む。例におけるコネクタ29は、ディジットの屈曲及び伸長を駆動する。様々なタイプのモータが、好適となり得る。1つの例において、モータ295はブラシレスDC(BLDC)モータである。各モータ295にはエンコーダ296と、PCBマウント294上に印刷回路基板(PCB)292と、が設けられる。コネクタ29は、マウント27を通して延び、ディジットが取り付けられる指関節部21で終端する。
【0257】
マウント27は、各コネクタ29のための剛性マウントを含むことができる。示された例において、コネクタマウントは互いに一体化され、全てのコネクタ29のための、単一の剛性マウント275を形成する。他の例において、異なるコネクタ29のための、別個の剛性マウントが使用され得る。剛性マウント275は、その周りにフランジ277を有する。フランジ277は、ハンドが組み立てられたとき、(図3で示された)掌部シャーシ26内に嵌合するよう、寸法が決められる。フランジ277は、その周縁部に形成された溝を有し、それは、組み立てられたときに、掌部シャーシ26を封止するOリング(図示せず)を受け入れる。これは、水または他の液体が、掌部の正面を介して掌部の内部に入るのを防止し得る。ガスケット、エラストマブロック、またはシリコーンシーラントなど、他の封止部が、Oリングの位置に、またはOリングに加えて、使用され得る。他の例において、Oリングなどの封止部は、掌部シャーシ上に設けられ、剛性マウント275に対して封止し得る。または、1つもしくは複数の中間部材を、シャーシ26と剛性マウント275との間に設置して、中間部材と、掌部シャーシ26と、剛性マウント275と、の間に封止部をもたらし得る。
【0258】
示された例において、剛性マウント275は、装着される掌部の他の部品とは別個の部材である。他の例において、1つまたは複数の剛性マウントは、掌部の他の構造部材と一体化されるか、またはその一部として形成され得る。例えば、改変された掌部シャーシは、剛性マウントを組み込み得る。このような配置において、掌部シャーシは2つの部品で提供され、それらは各コネクタのためのアパーチャを画定するために、共に堅固に締めることが可能である。別の例において、1つまたは複数の掌部ハウジング/外殻ピースは、掌部の外部本体と、剛性マウントをもたらすために構成された剛性内面と、を提供する外面を有し得る。
【0259】
剛性マウント275は、十分な剛性をもたらすことができる、任意の好適な材料で作ることができる。いくつかの例において、剛性マウント275は金属で作られる。いくつかの例において、この金属はアルミニウムである。
【0260】
図7は、図6のラインA-Aに沿った取り付け装置の縦断面図である。これは、単一コネクタ29のための取り付け装置における、1つの例の詳細構造を示す。
【0261】
剛性マウント275は、その中にスリーブ271を有する。スリーブ271は弾性変形することができ、それによって、一般的にオートメーション化ハンドの通常使用において遭遇するであろう大きさを有する力を受けて、適切な量だけ変形することができる。これらの力は、コネクタ29に装着されたディジットがぶつかるか、押し込まれるか、引張られるか、捩じられるかされたとき、またはその他衝撃もしくはストレスを受けたときに、受け得る。スリーブ271の弾性は、力を取り除いた後に、その中立または変形されていない状態にも戻すことができる。しかし、いくつかの場合において、スリーブ271に関連付けられた、いくらかのヒステリシスまたは可撓性が存在して、それが中立または変形されていない状態に、完全に戻さない場合があり得ることを、理解されたい。
【0262】
弾性変形するスリーブ271のために好適な材料として、エラストマ、ゴム、シリコーン、もしくはポリマー;ポリウレタン、炭素水素ベースのエラストマ、フッ化炭素ベースのエラストマ、もしくはシリカベースのエラストマ;熱硬化性エラストマ;熱可撓性エラストマなどの熱可撓性材料;熱硬化性ゴム;これらの材料の内1つもしくは複数の発泡組成物;及び、これらの材料の内2つ以上の合金またはブレンド、が挙げられる。スリーブ材料は、約-20~約100℃の温度範囲にわたって約0.05~約0.8;または約-20~約100℃の温度範囲にわたって約0.05~0.5の、動機械的熱分析(DMTA)における減衰係数を有するよう、選択することができる。スリーブ材料は、ASTM D2632規格に従って測定され得る、約20~約60%の弾性を有するよう、選択することができる。スリーブ材料は、約10~約90のショアA硬度;約30~約60のショアA硬度;約30のショアA硬度;または約40~約90のショアD硬度、を有するよう選択することができる。
【0263】
弾性変形するスリーブ271は、それぞれのコネクタ29を受け入れるためのアパーチャを有する。これらのアパーチャは、図8において全体的に矢印281で示される。弾性変形するスリーブ271を、コネクタ29と剛性マウント275との間に設けることで、コネクタ29が剛性マウント275内で、例えば回転及び並進で動くのを可能にし、その一方で剛性マウントを実質的に不動に保つ。剛性マウント275が実質的に不動であるので、剛性マウント275と掌部との間に形成された封止部は、コネクタ29がマウント275内で動き回るときに弱体化されない。
【0264】
図7の例において、剛性スリーブ276は、コネクタ29と弾性変形するスリーブ271との間に設置される。剛性スリーブ276は、その上に形成された特徴部を有して、コネクタ29の取り付けと、力に対応してコネクタ29の動きを制御することと、を補助することができる。この例における剛性スリーブ276は、剛性スリーブ276から剛性マウント275に向けて外側に突出した、突出部285を含む。弾性変形するスリーブ271は、突出部285が通過するための、対応したアパーチャ(図9において286と示された)を有すことができる。突出部285は、コネクタ29が回転するための枢軸288を提供する。突出部285及び剛性マウント275の内面は、互いに間近に隣接し、枢軸288における各回転下で接触するときに、軸受面を形成する。突出部285と、中立位置にある剛性マウントとの間には、小さい空隙が存在し得る。それは、力が加えられているときに、コネクタ29が、いくらか側方に平行移動するのを可能にし得る。他の例において、1つまたは複数の突出部は、剛性マウント275の内面から剛性スリーブに向けて内側に突出して、枢軸288を形成し得る。様々な数の相補的軸受面が、枢軸として作用するよう設けられ得る。
【0265】
剛性スリーブ276は、コネクタ29の前部及び後部のそれぞれにおいて、保持リング211及び278に装着することができる。コネクタ29は、指関節部21が装着できる保持リング211にも、装着することができる。剛性マウント275は、剛性スリーブ276の前部において、保持リング278とフランジ274との間に保持することができる。このように、剛性スリーブ276はコネクタ29を剛性マウント275に取り付けることができ、かつ指関節部21をコネクタ29に取り付けることができる。
【0266】
弾性変形するスリーブ271の弾性フランジ272は、剛性スリーブ276のフランジ274と剛性マウント275の前部との間に設置される。封止リング279は、保持リング278と剛性マウント275の後部との間に設置される。封止リング279は、水または他の液体が、ディジットのマウント27を介してハンドの内部に入るのを防止する、主な封止を提供することができる。1つの例において、封止リング279は、保持リング278の上にオーバーモールドされるが、他の例において、封止リング279は別個の要素として設けられる。封止リング279は、剛性マウント275とコネクタ29との間に封止部287を提供するよう構成される。この例において、封止部287は、剛性マウント275と剛性スリーブ276との間にある。封止部287は、枢軸288の近くに位置させることができる。封止部287が枢軸288の近くにあるため、コネクタの枢動による、剛性マウント275に対するコネクタ29(または剛性スリーブ276)の動きは、封止部287において少ない。それは、封止リング279が、封止された要素間の空間における大きい変動に適応させる必要がないことを意味し、そのためこの点における封止の信頼性を向上させる。オートメーション化ハンドの封止機能及び順応機能は分けられる。順応性は、弾性変形するスリーブ271によって提供され、封止は封止リング279によって提供される。これは、順応するマウント特徴部が、封止特徴部によって提供される封止の信頼性を損ねることなく、順応性を最適化するのを可能にし、その逆も可能にし得る。
【0267】
PCBマウント294も図7にも示され、それは、この例では保持リング278によってコネクタ29に接続される。図7は、典型的なコネクタ29のモータ295、ならびに、モータエンコーダ296、モータ伝動装置298、及びモータ出力シャフト297、も示す。一般的に、エンコーダ296、伝動装置298、及び出力シャフト297は、モータ295を伴う単一ユニットで提供される。
【0268】
図8は、分離されたマウント27を示す。(図7において276で示された)各剛性スリーブのフランジ274は、マウント27の前部に示され、(図7において271で示された)弾性変形するスリーブの弾性フランジ272は、フランジ274と剛性マウント275との間に保持される。マウント27の後部において、封止リング279が、保持リング278と剛性マウント275との間に保持されて示される。弾性変形するスリーブを貫通するアパーチャは、矢印281によって示される。
【0269】
図9は、4つのコネクタのための典型的なマウント27を示し、1つのコネクタの取り付け装置が分解されている。それは、この例では人差し指部用の、1つのコネクタのための、剛性スリーブ276、弾性変形するスリーブ271、封止リング279、及び保持リング278を示す。
【0270】
図9に示されるように、剛性スリーブ276からの、いくつかの突出部285と、弾性変形するスリーブにおけるいくつかの対応した数のアパーチャ286と、が存在する。この例において、剛性スリーブ276の外周の周りに均等に離隔された4つの突出部285が存在するが、1つは、剛性スリーブ276の本体によって隠れている。
【0271】
