(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両ロッカーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B62D25/20 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526656
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022079287
(87)【国際公開番号】W WO2023081810
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591187162
【氏名又は名称】シェイプ・コープ
【氏名又は名称原語表記】SHAPE CORP.
【住所又は居所原語表記】1900 Hayes St., Grand Haven, Michigan 49417, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】チン、ジェフア
(72)【発明者】
【氏名】カイパーズ、マシュー
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BB12
3D203CA04
3D203CA25
3D203CA52
3D203CA57
3D203CA72
3D203CB04
3D203DB05
(57)【要約】
車両ロッカーアセンブリは、シルインナーとシルアウターとの間に配置された管状インサートを含む。管状インサートは、シルインナーに隣接して配置された車内壁と、シルアウターに隣接して配置された車外壁と、車内壁及び車外壁の上端間に延びる上壁と、車内壁及び車外壁の下端間に延びる下壁と、上壁及び下壁間に配置された中央壁とを含み得る。中央壁は、上壁及び下壁よりも短い長さで車内壁と車外壁との間に延び得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ロッカーアセンブリであって、
シルインナーと、
シルアウターであって、前記シルインナーと前記シルアウターとの間に細長い中空内部を画定するように前記シルインナーと結合されたシルアウターと、
前記細長い中空内部内に配置された管状インサートであって、
前記シルインナーに隣接して配置された車内壁、
前記シルアウターに隣接して配置された車外壁、
前記車内壁及び車外壁の上端間に延びる上壁、
前記車内壁及び車外壁の下端間に延びる下壁、及び
前記上壁と前記下壁との間に配置され、且つ前記上壁及び下壁よりも短い長さで前記車内壁と前記車外壁との間に延びる中央壁
を備える管状インサートと
を備える車両ロッカーアセンブリ。
【請求項2】
前記車外壁が、前記管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む、請求項1に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項3】
前記チャネルがV字形状を備える、請求項2に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項4】
前記車外壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項5】
前記上壁及び下壁が実質的に平行であり、前記中央壁が前記上壁及び下壁に対して角度を付けられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項6】
前記車内壁が、前記管状インサート内へと車外方向に突出するチャネルを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項7】
前記チャネルがU字形状を備える、請求項6に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項8】
前記車内壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルインナーから車外方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項9】
上部フランジ及び下部フランジを含むシルインナーと、上部フランジ及び下部フランジを含むシルアウターとを有する車両ロッカーアセンブリのための管状インサートであって、
前記シルインナーに隣接して配置された車内壁と、
前記シルアウターに隣接して配置された車外壁と、
前記車内壁及び車外壁の上端間に延びる上壁と、
前記車内壁及び車外壁の下端間に延びる下壁と、
前記上壁と前記下壁との間に配置され、且つ前記上壁及び下壁よりも短い長さで前記車内壁と前記車外壁との間に延びる中央壁と
を備える管状インサート。
【請求項10】
前記車外壁が、前記管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む、請求項9に記載の管状インサート。
【請求項11】
前記チャネルがV字形状を備える、請求項10に記載の管状インサート。
【請求項12】
前記車外壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項13】
前記上壁及び下壁が実質的に平行であり、前記中央壁が前記上壁及び下壁に対して角度を付けられる、請求項9~12のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項14】
前記車内壁が、前記管状インサート内へと車外方向に突出するチャネルを含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項15】
前記チャネルがU字形状を備える、請求項14に記載の管状インサート。
【請求項16】
前記車内壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルインナーから車外方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項9~15のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項17】
車両ロッカーアセンブリのための管状インサートであって、
シルインナーに隣接して配置された車内壁と、
シルアウターに隣接して配置された車外壁と、
前記車内壁及び車外壁の上端間に延びる上壁と、
前記車内壁及び車外壁の下端間に延びる下壁と、
前記上壁と前記下壁との間に配置され、且つ前記上壁及び下壁よりも短い長さで前記車内壁と前記車外壁との間に延びる中央壁と
を備える管状インサート。
【請求項18】
前記車外壁が、前記管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む、請求項17に記載の管状インサート。
【請求項19】
前記車外壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項17又は18に記載の管状インサート。
【請求項20】
前記上壁及び下壁が実質的に平行であり、前記中央壁が前記上壁及び下壁に対して角度を付けられる、請求項17~19のいずれか一項に記載の管状インサート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月5日に提出された米国仮特許出願第63/276,282号に付与された米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張するものであり、この先行出願の開示は、本出願の一部とみなされ、参照により完全な形で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、シルアセンブリに関し、より具体的には、車両ボディ構造のための車両ロッカーアセンブリのための管状インサートに関する。
【背景技術】
【0003】
車両フレーム及びボディ構造は、車両を支持するように設計され、また、且つ保険要件並びに他の規制要件及び法的要件に従って車両内への侵入距離を防止するように、特定レベルの衝撃力を受け、吸収するように設計されている。車両への側面衝撃は、一般的にサイドポール衝撃試験で試験され、この試験は、車両に大きな側面衝撃力を仕向ける。車両フレームは、主に、車両フレームの下部車外部分に沿って前輪と後輪との間を長手方向に走るロッカーセクションで、これらの側面衝撃を吸収する。
【0004】
電気自動車及びハイブリッド電気自動車において対向するロッカーセクション間の横方向車内エリアにバッテリトレイが組み込まれた状態では、側面衝撃力をバッテリトレイから車両フロアクロスメンバの方に仕向けることが望ましい。例えば、車両シルアセンブリ内に管状インサートを追加するなどして車両シルアセンブリの剛性を高めることが一般的に知られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、車両ロッカーアセンブリを提供する。車両ロッカーアセンブリの例は、シル壁部分、上壁部分、下壁部分、上部フランジ部分及び下部フランジ部分を備えるシルインナーを含み得る。車両ロッカーアセンブリは、シル壁部分、上壁部分、下壁部分、上部フランジ部分及び下部フランジ部分を備えるシルアウターも含み得る。いくつかの例では、シルインナーの上部フランジ部分は、シルアウターの上部フランジ部分と結合され、及びシルインナーの下部フランジ部分は、シルアウターの下部フランジ部分と結合されて、車両ロッカーアセンブリの細長い中空内部を取り囲む。車両ロッカーアセンブリは、細長い中空内部内に配置された管状インサートも含み得る。管状インサートは、シルインナーに隣接して配置された車内壁と、シルアウターに隣接して配置された車外壁と、車内壁及び車外壁の上端部間に延びる上壁と、車内壁及び車外壁の下端部間に延びる下壁と、上壁及び下壁間に配置された中央壁とを含み得る。中央壁は、上壁及び下壁よりも短い長さで車内壁と車外壁との間に延び得る。
【0006】
本開示の実装形態は、以下の任意選択的な特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの例では、車外壁は、管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む。いくつかの例では、チャネルは、V字形状を備える。
【0007】
さらに、いくつかの例では、車外壁は、中央壁と相互接続するためにシルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む。さらに、いくつかの例では、上壁及び下壁は、実質的に平行であり、中央壁は、上壁及び下壁に対して角度を付けられる。
【0008】
本開示の1つ又は複数の例の詳細は、添付の図面及び以下の記載に記載されている。他の態様、利点、目的及び特徴は、図面と併せて以下の明細書を検討すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】管状インサートを含む車両ロッカーアセンブリを示す車両の側面図である。
