(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両用サイドシル
(51)【国際特許分類】
B62D 25/20 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B62D25/20 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527434
(86)(22)【出願日】2022-11-03
(85)【翻訳文提出日】2024-05-09
(86)【国際出願番号】 KR2022017116
(87)【国際公開番号】W WO2023085689
(87)【国際公開日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】10-2021-0155818
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492576
【氏名又は名称】ポスコ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ギュ-ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク、 ジョン-チョル
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203AA31
3D203BB12
3D203CA25
3D203CA29
3D203CA37
3D203CA38
3D203CA45
3D203CA55
3D203DB05
(57)【要約】
本発明は、第1サイドシルフレームと、上記第1サイドシルフレームに結合されて上記第1サイドシルフレームと共に中空部を形成する第2サイドシルフレームと、上記中空部に配置され、一側が上記第1サイドシルフレームと接合されて第1閉断面を形成する第1強化フレームと、上記第1サイドシルフレーム及び上記第2サイドシルフレームに接合されて上記中空部を分割し、上記第1強化フレームの他側が接合される隔膜部材と、上記中空部に配置され、上記隔膜部材に接合されて第2閉断面を形成する第2強化フレームと、を含み、上記第1強化フレームは、上記第1閉断面において外側に突出した形態の曲げ点を有する車両用サイドシルを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サイドシルフレームと、
前記第1サイドシルフレームに結合されて前記第1サイドシルフレームと共に中空部を形成する第2サイドシルフレームと、
前記中空部に配置され、一側が前記第1サイドシルフレームと接合されて第1閉断面を形成する第1強化フレームと、
前記第1サイドシルフレーム及び前記第2サイドシルフレームに接合されて前記中空部を分割し、前記第1強化フレームの他側が接合される隔膜部材と、
前記中空部に配置され、前記隔膜部材に接合されて第2閉断面を形成する第2強化フレームと、を含み、
前記第1強化フレームは、
前記第1閉断面において外側に突出した形態の曲げ点を有する、車両用サイドシル。
【請求項2】
第1サイドシルフレームと、
前記第1サイドシルフレームに結合されて前記第1サイドシルフレームと共に中空部を形成する第2サイドシルフレームと、
前記中空部に配置され、一側が前記第1サイドシルフレームと接合されて第1閉断面を形成する第1強化フレームと、
前記中空部に配置され、一側が前記第1強化フレームに接合されて第2閉断面を形成する第2強化フレームと、を含み、
前記第1強化フレームは、
前記第1閉断面において外側に突出した形態の曲げ点を有する、車両用サイドシル。
【請求項3】
前記第1サイドシルフレーム、前記第2サイドシルフレーム、前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームのうち少なくともいずれか一つは鋼材で構成された、請求項1又は2に記載の車両用サイドシル。
【請求項4】
前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームは、
前記サイドシルの長さ方向の断面上において凹凸部を含む、請求項1又は2に記載の車両用サイドシル。
【請求項5】
前記凹凸部は、
前記サイドシルの長さ方向に突出面と凹入面とが交番的に形成され、前記突出面と前記凹入面との間に傾斜面が形成される、請求項4に記載の車両用サイドシル。
【請求項6】
前記第1強化フレームの前記突出面は前記第2強化フレームの前記突出面に重なり、前記第1強化フレームの前記凹入面は前記第2強化フレームの前記凹入面に重なる、請求項5に記載の車両用サイドシル。
【請求項7】
前記第1強化フレームは、
前記曲げ点の位置が、前記第1サイドシルフレームの第1内面から前記第1強化フレームの設置幅の30~70%程度の距離を置いて離隔した位置に形成される、請求項1又は2に記載の車両用サイドシル。
【請求項8】
前記第1強化フレームは、
前記曲げ点を境界として前記第1サイドシルフレームの第1内面方向に延びて形成される第1区間と、
前記曲げ点を境界として折り曲げられて前記第2サイドシルフレームの第2内面方向に延びて形成され、前記第1閉断面の内部において前記第1区間との曲げ角を形成する第2区間と、を含む、請求項1又は2に記載の車両用サイドシル。
【請求項9】
前記第1強化フレームは、
前記曲げ角が前記第1閉断面の内部に形成され、前記曲げ角が165~175度の範囲を有することを特徴とする、請求項8に記載の車両用サイドシル。
【請求項10】
前記第2強化フレームは、他側が前記第2サイドシルフレームの第2内面に接して配置される、請求項1又は2に記載の車両用サイドシル。
【請求項11】
前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームは、