捩じり係止特徴部289a及び289bは、剛性スリーブ276及び保持リング278にそれぞれ設けられる。この例において、剛性スリーブ276は複合的な溝289aを有し、その中に、保持リング278の内側にタブ289bが適合する。この例において、封止リング279は、保持リング278上に成形される。コネクタ取り付け装置を組み立てるために、剛性スリーブ276は弾性変形するスリーブ271の中に挿入され、弾性変形するスリーブ271自体は、剛性マウント275の(図10において282で示された)アパーチャの中に挿入される。保持リング278は、次に剛性スリーブ276に捩じり係止される。
【0272】
他の例において、剛性スリーブ276は除外され、上述の剛性スリーブ276における特徴部の1つまたは複数が、代わりにコネクタ自体の外部に設けられ得る。
【0273】
図10は、分離された剛性マウント275を示す。剛性マウント275は、コネクタ及び弾性変形するスリーブを受け入れるためのアパーチャ282を有する。アパーチャ282内には、コネクタに向けて内側に突出した、突出部283が存在する。これらの突出部は、組み立て中に、弾性変形するスリーブにおける切込み部268(図9に示された)の中に入り込む。これらは、コネクタが、その長手方向軸周りに回転するのを制限するための回転抑制部として作用するが、いくらかの回転は、弾性変形するスリーブの弾性変形によって可能とされる。
【0274】
アパーチャ282は、コネクタの最大側方回転(すなわち掌部の面、及び掌部の面に対する垂直面における回転)に制限を設定するよう、寸法を決めることができる。所与の方向において、特にその(枢軸から離れた)端部において、アパーチャ282が広いほど、最大回転は大きくなる。異なる方向の最大回転は、異なる方向における幅を設定することによって、すなわち非円形の断面のアパーチャを作ることによって、分離して設定することができる。これは、1つの方向(例えば延ばした指部に対応)におけるコネクタの最大回転を、別の方向(例えば屈曲・伸張方向における回転に相当)における回転とは異なるものにするのを可能にする。
【0275】
代替の例(図示せず)において、障壁が、マウント内ではない、コネクタの一部の周りに、設けられ得る。例えば剛性リングが、この点におけるコネクタの回転を制限するために、コネクタの近位部(すなわちマウントの後方)の周りに設けられ得る。これは、各方向における回転の制限を制御するよう、寸法が決められ得る。
【0276】
[ウォーム軸受]
ウォーム駆動部は、ディジットの運動を駆動するために、オートメーション化ハンドに一般的に使用される。ウォームは、掌部またはディジットにおける駆動モータに設置することができる。ウォームは、掌部及びディジットの内他方において、ウォームホイールと係合することができる。ウォームホイールを回転させるためにウォーム駆動部を使用するとき、軸力がウォームに発生する。一般的に、軸受は、軸力に抵抗するために、ウォームの両側で使用される。これらの軸受は、一方向ごとに軸力に抵抗する。ウォームにおける非常に大きい軸力に抵抗するために、軸受は両方ともかなりの大きさを必要とする。オートメーション化ハンドにおいて、空間は非常に限定され、ウォームの各端部に大きい軸受を有することは、コンパクトなハンドの設計を阻害する場合がある。特に、大きい軸受をウォームの遠位端に収容するためには、指関節部を非常に大きくすることを必要とし得る。追加として、軸力に抵抗する2つの異なる軸受を有することは、両方の軸受について軸方向の遊びに対する許容を注意深く制御することを要求する。ウォームの長手方向軸に沿った両方向における軸力に抵抗するために、2つの別個の軸受を必要としないウォーム駆動部を提供することは、有利となり得る。
【0277】
図11及び図12は、コネクタ29及び指関節部21から構成された、アクチュエータのアセンブリを示す。コネクタ29は、保持リング211によって指関節部21に接続される。この例において、アセンブリはオートメーション化ハンドの指部に接続されるが、それは親指部にも使用され得る。
【0278】
図12は、図11のラインB-Bに沿った断面図である。指関節部21は、保持リング211と組み合わせて、ウォーム291及びウォームホイール214のためのギアハウジングとして役立つ。ウォーム291は、軸受212によって支持される。軸受212は、ウォーム291がコネクタ29のモータ295によって回転されたとき、両方の軸方向(すなわち図12に示される、左から右、または右から左の方向)で、ウォーム291における軸力に抵抗することができるよう設計される。軸受212は、オートメーション化ハンドの動作中に遭遇すると予測される力に抵抗するために、軸力に抵抗する手助けをするための第2の軸受を必要とせず、十分に大きくするよう選択することができる。一般的に言うと、軸受が大きいほど、抵抗できる軸方向負荷は大きい。軸受212は、深溝の玉軸受とすることができ、それは軸力に対処するために特に好適である。
【0279】
軸力に抵抗する第2の軸受の必要性を取り除くことは、ウォーム駆動部のサイズを減少させて、よりコンパクトなハンド設計を可能にする。特に、ギアハウジング(この例では指関節部21によって提供される)のサイズは、減少され得る。図12の例において、軸力に抵抗する軸受212は、モータ295とウォーム291との間にある。これにより、ウォーム291の他の端(遠位端)におけるウォーム駆動部のサイズを減少できる。この例において、第2の軸受213は、ウォーム291の遠位端において使用される。この軸受213は、軸力に抵抗する必要がないため、小さくすることができる。この例において、軸受213は、実質的に径方向の力にのみ抵抗し、軸受213を大きくする必要はない。第2の軸受213は、軸受212よりも小さくすることができる。第2の軸受213は、軸受212の径の約2/3以下の径を有する場合があり、例えば軸受212の径の約半分である。
【0280】
ウォーム291は、軸受212に対して軸方向に動くことから回避することができる。ウォーム291における軸力は、軸受212に伝えることができる。この例において、フランジ(図13において284a及び284bで示された)は、ウォーム291に固定されるか、またはウォーム291に形成される。フランジ284a及び284bは、軸受212の両側に位置され、ウォームのフランジ間に軸受212を捕捉して保持する。いくつかの例において、フランジ284a及び284bの内一方または両方を、ウォームに溶接(例えばレーザ溶接)することができる。図13の例において、フランジ284aは、ウォーム291と一体化で形成され、フランジ284bは、ウォーム291に溶接される。この例において、フランジ284a及び284bは、軸受の内輪217と密接に接触してウォーム291に固定される。軸受212の外輪216を指関節部21と保持リング211との間に保持させることができる。
【0281】
第2の軸受213は、ウォーム291に対して軸方向に自由に動き得る。この例において、第2の軸受213は軸受シャフト299に取り付けられるが、シャフト299に沿って軸方向に自由に摺動する。軸受シャフト299は、例えば圧入によってウォーム291に固定することができる。これは、第2の軸受213を軸力から切り離し、それによって軸力に対する抵抗を実質的にもたらさない。
【0282】
モータ295は、オートメーション化ハンドの掌部またはディジットのいずれかに設けられ得る。典型的なオートメーション化ハンドにおいて、モータ295は掌部にある。この配置において、ウォームホイール214は、ディジットの回転を駆動するためにディジットに接続される。ディジットは、例えば関節接合部によって互いに接続された、基節骨部及び末節骨部など、2つのセクションを有し得る。図12の例において、指関節部21は、ディジットの末節骨部に接続する連接部における連接アームのための、マウント218を含む。これは、指関節部における基節骨部の回転を可能にし、基節骨部への関節接続部において、末節骨部の回転を駆動する。
【0283】
図13は、互いに分離されたウォーム駆動部の構成要素を示す。これらは、ウォーム291、軸受212及び213、フランジ284a及び284b、ならびに軸受シャフト299を含む。大きい軸受212と小さい軸受213との間のサイズの相違は、ここで確認できる。組み立てられたとき、軸受213は軸受シャフト299に設置され、そこに固定され得る。シャフト299は、ウォーム291内で摺動可能である。代替の配置において、軸受シャフト299は、ウォーム291またはモータ出力シャフト297に固定され得るか、または一体化され得る。軸受213は、軸受シャフト299上で摺動可能である。
【0284】
図14は、ディジットのための駆動部を示し、それはウォーム駆動部及びディジット駆動アセンブリ215を含む。モータ295はウォーム291を駆動し、それは同様にウォームホイール214を駆動する。ウォームホイール214は、クラッチアセンブリを介して、出力ホイール226a及び226bの回転を駆動する。このクラッチアセンブリは、ネジ山付きリング225、駆動シャフト222、クラッチコアハブ221、クラッチコアスライダ228、及び円板バネ223、から構成される。クラッチアセンブリは、ネジ227a及び227bを使用してディジットに固定される。出力ブッシュ224a及び224bも、ディジット駆動アセンブリ215のいずれの側に設けられる。クラッチアセンブリは、回転をウォームホイール214から出力ホイール226a、226bに伝えることができ、その一方でそれらの間のトルクが閾値を上回ったとき、それらの間の滑りを可能にする。これは、ハウジング、軸受、ギア、及びギアの歯、などのアクチュエータのアセンブリにおける構成要素を、高い負荷から防護するために役立ち得る。
【0285】
[タッチスクリーンの互換性]
タッチスクリーンデバイスは、現在では一般的であるが、これらは典型的に、タッチを検出するために実際の人の身体における電気特性に依存する。オートメーション化ハンドの使用者は、彼/彼女らのオートメーション化ハンドが、実際の人の手または身体の関連した電気特性に近似させるための、特別な装置を有さない場合、これらのタッチスクリーンを操作することはできない場合がある。例えば、静電容量式タッチスクリーンは、接地への寄生容量として作用する人の身体の効果によって、タッチを検出することができる。オートメーション化ハンドは、これらのタッチスクリーン上のタッチを記録するための、接地への十分な寄生容量を、提供することができない場合がある。
【0286】
