(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】採血装置の展開中のプローブの座屈を低減するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 25/08 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A61M25/08 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525655
(86)(22)【出願日】2022-10-25
(85)【翻訳文提出日】2024-07-01
(86)【国際出願番号】 US2022047635
(87)【国際公開番号】W WO2023076199
(87)【国際公開日】2023-05-04
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス ファーラー
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】メーガン エス.シューリッヒ
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA02
4C267AA03
4C267AA32
4C267BB02
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB31
4C267BB38
4C267BB53
4C267CC08
(57)【要約】
カテーテルと、デバイスを末梢静脈ライン(PIV)に取り付けるように適合されたイントロデューサと、イントロデューサに移動可能に結合されたアクチュエータと、イントロデューサに移動可能に結合されたカテーテル支持体と、を含む流体移送デバイス。カテーテル支持体は、アクチュエータとイントロデューサの遠位端との間に配置される。アクチュエータは、イントロデューサ内に配置された第1の位置と、カテーテルの端部がイントロデューサの端部を超えてPIV内に延びる第2の位置との間でカテーテルを移動させる。カテーテル支持体は、通路を画定する。カテーテルは、カテーテル支持体の通路を介してアクチュエータからイントロデューサの遠位端まで延びる。アクチュエータがカテーテルを移動させると、アクチュエータはカテーテル支持体に接触し、カテーテル支持体をイントロデューサに対して移動させる。デバイスはまた、アダプタをカテーテル支持体に結合するためのカプラを含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体移送デバイスであって、
近位端部分および遠位端部分を有し、前記近位端部分および前記遠位端部分を通って延びる管腔を画定するカテーテルと、
近位端部分および遠位端部分を有するイントロデューサであって、前記イントロデューサは、前記カテーテルを移動可能に受け入れるように構成された内部容積を画定し、前記イントロデューサの前記遠位端部分が、前記イントロデューサを留置末梢静脈ラインに結合するように構成されたロックを有する、イントロデューサと、
前記イントロデューサに移動可能に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記イントロデューサの外側に配置された第1の部分と、前記イントロデューサの前記内部容積に配置され、前記カテーテルの前記近位端部分に結合された第2の部分とを有し、前記アクチュエータは、前記カテーテルが前記イントロデューサ内に配置された第1の位置と、前記カテーテルの前記遠位端部分が前記イントロデューサの前記遠位端部分を超えて配置され、前記イントロデューサが前記末梢静脈ラインに結合されたときに前記カテーテルの少なくとも第1の部分が前記末梢静脈ライン内に配置される第2の位置との間で前記カテーテルを移動させるように前記イントロデューサに対して移動するように構成されている、アクチュエータと、
前記イントロデューサに移動可能に結合され、前記アクチュエータと前記イントロデューサの前記遠位端部分との間に配置された通路を画定するカテーテル支持体と、
を備え、
前記カテーテルは、前記アクチュエータの前記第2の部分から前記カテーテル支持体の前記通路を通って前記イントロデューサの前記遠位端部分に延び、前記カテーテルを前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるための前記アクチュエータの移動中に、前記アクチュエータは、前記カテーテル支持体の少なくとも一部に接触し、前記イントロデューサに対して前記カテーテル支持体を移動させる、流体移送デバイス。
【請求項2】
前記カテーテル支持体は、ブラケット部分と、前記通路を含み、前記ブラケット部分から延びるハブ部分とを備える、請求項1に記載の流体移送デバイス。
【請求項3】
前記アクチュエータの第1の部分および前記カテーテル支持体の前記ブラケット部分は、前記イントロデューサの前記内部容積の第1の部分内に配置され、前記アクチュエータの第2の部分および前記カテーテル支持体の前記ハブ部分は、前記イントロデューサの前記内部容積の第2の部分内に配置され、前記内部容積の前記第1の部分は、前記内部容積の前記第2の部分によって画定される軸に平行であり、かつ、前記第2の部分によって画定される軸からオフセットされる軸を画定する、請求項2に記載の流体移送デバイス。
【請求項4】
前記カテーテル支持体の前記ブラケット部分は、前記イントロデューサの前記内面に設けられたフランジの外面に対応するプロファイルを有し、前記ブラケット部分が前記フランジにフィットし、少なくとも部分的に覆い、前記フランジに沿って前記イントロデューサに対して移動可能である、請求項2に記載の流体移送デバイス。
【請求項5】
前記通路は、前記カテーテルが前記イントロデューサの前記内部容積内での前記カテーテルの過度の動きを防止するために、前記カテーテルを収容しながら、前記通路を自由に通過することを可能にするようなサイズおよび形状である、請求項1に記載の流体移送デバイス。
【請求項6】
前記通路は、前記通路の近位開口に隣接し、前記通路の近位開口と流体連通する近位部分と、前記通路の遠位開口に隣接し、前記通路の遠位部分と流体連通する遠位部分とを含み、前記通路の遠位部分は実質的に円筒形であり、前記近位部分の直径が前記近位開口から前記通路の近位部分と前記通路の遠位部分との間の接合部まで遠位方向に減少するように、前記近位部分は円錐形または漏斗形である、請求項1に記載の流体移送デバイス。
【請求項7】
前記通路の前記遠位開口の直径は、前記通路の前記近位開口の直径よりも小さく、前記近位部分の直径は、前記近位開口の直径から前記通路の前記遠位開口の直径まで遠位方向に減少する、請求項6に記載の流体移送デバイス。
【請求項8】
前記カテーテル支持体の前記ハブ部分が、前記アクチュエータと前記イントロデューサの前記遠位端部分との間に配置され、前記ハブ部分が、前記アクチュエータと前記イントロデューサの前記遠位端部分との間の前記カテーテルの支持されていない長さを2つのより小さな部分に分割する、請求項2に記載の流体移送デバイス。
【請求項9】
前記アクチュエータが前記カテーテルの前記第2の位置に向かって前記遠位方向に部分的に前進するとき、前記アクチュエータは、前記カテーテル支持体の前記ハブ部分に接触し、前記アクチュエータの前記遠位方向へのさらなる移動中に、前記アクチュエータは、前記カテーテル支持体の前記ハブ部分を前記遠位方向に押し、前記カテーテル支持体の前記ブラケット部分は、前記フランジに沿って前記遠位方向に前進する、請求項2に記載の流体移送デバイス。
【請求項10】
前記アクチュエータの一部は、前記ハブ部分の前記通路の一部内に少なくとも部分的に受け入れられるように寸法および形状が決められている、請求項9に記載の流体移送デバイス。
【請求項11】
前記アクチュエータを前記カテーテル支持体に解放可能に結合するためのカップリングをさらに備える、請求項1に記載の流体移送デバイス。
【請求項12】
前記カップリングは、前記アクチュエータの遠位端における可撓性ビームの表面上に突起および凹部の一方を備え、前記カテーテル支持体の表面上に突起および凹部の他方を備える、請求項11に記載の流体移送デバイス。
【請求項13】
前記アクチュエータの前記カテーテル支持体への結合中の前記可撓性ビームの屈曲を容易にするために、前記可撓性ビームおよび/または前記カテーテル支持体の遠位端にカム面が設けられている、請求項12に記載の流体移送デバイス。
【請求項14】
前記突起または凹部の遠位の前記可撓性ビームの前記表面にストップが設けられている、請求項12に記載の流体移送デバイス。
【請求項15】
前記カップリングは、前記アクチュエータの遠位端にある可撓性ビームの表面上の突起と、ストップ部分および係合部分を含む解放可能なロックとを備え、前記解放可能なロックの前記係合部分は、前記突起と係合して、前記アクチュエータを前記カテーテル支持体に結合する、請求項11に記載の流体移送デバイス。
【請求項16】
前記解放可能なロックの前記ストップ部分は、前記イントロデューサに設けられた溝に沿って受け入れられ、移動可能である、請求項15に記載の流体移送デバイス。
【請求項17】
前記カテーテル支持体の近位移動中に、前記解放可能なロックの前記ストップ部分が前記溝の近位端に当接するとき、前記カテーテル支持体のさらなる近位移動はもはや不可能である、請求項16に記載の流体移送デバイス。
【請求項18】
前記近位方向に前記アクチュエータに加えられるさらなる力は、前記可撓性ビーム上の前記突起と前記解放可能なロックの前記係合部分との間の前記係合が解除され、前記アクチュエータが前記カテーテル支持体から分離される、請求項17に記載の流体移送デバイス。
【請求項19】
前記カップリングは、前記アクチュエータの遠位端から延びるフックと、前記カテーテル支持体から延びるフックを有する対応する枢動可能な突起とを含む係合突起を備える、請求項11に記載の流体移送デバイス。
【請求項20】
前記枢動可能な突起は、前記イントロデューサに画定されたカムスロットに乗るピンの周りを枢動し、前記カムスロットは、保持部分および移動部分を含み、前記保持部分は、前記移動部分の近位端に設けられ、前記移動部分と下向きの角度を形成する、請求項19に記載の流体移送デバイス。
【請求項21】
前記ピンが前記保持部分にある状態で、前記カテーテル支持体が移動を制限される、請求項20に記載の流体移送デバイス。
【請求項22】
前記係合突起は、前記アクチュエータが前記カテーテル支持体に当接するときに、前記枢動可能な突起を受け入れるための凹部を画定し、前記アクチュエータが前記カテーテル支持体に当接するとき、前記枢動可能な突起は、前記凹部に受け入れられ、前記凹部の傾斜した底面によって枢動され、前記係合突起の前記フックは、前記枢動可能な突起の前記フックと係合する、請求項19に記載の流体移送デバイス。
【請求項23】
前記カテーテル支持体の近位移動を停止するための格納止めをさらに備える、請求項1に記載の流体移送デバイス。
【請求項24】
前記アクチュエータおよび前記カテーテル支持体が移動する前記イントロデューサの内面に設けられたフランジをさらに備え、前記格納止めが前記フランジから上方に延び、前記フランジに沿って移動する前記アクチュエータの一部は、前記格納止めに対応する溝を含み、前記アクチュエータは、前記格納止めを過ぎる前記カテーテル支持体の近位移動が制限されている間、前記格納止めを過ぎて近位に移動することができる、請求項23に記載の流体移送デバイス。
【請求項25】
前記イントロデューサのスロットに配置された戻り止めをさらに備え、前記戻り止めが前記カテーテル支持体と係合して、前記カテーテル支持体の移動を制限する、請求項1に記載の流体移送デバイス。
【請求項26】
前記カテーテル支持体は、前記カテーテル支持体から前記イントロデューサの開口を通って延びる少なくとも1つのロック突起をさらに含み、前記ロック突起の少なくとも一部は、前記イントロデューサの外面に沿って遠位方向に延び、
前記少なくとも1つのロック突起は、前記カテーテル支持体が前記イントロデューサの前記遠位端部分に配置されるとき、前記ロック突起は、前記カテーテル支持体が前記留置末梢静脈ラインから前記ロックを外すために近位方向に移動しなければならないように、前記ロックの前記解放と干渉するように配置されるようなサイズおよび形状である、請求項1に記載の流体移送デバイス。
【請求項27】
前記カテーテル支持体は、ブラケット部分から前記イントロデューサのスロットを通って延びる係合部材をさらに備える、請求項26に記載の流体移送デバイス。
【請求項28】
少なくとも1つのロック突起が前記係合部材から延び、前記ロック突起の少なくとも一部が前記イントロデューサの外面に沿って遠位方向に延び、
前記少なくとも1つのロック突起は、前記カテーテル支持体が前記イントロデューサの前記遠位端部分に配置されるとき、前記ロック突起は、前記カテーテル支持体が前記留置末梢静脈ラインから前記ロックを外すために近位方向に移動しなければならないように、前記ロックの前記解放と干渉するように配置されるようなサイズおよび形状である、請求項27に記載の流体移送デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、末梢静脈ラインまたはカテーテルを介した瀉血のための流体移送デバイス、および流体移送デバイスを使用して患者に血液を採取または薬物を投与する方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年10月29日に出願された「System for Reduced Buckling of a Probe During Deployment of a Blood Draw Device」と題された米国仮出願第63/273,237号の優先権を主張し、その全体の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
典型的な入院患者は、医師が臨床検査を指示するたびに針に遭遇する。採血のための標準的な手順は、金属針(「蝶針」)を使用して、腕または手で患者の静脈を「突き刺す」ことを含む。採血は手作業による労働集約型のプロセスであり、平均的な患者は典型的な入院中に数時間の直接的な熟練労働を必要とする。この針刺しは痛みを伴うだけでなく、患者の不満の主要な原因でもあるが、看護師または専門の採血担当者(採血医)は、患者の約10~15%で静脈を見つけることが困難であることが多く、複数の痛みを伴う「突き刺す」試みをもたらす。これにより、材料および人件費が大幅に増加し(針およびチューブはすべての試みの後に処分する必要がある)、患者の痛みおよび打撲傷が増加する。
【0004】
現在の採血プロセスは非効率的で、平均7~10分かかり、10%の患者で21分以上かかる。これらの10%の患者は、困難な静脈内アクセス、またはより一般的には「タフスティック(tough stick)」患者と呼ばれる。表面的な静脈が容易に明らかでない場合、手首から肘まで梁をマッサージすること、人差し指と中指で部位をタップすること、暖かく湿ったウォッシュクロスを部位に5分間塗布すること、または四肢をベッドサイドに下げて静脈を満たすことによって、血液を静脈に押し込むことができる。これらの方法のそれぞれは時間がかかり、したがってコストがかかる。
【0005】
