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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】消毒を有する腹膜透析循環装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20241031BHJP
   A61M 1/28 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61M1/16 135
A61M1/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527149
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-08
(86)【国際出願番号】 US2022079544
(87)【国際公開番号】W WO2023091869
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/280,431
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591013229
【氏名又は名称】バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
(71)【出願人】
【識別番号】501453189
【氏名又は名称】バクスター・ヘルスケヤー・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】Baxter Healthcare S.A.
【住所又は居所原語表記】Thurgauerstr.130 CH-8152 Glattpark (Opfikon) Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ヤンソン, オロフ
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA05
4C077AA06
4C077BB01
4C077BB02
4C077DD26
4C077EE03
4C077KK09
(57)【要約】
透析システムは、透析流体計量ポンプと、第1の固定容積チャンバと、第1の容積式平衡チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第1のダイヤフラムとを含む、第1の容積式平衡チャンバと、第1の容積式平衡チャンバと透析流体計量ポンプへの入口との間に延在する第1の出口ラインと、第1の容積式平衡チャンバと排出ラインとの間に延在する第2の出口ラインと、第1の容積式平衡チャンバと透析流体計量ポンプからの出口との間に延在する第1の入口ラインと、第1の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する第2の入口ラインと、第2の固定容積チャンバと、第2の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第2のダイヤフラムとを含む、第2の容積式平衡チャンバと、第1の出口ラインと、第2の出口ラインと、第1の入口ラインと、第2の入口ラインとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透析システムであって、
透析流体計量ポンプと、
第1の容積式平衡チャンバであって、前記第1の容積式平衡チャンバは、第1の固定容積チャンバと、前記第1の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第1のダイヤフラムとを含む、第1の容積式平衡チャンバと、
前記第1の容積式平衡チャンバと前記透析流体計量ポンプへの入口との間に延在する第1の出口ラインと、
前記第1の容積式平衡チャンバと排出ラインとの間に延在する第2の出口ラインと、
前記第1の容積式平衡チャンバと前記透析流体計量ポンプからの出口との間に延在する第1の入口ラインと、
前記第1の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する第2の入口ラインと、
第2の容積式平衡チャンバであって、前記第2の容積式平衡チャンバは、第2の固定容積チャンバと、前記第2の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第2のダイヤフラムとを含む、第2の容積式平衡チャンバと、
前記第2の容積式平衡チャンバと前記透析流体計量ポンプへの入口との間に延在する第1の出口ラインと、
前記第2の容積式平衡チャンバと排出ラインとの間に延在する第2の出口ラインと、
前記第2の容積式平衡チャンバと前記透析流体計量ポンプからの出口との間に延在する第1の入口ラインと、
前記第2の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する第2の入口ラインと
を備える、透析システム。
【請求項2】
前記透析流体計量ポンプが、(i)前記第1の容積式平衡チャンバの前記第1の出口ラインを介して、前記第1の容積式平衡チャンバから、または(ii)前記第2の容積式平衡チャンバの前記第1の出口ラインを介して、前記第2の容積式平衡チャンバからのうちの少なくとも一方から、未使用HD流体を引動することを介して、透析器に未使用HD流体を送達するように構成される、血液透析(「HD」)システムである、請求項1に記載の透析システム。
【請求項3】
(i)前記第1の容積式平衡チャンバの前記第1の出口ラインを介して、前記第1の容積式平衡チャンバから未使用HD流体を引動することが、使用済み透析流体を、前記第1の容積式チャンバと前記使用済み透析流体ラインとの間に延在する前記第2の入口ラインを介して、前記第1の容積式平衡チャンバに充填させる、または(ii)前記第2の容積式平衡チャンバの前記第1の出口ラインを介して、前記第2の容積式平衡チャンバから未使用HD流体を引動することが、使用済み透析流体を、前記第2の容積式平衡チャンバと前記使用済み透析流体ラインとの間に延在する前記第2の入口ラインを介して、前記第2の容積式平衡チャンバに充填させるように構成される、請求項2に記載のHDシステム。
【請求項4】
前記透析流体計量ポンプから上流または下流に位置するライン内透析流体ヒータを含む、請求項2に記載のHDシステム。
【請求項5】
所望の量の未使用HD流体が前記透析器に送達されるまで、前記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方からの前記未使用HD流体の引動を繰り返すように構成される、請求項2に記載のHDシステム。
【請求項6】
前記透析器への前記未使用HD流体の送達を繰り返すことに先立って、前記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方が、未使用HD流体で補充されるように構成される、請求項5に記載のHDシステム。
【請求項7】
(i)前記第1の容積式平衡チャンバと前記排出ラインとの間に延在する前記第2の出口ラインを介して、かつ前記透析流体計量ポンプが、前記第1の容積式平衡チャンバの前記第1の入口ラインを介して、前記第1の容積式平衡チャンバに未使用HD流体を押動することを介して、または(ii)前記第2の容積式平衡チャンバと前記排出ラインとの間に延在する前記第2の出口ラインを介して、かつ前記透析流体計量ポンプが、前記第2の容積式平衡チャンバの前記第1の入口ラインを介して、前記第2の容積式平衡チャンバに未使用HD流体を押動することを介して、前記排出ラインに使用済みHD流体を送達するように構成される、血液透析(「HD」)システムである、請求項1に記載の透析システム。
【請求項8】
使用済みHD流体が、前記使用済みHD流体が前記排出ラインに送達されるとき、前記使用済み透析流体ラインに沿って流動することを妨げられるように構成される、請求項7に記載のHDシステム。
【請求項9】
透析器への未使用HD流体の対応する送達を伴わずに、前記排出ラインに使用済みHD流体を押動することを介して、限外濾過(「UF」)ストロークを実施するように構成される、血液透析(「HD」)システムである、請求項1に記載の透析システム。
【請求項10】
前記UFストロークが、前記透析流体計量ポンプが前記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの一方から未使用HD流体を引動し、前記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの他方に前記未使用HD流体を押動し、それによって、前記透析器への未使用HD流体の対応する送達を伴わずに、前記排出ラインに使用済みHD流体を押動することを介して生じるように構成される、請求項9に記載のHDシステム。
【請求項11】
前記透析流体計量ポンプによる前記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの一方からの未使用HD流体の引動が、対応して、前記第1または第2の容積式平衡チャンバの中に使用済みHD流体を引動するように構成される、請求項10に記載のHDシステム。
【請求項12】
所望の量のUFが前記排出ラインに除去されるまで、前記UFストロークまたは部分的UFストロークを繰り返すように構成される、請求項10に記載のHDシステム。
【請求項13】
未使用PD流体が、前記透析流体計量ポンプを介して患者ラインに送達される、腹膜透析(「PD」)システムである、請求項1に記載の透析システム。
【請求項14】
処方された量の未使用PD流体を前記患者に圧送するために、前記透析流体計量ポンプの正確性に依拠するように構成される、請求項13に記載のPDシステム。
【請求項15】
処方された量の未使用PD流体を前記患者に送達した後、患者滞留を実施するように構成される、請求項13に記載のPDシステム。
【請求項16】
使用済みPD流体が、前記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方に送達され、そこから除去される、患者排出を実施するように構成される、請求項13に記載のPDシステム。
【請求項17】
前記患者から除去された使用済みPD流体の量から、前記患者ラインに送達された未使用PD流体の量を差し引くことによって、前記患者から除去された過剰な流体の量を決定するように構成される、請求項13に記載のPDシステム。
【請求項18】
(i)前記患者ラインが、未使用区間と、使用済み区間とを含む持続的循環腹膜透析(「CCPD」)システム、または(ii)前記患者ラインが、未使用PD流体患者ラインおよび使用済みPD流体患者ラインに分離される持続的流動腹膜透析(「CFPD」)システムである、請求項13に記載のPDシステム。
【請求項19】
透析システムであって、
透析流体計量ポンプと、
前記透析流体計量ポンプとともに動作するように位置付けられ、配列される第1の容積式平衡チャンバであって、前記第1の容積式平衡チャンバは、第1の固定容積チャンバと、前記第1の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第1のダイヤフラムとを含む、第1の容積式平衡チャンバと、
前記透析流体計量ポンプとともに動作するように位置付けられ、配列される第2の容積式平衡チャンバであって、前記第2の容積式平衡チャンバは、第2の固定容積チャンバと、前記第2の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第2のダイヤフラムとを含む、第2の容積式平衡チャンバと、
前記第1および第2の容積式平衡チャンバとともに流体的に動作可能である第1および第2のポートと、
血液透析を実施するための、前記第1および第2のポートおよび透析器に接続可能である第1および第2の可撓性透析流体ラインと、
PD流体患者ラインであって、前記PD流体患者ラインは、持続的循環腹膜透析を実施するための、前記第1のポートに接続可能である未使用区間と、前記第2のポートに接続可能である使用済み区間とを含む、PD流体患者ラインと、
持続的流動腹膜透析を実施するための、前記第1のポートに接続可能である未使用PD流体患者ライン、および前記第2のポートに接続可能である使用済みPD流体患者ラインと
を備える、透析システム。
【請求項20】
前記第1および第2の可撓性透析流体ラインは、前記第1および第2のポートにシールするポート蓋を介して前記第1および第2のポートに接続可能である、請求項19に記載の透析システム。
【請求項21】
再循環コネクタを含み、前記第1および第2の可撓性透析流体ラインは、前記透析器から接続解除されるとき、消毒のために前記再循環コネクタに接続可能である、請求項19に記載の透析システム。
【請求項22】
前記計量ポンプおよび前記第1および第2の容積式平衡チャンバを保持する筐体を含み、前記第1および第2のポートおよび前記再循環コネクタは、前記筐体によって提示される、請求項21に記載の透析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張および関連出願の相互参照)
本願は、その全内容が、参照することによって本明細書に組み込まれ、依拠される、2021年11月17日に出願され、「PERITONEAL DIALYSIS CYCLER HAVING DISINFECTION」と題された、米国仮特許出願第63/280,431号の優先権および利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、医療流体治療に関し、特に、透析流体治療に関する。
【背景技術】
【0003】
種々の原因に起因して、人の腎臓系は、機能しなくなり得る。腎不全は、いくつかの生理学的障害を生じる。水分およびミネラルを平衡させること、または毎日の代謝負荷を排泄することが、もはや可能ではなくなる。尿素、クレアチニン、尿酸、およびその他等の代謝の毒性最終生産物が、患者の血液および組織内に蓄積し得る。
