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▶ フットプリント インターナショナル, エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】繊維ベースの食品容器
(51)【国際特許分類】
   D21J 5/00 20060101AFI20241031BHJP
   D21H 21/16 20060101ALI20241031BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20241031BHJP
   B65D 81/34 20060101ALI20241031BHJP
   B29C 70/30 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
D21J5/00
D21H21/16
B65D65/46
B65D81/34 X
B29C70/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525706
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2024-06-28
(86)【国際出願番号】 US2021062212
(87)【国際公開番号】W WO2023075809
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】17/513,801
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519030833
【氏名又は名称】フットプリント インターナショナル, エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】チュン ヨーク ドウ
(72)【発明者】
【氏名】ムーア ブランドン エム.
(72)【発明者】
【氏名】チャン イユン
【テーマコード(参考)】
3E013
3E086
4F205
4L055
【Fターム(参考)】
3E013BA04
3E013BA05
3E013BA06
3E013BA09
3E013BA12
3E013BB06
3E013BB08
3E013BC20
3E013BD06
3E013BD07
3E013BD15
3E013BE01
3E013BE05
3E013BF03
3E013BF29
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3E086AD05
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3E086BB02
3E086BB71
3E086BB72
3E086BB74
3E086BB90
3E086CA01
3E086CA11
3E086CA19
3E086CA22
3E086CA25
3E086CA27
3E086CA28
3E086CA29
3E086CA31
3E086CA32
3E086CA33
3E086CA35
3E086DA08
4F205AA29
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4F205AC05
4F205AD16
4F205AG06
4F205AH55
4F205AM28
4F205HA06
4F205HA22
4F205HA35
4F205HB01
4F205HC08
4F205HF05
4F205HT05
4L055AG40
4L055AG47
4L055AG48
4L055AG84
4L055AG87
4L055AG89
4L055AG99
4L055AH03
4L055AH11
4L055AH24
4L055AH50
4L055BF08
4L055BF09
4L055CJ06
4L055EA14
4L055EA32
4L055FA11
4L055FA19
4L055GA05
4L055GA47
(57)【要約】
電子レンジ対応食品容器の製造方法及び装置は、前記電子レンジ用食品容器の鏡像を含む成形型の上にワイヤメッシュを形成し、前記ワイヤメッシュを繊維ベースのスラリーバスに浸漬し、前記ワイヤメッシュを真空に引いて、繊維粒子を前記ワイヤメッシュの表面に蓄積させ、前記蓄積した繊維粒子を含む前記ワイヤメッシュをスラリーバスから除去することを含み、前記スラリーは、湿気バリア、油バリア、及び蒸気バリアのうちの1つ以上を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品容器であって、
前記食品容器の形状に対応する成形型の形のメッシュを形成し、
前記メッシュを繊維ベースのスラリーに浸し、
前記メッシュを真空に引いて繊維粒子を前記メッシュの表面に蓄積させ、
前記メッシュ及び前記蓄積した繊維粒子をスラリーバスから除去する
ことによって得られる食品容器であって、
前記スラリーは、1重量%~10重量%の範囲の湿気バリア成分を含むことを特徴とする食品容器。
【請求項2】
前記スラリーは約4%の範囲の湿気バリア成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項3】
前記湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項4】
前記湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)80を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項5】
前記湿気バリア成分は長鎖ジケテンを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項6】
前記スラリーは、カチオン性染料及び繊維反応性染料のうちの1つを含む着色剤を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項7】
前記スラリーは、塩及びソーダ灰のうちの1つを含む染料吸収剤を更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項8】
更に、前記蓄積された繊維粒子を有する前記メッシュを湿式プロセス又は乾式プロセスのいずれかで処理することを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項9】
前記スラリーは、更に、1重量%~7重量%の範囲のデンプン成分を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項10】
前記デンプン成分は、カチオン性液体デンプンを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の食品容器。
【請求項11】
前記デンプン成分は、変性ポリアミンを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の食品容器。
【請求項12】
前記デンプン成分は、繊維と水素結合とイオン結合の両方を形成する
ことを特徴とする請求項9に記載の食品容器。
【請求項13】
前記デンプン成分は、ポリアミドエピクロロヒドリン(PAE)樹脂を含む
ことを特徴とする請求項9に記載の食品容器。
【請求項14】
前記蓄積された繊維粒子を乾燥することを更に含む
ことを特徴とする請求項1に記載の食品容器。
【請求項15】
