(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】車両の地勢ベース定位のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/30 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G01C21/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527496
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-03
(86)【国際出願番号】 US2022050852
(87)【国際公開番号】W WO2023096961
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512321121
【氏名又は名称】クリアモーション,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グレイブス,ウィリアム
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB04
2F129BB20
2F129BB22
2F129BB26
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2F129GG18
2F129HH18
2F129HH19
(57)【要約】
道路に沿って走行する車両のロケーションを精密に判断するための方法及びシステムが説明される。本方法は、GNSS又は推測航法などの技術を使用することにより既知ロケーションからの車両の近似位置を見出すことと、次に、地勢ベース定位を使用することにより車両の位置を洗練化することとを含む。このタイプの定位は、道路に沿って走行していいる間に取得される現在路面プロファイルと同道路の以前に取得された基準プロファイルとの相関の大きさの時間的及び空間的変動の使用を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に沿って走行する車両の現在ロケーションを精密に判断する方法であって、前記方法は:
前記車両により、前記車両の前記現在ロケーションに到着するために第1の道路セグメントに沿って走行すること;
前記第1の道路セグメントの現在道路面プロファイルを受信することであって、前記第1の道路セグメントは前記車両の前記現在ロケーションにおいて終端する、受信すること;
定位システム(例えばGNSS、GPS)により、前記車両の前記現在ロケーションが前記定位システムの不確実性の区域内にあるということを判断すること;
データストレージシステム(例えばローカルRAM、リモートデータベース)から、多数の道路セグメントの基準路面プロファイルを取得することであって、前記多数の道路セグメントの各々は前記第1の道路セグメントに長さが等しく、前記多数の道路セグメントの各々は不確実性の前記区域内に位置する終点を有する、取得すること;
前記多数の基準路面プロファイルの各々と前記現在路面プロファイルとを比較すること;及び
前記比較に少なくとも部分的に基づき、前記車両の精密な現在ロケーションを判断すること
を含む、方法。
【請求項2】
前記多数は2を越えるが20未満の数である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較することは路面プロファイルの各対間の相関の大きさを計算することに関与し、各対は前記多数の基準路面プロファイルの1つと前記現在路面プロファイルとを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記計算された相関の最大値を判断すること、及び前記最大値との前記相関に関連する前記セグメント終点となる前記車両の精密な現在ロケーションを判断することを更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
各基準路面プロファイルはクラウドソースデータに少なくとも部分的に基づく、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記比較することは、前記現在及び/又は基準データセットの移動平均を使用することに関与する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記比較することは、フィルタを前記現在及び/又は基準データセットに適用することに関与する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記フィルタはIIRフィルタである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記現在路面プロファイル及び第1の基準路面プロファイルは等しい数のデータ点を含み、前記比較することは、少なくとも前記第1の基準路面プロファイルと前記現在路面プロファイルとの類似性の程度を、前記第1の基準路面プロファイル及び前記現在路面プロファイルの各々内の前記データ点の2乗の移動平均に少なくとも基づき判断することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
道路セグメントに対する車両の現在位置を前記道路セグメントの現在横断中に判断する方法であって、
(a)前記車両の前記現在位置において終端する第1の道路セグメントの前記現在横断中に前記道路セグメントの一部分の現在路面プロファイルを受信することであって、前記現在路面プロファイルデータは前記車両搭載のセンサにより少なくとも部分的に収集される、受信すること;
(b)第2の道路セグメントの予め記録された路面プロファイルを受信することであって、前記第2の道路セグメントは前記第1の道路セグメントより長い、受信すること;
(c)(b)における前記第2の道路セグメントの多数のサブセットを有する(a)における前記第1の道路セグメントの多数の相関の大きさを判断すること;及び
(d)(c)における前記少なくとも2つの大きさの前記比較に基づき、前記第2の道路セグメントに対する前記車両の前記現在位置を判断すること
を含む、方法。
【請求項11】
車両を定位する方法であって、前記方法は:
前記車両の近似ロケーションを取得すること;
前記近似ロケーションが一連の道路セグメントの第1の道路セグメントの所定点の閾値距離内にあるということを判断することであって、前記第1の道路セグメントは第1の基準路面プロファイルに関連する、判断すること;及び
前記現在路面プロファイルと前記第1の基準路面プロファイルとを比較し、前記現在路面プロファイルと前記第1の基準路面プロファイルとの前記比較に基づき、前記車両が前記第1の道路セグメントの前記所定点において見出される第1の時点を判断し、これにより前記車両を前記第1の時点における前記第1の道路セグメントの前記所定点へ定位すること
を含む、方法。
【請求項12】
前記車両の前記近似ロケーションを取得することは、前記車両の全地球型衛星航法システム(GNSS)ロケーションに少なくとも部分的に基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記車両の前記近似ロケーションを取得することは推測航法に少なくとも部分的に基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
道路セグメント毎に:前記それぞれの道路セグメントの所定点ロケーション;及び前記それぞれの道路セグメントの基準路面プロファイルを取得することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の時点後の前記車両のさらなる運動を追跡するために推測航法を使用することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記現在道路面プロファイルを生成することを更に含む、請求項11乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記現在道路面プロファイルを生成することは、前記車両が動作するにつれ前記車両の1つ又は複数の部分の垂直運動を測定することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記現在道路面プロファイルを生成することは更に、車輪ホップの影響を除去するために前記現在垂直運動をフィルタリングすることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記現在道路面プロファイルを生成することは更に、前記現在垂直運動を時間又は距離に関し微分することを含む、請求項11乃至18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記現在道路面プロファイルを生成することは更に、前記現在垂直運動を時間領域から距離領域へ変換することを含む、請求項11乃至19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記現在路面プロファイルと前記第1の基準路面プロファイルとの前記比較は、前記近似ロケーションが前記第1の道路セグメントの前記所定点の閾値距離内にあるという判断に応じて行われる、請求項11乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記所定点は終点ではななない、請求項11乃至20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
車両のロケーションを前記車両が道路に沿って走行する間に判断する方法であって、前記方法は:
(a)前記車両が前記道路内の所定点から所定閾値距離内を走行していいるということを判断するために第1の車両定位システムを使用すること;
(b)前記道路内の所定点から前記所定閾値距離内を走行すること;
(c)工程(b)中に第2の定位システムを使用することにより、前記車両の位置を判断すること
を含み;
前記第2の定位システムは地勢ベース定位システムであり、前記第2の定位システムは前記第1の定位システムよりも精密である、方法。
【請求項24】
前記第1の車両定位システムは、GNSS及び推測航法システムから成るグループから選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記所定点は前記道路のセグメントの終点及び中点から成るグループから選択される、請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
工程(c)は:
前記道路の前記車両の多数のロケーションにおいて終端する多数の路面プロファイルを取得すること;
前記多数の路面プロファイルの各々と前記道路内の前記所定点において終端する基準路面プロファイルとを比較すること;
前記比較のピーク相関が所定値よりも大きいということを判断すること;
前記ピーク相関に関連する前記路面プロファイルが取得されたときに、前記車両が事実上前記所定時点にいいたということを判断することを含む、請求項23乃至25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
車両のロケーションを前記車両が道路に沿って走行する間に判断する方法であって、前記方法は:
前記道路の基準路面プロファイルをデータベースから受信すること;
前記基準路面プロファイルに対する前記車両の現在ロケーションを推定するために第1の定位システムを使用することであって、前記第1の定位システムは不確実性の区域を有する、使用すること;
前記車両搭載のセンサからのデータに少なくとも部分的に基づき、現在路面プロファイルを受信することであって、前記現在路面プロファイルは前記車両の現在位置において終端し、前記基準路面プロファイルより短い、受信すること;
現在路面プロファイルに長さが等しく、不確実性の前記区域内で終端する前記基準路面プロファイルの多数のセグメントを選択することであって、前記多数のセグメントの前記終端は不確実性の前記区域内で分散される、選択すること;
前記現在路面プロファイルと前記多数のセグメントの各々とを比較すること;
最良相関値を有するセグメントを識別すること;及び
前記最良相関値に関連する前記路面プロファイルの前記セグメントの前記終端点が、前記最良相関値が所定閾値より大きいときの前記車両のロケーションであるということを判断すること
を含む方法。
【請求項28】
前記第1の車両定位システムは、GNSS及び推測航法システムから成るグループから選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記多数のセグメントの終端は、不確実性の前記区域内で一様に分散される、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
車両のロケーションを前記車両が道路に沿って走行する間に判断する方法であって、前記方法は、
第1の車両定位システムからのデータに基づき、前記車両が前記道路内の所定点からの所定閾値距離内を走行していいるということを判断すること;
前記道路内の所定点から前記所定閾値距離内を走行していいる間に、第2の定位システムを使用することにより前記車両の位置を判断すること
を含み;
前記第2の定位システムは地勢ベース定位システムであり、第2の定位システムは第1の定位システムよりも精密である、方法。
【請求項31】
前記第1の車両定位システムは、GNSS及び推測航法システムから成るグループから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記所定点は、前記道路のセグメントの終点及び中点から成るグループから選択される、請求項30又は31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示全体を参照により本明細書に援用する2021年11月24日申請の米国特許仮出願第63/282,781号の合衆国法典第35巻第119条下の便益を主張する。
【0002】
技術分野
開示される実施形態は車両の地勢ベース定位のためのシステム及び関連使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
例えばアクティブサスペンション又は自律又は半自律運転などの最先端車両フィーチャは車両の精密な定位及び/又は路面情報に依存し得る。例えば全地球型衛星航法システム(GNSS:global navigation satellite system)に基づく定位システムは路面に関する情報が効果的に使用され得るように定位における十分な精度又は分解能を提供しない可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
本開示のいくつかの態様によると、道路に沿って走行する車両の現在ロケーションを精密に判断する方法が提供される。本方法は、車両により第1の道路セグメントに沿って走行すること;及び車両の現在ロケーションにおいて終端する第1の道路セグメントの現在路面プロファイルを受信することを含む。本方法は更に、車両の現在ロケーションが定位システム(例えばGNSS、GPS)の不確実性の区域内にあるということを判断すること;データストレージシステム(例えばローカルRAM、リモートデータベース)から多数の道路セグメントの基準路面プロファイルを取得することであって、多数の道路セグメントの各々は、第1の道路セグメントに長さが等しく、多数の道路セグメントの各々は不確実性の区域内に位置する終点を有する、取得すること;多数の基準路面プロファイルの各々と現在路面プロファイルとを比較すること;及びこの比較に少なくとも部分的に基づき、車両の精密な現在ロケーションを判断することを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、多数は2を越えるが20未満の数であり得る;及び/又は比較することは多数の基準路面プロファイルの各々と現在路面プロファイルとの相関の大きさを計算することに関与し得る。本方法は更に、計算された相関の最大値を判断すること、及び最大値との相関に関連する終点となる車両の精密な現在ロケーションを判断することを含む。いくつかの実施形態では、各基準路面プロファイルはクラウドソースデータに少なくとも部分的に基づき得る。いくつかの実施形態では、比較することは現在及び/又は基準データセットの移動平均を使用することに関与し得る。いくつかの実施形態では、比較することは、IIRフィルタであり得るフィルタを現在及び/又は基準データセットへ適用することに関与し得る。いくつかの実施形態では、現在路面プロファイル及び第1の基準路面プロファイルは等しい数のデータ点を含み得、比較は少なくとも第1の基準路面プロファイルと現在路面プロファイルとの間の類似性の程度を、第1の基準路面プロファイル及び現在路面プロファイルの各々内のデータ点の移動2乗平均に少なくとも基づき判断することを含み得る。