前記第2サイドシルフレームの第2内面から前記第1サイドシルフレームの第1内面に向かうほど、設置幅が減少しないことを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両用サイドシル。
【請求項12】
前記第1強化フレーム及び前記第2強化フレームは、
単一の鋼板を多段に折り曲げて形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両用サイドシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サイドシルに関する。
【背景技術】
【0002】
この部分に述べられた内容は、単に本発明に対する背景情報を提供するだけであり、従来技術を構成するものではないことを明らかにする。
【0003】
電気自動車のような環境にやさしい車両に適用されるサイドシルは、乗客だけでなく底面に位置するバッテリも保護する役割を果たす。バッテリは、車両の他の構成要素に比べて相対的にその体積が大きいため、内燃機関が装着された車両に比べてバッテリを装着した車両の側面空間が相対的に狭い。
【0004】
したがって、環境にやさしい車両に適用されるサイドシルは、狭い空間内で最大限の衝突エネルギーを吸収できなければならず、環境にやさしい車両のエネルギー効率を向上させるためには最小限の重量を有する必要がある。
【0005】
そのために、環境にやさしい車両のサイドシルにはアルミニウム押出素材が適用されてきたが、衝突エネルギー吸収性能の向上及び軽量化の達成に対する要求は続いている実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開実用新案第20-1998-0043143号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、一側面として、衝突エネルギーを効率的に吸収し、軽量化を達成することができる車両用サイドシルを提供しようとする。
【0008】
本発明は、一側面として、衝突による室内流入量を最小限に抑え、搭乗者及びコア部品であるバッテリを安全に保護することができる車両用サイドシルを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記のような目的を達成するための一側面として、本発明は、第1サイドシルフレームと、上記第1サイドシルフレームに結合されて上記第1サイドシルフレームと共に中空部を形成する第2サイドシルフレームと、上記中空部に配置され、一側が上記第1サイドシルフレームと接合されて第1閉断面を形成する第1強化フレームと、上記第1サイドシルフレーム及び上記第2サイドシルフレームに接合されて上記中空部を分割し、上記第1強化フレームの他側が接合される隔膜部材と、上記中空部に配置され、上記隔膜部材に接合されて第2閉断面を形成する第2強化フレームと、を含み、上記第1強化フレームは、上記第1閉断面において外側に突出した形態の曲げ点を有する車両用サイドシルを提供する。
【0010】
上記のような目的を達成するための他の一側面として、本発明は、第1サイドシルフレームと、上記第1サイドシルフレームに結合されて上記第1サイドシルフレームと共に中空部を形成する第2サイドシルフレームと、上記中空部に配置され、一側が上記第1サイドシルフレームと接合されて第1閉断面を形成する第1強化フレームと、上記中空部に配置され、一側が上記第1強化フレームに接合されて第2閉断面を形成する第2強化フレームと、を含み、上記第1強化フレームは、上記第1閉断面において外側に突出した形態の曲げ点を有する車両用サイドシルを提供する。
【0011】
上記第1サイドシルフレーム、上記第2サイドシルフレーム、上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームのうち少なくともいずれか一つは鋼材で構成されることができる。
【0012】
上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、上記サイドシルの長さ方向の断面上において凹凸部を含むことができる。
【0013】
上記凹凸部は、上記サイドシルの長さ方向に突出面と凹入面とが交番的に形成され、上記突出面と上記凹入面との間に傾斜面が形成されることができる。
【0014】
上記第1強化フレームの上記突出面は、上記第2強化フレームの上記突出面に重なり、上記第1強化フレームの上記凹入面は、上記第2強化フレームの上記凹入面に重なることができる。
【0015】
上記第1強化フレームは、上記曲げ点の位置が上記第1サイドシルフレームの第1内面から上記第1強化フレームの設置幅の30~70%程度の距離を置いて離隔した位置に形成されることができる。
【0016】
上記第1強化フレームは、上記曲げ点を境界として上記第1サイドシルフレームの第1内面方向に延びて形成される第1区間と、上記曲げ点を境界として折り曲げられて上記第2サイドシルフレームの第2内面方向に延びて形成され、上記第1閉断面の内部において上記第1区間との曲げ角を形成する第2区間と、を含むことができる。
【0017】
上記第1強化フレームは、上記曲げ角が上記第1閉断面の内部に形成され、上記曲げ角は165~175度の範囲を有することができる。
【0018】
上記第2強化フレームは、他側が上記第2サイドシルフレームの第2内面に接して配置されることができる。
【0019】
*上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、上記第2サイドシルフレームの第2内面から上記第1サイドシルフレームの第1内面方向に向かうほど、設置幅が減少しなくてもよい。
【0020】
上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、単一の鋼板を多段に折り曲げて形成されることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施例によれば、車両用サイドシルは、衝突エネルギーを効率的に吸収し、軽量化を達成することができる効果がある。
