(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】マイクロホン・システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H04R3/00 320
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527477
(86)(22)【出願日】2022-11-09
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 AU2022051335
(87)【国際公開番号】W WO2023081963
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513025819
【氏名又は名称】フリードマン エレクトロニクス プロプライアタリー リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】シルベークス,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ペクロ,ドミニク
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220BA30
5D220DD05
(57)【要約】
本発明は、概略的にはマイクロホンの分野に関し、より詳細には、音声が出力され得るアナログポートおよびデジタルポートを有するマイクロホンに関する。マイクロホンは、ホスト機器から電力を取得するように構成されてもよく、音声信号を1以上のポートに選択的にルーティングするための回路を含んでもよい。有利には、マイクロホンは、様々なホスト機器と接続するように構成されてもよく、アナログポートをヘッドホン出力として使用しながら、デジタルポートを介したUSBマイクロホンとして機能することを容易にしてもよい。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンであって、
音声信号を受信するように構成されたカプセルと、
アナログポートと、
処理回路に電気的に接続されたデジタルポートと、
前記カプセル、前記アナログポート、および、前記音声信号を選択的にルーティングするための前記処理回路に電気的に接続されたスイッチング回路と
を備え、
前記スイッチング回路は、ノーマルクローズ位置にあるとき、前記音声信号を直接前記アナログポートにルーティングするように構成されており、
前記スイッチング回路は、ノーマルオープン位置にあるとき、前記音声信号を前記処理回路にルーティングするように構成され、前記処理回路は、前記音声信号を処理して、前記アナログポートおよび前記デジタルポートの少なくとも1つにルーティングするように構成されている、マイクロホン。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記アナログポートは、3.5mmの音声ジャックである。
【請求項3】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記デジタルポートは、USBインターフェースである。
【請求項4】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記スイッチング回路が前記ノーマルクローズ位置にあるとき、バイアス電圧が生成されて前記カプセルに印加される。
【請求項5】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記カプセルは、前記アナログポートを介してホスト機器から電力を得るように構成されている。
【請求項6】
請求項5に記載のマイクロホンであって、
前記デジタルポートを介した接続の検出に応答して、前記スイッチング回路は、前記ノーマルオープン位置に切り替わるように構成されている。
【請求項7】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記処理回路は、アナログ/デジタル(ADC)コンバータおよびデジタル/アナログ(DAC)コンバータを含んでいる。
【請求項8】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記処理された音声信号は、前記デジタルポートおよび前記アナログポートの両方にルーティングされる。
【請求項9】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記音声信号は、前記アナログポートを介してヘッドセットに出力され、前記音声信号は、前記デジタルポートを介してホスト機器に出力される。
【請求項10】
請求項1に記載のマイクロホンであって、
前記処理回路は、音声をホスト機器から前記アナログポートにルーティングするように構成されている。
【請求項11】
マイクロホンにおける音声信号の経路を切り替える方法であって、
ホスト機器を前記マイクロホンに接続するステップであって、前記マイクロホンは、アナログポートおよびデジタルポートを有するステップと、
前記マイクロホンを介して音声信号を受信するステップであって、前記マイクロホンは、前記音声信号を前記アナログポートにルーティングするためのデフォルト構成を有するステップと、
前記デジタルポートへの前記ホスト機器の接続の検出を受けて、前記音声信号が出力のために処理回路を介して処理されるように前記デフォルト構成を切り替えるステップと