【0006】
本開示のいくつかの態様によると、道路セグメントに対する車両の現在位置を道路セグメントの現在横断中に判断する方法が提供される。本方法は:車両の現在位置において終端する第1の道路セグメントの現在横断中に道路セグメントの少なくとも一部分の現在路面プロファイルを受信することであって、現在路面プロファイルデータは車両搭載の1つ又は複数のセンサによる測定に少なくとも部分的に基づく、受信すること;第2の道路セグメントの予め記録された路面プロファイルを受信することであって、第2の道路セグメントは第1の道路セグメントに少なくとも部分的に重なるがそれよりより長い、受信すること;第2の道路セグメントの多数のサブセットと第1の道路セグメントとの多数の相関の大きさを判断すること;及び少なくとも2つの大きさの比較に基づき、第2の道路セグメントに対する車両の現在位置をより精密に判断することを含む。いくつかの実施形態では、この精度は様々なGNSS又は推測航法システムにより可能であるものよりも高い可能性がある。
【0007】
本開示のいくつかの態様によると、車両を定位する方法が提供され、本方法は:車両の近似ロケーションを(例えばGNSSシステム又は推測航法システムにより)取得すること;近似ロケーションが一連の道路セグメントのうちの第1の道路セグメントの所定点から閾値距離内にあるということを判断することであって、第1の道路セグメントは以前に格納された第1の基準路面プロファイルに関連する、判断すること;及び、現在路面プロファイルと第1の基準路面プロファイルとを比較し、この比較に基づき、車両が第1の道路セグメントの所定点に位置する第1の時点を判断し、これにより車両を第1の時点における第1の道路セグメントの所定点へ定位することを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、本方法は全地球型衛星航法システム(GNSS)及び/又は推測航法に少なくとも部分的に基づき既知ロケーションからの車両の近似ロケーションを取得することを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は道路セグメント毎にそれぞれの道路セグメントの所定点のロケーション;及びそれぞれの道路セグメントの基準路面プロファイルを取得することを含み得る。いくつかの実施形態では、現在路面プロファイルが生成され得、現在路面プロファイルを生成することは車両が動作すると車両の1つ又は複数の部分の垂直運動を測定することを含む。いくつかの実施形態では、現在路面プロファイルを生成することはまた、車輪ホップの影響を除去するために現在垂直運動をフィルタリングすることを含み得る。いくつかの実施形態では、現在路面プロファイルを生成することはまた、現在垂直運動を時間領域から距離領域へ変換することを含み得る。本方法はまた、近似ロケーションが第1の道路セグメントの所定点の閾値距離内にあるという判断に応じて現在路面プロファイルと第1の基準路面プロファイルとの比較を行うことを含み得る。いくつかの実施形態では、所定点は道路セグメントの端点ではななない。
【0009】
本開示のいくつかの態様によると、車両が道路に沿って走行する間に車両のロケーションを判断する方法が提供され、本方法は:(a)車両が道路内の所定点(例えば終点、中点又は他の識別可能点)から所定閾値距離内を走行しているということを判断するために第1の車両定位システム(例えばGNSS、GPS又は推測航法)を使用する工程;(b)道路内の所定点から所定閾値距離内を車両により走行する工程;及び(c)(b)中に、第2の定位システムを使用することにより車両の位置を判断する工程を含み;第2の定位システムは地勢ベース定位システムであり、第2の定位システムは第1の定位システムより精密である。いくつかの実施形態では、本方法の工程(c)は:道路の車両の多数のロケーションにおいて終端する多数の路面プロファイルを取得すること;多数の路面プロファイルの各々と道路内の所定点において終端する基準路面プロファイルとを比較すること;比較のピーク相関が所定値より大きいということを判断すること;車両はピーク相関に関連する路面プロファイルが取得されたときに事実上所定点にいいたということを判断することを含み得る。
【0010】
本開示のいくつかの態様によると、車両が道路に沿って走行する間に車両のロケーションを判断する方法が提供され、本方法は:道路の基準路面プロファイルをデータベースから受信すること;基準路面プロファイルに対する車両の現在ロケーションを推定するために第1の定位システムを使用することであって、第1の定位システム(例えばGNSS、GPS又は推測航法)は不確実性の区域を有する、使用すること;車両搭載のセンサからのデータに少なくとも部分的に基づき、現在路面プロファイルを受信することであって、現在路面プロファイルは車両の現在位置において終端し、基準路面プロファイルより短い、受信すること;その長さが現在路面プロファイルの長さに等しく、不確実性の区域内で終端する基準路面プロファイルの多数のセグメントを選択することであって、多数のセグメントの終端は不確実性の区域内で分散される、選択すること;現在路面プロファイルと多数のセグメントの各々とを比較すること;最良相関値を有するセグメントを識別すること;及び、最良相関値に関連する路面プロファイルのセグメントの終端点が、最良相関値が所定閾値よりも大きいときの車両のロケーションであるということを判断することを含む。本方法のいくつかの実施形態では、多数のセグメントの終端は不確実性の区域内で一様に分散される。
【0011】
本開示のいくつかの態様によると、車両が道路に沿って走行する間に車両のロケーションを判断する方法が提供され、本方法は:車両が第1の車両定位システム(例えばGNSS、GPS又は推測航法)からのデータに基づき、道路内の所定点からの所定閾値距離内を走行していいるということを判断すること;車両が道路内の所定点(例えば終点、中点又は他の識別可能点)から所定閾値距離内を走行していいる間に第2の定位システムを使用することにより車両の位置を判断することを含み、第2の定位システムは地勢ベース定位システムであり、第2の定位システムは第1の定位システムよりも精密である。
【0012】
本開示はこの点に関し制限されないので前述の概念及び以下に論述される追加概念は任意の好適な組み合わせで配置され得るということが認識されるべきである。更に、本開示の他の利点及び新規フィーチャは添付図面と併せて考察されると様々な非限定的実施形態の詳細説明から明らかになる。
【0013】
図面の簡単な説明
添付図面は、原寸に比例して描かれるように意図されていない。添付図面では、様々な図内に示される各々の同一又は略同一部品は同様な数字により表され得る。明瞭性の目的のために、あらゆる部品があらゆる図面内でラベル付けされ得るわけではななない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】一組の道路セグメントへ分割された道路を含む道路地図の一実施形態を描写する。
【
図2】道路と相互作用し、ネットワーク上のリモートサーバと情報を交換する車両の一実施形態の概略図を描写する。
【
図3】地勢ベース定位システムにより車両を定位する方法の一実施形態のフローチャートを描写する。
【
図4】いくつかの例示的実施形態による車両の地勢ベース定位のプロセスを描写する。
【
図5】地勢ベース定位システムにより車両を定位する方法の別の実施形態のフローチャートを描写する。
【
図6】地勢ベース定位システムにより車両を定位する方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図7】地勢ベース定位のための複数のセグメントを収集する別の実施形態のフローチャートを描写する。
【
図8】車両の位置が基準路面プロファイルに対し様々な時間ステップで示される一例を示す。
【
図9】車両の精密位置が各時間ステップにおいて知られる例を示す。
【
図10】車両の精密位置が各時間ステップにおいて知られていない例を示す。
【
図11】相関ノードが不確実性の範囲内で一様に分散される例を示す。
【
図12】基準路面プロファイルに対する車両の位置に応じた相関値を示す例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
道路に沿って走行する車両は、自律的に又は運転者の制御下で、車両及び/又は1つ又は複数の車両乗員を一定力又は加速に晒し得る1つ又は複数の路面フィーチャと相互作用し得る。このような道路フィーチャは車両乗員の快適性及び/又は安全性だけでなく車両の損耗にも影響を与え得る。このような力又は加速の大きさ、方向及び/又は周波数成分は1つ又は複数の路面フィーチャの特徴と車両の状態との関数であり得る。典型的道路は、例えば路面異常(制限しないが道路穴、バンプ、表面クラック、伸縮継手、凍上、粗いパッチ、ランブルストリップ、ストーム格子(storm grate)などを含む);及び/又は路面特性(制限しないが路面質感、路面構成物、表面キャンバ、表面勾配などを含む)などの様々なタイプの路面フィーチャを含み得る。路面特性はまた、路面関連パラメータ(例えば車両のタイヤと路面との間の摩擦係数並びに牽引力及び/又は道路グリップなど)に影響を与え得る。このようなパラメータは、どれくらい効果的に旋回及び停止などのいくつかの術策が様々な速度及び車両荷重において行われ得るかを決定し得る。
【0016】
車両の様々なシステムは上記路面特性及び/又はフィーチャに基づき制御され得る。しかし、路面フィーチャ及び/又は特性のタイプ及び特徴は、例えば道路毎に変動し得るだけでなく所与の道路上の縦方向及び/又は横方向ロケーションに応じて変動し得る。所与の路面フィーチャとの車両相互作用の車両及び/又は乗員に対する影響はまた、車両と路面フィーチャとの間の相互作用時の車速に応じて変動し得る。路面フィーチャの特徴はまた、例えば天候状況に基づき及び/又は時間に応じて変動し得る。例えば、路面フィーチャが道路穴であれば、道路穴は、徐々に出現し、繰り返し凍結/解氷サイクルに応じた冬季月間にわたりその長さ、幅及び/又は深さが成長し得、次に、短時間のうちに修復されて事実上消え得る。路面の変化する性質及び/又は未だ地図にななないレイアウトに起因して、車両は、車両と路面との相互作用を感知し得、次に、感知された相互作用に応じて車両の様々な自動及び/又は半自動システムを作動し得る。
【0017】
路面の特性及びフィーチャは、車両の走行の経路に沿って位置する路面フィーチャに関する前方視又はプレビュー情報を提供するために特徴付けられマッピングされ得る。車両の前方の路面フィーチャ及び表面性質に関するこの情報は、例えば車両内の様々な自動化又は部分的自動化システム(例えば、サスペンションシステム(例えば、半又は完全アクティブ)、推進システム、適応型運転者支援システム(ADAS:adaptive driver assistance system)、電動ステアリングシステム(EPS:electric power steering system)、アンチロックシステム(ABS:antilock braking system)など)を動的にチューニング、準備及び/又は制御するために使用され得る。車両と路面フィーチャとの間の物理的相互作用がある場合、車両は相互作用中に誘発される1つ又は複数の知覚可能フォースに晒され得る。従って、前方道路のプレビュー(例えば先験的路面情報を受信すること)により、車両コントローラは、路面フィーチャと車両との間の物理的相互作用があると路面フィーチャに対しより効果的に反応することを準備し得る。
【0018】
路面に関する情報は車両の様々なシステムの制御のために有用であり得るが、本発明者らは、このような路面情報を取得し、使用することに対するいくつかの難題があるということを認識した。このような1つの難題は、車両の前方の道路フィーチャ又は特徴に関する情報が様々な車両システムをより効果的に制御するために使用され得るように、いくつかの表面特性(例えば摩擦係数)を有する道路の様々な路面フィーチャ又はセクションに対する車両のロケーションを十分な精度及び分解能でもって知ることである。例えば、車両のロケーションが十分な程度の精度まで知られていなければ、車両コントローラは例えば路面フィーチャと車両との物理的相互作用の影響を効果的に緩和しない行為を取り得る。別の例として、車両のロケーションが十分な程度の精度まで知られていなければ、車両コントローラは、例えば乗員不快感又は安全性低下に繋がる車両と道路フィーチャとの間の物理的相互作用の影響を緩和又は無くすために、適切に及び/又はタイムリーなやり方で反応することができない可能性がある。例えば、全地球型衛星航法システム(GNSS)ベースロケーション座標上の典型的精度は約7m~30mの程度であり得る。精度のこのような欠如により、車両内のシステムコントローラは、特定路面フィーチャ(例えば道路穴)との相互作用に対し又は相互作用が発生するかを判断するために効果的に又はタイムリーなやり方で反応することができない可能性がある。
【0019】
本発明者らは地勢ベース定位を取り込む定位システム及び方法が従来手法(例えばGNSS及び/又は推測航法ベースシステム)より良い分解能及び精度を提示し得るということを認識した。道路に沿って走行していいる間に地勢ベース定位システムを使用する際、道路の路面プロファイルは、車両に取り付けられた1つ又は複数のセンサによりいくつかの測定を行うことにより(例えば車両の一部(例えばバネ下質量)の垂直運動を測定することにより)判断され得る。次に、この現在測定された(すなわち、現在走行中に測定された)路面プロファイルは以前に判断された基準路面プロファイルと比較され得る。現在測定された路面プロファイルの一部が基準プロファイルの一部にどれくらいよく整合するかに少なくとも部分的に基づき、車両の現在位置は、他の方法により(例えばGNSSを使用することにより)可能であり得る精度より精密に判断され得る。しかし、現在測定されたプロファイルと以前に判断された基準プロファイルとの連続パターン整合は多大なデータ伝送及び/又は演算を必要とし得る。即ち、単一車両は、十分な道路情報を流す必要があり得る。現在測定された路面プロファイルは、車両がその位置とその前方の路面に関する情報とに基づき制御されていいる間に基準路面プロファイルと連続的に比較され得る。ネットワーク帯域幅要件は、特に基準データがリモートに格納され、複数の車両が事実上同時に支援されることになれば多大となり得る(且つ、商業的に実現可能でなくなり得る)。加えて、いくつかの実施形態では、現在測定されたプロファイルと基準プロファイルとの間で整合する連続的パターンは、車両内に採用するために商業的に実現可能であり得るものを越えた計算能力を必要とし得る。計算がリモートで行われれば、このような連続的パターン整合がネットワーク帯域幅必要性に更に加わり得る。
【0020】