前記食品容器の表面に油バリアコーティングを施すことを更に含む
ことを特徴とする請求項14に記載の食品容器。
【請求項16】
前記油バリアコーティングは、水系乳剤を含む
ことを特徴とする請求項15に記載の食品容器。
【請求項17】
前記油バリアコーティングは、前記食品容器の0.5重量%~10重量%の範囲である
ことを特徴とする請求項16に記載の食品容器。
【請求項18】
前記食品容器の表面に蒸気バリアのコーティングを施すことを更に含む
ことを特徴とする請求項14に記載の食品容器。
【請求項19】
前記蒸気バリアは、共重合体組成物を含む
ことを特徴とする請求項18に記載の食品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2021年10月28日に出願された米国特許出願第17/513,801号に対する優先権を主張するものであり、同出願は2020年2月13日に出願された米国特許出願第16/790,675号の分割出願であり、同出願は2016年7月26日に出願された米国特許出願第15/220,371号の継続出願であり、その全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、一般的には、容器及び包装材料を製造するための環境に優しい方法及び装置に関し、より具体的には、プラスチックに代わる真空成形繊維製品に使用するための新規なスラリー及び/又はコーティングの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
使い捨てプラスチック容器や包装材による汚染は蔓延しており、地球規模の景観に傷跡を残し、生態系の健全性とそこに生息する様々な生物を脅かしている。ゴミは、発泡スチロールや発泡ポリスチレン(EPS)の包装材、持ち帰り用容器、ボトル、薄膜袋、光分解プラスチックペレットの破片の形で水路や海に流れ込む。
【0004】
この海洋ゴミが蓄積すると、海洋の各環流部に高密度のプラスチック島が大量に形成される。太陽光と波により、浮遊するプラスチックはどんどん小さな粒子に分解されるが、完全に消滅したり、生分解したりすることはない。プラスチックのマイクロビーズ1個でも、周囲の水の100万倍も有毒である。プラスチック粒子は、殺虫剤などの水系汚染物質を吸収するスポンジの役割を果たす。魚、カメ、更にはクジラもプラスチック製品を食べ、病気になったり、死んだりすることがある。小さな海洋動物は小さなプラスチック粒子を摂取し、私たちが魚介類を食べると、それを私たちに渡す。
【0005】
プラスチック汚染を削減するための持続可能なソリューションが勢いを増している。しかし、継続的に採用するには、これらのソリューションが環境に優しいだけでなく、性能とコストの両方の観点からプラスチックと競合できることが必要である。本発明は、競争力のあるコスト構造内で、製品性能を損なうことなく、成形繊維の革新的な技術でプラスチックを置き換えることに関するものである。
【0006】
簡単に背景を説明すると、成型紙パルプ(成型繊維)は1930年代から容器、トレイ、その他のパッケージの製造に使用されてきたが、1970年代にプラスチック発泡体パッケージが導入されて以来、衰退した。紙パルプは、古い新聞紙、段ボール箱、その他の植物繊維から製造できる。現在、成型パルプパッケージは、電子機器、家庭用品、自動車部品、医療製品、及び電子機器やその他の壊れやすい部品を輸送するためのエッジ/コーナープロテクターやパレットトレイとして広く使用されてる。成形型は、完成したパッケージの鏡像の形状に金属工具を機械加工して作成する。工具に穴を開け、その表面にスクリーンを取り付ける。スクリーンは、パルプが穴を詰まらせるのを防ぎながら、穴を通して真空を引き込む。
【0007】
成形パルプの2つの最も一般的なタイプは、タイプ1及びタイプ2に分類される。タイプ1は、3/16インチ(4.7mm)~1/2インチ(12.7mm)の壁を有して、サポート包装用途に一般的に使用される。タイプ1の成形パルプ製造は、また「乾式」製造としても知られており、粉砕した新聞印刷用紙、クラフト紙、又は水中に溶解した他の繊維から作製された繊維スラリーを使用する。プラテン上に取り付けられた成形型は、スラリーに浸されるか、又は浸漬され、真空が、略凸状の裏面に適用される。真空は、スラリーを成形型上に引っ張って、包装の形状を形成する。真空下にありながら、成形型は、スラリータンクから取り外され、水がパルプから排出されることを可能にする。次いで、成形された繊維片を押出すために、空気がツールを通して吹き込まれる。部品は、典型的には、乾燥オーブン内を動くコンベヤ上に堆積される。
【0008】
タイプ2の成形パルプ製造は、「湿式」製造としても知られており、典型的には、0.02インチ(0.5mm)~0.06インチ(1.5mm)の壁を有する容器を備えた電子機器、携帯電話、及び家庭用品の包装のために使用される。タイプ2成形パルプは、真空がスラリーを成形型上に引っ張る点まで、タイプ1の製造と同じ材料を使用し、かつ同じ基本プロセスに従う。この工程の後、移送成形型は、繊維包装と嵌合し、形成された「湿式部品」をホットプレス機に移動させ、繊維材料を圧縮及び乾燥させて、密度を増加させ、滑らかな外部表面仕上げを提供する。例えば、stratasys.com/solutions/additive-manufacturing/tooling/molded-fiber、keiding.com/molded-fiber/manufacturing-process、2007年4月11日に公開され、表題「Improved Molded Fiber Manufacturing」のGrenidea Technologies PTE Ltd. 欧州特許出願公開第1492926号明細書、及びafpackaging.com/thermoformed-fiber-molded-pulpを参照されたい。前述の全ての内容の全体が、本参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
繊維ベースの包装製品は生分解性があり、堆肥化可能で、プラスチックとは異なり、海洋に流出しない。ただし、現在知られている繊維技術は、肉や鶏肉の容器、調理済み食品、農産物、電子レンジ対応食品の容器、ホットコーヒーなどの飲料容器の蓋に使用するには適していない。
【0010】
従って、従来技術の限界を克服する方法及び装置が必要である。
【0011】
様々な特徴及び特性は、添付の図面及びこの背景セクションと併せて、下記の詳細な説明及び添付の特許請求の範囲からも明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0012】
本発明の様々な実施形態は、真空成形された、繊維ベースの包装及び容器製品を製造する方法、化学式、及び装置に関し、特に、i)構造的剛性を促進する新規の幾何学的特徴を具現化する肉、農産物、園芸、及びユーティリティ容器、ii)埋め込まれた及び/又は局所の湿気及び/又は蒸気バリアを有する肉、農産物、及び園芸容器、iii)農産物や園芸用の容器の通気孔のサイズを大きくするために、スプレーノズルの方向を変えるように改造された真空ツール、iv)埋め込まれた及び/又は局所的な水分、油、及び/又は蒸気バリア、及び/又は化学結合を改善するための歩留まり向上剤を組み込んだ電子レンジ/オーブン加熱可能な容器、v)長期保存期間中に構造的剛性を維持する湿気バリアを実装する肉容器、vi)湿気及び/又は蒸気バリアを備えた温かい飲料容器の蓋、及びvii)負の抜き勾配を備える飲料蓋を成形型から排出するためのピストンを含むように改造された真空ツールを含む。
