(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】前部弾性ウエストバンド及び後部弾性ウエストバンドを有するテープ式吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20241031BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20241031BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20241031BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61F13/49 311Z
A61F13/53 300
A61F13/53 100
A61F13/511 100
A61F13/511 400
A61F13/15 311Z
A61F13/15 390
A61F13/15 120
A61F13/49 312Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527851
(86)(22)【出願日】2021-12-24
(85)【翻訳文提出日】2024-05-13
(86)【国際出願番号】 CN2021141088
(87)【国際公開番号】W WO2023115513
(87)【国際公開日】2023-06-29
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】イェー、フォンチュン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、ハオラン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200BA08
3B200BA12
3B200BA17
3B200BB03
3B200BB11
3B200BB17
3B200CA05
3B200CA06
3B200DA01
3B200DA21
3B200DB01
3B200DB02
3B200DB12
3B200DB19
3B200DC01
3B200DC04
3B200DC07
3B200DF07
3B200EA11
3B200EA27
(57)【要約】
前部腰縁部(10)に隣接する前部弾性ウエストバンド(100)と、後部腰縁部(12)に隣接する後部弾性ウエストバンド(200)と、を有する、テープ式吸収性物品(20)。本明細書において開示されるウエストバンド弾性力測定方法によって測定される際、前部弾性ウエストバンドは、約0.03N~約0.32Nの範囲内にある前部ウエストバンド弾性力を有し、後部弾性ウエストバンドは、前部ウエストバンド弾性力よりも高い後部ウエストバンド弾性力を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部腰縁部(10)を有する前部半分領域(15)と、後部腰縁部(12)を有する後部半分領域(16)と、第1の長手方向縁部(13)と、第2の長手方向縁部(14)と、着用者に面する側と、衣類に面する側と、を有するテープ式吸収性物品(20)であって、前記テープ式吸収性物品が、
-その着用者に面する側のトップシート(24)と、
-その衣類に面する側のバックシート(26)と、
-前記トップシートと前記バックシートとの間の吸収性コア(28)と、
-前記後部半分領域における一対の後耳部(40)であって、各後耳部が、前記物品の前記前部半分領域における前記吸収性物品の前記衣類に面する側のランディングゾーン(44)に取り外し可能に取り付けることができる締結タブ(42)を有する、一対の後耳部(40)と、
-前記前部腰縁部(10)に隣接する前部弾性ウエストバンド(100)であって、本明細書に開示されるウエストバンド弾性力測定方法によって測定される際、約0.03N~約0.32Nの範囲内にある、前部ウエストバンド弾性力を有する、前部弾性ウエストバンド(100)と、
-前記物品の前記後部腰縁部(12)に隣接する後部弾性ウエストバンド(200)であって、前記後部弾性ウエストバンドが、前記前部ウエストバンド弾性力よりも高い後部ウエストバンド弾性力を有する、後部弾性ウエストバンド(200)と、を備える、テープ式吸収性物品(20)。
【請求項2】
前記後部ウエストバンド弾性力が、1.1N~約2.9Nの前記範囲内にある、請求項1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項3】
前記後部ウエストバンド弾性力対前記前部ウエストバンド弾性力の比が、4~40の範囲内にある、請求項1又は2に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項4】
前記後部ウエストバンド弾性力対前記前部ウエストバンド弾性力の比が、5~30の前記範囲内にある、請求項3に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項5】