末梢静脈内カテーテル(PIV)は、入院中にほとんどの患者に挿入され、液体や薬剤の注入に使用される。ただし、採血用に設計されているわけではない。PIVを1日以上挿入したままにすると、吸引の失敗率は20~50%に達する。PIVから抽出された血液は、しばしば溶血され、赤血球の破裂およびその内容物の周囲の液体への放出として定義され、その結果、サンプルが廃棄され、採血を繰り返す必要がある。
【0006】
いくつかの障壁は、PIVを介して血液を抽出することの欠点に寄与する可能性がある。第1に、ほとんどのカテーテルは、軟質生体反応性ポリマーから形成され、これは、吸引のために負圧が印加されると、カテーテルの潜在的な狭窄または崩壊につながる可能性がある。別の障壁は、より長い留置時間が、カテーテルの先端およびカテーテルおよび/またはPIVの管腔内に蓄積する破片(例えば、フィブリン/血小板凝固)を増加させる可能性があることである。同様に、そのような破片は、PIVが配置される静脈の管腔を少なくとも部分的に閉塞し得る。いくつかの事例では、PIVの周りのこの破片(例えば、フィブリン/血小板凝固)は、挿入されたPIVを取り囲む静脈の部分内の血流の低下(例えば、上流および下流の両方)をもたらし得、これは次に、不適切なおよび/または非効率的な吸引をもたらす。別の障壁は、「吸引カップ」効果に起因し、カテーテルを通る吸引によって生成される負圧および静脈の可能な湾曲経路は、カテーテルの先端が静脈の壁に付着することをもたらす。負圧が増加すると、静脈が破裂して「静脈を吹き飛ばす」可能性があり、これは、PIVを介した吸引中の採血医の懸念である。
【0007】
カテーテルをPIV内および/またはPIVを通して挿入する流体移送デバイスを使用することによって、これらの欠点のいくつかを克服することができる。しかしながら、流体移送デバイスのカテーテルの展開中、特にカテーテルの近位端部分が、PIVが皮膚に入る近くのPIVのSカーブ領域に到達し、PIV内で上向きに湾曲し、静脈に沿って通過するように再び湾曲するとき、流体移送デバイスのカテーテルは、流体収集のカテーテルの曲げ、ねじれ、および/または変形を引き起こす可能性のある柱荷重にさらされる。カテーテルが曲がるにつれて、それはランダムな方向に移動して正弦波を作成することができ、その後、力が増加するにつれて流体移送デバイスのハウジングの側壁に対して平坦になる。さらに力を加えると、カテーテルが二重に戻り、崩壊する可能性がある。したがって、少なくともこの問題を解決する流体移送デバイスの必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第8,366,685号明細書
【発明の概要】
【0009】
本発明は、末梢静脈ラインまたはカテーテルを介した瀉血のための流体移送デバイスを対象とする。流体移送デバイスは、近位端部分および遠位端部分を有し、近位端部分および遠位端部分を通って延びる管腔を画定するカテーテルと、近位端部分および遠位端部分を有するイントロデューサと、イントロデューサに移動可能に結合されたアクチュエータと、イントロデューサに移動可能に結合され、アクチュエータとイントロデューサの遠位端部分との間に配置されたカテーテル支持体とを備える。イントロデューサは、カテーテルを移動可能に受け入れるように構成された内部容積を画定し、イントロデューサの遠位端部分は、イントロデューサを留置末梢静脈ラインに結合するように構成されたロックを有する。アクチュエータは、イントロデューサの外側に配置された第1の部分と、イントロデューサの内部容積に配置され、カテーテルの近位端部分に結合された第2の部分とを有する。アクチュエータは、カテーテルがイントロデューサ内に配置されている第1の位置と、カテーテルの遠位端部分がイントロデューサの遠位端部分を超えて配置されている第2の位置との間でカテーテルを移動させるためにイントロデューサに対して移動するように構成され、イントロデューサが末梢静脈ラインに結合されているときに、カテーテルの少なくとも第1の部分が末梢静脈ライン内または末梢静脈ラインを超えて配置される。カテーテル支持体は、通路を備え、イントロデューサに移動可能に結合され、アクチュエータとイントロデューサの遠位端部分との間に配置される。カテーテルは、アクチュエータの第2の部分からカテーテル支持体の通路を通ってイントロデューサの遠位端部分に延び、カテーテルを第1の位置から第2の位置に移動させるためのアクチュエータの移動中に、アクチュエータは、カテーテル支持体の少なくとも一部に接触し、イントロデューサに対してカテーテル支持体を移動させる。
【0010】
カテーテル支持体は、ブラケット部分と、通路を含み、ブラケット部分から延びるハブ部分とを含み得る。アクチュエータの第1の部分およびカテーテル支持体のブラケット部分は、イントロデューサの内部容積の第1の部分内に配置され得、アクチュエータの第2の部分およびカテーテル支持体のハブは、イントロデューサの内部容積の第2の部分内に配置され得る。内部容積の第1の部分は、内部容積の第2の部分によって画定される軸に平行であり、かつ、軸からオフセットである軸を画定し得る。カテーテル支持体のブラケット部分は、ブラケット部分がフランジに適合し、少なくとも部分的にフランジを覆い、フランジに沿ってイントロデューサに対して移動可能であるように、イントロデューサの内面に設けられたフランジの外面に対応するプロファイルを有し得る。
【0011】
通路は、カテーテルがカテーテルを収容している間にカテーテルが通路を自由に通過することを可能にして、イントロデューサの内部容積内でのカテーテルの過度の動きを防止するようなサイズおよび形状であり得る。通路は、通路の近位開口に隣接し、通路の近位開口と流体連通する近位部分と、通路の遠位開口に隣接し、通路の遠位開口と流体連通する遠位部分とを含み得る。通路の遠位部分は、実質的に円筒形であってもよく、近位部分は、近位部分の直径が近位開口から通路の近位部分と通路の遠位部分との間の接合部まで遠位方向に減少するように、円錐形または漏斗形であってもよい。通路の遠位開口の直径は、通路の近位開口の直径よりも小さくてもよく、近位部分の直径は、近位開口の直径から通路の遠位開口の直径まで遠位方向に減少してもよい。
【0012】
カテーテル支持体は、ブラケット部分からイントロデューサのスロットを通って延びる係合部材をさらに備え得る。
【0013】
カテーテル支持体のハブは、ハブがアクチュエータとイントロデューサの遠位端部分との間のカテーテルの支持されていない長さを2つのより小さな部分に分割するように、アクチュエータとイントロデューサの遠位端部分との間に配置され得る。
【0014】
アクチュエータが遠位方向に移動し、カテーテルを第2の位置に向かって部分的に前進させると、アクチュエータは、カテーテル支持体のハブに接触し、アクチュエータの遠位方向へのさらなる移動中に、アクチュエータは、カテーテル支持体のハブを遠位方向に押し、カテーテル支持体のビームは、フランジに沿って遠位方向に前進する。アクチュエータの一部は、ハブの通路の一部内に少なくとも部分的に受け入れられるように寸法決定され、成形され得る。
【0015】
流体移送デバイスは、アクチュエータをカテーテル支持体に解放可能に結合するための結合部をさらに備え得る。
【0016】
カップリングは、アクチュエータの遠位端の可撓性ビームの表面上の突起および凹部の一方と、カテーテル支持体の表面上の突起および凹部の他方とを含み得る。カム面は、アクチュエータのカテーテル支持体への結合中に可撓性ビームの屈曲を容易にするために、可撓性ビームおよび/またはカテーテル支持体の遠位端に設けられ得る。突起または凹部の遠位の可撓性ビームの底面にストップを設け得る。
【0017】
あるいは、カップリングは、アクチュエータの遠位端にある可撓性ビームの表面上の突起と、ストップ部分および係合部分を含む解放可能なロックとを含み得、解放可能なロックの係合部分は、突起と係合して、アクチュエータをカテーテル支持体に結合する。解放可能なロックのストップ部分は、イントロデューサに設けられた溝に沿って受け入れられ、移動可能であり得る。カテーテル支持体の近位移動中に、解放可能なロックの停止部分が溝の近位端に当接するとき、カテーテル支持体のさらなる近位移動はもはや不可能である。近位方向にアクチュエータに加えられるさらなる力は、アクチュエータがカテーテル支持体から分離されるように、可撓性ビーム上の突起と解放可能ロックの係合部分との間の係合を解放する。
【0018】
あるいは、カップリングは、アクチュエータの遠位端から延びるフックと、カテーテル支持体から延びるフックを有する対応する枢動可能な突起とを含む係合突起を含み得る。枢動可能な突起は、イントロデューサに画定されたカムスロットに乗るピンの周りを枢動し、カムスロットは、保持部分および移動部分を備える。保持部分は、移動部分近位端に設けられ、移動部分下向きの角度を形成する。係合突起は、アクチュエータがカテーテル支持体に当接するときに枢動可能な突起を受け入れるための凹部を画定し、アクチュエータがカテーテル支持体に当接するとき、枢動可能な突起は、凹部に受け入れられ、凹部の傾斜した底面によって枢動され、係合突起のフックは、枢動可能な突起のフックと係合する。保持部にピンがあると、カテーテル支持体の動きが制限される。
【0019】
流体移送デバイスは、カテーテル支持体の近位移動を停止するための格納ストップをさらに備え得る。フランジは、アクチュエータおよびカテーテル支持体が移動するイントロデューサの内面に設けられ得る。格納止めは、フランジから上方に延びてもよく、フランジに沿って移動するアクチュエータの一部は、格納止めに対応する溝を含んでもよく、その結果、アクチュエータは、格納止めを通過するカテーテル支持体の近位移動が制限されている間に、格納止めを通過する近位方向に移動することができる。
【0020】
流体移送デバイスは、イントロデューサのスロットに配置された戻り止めを含んでもよく、戻り止めは、カテーテル支持体と係合して、カテーテル支持体の移動を制限する。
【0021】
カテーテル支持体は、カテーテル支持体からイントロデューサの開口を通って延びる少なくとも1つのロック突起をさらに備え得、ロック突起の少なくとも一部は、イントロデューサの外面に沿って遠位方向に延びる。少なくとも1つのロック突起は、カテーテル支持体がイントロデューサの遠位端部分に配置されるとき、ロック突起がロックの解放を妨げるように配置され、カテーテル支持体が留置末梢静脈ラインからロックを切り離すために近位方向に移動しなければならないような寸法および形状にされる。少なくとも1つのロック突起は、カテーテル支持体の任意選択の係合部材から延在し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、第1の構成における本発明の流体移送デバイスの斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示される本発明の流体移送デバイスの上面図である。
【
図3】
図3は、
図1に示される本発明の流体移送デバイスの分解図である。
【
図4】
図4は、
図1の本発明の流体移送デバイスに含まれるイントロデューサの第1の部材の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1の本発明の流体移送デバイスに含まれるイントロデューサの第2の部材の斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6においてA
1として識別される第2の部材の領域の拡大図である。
【
図8】
図8は、
図4に示される第1の部材を
図5に示される第2の部材に結合することによって形成されるイントロデューサの背面斜視図である。
【
図9】
図9は、
図8に示されるイントロデューサの正面斜視図である。
【
図10】
図10は、
図9の線10-10に沿って取られたイントロデューサの断面図である。
【
図11】
図11は、
図1の本発明の流体移送デバイスに含まれるロックの背面斜視図である。
【
図12】
図12は、
図1の本発明の流体移送デバイスに含まれるロックの上面図である。
【
図14】
図14は、
図1の本発明の流体移送デバイスに含まれるカテーテル、二次カテーテル、およびアクチュエータの分解斜視図である。
【
図18】
図18は、
図4の線18-18に沿って取られた本発明の流体移送デバイスの断面図である。
【
図20】
図20は、イントロデューサの第2の部材を取り外した、
図1の本発明の流体移送デバイスのイントロデューサの側面斜視図である。
【
図21】
図21は、
図1の本発明の流体移送デバイスのイントロデューサ内のカテーテル支持体の斜視図である。
【
図22A】
図22Aは、イントロデューサの第2の部材を取り外した第1の構成の
図1の本発明の流体移送デバイスのイントロデューサの側面斜視図である。
【
図22B】
図22Bは、本発明の流体移送デバイスが第1の構成から第2の構成に移行し、イントロデューサの第2の部材が取り外されるときの、
図1の本発明の流体移送デバイスのイントロデューサの側面斜視図である。
【
図22C】
図22Cは、イントロデューサの第2の部材を取り外した第2の構成の
図1の本発明の流体移送デバイスのイントロデューサの側面斜視図である。
【
図23】
図23は、カテーテル支持体の通路の一部にアクチュエータの一部を入れ子にする直前の、本発明の流体移送デバイスのアクチュエータおよびカテーテル支持体の側面断面図である。
【
図24】
図24は、第1の構成における
図1の本発明の流体移送デバイスの側面図である。
【
図25】
図25は、
図1の線25-25に沿った第1の構成における本発明の流体移送デバイスの断面図である。
【
図26】
図26は、
図25の領域A
2によって識別される本発明の流体移送デバイスの一部の拡大断面図である。
【
図27】
図27は、
図25の領域A
3によって識別される本発明の流体移送デバイスの一部の拡大断面図である。
【
図28】
図28は、本発明の流体移送デバイスが第1の構成から第2の構成に移行しているときの、
図1の本発明の流体移送デバイスの側面図である。
【
図29】
図29は、
図28の領域A
4によって識別される本発明の流体移送デバイスの一部の拡大図である。
【
図30】
図30は、第2の構成における
図1の本発明の流体移送デバイスの側面図である。
【
図31】
図31は、
図1の線25-25に沿った第2の構成における本発明の流体移送デバイスの断面図である。
【
図32】
図32は、
図31の領域A
5によって識別される本発明の流体移送デバイスの一部の拡大断面図である。
【
図33A】
図33Aは、アクチュエータをカテーテル支持体に結合するための構成の斜視図である。
【
図34】
図34は、アクチュエータをカテーテル支持体に結合するための代替構成の側面図である。
【
図35A】
図35Aは、第1の構成の本発明の流体移送デバイスの上面図であり、流体移送デバイスは、ロック突起を有するカテーテル支持体を有する。
【
図36】
図36は、ロック突起を有するカテーテル支持体の斜視図である。
【
図38】
図38は、本発明の流体移送デバイスのイントロデューサに配置された
図36のカテーテル支持体の断面図である。
【
図39A】