【0013】
ここで説明されている様々な発明は、従来のスラリーベースの真空成形プロセスの文脈で説明されているが、これに限定されるものではないことに留意されたい。当業者であれば、ここで説明されている発明は、3D印刷技術を含むあらゆる繊維ベースの製造モダリティを想定できることが分かるであろう。
【0014】
その他の様々な実施形態、側面、及び特徴については、以下で更に詳しく説明する。
【0015】
以下、添付の図面と併せて例示的な実施形態を説明する。図面において、同様の番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、様々な実施形態に従った、繊維ベースのスラリーを使用した例示的な真空成形プロセスの概略ブロック図である。
図2図2は、様々な実施形態に従った、スラリーの化学組成を制御するための例示的な閉ループスラリーシステムの概略ブロック図である。
図3図3は、様々な実施形態に従った、フープ強度を高めるために、ロールエッジ、張り出したスカート、及びリブ付きの構造的特徴を示す例示的な農産物容器の斜視図である。
図4図4は、様々な実施形態に従った、図3に示した容器の端面図である。
図5A図5Aは、様々な実施形態に従った、拡張された通気孔を含む例示的な農産物容器の斜視図である。
図5B図5Bは、様々な実施形態に従った、図5Aに示される容器の端面図である。
図6A図6Aは、様々な実施形態に従った、様々な棚及びリブの特徴を示す食品容器の代替実施形態である。
図6B図6Bは、様々な実施形態に従った、様々な棚及びリブの特徴を示す食品容器の代替実施形態である。
図6C図6Cは、様々な実施形態に従った、様々な棚及びリブの特徴を示す食品容器の代替実施形態である。
図7図7は、様々な実施形態に従った、通気孔インサートからパルプを洗い流すように構成されたスプレーノズルを含む例示的なツールの斜視図である。
図8図8は、様々な実施形態に従った、図7に示したスプレーノズルの拡大図である。
図9図9は、様々な実施形態に従った、図7及び図8に示すスプレーノズルによって除去される対象となる余分な繊維の斜視図である。
図10図10は、様々な実施形態に従った、例示的な電子レンジ用食品容器の斜視図である。
図11A図11Aは、様々な実施形態に従った、例示的な肉容器の斜視図である。
図11B図11Bは、様々な実施形態に従った、図11Aに示した電子レンジ用食品容器の端面図である。
図12図12は、様々な実施形態に従った、オフセットリブを有する棚を示す浅い食品トレイの代替実施形態である。
図13図13は、様々な実施形態に従った、液体(例えば、スープ、又はコーヒーやソーダなどの飲料)容器の例示的な蓋の斜視図である。
図14図14は、様々な実施形態に従った、図13に示される蓋の上面図である。
図15図15は、様々な実施形態に従った、図13及び図14に示される蓋の側面図である。
図16図16は、様々な実施形態に従った、図13~15に示す蓋を製造する際に使用される例示的な成形型の斜視図である。
図17図17は、様々な実施形態に従った、後退位置で示された図16の成形型の側面図である。
図18図18は、様々な実施形態に従った、伸長位置で示された図17の成形型の側面図である。
図19図19は、様々な実施形態に従った、ユーティリティ(非食品)容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の本発明の詳細な説明は、単に例示であり、本発明又はその応用及び使用を制限することを意図するものではない。更に、前述の背景又は以下の詳細な説明で提示されたいかなる理論にも拘束される意図はない。
【0018】
本発明の様々な実施形態は、食品及び飲料業界の内外で使用される繊維ベース又はパルプベースの製品に関する。限定されない例として、本開示は、食品業界が直面する特有の課題に対処するために適応されたスラリーの特定の化学配合に関するものであり、これには油バリア、湿気バリア、水蒸気バリア、強化添加剤、及び/又は歩留まり向上剤などがあり、これまでこれらが欠如していたため、食品業界では繊維ベースの製品が使い捨てプラスチック容器及び部品に取って代わることが妨げられてきた。本開示では更に、剛性を高めるための幾何学的及び構造的特徴を有する繊維ベースの容器も検討されている。これらの特徴と新しい化学物質を組み合わせることで、繊維ベースの製品は、様々な用途でプラスチック製の同等品に取って代わることができ、それは、例えば、冷凍、冷蔵、非冷蔵食品;医療、製薬、生物学用途;電子レンジ対応食品容器、飲料;食用及び非食用液体;保管、輸送、調理(調理など)中に水、油、及び/又は水蒸気を放出する物質;消費用であり造園/ガーデニング用の植物、花、ハーブ、低木、樹木を含む園芸用途;化学薬品の保管及び分配装置(例えば、塗料トレイ);農産物(果物や野菜などの人間及び動物の食品を含む);サラダ;調理済み食品;肉、鶏肉、魚の包装;蓋;カップ;ボトル;これらの処理及び展示用のガイド及びセパレーター;電子機器、鏡、美術品、その他の壊れやすい部品を梱包、保管、出荷するためのエッジ及びコーナーピース;バケツ;チューブ;ガスケット、スペーサー、シール、クッションなどの工業、自動車、船舶、航空宇宙、軍事用部品;前述のコンポーネントを製造するための関連する成形型、ワイヤメッシュ形態、レシピ、プロセス、化学式、ツール、スラリー分配、化学物質監視、化学物質注入、並びに関連システム、装置、方法、及び技術などである。
【0019】
図1を参照すると、繊維ベースのスラリーを使用する例示的な真空成形システム及びプロセス100には、製造される製品の鏡像の形をした成形型(明確にするために図示せず)が、成形型の輪郭に一致するように薄いワイヤメッシュフォーム102で包まれる第1段階101が含まれる。繊維ベースのスラリー104の供給104は、圧力(Pl)106(通常は周囲圧力)で入力される。成形型内部を低い圧力(P2)108に保つと、スラリーがメッシュフォームを通して引き出され、成形型の形状に繊維粒子が捕捉され、余分なスラリー110が排出されてシステム内に戻されて循環する。
【0020】
図1を引き続き参照すると、第2段階103では、成形型の形状に合わせてワイヤメッシュの周りに繊維層130を蓄積する。層130が所望の厚さに達すると、成形型は第3段階105に入り、湿式又は乾式硬化のいずれかが行われる。湿式硬化プロセスでは、形成された部品が加熱プレス機(図示せず)に移され、層130が圧縮され、所望の厚さまで乾燥され、完成部品の外部表面が滑らかに仕上げられる。乾燥硬化プロセスでは、加熱された空気が層130上に直接通過してそこから水分が除去され、従来の卵パックのような質感のある仕上がりになる。
【0021】
様々な実施形態によれば、真空成形プロセスは、未使用のスラリーが製品が形成されるバスに再循環されるという点で、閉ループシステムとして運用される。従って、化学添加剤の一部(以下でより詳細に説明)は個々の繊維に吸収され、添加剤の一部は水性溶液に残る。真空成形中は、繊維(添加剤の一部を吸収したもの)のみが型に閉じ込められ、残りの添加剤はタンクに再循環される。従って、残りの添加剤はスラリー溶液とともに再循環されるため、成形された部品に閉じ込められた添加剤のみを補充する必要がある。以下に説明するように、システムは、スラリーを構成する構成成分の所定の体積比で真空タンク内の定常化学状態を維持する。
【0022】