【
図2】管状インサート及び他の構造構成要素を含むロッカーアセンブリを示す車両の上側斜視図である。
【
図3】管状インサートを含む車両ロッカーアセンブリの一例の断面図である。
【
図4】
図3に示される管状インサートの例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
同様の参照数字は、図面全体を通して同様の部品を示す。
【0011】
ここで、図面及びそこに描かれた説明に役立つ実施形態を参照すると、
図1及び2に示されるものなど、ボディ構造又はフレーム101用などの車両100のための車両ロッカーアセンブリ10が提供される。車両フレーム102及び関連する構成要素は、異なる様式及び種類の車両用など、様々な設計及び構成を有し得る。例えば、
図1及び2に示されるように、車両フレーム102は、様々な他の車両フレーム構成要素の中でもとりわけ、ロッカーアセンブリ10、Bピラー、フロアクロスメンバ及びヒンジピラーを含み得る。また、
図1に示されるように、車両は、バッテリ重量を分散して車両の低重心を確立するために、一般にアクスル間及び車両の床付近に配置されるバッテリトレイ104に支持されるバッテリモジュールなど、バッテリを使用する推進システムによって部分的に作動され得る。したがって、車両ロッカーアセンブリ及び関連するインサートは、同じく又は代替的に、バッテリトレイフレーム構成要素として実装され得る。
【0012】
車両ロッカーアセンブリ10は、構造フレーム構成要素又はバッテリトレイ構成要素として使用することができ、そのいずれも様々な衝撃力を受けるように設計され、異なる荷重条件を支持し、それに耐えるように設計される。要求される衝撃及び荷重要件を満たすように車両を設計する一方、車両構成要素の内部の所望のセクションに管状補強インサートを設けることにより、車両構成要素の外形寸法を縮小し、関連する車両構成要素の全体重量を低減することができる。いくつかの例では、管状インサートは、車両ロッカーアセンブリ又はバッテリトレイの部分的なセクション又は全長にわたり得る。
図1に示されるロッカーアセンブリ10は、車両ロッカーアセンブリ10に取り付けられるバッテリトレイ104のアウターセクションと並んで配置される。
【0013】
車両ロッカーアセンブリ10は、内部エリア16の周りに一緒に取り付けられるシルインナーパネル12及びシルアウターパネル14など、1つ又は複数のシルパネルを含む。ここで、「インナー」及び「アウター」という用語は、
図1及び2において方向付けられるような、車両上の車内又は内方を向く方向及び車外又は外方を向く方向に言及する。
図3に示すように、車両ロッカーアセンブリ10の例は、多管状ロッカー構造を形成するために内部エリア16に配置された補強インサートを設けられる。
【0014】
本明細書で開示される補強又は管状インサートを有する車両ロッカーアセンブリ10を設計する場合、車両ロッカーアセンブリの外形寸法を縮小し、車両ロッカーアセンブリ10の全体重量を低減する一方、要求される衝撃及び荷重条件を満たすことができる。管状インサートは、車両ロッカーアセンブリの部分的なセクションにわたるか又はロッカーアセンブリの全長にわたり得、それによりロッカーアセンブリを越えて隣接する構成要素内に延び、隣接する構成要素も補強し得る。本明細書で開示される管状インサートは、車両構成要素全体を構成し得るか、又は車両構成要素の所望のセクションなどで車両構成要素の付加的な補強材若しくは部分に接合され得る。さらに、いくつかの例では、ロッカーアセンブリは、サブアセンブリ又は構造構成要素若しくはバッテリトレイ構成要素などの対応する車両構成要素の一部として具現化され得、そのようなものとして、様々な衝撃力を受け、異なる荷重条件を支持し、それに耐えるように設計され得る。
【0015】
さらに、本明細書で開示される管状インサートは、金属板をロール成形するなどして、板状材料の1つ又は複数の片で形成して、一般的なロッカーパネルと比較して比較的高い強度(せん断荷重及び軸方向荷重に対して)及び低い重量を有する構造を提供することができ、それにより、対応する車両構成要素のシルパネル(提供される場合)がより少ない材料を使用し、より小さいパッケージングスペースを占有し、外形設計でより大きい柔軟性を有することを可能にする。車両構成要素及び管状インサートの異なる例の断面形状は、車両構成要素の所望の用途向けの様々な形状及び厚さを含み得る。
【0016】
反対に指定されない限り、ロッカーアセンブリの追加の実装形態は、インナーパネルとして識別されるシルパネルがアウターパネルとして使用され、アウターパネルとして識別されるシルパネルがインナーパネルとして使用され得るなど、図示及び記載される例とは反対の向きを有し得ることが一般に理解される。インナーパネル及びアウターパネルの断面形状は、例えば、端部で外側に広がることによってなど、ロッカーに沿って変化し得る。
【0017】
ここで、
図3に示される車両ロッカーアセンブリ10を参照すると、第1のシルパネル12及び第2のシルパネル14は、シルパネル12、14間の中空内部空間16を取り囲むように一緒に取り付けられる。
図3に示される車両ロッカーアセンブリ10は、車両ロッカー構成要素として具現化される。したがって、第1のシルパネル12は、ロッカー構成要素のシルインナーパネルと呼ばれることがある。第1のシルパネル12は、インナーパネルのそれぞれの上縁及び下縁に沿って延びる上部フランジ18及び下部フランジ20を有する。第1のシルパネル12は、上部及び下部フランジ18、20から車内方向に突出して、外向きの凹状構造を形成する。ロッカー構成要素のシルアウターパネルと呼ばれることもある第2のシルパネル14は、同様に上部フランジ22及び下部フランジ24と呼ばれることもあるフランジ22、24を有するC字形断面を有する。インナー及びアウターシルパネル12、14の上部フランジ18、22及び下部フランジ20、24は、その凹状構造を互いに対向させた状態で溶接などを介して互いに取り付けられる。
図3に示されるシルパネル12、14のそれぞれの上部及び下部フランジ18、20、22、24は、ロッカー構成要素の縁部に沿って連続的に長手方向に延びる。しかし、フレームの取り付けを容易にするか又は重量を軽減するために、選択されたエリアにおいてフランジが切り取られ得ることが考えられる。
【0018】
図3にさらに示すように、インナー及びアウターシルパネル12、14は、シルパネル12、14間に中空内部空間16を画定するように一緒に接合される。上部及び下部フランジ18、20、22、24は、実質的に平面であり、構成要素の長さに沿って概ね連続的に接触して嵌合するように概ね垂直な構成で配向される。上部及び下部フランジ18、20、22、24は、溶接、好ましくはスポット溶接を介して一緒に接合され得る。しかし、接着剤又は留め具等など、代替の溶接方法又は接合手段が、ロッカー構成要素の異なる実装形態において、スポット溶接に加えて又はスポット溶接に代えて使用され得ることが考えられる。
【0019】
車両ロッカーアセンブリ10の第1のシルパネル12、すなわちインナーパネルは、実質的に平面である内壁26を有する。内壁26は、それぞれの上端部及び下端部で上壁28及び下壁30へのコーナー移行部と一体的に相互接続される。コーナー移行部は、内壁26と上壁及び下壁28、30との間でほぼ90度である。また、コーナー移行部は、金属板(例えば、高度高強度鋼板又はアルミニウム板)など、第1のシルパネル12を形成する板状材料に対する長手方向の屈曲によって画定される。同様に、上壁及び下壁28、30は、それぞれ上部フランジ18及び下部フランジ20に対してほぼ90度のコーナー移行部をそれぞれ有する。このコーナー移行部も、ロール成形プロセスによって形成されるなど、第1のシルパネル12の板状材料の長手方向の屈曲によって画定される。
図3に同じく示されるように、上部及び下部フランジ18、20は、実質的に平面であり、内壁26の平面範囲と平行に整列して配向される。第1のシルパネル12の上壁及び下壁28、30も実質的に平面であり、
図3に示すように、わずかに互いに角度をなす。しかし、追加的な例では、それらは、互いに実質的に平行であり得る。コーナー移行部は、およそ40度~120度、70度~100度、80度~95度又は82度~92度など、
図3に示されるよりも大きい又は小さい角度移行部も有し得る。
【0020】
図3に同じく示すように、車両ロッカーアセンブリ10の第2のシルパネル14、すなわちアウターパネルは、実質的に平面であり、それぞれの上端部及び下端部で上壁34及び下壁36と一体的に相互接続する外壁32を有する。外壁32と上壁及び下壁34、36との間のおよそ80度のコーナー移行部は、第2のシルパネル14を形成する板状材料に対する長手方向の屈曲によって画定される。板状材料は、第1のシルパネル12と同じであるか又は異なり得、高度高強度鋼板又はアルミニウム板などの金属板を含み得る。同様に、上壁34も上部フランジ22へのコーナー移行部を有し、下壁36も下部フランジ24へのコーナー移行部を有し、これらもそれぞれ第2のシルパネル14の板状材料における長手方向の屈曲によって画定される。ここでも、上部及び下壁34、36と上部及び下部フランジ22、24との間及び外壁32との間のコーナー移行部は、およそ40~120度、70~100度、80~95度又は82~92度など、
図4に示されるよりも大きい又は小さい角度移行部を有し得る。
【0021】
図3に示すように、上部及び下部フランジ22、24は、実質的に平面であり、外壁32の平面範囲と平行に整列して配向される。第2のシルパネル14の上壁及び下壁34、36も実質的に平面であるが、外壁32及びフランジ22、24に対する直交からわずかに角度を付けられる。パネル12、14のフランジ18、20、22、24が一緒に取り付けられた状態で、それらの壁は、実質的に六角形の断面形状を画定する。しかし、管状インサートの追加的な例は、対応する車両設計のための様々な代替断面形状(例えば、実質的に長方形の形状)及び異なる壁構成(例えば、垂直方向に向けられていない内壁又は外壁の部分)を有し得ることが理解される。他の例では、アウターシル及びインナーシルは、アウターシルが、追加の剛性及び側面衝撃支持を提供するように構成された内方又は外方に突出する補剛リブ部分を有することを含むが、これに限定されない異なる構成をそれぞれ含み得ることも考えられる。
【0022】
図3及び4にさらに示すように、車両ロッカーアセンブリ10は、細長い中空内部16内に配置された管状インサート40を含む。管状インサート40は、シルインナー12に隣接して配置された車内壁42と、シルアウター14に隣接して配置された車外壁44と、車内壁及び車外壁42、44の上端部間に延びる上壁46と、車内壁及び車外壁42、44の下端部間に延びる下壁48とを含む。管状インサート40は、上壁及び下壁46、48間に配置され、車内壁及び車外壁42、44間に延びる中央壁50も含む。いくつかの例では、中央壁50は、上壁46及び下壁48の一方又は両方の長さよりも短い長さを有する。上壁46、車内壁42、車外壁44及び中央壁50は、上部中空内部52を画定し、下壁48、車内壁42、車外壁44及び中央壁50は、下部中空内部54を画定し、多中空管状構造を形成する。