図39Aは、第1の構成の本発明の流体移送デバイスの上面図であり、流体移送デバイスは、2つのロック突起を有するカテーテル支持体を有する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本明細書で使用される場合、別途明示的に指定されない限り、値、範囲、量またはパーセンテージを表すものなどのすべての数値は、用語が明示的に表示されていなくても、単語「約」が前に付されているかのように読み取られ得る。本明細書に記載される任意の数値範囲は、その中に含まれる全ての部分範囲を含むように意図される。例えば、「1~10」の範囲は、列挙された最小値1と列挙された最大値10との間の、およびそれらを含む任意のおよびすべてのサブ範囲、すなわち、1以上の最小値で始まり、10以下の最大値で終わるすべてのサブ範囲、ならびに、例えば、1~6.3、または5.5~10、または2.7~6.1の間のすべてのサブ範囲を含むことが意図される。複数形には単数形が含まれ、その逆も同じである。範囲が与えられるとき、それらの範囲および/またはそれらの範囲内の数の任意のエンドポイントを、本発明の範囲と組み合わせることができる。”含む”、”例えば~など”、”例えば”、および同様の用語は、”含む/例えば~など/例えば”を意味するが”それらに限定されない”。
【0024】
以下の説明の目的のために、使用される空間配向用語は、添付の図面、図面、または以下の詳細な説明に記載されているように、参照される実施形態に関連するものとする。しかしながら、以下に説明する実施形態は、多くの代替の変形および構成を想定し得ることを理解されたい。また、添付の図面、図面、または他の方法で本明細書に記載される特定の構成要素、デバイス、特徴、および動作シーケンスは、単に例示的なものであり、限定的であると見なされるべきではないことも理解されたい。
【0025】
本明細書で使用される場合、「カテーテル」という用語は、体液を第1の位置から第2の位置に移動させるための通路、例えば、体液を体外に移動させるための流体通路を画定するように構成された要素を同義的に説明するために使用される。カテーテルは、患者の体内の容積にカテーテルを送達するためにトロカール、ガイドワイヤ、またはイントロデューサを受け入れるように構成することができるが、本明細書で言及されるカテーテルは、トロカール、ガイドワイヤ、またはイントロデューサを含むか、または受け入れる必要はない。
【0026】
本明細書で使用されるように、用語「Yアダプタ」および「Tアダプタ」は、デュアルポートIV延長セットを指すために使用される。このようにして、用語「Yアダプタ」および「Tアダプタ」は、一般に、デュアルポートIV延長セットの全体的な形状を説明する。例えば、本明細書で使用されるように、Yアダプタは、第1の端部に単一のポートおよび第2の端部に角度を付けて配置された2つのポートを含む実質的に「Y」形状である。さらに、用語「Yアダプタ」および「Tアダプタ」は、限定ではなく、例としてのみ含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、装置は、単一ポートIV延長セット(例えば、単一ポートアダプタ)またはマルチポートIV延長セット(例えば、2つ以上のポートを有するアダプタ)を含むことができる。
【0027】
本明細書で使用される場合、「近位」および「遠位」という用語は、それぞれ、デバイスを患者と接触させることになる使用者に近い方向および遠い方向を指す。したがって、例えば、最初に患者の体に接触するデバイスの端部は遠位端であり、使用者によって操作されているデバイスの反対側の端部はデバイスの近位端である。
【0028】
本発明は、末梢静脈ラインまたはカテーテルを介した瀉血のための流体移送デバイス、および流体移送デバイスを使用して患者に血液を採取または薬物を投与する方法を対象とする。
【0029】
図1~32は、本発明による流体移送デバイス200を示す。流体移送デバイス200は、任意の適切な形状、サイズ、または構成とすることができ、例えば、ロックおよび/またはアダプタを介して、末梢静脈内カテーテル(PIV)に結合することができる(
図1~32には示されていない)。本明細書でさらに詳細に説明されるように、ユーザは、流体移送デバイス200が既存の、配置された、および/または留置されたPIVを通してカテーテル260を前進させるために、第1の構成から第2の構成に流体移送デバイス200を遷移させることができ、その結果、カテーテル260の少なくとも端部は、PIVに対して遠位位置に配置される。さらに、例えば、PIVの製造業者および/またはその意図された用途に基づいて変化することができる形状、サイズ、および/または構成を有する末梢静脈ラインを用いて、流体移送デバイス200は、流体移送デバイス200が任意の適切な構成を有するPIVに結合されることを可能にし、その後、カテーテル260の少なくとも一部を、ねじれ、つまずき、破損、および/または望ましくない方法でカテーテル260を実質的に再構成することなく、PIVを通して前進させるように配置され得る。加えて、流体移送デバイス200は、使用者によって操作されて、血液の実質的に遮断されていない流れを受け入れる静脈の一部内に配置されるPIVの遠位表面を超えて、カテーテル260の遠位表面を所定のおよび/または所望の距離に配置することができる。
【0030】
図1~
図3に示されるように、流体移送デバイス200は、イントロデューサ210、ロック240、カテーテル260、二次カテーテル265、アクチュエータ270、およびカテーテル支持体280を備える。イントロデューサ210は、任意の適切な形状、サイズ、または構成であり得る。例えば、イントロデューサ210は、実質的に円形の断面形状を有する細長い部材であることができ、またはイントロデューサ210の形状および/またはイントロデューサ210の外面の少なくとも一部の1つまたは複数の特徴または表面仕上げは、流体移送デバイス200の人間工学的性質を高めるように配置することができ、これは、場合によっては、流体移送デバイス200をユーザが片手で操作すること(すなわち、片手使用)を可能にすることができる。
【0031】
図3~10に示されるように、流体移送デバイス200のイントロデューサ210は、イントロデューサ210を集合的に形成するように結合された第1の部材220および第2の部材230を含む。
図4に示されるように、第1の部材220は、近位端部分221、遠位端部分222、および内面223を含む。内面223は、第1の部分226および第2の部分227を有する。第1の部材220の近位端部分221、より具体的には、第1の部材220の近位壁は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、二次カテーテル265の一部を選択的に受け入れるように構成されたノッチ224を画定する。
【0032】
図5~
図7に示されるように、第2の部材230は、近位端部分231、遠位端部分232、内面233、および外面235を有する。第1の部材220を参照して上述したように、第2の部材230の近位端部分231、より具体的には、第2の部材230の近位壁は、二次カテーテル265の一部を選択的に受け入れるように構成されたノッチ234を画定する。第2の部材230の外面235は、任意選択で、第2の部材230の長さに沿って分布する一組のリブ236を含み得る。より具体的には、各リブ236は、第2の部材230の幅に沿って延び、第2の部材230の長さに沿って連続的に分布する。このようにして、外面235は、第2の部材230の長さに沿って配置された交互の局所最小値および局所最大値を画定する。本明細書でさらに詳細に説明されるように、アクチュエータ270の一部は、ユーザがイントロデューサ210に対してアクチュエータ270を移動させ、次に、アクチュエータ270およびそれに結合されたカテーテル260を振動させるときに、一組のリブ236を形成する外面235に沿って前進するように構成される。いくつかの例では、この振動は、例えば、一部または流体移送デバイス200、PIVの一部、および/または血管系の一部を通るカテーテル260の前進を容易にすることができる。さらに、いくつかの例では、振動は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、イントロデューサ210および/またはPIVに対するカテーテル260の位置に関連付けられた触覚および/または可聴インジケータをユーザに提供することができる。
【0033】
第2の部材230の外面235によって形成されたリブ236は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得る。例えば、
図6および7に示すように、リブ236のセットは、第1のサイズおよび形状を有する第1の部分237と、第1のサイズおよび形状とは異なる第2のサイズおよび形状を有する第2の部分238とを含む。リブ236の第1の部分237は、任意の適切な構成および/または配置を有することができる。例えば、第1の部分237の各リブは、実質的に同じサイズおよび形状を有する実質的に均一であり得る。あるいは、第1の部分237に含まれる各リブは、第1の部分237の残りのリブとは異なるサイズおよび形状を有することができる。例えば、第1の部分237内の各リブのサイズおよび形状は、最小のサイズおよび形状を有する最も近位のリブから最大のサイズおよび形状を有する最も遠位のリブに増加することができる。さらに、第1の部分237のリブは実質的に対称であるように示されているが、第1の部分237の各リブは非対称であり得る。例えば、各リブの近位面は、第1のピッチ(角度)を有し得、各リブの遠位面は、第1のピッチよりも大きい第2のピッチを有し得る。そのような非対称配置は、アクチュエータ270の一部が、遠位方向に移動したときに第1の特性セットで外面235に沿って移動し、近位方向に移動したときに第1の特性セットとは異なる第2の特性セットで外面235に沿って移動するようにすることができる。例えば、アクチュエータ270の一部は、近位方向よりも遠位方向に外面235に沿ってより自由に移動することができる。
【0034】
同様に、リブ236の第2の部分238は、任意の適切な構成および/または配置を有することができる。例えば、第2の部分238の各リブ236は、第2の部分238の残りのリブ236と実質的に同じサイズおよび形状を有する実質的に均一であり得る。
図9に示されるように、第2の部分238の各リブは、第1の部分237の各リブのサイズおよび形状よりも大きいサイズおよび形状を有し得る。第2の部分238のリブ236のサイズを増加させることは、アクチュエータ270が(上述のように)外面235に沿って移動するにつれてより大きな量の振動をもたらし得るか、またはアクチュエータ270の部分を外面235に沿って移動させるのに十分な力の増加をもたらし得る。第2の部分238のリブ236は、実質的に均一であり、第1の部分237のリブ236よりも大きいサイズを有するように示され、説明されているが、第2の部分238のリブは、第1の部分237のリブを参照して上述した配置および/または構成のいずれかを有し得る。
【0035】
リブ236のセットが第2の部材230の長さに沿って所与の点で第1の部分237から第2の部分238に遷移する間(例えば、
図7を参照)、リブ236のセット内の各リブ236のサイズおよび形状は、最小のサイズおよび形状を有する第1の部分237の近位最多のリブから最大のサイズおよび形状を有する第2の部分238の遠位最多のリブまで増加し得、その結果、リブ236のセット内のリブのそれぞれのサイズおよび形状は、各連続するリブとともに、例えば、遠位方向に増加する。
【0036】
リブ236のセットは、第1の部分237および第2の部分238よりも多くをさらに含み得る。例えば、第2の部材は、第2の部材230の第1の部分237と同様のサイズ、形状、および構成を有する第1の部分および第2の部分と、第1の部分と第2の部分との間に配置され、第2の部材230の第2の部分238と同様のサイズ、形状、および構成を有する第3の部分とを有する一組のリブを含むことができる。この構成では、第2の部材230は、リブの近位部分と、それらの間に配置されたリブの内側部分よりも小さいリブの遠位端部分とを含む。
【0037】
第2の部材230のリブ236のセットの配置は、近位の最もリブおよび遠位の最もリブがより大きく、および/またはそうでなければ、アクチュエータ270の部分を近位の最もリブに対して近位の位置および遠位の最もリブに対して遠位の位置にそれぞれ少なくとも一時的に維持するように動作可能な形状を有するようにし得る。
【0038】
リブ236のセットは、第2の部材230の外面235上にのみ形成されるように示されているが、第1の部材220は、第2の部材230上のリブ236のセットの代替として、または第2の部材230上のリブ236のセットに加えて、一組のリブを形成する外面を含むことができる。そのような実施形態では、第1の部材220のリブのセットは、第2の部材230のリブのセット236を参照して上述した構成および/または配置のいずれかであり、および/またはそれらを有することができる。リブが第2の部材230に設けられたリブ236に加えて第1の部材220に設けられた場合、第1の部材220のリブは、第2の部材230のリブ236からオフセットされ得る。例えば、第1の部材220のリブは、第2の部材230の長さに沿って分布するリブ236を参照して上述したように、第1の部材220のリブの局所最小値および局所最大値が、それぞれ第2の部材230のリブ236の局所最大値および局所最小値と整列するか、またはそれぞれ第2の部材230のリブ236の局所最大値および局所最小値からオフセットされるように、交互に局所最小値および局所最大値を有することができる。あるいは、第1の部材220のリブは、第2の部材230のリブ236に対して様々な位置にあることができる。このようにして、イントロデューサ210は、例えば、アクチュエータ270がイントロデューサ210に対して移動するときに触覚フィードバックを提供することができるリブの可変配置を提供することができる。
【0039】
図8~
図10に示されるように、第1の部材220は、第2の部材230に結合されて、イントロデューサ210を集合的に形成するように構成される。例えば、第1の部材220および第2の部材230は、イントロデューサ210を形成するために、超音波溶接、接着剤、機械的留め具、1つまたは複数のタブ、スナップ、ピンなどを介して結合することができる。第1の部材220を第2の部材230に結合して、例えば、製造プロセス中に、イントロデューサ210を形成することは、1つまたは複数の製造プロセスを促進および/または簡素化することができる。例えば、第1の部材220および第2の部材230からイントロデューサ210を形成することは、例えば、製造中の喫水角度および/または製造公差に起因する、内面227、233の形状および/またはサイズの望ましくない変化を減少させることができ、場合によっては、流体移送デバイス200の使用中のカテーテル260のねじれ、曲がり、および/または変形の可能性を減少させることができる。第1の部材220および第2の部材230からイントロデューサ210を形成することはまた、第1の部材220の少なくとも内面227が、単一のワークピースからイントロデューサ210を製造するときにそうでなければ課題を提示するだろう蛇行形状を形成することを可能にすることができる。
【0040】