いくつかの人工装具は、オートメーション化ハンドの指先と、使用者の身体との間に、導電性接続を提供することによって、静電容量式タッチスクリーンを操作する課題に対処することを模索している。これは、様々なタイプの切断された足及び部分的な手に、人工装具が嵌合されることになると考えると、実施は困難となる場合がある。これらの設計は、製造時に組み込むために、専用の導電性ワイヤなども必要となり、組み込む用途のためには不適となる。これらの設計に伴う、静電気放出に関する安全上の懸念も存在し得る。これらの設計は、一般的にオートメーション化ハンドにおいて回避される。
【0287】
いくつかのオートメーション化ハンドは、塗料、接着剤などの導電性物質を、指部の先端に提供する。これは、先端から、ハンドのモータなどの電気構成要素に、複合的な電気経路を介して導電経路を提供することができる。この複合的な電気経路は、導電性物質を電気構成要素の端子に電気接続する専用ワイヤを含み得る。これらの導電性物質は比較的硬質とすることができ、それは導電性物質が、非常に小さい接触領域上のスクリーンのみに接触し得ることを意味する。これは、タッチが、特にスクリーン上の指の角度が最適ではない場合に、確実に認識され得ないことを意味する。それらは、導電性物質と、それらを作動させるためのモータ端子との間の、電気接続も要求し得る。
【0288】
いくつかのオートメーション化ハンドは、導電性コーティングか、または他の指部構成要素に電気接続しない指部の先端、を提供する。これらの設計において、導電性コーティングまたは先端自体は、実際の人の身体における電気特性を模倣するよう意図される。ハンドにおける任意の他の導電性部材に接続することなく、静電容量式タッチスクリーン上のタッチを確実に記録するために、十分な寄生容量を提供することは、困難となり得る。
【0289】
図15図17は、タッチスクリーンと相互作用するよう設計された典型的なディジットを示す。この例において、ディジットは指部3である。他の例において、類似の装置が親指部に使用され得る。図15図17における、タッチスクリーンとの互換性があるディジットは、使用者の身体に接続する必要性を回避し、ハンドを貫通した複合的な導電経路の必要性を回避し、モータなどの電気構成要素に接続する必要性を回避し、現存のタッチスクリーンとの互換性がないディジットに組み込むために好適となり、導電性コーティング、接着剤などを適用する必要性を回避し、そして、タッチスクリーンによって確実に検出され得る。
【0290】
指部3は、ピース301a及び301bで構成された基節骨本体301と、末節骨部本体302とを含む。基節骨本体301は、基節骨31の他の構成要素を収容できる。基節骨本体301は、ディジット駆動アセンブリ215を介して指関節部21に接続することができる。基節骨本体301は、歯状部付きソケット308a及び308bを有し、その歯状部は、駆動アセンブリ215の出力ホイール226a及び226b(図14に示される)の歯状部と係合する。ディジット駆動アセンブリ215は、伸張・屈曲方向にディジット3の基節骨31の回転を駆動する。図17に示されるように、連接アーム306を、指関節部21と末節骨部本体302との間に接続して、基節骨31が回転する際に、末節骨部32を回転させる。この例において、連接アーム306は、マウント218において指関節部21に接続され、マウント307において末節骨部32に接続される。この構成において、連接アーム306は、33、34、218、及び307において接合部を有する4つのバーの連接部の内1つの連接部として作用する。他の連接部を、基節骨部本体301(接合部33と34との間)、指関節部21(接合部33と218との間)、及び末節骨部本体(接合部34と307との間)、によって設けることができる。
【0291】
指部3は、装着具35a、304、及び305も含む。装着具35a、304、及び305は、末節骨部32で指部3に装着するよう構成することができる。装着具35a、304、及び305の内1つまたは複数は、導電性とすることができ、指部3の外部からハンド内の導電性部材までの導電経路を提供することができる。図15図17の例において、装着具35aはディジットのパッドである。ディジットのパッドは、ディジット(指部または親指部)の先端に設けることができ、対象物を把持するためのディジットの機能を改善し、対象物を損傷させるのを回避するために、比較的軟質な面を提供し得る。ディジットのパッド35aは、例えばシリコーンなどのポリマーで作ることができる。ディジットのパッド35aは、導電性添加物を中に有し、そうでなければ非導電性となり得るディジットのパッド35aに、導電性を提供することができる。導電性添加物は、カーボンブラック、グラファイト、グラフィン、またはカーボンナノチューブ、などのカーボンを含むか、またはカーボンとすることができる。カーボンナノチューブは、タッチスクリーンのような表面に印を付けない傾向があるので、特に有用となり得る。カーボンナノチューブは、シングルウォールのカーボンナノチューブ(SWCNT)とすることができる。カーボンナノチューブは、ディジットのパッドの約0.1~約1重量%、もしくはディジットのパッドの約0.1~約0.4重量%、またはディジットのパッドの約0.3重量%、で構成され得る。1つの例において、カーボンナノチューブは、10重量%のSWCNT及び90重量%のシリコーンである添加物で提供することができる。ディジットのパッドは、1~4重量%の添加物とすることができる。ディジットのパッドの残り(99~96重量%)をシリコーンとすることができる。
【0292】
この例における装着具304は保持クリップであり、それはディジットのパッド35aに接続されるか、または一体化され、末節骨部本体302の中に挿入して、ディジットのパッド35aを末節骨部32に保持することができる。この例におけるディジットのパッド35aは、装着具304の上に成形される。保持クリップを末節骨部本体302にクリップ留めすることができる。保持クリップ304は、導電性であってもよく、導電性でなくてもよい。図15図17の例において、保持クリップ304は導電性である必要はない。いくつかの例において、保持クリップ304は、例えばプラスチックなどのポリマーで作られる。
【0293】
装着具は連接ピースを含むことができ、それはパッド35aなど、ディジットの外部における導電性装着具と、ハンド内の導電性部材との間の、連接部を提供する。図15図17の例において、装着具305は、このような連接ピースである。装着具305は、1つの例において、金属で作られたバネとすることができる。バネ305は、パッド35aとのガルバニック接続を維持するために、装着具が指部3に設定されたとき、パッド35aと接触するよう押圧することができる。バネ305は、ハンドの導電性部材と接触するよう付勢させることもできる。ハンドの導電性部材を、指部内に位置させることができる。バネ305は、例えば連接アーム306など、ハンドの導電性部材と接触するよう付勢させることができる。バネ305は、導電性パッド35a及び導電性部材の両方と接触するよう、末節骨部本体302に保持され、指部3の外部から導電性部材までの導電経路を提供する。
【0294】
図15図17に示されたものに対する代替の例において、ディジットの先端は、導電性装着具として役立ち、オートメーション化ハンドの導電性部材と接触し得る。この先端は、例えばパッド35aを参照して上記に列挙した導電性カーボン添加物の1つなど、導電性添加物を有し得る。1つの例において、末節骨部32を導電性にして導電性装着具を提供することができる。末節骨部本体302は、例えば導電性プラスチックである、導電性ポリマーなどの導電性材料で作られ得る。いくつかの例において、導電性ポリマーまたはプラスチックは、その中にカーボンナノチューブを埋め込み得る。末節骨部を、予めタッチスクリーンとの互換性がないハンドに、ハンドタッチスクリーンとの互換性を与えるために、1つまたは複数の導電性挿入部を伴いか、または伴わずに、組み込む作業においてディジットの残り部分に装着することができる。導電性部材を、導電性の末節骨部に機械的に接続することができ、それによって2つの間に追加の導電性装着具(連接ピース305など)の必要性を回避し得る。1つの例において、末節骨部32と連接アーム306との間のマウント307に、導電性接続部が提供され得る。
【0295】
いくつかの例において、ディジットを、タッチスクリーンとの互換性がないディジットに対する、1つまたは複数の導電性装着具を組み込むプロセスによって、タッチスクリーンとの互換性持たせることができる。これらの例において、導電性装着具を、オートメーション化ハンドの現存の部材に接触するよう設置することは、有利となり得る。タッチスクリーンとの互換性がないオートメーション化ハンドは、それにも関わらず、それらの中に、導電性装着具と組み合わせて、タッチスクリーン上で人の効果を模倣する部材を有し得る。例えば、オートメーション化ハンドは、それらの中に金属部材を有し得る。この金属部材は、タッチを記録するために、静電容量式タッチスクリーンに十分な容量性負荷を加えることができる。オートメーション化ハンドにおける現存の導電性部材を使用することで、専用の導電性ワイヤまたはコーティングなど、ハンド内に特別な導電性部材を追加する必要性を回避し得る。ハンド内の導電性部材を、ハンドの構造部材とすることができる。ハンドの構造部材を使用することで、ディジットの外部における導電性部材を、モータなどの電気構成要素に電気接続する必要性を回避し得る。図15図17の例において、電気経路の一部を形成する導電性部材は、連接アーム306である。連接アーム306は、例えばアルミニウムまたはスチールなどの金属で作ることができる。
【0296】
導電経路は、ハンドの電気構成要素から絶縁することができる。例えば、導電経路を、モータなど、ディジットのためのアクチュエータのハウジングから絶縁することができる。導電経路は、アクチュエータの端子から絶縁することができる。絶縁は、実質的に非導電性材料もしくはコーティングによって、または1つもしくは複数の空隙によって、成され得る。導電経路は、オートメーション化ハンドを使用者の四肢に装着するために使用される非導電性ソケットによって、使用者の身体から絶縁し得る。1つの例において、導電経路は、例えば連接アーム306などの導電性部材で終端する。他の例において、導電性部材を、別の導電性部材に接続して、導電経路を延長することができる。他の導電性部材は、ハンドの構造部材であってもよい。例えば連接アーム306は、指関節部21と導電接触し得る。指関節部21は、例えばアルミニウムなどの金属で作ることができる。
