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特表2024-541248EVAPキャニスタにベントポートによって接続され、ブリード排出を防止し、低流量制限を提供するための車両蒸発排出物管理システムの一部を形成する、スクラバ用のグラフェン系吸着材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】EVAPキャニスタにベントポートによって接続され、ブリード排出を防止し、低流量制限を提供するための車両蒸発排出物管理システムの一部を形成する、スクラバ用のグラフェン系吸着材
(51)【国際特許分類】
   F02M 25/08 20060101AFI20241031BHJP
   B01D 53/04 20060101ALI20241031BHJP
   B01J 20/20 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F02M25/08 311D
F02M25/08 F
B01D53/04 111
B01J20/20 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525300
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-25
(86)【国際出願番号】 US2022078909
(87)【国際公開番号】W WO2023077088
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】63/274,165
(32)【優先日】2021-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/975,107
(32)【優先日】2022-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522013256
【氏名又は名称】マーティンリア インターナショナル ユーエス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラセカール、 ムラリ
(72)【発明者】
【氏名】バナージ、 アニンディア
(72)【発明者】
【氏名】ダラパネニ、 プラガシ
(72)【発明者】
【氏名】ドーブル、 コリー
【テーマコード(参考)】
3G144
4D012
4G066
【Fターム(参考)】
3G144GA02
3G144GA04
4D012BA01
4D012BA03
4D012CA08
4D012CB05
4D012CB13
4D012CE02
4D012CE03
4D012CF02
4D012CF10
4D012CG01
4D012CG02
4G066AA04B
4G066AC13C
4G066AC15C
4G066AC23C
4G066AC24C
4G066AC26C
4G066BA09
4G066CA51
4G066DA04
4G066FA37
(57)【要約】
蒸発排出物管理システムにおいて、キャニスタの一部を形成するスクラバに組み込まれるか又はキャニスタのベントポートに接続されるグラフェン系吸着材。吸着材は、ブリード排出を防ぐと共に低い流量制限を提供するために気化した炭化水素を特異的に吸着する。グラフェン吸着材は、蒸気の流れのための複数の通路を提供するためにハニカム設計パターンで押し出された活性化グラフェン誘導体及びポリマーとして提供される。スクラバは、EVAPキャニスタベントポートに接続され、活性化グラフェン誘導体、リグノセルロース、木炭、セラミック、結合剤及びフラックス材料の任意の組み合わせを有するハニカム押し出し構造を示すスクラバ要素を組み込む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸発排出物を削減するための自動車用蒸発排出物制御システムに組み込まれるキャニスタ及びスクラバの組み合わせであって、前記キャニスタ及びスクラバの組み合わせは、ブリード排出を防ぐと共に低い流量制限を提供するために気化した炭化水素を吸着するグラフェン誘導体吸着材を含むハウジングを備える、キャニスタ及びスクラバの組み合わせ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記キャニスタを組み込んだメインハウジングと、前記スクラバを組み込んだ別個のハウジングとをさらに備える、請求項1に記載の発明。
【請求項3】
前記スクラバハウジングは、前記キャニスタハウジング内に組み込まれるか又はベントポートを介して前記メインハウジングに接続される、請求項1に記載の発明。
【請求項4】
前記グラフェン誘導体材料が、単層グラフェン、数層グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン及び官能化グラフェンのいずれかに限定されない群から選択され、前記グラフェン又はグラフェン誘導体系吸着材が、化学的手法又は熱的手法のいずれかを用いてさらに活性化されることをさらに含む、請求項1に記載の発明。