を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、
前記接続ステップは、前記マイクロホンに電力供給するステップをさらに含む。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記電力供給ステップは、バイアス電圧を生成し前記デジタルポートを介して印加するステップを含む。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記電力供給ステップは、前記マイクロホンが前記デフォルト構成にあるときに前記ホスト機器から電力を取得することを含む。
【請求項15】
請求項11に記載の方法であって、
前記切り替えステップは、前記デジタルポートを介した前記ホスト機器の接続の検出に応答して、ノーマルオープンスイッチを閉じるステップをさらに含む。
【請求項16】
請求項11に記載の方法であって、
前記処理回路は、アナログ/デジタル(ADC)コンバータおよびデジタル/アナログ(DAC)コンバータを介して前記音声信号を処理するように構成されている。
【請求項17】
請求項11に記載の方法であって、
音声を前記ホスト機器から前記アナログポートにルーティングするステップをさらに含む。
【請求項18】
請求項11に記載の方法であって、
前記処理された音声信号を前記デジタルポートおよび前記アナログポートの両方にルーティングするステップをさらに含む。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記ルーティングステップは、前記処理された音声信号を前記アナログポートを介してヘッドセットに出力するステップをさらに含む。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
前記ルーティングステップは、前記処理された音声信号を前記デジタルポートを介して前記ホスト機器に出力するステップをさらに含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的にはマイクロホンの分野に関し、より詳細には、音声信号を選択的にルーティング(routing)するためのマイクロホン・システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
指向性マイクロホンなどのマイクロホンが、ニュースの取材、スポーツイベント、屋外での映画撮影、屋外でのビデオ撮影などのさまざまな用途に広く使用されている。ひとたび音声が取り込まれれば、無線接続または有線接続によって1以上の機器に出力が可能である。
【0003】
有線のマイクロホンは、典型的には、音声を他の機器に出力するための音声インターフェースを含む。例えば、従来のマイクロホンは、光インターフェース、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、3ピンの外部ライン・リターン(XLR)、ティップ・スリーブ(TS)コネクタ、ティップ・リング・スリーブ(TRS)コネクタなどを有し得る。
【0004】
市場における様々な音声コネクタに適応するため、ある種のマイクロホンは、複数のアナログインターフェースおよび/またはデジタルインターフェースを有していることがある。しかし、このようなマイクロホンは、一度に1つのインターフェースのみを介して音声を出力し、残りのインターフェースについては使用不可能とされるように構成されるのが通常である。複数のインターフェースを持つマイクロホンには、音声が出力されるインターフェースをユーザに手動で選択させるように要求するものもある。また、アナログ入力を利用した有線マイクロホンは、音声のサウンドやパフォーマンスの向上をホスト機器に依存することがしばしばある。
【0005】
従来のマイクロホンは、典型的には、電力の蓄積と供給のためのバッテリーを必要とする。バッテリーの残量が少ないか無くなると、継続した使用にはバッテリーを充電する必要がある。加えて、ユーザが無線接続による音声出力を希望する場合には、マイクロホンのバッテリーが消耗していると、そのような接続を実行することが不可能となりマイクロホンを機能しなくさせ得る。
【0006】
したがって、従来の先行技術のマイクロホンよりも機能を向上させるために、利用可能な各インターフェースに音声信号を選択的にルーティングするように構成されたマイクロホンの必要性がある。本発明は、この必要性を満たすものである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、概略的にはマイクロホンの分野に関し、より詳細には、音声信号を出力のために1つ以上のポートに選択的にルーティングするためのマイクロホン・システムおよび方法に関する。
【0008】
ある一側面において、マイクロホンはデフォルト構成で動作し得る。デフォルト構成では、マイクロホンのカプセルは3.5mmのTRSコネクタなどのアナログポートに直接接続され得る。ホスト機器は、電力がホスト機器からカプセルに供給され、音声信号がカプセルからホスト機器に直接ルーティングされるように、アナログポートを介して接続し得る。例えば、カプセルに供給される電力は、3.5mm入力を備えたほとんどのカメラやコンピューティング機器が小型マイクロホンカプセルやその他の周辺機器に対してバイアス電圧として供給する標準の2~5ボルトDC電力であり得る。
【0009】
