(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】巻取装置のための糸ガイド装置
(51)【国際特許分類】
B65H 54/30 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B65H54/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527287
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2022081280
(87)【国際公開番号】W WO2023083870
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】102021129226.3
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518264859
【氏名又は名称】ザウラー スピニング ソリューションズ ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Saurer Spinning Solutions GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Carlstr. 60, 52531 Uebach-Palenberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィシュノフスキー、マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ボームゲス、ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】パーセケ、イェルク
(57)【要約】
本発明は、綾振りボビンを製造する繊維機械(1)のワークステーション(2)の巻取装置のための糸ガイド装置(23)であって、巻取装置(4)が、綾振りボビン(5)を回転させるためのボビン駆動ローラ(9)と、綾振りボビン(5)の表面上を走行する糸(16)を綾振りするための糸綾振り装置(10)とを有する糸ガイド装置に関する。綾振りボビン(5)を巻き取る際に、綾振りボビン(5)の表面上を走行する糸(16)が綾振りされて糸綾振り三角形(36)が形成され、巻取り結果に悪影響を及ぼす糸長さ変化の発生を防止するために、本発明によれば、糸ガイド装置(23)が、球状に形成された糸滑り面(35)を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
綾振りボビンを製造する繊維機械(1)のワークステーション(2)の巻取装置(4)のための糸ガイド装置(23)であって、前記巻取装置(4)が、綾振りボビン(5)を回転させるためのボビン駆動ローラ(9)と、前記綾振りボビン(5)の表面上を走行する糸(16)を綾振りするための糸綾振り装置(10)とを有し、
前記糸ガイド装置(23)が、球状に設計された糸滑り面(35)を有することを特徴とする、糸ガイド装置(23)。
【請求項2】
前記糸滑り面(35)の特定の球状設計が、製造されるべき前記綾振りボビン(5)の幅とは無関係であることを特徴とする、請求項1に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項3】
前記糸ガイド装置(23)が、好ましくは前記糸綾振り装置(10)の上流に配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項4】
前記糸綾振り装置(10)によって開始されて、糸綾振り三角形(36)が、前記巻取り動作中に前記ワークステーション(2)の最後の糸ガイド点(34)の上流に与えられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項5】
前記糸綾振り三角形(36)が頂点(A、B、C)を有することを特徴とする、請求項4に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項6】
前記頂点(A)が糸ガイド点(34)によって予め定められていることを特徴とする、請求項5に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項7】