前記前部弾性ウエストバンド及び前記後部弾性ウエストバンドが、各々複数の弾性ストランド(110、210)を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項6】
前記後部ウエストバンドの前記弾性ストランドが、前記前部ウエストバンドの前記弾性体よりも、数が多い及び/又はより高いdtex値を有する、請求項5に記載のテープ付き使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記前部ウエストバンド及び前記後部ウエストバンドの各々の前記弾性ストランドが、不織布ウエストバンド材料、具体的にはSMS材料、によって挟持されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記前部ウエストバンドが、前記ランディングゾーンと前記物品の前記前縁部との間に配設されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記後部ウエストバンドが、前記吸収性物品の前記後縁部(12)の長さ(W)の50%~100%の範囲内にある有効糊付け弾性長さ(220)を有し、かつ/又は前記前部ウエストバンドが、前記前縁部(10)の長さの50%~100%の範囲内にある有効糊付け弾性長さを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記後部ウエストバンド(200)が、前記吸収性物品の前記後縁部(12)の前記長さ(W)の70%~95%の前記範囲内にある有効糊付け弾性長さ(220)を有し、かつ/又は前記前部ウエストバンドが、前記前縁部(10)の前記長さの70%~95%の前記範囲内にある有効糊付け弾性長さを有する、請求項9に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収性コアが、コアラップ内に高ロフト不織布中心層を含み、超吸収性ポリマー粒子が、前記高ロフト不織布中心層の細孔内に少なくとも部分的に固定化されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項12】
より大きい二次不織布トップシート層(24b)に積層された一次三次元トップシート層(24a)を有する二重層トップシートを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項13】
再生可能又はリサイクル可能な材料を含む、請求項1~12のいずれか一項に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の複数の吸収性物品を含む、パッケージ。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の複数の吸収性物品(20)を連続的に作製するための方法であって、
-機械方向においてウエストバンド材料(70)の連続的な供給を提供する工程であって、前記材料が、折り畳み線(73)によって概念的に分割された、機械方向に延在する第1の半分(71)及び長手方向の半分(72)を有する、提供する工程と、
-弾性ストランド(110、210)の連続的な供給を提供する工程であって、前記弾性ストランドが、前記それぞれのウエストバンドに前記所望の弾性強度を提供するように適合されている、提供する工程と、
-前記弾性ストランド(110、210)上に接着剤を断続的に適用する工程と、
-前記ウエストバンド材料の前記第1の半分(71)上の前記ウエストバンド材料(70)にわたって機械方向(MD)に前記弾性ストランドを重ね合わせる工程と、
-前記ウエストバンド材料(70)の前記第2の半分(72)を、前記ウエストバンド材料の前記第1の半分(71)にわたって前記折り畳み線(73)に沿って折り畳み、このように折り畳まれたウエストバンド材料の間に挟持された前記弾性ストランド(110、210)を含む連続的なウエストバンド積層体(74)を取得する工程であって、前記積層体が、非結合領域(76)によって分離された接着結合領域(75)を有する、取得する工程と、
-このウエストバンド積層体(74)を、前記非結合領域内の破線切断線(77)に沿って機械交差方向に切断する工程であって、前記破線切断線が、前記弾性ストランド及び前記折り畳まれたウエストバンド材料を部分的に切断する、切断する工程と、
-前記ウエストバンド積層体(74)を前記物品の前記シャーシの横断方向と位置合わせする工程と、
-前記ウエストバンド積層体(74)が前記破線切断線(77)に沿って破断して、組み合わされたパッド(78)を形成するように、前記ウエストバンド積層体(74)を延伸させる工程と、
-別個の前部ウエストバンド積層体及び後部ウエストバンド積層体(100、200)を作り出すために、切断線(79)に沿って各組み合わせられたパッドを切断する工程と、