他のある一側面において、マイクロホンは、マイクロホンのデジタルポートを介した接続の検出に応答してデフォルト構成から切り替えるように構成され得る。コンピュータ、タブレットまたはモバイル機器などのホスト機器がデジタルポートを介して接続されている場合、マイクロホンはUSBマイクロホンとして動作し得る。言い換えれば、マイクロホンのUSB回路に電力が供給され、デジタルポートを介してホスト機器に音声信号がデジタル的にルーティングされ得る。
【0010】
また、デフォルト構成から切り替えられたとき、アナログポートはヘッドホン出力として使用され得、これは拡張された音声の提供を容易にし得る。例えば、マイクロホンからホスト機器にルーティングされる音声は、処理回路を通じて増幅されてユーザに高レベルの出力が提供され得る。デフォルト構成からの切り替えの結果、マイクロホンは、例えば、Zoom、マイクロソフトTeams、Skypeなどの、インターネットベースのアプリケーションなどを通じた双方向通信とともに音声録音を提供するための音声信号の入力と出力の両方を容易にし得る。
【0011】
さらに他の一側面において、音声信号は、マイクロホンのスイッチング回路を介して選択的にルーティングされ得る。スイッチング回路は、デジタルポートを介した接続の無い場合にノーマルクローズ(すなわち、デフォルト構成)であるように構成される、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などの1以上の半導体スイッチを含み得る。
【0012】
スイッチング回路がノーマルクローズ位置にある場合、音声信号はカプセルから直接に第2のスイッチにルーティングされ得る。第2のスイッチも、音声信号が直接にアナログポートに渡されるようなノーマルクローズであり得る。言い換えれば、両方のスイッチがノーマルクローズ位置にある場合、マイクロホンカプセルはアナログポートを介して電力を受け取るように構成され、カプセルからの音声信号はホスト機器への出力のために直接にアナログポートにルーティングされる。
【0013】
デジタルポートを介した接続の検出に応答して、スイッチング回路は、ノーマルオープン位置に変化してもよい。ノーマルオープン位置において、カプセルからの音声信号は、アナログ/デジタルコンバータ、デジタル/アナログコンバータ、デジタル・シグナル・プロセッサおよび他の音声信号処理回路を有し得る処理回路にルーティングされる。処理されると、デジタル音声信号は、デジタルポートを介してホスト機器にルーティングされ得る。さらに、音声信号は第2のスイッチにルーティングされ、マイクロホンまたはホスト機器からの音声がアナログポートを介してヘッドホンに出力され得る。
【0014】
さらに他の一側面において、スイッチング回路がノーマルオープン位置にあるとき、カプセルはもはや第2のスイッチに直接に接続されていないため、プラグインパワーが存在しないことから、別個のカプセルバイアス電圧が生成され、カプセルに直接に印加され得る。さらに、処理回路は、デジタルポートを介してホスト機器に接続されたときにマイクロホンのサウンドとパフォーマンスを向上させる音声信号処理用のマイクロプロセッサも含み得る。
【0015】
本発明は様々な改変および代替態様が可能であるが、それらの特定の例示的な実施形態が例として図面に示され、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本発明を開示された特定の実施形態に限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲内にあるすべての改変、均等物、および代替物を網羅することが意図であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
実施形態は、添付図面の図において、限定ではなく例として示されており、同様の参照符号は同様の要素を指している。
【0017】
【0018】
【0019】
図3は、デジタルポートを含む、
図1のマイクロホンの側面図を示す。
【0020】
図4は、アナログポートを含む、
図1のマイクロホンの側面図を示す。
【0021】
【0022】
図6は、
図1のマイクロホンおよび例示的な実施形態の斜視図を示す。
【0023】
【0024】
図8は、音声信号を選択的にルーティングするための例示的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、概略的にはマイクロホンの分野に関し、より詳細には、音声が出力され得るアナログポートおよびデジタルポートを有するマイクロホンに関する。マイクロホンは、ホスト機器から電力を取得するように構成されてもよく、音声信号を1以上のポートに選択的にルーティングするための回路を含んでもよい。有利には、マイクロホンは、様々なホスト機器と接続するように構成されてもよく、アナログポートを力強いヘッドホン出力として使用しながら、デジタルポートを介したUSBマイクロホンとして機能することを容易にしてもよい。
【0026】
ここで、同様の参照符号は同様の構成要素を表す図面を参照して、
図1~5は、例示的なマイクロホン100を示す。図示するように、マイクロホン100は、本体102、前部キャップ104、および後部キャップ106を有する。本体102および前部キャップ104は、音波の進入を許容する1以上の開口108を含み得る。本体102は実質的に管状であるように図示されているが、他の形状も考えられる。
【0027】