【0022】
本発明の一実施例によれば、車両用サイドシルは、衝突による室内流入量を最小限に抑え、搭乗者及びコア部品であるバッテリを安全に保護することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の車両用サイドシルと対比される第1比較例の車両用サイドシルの斜視図である。
【
図3】本発明の車両用サイドシルと対比される第2比較例の車両用サイドシルの斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施例に係る車両用サイドシルの斜視図である。
【
図7】
図5の第1実施例に係る車両用サイドシルの曲げ点の位置を示す図である。
【
図8】本発明の第2実施例に係る車両用サイドシルの斜視図である。
【
図10】
図8の第2実施例に係る車両用サイドシルの曲げ点の位置を示す図である。
【
図11a】第1比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図11b】第1比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図11c】第1比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図12a】第1実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図12b】第1実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図12c】第1実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図13a】第2比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図13b】第2比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図13c】第2比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図14a】第2実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図14b】第2実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図14c】第2実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【
図15】
図1の第1比較例の車両用サイドシルと
図5の第1実施例の荷重-変位線図である。
【
図16】
図3の第3比較例の車両用サイドシルと
図8の第2実施例の荷重-変位線図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な異なる形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面における要素の形状及びサイズなどは、より明確な説明のために誇張することができる。
【0025】
以下、添付の図面に示すX軸は車両用サイドシルの幅方向、Y軸は車両用サイドシルの長さ方向、Z軸は車両用サイドシルの高さ方向である。
【0026】
図1は、本発明の車両用サイドシルと対比される第1比較例の車両用サイドシルの斜視図であり、
図2は
図1の断面図である。
【0027】
第1比較例の場合は、第1強化フレーム300が第1閉断面M1において外側(Z軸方向)に突出した形態の曲げ点370が形成されないという点で、後述する第1実施例とは異なる。
【0028】
第1比較例の場合は、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400の変形がX軸方向に正常に圧壊されず、Z軸方向に傾く変形が発生するという問題点がある。これは、様々な衝突環境下で安定的な衝突エネルギー吸収性能を発揮する上で大きな不安要素になり得るという問題点がある。
【0029】
図3は、本発明の車両用サイドシルと対比される第2比較例の車両用サイドシルの斜視図であり、
図4は
図3の断面図である。
【0030】
第2比較例の場合は、第1強化フレーム300が第1閉断面M1において外側(Z軸方向)に突出した形態の曲げ点370が形成されないという点で、後述する第2実施例とは異なる。
【0031】
第2比較例の場合は、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400のX軸方向に正常に圧壊されず、Z軸方向に傾く変形が発生するという問題点がある。これは、様々な衝突環境下で安定的な衝突エネルギー吸収性能を発揮する上で大きな不安要素になり得るという問題点がある。
【0032】
以下、
図5~
図10を参照して、第1実施例、第2実施例に係る車両用サイドシルに含まれた構成要素について具体的に説明する。
【0033】
図5は、本発明の第1実施例に係る車両用サイドシルの斜視図であり、
図6は
図5の断面図であり、
図7は、
図5の第1実施例に係る車両用サイドシルの曲げ点370の位置Uを示す図である。
【0034】
図8は、本発明の第2実施例に係る車両用サイドシルの斜視図であり、
図9は
図8の断面図であり、
図10は、
図8の第2実施例に係る車両用サイドシルの曲げ点370の位置Uを示す図である。
【0035】
第1実施例に係る車両用サイドシルは、第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200、第1強化フレーム300、隔膜部材500及び第2強化フレーム400を含むことができる。
【0036】
第1サイドシルフレーム100は、X軸方向にサイドシルの幅方向の内側に配置されることができる。
【0037】