本発明者らは「本明細書において説明される方法は、現在知られていいる連続地勢ベース定位技術と比較してコンピュータ及び/又はデータ通信負荷を減らすために使用され得る」ということを認識した。これらの方法は、その代りに、余りコンピュータ的/データ集約的でない且つ余り精密でない定位技術により判断されるような車両の推定ロケーションを洗練化するために、地勢ベース定位に依存することにより高い定位精度を実現するために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、GNSS及び/又は推測航法などの他の技術は車両が道路上の既知点の閾値距離内に入るまで使用され得る。当該閾値領域(例えば既知点から閾値距離内)内に入ると、地勢ベース定位は車両のより精密なロケーションを判断するために実施され得る。他の実施形態では、これらの領域内の(例えば既知ロケーションの閾値距離内の)地勢ベース定位は、現在測定された路面プロファイルと以前に取得された基準路面プロファイルとの最大相関を生成する車両ロケーションを判断することを含み得る。
【0021】
他の代替実施形態では、以下に更に論述されるように、車両のロケーションは、現在路面プロファイルと以前に取得された基準路面プロファイルの複数部分とを連続的に又は間欠的に比較することにより洗練化され得る。
【0022】
地勢ベース定位システムのいくつかの実施形態では、道路セグメントのいくつかの特徴(例えば、連続的又は略連続的路面プロファイル、離散的路面フィーチャ、又はこのような特徴の組み合わせ)が判断され、例えば道路セグメントの任意の適切な所定点(例えば道路セグメントの中点又は終点)の地理座標(例えばGNSS座標)に関するメタデータと共に、データベース内に格納され得る。道路セグメントの所定長は任意の適切な長さ(例えば20、50、80、100、500メートル)であり得る。本開示はそのように制限されないので他の長さの道路セグメント(より長い道路セグメント及びより短い道路セグメントの両方)が企図される。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の道路のネットワーク内の道路セグメントは等しい長さのものであってもよいし異なる長さのものあってもよい。いくつかの実施形態では、重なりがななないように1つのセグメントの開始点が前の道路セグメントの終点と一致するように道路セグメント同士が当接する道路ネットワークが確立され得る。いくつかの実施形態では、少なくともいくつかのインスタンス内にはある程度の重なりが存在し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、所与の道路セグメント(所定長λを有し得る)に沿って走行する間に、長さδを有し車両の現在ロケーションに先行する(例えば、直接先行する)道路の一部(道路セグメントはその一部である)の路面プロファイル(すなわち現在路面プロファイル)が判断され及び保持され得る。車両の現在位置に追随する長さδの部分に関連するこの現在路面プロファイルは、現在走行中に車両搭載の1つ又は複数のセンサにより収集されたデータに基づき判断され得る。いくつかの実施形態では、所与の道路セグメントの所定点(既知位置(例えば、そのGNSS座標は知られている)を有する点)に到着することに先立って、所定点に先行する長さδの道路セグメントの一部の以前に格納された路面プロファイル(すなわち基準路面プロファイル)が検索され得る。車両が、例えば既知位置から例えばGNSSシステム又は推測航法を使用することにより判断された所定点に近づくと、長さδの検索された路面プロファイル(すなわち基準路面プロファイル)は、車両の現在位置に追随する道路の長さδの現在路面プロファイルと比較され得る。いくつかの実施形態では、この比較に基づき、車両が所定点に現在いいるということが判断され得る。いくつかの実施形態では、長さδは長さλに等しくてもよいし、略等しくてもよく、所定点は道路セグメントの終点であり得る。いくつかの実施形態では、この比較は、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関を判断することにより実現され得る。しかし、いつ車両が道路セグメントの所定点(例えば道路セグメントの端)に略接近するかを判断するために、余り精密でない定位システム(例えばGNSS又は推測航法)を最初に使用することにより、次に、いつ車両が所定点にいいるかをより精密に判断するために地勢ベース定位を使用することにより、車両のロケーションを精密に判断することのデータ処理負荷が緩和又は低減され得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、いくつかの制限(例えばコンピュータ的制限及び/又は帯域幅制限)を所与として、例えば車両が道路セグメント内の所定点に接近していいる場合に地勢ベース定位方法を、連続的又は略連続的によりも、むしろ折に触れ又はたまに実施することが有利であり得る。このような実施形態では、現在路面プロファイルデータと基準路面プロファイルとの間の比較は、所定間隔(例えば時間間隔又は距離間隔)においてだけ行われ得る。例えば、いくつかの実施形態では、地勢ベース定位は、車両が道路セグメントの所定点(例えば道路セグメントの終点)に近づくときに利用され得るが、車両位置はそうでなければ他の手段により(例えば、推測航法により又はGNSSの使用により)判断され得る。従って、いくつかの実施形態では、地勢ベース定位が使用されるこれらの機会及び/又は路面ロケーション間で、推測航法及び/又はGNSSが、以前に識別されたロケーション(例えば道路に沿った以前に識別された位置)に基づき車両のロケーション(例えば道路に沿った車両の位置)を推定するために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、地勢ベース定位方法は、車両に取り付けられた1つ又は複数のセンサからのデータを、車両が道路に沿って走行すると、最初に収集することを含み得る。収集されたデータは現在路面プロファイルデータを取得するために処理され得る(例えば、時間領域から距離領域へ変換され得る、フィルタリングされ得るなど)。次に、現在路面プロファイルデータは、道路に関連する基準路面プロファイルデータと比較され得、この比較に少なくとも部分的に基づき、第1の時点における道路に沿った車両の位置が判断され得る。第1の時点における道路に沿った車両の位置が判断されると、推測航法は、車両が道路に沿ってその後走行するにつれて車両の位置を追跡するために使用され得る。推測航法の期間中、1つ又は複数のセンサからの新しいデータが収集され得、新しい現在路面プロファイルデータを生じるために任意選択的に処理され得る。いくつかの実施形態では、車両が第1の時点から所定距離を走行したということを判断すると、新しい現在データは適切な基準データと比較され得る。この第2の比較に少なくとも基づき、第2の時点における道路に沿った車両の位置が判断され得る。次に、このプロセスは、車両がそのロケーションが判断された第2の時点以来所定距離を略走行したということ又は車両が道路内の別の所定点に到着したということが判断されるまで、推測航法が車両の別の運動を追跡するために使用されるように、車両が、連続して配置された道路セグメントを横断すると繰り返され得る。この判断が行われると、地勢ベース定位は第3の時点において車両を定位するために使用され得る。従って、いくつかの実施形態では、比較は、現在データ(例えば、収集されたデータ及び/又は処理されたデータ)と基準データとを連続的に比較する代わりに、一定間隔であり得る所定距離間隔で間欠的に行われ得る。代替的に又は追加的に、地勢ベース定位は、所定距離間隔よりむしろ所定時間間隔が第1の又は以前の時点から経過したということを判断すると実行され得る。これらの時間/距離間隔中、他の余りコンピュータ集約的でない定位方法(例えば推測航法)が車両の位置を判断するために使用され得る。加えて、一定時間間隔及び/又は距離間隔の使用が主として本明細書において開示されるが、本開示はこのやり方で制限されないので様々な道路セグメント上の車両のロケーションを判断する際に使用される所定時間間隔及び/又は距離間隔は様々な道路セグメントに沿って互いに一定であり得る及び/又は可変であり得るかのいずれかであるということが理解されるべきである。
【0025】
いくつかのケースでは、推測航法の代わりにGNSSを採用することで、路面定位への依存がななない可能性がある期間中に判断される距離に関係する誤差を低減し得る。いくつかの実施形態では、本開示はそのように制限されないので、GNSSは所定距離に関係する誤差を更に低減するために推測航法との組み合わせで使用され得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、道路セグメントアーキテクチャでは、所与の道路は所定長(いくつかの実施形態では互いに等しい可能性がある)の一連の道路セグメントへセグメント化され得るが、等しくななない所定長の道路セグメントが使用される実施形態もまた企図される。各道路セグメントは、本明細書において説明される地勢ベース定位のために採用され得る1つ又は複数の路面プロファイルを含み得る。
【0027】
路面プロファイルは、車両が道路セグメントを横断するにつれて、車両の1つ又は複数の点に取り付けられた1つ又は複数の運動感知センサ(例えば加速度計、変位センサ、IMU)を使用することにより例えば車両の一部(例えばバネ下質量、車輪アセンブリ、バネ上質量、車両のボディ)の垂直運動を測定することにより取得され得る。所定の等しい長さ又は等しくななない長さの道路セグメントは「スライス」と呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、連続する道路セグメントは、1つの道路セグメントの終点が後続道路セグメントの出発点と一致する又は略一致するように隣接するやり方で配置され得る。いくつかの実施形態では、連続する道路セグメントは、1つの道路セグメントの終点が後続道路セグメントの出発点と一致するように非重畳であり得る。代替的に、いくつかの実施形態では、道路セグメントは、後続道路セグメントの開始点が前の道路セグメントの境界内に配置され得るように重なり得る。道路セグメントは例えば限定しないが以下の長さの任意の組み合わせの間の範囲を含む任意の適切な長さであり得る:20メートル、40メートル、50メートル、60メートル、80メートル、100メートル、120メートル、200メートル又はそれ以上。いくつかの実施形態では、道路セグメントは、20~200メートル、20~120メートル、40~80メートル、50~200メートル間の長さ及び/又は任意の他の適正範囲の長さを有し得る。本開示はそのように制限されないのでこれらの長さより長い又は短い他の長さも企図される。いくつかの実施形態では、道路が分割される道路セグメントの長さは、道路のタイプ及び/又は道路上で車両が進んだ平均速度又は他の適切な考慮点に依存し得る。例えば、単一車線市道上では、車両は通常、多車線ハイウェイと比較して比較的低い速度比で走行し得る。従って、市道(又は比較的低い走行速度を有する他の道路)上では、各道路セグメントが道路上の平均走行速度にかかわらず道路セグメントの開始点から終了点までの近似平均走行時間に対応し得るようにハイウェイ上又は比較的速い走行速度(例えば80~120メートル)を有する他の道路上よりも比較的短い道路セグメント(例えば20~60メートル)を有することが有利であるか、又はそうでなければ望ましい可能性がある。
【0028】
いくつかの実施形態では、道路セグメントを使用することにより車両を定位する方法は車両内の1つ又は複数のセンサを使用することにより現在路面プロファイルを測定することを含む。本方法はまた、車両が道路セグメント上の位置又は点から(例えばセグメントの終点から)閾値距離内にいいるということを判断することを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、車両が道路セグメント終点の閾値距離内にいいるということを判断することは、最後の既知車両ロケーションからGNSS、推測航法及び/又は任意の他の適切な定位方法により車両のロケーションを推定することを含む。本方法はまた、車両の走行経路に沿った道路セグメントに対応する基準路面プロファイルと道路セグメントの現在横断中に車両搭載のシステムにより少なくとも部分的に判断された現在路面プロファイルとを比較することを含み得る。いくつかの実施形態では、測定された現在路面プロファイルは、車両が道路セグメントを横断するにつれて基準路面プロファイルと比較され得、ここでは、現在路面プロファイル及び基準路面プロファイルは略等しい(例えば等しい)長さを有する。本方法は、例えば現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの間の類似性を評価する相互相関関数又は別の適切な関数(例えば動的時間ワーピングなど)を使用することにより現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関を判断することを含み得る。本方法はまた、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関が閾値相関を越えるかどうかを判断することを含み得る。閾値相関は以下に更に詳細に論述されるように道路タイプに少なくとも部分的に基づき予め判断され得る。相関が閾値相関を越えれば、車両のロケーションは例えばセグメントの終点であると判断され得る。相関が閾値相関を越えなければ、車両のロケーションは未だ判断されない可能性があり、本方法は、車両が道路を進む間、追加現在データを収集し続け得る。このやり方で強化された現在路面プロファイルにより、現在路面プロファイル(道路を進みながら測定された追加データを含む)と基準路面プロファイルとの相関が再計算され得る。設定された現在データがこのやり方で強化される場合、データセットの始めにおける適切な量のデータが、現在路面プロファイルに関連する道路の長さと基準路面プロファイルに関連する道路の長さに等しくなる又は実効的に等しくなるように落され得るということに留意されたい。
【0029】
車両が道路内の所定点(例えば終点)に近づくにつれ、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関は車両位置に応じてピークまで増加し得る。従って、いくつかの実施形態では、本方法は、車両が道路セグメントの所定位置(例えばセグメントの終点)の閾値距離内のエリアを進むにつれ(車両の多数のロケーションにおいて又は連続的に判断された)現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関のピークを検出することを含み得る。このようなピーク検出の追加詳細が以下に更に詳細に論述される。
【0030】
本明細書において開示される様々な実施形態は、路面上の車両のロケーションを及び/又は道路セグメントの地図(路面に沿った車両の位置を見出すために使用され得る情報を含む)を生成するための路面上の車両のロケーションを判断することに関係する。このような情報に基づき、1つ又は複数の路面フィーチャ及び/又は路面領域に関する車両の相対位置が判断され得る。
【0031】
前に指摘したように、道路セグメントの一部に関するこのような先験的情報へのアクセスは、車両内の1つ又は複数のシステム(例えば車両の自動及び/又は半自動システム)の効果的制御を可能にし得る。従って、本明細書において開示されるいくつかの実施形態の任意のものはまた、1つ又は複数の車両システムを制御するために1つ又は複数の車両により使用され得る情報(例えば車両、路面フィーチャ特徴、及び/又はロケーション、及び/又はロケーション固有路面パラメータ(例えば摩擦係数))を提供し得る。従って、いくつかの実施形態では、車両の1つ又は複数のシステムは、車両の判断されたロケーション、推測航法、及び道路セグメントの1つ又は複数の特徴に関する情報(例えば道路セグメントのプロファイル及び摩擦係数)に少なくとも部分的に基づき制御され得る。先験的路面情報に基づき制御され得るシステムの例は、サスペンションシステム(半アクティブ又は完全アクティブ)、推進システム、最先端運転手支援システム(ADAS)、電動ステアリング(EPS)、アンチロックシステム(ABS)、自律車両コントローラ、及び/又は任意の他の適切なタイプの車両システムを含み得る。
【0032】
