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特表2024-541327デッドスペースを低減するための改良型ルアーコネクターを有する注射構成
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  • 特表-デッドスペースを低減するための改良型ルアーコネクターを有する注射構成 図1
  • 特表-デッドスペースを低減するための改良型ルアーコネクターを有する注射構成 図2
  • 特表-デッドスペースを低減するための改良型ルアーコネクターを有する注射構成 図3
  • 特表-デッドスペースを低減するための改良型ルアーコネクターを有する注射構成 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】デッドスペースを低減するための改良型ルアーコネクターを有する注射構成
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A61M39/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527441
(86)(22)【出願日】2022-10-06
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 IB2022059557
(87)【国際公開番号】W WO2023079385
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】17/520,899
(32)【優先日】2021-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504336331
【氏名又は名称】ナノ パス テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハミシャ,ヨアフ
(72)【発明者】
【氏名】アドマティ,ガル
(72)【発明者】
【氏名】レビン,ヨタム
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ03
4C066JJ05
(57)【要約】
オスルアーコネクター(100)に接続するための注射構成(10)は、中空針(16)と流体相互接続する内部円錐状テーパ(14)を有するハブ(12)を備える。内部円錐状テーパは、6%の収束角および7.5~10.5ミリメートルの長さLを有し、入口開口直径Dが4.365~4.595ミリメートルである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オスルアーコネクターに接続するための注射構成であって、前記注射構成が、
(a)6%の収束角および7.5~10.5ミリメートルの長さLを有する内部円錐状テーパを有するハブと、
(b)前記内部円錐状テーパと流体相互接続する少なくとも1つの中空針構成とを備え、
前記内部円錐状テーパが、4.365~4.595ミリメートルの入口開口直径Dを有し、前記ハブが、標準的なオスルアーコネクターとの封止接続を形成する、注射構成。
【請求項2】
前記内部円錐状テーパが、入口開口直径D=L*6%+3.940±0.025ミリメートルを有する、請求項1に記載の注射構成。
【請求項3】
前記少なくとも1つの中空針構成が、少なくとも1つの中空シリコンマイクロニードルを含む、請求項1に記載の注射構成。
【請求項4】
前記少なくとも1つの中空針構成が、シリコン基板の主表面から突出する複数の中空シリコンマイクロニードルを含む、請求項1に記載の注射構成。
【請求項5】
前記少なくとも1つの中空針構成が、鋼針を含む、請求項1に記載の注射構成。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジとともに使用するための針に関し、特に、用量節約のためにデッドスペースの低減を達成するための改良型メスルアーコネクターを有する注射構成に関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲の医療用途にわたり2つの構成要素間の流体接続のための最も一般的な構成の1つは、ルアーコネクターである。コネクターは、角度が3.44度(6%)である篏合するオスおよびメスの円錐状テーパ表面を有し、これらは、容易に接続および切断されるものの、確実な流体密封シールを提供する。コネクターの構造は、国際規格ISO80369によって完全に定義されている。
【0003】
ISO80369によって定義されるルアーコネクター構造の分析は、設計がオスシリンジテーパの端部とメスルアーテーパの端部との間に40~60マイクロリットルの固有のデッドスペースを有することを明らかにする。特定の用途では、特に、ワクチンおよび他の生物学的活性物質の場合によく見られるように、低用量の高価な医薬を投与する場合、このデッドスペースは、無駄および全体的なコストに大きく寄与する。
【0004】
デッドスペースを低減する試みにおいて、米国特許第9913949号は、ISO80369によって規定される7.5~10.5mmの範囲の7.5mmの最小値とは対照的に、メスの円錐状テーパについて全長が3~7mmである短縮されたメスルアーコネクターを提案する。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、用量節約のためにデッドスペースの低減を達成するための改良型メスルアーコネクターを有する注射構成である。
【0006】
本発明の実施形態の教示によれば、オスルアーコネクターに接続するための注射構成が提供され、注射構成は、(a)6%の収束角および7.5~10.5ミリメートルの長さLを有する内部円錐状テーパを有するハブと、(b)内部円錐状テーパと流体相互接続する少なくとも1つの中空針構成とを備え、内部円錐状テーパが、4.365~4.595ミリメートルの入口開口直径Dを有する。
【0007】
本発明の実施形態のさらなる特徴によれば、内部円錐状テーパは、入口開口直径D=L*6%+3.940±0.025ミリメートルを有する。
【0008】
