(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】管圧延機構内でマンドレルバーを拘束するシステムおよびこのシステムを運転する方法
(51)【国際特許分類】
B21B 25/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B21B25/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024525752
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-04-30
(86)【国際出願番号】 EP2022079617
(87)【国際公開番号】W WO2023094089
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】102021213367.3
(32)【優先日】2021-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102022202679.9
(32)【優先日】2022-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター キルヒナー
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ポール
(72)【発明者】
【氏名】フランク エッサー
(57)【要約】
本発明は、走行可能なユニット(110)と、アクティベーションユニット(140)とを備えるシステム(100)に関する。走行可能なユニット(110)は、少なくとも1つの作動部材(120)を装備しており、作動部材(120)は、走行可能なユニット上に配置されているアクチュエータ(130)により動作制御され得る。アクティベーションユニット(140)は、作動部材(120)用のアクチュエータを操作する操作機構(150)を有している。走行可能なユニット上の作動部材を作動させるアクチュエータへのエネルギ供給を簡単化し、低コスト化し、かつよりフレキシブルなものに構成すべく、本発明によれば、前述の公知のシステムを、アクティベーションユニット(140)が、走行可能なユニットに固定して組み付けられており、かつシステムが、操作機構(150)の運動エネルギを引張り力の形態で、走行可能なユニット(110)上に設けられたアクチュエータ(130)に、作動部材(120)を作動させるべく伝達する少なくとも1つの引張り要素(160)を備えているようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(100)であって、
少なくとも1つの作動部材(120)と前記作動部材用の少なくとも1つのアクチュエータ(130)とを有する走行可能なユニット(110)と、
前記作動部材用の前記アクチュエータを操作する少なくとも1つの操作機構(150)を有するアクティベーションユニット(140)と、
を備えるシステム(100)において、
前記アクティベーションユニット(140)は、前記走行可能なユニットに固定して組み付けられており、かつ
前記システム(100)は、前記操作機構(150)の運動エネルギを引張り力の形態で、前記走行可能なユニット(110)上に設けられた前記アクチュエータ(130)に、前記作動部材(120)を作動させるように伝達する少なくとも1つの引張り要素(160)を備える、
ことを特徴とするシステム(100)。
【請求項2】
前記引張り要素(160’,160’’)は、ロープ、ワイヤ、チェーンまたはベルト、例えば歯付きベルトもしくはVベルトであることを特徴とする、請求項1記載のシステム(100)。
【請求項3】
第1のアクチュエータ(130’)が、第1の伝動機構の形態で構成されており、前記第1の伝動機構の出力側には、第1の作動部材(120’)が配置されており、前記第1の伝動機構の入力側には、第1の引張り要素(160’)が、前記第1の引張り要素(160’)の、作動部材側の端部でもって、前記伝動機構のレバー(132’)に、前記第1の作動部材(120’)を前記伝動機構により作動させるように、取り付けられていることを特徴とする、請求項1または2記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記第1の作動部材(120’)は、重力しか作用していないとき、任意選択的には、別の装置によって補助または代替されて、引き戻しポジションに存在し、かつ
前記第1の作動部材(120’)は、第1の操作機構(150’)の前記運動エネルギにより駆動される第1の引張り要素(160’)と、前記第1の伝動機構とにより、前記引き戻しポジションから作動ポジションへ変位可能である、
ことを特徴とする、請求項3記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記レバー(132’)は、前記第1の引張り要素(160’)がロープまたはワイヤであるときは、ローププーリまたはドラムまたはガイドノズルの形態で構成されており、または
前記レバー(132’)は、前記第1の引張り要素(160’)がベルト、特に歯付きベルトであるときは、ベルトプーリの形態で構成されている、
ことを特徴とする、請求項3または4記載のシステム(100)。
【請求項6】
第2のアクチュエータ(130’’)が、ばね(136)、特に圧縮ばねの形態で、第2の作動部材(120’’)を前記ばねのばね力により作動ポジションへポジショニングするように、構成されており、かつ
第2の引張り要素(160’’)が、前記第2の引張り要素(160’’)の、作動部材側の端部でもって、前記第2のアクチュエータ(130’’)または前記ばねに取り付けられており、前記第2の作動部材(120’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)による第2の操作機構(150)の前記運動エネルギの伝達時、前記作動ポジションから前記ばね力に抗して引き戻しポジションへ変位可能である、
ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記第2のアクチュエータ(130’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)用の位置固定の変向要素(134’’)を有し、かつ
前記位置固定の変向要素(134’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)がロープまたはワイヤであるときは、回転可能に支持されるロールまたはドラムまたはガイドノズルであり、または
前記位置固定の変向要素(134’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)がチェーンまたは歯付きベルトであるときは、ピニオンである、
ことを特徴とする、請求項6記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)は、前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)の、前記第1の作動部材(120’)および/または前記第2の作動部材(120’’)とは反対側の端部でもって、例えば前記走行可能なユニット(110)に固定されており、かつ
前記アクティベーションユニット(140)の前記第1の操作機構および/または前記第2の操作機構(150)は、前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)用の緊張装置およびバッファ装置として構成されており、前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)の、前記作動部材側の端部と、前記作動要素とは反対側の端部との間で、前記引張り要素に係合している、
ことを特徴とする、請求項3から7までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記第1の操作機構および/または前記第2の操作機構(150)は、それぞれ、移動可能に支持される少なくとも1つの変向要素(152)、好ましくは、変向ロールまたはガイドノズルの形態の変向要素(152)を有し、
前記第1の操作機構および/または前記第2の操作機構(150)は、前記第1の引張り要素および/または前記第2の引張り要素(160)が前記移動可能な変向要素にそれぞれ少なくとも所定の角度範囲(α)で巻き掛かるように、前記第1の引張り要素および/または前記第2の引張り要素(160)に係合しており、かつ
少なくとも1つの前記移動可能な変向要素(152)は、引張り力をそれぞれの前記引張り要素に加えるように、マニュアル式にまたは駆動装置(156)により移動可能に支持されている、
ことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記操作機構(150)または前記アクティベーションユニット(140)は、前記移動可能な変向要素(152)の他に、さらに少なくとも1つの別の位置固定の変向要素(134)、好ましくは、さらに2つの別の位置固定の変向要素を有し、前記別の位置固定の変向要素は、前記引張り要素(160)の延在方向で、前記移動可能な変向要素(152)の上流および/または下流に配置されており、前記別の位置固定の変向要素には、前記引張り要素(160)が、少なくとも所定の角度範囲(β)で巻き掛かっていることを特徴とする、請求項9記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記位置固定の変向要素および/または前記移動可能な変向要素(152,154)のうちの少なくとも1つは、当該変向要素の中心に質量集中を示すことを特徴とする、請求項7から10までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記引張り要素(160)は、弾性的に構成されており、かつ/または減衰要素(163)を含むことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項13】
少なくとも1つの前記引張り要素(160)の少なくとも一方の端部に、交換部品としての前記引張り要素(160)を前記走行可能なユニット(110)、前記アクチュエータ(130)、前記作動部材(120)および/または前記固定的なアクティベーション装置から簡単に切り離し、かつ任意選択的に交換するように交換接続部が設けられていることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項14】
前記走行可能なユニット(110)のポジション、速度または加速度を監視する少なくとも1つの監視装置(170)を特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項15】
前記引張り要素(160)の摩耗、摩滅または伸びを監視する別の監視装置(180)を特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項16】
前記監視装置(170)および/または前記別の監視装置(180)は、機械式、光学式または電子式に作業することを特徴とする、請求項14または15記載のシステム(100)。
【請求項17】
前記引張り要素(160)の、出荷状態と比較した望ましくない長さ変化を補償するかつ/または前記作動部材をアジャストする少なくとも1つの補償要素(165)を特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項18】
前記システム(100)は、管圧延機構内のマンドレルバー拘束装置であり、かつ
前記走行可能なユニット(110)は、マンドレルバー(210)を収容するトラフ(117)を有するマンドレルバー拘束ヘッド(112)を有する、
ことを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項19】
前記第1の作動部材(120’)は、前記マンドレルバー(210)を前記トラフ(117)内に軸方向で移動しないように止めるように、前記マンドレルバー拘束ヘッドに設けられた軸方向の係止要素であり、前記軸方向の係止要素は、好ましくは、フラップの形態で、前記マンドレルバー(210)の外側の周囲に設けられた狭窄部(212)内に係合するように、構成されており、かつ/または
前記第2の作動部材(120’’)は、前記マンドレルバー(210)を前記トラフ(117)内に半径方向の力作用に抗して保持するように、前記マンドレルバー拘束ヘッドに設けられた半径方向の係止要素であり、前記半径方向の係止要素は、好ましくは、回転可能かつ軸方向で移動可能に支持される多角形ディスクの形態で構成されている、
ことを特徴とする、請求項18記載のシステム(100)。
【請求項20】
前記マンドレルバー(210)を前記走行可能なユニット(110)に設けられた前記トラフ(117)内に軸方向でインサートするインサータ(190)と、
前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)の前記ヘッド(214)に連結する、または前記ヘッド(214)から連結解除する、第1のスライドガイド(195)を有する第1のインサータクラッチ装置(191)と、
前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)から連結解除する、または前記マンドレルバー(210)に連結する、前記トラフ(117)の進入側に設けられた第2のスライドガイド(196)を有する第2のインサータクラッチ装置(194)と、
を特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項21】
前記インサータ(190)は、バー(193)、例えばラックを有し、かつ前記インサータ(190)の、前記トラフ(117)側の端部に、揺動可能な係止フラップ(192)を有し、前記係止フラップ(192)は、ガイドピン(197)を有し、前記ガイドピン(197)は、前記係止フラップから側方に、前記第1のスライドガイド(195)および前記第2のスライドガイド(196)内に係合するように、突出していることを特徴とする、請求項20記載のシステム(100)。
【請求項22】
前記第1のスライドガイドは、好ましくは、前記固定的なアクティベーション装置に軸方向で調節可能に取着されており、
前記第1のインサータクラッチ装置(191)の内面に設けられている前記第1のスライドガイド(195)は、高い位置にある直線セクションを有し、かつ前記第1のスライドガイド(195)の、トラフ側の端部に、下降するランプセクションを有し、前記ランプセクションは、前記インサータ(190)をインサート方向で前記トラフ(117)に向かって動かす際に、前記係止フラップ(192)を前記マンドレルバーヘッド(214)上に下降させるように、前記第1のスライドガイド(195)上をガイドされる前記ガイドピン(197)を、高い位置のレベルから、より低い位置のレベルへ移行させるために用いられ、かつ
前記第2のスライドガイド(196)は、前記第2のインサータクラッチ装置(194)の内面に設けられており、前記第2のスライドガイド(196)の、トラフから遠位の端部において、インサート方向で上昇するランプの形態で構成されており、前記ランプは、高さを上げられたレベルに至り、前記高さを上げられたレベルは、前記インサータ(190)を前記トラフ(117)に向かって動かす際に、前記係止フラップ(192)を持ち上げ、ひいては前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)から切り離すために用いられる、
ことを特徴とする、請求項20または21記載のシステム(100)。
【請求項23】
前記マンドレルバー(210)は、例えば、一次製品の変形加工横断面を拡張または縮減させる拡張マンドレルまたは穿孔マンドレルであることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項記載のシステム(100)。
【請求項24】
請求項1から23までのいずれか1項記載のシステム(100)を運転する方法であって、
マニュアル式にまたは駆動装置(156)により運転される、少なくとも1つの前記作動部材(120)用の少なくとも1つの前記アクチュエータ(130)を操作する少なくとも1つの操作機構(150)により、引張り力を少なくとも1つの前記引張り要素(160)に及ぼすステップ、
を特徴とする方法。
【請求項25】
前記走行可能なユニット(110)の走行中にも、前記引張り力を前記引張り要素(160)に及ぼすことを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項26】
フラップの形態の前記第1の作動部材(120’)を、前記第1の作動部材(120’)の休止ポジションから、前記フラップが前記マンドレルバー(210)の外面に設けられた狭窄部(212)内に係合する作動ポジションへ動かす第1のアクチュエータ(130’)を操作するように、前記引張り力を第1の引張り要素(160’)に加えることを特徴とする、請求項24または25記載の方法。
【請求項27】
第2の作動部材(120’’)を、前記マンドレルバー(210)の上方の、進出された位置から、前記第2の作動部材(120’’)の引き戻しポジションへ移行させる第2のアクチュエータ(130’’)を操作するように、前記引張り力を第2の引張り要素(160’’)に加え、または
前記第2の作動部材(120’’)を、前記第2の作動部材(120’’)の引き戻しポジションから、前記トラフ(117)内の前記マンドレルバー(210)の上方の、前記第2の作動部材(120’’)の作動ポジションへ移行させるように、前記第2の引張り要素(160’’)に対する前記引張り力を減少させるまたは停止する、
ことを特徴とする、請求項24から26までのいずれか1項記載の方法。
【請求項28】