あるいは、イントロデューサ210は、例えば、射出成形および/または任意の他の適切な製造プロセスを介してモノリシックに形成され得、イントロデューサ210は、2つのワークピース、すなわち、第1の部材220および第2の部材230ではなく、単一のワークピースから形成される。したがって、イントロデューサ210の特徴を参照するとき、そのような特徴は、第1の部材220によって形成および/または画定することができ、第2の部材230によって形成および/または画定することができ、第1の部材220および第2の部材230によって集合的に形成および/または画定することができ、またはイントロデューサ210が単一のワークピースから形成されるとき、イントロデューサ210の対応する部分によって形成および/または画定することができる。
【0041】
第1の部材220および第2の部材230は、イントロデューサ210の近位端部分211および遠位端部分212を集合的に形成し、イントロデューサ210の内部容積213を集合的に画定する。
図10に示されるように、イントロデューサ210の近位端部分211は、開口217を画定する。具体的には、開口217は、第1の部材220のノッチ224および第2の部材230のノッチ234によって集合的に形成および/または画定される。近位端部分211の配置は、第1の部材220のノッチ224によって画定された開口217の一部が第1のサイズおよび/または形状を有し、第2の部材230のノッチ234によって画定された開口217の一部が第1のサイズおよび/または形状よりも小さい第2のサイズおよび/または形状を有し、開口217の一部が収縮し、挟まれ、閉塞され、および/またはそれ以外の場合減少するようにし得る。本明細書でさらに詳細に説明されるように、開口217は、二次カテーテル265の一部を受け入れるように構成され、これは、開口217のより大きな部分から開口217の縮小部分、例えば、第2の部材230のノッチ234によって形成された部分に開口217内で移動されて、二次カテーテル265を閉塞、ピンチ、および/またはクランプすることができる。
【0042】
図9に示されるように、イントロデューサ210の遠位端部分212は、カプラ216を含む、および/またはそうでなければ形成し、第1の部材220の遠位端部分222および第2の部材230の遠位端部分232は、イントロデューサ210の遠位端部分212でカプラ216を集合的に形成し得る。カプラ216は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得る。例えば、カプラ216は、一組のねじ山を形成することができ、これは、本明細書でさらに詳細に説明されるように、ロック240の関連するねじ山部分とねじ結合を形成することができる。
図9には示されていないが、イントロデューサ210の遠位端部分212は、少なくともカプラ216の開放部分からイントロデューサ210の内部容積213を選択的に密封および/または流体的に隔離することができるシールを含むことができ、および/または受け入れるように構成することができる。使用中、シールは、例えば、カテーテル260の一部がそこを通過することを可能にするために、密封または閉鎖構成から開放構成に移行することができる。シールは、カテーテル260または二次カテーテルの外面に接触して、カテーテルの外面とシールとの間の流体の逆流を制限および/または実質的に防止するように動作可能なシールを画定し得る。
【0043】
シールは、任意の適切なタイプのシールであり得る。例えば、シールは、Oリング、一方向バルブ、ダイヤフラム、自己修復ダイヤフラム、逆止弁、単一のクラックバルブ、および/または任意の他の適切なシールまたはバルブ部材であり得る。シールは、例えばイントロデューサ210内の圧力の増加に応答して、シールが閉じたおよび/または密封された構成から実質的に開いた構成に遷移するように、所定の「クラッキング」圧力を画定および/またはそうでなければ有するように構成され得る。例えば、シールは、正圧シールなどであり得る。あるいは、シールは、生理食塩水ロックなどの流体シールであり得る。
図1には示されていないが、
図3から
図10には示されていないが、イントロデューサ210は、デバイス、機構、アセンブリ、および/または同様のものを含み得、これは、例えば、空気または他の適切な流体または液体を介してイントロデューサ210内の圧力を増加させて、シールを閉鎖構成から開放構成に移行させるように操作することができる。例えば、イントロデューサ210は、バルブ、ポンプ、注射器、流体源、機械的アクチュエータ、電気アクチュエータなどを含むことができ、および/またはそれらに結合することができる。
【0044】
第1の部材220の内面223および第2の部材230の内面233は、イントロデューサ210の内部容積213を集合的に画定する。
図12に示されるように、内面223、233の配置は、内部容積213が蛇行断面形状を有する、および/または画定するようなものである。例えば、内部容積213は、実質的にS字形または少なくとも部分的にS字形の断面形状を有することができる。より具体的には、第1の部材220の内面223は、内面223の第1の部分226を内面223の第2の部分227から分離するように構成されたフランジ225を含む、および/または形成する。したがって、内部容積213の蛇行断面形状は、内部容積213の第1の部分214および内部容積213の第2の部分215を形成および/または画定する。このようにして、内部容積213の第1の部分214は、内部容積213から流体的に隔離されることなく、内部容積213の第2の部分215から離間される。言い換えれば、内部容積213の第1の部分214は、内部容積213の第2の部分215によって画定される軸に平行であり、軸からオフセットである軸を画定する。
【0045】
図10に示されるように、内部容積213の第1の部分214は、内部容積213の第1の部分214と流体連通するスロット218、チャネル、トラック、開口などがイントロデューサ210の壁を通って延びるように、イントロデューサ210の壁を通って延びる。逆に、内部容積213の第2の部分215は、少なくとも円周方向に、イントロデューサ210によって完全に画定および/または囲まれる。内部容積213の蛇行断面形状は、第2の部分215がスロット218を介して見ることができず、内部容積213の第1の部分214と流体連通するスロット218の視線外にあるようなものであり、これは、その中に配置されたカテーテル260の汚染を制限および/または実質的に防止する。
【0046】
内部容積213の第2の部分215は、イントロデューサ210の近位端部分211に画定される開口217の少なくとも一部、およびカプラ216によって画定される開口の少なくとも一部と実質的に整列される。さらに、内部容積213の第2の部分215は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、ロックがイントロデューサ210のカプラ216に結合されるときに、内部容積213の第2の部分215によって画定される軸がロック240の一部によって画定される軸と実質的に同軸であるように、ロック240と実質的に整列するように構成される。このようにして、内部容積213の第2の部分215は、アクチュエータ270の一部およびカテーテル260の一部を受け入れることができる。したがって、アクチュエータ270は、カテーテル260が内部容積213の第2の部分215、カップリング216、および/またはロック240内に完全に配置されている第1の位置と、本明細書でさらに詳細に説明されるように、カテーテル260の少なくとも一部が内部容積213の第2の部分215の外側およびイントロデューサ210の遠位に延びる第2の位置との間でカテーテル260を移動させるために、イントロデューサ210に対して移動させることができる。
【0047】
流体移送デバイス200のロック240は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得る。上述のように、ロック240は、イントロデューサ210に物理的および流体的に結合されるように構成され、イントロデューサ210をPIVおよび/またはPIVに結合された任意の適切な中間デバイスまたはアダプタに結合するように構成される。ロック240は、
図11~14に示されるように、カプラ241、口吻242、第1のアーム243、および第2のアーム250を有する。加えて、ロック240は、カプラ241および口吻242を通って延びる管腔255を画定する。カプラ241は、ロック240をイントロデューサ210のカプラ216に結合するように構成される。具体的には、カプラ241は、イントロデューサ210のカプラ216によって画定および/または形成されるねじ山と選択的に係合するように構成された1つまたは複数の突起を含み、および/または形成し、それによってねじ継手を形成する。
【0048】
口吻242は、カプラ241から延び、第1のアーム243と第2のアーム250との間に配置される。口吻242は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得る。いくつかの実施形態では、口吻242の構成は、PIVのサイズおよび/または形状、アダプタのサイズおよび/または形状、例えば、延長セット、Yアダプタ、Tアダプタなど、またはPIVおよびアダプタの集合サイズおよび/または形状に関連付けられ得るか、または少なくとも部分的に基づいてもよい。例えば、口吻242は、PIVまたはアダプタの少なくとも一部を通って延びるのに十分な長さを有することができる。アダプタがPIVに結合されるとき、口吻242は、アダプタを通って、少なくとも部分的にPIV内にまたはPIVを通って延びるのに十分な長さを有し得、口吻242の少なくとも一部がPIVの遠位にあるのに十分な長さを有し得る。さらに、口吻242は、PIVおよび/またはそれに結合されたアダプタの一部の内径に類似するか、またはわずかに小さい外径を有し得る。例えば、口吻242がその中に配置されるとき、口吻242の外面は、PIVの内面と接触することができる。このようにして、口吻242は、口吻242が配置されるPIVの少なくとも一部に構造的支持を提供することができる。同様に、口吻242は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、カテーテル260の一部の外径と同様またはわずかに大きい管腔255を少なくとも部分的に画定する内径を有することができる。
【0049】
ロック240の第1のアーム243および第2のアーム250は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得る。
図11および12に示されるように、第1のアーム243は、第1の端部244と、タブ246を含む第2の端部245と、第1の端部244と第2の端部245との間に配置された枢動部247とを有する。第2の端部245に配置された、および/または第2の端部245によって形成されたタブ246は、第2の端部245から口吻242に向かって延びる。このようにして、タブ246は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、PIVの一部および/またはPIVに結合されたアダプタの一部と選択的に係合して、ロック240をそこに結合することができる。
【0050】
第1のアーム243の枢動部分247は、カプラ241、口吻242、および/または第2のアーム250から横方向に延びる。第1のアーム243の第1の端部244は、枢動部分247の近位にあり、第1のアーム243の第2の端部245は、枢動部分247の遠位にある。したがって、第1のアーム243は、加えられた力に応答して、枢動部分247によって画定される軸を中心に枢動するように構成されたレバーとして機能することができる。例えば、ユーザは、
図12の矢印AAによって示されるように、第1のアーム243の第1の端部244をカプラ241に向かって枢動させるのに十分な力、および
図12の矢印BBによって示されるように、第1のアーム243の第2の端部245を口吻242から離れるように、第1の端部244に力を加えることができる。
【0051】
第1のアーム243を参照して上述したように、ロック240の第2のアーム250は、第1の端部251と、タブ253を含む第2の端部252と、第1の端部251と第2の端部252との間に配置された枢動部分254とを有する。第1のアーム243および第2のアーム250は、形状および機能が実質的に同様であり得、ロック240がその長手方向軸を中心に実質的に対称であるように、カプラ241および口吻242に対して反対の位置および向きに配置される。したがって、第1のアーム243の説明は、同様に第2のアーム250に適用され、したがって、第2のアーム250は、本明細書でさらに詳細に説明されない。
【0052】
上述したように、ロック240は、PIVおよび/またはPIVに結合されたアダプタに結合されるように構成される。例えば、ユーザは、第1のアーム243の第1の端部244および第2のアーム250の第1の端部251に横方向の力を加えて、第1のアーム243および第2のアーム250をそれぞれ第1の位置から第2の位置に向かって枢動させることができる。したがって、第1のアーム243の枢動は、口吻242と第2の端部245と第1のアーム243のタブ246との間に画定される空間を増加させる。同様に、第2のアーム250の枢動は、口吻242と第2の端部252と第2のアーム250のタブ253との間に画定される空間を増加させる。このようにして、口吻242とアーム243、250との間の増加した空間は、PIVの一部および/またはPIVに結合されたアダプタが空間内に挿入されることを可能にするのに十分である。PIVおよび/またはアダプタの一部がロック240に対して所望の位置にあると、ユーザは力を取り除くことができ、次に、アーム243、250は、それぞれの第1の位置に向かって枢動する。その結果、タブ246、253がPIVおよび/またはアダプタの一部と接触するように配置されるまで、第2の端部245、252は、口吻242に向かって移動する。タブ246、253は、PIVおよび/またはアダプタの一部と係合して、ロック240をPIVおよび/またはアダプタに一時的に結合するように構成される。ロック240は、上記のように、PIVおよび/またはアダプタとの3つの接触点、すなわち、タブ246、253、および口吻242の外面を確立するように構成され得る。タブ246および253は、PIVおよび/またはアダプタの一部と接触して配置されたときに、クリック、触覚バンプなどの振動出力などの可聴出力を生成するように構成され得、これは、ロック240がPIVおよび/またはアダプタに適切に結合されていることをユーザに示すことができる。
【0053】
ロック240のアーム243、250は、イントロデューサ210に対して水平に延びるように配置されてもよく、すなわち、アーム243、250は、
図1に示されるように、流体移送デバイス200の側面から外向きに延びるように配置されてもよく、またはイントロデューサ210に対して垂直に延びるように配置されてもよく、すなわち、アーム243、250は、流体移送デバイス20の上部および下部から外向きに延びる。垂直位置にアーム243、250を設けることは、流体移送デバイス200を保管するために必要なスペースを減少させる。
【0054】
