(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】遠隔存在検出システム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/54 20220101AFI20241031BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20241031BHJP
G01S 15/04 20060101ALI20241031BHJP
G06F 21/30 20130101ALI20241031BHJP
【FI】
H04L67/54
H04M1/00 R
G01S15/04
G06F21/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024526774
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2022080707
(87)【国際公開番号】W WO2023079014
(87)【国際公開日】2023-05-11
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520089657
【氏名又は名称】エリプティック ラボラトリーズ エーエスエー
【氏名又は名称原語表記】ELLIPTIC LABORATORIES ASA
【住所又は居所原語表記】Hausmanns gate 21, 0182 Oslo, Norway
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロヴニング,エスペン
【テーマコード(参考)】
5J083
5K127
【Fターム(参考)】
5J083AB12
5J083AE08
5J083AF01
5K127AA36
5K127BB22
5K127CA27
5K127GA12
5K127JA11
5K127JA32
5K127KA01
5K127KA02
5K127KA04
(57)【要約】
本発明は、電子装置の近傍におけるユーザの存在を検出および監視するためのシステムおよび電子装置に関する。装置は、ユーザの存在を検出するために、受信したセンサ入力に基づいて装置の近傍にユーザが存在するかどうかを示す表示信号を処理・通信ユニットに供給するように構成されたプロセッサを含む。処理・通信ユニットは、通信ネットワーク内の少なくとも1つの他の装置に表示信号を伝達するように構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置であって、前記電子装置の近傍におけるユーザの存在を検出および監視するように構成されており、前記ユーザの存在を検出するために、受信したセンサ入力に基づいて前記電子装置の近傍を監視するように構成されたプロセッサを含み、前記ユーザが存在するかどうかを示す表示信号を処理・通信ユニットに供給し、前記処理・通信ユニットは、通信ネットワーク内の少なくとも1つの他の装置に前記表示信号を伝達するように構成される、電子装置。
【請求項2】
前記処理・通信ユニットは、存在表示が前記通信ネットワーク内の遠隔ユニットに伝達されることを可能にする許可を前記ユーザに要求するため、および前記許可をデータ記憶装置に記憶するための、スクリーン、キーボード、音声認識またはタッチパッドなどであるユーザインタフェースを含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記処理・通信ユニットは、前記通信ネットワーク内の存在表示の伝達を要求または許可するために、前記通信ネットワーク内の前記他の装置と通信するように構成される、請求項1に記載の電子装置。
【請求項4】
前記処理・通信ユニットは、前記通信ネットワークからの伝達を介して前記電子装置の遠隔制御を可能にする手段を含む、請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記通信ネットワーク内の前記他の装置は、前記ユーザおよび前記電子装置に関連するアクセスおよび情報を制御するためのコンピュータ記憶装置を含む集中型のサーバまたはサーバネットワークである、請求項1に記載の電子装置。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子装置を少なくとも2つ含むシステムであって、前記システムは、前記電子装置の処理・通信ユニットの間で通信を可能にし、ユーザの存在表示を含み、ネットワーク内の少なくとも1つの他のコンピュータが情報を受信することを可能にする、システム。
【請求項7】
選択されたグループにおいて管理されているか既知であるすべてのユーザのステータスを維持および制御するように構成される分散型または集中型のコンピュータエンティティを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記エンティティは、前記システムにおける前記ユーザのプライバシー設定および管理レベルまたは権限に関する情報を維持するユーザデータベースを含む、請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、存在検出システムに関し、より詳細には、電子装置またはシステムの潜在的なユーザを検出するための存在検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最新のグループアプリケーションは、ユーザがアクティブかどうか、在席中か離席中か、ブロックされているかどうか、忙しいかどうかなどを示すために利用可能な情報を使用し、現在のステータスや、音声/ビデオ会議などを使用して直接通信する意思に関する他の情報を提供する。これらのインジケータは、通常、ユーザが友人や家族に見せることを許可している、ユーザが行ったアクションにリンクされている。ユーザが望めば、他の人々も存在情報にアクセスすることができる。