偏心体軸の形態の第3の作動部材(120’’’)を、前記マンドレルバー(210)が、前記トラフ(117)内で、下流に配置された前記管圧延機構(300)の圧延中心に保持され、かつ前記第2の作動部材(120’’)に向かって持ち上げられるように操作し、特に回転させ、好ましくは、それから、前記第2の作動部材(120’’)を前記マンドレルバー(210)の上方の前記第2の作動部材(120’’)の作動ポジションへ進出させることを特徴とする、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記マンドレルバー(210)をインサート装置(190)により、前記マンドレルバー拘束装置(112)に設けられた前記トラフ(117)内に挿入し、その後、前記マンドレルバーを前記トラフ(117)内に前記第1の作動部材(120’)、前記第2の作動部材(120’’)および/または前記第3の作動部材(120’’’)により、前記トラフ(117)内で軸方向および/または半径方向で移動しないように固定することを特徴とする、請求項24から28までのいずれか1項記載の方法。
【請求項30】
前記係止フラップ(192)を、前記第1のインサータクラッチ装置(191)内に設けられた第1のスライドガイド(195)により、まず、開放した状態で、前記マンドレルバー(210)の前記ヘッド(214)に向かって動かし、続いて、前記第1のスライドガイド(195)の、インサート方向で下降する前記ランプセクションによりガイドし、前記マンドレルバー(210)の前記ヘッド(214)上に下降させ、前記ヘッド(214)に係止させることを特徴とする、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記係止フラップ(192)のガイドピン(197)が、前記第2のスライドガイドの、インサート方向で上昇するランプセクションに、前記係止フラップの開放、ひいては前記マンドレルバー(210)からの前記インサータ(190)の係止解除を引き起こす、高さを上げられたレベルまで押し上げられることで、前記係止フラップ(192)をまず開放することにより、前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)から、前記トラフ(117)に割り当てられた第2のインサータクラッチ装置(194)内で連結解除することを特徴とする、請求項29または30記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行可能なユニットと、走行可能なユニットに対して固定的なアクティベーションユニットとからなるシステムに関する。走行可能なユニット上には、少なくとも1つの作動部材が配置されており、作動部材は、アクチュエータを介して動作制御される。アクチュエータ自体は、ひいては作動部材も、操作機構により操作され、操作機構は、アクティベーションユニット上に配置されており、操作機構の運動エネルギは、アクチュエータに伝達される。走行可能なユニットは、例えばマンドレルバー拘束装置であり、マンドレルバー拘束装置により、圧延すべき中空ブロックのための内側のサポートとしてのマンドレルバーが、管圧延機構に向かって、または管圧延機構から離れるように走行され得る。マンドレルバー拘束装置は、マンドレルスラストブロックと称呼されることもある。挙げた機能のためのマンドレルバーに代えて、マンドレルバーは、一次製品の変形加工横断面を拡張または縮減させる拡張マンドレルまたは穿孔マンドレルであってもよい。
【0002】
従来技術において、アクチュエータ、ひいては作動部材の操作は、典型的には、電気式または液圧式の操作装置を介して実施され、操作装置は、それぞれ、走行可能なユニット上に、好ましくは、操作すべきアクチュエータの直接的な近傍に配置されている。走行可能なユニット上のこれらの操作装置のためのエネルギ供給は、而してエネルギガイドチェーン、例えばケーブルキャリア、またはチューブ供給部等を介して実施される。公知のエネルギ供給は、その可能な加速度、速度および寿命の点で制限されており、走行可能なユニットに対して付加的に動かさなければならない少なくはない自重を有している。それゆえ、多くの場合、走行可能なユニットを動的に動かすために必要であるよりも明らかに多くの駆動出力が投入されなければならず、このことは、サイクルタイムの重しにもなっている。
【0003】
本発明の根底にある課題は、上記公知のシステムと、対応する公知の、このシステムを運転する方法とを、走行可能なユニット上の作動部材用のアクチュエータへのエネルギ供給が、簡単化され、低コスト化され、かつよりフレキシブルなものとされるように、発展させることである。
【0004】
上記課題は、システムに関しては、請求項1の対象により解決される。それゆえ、システムは、アクティベーションユニットが、走行するユニットに固定して組み付けられており、かつシステムが、操作機構の運動エネルギを、走行可能なユニット上に設けられたアクチュエータに、作動部材を作動させるべく伝達する少なくとも1つの引張り要素を備えることを特徴とする。
【0005】
「固定的」なる概念は、位置固定を意味している。
【0006】
特許を請求する引張り要素は、従来技術において慣用のエネルギ供給装置と比べて遥かに障害に強く、それゆえ、必要とする保守コストも遥かに少なくて済む。走行可能なユニット上のアクチュエータ、ひいては作動部材の操作は、走行可能なユニットの動きが、操作機構により引き起こされる引張り要素の動きに重畳することにより実施される。そうでなければ走行力および調節力のカップリングは実施されない。
【0007】
第1の実施例によれば、引張り要素は、ロープ、ワイヤ、チェーンまたはベルト、例えば歯付きベルトもしくはVベルトである。本構成において、引張り要素は、有利には、従来技術において公知の供給装置よりも遥かに低い自重を有している。減じられた質量に基づき、全体として走行可能なユニットとエネルギ供給装置とを動かすために加えられなければならない駆動出力は、従来技術と比較して減じられ得る。減じられた質量に基づき、システム全体のより大きな加速度および走行速度が可能である。挙げた構成では、引張り要素はフレキシブルでもある。このフレキシビリティは、走行可能なユニット上のアクチュエータを引張り要素により、走行可能なユニットのあらゆる任意のポジションにおいて、かつ走行可能なユニットの動きのあらゆる時点において、走行可能なユニットの運動方向によらず、操作することを可能にする。走行可能なユニットが停止しているときに、引張り要素がアクチュエータの操作も可能とすることは、自明である。最終的に、本構成における引張り要素は、従来技術におけるエネルギ伝達装置よりも遥かに安価である。
【0008】
別の一実施例によれば、引張り要素は、引張り要素の、作動部材側の端部でもって、アクチュエータに、または作動部材自体に取り付けられており、かつ引張り要素の、作動部材とは反対側の端部でもって、選択的に、走行可能なユニットに、または固定的なアクティベーションユニットに、または第3の箇所に固定されている。固定的なアクティベーションユニットの操作機構は、この場合、引張り要素用の緊張装置および/またはバッファ装置として機能し、引張り要素の両端部間で引張り要素に係合している。操作機構は、駆動装置によりまたはマニュアル式に操作される。操作機構は、引張り力を引張り要素に及ぼすという点では、緊張装置として機能し、引張り力は、その後、アクチュエータおよび作動部材に伝達される。有利には、引張り要素は、操作機構が引張り力を引張り要素に及ぼしているとき、既にプリロード下にあり、この場合、引張り力は、引張り要素内のプリロードと重畳する。操作機構は、構造に起因して引張り要素のある程度の長さを自らの中に取り込むあるいは貯えるという点では、バッファ装置として作用する。
【0009】
操作機構は、典型的には、少なくとも1つの、往々にして複数の変向ロールを有している。これらの位置固定のかつ/または移動可能な変向ロールが、変向ロールの中心に質量集中を示すとき、変向ロールは、僅かな慣性モーメントを有している。このことは、一方では、アクチュエータの操作力を低く保ち、他方では、引張り要素の摩耗を減少させるために、有利である。
【0010】
別の一実施例によれば、引張り要素は、弾性的に構成されていてもよく、かつ/または引張り要素は、減衰要素を含んでいる。これらの両構成可能性は、力伝達が変動的ではなく、より一様に実施されることができ、有利には、関与するコンポーネントの負荷が減じられるという利点を提供する。
【0011】
引張り要素の交換接続部を引張り要素の両端部の少なくとも一方に設けることは、引張り要素が簡単に切り離され、必要なときに交換部品としても簡単に交換され得るという利点を提供する。
【0012】
この関連において、さらに、引張り要素の摩耗、摩滅または伸びを監視する別の監視装置が設けられており、これにより、引張り要素を適時に交換することができると、有利である。
【0013】
最終的に、引張り要素の望ましくない長さ変化、例えば「使い古し」または周囲温度の変化に基づく長さ変化を補償する補償要素が設けられていると、有利である。
【0014】
アクチュエータ、引張り要素、作動部材および操作機構の別の有利な構成は、従属請求項の対象である。
【0015】
本発明には、12図を添付してある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図0】本発明に係るシステムの概観を示す図である。
【
図1】走行可能なユニットをマンドレルバー拘束ヘッドとともに斜視図で、マンドレルバーの装入のために開放された状態で示す図である。
【
図2】