第2サイドシルフレーム200は、第1サイドシルフレーム100に結合されて第1サイドシルフレーム100と共に中空部Sを形成することができる。
【0038】
第2サイドシルフレーム200は、X軸方向にサイドシルの幅方向の外側に配置されることができる。第2サイドシルフレーム200は、第1サイドシルフレーム100と溶接接合等により接合されることができる。
【0039】
第1強化フレーム300は中空部Sに配置され、一側が第1サイドシルフレーム100と接合されて第1閉断面M1を形成することができる。
【0040】
第1強化フレーム300は、第1閉断面M1において外側(Z軸方向)に突出した形態の曲げ点370を有することができる。
【0041】
第1強化フレーム300は、第1サイドシルフレーム100と接合されて第1閉断面M1を形成することで、車両用サイドシルの機械的剛性を向上させることができる。
【0042】
第1強化フレーム300は、サイドシルのX-Z軸断面上において第1上部フランジ310、一対の第1ウェブ部材330、及び一対の第1下部フランジ350を含むことができる。
【0043】
第1上部フランジ310には、高さ方向の両側端部にそれぞれ第1ウェブ部材330が連結されることができる。
【0044】
第1上部フランジ310は隔膜部材500に接合されることができる。
【0045】
第1上部フランジ310は平面であってもよい。これによると、第1上部フランジ310に接着剤等を塗布する際に、第1上部フランジ310の接着力を向上させることができ、接着及び組立作業の便宜性を向上させることができる。
【0046】
第1ウェブ部材330は、第1上部フランジ310から延び、第1サイドシルフレーム100の第1内面110方向に延びて形成されることができる。
【0047】
第1ウェブ部材330と第1下部フランジ350は、交差して配置されるように第1強化フレーム300を曲げ成形することができる。
【0048】
第1ウェブ部材330は傾斜して形成されることができ、第1サイドシルフレーム100に接触せずに隔膜部材500の直前まで延びることができる。これによると、X軸方向に荷重が加わるときに第1強化フレーム300が荷重方向に圧縮変形することを容易にすることができる。
【0049】
第1下部フランジ350は、第1サイドシルフレーム100の第1内面110に接合されることができる。
【0050】
隔膜部材500は、第1サイドシルフレーム100及び第2サイドシルフレーム200に接合されて中空部Sを分割し、第1強化フレーム300の他側が接合されることができる。
【0051】
隔膜部材500の一側には第1強化フレーム300が接合され、他側には第2強化フレーム400が接合されることができる。
【0052】
隔膜部材500は、第1サイドシルフレーム100と第2サイドシルフレーム200との間に位置し、一側が第1サイドシルフレーム100及び第2サイドシルフレーム200と接合され、他側が第1サイドシルフレーム100及び第2サイドシルフレーム200と接合されることができる。
【0053】
隔膜部材500は、X軸方向に荷重が加わるとき、第1サイドシルフレーム100及び第2サイドシルフレーム200を荷重方向に安定的に圧縮変形可能にする。したがって、隔膜部材500は、衝突エネルギーの吸収性能を向上させる役割を果たすことができる。
【0054】
第2強化フレーム400は中空部Sに配置され、隔膜部材500に接合されて第2閉断面M2を形成することができる。
【0055】
第2強化フレーム400は、一側において隔膜部材500に接合されて第2閉断面M2を形成することで、車両用サイドシルの機械的剛性を向上させることができる。
【0056】
第2強化フレーム400は、サイドシルのX-Z軸断面上において第2上部フランジ410、一対の第2ウェブ部材430、及び一対の第2下部フランジ450を含むことができる。
【0057】
第2上部フランジ410は平面であってもよい。これによると、第2上部フランジ410に第2サイドシルフレーム200との接着のための接着剤等が塗布される際に、第2上部フランジ410の接着力を向上させることができ、接着及び組立作業の便宜性を向上させることができる。
【0058】
第2上部フランジ410には、高さ方向の両側端部にそれぞれ第2ウェブ部材430が連結されることができる。
【0059】
第2ウェブ部材430は、第2上部フランジ410から延び、第1サイドシルフレーム100の第1内面110方向に延びて形成されることができる。
【0060】
第2強化フレーム400の第2下部フランジ450は、隔膜部材500に接合されることができる。
【0061】
第2下部フランジ450は、隔膜部材500に接触して固定されることができ、第2ウェブ部材430は、第2サイドシルフレーム200に接触せずに第2サイドシルフレーム200の直前まで延びることができる。これによると、X軸方向に荷重が加わるときに第2強化フレーム400が荷重方向に圧縮変形することを容易にすることができる。
【0062】
第1上部フランジ310上には第1接合面が存在することができ、第2上部フランジ410上には第2接合面が存在することができる。
【0063】
第1接合面及び第2接合面は平面であってもよく、これにより接合性能が向上できる。
【0064】
第1上部フランジ310は、Y軸に平行な方向に一定区間連続して存在することができ、隔膜部材500と一定区間連続して接触することができる。
【0065】
第2上部フランジ410は、Y軸に平行な方向に一定区間連続して存在することができ、第2サイドシルフレーム200と一定区間連続して接触することができる。
【0066】
したがって、第1接合面及び第2接合面はY軸方向に一定区間連続して存在することができ、第1接合面全体が隔膜部材500と接合され、第2接合面全体が第2サイドシルフレーム200と接合されることにより、接合性能が向上できる。
【0067】