マイクロホン100は特定の寸法に限定されないが、本体102の長さは約100ミリメートルから約200ミリメートルの間の範囲であり得、好ましくは約150ミリメートルから約180ミリメートルの間である。ある一実施形態において、本体102の長さは約170ミリメートルである。本体102の直径は、約10ミリメートルから約30ミリメートルの間であり得、好ましくは約15ミリメートルから約25ミリメートルの間の範囲である。ある一実施形態において、本体102の直径は約21ミリメートルである。
【0028】
図1~
図4に示すように、マイクロホンの本体102は音声コネクタを有し得る。とりわけ、本体102は、アナログポート110およびデジタルポート112を有し得る。アナログポート110は、例えば、ティップ・スリーブ(TS)コネクタ、ティップ・リング・スリーブ(TRS)コネクタ、ティップ・リング・リング・スリーブ(TRRS)コネクタ、RCAコネクタ、XLRコネクタなどを含み得る。好ましくは、アナログポート110は、3.5mmのTRSコネクタである。デジタルポート112は、例えば、RCAコネクタ、高精細度マルチメディアインターフェース(HDMI)コネクタ、ディスプレイポートコネクタなどを含み得る。好ましくは、デジタルポートコネクタ112は、USBまたはUSB-Cタイプのコネクタである。
【0029】
図5は、マイクロホン100の分解図を示す。図示するように、マイクロホン100の構成要素は、前部キャップ104と後部キャップ106との間、本体102内に収容され得る。具体的には、マイクロホン100は、前部メッシュ114、ラインチューブフォーム116、サイドメッシュ118、スパイン(spine)アセンブリ120、プリント基板(PCB)122、およびラインチューブファブリック124を含み得る。
【0030】
マイクロホン100の前部メッシュ114およびサイドメッシュ118は、1以上の層で形成され得る。より具体的には、1以上のメッシュ層は、マイクロホン100の音響インピーダンス特性を調整し、異物および微粒子の侵入を防止するために使用され得る。使用され得るメッシュ材料の例は、ポリエステル織物およびポリエステル上にPVCを重ねた布地などの非金属(例えば、非導電性)材料、ステンレス鋼などの金属材料を含む。一般に、メッシュ材料は、例えば90%以上の音透過性など、許容可能な音響パフォーマンスを示す任意の適切な布地材料から形成することができる。
【0031】
ラインチューブフォーム116は、ポリウレタンフォーム、高密度繊維材料、または、吸音特性を示すのに十分な他の材料を含むことができる。図示するように、マイクロホン100は、粒子の侵入に対する保護バリアを形成するためのラインチューブファブリック124をさらに含むことができる。
【0032】
図5に示すように、PCB122は、スパインアセンブリ120に搭載され得る。スパインアセンブリ120は、エレクトレットカプセルなどのマイクロホンカプセル126を含むことができる。カプセル126は、音波を電気信号に変換するように構成され得る。特に、カプセル126は、可撓性のダイアフラムと、バックプレートと呼ばれる絶縁電極とを含み得る。ダイアフラムとバックプレートは、音波の存在しない場合において非常に小さいが確定された静電容量をもつ、キャパシタの2つのプレートを形成する。音波がダイアフラムを変位させると、静電容量は、音波がダイアフラムをバックプレートに向かって押すか、それともバックプレートから離れる方向に反らせるかに依存して、静止値よりも増大または減少する。
【0033】
カプセル126はまた、例えば低ノイズを達成するために、電界効果トランジスタの配列を含み得る。加えて、カプセル126は、PCB122を介して、アナログポート110および/またはデジタルポート112などの1以上の音声インターフェース/ポートに電気的に接続され得る。PCB122の音声インターフェース/ポートは、アナログまたはデジタル周波数などの音声信号を、例えば、カメラ、コンピュータ、テーブル、またはモバイル機器などのホスト機器に送信することを容易にし得る。
【0034】
図6は、マイクロホン100を含む例示的なシステム200を示す。図示するように、マイクロホン100は、マウント130を介してカメラ128に結合され得る。マウント130は、ホット/コールドシュー134を介してマイクロホン100をカメラ128に搭載するためのシューアダプタ132を備えたサスペンションショックマウントであり得る。マウント130はまた、統合されたケーブル管理クリップを含むこともできる。図示のように、例示的な動作では、マイクロホン100は、例えばアナログポート110を介して、有線接続129によりカメラ128に接続することができる。接続されると、(ほとんどのカメラが提供する、2~5VのDC電力などにより)マイクロホン100のカプセル126に電力が供給され、以下に詳述するように、カプセル126はアナログポート110を介してカメラ128に音声信号を出力する。
【0035】
図7A~7Dは、マイクロホン100の例示的な回路200を示す。回路200は、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)などの1以上の半導体を含み得る。図示するように、回路200は、第1のスイッチング回路202および第2のスイッチング回路204を含み得る。さらに、回路200は、USBコネクタ206、コーデック210を有する処理回路208、薄膜抵抗器212、電源214、およびプログラミングヘッダ(programming header)216を含み得る。
【0036】