【0004】
低減された腎機能、とりわけ、腎不全は、透析で治療される。透析は、身体から、正常に機能する腎臓がそうでなければ除去するであろう老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。腎機能の置換のための透析治療は、治療が救命的であるため、多くの人にとって重要である。
【0005】
1つのタイプの腎不全療法は、一般に、患者の血液から老廃物を除去するために拡散を使用する、血液透析(「HD」)である。拡散勾配が、血液と、透析液または透析流体と呼ばれる、電解質溶液との間の半透性透析器を横断して生じ、拡散を引き起こす。
【0006】
血液濾過(「HF」)は、患者の血液からの毒素の対流輸送に依拠する、代替腎置換療法である。HFは、治療の間に体外回路に代用または置換流体を追加することによって遂行される。代用流体および治療の間に患者によって蓄積された流体は、HF治療の過程にわたって限外濾過され、中および大分子を除去する際に特に有益である対流輸送機構を提供する。
【0007】
血液透析濾過(「HDF」)は、対流および拡散クリアランスを組み合わせる治療モダリティである。HDFは、標準的な血液透析と同様に、透析器を通して流動する透析流体を使用し、拡散クリアランスを提供する。加えて、代用溶液が、体外回路に直接提供され、対流クリアランスを提供する。
【0008】
殆どのHD、HF、およびHDF治療は、総合施設において行われる。在宅血液透析(「HHD」)の傾向が、部分的に、HHDが、毎日実施され、典型的には、週2または3回行われる、総合施設内血液透析治療に優る療法的利益をもたらすことができるため、今日存在している。研究により、より頻繁な治療が、より多くの毒素および老廃物を除去し、より頻度が低いが、おそらく、より長い治療を受ける患者よりも少ない透析間流体過負荷をもたらすことが示されている。より頻繁な治療を受ける患者は、治療に先立って2または3日分の毒素を蓄積している総合施設内患者と同程度の量のダウンサイクル(流体および毒素の循環変動)を被らない。ある地域では、最も近い透析総合施設は、患者の自宅から何マイルもあり、ドアツードアの治療時間に1日の大部分を費やすことになり得る。患者の自宅に近い総合施設における治療もまた、患者の1日の大部分を費やし得る。HHDは、夜間に、または患者がリラックスしている、働いている、または別様に生産的である間の日中に行われることができる。
【0009】
持続的腎置換治療(「CRRT」)は、HD、HF、およびHDFのような血液治療であるが、代わりに、患者が、患者が入院している外的原因に起因して腎不全を被っている可能性がある緊急設定状況、例えば、病院において行われる。患者は、長い期間にわたって入院している可能性が高いため、CRRTは、典型的な長期HD治療よりも緩慢に実行されることができる。CRRT治療は、典型的には、透析流体(HD)または置換流体(HFおよびHDF)のバッグを使用し、それに応じて、その側面において次に議論される腹膜透析と同様である(但し、あるHHDシステムもまた、袋詰め透析流体を使用する)。しかしながら、CRRT治療は、HD管類配列(米国において典型的)またはHFまたはHDF管類配列(欧州において典型的)を使用して実施され得る血液治療である。
【0010】
上記に言及されるような腎不全療法の別のタイプは、カテーテルを介して患者の腹膜室の中に透析流体とも呼ばれる透析溶液を注入する、腹膜透析(「PD」)である。透析流体は、患者の腹膜室内の腹腔膜と接触する。老廃物、毒素、および過剰な水分は、拡散および浸透に起因して、患者の血流から、腹腔膜内の毛細血管を通して、透析流体の中に通過し、すなわち、浸透勾配が、膜を横断して生じる。PD透析流体中の浸透剤が、浸透勾配を提供する。使用済みまたは消耗済み透析流体は、患者から排出され、患者から老廃物、毒素、および過剰な水分を除去する。本サイクルは、例えば、複数回繰り返される。
【0011】
持続的外来腹膜透析(「CAPD」)、自動化腹膜透析(「APD」)、潮流透析、および持続的流動腹膜透析(「CFPD」)を含む、種々のタイプの腹膜透析療法が、存在する。CAPDは、手動透析治療である。ここでは、患者は、埋込されたカテーテルをドレインに手動で接続し、使用済みまたは消耗済み透析流体が腹膜室から排出されることを可能にする。患者は、次いで、患者カテーテルが、未使用透析流体のバッグと連通し、カテーテルを通して患者の中に未使用透析流体を注入するように、流体連通を切り替える。患者は、未使用透析流体バッグからカテーテルを接続解除し、透析流体が腹膜室内に滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が、行われる。滞留期間後、患者は、手動透析手技を、例えば、1日あたり4回繰り返す。手動腹膜透析は、患者からの有意な量の時間および労力を要求し、改善の余地が十分に残されている。
【0012】
自動化腹膜透析(「APD」)は、透析治療が排出、充填、および滞留サイクルを含む点において、CAPDに類似する。しかしながら、APD機械は、典型的には、患者が眠っている間に、自動的にサイクルを実施する。APD機械は、治療サイクルを手動で実施する必要性および1日の間に供給品を輸送する必要性から患者を解放する。APD機械は、埋込されたカテーテルに、未使用透析流体の源またはバッグに、および流体ドレインに流体的に接続する。APD機械は、透析流体源から、カテーテルを通して、患者の腹膜室の中に未使用透析流体を圧送する。APD機械はまた、透析流体が腹膜室内で滞留することを可能にし、老廃物、毒素、および過剰な水分の移送が行われることを可能にする。源は、いくつかの溶液バッグを含む、複数リットルの透析流体を含み得る。
【0013】
APD機械は、患者の腹膜腔から、カテーテルを通して、ドレインに使用済みまたは消耗済み透析液を圧送する。手動プロセスと同様に、いくつかの排出、充填、および滞留サイクルが、透析の間に生じる。「最後の充填」が、APD治療の終了時に生じ得る。最後の充填流体は、次の治療の開始まで、患者の腹膜室内に留まり得る、または1日の間のある時点で手動で空にされ得る。
【0014】
自動化機械を使用する上記のモダリティのうちのいずれかでは、流体制御は、そのような制御が、患者への、およびそこからの未使用および使用済み透析流体の流動を制御するため、非常に重要である。本開示の譲受人によって提供される1つのHD機械は、未使用および使用済み透析流体ポンプによって提供される流体流動を制御する。流動センサが、透析流体ポンプ毎に提供される。流動センサによって測定されるように、透析器に送達された未使用透析流体よりも若干多くの使用済み透析流体を透析器から引動することによって、所望の量の患者限外濾過(「UF」)が、達成される。制御の方法は、良好に機能するが、流動センサは、高価であり得る。
【0015】
自動化機械を使用する上記のモダリティのうちのいずれかでは、自動化機械は、典型的には、単回使用後に廃棄される、使い捨てセットとともに動作する。使い捨てセットの複雑性に応じて、1日あたり1つのセットを使用する費用は、有意になり得る。また、毎日の消耗品は、保管のための空間を要求し、これは、自家所有者および企業にとって厄介になり得る。さらに、使い捨てセットは、大量の硬質および軟質プラスチック廃棄物を生じさせ得る。また、毎日の使い捨て交換は、自宅において、または診療所において、患者または介護者による毎日の設定時間および労力を要求する。
【0016】
上記の理由のそれぞれから、未使用および使用済み透析流体流動制御を簡略化し、使い捨て廃棄物を低減させる、自動化透析機械(血液およびPD)を提供することが、望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0017】
公知の自動化透析システム(血液およびPD)は、典型的には、硬質部分と、圧送および弁動作を実施するために変形可能である軟質部分とを有する、圧送カセットを受け取り、作動させる、機械または循環装置を含む。硬質部分は、種々のバッグまで延在する、管に取り付けられる。使い捨てカセットおよび関連付けられる管およびバッグは、患者または介護者が治療のために装填するために煩雑であり得る。使い捨てアイテムの全体量もまた、複数の設定手順につながり得、これは、エラーの余地を露呈し得る。使い捨てアイテムは、上記に議論されるように、高価であり、処分することが煩雑である。
【0018】
他方、本開示のAPDシステムおよび関連付けられる方法論は、そのPDシステムの流体搬送部分の多くを、治療後に消毒される、再使用可能構成要素に変換する。機械または循環装置内の流体ラインは、再使用される。残りの使い捨てアイテムは、患者および排出ラインと、透析流体容器またはバッグと、溶液ラインとを含んでもよい。流体容器またはバッグに、またはオンライン透析流体発生源に接続されないとき、再使用可能透析流体ラインは、専用消毒コネクタに、またはそれら自体に接続されてもよい。いずれの実施形態でも、再接続された透析流体ラインは、消毒ループを形成し、これは、治療後の消毒を可能にする。消毒流体として水または残りの透析流体のいずれかを使用し、それを消毒温度、例えば、70℃~130℃まで加熱することが、想定される。消毒される流動構成要素、ライン、および管は、金属、例えば、ステンレス鋼、またはプラスチック、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)またはポリエチレン(「PE」)、ポリウレタン(「PU」)、またはポリカーボネート(「PC」)等の非PVC材料であってもよい。
【0019】
機械または循環装置の筐体の内側に、再使用可能管類ラインが、1つまたはそれを上回る透析流体ライン弁を通して延設される。ある実施形態では、血液またはPD機械の弁のうちのいずれかは、PD流体が本体を通して流動しないように閉塞する(例えば、給電されないとき)、またはPD流体が本体を通して流動することを可能にする(例えば、給電されるとき)、再使用可能弁本体を有する、電気的に作動されるソレノイド弁であってもよい。透析流体ライン内ヒータもまた、一実施形態では、提供され、電気的に作動されてもよい。ライン内ヒータは、例えば、加熱のための透析流体を受け取る、再使用可能ヒータ本体を有する、抵抗ヒータである。ある実施形態におけるライン内ヒータは、PDに関して少なくとも300ミリリットル(「ml」)/分の流量において、およびHDに関してより高い流量において、室温から体温、例えば、37℃まで透析流体を加熱することが可能である。1つまたはそれを上回る温度センサが、温度制御のためのフィードバックを提供するために、ヒータに隣接して、例えば、ヒータから下流に位置してもよい。PDに関する代替実施形態では、ヒータは、上記に議論される加熱パラメータを達成することが可能である、バッチヒータ、例えば、抵抗プレートバッチヒータであってもよい。
【0020】
本明細書に議論される機械実施形態は、正確な容積式ポンプ等の単一の再使用可能透析流体ポンプを含む。再使用可能ポンプは、圧送のための血液またはPD透析流体を受け取る、再使用可能ポンプ本体を含む。すなわち、ポンプは、透析流体が管またはカセット等の使い捨てアイテム内で流動することを要求しない。再使用可能容積式透析流体ポンプは、本質的に正確であり得る、電気的に動作されるピストン、膜、または歯車ポンプであってもよい。透析流体ポンプは、単一のポンプが提供され得るように、一実施形態では、双方向的かつ持続的である。透析流体ポンプは、透析流体ポンプへの電流のレベルまたはパルスレートを制御することによって、圧力限界において、またはそれを下回って透析器または患者に、およびそこから圧送するように制御可能であってもよい。圧力限界は、血液治療対PDに関して異なるが、いずれの場合も、順守される。
【0021】
本明細書に説明される実施形態はそれぞれ、膜またはダイヤフラムによって分離される明確に画定された容積チャンバを含む、1つまたはそれを上回る容積式平衡チャンバを含む。ダイヤフラムは、同一の体積の流体、例えば、使用済みまたは未使用透析流体を受容することによって、ある体積の流体、例えば、未使用または使用済み透析流体を一掃するために、チャンバ内で往復して撓曲することが可能である。容積式平衡チャンバは、血液治療対PDにおいて異なるように使用されてもよいが、しかしながら、実施形態毎に、それらは、単一の透析流体ポンプが使用されることを可能にする。単一の透析流体ポンプは、弁の状態によって決定されるように、容積式平衡チャンバのそれぞれに圧送する。弁は、未使用または使用済み透析を容積式平衡チャンバに指向し、未使用または使用済み透析流体が、それぞれ、チャンバから透析器/患者に、またはドレインに送達されることを可能にするように順序制御される。容積式平衡チャンバはまた、それらの既知の容積出力が、ピストンポンプのストローク容積が経時的に変化しないことをチェックするために使用され得る点において、監督タスクを実施する。
【0022】
本開示の血液治療またはPDバージョンのいずれかは、透析流体のオンライン源とともに、または透析流体の容器とともに動作してもよい。長期用機械のためのHDおよびHDFと関連付けられる流量は、高すぎて、実践的な方法で容器またはバッグを使用することができない場合がある。しかしながら、CRRT血液治療は、典型的には、透析流体の容器またはバッグを使用する。PDに関して、機械が、オンラインまたは袋詰め透析流体のいずれか、例えば、使い捨て廃棄物を低減させるために自宅でオンライン流体、およびオンライン透析流体発生ユニットを輸送することが困難である外出先で袋詰め流体とともに動作することが可能であることが、望ましくあり得る。PDに関する本開示の利点は、オンライン流体発生源または袋詰め透析流体のいずれかが、異なる患者充填のために異なる透析流体グルコースレベル、例えば、1.36%グルコースPD流体対2.27%グルコースPD流体を提供し得ることである。イコデキストリン等のPD流体の異なる製剤の最後の容器もまた、提供されてもよい。精製水源を有するオンライン透析流体発生システムの別の利点は、ピストンポンプが、多くの場合、精製水源から取り出すことによって提供され得る、潤滑のための洗流流動を要求することである。
