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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ローラー表面硬化
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/04 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H01M4/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527165
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-06-06
(86)【国際出願番号】 US2022049391
(87)【国際公開番号】W WO2023086376
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】63/277,477
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524116298
【氏名又は名称】マシューズ インターナショナル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ハックフォート
(72)【発明者】
【氏名】ステファン テルビル
(72)【発明者】
【氏名】ハラルド バルチュ
【テーマコード(参考)】
5H050
【Fターム(参考)】
5H050AA19
5H050BA01
5H050BA08
5H050GA03
5H050GA29
5H050GA30
5H050HA04
(57)【要約】
本開示は、コーティングがなされたニップローラー及びカレンダーローラーなどのローラー、及びコーティングを適用する方法に関する。より具体的には、本開示は、汚染物質による損傷を防止するために表面に硬化層が適用されたニップローラーまたはカレンダーローラーに関する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライ電極薄膜を形成する方法であって、
表面硬化ローラーをドライ電極またはドライ電極前駆体粉末と接触させること、
前記表面硬化ローラーで前記ドライ電極または前記ドライ電極前駆体粉末に少なくとも1つの力を付与して前記ドライ電極薄膜を形成すること、を含む、前記方法。
【請求項2】
前記表面硬化ローラーは、少なくともダイヤモンド様コーティングまたはタングステンカーバイドの硬化層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化層の前記厚さが約1μm~約300μmである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記表面硬化ローラーは少なくとも1つの下層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記下層は、タングステンカーバイド、ダイヤモンド様コーティング、銅、またはクロムのうちの1つから構成される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記下層が約1μm~約50μmの厚さを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記表面硬化ローラーは、ニップローラーまたはカレンダーローラーの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
システムであって、
ローラーであって、
前記ローラーの表面に配置された硬化層を含む、前記ローラー、を含む、前記システム。
【請求項9】
前記硬化層は、タングステンカーバイド、クロム、またはダイヤモンド様コーティングのうちの1つから構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記硬化層の前記厚さが約1μm~約300μmである、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ローラーの前記表面と前記硬化層との間に配置された下層をさらに備え、
前記下層は、タングステンカーバイド、ダイヤモンド様コーティング、銅、またはクロムの1つで構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記下層が約1μm~約300μmの厚さを有する、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2021年11月9日に出願された米国仮特許出願第63/277,477号の優先権の利益を主張するものであり、参照により、その内容全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、コーティングがなされたニップローラー及びカレンダーローラーなどのローラー、及びコーティングを適用する方法に関する。より具体的には、本開示は、汚染物質による損傷を防止するために表面に硬化層が適用されたニップローラーまたはカレンダーローラーに関する。
【背景技術】
【0003】
当技術分野では、シート、ウェブ、または基板とも代わりに呼ばれる薄膜の正確な形成は、産業上の課題である。実際の製造環境でかなりのレベルの圧力をかけなければならない場合、薄膜の正確な形成は、特に困難である。圧力を付加するローラーは、それ自体が要求される設計パラメータの範囲内の寸法と表面特性を有する薄膜を形成するように、正確に形成されなければならない。
【0004】
さらに、生産環境に自然に存在する汚れ、粒子、及びその他の不純物の問題もある。ケア及び清掃を施しても、最終的に1つ以上の汚染粒子がローラーの表面に残ることは避けられない。機械の動作中に互いに接触するローラーの表面に粒子が堆積すると、機械の動作中に粒子がローラー間で圧縮される。このような粒子がローラー間で圧縮されると、それらはローラーの表面に大きな力の集中を付加する。これは接触疲労として知られており、互いに接触するローラーの両面に疲労ピットが発生することで証明される。