【請求項5】
前記グラフェン誘導体吸着材は発泡体、フェルト又は粉末のいずれかをさらに含む、請求項1に記載の発明。
【請求項6】
前記発泡体、フェルト又は粉末の1つ以上の層の間に挟まれた活性炭をさらに備える、請求項5に記載の発明。
【請求項7】
前記グラフェン誘導体材料がポリマーと混合されることをさらに含む、請求項1に記載の発明。
【請求項8】
前記グラフェン誘導体吸着材が、前記スクラバを通る蒸気の流れのための複数の通路を提供するためにハニカム設計パターンで押し出されることをさらに含む、請求項1に記載の発明。
【請求項9】
前記グラフェン発泡体が、単層グラフェン、数層グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン及び官能化グラフェンのいずれかに限定されない群から選択される前記グラフェン誘導体材料をさらに含む、請求項5に記載の発明。
【請求項10】
前記グラフェン誘導体の充填濃度が0.1~60重量パーセントの範囲で提供されることをさらに含む、請求項1に記載の発明。
【請求項11】
前記ポリマーは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、及びポリ塩化ビニルのいずれか1つ以上を含む群から選択される熱可塑性ポリマーをさらに含む、請求項7に記載の発明。
【請求項12】
前記グラフェン誘導体吸着材が、前記フェルトに組み込まれたリンゴセルロース材料又は木炭のいずれかと組み合わされることをさらに含む、請求項5に記載の発明。
【請求項13】
蒸発排出物を削減するための自動車用蒸発排出物制御システムに組み込まれるキャニスタ及びスクラバであって、
前記キャニスタはメインハウジングを含み、前記スクラバはそれぞれが活性炭材料を含む別個のハウジングを含み、
少なくとも前記メインキャニスタハウジングは、前記活性炭材料が間に挟まれた発泡体、フェルト又は粉末のいずれかの1つ以上の層をさらに含み、
前記発泡体、フェルト又は粉末の層は、ブリード排出を防ぐと共に低い流量制限を提供するために気化した炭化水素を吸着するグラフェン誘導体吸着材をさらに含む、キャニスタ及びスクラバ。
【請求項14】
前記グラフェン誘導体材料が、単層グラフェン、数層グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン及び官能化グラフェンのいずれかに限定されない群から選択されることをさらに含む、請求項13に記載の発明。
【請求項15】
前記グラフェン誘導体材料がポリマーと混合されることをさらに含む、請求項13に記載の発明。
【請求項16】
前記グラフェン誘導体吸着材が、前記スクラバを通る蒸気の流れのための複数の通路を提供するためにハニカム設計パターンで押し出されることをさらに含む、請求項13に記載の発明。
【請求項17】
前記グラフェン誘導体材料の充填濃度が0.1~60重量パーセントの範囲で提供されることをさらに含む、請求項13に記載の発明。
【請求項18】
前記ポリマーは、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、及びポリ塩化ビニルのいずれか1つ以上を含む群から選択される熱可塑性ポリマーをさらに含む、請求項15に記載の発明。
【請求項19】
前記グラフェン誘導体吸着材が、前記フェルトの層に組み込まれたリグノセルロース材料又は木炭のいずれかと組み合わされることをさらに含む、請求項13に記載の発明。
【請求項20】
蒸発排出物を削減するために自動車用蒸発排出物制御システムに組み込まれるキャニスタ及びスクラバであって、
それぞれが活性炭材料を含む、メインキャニスタハウジング及び別個のスクラバハウジングを備え、
少なくとも前記メインキャニスタハウジングは、前記活性炭材料が間に挟まれた発泡体、フェルト又は粉末のいずれかの1つ以上の層をさらに含み、前記発泡体、フェルト又は粉末の層は、ブリード排出を防ぐと共に低い流量制限を提供するために気化した炭化水素を吸着するグラフェン誘導体吸着材をさらに含み、
前記グラフェン誘導体材料は、単層グラフェン、数層グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン及び官能化グラフェンのいずれかに限定されない群から選択され、
前記グラフェン誘導体材料は、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、及びポリ塩化ビニルのいずれか1つ以上を含む群から選択されるポリマーと混合される、キャニスタ及びスクラバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体として、蒸発排出物(EVAPエミッション)管理システムに組み込まれる吸着材に関する。より具体的には、本発明は、キャニスタの吸着能力の不足から生じるブリード排出を削減するためにEVAPキャニスタと組み合わせて利用され、より優れた吸着/脱着能力と共に、より高い表面積の特徴を提供する、グラフェン系吸着材スクラバ材料を開示する。