【0023】
本明細書に議論される実施形態はそれぞれまた、透析流体から除去された空気を閉じ込め、透析流体のボーラスまたはバッファを提供するために、空気トラップを含んでもよい。空気トラップはまた、治療の終了時の消毒シーケンスに関与してもよい。空気トラップは、例えば、使用済み透析流体ライン内に位置してもよい。通気弁が、空気トラップの上部から提供されてもよく、これは、空気トラップから、例えば、大気に空気を通気し、消毒シーケンスの間に使用されてもよい。ある実施形態では、1つまたはそれを上回るレベルセンサが、所望のレベルまたはレベルの範囲の透析流体が空気トラップ内に維持され得るように、空気トラップに隣接して位置する。
【0024】
本明細書に議論される実施形態はそれぞれまた、未使用および使用済み血液またはPD透析流体の圧力を検出するための1つまたはそれを上回る圧力センサを含んでもよい。圧力センサは、圧送圧力限界を超えないことを確実にするために使用される、正および負の透析器(血液)または患者(PD)圧送圧力信号を出力する。1つまたはそれを上回る温度補償伝導率センサもまた、所望される場合、オンライン混合および使用済みPD流体の評価のためのフィードバックを与えるために提供されてもよい。
【0025】
本開示の血液治療およびPD機械は、圧力センサ、1つまたはそれを上回る温度センサ、および伝導率センサから信号または出力を受信し、信号または出力をフィードバックとして処理する、1つまたはそれを上回るプロセッサと、1つまたはそれを上回るメモリとを有する、制御ユニットを含む。制御ユニットは、圧力フィードバックを使用し、治療の間の安全な圧力限界および消毒の間の安全なシステム限界において圧送するように透析流体ポンプを制御する。制御ユニットは、温度フィードバックを使用し、未使用透析流体を、例えば、体温まで加熱するように透析流体ヒータを制御する。制御ユニットはまた、容積式平衡チャンバによって実行されたストロークをカウントし、透析器または患者に送達された未使用透析流体の合計量および透析器または患者から除去された使用済み透析流体の合計量を決定する。制御ユニットはまた、それらの量を比較し、(血液治療およびPDの両方に関して)患者から除去された限外濾過(「UF」)の全体量を決定する。
【0026】
制御ユニットはまた、透析流体弁を開放および閉鎖し、透析流体ポンプの動作と組み合わせて容積式平衡チャンバを順序制御し、プライミングシーケンス、治療シーケンス(血液治療対PDに関して異なる)、および治療後の消毒シーケンスを実行する。制御ユニットはまた、治療および消毒シーケンスの間にヒータに給電する。
【0027】
本明細書に記載される開示に照らして、いかようにも本開示を限定することなく、任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第1の側面では、透析システムは、透析流体計量ポンプと、第1の固定容積チャンバと、第1の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される、第1のダイヤフラムとを含む、第1の容積式平衡チャンバと、第1の容積式平衡チャンバと透析流体計量ポンプへの入口との間に延在する、第1の出口ラインと、第1の容積式平衡チャンバと排出ラインとの間に延在する、第2の出口ラインと、第1の容積式平衡チャンバと透析流体計量ポンプからの出口との間に延在する、第1の入口ラインと、第1の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する、第2の入口ラインと、第2の固定容積チャンバと、第2の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される、第2のダイヤフラムとを含む、第2の容積式平衡チャンバと、第2の容積式平衡チャンバと透析流体計量ポンプへの入口との間に延在する、第1の出口ラインと、第2の容積式平衡チャンバと排出ラインとの間に延在する、第2の出口ラインと、第2の容積式平衡チャンバと透析流体計量ポンプからの出口との間に延在する、第1の入口ラインと、第2の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する、第2の入口ラインとを含む。
【0028】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第2の側面では、透析システムは、血液透析(「HD」)システムであり、未使用HD流体が、透析流体計量ポンプが少なくとも1つの第1の出口ラインを介して第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方から未使用HD流体を引動することを介して、透析器に送達される。
【0029】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第3の側面では、少なくとも1つの第1の出口ラインを介して、第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方から未使用HD流体を引動することは、使用済み透析流体を、第1または第2の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する、少なくとも1つの第2の入口ラインを介して、第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方に充填させる。
【0030】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第4の側面では、HDシステムは、透析流体計量ポンプから上流または下流に位置する、ライン内透析流体ヒータを含む。
【0031】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第5の側面では、第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方からの未使用HD流体の引動は、所望の量の未使用HD流体が透析器に送達されるまで、繰り返される。
【0032】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第6の側面では、透析器への未使用HD流体の送達を繰り返すことに先立って、第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方は、未使用HD流体で補充される。
【0033】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第7の側面では、透析システムは、血液透析(「HD」)システムであり、使用済みHD流体が、少なくとも1つの第2の出口ラインを介して、かつ透析流体計量ポンプが少なくとも1つの第1の入口ラインを介して第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方に未使用HD流体を押動することを介して、排出ラインに送達される。
【0034】
第7の側面と併用され得る、本開示の第8の側面では、HDシステムは、使用済みHD流体が、使用済みHD流体が排出ラインに送達されるとき、使用済み透析流体ラインに沿って流動することを妨げられるように構成される。
【0035】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第9の側面では、透析システムは、血液透析(「HD」)システムであり、限外濾過(「UF」)ストロークが、透析器への未使用HD流体の対応する送達を伴わずに、排出ラインに使用済みHD流体を押動することを介して生じる。
【0036】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第10の側面では、UFストロークが、透析流体計量ポンプが第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの一方から未使用HD流体を引動し、第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの他方に未使用HD流体を押動し、それによって、透析器への未使用HD流体の対応する送達を伴わずに、排出ラインに使用済みHD流体を押動することを介して生じる。
【0037】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第11の側面では、透析流体計量ポンプによる第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの一方からの未使用HD流体の引動は、対応して、第1または第2の容積式平衡チャンバの中に使用済みHD流体を引動する。
【0038】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第12の側面では、UFストロークまたは部分的UFストロークが、所望の量のUFが排出ラインに除去されるまで、繰り返される。
【0039】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第13の側面では、透析システムは、腹膜透析(「PD」)システムであり、未使用PD流体が、透析流体計量ポンプを介して患者ラインに送達される。
【0040】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第14の側面では、透析流体計量ポンプの正確性は、処方された量の未使用PD流体を患者に圧送するために、依拠される。
【0041】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第15の側面では、PDシステムは、処方された量の未使用PD流体を患者に送達した後、患者滞留を実施するように構成される。
【0042】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第16の側面では、PDシステムは、使用済みPD流体が、第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方に送達され、そこから除去される、患者排出を実施するように構成される。
【0043】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第17の側面では、PDシステムは、患者から除去された使用済みPD流体の量から、患者ラインに送達された未使用PD流体の量を差し引くことによって、患者から除去された過剰な流体の量を決定するように構成される。
【0044】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第18の側面では、PDシステムは、(i)患者ラインが、未使用区間と、使用済み区間とを含む、持続的循環腹膜透析(「CCPD」)システムまたは(ii)患者ラインが、未使用PD流体患者ラインおよび使用済みPD流体患者ラインに分離される、持続的流動腹膜透析(「CFPD」)システムである。
【0045】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第19の側面では、透析システムは、透析流体計量ポンプと、透析流体計量ポンプとともに動作するように位置付けられ、配列される、第1の容積式平衡チャンバであって、第1の固定容積チャンバと、第1の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される、第1のダイヤフラムとを含む、第1の容積式平衡チャンバと、透析流体計量ポンプとともに動作するように位置付けられ、配列される、第2の容積式平衡チャンバであって、第2の固定容積チャンバと、第2の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される、第2のダイヤフラムとを含む、第2の容積式平衡チャンバと、第1および第2の容積式平衡チャンバとともに流体的に動作可能である、第1および第2のポートと、血液透析を実施するための、第1および第2のポートおよび透析器に接続可能である、第1および第2の可撓性透析流体ラインと、持続的循環腹膜透析を実施するための、第1のポートに接続可能である、未使用区間と、第2のポートに接続可能である、使用済み区間とを含む、PD流体患者ラインと、持続的流動腹膜透析を実施するための、第1のポートに接続可能である、未使用PD流体患者ラインおよび第2のポートに接続可能である、使用済みPD流体患者ラインとを含む。
【0046】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第20の側面では、第1および第2の可撓性透析流体ラインは、第1および第2のポートにシールするポート蓋を介して第1および第2のポートに接続可能である。
【0047】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第21の側面では、透析システムは、再循環コネクタを含み、第1および第2の可撓性透析流体ラインは、透析器から接続解除されるとき、消毒のために再循環コネクタに接続可能である。
【0048】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第22の側面では、透析システムは、計量ポンプおよび第1および第2の容積式平衡チャンバを保持する、筐体を含み、第1および第2のポートおよび再循環コネクタは、筐体によって提示される。
【0049】
任意の他の側面またはその一部と併用され得る、本開示の第23の側面では、図1-14のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものに関連して説明される特徴、機能性、および代替物のうちのいずれかは、図1-14のうちの任意のその他に関連して説明される特徴、機能性、および代替物のうちのいずれかと組み合わせられてもよい。
【0050】