前記頂点(B又はC)が、好ましくは単一のモータによって駆動され得る糸ガイド(13)の糸ガイド輪郭(37又は38)によって予め定められることを特徴とする、請求項5に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項8】
前記糸ガイド装置(23)が、好ましくはステンレス鋼で作られていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項9】
前記糸ガイド装置(23)が、ワークステーション(2)のワークステーションハウジング(39)に取り外し可能に固定することができることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項10】
前記糸ガイド装置(23)が、取付装置(40)であって、前記取付装置(40)上/中に互いに離間した糸ガイドピン(41)を固定することができる、取付装置(40)を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の糸ガイド装置(23)。
【請求項11】
前記取付装置(40)が、必要に応じて前記糸ガイドピン(41)の距離の補正を可能にするように設計されていることを特徴とする、請求項10に記載の糸ガイド装置(23)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、綾振りボビンを製造する繊維機械のワークステーションの巻取装置のための糸ガイド装置であって、巻取装置が、綾振りボビンを回転させるためのボビン駆動ローラと、綾振りボビンの表面上を走行する糸を綾振りするための糸綾振り装置とを有する糸ガイド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
糸綾振り装置は、綾振りボビンを製造する繊維機械、例えばロータ紡績機又は綾振り機のワークステーションの巻取装置に関連して長く知られており、特許文献に種々の実施形態で記載されている。このような糸綾振り装置は、一般に、回転駆動される綾振りボビンの表面上を走行する糸を綾振りするために使用され、糸綾振り三角形が形成される。しかしながら、対応する対策がとられない場合、そのような糸綾振り三角形を用いた巻取りプロセス中に、走行糸の糸長さに常に差があり、糸長さの差は、製造される綾振りボビンに非常に悪い影響を及ぼすことが多い。
【0003】
このような糸長さの差を最小にするために、すなわち、綾振りボビンを巻き取る際に糸綾振り三角形の領域で生じる糸長さの差をできるだけ小さく保つために、糸綾振り装置のための種々の糸ガイド装置が既に開発されている。
【0004】
しかしながら、ロータ紡績機又はエアジェット紡績機のワークステーションの公知の巻取装置と、綾振り機の公知の巻取装置とは、糸綾振り装置の構成に関しても、糸ガイド装置の構成に関してもガイド装置がどのように構成されているかという点でも、著しく異なり得る。
【0005】
例えば、独国特許出願公開第4223835(A1)号及び/又は独国特許出願公開第4330647(A1)号は、糸綾振り装置が各々、糸連行手段が装填され循環する無端ベルトによって形成され、単一のモータによって駆動され得る巻取装置を示し、説明している。糸連行手段は、走行糸を、いずれの場合も、綾振り領域の端部に配置された2つの糸搬送点の間で綾振りする。糸ガイド装置は、いずれの場合も、糸綾振り装置の上流に設置され、綾振り領域の長さにわたって延在し、例えば、凸状に走行する丸みを帯びた糸ガイド縁部を有する固定板金要素によって形成される。
【0006】
しかしながら、上述の巻取装置とは詳細が幾分異なる同等の巻取装置が、独国特許出願公開第10051997(A1)号から公知である。この公知の巻取装置は糸綾振り装置として糸ガイドを使用しており、この糸ガイドは交互に駆動可能な歯付きベルトに固定されている。この場合、凸状に湾曲した丸棒として設計された糸ガイド装置が、この糸綾振り装置の糸ガイドのいくらか上流に設置される。
【0007】
独国特許出願公開第102007018660(A1)号は、単一のモータによって駆動され得る指糸ガイドを糸綾振り装置として使用する巻取装置を更に開示している。指糸ガイドの上流には、凸状に湾曲した糸滑り面を有する板金要素によって形成された糸ガイド装置が設置される。糸ガイド装置の糸滑り面は、走行糸の方向に直線状に延在している。
【0008】
上述の糸ガイド装置では、綾振りボビンの製造時に糸綾振り三角形の領域で発生する走行糸の糸長さの差をある程度減少させることができたが、公知の糸ガイド装置はまだ完全には開発されておらず、確かに改善することができる。