関連出願への相互参照
本出願は、2022年10月27日出願の米国特許出願第17/975,107号の優先権を主張するものであり、同米国出願は、2021年11月1日出願の米国特許仮出願第63/274,165号の優先権を主張するものであり、図面を含むそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
自動車の蒸発排出物制御技術は、気化した炭化水素などの揮発性有機化合物(VOC)が大気中に漏れるのを防ぎ、LEV II/LEV III排出基準の下でEPA/CARB基準を満たす。上述の「EVAPキャニスタ」は、気化した炭化水素を一時的に吸着し、清浄な空気のみを排出することにより、現代の蒸発排出物制御技術において重要な役割を果たしている。
【0003】
蒸発排出物は無色であるため、気付かれずに漏れる危険性がある。漏出を許すと、これらの気化した炭化水素は太陽光の存在下で空気と反応し、人間や生態系全体に有害なスモッグを発生させる。
【0004】
蒸発排出物の主な発生源は、燃料補給と日中に関連する排出である。燃料補給中、ディスペンサーノズルから自動車のガソリンタンクに新しい燃料が加えられると、ガソリンタンクから追い出された気化した炭化水素がキャニスタに排出される。日中の排出は、昼夜の温度変動の結果として発生する燃料蒸気によって起こる。
【0005】
キャニスタは、高表面積(活性)炭などの吸着材を含む。ブタンやペンタンなどの炭化水素分子から構成されるガソリン蒸気は、活性炭の非極性表面に引き寄せられ、その結果、一時的に吸着され(吸着時に原子又は分子の電子構造がほとんど乱されない物理吸着又は物理的吸着と定義される)、それにより清浄な空気のみをベントポートから大気中に排出させる。
【0006】
排出物の最小化に特化したエンジン制御システムは、キャニスタのパージを容易にする。エンジン燃焼空気吸気中、生じた負圧は、ベントポートを通してキャニスタに空気を引き込み、吸着材のカーボンベッドを通って流れ、その結果、気化した炭化水素がパージポートからエンジン吸気口に脱着される。
【0007】
多くの場合、パージ中、微量の気化した炭化水素が吸着材に吸着されたままになる。その結果、ベントポートから流出する空気は残りの炭化水素を一緒に運び、「ブリード排出」を引き起こす。ブリード排出は、燃料タンクが加熱されてベントポートから空気が大気中に漏れるときに特に観察される。
【0008】
ブリード排出は、キャニスタのベント開口部に接続された炭素材料を含むスクラバによって吸着される。炭素材料は、例えば、活性炭繊維材料又はカーボンモノリスであり得る。スクラバは、任意の好適な材料、例えば、ナイロン又はポリカーボネートなどの成形熱可塑性ポリマーで作ることができる。キャニスタから出た空気は、スクラバを通って流れることができる。現在の市販のスクラバは、吸着材である活性炭を用いてハニカム設計パターンに押し出されている。これらは硬くて壊れやすく、非常に特殊な寸法で提供され、車両の振動や衝撃に対する追加の保護を必要とする。
【0009】
周知のように、典型的なEVAPシステムの主要コンポーネントは、ガソリンとその蒸気を貯蔵する燃料タンクを含む。充填ポンプの動作は、ノズルがタンク内の達成された充填レベルを検出すると停止するようになっている。これは、タンクに貯蔵された燃料が溢れたり、EVAPシステムに漏れを生じさせたりすることなく膨張できるように、上部に最小限の膨張スペースを保持するためである。
【0010】
EVAPキャニスタは、タンクベントラインによって燃料タンクに接続され、従来の設計によれば、通常は1~2ポンド(0.45~0.91kg)の活性炭を含み、活性炭は、パージ弁が開き、エンジン吸気の真空によって、燃焼のために活性炭からエンジン吸気マニホールドに燃料蒸気が吸い上げられること(脱着)を可能にするまで、燃料蒸気を吸着し、貯蔵することによってスポンジのように機能する。ベント制御弁は、燃料タンクからEVAPキャニスタへの燃料蒸気の流れを可能にする。パージ弁/センサは、エンジン吸気負圧によりEVAPキャニスタからエンジン吸気マニホールドに燃料蒸気が吸い上げられること(脱着プロセス)を可能にする。ベントホースは、燃料蒸気がEVAPシステムの様々なコンポーネントに流れる手段を提供する。燃料タンク圧力センサは、漏れ及び過剰圧力の蓄積に関して圧力を監視する。最後に、燃料レベルセンサは、タンク内の燃料レベルを監視する。
【0011】