【0297】
導電性部材は、1つまたは複数の導電性装着具と組み合わせて選択または設計することができ、それは、検出されることになるタッチスクリーンによって測定された特性に十分な効果がある。これは、指部3(または他のディジット)がタッチスクリーンにタッチしたときに導入される寄生容量の機能であり得る。例えば、指部3は、静電容量式タッチスクリーンによって測定された静電容量に対する、導電性装着具及び導電性部材の影響が、人のタッチを表わす範囲内になるように設計することができる。他の例において、指部3は、タッチスクリーン面に適用された1つまたは複数の検出電流における影響が、人のタッチを表わす範囲内になるように設計することができる。タッチスクリーンは、導電経路における材料の変化に対して、極めて影響を受けやすいことが判明している。
【0298】
指部3(または他のディジット)は、静電容量式タッチスクリーンなど、様々なタイプのタッチスクリーンと共に使用するよう設計され得る。静電容量式タッチスクリーンは、表面型静電容量または投影型静電容量を含む。投影型静電容量式タッチスクリーンのカテゴリ内で、相互静電容量式及び自己静電容量式タッチスクリーン技術が存在する。
【0299】
表面型静電容量式タッチスクリーンは、通常は角部である様々な箇所において、タッチスクリーンの表面に適用された検出電流の変化から、タッチを検出する。十分な寄生容量を伴う部材がスクリーンにタッチした場合、検出電流は、電荷が部材の中に流れる際に変化することになる。指部3(または他のディジット)は、表面型静電容量式タッチスクリーンにおけるタッチを記録するために、十分な寄生容量に寄与するよう設計され得る。
【0300】
自己静電容量式タッチスクリーンは、電極のアレイと接地との間の静電容量の変化を検出することによって作動する。十分な寄生容量を伴う部材がスクリーンにタッチしたとき、タッチ点近くの電極と接地との間における静電容量の増加が、電極の寄生容量に並行した、接地に対する部材の寄生容量の追加により、検出される。指部3(または他のディジット)は、自己静電容量式タッチスクリーンにおけるタッチを記録するために、十分な寄生容量に寄与するよう設計され得る。
【0301】
相互静電容量式タッチスクリーンは、電極のアレイにおける電極の対間における静電容量の変化を検出することによって作動する。十分な寄生容量を伴う部材がスクリーンをタッチしたとき、タッチ点近くで交差する電極の対間における静電容量の減少が、電極の対から接地へ電荷を逸らす部材によって、検出される。指部3(または他のディジット)は、相互静電容量式タッチスクリーンにおけるタッチを記録するために、十分な寄生容量に寄与するよう設計され得る。
【0302】
上述のように、タッチセンシング装置の設計は、現存のハンドにタッチスクリーンとの互換性を与えるよう組み込むために、特に好適となり得る。典型的な組み込む方法は、互換性のないハンドの1つまたは複数の部品を取り外して、導電性装着具のための空間を作るという、事前処置を含み得る。図15図17における、典型的な導電性装着具35a及び305を参照すると、これは現存のディジットのパッドを取り外すことを含み得る。代替として、これは末節骨部32を取り外すことを含み得る。
【0303】
タッチスクリーンとの互換性があるハンドを構築する方法は、1つまたは複数の導電性部材をディジットに装着すること、及び装着装具をオートメーション化ハンドの導電性部材に接触するよう設置すること、を含む。導電性部材は、例えば連接アーム306など、上述の1つまたは複数の導電性部材とすることができ、導電性装着具は、例えばパッド35a及びバネ305、または導電性の末節骨部など、上述の1つまたは複数の導電性装着具とすることができる。本方法は、組み込む方法として実施することができ、その場合、部品を互換性のないハンドから取り外す事前処置が実施され得る。またはタッチスクリーンとの互換性があるハンドの当初製造の一部として実施することができ、その場合、事前処置を実施する必要はない。
【0304】
導電性部材が、連接アーム306、ならびに導電性装着具がパッド35a及びバネ305である例において、本方法は、バネ305を末節骨部32の中に挿入すること、及びバネの一部を連接アーム306と接触させるよう設置すること、を含む。バネの弾性性質のため、バネは連接アーム306に対して付勢される場合がある。次にパッド35aは末節骨部に装着され、バネ305に接触させることができる。このとき、ディジットの外部におけるパッド35aから、バネ305を介して連接アーム306までの、導電経路が提供される。
【0305】
上述のように、ハンド1の親指部4は、タッチスクリーンを用いて使用するよう構成された指部3の内1つまたは複数に加えて、または代替として、タッチスクリーンを用いて使用するよう構成され得る。これらの例において、親指部には、親指部4における導電性部材に接触する装着具を設けることができる。1つの例を、図32図38を参照して説明する。
【0306】
親指部の導電性装着具を、親指部の遠位端に装着するよう構成することができ、それは複数の指節骨を有する親指部における末節骨部であってもよい。装着具内1つまたは複数は、導電性とすることができ、親指部4の外部からハンド内の導電性部材までの経路を提供することができる。
【0307】
図32図38の例において、親指部パッド35bは、導電性装着具とすることができる。親指部パッド35bは、図15図17の親指部パッド35aに類似したものとすることができる。特に、指部パッド35aの材料の説明、材料特性、電気特性、組成、及び/または構成は、親指部パッド35bにも適用し得る。
【0308】
親指部パッド35bは、親指先端本体421に装着することができる。親指部パッド35bは、親指先端本体421を通して、親指部本体422に接触させることができる。親指部本体422は、例えば導電性ポリマーまたはプラスチックなど、導電性材料で作ることができる。親指部本体422は、ナイロンで作ることができる。親指部本体422は、導電性添加物を伴うポリマーまたはプラスチックで作ることができる。導電性添加物は、カーボンとすることができる。このカーボンは、カーボンナノチューブの形態とすることができる。代替の例において、親指部本体422は、アルミニウムなどの金属で作ることができる。親指部本体422はギアハウジング425と接触でき、ギアハウジング425は、例えばアルミニウムの金属などの導電性材料から作ることができる。この例における導電経路は、親指部パッド35b、親指部本体422、及びギアハウジング425によって提供される場合がある。
【0309】
上記の例において、指部パッド35a及び親指部パッド35bは、ディジットの端部のみ、すなわち各指部3の末節骨部32及び親指節骨部42に設けられる。代替の例において、1つまたは複数の追加の指部パッドを、指部3のどこか、例えば基節骨部31に設けられ得る。同様に、1つまたは複数の親指部パッドを、親指部4のどこか、例えば親指中手骨部43及び/または補助的支持部45に設けられ得る。代替の例において、指部パッドは、指部の末節骨部32及び基節骨部31の両方、ならびに指骨間関節部34に、装着され得る。同様に、親指部パッドは、親指節骨部42、ならびに親指中手骨部43及び補助的支持部45の内一方または両方に、装着され得る。
【0310】
[カバー]
オートメーション化ハンドは、カバーを使用し、機械的接合部を覆い、より自然に見える表面を提供することによって外観を向上させ得る。これらは、接合部及びハンドの他の作動部をデブリからも防護し、かつ異物が接合部または他の作動部に付着することも防護し得る。カバーは、一般的に親指の接合部及び/または親指中手骨部を覆う。これらは、接合部を曲げるのを可能にするための蛇腹状構造を伴う、成形エラストマ材料(例えばゴム)で作られ得る。しかし、これらは不自然に見える。さらにそれらは、動きに対して比較的高い抵抗性、及び高い弾性を有し、それによって、それらの中立形状に強く戻る傾向となる。これは、逆駆動できないギアを使用しないで、親指の接合部の位置を保持することを、困難にし得る。蛇腹状構造における皺は、ものに捉えられる傾向を有し得る。成形エラストマのカバーは、高価で、かつカスタマイズまたは再設計が困難でもある。なぜなら任意の変更は、カバー全体のためのモールドを完全に再編成する必要があるためである(カバーは一般的に1つのピースで成形される)。
【0311】
いくつかのカバーは、織布材を使用し得る。織布材は、その中立状態から最初に伸縮させるために、かなり固く、かつ抵抗性がある場合がある。織布材は、一方向にのみに、実質的に伸縮する傾向もある。織布材を堅固に織ることで、滞留した水または他の液体が、カバーを通して流れ出ることも妨げる。このようなカバーの周りでは防水が困難である場合があるので、水はカバーの背後に入って排出され得ない。
【0312】
いくつかの織物カバーは、それらの形状を良好に保持することができず、引張って緊張されないとき、カバー自体の重量下でカバーが折り込まれるか、または垂れ下がり得る。
これは、不自然な外観及び感触をもたらし、カバーが何かに捉えられる可能性も増加させ得る。
【0313】
図18及び図19は典型的なカバー41を示し、それはオートメーション化ハンドの一部を覆うことができる。カバー41は、カバー本体411を含む。本体411は、使用中にオートメーション化ハンドを部分的に覆う。
【0314】
本体411は、1つまたは複数の領域で構成することができる。図18及び図19の例において、本体411は、使用中のオートメーション化ハンドの掌部を少なくとも部分的に覆う、掌部領域412と、使用中のオートメーション化ハンドの親指部を少なくとも部分的に覆う、親指部領域413と、を有し、親指部と掌部との間の接合部を覆うことを含む。カバーの領域の内1つまたは複数を、織物材で作ることができる。各領域は、編物または織物で作ることができ、伸縮性のある糸から編むか、または織ることができる。1つの例において、掌部領域412及び親指部領域413は、編物材で作られる。編物材は、フルニードルのゴム編み、天竺編み、もしくは別の好適なタイプの編み方、または編み方の組み合わせなど、ゴム編みで編まれ得る。編物材の利点は、それが当初から小さい伸縮量の伸縮に対して低い抵抗性を有するが、大きい伸縮量に対する抵抗性がより高い、という点である。これは、親指部を中立位置に向けて戻るよう強く力を入れる必要なく、かつ親指部アクチュエータを搭載する必要なく、親指部の運動範囲の多く、または全てを通して、比較的容易にカバー41が伸縮するのを可能にし得る。これは、親指部において逆駆動できないギアの必要性を回避し得る。伸縮に対する抵抗性は、大きい伸縮量に向けて急激に増加させることができる。これは、カバー41が過剰に伸縮すること、及び膨張することを防止するために役立ち得る。