図13に示されるように、口吻242およびカプラ241は、集合的に管腔255を画定し得る。ロック240の管腔255は、内部容積213の第2の部分215によって画定される軸と整列され、および/または実質的に同軸である軸(図示せず)を画定する。したがって、流体移送デバイス200が第1の構成と第2の構成との間で遷移するとき、ロック240の管腔255は、カテーテル260の一部を受け入れる。管腔255は、カテーテル260のサイズおよび/または形状に少なくとも部分的に基づいたサイズおよび/または形状を有し得る。例えば、管腔255は、カテーテル260の少なくとも一部の外径よりもわずかに大きい内径を有し得る。ロック240は、カテーテル260が管腔255内で移動されるときに、カテーテル260を支持および/または誘導する外部ガイドとして機能し、これにより、カテーテル260の望ましくない曲げ、ねじれ、屈曲、および/または変形を低減および/または実質的に防止することができる。
【0055】
ロック240は、口吻242を含むものとして上記に示され、説明されるが、ロックは、口吻を形成する必要はない。例えば、ロックは、PIVの一部および/またはPIVに結合されたアダプタと係合するように構成された比較的短いハブなどを含み得る。あるいは、流体移送デバイスは、例えば、PIVとIV延長セットなどのアダプタとの間に配置されるように構成されたロックと共に、またはそれによって形成されない口吻またはガイド部材を含むことができ、および/またはそれらと共に使用することができる。例えば、そのような口吻またはガイド部材は、漏斗状および/または口吻242の内面に類似した形状の内面を有し得る。このようにして、そのような口吻および/またはガイド部材の内面は、カテーテル260が第1の位置と第2の位置との間で移動するときに、カテーテル260の一部を誘導することができる。いくつかの実施形態では、口吻242を含むロック240は、ロック240がアダプタ、例えば、IV延長セットに結合されるときに、ロック240の口吻242の一部を口吻および/またはガイド部材に挿入することによって、そのような外部または別個の口吻および/またはガイド部材と併せて使用することができる。
【0056】
流体移送デバイス200のアクチュエータ270は、カテーテル260に結合され、カテーテル260が第1の位置にあるその第1の構成と、カテーテル260が第2の位置にあるその第2の構成との間で流体移送デバイス200を遷移させるために、イントロデューサ210の長さに沿って移動することができる。アクチュエータ270は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得る。例えば、アクチュエータ270は、イントロデューサ210のサイズおよび/または形状に関連付けられ、および/または少なくとも部分的に基づいたサイズおよび形状を有することができる。
【0057】
図13~17に示されるように、アクチュエータ270は、第1の部分271、第2の部分275、およびそれらの間に延びる壁277を含む。アクチュエータ270の第1の部分271は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第1の部分214内に少なくとも部分的に配置され、アクチュエータ270の第2の部分275は、内部容積213の第2の部分215内に配置される。
【0058】
アクチュエータ270の第1の部分271は、係合部材272を含む。アクチュエータ270の配置は、係合部材272がイントロデューサ210の外側に配置され、第1の部分271の残りの部分がイントロデューサ210によって画定される内部容積213の第1の部分214内にあるようなものである。したがって、係合部材272は、ユーザによって、例えば、ユーザの指または親指によって係合および/または操作されて、イントロデューサ210に対してアクチュエータ270を移動させることができる。係合部材272は、例えば、アクチュエータ270および/または流体移送デバイス200の人間工学的性質を高めることができる一組の隆起および/または任意の適切な表面仕上げを含み得る。
【0059】
係合部材272は、係合部材272の近位端部分またはその近くに配置されたタブ273を含む。タブ273は、係合部材272の表面から延びる任意の適切なタブ、レール、隆起(ridge)、隆起(bump)、突起、ノブ、ローラ、スライダなどであり得る。タブ273は、イントロデューサ210の第2の部材230の外面235と選択的に係合するように構成される。より具体的には、タブ273は、第2の部材230によって形成されたリブ236と接触し、アクチュエータ270がイントロデューサ210の長さに沿って移動するにつれて、各連続するリブに沿って移動する。
【0060】
第2の部材230のリブ236のセットを参照して上述したように、タブ273は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成を有することができる。例えば、
図16に示されるように、タブ273は、リブ236のセットに沿って移動することができる実質的に丸みを帯びた表面を含むことができる。タブ273のサイズおよび/または形状は、アクチュエータ270がイントロデューサ210に対して移動するときに、タブ273の所望の表面積がリブ236と接触するように、リブ236のサイズおよび/または形状に少なくとも部分的に基づいてよい。さらに、一組のリブ236とタブ273との間に画定される摩擦の量は、一組のリブ236と接触するタブ273の表面積に少なくとも部分的に基づくことができる。さらに、一組のリブ236とタブ273との間に画定される摩擦の量は、各リブに対するタブ273の位置に少なくとも部分的に基づくことができる。例えば、タブ273とリブとの間に画定される摩擦の量は、タブ273が例えば局所最大値に近づくにつれて増加し得、タブ273が局所最大値から離れるにつれて減少し得る。タブ273は、タブ273と一組のリブ236との間の所望の量の「遊び」を可能にすることができるように、タブ273が、各隣接するリブ間、例えば、隣接する局所最大値間で実質的に少ない摩擦で移動することを可能にするサイズおよび/または形状を有し得る。
【0061】
リブ236のセットの第1の部分237が、リブ236のセットの第2の部分238よりも小さいサイズを有する場合、タブ273の第1の部分または第1の表面領域は、リブ236のセットの第1の部分237と接触することができ、タブ273の第2の部分または第2の表面領域は、リブ236のセットの第2の部分238と接触することができる。このようにして、タブ273は、第1のセットの特性を有する第1の部分237に沿って移動することができ、第1のセットの特性とは異なる第2のセットの特性を有する第2の部分238に沿って移動することができる。例えば、タブ273をリブ236のセットの第2の部分238に沿って移動させるのに十分な力は、そうでなければ、タブ273をリブ236のセットの第1の部分237に沿って移動させるのに十分な力よりも大きくなり得る。代替的または追加的に、リブ236のセットの第2の部分238に沿ったタブ273の移動は、例えば、リブ236のセットの第1の部分237に沿ったタブ273の移動に起因する振動量よりも大きい振動量のアクチュエータ270をもたらし得る。同様に、タブ273の形状は、タブ273が、リブ236のセットに沿って近位方向に移動するのに不十分な印加力に応答して、リブ236のセットに沿って遠位方向に移動するようにすることができる。例えば、
図16に示されるように、タブ273は、非対称形状を有し得、タブ273の近位表面は、遠位表面のピッチよりも大きなピッチを有する。
【0062】
係合部材272およびタブ273は、上記に特に示され、説明されているが、他の実施形態では、アクチュエータは、任意の適切な構成を有する係合部材および/またはタブを含むことができる。例えば、タブ273は、係合部材272の近位端部分にまたはその近くに配置されるように示されているが、他の実施形態では、係合部材は、近位端部分にまたはその近くに配置される第1のタブと、遠位端部分にまたはその近くに配置される第2のタブとを含み得、これらのそれぞれは、イントロデューサ210の外面に配置される一組のリブと選択的に接触することができる。いくつかの実施形態では、壁277の表面と係合部材272の表面との間に画定された空間を増加または減少させることができ、これは、壁277の表面と係合部材272の表面との間の空間の増加または減少が、例えば、アクチュエータ270がイントロデューサ210に対して「傾ける」ことができる量の増加または減少をもたらすように、イントロデューサ210に対する軸方向以外の方向におけるアクチュエータ270の移動量の増加または減少をもたらし得る。他の実施形態では、イントロデューサ210の係合部材272、タブ273、および/または一組のリブ236の配置は、アクチュエータ270が所望の一組の特性を有するイントロデューサ210に対して移動するように修正、変更、調整(tuned)、調整(adjusted)、および/または他の方法で変更することができる。例えば、アクチュエータ270および/またはイントロデューサ210の配置は、イントロデューサ210に対して移動するときにアクチュエータ270が振動する量を増加または減少させることができ、イントロデューサ210に対してアクチュエータ270を移動させるのに十分な力の量を増加または減少させることができ、軸方向(すなわち、近位方向および遠位方向)以外の任意の適切な方向にイントロデューサ210に対してアクチュエータ270の移動の量を増加または減少させることができる。
【0063】
図17および18に示されるように、第2の部分275は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第2の部分215の断面形状、例えば、少なくとも部分的に円形の断面形状に少なくとも部分的に基づく断面形状を有する。このようにして、第1の部材220の内面223および第2の部材230の内面233は、アクチュエータ270がイントロデューサ210に対して移動するときに、アクチュエータ270の第2の部分275を支持および/または誘導することができる。示されるように、第2の部分275は、カテーテル260の近位端部分261および二次カテーテル265の遠位端部分267を受け入れるように構成された開口276を画定する。いくつかの実施形態では、カテーテル260の近位端部分261は、近位端部分261が開口276に配置されるときに、アクチュエータ270の第2の部分275の内面との摩擦嵌合を形成することができる。同様に、二次カテーテル265の遠位端部分267は、遠位端部分267が開口276に配置されるときに、アクチュエータ270の第2の部分275の内面との摩擦嵌合を形成することができる。したがって、カテーテル260および二次カテーテル265は、アクチュエータ270に対して固定位置に維持することができ、したがって、アクチュエータ270がイントロデューサ210に対して移動するときに、アクチュエータ270と同時に移動することができる。
【0064】
アクチュエータ270の壁277は、アクチュエータ270の第1の部分271をアクチュエータ270の第2の部分275に結合する。
図17および18に示されるように、壁277は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の蛇行断面形状に少なくとも部分的に基づく蛇行断面形状を有する。このようにして、アクチュエータ270の第1の部分271は、アクチュエータ270の第2の部分275によって画定される軸に平行であるが、軸からオフセットされる軸を画定することができる。例えば、壁277は、実質的にS字形または少なくとも部分的にS字形の断面形状を有することができ、または壁277は、ドッグレッグ(dogleg)形状などを形成することができる。壁277、したがってアクチュエータ270の蛇行した断面形状は、アクチュエータ270の第2の部分275が内部容積213の第1の部分214を介して見ることができず、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第1の部分214の視線外にあるようなものである。同様に、カテーテル260が第1の位置にあるとき、カテーテル260は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第1の部分214を介して見ることができない。すなわち、アクチュエータ270および/またはイントロデューサ210の形状、例えば、内部容積213の蛇行断面形状、イントロデューサ210の高さおよび/または幅などは、カテーテル260が第1の位置にあるときに、カテーテル260が内部容積213の第2の部分215内に少なくとも部分的に隔離されるように構成される。このようにして、イントロデューサ210および/またはアクチュエータ270の構造は、イントロデューサ210の外側の容積からカテーテル260を保護および/または隔離することができ、これにより、カテーテル260の汚染を制限および/または実質的に防止することができる。例えば、いくつかの実施形態では、イントロデューサ210および/またはアクチュエータ270は、少なくともカテーテル260が第1の位置にあるときに、カテーテル260を少なくとも部分的に隔離するように構成された「くしゃみガード」などとして機能することができる。
【0065】
上述のように、カテーテル260の少なくとも一部および二次カテーテル265の少なくとも一部は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第2の部分215内に移動可能に配置される。
図14に示されるように、カテーテル260は、近位端部分261および遠位端部分262を有し、管腔263を画定する(例えば、
図28を参照)。カテーテル260の近位端部分261は、アクチュエータ270の第2の部分275に結合される。このようにして、アクチュエータ270は、カテーテル260がイントロデューサ210内に配置されている第1の位置と、例えば、カテーテル260全体がイントロデューサ210内またはイントロデューサ210およびロック240内に配置されている第1の位置と、ロック240がPIVに結合されているときに、カテーテル260の遠位端部分がロック240および/またはPIV(図示せず)の遠位の位置に少なくとも部分的に配置されている第2の位置との間でカテーテル260を移動させるために、イントロデューサ210に対して移動させることができる。遠位端部分262は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得、管腔263と流体連通する少なくとも1つの開口を画定することができる。例えば、カテーテルの遠位端部分262は、2012年4月26日に出願された「末梢IVカテーテルを介した静脈切開のためのシステムおよび方法」と題された特許文献1(本明細書では「685特許」と称される)に記載されているもののいずれかと実質的に類似することができ、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
本発明は、カテーテルおよび二次カテーテルを含むものとして本明細書に記載されているが、カテーテルおよび二次カテーテルは、カテーテルと同じ方法でPIV内またはPIVを通って挿入されるプローブまたはガイドワイヤによって置き換えられてもよく、またはプローブまたはガイドワイヤは、流体移送デバイスのカテーテルを通ってPIV内またはPIVを通って挿入されてもよい。
【0067】