上記の側面および本明細書に記載される本開示に照らして、そうでなければ使い捨てであり得る、多くの構成要素を再使用する、透析流体機械および関連付けられるシステムを提供することが、本開示の利点である。
【0051】
管または可撓性シーティング等の使い捨てアイテムとともに動作する必要性を伴わずに、透析流体を直接受け取る、流体取扱構成要素を提供することが、本開示の別の利点である。
【0052】
血液治療(HD、HHD、HF、HDF、CRRT)またはPDのために使用され得る、透析流体回路を提供し、製造、訓練、および保守を合理化することが、本開示のさらなる利点である。
【0053】
透析器または患者に、およびそこから圧送するために使用され得る、単一の容積式ポンプを提供することが、本開示のまた別の利点である。
【0054】
ポンプが未使用透析流体のみを監督し、使用済み透析流体または患者廃液を圧送することを回避することを可能にする、透析流体回路を提供することが、本開示のなおも別の利点である。
【0055】
消毒の間に残りの治療流体を使用し得る、透析流体機械および関連付けられるシステムを提供することが、本開示のなおも別の利点である。
【0056】
付加的特徴および利点が、以下の詳細な説明および図に説明され、そこから明白となるであろう。本明細書に説明される特徴および利点は、包括的ではなく、特に、多くの付加的特徴および利点が、図および説明を考慮して、当業者に明白となるであろう。また、任意の特定の実施形態は、本明細書に列挙される利点の全てを有する必要性はなく、個々の有利な実施形態を別個に請求することが、明確に想定される。また、本明細書に使用される言語が、本発明の主題の範囲を限定するためではなく、主として、可読性および指導的目的のために選択されていることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1図1は、始動段階における本開示の血液治療透析機械および関連付けられるシステムの一実施形態の概略図である。
【0058】
図2図2は、透析流体流動段階における図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムの概略図である。
【0059】
図3図3は、補充段階における図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムの概略図である。
【0060】
図4図4は、限外濾過(「UF」)段階における図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムの概略図である。
【0061】
図5図5-9は、図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムに関する代替弁順序制御およびポンプ動作を図示する。
図6図5-9は、図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムに関する代替弁順序制御およびポンプ動作を図示する。
図7図5-9は、図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムに関する代替弁順序制御およびポンプ動作を図示する。
図8図5-9は、図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムに関する代替弁順序制御およびポンプ動作を図示する。
図9図5-9は、図1の血液治療透析機械および関連付けられるシステムに関する代替弁順序制御およびポンプ動作を図示する。
【0062】
図10図10は、充填段階における本開示の腹膜透析(「PD」)機械および関連付けられるシステムの一実施形態の概略図である。
【0063】
図11図11は、排出段階における本開示の図10のPD機械および関連付けられるシステムの一実施形態の概略図である。
【0064】
図12図12は、本開示の持続的流動腹膜透析(「CFPD」)機械および関連付けられるシステムの一実施形態の概略図である。
【0065】
図13図13は、本開示の組み合わせまたはハイブリッドPD機械および関連付けられるシステムの一実施形態の概略図である。
【0066】
図14図14は、本明細書に説明される機械およびシステムのうちのいずれかと併用され得る、オンライン透析流体混合回路(血液またはPD)の一実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
詳細な説明
血液治療システム
ここで図面、特に、図1を参照すると、本開示の血液治療(「HD、HHD、HDF、CRRT」)システム10aおよび関連付けられる方法論は、血液治療透析機械20aを含む。システム10aおよび透析機械20aは(本明細書に説明される他のシステムおよび循環装置と同様に)、可能な限り多くの使い捨てアイテムを排除し、代わりに、その流体搬送部分の大部分を、治療後に消毒される、再使用可能構成要素として提供することを試みる。透析機械20aは、本明細書に説明される再使用可能流動構成要素および管またはラインを保持する、筐体22を含む。本明細書に議論される筐体および再使用可能流動構成要素およびラインのうちのいずれかは、金属、例えば、ステンレス鋼、またはプラスチック、例えば、ポリ塩化ビニル(「PVC」)またはポリエチレン(「PE」)、ポリウレタン(「PU」)、またはポリカーボネート(「PC」)等の非PVC材料から作製されてもよい。筐体は、加えて、または代替として、鋼および/またはアルミニウムから作製されてもよい。
【0068】
透析機械20aは、本質的に正確であり得る、電気的に動作されるピストン、膜、または歯車ポンプ等の透析流体ポンプ24を含む。透析機械はまた、室温またはより低い温度から体温、例えば、37℃まで血液治療透析流体を加熱することが可能である、ライン内ヒータ等のヒータ26を含む。ヒータ26は、これが、透析器12への流動のための700ミリリットル(「ml」)/分等の任意の規定された流量のための処方された温度まで流体を加熱し得るように定寸される。ヒータ26は、断続的な透析流体流動を加熱するためにオンおよびオフを繰り返されることが可能であり、ヒータは、透析流体がヒータを通して流動するときのみ給電される。ヒータ26はまた、本明細書に議論される消毒温度のうちのいずれかにおいて、かつ任意の所望の消毒流量において消毒流体を供給することが可能である。
【0069】
ヒータ26がまた、治療および消毒以外の目的のために使用され得ることを理解されたい。ヒータ26は、例えば、透析流体調製の間に使用されてもよい。ヒータ26は、正確な混合を検証するために使用される、1つまたはそれを上回る伝導率センサ(例えば、伝導率センサ38)を通過する流体の流体温度を制御する。固定温度は、伝導率測定をより正確にする。システム10aを含む、本明細書に説明されるシステムは、代替として、1つが透析流体混合のためのものであり、別のものが治療のためのものである、2つのヒータを提供してもよく、2つのヒータは、それらの用途のために異なるように、かつ適切に定寸される。
【0070】
透析機械20aは、透析流体が本体を通して流動しないように閉塞する(例えば、給電されないとき)、または透析流体が本体を通して流動することを可能にする(例えば、給電されるとき)、再使用可能弁本体を有する、電気的に作動されるソレノイド弁であり得る、複数の弁28a-28vを含む。弁28aは、未使用透析流体入口弁である。弁28bは、上流の未使用透析流体切換弁である。弁28cは、未使用透析流体出口弁である。弁28dは、使用済み透析流体入口弁である。弁28eは、下流の未使用透析流体切換弁である。弁28f-28iは、第1の容積式平衡チャンバ40aのための未使用および使用済み透析流体入口および出口弁である。弁28j-28mは、第2の容積式平衡チャンバ40bのための未使用および使用済み透析流体入口および出口弁である。弁28vは、図示される実施形態では、使用済み透析流体で充填される、空気トラップ30を具備する、通気弁である。通気弁28vは、治療の間に空気トラップ30から大気に空気を通気し、治療の終了時の消毒のための消毒ループを生成するために使用されてもよい。ある実施形態では、1つまたはそれを上回るレベルセンサ32a、32bが、所望のレベルまたはレベルの範囲のPD流体が空気トラップ内に維持され得るように、空気トラップ30に隣接して位置する。空気トラップ30の設置は、それらの正確度に影響を及ぼし得る、空気が容積式平衡チャンバ40aおよび40bに到達しないことを防止することに役立つ。レベルセンサ32a、32bは、使用済み透析流体対空気トラップ30の内側の空気を区別することが可能な超音波、静電容量、誘導、または光学センサであってもよい。
【0071】
透析機械20aはまた、未使用透析流体圧力センサ34fと、使用済み透析流体圧力センサ34uとを含む。圧力センサ34fおよび34uからの出力は、透析器12への、およびそこからの未使用および使用済み透析の圧送が、安全な限界内で(透析器を通して圧送される血液とともに)実施されることを確実にするために使用される。HDに関する、および小さい透析器12に関する実施例では、透析器に沿った透析流体圧力降下は、30mmHg未満であり得る一方、同一の透析器に沿った血液側圧力降下は、(300ml/分の血液側流量Qbに関して)60mmHg未満であり得る。より大きい透析器に関して、透析流体に関する圧力降下は、500ml/分の透析流体流量Qdにおいて30mmHg未満であり、700ml/分の透析流体流量Qdに関して40mmHg未満であり得る。同一の透析器に関する血液側圧力降下は、300ml/分の血液側流量Qbに関して100mmHg未満であり得る。CRRTに関する流量は、使用される透析器と同様に異なる。ここでは、CRRT透析器12の中への透析流体入口圧力は、約170mmHgであり得る一方、透析器からの透析流体圧力出口は、約135mmHgであり得る。
【0072】
透析機械20aはさらに、ライン内ヒータ26に隣接して位置する、少なくとも1つの温度センサ36を含む。図示される実施形態では、温度センサ36は、ヒータ26から下流に位置する。第2の温度センサもまた、ヒータ26から上流に位置してもよい。温度センサ36からの出力は、未使用透析流体がそれを通して流動しているとき、入口ヒータ26に供給される電力の量を制御するためのフィードバックとして使用される。
【0073】
透析機械20aはさらに、温度補償され得る、少なくとも1つの伝導率センサ38を含む。図1では、伝導率センサ38は、下記に議論されるPD実施形態により適用可能であり得る、使用済み透析流体を感知するように位置して示される。伝導率センサはまた、図14の下記のオンライン透析流体混合回路とともに動作して示される。
【0074】
システム10aの透析機械20aは、1つまたはそれを上回るプロセッサ52と、1つまたはそれを上回るメモリ54と、機械のユーザインターフェースと関連付けられるディスプレイデバイス58を制御する、ビデオコントローラ56とを有する、制御ユニット50を含む。制御ユニット50は、本明細書に議論される流動シーケンスに従って、透析流体ポンプ24、ライン内ヒータ26、弁28a-28mおよび28vのそれぞれを制御する。制御ユニット50はまた、レベルセンサ32a、32b、圧力センサ34f、34u、1つまたはそれを上回る温度センサ36、および1つまたはそれを上回る伝導率センサ38から出力を受信し、本明細書に議論されるフィードバック目的のために、また、ディスプレイデバイス58において所望される任意の読出値のために、それらの出力を使用する。
【0075】
ユーザインターフェース60は、ディスプレイデバイス58とともに動作可能なタッチスクリーンおよび/またはユーザコマンドを入力するための膜スイッチ等の1つまたはそれを上回る電気機械的ボタンを含んでもよい。ユーザインターフェース60は、ディスプレイデバイス58においてユーザに情報を表示し、また、アラーム、アラート、および/または音声ガイダンスコマンドを出力するための1つまたはそれを上回るスピーカを含んでもよい。ユーザインターフェース60は、図1に図示されるような透析機械20aを具備し、および/または制御ユニット50とともに動作する遠隔ユーザインターフェースであってもよい。制御ユニット50はまた、医師および/または臨床医のコンピュータとインターフェースをとる医師または臨床医のサーバに治療データを送信し、およびそこから処方命令を受信するために、送受信機(図示せず)と、ネットワーク、例えば、インターネットへの有線または無線接続とを含んでもよい。ネットワークは、透析機械20a(および本明細書に説明される各付加的透析機械)および医師および/または臨床医のコンピュータが相互作用することを可能にする、「クラウド」の形態であってもよい。
【0076】
容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、それらが電気的入力を受信せず、制御ユニット50による直接制御下にない点において、受動的構成要素である。容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、代わりに、それらの関連付けられる弁によって指示されるような流体圧力を介して動作される。容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、それぞれ、本明細書に議論される任意の医療的に安全な材料から作製され得る、固定容積チャンバ42を含む。固定容積チャンバ42は、(i)ある体積の使用済み透析流体を受け取り、同様の体積の未使用透析流体を一掃し、(ii)ある体積の未使用透析流体を受け取り、同様の体積の使用済み透析流体を一掃するために往復して撓曲する、可撓性ダイヤフラムまたは膜44を含む。このように、透析器12に、およびそこから送達される未使用および使用済み透析流体は、合致される。可撓性ダイヤフラムまたは膜44は、複数の使用にわたって恒久的に変形しない、耐久性かつ医療的に安全なゴム、例えば、シリコーンから作製されてもよい。別個の動作が、次いで、透析器12から延在する動脈および静脈ライン14および16に接続される、患者から所望の量の限外濾過(「UF」)を除去するために、下記に議論されるように実施される。