【0315】
カバー本体411の織物材は、重力のみによって水が材料を流れ抜けるのを可能にするよう、作ることができる。これは、カバー41の背後に入り得るいかなる水も、オートメーション化ハンドから自然に流れ出るのを可能にする。これは、粗いニットまた織物の生地を使用することによって実現され得る。
【0316】
カバー本体411の様々な領域は、互いに異なる特性を有することができる。例えばそれらは、異なる粗度、異なる織物構造(例えば編物または織布など)、異なる伸縮特性、異なるニット/織物軸、または異なる糸タイプ、を有し得る。例えば、親指部領域413は、掌部領域412よりも伸縮性の小さい織物で作ることができる。掌部領域412の織物は、親指部領域413の織物よりも高密度(すなわち小さい粗度)の編み方とすることができる。1つの例において、親指部領域413は両方とも編まれる。別の例において、親指部領域は編物材で作られ、掌部領域412は織布材料で作られる。
【0317】
いくつかの例において、カバー本体411は、ポリエステル繊維、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維などのポリエチレン繊維、ファイバーグラス、ナイロン繊維、スパンデックス繊維、またはそれらの組み合わせ、で作ることができる。いくつかの例において、親指部領域413は、ポリエルテル繊維、UHMWPE繊維、及びファイバーグラスの組み合わせから作られ、掌部領域412は、ナイロン繊維及びスパンデックス繊維の組み合わせから作られる。他の例において、親指部領域413及び掌部領域は、両方ともポリエステル繊維から作られる。
【0318】
図18及び図19におけるカバー41は、継ぎ目417a、417b、及び417cを含む。この例におけるカバー41は、継ぎ目417a及び417bで共に接合された織物の平坦パネルから組み立てることができる。継ぎ目417a~417cは、接合用テープを使用して形成することができる。このテープは、熱可撓性ポリウレタンフィルムで作られ得る。代替または追加として、継ぎ目417a~417cは、縫うか、編むか、及び/または接着することができる。他の例において、カバーは、3D編成工程において1つのピースで編むことができる。
【0319】
カバー41の織物は、異なる方向で異なる伸縮特性を用いて設計することができる。これは、カバー41の形状を維持するために役立ち得る。この形状は、カバー41が覆うオートメーション化ハンドの部分に相当する実際の人の手の部分に近似する。各方向における適切な伸縮レベルを選択することは、ハンドの部分が垂れ下がるかまたは折り込まれること、及び表面に皺が寄ること、を防止するのに役立ち、カバーの表面が、親指の動きにも関わらず滑らかさを保つことを可能にし得る。
【0320】
カバー41は、カバー本体411にさらなるブレースを有することができ、カバー41の形状を維持するために役立つ。これは、カバー41を、垂れ下がり、折り込み、または重力によるカバー41自体の重量による崩れ、に対して支持し得る。このブレースは、本体の織物よりも剛質である支持ピースで作ることができる。この支持ピースは、カバー本体411の部分を囲んで、本体411の縁部か、またはこの縁部から内側かのいずれかに、構造的フープ部を形成することができる。ブレースは、プラスチックなどのポリマーで作ることができる。いくつかの例において、ブレースは、成形プラスチックのピースで作ることができる。これらは、図18及び図19の例において、414、415、及び416で示される。この例において、ブレース414は、掌部に連結するカバー41の縁部に設けられる。この例におけるブレース414は、カバー41をハンドの掌部に連結することができる、ハンド連結部としても作用する。ハンド連結部/ブレース414を、オートメーション化ハンドの外殻ピース間、例えば掌部カバー28とフェースプレート25(図3に示す)との間、に挟むことによって、ハンドに連結することができる。ブレース415は、親指部領域413をオートメーション化ハンドの親指部に連結することができる、親指連結部としても作用する。
【0321】
ブレースのピースは、例えばカバー本体411上へのテープ止め及び/または成形など、様々な方法でカバー本体411に装着することができる。1つの例において、(任意選択でピース414a、414b、414c、414dで構成された)ブレース414は、掌部に連結したカバーの縁部において、カバー本体にテープ止めすることができる。1つの例において、ブレース415及び/または416は、カバー本体411の上にオーバーモールドすることができる。具体的には、ブレース415は、親指部領域413の遠位縁部において、織物の上にオーバーモールドすることができ、ブレース416は、掌部領域412の近位縁部において、織物の上にオーバーモールドすることができる。
【0322】
カバー41は、オートメーション化ハンドをアーム連結部に接続する、リスト接合部を覆うことができる。図18及び図19の例において、掌部領域412は、リストに連結するために、リスト接合部を覆って下方へ延びることができる。この場合、ブレース416はリスト連結部としても作用し、リストを取り囲んだ溝(図24において59で示された)に保持される。
【0323】
いくつかの例において、カバー41は、指関節部、及び指部と掌部との間の関節接合部、を覆って延び得る。いくつかの例において、カバーは、リストを越えて後方に延び、使用者の前腕に対するリストの接続部を覆い得る。他の例において、カバー41は、図18及び図19の例よりも少なく掌部及び親指部を覆い、例えば掌部と指部との間の接合部、及び少しの残りを覆う。
【0324】
上述のように、ブレース414、415、416は、カバー本体411の一部を取り囲んでフープ部を形成することができる。これらのフープ部は、連続したものか、または途切れたもの、とすることができる。1つの例において、ハンド連結部/ブレース414は、数ピースに分けられる。これは、装着時または取り外し時において、ハンドの上でカバー41を引張る補助となり得る。図18で最良に示されるが、この例におけるハンド連結部/ブレース414は、4つのピース414a、414b、414c、及び414dに分けられる。
【0325】
カバー41は、突出部の上、またはリストの解放ボタンなどを含んだ、ハンドにおけるユーザ入力特徴部の上、に載って位置付けられた補強セクションも有し得る。カバー41は、異なる色が付いたパッチまたはシンボルなど、これらの箇所に視覚的インジケータも有し得る。
【0326】
[リスト]
いくつかのオートメーション化ハンドは、ハンドの掌部に恒久的または準恒久的に装着された、リスト構成要素を有する。これは、例えば修理のためにハンドを取り外す必要があるとき、使用者が人工装具全体を取り外すことを要求し得る。
【0327】
オートメーション化ハンドのためのいくつかのリストは、接合部を中立角度に戻すために、リスト接合部の周りに設置されたバネを有する。これらは、リスト接合部の外側にバネを設置することにより、非常にかさばる場合がある。バネベースのリスト接合部も、組み立て中にそれらがバネに事前負荷をかける(すなわち圧縮される)必要があるため、困難となる場合がある。これらの設計は、金属バネの追加の重量により、非常に重くなる場合もある。他のリストは、接合部を中立角度に戻すために、エラストマを使用し得る。エラストマを使用する現在の設計は、中立角度近くにしか戻らない、弱い力しか提供し得ず、それはリストが中立位置まで完全の戻るのを妨げ、かつリストに負荷をかけないか、または小さい負荷で、リストを緩くし過ぎるか、または「だらりと」させ得る。
【0328】
いくつかのオートメーション化ハンドは、リストを通過するケーブルを使用した、使用者の腕におけるバッテリなど、電気構成要素に接続する。これは、接続及び接続解除することを困難にする場合がある。いくつかのオートメーション化ハンドは、リストとハンドとの間に、プラグタイプの電気コネクタを有する。これらの設計において、専用の電気解除機構が、ハンドをリストから分離する必要のある機械的解放部に加えて、電気接続を解除するための操作が必要となり得る。
【0329】
オートメーション化ハンドのいくつかのリストは、屈曲・伸張軸周りの回転に対して選択的に係止することができる。これらは、ハンド自体における特徴部、及びハンドの領域に位置された係止ボタンを有し得る。いくつかの係止ボタンなどは、特に係止要素が完全に整合されていない場合、操作が困難となる場合がある。
【0330】
いくつかのリストは、ハンドに直接ネジ止めまたはボルト止めし得る。これは、ハンド内に、専用のネジまたはホルト穴のための空間を要求し得る。
【0331】
図20は、オートメーション化ハンドの掌部シャーシ26に接続されたリスト5を示す。この例におけるリスト5は、迅速接続解除式のリストではないという点で、図1図3に示されたリスト5’とは異なる。迅速接続解除式の特徴部をリスト5から除外することによって、リスト5の合計延長を減少させることができる。
【0332】
リスト5は、使用者の腕に連結するための、第1の連結部と、オートメーション化ハンドに連結するための、第2の連結部と、を含み、連結部間のリスト接合部を伴う。この例において、第1の連結部はソケット連結部51であり、それは使用者の残りの腕部分におけるアームソケットに連結する。これは、接合部本体52に接続され、ハンド連結部53と共にリスト接合部を形成する。この例におけるリスト接合部は、関節式であり、それによってハンド連結部53は、接合部において屈曲・伸張方向に回転することができる。接合部本体52は、この例においてソケット連結部51に回転可能に接続され、接合部本体52が、アームソケットの長手方向軸周りに、すなわちハンドの回内運動及び回外運動のために、回転するのを可能にする。リスト5は、リスト係止部55によって、リスト接合部において、屈曲及び伸張に対して選択的に係止することができる。
【0333】