図1に示す走行可能なユニットを、装入されていて、管圧延機構に向かう前進運動のために、半径方向と、圧延方向である軸方向とで固定されているマンドレルバーとともに示す図である。
【
図3】移動可能な変向要素を有する本発明に係るアクティベーションユニットのための一実施例を示す図である。
【
図4】第1の作動部材を作動させるアクチュエータのための第1の実施例を示す図である。
【
図5】第2の作動部材を作動させるアクチュエータのための第2の実施例の平面図である。
【
図6】引張り要素用の本発明に係る補償要素のための一実施例を示す図である。
【
図7】マンドレルバーのヘッドとのインサート装置の連結を示す図である。
【
図8】マンドレルバーのヘッドとのインサート装置の連結を示す図である。
【
図9】マンドレルバーのヘッドとのインサート装置の連結を示す図である。
【
図10】マンドレルバーヘッドからのインサート装置の連結解除を示す図である。
【
図11】
図1に示す走行可能なユニットを、装入されていて、管圧延機構から戻る戻り方向運動のために半径方向と軸方向とで正逆の運動方向に固定されているマンドレルバーとともに示す図である。
【0017】
本発明について、以下に、挙げた図面を参照しながら実施例の形態で詳しく説明する。全図において、同じ技術的な要素には、同じ符号を付した。シングルクォーテーションまたはダブルクォーテーションが続く符号は、それぞれ、それぞれの技術的な要素の第1または第2の実施例に関する。クォーテーションが後続しない符号を使用しているときは、それぞれ符号に関連する記載は、全般的に有効であり、すなわち、ある特定の実施の形態によらず有効である。
【0018】
図0は、本発明に係るシステム100の概観を示している。看取可能であるのは、このシステムの2つの主コンポーネント、すなわち、走行可能なユニット110と、走行可能なユニットに固定して組み付けられたアクティベーションユニット140と、である。
【0019】
走行可能なユニット110は、マンドレルバー拘束ヘッド112を有し、マンドレルバー拘束ヘッド112には、マンドレルバー210が、作動部材120により固定あるいは係止可能である。作動部材120の操作は、割り当てられたアクチュエータ130を介して実施される。アクチュエータ130のアクティベーションは、アクティベーションユニット140の操作機構150により実施され、操作機構150の運動エネルギは、引張り要素160によりアクチュエータ130に、そしてアクチュエータを介して作動部材に伝達される。引張り要素160は、それぞれ、ロープ、ワイヤ、チェーンまたはベルト、例えば歯付きベルトもしくはVベルトであってもよい。
【0020】
マンドレルバー210は、まず、中空ブロック220を管圧延機構300内で管へと圧延すべきときに、中空ブロック220内への導入に用いられる。マンドレルバー210は、その後、中空ブロックのための内側のサポートとして用いられる。代替的には、マンドレルバーは、しかし、マンドレルまたは穿孔マンドレルを用いて一次製品の変形加工横断面を拡張または縮減させる、いわゆるプラグバーまたは穿孔マンドレルバーであってもよい。これらの場合、マンドレルバー拘束ヘッド112は、マンドレルスラストブロックと称呼されることもある。
【0021】
マンドレルバー210は、インサータ駆動装置198により駆動されるインサート装置190により並進的に動かされ、マンドレルバー拘束ヘッド112にポジショニングされる。
【0022】
図0および1に示すように、マンドレルバー拘束ヘッド112は、ラック114に堅固に結合されている。ラック114と、ラック114に取り付けられたマンドレルバー拘束ヘッド112とは、ラック114の軸方向でピニオン駆動装置115により、管圧延機構300に向かうように、そして管圧延機構から戻るように、並進的に変位可能である。
【0023】
マンドレルバー拘束ヘッド112には、
図1に示すように、例示的に3つの作動部材120’,120’’および120’’’が配置されており、これらの作動部材120’,120’’および120’’’のうち、少なくとも第1および第2の作動部材120’,120’’は、個別に割り当てられたアクチュエータ130により操作可能である。
【0024】
図1は、第1の作動部材120’用の伝動機構の形態の本発明に係るアクチュエータ130’のための第1の実施例を示している。このような伝動機構として、アクチュエータ130’は、アクチュエータ130’の入力側にレバー132’を有し、レバー132’には、第1の引張り要素160’が接続されている。レバー132’は、第1の引張り要素160’がロープまたはワイヤであるとき、
図1に示すように、ローププーリの形態で構成されている、またはドラムもしくはガイドノズルの形態で構成されていることができる。第1の引張り要素160’がベルト、特に歯付きベルトであるときは、レバー132’をベルトプーリの形態で形成することが推奨される。
【0025】
重力しか作用していないとき、フラップの形態の第1の作動部材120’は、自動的に下方に、第1の作動部材120’の作動停止されたポジションへ、
図1に示すように揺動する。この場合、プリロード力が伝動機構の出力側から伝動機構の入力側へ伝達される。こうして、この場合、引張り要素160’に対してプリロードが付与される。プリロードを付与する重力のこの作用は、付加的な補助手段、例えばばね、シリンダ等により補助あるいは増幅されてもよい。
【0026】
しかし、上述のように、第1の引張り要素160’に、第1の操作機構150により、付加的な引張り力が加えられると、伝動機構は、引張り要素160’により及ぼされる引張り力を、伝動機構の入力側から伝動機構の出力側へ伝達し、これにより、伝動機構の出力側で、フラップ120’を、フラップ120’の、
図2に示す作動停止されたポジションから、フラップ120’の、
図11に示す作動ポジションへ、持ち上げるように揺動させることができる。第1の引張り要素160’に対して、説明したようにプリロードが付与されている場合、加えられる引張り力は、引張り要素160’内の、逆方向に方向付けられたプリロードに重畳する。この付加的な引張り力は、逆方向のプリロードを克服し、かつフラップを持ち上げるのに十分な大きさでなければならない。
【0027】
走行可能なユニット110、および特にマンドレルバー拘束ヘッド112は、マンドレルバー210を中空ブロック220内に走行させ、かつ中空ブロックを、導入されたマンドレルバー210とともに、管圧延機構300内に走行させるために用いられる。この目的のために、マンドレルバー210は、マンドレルバー拘束ヘッド112に作動部材120により固定可能である。マンドレルバーを収容すべく、マンドレルバー拘束ヘッド112には、トラフ117が構成されており、トラフ117内には、マンドレルバーが装入または挿入可能である。管圧延機構300内において、中空ブロック220は、中空ブロック220に対して減じられた所望の外径を有する管へ変形される。中空ブロック220と、中空ブロック220から製造される管とは、好ましくは、シームレスに構成されている。
【0028】
図2は、
図1に示す走行可能なユニット110と、特にマンドレルバー拘束ヘッド112とを示しているが、ここでは、挿入されたマンドレルバー210とともに示している。
【0029】
中空ブロック220が、マンドレルバー210とともに管圧延機構300内に導入されると直ちに、管圧延機構300は、引張り力を中空ブロックとマンドレルバー210とに及ぼす。すなわち、マンドレルバー210は、管圧延機構300に向かって引張られ。フラップの形態の第1の作動部材120’は、この場合、典型的には、
図2に示すその作動停止ポジションへ外れるように揺動されている。マンドレルバー210の軸方向の固定は、この場合、片側で、マンドレルバーのヘッド214に設けられた太くした端部216により実施される。この太い端部216でもって、マンドレルバーは、この場合、トラフ117内に設けられたストッパ119に当接する。この太くした端部は、例えばマンドレルバーを狭窄することにより生成されてもよい。太くした端部216によって、管圧延機構により発生された引張り力は、伝達され、マンドレルバーがコントロール不能に管圧延機構に向かって飛翔し、その際に損害を引き起こしてしまうことは、防止される。
【0030】
中空ブロック220を管圧延機構300内で圧延し終えた後、マンドレルバー210は、走行可能なユニット110により再び管圧延機構から引き戻され、管圧延機構内で圧延方向Wに搬出される中空ブロックから引き抜かれる。
【0031】
図2は、どのようにマンドレルバー210が、少なくとも第1の作動部材120’と第2の作動部材120’’とによりマンドレルバー拘束ヘッド112に固定あるいは係止されるかを示している。
【0032】
フラップの形態の第1の作動部材120’は、マンドレルバー拘束ヘッド112がマンドレルバー210とともに軸方向で管圧延機構300から戻るように動くとき、マンドレルバー210をトラフ117内に係止するために用いられる。この目的のために、フラップ120’は、引き戻し工程の開始時、操作機構150により第1の引張り要素160’に加えられる引張り力により、
図2に示すフラップ120’の作動停止ポジションから、マンドレルバー210の外側の周囲に設けられた狭窄部212内に、