【0077】
容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、代替として、制御ユニット50に出力する圧力センサを具備してもよく、これは、チャンバおよび接続ライン内の圧力が、透析流体漏出を引き起こす点まで上昇しないように、監督を提供する。平衡チャンバ圧力センサ、またはおそらく、位置センサは、ダイヤフラムまたは膜44によって行われたストロークの数をカウントするために提供されてもよい。容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、単一の透析流体ポンプ24が、採用され得るように、膜44の一方の側から他方にエネルギーを伝達する。ある実施形態における透析流体ポンプ24は、膜44が、チャンバの外側剛性壁に到達する必要性がないように、流動および体積を追跡するために使用される。膜44がストロークの終わりに到達したかどうかを検出するために、圧力センサ34fおよび34uからの出力を使用することが、想定される。圧力センサ34fは、チャンバ40aおよび40bの正圧側上に位置し、したがって、高い正圧に関するいかなるリスクも存在しないように、剛性チャンバ内の既知の位置に膜44を設定するために使用されてもよい。
【0078】
容積式平衡チャンバ40aおよび40bに関して、弁28hおよび28mは、それぞれ、未使用透析流体入口弁である。弁28gおよび28jは、それぞれ、未使用透析流体出口弁である。弁28iおよび28lは、それぞれ、使用済み透析流体入口弁である。弁28fおよび28kは、それぞれ、使用済み透析流体出口弁である。
【0079】
図1-4では、黒塗りの弁は、開放している一方、黒塗りされていない弁は、閉鎖されている。図1は、オンライン透析流体発生源が、袋詰め透析流体の代わりに使用されると仮定して、制御ユニット50が、伝導率読取値を介して、未使用透析流体組成が正しいことを検証する、始動段階を図示する。制御ユニット50はまた、例えば、ピストンポンプ24およびオンライン透析流体発生源と関連付けられるポンプの比率を設定する。図1では、制御ユニット50は、透析流体ポンプ24が、排出ライン48dを介して未使用透析流体をドレインに圧送し得るように、未使用透析流体入口弁28a、上流の切換弁28b、および下流の切換弁28eを開放させる。容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、関与しない。
【0080】
図1の始動段階は、最初に、必要な再使用可能および使い捨て流体ラインおよび必要な流動構成要素が透析機械20aから空気を除去するためにプライミングされる、プライミングシーケンスの間に実施されてもよい。ここでは、治療の間に透析器12に接続される可撓性透析流体ライン62a、62bは、代わりに、それぞれ、再循環コネクタ64a、64bに接続され、流体側治療ループを形成する。ある実施形態では、透析器12および容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、本段階の間にプライミングされない。透析器12は、通気弁28vを閉鎖し、空気トラップ30を充填することによって、後でプライミングされてもよい。図1の始動段階は、透析流体ポンプ24および透析流体混合回路(図14)のポンプの比率を再設定するために、図1に示されるような透析器12に接続される可撓性透析流体ライン62a、62bを用いて、治療の間に1回またはそれを上回る回数で、再び実施されてもよい。
【0081】
図2は、制御ユニット50が、使用済み透析流体を再使用可能使用済み透析流体ライン48uを通して透析器12から除去させ、同様の量の未使用透析流体を未使用透析流体ライン48fを介して透析器12に送達させる、透析流体流動段階を図示する。ここでは、制御ユニット50は、上流の切換弁28b、未使用透析流体出口弁28c、使用済み透析流体入口弁28d、第1および第2のチャンバの使用済み透析流体入口弁28iおよび28l、および第1および第2のチャンバの未使用透析流体出口弁28gおよび28jを開放させる。制御ユニット50は、透析流体ポンプ24に、容積式平衡チャンバ40aおよび40bから、ライン内ヒータ26を通して、未使用透析流体を引動させ、そこで、未使用透析流体は、体温または37℃まで加熱され、その後、加熱された未使用透析は、未使用透析流体ライン48fおよび可撓性透析流体ライン62bを介して透析器12に送達される。その圧送作用は、容積式平衡チャンバ40aおよび40bの剛性チャンバ42を横断してダイヤフラム44を引動し、透析器12から、可撓性透析流体ライン62aおよび使用済み透析流体ライン48uを通して、両方の剛性チャンバ42の中に、同様の体積の使用済み透析流体を引動する、負圧を生成する。
【0082】
容積式平衡チャンバ40aおよび40bは両方とも、図2の透析流体流動段階において使用されるものとして図示されるが、単一の容積式平衡チャンバ40aまたは40bのみが、代替実施形態において使用され得ることを理解されたい。一実施例では、チャンバのうちの一方、例えば、上側チャンバ40aは、主要治療チャンバであることに専用である一方、他方または下側チャンバ40bは、下記に詳細に議論される「UF引動」チャンバとして使用される。ここでは、システム10aは、チャンバ内に存在する体積、およびその中のこれが常駐する膜44の側を常に把握する。合計でn回のサイクルが、上側チャンバを充填し、空にするために実行されてもよく、次いで、n+1サイクルで、UFチャンバが、使用される(これはまた、完全チャンバストロークの一部のみであってもよい)。
【0083】
図3は、制御ユニット50が、使用済み透析流体を、排出ライン48dを介して容積式平衡チャンバ40aおよび40bからドレイン(容器または屋内ドレイン)に送達させ、これは、同様の量の未使用透析流体が、それぞれ、透析流体入口ライン48iおよび再循環ライン48aおよび48bを介して容積式平衡チャンバ40aおよび40bに送達されることによって引き起こされる、透析流体補充段階を図示する。ここでは、制御ユニット50は、未使用透析流体入口弁28a、上流の未使用透析流体切換弁28b、未使用透析流体入口弁28h、28m、および使用済み透析流体出口弁28fおよび28kを開放させる。制御ユニット50は、図示される実施形態では、透析流体ポンプ24に、未使用透析流体を容積式平衡チャンバ40aおよび40bの中に押動させ、ライン内ヒータ26を迂回する。その圧送作用は、容積式平衡チャンバ40aおよび40bの剛性チャンバ42を横断してダイヤフラム44を押動し、チャンバ40aおよび40bから、排出ライン48dを通して、ドレイン容器または屋内ドレインに、同様の体積の使用済み透析流体を押動する、正圧を生成する。
【0084】
容積式平衡チャンバ40aおよび40bは両方とも、透析流体補充段階において使用されるものとして図示されるが、単一の容積式平衡チャンバ40aまたは40bのみが、代替実施形態において使用され得ることを理解されたい。また、図3の透析流体補充段階の完了時、チャンバ40aおよび40bからの透析流体が、未使用透析流体で満杯であり、したがって、図2の透析流体流動段階を実施することができる状態であることを理解されたい。図2および3の段階は、したがって、所望に応じて何回でも逐次繰り返し順序制御されてもよい。補充段階は、透析器12を伴わないため、透析器と関連付けられるいかなる圧力要件も、適用可能ではない。制御ユニット50は、したがって、ポンプの能力、およびおそらく、チャンバ40aおよび40bと関連付けられる安全な動作圧力限界によって制約される、より速い圧送率において透析流体ポンプ24を動作させてもよい。透析器12への、およびそこからの未使用および使用済み透析流体流動は、したがって、チャンバ40aおよび40bを再装填するためのわずかな時間の休止のみを伴って、より持続的であり得る。
【0085】
透析器12への、およびそこからの透析流体流動が、補充に起因する断続的な流動に起因して低減される場合であっても、より低い透析流体流量は、システム10aが、自宅におけるHHDまたは病院におけるCRRTを提供するために採用される場合、治療時間が、両方の場合において、診療所における長期治療のためのものよりも長くなり得るため、問題とならない。HHD治療は、患者が眠っている間に実施され得、これは、潜在的に、典型的な4時間の長期治療と比較して、治療のために2倍多くの時間を提供する。CRRTは、患者が病院で処置を受ける間に持続的に実施され、したがって、治療時間および透析流体流量は、問題とならない。典型的な長期HD治療は、約4時間の治療時間および500ミリリットル/分(ml/分)の透析流体流量Qdおよび300ml/分の血液流量Qbを有する。これらの流量で、例えば、Revaclear 300透析器を使用すると、尿素の低減は、C、尿素(t=4時間)/C、尿素(t=0)=0.272と計算され、4時間の治療後に27.2%を残す。β2M(中分子)に関して、対応する結果は、31%が4時間の治療後に残されるというものである。
【0086】
1つのシナリオにおいて、システム10aが、100ml/分の透析流体流量Qdしか達成しないと仮定され、血液流量Qbが300ml/分のままであると仮定する場合、治療時間が、8時間に拡大することが可能にされる場合、尿素除去は、ほぼ同一の時点で27.3%が残される結果となる一方、β2M低減は、実際に、13.5%が残されるまで改善する。システム10aは、したがって、血液流量Qbが300ml/分に留まり、治療時間が拡大されると仮定して、透析流体流量Qdが、大幅に低減される場合であっても、等しく効率的な治療を送達し得る。また、システム10aに関して、透析流体が、図3の補充段階および図4のUF段階(下記)の間に透析器12内で流動していない場合であっても、拡散が、依然として生じることに留意されたい。
【0087】
図4は、制御ユニット50が、未使用透析流体を、再循環ライン48aまたは48bを介して一方の容積式平衡チャンバ40aまたは40bから他方に送達させ、これは、ひいては、排出ライン48dを介して未使用透析流体受容平衡チャンバ40aまたは40bからドレイン(容器または屋内ドレイン)に使用済み透析流体を押動する、限外濾過またはUD段階を図示する。図示される実施形態では、制御ユニット50は、未使用透析流体出口弁28g、使用済み透析流体入口弁28d、使用済み透析流体入口弁28i、使用済み透析流体出口弁28k、および未使用透析流体入口弁28mを開放させる。制御ユニット50は、透析流体ポンプ24に、容積式平衡チャンバ40aから未使用透析流体を引動させ、容積式平衡チャンバ40bにそれを押動させ、その間、ライン内ヒータ26は、給電される場合とそうではない場合がある。その圧送作用は、容積式平衡チャンバ40aの剛性チャンバ42を横断してダイヤフラム44を引動し、透析器12から、使用済み透析流体ライン48uを通して、容積式平衡チャンバ40aの中に、同様の体積の使用済み透析流体を引動する、負圧を生成する。その圧送作用はまた、容積式平衡チャンバ40bの剛性チャンバ42を横断してダイヤフラム44を押動し、排出ライン48dを介して容積式平衡チャンバ40bからドレインに同様の体積の使用済み透析流体を押動する、正圧を生成する。
【0088】
UF段階は、容積式平衡チャンバの容積分の使用済み透析流体が、対応する体積の未使用透析流体が透析器12に送達されることなく、ドレインに送達されるため、患者から(透析器12を介して)流体を除去する。図4のUF段階の終了時に、容積式平衡チャンバ40aは、使用済み透析流体で満杯であり、これは、次いで、容積式平衡チャンバ40bから未使用透析流体を介してドレインに押動され、対応する体積の未使用透析流体が透析器12に送達されることなく、別の容積式平衡チャンバの容積分のUE流体がドレインに送達される結果をもたらし得る。制御ユニット50は、往復して順序制御され、所望の局所UF体積に到達するまで、UF体積をドレインに除去し得る。所望の局所UF体積に到達すると、容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、透析器12への、およびそこからの送達および補充が継続し得るように、同一の状態または条件、例えば、両方とも未使用または使用済み透析流体のいずれかで満杯に設定される。
【0089】
システム10aは、UFが、これが所望されるときに常に実施され得、患者および/または治療目的のために最適化され得るため、有利である。UF除去は、主として、または完全に治療の開始時に、主として、または完全に治療の終了時に、主として、または完全に治療の最中に、または治療全体にわたって均等であることを含む、任意の所望のUFプロファイルに従って実施されてもよい。例えば、図2のN回の透析流体流動段階ストロークの後、制御ユニット50は、図4の2回のUFストロークを生じさせ、その後、制御ユニット50は、使用済み透析流体を有する容積式平衡チャンバ40aまたは40bのいずれかを未使用透析流体で補充する。UFプロファイルは、患者特有であり、1つまたはそれを上回るメモリ54内に記憶されてもよい。任意の患者が、1つまたはそれを上回る記憶されたUFプロファイルを有してもよい。
【0090】
上記に言及されるより長い治療時間はまた、UF除去率が低下されることができるため、UFにとって有益である。10ml/時間/kg未満のUF除去率が、心血管および他のタイプの併存疾患に関するより低いリスクをもたらすことが示されている。(Kidney International 2011)。8時間の治療を実施する70kgの患者に関して、10ml/時間/kg未満のUF除去率が、除去されるべきUF体積が、5,600ml未満である場合、達成される(4,480mlが8ml/時間/kgのペースで達成されることに留意されたい)。有意な量のUFが、それに応じて、10ml/時間/kgを下回ったままでありながら、8時間の治療にわたって除去され得る。
【0091】
システム10aに関する以下の実施例では、以下を仮定する。
Qb=300ml/分