図2を参照すると、スラリーの化学組成を制御するための閉ループスラリーシステム200が示されている。図示の実施形態では、タンク202に特定の所望の化学組成を持つ繊維ベースのスラリー204が充填され、その後、真空モールド206がスラリーバスに浸されて成形部品が形成される。成形部品が所望の厚さに形成された後、モールド206は後続の処理208(例えば、成形、加熱、乾燥、トップコーティングなど)のために取り外される。
【0023】
一般的な湿式プレス工程では、ホットプレス温度範囲は約150~250℃、ホットプレス圧力範囲は約140~170kg/cmである。最終製品の密度は、約0.5~1.5g/cmであり、最も可能性が高くは、0.9~1.1g/cmである。最終製品の厚さは約0.3~1.5mmであり、望ましくは、約0.5~0.8mmである。
【0024】
図2を引き続き参照すると、パルプと水を含む繊維ベースのスラリーが、スラリー入力210からタンク202に入力される。様々な実施形態では、グラインダーを使用してパルプ繊維を粉砕し、追加の結合部位を作成することができる。1つ以上の追加の成分又は化学添加剤が、それぞれの入力212~214に供給される。スラリーは、閉ループ導管218を使用して再循環され、必要に応じて追加のパルプ及び/又は水が追加される。所望の化学添加剤の定常バランスを維持するために、サンプリングモジュール216は、スラリーの構成成分を測定又は監視し、それぞれの入力212~214を制御することによってそれぞれの添加剤レベルを動的に又は定期的に調整するように構成されている。通常、スラリー濃度は約0.1~1%であるが、最も理想的なのは0.3~0.4%である。1つの実施形態では、様々な化学成分が所定の望ましい体積パーセントで維持される。或いは、化学組成は重量パーセント又はその他の望ましい制御様式に基づいて維持されてもよい。
【0025】
202で使用されるパルプ繊維は、繊維同士の結合を改善し、繊維への化学物質の結合を改善するために機械的に粉砕することもできる。このようにして、スラリーは、繊維材料の濾水度、すなわち排水速度を変える精製プロセスを受ける。精製により、繊維は物理的に修正されてフィブリル化し、より柔軟になり、より良好な結合が達成される。また、精製プロセスにより、最終製品の引張強度及び破裂強度が増加する可能性がある。様々な実施形態において、濾水度は、繊維の表面状態及び膨潤に関連している。本明細書に記載の多くのプロセス及び製品の場合、濾水度(csf)は、適切には200~700の範囲内であり、好ましくは約220~250である。
【0026】
様々な繊維ベースのパッケージ及び容器の化学式(ここでは「化学物質」と呼ばれることもある)及び製品構成、並びにそれらの製造方法について、図3~19と併せて説明する。
【0027】
農産物容器
図3は、ロールエッジ302、張り出したスカート304、及び外側に湾曲したサイドパネル、サイドリブ306、及びフープ強度を高めるための底部リブ308を含む様々な構造的特徴を示す、例示的な農産物容器(例えば、マッシュルームティル)300の透視図である。この文脈では、フープ強度という用語は、反対のベクトル310に沿って加えられた横方向の力と、その結果生じるたわみの測定値を指する。容器の初期のフープ強度は主に形状によって決まるが、容器が内容物(キノコなど)から浸出又は放出された水分を吸収するにつれて、フープ強度は低下する傾向がある。本発明者は、様々な用途に最適化されたスラリー化学と様々な幾何学的特徴を組み合わせることで、長期間の保管期間にわたってフープ強度を維持できることを突き止めた。つまり、スラリーに防湿バリアを組み込む(及び/又は防湿表面コーティングを施す)ことにより、容器の内容物から水分が漏れても、フープ強度をより長期間維持することができる。
【0028】
図4は、図3に示す容器とほぼ同様の容器400の端面図であり、幅寸法402、高さ寸法404、及び0.1~5ミリメートルの範囲、好ましくは約1.5ミリメートルのスカート長さ408を示している。図示の実施形態では、スカートは下向きに伸びているが、代わりに、スカートは垂直面に対して斜め又は鈍角で伸びていてもよい。幅及び高さの寸法402、404は、任意の所望の値、例えば、20~400mmの範囲、好ましくは約60~200mmであってもよい。
【0029】
簡潔に上述したように、本発明により、容器を真空成形するために使用される様々なスラリーは、各特定の製品用途のために調整された所望の性能特性を付与するために化学成分が添加された、パルプ及び水の繊維系混合物を含む。ベース繊維は、少なくとも以下の材料:軟材(SW)、バガス、タケ、古い段ボール箱(OCC)、及び新聞印刷用紙(NP)のうちのいずれか1つ又は組み合わせを含みうる。代替的に、ベース繊維は、以下のリソースに従って選択されてもよく、その内容全体が、この参照により本明細書に組み込まれる:Mohamed Naceur Belgacem及びAntonio Pizziによって編集され(Scrivener Publishing, LLCによって2016著作権保護)、及びhttps://books.google.com/books?id=jTL8CwAAQBAJ&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=falseから入手可能な「Lignocellulosic Fibers and Wood Handbook:Renewable Materials for Today’s Environment,」、African Pulp and Paper Weekにおいて2002年10月8日に公開され、tappsa.co.za/archive/APPW2002/Title/Efficient_use_of_fluorescent_w/efficient_use_of_fluorescent_w.htmlから入手可能な、Liisa Ohlsson及びRobert Federeによる「Efficient Use of Flourescent Whitening Agents and Shading Colorants in the Production of White Paper and Board」、Woodhead Publishing Ltd.によって200著作権保護され、books.google.com/books?id=xO2iAgAAQBAJ&printsec=frontcover#v=onepage&q&f=falseで入手可能な、J F Kennedy、G O Phillips、P A Williamsによって編集されたCellulosic Pulps, Fibres and Materials: Cellucon ’98 Proceedings、ならびに1992年12月8日に発行された米国特許第5,169,497A号、表題「Application of Enzymes and Flocculants for Enhancing the Freeness of Paper Making Pulp」。
【0030】