従来のEVAPキャニスタで使用される活性炭吸着材の長期性能には限界がある。脱着プロセスが完了していない場合、吸着材に微量の炭化水素が残留し、時間の経過と共に吸着能力が低下する。その結果、燃料補給中又はダイアーナル(日中の)ロス中に、燃料タンクからキャニスタへ、及びベントポートを通って大気中に出る空気の流れは、吸着材の吸着能力の低下により現在は吸着されない微量の有害なガソリン成分を含む可能性がある。従来は押出ペレットの形態の活性炭がキャニスタ充填のための主要な選択肢であったが、このような持続的な「ブリード」の問題は依然として課題である。
【0012】
新しい吸着材を備えた既存の蒸発排出物制御システムの例は、Reddyの特許文献1に開示されており、特許文献1は、ほぼ線形等温線を有する活性炭などの吸着材を教示している。
【0013】
先行技術から引き出された他の既存のアプローチには、Meillerらの特許文献2及び特許文献3が含まれ、特許文献2及び特許文献3は、蒸発排出物制御システムで使用する炭化水素排出スクラバであって、スクラバ要素が、炭化水素を吸着する活性炭粉末を含むようスクラバに組み込まれた吸着材を含む複数の通路を画定する細長い本体を組み込んだスクラバを教示している。
【0014】
Kingの特許文献4は、炭素粒を含む炭化水素フィルタベッドを含む燃料蒸気回収キャニスタを教示している。キャニスタにパージ真空を加えて、燃料蒸気を運ぶ再生炭化水素材料をキャニスタからエンジンに連結された吸気マニホールドに引き込み、再生炭化水素材料をエンジン内で燃焼させることができるようにする。
【0015】
Buelowらの特許文献5は、粒子状物質を付着させるためのゼオライト、活性炭、シリカゲル、金属有機構造体化合物、及びそれらの組み合わせのいずれかを含む吸着材を備えたポリマートラップを教示している。
【0016】
Ruettingerらの特許文献6は、粒子状炭素と、アクリル/スチレンコポリマーラテックス、スチレン-ブタジエンコポリマーラテックス、ポリウレタン、及びそれらの混合物のいずれかをさらに含む結合剤とから成る、蒸発排出物デバイス及び吸着材を教示している。
【0017】
Burkらの特許文献7は、ベータゼオライトを含む吸着材組成物を教示している。空気などの酸化剤が、第二触媒ゾーンの上流地点で排気ガス流に加えられる。
【0018】
Reddyらの特許文献8は、吸着材として利用され、プリーツシート、チョップドファイバ、ふわふわしたウェブなどをさらに含む、活性炭粒子又は繊維を含むスクラバを含む蒸発排出物制御システムを教示している。活性炭粒子又は繊維は、スクラバを通過する空気中の低濃度のブタン及び/又はペンタン異性体蒸気を吸着し、吸着されたブタン及び/又はペンタン異性体を加熱せずに脱着させるように選択される。
【0019】
Hokeらの特許文献9は、吸着材が、セラミック、金属及びポリマー発泡体、金属箔、金属スクリーン、金属メッシュ、金網及びポリマー繊維のいずれかを含む支持体上にウォッシュコートスラリーとしてコーティングされる、炭化水素吸着の別のバージョンを教示している。
【0020】
Chenらの特許文献10は、ブリード排出スクラバに関連する様々な炭化水素吸着組成物を教示する、蒸発排出物制御システムの別のバージョンを教示しており、これらは、フォーム(発泡体)、モノリシック材料、不織布、織布、シート、紙、ねじられた螺旋状物、リボン、押出成形体、及び他のプリーツ構造及び波形構造を持つ成形体のいずれかを含む。追加の吸着材の選択肢には、活性炭、炭素木炭、ゼオライト、粘土、多孔質ポリマー、多孔質アルミナ、多孔質シリカ、モレキュラーシーブ、カオリン、チタニア、セリア、及びこれらの組み合わせのいずれかが含まれる。活性炭の選択肢にはさらに、木材、木材粉塵、木粉、コットンリンター、ピート、石炭、ココナッツ、亜炭、炭水化物、石油ピッチ、石油コークス、コールタールピッチ、果物の種、果実の核、堅果の殻、堅果の種、おがくず、シュロ、野菜、合成ポリマー、天然ポリマー、リグノセルロース材料、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される材料が含まれる。
最後に、Shelineらの特許文献11は、特定の壁厚を有し、活性炭及び結合剤を含むセル状炭素化合物を有する吸着材から構成された蒸発排出物炭化水素スクラバで使用するためのモノリスを教示している。モノリスは、シェルと同心円状に配置され、少なくとも2つの個別セルの周囲に配置された少なくとも1つのセル群を有し、セル群は少なくとも3つの厚い壁を含む。個別セルは、少なくとも1つの薄い壁を含む。蒸発排出物炭化水素スクラバを使用する方法も開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許第7,467,620号明細書
【特許文献2】米国特許第6,896,852号明細書
【特許文献3】米国特許第7,118,716号明細書
【特許文献4】米国特許第7,409,946号明細書
【特許文献5】米国特許第8,372,477号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2020/0147586号明細書