車両コントローラは1つ又は複数のマイクロプロセッサを含み得る。1つ又は複数のプロセッサは、本明細書において開示される方法の任意のものを実行する揮発性又は不揮発性コンピュータ可読メモリ内に格納されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。1つ又は複数のプロセッサは、車両の様々なシステムの活性化、運動又は他の動作パラメータを制御するために車両の様々なシステム(例えばブレーキシステム、アクティブ又は半アクティブサスペンションシステム、運転手支援システムなど)に関連する1つ又は複数のアクチュエータと通信し得る。1つ又は複数のプロセッサは、車両の様々な部分に関するフィードバックを提供する1つ又は複数のセンサから情報を受信し得る。例えば、1つ又は複数のプロセッサは全地球型衛星航法システム(GNSS)(全地球測位システム又は他の測位システムなど)から車両に関する場所情報を受信し得る。車両搭載のセンサは制限しないが車輪回転速度センサ、慣性測定ユニット(IMU)、光学センサ(例えばカメラ、LIDAR)、レーダ、サスペンション位置センサ、ジャイロスコープなどを含み得る。このようにして、車両制御システムは車両の様々なシステムの比例制御、積分制御、微分制御、その組み合わせ(例えばPID制御)、又は他の制御戦略を実施し得る。他のフィードバック又はフィードフォワード制御方式も企図され、従って本開示はこの点に関して制限されない。任意の望ましい数の任意の好適なセンサがフィードバック情報を1つ又は複数のプロセッサへ提供するために採用され得る。本明細書において説明される例示的実施形態は単一プロセッサを参照して説明されることがあるが、本開示はそのように制限されないので任意の好適な数のプロセッサが車両の部品として採用され得るということに留意すべきある。
【0033】
本明細書において説明される例示的実施形態によると、車両の1つ又は複数のプロセッサはまた、適切な有線又は無線通信プロトコルを使用することによりローカルエリアネットワーク及び/又は広域ネットワーク又はインターネット上の他のコントローラ、コンピュータ、プロセッサと通信し得る。例えば、車両の1つ又は複数のプロセッサは、限定しないがWiFi、GSM、GPRS、EDGE、HSPA、CDMA、及びUMTSを含む任意の好適なプロトコルを使用することにより無線で通信し得る。当然、本開示はそのように制限されないので任意の好適な通信プロトコルが採用され得る。例えば、1つ又は複数のプロセッサは、1つ又は複数のプロセッサが道路セグメント情報にアクセスし得る1つ又は複数のサーバと通信し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のサーバは、双方向通信で1つ又は複数の車両と通信するように構成された1つ又は複数のサーバプロセッサを含み得る。1つ又は複数のサーバは、道路セグメント情報を形成するために路面プロファイル情報を1つ又は複数の車両から受信し当該路面プロファイル情報を格納及び/又は利用するように構成され得る。1つ又は複数のサーバはまた、車両が本明細書において説明される例示的実施形態による地勢ベース定位を採用し得るように基準路面プロファイル情報を1つ又は複数の車両へ送信するように、1つ又は複数の車両システムが制御され得るように、又は1及び/又は複数の車両システムの1つ又は複数のパラメータが前方視路面プロファイル情報に基づき調節され得るように構成され得る。
【0034】
本明細書において説明される様々な実施形態において、いくつかの事例では、地勢ベース定位の方法は、車両が道路セグメント内の1点(例えばセグメントの終点)を通過するときの基準路面プロファイルと現在路面プロファイルとの間の相互相関のピーク検出に基づき得る。いくつかの実施形態では、基準路面プロファイルの所定長に略等しい所定長の現在路面プロファイルは、車両が相関値を取得するために道路内の所定点(例えば道路セグメント終点)の閾値範囲(例えば0~1の間の)に入ると適切な基準路面プロファイルと相互相関付けられ得る。いくつかの実施形態では、所定点の閾値範囲(例えば道路セグメント終点)は5m、10m、5m未満及び/又は任意の他の適正範囲であり得る。いくつかの実施形態では、道路セグメント終点の閾値範囲は車両搭載のGNSSの分解能に少なくとも部分的に基づき得る。このような実施形態では、閾値範囲はGNSSの分解能に略等しい(例えば等しい)可能性がある。
【0035】
本明細書において説明されるいくつかの例示的実施形態によると、車両が道路内の所定点(例えば道路セグメント終点)の閾値範囲に入ると、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの間の相互相関が行われ得、その相関値又は大きさが判断され得る。相関が閾値相関値又は大きさを越えなければ車両ロケーションは不確定であり得、従って地勢ベース定位のプロセスは車両が道路を進むにつれ繰り返され得る。車両が道路セグメント内の所定点(例えば道路セグメント終点)の閾値範囲内に居得る間、相関が再び判断され得る。相関は、複数回、又は繰り返し、又は略連続的に(例えば各時間ステップで)判断され得る。現在路面プロファイルは、最近のデータを車両から取り込むように、及び所定長から外れる最も古いデータを落とすように修正され得る。いくつかの実施形態では、所定長は現在セグメントの長さに等しくてもよいしそれより短くてもよい。相関が判断される毎に、相関が閾値相関を越えたかどうかが判断され得る。相関が所定時間ステップにおいて閾値相関を越えると、車両が当該時間ステップにおいて道路セグメント終点又は道路セグメント上の他の所定位置に位置し得るということが判断され得る。いくつかの実施形態では、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関が最大相関であるかどうかを判断するためにピーク検出アルゴリズムが適用され得る。いくつかのこのような実施形態では、相関の傾斜が、最近の時間ステップとそれより早い時間ステップとの間で判断され得る。いくつかの実施形態では、傾斜が負であるピークが判断され得、相関は閾値相関を越えた後に低下する。当然、本開示はそのように制限されないので任意の好適なピーク検出機能が適用され得る。いくつかの実施形態では、閾値相関は0.6、0.7、0.8、0.9及び/又は任意の他の適正値以上であり得る。いくつかの実施形態では、閾値相関は道路セグメントのタイプに少なくとも部分的に基づき得る。例えば、ハイウェイ又は高速道路は、車両により取られる経路のより大きな変動が存在し得る低速道路より大きな閾値相関を有し得る。この例によると、いくつかの実施形態では、ハイウェイの閾値相関は0.8以上であり得、非ハイウェイ道路の閾値相関は0.5以上であり得る。
【0036】
本明細書において説明される例示的実施形態によると、道路セグメント情報は、車両搭載の1つ又は複数のデータベース内に及び/又は1つ又は複数の遠方に配置されたサーバ及び/又はデータベース内に格納され得る。いくつかの実施形態では、データベースは非一時的コンピュータ可読メモリ内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、データベースは、車両から遠方に排他的又は部分的に配置されたメモリ内に(例えば、「クラウド内に」)格納され得、データベース及び車両は、無線ネットワーク(例えばセルラーネットワーク(例えば5G、4G)、WiFiなど)を介し情報を交換し得る。代替的に、いくつかの実施形態では、データベースは車両上にある非一時的メモリ内に格納され得る。いくつかの実施形態では。道路セグメントは、「2方向」道路(すなわち対向方向の同時走行を支援する道路)に関して、各走行の方向毎に固有組の道路セグメント(例えば第1の方向の走行のための第1組の道路セグメント及び第2の方向内の走行のための第2組の個別道路セグメント)が存在し得るように、走行の方向に固有であり得る。
【0037】
本明細書で使用されるように、用語「路面プロファイル」は、距離に応じた路面の任意の適切な記述又は特徴付けを指す。例えば、路面プロファイルは、所与の道路セグメントに沿った距離に応じた道路の表面の高さの変動を記述する道路高さプロファイルを指し得る。代替的に又は追加的に、路面プロファイルは、路面の数学的関連記述を指し得る。例えば、路面プロファイルは、道路セグメントに沿った距離に応じた道路傾斜を記述する「道路傾斜」プロファイルを指し得る。例えば、道路セグメントの路面プロファイルは、車両が道路セグメントを横断するにつれて、(例えば車両の車輪、車輪アセンブリ又はバネ下質量の他の部分;又は車両のバネ上質量の一部分に対する)車両の一部分の垂直運動(例えば加速度データ、速度データ、位置データ又は変位)を測定することにより、(例えば車輪ホップ効果などを除去するために)このデータを任意選択的に処理することにより(例えば、このデータを動作速度に基づき時間領域から距離領域へ変換し、このデータを時間に関して積分し、これをフィルタリングすることにより)取得され得る。例えば、車輪の垂直方向加速度が、車輪に取り付けられた加速度計を使用することにより測定されれば、車輪の垂直方向速度は加速度信号の積分を介し取得され、垂直方向高さはさらなる積分を介し取得され得る。車両の動作速度(すなわち車両が道路セグメントを例えば前方方向に横断する速度)の知識により、走行される距離に対する垂直方向高さが取得され得る。いくつかの実施形態では、さらなるフィルタリングが有利であり得る。一例では、道路高さプロファイルは、車輪ホップ及び/又は低周波成分の影響を除去するためにノッチフィルタ又は低域フィルタを(例えば車輪の測定された垂直方向加速度に対し)適用することにより車輪の垂直方向高さデータ(例えば車輪の加速度を測定することにより判断される)から取得され得る。路面プロファイルは、例えば道路穴(又は他の「負」事象)及び/又はバンプ(又は他の「正」事象)などの離散的路面異常を記述する又は特徴付ける情報を取り込み得る。追加的に又はその代わりに、路面プロファイルは、道路粗度及び/又は路面摩擦などの分散された路面特徴に関する情報を取り込み得る。
【0038】
本明細書において説明される例示的実施形態によると、車両がいかなる基準路面プロファイルデータも利用可能でない道路(又は道路のセクション)上を走行すれば、基準データ(例えば基準路面プロファイル、道路の表面の特徴付け、及び/又はバンプ又は道路穴などの不規則的事象の存在を含む)は、車両の1つ又は複数の点に取り付けられた(例えば、車両の車輪、車両の車輪アセンブリ、ダンパー、車両のバネ下質量の別の部分、又は車両のバネ上質量の一部分に取り付けられた)1つ又は複数の運動センサ(例えば加速度計、位置センサなど)から動作データを収集することにより生成され得る。道路又は道路区間(ここでは、使用可能基準データは利用不可能であり得る)から収集されたデータは、基準データを生成するために使用され得。基準データは次にデータベース内に格納され道路又は道路セクションの特定道路セグメントに関連付けられ得る。代替的に、データは、複数の車両横断から収集され、基準データを生成するために一緒にマージされ(例えば、基準データの中間値、モード及び/又はメディアンを使用することにより平均化され)得る。
【0039】
本明細書において説明される例示的実施形態によると、車両のロケーションは、例えば衛星ベースシステムなどの絶対的定位システムにより推定又は少なくとも部分的に判断され得る。このようなシステムは、例えば車両の絶対的地理座標(すなわち経度、緯度、及び/又は高度などの地球の表面上の地理座標)の推定を提供するために使用され得る。全地球型衛星航法システム(GNSS)と一般的に呼ばれる衛星ベースシステムは、地球又は領域ベース位置決め/ナビゲーション/タイミング(PNT:positioning, navigation, and timing)サービスを提供する衛星コンステレーションを含み得る。米国ベースGPSが最も有力なGNSSである一方で、他国は補完的又は独立PNT能力を提供するためにそれら自身のシステムをフィールド試験していいるか又はフィールド試験してきた。これらは例えば以下のものを含む:BeiDou/BDS(中国)、ガリレオ(ヨーロッパ)、GLONASS(ロシア)、IRNSS/NavIC(インド)及びQZSS(日本)。本開示はそのように制限されないので、本明細書において説明される例示的実施形態によるシステム及び方法は任意の好適なGNSSを採用し得る。
【0040】
本明細書において説明される例示的実施形態によると、推測航法は、車両の測定された走行経路を及び/又は以前に確認されたロケーションからの変位を使用することにより以前に確認された車両のロケーション後のある時点で車両のロケーションを更新するために使用される。例えば、走行の距離及び方向は、車両の現在の更新されたロケーションを判断するために車両の既知ロケーションからの走行の経路を判断するために使用され得る。車両の以前に確認されたロケーション後の車両のロケーションの変化を判断するために使用され得る適切な入力は、限定しないが慣性測定ユニット(IMU:inertial measurement unit)、加速度計、ステアリング系センサ、車輪角度センサ、車輪速度センサ、様々な時点間の測定されたGNSSロケーションの相対オフセット、及び/又は車両の既知ロケーションに関する路面上の車両の相対運動を判断するために使用され得る任意の他の適切なセンサ及び/又は入力を含み得る。推測航法のこの概要は、本明細書において開示される方法及び/又はシステムと共に使用するための車両のロケーションを判断するために本明細書において説明されるいくつかの実施形態の任意のものと共に使用され得る。
【0041】
いくつかのケースでは、道路は、走行方向毎に2つ以上の路線(例えば、走行の車線が物理的にマーキングされたかされなかったか(例えば車線マーカにより)に関わらず)を含み得、各路線又は車線は路線毎に異なり得る路面プロファイルを有し得る。どれだけ多くの路線(例えば車線)が道路又は道路セグメント内にあるかは基準データベース内では知られていないかもしれなく、このことは、道路又は道路セクションの基準データを生成する際に困難に至り得る。例えば、所与の道路の基準路面プロファイルが、マルチ車線路の最左側路線又は車線内を走行する1つ又は複数の車両により生成されたデータに基づけば、最右側路線又は車線内を走行する車両を定位する(例えば、その位置を判断する)ために当該基準路面プロファイルを使用するための後続企ては、最左側路線又は車線と最右側路線又は車線との間の路面の差に起因して失敗し得る。従って、どれだけ多くの路線又は車線を道路が有するかとどの路線内を車両が走行していいるかとの両方を知ることは、車両及び/又は1つ又は複数の車両システムを制御するための情報を使用するために基準路面プロファイルを生成することと後続定位との両方のために望ましい可能性がある。路面プロファイルの路線を判断しようとする従来の企ては、単一車線において発生し得る道路セグメントの横断のために有用ではななない可能性があるマルチ車線使用(例えば車線変更)の路面プロファイルのためのデータ格納などのコンピュータ的難題を引き起こしてきた。
【0042】
いくつかの実施形態では、多数の路面プロファイルが単一道路セグメントに関連付けられ得る道路セグメント組織的構造を有することが有益であり得る。この道路セグメント構造は、多数の路面プロファイルが余りデータ的及びコンピュータ的に集約的でない可能性があるやり方で道路セグメントに関連付けられることを可能にする。
【0043】