ケーブル54aも、図20に示される。これはオートメーション化ハンドを、1つまたは複数のバッテリなど、アームソケットにおける電気構成要素に、電気接続することができる。ケーブル54aは、アームソケットから延びたソケットケーブル54bに接続することができる。ケーブル54は、端部を電気コネクタ56に付け、電気コネクタ56は、オートメーション化ハンドにおける対応したコネクタ(図示せず)に接続することができる。電気コネクタ56は、リスト5がオートメーション化ハンドに機械的に連結されたとき、及び分離されたときに、オートメーション化ハンドにおける対応したコネクタに電気的に接続するよう、及び接続解除するよう、設計される。これは、オートメーション化ハンドを装着及び分離する手順を簡略化し、ハンドがリスト5に装着される間、電気接続を維持するのを保証し得る。
【0334】
図21及び図22において、掌部シャーシ26は、リスト5から分離されており、リスト5及びハンドを(例えばシャーシ26によって)電気接続及び機械的接続をするための、電気的及び機械的配置を示す。
【0335】
図21及び図22の例において、リスト側の電気コネクタ56は電気端子561を有し、それはハンドにおける相補的端子(図示せず)に向けて付勢される。電気端子561は、リスト5及びハンドが共に保持されたとき、ハンドにおける端子に対して自然に押圧するよう、バネで留めることができる。1つの例において、端子561はポゴピンである。相補的端子は、例えば平坦のパッド、または窪んだパッドとすることができる。代替の例において、付勢された電気端子の内1つまたは複数は、オートメーション化ハンドに設けられ、相補的端子を電気コネクタ56に伴う。
【0336】
摩擦嵌合特徴部も、電気コネクタ56と、リストが接続するオートメーション化ハンドの部分(この例では掌部シャーシ26)と、の各々に設けることができる。図21及び図22の例において、突出部572は電気コネクタ56に形成され、それは掌部シャーシ26に形成されたアパーチャ(図23において265で示された)の中に嵌合する。
【0337】
ブレース563は、リスト5に設けられ、電気コネクタ56の後部にもたれかかり、リスト5がハンドに機械的に連結されたときに、電気コネクタ56を、ハンドにおける電気コネクタの所定の位置に支える。これは、リスト5及びハンドが機械的に連結されている間、リストとハンドの間の電気的連結が壊れることを防止し得る。
【0338】
リストとハンドとの間の機械的な連結は、締め付け装置を使用する。図21及び図22の例において、リスト5は、ハンドの掌部シャーシ26に機械的に連結するが、リスト5は、異なる構造を有するハンドと共に使用され、それらは異なる構造部材を介してリストに連結する。締め付け装置は、連結舌状部261と、連結舌状部261を締め付ける連結クランプ57と、を含む。この例において、連結舌状部261は、ハンドにあり、連結クランプ57はリストにあるが、この配置は逆にしてもよい。連結舌状部261は、比較的狭い近位部分から、より広い遠位部分へ、少なくとも部分的に広がる。
【0339】
連結クランプ57の側面は、連結舌状部の相補的な面に接触するよう設置され、連結舌状部261と連結クランプ57との間の側方の動きを制限することができる。連結クランプ57は、連結舌状部261における1つまたは複数のポケット262及び263の中にぴったりと嵌合することができ、ポケットの側部は、動きを制限する相補的な面を提供する。ポケット262及び263は、それらの中にリブを有することができ、それらは連結クランプに形成されたスロット571の中にぴったりと嵌合し、やはり側方の動きを制限する相補的な面を提供する。ポケット262及び263の、外側に面した側部は、クランプ57の内側に面した側部と係合する。これらは、互いに締め付けられたとき、連結クランプ57と連結舌状部261との間の、接触界面を提供する。この接触界面は、リスト・ハンド部の長手方向軸に対して斜角であり、連結クランプ57が連結舌状部261に堅固に締められたとき、リスト5及び掌部シャーシ26を互いに引寄せさせる。
【0340】
連結クランプ57は、クランププレート573を含むことができる。クランププレート573は、堅固に締めたり緩めたりするために、クランプ57の残り部分に対して可動である。クランププレート573は、貫通するネジを有することができ、クランププレート573を、かつそれによって連結クランプ57を、連結舌状部261上で堅固に締めたり緩めたりするために、ネジを堅固に締めたり緩めたりすることができる。
【0341】
リスト5上のケーブルステー564も図22にも示され、それは、ハンドをリスト5に装着する間及び装着後に、ケーブルを所定の位置に保持するのを助ける。
【0342】
図23は、掌部シャーシ26の基部を示し、それは、図21及び図22の例において、リスト5が連結している。アパーチャ264は、電気コネクタ56の端子561が、オートメーション化ハンド内の相補的な端子(図示せず)に接近するのを可能にする。アパーチャ265は、摩擦嵌合特徴部であり、それは電気コネクタ56の突出部562を受け入れる。アパーチャ266は親指部マウントのためのものであり、それは、オートメーション化ハンドの親指部を、掌部シャーシに取り付ける。
【0343】
図24は、ソケット連結部51と、接合部本体52及びハンド連結部53から分離されたケーブル54aと、を伴うリスト5を示す。この図から確認できるように、接合部本体52は、ケーブル54aが通過するためのポート523を有する。接合部本体52は、戻り止め部材のハウジング522も有し、それは、ソケット連結部材における凹部512と係合する、付勢された戻り止め部材を収容する。回転制止部521も接合部本体52に設けられ、ソケット連結部51の回転制止部511と係合して、回内・回外方向におけるリストの回転を制限する。
【0344】
図25は、接合部本体52及びハンド連結部53を示し、それらは共にリスト接合部を形成する。他の例において、接合部本体52は、接合部本体52とハンド連結部との間の中間本体に接続され、リスト接合部を形成し得る。
【0345】
図25の例において、リスト接合部は、屈曲・伸張方向に回転可能である。リスト係止部55も示され、それはリスト接合部を選択的に係止して、屈曲及び伸長を制限するよう操作することができる。
【0346】
図26に示されるように、接合部本体52は、ハンド連結部53が回転可能に取り付けられる、剛性取り付けポスト529を有する。取り付けポスト529は、取り付けポスト529を貫通して延びるアパーチャ524を有する。取り付けポスト529は、アパーチャ524を囲んだ剛性スリーブを画定する。このスリーブ、及びしたがってアパーチャ524は、非円形である。剛性軸(図29において531で示された)は、アパーチャ524を貫通して延びることができる。非円形のアパーチャは、全体的に多角形の断面とすることができる。1つの例において、非円形アパーチャは全体的に正方形である。剛性軸は、アパーチャ524の断面と同じ全体形状を有することができ、例えばそれは正方形とすることができる。中立方向において、アパーチャ524と軸との間には角度オフセットを持つ場合があり、それによって軸の角部は、アパーチャ524の側部における中点に位置される。
【0347】
弾性変形するピース525は、アパーチャ524に位置され、スリーブと剛性軸との間に延びる。剛性軸がアパーチャ内で回転したとき、弾性変形するピース525は変形される。弾性変形するピース525の弾性により、弾性変形するピース525は、軸における力のバランスがとられる中立方向に向けて、剛性軸を強制的に戻すよう作用する。弾性変形するピース525は、エラストマまたは好適なポリマーで作ることができる。例えば、弾性変形するピース525は、シリコーンまたはゴムで作られ得る。弾性変形するピース525は、アパーチャ524の角部に位置することができ、かつ中立軸方向において剛性スリーブと剛性軸との間の空間内に嵌合するよう、形状を決めることができる。
【0348】
係止機構のための係止基部526も、図26に示される。係止基部526は凹部527を含む。図28図30を参照してさらに詳述されるように、凹部527は、係止機構の係止プレートを受け入れることができる。これらの凹部は、リスト接合部の回転軸の径方向周りに配置することができる。係止プレート534は、リスト接合部の回転軸に向けて、及び離れるよう動いて、リストを係止及び係止解除することができる。
【0349】
図27は、上から見たリスト接合部を示す。リスト接合部における屈曲・伸長の回転軸は、58で示される。図28は、ラインD-Dに沿った断面図である。
【0350】
図28において、剛性軸531は、取り付けポスト529によって提供された剛性スリーブ内に示される。弾性変形するピース525は、剛性スリーブと剛性軸531との間に示される。リスト接合部は、中立方向で示され、そこに弾性変形するピースは、リスト接合部を戻すよう作用する。
【0351】
図28の例において、剛性軸531は少なくとも1つの非平坦面532を有する。リスト接合部が中立方向に正確に戻る傾向は、剛性軸531の面の形状によって制御できることが判明している。この例における非平坦面532は、窪んでいる。窪んだ面は、中立方向からの小さい逸脱の場合、中立方向に向けて良好な戻りトルクを提供することが判明している。それらは、リスト接合部を中立方向に正確に戻すこともできる。この例において、正方形の剛性軸531における4つの全ての面は窪んでいる。いくつかの例において、平坦面は、非平坦面532に加えて、またはその代わりに使用され得る。
【0352】
係止機構の一部を形成する係止ロッド535も示される。この例において、係止ロッド535は剛性軸531を通過して、リスト接合部の回転軸58に沿って延びる。リスト係止部55は、ボタン533a及び533bを、軸58に沿って押し込むことによって操作することができる。これは、リスト係止部を、ハンド連結部53またはハンド自体などの別の位置に設置するよりも、リスト係止部55の操作を使用者に対して容易にする。なぜなら、それらの場合、リスト係止部のアクチュエータ(例えばボタンなど)は、リストが1つの位置に常にとどまるよりも、リストが回転するときに動くためである。ボタン533a及び533bをリスト接合部の回転軸58に沿って押し込むことによって、リスト接合部の回転を係止することは、使用者にとって、より直感的と成り得る。
【0353】