湿式又は乾式プレスのいずれかを使用して製造された真空成形製品容器に関して、OCC及びNPの繊維系が、使用されてもよく、OCC成分は、50%~100%、好ましくは約70%OCC及び30%NPであり、1~10重量%の範囲内、好ましくは約1.5重量%~4重量%、最も好ましくは約4重量%の添加された水分/撥水剤を有する。好ましい実施形態では、湿気/水バリアは、fobchem.com/html_products/Alkyl-Ketene-Dimer%EF%BC%88AKD-WAX%EF%BC%89.html#.V0zozvkrKUkにおけるFOBCHEM、及びyztianchengchem.com/en/index.php?m=content&c=index&a=show&catid=38&id=124&gclid=CPbn65aUg80CFRCOaQod0JUGRgにおけるYanzhou Tiancheng Chemical Co., Ltd.から入手可能な、アルキルケテンダイマー(AKD)(例えば、AKD 80)及び/又は長鎖ジケテンを含みうる。
【0031】
成形パルプ製品のための特定の色を生じさせるために、カチオン性染料又は繊維反応性染料が、パルプに添加されうる。Procion MXなどの繊維反応性染料は、繊維と分子レベルで結合し、化学的に生地の一部となる。また、塩、ソーダ灰を添加すること、及び/又はパルプ温度を増加させることは、吸収された染料が生地内に更に閉じ込められて、色のにじみを防止し、色の深さを向上させるのに役立つ。
【0032】
構造的剛性を向上させるために、デンプン成分が、例えば、Topcat(登録商標)L98カチオン性添加剤、Hercobond、及びTopcat(登録商標)L95カチオン性添加剤(Cedar Rapids, IowaのPenford Products Co.から入手可能)として市販されている液体デンプンが、スラリーに添加されうる。代替的に、液体デンプンはまた、Penbond(登録商標)カチオン性添加剤及びPAF 9137 BRカチオン性添加剤(Penford Products Co., Cedar Rapids, Iowaからも入手可能である)として入手可能なものなどの、低電荷液体カチオン性デンプンと組み合わせることもできる。
【0033】
乾式プレスプロセスに関して、Topcat L95は、0.5重量%~10重量%、好ましくは約1重量%~7重量%の範囲内で、特に高湿度環境で強度を維持する必要がある製品については、最も好ましくは約6.5重量%、そうでなければ、最も好ましくは約1.5~2.0重量%の範囲内で添加されうる。湿式プレスプロセスに関して、繊維及び微粒子と水素及びイオン結合の両方を形成する、修飾ポリアミンから作製される、Topcat L95又はHercobondなどの、乾燥強度添加剤である。乾燥強度添加剤は、乾燥強度を増加させること、ならびに排水及び歩留まりに役立ち、繊維製品にアニオン、疎水性物質及びサイズ調整剤を固定するのにも効果がある。これらの添加剤は、0.5重量%~10重量%の範囲内、好ましくは約1重量%~6重量%、最も好ましくは約3.5重量%で添加されうる。加えて、湿式及び乾式プロセスの両方は、湿式強度添加剤、例えば、Kymene 577などのポリアミド-エピクロロヒドリン(PAE)樹脂、又はashland.com/productsにおけるAshland Specialty Chemical Productsから入手可能な同様の成分で配合された溶液の添加から利益を得ることができる。好ましい実施形態では、Kymene 577は、0.5体積%~10体積%の範囲、好ましくは約1体積%~4体積%、最も好ましくは約2体積%又は乾燥強度添加剤の投与と略等量で添加されうる。Kymene 577は、1分子当たり平均2つ以上のアミノ基及び/又は第4級アンモニウム塩基を含有するポリカチオン性材料のクラスのものである。このようなアミノ基は、カチオン性種を生成するために酸性溶液中でプロトン化する傾向がある。ポリカチオン性材料の他の例としては、Hercules製のHercosett 57及びCiba-Geigy製のCatalyst 3774として市販されている、縮合アジピン酸及びジメチレントリアミンから調製されたもののような、アミノ含有ポリアミドをエピクロロヒドリンで修飾したことに由来するポリマーが挙げられる。
【0034】
一部の包装用途では、例えば、熟成を促進したり、内容物(トマトなど)の腐敗を防ぐために、容器に空気を流すことが望ましい。しかし、従来の真空ツールは、通常、下向きの水スプレーを使用して型から余分な繊維を洗い流すため、完成した農産物の通気孔のサイズが制限される。本発明者は、スプレーの方向を変えると、リンスサイクル中に繊維をより多く除去しやすくなり、所定の型構成で完成した製品の通気孔がより大きくなることを突き止めた。
【0035】
より具体的には、図5Aは、延長された逃がし穴502を含む例示的な農産物容器500の透視図である。図5Bは、延長された通気孔506を示す容器504の端面図である。この文脈では、「延長された通気孔」という用語は、以下で説明する図9~7に示す修正されたツールを使用して作成された穴を指す。
【0036】
ここで図6A~6Cを参照すると、食品容器の構造的剛性/完全性を高めるために、様々な幾何学的特徴の組み合わせが採用されてもよい。限定されない例として、1つ又は複数の水平に延びる棚602、604を側壁の上部領域と下部領域の間に配置することができる。棚が1つしかない側壁の場合、棚はトレイの上部から壁の高さの30%~50%の範囲、好ましくは約35%に配置してもよい。棚は、サイドパネルをへこませたり、抜き勾配角度を変えたりすることによって作成されてもよい。例えば、図6Cに示す実施形態では、下部領域606は約4~6°(好ましくは約5°)の範囲の抜き勾配角度を示し、上部領域608は約6~8°(好ましくは約7°)の範囲の抜き勾配角度を示す。
【0037】
図6A~6Cを引き続き参照すると、様々なリブ構成610が食品容器の底部に沿って、また側面パネル上に配置されてもよい。リブは、棚、棚の上(例えば、側壁の上部領域、例えば上端から下方向の距離の25%)、棚の下(例えば、側壁の下部領域、例えば棚から下方向の距離の25%)、又は側壁の上端で終了するように構成されてもよい。図6Cに示すように、リブ612は容器の底部から上方に伸びて棚で終わり、その後に続くリブ614はリブ612からオフセットされ、棚から上方に伸びる。リブは、丸型、四角型、又はその他の所望の幾何学的形状又は構成で終了してもよい。
【0038】
通気孔ツール
図7は、通気孔インサート706から余分なパルプを洗い流すように構成された複数の方向転換スプレーノズル704を含む方向性水衝突洗浄システム700である。より具体的には、成形型(図示せず)はワイヤメッシュ708で覆われており、成形型には完成品の通気孔に対応するインサートが含まれている。供給導管702は、複数のスプレーノズルを含むマニホールド711にリンス水を分配する。各スプレーノズルは、インサート付近の余分な繊維を除去するためにリンス水を導くように構成されている。
【0039】
図8を少し参照すると、マニホールド811の一部のクローズアップ図800には、対応するインサート706の近くに洗浄水を向けるように構成されたスプレーノズル802が示されている。このようにして、インサートの周囲の残留繊維の大部分が除去され、上からスプレーされた水で成形型を単に洗浄する現在知られているシステムと比較して、完成した製品に拡張された通気孔がもたらされる。重要なことは、拡張された通気孔は、下にある成形型又はインサートを調整することなく実現できることである。
【0040】
図9に示すように、本発明の改良されたスプレーノズルによって除去される対象となる余分な繊維900は、既存の成形型と現在知られているインサートを使用して拡張された通気孔を提供する。
【0041】
電子レンジ対応容器