Quf=60ml/分(Qbの20%としてこれを求め、これは、一般的である)
Qd=160ml/分(透析器12への、およびそこからの流動)
Qrep=450ml/分(補充流体流動)
上記の実施例では、48リットルの透析流体(補充およびUF除去に起因してQd=160ml/分未満である、Qd(平均)=100[ml/分])を送達し、4,480mlのUFを引動するために、システム10aは、透析器12に、およびそこから透析流体を圧送する際に時間の62.3%(図2)、補充段階において時間の22.2%(図3)、およびUF段階において時間の15.5%(図4)を費やす。これを、標準的な長期治療に匹敵する効率を有することが公知である、8時間の単一の針治療における50/50分割と比較すると、システム10は、良好に機能することが予期される。再び、実施例において使用されるUF体積が、非常に高いと見なされ、したがって、8時間の治療時間が、必要とされない場合があり、短縮され得ることに留意されたい。
【0092】
体積を制御するために、容積式平衡チャンバ40a、40bの既知の容積が、透析流体ポンプ24、例えば、ピストンポンプの本質的な正確度に加えて、体積制御体積のために使用され得ることを理解されたい。すなわち、システム10aにおいて体積を制御するための2つの冗長な方法が、存在する。制御ユニット50は、平衡チャンバ40a、40bのストロークをカウントすることから決定された体積を、ピストンポンプ24が圧送したと制御ユニット50が見なすものと比較してもよい。比較される体積は、例えば、UF除去正確度を確実にするために両方の方法で決定される、UF除去体積であってもよい。
【0093】
治療後、制御ユニット50は、システム10aの血液治療透析機械20aに、消毒シーケンスを実施させる。ここでは、可撓性透析流体ライン62a、62bは、透析器12から接続解除され、代わりに、それぞれ、再循環コネクタ64a、64bに接続され、消毒ループを形成する。血液治療透析機械20aが、総合施設内の長期用機械である場合、消毒は、そのような状況において標準的であるように進行してもよく、精製水の供給品が、提供され、これは、加熱され、および/または消毒のために化学殺菌剤と組み合わせられてもよい。同様に、オンライン透析流体発生源または混合回路(図14)が、例えば、HHDのために提供される場合、精製水が、再び、加熱され、および/または消毒のために化学殺菌剤と組み合わせられてもよい。CRRTに関して、袋詰め治療流体が使用される場合では、袋詰め化学殺菌剤が、提供され(これもまた、加熱されてもよい)、透析流体入口ライン48iに接続されてもよい。オンライン透析流体発生源は、代替として、または加えて、CRRTと併用されてもよく、その場合では、オンライン源のための精製水が、加熱消毒のために使用されてもよい。上記のシナリオのうちのいずれかでは、排出ライン48dは、(i)ドレイン容器または屋内ドレインに延在して定位置に残され、(ii)除去および冠着され、または(iii)その遠位端において専用ポート(図示せず)に接続され、消毒ループの一部を形成してもよいが、透析機械20aの他の流体ラインと流体循環して排出ラインを設置することは、望ましくない場合がある。加熱および/または化学消毒流体は、ラインおよび構成要素の全ての内側表面が、次の治療のために血液治療透析機械20aを適切に消毒するために消毒流体によって十分に接触されるように、弁のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものまたは全てが順序制御される間、往復して圧送されてもよい。
【0094】
制御ユニット50による弁の順序制御および結果として生じるシステム10aの流体流路が、変動し得、ある望ましい特徴を達成するように選定され得ることを理解されたい。図5-9は、システム10aの動作のための制御ユニット50による弁の1つの可能性として考えられる代替順序制御を図示する。図5では、制御ユニット50は、弁28b、28c、28d、28g、28i、28j、および28lを開放する一方、他の弁は、閉鎖されたままである。制御ユニット50は、計量ポンプ24を実行し、これは、容積式平衡チャンバ40aおよび40bの両方から同時に未使用透析流体を引動し、それを未使用透析流体ライン48fおよび可撓性透析流体ライン62bを通して透析器12に押動する。剛性チャンバ42を横断する膜44の移動を介したそのような圧送作用はまた、使用済み透析流体を、透析器12から、可撓性透析流体ライン62aおよび使用済み透析流体ライン48uを通して引動させ、使用済み透析流体で容積式平衡チャンバ40a、40bを同時に充填する。
【0095】
チャンバ40aおよび40bが両方とも、同時に未使用透析流体を完全に空にされない場合、問題が、生じ得る。膜44が、剛性チャンバ42内のそれらの個別のストロークの終わり位置に到達するとき、いかなる動的圧力変化も、存在しないであろうため、制御ユニット50が、チャンバ40aおよび40bが両方とも完全に空にされるときを把握するために、圧力センサ34uからの出力を注視することが想定される。
【0096】
図6では、制御ユニット50は、弁28a、28b、28f、28h、28k、および28mを開放する一方、他の弁は、閉鎖されたままである。制御ユニット50は、計量ポンプ24を実行し、これは、未使用透析流体を容積式平衡チャンバ40aおよび40bの両方に同時に押動し、補充を遂行する。そのような圧送作用はまた、使用済み透析流体を、剛性チャンバ42を横断する膜44の移動に起因して、排出ライン48dを介してドレインに押動させる。チャンバ40aおよび40bが両方とも、同時に未使用透析流体で完全に充填されない場合、問題が、再び、生じ得る。膜44が、剛性チャンバ42内のそれらの個別のストロークの終わり位置に到達するとき、いかなる動的圧力変化も、存在しないであろうため、制御ユニット50が、チャンバ40aおよび40bが両方とも未使用透析流体で完全に充填されるときを把握するために、圧力センサ34fからの出力を注視することが想定される。
【0097】
図7では、制御ユニット50は、弁28a、28k、および28mを開放する一方、他の弁は、閉鎖されたままである。制御ユニット50は、計量ポンプ24を実行し、これは、未使用透析流体を容積式平衡チャンバ40bに押動する。そのような圧送作用はまた、使用済み透析流体を、剛性チャンバ42を横断する膜44の移動に起因して、排出ライン48dを介して容積式平衡チャンバ40bからドレインに押動させる。透析器12への未使用透析流体のいかなる対応する送達も、存在しないため、図7は、限外濾過調製シーケンスとしての役割を果たす。
【0098】
図8では、制御ユニット50は、弁28b、28d、28f、28h、28j、および28lを開放する一方、他の弁は、閉鎖されたままである。制御ユニット50は、計量ポンプ24を実行し、これは、容積式平衡チャンバ40bから未使用透析流体を引動し、それを容積式平衡チャンバ40aに押動する。そのような圧送作用はまた、使用済み透析流体を、剛性チャンバ42を横断する膜44の移動に起因して、排出ライン48dを介して容積式平衡チャンバ40aからドレインに押動させる。また、使用済み透析流体は、剛性チャンバ42を横断する膜44の移動に起因して、透析器12から容積式平衡チャンバ40bの中に引動される。透析器12への未使用透析流体のいかなる対応する送達も、存在しないため、図8は、チャンバ容積分の限外濾過が患者から除去される、第2の限外濾過シーケンスとしての役割を果たす。
【0099】
所望の量の限外濾過が患者から除去される結果をもたらす、複数の第1および第2の限外濾過シーケンスの終了時、容積式平衡チャンバ40aは、未使用透析流体で満杯である一方、容積式平衡チャンバ40bは、使用済み透析流体で満杯である。容積式平衡チャンバ40aおよび40bは両方とも、未使用透析流体がチャンバ40aおよび40bの両方から同時に透析器12に送達される、図5-9の治療を再開するために、未使用透析流体で満杯になる必要がある。図9では、制御ユニット50は、弁28a、28k、および28mを開放する一方、他の弁は、閉鎖されたままである。制御ユニット50は、計量ポンプ24を実行し、これは、未使用透析流体を容積式平衡チャンバ40bに押動する。そのような圧送作用はまた、使用済み透析流体を、剛性チャンバ42を横断する膜44の移動に起因して、排出ライン48dを介して容積式平衡チャンバ40bからドレインに押動させる。図9は、チャンバ40aおよび40bが両方とも未使用透析流体を透析器12に送達することができる状態になるように、容積式平衡チャンバ40bが未使用透析流体で充填される、限外濾過終了および透析再開シーケンスとしての役割を果たす。
【0100】
上記に議論されるような図5-9の動作は、容積式平衡チャンバ40aおよび40bが次の動作に先立って同期することを確実にするために、膜44がストロークの終わり位置に移動することを要求し得る。図1-4によるシステム10aの動作では、膜44は、1つのみの容積式平衡チャンバ40aまたは40bが、所与の時点で未使用透析流体を透析器12に送達しているため、ストロークの終わり位置に移動する必要性はない。図1-4の計量ポンプ24の正確性は、患者からの正確な限外濾過除去を達成するために、依拠される。

腹膜透析治療システム
【0101】
ここで図10を参照すると、本開示の腹膜透析(「PD」)システム10bおよび関連付けられる方法論は、PD機械または循環装置20bを含む。システム10bおよびPD機械20bは同様に、その流体搬送部分の大部分を、治療後に消毒される、再使用可能構成要素として提供することによって、可能な限り多くの使い捨てアイテムを排除することを試みる。PD機械20bは、本明細書に議論される材料のうちのいずれかから作製される、本明細書に説明される再使用可能流動構成要素および管またはラインを保持する、筐体22を含む。
【0102】
PD機械または循環装置20bは、同様に付番され、血液治療透析機械20aに関して上記に議論される全ての構造、機能性、および代替物を含む、血液治療透析機械20aに関して上記に議論される同一のラインおよび構成要素のうちの多くを含む。1つの差異は、ヒータ26および温度センサ36が、未使用透析流体ライン48fに移動されることである(その場所はまた、血液治療透析機械20aのために使用されてもよい)。ヒータ26および温度センサ36は、代替として、システム10aの場所に残されてもよい。さらに代替として、オンラインPD流体発生源が、提供される場合、これは、代わりに、PD流体を加熱してもよい。なおもさらに代替として、PD流体の容器またはバッグが、提供される場合、容器またはバッグ内または専用加熱容器内のPD流体は、バッチヒータを介して加熱されてもよい。別の差異は、透析器12および可撓性透析流体ライン62a、62bが、除去され、PD流体患者ライン66が、代わりに提供されることである。再循環コネクタ64a、64bは、下記に議論されるような再循環および消毒のための異なる構造と置換される。PD流体患者ライン66は、それぞれ、未使用および使用済みPD流体機械コネクタ68aおよび68bに個別に接続される、未使用区間66aと、使用済み区間66bとを含む。図示される実施形態では、滅菌等級フィルタ66fが、患者ライン66の未使用区間66a内に、またはそれに沿って位置し、患者への送達に先立つPD流体濾過の最終段階を提供する。滅菌等級フィルタ66fは、例えば、廃棄物ラインを有していない、貫通フィルタであってもよい。滅菌等級フィルタ66fに関する細孔サイズは、例えば、0.1~0.2ミクロンであってもよい。フィルタ66fに関する好適な滅菌等級フィルタは、例えば、Pall IV-5またはGVS Speedflowフィルタである、または本開示の譲受人によって提供されるフィルタであってもよい。未使用および使用済みPD流体機械コネクタ68aおよび68bは、例えば、再循環および消毒のために、未使用区間66aおよび使用済み区間66bが、未使用および使用済みPD流体機械コネクタ68aおよび68bに接続されないとき、ばね作動ポート蓋68cによって被覆される。
【0103】
PD機械または循環装置20bは、第1および第2の容積式平衡チャンバ40aおよび40bを含む。しかしながら、図10では、第1および第2の容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、未使用の加熱されたPD流体で患者を充填するために使用されない。代わりに、制御ユニット50は、弁28a、28b、および28cを開放させ、正確な計量ポンプ24、例えば、ピストンポンプに、入口ライン48i内に沿った、未使用区間66aおよびPD流体患者ライン66から外への、患者への充填体積分のPD流体(例えば、1~3リットル)を正確に計量させる。制御ユニット50は、圧力センサ34fから正圧信号を受信し、それを使用し、患者充填圧力が、正の患者圧力限界、例えば、1~5psig(例えば、2psig(14kPa))内であるように、計量ポンプ24を制御する。患者が処方された充填体積で充填された後、制御ユニット50は、患者充填体積が規定された期間にわたって患者内で滞留することを可能にする。
【0104】
制御ユニット50はまた、フィルタを通した未使用PD流体流動の流量に依存し、正の患者圧送圧力を決定する際に考慮され得る、滅菌等級フィルタ66fを通した圧力降下を把握するようにプログラムされてもよい。滅菌等級フィルタ66fを横断する圧力降下は、治療が進行し、フィルタ66fが遮断された状態になるにつれて、増加するであろう。手動クランプである、または制御ユニット50の制御下にあり、筐体22の扉の外側またはその中に位置する自動化クランプであり得る、クランプ66cは、各患者充填の前に閉鎖されてもよい。制御ユニット50は、次いで、滅菌等級フィルタ66fおよび圧力センサ34fおよび34uを過ぎて少量の未使用PD流体を圧送し、滅菌等級フィルタ66fを横断する増加された圧力降下の量を検出する。制御ユニット50は、後続患者充填に関する正の患者圧送圧力を決定する際に新しい圧力降下を考慮する。代替として、または加えて、再使用可能使用済み透析流体ライン48uに沿って位置する圧力センサ34uの出力が、正の患者圧送圧力に関するフィードバックとして制御ユニット50によって使用されてもよい。圧力センサ34uは、充填ストロークの間に正の充填圧力を測定する。使用済み透析流体ライン48u内のPD流体は、依然として患者充填中であるため、圧力センサ34uは、未使用区間66aおよび使用済み区間66bへのPD流体患者ライン66の分岐点における圧力を測定することが可能である。そのような圧力は、患者への流動および流動抵抗を反映する。分岐点の上流のPD流体流動が、変動する場合、圧力センサ34は、その変動を検出するであろう。圧力センサ34uによって測定される圧力はまた、PD流体患者ライン66、患者の移送セット、および患者の留置カテーテルにおける流動制限の関数である。