【0005】
ローラーに表面の欠陥があることから、接触疲労が、成形される製品の質に悪影響を及ぼす。実際の生産環境で、ローラーの表面に蓄積されるピット、表面の変形、及びその他の望ましくない微細構造の特徴の形成を防ぐ必要がある。
【0006】
薄膜の表面が精密で均一であることへの必要性を鑑みると、それらが最終的な製品に組み立てられ、使用される際に、汚染物質により生じる小さな損傷でも、薄膜の機能に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、汚染物質によって加えられる集中した圧力によって損傷が発生するのを防ぐために、ローラーの硬度を高める必要がある。ローラーの損傷を防ぐために硬度を高める一方法は、硬化層を適用することを含む。ローラーに硬度コーティングを適用する従来の方法は、タングステンカーバイドのジェット噴霧やクロムの電気メッキを含む。しかし、ジェット噴霧タングステンカーバイドや電気メッキクロム薄膜自体に、ピンホールなどのマイクロメートル規模の欠陥が生じる可能性がある。これらの欠点を回避することに加えて、ローラーにひと際高い硬度、したがって性能を備えさせるコーティングを構築することが有益である。
【発明の概要】
【0007】
汚れ、粒子、及びその他の不純物による損傷を軽減するために、ダイヤモンド様コーティング(DLC)の化学蒸着(CVD)またはプラズマ支援化学蒸着(PACVD)、及びタングステンカーバイドの物理蒸着(PVD)の1つによって形成された硬化層を含むカレンダーローラー装置が提供される。
【0008】
一実施形態では、本明細書に記載の技術は、ドライ電極薄膜を形成する方法に関するものであり、方法は、表面硬化ローラーをドライ電極またはドライ電極前駆体粉末と接触させること、表面硬化ローラーでドライ電極またはドライ電極前駆体粉末に少なくとも1つの力を付与してドライ電極薄膜を形成することを含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、表面硬化ローラーが少なくともダイヤモンド様コーティングまたはタングステンカーバイドの硬化層を含む方法に関する。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、硬化層の厚さが1μm~約300μmである方法に関する。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、表面硬化ローラーが少なくとも1つの下層を含む方法に関する。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、下層がタングステンカーバイド、ダイヤモンド様コーティング、銅、またはクロムの1つを含む方法に関する。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、下層が約1μm~約300μmの厚さを有する方法に関する。
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、表面硬化ローラーがニップローラーまたはカレンダーローラーの少なくとも1つである方法に関する。
【0015】
一実施形態では、本明細書に記載の技術は、ローラーの表面に配置された硬化層を含むローラーを含むシステムに関する。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、硬化層がタングステンカーバイド、クロム、またはダイヤモンド様コーティングの1つを含むシステムに関する。
【0017】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、硬化層の厚さが約1μm~約300μmであるシステムに関する。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、ローラーの表面と硬化層との間に配置された下層をさらに含むシステムに関するものであり、下層は、タングステンカーバイド、ダイヤモンド様コーティング、銅、またはクロムの1つが含まれる。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の技術は、下層が約1μm~約300μmの厚さを有するシステムに関する。
【0020】
本明細書に記載の実施形態の態様、特徴、利点及び優位性は、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面を参照すれば明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態による、薄膜を作成するために使用されるカレンダーローラーの図を示す。
【0022】
図2】実施形態による、硬化層が適用されたカレンダーローラーの断面図の図を示す。
【0023】
図3】実施形態による、化学蒸着によってダイヤモンド様コーティングを適用する方法を示す。
【0024】
図4】実施形態による、物理蒸着によってタングステンカーバイドを適用する方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示は、記載された特定のシステム、デバイス、及び方法に限定されるものではなく、これらは多様であり得る。本明細書に使用される用語は、特定の変形例または実施形態を記述する目的のみのものであり、範囲を制限することを意図するものではない。
【0026】
文脈上明らかに異なる場合を除き、単数形「a」、「an」、及び「the」は複数の指示対象を含む。別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、当業者が一般的に理解している意味と同じ意味を有する。本開示のいかなる内容も、本開示で説明される実施形態が先行発明によってそのような開示に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。この文書で使用されている場合、「含む」という用語は、「含むが、これらに限定されない」ことを意味する。