本発明者は、前述の農産物容器の開発から得られた知識に基づいて、スラリーの化学を最適化することにより、成形繊維容器を、電子レンジ、対流式オーブン、及び従来のオーブンでの使用に適した使い捨て食品容器として適したものにすることができると判断した。特に、スラリーの化学組成は、熱い容器を容器よりも温度の低い表面に置くことで結露が発生するのを防ぐために、i)湿気バリア、ii)油バリア、iii)水蒸気(結露)バリアの3つの性能指標の1つ以上を有利に満たす必要がある。この文脈では、水蒸気が容器に浸透する程度は容器の多孔性に関係しており、本発明はこれを低減することを目指している。つまり、容器が油や水に対して実質的に不浸透性であっても、水蒸気が容器に浸透すると、特に水蒸気が冷たい表面で凝縮して湿気の輪を残すと、ユーザーエクスペリエンスが損なわれる可能性がある。本発明者は更に、水蒸気は通常プラスチックバリアに浸透しないため、凝縮の問題は繊維ベースの用途で特に顕著であると判断した。
【0042】
従って、電子レンジ可能な容器に関して、本発明は、水バリア、油バリア、及び水蒸気バリアの1つ以上、ならびに任意選択の歩留まり強化及び又は向上剤を含む、繊維又はパルプ系スラリーを企図する。一実施形態では、約10%~90%の範囲内、好ましくは約7:3の比で、軟材(SW)/バガスの繊維ベースが、使用されうる。水/湿気バリアとして、AKDは、約0.5%~10%の範囲、好ましくは約1.5%~4%、最も好ましくは約3.5%で使用されうる。油バリアとして、グリース及び撥油添加剤は、多くの場合、ダイキン又はworldofchemicals.com/chemicals/chemical-properties/unidyne-tg-8111.htmlにおけるWorld of Chemicalsから入手可能な、UNIDYNE TG 8111又はUNIDYNE TG-8731などのフッ素樹脂もしくは他のフッ素含有ポリマーの組成物を含有するフッ素の水系乳剤である。スラリー(又は局所コーティング)の油バリア成分は、重量パーセンテージとして、0.5重量%~10重量%の範囲内、好ましくは約1重量%~4重量%、最も好ましくは約2.5重量%で含みうる。歩留まり向上剤として、Naperville, Ill.のNalco Companyから入手可能なNalco 7527などの有機化合物は、0.1体積%~1体積%の範囲内、好ましくは約0.3体積%で用いられうる。最後に、完成品を強化するために、無機塩などの乾燥強度添加剤(例えば、solenis.com/en/industries/tissue-towel/innovations/hercobond-dry-strength-additives/で入手可能なHercobond 6950、またsfm.state.or.us/CR2K_SubDB/MSDS/HERCOBOND_6950.PDFを参照のこと)が、0.5重量%~10重量%の範囲内、好ましくは約1.5重量%~5重量%、最も好ましくは約4重量%で用いられうる。
【0043】
上述のように、蒸気バリア性能は、繊維トレイの多孔性によって直接影響を受ける。繊維トレイの多孔性の低減、従って、蒸気バリア性能の向上は、少なくとも2つのアプローチを使用して実現することができる。1つは、繊維を粉砕することによってトレイ材料の濾水度を改善することによる。第2の方法は、例えば、水系長鎖フッ素含有ポリマーである、Daikin S2066を使用した局所スプレーコーティングによる。スプレーコーティングは、約0.1重量%~3重量%の範囲内、好ましくは約0.2重量%~1.5重量%、最も好ましくは約1重量%で使用して実装されうる。
【0044】
図10を参照すると、電子レンジ対応食品容器1000の例には2つの区画が描かれているが、容器は任意の形状(例えば、丸いボウル、楕円形、長方形など)であってもよい。上述のように、様々な水、油、蒸気バリアはスラリーに埋め込まれるか、スプレーコーティングとして局所的に塗布されるか、又はその両方であってもよい。
【0045】
肉容器
食料品店で家禽、牛肉、豚肉、及び魚介類のディスプレイ用に使用されるものなどの、現在知られている肉用トレイは、典型的に、主にそれらの優れた湿気バリア特性のために、ポリスチレン及び発泡スチロールなどのプラスチック系材料から作製される。本発明者は、電子レンジ可能な容器用に使用される前述の化学物質の変形は、特に湿気バリアに関して、肉用トレイにおける使用に適合されうることを判定した(油及び多孔性バリアは、典型的には、電子レンジ用容器ほどには肉用トレイにおいて重要ではない)。
【0046】
従って、肉用容器に関して、本発明は、水バリア及び任意選択の油バリアを含む、繊維又はパルプ系スラリーを企図する。一実施形態では、約10%~90%の範囲内、好ましくは約7:3の比で、軟材(SW)/バガス及び/又はタケ/バガスの繊維ベースが、使用されうる。湿気/水バリアとして、AKDは、約0.5%~10%の範囲内、好ましくは約1%~4%、最も好ましくは約4%で使用されうる。油バリアとして、水系乳剤、UNIDYNE TG 8111又はUNIDYNE TG-8731などが用いられうる。スラリー(又は局所コーティング)の油バリア成分は、重量パーセンテージとして、0.5重量%~10重量%の範囲内、好ましくは約1重量%~4重量%、最も好ましくは約1.5重量%で含みうる。最後に、完成品を強化するために、Hercobond 6950などの乾燥強度添加剤は、0.5重量%~10重量%の範囲内、好ましくは約1.5重量%~4重量%、最も好ましくは約4重量%で用いられうる。
【0047】
農産物容器に関連して上記で考察されたように、スラリー化学物質は、構造的特徴と組み合わせて、湿気/水がトレイに浸透するのを防止することによって、長期にわたる剛性を経時的に提供しうる。
【0048】
図11Aは、例示的な肉容器1100の斜視図であり、図11Bは、側壁リブ1102及び底部リブ1104を含む図11Aに示される肉容器の端面図である。
【0049】
図12は、底部に沿って、側壁に沿って上方に延び、棚1204で終わるリブ1202を含む、例示的な浅い肉容器1200の透視図である。第1のリブ1202からオフセットされた第2のリブ1206は、棚から上方に延びている。
【0050】
飲料用蓋
繊維とパルプを原料とした紙コップは広く知られているが、飲料業界では持続可能な繊維を原料とした蓋のソリューションが依然として必要とされている。ファイバーベースの蓋が広く採用される上での大きな障害は、蓋にゼロ又は負の抜き勾配を組み込む能力、つまり、蓋を成形型から簡単に取り外せるようにする能力にある。更に、繊維ベースの化学物質は、液体の存在下で蓋の剛性が損なわれないように、適切な湿気/水バリアを提供するように適応させる必要がある。本発明で検討されている方法、化学式、及びツールは、これまでの従来技術では対処できなかった方法で、これらの問題の両方に対処する。
【0051】
特に、蓋の化学は、上で説明した肉トレイや電子レンジ用ボウルに似ている。具体的には、飲料容器の蓋の場合、本発明は、水/湿気バリアと任意の歩留まり向上剤を含む繊維又はパルプベースのスラリーを想定している。一実施形態では、約10%~90%の範囲、好ましくは約7:3の比率の針葉樹(SW)/バガス及び/又は竹/バガスの繊維ベースを使用することができる。湿気/水バリアとして、AKDは約0.5%~10%、好ましくは約1%~4%、最も好ましくは約4%の範囲で使用できる。剛性は、0.5重量%~10重量%、好ましくは約1重量%~4重量%、最も好ましくは約2重量%、又はシステム内で使用される乾燥強度添加剤と同量の Hercobond 6950によって強化されてもよい。Kymeneは、0.5%~10%の範囲で添加されてもよく、好ましくは約1%~4%、最も好ましくは約3%添加されてもよい。様々な実施形態では、AKDを添加する前に、Hercobond及び/又はKymene(又は機能的に類似した添加剤)をスラリーに添加されてもよい。