【0105】
図11は、システム10bのPD機械または循環装置20bを使用する患者排出の一実施形態を図示する。図示される実施形態では、制御ユニット50は、チャンバ出口弁28gおよび28k、使用済みPD流体入口弁28d、およびチャンバ入口弁28iおよび28mを開放させる。制御ユニット50は、透析流体ポンプ24に、チャンバ出口弁28gを介して容積式平衡チャンバ40aから未使用PD流体を引動させ、それをチャンバ入口弁28mを介して容積式平衡チャンバ40bに押動させる。その圧送作用は、容積式平衡チャンバ40aの剛性チャンバ42を横断してダイヤフラム44を引動し、患者から、使用済み区間66bを介して、使用済みPD流体入口弁28dおよびチャンバ入口弁28iを通して、容積式平衡チャンバ40aの中に、同様の体積の使用済みPD流体を引動する、負圧を生成する。その圧送作用はまた、容積式平衡チャンバ40bの剛性チャンバ42を横断してダイヤフラム44を押動し、チャンバ出口弁28kを介して容積式平衡チャンバ40bから、排出ライン48dを介してドレインに同様の体積の使用済みPD流体を押動する、正圧を生成する。
【0106】
次の患者排出ストロークでは、制御ユニット50は、チャンバ出口弁28gおよび28kおよびチャンバ入口弁28iおよび28mを閉鎖する。制御ユニット50は、チャンバ出口弁28fおよび28j、チャンバ入口弁28hおよび28l、および上流の未使用透析流体切換弁28bを開放する。本ストロークにおける透析流体ポンプ24は、容積式平衡チャンバ40bから未使用PD流体を引動し、それを平衡チャンバ40aに送達する。その圧送作用はまた、排出ライン44dを介して容積式平衡チャンバ40aからドレインに使用済みPD流体を押動し、患者から平衡チャンバ40bの中に使用済みPD流体を引動する。制御ユニット50は、所望の量のPD流体が患者から除去されるまで、透析流体ポンプ24を動作させながら、往復して上記に説明されるような弁状態を順序制御する。圧力センサ34uからの出力信号は、制御ユニット50によって監視され、これは、それを使用し、患者からのPD流体除去が、負の患者圧力限界、例えば、-1.0psig~-3.0psig(例えば、-1.3psig(-9kPa))内で実施されることを確実にするために、透析流体ポンプ24を制御する。
【0107】
全サイクル(患者充填、患者滞留、および患者排出)にわたって患者から除去された過剰な水分は、制御ユニット50によって推定されてもよく、これは、図11を介して患者から除去された使用済みPD流体の合計量-図10を介して患者に送達された未使用流体の合計量として除去された過剰な水分を計算する。
【0108】
治療後、制御ユニット50は、システム10bのPD機械または循環装置20bに消毒シーケンスを実施させる。ここでは、PD流体患者ライン66は、除去および廃棄される。ポート蓋68cは、ばねで閉鎖され、PD流体機械コネクタ68aおよび68bにわたってシールする。ポート蓋68cの閉鎖は、再循環ライン48rをPD機械または循環装置20bの消毒されるラインと流体連通させ、消毒ループを形成する。再循環ライン48rはまた、空気トラップ30の上部まで延在する。オンラインPD流体発生源が、提供される場合、精製水が、加熱され、および/または消毒のために化学殺菌剤と組み合わせられてもよい。袋詰めPD流体が、使用される場合、残りの袋詰めPD流体は、加熱され、消毒のために使用されてもよい。加熱および/または化学消毒流体は、ラインおよび構成要素の全ての内側表面が、次の治療のためにPD機械20bを適切に消毒するために消毒流体によって十分に接触されるように、弁のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものまたは全てが順序制御される間、往復して圧送されてもよい。上記のシナリオのうちのいずれかでは、排出ライン48dは、血液治療透析機械20aの消毒と同様に、(i)ドレイン容器または屋内ドレインに延在して定位置に残され、(ii)除去および冠着され、または(iii)その遠位端において専用ポート(図示せず)に接続され、消毒ループの一部を形成してもよいが、PD機械20bの他の流体ラインと流体循環して排出ラインを設置することは、望ましくない場合がある。
【0109】
ここで図12を参照すると、本開示の持続的流動腹膜透析(「CFPD」)システム10cおよび関連付けられる方法論は、PD機械または循環装置20cを含む。システム10cおよびCFPD機械20cは同様に、その流体搬送部分の大部分を、治療後に消毒される、再使用可能構成要素として提供することによって、可能な限り多くの使い捨てアイテムを排除することを試みる。CFPD機械20cは、本明細書に議論される材料のうちのいずれかから作製される、本明細書に説明される再使用可能流動構成要素および管またはラインを保持する、筐体22を含む。
【0110】
CFPD機械または循環装置20cは、同様に付番され、血液治療透析機械20aに関して上記に議論される全ての構造、機能性、および代替物を含む、PD機械20bに関して上記に議論される同一のラインおよび構成要素のうちの多くを含む。PD機械20bと同様に、ヒータ26および温度センサ36は、CFPD機械または循環装置20cに関して、再び、未使用透析流体ライン48fに移動される。代替として、オンラインPD流体発生源が、提供される場合、これは、代わりに、PD流体を加熱してもよい。さらに代替として、PD流体の容器またはバッグが、提供される場合、PD流体の容器またはバッグは、バッチヒータを介して加熱されてもよい。
【0111】
図12のシステム10cのCFPD機械または循環装置20cは、それぞれ、未使用および使用済みPD流体機械コネクタ68aおよび68bに接続される、使用済みPD流体患者ライン70bから分離される、未使用PD流体患者ライン70aを含む。未使用PD流体患者ライン70aは、使用済みPD流体患者ライン70bとは別個のカテーテルまたは二重管腔カテーテルの管腔まで延在する。
【0112】
システム10cのCFPD機械または循環装置20cを用いることで、未使用加熱されたPD流体が、PDシステム10bに関して図10に関連して説明されるものと同一の様式において患者に送達されてもよい。再び、第1および第2の容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、未使用加熱されたPD流体で患者を充填するために使用されない。代わりに、制御ユニット50は、弁28a、28b、および28cを開放させ、正確な計量ポンプ24、例えば、ピストンポンプに、入口ライン48i内に沿った、未使用PD流体患者ライン70aから外への、患者への所望の量の未使用PD流体を正確に計量させる。また、システム10cのCFPD機械または循環装置20cを用いることで、使用済みPD流体は、PDシステム10bに関して図11に関連して説明されるものと同一の様式において患者から除去されてもよい。制御ユニット50は、患者から除去された使用済みPD流体の合計量から、送達された未使用PD流体の合計量を差し引くことによって、上記に議論されるものと同一の様式において全サイクル(患者充填、患者滞留、および患者排出)にわたって患者から除去された過剰な水分を計算してもよい。
【0113】
システム10cのCFPD機械または循環装置20cに伴う主要な差異は、制御ユニット50が、患者充填と患者排出との間に患者滞留を生じさせないことである。制御ユニット50は、代わりに、患者充填および患者滞留を事実上同時に、例えば、計量ポンプ24のN回の充填ストロークに続いて、計量ポンプ24のNまたはN+UF回の排出ストロークを生じさせてもよい。ここでは、患者は、使用済みPD流体を排出しながら、未使用PD流体を受け取る。システム10bのPD循環装置20bがまた、計量ポンプ24が所与の時点で未使用または使用済みPD流体のみを圧送するため、そのようなCFPD治療を実施し得ることを理解されたい。故に、システム10bのPD循環装置20bに、いずれかのモダリティを実施するための能力およびソフトウェアを提供することが、明確に想定される。持続的循環腹膜透析(「CCPD」、充填、滞留、および排出)とCFPDとの間で切り替えることに対する患者利益が、存在し得る。または、臨床医は、より良好な結果を生じるモダリティを確認するために、単一の患者に対して両方のモダリティを試してもよい。図示されるように、使い捨て構成要素は、CCPDとCFPDとの間で変動する。患者は、両方のタイプの消耗品を出荷されてもよい。
【0114】
代替実施形態では、CFPDは、図2および3に関して上記に議論されるものと類似する様式において実施されてもよい。図2と同様に、未使用PD流体は、ここでは、患者からの使用済みPD流体でチャンバを逆充填することによって、容積式平衡チャンバ40aおよび40bから患者に送達される。図3と同様に、使用済みPD流体は、オンラインまたは袋詰めPD流体源からの未使用PD流体でチャンバを加圧することによって、容積式平衡チャンバ40aおよび40bからドレインに送達される。図2のシーケンスは、次いで、繰り返されてもよく、以下同様である。ここでは、容積式平衡チャンバ40aおよび40bは、患者に送達される未使用PD流体の量が、患者から除去される使用済みPD流体の量に等しくなることを確実にする。ある時点で、図4と同様に、未使用PD流体のみが、所望の量のUFストロークを実施するために、容積式平衡チャンバ40aおよび40bを作動させるために使用される。
【0115】
治療後、制御ユニット50は、システム10cのPD機械または循環装置20cに消毒シーケンスを実施させる。ここでは、未使用PD流体患者ライン70aおよび使用済みPD流体患者ライン70bは、除去および廃棄される。ポート蓋68cは、再び、ばねで閉鎖され、PD流体機械コネクタ68aおよび68bにわたってシールする。ポート蓋68cの閉鎖は、再循環ライン48rをPD機械または循環装置20cの消毒されるラインと流体連通させ、消毒ループを形成する。オンラインPD流体発生源が、提供される場合、精製水が、加熱され、および/または消毒のために化学殺菌剤と組み合わせられてもよい。袋詰めPD流体が、使用される場合、残りの袋詰めPD流体は、加熱され、消毒のために使用されてもよい。加熱および/または化学消毒流体は、ラインおよび構成要素の全ての内側表面が、次の治療のためにPD機械20cを適切に消毒するために消毒流体によって十分に接触されるように、弁のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものまたは全てが順序制御される間、往復して圧送されてもよい。上記のシナリオのうちのいずれかでは、排出ライン48dは、機械20aおよび20bの消毒と同様に、(i)ドレイン容器または屋内ドレインに延在して定位置に残され、(ii)除去および冠着され、または(iii)その遠位端において専用ポート(図示せず)に接続され、消毒ループの一部を形成してもよいが、PD機械20bの他の流体ラインと流体循環して排出ラインを設置することは、望ましくない場合がある。
【0116】
ここで図13を参照すると、HD、CRRT、CCPD、およびCFPDを実施することが可能な循環装置20dを含む、HD/PDシステム10dが、図示される。図13に図示されるようなHD/PDシステム10dは、現在、PD流体患者ライン66の未使用区間66aおよび使用済み区間66bが、それぞれ、PD流体機械コネクタ68aおよび68bに接続される、PD治療のCCPDタイプの充填、滞留、排出を実行するように構成される。CCPD治療および後続消毒は、上記に議論される図10および11に従って実施される。CFPD治療が、代わりに所望される場合、PD流体患者ライン66の未使用区間66aおよび使用済み区間66bは、それぞれ、PD流体機械コネクタ68aおよび68bから除去される。図12のシステム10cの未使用PD流体患者ライン70aおよび使用済みPD流体患者ライン70bが、代わりに、それぞれ、機械コネクタ68aおよび68bに接続される。CFPD治療および後続消毒は、上記に議論される図12に従って実施される。HDまたはCRRT治療が、代わりに所望される場合、PD流体患者ライン66の未使用区間66aおよび使用済み区間66bは、それぞれ、PD流体機械コネクタ68aおよび68bから除去される。ポート蓋68cは、ばねで閉鎖され、PD流体機械コネクタ68aおよび68bにわたってシールする。可撓性透析流体ライン62a、62bは、それぞれ、一方の端部においてポート蓋68cに接続され、ポート蓋の内側と流体的に連通する。ポート蓋68cの閉鎖は、したがって、それぞれ、可撓性透析流体ライン62aおよび62bを未使用透析流体ライン48fおよび使用済み透析流体ライン48uと流体連通させる。未使用透析流体ライン48fおよび使用済み透析流体ライン48uの遠位端は、次いで、再循環コネクタ64a、64bから接続解除され(それらは、消毒のために再接続される)、代わりに、治療のために透析器12の透析流体ポートに接続される。HDまたはCRRT治療は、上記に議論される図1-4に従って実行される。
【0117】