カテーテル260は、任意の適切な形状、サイズ、および/または構成であり得る。例えば、カテーテル260の少なくとも一部は、上述のように、ロック240の管腔255によって画定される内径と実質的に同等またはわずかに小さい外径を有することができ、またはカテーテル260の外面は、管腔255の少なくとも一部を画定するロック240の内面に接触するように構成されることができる。このようにして、管腔255を画定するロック240の部分の内面は、カテーテル260が第1の位置と第2の位置との間で移動するときにカテーテル260を誘導することができる。そのような配置は、カテーテル260が第1の位置と第2の位置との間で移動するときに、カテーテル260の曲げ、変形、屈曲、および/またはねじれを制限および/または実質的に防止することができる。さらに、カテーテル260の長さは、本明細書でさらに詳細に説明されるように、カテーテル260が第2の位置にあるときに、カテーテル260の遠位面とPIVの遠位面との間に所定のおよび/または所望の距離を画定するのに十分であり得る。
【0068】
カテーテル260は、任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよく、これにより、カテーテル260は、任意の適切な剛性またはデュロメータ(durometer)を有することができる。例えば、カテーテル260は、ショアデュロメータが、約20ショアA~50ショアD、約20ショアA~95ショアD、約70ショアD~85ショアD、および/または任意の他の適切な範囲のショアデュロメータを有する比較的柔軟な生体適合性材料で形成することができる。カテーテル260の少なくとも一部は、編組材料などで形成されてもよく、これは、曲げ力に応答して、カテーテル260の柔軟性を修正、変更(change)、および/または変更(alter)することができる。編組材料からカテーテル260の少なくとも一部を形成することによって、カテーテル260の管腔263を座屈、ねじれ、および/または他の方法で妨げる前の曲げ力に応答するカテーテル260の変形量を増加させることができる。同様に、編組材料のカテーテル260の少なくとも一部を形成することは、カテーテル260によって画定される長手方向中心線の方向に及ぼされる圧縮力(例えば、軸力など)に応答して、圧縮および/または変形をもたらす可能性がある。このようにして、カテーテル260は、例えば、障害物などに衝撃を与えることに関連する力の一部を吸収することができる。いくつかの例では、そのような構成は、カテーテル260の座屈および/またはねじれを低減するだけでなく、カテーテル260の衝撃から生じ得る血管構造への損傷を低減および/または実質的に防止することができる。さらに、編組材料からカテーテル260の少なくとも一部を形成することは、上述したように、イントロデューサ210のリブ236のセットに沿って前進するアクチュエータ270の部分に応答して、カテーテル260を通って伝達される振動の量を増加させることができる。カテーテル260は、編組材料で形成された少なくとも一部を含むように上述されているが、カテーテル260の少なくとも一部は、上記の参照により組み込まれる‘685特許に記載されているような支持ワイヤ、ステント、開窓カテーテル、および/または同様のものから形成され得、および/またはそれらを含み得る。
【0069】
二次カテーテル265は、近位端部分266および遠位端部分267を有し、管腔268を画定する(例えば、
図25を参照)。二次カテーテル265の一部は、イントロデューサ210の開口217内に配置され、イントロデューサ210を通って延び、イントロデューサ210は、それぞれ、第1の部材220および第2の部材230のノッチ224、234によって集合的に画定され得る。したがって、近位端部分266は、イントロデューサ210の外側に少なくとも部分的に配置され、遠位端部分267は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第2の部分215内に少なくとも部分的に配置される。上述のように、二次カテーテル265は、第1の位置と第2の位置との間で、開口217内で移動させて、二次カテーテル265の一部を選択的にクランプ、ピンチ、ねじれ、曲げ、および/または変形させることができ、これは次に、二次カテーテル265の管腔268を閉塞、ピンチ、ねじれ、閉じ、シールするなどする。例えば、第1の位置は、第2の位置に関連付けられ、および/または位置合わせされた開口217の第2の部分の周囲および/または直径よりも大きい周囲および/または直径を有する開口217の第1の部分に関連付けられ、および/または位置合わせすることができる。したがって、ユーザは、二次カテーテル265を操作して二次カテーテル265の管腔268を閉塞することができ、それによって、そこを通る流体の流れを制限(limiting)、制限(restricting)、および/または実質的に防止することができる。
【0070】
図14に示されるように、二次カテーテル265の近位端部分266は、カプラ269に結合され、および/またはそうでなければカプラ269を含む。カプラ269は、二次カテーテル265を、例えば、流体リザーバ、流体源、注射器、真空容器ホルダ(例えば、シース付き針を有するか、またはシース付き針に結合されるように構成される)、ポンプなどの任意の適切なデバイスに物理的および流体的に結合するように構成される。二次カテーテル265の遠位端部分267は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第2の部分215内に少なくとも部分的に配置され、アクチュエータ270の第2の部分275に結合される。いくつかの実施形態では、二次カテーテル265は、カテーテル260および二次カテーテル265がアクチュエータ270の第2の部分275に結合されるときに、カテーテル260の近位端部分261が二次カテーテル265によって画定される管腔268内に少なくとも部分的に配置されるように、カテーテル260よりも大きな直径を有することができる。そのような構成は、例えば、カテーテル260と二次カテーテル265との間を流れる流体に関連する漏れを低減および/または実質的に防止することができる。そのような構成はまた、ある量の血液がカテーテル260および二次カテーテル265を通って流れるときに、その量の血液の溶血を制限、減少、および/または実質的に防止することができる。このようにして、カプラ269が流体リザーバ、流体源、注射器、真空容器、ポンプなどに結合されるとき、二次カテーテル265は、リザーバ、源、ポンプなどとカテーテル260との間の流体連通を確立する。
【0071】
図3,19~24、25、31および32に示されるように、カテーテル支持体280は、ブラケット部分281およびハブ部分282を含む。カテーテル支持体280のブラケット部分281は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第1の部分214内に少なくとも部分的に配置され、カテーテル支持体280のハブ部分282は、内部容積213の第2の部分215内に配置される。
【0072】
カテーテル支持体280のブラケット部分281は、任意選択で係合部材284を含み得る。カテーテル支持体280の配置は、係合部材284がイントロデューサ210の外側に配置され、ブラケット部分281の残りの部分がイントロデューサ210の内部容積213の第1の部分214内にあるようなものである。したがって、係合部材284は、ユーザによって、例えば、ユーザの指または親指によって係合および/または操作されて、カテーテル支持体280をイントロデューサ210に対して移動させることができる。係合部材284は、例えば、カテーテル支持体280および/または流体移送デバイス200の人間工学に基づいたカテーテル支持体を増加させることができる一組の隆起および/または任意の適切な表面仕上げを含み得る。
【0073】
係合部材284は、限定されないが、イントロデューサ210の第2の部材230の外面上の一組のリブ236と相互作用するタブを含む、アクチュエータ270の係合部材272に関して上述した特徴のいずれかを任意選択で有することができる。
【0074】
ハブ部分282は、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第2の部分215の断面形状、例えば、少なくとも部分的に円形の断面形状に少なくとも部分的に基づく断面形状を有する。このようにして、第1の部材220の内面223および第2の部材230の内面233は、カテーテル支持体280がイントロデューサ210に対して移動するときに、カテーテル支持体280のハブ部分282を支持および/または誘導することができる。
【0075】
ハブ部分282は、ハブ部分282の近位端に近位開口287を有し、ハブ部分282の遠位端に遠位開口288を有する通路285を画定する。通路285は、カテーテル260が、イントロデューサ210の内部容積213の第2の部分215内でカテーテル286の過度の動きを防止するために収容されながら、通路285を自由に通過することを可能にするようなサイズおよび形状である。通路285は、円形断面を有する実質的に円筒形であり得る。
【0076】
通路285は、近位開口287に隣接し、近位開口287と流体連通する近位部分289と、遠位開口288に隣接し、遠位開口288と流体連通する遠位部分290とを有する2つの部分を含み得る。通路285の近位部分289は、アクチュエータ270の第2の部分27 5の少なくとも一部を受け入れるようなサイズおよび形状であり得る。例えば、近位開口287は、遠位開口288よりも大きくてもよい。通路285の遠位部分290は、遠位開口288の直径に等しい直径を有する円形断面を有する実質的に円筒形であり得る。近位部分289は、通路285の近位部分289の近位端が近位開口287の直径に等しい直径を有し、通路285の近位部分289の直径が、通路285の遠位部分290と流体連通している通路285の近位部分289の遠位端が通路285の遠位部分290の直径に等しい直径を有するまで減少するように、実質的に円錐形または漏斗形であってもよい。
【0077】
図22に示されるように、ノッチ291は、通路285の円錐形または漏斗形の近位部分289に設けられ得る。
【0078】
図19Aおよび
図19Bに示されるように、ブラケット部分281は、イントロデューサ210の内部容積213の蛇行断面形状に少なくとも部分的に基づいた蛇行断面形状を有し得る。このようにして、カテーテル支持体280のブラケット部分281は、カテーテル支持体280のハブ部分282によって画定される軸に平行であるが、軸からオフセットされる軸を画定することができる。例えば、ブラケット部分281は、実質的にS字形または少なくとも部分的にS字形の断面形状を有することができ、またはブラケット部分281は、ドッグレッグ形状などを形成することができる。ブラケット部分281、したがってカテーテル支持体280の蛇行断面形状は、カテーテル支持体280のハブ部分275が内部容積213の第1の部分214を介して見ることができず、イントロデューサ210によって画定される内部容積213の第1の部分214の視線外にあるようなものであってもよい。カテーテル支持体280は、アクチュエータと実質的に同じ全体的な外側形状を有し得る。
【0079】
カテーテル支持体280のブラケット部分281の少なくとも一部は、イントロデューサ210の内面に設けられたフランジ225の外面に対応するプロファイルを有し、その結果、ブラケット部分281は、フランジ225の上に適合し、少なくとも部分的に覆い、イントロデューサ210に対して、イントロデューサ210の近位端部分211からイントロデューサ210の遠位端部分212まで、およびフランジ225に沿ってその逆の方向に移動可能である。カテーテル支持体280がイントロデューサ210に対して移動するとき、ブラケット部分281は、内部容積213の第1の部分214内で移動し、ハブ部分282は、内部容積213の第2の部分215内で移動する。
【0080】
アクチュエータ270の開口276およびカテーテル支持体280の通路285は、同軸であり得る。
【0081】
カテーテル260は、アクチュエータ270の第2の部分275と結合され、イントロデューサ210の遠位端部分212に延びる。カテーテル支持体280がなければ、この距離を延長するカテーテル260の長さは支持されないであろう。カテーテル260が座屈する力は、有効長さの2乗に反比例する。したがって、カテーテル260の有効長が増加するにつれて、座屈力が減少し、カテーテルの座屈に対する抵抗力が低下する。このカテーテル支持体280は、カテーテル260を支持し、それによって、カテーテル280の有効長を短くし、カテーテル260を座屈するために必要な力を増加させ、カテーテル260の座屈する傾向を減少させる。
【0082】
カテーテル支持体280のハブ部分282は、アクチュエータ270とイントロデューサ210の遠位端部分212との間に配置され、カテーテル260は、ハブ部分282のハブの通路285を通過し、その結果、ハブ部分282は、カテーテル260の支持されていない長さを、曲げ、ねじれ、屈曲、および/または変形に対してより抵抗力のある2つのより小さな部分に分割する。
【0083】
次いで
図22~32を参照すると、流体移送デバイス200は、使用前に第1の構成にすることができ、例えば、医師(doctor)、医師(physician)、看護師、技術者、採血医などの使用者によって、第1の構成(
図22Aおよび24~27)から第2の構成(
図22Cおよび30~32)に移行して、カテーテル260の遠位端部分262を、イントロデューサ210に対して遠位位置に、例えば、留置PIV(図示せず)内または留置PIVに対して遠位に配置することができる。カテーテル260がイントロデューサ210内の第1の位置に配置されるとき、流体移送デバイス200は、第1の構成にある。実質的に、カテーテル260全体は、カテーテル260が第1の位置にあるときにイントロデューサ210内に配置され得る。イントロデューサ210は、内部容積213の第2の部分215内でカテーテル260を隔離するために、イントロデューサ210の遠位端部分212を実質的に密封することができるシールなど(上述のように)を含むことができる。あるいは、
図1A~
図1Bに示されるように、あるいは、
図25および26に示されるように、カテーテル260は、カテーテル260が第1の位置にあるときに、イントロデューサ210およびロック240内に配置され得る。シールは、イントロデューサ210の遠位端部分212に含まれるものとして上述されているが、他の実施形態では、ロック240は、管腔255を画定するロック240の内面と実質的に流体密封シールを形成することができるシールなどを含むことができる。したがって、ロック240内に配置されたシールは、内部容積213の第2の部分215内でカテーテル260を隔離することができる。しかしながら、イントロデューサ210および/またはロック240は、シールを含む必要はない。例えば、PIVおよび/またはアダプタ、例えば、PIVに結合された延長セットは、ロック240がそれに結合されたときに閉鎖構成から開放構成に遷移するシールを含むことができる。図示されていないが、カテーテル260は、例えば、イントロデューサ210および/またはロック240がシールを含まない実施形態において、カテーテル260が第1の位置にある間、カテーテル260を実質的に無菌環境に維持することができる可撓性シースなどの内に配置され得る。