本発明の実施形態のさらなる特徴によれば、少なくとも1つの中空針構成は、少なくとも1つの中空シリコンマイクロニードルを含む。
【0009】
本発明の実施形態のさらなる特徴によれば、少なくとも1つの中空針構成は、シリコン基板の主表面から突出する複数の中空シリコンマイクロニードルを含む。
【0010】
本発明の実施形態のさらなる特徴によれば、少なくとも1つの中空針構成は、鋼針を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明は、添付の図面を参照して例示のためにのみ、本明細書で説明される。
図1図1は、本発明の実施形態の教示に従って構築され、作動する、注射構成の斜視図である。
図2図2は、図1の注射構成の中心軸平面に沿って垂直に取った断面図である。
図3図3は、標準的なルアーロックオスコネクターと注射構成との係合を示す、図1の注射構成の中心軸平面に沿って水平に取った断面図である。
図4図4は、標準的なルアーロックオスコネクターと標準的なルアーロックメスコネクターとの係合を示す、図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、用量節約のためにデッドスペースの低減を達成するための改良型メスルアーコネクターを有する注射構成である。
【0013】
本発明による注射構成の原理および動作は、図面および付随する説明を参照することにより、よりよく理解することができる。
【0014】
ここで図面を参照すると、図1および図2は、オスルアーコネクターに接続するための、概して10と指定される注射構成を示している。概して、注射構成10は、内部円錐状テーパ14を有するハブ12と、内部円錐状テーパの内部容積と流体相互接続する少なくとも1つの中空針構成16とを備える。
【0015】
内部円錐状テーパ14は、6%の収束角および7.5~10.5ミリメートルの長さLを有し、その結果、収束角および長さの両方が標準的なルアーコネクター仕様に適合する。しかしながら、内部円錐状テーパは、4.365~4.595ミリメートルの入口開口直径Dを有することによって、標準的なルアーコネクター仕様と区別される。
【0016】
最も好ましくは、内部円錐状テーパ14は、以下の式:
D=L*6%+3.940±0.025ミリメートル
によって与えられる入口開口直径Dで実装され、
式中、Lは内部円錐状テーパのミリメートル単位の軸方向長さである。したがって、遠位端における内部円錐状テーパの直径Gは、3.940±0.025ミリメートルの範囲内であり、それによって、標準的なオスルアーコネクターが内部円錐状テーパの端部に非常に近く到達することを可能にし、したがって、アダプタ内のデッドスペースを大幅に低減する。
【0017】
内部円錐状テーパの入口直径および長さに対する上記言及はすべて、円錐面の連続的な6%勾配を維持する領域のみに関することに留意すべきである。場合によっては、ルアーロックコネクターと係合するための特徴を提供する側方フランジの外側に広がった領域、外側段、および/または張り出し領域があり、これらは、テーパへの入口の周囲のハブの全長に追加されてもよい。しかしながら、これらの領域は、内部円錐状テーパの入口開口および長さの定義において考慮されない。
【0018】
本発明によって実現されるデッドスペース低減は、本発明に従ったハブ12(図3)への、および標準的なメスルアーコネクター104を有するハブ102(図4)への標準的なオスルアーコネクター100の挿入位置を示す図3および図4を比較することによって理解されるであろう。前述のように、図4の標準的なルアー接続は、内部円錐状テーパの狭い端部に大きなデッドスペースDSを残す。対照的に、図3に見られるように、ハブ12の拡大された入口開口直径は、オスルアーコネクターがテーパの端部に非常に近くまで貫通することを可能にし、テーパ内のデッドスペースを大部分排除する。同時に、テーパの全長を維持することによって、ハブの他の機械的特性は、標準的なコネクターの特性に類似したままであり、それによって、ISO80369に従う業界標準のシリンジを有するデバイスの使用を促進する。細長い接触面はまた、保持力を高め、シリンジとルアーハブとの間の封止(漏れのリスクの低減)を高める。
【0019】
ここで、図示される本発明の特に好ましい実施形態の付加的な例示的特徴を参照すると、ハブ12の好ましい実装形態は、内部円錐状テーパ14の端部を越えて、内部流路の以下の付加的特徴を有する。第1に、急角度の円錐状領域18は、テーパの端部の直径からより小さい直径へのボア直径の低減を達成する。ここに例示する好ましい例では、この後に、小さな外側に傾斜したテーパ20が続き、これはプラスチック射出成形製造プロセス中に金型から部品を取り出すのに有利であることが判明している特徴を提供する。この後に、中空針構成に液体を導く比較的狭い流路22が続く。
【0020】
特に好ましい一連の実装形態では、少なくとも1つの中空針構成16は、少なくとも1つ、好ましくは複数の中空シリコンマイクロニードルとして実装される。マイクロニードルは、好ましくは、シリコン基板24の主表面から突出して実装され、シリコン基板は、各マイクロニードルの貫通孔に注射用の液体を分配するように、流路22の端部に位置する液体分配流路26上に封止して取り付けられる。マイクロニードルという用語は、本文脈において、露出した長さの合計が2mm以下、典型的には300~1500ミクロンの範囲である、生物学的障壁に貫入するように構成された任意の鋭利な構造を指すために使用される。
【0021】
本明細書ではマイクロニードルを使用する特に好ましい実装形態において例示されているが、少なくとも1つの中空針構成は、同様に鋼針であってもよく、デバイスを、標準的なルアーロックまたはルアースリップ、シリンジ先端とともに使用するためのハブと一体化された標準的な針の直接的な代替物にしてもよい。
【0022】
上記の説明は、例として挙げられることのみを意図しており、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内で、他の多くの実施形態が可能であることが理解されるであろう。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】