【0023】
さらに、
図3及び4に示す例では、上壁及び下壁46、48は、概ね水平に、実質的に互いに平行に延びる。しかしながら、上壁及び下壁46、48は、0~30度又は0~15度の角度など、異なる角度で延び得ることも考えられる。さらに、いくつかの例では、上壁及び下壁46、48は、上壁及び下壁46、48が互いに平行に延びないように互いに異なる角度で延び得る。さらに、いくつかの例では、上壁又は下壁46、48の1つ又は複数は、凹部若しくはチャネル又は他の構造的特徴を含み得る。
【0024】
図3及び4に示す例をさらに参照すると、上壁及び下壁46、48は、車内壁及び車外壁42、44間に延びる。一例では、車外壁44は、第2のシル部材14の外壁32に結合される。示される例では、車外壁44は、上壁46から延びる第1の脚部56と、下壁48から延びる第2の脚部58とを含む。第1の脚部56及び第2の脚部58は、中央壁50と相互接続するように内方に突出する。第1の脚部56と第2の脚部58及び/若しくは中央壁50との結合は、溶接結合であり得るか、又は第1の脚部56、第2の脚部58及び/若しくは中央壁50は、必要に応じて他の方法で結合され得る。示される例では、第1の脚部56は、第2の脚部58と中央壁との間の別個の結合が不要であるように、第2の脚部58から延びる中央壁50に結合される。しかしながら、第1の脚部56、第2の脚部58及び/又は中央壁50は、管状インサートがアルミニウム押出材である例においてなど、追加の結合技術が使用されないように一体的に形成され得ることも考えられる。
【0025】
さらに、
図3及び4に示すように、内方に突出する第1及び第2の脚部56、58は、管状インサート40に向かって車内方向に突出するチャネル60を画定し得る。チャネル60は、V字形状を備える。チャネル60は、第1及び第2の脚部56、58の長さと同じ長さを有し得るか、又は第1及び/若しくは第2の脚部56、58の長さの一部のみに延び得る。さらに、チャネルは、U字形状又はその変形形態などの別の形状であり得る。さらに、示される例では、車外壁44の第1の脚部56は、内方に突出する前に上壁46から実質的に垂直に延びる。内方に突出する角度は、
図3及び4に示すように鋭利な約45度であり得るか、又は25~90度などの別の角度であり得る。必要に応じて、突出角度は、鋭角よりも曲線的であり得ることも考えられる。さらに、上壁46と車外壁44の第1の脚部56との間の角度は、25~120度など、実質的に垂直な角度とは別の角度であり得るか、又は必要に応じて曲線若しくは他の形状を形成し得る。
図3及び4に示す例をさらに参照すると、第2の脚部58は、下壁48から約45度の湾曲角度で延び得る。しかしながら、上述した第1の脚部56と同様に、第2の脚部58は、実質的に垂直に、及び/又は20~120度の鋭角の湾曲角度を含むが、これに限定されない様々な方法で下壁48から延び得る。
【0026】
図3及び4に示される例に示されるように、車内壁42は、上壁及び下壁46、48間に延びる。一例では、車内壁42は、第1のシル部材12の外壁26に結合される。結合は、溶接又は他の公知の結合技術によるものであり得る。車内壁42は、上壁46から延びる第1の脚部62と、下壁48から延びる第2の脚部64とを含む。第1の脚部62と第2の脚部64とは、中央壁50と相互接続するように内方に突出する。第1の脚部62と第2の脚部64及び/若しくは中央壁50との結合は、溶接結合であり得るか、又は第1の脚部62、第2の脚部64及び/若しくは中央壁50は、必要に応じて他の方法で結合され得る。示される例では、第1及び第2の脚部62、64が互いに結合され、中央壁50がそこから延びるため、中央壁50への別個の結合が必要ない。しかしながら、第1の脚部62、第2の脚部64及び/又は中央壁50は、追加の結合技術が使用されないように一体的に形成されることも考えられる。
【0027】
さらに、
図3及び4に示すように、内方に突出する第1及び第2の脚部62、64は、管状インサート40内へと車外方向に突出するチャネル66を画定し得る。示される例では、チャネル66は、U字形状を備える。チャネル66は、第1及び第2の脚部56、62、58、64の長さと同じ長さを有し得るか、又は第1及び/若しくは第2の脚部58、64の長さの一部のみに延び得る。さらに、チャネル66は、V字形状などの別の形状であり得る。
図3及び4に示す例をさらに参照すると、第1の脚部62は、上壁46から約45度の湾曲角度で延び得る。しかしながら、第2の脚部64は、実質的に垂直に、及び/又は20~120度の鋭角の湾曲角度を含むが、これに限定されない様々な方法で下壁48から延び得る。さらに、示される例では、車内壁42の第2の脚部64は、内方に突出する前に上壁46から実質的に垂直に延びる。内方に突出する角度は、
図3及び4に示すように約45度であり得るか、又は25~90度などの別の角度であり得る。さらに、上壁46と車内壁42の第1の脚部62との間の角度は、25~120度など、実質的に垂直な角度とは別の角度であり得るか、又は必要に応じて曲線若しくは他の形状を形成し得る。いくつかの例では、第1の脚部62と第2の脚部64とは、互いに同様の形状及び長さであるが、他の様々な形状が考えられ、いくつかを以下に他の様々な例に関して記載する。
【0028】
図3及び4に示す例をさらに参照すると、中央壁50は、車内壁42と車外壁44との間に延びる。中央壁50は、上壁46及び/又は下壁48の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。
図3及び4に示す例では、中央壁50の長さは、車内壁及び車外壁42、44における脚部との接続部間に画定され、上壁46及び下壁48の両方の長さよりも短い。中央壁50の長さが上壁46及び/又は下壁48の1つ又は複数の長さよりも短いことにより、中央壁50により安定性が与えられ、中央壁50が破損又は座屈する前により大きいエネルギーを吸収するか又はより大きい荷重に抵抗することも可能になる。
【0029】
図3及び4に追加的に示すように、中央壁50は、上壁46及び下壁48の両方と実質的に平行である。しかしながら、中央壁50が上壁46若しくは下壁48の一方のみと平行に延びること、又は中央壁50が上壁46若しくは下壁48のいずれとも平行でないように、中央壁50が上壁46及び下壁48の両方から異なる延在角度を有することを含むが、これらに限定されない他の変形形態が考えられる。中央壁50が上壁46と下壁48との間に配置されることで、一方向に3つの荷重支持壁が形成され、管状インサート40が破損又は座屈する前により大きいエネルギーを吸収するか又はより大きい荷重に抵抗することが可能になる。
【0030】
ここで、
図5に示す例を参照すると、管状インサート140は、
図3及び4に関して上述した管状インサート140と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁142と、シルアウターに隣接して配置された車外壁144と、車内壁及び車外壁142、144の上端部間に延びる上壁146と、車内壁及び車外壁142、144の下端部間に延びる下壁148とを含む管状インサート140を含むが、これに限定されない。管状インサート140は、上壁及び下壁146、148間に配置され、車内壁及び車外壁142、144間に延びる中央壁150も含む。中央壁150は、上壁及び/又は下壁146、148の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図5に示される例では、車外壁142、144の第1及び第2の脚部156、162、158、164は、V字形チャネルがより深くなり、中央壁150がこれまで以上に短くなるように、
図3及び4に示されるものよりも小さい角度で内方に突出する。
【0031】
ここで、
図6に示す例を参照すると、管状インサート240は、
図3及び4に関して上述した管状インサート240と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁242と、シルアウターに隣接して配置された車外壁244と、車内壁及び車外壁242、244の上端部間に延びる上壁246と、車内壁及び車外壁242、244の下端部間に延びる下壁248とを含む管状インサート240を含むが、これに限定されない。管状インサート240は、上壁及び下壁246、248間に配置され、車内壁及び車外壁242、244間に延びる中央壁250も含む。中央壁250は、上壁及び/又は下壁246、248の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図6に示す例では、車内壁242及び車外壁244の第1の脚部256、262及び第2の脚部258、264のそれぞれは、上壁246及び下壁248から約45度の実質的に湾曲した角度で延び、中央壁250が車内壁242及び車外壁244の第1の脚部256、262及び第2の脚部258、264間の中央に配置されて、実質的に対称な管状構造を提供するように、同一又は類似の角度で互いに向かって突出する。
図6に示される例に同じく示されるように、車内壁242の第1及び第2の脚部256、262、258、264によって形成されるチャネルと、車外壁244の第1及び第2の脚部256、262、258、264によって形成されるチャネルとの両方がV字形チャネルを形成し得る。湾曲した角度は、鋭角であり得、且つ/又は20~120度を含むが、これに限定されない上壁246及び下壁248からの別の角度を有し得ることも考えられる。さらに、車内側又は車外側の一方の第1及び第2の脚部256、262、258、264は、管状インサート240が実質的に対称でないように、より長い長さを有し得ることも考えられる。車内壁242又は車外壁の一方は、形成される対応するチャネルが異なるサイズとなるように、他方と異なる角度で中央壁250に向かって延び得ることも考えられる。
【0032】
ここで、
図7に示す例を参照すると、管状インサート340は、
図3及び4に関して上述した管状インサート340と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁342と、シルアウターに隣接して配置された車外壁344と、車内壁及び車外壁342、344の上端部間に延びる上壁346と、車内壁及び車外壁342、344の下端部間に延びる下壁348とを含む管状インサート340を含むが、これに限定されない。管状インサート340は、上壁及び下壁346、348間に配置され、車内壁及び車外壁342、344間に延びる中央壁350も含む。中央壁350は、上壁及び/又は下壁346、348の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図7に示す例では、車内壁342及び車外壁344の第1の脚部356、362及び第2の脚部358、364のそれぞれは、上壁346及び下壁348から約60度の実質的に湾曲した角度で延び、次いでより垂直な角度で互いに向かって突出する。一方で、中央壁350は、車内壁342及び車外壁344の第1の脚部356、362及び第2の脚部358、364間の中央に配置され、実質的に対称な管状構造を提供する。