図7Aに示すように、スイッチング回路202、204の両方は、デフォルト設定で、ノーマルクローズ(「NC」)構成203であり得る。このデフォルト構成203は、アナログポート110(これは3.5mmのTRSコネクタであり得る)を介した、マイクロホン100のホスト機器への接続に対応する。具体的には、デフォルト構成では、マイクロホン100のカプセル126は、「プラグインパワー(plug-in power)」によって電力供給され得る。これは、例えばバイアス電圧としての3.5mm入力を介した、ホスト機器からマイクロホン100に供給される標準の2~5ボルトのDC電力であり得る。
【0037】
図7Aに示すように、スイッチング回路202、204がノーマルクローズ構成203にある時、回路200は、音声信号をカプセル126からアナログポート110に直接ルーティングするように構成されている。言い換えれば、デフォルト構成では、電力はホスト機器からアナログポート110を介してカプセル126に直接渡され、音声信号がカプセル126からアナログポートを介してホスト機器に返される。
【0038】
マイクロホン100がUSBコネクタ206(
図7D)などのデジタルポート112を介してホスト機器に接続されたことの検出により、第1のスイッチング回路202および第2のスイッチング回路204の状態がデフォルト構成203(すなわち、ノーマルクローズ)からノーマルオープン(「NO」)構成205に変更され得る。ノーマルオープン構成205ではプラグインパワーが存在しないため、別個のカプセルバイアス電圧が生成され、カプセルに直接印加され得る。加えて、ノーマルオープン構成205では、音声信号はカプセル126から処理回路208にルーティングされる。
図7Bに示すように、処理回路208は、音声信号を処理するように構成されたコーデック210を含み得る。コーデック210は、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、アナログ/デジタル(ADC)コンバータおよびデジタル/アナログ(DAC)コンバータを含み得る。
【0039】
さらに、ノーマルオープン構成205では、音声信号がコーデック210を介して処理されると、回路200は、処理された音声信号をデジタルポート112(例えばUSBコネクタ206)を介してホスト機器にルーティングするように構成される。これに加えて、ノーマルオープン構成では、アナログポート110はヘッドホンなどの他のデバイスに音声を出力するように構成され得る。換言すれば、マイクロホン100は、音声信号をアナログポート110を介してヘッドホンに出力し、同時にデジタルポート112を介してホスト機器に出力するように構成され得る。ノーマルオープン構成205では、アナログポート110は、処理された音声信号を処理回路208から出力して、例えば、使用のためにカプセル126からの直接の音声信号と比較して高レベルの出力を提供してもよい。
【0040】
図8は、マイクロホン100の例示的な動作のステップを示すフローチャート300である。動作が開始され、ステップ302で、マイクロホン100は、カメラ、コンピュータ、モバイル機器などのホスト機器との接続を検出する。決定ステップ304で、マイクロホン100は、接続がUSBなどのデジタルポート112を介しているかどうかを判定する。
【0041】
決定ステップ304において、接続がデジタルポート112を介していない場合には、ステップ306において、マイクロホン100のカプセル126は、アナログポート110を介してホスト機器から電力を得る。ステップ308において、カプセル126は音声を受信するように構成され、ステップ310において、音声は直接アナログポート110にルーティングされる。
【0042】
決定ステップ304において、接続がデジタルポート112を介している場合には、ステップ312において、バイアス電圧が生成されてカプセル126に印加される。ステップ314において、カプセル126は音声を受信するように構成される。ステップ316において、音声は、サウンドおよびパフォーマンスの向上のために処理回路208にルーティングされる。ステップ318において、マイクロホン100は、処理された音声をデジタルポート112を介して出力するように構成される。
【0043】
決定ステップ320において、マイクロホン100は、アナログポート110を介した接続があるかどうかを判定する。もしあれば、ステップ322において、マイクロホンは、アナログポート110を介して、例えばヘッドホンに音声を出力することもできる。アナログポート110を介した音声出力は、マイクロホン100の処理回路208またはホスト機器によって処理および/または拡張されてもよい。例えば、マイクロホン100は、ヘッドホンとカメラとに音声を同時に出力するように構成されてもよい。
【0044】
本発明の様々な側面のさらなる改変および代替実施形態は、この説明に照らせば当業者には明らかであろう。したがって、この説明は例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実施する一般的な方法を当業者に教示することを目的としている。本願で図示および説明した本発明の態様は、実施形態の例として受け取られるべきであることを理解されたい。構成要素は、本願で図示および説明されたものと置き換えることができ、部品およびプロセスを逆にすることもできる。また、本発明の特定の特徴を独立して利用することができ、これらはすべて、本発明のこの説明の恩恵を受けることにより当業者に明らかであろう。特許請求の範囲に記載されている本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本出願に記載されている要素に変更を加えることができる。
【国際調査報告】