いくつかの実施形態では、道路セグメントの路線(又は車線)プロファイルを識別する方法は、本明細書において開示されるように車両が道路セグメントを横断するにつれて任意の適切な搭載センサにより(例えば、本明細書において説明される例示的実施形態による車両を採用することにより)道路セグメントの路面プロファイルを測定することを含む。道路又は道路セグメントの現在路面プロファイルは、複数の車両が例えば道路の路線又は車線の複数の測定された路面プロファイルをサーバへ送信し得るように、車両が道路セグメントを横断するとサーバへ送信され得る。本方法はまた、格納された路面プロファイルの数が路面プロファイルの閾値数を越えられるかどうかを判断することを含み得る。路面プロファイルの閾値数は、十分な数の路面プロファイルがデータ演算に先立って収集されることを可能にするように判断され得る。いくつかのケースでは、路面プロファイルの閾値数は道路セグメントのタイプに基づき得る。例えば、ハイウェイなどの高速道路は、ハイウェイが通常、低速道路より多くの車線を含むのでより大きな閾値数の路面プロファイルを有し得る。いくつかの実施形態では、路面プロファイルの閾値数は、2~64路面プロファイル、8~12路面プロファイル、及び/又は任意の他の好適な数であり得る。サーバ又はデータセンタが車両から路面プロファイルを受信し、格納された路面プロファイルの閾値数が越えられていなければ、受信された測定された路面プロファイルが格納され、道路セグメントに関連付けられ得る。しかし、路面プロファイルの閾値数が受信された測定された路面プロファイルにより到達される又は越えられれば、本方法は、測定された路面プロファイルと格納された路面プロファイルとの最も似た2つの路面プロファイルを識別することを含み得る。最も似た2つの路面プロファイルは、路面プロファイルの各対に対し行われる相互相関関数に基づき、結果の類似性値の程度を比較することにより識別され得る。2つの最も似た路面プロファイルの類似性の程度が所定類似性閾値を越えれば、2つの最も似た路面プロファイルがマージ路面プロファイル内へマージされ得る。2つの最も似たプロファイルの類似性の程度が類似性閾値を越えなければ、最も古い路面プロファイルが廃棄され、新しく測定された路面プロファイルが格納され得る。このようにして、似た路面プロファイルがサーバにより保持され得る一方で外れ値路面プロファイルは最終的に落とされ得る。同様な路面プロファイルがマージされると、どれだけ多くの路面プロファイルが単一マージ済みプロファイルへマージされたかに関する情報が、道路セグメントの路線(例えば車線)を表す単一マージ済みプロファイル内のより多くの路面プロファイルと共にメタデータとして維持され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、類似性の程度は相互相関関数の出力である0~1の値であり得る。いくつかの実施形態では、路面プロファイルをマージするための類似性閾値は0.6、0.7、0.8、0.9、及び/又は任意の他の適正値以上であり得る。いくつかの実施形態では、類似性閾値は道路セグメントのタイプに少なくとも部分的に基づき得る。例えば、ハイウェイ又は高速道路は、車両により取られる経路内のより多くの変動が存在し得る低速道路より大きな閾値相関を有し得る。この例によると、いくつかの実施形態では、ハイウェイの閾値相関は0.8以上であり得、非ハイウェイ道路の閾値相関は0.5以上であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、一組の路面プロファイルが十分に多数(例えば、路面プロファイルの閾値数を越える)の路面プロファイルを含めば、相関クラスタ化アルゴリズムが一組の路面プロファイルに関し使用され得る。例えば階層的又はセグメント的クラスタ化方法(例えばk平均クラスタ化、c平均クラスタ化、主成分分析、階層的集団クラスタ化、分割クラスタ化、Bayesianクラスタ化、スペクトルクラスタ化、密度ベースクラスタ化など)を含む多くの適切な相関クラスタ化アルゴリズムが当該技術分野において知られていいる。相関クラスタ化プロセスに続いて、一組の路面プロファイルは1つ又は複数のクラスタ内へグループ化され得、ここでは、所与のクラスタ内に含まれる各路面プロファイルは所与のクラスタ内に含まれる路面プロファイルと互いに略似ていいる。例えば、道路セグメント内の一組の路面プロファイルは、路面プロファイルの第1のクラスタと路面プロファイルの第2のクラスタとに少なくとも分割され得、ここでは、第1のクラスタ内の各路面プロファイルは第1のクラスタ内の路面プロファイルと互いに略似ており、第2のクラスタ内の各路面プロファイルは第2のクラスタ内の路面プロファイルと互いに略似ていいる。いくつかの実施形態では、各クラスタ内の複数の路面プロファイルの類似性は、任意の適切な比較法(例えば本明細書において説明される相互相関関数を含む)を使用することにより判断されるような他のクラスタ内の路面プロファイルと比較して、同じ道路クラスタ内の他の路面プロファイルに、より似ていいる可能性がある。いくつかの実施形態では、各クラスタは、マーキングされても(例えば車線マーカにより)されなくてもよい道路の路線(又は車線)又は道路セグメントに対応するものと考えられ得る。いくつかの実施形態では、所与のクラスタ内の路面プロファイルのすべては、単一路線マージ済み路面プロファイルを取得するためにマージ(例えば、平均化)され得る。このようなマージ済み路面プロファイルは、道路セグメント内の所与の路線の基準路面プロファイルとして役立ち得(例えば車両の将来地勢ベース定位又は将来予知制御のために(例えば1つ又は複数の車両システムを来たる道路特徴の知識に基づき制御するために))、このようなマージ済み路面プロファイルは、適切なデータベース内に格納され、道路セグメント内の特定路線に関連付けられ得る。このマージは識別されたクラスタ毎に実行され得る。いくつかの実施形態では、クラスタ化アルゴリズムは定期的(例えば一定数の新しい路面プロファイルが所与の道路セグメントに関して収集された後)に繰り返され得る。代替的に、クラスタ化アルゴリズムは、新しいプロファイルがどのクラスタに属するかを判断するために、各新しい路面プロファイルが収集された後に繰り返され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、各クラスタが路線に対応すると考えるよりむしろ、路面プロファイルの閾値数を越える数の路面プロファイルを有するクラスタだけが路線に対応すると考えられ得る。路線は、道路セグメントを横断する際に車両が取る経路を表す。例えば、単一路面プロファイル又は路面プロファイルの閾値数よりより少ない少数のプロファイルを含むクラスタは、別個の路線よりむしろ外れ値と考えられ得る。外れ値は例えば車両が道路セグメントを横断する(例えば、車両は、道路セグメント内の車線を変更し得る、又は、通常存在しない道路上のいくつかの一時的デブリ又はごみを横断し得る)際に非典型的事象を経験すると発生し得る。いくつかの実施形態では、外れ値と考えられる路面プロファイルは、メモリ又はストレージ空間を節約するために、混乱を引き起こさないために、又は他の適切な理由のために、所定期間が経過した後に消去され得る。
【0047】
本明細書において説明される例示的実施形態によると、1つ又は複数の路面プロファイルはマージ済み路面プロファイル内へマージされ得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の路面プロファイルをマージすることは2つ以上のプロファイルを平均化することを含み得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の路面プロファイルをマージすることは、「測定された路面プロファイル内に提供された情報が妥当又は十分に精密である」周波数の範囲を考慮することを含み得る。いくつかの事例では、2つ以上の測定された路面プロファイルは、重なるが同一でない周波数範囲内で許容可能程度の精度を有し得る。このような事例では、重なり部分は平均化され得る一方で許容可能程度の精度を有するデータの非重畳部分が使用され得る。多数の重なりであるが同一でない測定された路面プロファイルから生成される基準プロファイルは個々の測定された路面プロファイルより広い周波数範囲を有し得る。このような実施形態によると、変動する品質及び動作周波数範囲のセンサは、各測定されたプロファイルからの最も利用可能なデータが組み合わせられ得るので、マージ済み路面プロファイルを歪曲することなななく、マージ済みプロファイルへマージされ得る。
【0048】
本開示はそのように制限されないので2つ以上の路面プロファイルをマージするための任意の好適な技術が採用され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、連続する又は当接する道路セグメントに関連する路線はデータベース内で連結され得る。これらの連結は、連続する道路セグメント上の路線がどのように訪れられるかを示す有向グラフを形成し得る。例えば、所与の道路は第1の道路セグメント及び第2の道路セグメントを含み得、ここで第1の道路セグメント及び第2の道路セグメントは連続する又は当接する道路セグメント又は道路スライスである。第1の道路セグメントが2つの路線(いくつかの実施形態では、車道上の物理的にマーキングされた車線に対応し得る)を含み、第2の道路セグメントが2つの路線を含むということが判断されれば、第1の道路セグメントの各路線は第2の道路セグメント内のそれぞれの路線へデータベース内で連結され得る。この「路線連結」は歴史的情報に基づき実行され得る:例えば、車両の大多数(又は他の適切な閾値)が第1の道路セグメント内の1つの路線(第1の基準路面プロファイルを有する)から第2の道路セグメント内の対応路線(第2の基準路面プロファイルを有する)へ走行するということが観測されれば、これらの路線は、様々な道路セグメントの路面プロファイルを含むデータベース内で纏めて連結され得る。例えば、車両が第1の道路セグメント内の「路線1」から第2の道路セグメント内の「路線1」へ好適に走行すれば、第1の道路セグメントの路線1は第2の道路セグメント内の路線1へ連結され得る。これらの連結は、所定時間における車両が第1の道路セグメント内の「路線1」へ定位されれば、例えば「車両が第2の道路セグメント内の「路線1」を継続する可能性が高い」ということが仮定され得るように走行を予測するために使用され得る。従って、車両は、後続道路セグメント又はスライス内の来たる路面プロファイルのために1つ又は複数の車両システムを用意及び/又は制御するために路線識別子を使用し得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、路面プロファイルは、本明細書において説明される例示的実施形態によるクラスタ化及び/又は車線識別を支援するために車両横断に関する追加情報を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、路面プロファイルは、路面プロファイルを判断するために使用される様々な測定済みプロファイルを測定する際に、道路セグメントを横断する車両の速度を平均化することにより判断され得る平均速度を含み得る。このような例によると、平均速度は、車線が平均速度の点で異なり得るので車線識別及びクラスタ化を支援し得る。例えば、米国では、最右側車線は最低平均速度を有し得る一方で最左側ランドは最高平均速度を有し得る。従って、より低い又は最も低い平均速度を有する第1の路線は車道の最右側車線に関連付けられ得、より高い又は最も高い平均速度を有する第2の路線は車道の最左側車線に関連付けられ得る。当然、本開示はそのように制限されないので、例えば光学データ又は表面下データを含む任意の好適な情報が、道路セグメントの車両車線を識別するために収集され採用され得る。
【0051】
車両の「ロケーション」又は「位置」は、絶対座標で表現されてもよいし、道路又は道路セグメントに対する車両のロケーションを指してもよい。例えば、車両のロケーション又は位置はまた、道路のフィーチャに対する距離として(例えば、道路の開始に対する、交差点に対する、道路上に配置されたフィーチャ(例えば道路穴、人工マーカなど)に対する距離として)表現され得る。
【0052】
路面プロファイルを測定するための特定タイプのセンサが以下のいくつかの実施形態において説明されることがあるが、本開示はそのように制限されないので、路面内の高さ変動を直接測定することができる又は高さ変動が導出され得る路面の高さ変動に関係する他のパラメータ(例えば、路面を横断する際の車両の1つ又は複数の部分(車両のバネ上質量又はバネ下質量など)の加速)又は任意の他の路面特徴(例えば摩擦係数)を測定することができる任意の適切なタイプのセンサが使用され得るということが理解されるべきである。本開示はこのやり方で制限されないので、例えば車両が横断していいる道路セグメントの路面プロファイルを測定するために、慣性測定ユニット(例えば(IMU))、加速度計、変位検出子、光学センサ(例えばカメラ、LIDAR)、レーダ、サスペンション位置センサ、ジャイロスコープ、及び/又は任意の他の適切なタイプのセンサが、本明細書において開示される様々ないくつかの実施形態において使用され得る。
【0053】
本明細書で使用されるように、用語「平均」は、パラメータ、路面プロファイル、又は本明細書において説明される様々ないくつかの実施形態に関連する他の道路特徴のうちの任意のものと共に使用される任意の適切なタイプの平均化の結果を指し得る。これは、中間値、モード、及び/又はメディアンなどの平均を含み得る。しかし、本開示はこのやり方で制限されないので、正規化、平滑化、フィルタリング、補間、及び/又は任意の他の適切なタイプのデータ演算の任意の適切な組み合わせが平均化することに先立って平均化されるためにデータへ適用され得るということが理解されるべきである。
【0054】
本明細書で使用されるように、「路面プロファイル」又は「路面特徴」(いくつかの事例ではこれらの2つの用語は交換可能に使用され得る)は「路線」又は「車線」に対応し得る。本明細書で使用されるように、「路線」は道路セグメントの長さを横断するために1つ又は複数の車両が取る経路であり得る。いくつかの実施形態では、「クラスタ」は、2つ以上の測定された路面プロファイルが平均化される「路線」及び/又は「車線」に対応する。いくつかの実施形態では、「路線」は道路上の物理的にマーキングされた「車線」に対応する。他の実施形態では、「路線」は道路上の物理的にマーキングされた「車線」に必ずしも対応しない可能性がある。
【0055】
添付図面を参照しながら、特別な非限定的実施形態が更に詳細に説明される。本開示は本明細書において説明される特定実施形態だけに制限されないので、これらの実施形態に対して説明されるシステム、部品、フィーチャ及び方法は、個々に及び/又は任意の所望組み合わせでのいずれでも使用され得るということが理解されるべきである。
【0056】
図1は、一組の道路セグメントへ分割された道路100を含む道路地図の一実施形態を描写する。
図1に示すように、道路地図は、道路100と、道路の長さに沿った1つ又は複数のロケーションにおいて道路100と交差する交差道路101とを含む。簡潔さのために、交差道路は、道路セグメントへ分割されるようには示されない。加えて、図解のために、複数の建物10が道路地図上に矩形により表される。
図1に示すように、車両150は道路100上を走行していいる。道路100は
図1の実施形態では以下の6つの道路セグメントへ分解される:第1の道路セグメント102、第2の道路セグメント104、第3の道路セグメント106、第4の道路セグメント108、第5の道路セグメント110及び第6の道路セグメント112。この図解例では、各道路セグメント102、104、106、108、110、112は、共通長さ「L」を有し、少なくとも開始点及び終点と関連付けられる。しかし、前のセグメントの終点における部分と重なる開始部分を含む等しくななない長さ及び/又はセグメントを有するセグメントも使用され得る。
図1に示す開始点及び終点は破線として示されるが、いくつかの実施形態では、開始点及び終点は地理的座標により定義される単一点であり得る。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、所与の道路セグメントの開始点は前の当接する道路セグメントの終点に一致し得る。いくつかの実施形態では、各道路セグメントの長さは60m~100mであり得るが、本開示はそのように制限されないので、本明細書において論述されるように他の長さの道路セグメントが使用され得る。
図1の道路セグメントを採用する例示的方法が以下に更に論述されることになる。
【0057】
図2は車両150の一実施形態の概略図を描写する。車両150は本明細書において説明される例示的実施形態による様々な方法において採用され得る。