図7に示される例に同じく示されるように、車内壁342と車外壁344との両方の第1及び第2の脚部356、362、358、364のより垂直な性質は、概ねU字形のチャネルを形成する。湾曲角度は、鋭角であり得、且つ/又は20~120度を含むが、これに限定されない上壁346及び下壁348からの別の角度を有し得ることも考えられる。さらに、車内側又は車外側の一方の第1及び第2の脚部356、362、358、364は、管状インサート340が実質的に対称でないように、より長い長さを有し得ることも考えられる。車内壁342又は車外壁344の一方は、形成される対応するチャネルが異なるサイズとなるように、他方と異なる角度で中央壁350に向かって延び得ることも考えられる。
【0033】
ここで、
図8に示す例を参照すると、管状インサート440は、
図3及び4に関して上述した管状インサート440と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁442と、シルアウターに隣接して配置された車外壁444と、車内壁及び車外壁442、444の上端部間に延びる上壁446と、車内壁及び車外壁442、444の下端部間に延びる下壁448とを含む管状インサート440を含むが、これに限定されない。管状インサート440は、上壁及び下壁446、448間に配置され、車内壁及び車外壁442、444間に延びる中央壁450も含む。中央壁450は、上壁及び/又は下壁446、448の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図8に示す例では、上壁及び下壁446、448は、実質的に平行であるが、中央壁450は、上壁及び下壁446、448に対して角度を付けられる。
図8に示すように、車内壁及び車外壁442、444の第1及び第2の脚部456、462、458、464は、
図6の管状インサート440に関して記載したように、上壁及び下壁446、448から同様に延びるが、第1及び第2の脚部456、462、458、464の長さは、角度を付けられた中央壁450に対応するように調整される。中央壁450の角度は、
図8に示す例では、約445度である。しかし、10~120度の角度を含むが、これに限定されない様々な他の角度が考えられる。さらに、中央壁450は、上壁446により近い位置に配置された中央壁450の部分が、
図8に示されるように、車内側ではなく車外側にあるように、
図8に示されるのとは反対方向に角度を付けられ得る。
【0034】
ここで、
図9に示す例を参照すると、管状インサート540は、
図3及び4に関して上述した管状インサート540と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁542と、シルアウターに隣接して配置された車外壁544と、車内壁及び車外壁542、544の上端部間に延びる上壁546と、車内壁及び車外壁542、544の下端部間に延びる下壁548とを含む管状インサート540を含むが、これに限定されない。管状インサート540は、上壁及び下壁546、548間に配置され、車内壁及び車外壁542、544間に延びる中央壁550も含む。中央壁550は、上壁及び/又は下壁546、548の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図9に示す例では、車内壁及び車外壁542、544の両方の第1及び第2の脚部556、562、558、564は、それぞれ上壁及び下壁546、548から約90度の角度で実質的に垂直に延びる。車内壁及び車外壁542、544の両方の第1の脚部及び第2の脚部556、562、558、564は、その後、中央壁550に向かって約45度の角度で内方に突出する。車内壁及び車外壁542、544の第1及び第2の脚部556、564、558、564の垂直セクションは、
図9に示す管状インサート540の全高が、先に記載した例の管状インサートの高さよりも大きい可能性があるように、先に上述したよりも長い長さを有する。このより大きい高さは、管状部材が上述のように車内壁及び車外壁542、544でシル部材に結合される代わりに、上壁及び下壁546、548が第1及び第2のシル部材12、14の上壁及び下壁528、534、530、536に結合されることを可能にし得る。加えて、
図9に示された構成は、単一方向に3つの荷重支持壁を依然として可能にしながら、上述したよりもさらに短い長さの中央壁を可能にする。
【0035】
ここで、
図10に示す例を参照すると、管状インサート640は、
図9に関して上述した管状インサート640と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁642と、シルアウターに隣接して配置された車外壁644と、車内壁及び車外壁642、644の上端部間に延びる上壁646と、車内壁及び車外壁642、644の下端部間に延びる下壁648とを含む管状インサート640を含むが、これに限定されない。管状インサート640は、上壁及び下壁646、648間に配置され、車内壁及び車外壁642、644間に延びる中央壁650も含む。中央壁650は、上壁及び/又は下壁646、648の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図10に示す例では、車内壁642は、車内側にチャネルが形成されないように、上壁646と下壁648との間で実質的に垂直に延びる。
【0036】
インナー及びアウターシルパネル12、14及び管状インサート40は、およそ1,500MPaなど、1,000MPAを超える引張強度を有する高度高強度鋼からロール成形することができる。中央壁50をロール成形するために使用される金属板は、1.0mm~1.6mmなど、およそ1.2mmの厚さであり得る。また、車両構成要素の管状インサート40及びパネルに使用される鋼板は、腐食から保護する亜鉛コーティングを有するように亜鉛メッキされ得る。しかしながら、いくつかの例では、管状インサートの鋼板は、亜鉛メッキされていなくてもよく、他の例では、車両構成要素を形成する鋼板は、亜鉛メッキされていなくてもよい。さらなる例では、管状インサートを形成する金属板は、アルミニウム板である。インナーシルパネル12の長さは、アウターシルパネル14の長さと実質的に等しい。さらなる実装形態では、インナーシルパネル12の長さは、対応する構成要素の中空内部空間の長さより短くてもよく、例えば管状インサートの長さの40%~100%、30%~90%又は30%~60%であり得る。シルインナー12とシルアウター14とは、溶接により、留め具、接着剤又は他の結合方法を用いて結合することができる。管状インサート40とシルインナー12及びシルアウター14の一方との結合は、車両ロッカーアセンブリにさらなる強度を提供し得る。
【0037】
管状インサート40は、十分な剛性及び強度を提供する構造を有し得る。しかし、車両構成要素は、ロッカー構成要素の長手方向範囲に対して概ね直交に配置される1つ又は複数の隔壁部材を含み得ることが考えられる。例えば、ロッカーアセンブリ間のトレイに配置されたバッテリモジュールを保護するためなど、アウターロッカーパネルをさらに補剛することが望まれる場合、一連の隔壁部材は、管状インサートの外壁セクションとロッカー構成要素のアウターパネルとの間の中空内部に沿って間隔を空けて配置され得る。隔壁部材は、機械的留め具、溶接、接着剤又はそれらの任意の組み合わせでアウターパネル及び/又は管状インサートに接続され得る。さらに、インナー及びアウターシルパネルは、インナー及びアウターパネルの選択された位置に取り付けられ得る壁補剛材を含み得ることが考えられる。例えば、壁補剛材は、インナーパネル及びアウターパネルを形成する金属板の丸みを帯びた角に取り付けられ、それを補強し得る。他の例では、追加的又は代替的な取り付け位置が使用され得ることが考えられる。
【0038】
開示された車両ロッカーアセンブリの内部補強材は、自動車及び船舶、建物、貯蔵タンク、家具等のフレーム及び構造など、他のタイプの構造ビームに組み込まれ得ることも考えられる。車両用途に関して、本明細書に開示された車両構成要素は、異なる構造構成要素の様々な用途に組み込むことができる。車両構成要素は、特定の水平スパン又は軸方向荷重条件を支持するためなど、異なる荷重条件を支持し、それに耐えるように設計することができる。また、車両構成要素は、図示のロッカーアセンブリ、ピラー構造及び同様のもの向けなど、様々な衝撃力を受けるように設計され得る。車両構成要素の断面形状、材料種類の選択及び断面プロファイル内の材料厚さは、このような特定の用途及び車両構成要素の重量、ビームの耐荷重、力の偏向性能及び衝撃性能など、所望の荷重及び性能特性に合わせて構成することができる。
【0039】
本開示の目的のために、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、先の記載において要素の1つ又は複数が存在することを意味することが意図される。「備える」、「含む」及び「有する」という用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。さらに、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、言及された特徴を同じく組み込んだ追加の実装形態の存在を除外すると解釈されることを意図しないことを理解されたい。さらに、「第1」、「第2」等の用語は、本明細書で使用される際、順序、量及び重要度を表さず、別の要素からの要素を表すために使用される。
【0040】
本明細書に記載された数値、パーセンテージ、比率又は他の値は、その値及び本開示の実装形態に包含される、当業者によって理解されるであろう「約」又は「およそ」の記載された値である他の値も含むように意図される。したがって、記載された値は、所望の機能を実行するか又は所望の結果を達成するために、記載された値に少なくとも十分に近い値を包含するように十分に広く解釈されるべきである。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、記載された量の5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内及び0.01%未満以内にある量を指し得る。
【0041】
さらに、先の記載におけるあらゆる方向又は基準枠は、単に相対的な方向又は動きであることを理解されたい。例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」、「車内」、「車外」という用語及びそれらの派生語は、