係止機構は、係止基部526と係合する係止部材も含む。この例において、係止部材は係止プレート534である。係止プレート534は、凹部の1つの中に、この場合中立位置に対応した凹部の中に、挿入されて示される。
【0354】
代替のリスト接合部が図39に示される。この例において、弾性変形するピース525’は、中立状態において概ね円形の断面とすることができる。非円形軸531’は、弾性変形するピース525’を受け入れるための凹部532’以外、概ね円形断面の形状とすることができる。特に、軸531’の外周は、凹部間に部分的円弧531’aを含むことができる。凹部532’は、例えば概ねまたはいくらか半円未満の、部分的円形とすることができる。代替として、凹部532’を平坦とすることができる。取り付けポスト529’によって画定された、剛性スリーブにおける非円形アパーチャは、弾性変形するピース525’が位置する凹部524’b以外、概ね円形状とすることができる。部分的円弧524’aは、凹部524’bの間に設けることができる。
【0355】
凹部532’及び524’bは、剛性軸531’の外周の一部と、それぞれの部分的円弧が載る仮想円から凹んだ剛性スリーブにおけるアパーチャと、に対応するという意味で凹んでいる。換言すると、剛性軸531’の凹部532’は、剛性軸531’の部分的円弧531’aが載る仮想円の外周内に形成される。剛性スリーブにおけるアパーチャの凹部524’bは、アパーチャの部分的円弧524’aが載る仮想円の外周の外側に形成される。
【0356】
凹部524’bは、例えば概ねまたはいくらか半円未満の、部分的円形とすることができる。図39に示されるように、弾性変形するピース525’の各々は、軸531’のそれぞれの凹部532’、524’bと、剛性スリーブとの間に保持することができる。弾性変形するピース525、525’は、リスト接合部の回転軸周りにおける、複数の角度位置に設置することができる。弾性変形するピースは、回転軸周りで概ね均等に離隔させることができる。図26図29及び図39における例の各々では、回転軸周りで均等に離隔された、4つの弾性変形するピース525、525’が存在する。代替の例において、4つの弾性変形するピースよりも多く、または少なく存在し得る。例えば、1つ、2つ、3つ、または4つよりも多い弾性変形するピース525、525’が存在し得る。
【0357】
係止機構は、図29及び図30に、より詳細に示される。図29において、接合部本体52は、ハンド連結部53及びリスト係止部55から分離されている。ハンド連結部53は、ハウジング本体53a及び53b、ならびにクランププレート573に分解されている。リスト係止部55は剛性軸531と共に示され、かつ係止プレート534及びキャリア536を含む。
【0358】
図30は、分離された係止機構を示す。係止ボタン533a及び533bは、ロッド535に装着される。キャリア536はロッド535に装着される。ピン537は、キャリア536から突出して、係止プレート534の凹部538に入る。凹部538内はバネ539である。このバネは板バネであってもよい。バネは、V形状で、Vバネとしても知られているタイプのものであってもよい。係止ボタン533a及び533b、ロッド535及びキャリア536は、係止アクチュエータを構成して、リストを係止及び係止解除するよう操作される。この例において、リストは、使用者が手動でボタン533a及び533bを押し込むことによって係止される。他の例において、電気または電磁アクチュエータなどの動力付きアクチュエータが、設けられ得る。
【0359】
ロッド535は、その上に凹部551を有する。これらは、戻り止めハウジング552における戻り止め部材によって、係合させることができる。例えば、戻り止めハウジングは、バネと、このバネによってロッド535に向けて付勢される、球形戻り止めと、を含み得る。
【0360】
リスト係止部を操作するために、使用者は、例えばリストを係止するためのボタン533bを押圧することで、係止アクチュエータを操作する。ピン537は、凹部538内で右から左(図30における方向)に動くことになる。係止プレートが、係止基部526の凹部527と整合された場合、ピン537は、バネ539の傾斜面を乗り越え、バネ539を下方に押し込んで、係止プレート534を凹部527の中に、下方へ駆動する。係止プレート534が凹部527と整合しない場合、ピンがバネの傾斜面を乗り越えたときにバネ539を圧縮することになる。リスト接合部が、係止プレート534が係止基部526の凹部527と整合するように回転したとき、バネはその通常形状まで跳ね戻り、係止プレート534を凹部527の中に駆動する。
【0361】
リストを係止解除するために、係止アクチュエータは反対方向に(例えばボタン533aを押し込むことによって)操作される。ピン537は、凹部538の傾斜面を乗り越え、係止プレートを上方に駆動して係止基部526の凹部527から出す。
【0362】
この機構は、係止プレート534が係止基部526の凹部527と整合していないときでも、(例えばボタン533a、533bが容易に押し込まれる、など)係止アクチュエータが容易に作動することを保証する。
【0363】
図40は、代替の係止機構の構成要素を示す。この例において、係止機構は、異なるバネを伴うが、図25図30のバネに類似する。図40において、外部バネ539’は、プレート534’の外側に対する付勢を提供する。これは、凹部538’におけるバネの必要性を排除する。この例において、バネ539’はバネワイヤの形態である。バネ539’は、非コイルのバネとすることができる。
【0364】
図31は、掌部シャーシ26に連結された、リスト5’の代替の形状を示す。このリスト5’は、図1図3にも示される。このリスト5’は迅速接続解除式のリストである。59a及び59bを捩じることによって、使用者は、ソケット連結部51’を接合部本体52’から迅速に接続解除することができる。リスト5’は、他の点について、リスト5と同じものとすることができる。いくつかの例において、リスト5’には、WO2021/177840A1 to 5th Element Limitedに提示されたような、迅速接続解除式の特徴部を設けることができる。
【0365】
別の例において、リストの屈曲及び伸長を可能にするリスト接合部を有さない、別の代替のリストが提供される。これはリスト内の空間を節約して、より短いリストをもたらし得る。リスト接合部を除外するので、単一の本体は、ハンド連結部及び接合部本体として役立つことができ、ソケット連結部に回転可能に接続される。このリストは、他の点について、リスト5に類似し得る。
【0366】
[親指部]
いくつかのオートメーション化ハンドは、実際の人の手における指及び親指に相当するディジットを有する。親指部は、前位・後位方向に回転して、指部と共に反対に出入りして動くことができてもよい。特定の握りを実行するとき、親指が正確に位置付けられ、前記・後位方向に望ましくない回転をしないことを保証することは、重要である場合がある。この理由のため、いくつかのオートメーション化ハンドは、この回転を防止するための親指係止部を含み得る。いくつかの親指係止部は、親指部が特定の点まで、例えば指部と共に反対に回転したとき、親指を前位・後位方向の回転に対して係止し得る。これらのオートメーション化ハンドは、親指を係止できる少数の異なる位置のみに制限される。さらに、親指部の係止は、把持の実行などの、係止を要求する親指部によって実施される機能に、対応しない。他のハンドは、親指部の後部、及び親指部の背部に位置された係止部材、に位置された係合面を使用し得る。これらは、親指部が、係合面と共に係止部材の上に押し戻されたとき、親指部の回転を制限する。親指部の背部に係止部材を要求しない、オートメーション化ハンドを提供することが、望ましい場合がある。
【0367】
いくつかのオートメーション化ハンドは、親指部の基部でのみ、掌部に取り付けられた親指部を含む。力が親指部に加えられたとき、接続点においてトルクを生成する。この接続点は、このトルク自体に耐えて、加えられた全ての力に抗う必要がある。親指部が接続される掌部の基部が近いほど、親指部によって提供されたレバーアームは長くなり、かつ加えられた所与の力に対する、接続点におけるトルクは大きくなる。加えられた力の成分に抵抗する、親指部に対する追加の支持部を提供することが望ましい場合があり、破壊に対する親指部の抵抗を向上させ、かつ親指接続部を、他の方法よりも掌部において低くすることを可能にし得る。掌部において、親指接続点を下方に動かすことで、掌部の空間を節約し得る。
【0368】
いくつかのオートメーション化ハンドは、実質的に非順応性であるが、掌部に順応して取り付けられたアクチュエータに装着された、親指部を含む。親指部の順応性を、掌部に取り付けることから分離することは、有利となり得る。これは、掌部の封止を向上させ、親指部マウントの構造的強度を増加させ、かつ親指部マウントのために掌部において必要な空間を減少させ得る。
【0369】
図32図34は、1つの例による親指部4を示す。親指部4は掌部2に接続され、オートメーション化ハンドの一部を形成する。明確にするために、掌部2の一部のみを、これらの指部で示す。親指部4は、接続部46において、掌部2に枢動可能に取り付けられる。接続部46を、例えば掌部2の基部202の近くなど、掌部の下方に下げることができる。親指部4を掌部2の基部202に取り付けることで、掌部2の空間を節約し得る。
【0370】
親指部パッド35bも、図32に示される。上記の「タッチスクリーンの互換性」のセクションで詳述したように、親指部パッド35bは、親指部がタッチスクリーンに対して互換性を有するよう構成された、導電性装着具とし得る。
【0371】
補助的支持部45は、親指部4と掌部2との間における、追加の構造的接続を提供する。補助的支持部45は、親指部4を支持して、親指部4が強制的に戻されたときに、親指部4の基部における接続部46のトルクを減少させるために、役立ち得る。
【0372】
補助的支持部45は、中間箇所から親指部4に沿って、掌部2における接続点201まで延びる。親指部における中間箇所は、親指部4の両端部間に、例えばいずれかの端部から、親指部の延長の少なくとも10%の位置、または親指部4の延長の少なくとも25%の位置に、設置される。補助的支持部45は、親指部4の2つのセグメント間における関節接合部44において、またはその近くで、親指部に接続することができる。図32及び図33の例において、補助的支持部45は、親指中手骨部43と親指節骨部42との間の、関節接合部44において、親指部4に接続する。他の例において、補助的支持部45は、関節接合部44の遠位、または関節接合部44の近位で、親指部4に接続し得る。