【特許文献7】米国特許第6,171,556号明細書
【特許文献8】米国特許第7,021,296号明細書
【特許文献9】米国特許第7,753,034号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2020/0018265号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2002/0073847号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、従来の炭素系吸着材の欠点に対処しようとするものであり、蒸発排出物管理システムにおいて、キャニスタの一部を形成するスクラバに組み込まれるか又はキャニスタのベントポートに接続されるグラフェン系吸着材を開示する。新規な吸着材はさらに、ブリード排出を防ぐと共に低い流量制限を提供するために気化した炭化水素を特異的に吸着する。
【0023】
更なる特徴は、グラフェン吸着材が、蒸気の流れのための複数の通路を提供するためにハニカム設計パターンで押し出された活性化グラフェン誘導体及びポリマーとして提供されることを含む。更なる変形例は、活性化グラフェン誘導体、リグノセルロース、木炭、セラミック、結合剤及びフラックス材料の任意の組み合わせを有するハニカム押出構造を示すスクラバ要素を組み込んだ、EVAPキャニスタのベントポートに接続されるスクラバを含む。グラフェン誘導体の群は、単層グラフェン、数層グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン、及び官能化グラフェンのいずれかに限定されない。ポリマーはさらに、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、及びポリウレタンのいずれかを含む群から選択され得る。
【0024】
別の実施形態では、スクラバの新規な設計が、気化した炭化水素のブリード排出を防ぐために表面積が増大されたフォームの形態のグラフェン誘導体ポリマーを含み得る。他の変形例は、あらゆるタイプのフォーム又はフェルト材料を組み込み、この場合も先と同様にグラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むスクラバ要素を含む。ポリマーは、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン6,12、ナイロン6,6、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、及びポリウレタンのいずれかを含む群から選択され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下の詳細な説明と組み合わせて読む場合には、添付の図を参照しなければならない。同様の符号は、いくつかの図を通して同様の部分を指す。
【0026】
図1】キャニスタの一部を形成するスクラバに組み込まれた又はキャニスタのベントポートに接続されたグラフェン系吸着材を含む蒸発排出物制御システムの斜視図である。
【0027】
図2】蒸気キャニスタを組み込んで示されるEVAPシステムの関連概略図である。
【0028】
図3】活性炭材料を充填することができるEVAPキャニスタの更なる切断図であり、ベントから大気へのブリード排出を防ぐための新規なスクラバ機能の提供を含む、吸着/脱着プロセスに関連し、車両燃料タンクに接続するベントラインとは区別される様々なチャンバを示す。
【0029】
図4】キャニスタベントポートを介してキャニスタに接続され、活性化グラフェン誘導体、リグノセルロース、木炭、セラミック、結合剤、及びフラックス材料の任意の組み合わせを含むハニカム押出構造を有するスクラバ要素の図である。
【0030】
図5図4に類似し、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができる発泡体及び/又はフェルト構造を有するスクラバ要素の更なる図である。
【0031】
図6図3に類似し、キャニスタ内の任意の場所に配置された発泡体構造を有し、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができるスクラバ要素の更なる図である。
【0032】
図7図6に類似し、キャニスタ内の任意の場所に配置されたフェルト構造を有し、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができるスクラバ要素の更なる図である。
【0033】
図8図6及び図7のハイブリッドであり、キャニスタ内に配置された発泡体構造及びフェルト構造の両方を含み、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができるスクラバ要素の更なる図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