一例として、第1サイドシルフレーム100と第1強化フレーム300はスポット溶接によって接合され、第1強化フレーム300と隔膜部材500は接着材で接着され、第2強化フレーム400と第2サイドシルフレーム200は接着材で接着されることができる。
【0068】
隔膜部材500と第2強化フレーム400はスポット溶接によって接合され、第1サイドシルフレーム100と第2サイドシルフレーム200はスポット溶接によって接合されることができる。
【0069】
もちろん、第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200、第1強化フレーム300、隔膜部材500、第2サイドシルフレーム200などの部材間の接合には、溶接接合、又は接着剤接合などの様々な接合方式を適用することができる。
【0070】
第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200、第1強化フレーム300、第2強化フレーム400のうち少なくともいずれか一つは、鋼板をフォームフォーミング又はクラッシュフォーミングして成形することができる。これにより、金型コストなどの削減による製造コストの削減に寄与することができる。
【0071】
第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、980MPa以上の引張強度を有する超高強度鋼で構成されることができる。
【0072】
一例として、第1サイドシルフレーム100及び第2サイドシルフレーム200は1470MART鋼を含む材質で構成されてもよく、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は1180TRIP鋼を含む材質で構成されてもよい。
【0073】
図8~
図10を参照すると、第2実施例に係る車両用サイドシルは、第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200、第1強化フレーム300、及び第2強化フレーム400を含むことができる。
【0074】
第2実施例に係る車両用サイドシルは、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400との間に隔膜部材500の構成要素が除去された点で相違があるが、残りの構成要素は、前述した第1実施例の車両用サイドシルの構成と同一であり得る。したがって、以下では、第1実施例とは異なる第2実施例の構成要素について主に説明する。
【0075】
第1強化フレーム300は、サイドシルのX-Z軸断面上において、第1上部フランジ310、一対の第1ウェブ部材330、及び一対の第1下部フランジ350を含むことができる。
【0076】
第1上部フランジ310には、高さ方向の両側端部にそれぞれ第1ウェブ部材330が連結されることができる。第2下部フランジ450が第1ウェブ部材330に接合されることで、第1上部フランジ310は第1閉断面M1及び第2閉断面M2の境界に配置されることができる。
【0077】
第2強化フレーム400は中空部Sに配置され、一側が第1強化フレーム300に接合されて第2閉断面M2を形成することができる。
【0078】
第2強化フレーム400は、一側において第1強化フレーム300に接合されて第2閉断面M2を形成することで、車両用サイドシルの機械的剛性を向上させることができる。
【0079】
第2強化フレーム400は、サイドシルのX-Z軸断面上において、第2上部フランジ410、一対の第2ウェブ部材430、及び一対の第2下部フランジ450を含むことができる。
【0080】
第2強化フレーム400の第2下部フランジ450は、第1強化フレーム300の第1ウェブ部材330に接合されることができる。
【0081】
第2下部フランジ450は、第2ウェブ部材430の間に段差が形成されることができ、一対の第2下部フランジ450のZ軸方向の間隔が一対の第2ウェブ部材430のZ軸方向の間隔より広い間隔を有することができる。
【0082】
一例として、第1サイドシルフレーム100と第1強化フレーム300はスポット溶接によって接合され、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400はレーザ溶接又はスポット溶接によって接合され、第2サイドシルフレーム200と第2強化フレーム400は接着材によって接合されることができる。
【0083】
第1サイドシルフレーム100と第2サイドシルフレーム200は、スポット溶接によって接合されることができる。
【0084】
もちろん、第1強化フレーム300、第2強化フレーム400、第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200などの部材間の接合には、溶接接合又は接着剤接合などの様々な接合方式を適用することができる。
【0085】
第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200、第1強化フレーム300、及び第2強化フレーム400のうち少なくともいずれか一つは鋼材で構成されることができる。
【0086】
一例として、第1サイドシルフレーム100、第2サイドシルフレーム200、第1強化フレーム300、及び第2強化フレーム400は鋼材で構成されてもよい。これにより、車両用サイドシルの機械的剛性が向上できる。
【0087】
第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、サイドシルの長さ方向の断面上において凹凸部Pを含むことができる。
【0088】
第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、長さ方向に凹凸部Pが繰り返されることができる。
【0089】
第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、凹凸部Pを含むことで、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400を構成する鋼材等の厚さを増加させることなく剛性を向上させることができる。