図11に示すように、フラップ120’の作動ポジションへ持ち上げられるように揺動される。太くした端部216と同様に、フラップ120’は、管圧延機構内の中空ブロックからマンドレルバー210を引き抜くための、走行可能なユニットによりマンドレルバーに及ぼされる減速力の突然の減速時の、マンドレルバー210のコントロールされない動きを防止するリテーニング要素として用いられる。マンドレルバー210が管圧延機構300に向かって走行するときは、フラップ120’は、上述のように、典型的には、重力に基づいて下方に外れるように揺動されている。
【0033】
第2の作動部材120’’は、マンドレルバー210を半径方向で止めるために用いられる。この目的のために、第2の作動部材120’’は、
図1に示す休止ポジションから、マンドレルバー210の上方の、
図2に示す作動ポジションへ走行/進出される。作動ポジションへの走行は、さらに下で
図5を参照しながら詳しく説明するように、圧縮ばね136により実施される。第2の作動部材は、第2の作動部材の作動ポジションにおいて、半径方向でのマンドレルバー210の動きを制限し、すなわち、特に第2の作動部材120’’は、マンドレルバー210がトラフ117あるいは第3の作動部材120’’’から浮いてしまうのを防止する。第2の作動部材120’’は、好ましくは、
図2に示すように、非対称の多角形ディスクの形態で構成されている、またはシム等により、そのときそのときで使用されるマンドレルバー210の直径に適合される。第2の作動部材の周囲に設けられた個々の直線セクションは、それぞれ、第2の作動部材の中心軸線124に対して、互いに異なる最短の間隔を有しており、これにより、それぞれ異なる直径を有するマンドレルバー210の半径方向の運動自由度を制限するのに好適である。第2の作動部材120’’は、有利には、マンドレルバー210を管圧延機構300に向かって前方に動かすときも、マンドレルバーを管圧延機構から戻すように動かすときも、
図2に示す第2の作動部材120’’の作動ポジションへ進出されている。
【0034】
図1および2にさらに示す第3の作動部材120’’’は、
図1に略示するように、偏心体軸の形態で、マンドレルバー210を下方から、進出された第2の作動部材120’’に押し付けるために構成されている。第3の作動部材120’’’がその休止ポジションにある限り、第2の作動部材120’’が進出されていても、マンドレルバー210の、トラフ117内における半径方向での支持は、通例、遊びなしにはなっていない。それというのも、第2の作動部材120’’は、
図2に示す進出された作動ポジションでも、トラフ117内のマンドレルバー210に必ずしも接触せず、ましてやマンドレルバー210をトラフ内に押さえ付けるようにはなっていないからである。マンドレルバー210を偏心体軸または類似の調整可能な装置により下方から、進出された第2の作動部材120’’に向かう方向(半径方向)に作動させることによって初めて、マンドレルバー210は、管圧延機構300の圧延中心にアジャストあるいはアライメントされ、その結果、マンドレルバー210は、こうして管圧延機構の中心と一直線に整列する。第3の作動部材としての偏心体軸は、典型的には、マニュアル式にその休止位置から作動ポジションへ、かつ反対方向へ回転される。
【0035】
図3は、本発明に係る操作機構150を示している。そこに示す機構は、操作機構のための第1および第2の実施例に好ましくは同様に当てはまる。操作機構150は、引張り要素160に引張り力を加えるために用いられる。この目的のために、操作機構150は、移動可能に支持される少なくとも1つの変向要素152、好ましくは、変向ロールまたはガイドノズルの形態の変向要素152を有している。
図3に示すように、移動可能な変向要素152は、鉛直の双方向矢印に示すように、少なくとも、例えば鉛直の方向での、すなわち、引張り要素の水平の主方向に対して横方向での運動成分で変位可能である。操作機構150は、引張り要素が、移動可能な変向要素152に、少なくとも所定の角度範囲αで巻き掛かるように、引張り要素160と係合している。変向要素152の移動は、マニュアル式にまたは駆動装置156により実施され得る。上記のように、移動可能な変向要素152が、少なくとも、それぞれの引張り要素160の主たる延在、例えば水平の方向での延在に対して横方向での成分で、
図3に示すように移動することで、所望の引張り力が、引張り要素160に加えられる、あるいは及ぼされる。少なくとも1つの移動可能な変向要素152の他に、操作機構は、
図3に示すように、さらに少なくとも1つの、好ましくは、しかし、さらに2つの別の位置固定の変向要素134を有していてもよく、位置固定の変向要素134は、引張り要素160の延在方向で、移動可能な変向要素152の上流および/または下流に配置されており、そこに引張り要素160は、少なくとも所定の角度範囲βで巻き掛かっている。偏
向要素の互いに相対的な別のポジションと、そのことから結果として生じる別の巻き掛け角度が可能であり、このことは、操作機構150の別の運動方向も可能にする。
【0036】
図3に示す操作機構は、例示的に示す3つの変向要素を有し、走行可能なユニット110に固定的に配置されているアクティベーションユニット140の構成部分である。位置固定に配置されているが、回転可能に支持されている変向要素134は、引張り要素160を、走行可能な変向要素152に向かって、かつ走行可能な変向要素152から、できる限り低摩擦にガイドするために用いられる。変向要素134は、さらに、移動可能な変向要素152により引張り要素160内にもたらされる運動エネルギが、すなわち引張り力も、できる限り多く引張り要素160内に導入され、引張り要素160の望ましくない変位に消散されてしまわないことを保証する。
【0037】
要するに、
図3に示す操作機構150は、一方では、引張り要素160のための緊張装置として用いられる。それというのも、操作機構150は、操作機構150の動きにより、あるいは操作機構150の運動エネルギの伝達により、引張り力を引張り要素160に及ぼすからである。他方では、操作機構150は、引張り要素160のためのバッファ装置としても用いられる。それというのも、操作機構150は、引張り要素の部分長さあるいは長さ変化を帯長さとして自らの中に一時的に貯えるからである。
【0038】
図4は、
図1および2に示すマンドレルバー保持ヘッドの側面図を示している。良好に看取可能であるのは、回転軸線D1回りに旋回可能に支持されているフラップの形態の第1の作動部材120’を動作制御する伝動機構である。さらに看取可能であるのは、レバー132’あるいはローププーリであり、レバー132’あるいはローププーリ上には、第1の引張り要素160’がある程度巻き付けられている。ローププーリ132’は、レバーを介してフラップ120’にヒンジ式に機械的に結合されている。第1の引張り力F’が、
図3に示す操作機構150により、第1の引張り要素160’に及ぼされると直ちに、ローププーリ132’は、
図4で見て、所定の角度範囲にわたって時計回りに回転される。フラップ120’との機械的なカップリングは、フラップ120’が、フラップ120’の、
図4に示す、外れるように揺動された作動停止ポジションから、フラップ120’の、
図11に示す作動ポジションへ、好ましくは、
図2に示す、マンドレルバー210の表面に設けられた狭窄部212内に引き上げられることを引き起こす。
【0039】
図5は、上記多角形ディスクの形態の第2の作動部材120’’を作動させる第2のアクチュエータ130’’を示している。第2のアクチュエータは、
図5に示す本実施例では、圧縮ばね136を有している。圧縮ばねを緊縮させるべく、第2の引張り要素160’’が設けられている。圧縮ばね136は、プリロードを第2の引張り要素160’’に及ぼす。
図3に示す第1の操作機構と同じ構造に構成されていてもよい第2の操作機構により、場合によっては存在する逆方向に方向付けられたプリロードに重畳する引張り力F’’が、第2の引張り要素160’’に及ぼされると、圧縮ばね136は、収縮され、端面に取り付けられた多角形ディスク120’’の形態の第2の作動部材は、第2の作動部材の、
図5に示す作動ポジションから、第2の作動部材の、
図1に示す引き戻しポジションへ引き戻される。反対に、引張り力を減少させる、特に、第2の引張り要素160’’に加えられる引張り力をなくすと、圧縮ばね136は、弛緩され、ひいては反対に、第2の作動部材120’’は、引き戻しポジションから、マンドレルバー210の上方の、
図5に示す作動ポジションへ変位される。圧縮ばねは、第2の引張り要素160’’の主変位方向に対して横方向に配置されているので、
図5に示すように、第2のアクチュエータ160’’の場合、引張り要素160’’と、引張り要素160’’に及ぼされる引張り力F’’とを相応に向きを変えるように導く、変向ロールの形態の位置固定の変向要素134’’が設けられている。引張りロープに場合によっては作用する力の変動を減衰すべく、減衰要素163が、引張りロープ内に組み込まれていてもよい。このことは、同様に第1の引張り要素160’にも当てはまる。
【0040】
図6は、マンドレルバー拘束ヘッド112が堅固に結合されている上記ラック114を示している。ラック114は、