【0084】
流体移送デバイス200が第1の構成にあるとき、
図23Aおよび25に示されるように、アクチュエータ270は近位位置に配置され、カテーテル支持体280は、アクチュエータ270とイントロデューサ210の遠位端部分212との間の中間位置に配置される。いくつかの実施形態では、アクチュエータ270の第1の部分271のタブ273は、アクチュエータ270を遠位方向に移動させるための力がユーザによって及ぼされるまで、アクチュエータ270を近位位置に一時的かつ解放可能に維持するように構成された、凹部または戻り止め内に、またはそうでなければ最も近位のリブと接触して配置され得る。
【0085】
カテーテル260の近位端部分261は、アクチュエータ270の第2の部分275に結合され、カテーテル260は、イントロデューサ210の内部容積213の第2の部分215を通って、ハブ部分282の通路285を通って延び、カテーテル260の遠位端部分262は、カプラ216の管腔および/またはロック240の管腔255に受け入れられる。
【0086】
カテーテル支持体280の初期の使用前位置は、第1の構成では、アクチュエータ270の第2の部分275からイントロデューサ210の遠位端部分212まで延びるカテーテル260の支持されていない部分に沿ったハブ部分272の位置が、カテーテルの支持されていない部分の中心点にあるか、またはカテーテル260の支持されていない長さの中心点からオフセットされ得るように設定され得る。例えば、第1の構成では、カテーテル支持体280のハブ部分282は、カテーテル260の遠位端部分262のPIVへの前進が抵抗に会い、カテーテル260をさらに前進させるためにアクチュエータ270に提供される追加の力を必要とするとき、アクチュエータ270の位置に対応する位置に配置され得る。例えば、カテーテル支持体280のハブ部分282の位置は、カテーテル260の遠位端部分262の前進に対応するアクチュエータ270の位置に対応してもよく、遠位端部分262が、カテーテル260がSカーブを通過するために角を曲げなければならない領域、例えば、カテーテル260が皮膚に入り、上向きに湾曲し、静脈に沿って通過するために再び湾曲しなければならない領域に遭遇する点に対応してもよい。上述のように、二次カテーテル265の遠位端部分267が内部容積213の第2の部分215に少なくとも部分的に配置され、二次カテーテル265の近位端部分266がイントロデューサ210の外側に配置されている間にアクチュエータ270の第2の部分275に結合されるように、二次カテーテル265の一部は、イントロデューサによって画定される開口217に配置される。
【0087】
第1の構成の流体移送デバイス200では、ユーザは、流体移送デバイス200を操作して、ロック240を留置PIVおよび/またはPIVに結合されたアダプタ、例えば、延長セットなどに結合することができる。
【0088】
PIVおよび/またはアダプタに結合された流体移送デバイス200を用いて、ユーザは、アクチュエータ270の第1の部分271の係合部材272と係合して、イントロデューサ210に対してアクチュエータ270を移動させることができ、イントロデューサ210は、イントロデューサ210内に配置された第1の位置から、カテーテル260の遠位端部分262がPIV内および/またはPIVを通って延びる第2の位置に向かってカテーテル260を移動させる。このようにして、カテーテル260は、
図28の矢印CCによって示されるように、内部容積213の第2の部分215、カテーテル支持体280のハブ部分282の通路285、およびロック240の管腔255、およびカテーテル260の少なくとも遠位端部分262を通って、ロック240の外側および遠位に配置される。
【0089】
アクチュエータ270が遠位方向に部分的に移動し、カテーテル260が第2の位置に向かって部分的に前進した後、アクチュエータ270は、カテーテル支持体280のハブ部分282に接触する。アクチュエータ270の第2の部分275の遠位端は、ハブ部分282の近位端に当接してもよく、またはハブ部分282の通路285の近位部分289内に少なくとも部分的に受け入れられるような寸法および形状にされてもよい。
【0090】
アクチュエータ270が遠位方向にさらに前進すると、アクチュエータ270は、カテーテル支持体280のハブ部分282を遠位方向に押し、カテーテル支持体280は、カテーテル支持体280がイントロデューサ210の遠位壁に当接するまで、イントロデューサ210の内部容積213の第2の部分215内で前進する。
【0091】
上述のように、アクチュエータ270およびイントロデューサ210の配置は、イントロデューサ210に対してアクチュエータ270を前進させると、外面235、より具体的には、イントロデューサ210の第2の部材230のリブ236のセットに沿ってタブ273を前進させるようなものである。例えば、
図27に示されるように、タブ273は、一組のリブ236と接触しており、これは、アクチュエータ270がイントロデューサ210に対して移動するときにアクチュエータ270の振動を生じ得る。いくつかの例では、アクチュエータ270の振動は、例えば、イントロデューサ210、ロック240、および/またはPIVに対するカテーテル260の遠位端部分262の位置に関連付けられた表示を提供することができる触覚、触覚、および/または可聴出力を生成することができる。例えば、アクチュエータ270のタブ273および一組のリブ236は、タブ273が各リブを通過するにつれて集合的に「クリック」音を生成することができ、イントロデューサ210は、カテーテル260の遠位端部分262の相対的な位置をユーザに示すことができる指標などを含むことができ、またはリブの数に対して移動することによってアクチュエータ270が振動した回数は、カテーテル260の遠位端部分262の相対的な位置の表示に関連付けられ、および/またはそうでなければ提供することができる。
【0092】
いくつかの例では、ユーザは、カテーテル260が、アクチュエータ270が最も遠位の位置に前進する前に第2の位置に配置されるように、カテーテル260の遠位端部分262のPIVに対する所望の配置を示す触覚(haptic)、触覚(tactile)、および/または可聴出力に基づいて、イントロデューサ210に対するアクチュエータ270の移動を停止することができる。本明細書でさらに詳細に説明されるように、カテーテル260の遠位端部分262がPIVの遠位端部分に対して所望の位置に配置されるとき、カテーテル260は、第2の位置に配置される。例えば、カテーテル260の遠位面は、PIVの遠位端と実質的に面一であることができ、カテーテル260の遠位面は、PIVの遠位端を超えて所定の距離を延ばすことができ、またはカテーテル260が第2の位置にあるときに、カテーテル260の遠位面は、PIVの遠位端の近位にPIV内に配置することができる。
【0093】
図22Cおよび30-32に示されるように、いくつかの例では、カテーテル260は、アクチュエータ270が最も遠位の位置にあるときに第2の位置にあり得る。このようにして、カテーテル260の遠位面は、PIVの遠位面を超えて所定の距離で静脈内に配置される。いくつかの例では、PIVの遠位面から所定のおよび/または所望の距離でカテーテル260の遠位面を配置することで、カテーテル260の遠位面を、例えばフィブリン/血栓などの破片を実質的に含まない静脈内の位置に配置することができ、そうでなければPIVの遠位面を取り囲むことができる。
【0094】
いくつかの例では、留置PIVは、PIVが配置される静脈の少なくとも一部を実質的に閉塞することができる。したがって、PIVは、多くの場合、血液を吸引するのではなく流体を送達するのに適している。しかしながら、静脈システムは容量系(capacitance system)であり、したがって、閉塞または実質的な閉塞の周りにバイパスを形成することによって、異なる静脈を通る血流を再ルーティングする。さらに、代替静脈構造は、典型的には、PIVがPIVの所与の距離下流に配置されている静脈に再結合し、したがって、PIVが配置されている静脈を通って流れるだろう血流の少なくとも一部を送達する。同様に、静脈は、典型的には、PIVが配置される静脈に血流を同様に送達する、それに結合された多くの分岐血管を有する。
【0095】
したがって、カテーテル260の遠位面とPIVの遠位面との間の所定および/または所望の距離は、カテーテル260の遠位面がPIVの遠位面を超えて延びることができ、カテーテル260が第2の位置にあるときに少なくとも1つの分岐血管がカテーテル260の遠位面とPIVの遠位面との間に配置されるように、PIVが配置される静脈と流体連通する1つまたは複数の分岐血管の下流にカテーテル260の遠位面を配置するのに十分であり得る。したがって、カテーテル260の管腔263が近位端部分261およびカテーテル260の遠位端部分262を通って延びると、カテーテル260の遠位面をPIVの遠位面から所定および/または所望の距離に配置すると、カテーテル260の管腔263は、実質的に遮断されていないまたは制限されていない血流、例えば、PIVによって遮断されていない静脈の一部および/またはPIVの留置に関連する破片を受け入れる静脈の一部と流体連通する。
【0096】
所定のおよび/または所望の距離は、遠位面が平坦であるときに約0.0mm、最大約100mm(mm)、例えば、10mm~約90mm、約20mm~約80mm、約30mm~約70mm、約30mm~約60mm、または約40mm~約50mmとすることができる。例えば、流体移送デバイス200は、アクチュエータ270がイントロデューサ210に沿って約95mm移動して、流体移送デバイス200が結合されるPIVの遠位面を約40mm超えてカテーテル260の遠位面を配置するように構成されてもよく、流体移送デバイス200は、アクチュエータ270がイントロデューサ210に沿って約47mm移動して、流体移送デバイス200が結合されるPIVの遠位面を約20mm超えてカテーテル260の遠位面を配置するように構成されてもよく、または流体移送デバイス200は、PIVの遠位面から所定および/または所望の距離でカテーテル260の遠位面を配置するために任意の適切なストローク長さを有することができる。
【0097】
所定および/または所望の距離は、正の距離、すなわち、カテーテル260の遠位面がPIVの遠位面に対して遠位であると上記で説明されるが、所定および/または所望の距離は、カテーテル260の遠位面がPIVの遠位面に対して近位位置にある負の距離に関連付けることができる。例えば、いくつかの例では、所定および/または所望の距離は、遠位面が平坦である場合に約0.0mmであり、最大約-50mm、例えば、約-10mm~約-40mm、または約-20mm~約-30mmであり得る。いくつかの例では、カテーテル260の遠位面がPIVの遠位面の近位に50mmを超える場合、所定および/または所望の距離は、-50mm未満であり得る。カテーテル260は、カテーテル260の遠位端部分262が、例えば、ねじれなどの遠位の位置にPIV内に留まるように、第2の位置に配置され得る。例えば、留置PIVは、末梢静脈内カテーテルがハブに結合するPIVの一部など、ねじれている1つまたは複数の部分を有することができる。そのような例では、所定および/または所望の距離は、カテーテル260の遠位表面がねじれを形成するPIVの部分、例えば、末梢静脈内カテーテルがハブに結合する位置の遠位にあるようにすることができる。カテーテル260の遠位表面をPIVのねじれた部分の遠位に配置するが、PIV内に残ることによって、血液がカテーテル260を通して吸引されることを可能にするのに十分に制限されていない流体流路を形成することができる。
【0098】
例えば、
図22Cおよび30~32に示されるように、カテーテル260が第2の位置にあり、流体移送デバイス200が第2の構成にある場合、ユーザは、流体リザーバ、流体源、注射器などとカテーテル260との間の流体連通を確立することができる。例えば、上述したように、ユーザは、二次カテーテル265のカプラ269を流体リザーバ、流体源、注射器などに物理的および流体的に結合することができる。カテーテル260を第2の位置に配置した後にカテーテル260と流体リザーバまたは流体源との間の流体連通を確立すると説明されているが、ユーザは、イントロデューサ210に対してアクチュエータ270を移動させる前に、カテーテル260と流体リザーバまたは流体源との間の流体連通を確立することができる。カテーテル260が流体リザーバおよび/または流体源と流体連通すると、流体移送デバイス200は、次いで、患者から流体を移送するか、またはPIVを通っておよびPIVを越えて延びるカテーテル260を介して患者に流体を移送することができる。例えば、ユーザは、流体移送デバイス200を流体リザーバ、真空容器、注射器などに物理的および流体的に結合することができ、次いで、PIVの遠位面を超えて所定および/または所望の距離でカテーテル260の遠位面を配置することに少なくとも部分的に基づいて、静脈から一定量の血液を吸引することができる。
【0099】
他の例では、ユーザは、流体移送デバイス200を流体源などに物理的および流体的に結合することができ、次いで、実質的に阻害されていないおよび/または制限されていない血流を受け入れるPIVの下流の位置で、流体源から一定量の流体を静脈の一部に送達することができる。PIVの遠位面を超えて所定および/または所望の距離でカテーテル260の遠位面を配置することは、腐食性薬物の注入に関連する潜在的な害を低減することができる。留置PIVによってそうでなければ阻害および/または制限されるだろう血流を受け入れる静脈の一部内にカテーテル260の遠位表面を配置することによって、腐食性薬物を血流に含み、標的位置に送達することができる。したがって、腐食性薬物の体積は、破片内に保持されず、さもなければ、ほとんど血流を受けない静脈内の位置に配置されない。
【0100】
所望の量の血液が収集されると、および/または所望の量の薬物が患者に送達されると、ユーザは、アクチュエータ270を近位方向に移動させることができ、それによって、流体移送デバイス200を第3の(使用された)構成に配置することができる。カテーテル支持体280は、イントロデューサ210の遠位端部分212で静止したままであってもよく、またはアクチュエータ270の近位方向への移動がカテーテル支持体280を近位方向に引っ張るようにアクチュエータ270に結合されてもよい。
【0101】
カテーテル支持体280がアクチュエータ270に結合されておらず、カテーテル支持体280が係合部材284を含む場合、係合部材284は、ユーザによって係合され、および/または操作されて、カテーテル支持体280を近位方向に手動で移動させることができる。
【0102】
アクチュエータ270がカテーテル支持体280に結合されるとき、アクチュエータ270の開口276とカテーテル支持体280の通路285は同軸である。
【0103】
アクチュエータ270は、両方が中間位置にあるときにアクチュエータ270とカテーテル支持体280が最初に接触するときにカテーテル支持体280に結合されてもよく、またはカテーテル支持体280がイントロデューサ210の遠位端壁に当接するときにアクチュエータ270はカテーテル支持体280に結合されてもよい。
【0104】