図2に示すように、車両は車両の1つ又は複数のシステムを制御するように構成される車両制御システム151を含む。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、車両制御システムは、1つ又は複数のプロセッサ152、1つ又は複数のプロセッサに関連する非一時的コンピュータ可読メモリ154、及び通信モジュール156を含む。プロセッサは、本明細書において説明される様々な方法を行い、車両の様々なシステムを制御するために、非一時的コンピュータ可読メモリ内に格納され得るコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。通信モジュール156は、車両制御システムがリモートデバイス(例えば他の車両、サーバ、インターネットなど)と通信することを可能にするように構成された無線通信モジュールであり得る。通信モジュール156は任意の好適な無線通信プロトコルを採用し得る。いくつかの実施形態では、通信モジュール156は、通信モジュールが情報を送信及び/又は受信し得るようにリモートデバイスとの一方向又は二方向通信のために構成され得る。いくつかの実施形態によると、
図2に示すように、車両150は、車両のロケーションを推定するために採用され得る全地球型衛星航法システム受信器(GNSS受信器)158を含み得、全地球型衛星航法システム受信器(GNSS受信器)158は、本明細書において説明される地勢ベース定位システムにより実施される地勢ベース定位方法を使用することにより補足される。
図2の実施形態によると、車両150は、道路フィーチャ114を有する道路100を横断する車輪160及び162を含む。車両150は、車両の1つ又は複数の部分に関連する1つ又は複数のセンサ(道路100の路面プロファイルを測定するために車輪の変位を測定するように構成された描写された第1のセンサ164及び/又は第2のセンサ166など)を含む。例えば、第1のセンサ164及び第2のセンサ166は、例えば車両ボディ又は車輪アセンブリの運動を測定するように構成された加速度計であり得る。しかし、車両の様々な部分に関連する様々なタイプのセンサが、前に説明されたように路面プロファイルを測定するために使用され得る。使用される特定センサにかかわらず、センサからの測定された情報は、測定済み路面プロファイルを形成するためにセンサ信号を集約し得るプロセッサ152へ送信され得る。
【0058】
図2の実施形態によると、車両150は、通信モジュール156を介し1つ又は複数のリモートサーバ、他の車両、及び/又は任意の他の適切なシステムと通信するように構成される。いくつかの実施形態では、
図2に示すように、通信モジュール156はネットワーク260(例えばローカルエリアネットワーク、広域ネットワーク、インターネットなど)を介しサーバ250と通信し得る。通信モジュールは、情報(例えば測定された路面プロファイル情報)をサーバ250へ送信し得、情報(例えば基準路面プロファイル情報、道路セグメント情報)をサーバから受信し得る。サーバ250から受信される道路セグメント情報の組織的構造が
図3を参照して更に論述される。
図2の実施形態では車両は単一サーバと通信していいるが、本開示ではそのように制限されないので、車両は任意数のサーバ又は他のリモートデバイス(例えばマイクロプロセッサ)と通信し得る。いくつかの実施形態では、サーバは、道路ネットワークの道路セグメント情報のデータベースを含み得る。
【0059】
図3は、道路セグメントアーキテクチャを利用する地勢ベース定位システムにより車両を定位する方法の一実施形態のフローチャートを描写する。いくつかの実施形態では、車両が道路に沿って走行するにつれ、現在路面プロファイルが連続的に取得され得る(例えば加速度計などの1つ又は複数の搭載センサを使用することにより)。更に、車両内の1つ又は複数のシステムを制御するコントローラは、一連の道路セグメントに関する以前に測定及び/又は処理された情報を格納するデータベース(例えばリモート又はローカルサーバ上の)と通信状態であり得る。この情報は、例えば(i)一連の1つ又は複数の道路セグメントの終点ロケーション(例えば
図3に示すような)及び(ii)それらの1つ又は複数の道路セグメントに関連する少なくとも1つの基準路面プロファイルを含み得る。代替的に又は追加的に、この情報は、例えば(i)一連の1つ又は複数の道路セグメント内の所定点(
図3に示さない)のロケーション及び(ii)1つ又は複数の道路セグメントに関連する少なくとも一部分の少なくとも1つの基準路面プロファイルを含み得る。
【0060】
図3の図解例のブロック300では、車両の近似ロケーションは第1の分解能を有する第1の定位システムを使用することにより判断され得る。いくつかの実施形態では、採用されるGNSSの分解能内で精密であるこの近似ロケーションは車両の報告されたGNSS(例えばGPS)座標を使用することにより判断され得る。代替的に又は追加的に、この近似ロケーションは、車両の既知位置に対し推測航法を使用することにより(例えば車速、方向、及び/又は加速又は速度積分を使用することにより)判断され得る。ブロック302では、車両の近似位置は、道路の1つ又は複数の道路セグメントの所定点の相対位置と比較され得、ここで所定点は道路セグメントの終点であり得る。車両が任意の道路セグメントの以前に選択された点に近い(例えば所定点の閾値距離内である)ということが判断されれば、対応道路セグメント(すなわち車両が位置する現在道路セグメント)が比較のために選択され得る。いくつかの実施形態では、車両の近似ロケーションが道路セグメントの当該所定点から閾値距離内にあれば車両はセグメント内の所定点(例えば終点、中点又は他の適切な点)近くにいいると考えられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、閾値距離は0.05L、0.1L、0.2L、0.4L又は0.5Lであり得、ここで「L」は道路セグメントの長さである。本開示はそのように制限されないので、本明細書において説明されるような絶対長の観点で提供される閾値を含むより長い又はより短い他の範囲の閾値距離が利用され得る。車両が任意の道路セグメントの、セグメントの所定点(例えば終点、中点又は他の適切な点)から所定距離内にいいないということが判断されれば、本システムは工程300へ戻り、後続時間ステップ又は次の時間ステップ中に車両のロケーションを再近似し得る。いくつかの実施形態では、車両はその位置を略連続的に(例えば所定時間ステップ毎に)再近似し得る。代替的に、いくつかの実施形態では、車両の位置は所定間隔(例えば所定時間及び/又は距離間隔)に従って再近似され得る。
【0061】
図3に示す実施形態に示すように、ブロック304において、車両が道路セグメントの終点又は他の所定点の所定距離又は他の閾値内にいいると判断された後、このプロセスは、現在路面プロファイルと、現在路面プロファイルと同じ長さ又は等価長の道路セグメントの基準路面プロファイルとを連続的に又は多数の機会に比較することを含み得る。所定点が終点である実施形態では、この比較(例えば相互相関)は「L」メートル長である道路セグメントの部分に対し行われ得る。いくつかの実施形態では、現在路面プロファイルは、車両が例えば道路セグメント終点又は他の所定点の近くに(例えば所定閾値距離内に)いる間に、基準路面プロファイルと連続的に又は多数の機会に比較され得る(例えばある時間間隔で(例えば0.01秒毎に一回、0.1秒毎に一回、0.2秒毎に一回)及び/又はある距離間隔(例えば0.05L、0.1L、0.2L、0.3Lなど)で)。本開示はそのように制限されないので、より短い又はより長い他の時間間隔又は距離間隔が採用され得る。比較が行われる道路の長さは、例えば道路セグメント又はスライス全体のL又は長さと等しい又は道路セグメントの一部分の長さと等しい適切な長さであり得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、現在路面プロファイルの等価長と基準路面プロファイルの等価長との比較は、車両が道路の所定点(例えば道路セグメント終点)に近づくにつれて様々な位置において、相関値を出力し得る相互相関関数を使用することにより、行われ得る。ブロック306では、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの最大相関の時間及び/又は位置が、車両が道路の所定点(例えばセグメントの終点)に近づくにつれて、判断され得る(例えばピーク検出を使用することにより)。ブロック308では、最大相関の時間又は位置が判断されると、車両が道路セグメントの所定点(例えば終点)にいいることが想定され得る。従って、ある時点(例えば最大相関の時点)における、道路に沿った車両の精密位置は、道路セグメントの所定点と一致すると判断され得る。任意選択的ブロック310では、ブロック308内のこの時点後の、及び次の道路セグメントの所定点の識別に先立つ車両のさらなる運動は、車両の位置を近似するために推測航法を使用することにより追跡され得、従って、プロセスを
図3に示すブロック300へ戻す。
【0063】
代替的に、本開示ではそのように制限されないので、本方法は推測航法無しにブロック300へ戻り得る。いくつかの実施形態では、車両が後続道路セグメントの終点に近づくと、
図3の方法は、車両が任意数の道路セグメントを横断するにつれ車両が後続道路セグメントの終点又は他の所定点などに精密に位置するまで繰り返され得る。従って、車両は例えば道路セグメント終点又は他の所定点を横断するたびに精密に定位され得る。いくつかの実施形態では、道路上の独特な異常又は路面特徴は代替的に又は追加的に、車両が道路に沿って走行するにつれ車両の位置を見出すための所定点として使用され得る。
【0064】
図3の実施形態によると、本方法は、(例えば非一時的メモリ内に格納された)コンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサによりいくつかの実施形態では行われ得る。例えば、
図3の方法はプロセッサによる実行のために非一時的コンピュータメモリ内の一連の命令として格納され得る。いくつかの実施形態では、
図3の方法は車両プロセッサにより行われ得る(例えば、例示的
図2におけるプロセッサ152を参照)。
【0065】
図4は、車両が複数の道路セグメント102、104、106、108、110、112に分割された道路100に沿って走行するにつれての例示的実施形態による車両の地勢ベース定位の方法を示す。通常は未知であるが明瞭性のために示される各時間T1-T4における点401は車両の真のロケーションを表す。各時間における文字「X」403は、第1の定位システムにより(例えばGNSS、推測航法又は他のロケーション近似システムにより)近似される車両のロケーションを表す一方で、Xの周囲の円は、不確実性の潜在的領域(すなわち第1の定位システムの精度により判断された実際のロケーションの範囲)を表す。
図4に示すように、近似ロケーションはGNSS又は他のシステムの分解能制限に起因して真のロケーションとは幾分異なり得る。しかし、車両の真のロケーションは不確実性の領域内に必ずしもななない。「X」は、ここではGNSSにより近似されたロケーションを表すために使用されるが、また、推測航法又は他の第1の定位方法により近似されたロケーションを表す可能性があるということに留意されたい。
【0066】
図4に示すように、T1で表される第1の時点において、例示的実施形態では、車両のロケーションは、第2の道路セグメント104内にあるが第2の道路セグメント104の終点(破線として表される)の近くではななないとして近似され得る。従って、この実施形態では、時間T1において、T1における車両の現在ロケーション401において終端する現在路面プロファイルは、第2の道路セグメント104の基準プロファイル(道路セグメント104の終点において終端する)とうまく相関しない可能性がある。従って、時間T1において、地勢ベース定位を使用するよりむしろ、車両のロケーションは他の余りコンピュータ集約的でない定位方法により(例えばGNSS定位及び/又は推測航法により)連続的又は定期的に近似され得る。
【0067】
図4に示すように、第2の後続時点T2において、車両の近似ロケーション(例えばGNSS受信器を使用することにより報告されるような)が道路内の予め選択された点(例えば第2の道路セグメント104の終点)から所定閾値距離内にあると判断され得る。この結果、地勢ベース定位が、例えばGNSS又は推測航法を使用することによるよりも車両のロケーションをより精密に判断するために使用され得る。
図4に示す実施形態では、T2において、地勢ベース定位は、基準道路プロファイル及び現在道路プロファイルの適切な部分同士を比較することにより実施され得る。
図4では、時間T2において始まると、現在路面プロファイルの前又は後のLメートルは、第2の道路セグメントの終点において終端する基準路面プロファイルと(例えば連続的に又は定期的に)比較され得る。車両が道路セグメント104の終点の閾値距離内にいいるということが判断された後、現在路面プロファイルは車両が予め選択された点に近づくにつれ連続的に又は定期的に更新され得る。多くの機会では、車両に追随する長さLの現在路面プロファイルが更新され得、更新された現在路面プロファイルは、予め選択された点において終端する等価長の基準路面プロファイルと比較され得る。例えば、
図4に示すように、いくつかの実施形態では、所定長の現在路面プロファイルの一部分が等価長の基準路面プロファイルの一部分と比較され得る。
【0068】
車両がセグメントの終点に近づくにつれて、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関は増加することになる。従って、車両の実際のロケーションは、長さLメートルの現在路面プロファイルと道路セグメントに関連する等価長の基準路面プロファイルとの相関が最大値に達すると第2の道路セグメント104の終点(
図4では時間T3として示される)と一致することになる。従って、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとが最大相関を示す車両の時間及び/又は位置を判断することにより、又は相関が閾値を越えれば(例えば、ピーク検出及び/又は相関閾値により)、道路100に沿った車両のロケーションは、当該時間(例えばT3)において第2の道路セグメント104の終点と一致すると精密に(少なくとも第1の定位システムより良い精度内で)判断され得る。
【0069】
車両のロケーションのこの精密な判断に続いて、車両の定位は、推測航法、GNSSに依存することに戻り得るか、又は次に、T4に示すように他の方法が車両のさらなる運動を追跡するために使用され得る。この推測航法及び/又はGNSS定位は、車両が任意数の道路セグメントを横断するとこのプロセスが後続道路セグメントのために繰り返され得る場合、車両が別の予め選択された点(例えば次の道路セグメント(例えば第3の道路セグメント106)の終点)にいいるか、又はその十分に近くにいいると判断されるまで続き得る。
【0070】
図5に関し、1つ又は複数の道路セグメント内の所定点は終点以外の既知ロケーションを有する点であり得るということに留意されたい。従って、現在路面プロファイルと基準プロファイルとの比較は、現在道路セグメント長「L」より短い適切な長さに関してのものであり得る。
【0071】