図1に示される方向に関するものとする。しかしながら、反対に明示的に指定された場合を除き、様々な代替的な向きが提供され得ることが理解される。添付の図面に示され、本明細書に記載された特定の装置及びプロセスは、添付の特許請求の範囲で定義された発明的概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示された実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲に明示的に記載されない限り、限定的であるとみなされない。
【0042】
特許法の原則に従って解釈される添付の請求項の範囲によってのみ限定されることが意図される本発明の原理から逸脱することなく、具体的に記載された実施形態における変更形態及び修正形態が実施され得る。本開示は、説明に役立つ方法で記載されており、使用された用語は、限定ではなく、記載の言葉の性質内にあることが意図されることが理解されるであろう。本開示の多くの修正形態及び変形形態は、上記の教示に照らして可能であり、本開示は、具体的に記載された方法とは別の方法で実施され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月5日に提出された米国仮特許出願第63/276,282号に付与された米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張するものであり、この先行出願の開示は、本出願の一部とみなされ、参照により完全な形で本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、シルアセンブリに関し、より具体的には、車両ボディ構造のための車両ロッカーアセンブリのための管状インサートに関する。
【背景技術】
【0003】
車両フレーム及びボディ構造は、車両を支持するように設計され、また、且つ保険要件並びに他の規制要件及び法的要件に従って車両内への侵入距離を防止するように、特定レベルの衝撃力を受け、吸収するように設計されている。車両への側面衝撃は、一般的にサイドポール衝撃試験で試験され、この試験は、車両に大きな側面衝撃力を仕向ける。車両フレームは、主に、車両フレームの下部車外部分に沿って前輪と後輪との間を長手方向に走るロッカーセクションで、これらの側面衝撃を吸収する。電気自動車及びハイブリッド電気自動車において対向するロッカーセクション間の横方向車内エリアにバッテリトレイが組み込まれた状態では、側面衝撃力をバッテリトレイから車両フロアクロスメンバの方に仕向けることが望ましい。例えば、車両シルアセンブリ内に管状インサートを追加するなどして車両シルアセンブリの剛性を高めることが一般的に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2018/0370573号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、車両ロッカーアセンブリを提供する。車両ロッカーアセンブリの例は、シル壁部分、上壁部分、下壁部分、上部フランジ部分及び下部フランジ部分を備えるシルインナーを含み得る。車両ロッカーアセンブリは、シル壁部分、上壁部分、下壁部分、上部フランジ部分及び下部フランジ部分を備えるシルアウターも含み得る。いくつかの例では、シルインナーの上部フランジ部分は、シルアウターの上部フランジ部分と結合され、及びシルインナーの下部フランジ部分は、シルアウターの下部フランジ部分と結合されて、車両ロッカーアセンブリの細長い中空内部を取り囲む。車両ロッカーアセンブリは、細長い中空内部内に配置された管状インサートも含み得る。管状インサートは、シルインナーに隣接して配置された車内壁と、シルアウターに隣接して配置された車外壁と、車内壁及び車外壁の上端部間に延びる上壁と、車内壁及び車外壁の下端部間に延びる下壁と、上壁及び下壁間に配置された中央壁とを含み得る。中央壁は、上壁及び下壁よりも短い長さで車内壁と車外壁との間に延び得る。
【0006】
本開示の実装形態は、以下の任意選択的な特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの例では、車外壁は、管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む。いくつかの例では、チャネルは、V字形状を備える。
【0007】
さらに、いくつかの例では、車外壁は、中央壁と相互接続するためにシルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む。さらに、いくつかの例では、上壁及び下壁は、実質的に平行であり、中央壁は、上壁及び下壁に対して角度を付けられる。
【0008】
本開示の1つ又は複数の例の詳細は、添付の図面及び以下の記載に記載されている。他の態様、利点、目的及び特徴は、図面と併せて以下の明細書を検討すれば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】管状インサートを含む車両ロッカーアセンブリを示す車両の側面図である。
【
図2】管状インサート及び他の構造構成要素を含むロッカーアセンブリを示す車両の上側斜視図である。
【
図3】管状インサートを含む車両ロッカーアセンブリの一例の断面図である。
【
図4】
図3に示される管状インサートの例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
同様の参照数字は、図面全体を通して同様の部品を示す。
【0011】
ここで、図面及びそこに描かれた説明に役立つ実施形態を参照すると、
図1及び2に示されるものなど、ボディ構造又はフレーム101用などの車両100のための車両ロッカーアセンブリ10が提供される。車両フレーム102及び関連する構成要素は、異なる様式及び種類の車両用など、様々な設計及び構成を有し得る。例えば、
図1及び2に示されるように、車両フレーム102は、様々な他の車両フレーム構成要素の中でもとりわけ、ロッカーアセンブリ10、Bピラー、フロアクロスメンバ及びヒンジピラーを含み得る。また、
図1に示されるように、車両は、バッテリ重量を分散して車両の低重心を確立するために、一般にアクスル間及び車両の床付近に配置されるバッテリトレイ104に支持されるバッテリモジュールなど、バッテリを使用する推進システムによって部分的に作動され得る。したがって、車両ロッカーアセンブリ及び関連するインサートは、同じく又は代替的に、バッテリトレイフレーム構成要素として実装され得る。
【0012】
車両ロッカーアセンブリ10は、構造フレーム構成要素又はバッテリトレイ構成要素として使用することができ、そのいずれも様々な衝撃力を受けるように設計され、異なる荷重条件を支持し、それに耐えるように設計される。要求される衝撃及び荷重要件を満たすように車両を設計する一方、車両構成要素の内部の所望のセクションに管状補強インサートを設けることにより、車両構成要素の外形寸法を縮小し、関連する車両構成要素の全体重量を低減することができる。いくつかの例では、管状インサートは、車両ロッカーアセンブリ又はバッテリトレイの部分的なセクション又は全長にわたり得る。
図1に示されるロッカーアセンブリ10は、車両ロッカーアセンブリ10に取り付けられるバッテリトレイ104のアウターセクションと並んで配置される。
【0013】
車両ロッカーアセンブリ10は、内部エリア16の周りに一緒に取り付けられるシルインナーパネル12及びシルアウターパネル14など、1つ又は複数のシルパネルを含む。ここで、「インナー」及び「アウター」という用語は、
図1及び2において方向付けられるような、車両上の車内又は内方を向く方向及び車外又は外方を向く方向に言及する。
図3に示すように、車両ロッカーアセンブリ10の例は、多管状ロッカー構造を形成するために内部エリア16に配置された補強インサートを設けられる。
【0014】
本明細書で開示される補強又は管状インサートを有する車両ロッカーアセンブリ10を設計する場合、車両ロッカーアセンブリの外形寸法を縮小し、車両ロッカーアセンブリ10の全体重量を低減する一方、要求される衝撃及び荷重条件を満たすことができる。管状インサートは、車両ロッカーアセンブリの部分的なセクションにわたるか又はロッカーアセンブリの全長にわたり得、それによりロッカーアセンブリを越えて隣接する構成要素内に延び、隣接する構成要素も補強し得る。本明細書で開示される管状インサートは、車両構成要素全体を構成し得るか、又は車両構成要素の所望のセクションなどで車両構成要素の付加的な補強材若しくは部分に接合され得る。さらに、いくつかの例では、ロッカーアセンブリは、サブアセンブリ又は構造構成要素若しくはバッテリトレイ構成要素などの対応する車両構成要素の一部として具現化され得、そのようなものとして、様々な衝撃力を受け、異なる荷重条件を支持し、それに耐えるように設計され得る。
【0015】
さらに、本明細書で開示される管状インサートは、金属板をロール成形するなどして、板状材料の1つ又は複数の片で形成して、一般的なロッカーパネルと比較して比較的高い強度(せん断荷重及び軸方向荷重に対して)及び低い重量を有する構造を提供することができ、それにより、対応する車両構成要素のシルパネル(提供される場合)がより少ない材料を使用し、より小さいパッケージングスペースを占有し、外形設計でより大きい柔軟性を有することを可能にする。車両構成要素及び管状インサートの異なる例の断面形状は、車両構成要素の所望の用途向けの様々な形状及び厚さを含み得る。
【0016】
反対に指定されない限り、ロッカーアセンブリの追加の実装形態は、インナーパネルとして識別されるシルパネルがアウターパネルとして使用され、アウターパネルとして識別されるシルパネルがインナーパネルとして使用され得るなど、図示及び記載される例とは反対の向きを有し得ることが一般に理解される。インナーパネル及びアウターパネルの断面形状は、例えば、端部で外側に広がることによってなど、ロッカーに沿って変化し得る。
【0017】
ここで、
図3に示される車両ロッカーアセンブリ10を参照すると、第1のシルパネル12及び第2のシルパネル14は、シルパネル12、14間の中空内部空間16を取り囲むように一緒に取り付けられる。
図3に示される車両ロッカーアセンブリ10は、車両ロッカー構成要素として具現化される。したがって、第1のシルパネル12は、ロッカー構成要素のシルインナーパネルと呼ばれることがある。第1のシルパネル12は、インナーパネルのそれぞれの上縁及び下縁に沿って延びる上部フランジ18及び下部フランジ20を有する。第1のシルパネル12は、上部及び下部フランジ18、20から車内方向に突出して、外向きの凹状構造を形成する。ロッカー構成要素のシルアウターパネルと呼ばれることもある第2のシルパネル14は、同様に上部フランジ22及び下部フランジ24と呼ばれることもあるフランジ22、24を有するC字形断面を有する。インナー及びアウターシルパネル12、14の上部フランジ18、22及び下部フランジ20、24は、その凹状構造を互いに対向させた状態で溶接などを介して互いに取り付けられる。
