(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】要素を取り扱うための装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65G 7/12 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65G7/12 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526731
(86)(22)【出願日】2022-11-02
(85)【翻訳文提出日】2024-06-26
(86)【国際出願番号】 ES2022070706
(87)【国際公開番号】W WO2023079203
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520047624
【氏名又は名称】オープン マインド ベンチャーズ エス.エル.ユー.
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】カルレラ ビベス, ジュゼップ マリア
(72)【発明者】
【氏名】バルセルス ビベス, ベルナト
(72)【発明者】
【氏名】ギメラ ペドロラ, アントニ
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス セラ, サンティアゴ
(72)【発明者】
【氏名】バルセルス メルカデ, アントニ
(57)【要約】
要素を取り扱うための装置が、ストップ(6)を備えたシャンク(4)と、シャンク(4)に関して長手方向に移動可能かつ回転可能である、一端にフラップ(7)を包含するロッド(5)とを、ストップ(6)とフラップ(7)の間に要素(1)を把持するためのクランプを画成するように包含する。
方法は、表面(3)上に少なくとも1つのスリット(2)によって分離されている要素(1)を設置することと、フラップ(7)を備えたシャンク(5)の先端をスリット(2)の内側に挿入することと、ストップ(6)を要素(1)の上側部分と接触させて配置することと、シャンク(5)を回転し、要素(1)を、その上側部分上でストップ(6)によって、その下側部分上でフラップ(7)によって保持することと、要素(1)を分離することを包含する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要素を取り扱うための装置であって、この要素(1)は少なくとも1つのスリットまたはギャップ(2)によって分離され、
前記装置は、
- ストップ(6)を備えたシャンク(4)と、
- 前記シャンク(4)に関して長手方向に移動可能かつ回転可能である、一端にフラップ(7)を包含するロッド(5)と、
を備え、
前記ストップ(6)と前記フラップ(7)の間に要素(1)を保持するためのクランプが、画成される、
要素を取り扱うための装置。
【請求項2】
前記シャンク(4)は、中空であり、前記ロッド(5)を少なくとも部分的に収容する、請求項1に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項3】
前記ストップ(6)は、前記シャンク(4)の長手方向軸に関して実質的に垂直である、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項4】
前記フラップ(7)は、前記ロッド(5)の長手方向軸に関して実質的に垂直である、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項5】
前記要素(1)の追加の保持圧力を生じさせるための駆動手段とリンクされた調整手段(8)をさらに包含する、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項6】
前記調整手段(8)は、あらかじめ張力をかけたばねまたはスピンドルである、請求項5に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項7】
前記調整手段(8)は、滑らかな表面、またはロック・ジッパーおよび解放システムである、請求項5に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項8】
前記シャンク(4)に関して前記ロッド(5)を移動させるための駆動および固定手段を包含する、先行する請求項のいずれか一項に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項9】
前記駆動手段は、前記シャンク(4)の長円形スリットを前記ロッド(5)のピンとともに包含する、請求項8に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項10】
前記駆動手段は、前記シャンク(4)のスリットとベアリングとしてのボールを包含する、請求項8に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項11】
要素を取り扱うための方法であって、
- 表面(3)上に少なくとも1つのスリットまたはギャップ(2)によって分離された要素(1)を設置するステップと、