【0373】
掌部2における接続点201は、親指部4の基部が接続される接続部46から離隔される。これは、親指部が負荷下で強制的に戻されたとき、親指部によってなぞられた円弧に対して主に接線方向に動くラインに沿って、補助的支持部45が親指部4に作用するのを可能にする。掌部2における接続点201は、掌部2の基部と、(指部が装着する)掌部2の遠位端と、の間である。
【0374】
補助的支持部45は可撓性とすることができる。補助的支持部45は、親指部4が負荷下で順応するのを可能にするよう、曲げるかまたは延ばすことができる。いくつかの例において、補助的支持部45は、ナイロンで作ることができる。図32及び図33における補助的支持部45は、支持アームである。支持アーム45は、ポリマーなど弾性材料で作ることができる。いくつかの例において、支持アームはプラスチックまたはナイロンで作ることができる。支持アーム45は、親指部が負荷下にないときにその形状を保持するために、十分な剛性を有するが、親指部が負荷下にあるときに、親指部が順応していくらかの動きを可能にするために、十分な可撓性を有する。支持アーム45の弾性は、負荷が除去された後に、支持アーム45がその初期形状に戻るために十分である。
【0375】
掌部に対する支持アームの接続部201は、枢動接続とすることができ、親指部が支持アームが前位・後位方向に枢動したときに、支持アームがほとんど抵抗を受けずに枢動するのを可能にする。代替として、支持アームは、親指部4の枢動に順応するよう曲がるよう、十分に可撓性とし得る。支持アーム45は、親指部における確実な接続のために、両側で親指部4に接続することができる。これは、負荷が加えられたときに、親指部4の長手方向軸周りに親指部4が捩じれることも回避し得る。これを可能にするために、支持アーム45は、親指部の端部においてフォーク状にすることができる。支持アーム45は、張力下で真直ぐにできるよう、湾曲させることができ、負荷に対して親指4が順応するのを可能にする。支持アーム45の「上部」、すなわち掌部2の基部から反対に面した側は、対象物の把持を補助するよう、窪んだ部分を有することができる。支持アーム45は、掌部または親指部の動きの全範囲にわたって、いずれの箇所でも掌部または親指部に干渉しないように配置することができる。
【0376】
代替の例において、補助的支持部はコードとし得る。
【0377】
親指部4は、その掌部2の基部202への接続部46と、補助的支持部45が接続して親指部4が負荷下で戻るのを可能にする中間部分と、の間に順応部分を有することができる。図32及び図33の例において、順応部分は、中手骨部のハウジング431である。親指部4に順応部分を設けることは、親指部4の取り付け部に順応性を必要としないことを意味する。掌部2に対する親指部4の枢動接続部46は、剛性マウントを含むことができる。剛性マウントは、ハンドの動作中に、順応性マウントよりも動かないか、または全く動かず、それはこの点におけるハンドの防水を容易にし得る。
【0378】
補助的支持部45は脆くしてもよく、それによって特定の張力下で確実に壊れることが可能となる。掌部2に対する親指部4の枢動接続は、安全な枢動とすることができ、それは、補助的支持部45が壊れたときに、親指部が伸張方向に自由に枢動することを可能にする。
【0379】
キャッチ部49も、親指部4が負荷下にあるとき、前位・後位方向に親指部4が枢動するのを制限するために設けられる。これは、図35図38を参照して、より詳細に説明する。
【0380】
図34は、掌部2及び親指部4を上部から示す。掌部内には、親指部を前位及び後位で親指部を枢動させる、親指部アクチュエータ47が示される。親指部アクチュエータ47は、例えばBLDCモータなどのモータとすることができる。親指部アクチュエータ47は、ギアボックス48における1つまたは複数のギアを介して、親指部を枢動させて駆動することができる。支持アーム45におけるフォークも、図34で確認することができる。
【0381】
図35は、キャッチ部49をより詳細に示す。キャッチ部49は歯状部492を含み、それは掌部における凹部496の内1つと係合して、親指部を枢動に対して係止することができる。キャッチ部49はバネ494も含み、歯状部492を凹部496から離すよう付勢する。歯状部492は、軸495を有する連接アーム491に連接される。軸495は、親指部4における負荷下で順応する、親指部の順応部分と係合するよう構成され、それによって連接アーム491を動かし、歯状部492を凹部496の中に駆動する。
【0382】
キャッチ部49及び親指部4のさらなる詳細が、図36及び図37の分解組立図に示される。親指部4は、親指の屈曲・伸張アクチュエータ423を含む。このアクチュエータ423は、例えばBLDCモータなどのモータとすることができる。モータ423は、親指部本体422内に位置され、モータ423は同様に、親指部先端421内に部分的に位置される。
【0383】
モータに装着されるのは、モータ駆動ギア424であり、それはギアハウジング425に位置されるギア432を駆動する。ギア432は、加えられた負荷下で順応できるよう、順応して取り付けられる。特に、ギア432は、ハウジング425内でいくらか回転することができる。ブッシング434はギア432の上に設置され、ギア432は、中手骨部のハウジング431a、431bの間に保持される。この例において、モータ駆動式ギア424はウォームであり、ギア432はウォームホイールである。組み立てるとき、軸495はギア432のソケット433内に嵌合し、連接アーム491をギア432に、回転可能に連結する。バネ494の端部はピン493の上に巻き付けられ、中手骨部のマウント431aにおける凹部437内に収容される。連接アーム491におけるピン493は、中手骨部のハウジング431aのアパーチャを通して、歯状部492の中に延びることができる。ピン493は、保持リング497によって所定の位置に保持される。ピン493の端部は、ブロック435におけるアパーチャ436の中に延びる。これは、ピン493の動きの制限を制御し、それによって歯状部492の伸張、及びギア432の回転の制限を制御する。指部498も、中手骨部のハウジング431aと係合することによって、歯状部492の伸張の制限を制御する。
【0384】
動作中、アクチュエータ423は、ギア432と係合したギア424を回転させることができる。ギア432は固定ギアとして働き、ギア432が完全に固定されず、かつ小さい量を回転できる以外、ギア424はギア432が回転する際に周りに動くことができる。ギア424がギア432の上を反時計回りに動くとき、親指部4は伸張する。ギア424がギア432の上を時計回りに動くとき、親指部4は屈曲する。ギア424がギア432を、親指部4が屈曲するように駆動したとき、ギア432はバネ494の付勢に対していくらか回転できる。ギア432のこの回転は、連接アーム491の回転を駆動し、歯状部492を掌部における凹部の中に動かし、それによって親指部4を、前位・後位方向の枢動に対して係止する。代替の例において、圧縮バネ494’を、図41に示されるように指部の掌部側498’に、図35図37における張力バネ494の所定の位置に、位置させることができる。このバネ494’は使用中に圧縮され、連接アーム491’に連結されて、歯状部492’を掌部の凹部から離すよう付勢する。バネ494’は、いくつかの例において直接または間接に連接アーム491’に装着され得るが、連接アーム491’に運動学的に連結されることのみが必要であり、そこに装着されることは必要としないことを、理解されたい。例えばバネ494’は、連接アームに連結された対象物の連接アーム491’に対する、直接的な装着具である必要はなく、連接アーム491’または連接アーム491’に連結された(指部498’などの)対象物に対して付勢されることによって、連接アーム491’に連結され得る。
【0385】
親指部4が強制的に戻されたとき(すなわち伸張に向けて)、親指部4の指節骨部は、中手骨部に対して回転して戻る。これは、指節骨部におけるギア424を、順応ギア432に押し込む。順応ギア432は、反時計周りに順応して回転し、それによって連接アーム491を回転させ、かつ歯状部492を掌部における凹部の中に動かすよう駆動して、親指部を枢動に対して係止する。
【0386】
図38は、親指部4が枢動及び回転できる軸を示す。アクチュエータ47は、親指部4全体を、前位・後位軸461の周りを、ギアボックス48のギアによって枢動するよう駆動する。これは、親指部4を、掌部の基部に対するその接続部46で枢動させる。アクチュエータ(図37において423で示された)は、親指節骨部42内に位置され、関節接合部44において親指部4の屈曲及び伸長を駆動する。この回転は、屈曲伸長軸441の周りである。
【0387】
図38の軸を参照すると、キャッチ部49は、指節骨部42におけるアクチュエータが軸441周りで親指部4の屈曲を駆動するとき、または外部負荷が親指部4に加えられて、軸441周りで伸張に向けて強制するとき、軸461周りの親指部4の枢動を制限する。
【0388】
本明細書で説明する親指キャッチ部は、把持を実施するときに、親指部の位置を正確に維持するために役立ち得る。それはさらに、親指部を屈曲させてハンドの指部と共に正確に運ぶために役立つとき、親指部を軸461周りで固定角度に維持し得る。さらに軸461周りにおける親指部の角度を、より正確に制御し得る。親指キャッチ部の配置は、親指部の後部におけるキャッチ部または回転係止要素の必要性も回避し、より解剖学的に正確なハンドをもたらし得る。
【0389】
本発明を、その実施形態の説明によって例示し、それら実施形態を詳細に説明したが、このような詳細に、添付の特許請求の範囲を制限すること、またはいかなる限定も出願者は意図しない。追加の利点及び変更は、当業者には容易に思い浮かぶであろう。したがって、広義の態様における本発明は、特定の詳細、代表的な装置、及び方法、ならびに、示して説明した例示的な例に限定されない。したがって、出願者の全体的な発明コンセプトの趣旨または範囲から逸脱することなく、これらの詳細からの展開が成され得る。
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【国際調査報告】