添付の図を参照すると、本発明は、従来の炭素系吸着材の欠点に対処しようとするものであり、代わりに、蒸発排出物管理システムの一部を形成するEVAPキャニスタに使用され、特にEVAPキャニスタのベントを通して周囲の大気中に清浄な空気のみを排出するためにブリード排出を削減又は完全に除去するためのスクラバ材料として使用されるグラフェン系吸着材を開示する。
【0035】
図1は、図1で全体として10で参照され、延伸する充填ネック14とシールされた燃料キャップ16とを有する燃料タンク12を含む、蒸発排出物制御システムの構造の斜視図であり、図2は、蒸発排出物制御システムの構造の概略図である。ガスタンクは、図2にさらに断面図で示されており、燃料レベルセンサ20によって読み取られる充填レベル18を定める液体ガソリンを示している。充填レベルより上では、タンクの上部の空いている膨張空間又は膨張容積が燃料蒸気22によって占有される。燃料タンク圧力センサ24もタンク12内に配置されており、燃料レベルセンサ20と組み合わせて、充填レベル及びタンク圧力の測定値を適切なパワートレイン制御モジュール(PCM)26に供給する。
【0036】
EVAP蒸気キャニスタ28が設けられており、燃料タンク12から延びる蒸気入口ライン30によって連通され、これは、燃料タンクからEVAPキャニスタ28への燃料蒸気の流れを可能にするベント制御弁(図1の32参照)と連通している。キャニスタ28から延びるEVAPライン34が、常開EVAPソレノイド(キャニスタ)通気弁36を含む。蒸発二方弁35が、EVAPキャニスタ28とEVAPキャニスタ通気弁36との間に延びるライン37に組み込まれている。
【0037】
更なるライン38が、キャニスタ28からパージ流量センサ40まで延びており、パージ流量センサは、空気導入システムに接続されており、エンジン吸気真空により、燃料12に組み込まれた燃料ポンプ43から延びるライン42を介したエンジン吸気マニホルド(さらに図1の44参照)への送達のために、正確な量の燃料蒸気が吸い上げられることを可能にする。PCMモジュール26はまた、EVAPベントソレノイド36、パージ流量センサ40、及びパージ流量センサ40の下流に配置されたEVAPパージソレノイド46のそれぞれからの入力を受信し、EVAPパージソレノイド46を通して蒸気をスロットルボディに流すことができる。
【0038】
図3は、図1及び図2の28で先に示したような、活性炭材料48を充填することができるEVAPキャニスタの更なる断面図である。キャニスタにはさらに、燃料タンクからベントラインを通して炭化水素蒸気を吸引するための吸着プロセス(ロードポートを表す矢印50参照)に関連する様々なチャンバが示されている。また、燃焼中に残留炭化水素をエンジン吸気マニホールドに脱着させるためのパージポート52も示されている。
【0039】
また、図3に示すように別個のハウジング56に組み込むことができ、代わりに、キャニスタ28内に直接組み込むことができる、スクラバ機能(スクラバ要素54参照)も示されている。この変形例のスクラバ54はまた、別個のベントポート59を通した大気中への蒸発ブリード排出を防ぐための活性炭材料を含む。
【0040】
発泡体構造57又はフェルト構造58のいずれかをキャニスタ内の任意の場所に配置することができ、例えば、活性炭48のための対向するサンドイッチ層を設けることなどを含む。活性炭材料はまた、燃料蒸気の流れのための複数の通路を提供するためにハニカム設計パターンで押し出された活性化グラフェン誘導体粉末及びポリマーの提供を含むことができる。ポリマーはさらに、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、及びポリウレタンのいずれかを含む群から選択され得る。
【0041】
別の実施形態では、スクラバの新規な設計が、気化した炭化水素のブリード排出を防ぐために表面積が増大されたフォーム又はフェルトの形態のグラフェン誘導体及びポリマーを含むことができる。ポリマーは、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン6,12、ナイロン6,6、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、及びポリウレタンのいずれかを含む群から選択され得る。
【0042】
図4は、全体として60で示されるように、EVPキャニスタ及びスクラバの組み合わせの図を提供しており、62で示されるスクラバは、ベントポート64を介してEVAPキャニスタ66に接続されており、キャニスタは、前述したものと同様の構造である。スクラバ62は、外側ハウジングを含み、活性化グラフェン誘導体、リグノセルロース、木炭、セラミック、結合剤、及びフラックス材料の任意の組み合わせを含むハニカム押出構造を示す内部要素(63参照)を組み込んでいる。また、68で示されるのは、スクラバの管状ハウジング端部である。更なる特徴には、ロードポート70及びパージポート72の両方が含まれる(これらは再び図2の30及び34で繰り返し示される)。図3で前述したように、再構成されたキャニスタ66は、この場合も先と同様に、活性炭74と、それぞれのフォーム76及び/又はフェルト78層のそれぞれを、炭素材料を充填するための対向するサンドイッチ端などに含むことができる。