- フラップ(7)を備えたロッド(5)の一端を前記スリットまたはギャップ(2)の内側に挿入するステップと、
- ストップ(6)を前記要素(1)の上側部分と接触して設置するステップと、
- 前記フラップ(7)が前記要素(1)の下側部分の下方となるように前記ロッドを回転し、前記要素(1)をその上側部分に前記ストップ(6)によって、かつその下側部分に前記フラップ(7)によって保持するステップと、
- 前記ストップ(6)および前記フラップ(7)によって保持された前記要素(1)を前記表面(3)から分離するステップと、
を包含する、要素を取り扱うための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに隣接して配置されている要素を取り扱うための装置および方法に関連する。詳細に述べれば、本装置は、特に、布地、紙またはボール紙のシート、または薄い可撓性または硬質の金属シート等のシート要素の積重体(stack)であって、たとえばモジュラ・ブラシ表面等の可撓性の表面上に他の積重体と隣接して載置されている積重体を、シート材料の積重体を崩したり、隣接している積重体に影響を及ぼすことなく把持し、吊り下げ、移動するために設計される。
【背景技術】
【0002】
たとえば布地の積重体などのシート要素の積重体を処理するための準備や、印刷箔または金属箔の積重体をスタンピングするための準備には、その積重体からいくらかのシートを取り除くこと、または隣接している積重体からのそれらを分離することが必要となることがある。
【0003】
隣接しているシート材料の積重体を取り扱うための装置はいくつか知られている。いくつかの積重体が互いに隣接し、裁断スリットによって分離されるだけであるとき、その積重体を把持し、続いて持ち上げて吊り下げるために、把持された積重体に隣接する他の積重体に影響を及ぼすことなく、裁断スリットを通じてその積重体の底部にアクセスすることは非常に困難である。
【0004】
既存のクランプでは、この非常に小さい裁断スリットを通じたアクセスは可能でなく、したがって積重体の底部には、隣接する積重体がないエリアにおいてアクセスできるにすぎず、そのことは取り扱いにおける自由度、したがってより効率的な取り扱いの可能性を制限する。
【0005】
自由な側縁を通じてだけシートの積重体を操作するように設計された周知の装置は存在するが、そのことは上記の問題を解決するものではない。
【0006】
したがって、大きな積重体の長手方向の裁断後に生じる裁断スリット等の狭い空間を通じてもその種の積重体の取り扱いを可能にする、隣接する要素のための取り扱い装置の必要が依然として存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の対象は、隣接する要素、たとえばシート要素の積重体、箱等または同種のものを取り扱うための装置からなり、そしてそれは、それらの要素、シート要素の積重体、たとえば多層または単層で衣類のパターンに従った裁断プロセスを受ける積み重ねられた布地等を、前記シート材料の積重体を崩すことなく、把持し、吊り下げ、移動することを可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従った装置は、請求項1に規定され、要素の自由なエッジのみを通じたアクセスを必要とすることなく、裁断プロセスで生成されたギャップまたは小さな長手方向スリットを通じても、要素の下側部分へのアクセスを可能にし、したがって要素の操作の続行を可能にする構成であり、それゆえに現在の最先端技術の限界を克服する。
【0009】
この目的のために、1つの実施態様によれば、装置は、中空のシャンクを包含し、その上側端部を通じて、ロボット・アームまたはそれと類似する要素と結合することが可能であり、その下側端部は、操作される要素に適合した裾広がり、円形、矩形、または他のジオメトリを伴い、それを通じて、シャンクの中空の内部へのアクセスが得られ、それが積重体のための上側クランプ支持体またはウェッジとして作用する。
【0010】
この中空のシャンクの内側において、把持ロッドが回転し、かつ入れ子式に移動し、そのロッドの遠端は、それと垂直の、積重体のためのフィンガまたは下側支持体として作用する下側フラップになっている。
【0011】
ロッド、したがってフラップは、水平面において回転可能であり、かつ垂直に移動して対象の把持を可能にする。この回転により、それが隣接する積重体または隣接する要素間のスリットまたは分離の方向に沿って貫通することが可能になり、その結果、それが積重体のもっとも下の基材の下方に貫通したら、把持のために最適な位置に、例えば、好ましい設計では90°に下側フラップが配置されるまで、それは回転することができる。
上にシート材料の積重体が載置される表面を形成する可撓性のブラシの毛は、把持される対象をその表面から移動させることなくこの回転を可能にする。
【0012】
積重体がそのエッジの少なくとも1つにより把持されたら、装置がそれを吊り下げ、移動することが可能になる。布地を扱う特定の場合において、装置は、ロボットによって裁断パターンを抽出する自動化を簡単にする。
【0013】
装置の代替実施態様において、積重体の保持を補助する追加の圧力を生成し、かつ維持するために、追加的に調整手段が組み込まれ、駆動手段とリンクされ、かつ迅速なロックおよびアンロック要素が装備される。
【0014】