図3に示されるシルパネル12、14のそれぞれの上部及び下部フランジ18、20、22、24は、ロッカー構成要素の縁部に沿って連続的に長手方向に延びる。しかし、フレームの取り付けを容易にするか又は重量を軽減するために、選択されたエリアにおいてフランジが切り取られ得ることが考えられる。
【0018】
図3にさらに示すように、インナー及びアウターシルパネル12、14は、シルパネル12、14間に中空内部空間16を画定するように一緒に接合される。上部及び下部フランジ18、20、22、24は、実質的に平面であり、構成要素の長さに沿って概ね連続的に接触して嵌合するように概ね垂直な構成で配向される。上部及び下部フランジ18、20、22、24は、溶接、好ましくはスポット溶接を介して一緒に接合され得る。しかし、接着剤又は留め具等など、代替の溶接方法又は接合手段が、ロッカー構成要素の異なる実装形態において、スポット溶接に加えて又はスポット溶接に代えて使用され得ることが考えられる。
【0019】
車両ロッカーアセンブリ10の第1のシルパネル12、すなわちインナーパネルは、実質的に平面である内壁26を有する。内壁26は、それぞれの上端部及び下端部で上壁28及び下壁30へのコーナー移行部と一体的に相互接続される。コーナー移行部は、内壁26と上壁及び下壁28、30との間でほぼ90度である。また、コーナー移行部は、金属板(例えば、高度高強度鋼板又はアルミニウム板)など、第1のシルパネル12を形成する板状材料に対する長手方向の屈曲によって画定される。同様に、上壁及び下壁28、30は、それぞれ上部フランジ18及び下部フランジ20に対してほぼ90度のコーナー移行部をそれぞれ有する。このコーナー移行部も、ロール成形プロセスによって形成されるなど、第1のシルパネル12の板状材料の長手方向の屈曲によって画定される。
図3に同じく示されるように、上部及び下部フランジ18、20は、実質的に平面であり、内壁26の平面範囲と平行に整列して配向される。第1のシルパネル12の上壁及び下壁28、30も実質的に平面であり、
図3に示すように、わずかに互いに角度をなす。しかし、追加的な例では、それらは、互いに実質的に平行であり得る。コーナー移行部は、およそ40度~120度、70度~100度、80度~95度又は82度~92度など、
図3に示されるよりも大きい又は小さい角度移行部も有し得る。
【0020】
図3に同じく示すように、車両ロッカーアセンブリ10の第2のシルパネル14、すなわちアウターパネルは、実質的に平面であり、それぞれの上端部及び下端部で上壁34及び下壁36と一体的に相互接続する外壁32を有する。外壁32と上壁及び下壁34、36との間のおよそ80度のコーナー移行部は、第2のシルパネル14を形成する板状材料に対する長手方向の屈曲によって画定される。板状材料は、第1のシルパネル12と同じであるか又は異なり得、高度高強度鋼板又はアルミニウム板などの金属板を含み得る。同様に、上壁34も上部フランジ22へのコーナー移行部を有し、下壁36も下部フランジ24へのコーナー移行部を有し、これらもそれぞれ第2のシルパネル14の板状材料における長手方向の屈曲によって画定される。ここでも、上部及び下壁34、36と上部及び下部フランジ22、24との間及び外壁32との間のコーナー移行部は、およそ40~120度、70~100度、80~95度又は82~92度など、
図4に示されるよりも大きい又は小さい角度移行部を有し得る。
【0021】
図3に示すように、上部及び下部フランジ22、24は、実質的に平面であり、外壁32の平面範囲と平行に整列して配向される。第2のシルパネル14の上壁及び下壁34、36も実質的に平面であるが、外壁32及びフランジ22、24に対する直交からわずかに角度を付けられる。パネル12、14のフランジ18、20、22、24が一緒に取り付けられた状態で、それらの壁は、実質的に六角形の断面形状を画定する。しかし、管状インサートの追加的な例は、対応する車両設計のための様々な代替断面形状(例えば、実質的に長方形の形状)及び異なる壁構成(例えば、垂直方向に向けられていない内壁又は外壁の部分)を有し得ることが理解される。他の例では、アウターシル及びインナーシルは、アウターシルが、追加の剛性及び側面衝撃支持を提供するように構成された内方又は外方に突出する補剛リブ部分を有することを含むが、これに限定されない異なる構成をそれぞれ含み得ることも考えられる。
【0022】
図3及び4にさらに示すように、車両ロッカーアセンブリ10は、細長い中空内部16内に配置された管状インサート40を含む。管状インサート40は、シルインナー12に隣接して配置された車内壁42と、シルアウター14に隣接して配置された車外壁44と、車内壁及び車外壁42、44の上端部間に延びる上壁46と、車内壁及び車外壁42、44の下端部間に延びる下壁48とを含む。管状インサート40は、上壁及び下壁46、48間に配置され、車内壁及び車外壁42、44間に延びる中央壁50も含む。いくつかの例では、中央壁50は、上壁46及び下壁48の一方又は両方の長さよりも短い長さを有する。上壁46、車内壁42、車外壁44及び中央壁50は、上部中空内部52を画定し、下壁48、車内壁42、車外壁44及び中央壁50は、下部中空内部54を画定し、多中空管状構造を形成する。
【0023】
さらに、
図3及び4に示す例では、上壁及び下壁46、48は、概ね水平に、実質的に互いに平行に延びる。しかしながら、上壁及び下壁46、48は、0~30度又は0~15度の角度など、異なる角度で延び得ることも考えられる。さらに、いくつかの例では、上壁及び下壁46、48は、上壁及び下壁46、48が互いに平行に延びないように互いに異なる角度で延び得る。さらに、いくつかの例では、上壁又は下壁46、48の1つ又は複数は、凹部若しくはチャネル又は他の構造的特徴を含み得る。
【0024】
図3及び4に示す例をさらに参照すると、上壁及び下壁46、48は、車内壁及び車外壁42、44間に延びる。一例では、車外壁44は、第2のシル部材14の外壁32に結合される。示される例では、車外壁44は、上壁46から延びる第1の脚部56と、下壁48から延びる第2の脚部58とを含む。第1の脚部56及び第2の脚部58は、中央壁50と相互接続するように内方に突出する。第1の脚部56と第2の脚部58及び/若しくは中央壁50との結合は、溶接結合であり得るか、又は第1の脚部56、第2の脚部58及び/若しくは中央壁50は、必要に応じて他の方法で結合され得る。示される例では、第1の脚部56は、第2の脚部58と中央壁との間の別個の結合が不要であるように、第2の脚部58から延びる中央壁50に結合される。しかしながら、第1の脚部56、第2の脚部58及び/又は中央壁50は、管状インサートがアルミニウム押出材である例においてなど、追加の結合技術が使用されないように一体的に形成され得ることも考えられる。
【0025】
さらに、
図3及び4に示すように、内方に突出する第1及び第2の脚部56、58は、管状インサート40に向かって車内方向に突出するチャネル60を画定し得る。チャネル60は、V字形状を備える。チャネル60は、第1及び第2の脚部56、58の長さと同じ長さを有し得るか、又は第1及び/若しくは第2の脚部56、58の長さの一部のみに延び得る。さらに、チャネルは、U字形状又はその変形形態などの別の形状であり得る。さらに、示される例では、車外壁44の第1の脚部56は、内方に突出する前に上壁46から実質的に垂直に延びる。内方に突出する角度は、
図3及び4に示すように鋭利な約45度であり得るか、又は25~90度などの別の角度であり得る。必要に応じて、突出角度は、鋭角よりも曲線的であり得ることも考えられる。さらに、上壁46と車外壁44の第1の脚部56との間の角度は、25~120度など、実質的に垂直な角度とは別の角度であり得るか、又は必要に応じて曲線若しくは他の形状を形成し得る。
図3及び4に示す例をさらに参照すると、第2の脚部58は、下壁48から約45度の湾曲角度で延び得る。しかしながら、上述した第1の脚部56と同様に、第2の脚部58は、実質的に垂直に、及び/又は20~120度の鋭角の湾曲角度を含むが、これに限定されない様々な方法で下壁48から延び得る。
【0026】
図3及び4に示される例に示されるように、車内壁42は、上壁及び下壁46、48間に延びる。一例では、車内壁42は、第1のシル部材12の外壁26に結合される。結合は、溶接又は他の公知の結合技術によるものであり得る。車内壁42は、上壁46から延びる第1の脚部62と、下壁48から延びる第2の脚部64とを含む。第1の脚部62と第2の脚部64とは、中央壁50と相互接続するように内方に突出する。第1の脚部62と第2の脚部64及び/若しくは中央壁50との結合は、溶接結合であり得るか、又は第1の脚部62、第2の脚部64及び/若しくは中央壁50は、必要に応じて他の方法で結合され得る。示される例では、第1及び第2の脚部62、64が互いに結合され、中央壁50がそこから延びるため、中央壁50への別個の結合が必要ない。しかしながら、第1の脚部62、第2の脚部64及び/又は中央壁50は、追加の結合技術が使用されないように一体的に形成されることも考えられる。
【0027】
さらに、
図3及び4に示すように、内方に突出する第1及び第2の脚部62、64は、管状インサート40内へと車外方向に突出するチャネル66を画定し得る。示される例では、チャネル66は、U字形状を備える。チャネル66は、第1及び第2の脚部56、62、58、64の長さと同じ長さを有し得るか、又は第1及び/若しくは第2の脚部58、64の長さの一部のみに延び得る。さらに、チャネル66は、V字形状などの別の形状であり得る。
図3及び4に示す例をさらに参照すると、第1の脚部62は、上壁46から約45度の湾曲角度で延び得る。しかしながら、第2の脚部64は、実質的に垂直に、及び/又は20~120度の鋭角の湾曲角度を含むが、これに限定されない様々な方法で下壁48から延び得る。さらに、示される例では、車内壁42の第2の脚部64は、内方に突出する前に上壁46から実質的に垂直に延びる。内方に突出する角度は、
図3及び4に示すように約45度であり得るか、又は25~90度などの別の角度であり得る。さらに、上壁46と車内壁42の第1の脚部62との間の角度は、25~120度など、実質的に垂直な角度とは別の角度であり得るか、又は必要に応じて曲線若しくは他の形状を形成し得る。いくつかの例では、第1の脚部62と第2の脚部64とは、互いに同様の形状及び長さであるが、他の様々な形状が考えられ、いくつかを以下に他の様々な例に関して記載する。
【0028】
図3及び4に示す例をさらに参照すると、中央壁50は、車内壁42と車外壁44との間に延びる。中央壁50は、上壁46及び/又は下壁48の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。
図3及び4に示す例では、中央壁50の長さは、車内壁及び車外壁42、44における脚部との接続部間に画定され、上壁46及び下壁48の両方の長さよりも短い。中央壁50の長さが上壁46及び/又は下壁48の1つ又は複数の長さよりも短いことにより、中央壁50により安定性が与えられ、中央壁50が破損又は座屈する前により大きいエネルギーを吸収するか又はより大きい荷重に抵抗することも可能になる。