【0027】
本開示は、汚染物質及び不純物による損傷から保護するための硬化層を含むカレンダーローラー装置、ならびに硬化層を適用する方法について説明する。カレンダーローラーをダイヤモンド様コーティングの化学蒸着及びタングステンカーバイドの物理蒸着でコーティングすることにより、ローラーの硬度を高め、汚染物質や不純物によってローラーにかけられる高圧により生じる損傷を防ぐことができる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「非コーティングローラー」は、硬化層が適用されていないローラーを意味する。例えば、非コーティングローラーの一実施形態には、タングステンカーバイド層またはダイヤモンド様コーティングを含まないローラーが含まれる。
【0029】
本明細書において記載されている場合、「ダイヤモンド様コーティング」または「DLC」は、結晶化した炭素から構成される薄膜を意味する。例えば、ダイヤモンド様コーティングの一実施形態は、炭素の化学蒸着法によって合成的に生成された硬化層を含む。
【0030】
本明細書で使用される場合、「汚染物質」は、薄膜の生成間にローラーに存在し、圧力が加えられたときに薄膜またはローラーのいずれかを損傷する可能性のある小さな不純物を意味する。汚染物質は限定されず、往々にしてローラーが設置されている生産環境次第であり、汚染物質の例は、汚れ粒子、金属粒子、金属の削りくず、電極粒子、無機粒子、導電性粒子、絶縁粒子、未硬化ポリマー粒子、または硬化ポリマー粒子の1つ以上を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「低圧環境」は、選択されたプロセスによって堆積を達成するのに十分低い圧力を有する環境を意味する。例えば、低圧環境の一実施形態は、大気圧より低い圧力の環境を含む。
【0032】
図1は、実施形態による、薄膜を作成するために使用されるカレンダーローラー101を含む粉末ミル100の図100を示す。粉末はカレンダーローラーの上方にあるホッパー102から入り、これはそこで薄膜に圧縮される。
【0033】
図2は、実施形態による、硬化層202が適用されたカレンダーローラー201の断面図の図200を示す。使用される硬化層202は、当業者に知られているカレンダー薄膜に有効な任意の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、硬化層202は、クロム、タングステンカーバイド、及びダイヤモンド様コーティングの1つから選択される。いくつかの実施形態では、硬化層202はカレンダーローラー201の表面に配置される。
【0034】
いくつかの実施形態では、硬化層202の厚さは、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、または約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、または前述の値の任意の2つ以上の間の任意の範囲、例えば約1μmから約300μm、約10μmから約300μm、約100μmから約300μm、1μmから約200μm、約10μmから約200μm、または約100μmから約200μmである。
【0035】
図3は、実施形態による、化学蒸着によってダイヤモンド様コーティングを堆積する方法300を示す。この方法では、非コーティングローラーが、ブロック301において低圧環境内部に配置される。低圧環境の内部で、非コーティングローラーは、ブロック302において、メタン(CH)及び一酸化炭素(CO)の1つ以上を含むがこれらに限定されない揮発性前駆物質にさらされる。これらの前駆物質は非コーティングローラーの表面で反応し、ダイヤモンド様コーティングを形成する。上では、ダイヤモンド様コーティングの堆積を化学蒸着によって説明したが、プラズマ支援化学蒸着(PACVD)などのCVDの変形版も使用できることが理解される。堆積が完了すると、ローラーはブロック303において低圧環境から除くことができる。
【0036】
堆積されるダイヤモンド様コーティングの厚さは、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、または約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、または前述の値の任意の2つ以上の間の任意の範囲、例えば約1μmから約300μm、約10μmから約300μm、約100μmから約300μm、1μmから約200μm、約10μmから約200μm、または約100μmから約200μmである。
【0037】
図4は、実施形態による、例えばタングステンカーバイドの硬化層を堆積する方法400を示す。この方法では、非コーティングローラーが、ブロック401において低圧環境内部に配置される。低圧環境内では、非コーティングローラーは、ブロック402において揮発性前駆物質にさらされる。揮発性前駆物質は、限定されずに、水素(H)及びメタン(CH)を含む六塩化タングステン(WCl)、またはH及びメタノール(COH)を含むWCLのうちの1つ以上を含む。これにより、タングステンカーバイドコーティングの堆積が実現する。上では、タングステンカーバイドの堆積を化学蒸着によって説明したが、プラズマ支援化学蒸着(PACVD)などのCVDの変形版も使用できることが理解される。堆積が完了すると、ローラーはブロック403において低圧環境から除くことができる。
【0038】
堆積される硬化層の厚さは、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、または約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、または前述の値の任意の2つ以上の間の任意の範囲、例えば約1μmから約300μm、約10μmから約300μm、約100μmから約300μm、1μmから約200μm、約10μmから約200μm、または約100μmから約200μmである。
【0039】