図1に示すピニオン駆動装置115によりその長手方向で並進的に走行させられる。ラックの走行により、ラックに取り付けられたマンドレルバー拘束ヘッド112も、ラックの長手方向で管圧延機構に向かうように、かつ管圧延機構から離れるように、上述のように走行させられる。ラック114の他に、
図6には、両引張り要素160も示してある。さらに、プリロードを(第1の作動部材120’の場合であれば、重量に基づく力によるプリロードに対して付加的に、かつ/または第2の作動部材120’’の場合であれば、圧縮ばね136によるプリロードに対して付加的に)引張り要素160に加える、かつ/または引張り要素160の望ましくない長さ変化を補償する補償要素165、例えばスピンドルの形態の補償要素165を示してある。補償要素は、作動部材のアジャストに利用可能である。
【0041】
すべての変向ロールのために推奨されるのは、変向ロールが変向ロールのそれぞれの中心に質量集中を示すように、変向ロールを形成することである。それというのも、このように設計することで、個々の変向ロールの慣性要素は、小さく保たれ得るからである。引張り要素内に設けられた減衰要素の、上で言及した利点は、代替的には、引張り要素がある程度弾性的に構成されていることにより実現されてもよい。
【0042】
さらに、引張り要素160の少なくとも一方の端部に、交換部品としての引張り要素を走行可能なユニット、アクチュエータもしくは作動部材および/または大地から簡単に切り離し、かつ任意選択的に交換するための交換接続部が設けられていると、有利である。
【0043】
システムには、有利には、様々な監視装置が割り当てられていてもよい。例えば監視装置170は、走行可能なユニット110のポジション、速度または加速度を監視すべく、構成されていてもよい。別の監視装置180が、引張り要素160の摩耗、摩滅または望ましくない伸びを監視すべく、設けられていてもよい。すべての監視装置は、機械式に作業するものであっても、光学式に作業するものであっても、電子式に作業するものであってもよい。
【0044】
上で言及したように、図面は、第1の実施例としてシステムを、例示的に、マンドレルバー210を収容するトラフ117を有するマンドレルバー拘束ヘッド112としての走行可能なユニット110を有する管圧延機構300内のマンドレルバー拘束装置の形態で示している。
【0045】
本発明に係るシステム100は、以下のように運転される:
マニュアル式にまたは駆動装置156により運転される、少なくとも1つの作動部材120用の少なくとも1つのアクチュエータ130を操作する少なくとも1つの操作機構150により、引張り力を少なくとも1つの引張り要素160に及ぼす。本発明に係る方法の第1の実施例によれば、引張り力Fは、走行可能なユニット110の走行中も、走行可能なユニット110の停止状態中も、引張り要素160に、具体的には、走行可能なユニットと、操作機構を有するアクティベーション装置との相互の、そのときそのときの相対ポジションによらず、及ぼされ得る。
【0046】
図7ないし9は、インサータ190(インサート装置ともいう)の、マンドレルバー210への連結を示している。インサータ190は、バー193からなっており、バー193の一方の端部には、揺動可能に支持される係止フラップ192が取着されている。バー193、例えばラックを介して、インサート装置190は、バーの軸方向で駆動装置198により移動可能である。駆動装置198は、バー193、特にラックと係合している。インサータ190は、少なくとも、インサータ190の、係止フラップを有する端部において、第1のインサータクラッチ装置191内で移動可能に支持されている。インサータクラッチ装置191は、例えば固定的なアクティベーションユニット140に、好ましくは軸方向で調節可能に取り付けられている。インサータクラッチ装置191は、アクティベーション装置140に、インサータ190が、無段階の調整可能性を有するべく、アクティベーション装置140内で、走行可能なユニット110のラック114に対して平行に移動可能に支持されているように、組み付けられている。
【0047】
図7は、インサータ190を、開放された係止フラップ192とともに示している。係止フラップ192の図示の開放は、ガイドピン197が、選択的に滑動または転動ガイドにより、係止フラップの両側で、第1のインサータクラッチ装置191の内面に設けられた第1のスライドガイド195内において、係止フラップ192が
図7に示すポジションでは開放されているように強制ガイドされることにより実現される。インサータ190を、マンドレルバーの、例えば円錐台状に成形されるヘッド214に連結すべく、係止フラップは、バー193を介して第1のインサータクラッチ装置191内で引き続きマンドレルバーヘッド214に向かってさらに走行させられる。このことは、さらなる
図8および9に示してある。
図7ないし9に示す好適な第1のスライドガイド195により、係止フラップ192は、マンドレルバーヘッド214に近付くにつれ、係止フラップ192の開放された位置からさらに下降され続け、最終的にマンドレルバーヘッド214に連結され、マンドレルバーヘッド214に係止されるに至る。
【0048】
この目的のために、第1のスライドガイド195は、インサート方向(図中の矢印参照)で、底上げした直線セクションを有し、その結果、係止フラップは、係止フラップのガイドピン197がこの直線セクションに沿って滑動しているときは、常に開放されている。第1のスライドガイド195は、第1のスライドガイド195の、トラフ117側の端部に、インサート方向で下方に傾斜されたランプセクションを有し、このランプセクションは、インサータが、マンドレルバー210のヘッド214に近付くにつれ、係止フラップが、上述のように、ヘッド214上に下降することを保証する。
【0049】
後続の方法ステップにおいて、次いでマンドレルバー210を、連結されたインサータ190により、走行可能なユニット110のトラフ117内へ軸方向で移動させる。
図7ないし10には、この移動方向が右から左に実施されるように示してある。マンドレルバー210がトラフ117内で、マンドレルバー210の、マンドレルバーがその太くした端部216でもってストッパ119に当接する目標ポジションに到達する直前に、係止フラップ192のガイドピン197は、第2のインサータクラッチ装置194の第2のスライドガイド196の始端に突き当たる。第2のスライドガイド196は、インサータ190が、第2のインサータクラッチ装置194内に右から来るように、すなわち第1のクラッチ装置191から来るように挿入されるとき、ガイドピン197が、ひいては係止フラップ192も、持ち上げられるように構成されている。係止フラップのこの持ち上げにより、インサータ190と、マンドレルバー210、特にマンドレルバー210のヘッド214との間の結合は、係止解除される。マンドレルバー210は、その後、確かに、まだ軸方向でマンドレルバー210の本来の目標ポジションへ、トラフ117内において挿入され得る。ただし、インサータ190を引き戻す際は、インサータ190の係止フラップ192は、その後、最初は、もはやマンドレルバー210のヘッド214と係合していないところまで、開放されたままである。係止フラップ192がもはやマンドレルバーのヘッド214の上方にはないところまで、インサータ190が戻り走行させられて初めて、係止フラップ192は、再び係止フラップ192の下降されたポジションへ移行される。
【0050】
第2のスライドガイド196は、係止フラップのガイドピン197と協働して、係止フラップの動きを、説明したようにかつ所望の通りに実現するように構成されている。より正確にいえば、第2のスライドガイド196は、この目的のために、第2のスライドガイド196の、トラフから遠位の端部に、まず、インサート方向で(図中、右から左に)上昇するランプセクションを装備しており、このランプセクションは、その後、トラフ117に近付くにつれ、一定の高さを有する直線のセクションに移行する。ランプセクション内では、ガイドピン197は、ひいては係止フラップも、直線のセクションにより規定される高さレベルまで、持ち上げられる。直線のセクションに沿ったインサータの移動時、係止フラップは、一定に開放されたままである。
【0051】
図7ないし10は、マンドレルバー拘束ヘッド112に設けられたトラフ117内への、インサート方向でのマンドレルバー210の挿入を示している。その際、第1のインサータクラッチ装置は、インサータ190をマンドレルバー210に連結するために用いられ、第2のインサータクラッチ装置は、インサータをマンドレルバーから連結解除するために用いられる。このプロセスは、しかし、反対にも実施され得る。すなわち、マンドレルバー210は、その後、トラフ117から引き戻される。この場合、第2のインサータクラッチ装置は、インサータ190を連結するために用いられ、第1のインサータクラッチ装置は、インサータ190をマンドレルバー210から連結解除するために用いられる。
【符号の説明】
【0052】
100 システム
110 走行可能なユニット
112 マンドレルバー拘束ヘッド
114 ラック
115 ラックおよびマンドレルバー拘束ヘッドの駆動装置
117 トラフ