【0029】
図3及び4に追加的に示すように、中央壁50は、上壁46及び下壁48の両方と実質的に平行である。しかしながら、中央壁50が上壁46若しくは下壁48の一方のみと平行に延びること、又は中央壁50が上壁46若しくは下壁48のいずれとも平行でないように、中央壁50が上壁46及び下壁48の両方から異なる延在角度を有することを含むが、これらに限定されない他の変形形態が考えられる。中央壁50が上壁46と下壁48との間に配置されることで、一方向に3つの荷重支持壁が形成され、管状インサート40が破損又は座屈する前により大きいエネルギーを吸収するか又はより大きい荷重に抵抗することが可能になる。
【0030】
ここで、
図5に示す例を参照すると、管状インサート140は、
図3及び4に関して上述した管状インサート140と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁142と、シルアウターに隣接して配置された車外壁144と、車内壁及び車外壁142、144の上端部間に延びる上壁146と、車内壁及び車外壁142、144の下端部間に延びる下壁148とを含む管状インサート140を含むが、これに限定されない。管状インサート140は、上壁及び下壁146、148間に配置され、車内壁及び車外壁142、144間に延びる中央壁150も含む。中央壁150は、上壁及び/又は下壁146、148の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図5に示される例では、車外壁142、144の第1及び第2の脚部156、162、158、164は、V字形チャネルがより深くなり、中央壁150がこれまで以上に短くなるように、
図3及び4に示されるものよりも小さい角度で内方に突出する。
【0031】
ここで、
図6に示す例を参照すると、管状インサート240は、
図3及び4に関して上述した管状インサート240と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁242と、シルアウターに隣接して配置された車外壁244と、車内壁及び車外壁242、244の上端部間に延びる上壁246と、車内壁及び車外壁242、244の下端部間に延びる下壁248とを含む管状インサート240を含むが、これに限定されない。管状インサート240は、上壁及び下壁246、248間に配置され、車内壁及び車外壁242、244間に延びる中央壁250も含む。中央壁250は、上壁及び/又は下壁246、248の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図6に示す例では、車内壁242及び車外壁244の第1の脚部256、262及び第2の脚部258、264のそれぞれは、上壁246及び下壁248から約45度の実質的に湾曲した角度で延び、中央壁250が車内壁242及び車外壁244の第1の脚部256、262及び第2の脚部258、264間の中央に配置されて、実質的に対称な管状構造を提供するように、同一又は類似の角度で互いに向かって突出する。
図6に示される例に同じく示されるように、車内壁242の第1及び第2の脚部256、262、258、264によって形成されるチャネルと、車外壁244の第1及び第2の脚部256、262、258、264によって形成されるチャネルとの両方がV字形チャネルを形成し得る。湾曲した角度は、鋭角であり得、且つ/又は20~120度を含むが、これに限定されない上壁246及び下壁248からの別の角度を有し得ることも考えられる。さらに、車内側又は車外側の一方の第1及び第2の脚部256、262、258、264は、管状インサート240が実質的に対称でないように、より長い長さを有し得ることも考えられる。車内壁242又は車外壁の一方は、形成される対応するチャネルが異なるサイズとなるように、他方と異なる角度で中央壁250に向かって延び得ることも考えられる。
【0032】
ここで、
図7に示す例を参照すると、管状インサート340は、
図3及び4に関して上述した管状インサート340と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁342と、シルアウターに隣接して配置された車外壁344と、車内壁及び車外壁342、344の上端部間に延びる上壁346と、車内壁及び車外壁342、344の下端部間に延びる下壁348とを含む管状インサート340を含むが、これに限定されない。管状インサート340は、上壁及び下壁346、348間に配置され、車内壁及び車外壁342、344間に延びる中央壁350も含む。中央壁350は、上壁及び/又は下壁346、348の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図7に示す例では、車内壁342及び車外壁344の第1の脚部356、362及び第2の脚部358、364のそれぞれは、上壁346及び下壁348から約60度の実質的に湾曲した角度で延び、次いでより垂直な角度で互いに向かって突出する。一方で、中央壁350は、車内壁342及び車外壁344の第1の脚部356、362及び第2の脚部358、364間の中央に配置され、実質的に対称な管状構造を提供する。
図7に示される例に同じく示されるように、車内壁342と車外壁344との両方の第1及び第2の脚部356、362、358、364のより垂直な性質は、概ねU字形のチャネルを形成する。湾曲角度は、鋭角であり得、且つ/又は20~120度を含むが、これに限定されない上壁346及び下壁348からの別の角度を有し得ることも考えられる。さらに、車内側又は車外側の一方の第1及び第2の脚部356、362、358、364は、管状インサート340が実質的に対称でないように、より長い長さを有し得ることも考えられる。車内壁342又は車外壁344の一方は、形成される対応するチャネルが異なるサイズとなるように、他方と異なる角度で中央壁350に向かって延び得ることも考えられる。
【0033】
ここで、
図8に示す例を参照すると、管状インサート440は、
図3及び4に関して上述した管状インサート440と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁442と、シルアウターに隣接して配置された車外壁444と、車内壁及び車外壁442、444の上端部間に延びる上壁446と、車内壁及び車外壁442、444の下端部間に延びる下壁448とを含む管状インサート440を含むが、これに限定されない。管状インサート440は、上壁及び下壁446、448間に配置され、車内壁及び車外壁442、444間に延びる中央壁450も含む。中央壁450は、上壁及び/又は下壁446、448の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図8に示す例では、上壁及び下壁446、448は、実質的に平行であるが、中央壁450は、上壁及び下壁446、448に対して角度を付けられる。
図8に示すように、車内壁及び車外壁442、444の第1及び第2の脚部456、462、458、464は、
図6の管状インサート440に関して記載したように、上壁及び下壁446、448から同様に延びるが、第1及び第2の脚部456、462、458、464の長さは、角度を付けられた中央壁450に対応するように調整される。中央壁450の角度は、
図8に示す例では、約445度である。しかし、10~120度の角度を含むが、これに限定されない様々な他の角度が考えられる。さらに、中央壁450は、上壁446により近い位置に配置された中央壁450の部分が、
図8に示されるように、車内側ではなく車外側にあるように、
図8に示されるのとは反対方向に角度を付けられ得る。
【0034】
ここで、
図9に示す例を参照すると、管状インサート540は、
図3及び4に関して上述した管状インサート540と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁542と、シルアウターに隣接して配置された車外壁544と、車内壁及び車外壁542、544の上端部間に延びる上壁546と、車内壁及び車外壁542、544の下端部間に延びる下壁548とを含む管状インサート540を含むが、これに限定されない。管状インサート540は、上壁及び下壁546、548間に配置され、車内壁及び車外壁542、544間に延びる中央壁550も含む。中央壁550は、上壁及び/又は下壁546、548の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図9に示す例では、車内壁及び車外壁542、544の両方の第1及び第2の脚部556、562、558、564は、それぞれ上壁及び下壁546、548から約90度の角度で実質的に垂直に延びる。車内壁及び車外壁542、544の両方の第1の脚部及び第2の脚部556、562、558、564は、その後、中央壁550に向かって約45度の角度で内方に突出する。車内壁及び車外壁542、544の第1及び第2の脚部556、564、558、564の垂直セクションは、
図9に示す管状インサート540の全高が、先に記載した例の管状インサートの高さよりも大きい可能性があるように、先に上述したよりも長い長さを有する。このより大きい高さは、管状部材が上述のように車内壁及び車外壁542、544でシル部材に結合される代わりに、上壁及び下壁546、548が第1及び第2のシル部材12、14の上壁及び下壁528、534、530、536に結合されることを可能にし得る。加えて、
図9に示された構成は、単一方向に3つの荷重支持壁を依然として可能にしながら、上述したよりもさらに短い長さの中央壁を可能にする。
【0035】
ここで、
図10に示す例を参照すると、管状インサート640は、
図9に関して上述した管状インサート640と同様であり、シルインナーに隣接して配置された車内壁642と、シルアウターに隣接して配置された車外壁644と、車内壁及び車外壁642、644の上端部間に延びる上壁646と、車内壁及び車外壁642、644の下端部間に延びる下壁648とを含む管状インサート640を含むが、これに限定されない。管状インサート640は、上壁及び下壁646、648間に配置され、車内壁及び車外壁642、644間に延びる中央壁650も含む。中央壁650は、上壁及び/又は下壁646、648の1つ又は複数の長さよりも短い長さを有する。しかしながら、
図10に示す例では、車内壁642は、車内側にチャネルが形成されないように、上壁646と下壁648との間で実質的に垂直に延びる。
【0036】