【0052】
図13を参照すると、例示的な蓋1300には、容器の内部から出る液体を吸い口1304に向かって押し出すように設計された保持壁1303に囲まれた傾斜プラットフォーム1302が含まれている。プラットフォーム1302には、小さな通気孔1310が配置されている。クラウン1306は、カップの上部(図示せず)とプラットフォーム1302の間に容積空間を定義し、ロックリング1308は、カップの上部にしっかりと固定されるように構成されている。図14は、図13に示した蓋の上面図であり、比較のためにプラットフォーム1402、通気口1410、及び吸い口1404が示されている。
【0053】
図15は、蓋1500の側面図であり、ロックリングに関連する負の抜き勾配1522を強調している。従来の常識では、真空成形製品にはゼロ又は負の抜き勾配の特徴は組み込まれない可能性があるとされており、なぜならば、従来の真空成形ツールでは、完成部品が嵌合部品(ここでは飲料カップ)に「固定」されるのと同じ方法で、負の抜き勾配の特徴が部品をツールに「固定」するため、完成部品をツールから取り外すことができないためである。この制限を克服するために、本発明では、図13~18を参照して以下でより詳細に説明するように、ゼロ又は負の抜き勾配の特徴が存在するにもかかわらず、蓋を成形型から取り外す真空成形型ツールを想定している。
【0054】
蓋のツール
ゼロ又は負の抜き勾配を有する繊維ベースの蓋を製造するためのツールは、蓋の鏡像にほぼ一致する形状を有し、完成した蓋を、蓋が固定されている成形型の部分からロック解除するために伸びるように構成された引き込み式ピストンを備える。
【0055】
ここで図16を参照すると、図13~15に示す蓋を様々な実施形態に従って製造する際に使用される例示的な成形型アセンブリの透視図が示されている。より具体的には、成形型アセンブリ1600は、ロックリング成形型部分1608(図13のロックリング1308に対応)を支持する成形型ブロック1620、傾斜プラットフォーム1602(図13の傾斜プラットフォーム1302に対応)を有するクラウン部分1630を含む引き込み式ピストンアセンブリ、及びシャフト部分1640を含む。オペレーション中、蓋はスラリーバス(図示せず)内で真空成形され、その後、図16に示すホットプレス上に移される。次に、蓋ツールのメス部分が、熱と圧力を使用して、湿式真空成形された蓋を圧縮する。
【0056】
図17は、図16の成形型を後退位置で示す側面図である。特に、ピストンが図17に示す後退位置にあるとき、ピストンのクラウン部分1706は、成形型ブロック1720のロックリング部分1708に隣接している。蓋が押されて形成されると、蓋の負の抜き勾配部分1522(図15を参照)が、成形型のロックリング部分1708の対応する負の抜き勾配部分1722の周りに固定される。完成した部品を成形型から取り外すには、ピストンを上方に伸ばして、蓋のロックリングを瞬間的に拡張し、成形型からロックを解除する。
【0057】
図18は、ピストンが伸長位置にある状態を示している。特に、シャフト1840は、クラウン部分1830をロックリング部分1808から押し離し、蓋を成形型の負の抜き勾配の特徴1822からロック解除する。一実施形態では、ピストンは空気圧で伸長し、高圧空気が解放されると、ピストン自身の重量で収縮する。
【0058】
ユーティリティ及び輸送コンテナ
図19は、様々な実施形態に従った側壁リブ1902及び周囲リップ1904を含む実用(非食品)容器1900の透視図である。収容されている材料の性質に応じて、前述の化学物質のいずれか1つ又は組み合わせを容器の構築に使用することができる。例えば、収容されている液体に水成分が含まれている場合は、適切な湿気/水バリアが採用され、収容されている材料に油成分が含まれている場合は、適切な油バリアが採用される、などである。
【0059】
本発明は、前述の実施形態の文脈で説明されているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明の教示に基づいて、様々な幾何学的特徴及び化学的性質を調整して、追加の用途に対応してもよい。
【0060】
従って、農産物容器を製造する方法が提供される。前記方法は、前記農産物容器の鏡像を含む成形型の上にワイヤメッシュを形成し、前記ワイヤメッシュを繊維ベースのスラリーバスに浸漬し、前記ワイヤメッシュを真空に引いて、繊維粒子を前記ワイヤメッシュの表面に蓄積させ、前記ワイヤメッシュをスラリーバスから除去することを含み、前記スラリーは、1.5%~4重量%の範囲の湿気/水バリア成分を含む。
【0061】
一実施形態では、スラリーは約4%の範囲の湿気バリア成分を含む。
【0062】
一実施形態では、湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)を含む。
【0063】
一実施形態では、湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)80を含む。
【0064】
一実施形態では、スラリーは、OCC/NPの比率が0.5/9.5の範囲の繊維ベースを含む。
【0065】
一実施形態では、スラリーは、更に、1重量%~7重量%の範囲の乾燥強度成分を含む。
【0066】
一実施形態では、デンプン成分は、カチオン性液体デンプンを含む。
【0067】
一実施形態では、スラリーは、更に、1重量%~4重量%の範囲のKymene(例えば、Kymene577)などの湿式強度成分を含む。
【0068】
一実施形態では、成形型は、垂直に下降するスカートを含むロールエッジを備える。
【0069】
一実施形態では、湿気/水バリアは約4%の範囲のAKDを含み、AKDは希釈溶液(例えば、1:10 ADK:水)としてパルプスラリーに添加でき、スラリーは1%~7%の範囲のカチオン性液体デンプン成分を含み、成形型は、垂直に下降するスカート、少なくとも1つの底部リブ、及び少なくとも1つの側壁リブを含むロールエッジを備えている。
【0070】
前述の方法に従って製造された農産物容器も提供される。
【0071】
完成した容器に通気孔を設けるように構成された実質的に垂直なインサートを有する成形型フォームを囲むワイヤメッシュを含むタイプの真空成形型アセンブリでは、方向性リンスアセンブリが提供される。方向性洗浄アセンブリは、給水導管と、給水導管に接続されたマニホールドと、及びマニホールドに接続され、水平成分を有するベクトルに沿ってインサートに水の噴霧を向けるように構成された噴霧ノズルと、を含む。
【0072】
一実施形態では、成形型は、実質的に垂直な複数のインサートを含み、方向性リンスアセンブリは、更に、複数のスプレーノズルを含み、複数のスプレーノズルのそれぞれは、水平成分を有するそれぞれのベクトルに沿ってそれぞれのインサートに水の噴霧を向けるように構成される。
【0073】
多孔性がゼロ又はほぼゼロの食品容器を製造する方法も提供される。前記方法は、第1ステップとして湿式プレス手順を含み、その後、ダイキンS2066などの水性長鎖フッ素含有ポリマーの薄層を、約0.5重量%~6重量%の範囲で、好ましくは約1%~5%の範囲で、最も好ましくは約4%で塗布するための追加の表面コーティング手順が続く。