【0043】
図5は、スクラバ要素(全体として80参照)の更なる図であり、図4と構造が類似しており、同一の要素には繰り返し番号が付けられている。スクラバの変形例62’は、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができる発泡体構造及び/又はフェルト構造のいずれかを有する内部要素63’を組み込んでいる。
【0044】
図6に進むと、スクラバ要素の更なる図が82で示されており、図3に類似しており、キャニスタの内部の任意の場所に配置された発泡体構造(76’のそれぞれ参照)を有し、発泡体構造は、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができる。再び図5を参照すると、これは、先と同様に、前述の活性炭74及びフェルト78層と共に、再構成されたスクラバ要素発泡層(76’参照)を含むことができる。ロードポート70及びパージポート72のそれぞれを含む他の特徴が、修正された通気ポート84と同様に繰り返される。
【0045】
図7は、図6に類似し、再びキャニスタに組み込まれ、フェルト構造(78’の修正されたもの参照)を有するスクラバ要素の更なる図86であり、フェルト構造は、キャニスタ内の任意の場所に配置することができ、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができる。残りの特徴は、図4~6のそれぞれに示すように繰り返し番号が付けられている。
【0046】
最後に、図8は、図6及び図7のハイブリッドであり、キャニスタ内の様々な上部位置及び下部位置に配置された発泡体構造76’及びフェルト構造78’の両方を含み、この場合も先と同様に、グラフェン誘導体、リグノセルロース、及び木炭の任意の組み合わせを含むことができるスクラバ要素の更なる図88である。他の繰り返しの特徴は、図4~7のそれぞれから繰り返されている。
【0047】
新規な吸着材は、この場合も先と同様に、キャニスタの容積を維持し、キャニスタ内の燃料蒸気の適切な吸着を可能にするために使用される、任意の発泡材料の形態のポリマーに組み込まれた任意のグラフェン誘導体を含むことができる。グラフェン誘導体の群は、単層グラフェン、数層グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン、又は官能化グラフェンのいずれかに限定されない。前述のように、グラフェン又はグラフェン誘導体の吸着材は、粉末押出ペレット、型抜きペレット又は成形ペレットのいずれかとして提供され、化学的手法又は熱的手法のいずれかを用いて活性化される。
【0048】
スクラバ要素におけるグラフェン誘導体の充填濃度は、限定されるものではないが、0.1重量パーセントから60重量パーセントまで様々であり得る。スクラバ要素はまた、熱可塑性ポリマーを含むがこれに限定されないポリマーを含むことができ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、及びポリ塩化ビニルのいずれかから選択することができるが、これらに限定されない。
【0049】
別の実施形態では、吸着スクラバ材料は、体積補正器発泡体に組み込まれたグラフェン誘導体と、リグノセルロース材料又は木炭との組み合わせであり得る。グラフェン誘導体は、キャニスタ内に吸着材を詰め込むために使用されるフェルトの形態のポリマーに組み込まれる。グラフェン誘導体の群は、単層グラフェン、数層グラフェン、酸化グラフェン、還元酸化グラフェン、又は官能化グラフェンを含むが、これらに限定されない。グラフェン誘導体の充填濃度は、この場合も先と同様に、限定されるものではないが、0.1重量パーセントから60重量パーセントまで様々であり得る。
【0050】
ポリマーは、この場合も先と同様に熱可塑性ポリマーを含むことができ、ポリウレタン、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12、ナイロン6,12、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、及びポリ塩化ビニルから選択することができるが、これらに限定されない。前述のように、新規な吸着材は、発泡体又はフェルトに組み込まれたグラフェン誘導体とリグノセルロース材料又は木炭との組み合わせを含み得る。
【0051】