故に、システム10dのHD/PD循環装置20dに、血液治療およびPD治療、および実際には、それぞれの複数の形態(HD対CRRTおよびCCPD対CFPD)を実施するための能力およびソフトウェアを提供することが、明確に想定される。米国特許第9,227,003号(本開示の譲受人に譲渡され、本明細書に組み込まれる)に詳述されるように、HDとPDとの間で切り替えることに対する患者利益が、存在し得る。臨床医は、再び、より良好な結果を生じるモダリティを確認するために、単一の患者に対して両方のCCPDおよびCFPDモダリティを試してもよい。図示されるように、使い捨て構成要素は、HDと、CCPDと、CFPDとの間で変動する。患者は、全ての必要とされるタイプの消耗品を出荷されてもよい。また、HD/PD循環装置20dが、単一の患者に関して1つのみのモダリティを実施する場合であっても、血液およびPDモダリティの両方を実施する単一の機械を作製することが可能であることにおいて、有意な利点が、依然として存在する。このために、計量ポンプ24およびヒータ26(ここではライン内ヒータである可能性が高い)は、任意のタイプのHDまたはPDモダリティに関する圧送圧力、流体流量、および加熱要件を取り扱うように定寸される。
【0118】
ここで図14を参照すると、混合回路に関する一実施形態が、回路110によって図示される。混合回路110は、制御ユニット50の制御下にあってもよい、またはその独自の制御ユニットの制御下にあってもよい。その独自の制御ユニットの制御下にある場合、制御ユニットは、制御ユニット50が、回路110がHDまたはPDのための透析流体を混合する、または混合しないときをコマンドし得るように、制御ユニット50と双方向的に通信してもよい。混合回路110の全てのポンプおよび通気弁128vは、一実施形態では、制御ユニットの制御下にある。伝導率センサは、それぞれ、制御ユニットに出力する。混合回路110は、精製水源112を含む。精製水源112は、炭素濾過、樹脂床、電気脱イオン、限外濾過、逆浸透、紫外線照射、および/または熱消毒のうちのいずれか1つまたはそれを上回るものを含んでもよい。精製水源112は、本開示の譲受人によって提供されるWRO 300H浄水器であってもよい。
【0119】
混合回路110は、第1の濃縮液源114と、第2の濃縮液源116とを含む。HD流体に関して、第1の濃縮液源114は、酸濃縮液を含んでもよい一方、第2の濃縮液源116は、重炭酸塩濃縮液を含んでもよい。PD流体に関して、第1の濃縮液源114は、電解物濃縮液を含んでもよい一方、第2の濃縮液源116は、グルコース濃縮液を含んでもよい。濃縮液は、それぞれ、正確な投与ポンプ120aおよび120bを介して投与され、これは、濃縮液が混合ライン126に進入するように、それぞれ、濃縮液ライン122および124を通して第1および第2の濃縮液を圧送する。正確な投与ポンプ120aおよび120bは、機械20a-20dの計量ポンプ24のように、ピストンポンプであってもよく、これは、精製水の洗流流動を要求し得る。図14では、精製水は、源112から、投与ポンプ120aおよび120bの洗流流動ポートを通して、計量ポンプ24の洗流流動ポートを通して、混合ライン126まで延在する水ライン118の中に戻るように流動され、濃縮液ライン122および124を通して流動する第1および第2の濃縮液と混合する。
【0120】
第1の濃縮液114は、第1の混合チャンバ132a内で精製水と混合される。第1の伝導率センサ138aは、結果として生じる伝導率を感知し、フィードバックを混合回路110のための制御ユニットに提供し、第1の濃縮液114が適切に混合されることを確実にする。第2の濃縮液116は、第2の混合チャンバ132b内で精製水および第1の濃縮液114と混合される。第2の伝導率センサ138bは、2つの濃縮液および精製水の結果として生じる伝導率を感知し、フィードバックを混合回路110のための制御ユニットに提供し、第2の濃縮液116が適切に混合されることを確実にする。図示される実施形態における第1および第2の伝導率センサ138aおよび138は、それぞれ、温度補償される。
【0121】
空気が、空気トラップ130においてオンラインHDまたはPD流体から除去され、これは、通気弁128を介して空気を大気に通気してもよい。脱ガスポンプ132が、混合された透析流体を空気トラップ130に圧送し、これは、空気トラップ130が透析流体で十分に満杯であることを確実にする、1つまたはそれを上回るレベルセンサを含んでもよく、レベルは、必要に応じて、(機械20a-20dにおける)計量ポンプ24が空気トラップ130からHDまたはPD流体を引動する際、脱ガスポンプ132を介して補充される。
【0122】
混合回路110は、異なる患者充填に関して所望されるような異なるPD流体を作製するように構成される。異なるデキストロースまたはグルコースレベルの透析流体は、例えば、1.36%グルコース透析流体または2.27%グルコース透析流体であってもよい。イコデキストリン等のPD流体の異なる製剤の最後のバッグもまた、混合回路110の代わりに提供されてもよい。
【0123】
本明細書に説明される本好ましい実施形態の種々の変更および修正が、当業者に明白となるであろうことを理解されたい。したがって、そのような変更および修正が、添付される請求項によって網羅されることを意図している。
(項目1)
透析システムであって、
透析流体計量ポンプと、
第1の容積式平衡チャンバであって、上記第1の容積式平衡チャンバは、第1の固定容積チャンバと、上記第1の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第1のダイヤフラムとを含む、第1の容積式平衡チャンバと、
上記第1の容積式平衡チャンバと上記透析流体計量ポンプへの入口との間に延在する第1の出口ラインと、
上記第1の容積式平衡チャンバと排出ラインとの間に延在する第2の出口ラインと、
上記第1の容積式平衡チャンバと上記透析流体計量ポンプからの出口との間に延在する第1の入口ラインと、
上記第1の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する第2の入口ラインと、
第2の容積式平衡チャンバであって、上記第2の容積式平衡チャンバは、第2の固定容積チャンバと、上記第2の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第2のダイヤフラムとを含む、第2の容積式平衡チャンバと、
上記第2の容積式平衡チャンバと上記透析流体計量ポンプへの入口との間に延在する第1の出口ラインと、
上記第2の容積式平衡チャンバと排出ラインとの間に延在する第2の出口ラインと、
上記第2の容積式平衡チャンバと上記透析流体計量ポンプからの出口との間に延在する第1の入口ラインと、
上記第2の容積式平衡チャンバと使用済み透析流体ラインとの間に延在する、第2の入口ラインと
を備える、透析システム。
(項目2)
上記透析流体計量ポンプが、上記少なくとも1つの第1の出口ラインを介して上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方から、未使用HD流体を引動することを介して、透析器に未使用HD流体を送達するように構成される、血液透析(「HD」)システムである、項目1に記載の透析システム。
(項目3)
上記少なくとも1つの第1の出口ラインを介して、上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方から未使用HD流体を引動することが、使用済み透析流体を、上記第1または第2の容積式平衡チャンバと上記使用済み透析流体ラインとの間に延在する上記少なくとも1つの第2の入口ラインを介して、上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方に充填させるように構成される、項目2に記載のHDシステム。
(項目4)
上記透析流体計量ポンプから上流または下流に位置する、ライン内透析流体ヒータを含む、項目2に記載のHDシステム。
(項目5)
所望の量の未使用HD流体が上記透析器に送達されるまで、上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方からの上記未使用HD流体の引動を繰り返すように構成される、項目2に記載のHDシステム。
(項目6)
上記透析器への上記未使用HD流体の送達を繰り返すことに先立って、上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方が、未使用HD流体で補充されるように構成される、項目5に記載のHDシステム。
(項目7)
上記少なくとも1つの第2の出口ラインを介して、かつ上記透析流体計量ポンプが上記少なくとも1つの第1の入口ラインを介して上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方に未使用HD流体を押動することを介して、上記排出ラインに使用済みHD流体を送達するように構成される、血液透析(「HD」)システムである、項目1に記載の透析システム。
(項目8)
使用済みHD流体が、上記使用済みHD流体が上記排出ラインに送達されるとき、上記使用済み透析流体ラインに沿って流動することを妨げられるように構成される、項目7に記載のHDシステム。
(項目9)
透析器への未使用HD流体の対応する送達を伴わずに、上記排出ラインに使用済みHD流体を押動することを介して、限外濾過(「UF」)ストロークを実施するように構成される、血液透析(「HD」)システムである、項目1に記載の透析システム。
(項目10)
上記UFストロークが、上記透析流体計量ポンプが上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの一方から未使用HD流体を引動し、上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの他方に上記未使用HD流体を押動し、それによって、上記透析器への未使用HD流体の対応する送達を伴わずに、上記排出ラインに使用済みHD流体を押動することを介して生じるように構成される、項目9に記載のHDシステム。
(項目11)
上記透析流体計量ポンプによる上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの一方からの未使用HD流体の引動が、対応して、上記第1または第2の容積式平衡チャンバの中に使用済みHD流体を引動するように構成される、項目10に記載のHDシステム。
(項目12)
所望の量のUFが上記排出ラインに除去されるまで、上記UFストロークまたは部分的UFストロークを繰り返すように構成される、項目10に記載のHDシステム。
(項目13)
未使用PD流体が、上記透析流体計量ポンプを介して患者ラインに送達される、腹膜透析(「PD」)システムである、項目1に記載の透析システム。
(項目14)
処方された量の未使用PD流体を上記患者に圧送するために、上記透析流体計量ポンプの正確性に依拠するように構成される、項目13に記載のPDシステム。
(項目15)
処方された量の未使用PD流体を上記患者に送達した後、患者滞留を実施するように構成される、項目13に記載のPDシステム。
(項目16)
使用済みPD流体が、上記第1または第2の容積式平衡チャンバのうちの少なくとも一方に送達され、そこから除去される、患者排出を実施するように構成される、項目13に記載のPDシステム。
(項目17)
上記患者から除去された使用済みPD流体の量から、上記患者ラインに送達された未使用PD流体の量を差し引くことによって、上記患者から除去された過剰な流体の量を決定するように構成される、項目13に記載のPDシステム。
(項目18)
(i)上記患者ラインが、未使用区間と、使用済み区間とを含む、持続的循環腹膜透析(「CCPD」)システム、または(ii)上記患者ラインが、未使用PD流体患者ラインおよび使用済みPD流体患者ラインに分離される持続的流動腹膜透析(「CFPD」)システムである、項目13に記載のPDシステム。
(項目19)
透析システムであって、
透析流体計量ポンプと、
上記透析流体計量ポンプとともに動作するように位置付けられ、配列される第1の容積式平衡チャンバであって、上記第1の容積式平衡チャンバは、第1の固定容積チャンバと、上記第1の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第1のダイヤフラムとを含む、第1の容積式平衡チャンバと、
上記透析流体計量ポンプとともに動作するように位置付けられ、配列される第2の容積式平衡チャンバであって、上記第2の容積式平衡チャンバは、第2の固定容積チャンバと、上記第2の固定容積チャンバ内で往復して延在するように位置付けられ、配列される第2のダイヤフラムとを含む、第2の容積式平衡チャンバと、
上記第1および第2の容積式平衡チャンバとともに流体的に動作可能である第1および第2のポートと、
血液透析を実施するための、上記第1および第2のポートおよび透析器に接続可能である第1および第2の可撓性透析流体ラインと、
PD流体患者ラインであって、上記PD流体患者ラインは、持続的循環腹膜透析を実施するための、上記第1のポートに接続可能である未使用区間と、上記第2のポートに接続可能である使用済み区間とを含む、PD流体患者ラインと、
持続的流動腹膜透析を実施するための、上記第1のポートに接続可能である未使用PD流体患者ラインおよび上記第2のポートに接続可能である使用済みPD流体患者ラインと
を備える、透析システム。
(項目20)
上記第1および第2の可撓性透析流体ラインは、上記第1および第2のポートにシールするポート蓋を介して上記第1および第2のポートに接続可能である、項目19に記載の透析システム。
(項目21)
再循環コネクタを含み、上記第1および第2の可撓性透析流体ラインは、上記透析器から接続解除されるとき、消毒のために上記再循環コネクタに接続可能である、項目19に記載の透析システム。
(項目22)
上記計量ポンプおよび上記第1および第2の容積式平衡チャンバを保持する筐体を含み、上記第1および第2のポートおよび上記再循環コネクタは、上記筐体によって提示される、項目21に記載の透析システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】