特定の実施形態では、下層が追加の保護または表面の接着をもたらす。下層は、限定されずに、クロム、ダイヤモンド様コーティング(DLC)、タングステンカーバイド(WC)、または銅(Cu)の1つ以上を含むことができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、硬化層は、約1μm、約2μm、約3μm、約4μm、約5μm、約6μm、約7μm、約8μm、約9μm、約10μm、約15μm、約20μm、約25μm、約30μm、約35μm、約40μm、約45μm、または約50μm、約100μm、約150μm、約200μm、約250μm、約300μm、または前述の値の任意の2つ以上の間の任意の範囲、例えば約1μmから約300μm、約10μmから約300μm、約100μmから約300μm、1μmから約200μm、約10μmから約200μm、または約100μmから約200μmの厚さを有する。
【0041】
ダイヤモンド様コーティングの組成及び微細構造は、表面の硬度、耐薬品性、靭性、及びその他の所望の特性の要件に応じて調整できる。このようなダイヤモンド様コーティングの例は、ta-C型(四面体結合した水素を含まない非晶質炭素)、a-C:H型(水素を含む非晶質炭素)、a-C:H:Me型(Me=W、Ti、水素を含む金属ドープ非晶質炭素)、a-C:H:Si型(水素を含むSiドープ非晶質炭素)、a-C:H:X型(水素を含む非金属ドープ非晶質炭素)、a-C:Me型(Me=Ti、金属ドープ水素を含まない非晶質炭素)、ta-C:H型(水素を含む四面体結合非晶質炭素)のうちの1つ以上を含む。
【0042】
本開示のローラーの用途は、ニップローラーまたはカレンダーローラーを含み、限定されない。一実施形態では、ニップローラーまたはカレンダーローラーを含むローラーは、ダイヤモンド様コーティングまたはタングステンカーバイドの少なくとも1つによって表面硬化され、電極材料を処理するために使用される。いくつかの実施形態では、処理される電極材料は、アノードまたはカソードのうちの1つ以上であり、アノードまたはカソードは、それぞれ個別に、実質的に溶媒を使用せずに形成されるドライアノードまたはカソードであってもよい。これらの様々な電極は、これらが多様な組成、微細構造、機能性を有し得るにもかかわらず、総称してドライ電極と呼ばれる。
【0043】
一実施形態では、ドライ電極薄膜を形成する方法がある。いくつかの実施形態では、方法は、ローラーをドライ電極またはドライ電極前駆体材料と接触させ、表面硬化ローラーでドライ電極またはドライ電極前駆体粉末に少なくとも1つの力を付与してドライ電極薄膜を形成することを含む。
【0044】
ドライ電極またはドライ電極前駆物質は、一般に、当業者に知られている電極として有効な任意の物質であり得る。いくつかの実施形態では、ドライ電極またはドライ電極前駆物質は、アノードまたはカソードの一方である。いくつかの実施形態では、アノードまたはカソードはそれぞれ、実質的に溶媒なしで形成されたドライアノードまたはドライカソードであってもよい。
【0045】
ドライ電極などの電極は、電子、電気機械、電気化学、及びその他の有用なデバイスに電力を供給するために広く使用されている電気エネルギー貯蔵セルの内部に実装することができる。このようなセルには、一次化学セル及び二次(充電式)セルなどのバッテリーが含まれる。
【0046】
いくつかの実施形態では、表面硬化ローラーは、ローラーが電極に力を付与するために使用される場合、例えば、ローラーが電極または他のシートまたはウェブがローラー上を移動するよりも速くまたは遅く回転するように構成されている場合、追加の耐久性をもたらす。
【0047】
上記の詳細な説明では、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照している。図面では、文脈による別段の指示がない限り、類似の記号は通常、類似しているコンポーネントを特定する。詳細な説明、図面、及び請求項に記載されている例示的な実施形態は、限定することを意図したものではない。本明細書で提示された主題の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態を使用したり、他の変更を加えたりすることができる。本明細書で一般的に説明され、図面に図示されている本開示の態様は、本明細書で明示的に企図されている多種多様な構成で配置、置換、組み合わせ、分離、及び設計できることは、容易に理解されるであろう。
【0048】
本開示は、本出願に記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、様々な態様の例示として意図されている。当業者に明らかであるとおり、その精神及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形を行うことが可能である。本明細書において列挙されるものだけでなく、本開示の範囲内に含まれる、機能的に等価な方法及び装置が、上記の説明から当業者に明らかであるだろう。そのような修飾及び改変は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。本開示は、添付の特許請求の範囲の用語、及びそのような特許請求の範囲に権利を有する均等物の全範囲によってのみ限定されるものである。当然のことながら、本開示は、特定の方法、試薬、化合物、組成物、または生体系に限定されず、これらは、当然、変更可能である。本明細書で使用される専門用語が特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定するようには意図されていないことも理解されたい。
【0049】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/または単数形の用語の使用に関しては、当業者は、文脈及び/または用途に応じて、複数形から単数形へ、及び/または単数形から複数形へ変換することができる。明確さのために、本明細書では様々な単数/複数の順列が明示的に示される場合がある。
【0050】