【0090】
*凹凸部Pは、サイドシルの長さ方向に突出面P1と凹入面P2とが交番的に形成され、突出面P1と凹入面P2との間に傾斜面P3が形成されることができる。
【0091】
第1強化フレーム300の突出面P1は第2強化フレーム400の突出面P1に重なり、第1強化フレーム300の凹入面P2は第2強化フレーム400の凹入面P2に重なることができる。
【0092】
第1強化フレーム300と第2強化フレーム400の突出面P1が互いに重なり、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400の凹入面P2が互いに重なることにより、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400との結合力を向上させることができる効果がある。
【0093】
第1強化フレーム300と第2強化フレーム400の突出面P1が互いに重なり、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400の凹入面P2が互いに重なることにより、第1強化フレーム300と第2強化フレーム400との結合位置が自然に誘導されることができ、作業者の作業性を改善できる効果がある。
【0094】
第1強化フレーム300の曲げ点370は、第1サイドシルフレーム100の第1内面110から第1強化フレーム300の設置幅Tの30~70%の距離を置いて形成されることができる。
【0095】
曲げ点370の位置が、第1サイドシルフレーム100の第1内面110から第1強化フレーム300の設置幅Tの30%未満であるか、又は70%を超える場合、第1強化フレーム300の曲げ点370で曲げ誘導が良好に行われず、正常な圧壊が発生しない可能性がある。
【0096】
第1強化フレーム300に正常な圧壊が発生しない場合、前述した比較例のように、傾く変形が発生し、十分な荷重性能を発現できないという問題が生じることがある。また、車両用サイドシルが様々な衝突環境下で安定的な衝突エネルギー吸収性能を発揮する上で大きな不安要素になる可能性がある。
【0097】
第1強化フレーム300は、第1区間331及び第2区間333を含むことができる。
【0098】
第1区間331は、曲げ点370を境界として第1サイドシルフレーム100の第1内面110方向に延びて形成されることができる。
【0099】
第2区間333は、曲げ点370を境界として折り曲げられて第2サイドシルフレーム200の第2内面210方向に延びて形成され、第1閉断面M1の内部で第1区間331との曲げ角390を形成することができる。
【0100】
第1区間331と第2区間333との間の境界地点に曲げ点370を有することができる。
【0101】
第1強化フレーム300は、曲げ点370を境界として第1区間331及び第2区間333が曲げられることができる。
【0102】
曲げ角390は、第1閉断面M1の内部に形成され、180度未満で構成されることができる。
【0103】
第1強化フレーム300は、曲げ角390が第1閉断面M1の内部に形成され、曲げ角390は165~175度の範囲を有することができる。第1区間331の延長線と第2区間333の延長線とがなす角度θは、5~15度の範囲を有することができる。
【0104】
曲げ点370を基準として第1区間331及び第2区間333が折り曲げられることで、第1閉断面M1の内部には曲げ角390が形成されることができる。
【0105】
第1強化フレーム300は、曲げ角390が165~175度の範囲を有することにより、第1強化フレーム300の剛性を十分に確保しながら、曲げ点370で安定的に曲げを誘導することができる。
【0106】
第1強化フレーム300の曲げ角390が165度未満の場合、曲げ点370での曲げ誘導が良好に行われることができるが、第1強化フレーム300の曲げ点370で曲げ誘導が容易になりすぎることで、第1強化フレーム300が設計上の荷重性能を発揮する前に、曲げ点370で曲げられて荷重性能が低下し得るという問題が発生する可能性がある。
【0107】
第1強化フレーム300に正常な圧壊が発生せず、前述した比較例のように、傾く変形が発生し、十分な荷重性能を発現できないという問題が発生することがある。また、車両用サイドシルが様々な衝突環境下で安定的な衝突エネルギー吸収性能を発揮する上で大きな不安要素になる可能性がある。
【0108】
曲げ角390が175度を超える場合、曲げ点370で曲げ誘導が良好に行われず、正常な圧壊が発生しない可能性がある。
【0109】
第1強化フレーム300に正常な圧壊が発生せず、前述した比較例のように傾く変形が発生し、設計上の荷重性能を発現できないという問題が発生することがある。
【0110】
第2強化フレーム400は、他側が第2サイドシルフレーム200の第2内面210に接して配置されることができる。
【0111】
第2強化フレーム400は、一側が第1強化フレーム300に接して配置され、他側が第2サイドシルフレーム200の第2内面210に接して配置されることができる。
【0112】
第2強化フレーム400は、一側が第1強化フレーム300と接合され、他側が第2サイドシルフレーム200の第2内面210に接合されることができる。
【0113】
これにより、第2サイドシルフレーム200側において衝撃が加わる場合、第2サイドシルフレーム200に接した第2強化フレーム400によって一次的に緩衝され、第2強化フレーム400と接した第1強化フレーム300によって二次的に緩衝され、サイドシルに加えられた衝撃エネルギーを安定的に吸収できる効果がある。
【0114】
第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、第2サイドシルフレーム200の第2内面210から第1サイドシルフレーム100の第1内面110方向に向かうほど、設置幅が減少しなくてもよい。