119 ストッパ
120 作動部材
120’ 第1の作動部材、特にフラップ
120’’ 第2の作動部材、特に多角形ディスク
120’’’ 第3の作動部材、特に偏心体調節部
124 第2の作動部材の中心軸線
130 アクチュエータ
130’ 第1のアクチュエータ
130’’ 第2のアクチュエータ
132’ レバー
134 位置固定の変向要素
134’’ 位置固定の変向要素
136 ばね
140 アクティベーションユニット
150 操作機構
152 移動可能な変向要素
152’ 移動可能な変向要素
156 駆動装置、操作機構
160 引張り要素
160’ 第1の引張り要素
160’’ 第2の引張り要素
163 減衰要素
165 補償要素
170 監視装置
180 別の監視装置
190 インサート装置(=インサータ)
191 第1のインサータクラッチ装置
192 係止フラップ
193 インサータのバー、ラック
194 第2のインサータクラッチ装置
195 第1のスライドガイド
196 第2のスライドガイド
197 係止フラップのガイドピン
198 インサータ駆動装置
210 マンドレルバー
212 マンドレルバーの狭窄部
214 マンドレルバーのヘッド
216 マンドレルバーヘッドの太くした端部
220 中空ブロック
300 管圧延機構
α 角度範囲
β 角度範囲
D1 フラップの旋回軸線
D2 レバー132’/ローププーリの旋回軸線
F 引張り力
← トラフ117に向かうインサート方向(=圧延力の方向W)
【手続補正書】
【提出日】2024-04-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム(100)であって、
少なくとも1つの作動部材(120)と前記作動部材用の少なくとも1つのアクチュエータ(130)とを有する走行可能なユニット(110)と、
前記作動部材用の前記アクチュエータを操作する少なくとも1つの操作機構(150)を有するアクティベーションユニット(140)と、
を備えるシステム(100)において、
前記アクティベーションユニット(140)は、前記走行可能なユニットに固定して組み付けられており、かつ
前記システム(100)は、前記操作機構(150)の運動エネルギを引張り力の形態で、前記走行可能なユニット(110)上に設けられた前記アクチュエータ(130)に、前記作動部材(120)を作動させるように伝達する少なくとも1つの引張り要素(160)を備える、
ことを特徴とするシステム(100)。
【請求項2】
前記引張り要素(160’,160’’)は、ロープ、ワイヤ、チェーンまたはベルト、例えば歯付きベルトもしくはVベルトであることを特徴とする、請求項1記載のシステム(100)。
【請求項3】
第1のアクチュエータ(130’)が、第1の伝動機構の形態で構成されており、前記第1の伝動機構の出力側には、第1の作動部材(120’)が配置されており、前記第1の伝動機構の入力側には、第1の引張り要素(160’)が、前記第1の引張り要素(160’)の、作動部材側の端部でもって、前記伝動機構のレバー(132’)に、前記第1の作動部材(120’)を前記伝動機構により作動させるように、取り付けられていることを特徴とする、請求項1または2記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記第1の作動部材(120’)は、重力しか作用していないとき、任意選択的には、別の装置によって補助または代替されて、引き戻しポジションに存在し、かつ
前記第1の作動部材(120’)は、第1の操作機構(150’)の前記運動エネルギにより駆動される第1の引張り要素(160’)と、前記第1の伝動機構とにより、前記引き戻しポジションから作動ポジションへ変位可能である、
ことを特徴とする、請求項3記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記レバー(132’)は、前記第1の引張り要素(160’)がロープまたはワイヤであるときは、ローププーリまたはドラムまたはガイドノズルの形態で構成されており、または
前記レバー(132’)は、前記第1の引張り要素(160’)がベルト、特に歯付きベルトであるときは、ベルトプーリの形態で構成されている、
ことを特徴とする、請求項3記載のシステム(100)。
【請求項6】
第2のアクチュエータ(130’’)が、ばね(136)、特に圧縮ばねの形態で、第2の作動部材(120’’)を前記ばねのばね力により作動ポジションへポジショニングするように、構成されており、かつ
第2の引張り要素(160’’)が、前記第2の引張り要素(160’’)の、作動部材側の端部でもって、前記第2のアクチュエータ(130’’)または前記ばねに取り付けられており、前記第2の作動部材(120’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)による第2の操作機構(150)の前記運動エネルギの伝達時、前記作動ポジションから前記ばね力に抗して引き戻しポジションへ変位可能である、
ことを特徴とする、請求項
4記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記第2のアクチュエータ(130’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)用の位置固定の変向要素(134’’)を有し、かつ
前記位置固定の変向要素(134’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)がロープまたはワイヤであるときは、回転可能に支持されるロールまたはドラムまたはガイドノズルであり、または
前記位置固定の変向要素(134’’)は、前記第2の引張り要素(160’’)がチェーンまたは歯付きベルトであるときは、ピニオンである、
ことを特徴とする、請求項6記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)は、前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)の、前記第1の作動部材(120’)および/または前記第2の作動部材(120’’)とは反対側の端部でもって、例えば前記走行可能なユニット(110)に固定されており、かつ
前記アクティベーションユニット(140)の前記第1の操作機構および/または前記第2の操作機構(150)は、前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)用の緊張装置およびバッファ装置として構成されており、前記第1の引張り要素(160’)および/または前記第2の引張り要素(160’’)の、前記作動部材側の端部と、前記作動要素とは反対側の端部との間で、前記引張り要素に係合している、
ことを特徴とする、請求項
6記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記第1の操作機構および/または前記第2の操作機構(150)は、それぞれ、移動可能に支持される少なくとも1つの変向要素(152)、好ましくは、変向ロールまたはガイドノズルの形態の変向要素(152)を有し、
前記第1の操作機構および/または前記第2の操作機構(150)は、前記第1の引張り要素および/または前記第2の引張り要素(160)が前記移動可能な変向要素にそれぞれ少なくとも所定の角度範囲(α)で巻き掛かるように、前記第1の引張り要素および/または前記第2の引張り要素(160)に係合しており、かつ
少なくとも1つの前記移動可能な変向要素(152)は、引張り力をそれぞれの前記引張り要素に加えるように、マニュアル式にまたは駆動装置(156)により移動可能に支持されている、
ことを特徴とする、請求項
6記載のシステム(100)。
【請求項10】
少なくとも1つの前記操作機構(150)または前記アクティベーションユニット(140)は、前記移動可能な変向要素(152)の他に、さらに少なくとも1つの別の位置固定の変向要素(134)、好ましくは、さらに2つの別の位置固定の変向要素を有し、前記別の位置固定の変向要素は、前記引張り要素(160)の延在方向で、前記移動可能な変向要素(152)の上流および/または下流に配置されており、前記別の位置固定の変向要素には、前記引張り要素(160)が、少なくとも所定の角度範囲(β)で巻き掛かっていることを特徴とする、請求項9記載のシステム(100)。
【請求項11】
前記位置固定の変向要素および/または前記移動可能な変向要素(152,154)のうちの少なくとも1つは、当該変向要素の中心に質量集中を示すことを特徴とする、請求項
9記載のシステム(100)。
【請求項12】
前記引張り要素(160)は、弾性的に構成されており、かつ/または減衰要素(163)を含むことを特徴とする、請求項1
または2記載のシステム(100)。
【請求項13】
少なくとも1つの前記引張り要素(160)の少なくとも一方の端部に、交換部品としての前記引張り要素(160)を前記走行可能なユニット(110)、前記アクチュエータ(130)、前記作動部材(120)および/または前記固定的なアクティベーション装置から簡単に切り離し、かつ任意選択的に交換するように交換接続部が設けられていることを特徴とする、請求項1