【0003】
存在検出センサ(ToF、UWB、レーダー、超音波など)の出現により、存在状態は、もはや特定のユーザアクション(画面との接触、入力、記録、入力デバイスの使用、ログインなど)だけに依存しない。存在検出センサは、ログインしていなくても、遠隔装置の前や近くに誰かがいることを示すことできる。存在検出センサの視野はそれぞれ異なるので、検出領域は装置ごとに異なることになる。利用可能であれば、存在検出センサから情報を抽出し、その情報を他の関係者が利用できるようにすることができる。国際公開第2021/0219039号には、システム内の装置にアクセスするユーザが、システム内のカスタマイズ可能な機能を共有できるシステムが記載されている。
【0004】
例えば米国特許出願第2017/0139031号および米国特許出願第2014/0092710号には、システムの近くに存在するターゲットを検出するためのセンサおよび方法、例えば活動を検知するためのセンサおよび方法が記載されている。ここでは、音響源をローカライズするためにパッシブセンサが使用されている。国際公開第2021/045628号、および同時に出願されたノルウェー王国特許出願第20211332号およびノルウェー王国特許出願第20211333号には、能動的な存在検知が記載されている。これらは、参照により本出願に組み込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、存在検出を提供し、通信システムで利用するシステムを目的とする。ユーザの存在は、音響測定値だけでなく、ユーザの活動に関連する他の測定値に基づいてもよい。これは、添付の特許請求の範囲に規定されているように達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に基づいて、セキュリティ上の理由から、ローカルな装置上の存在検出以上の目的で存在検出センサを使用することが可能である(例えば、ノート型パーソナルコンピュータにおける人の存在検出)。これは、Microsoft Teams、Cisco WebEx、Messengerなどのグループアプリケーションの存在インジケータとして使用され得、許可されたユーザは、遠隔ユーザの存在インジケータにアクセスすることができる。これらの存在インジケータへのアクセスは、情報が悪用されないように、遠隔ユーザによって制御される必要がある。
【0007】
存在検出情報は、分散型または集中型のエンティティのいずれかに伝達され、当該グループ内で管理されているか既知であるすべてのユーザのユーザステータスを追跡する。すべてのユーザは、すべてのサブスクライブしているユーザまたは優先ユーザセット(同じ組織のメンバー、連絡先、友人など)からのユーザステータスの更新をサブスクライブすることができる。特定のユーザ間でユーザステータスの直接通信が行われることもあるが、最も一般的な設定は、集中型のユーザステータスコントローラが、ユーザが個々に付与した許可または組織が受け入れた許可に従って、すべてのユーザのユーザステータスを追跡する設定である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、本発明を例示的に示す添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
【
図1】本発明による存在検出および監視を実現する装置を示す図である。
【
図2】コンピュータネットワーク内の多数の装置を示す図である。ここで、装置の少なくとも1つは、存在検出を含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1に示すように、本発明は、ユーザ7の存在を検出および監視するように構成された装置5に関する。装置5は、例えば、コンピュータ、電話機、ゲーム機、またはタブレット端末であってもよい。典型的に、装置は、少なくとも1つのマイクロフォン1を含み、少なくとも1つのマイクロフォン1は、インタフェースを介して、装置の近傍における音や活動を検出するためのプロセッサ9に接続される。プロセッサは、例えば周波数範囲や時間、または既知のユーザの声に基づいて、特定の音を認識するように構成されてもよい。また、2つ以上のマイクロフォン1を使用して、音響源の位置や装置からの距離を認識するように構成されてもよい。また、信号の認識は、装置に関連する領域での以前のユーザ活動に基づく機械学習アルゴリズムを使用して認識されてもよい。また、レーダー、キーボード操作、カメラなど、他のタイプのセンサ3が使用されてもよく、それらの組み合わせにより、存在検出の確実性が増大されてもよい。
【0010】
また、本発明は、能動的な音響源13を含んでもよい。音響源13は、音響信号を送信するために、スピーカーまたは他のトランスデューサ2に接続された装置から独立していてもよく、そのような装置に組み込まれてもよい。この音響源は、送信信号と受信信号との間の時間差または位相差を測定するように、基準信号17をプロセッサ9に伝達するように構成されてもよい。送信信号は、超音波範囲および/または可聴範囲であってもよい。
【0011】