【0115】
一例として、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、第1サイドシルフレーム100の第1内面110から第2サイドシルフレーム200の第2内面210方向に向かうほど、設置幅が増加してもよい。
【0116】
他の一例として、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、第1サイドシルフレーム100の第1内面110から第2サイドシルフレーム200の第2内面210方向に向かうほど、設置幅が増加してもよく、少なくとも同等の設置幅を有しながら設置幅が減少しなくてもよい。
【0117】
第2サイドシルフレーム200側においてX軸方向に衝撃が加わることができ、衝撃が加わる地点から離れる方向に第1、2強化フレーム300、400の設置幅が増加する場合、第1、2強化フレーム300、400は衝撃が加わる方向に容易に圧縮変形し、荷重性能に優れることができる。
【0118】
第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は、単一の鋼板を多段に折り曲げて形成することができる。
【0119】
第1、2強化フレーム300、400は、単一の鋼板を多段に折り曲げて形成することができる。第1強化フレーム300は、単一の鋼板を多段に折り曲げて形成することにより、単一の鋼板で構成された第1、2強化フレーム300、400が一体に挙動し、車両用サイドシルの機械的剛性を向上することができる。
【0120】
以下では、
図11a~
図12cを参照して、第1比較例の車両用サイドシルと第1実施例の車両用サイドシルの変形解析結果について説明する。
【0121】
図11a~
図11cは、第1比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【0122】
図11aは第1比較例の衝突初期の変形解析結果であり、
図11bは第1比較例の衝突中期の変形解析結果であり、
図11cは第1比較例の衝突後期の変形解析結果である。
【0123】
第1比較例では、衝突初期において、第2サイドシルフレーム200及び第2強化フレーム400がX軸方向に圧縮変形することが分かる。
【0124】
第1比較例では、衝突中期において、第1サイドシルフレーム100、第1強化フレーム300、第2サイドシルフレーム200、第2強化フレーム400、及び隔膜部材500がX軸方向に圧縮変形することが分かり、Z軸への引張変形量に比べてX軸方向への圧縮変形量が大きいことが分かる。
【0125】
第1比較例では、衝突中期及び衝突後期において、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400がX軸方向に正常に圧壊されず、Z軸方向に傾く変形が発生し、X軸方向に均一に圧縮されないことが分かる。
【0126】
これは、様々な衝突環境下で安定的な衝突エネルギー吸収性能を発揮する上で大きな不安要素になり得るという問題点がある。
【0127】
図12a~
図12cは、第1実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【0128】
図12aは第1実施例の衝突初期の変形解析結果であり、
図12bは第1実施例の衝突中期の変形解析結果であり、
図12cは第1実施例の衝突後期の変形解析結果である。
【0129】
第1実施例では、衝突初期において、第2サイドシルフレーム200及び第2強化フレーム400がX軸方向に圧縮変形することが分かる。
【0130】
第1実施例では、衝突中期において、第1サイドシルフレーム100、第1強化フレーム300、第2サイドシルフレーム200、第2強化フレーム400、及び隔膜部材500がX軸方向に圧縮変形することが分かり、Z軸への引張変形量に比べてX軸方向への圧縮変形量が大きいことが分かる。
【0131】
第1実施例では、衝突中期及び衝突後期において、第1強化フレーム300の曲げ点370で曲げが誘導され、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は変形がいずれか一方に偏る現象がなく、X軸方向に均一に圧縮されることが分かる。
【0132】
以下では、
図13a~
図14cを参照して、第2比較例の車両用サイドシル及び第2実施例の車両用サイドシルの変形解析結果について説明する。
【0133】
図13a~
図13cは、第2比較例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【0134】
図13aは第2比較例の衝突初期の変形解析結果であり、
図13bは第2比較例の衝突中期の変形解析結果であり、
図13cは第2比較例の衝突後期の変形解析結果である。
【0135】
第2比較例では、衝突初期において、第2サイドシルフレーム200及び第2強化フレーム400がX軸方向に圧縮変形することが分かる。
【0136】
第2比較例では、衝突中期及び衝突後期において、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400がX軸方向に正常に圧壊されず、Z軸方向に傾く変形が発生し、X軸方向に均一に圧縮されないことが分かる。
【0137】
これは、様々な衝突環境下で安定的な衝突エネルギー吸収性能を発揮する上で大きな不安要素になり得るという問題点がある。
【0138】
図14a~
図14cは、第2実施例の車両用サイドシルの変形解析結果である。
【0139】
図14aは第2実施例の衝突初期の変形解析結果であり、
図14bは第2実施例の衝突中期の変形解析結果であり、
図14cは第2実施例の衝突後期の変形解析結果である。
【0140】
第2実施例は、衝突初期において、第2サイドシルフレーム200及び第2強化フレーム400がX軸方向に圧縮変形することが分かる。