本発明に従った装置の追加の特徴は、従属請求項の中に述べられている。
【0015】
1つの可能性のある実施態様において、装置は、次に挙げる異なる相互関係のある、または連続するモジュールにおいて機能することが可能な全体システムの部分である。
- 積重体のグループ分けおよびラベル付けモジュール:1つ以上の装置を用いて表面、重量、およびその他の属性に従って抽出された要素の異なる積重体をグループに分けて全体の追跡のためのコードを割り当てることを目的とする。布地における装置の低干渉性に起因して、パイルの把持および取り出しが連続して行われるフルモーションとは対照的に、積重体を把持する個別のタスクは、装置配置システムの大きな移動を必要としない;すなわち、すべての装置を配置し、その後取り除く場合であって、装置を第1の積重体に配置してその第1の積重体を取り除き、次の装置を第2の積重体に配置してその第2の積重体を取り除くなどではない場合に、時間が最適化される。加えて、このモジュールは、グループ分けされた積重体を追跡するためにグループ分けされた積重体に対する、印刷済みラベル、RFID、電子インク、または類似のラベル等の貼り付けも行う。
- 要素の把持および分類のためのモジュール:要素が固定されたら、操作装置が置かれている実際のポイントへの可能性のある移動のために許容誤差を伴ってそれらは把持されるが、これは、この許容誤差が単純な方法(視覚センサ、磁気、無線周波数読み取り・・・)で検出可能であることによる。このモジュールには、手動または自動的な収集を企図することが可能である。
【0016】
加えて、把持装置は、手動または自動で収集することができて、分類または貯蔵システムにおいて、好ましくは空間を最適化すべく垂直に保管するために必要な形態を有する。
【0017】
材料が複数の装置を必要とするときには、拾い上げられる材料の剛性、可撓性、または必要性に応じてそれらは逐次的に、または同時に拾い上げることが可能である。同時の拾い上げは、装置の固定要素(機械的、磁気的等)を有する構造要素、プレート等によって実行することが可能である。これらの要素は、この目的のために都合よく供給される。
【0018】
この全体的なシステムは、リアルタイムの、取り扱われる隣接する要素の自動化された追跡のための手段を含むことができ、それには、RFIDタグ、バーコード、QRコード(登録商標)、電子インク表示等、またはこれらの類といった識別手段を組み込むことができる。
【0019】
第2の態様によれば、本発明は、次に挙げるステップを包含する要素を取り扱うための方法にも関係する:
- 表面上に少なくとも1つのスリットまたはギャップによって分離された隣接する要素を設置するステップと、
- フラップを備えたロッドの先端をスリットまたはギャップ内に挿入するステップと、
- ストップを上側の要素と接触して設置するステップと、
- フラップがシャンクの底部の下方となるようにロッドを回転するステップと、
- フラップが望ましい圧力を作用させるまでロッドを引き込み、要素を上側からストップによって、かつ底側からフラップによって保持するステップと、
- ストップおよびフラップによってクランプした要素を支持表面から分離するステップ。
【0020】
これに代えて、保持の前に上側のストップを下側のフラップと一体的に移動させることも可能である。
【0021】
ここで行われている説明を補足するため、また本発明の特徴のよりよい理解を補助するために、それの実際的な実施態様の好ましい例に従って、図解のためであって限定ではない前記説明と一体をなす部品として次に挙げる図面が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】使用中の取り扱い装置の詳細を示した図である。
【
図2】シート要素の積重体上における取り扱い装置の駆動シーケンスを示した図である。
【
図3】シート要素に対する下側フラップの駆動の詳細を示した図である。
【
図5】装置の第1の代替実施態様を示した図である。
【
図6】装置の第2の代替実施態様を示した図である。
【
図7.1】装置の第3の代替実施態様を示した図である。
【
図7.2】装置の第3の代替実施態様を示した図である。
【
図8】積重体の移動の間における装置の使用を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、先に挙げた図の補助により、本発明の目的の好ましい実施態様の詳細な説明を提供する。
【0024】
まず第一に、簡素化の理由のために、本発明の説明は、シート要素の積重体に対して行われていることを明記する。しかしながら、本発明に従った装置および方法は、この他の、スリットまたはギャップによって分離される任意の隣接している要素の取り扱いに使用することも可能である。
【0025】
説明されているシート要素の積重体を取り扱うための装置は、複数の連続かつ隣接している積重体(1)から、シート要素の積重体(1)を多層裁断する従来方法によって生じたそれぞれのスリット(2)により互いに分離されたシート要素の積重体(1)を把持し、吊り下げ、移動することを可能にする。
【0026】
連続する積重体(1)は、たとえばコンベアベルト等の表面(3)上に配置されている。添付の図面に示されている実施態様においては、表面(3)は、その上に積重体(1)が載置される一連の柔軟なブラシによって形成されるが、発泡材、カーペット、またはそれらの類とすることも可能である。