図5は、地勢ベース定位システムを利用することにより車両を定位する方法の別の実施形態のフローチャートを描写する。任意選択的ブロック320では、複数の道路セグメントに関連するデータが取得され得(例えば、ダウンロードされ得)、ここで各道路セグメントに関連するデータは少なくとも1つの基準路面プロファイルを含む。いくつかの実施形態では、道路セグメントは無線ネットワークを介しリモートサーバからダウンロードされ得る。ブロック322では、現在路面プロファイルは道路セグメントの少なくとも一部分を横断する間に判断される。例えば、垂直方向車輪運動及び/又は車両ボディの垂直運動が1つ又は複数のセンサを使用することにより測定され得、路面プロファイルは1つ又は複数のセンサの入力に基づき得る。ブロック324では、車両が道路セグメントの所定点(例えば道路内の道路セグメント終点、中点又は他の予め選択された点)の閾値距離内にいいるかどうかが判断される。この判断は、近似定位技術(例えば車両の既知ロケーションに対するGNSS及び/又は推測航法)を介した近似ロケーションに基づき得る。ブロック326では、基準路面プロファイルは等価長の現在路面プロファイルと比較される。例えば、基準路面プロファイル及び現在路面プロファイルは基準路面プロファイルと現在路面プロファイルとの相関を判断するために相互相関され得る。ブロック328では、路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関が閾値又は閾値の大きさを越えるかどうかが判断される。例えば、相関(例えば0と1との間の数)が所定相関閾値(例えば0.5、0.6、0.7、0.8、又は0.9以上)と比較され得る。相関が閾値を越えなければ、本方法はブロック330において継続し、ブロック322において再開し得る。相関が閾値を越えれば、ロケーションは閾値相関が越えられたということに基づきブロック332において判断され得る。いくつかの実施形態では、本方法はまた、「車両のロケーションは相関が閾値相関を越える時点又は位置に対応する」ということを判断する前に相関がピーク相関であるかどうかを判断することを含み得る。任意選択的ブロック334では、車両の1つ又は複数のシステムが、車両の判断されたロケーション及び/又は車両の前方の道路セグメントの路面プロファイルに少なくとも部分的に基づき制御され得る。例えば、いくつかの実施形態では、車両のサスペンションシステムが、判断されたロケーションに少なくとも部分的に基づき制御され得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のシステムもまた、推測航法又はGNSSを使用する余り精密でない定位が続く地勢ベース定位を使用することにより判断された車両の位置に基づき制御され得る。地勢ベース定位とGNSS又は推測航法などの他の余り精密でない定位との組み合わせを使用することにより、許容可能全体車両定位精度がコンピュータ資源の必要性を低減する一方で実現され得る。
【0072】
図6は地勢ベース定位システムにより車両を定位する方法の別の実施形態のフローチャートである。特に、
図6の方法は特定道路セグメントの特定路線上の位置に対し車両を定位するために採用され得る。任意選択的ブロック380では、道路セグメント内の様々な路線に対応する複数の基準道路プロファイルを含む道路セグメントが取得され得る。例えば、道路セグメントは、ローカル又はリモートサーバから車両の搭載プロセッサへダウンロードされ得る又はそうでなければ利用可能であり得る。ブロック382では、現在路面プロファイルは、車両が道路セグメント内の車線を横断する間に道路セグメントの少なくとも一部分に関し判断され得る。ブロック384では、現在路面プロファイルは、道路セグメントの各クラスタに対応する各基準路面プロファイルと比較され得る。いくつかの実施形態では、ブロック384の比較は、他の例示的実施形態を参照して本明細書において説明されたように、車両の近似ロケーションが終点又は所定点の閾値距離内にあるということによりトリガされ得る。いくつかの実施形態では、ブロック384の比較は現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相互相関であり得る。ブロック386では、現在路面プロファイルと基準路面プロファイルとの相関が閾値相関を越えるかどうかが判断される。例えば、相関(例えば0と1との間の数)は所定閾値相関(例えば0.5、0.6、0.7、0.8、又は0.9以上)と比較され得る。閾値が越えられていなければ、本方法はブロック382において継続し、ブロック388において再開する。閾値が越えられれば、ブロック390では、車両の路線は、現在路面プロファイルと特定クラスタに関連する基準路面プロファイルとの閾値相関が越えられたということに基づき識別され得る。任意選択的ブロック392では、車両の1つ又は複数のシステム(例えばアクティブサスペンション、半アクティブサスペンション、ステアリング、及び/又はブレーキシステム)は、車両が沿って走行していいる判断された路線に関連する路面プロファイル情報に少なくとも部分的に基づき制御され得る。
【0073】
図6の実施形態によると、本方法はいくつかの実施形態では非一時的メモリ内に格納されたコンピュータ可読命令を実行するように構成されたリモートプロセッサ又は搭載プロセッサにより少なくとも部分的に行われ得る。例えば、
図6の方法は、プロセッサによる実行のための非一時的コンピュータ可読メモリ内の一連の命令として格納され得る。いくつかの実施形態では、
図6の方法は車両プロセッサ(例えば、例示的
図2におけるプロセッサ152を参照)により行われ得る。
【0074】
図7は、地勢ベース定位のマルチ路線道路セグメントの複数の路面プロファイルを収集する別の実施形態のフローチャートを描写する。特に、
図7は、既存組の路面プロファイルをクラスタ化するためにクラスタ化アルゴリズムを明示的に又は必然的に実行することなななく、多数の路線を有する道路セグメントを定義する方法を描写する。ブロック400では、道路現在プロファイルは道路セグメントを横断する間に集められる情報に基づき判断される。代替的に、いくつかの実施形態では、本方法は測定されたデータをリモートデータベースへ送信する車両から現在路面プロファイルを取得することを含み得る。ブロック402では、個々の格納された路面プロファイルの数が路面プロファイルの所定閾値数(例えば4~64路面プロファイル)を越えるかどうかが判断される。閾値が越えられていなければ、測定された路面プロファイルはブロック404において格納され得る。閾値が越えられれば、本方法は測定された路面プロファイル及び格納された路面プロファイルの最も似た2つの(又は3以上の)路面プロファイルを識別する(ブロック406において)ことを含み得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の最も似た路面プロファイルは、路面プロファイルの各々間の類似性の程度を判断し、最大度の類似性を有する路面プロファイルを選択することにより判断され得る。2つの最も似た路面プロファイルは、格納された路面プロファイルであり得る、又は測定された路面プロファイルと格納された路面プロファイルであり得る。ブロック408では、2つの(又は3つ以上の)最も似た路面プロファイルの類似性の程度が類似性閾値を越えるかどうかが判断される。例えば、相互相関(例えば0から1の間の数)を使用することにより判断され得る類似性の程度は所定類似性閾値(例えば0.5、0.6、0.7、0.8、又は0.9以上)と比較され得る。類似性の程度が閾値を越えれば、ブロック410において、2つの(又は3つ以上の)最も似た路面プロファイルがマージされる(例えば、平均化される)。類似性の程度が閾値を越えなければ、一組の格納された又は以前に記録された路面プロファイルのうちの最も古いものがブロック412において廃棄され得る。いくつかの実施形態では、最も古い格納された路面プロファイルが、マージされた路面プロファイルでない場合にだけ廃棄され得る。このような場合、最も古い未マージ路面プロファイルは外れ値であり得る。いくつかの実施形態では、本開示はそのように制限されないので最も古いマージされた路面プロファイルが廃棄され得る。
図7の実施形態によると、本方法は、いくつかの実施形態では、非一時的メモリ内に格納されたコンピュータ可読命令を実行するように構成されたプロセッサにより行われ得る。例えば、
図7の方法はプロセッサによる実行のための非一時的コンピュータ可読メモリ内の一連の命令として格納され得る。いくつかの実施形態では、
図7の方法はサーバプロセッサ(例えば、例示的
図2におけるサーバ250を参照)により行われ得る。
【0075】
本発明者らは、以下のことを認識した:代替的に又は追加的に、車両のロケーションを判断する際、現在路面プロファイル及び基準路面プロファイルは多大なコンピュータオーバーヘッドを引き起こすことなななく連続的に又は頻繁な間隔で比較され得る。これらの路面プロファイルは、2つのデータセットの多数の相対的アライメントにおいてリアルタイム路面プロファイル現在データセットと以前に収集された基準路面プロファイルデータセットとの間の移動相関を計算することにより効率的に比較され得る。この連続相関器方法では、特定時点において、車両の位置は基準プロファイルに対する多くの潜在的ロケーションにあるものと仮定され得る。これらのロケーションの各々(以後ノードと呼ばれる)において移動相関が計算され得る。最も高い相関を有するノード又はアライメントが道路セグメント内の車両のロケーションの最良推定であり得る。
【0076】
車両が道路に沿って走行するにつれ、道路の格納された基準路面プロファイルデータが、車両に搭載され得る又はリモートロケーションに位置し得るプロセッサによりアクセスされ得る。車両搭載定位システム(例えばGNSS、又は以前に判断されたロケーションからの推測航法)が、以前に判断された基準路面プロファイルに対する車両の現在ロケーションをリアルタイムで推定するために使用され得る。
【0077】
図8は、基準路面プロファイルに対する車両の位置が様々な時間ステップで示される場所の一例を示す。実線500は以前に収集された基準路面プロファイルを表す一方で、点線502a、502b、502c及び502dは、車両が道路に沿って走行するにつれ時間T=k、k+1、k+2、k+3における異なる4点における車両(示されない)の真のロケーションをそれぞれ表す。車両はまた、現在路面プロファイルをリアルタイムで判断するために搭載センサを使用し得る。
【0078】
図9において、点線510a、510b、510c及び510dは、車両(示されない)がロケーション502a、502b、502c及び502dにいいるときに搭載センサを使用することによりリアルタイムで取得され得る現在路面データを表す。車両に追随し得る現在路面プロファイルは、車両搭載バッファ内に又はリモートロケーションに格納され得る。いくつかの実施形態では、バッファは例えば長さN(例えばN=500)のバッファであり得る。車両が道路に沿って走行するにつれ、各時間ステップにおいて、新しい路面測定結果がバッファへ追加され得、バッファ内の最も古い測定結果は廃棄され得る。Nが300~700の範囲内であるバッファも使用され得る。本開示はそのように制限されないので、上記範囲より大きい範囲及び上記範囲より小さい範囲両方の範囲のNの値も企図される。
【0079】
図9に示す例では、現在路面プロファイル(510a-510d)と基準路面プロファイル500の等価長の対応セグメントとの間の各時間ステップ(T=k、k+1、k+2及びk+3)における相関係数が判断され得る。各時間ステップにおける車両の位置が精密に知られていいれば、そのように判断された相関係数は、高くなるので、1又は100%に近づき得る又はそれと等しくなり得る。いくつかの実施形態では、相関係数の大きさは車両の現在位置の精度の指示子として使用され得る。
【0080】
図10に示す例は、この場合は車両の位置が精密に知られていないということ以外は
図9の複製である。車両の位置の不確実性の範囲は、時間ステップT=k、k+1、k+2及びk+3において矩形520a、520b、520c及び520dによりそれぞれ表される。
図10の例では、車両のロケーションは、
図9の例のように、明確な点よりむしろ範囲として指示される。いくつかの実施形態では、車両の近似位置はGNSSシステム又は推測航法システムにより判断され得、範囲520a-520dは、GNSSの典型的測定誤差又は推測航法誤差又はカルマンフィルタからの信頼度窓などを表し得る。
【0081】
図10の例では、例えば時間ステップT=kにおいて、現在路面プロファイル510aと基準路面プロファイル500の対応部分との相関係数の大きさは不確実性の範囲520a内の車両の推測位置に依存することになる。従って、任意の所定時間ステップにおいて、不確実性の範囲内の車両の推測位置は、現在路面プロファイルデータと基準路面プロファイルデータの対応部分とのアライメントを判断することになる。
【0082】
いくつかの実施形態では、不確実性の範囲内の車両の精密なロケーションは知られない可能性があるので、車両が不確実性の範囲内の様々な点にいいるということを仮定することにより、多数の相関係数が所与の現在路面プロファイル(510a-510d)に関し判断され得る。例えば、
図11に示すように、車両が不確実性の範囲520a内に居ると判断される(例えばGNSS又は他の適切な定位システムを使用することに基づき)時間ステップT=kにおいて、車両は8つの異なるロケーション530a、530b、530c、530d、530e、530f、530g及び530hのうちの任意の1つにいいるものと想定され得る。
図11の実施形態では、任意の時間ステップ(T=k、k+1、k+2及びk+3)における想定ロケーションは不確実性の範囲全体にわたって分散され得る。これらは、一様に、ランダムに、又は適切な確率分布等々に従って分散され得る。
図11は時間ステップT=k~T=k+3における車両の潜在的ロケーションの一様分布を示す。不確実性の範囲内の車両の想定ロケーションの数は3以上~20以下であり得る。当然、本開示はそのように制限されないので上記数より大きい数及びそれより小さい数の両方の数の想定ロケーションもまた企図される。
【0083】
図11に示す実施形態では、同じ現在路面プロファイル510a(例えば最近の現在路面プロファイルデータ)が基準路面プロファイル500の一部(等長であるが想定された車両位置530a~530hの背後に追随する)と相関付けられ得る。
【0084】
図12は不確実性の範囲520a-520dの相関係数540a-540dの例示的分散をそれぞれ示す。単一相関係数(三角)が、基準プロファイル500に対する車両の推測位置において判断された各相関アライメント点に対応する。
図12に示す例では、係数の分散はピークを有する円形曲線を形成する。この曲線の最大のロケーションは、リアルタイム現在路面プロファイル510aと以前に収集された基準プロファイル500との間の最良(最も高く相関付けられた)アライメントを表し得、従って、基準プロファイルに対する車両の位置を判断するためのリアルタイム定位信号として連続ベースで又はほぼ連続ベースで使用され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、1即ち100%に近いピークの値は、車両の可能性が高い位置を指示する現在の基準データと以前に判断された基準データとの間の良い整合性を表し得る。しかし、値が著しく降下し始めれば、値は余り信頼できない定位を指示し得る。例えば、道路が例えば再舗装されていいれば、又は車両が車線を変更すれば、より低い値のピークが発生し得、従って、以前に収集された基準プロファイルは、例えばアクティブサスペンション、推進、ステアリング又はブレーキなどの様々な車両システムの積極的制御のためには、もはや適切でない可能性がある。
【0086】
別個の路面プロファイルが、収集されていいれば、又は道路又は道路セグメントの様々な車線又は路線のために利用可能であれば、連続相関器の実施形態が多数のプロファイルを処理するために同時に使用され得る。このような場合、様々な車線又は路線の中で最も高いピーク相関は、車両が走行しており、現在路面プロファイルが判断される車線に対応し得る。車両が車線を第1の車線又は路線から第2の車線又は路線へ変更すれば、第1の車線又は路線内のピークは降下し始め得る一方で、別の車線の相関器のピークは上昇し始め得る。この振る舞いは、車線変更が発生したという指示子として使用されるだけでなく車両がどの車線へ変更しつつあるかを判断するためにも使用され得る。
【0087】
従って、連続的縦方向定位(「一次元連続相関」)に関し本明細書において開示される方法はある程度の横方向定位連続相関を許容するために拡張され得る(「二次元連続相関」)。一次元定位だけを行う際、相関の移動測定が、基準路面プロファイルに沿った様々な縦方向ロケーション又は位置において維持され得る。横方向定位を可能にするためにこれを拡張するために、相関の同様な測定が、単一路面プロファイルに沿ってだけでなく所与の道路セグメント上の様々な車線又は路線を表す他の路面プロファイルに関し維持され得る。所与の道路又は道路セグメント上の多数の潜在的車線又は路線の移動相関を維持することにより、車両の最も可能性が高い横方向位置は最も高いピーク相関を有するものとして識別され得る。