【発明の概要】
【0009】
上述の従来技術から進めて、本発明の目的は、糸綾振り三角形の領域における走行糸の糸長さの差が、綾振りボビンの巻取り中に発生することを防止する糸ガイド装置を開発することである。
【0010】
この目的は、本発明によれば、球状に設計された糸滑り面を有する糸ガイド装置によって達成される。
【0011】
本発明による糸ガイド装置の有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0012】
本発明による糸ガイド装置の利点は、特に、糸ガイド点と綾振りボビンとの間の糸長さ、又は糸綾振り三角形内の糸長さが、巻取りプロセス中に均一化されることである。これは、糸ガイドが中央に位置決めされたときに糸綾振り装置の糸ガイドの糸ガイド輪郭と糸ガイド点との間に存在する糸長さと、糸ガイドがその2つの端部位置のうちの1つにあるときに糸ガイドの糸ガイド輪郭と糸ガイド点との間に生じる糸長さとがほぼ同じであることを意味し、その結果、糸張力ピークの形成が巻取りプロセス中に大幅に防止される。
【0013】
更に、球状に形成された糸滑り面を備えた糸ガイド装置の使用は、綾振りボビンの所望の綾振り幅の正確な調整を可能にするだけでなく、ボビン走行時に生じる綾振りの短縮を減少させる。これは、本発明に従って設計された糸ガイド装置を用いて巻き取られる綾振りボビンが、従来のガイド輪郭を有する糸ガイド装置を用いて巻き取られた綾振りボビンと比較して、より均一な側面外観を有し、したがってより多くの糸材料を有することを意味する。
【0014】
有利な実施形態では、糸ガイド装置の球状の糸滑り面の特定の形状が、製造されるべき綾振りボビンの幅とは無関係であるようになっている。このことは、巻取りプロセス中の糸綾振り三角形において補償されるべき糸長さ変化が、製造されるべき綾振りボビンの幅に依存しているにもかかわらず、幅広の綾振りボビンを製造する場合には、比較的明確に形成された球状の糸滑り面を有する糸ガイド装置を使用する必要がなく、又は幅狭の綾振りボビンを製造する場合には、球状の糸滑り面があまり目立たない糸ガイド装置を使用する必要がないことを意味する。しかしながら、糸の繊度、糸の特性、及び/又は加工される糸の材料の組合せに応じて、球状設計の幾何形状の変形を使用することが有利な場合がある。
【0015】
有利には、糸ガイド装置は各々、糸綾振り装置の直前に配置されている。このようにして、紡績コップから引き出され、巻取りプロセス中に綾振りボビンの表面上を走行する糸が、例えばフォーク状に設計された糸ガイドの糸ガイド輪郭から誤って滑り落ちることが確実に防止される。
【0016】
既に述べたように、紡績コップから引き出されて綾振りボビンの表面上を走行する糸は、糸綾振り装置によって開始されて、巻取り動作中にワークステーションの最後の糸ガイド点の上流で糸綾振り三角形を形成する。最後の糸ガイド点は、糸張力センサであり得る。本発明の範囲内で、最後の糸ガイド点がアイレットなどによって形成されることも考えられる。
【0017】
糸綾振り三角形は3つの頂点を有し、第1の頂点は糸ガイド点の領域にあり、他の2つの頂点は、単一のモータによって駆動され得る糸ガイドの糸ガイド輪郭によって予め定められ、いずれの場合も、その端部位置の1つに位置決めされる。このことは、紡績コップから巻き出された糸が、糸ガイド点を通過した後に、糸ガイドの糸ガイド輪郭によって交互に頂点へ移動させられることを意味しており、糸ガイド装置の球状に設計された糸滑り面は、走行糸の糸ガイドの全ての位置において糸長さ変化が生じることを防止する。
【0018】
有利な実施形態では、糸ガイド装置はステンレス鋼で作られる。このようなステンレス鋼構造は、非常に耐食性であるだけでなく、比較的耐摩耗性でもある。このことは、ステンレス鋼で作られ、球状に設計された糸滑り面を備えたこのような糸ガイド装置が、長い耐用年数によって特徴付けられることを意味する。糸ガイド装置は別の材料で作られることも考えられる。本発明にとって重要なことは、糸ガイド装置が良好な滑り特性と良好な耐摩耗性及び耐薬品性とを有していることである。
【0019】
好ましくは、糸ガイド装置は各々、ワークステーションのワークステーションハウジングに取り外し可能に固定される。このことは、糸ガイド装置を必要に応じて迅速かつ容易に取り外すことができ、例えば、より球状の糸滑り面を有する糸ガイド装置と交換することができることを意味する。