【0027】
装置は、スリット(2)を通じた積重体(1)の下側シート要素の下側へのアクセスが可能となるように構成されている。
【0028】
装置は、その内部にロッド(5)を収容する中空の外側シャンク(4)を包含する。
【0029】
シャンク(4)は、それを通じてロボット・アームまたは類似する要素と係合可能である上側端部(図中には示されていない)と、好ましくはシャンク(4)の長手方向軸に対して垂直のストップ(6)を備えた下側端部とを有する。下側端部はさらに口部を包含し、
図1に示されるとおり、それを通じて、ステム(4)の内側に収容されるロッド(5)の下側端部が突出する。
【0030】
シャンク(4)は、ロボット・アームと固定的に係合する、または非拘束的でもよいことに留意すべきである。後者の場合において、シャンク(4)は、たとえば、磁石、フック、アイレット、またはこれらの類によって手動または自動的に容易に把持することができる形態を有する。
【0031】
ロッド(5)は、シャンク(4)の内側において長手方向に移動することが可能であり、かつシャンク(4)の長手方向軸に関して回転することが可能である。
【0032】
前記ロッド(5)は、その下側端部に、ロッド(5)の長手方向軸に関して実質的に垂直なフラップ(7)を包含する。添付の図面に図解されているとおり、好ましくは、フラップ(7)は、シャンク(4)に関してその遠位端に向かって狭幅になり、丸み付けしたエッジを呈するジオメトリを有して、移動を容易にし、かつ積重体(1)のシート要素および表面(3)を形成するブラシに損傷を与える可能性を回避する。
【0033】
フラップ(7)は、ストップ(6)とともに、シート要素の積重体(1)を保持してそれを取り扱うための把持クランプを画成する。
【0034】
装置はまた、装置の要素の位置決めおよび圧縮動作をコントロールする駆動手段も包含する。特に、駆動手段は、シャンク(4)の内側におけるロッド(5)の回転および長手方向の移動を、したがってフラップ(7)の回転および移動をコントロールする。これらの駆動および回転手段は、たとえば、
図4に示されるように、ロッド(5)のピンを伴うシャンク(4)に形成された長円形スリット、シャンク内部軸に形成されたスリット、またはシャンクに形成された複数のスリットおよび摩擦を低減するベアリングとしてのボールとすることができる。また、ステム(4)およびロッド(5)は互いに関して自由に回転するとしてもよく、その場合には、回転および長手方向の移動は、装置内に組み込むことができる多くの他の可能性のある既存の角またはリニア回転および固定システムの中でも、手動で、あるいは、モータを用いて、バックラッシュ防止ベアリングを用いて、またはラチェット・システムを用いて固定される。
【0035】
図2は、積重体(1a)を取り扱うための装置の、それが隣接する他の積重体(1b)から、およびそれが載置された可撓性表面(3)から分離する駆動シーケンスを図解している。これから分かるように、装置は、取り扱われる積重体(1a)を隣接する積重体から分離しているスリット(2)の上に垂直にロボット・アームまたはその類によって設置される。
【0036】
ロボット・アーム(図示せず)は、装置のフラップ(7)をスリット(2)に近づけ、シャンク(4)はそれを、取り扱われる積重体(1a)およびそれと直接隣接する積重体(1b)の上側シート要素と装置のストップ(6)が接触するまで移動させ、それで、フラップ(7)は、対応するスリット(2)を通じて進入する。
【0037】
これからわかるとおり、前記フラップ(7)は、スリット(2)を通じた進入のために積重体(1a)の向かい合う側縁と平行に、したがってストップ(6)に対して横向きに配置される。
【0038】
フラップ(7)が表面(3)の内側となり、積重体(1a)の下側要素より下方になったときに、駆動手段はロッド(5)を、したがってフラップ(7)を回転し、その結果それが、
図2に詳細に示されるとおり、積重体(1a)の下側シート要素の下方においてスリット(2)に関して垂直に、かつストップ(6)と実質的に平行に配置される。
【0039】
このようにして積重体(1a)の横のエッジが、ストップ(6)によって上側から、フラップ(7)によって底側から把持される。この時点において、駆動手段は、積重体(1a)のエッジの把持を調整するためにロッド(5)を、したがってフラップ(7)を長手方向上向きに移動させる。
【0040】
その後、ロボット・アーム(図示せず)は、装置または複数の装置を上向きに移動し、したがって把持しているエッジによって積重体(1a)を持ち上げ、それを隣接する積重体(1b)からと、表面(3)から分離し、このようにしてそれを別のポイントへ移動することが可能になる。
【0041】
装置の好ましい実施態様において、ロッド(5)の回転および垂直変位移動は、軸に沿った長円形の案内スリットを用いて単一ステップにおいて行うことが可能であり、それで、
図4から分かるように、ウォームねじに類似した態様で回転が行われる。
【0042】
装置の代替実施態様において、積重体(1)の保持を補助する追加の圧力を生じさせるために、迅速なロックおよびアンロック要素を包含する調整手段(8)が追加的に組み込まれ、駆動手段とリンクされる。
【0043】