任意の適切な結合は、アクチュエータ270をカテーテル支持体280に結合するために提供され得る。例えば、アクチュエータ270がカテーテル支持体280に接触するとき、アクチュエータ270の第2の部分275の一部は、カテーテル支持体280のハブ部分282の通路285の近位部分289に受け入れられ得る。例えば、アクチュエータ270の第2の部分275の一部は、カテーテル支持体280のハブ部分282の内面とアクチュエータ270の第2の部分275の外面との間の締まり嵌め、スナップ嵌め、または摩擦嵌めによってカテーテル支持体280のハブ部分282に結合され得る。
【0105】
別の例では、
図33Aに示されるように、突起および凹部の一方は、アクチュエータ270の係合部材272の遠位端にある可撓性ビーム293の表面上に設けられてもよく、突起および凹部の他方は、イントロデューサ210のスロット218に露出したカテーテル支持体280のブラケット部分281の表面上に設けられてもよく、またはカテーテル支持体280の任意選択の係合部材284上に設けられてもよい。例えば、
図33に示されるように、突起294は、可撓性ビーム293の底面に設けられてもよく、凹部295は、カテーテル支持体280の上部に設けられてもよい。あるいは、凹部は、カテーテル支持体280の側面または別の表面に設けられてもよい。カテーテル支持体280がイントロデューサ210の遠位端壁に隣接し、ユーザがアクチュエータ270を遠位方向に移動させ続けると、可撓性ビーム293は、可撓性ビーム293がカテーテル支持体280の上を移動し、突起294が凹部295に受け入れられるように上方に少量偏向される。カム面296は、可撓性ビーム293の遠位端および/またはカテーテル支持体280の近位端に設けられて、可撓性ビーム293の屈曲を容易にすることができる。
【0106】
ストップ297は、突起294の遠位の可撓性ビーム293上に設けられ得る。アクチュエータ270が、ストップ297がカテーテル支持体280に当接するように前進されたとき、カテーテル支持体280に対するアクチュエータ270のさらなる前進は、突起294の凹部295からの係合解除を回避するために制限される。
【0107】
図33Bに示されるように、可撓性ビーム293は、任意選択で、アクチュエータ270とカテーテル支持体280とを結合および結合解除するために必要な力の調整を可能にする薄い領域を含むヒンジ320を含み得る。
【0108】
任意選択で、カテーテル支持体280の近位移動を停止するための格納止め298は、イントロデューサ210から延びてもよく、例えば、格納止め298は、イントロデューサ210のフランジ225から上向きに延びてもよい(
図33)。アクチュエータ270がカテーテル260を前進させるために移動するときに、イントロデューサ210のフランジ225に沿ってスライドするアクチュエータ270の第1の部分271の部分に溝299が設けられ得る。そのような溝は、カテーテル支持体280のブラケット部分281に設けられていない。結合されたアクチュエータ270およびカテーテル支持体280が近位方向に移動するとき、アクチュエータ270は、溝299に受け入れられる格納止め298の上を通過し、カテーテル支持体280は、格納止め298に隣接し、カテーテル支持体280の近位移動を停止する。次いで、カテーテル支持体280が静止したままである間、アクチュエータ270を近位方向にさらに移動させることができる。
図33に示されるように、格納止め298が上記の結合と組み合わせて提供される場合、アクチュエータ270の係合部材272に加えられるさらなる力は、可撓性ビーム293を屈曲させ、突起294を凹部295から外し、アクチュエータ270をカテーテル支持体280から外す。格納止め298は、カテーテル260が第1の位置にあったときにカテーテル支持体280がいたのと同じ位置にカテーテル支持体280を停止するように配置され得る。
【0109】
あるいは、
図21に示されるように、格納止めは、イントロデューサ210のスロット328内に延びる戻り止め327を含み得る。スロット328は、イントロデューサ210の内面に設けられたフランジ225に設けられ得る。戻り止め327は、カテーテル支持体280のブラケット部分281と係合して、カテーテル支持体280の移動を制限する。アクチュエータ270が近位方向に移動し、カテーテル支持体280に当接するとき、アクチュエータ270によってカテーテル支持体280に加えられる近位の力は、カテーテル支持体280上の戻り止め327の力を克服し、戻り止め327からカテーテル支持体280を解放し、アクチュエータ270は、カテーテル支持体280がイントロデューサ210の遠位端部分212に当接するまで、カテーテル支持体280を近位方向に押す。アクチュエータ270がカテーテル支持体280に結合されている場合、アクチュエータ270が近位方向に移動し、カテーテル支持体280を近位方向に引っ張り、カテーテル支持体280が戻り止め327に遭遇すると、カテーテル支持体280の近位移動が制限される。
【0110】
別の例では、
図33Cおよび33Dに示されるように、凹部295の代わりに、カテーテル支持体は、可撓性ビーム293上の突起294によって係合される解放可能ロック322を含み得る。解放可能ロック322は、ストップ部分323および係合部分324を備える。ストップ部分323は、カテーテル支持体280から延び、カテーテル支持体280がイントロデューサ210に対して移動するときに、イントロデューサ210内の溝に受け入れられ、イントロデューサ210内の溝に沿って移動する。ストップ部分323が溝の近位端に当接するとき、カテーテル支持体280のさらなる近位移動はもはや不可能である。解放可能ロック322の係合部分324は、アクチュエータ270の可撓性ビーム293上の突起294と相互作用するバルジ(bulge)を含み得る。
図33Cに示されるように、解放可能ロック322のストップ部分323は、カテーテル支持体280のブラケット部分281の底面から延び得、解放可能ロック322の係合部分324は、カテーテル支持体280のブラケット部分281の上面から延び得る。この構成では、可撓性ビーム293は、アクチュエータ270とカテーテル支持体280との結合および結合解除中に上向きに偏向し、ストップ部分323は、イントロデューサ210の内面に設けられたフランジ225上の溝に乗ってもよい。あるいは、
図33Dに示されるように、解放可能ロック322のストップ部分323は、カテーテル支持体280のブラケット部分281の底面から延び得、解放可能ロック322の係合部分324は、カテーテル支持体280のブラケット部分281の側面から横方向に延び得る。この構成では、可撓性ビーム293は、アクチュエータ270とカテーテル支持体280との結合および分離中に横方向に偏向する。
【0111】
アクチュエータ270が近位方向に移動し、カテーテル支持体280に当接するとき、アクチュエータ270は、カテーテル支持体280がイントロデューサ210の遠位端部分212に当接するまで、カテーテル支持体を近位方向に押す。カテーテル支持体280がイントロデューサ210の遠位端壁に当接し、ユーザがアクチュエータ270を遠位方向に移動させ続けると、可撓性ビーム293が上方に少量偏向され、突起294が解放可能ロック322の係合部分324の上に押し出される。可撓性ビーム293上の突起294の表面および/または解放可能ロック322の係合部分324は、係合部分324上の突起294の移動を容易にするために、丸みを帯びている、および/または含まれるカム面であってもよい。次いで、アクチュエータ270が近位方向に移動するとき、突起294と解放可能ロック322の係合部分324との間の係合は、カテーテル支持体280が溝の近位端に隣接し、カテーテル支持体280の近位方向への前進を停止するまで、アクチュエータ270がカテーテル支持体280を近位方向に引っ張ることを可能にする。ユーザがアクチュエータ270を近位方向に移動させ続けると、可撓性ビーム293は上方に少量偏向され、突起294は解放可能ロック322の係合部分324の上に押し付けられ、それによってアクチュエータ270をカテーテル支持体から切り離す。
【0112】
別の例では、
図34に示されるように、フック302を含む係合突起301は、アクチュエータ270の係合部材272の遠位端から延びてもよく、フック304を有する対応する枢動可能な突起303は、カテーテル支持体280の近位端から延びてもよい。アクチュエータ270上の係合突起301は、カテーテル支持体280の枢動可能な突起303を受け入れるための凹部305を画定する。凹部305は、アクチュエータ270の係合部材272に最も近い傾斜した底面306を有する。枢動可能な突起303は、イントロデューサ210に画定されたカムスロット308に乗るピン307の周りを枢動する。カムスロット308は、保持部分309および移動部分310の2つの部分を備える。保持部分309は、移動部分310の近位端に設けられ、移動部分310と下向きの角度、例えば、直角を形成する。保持部分309は、カテーテル260が第1の位置にあるときに、カテーテル支持体280の所望の位置に対応する位置に配置される。移動部分310は、保持部分309からイントロデューサ210の遠位端部分212まで延びる。
【0113】
アクチュエータ270が遠位方向に移動し、カテーテル支持体280に当接するとき、枢動可能な突起303は、係合突起301によって画定される凹部305に受け入れられる。枢動可能な突起303は、凹部305の傾斜した底面306によって時計回りに枢動される。係合突起301のフック302は、枢動可能な突起303のフック304と係合し、傾斜した底面306は、ピン307をカムスロット308の保持部分309からカムスロット308の移動部分310に遷移させる。アクチュエータ270のさらなる遠位移動は、ピン307がカムスロット308の移動部分310に乗っている状態で、カテーテル支持体280を遠位方向に移動させる。
【0114】
結合されたアクチュエータ270およびカテーテル支持体280が近位方向に移動され、ピン307がカムスロット308の移動部分310の近位端に到達すると、ピン307はカムスロット308の保持部分309に遷移し、枢動可能な突起309は、枢動可能な突起303のフック304を係合突起301のフック302から外す反時計回り方向に回転する。次いで、カテーテル支持体280が静止したままである間、アクチュエータ270を近位方向にさらに移動させることができる。
【0115】
第3の構成では、カテーテル260は、例えば、シールなどの遠位のイントロデューサ210内に配置され、その中に隔離され得る。例えば、アクチュエータ270は、カテーテル260が第1の位置にある最も近位の位置に配置することができる。さらに、アクチュエータ270およびカテーテル260が所望の位置にあると、ユーザは、開口217のより小さい部分を画定するイントロデューサ210の表面が二次カテーテル265に接触してクランプするように、開口217内の二次カテーテル265を操作することができる。したがって、二次カテーテル265の管腔268は、それを通る流体の流れを制限および/または実質的に防止するために、実質的に閉塞され(obstructed)、閉塞され(occluded)、ブロックされ、挟まれ得る。二次カテーテル265をクランプすることは、二次カテーテル265を通って流体が漏れることを低減および/または実質的に防止することができる。次いで、流体移送デバイス200は、流体リザーバ、流体源、注射器などから分離され、安全に廃棄され得る。
【0116】
図35~38に示されるように、カテーテル支持体280aは、カテーテル支持体280aから外向きに延びる少なくとも1つのロック突起312を含み得る。ロック突起312は、イントロデューサ210の遠位端部分212にカテーテル支持体280があり、カテーテル260がPIVに導入された状態で流体移送デバイス300が第2の構成にあるとき、ロック突起312がロック240のアーム243、250とカプラ241との間の空間に受け入れられ、ロック240のアーム243、251の第1の端部244、251が押し下げられ、ロック240をPIVから解放することをブロックするようなサイズおよび形状である。ロック240の解放とのロック突起312の干渉は、ロック240をPIVから切断する前に、ユーザがカテーテル支持体280およびアクチュエータ270を格納し、それによってカテーテル26 0をPIVから格納することを必要とする。これにより、カテーテル260がPIV内、場合によっては患者の静脈内に受け入れられている間、イントロデューサ210がPIVから取り外されないことが保証される。
【0117】
ロック突起312は、イントロデューサ210内のスロット218から延びてもよく、横方向に外向きに延びる第1の部分313、第1の部分313から下向きに延びる第2の部分314、および第2の部分314から遠位に延びる第3の部分315を含み、第3の部分315は、ロック240のアーム243、250のうちの1つとカプラ241との間の空間に入る。第1の部分316は、スロット218を介してカテーテル支持体280のブラケット部分281に接続されてもよく、係合部材284がカテーテル支持体280に設けられている場合、係合部材284であってもよい。
【0118】
あるいは、ロック240が垂直に配置されている場合、突起は、アクチュエータ270の壁277が通過するイントロデューサ210の第1の部材220に設けられたスロット218から延び得る。
【0119】
図39および40に示されるように、カテーテル支持体280bは、複数の突起312a、312b、例えば、ロック240の第1のアーム243に対応する1つの突起312a、およびロック240の第2のアーム250に対応する1つの突起312bを有し得る。突起312a、312bは、イントロデューサ210の上部外面の上に横方向に外向きに延びる共通の第1の部分316、イントロデューサ310の外面の反対側で第1の部分316から下向きに延びる第2の部分317、および第2の部分317から遠位に延びる第3の部分318を含み得、第3の部分318は、ロック240のアーム243、250とカプラ241との間の空間に入る。第1の部分316は、スロット218を介してカテーテル支持体280のブラケット部分281に接続され、係合部材284がカテーテル支持体280に設けられている場合、係合部材284であり得る。第2の突起312bは、第1の突起312aの鏡像であり得る。
【0120】
使用中、上述のように、二次カテーテルの近位端部分は、流体リザーバ、流体源、注射器、真空容器ホルダ(例えば、被覆針を有するか、または被覆針に結合されるように構成される)、ポンプなどに結合され、流体移送デバイスのロックは、PIVに結合される。アクチュエータは、カテーテルがイントロデューサの内部容積およびロックのうちの少なくとも1つ内に配置される第1の位置から、カテーテルがPIVの少なくとも一部を超えて配置され、カテーテルの遠位表面がPIVまたは患者の静脈内の所望の距離に配置される第2の位置に向かってカテーテルを前進させるためにイントロデューサに対して移動される。カテーテルがPIVを通して所望の距離に挿入されると、血液サンプルが患者から採取されるか、または薬物が患者に注入される。試料の吸引または注入が完了すると、アクチュエータがイントロデューサに対して移動され、少なくともカテーテルの遠位面がロック内に受け入れられ、ロックがPIVから係合解除されるまで、カテーテルがPIVから格納される。
【国際調査報告】