一般的に、本明細書、及び特に特許請求の範囲(例えば、特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、概して、「限定されない」用語(例えば、用語「含んでいる」は、「含んでいるがこれに限定されない」、用語「有する」は、「少なくとも有する」、用語「含む」は「含むがこれに限定されない」等、として解釈されるべきである)として意図されることは当業者には理解されるであろう。様々なコンポーネント、方法、及びデバイスが、様々なコンポーネントまたはステップを「含む」(「含むが、これらに限定されない」という意味として解釈される)という観点から説明されている一方で、組成、方法、及びデバイスは、様々なコンポーネント及びステップ「を本質的に含む」または「からなる」場合もあり、そのような用語は、本質的に閉じた要素の集団を定義するものとして解釈されるべきである。導入される請求項の記述の特定の数が意図される場合、かかる意図は請求項に明示的に記述され、かかる記述の欠如が、かかる意図が提示されないことではないことは当業者にはさらに理解されるであろう。
【0051】
例えば、理解への補助として、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項の記述を導入する、導入句である「少なくとも1つの」及び「1つまたは複数の」の使用を含む場合がある。しかしながら、かかる句の使用は、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記述の導入が、その同じ請求項が導入句「1つ以上の」または「少なくとも1つの」及び「a」または「an」のような不定冠詞を含むときであっても(例えば、「a」及び/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)、かかる導入された請求項の記述を含む任意の特定の記述を1つのかかる記述のみを含む実施形態に限定することを暗示するように解釈されるべきではなく、請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の使用に対しても同じことが当てはまる。
【0052】
加えて、導入される請求項の記述の特定の数が明示的に記述される場合、当業者は、かかる記述が少なくとも記述された数(例えば、他の修飾語句なしの「2つの記述」の最低限の記述が、少なくとも2つの記述、または2つ以上の記述を意味する)を意味すると解釈されるべきであることを理解するであろう。さらに、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した規則が使用されている場合、一般に、そのような解釈は、当業者がその規則を理解する意味で意図されている(たとえば、「A、B、Cのうちの少なくとも1つを含むシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、及び/またはA、B、及びCが一緒、などを有するシステムが含まれるが、これらに限定されない)。「A、B、またはCなどのうちの少なくとも1つ」に類似した規則が使用されている事例の場合、一般に、そのような解釈は、当業者がその規則を理解する意味で意図されている(たとえば、「A、B、Cのうちの少なくとも1つを含むシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBが一緒に、AとCが一緒に、BとCが一緒に、及び/またはA、B、及びCが一緒、などを有するシステムが含まれるが、これらに限定されない)。さらに、当業者であれば、説明、請求項、図面のいずれにおいても、2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の分離語及び/または句は、用語の1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含める可能性を企図していると理解されるはずであることを理解するであろう。たとえば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AかつB」の可能性を含むと理解される。
【0053】
また、本開示の特長または態様がマーカッシュ群で記載される場合、当業者は、本開示が、それにより、そのマーカッシュ群の任意の個別の構成要素または構成要素の下位群でも記載されているものと理解するだろう。
【0054】
当業者には当然のことながら、ありとあらゆる目的に関して、特に書面で説明を提供するという点で、本明細書に開示される全ての範囲は、その範囲のありとあらゆる可能な部分範囲及び部分範囲の組み合わせも包含する。挙げられている範囲はどれも、同じ範囲を少なくとも均等な半分、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分割されることを十分に記載するものとして、またそれが可能であるものとして容易に認識できる。非限定的な例として、本明細書で説明する各範囲は、下側3分の1、中間の3分の1、上側3分の1などに簡単に分類できる。また、当業者であれば理解できるように、「最大」、「少なくとも」などのすべての言葉は、列挙された数字を含み、その後、上で説明したように部分範囲に細分化できる範囲を指すことができる。最後に、当業者には当然のことながら、範囲は、個々の要素のそれぞれを含む。したがって、たとえば、1~3個のセルを有する集団は、1個、2個、または3個のセルを有する集団を指す。同様に、1~5個のセルを有する集団は、1、2、3、4、または5個のセル等を有する集団を指す。
【0055】
様々な上に開示された特徴及び機能、並びに他の特徴及び機能、またはそれらの代替物は、多くの他の異なるシステムまたはアプリケーションに組み込まれてもよい。開示されている実施形態によって包含されることになることも各々意図される、様々な現在は予見できないまたは予期しないその代替物、修正、変形、または改善は、その後、当業者によって行われ得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】