または2記載のシステム(100)。
【請求項14】
前記走行可能なユニット(110)のポジション、速度または加速度を監視する少なくとも1つの監視装置(170)を特徴とする、請求項1
または2記載のシステム(100)。
【請求項15】
前記引張り要素(160)の摩耗、摩滅または伸びを監視する別の監視装置(180)を特徴とする、請求項1
または2記載のシステム(100)。
【請求項16】
前記監視装置(170)および/または前記別の監視装置(180)は、機械式、光学式または電子式に作業することを特徴とする、請求項
15記載のシステム(100)。
【請求項17】
前記引張り要素(160)の、出荷状態と比較した望ましくない長さ変化を補償するかつ/または前記作動部材をアジャストする少なくとも1つの補償要素(165)を特徴とする、請求項1
または2記載のシステム(100)。
【請求項18】
前記システム(100)は、管圧延機構内のマンドレルバー拘束装置であり、かつ
前記走行可能なユニット(110)は、マンドレルバー(210)を収容するトラフ(117)を有するマンドレルバー拘束ヘッド(112)を有する、
ことを特徴とする、請求項
6記載のシステム(100)。
【請求項19】
前記第1の作動部材(120’)は、前記マンドレルバー(210)を前記トラフ(117)内に軸方向で移動しないように止めるように、前記マンドレルバー拘束ヘッドに設けられた軸方向の係止要素であり、前記軸方向の係止要素は、好ましくは、フラップの形態で、前記マンドレルバー(210)の外側の周囲に設けられた狭窄部(212)内に係合するように、構成されており、かつ/または
前記第2の作動部材(120’’)は、前記マンドレルバー(210)を前記トラフ(117)内に半径方向の力作用に抗して保持するように、前記マンドレルバー拘束ヘッドに設けられた半径方向の係止要素であり、前記半径方向の係止要素は、好ましくは、回転可能かつ軸方向で移動可能に支持される多角形ディスクの形態で構成されている、
ことを特徴とする、請求項18記載のシステム(100)。
【請求項20】
前記マンドレルバー(210)を前記走行可能なユニット(110)に設けられた前記トラフ(117)内に軸方向でインサートするインサータ(190)と、
前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)の前記ヘッド(214)に連結する、または前記ヘッド(214)から連結解除する、第1のスライドガイド(195)を有する第1のインサータクラッチ装置(191)と、
前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)から連結解除する、または前記マンドレルバー(210)に連結する、前記トラフ(117)の進入側に設けられた第2のスライドガイド(196)を有する第2のインサータクラッチ装置(194)と、
を特徴とする、請求項
18記載のシステム(100)。
【請求項21】
前記インサータ(190)は、バー(193)、例えばラックを有し、かつ前記インサータ(190)の、前記トラフ(117)側の端部に、揺動可能な係止フラップ(192)を有し、前記係止フラップ(192)は、ガイドピン(197)を有し、前記ガイドピン(197)は、前記係止フラップから側方に、前記第1のスライドガイド(195)および前記第2のスライドガイド(196)内に係合するように、突出していることを特徴とする、請求項20記載のシステム(100)。
【請求項22】
前記第1のスライドガイドは、好ましくは、前記固定的なアクティベーション装置に軸方向で調節可能に取着されており、
前記第1のインサータクラッチ装置(191)の内面に設けられている前記第1のスライドガイド(195)は、高い位置にある直線セクションを有し、かつ前記第1のスライドガイド(195)の、トラフ側の端部に、下降するランプセクションを有し、前記ランプセクションは、前記インサータ(190)をインサート方向で前記トラフ(117)に向かって動かす際に、前記係止フラップ(192)を前記マンドレルバーヘッド(214)上に下降させるように、前記第1のスライドガイド(195)上をガイドされる前記ガイドピン(197)を、高い位置のレベルから、より低い位置のレベルへ移行させるために用いられ、かつ
前記第2のスライドガイド(196)は、前記第2のインサータクラッチ装置(194)の内面に設けられており、前記第2のスライドガイド(196)の、トラフから遠位の端部において、インサート方向で上昇するランプの形態で構成されており、前記ランプは、高さを上げられたレベルに至り、前記高さを上げられたレベルは、前記インサータ(190)を前記トラフ(117)に向かって動かす際に、前記係止フラップ(192)を持ち上げ、ひいては前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)から切り離すために用いられる、
ことを特徴とする、請求項
21記載のシステム(100)。
【請求項23】
前記マンドレルバー(210)は、例えば、一次製品の変形加工横断面を拡張または縮減させる拡張マンドレルまたは穿孔マンドレルであることを特徴とする、請求項
18記載のシステム(100)。
【請求項24】
請求項
18記載のシステム(100)を運転する方法であって、
マニュアル式にまたは駆動装置(156)により運転される、少なくとも1つの前記作動部材(120)用の少なくとも1つの前記アクチュエータ(130)を操作する少なくとも1つの操作機構(150)により、引張り力を少なくとも1つの前記引張り要素(160)に及ぼすステップ、
を特徴とする方法。
【請求項25】
前記走行可能なユニット(110)の走行中にも、前記引張り力を前記引張り要素(160)に及ぼすことを特徴とする、請求項24記載の方法。
【請求項26】
フラップの形態の前記第1の作動部材(120’)を、前記第1の作動部材(120’)の休止ポジションから、前記フラップが前記マンドレルバー(210)の外面に設けられた狭窄部(212)内に係合する作動ポジションへ動かす第1のアクチュエータ(130’)を操作するように、前記引張り力を第1の引張り要素(160’)に加えることを特徴とする、請求項2
4記載の方法。
【請求項27】
第2の作動部材(120’’)を、前記マンドレルバー(210)の上方の、進出された位置から、前記第2の作動部材(120’’)の引き戻しポジションへ移行させる第2のアクチュエータ(130’’)を操作するように、前記引張り力を第2の引張り要素(160’’)に加え、または
前記第2の作動部材(120’’)を、前記第2の作動部材(120’’)の引き戻しポジションから、前記トラフ(117)内の前記マンドレルバー(210)の上方の、前記第2の作動部材(120’’)の作動ポジションへ移行させるように、前記第2の引張り要素(160’’)に対する前記引張り力を減少させるまたは停止する、
ことを特徴とする、請求項2
4記載の方法。
【請求項28】
偏心体軸の形態の第3の作動部材(120’’’)を、前記マンドレルバー(210)が、前記トラフ(117)内で、下流に配置された前記管圧延機構(300)の圧延中心に保持され、かつ前記第2の作動部材(120’’)に向かって持ち上げられるように操作し、特に回転させ、好ましくは、それから、前記第2の作動部材(120’’)を前記マンドレルバー(210)の上方の前記第2の作動部材(120’’)の作動ポジションへ進出させることを特徴とする、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記マンドレルバー(210)をインサート装置(190)により、前記マンドレルバー拘束装置(112)に設けられた前記トラフ(117)内に挿入し、その後、前記マンドレルバーを前記トラフ(117)内に前記第1の作動部材(120’)、前記第2の作動部材(120’’)および/または前記第3の作動部材(120’’’)により、前記トラフ(117)内で軸方向および/または半径方向で移動しないように固定することを特徴とする、請求項2
4記載の方法。
【請求項30】
前記係止フラップ(192)を、前記第1のインサータクラッチ装置(191)内に設けられた第1のスライドガイド(195)により、まず、開放した状態で、前記マンドレルバー(210)の前記ヘッド(214)に向かって動かし、続いて、前記第1のスライドガイド(195)の、インサート方向で下降する前記ランプセクションによりガイドし、前記マンドレルバー(210)の前記ヘッド(214)上に下降させ、前記ヘッド(214)に係止させることを特徴とする、請求項29記載の方法。
【請求項31】
前記係止フラップ(192)のガイドピン(197)が、前記第2のスライドガイドの、インサート方向で上昇するランプセクションに、前記係止フラップの開放、ひいては前記マンドレルバー(210)からの前記インサータ(190)の係止解除を引き起こす、高さを上げられたレベルまで押し上げられることで、前記係止フラップ(192)をまず開放することにより、前記インサータ(190)を前記マンドレルバー(210)から、前記トラフ(117)に割り当てられた第2のインサータクラッチ装置(194)内で連結解除することを特徴とする、請求項2
9記載の方法。
【国際調査報告】