図5は、第1の代替実施態様を示した図であり、ここでは調整手段(8)は、装置が取り付けられるロボット・ヘッドによる作動が可能なあらかじめ張力をかけたばね、またはこれもまた駆動されるスピンドルからなる。前記ロボット・ヘッドは、スリット(2)の上に装置を位置決めする前に、調整手段(8)のばねを押圧するか、またはスピンドル(8)を通じてフラップ(7)を移動させてストップ(6)から分離させる。
【0044】
図6は、第2の代替実施態様を図解した図であり、ここでは調整手段(8)は、滑らかな表面、ロック・ジッパー、および解放システムからなる。
【0045】
図7.1および
図7.2は、装置の代替実施態様を図解している。
図7.1は、2つのロッド(5)および2つの対応する回転フラップ(7)を包含し、積重体(1)の把持および把持された積重体(1)の安定性を向上させた装置の平面図を示している。
【0046】
図7.2は、アーム(6)が積重体(1)の最適な把持に寄与する形態の異なる2つの扇形を有する装置の平面図を示している。
【0047】
最後に、
図8に、積重体(1)の移送の間における装置の使用を示す。
【0048】
以上、本発明の特定の実施態様を参照してきたが、この分野の当業者には、ここに説明されている装置および方法が多くの変形および修正に影響されやすいこと、および付随する特許請求の範囲によって定義される保護の範囲からの逸脱を伴うことなく、ここで言及されたすべての詳細にその他の技術的均等による置き換えの可能性があることが明らかである。
【符号の説明】
【0049】
1 要素、シート要素の積重体、積重体
1a 積重体
1b 積重体
2 スリット、スリットまたはギャップ
3 表面
4 シャンク
5 ロッド
6 ストップ
7 フラップ、回転フラップ
8 調整手段
【手続補正書】
【提出日】2024-07-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
要素を取り扱うための装置であって、この要素(1)は少なくとも1つのスリットまたはギャップ(2)によって分離され、
前記装置は、
- ストップ(6)を備えたシャンク(4)と、
- 前記シャンク(4)に関して長手方向に移動可能かつ回転可能である、一端にフラップ(7)を包含するロッド(5)と、
を備え、
前記ストップ(6)と前記フラップ(7)の間に要素(1)を保持するためのクランプが、画成される、
要素を取り扱うための装置。
【請求項2】
前記シャンク(4)は、中空であり、前記ロッド(5)を少なくとも部分的に収容する、請求項1に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項3】
前記ストップ(6)は、前記シャンク(4)の長手方向軸に関して実質的に垂直である、
請求項1に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項4】
前記フラップ(7)は、前記ロッド(5)の長手方向軸に関して実質的に垂直である、
請求項1に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項5】
前記要素(1)の追加の保持圧力を生じさせるための駆動手段とリンクされた調整手段(8)をさらに包含する、
請求項1に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項6】
前記調整手段(8)は、あらかじめ張力をかけたばねまたはスピンドルである、請求項5に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項7】
前記調整手段(8)は、滑らかな表面、またはロック・ジッパーおよび解放システムである、請求項5に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項8】
前記シャンク(4)に関して前記ロッド(5)を移動させるための駆動および固定手段を包含する
、請求項
1~7のいずれか一項に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項9】
前記駆動手段は、前記シャンク(4)の長円形スリットを前記ロッド(5)のピンとともに包含する、請求項8に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項10】
前記駆動手段は、前記シャンク(4)のスリットとベアリングとしてのボールを包含する、請求項8に記載の要素を取り扱うための装置。
【請求項11】
要素を取り扱うための方法であって、
- 表面(3)上に少なくとも1つのスリットまたはギャップ(2)によって分離された要素(1)を設置するステップと、
- フラップ(7)を備えたロッド(5)の一端を前記スリットまたはギャップ(2)の内側に挿入するステップと、
- ストップ(6)を前記要素(1)の上側部分と接触して設置するステップと、
- 前記フラップ(7)が前記要素(1)の下側部分の下方となるように前記ロッドを回転し、前記要素(1)をその上側部分に前記ストップ(6)によって、かつその下側部分に前記フラップ(7)によって保持するステップと、
- 前記ストップ(6)および前記フラップ(7)によって保持された前記要素(1)を前記表面(3)から分離するステップと、
を包含する、要素を取り扱うための方法。
【国際調査報告】