インナー及びアウターシルパネル12、14及び管状インサート40は、およそ1,500MPaなど、1,000MPAを超える引張強度を有する高度高強度鋼からロール成形することができる。中央壁50をロール成形するために使用される金属板は、1.0mm~1.6mmなど、およそ1.2mmの厚さであり得る。また、車両構成要素の管状インサート40及びパネルに使用される鋼板は、腐食から保護する亜鉛コーティングを有するように亜鉛メッキされ得る。しかしながら、いくつかの例では、管状インサートの鋼板は、亜鉛メッキされていなくてもよく、他の例では、車両構成要素を形成する鋼板は、亜鉛メッキされていなくてもよい。さらなる例では、管状インサートを形成する金属板は、アルミニウム板である。インナーシルパネル12の長さは、アウターシルパネル14の長さと実質的に等しい。さらなる実装形態では、インナーシルパネル12の長さは、対応する構成要素の中空内部空間の長さより短くてもよく、例えば管状インサートの長さの40%~100%、30%~90%又は30%~60%であり得る。シルインナー12とシルアウター14とは、溶接により、留め具、接着剤又は他の結合方法を用いて結合することができる。管状インサート40とシルインナー12及びシルアウター14の一方との結合は、車両ロッカーアセンブリにさらなる強度を提供し得る。
【0037】
管状インサート40は、十分な剛性及び強度を提供する構造を有し得る。しかし、車両構成要素は、ロッカー構成要素の長手方向範囲に対して概ね直交に配置される1つ又は複数の隔壁部材を含み得ることが考えられる。例えば、ロッカーアセンブリ間のトレイに配置されたバッテリモジュールを保護するためなど、アウターロッカーパネルをさらに補剛することが望まれる場合、一連の隔壁部材は、管状インサートの外壁セクションとロッカー構成要素のアウターパネルとの間の中空内部に沿って間隔を空けて配置され得る。隔壁部材は、機械的留め具、溶接、接着剤又はそれらの任意の組み合わせでアウターパネル及び/又は管状インサートに接続され得る。さらに、インナー及びアウターシルパネルは、インナー及びアウターパネルの選択された位置に取り付けられ得る壁補剛材を含み得ることが考えられる。例えば、壁補剛材は、インナーパネル及びアウターパネルを形成する金属板の丸みを帯びた角に取り付けられ、それを補強し得る。他の例では、追加的又は代替的な取り付け位置が使用され得ることが考えられる。
【0038】
開示された車両ロッカーアセンブリの内部補強材は、自動車及び船舶、建物、貯蔵タンク、家具等のフレーム及び構造など、他のタイプの構造ビームに組み込まれ得ることも考えられる。車両用途に関して、本明細書に開示された車両構成要素は、異なる構造構成要素の様々な用途に組み込むことができる。車両構成要素は、特定の水平スパン又は軸方向荷重条件を支持するためなど、異なる荷重条件を支持し、それに耐えるように設計することができる。また、車両構成要素は、図示のロッカーアセンブリ、ピラー構造及び同様のもの向けなど、様々な衝撃力を受けるように設計され得る。車両構成要素の断面形状、材料種類の選択及び断面プロファイル内の材料厚さは、このような特定の用途及び車両構成要素の重量、ビームの耐荷重、力の偏向性能及び衝撃性能など、所望の荷重及び性能特性に合わせて構成することができる。
【0039】
本開示の目的のために、冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、先の記載において要素の1つ又は複数が存在することを意味することが意図される。「備える」、「含む」及び「有する」という用語は、包括的であることを意図し、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。さらに、本開示の「一実施形態」又は「実施形態」への言及は、言及された特徴を同じく組み込んだ追加の実装形態の存在を除外すると解釈されることを意図しないことを理解されたい。さらに、「第1」、「第2」等の用語は、本明細書で使用される際、順序、量及び重要度を表さず、別の要素からの要素を表すために使用される。
【0040】
本明細書に記載された数値、パーセンテージ、比率又は他の値は、その値及び本開示の実装形態に包含される、当業者によって理解されるであろう「約」又は「およそ」の記載された値である他の値も含むように意図される。したがって、記載された値は、所望の機能を実行するか又は所望の結果を達成するために、記載された値に少なくとも十分に近い値を包含するように十分に広く解釈されるべきである。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」という用語は、記載された量の5%未満以内、1%未満以内、0.1%未満以内及び0.01%未満以内にある量を指し得る。
【0041】
さらに、先の記載におけるあらゆる方向又は基準枠は、単に相対的な方向又は動きであることを理解されたい。例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「後」、「前」、「垂直」、「水平」、「車内」、「車外」という用語及びそれらの派生語は、
図1に示される方向に関するものとする。しかしながら、反対に明示的に指定された場合を除き、様々な代替的な向きが提供され得ることが理解される。添付の図面に示され、本明細書に記載された特定の装置及びプロセスは、添付の特許請求の範囲で定義された発明的概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示された実施形態に関する特定の寸法及び他の物理的特性は、特許請求の範囲に明示的に記載されない限り、限定的であるとみなされない。
【0042】
特許法の原則に従って解釈される添付の請求項の範囲によってのみ限定されることが意図される本発明の原理から逸脱することなく、具体的に記載された実施形態における変更形態及び修正形態が実施され得る。本開示は、説明に役立つ方法で記載されており、使用された用語は、限定ではなく、記載の言葉の性質内にあることが意図されることが理解されるであろう。本開示の多くの修正形態及び変形形態は、上記の教示に照らして可能であり、本開示は、具体的に記載された方法とは別の方法で実施され得る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ロッカーアセンブリであって、
シルインナーと、
シルアウターであって、前記シルインナーと前記シルアウターとの間に細長い中空内部を画定するように前記シルインナーと結合されたシルアウターと、
前記細長い中空内部内に配置された管状インサートであって、
前記シルインナーに隣接して配置された車内壁、
前記シルアウターに隣接して配置された車外壁、
前記車内壁及び車外壁の上端間に延びる上壁、
前記車内壁及び車外壁の下端間に延びる下壁、及び
前記上壁と前記下壁との間に配置され、且つ前記上壁及び下壁よりも短い長さで前記車内壁と前記車外壁との間に延びる中央壁
を備える管状インサートと
を備える車両ロッカーアセンブリ。
【請求項2】
前記車外壁が、前記管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む、請求項1に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項3】
前記チャネルがV字形状を備える、請求項2に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項4】
前記車外壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項5】
前記上壁及び下壁が実質的に平行であり、前記中央壁が前記上壁及び下壁に対して角度を付けられる、請求項1~
3のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項6】
前記車内壁が、前記管状インサート内へと車外方向に突出するチャネルを含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項7】
前記チャネルがU字形状を備える、請求項6に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項8】
前記車内壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルインナーから車外方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の車両ロッカーアセンブリ。
【請求項9】
上部フランジ及び下部フランジを含むシルインナーと、上部フランジ及び下部フランジを含むシルアウターとを有する車両ロッカーアセンブリのための管状インサートであって、
前記シルインナーに隣接して配置された車内壁と、
前記シルアウターに隣接して配置された車外壁と、
前記車内壁及び車外壁の上端間に延びる上壁と、
前記車内壁及び車外壁の下端間に延びる下壁と、
前記上壁と前記下壁との間に配置され、且つ前記上壁及び下壁よりも短い長さで前記車内壁と前記車外壁との間に延びる中央壁と
を備える管状インサート。
【請求項10】
前記車外壁が、前記管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む、請求項9に記載の管状インサート。
【請求項11】
前記チャネルがV字形状を備える、請求項10に記載の管状インサート。
【請求項12】
前記車外壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項13】
前記上壁及び下壁が実質的に平行であり、前記中央壁が前記上壁及び下壁に対して角度を付けられる、請求項9~
11のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項14】
前記車内壁が、前記管状インサート内へと車外方向に突出するチャネルを含む、請求項9~
11のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項15】
前記チャネルがU字形状を備える、請求項14に記載の管状インサート。
【請求項16】
前記車内壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルインナーから車外方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項9~
11のいずれか一項に記載の管状インサート。
【請求項17】
車両ロッカーアセンブリのための管状インサートであって、
シルインナーに隣接して配置された車内壁と、
シルアウターに隣接して配置された車外壁と、
前記車内壁及び車外壁の上端間に延びる上壁と、
前記車内壁及び車外壁の下端間に延びる下壁と、
前記上壁と前記下壁との間に配置され、且つ前記上壁及び下壁よりも短い長さで前記車内壁と前記車外壁との間に延びる中央壁と
を備える管状インサート。
【請求項18】
前記車外壁が、前記管状インサート内へと車内方向に突出するチャネルを含む、請求項17に記載の管状インサート。
【請求項19】
前記車外壁が、前記中央壁と相互接続するために前記シルアウターから車内方向に突出する第1の脚部及び第2の脚部を含む、請求項17又は18に記載の管状インサート。
【請求項20】
前記上壁及び下壁が実質的に平行であり、前記中央壁が前記上壁及び下壁に対して角度を付けられる、請求項17~
18のいずれか一項に記載の管状インサート。
間に延び得る。
【国際調査報告】