【0020】
好ましい実施形態によれば、ワークステーションは、綾振り機の綾振りステーション又は紡績機の紡績ステーションである。
【0021】
糸ガイド装置は更に、取付装置であって、取付装置上/中に糸ガイドピンを固定することができる、取付装置を有し、糸ガイドピンは、走行糸が巻取りプロセス中に糸ガイド装置の球状に設計された糸滑り面から滑り落ちるのを確実に防止する。取付装置は、糸ガイドピンの距離の容易で正確な調整を可能にするだけでなく、必要であればいつでもこの距離の補正も可能にする。
【0022】
本発明の更なる詳細は、図面を参照して以下に示される例示的な実施形態から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面は以下の通りである。
【
図1】本発明に従って設計された糸ガイド装置を有する巻取装置を備えた綾振り機のワークステーションの非常に概略的な側面図を示す。
【
図2】糸綾振り装置と、本発明による球状に設計された糸滑り面を有する糸ガイド装置とを備えたワークステーションの巻取装置の部分斜視正面図を示す。
【
図3】球状に設計された糸滑り面を有する糸ガイド装置の第1の有利な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、綾振り機1のワークステーション2の概略側面図を示す。このようなワークステーション2は、製造工程の上流側にある比較的少ない糸材料のリング紡績機の紡績ステーションで製造された紡績コップ3を、大量の綾振りボビン5に巻戻すために使用され、この綾振りボビン5は、完成後に、サービス装置(図示せず)によって機械長手の綾振りボビン搬送装置7に引き渡され、この綾振りボビン搬送装置によって、機械端部側に配置されたボビン装填ステーションなどに搬送される。
【0025】
ワークステーション2に新しい紡績コップ3を供給するために、又はワークステーション2で巻き出された空のスリーブ17を廃棄するために、このような綾振り機1はしばしばスリーブボビン搬送システム6を有しており、このスリーブボビン搬送システム6内では、紡績コップ3又は空のスリーブ17を備えた搬送プレート11、いわゆるペグトレイが循環している。このようなスリーブ及びボビン搬送システム6のうち、コップ供給ライン24と、可逆的に駆動可能な貯蔵部25と、ワークステーション2に至り、各々が巻出位置UPを備えた横方向搬送経路26と、スリーブ戻りライン27のみが
図1に示されている。
【0026】
このような綾振り機1のワークステーション2は、種々のハンドリング装置及びセンサ装置を備えていることも知られており、これらの処理装置及びセンサ装置は、ワークステーション2の円滑な動作、特に、適切な綾振りボビン5の製造を、巻取りプロセス中に可能にする。ワークステーション2のこれらの処理装置の1つは、例えば、参照番号4で示された巻取装置であり、この巻取装置4は、綾振りボビン5を自由に回転可能に保持するために、旋回軸12を中心として移動可能に取り付けられたボビンフレーム8を有する。図示されているように、綾振りボビン5は、通常の巻取りプロセスの間、その表面でボビン駆動ローラ9上に載置され、摩擦係合を介してボビン駆動ローラ9によって連行される。ボビン駆動ローラ9は、例えば、制御ライン18を介してワークステーションコンピュータ28と通信する単一の電気モータ駆動部22に接続される。
【0027】
紡績コップ3から引き出されて綾振りボビン5上を走行する糸16を巻取りプロセス中に綾振りするための糸綾振り装置10が設けられており、糸綾振り装置は、綾振りボビン5の両端面の間で連続的に糸16を綾振りする。糸綾振り装置10は、糸ガイド13(この例示的な実施形態では好ましくは指糸ガイド)を備えており、糸ガイド13は、制御ライン15を介してワークステーションコンピュータ28に接続された個別駆動部14によって作動される。
【0028】
更に、本発明に従って設計された糸ガイド装置23は、糸綾振り装置10の糸ガイド13のすぐ上流に配置され、この糸ガイド装置23は、
図2及び
図3を参照して以下でより詳細に説明される。
【0029】
このような綾振り機1の各ワークステーション2は更に、旋回可能に取り付けられた、いわゆる上糸を処理するための負圧を作用させることができる吸引ノズル19と、旋回可能に支承された、下糸を処理するための同様に負圧を作用させることができるグリッパ管20と、空気式糸継ぎ装置21とを有しており、この空気式糸継ぎ装置21によって、必要に応じて(例えば糸切れ後に)上糸と下糸の糸端部を再びほぼ糸のようにまとめることができる。