代替的に、音響源は、装置から独立していてもよい。この場合、装置は、少なくとも2つのマイクロフォン1を介して送信信号の反射を検出し、振幅および位相、ならびにその他の処理に基づいてユーザの存在を検出するように構成される。
【0012】
また、装置は、ユーザインタフェース、データおよびユーザ入力のための記憶手段、ならびにコンピュータネットワークと通信するための既知の通信手段を有する処理・通信ユニット10を含む。
【0013】
本発明によれば、装置は、
図2に示すように、共通のネットワーク6に複数の装置5a、5b、5cが接続された遠隔制御システムまたはネットワークの一部である。ネットワーク6は、当該グループ内で管理されているか既知であるすべてのユーザのユーザステータスを追跡することができる分散型または集中型のエンティティであってもよい。ネットワークは、システム内のユーザのプライバシー設定および管理レベルまたは権限に関する情報を保持するユーザデータベースを含んでもよい。
【0014】
第1の遠隔装置5aの存在検出機構は、構成可能な時間(例えば存在履歴ウィンドウ)にわたって存在アクティビティを追跡し、そうするように構成されていれば、別の装置5bのユーザがその情報にアクセスできるようにすることができる。存在履歴は、遠隔ユーザが使用することもできる。存在履歴は、遠隔装置5aに接近したユーザに関する情報を提供する。この情報は、遠隔ユーザが所有する他の装置5b、5cで利用可能であり、遠隔装置をより安全に保護するために使用され得る。
【0015】
また、遠隔存在検出は、装置5aが遠隔側の通話プロセスをどのように処理するかを制御するために使用され得る。遠隔ユーザが離席しているがその近くにいることを期待して、ユーザが呼び出しを続けることを望んでいる場合に着信音を鳴らすことができる。ユーザが設定した場合、または組織の規則に従って、着信音を通常通り鳴らすこともできる。存在検出方式に従って、遠隔ユーザが装置の前に在席している場合、着信音を、任意選択のものにするか、少なくとも近くにいる他の人の邪魔にならないように控えめにすることができる。このような場合、ノイズの少ない代替案として視覚インジケータが使用されてもよい。
【0016】
遠隔存在検出へのアクセスにより、ユーザは、少なくとも1人の遠隔ユーザの存在検出状態の変更にサブスクライブすることができる。遠隔装置の少なくとも1つまたは選択されたいくつかが存在を示すと、最初のユーザに通知し、すべての遠隔ユーザに同時に連絡し、優先通信チャネルを使用して通信を開始することができる。
【0017】
通信チャネルが、必要な遠隔ユーザの少なくとも1人が存在するまで開始すべきでないが、他の情報に基づくとどの通信にも利用できない場合、ユーザは、すべてのユーザが存在し、利用可能になるまで待機することを選択してもよい。
【0018】
ユーザは、所望の通信が重要である場合、存在検出状態に応じて利用可能なユーザを見落とすようにシステムに指示することを選択してもよい。また、すべての必要な遠隔ユーザが存在検出領域にそれぞれ入ったときに、遠隔存在検出センサからの指示に基づいて自動リダイヤルが生じるように設定され得る。代替的に、遠隔装置は、呼び出しを行いたいというユーザの意図を表示するメッセージを表示してもよい。メッセージは、遠隔ユーザが通信要求に即座に答える(すなわち許可するか拒否する)ことを可能にする要素(掛け直しボタンなど)を含むことができる。グループアプリケーションの構成、または潜在的に開始ユーザからの要求により、必要な参加者がすべて揃うまで通信チャネルの設定が遅延されてもよい。任意選択で、遠隔ユーザは、このシナリオで見落とされてもよい。
【0019】
要約すると、本発明は、電子装置、および電子装置を含むシステムに関する。該装置は、該装置の近傍におけるユーザの存在を検出および監視するのに適しており、受信したセンサ入力に基づいて、ユーザの存在を検出するように構成されたプロセッサを含む。外部装置からの要求に応じて、または該装置によって自動的に起動されて、ユーザが存在するかどうかを示す表示信号を処理・通信ユニットに供給する。処理・通信ユニットは、通信ネットワーク内の少なくとも1つの他の装置に表示信号を伝達するように構成される。
【0020】
処理・通信ユニットは、存在表示がネットワーク内の遠隔ユニットに伝達されることを可能にする許可をユーザに要求し、その許可をデータ記憶装置に記憶するための、スクリーン、キーボード、音声認識またはタッチパッドなどのユーザインタフェースを含んでもよい。
【0021】
処理・通信ユニットは、ネットワーク内の存在表示の伝達を要求または許可するために、ネットワーク内の他の装置と通信するように構成されてもよい。ネットワーク内の他の装置は、ユーザおよび装置に関連するアクセスおよび情報を制御するためのコンピュータ記憶装置を含む集中型のサーバまたはサーバネットワークであってもよい。
【0022】
処理・通信ユニットは、ネットワークからの伝達を介して装置の遠隔制御を可能にするように構成されてもよい。
【0023】
本発明によるシステムは、上述したような多数の装置を含み、装置の処理・通信ユニットの少なくとも2つの間で通信を可能にし、ユーザ存在表示を含み、ネットワーク内の少なくとも1つの他のコンピュータが情報を受信することを可能にする。好ましくは、他のコンピュータは、選択されたグループにおいて管理されているか既知であるすべてのユーザのステータスを維持および制御するように構成された分散型または集中型のコンピュータエンティティであってもよい。好ましくは、エンティティは、システムにおけるユーザのプライバシー設定および管理レベルまたは権限に関する情報を維持するユーザデータベースを含む。
【国際調査報告】