【0088】
相関計算の回数は横方向路線又は車線の数と共に成長するので、コンピュータ負荷は多数の車線又は路線を有する道路上で著しく増加し得る。この負荷を低減するために、車両の現在車線が識別されれば、現在車線に横方向に隣接しない横方向路線の相関計算は中断され得る。
【0089】
車線変更は「ピーク相関が、現在車線/路線として以前に識別されたものにおいて降下した」ということと「ピーク相関は異なる路線又は車線において上昇していいる可能性がある」ということとを検出することにより識別され得る。これが発生すると、将来の車線変更もまた検出され得るように、隣接路線であると以前考えられた車線/路線もまた変化し得る。
【0090】
連続相関器のナイーブな実装形態は多数の計算を必要とし得る。長さnのベクトルa及びb間の相関係数の式は以下の式を使用することにより決定され得る:
【数1】
【0091】
これは約6n回の演算を必要とし得る。いくつかの実施形態では、nの値は200以上且つ1000以下であり得る。本開示はそのように制限されないので、上記範囲より大きいn及び小さいnの値も企図される。n=500であれば、単一相関係数計算は約3000回の演算を必要とし得る。
【0092】
連続相関器のいくつかの実施形態では、多数の係数が各時間ステップにおいて再計算される必要があり得る。必要とされる係数の数は不確実性窓のサイズ及び所望分布密度に依存し得る。係数の数は10と100との間の数であり得る。本開示はそのように制限されないので上記範囲より大きい数の係数及び小さい数の係数両方も企図される。係数の数が50であれば、演算の数を更新当たり最大150,000演算までスケーリングするだろう。いくつかの実施形態では、更新当たりのこのような数の演算により、50Hz又は100Hzにおける更新はいくつかのマイクロプロセッサ上で実現可能ではななない可能性がある。
【0093】
いくつかの実施形態では、コンピュータ負荷はナイーブな相関係数を移動計算で置換することにより緩和され得る。これは上記式内の3つの和の各々を移動平均により置換することにより実現され得る。利用され得る式は次のとおりである:
【数2】
Rnは長さnの移動平均を表す。時間ステップ毎に、3つの移動平均が最新点により更新され得る。移動平均は著しくよりコンピュータ的に効率的であり、従って「n」によるスケーリングはもはやななない。その代わりに、この新しい定式化は時間ステップ当たり約10回の演算だけに関与する。これらの仮定は、演算の数を約300の係数だけ低減し得、余り強力ではななないハードウェアによっても演算の数を合理的にする。
【0094】
移動平均を使用することの悪い面は、各移動平均が長さ「n」のバッファを格納するためのメモリを必要とするということであり得る。これは、係数当たり3n個の点又は全75,000点のためのより多くのメモリの必要性を生じ得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、コンピュータ負荷はまた、移動平均を無限インパルス応答(IIR:infinite impulse response)フィルタにより置換することにより緩和され得る。移動平均は有限インパルス応答低域フィルタであると考えられ得る。いくつかの実施形態では、移動平均は一次又は二次バターワース低域フィルタにより近似され得る。
【0096】
この結果、各相関係数の式は以下の式により決定され得る:
【数3】
Fは移動平均を近似する適切に設計されたIIRフィルタである。バターワースフィルタ(又は別の同様なIIRフィルタ)の利点は、長さ「n」のバッファを格納する必要性はないが、許容可能近似を生じるということである。
【0097】
一次バターワースにより、格納必要性は、合計450点のためにフィルタ当たり単一値へ低減され得る(75,000から低減され得る)。この改善は、更新当たりおよそ20回の演算までの計算の些細な増加を犠牲にし得る。
【0098】
相関計算のために移動平均又はIIRフィルタを使用するかに関わらず、ウォームアップ期間が、移動平均のバッファを満たすためにか、又はIIRフィルタ過渡現象を整定させるためにかのいずれかのために必要とされ得る。この期間中、連続相関器出力は雑音があり得る又は信頼できない可能性がある。このウォームアップ期間は数秒(例えば0.1~5秒)続き得る。
【0099】
図12に示す例では、相関ノードは不確実性の範囲内で一様に分散される。いくつかの実施形態では、分散は時間と共に変化し得る。例えば、当初、例えば連続相関器の起動中、ノードは、ノードの数を制限する(従ってコンピュータ制限を制限する)ように不確実性範囲全体にわたり一様に分散され得るがノード間のかなり広い間隔を有し得る。相関器がウォーミングアップすると、相関器は車両のロケーションをより精密に判断し始め得る。この場合、ピーク相関から遠く離れたノードは落され得、新しいノードが、定位分解能を改善するためにピークの近くに加えられ得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、相関ピークは不正確性(例えば推測航法における)に起因してノードに対して時間と共にドリフトし得る。相関ピークがドリフトすると、相関ピークをノードに対し再センタリングするためにノードはピークの一方の側から削除され、ピークの反対側へ加えられ得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、新しいノードのためのウォームアッププロセスは、それらの最も近い近隣ノードを使用することによりそれらの状態を初期化することにより加速され得る。定位分解能はまた、二次曲線を相関係数曲線へフィッティングすることにより、結果放物線のピークを発見することにより、更に改善され得る。このようにして、ピークは、ピークがノードのうちの1つに直接的に位置するよりむしろ2つの相関ノード間にあったとしても推定され得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、路面プロファイルは、相関係数を計算することに先立ってフィルタリングされ得る(例えば帯域フィルタを使用することにより)。同フィルタは現在基準プロファイル及び以前に収集された基準プロファイルの両方へ適用され得る。
【0103】
本明細書において説明される連続相関器はリアルタイム又は現在プロファイルと以前に収集されたプロファイルとを比較する。いくつかの実施形態では、リアルタイム前プロファイルはリアルタイム後プロファイルと比較され得る。この比較は、道路が両軸において同じであると推定されることを保証するための診断として使用され得る。この比較はまた、前車軸と後車軸との間の既知距離を使用することにより真の車速を推定するために使用される。
【0104】
連続相関器は、車線変更中に次の路線に到達する前にプロファイル類似性の低下を迅速に検出するために使用され得、従って、定位に依存する様々な車両システムを制御するアルゴリズムをより迅速に減衰又は不能にする。いくつかの実施形態では、動的に置かれ得るノードは定位不確実性のレベル又は所望定位分解能に依存してより大きな柔軟性を提供する。これは低速において有益であり得る。
【0105】
本明細書において説明される技術の上記実施形態は、無数のやり方のうちの任意のやり方で実装され得る。例えば、いくつかの実施形態はハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせを使用して実装され得る。ソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードが、単一コンピュータ内に提供されるか多数のコンピュータ間で分散されるかにかかわらず、任意の好適なプロセッサ又はプロセッサの集合上で実行され得る。このようなプロセッサは、集積化回路部品(CPUチップ、GPUチップ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ又はコプロセッサなどの名称により当該技術分野において知られていいる商用集積化回路部品を含む)内の1つ又は複数のプロセッサと共に集積回路として実装され得る。代替的に、プロセッサは、ASICなどのカスタム回路構成で又はプログラマブルロジックデバイスの構成から生じるセミカスタム回路構成で実装され得る。さらなる代替案として、プロセッサは、商業的に入手可能か、セミカスタムか又はカスタムかに関わらずより大きな回路又は半導体デバイスの一部分であり得る。特別例として、いくつかの商用マイクロプロセッサは、それらのコアの1つ又はサブセットがプロセッサを構成し得るように多数のコアを有する。しかし、プロセッサは任意の好適なフォーマットの回路構成を使用することにより実装され得る。
【0106】
更に、コンピュータはラックマウントコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はタブレットコンピュータなどの多くの形式のうちの任意の形式で具現化され得るということが理解されるべきである。加えて、コンピュータは、概してコンピュータとは見做されないが好適な処理能力を有するデバイス(パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン又は任意の他の好適なポータブル又は固定型電子デバイスを含む)内に埋め込まれ得る。
【0107】
また、コンピュータは1つ又は複数の入出力デバイスを有し得る。これらのデバイスはユーザインターフェースを提示するために特に使用され得る。ユーザインターフェースを提供するために使用され得る出力デバイスの例は、出力の視覚的提示のためのプリンタ又はディスプレイ画面と、出力の可聴提示のためのスピーカ又は他の音声生成デバイスとを含む。ユーザインターフェースのために使用され得る入力デバイスの例はキーボード及びポインティングデバイス(マウス、タッチパッド及びデジタイジングタブレットなど)を含む。別の例として、コンピュータは音声認識を介し又は他の可聴フォーマットで入力情報を受信し得る。
【0108】
このようなコンピュータは、ローカルエリアネットワーク又は広域ネットワーク(企業ネットワーク又はインターネットなど)を含む任意の好適な形式の1つ又は複数のネットワークにより相互接続され得る。このようなネットワークは、任意の好適な技術に基づき得、任意の好適なプロトコルに従って動作し得、無線ネットワーク、有線ネットワーク又は光ファイバネットワークを含み得る。
【0109】
また、本明細書に概説された様々な方法又はプロセスは、多種多様なオペレーティングシステム又はプラットフォームのうちの任意の1つを採用する1つ又は複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化され得る。加えて、このようなソフトウェアは、多くの好適なプログラミング言語及び/又はプログラミングツール又はスクリプト化ツールのうちの任意のものを使用することにより書かれ得、また、フレームワーク又は仮想マシン上で実行される実行可能機械語コード又は中間コードとしてコンパイルされ得る。
【0110】
この点に関し、本明細書において説明される実施形態は、1つ又は複数のコンピュータ又は他のプロセッサ上で実行されると上に論述された様々な実施形態を実装する方法を行う1つ又は複数のプログラムにより符号化されたコンピュータ可読ストレージ媒体(又は多数のコンピュータ可読媒体)(例えばコンピュータメモリ、1つ又は複数のフロッピーディスク、コンパクトディスク(CD)、光ディスク、ディジタルビデオティスク(DVD)、磁気テープ、フラッシュメモリ、フィールドプログラマブルゲートアレイ又は他の半導体デバイス内の回路構成、又は他の有形コンピュータストレージ媒体)として具現化され得る。前述の例から明らかなように、コンピュータ可読ストレージ媒体は、非一時的形式のコンピュータ実行可能命令を提供するために十分な時間の間情報を保持し得る。このようなコンピュータ可読ストレージ媒体又は媒体群は、その上に格納されたプログラム又はプログラム群が、上に論述されたように本開示の様々な態様を実装するために1つ又は複数の異なるコンピュータ又は他のプロセッサ上へロードされ得るように移植可能であり得る。本明細書で使用されるように、用語「コンピュータ可読ストレージ媒体」は、製造物(すなわち製造品)又はマシンであると考えられ得る非一時的コンピュータ可読媒体だけを包含する。代替的に又は追加的に、本開示は、コンピュータ可読ストレージ媒体以外のコンピュータ可読媒体(伝搬信号など)として具現化され得る。
【0111】
用語「プログラム」又は「ソフトウェア」は、上に論述されたような本開示の様々な態様を実装するようにコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするために採用され得る任意のタイプのコンピュータコード又は任意の組のコンピュータ実行可能命令を指すために一般的意味で本明細書では使用される。加えて、「この実施形態の1つの態様によると、実行されると本開示の方法を行う1つ又は複数のコンピュータプログラムは、単一コンピュータ又はプロセッサ上に常在する必要はないが、本開示の様々な態様を実装するために多くの異なるコンピュータ又はプロセッサの間でモジュール的やり方で分散され得る」ということが理解されるべきである。
【0112】
コンピュータ実行可能命令は、1つ又は複数のコンピュータ又は他のデバイスにより実行されるプログラムモジュールなどの多くの形式のものであり得る。一般的に、プログラムモジュールは、特定タスクを行う又は特定抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、部品、データ構造などを含む。通常、プログラムモジュールの機能性は様々な実施形態において所望に応じ組み合わせられ得る又は分散され得る。
【0113】
また、データ構造は任意の好適な形式でコンピュータ可読媒体内に格納され得る。図解の簡潔性のために、データ構造はデータ構造内のロケーションを介し関係付けられるフィールドを有するように示され得る。このような関係性は同様に、フィールド間の関係性を運ぶコンピュータ可読媒体内のロケーションを有するフィールドのストレージを割り当てることにより実現され得る。しかし、データ要素間の関係性を確立するポインタ、タグ又は他の機構の使用を介することを含む任意の好適な機構が、データ構造のフィールド内の情報間の関係性を確立するために使用され得る。
【0114】
本開示の様々な態様は、単独で、組み合わせで使用され得る、又は先に説明した実施形態において特に論述されない多種多様な構成で使用され得、従ってそれらのアプリケーションでは、これまでの明細書に記載の又は添付図面に示された部品の詳細及び配置に限定されない。例えば、一実施形態において説明された態様は他の実施形態において説明された態様と任意のやり方で組み合わせられ得る。
【0115】
また、本明細書において説明される実施形態は、その例が提供された方法として具現化され得る。方法の一部分として行われる行為は任意の好適なやり方で順序付けられ得る。従って、例示的実施形態において連続行為として示されたとしても、示されたものとは異なる順序で行為が行われる実施形態であっていくつかの行為を同時に行うことを含み得る実施形態が構築され得る。
【0116】
更に、「ユーザ」により取られるいくつかの行為が説明される。「ユーザ」は単独個人である必要がないということと、いくつかの実施形態では「ユーザ」に起因する行為は、コンピュータ支援ツール又は他の機構と協働する個人のチーム及び/又は個人により行われ得るということとが認識されるべきである。
【0117】
本教示は様々な実施形態及び例と併せて説明されたが、本教示がこのようないくつかの実施形態又は例に制限されるということは意図されていない。逆に、本教示は、当業者により認識されることになるような様々な代替案、修正形態及び等価物を包含する。従って、これまで述べた説明及び図面は例示目的のためだけものである。
【国際調査報告】