【0030】
このような綾振り機1のワークステーション2は、一般的に更なる装置、例えば下糸センサ29、糸張り装置30、電子糸クリーナ31、糸切断装置32、ワキシング装置33及び糸張力センサ34も備えている。これらの装置はまた、制御ライン及び信号ラインを介してワークステーションコンピュータ28に接続されている。
【0031】
知られているように、電子糸クリーナ31は、巻戻し動作中に走行糸16の一定の品質監視を行う。これは、糸クリーナ31が通過する糸16を連続的に監視し、それによって、糸切れ、二重糸、及び薄い又は厚いスポットなどの重大な糸欠陥を検出することを意味する。
【0032】
巻戻し動作中、走行糸16は、更に、一般に、糸綾振り装置10の上流の糸経路に配置された糸張力センサ34によって走査される。
【0033】
図2は、綾振り機1のワークステーション2の巻取装置4の部分斜視正面図を示す。公知のように、巻取装置4は、特に、綾振りボビン5を回転させるためのボビン駆動ローラ9と、糸綾振り装置10とを有している。糸綾振り装置10は糸ガイド13を有しており、この糸ガイドは個別駆動部14によって綾振り可能である。更に、本発明によれば球状に設計された糸滑り面35を有する糸ガイド装置23が、糸綾振り装置10の糸ガイド13の直前に設置されている。糸ガイド装置23は、好ましくはステンレス鋼で作られ、及び/又はコーティングされており、したがって耐食性であり、比較的耐摩耗性である。糸ガイド装置23は更に、走行糸16の境界を構成する糸ガイドピン41を備えている。
【0034】
図示のように、糸ガイド13によって綾振りされる走行糸16は、巻取りプロセス中に、頂点A、B、及びCを有する糸綾振り三角形36を形成する。頂点Aは、糸経路において糸ガイド装置23の上流に配置された糸ガイド点34の糸ガイド42の出力側にあり、この糸ガイド点34は、この例示的な実施形態では糸張力センサによって形成される。頂点B又はCは、糸ガイド13の糸ガイド輪郭37又は38によって予め定められており、糸ガイド輪郭37又は38は、その予め定められた端部位置の1つに位置決めされている。
【0035】
同様に綾振りボビン5を製造するために使用されるロータ紡績機又はエアジェット紡績機も、このような巻取装置4を備えたワークステーション2を有している。
【0036】
図3は、本発明による糸ガイド装置23の有利な例示的な実施形態を詳細に示す。このような糸ガイド装置23は、ワークステーション2のワークステーションハウジング39に取り外し可能に固定することができ、例えば、側方突出部43を通過するねじ接続を使用することができる。したがって、このような糸ガイド装置23は、必要に応じて迅速かつ容易に取り外して交換することができる。
【0037】
糸ガイド装置23は更に、糸ガイドピン41を固定するための取付装置40を有し、取付装置40は、糸ガイドピン41の内法幅Wを必要に応じて調整することができるように設計され、糸ガイドピン41の距離Wをいつでも補正することができる。これは、巻取りプロセス中に、糸ガイドピン41が、綾振りボビン5上を走行する糸16が糸ガイド装置23の球状に設計された糸滑り面35から滑り落ちるのを確実に防止することを意味する。
【0038】
参照符号の一覧
1 綾振り機
2 1のワークステーション
3 紡績コップ
4 巻取装置
5 綾振りボビン
6 スリーブ及びボビン搬送システム
7 綾振りボビン搬送装置
8 ボビンフレーム
9 ボビン駆動ローラ
10 糸綾振り装置
11 ペグトレイ
12 8の旋回軸
13 糸ガイド
14 13の単一駆動部
15 制御ライン
16 糸
17 空のスリーブ
18 制御ライン
19 吸引ノズル
20 グリッパ管
21 糸継ぎ装置
22 9の単一駆動部
23 糸ガイド装置
24 コップ供給ライン
25 貯蔵部
26 横方向搬送部
27 スリーブ戻り部
28 ワークステーションコンピュータ
29 下糸センサ
30 糸張り装置
31 糸クリーナ
32 糸切断装置
33 ワキシング装置
34 糸ガイド点
35 糸滑り面
36 糸綾振り三角形
37 13の糸ガイド輪郭
38 13の糸ガイド輪郭
39 ワークステーションハウジング
40 取付装置
41 糸ガイドピン
42 34上の糸ガイド
43 突出部
A 36の頂点
B 36の頂点
C 36の頂点
UP 巻出位置
W 41の距離
【国際調査報告】