【0074】
電子レンジ及び/又はオーブンで使用可能な食品容器を製造する方法も提供される。前記方法は、前記電子レンジ用食品容器の鏡像を含む成形型の上にワイヤメッシュを形成し、前記ワイヤメッシュを繊維ベースのスラリーバスに浸漬し、前記ワイヤメッシュを真空に引いて、繊維粒子を前記ワイヤメッシュの表面に蓄積させ、前記ワイヤメッシュをスラリーバスから除去することを含み、スラリーは、0.5重量%~10重量%の範囲の湿気バリア成分、0.5重量%~10重量%の範囲の油バリア、及び0.05重量%~5重量%の範囲の歩留まり向上剤を含む。
【0075】
一実施形態では、湿気/水バリア成分は、約1.5%~4%の範囲、油バリアは約1%~4%の範囲、歩留まり向上剤は約0.1%~0.5%の範囲である。
【0076】
一実施形態では、湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)を含む。
【0077】
一実施形態では、湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)79を含む。
【0078】
一実施形態では、スラリーは、SW/バガスの比率が0.5/9.5の範囲の繊維ベースを含む。
【0079】
一実施形態では、スラリーは、更に、1重量%~5重量%の範囲の剛性成分を含む。
【0080】
一実施形態では、剛性成分は、乾燥した無機塩を含む。
【0081】
一実施形態では、油バリアは、水系乳剤を含む。
【0082】
一実施形態では、油バリアは、TG 8111を含む。
【0083】
一実施形態では、歩留まり向上剤は、有機化合物を含む。
【0084】
一実施形態では、歩留まり向上剤は、Nalco 7527を含む。
【0085】
一実施形態では、湿気/水バリアは約4%の範囲のAKDを含み、スラリーはバガスと乾燥無機塩を含み、油バリアは水系乳剤を含み、蒸気バリアは有機化合物を含む。
【0086】
前述の方法に従って製造された電子レンジ対応容器も提供される。
【0087】
肉トレイの製造方法が提供される。前記方法は、前記肉容器の鏡像を含む成形型の上にワイヤメッシュを形成し、前記ワイヤメッシュを繊維ベースのスラリーバスに浸漬し、前記ワイヤメッシュを真空に引いて、繊維粒子を前記ワイヤメッシュの表面に蓄積させ、前記ワイヤメッシュをスラリーバスから除去することを含み、スラリーは、0.5重量%~10重量%の範囲の湿気/水バリア成分と、0.5重量%~10重量%の範囲の油バリア成分とを含む。
【0088】
一実施形態では、湿気/水バリア成分は、約1%~4%の範囲にあり、油バリアは約1%~4の範囲にある。
【0089】
一実施形態では、湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)を含む。
【0090】
一実施形態では、湿気バリア成分は、アルキルケテンダイマー(AKD)79を含む。
【0091】
一実施形態では、スラリーは、SW/バガスの比率が1/9の範囲の繊維ベースを含む。
【0092】
一実施形態では、スラリーは、1.5重量%~4重量%の範囲の剛性成分を含む。
【0093】
一実施形態では、剛性成分は、乾燥した無機塩を含む。
【0094】
一実施形態では、油バリアは、水系乳剤を含む。
【0095】
一実施形態では、油バリアは、約1.5重量%の範囲のTG8111を含み、TG8111は、希釈溶液(例えば、1:5、TG8111:水)としてパルプスラリーに添加されてもよい。
【0096】
一実施形態では、湿気/水バリアは約4%の範囲のAKDを含み、スラリーはバガスと乾燥無機塩を含み、油バリアは水系乳剤を含む。
【0097】
前述の方法に従って製造された肉トレイも提供される。
【0098】
一実施形態では、肉トレイは、少なくとも1つの側壁リブと少なくとも1つの底部リブを含む。
【0099】
飲料容器用の蓋を製造する方法も提供される。前記方法は、前記蓋の鏡像を含む成形型の上にワイヤメッシュを形成し、前記ワイヤメッシュを繊維ベースのスラリーバスに浸漬し、前記ワイヤメッシュを真空に引いて、繊維粒子を前記ワイヤメッシュの表面に蓄積させ、前記ワイヤメッシュをスラリーバスから除去することを含み、スラリーは、0.5重量%~10重量%の範囲の湿気/水バリア成分、1重量%~4重量%の範囲の剛性成分、及び約1%~4%の範囲のポリカチオン成分を含む。
【0100】
一実施形態では、湿気/水バリア成分は、約1%~4%の範囲にあり、油バリアは約1%~4の範囲にある。
【0101】
一実施形態では、湿気バリア成分はアルキルケテンダイマー(AKD)を含む。
【0102】
一実施形態では、湿気バリア成分はアルキルケテンダイマー(AKD)80を含む。
【0103】
一実施形態では、スラリーは、SW/バガスの比率が1/9の範囲の繊維ベースを含む。
【0104】
一実施形態では、スラリーは、更に、1重量%~4重量%の範囲の剛性成分を含む。
【0105】
一実施形態では、剛性成分は、乾燥した無機塩を含む。
【0106】
一実施形態では、湿気/水バリアは約4%の範囲のAKDを含み、スラリーはバガスと乾燥無機塩を含み、スラリーは約1重量%~4重量%の範囲のポリカチオン材料を含む。
【0107】
前述の方法に従って製造された蓋も提供される。
【0108】
一実施形態では、蓋は、更に、正ではない抜き勾配を有するロックリングを含む。
【0109】
クラウンと、負の抜き勾配を含むロックリングとを備えた繊維ベースの飲料用蓋を製造するための真空ツールも提供される。前記ツールは、蓋ロックリングに対応するロックリングモールド部分を支持するモールドブロックと、蓋クラウンに対応するクラウンモールド部分とピストンシャフトとを含む引き込み式ピストンアセンブリと、及びピストンシャフトを伸長させて蓋ロックリングをロックリングモールド部分から取り外すように構成された空気圧アクチュエータと、を含む。
【0110】
一実施形態では、真空ツールは、クラウンモールド部分及びロックリングモールド部分を取り外し可能に囲むワイヤメッシュを更に含む。
【0111】
フラットスクリーンテレビ用の輸送コンテナキットも用意される。キットは、トップカバーと、スクリーンプロテクターと、フラットスクリーンテレビのそれぞれの対応するコーナーにフィットするように構成された4つの波形パルプコーナーピースと、トップカバーと重ねて収納できるように構成された下部トレイと、テレビ、スクリーンプロテクター、波形パルプコーナーピースを重ねたトップカバーと下部トレイ内に固定するように構成されたパレットストラップと、を含む。
【0112】
ここで使用されている「例示的」という語は、「例、事例、又は説明として役立つ」という意味である。ここで「例示的」として説明されている実装は、必ずしも他の実装よりも好ましい、又は有利であると解釈されるものではなく、文字通り複製しなければならないモデルであると解釈されることも意図されていない。
【0113】
前述の詳細な説明は、当業者に本発明の様々な実施形態を実施するための便利なロードマップを提供するが、上記の特定の実施形態は単なる例であり、本発明の範囲、適用性、又は構成を限定するものではないことが理解されるべきである。逆に、本発明の範囲から逸脱することなく、説明した要素の機能及び配置に様々な変更を加えることができる。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
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【国際調査報告】