【0141】
第2実施例では、衝突中期において、第1サイドシルフレーム100、第1強化フレーム300、第2サイドシルフレーム200、第2強化フレーム400、及び隔膜部材500がX軸方向に圧縮変形することが分かり、Z軸への引張変形量に比べてX軸方向への圧縮変形量が大きいことが分かる。
【0142】
第2実施例では、衝突中期及び衝突後期において、第1強化フレーム300の曲げ点370で曲げが誘導され、第1強化フレーム300及び第2強化フレーム400は変形がいずれか一方に偏る現象がなく、X軸方向に均一に圧縮されることが分かる。
【0143】
図15は、
図1の第1比較例の車両用サイドシル及び
図5の第1実施例の荷重-変位線図である。
【0144】
図1の第1比較例の車両用サイドシルの荷重-変位値を第1値L1で示し、
図5の第1実施例の車両用サイドシルの荷重-変位値を第2値L2で示した。
【0145】
第1値L
1及び第2値L
2を参照すると、
図5の第1実施例の車両用サイドシルが、
図1の第1比較例の車両用サイドシルに比べて同一荷重において変位が相対的に小さいことが分かる。
【0146】
第1値L1の場合、衝突後期に該当する変位60mm以上で衝撃吸収能力が急激に低下するのに対し、第2値L2の場合は、衝突後期でも安定的に衝撃を吸収することが分かる。
【0147】
具体的に、第1比較例の車両用サイドシルの内部エネルギー(ineternal energy)は43.8KJであり、第1比較例の車両用サイドシルの重量は19.9kgであり、第1実施例の車両用サイドシルの内部エネルギーは50.2KJであり、第1実施例の車両用サイドシルの重量は20.5kgである。
【0148】
すなわち、第1比較例の車両用サイドシルは、1kg当たりの内部エネルギーの割合が2.19(KJ/kg)であり、第1実施例の車両用サイドシルは、1kg当たりの内部エネルギーの割合が2.45(KJ/kg)であることから、第1実施例が第1比較例に比べて1kg当たりの内部エネルギーの割合が大きく、単位重量当たりのエネルギー吸収性能により優れることが分かる。
【0149】
図16は、
図3の第3比較例の車両用サイドシル及び
図8の第2実施例の荷重-変位線図である。
【0150】
図3の第2比較例の車両用サイドシルの荷重-変位値を第1値L1で示し、
図8の第2実施例の車両用サイドシルの荷重-変位値を第1値L2で示した。
【0151】
第1値L
1及び第2値L
2を参照すると、
図7の第3実施例の車両用サイドシルが
図3の第2比較例の車両用サイドシルに比べて同一荷重において変位がほぼ類似していることが分かる。
【0152】
具体的に、第2比較例の車両用サイドシルの内部エネルギー(ineternal energy)は51.2KJであり、第2比較例の車両用サイドシルの重量は18.3kgであり、第2実施例の車両用サイドシルの内部エネルギーは51.7KJであり、第2実施例の車両用サイドシルの重量は18.9Kgである。
【0153】
すなわち、第2比較例の車両用サイドシルは、1kg当たりの内部エネルギーの割合が2.80(KJ/kg)であり、第2実施例の車両用サイドシルは、1kg当たりの内部エネルギーの割合が2.74(KJ/kg)であることから、第2実施例と第2比較例の単位重量当たりのエネルギー吸収性能は、それほど大きな差を示すものではなかった。
【0154】
以上のように、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは当該技術分野における通常の知識を有する者には自明である。
【符号の説明】
【0155】
100:第1サイドシルフレーム
110:第1内面
200:第2サイドシルフレーム
210:第2内面
300:第1強化フレーム
310:第1上部フランジ
330:第1ウェブ部材
331:第1区間
333:第2区間
350:第1下部フランジ
370:曲げ点
390:曲げ角
400:第2強化フレーム
410:第2上部フランジ
430:第2ウェブ部材
450:第2下部フランジ
500:隔膜部材
M1:第1閉断面
M2:第2閉断面
P:凹凸部
P1:突出面
P2:凹入面
P3:傾斜面
S:中空部
T:第1強化フレームの設置幅
U:曲げ点の位置
【手続補正書】
【提出日】2024-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
上記第1強化フレーム及び上記第2強化フレームは、上記第2サイドシルフレームの第2内面から上記第1サイドシルフレームの第1内面方向に向かうほど、設置幅が減少しなくてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0090
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0090】
凹凸部Pは、サイドシルの長さ方向に突出面P1と凹入面P2とが交番的に形成され、突出面P1と凹入面P2との間に傾斜面P3が形成されることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0145
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0145】
第1値L
1及び第2値L
2を参照すると、
図5の第1実施例の車両用サイドシルが、
図1の第1比較例の車両用サイドシルに比べて同一荷重において変位が相対的に小さいことが分かる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0151
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0151】
第1値L
1及び第2値L
2を参照すると、
図7の第3実施例の車両用サイドシルが
図3の第2比較例の車両用サイドシルに比べて同一荷重において変位がほぼ類似していることが分かる。
【国際調査報告】