他の変形例は、吸着材が、燃料蒸気の流れのための複数の通路を提供するためにハニカム設計パターンに押し出された活性化グラフェン誘導体の粉末及びポリマーとして提供されることを含む。ポリマーは、ポリプロピレン、ナイロン12、ナイロン612、ポリエチレン、テレフタレート、ポリブチレン、ポリフタルアミド、ポリオキシメチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、及びポリウレタンを含む群から選択され得るが、これらに限定されない。粉末は、活性化グラフェン誘導体と、リグノセルロース材料又は木炭との組み合わせを含むことができる。
【0052】
本発明を説明してきたが、他の更なる好ましい実施形態は、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、本発明が関係する技術分野の当業者には明らかになるであろう。詳細な説明及び図面は開示を支持するものであり、開示の範囲は特許請求の範囲によって定義されることがさらに理解される。請求項に記載された教示を実施するための最良の形態及び他の実施形態のいくつかが詳細に説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される開示を実施するための様々な代替的な設計及び実施形態が存在する。
【0053】
前述の開示は、本開示を開示された正確な形態又は特定の使用分野に限定することを意図したものではないことがさらに理解される。したがって、本明細書に明示的に記載されているか暗示されているかにかかわらず、本開示に照らして、本開示に対する様々な別の実施形態及び/又は修正が可能であると考えられる。本開示の実施形態をこのように説明してきたが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の変更を行うことができることを認識するであろう。したがって、本開示は特許請求の範囲によってのみ限定される。
【0054】
前述の明細書では、開示は特定の実施形態を参照して記載されている。しかしながら、当業者が理解するように、本明細書に開示された様々な実施形態は、本開示の主旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の方法で修正又は実施することができる。したがって、この説明は、例示とみなされるべきであり、本開示の様々な実施形態を作成及び使用する方法を当業者に教示することを目的としている。本明細書に示され、記載された開示の形態は、代表的な実施形態として解釈されるべきであることが、理解されるべきである。本明細書に代表的に示され、記載された要素、材料、プロセス又はステップは、等価な要素、材料、プロセス又はステップに置き換えることができる。また、本開示の特定の特徴は、他の特徴の使用から独立して利用することができ、そのすべてが、本開示のこの説明の恩恵を受けた後の当業者には明らかであろう。本開示を説明し、特許請求するために使用される「備える」、「含む」、「組み込む」、「から成る」、「有する」、「である」などの表現は、非排他的に解釈されることが意図されており、すなわち、明示的に記載されていないアイテム、構成要素又は要素も存在することを許容する。単数への言及は、複数にも関係すると解釈されるべきである。
【0055】
さらに、本明細書に開示された様々な実施形態は、例示的及び説明的な意味で解釈されるべきであり、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではない。すべての結合の表現(例えば、取り付けられる、固定される、連結される、接続される等)は、本開示の読者の理解を助けるためにのみ使用され、特に本明細書に開示されたシステム及び/又は方法の位置、方向、又は使用に関して制限を設けることはできない。したがって、結合の表現は、もしあれば、広く解釈されるべきである。また、このような結合の表現は、必ずしも2つの要素が互いに直接接続されていることを暗示するものではない。
【0056】
さらに、限定されるものではないが、「第1」、「第2」、「第3」、「一次」、「二次」、「主要」などのすべての数字的な用語、又は他のあらゆる一般的及び/又は数字的な用語も、本開示の様々な要素、実施形態、変形及び/又は修正に関する読者の理解を助けるための識別子としてのみ解釈されるべきであり、特に、任意の要素、実施形態、変形及び/又は修正の、他の要素、実施形態、変形及び/又は修正に対する順序又は優先順位に関して、いかなる制限を設けるものではない。
【0057】
また、図面/図に示された要素の1つ以上が、特定の用途に従って有用であるように、より分離又は統合された方法で実装することも、場合によっては除去するか又は動作不能にすることさえできることが理解されるであろう。さらに、図面/図のシグナルハッチは、特に明記されない限り、例示としてのみ考慮されるべきであり、限定するものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】