-前記前部ウエストバンド及び前記後部ウエストバンドを前記吸収性物品の前記シャーシに取り付ける工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児用おむつ、及び成人用失禁製品などの個人衛生用吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつタイプの使い捨て吸収性物品は、液体透過性トップシートと液体不透過性バックシートとの間に配設された吸収性コアを備える。尿は、トップシートを通して吸収性物品に捕捉され、吸収性材料によって吸収される。テープ式おむつは、おむつの前部のランディングゾーンに取り外し可能に取り付けることができるテープを有する一対の後耳部を備える。後耳部は、典型的には、腰部の周りの張力が介護者によって調節され得るように弾性化される。一方、パンツ型おむつはサイドシールを有し、下着のように着用される。パンツ型おむつが腰部レベルで弾性フィルム又は弾性ストランドなどの弾性材料を含むことは一般的であるが、テープ式おむつは、後部弾性ウエストバンドと適合することはより稀であり、弾性前部ウエストバンドと適合することは更により稀である。
【0003】
弾性前部ウエストバンドは、おむつの前縁部の任意の隙間を低減させるか又は妨げるので、特に乳児がうつ伏せに寝ているときに、おむつの前部に追加の漏れ保護を提供することができる。また、延伸可能な前部ウエストバンドは、異なる横臥位置などの異なる活動/身体段階における乳児に対するフィット性を調節することができる。延伸可能な後部ウエストバンドと組み合わせることにより、乳児の身体全体は、360度の延伸可能な保護を取得することができる。
【0004】
前部ウエストバンド弾性力が高すぎるとき、高い前部ウエスト力によって引き起こされる多くのしわにより後耳部テープを前部ランディングゾーンに取り付けることができるように、介護者は、前部ウエストバンドを十分に平らにするために、前部ウエストバンドを数回延伸させる必要があることが見出されている。おむつが身体に適用された後であっても、非常に高い前部ウエストバンドの力は、おむつの前部腰縁部の湾曲したU字形状の変形をもたらす可能性がある。このU字形状は、おむつがたるんだように見え、フィット性が良好ではなく、より重要なことに、後部テープの一部分が皮膚に接触する場合があり、これは着用者の皮膚にとって不快であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、上記の問題に対処する、具体的には、良好な流体管理特性を有し、適用が容易であり、使用中に着用者にとって快適である吸収性物品が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の態様において、前部腰縁部を有する前部半分領域と、後部腰縁部を有する後部半分領域と、第1の長手方向縁部及び第2の長手方向縁部と、着用者に面する側及び衣類に面する側と、を有するテープ式吸収性物品に関する。テープ式吸収性物品は、その着用者に面する側のトップシートと、その衣類に面する側のバックシートと、トップシートとバックシートとの間の吸収性コアと、物品の前半分領域において吸収性物品の衣類に面する側のランディングゾーンに取り外し可能に取り付けることができる締結タブを各々有する一対の後耳部と、を備える。
【0007】
本発明によれば、吸収性物品は、物品の前部腰縁部に隣接する前部弾性ウエストバンドと、後部腰縁部に隣接する後部弾性ウエストバンドと、を更に備える。本発明は、前部ウエストバンド力が、高すぎる力の代わりに特定の比較的低い範囲内にあるべきであるという発見に基づいている。したがって、前部弾性ウエストバンドは、本明細書において開示されるウエストバンド弾性力測定方法によって測定される際、約0.03N~約0.32Nの範囲内にある前部ウエストバンド弾性力を有するべきである。後部弾性ウエストバンドは、前部ウエストバンド弾性力よりも高い後部ウエストバンド弾性力を有するべきである。
【0008】
前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドは、当該技術分野において既知であるように、任意の好適な材料、典型的には、弾性ストランドを含む積層体又は中央弾性フィルム層を含む積層体のいずれかから作製され得る。第1の代替形態では、本発明の吸収性物品を作製するための連続的な方法は、
-機械方向にウエストバンドの材料の連続的な供給を提供する工程であって、材料が、折り畳み線によって概念的に分割された第1の長手方向半分及び第2の長手方向半分を有する、提供する工程と、
-弾性ストランドの連続的な供給を提供する工程であって、弾性ストランドが、それぞれのウエストバンドに所望の弾性強度を提供するように適合されている、提供する工程と、
-弾性ストランド上に接着剤を断続的に適用する工程と、
-ウエストバンド材料の第1の半分上のウエストバンド材料にわたって機械方向に弾性ストランドを重ね合わせる工程と、
-ウエストバンド材料の第1の半分にわたって、折り畳み線に沿ってウエストバンド材料の第2の半分を折り畳み、このように折り畳まれたウエストバンド材料の間に挟持された弾性ストランドを含む連続的なウエストバンド積層体を取得する工程であって、積層体が、非結合領域によって分離された接着結合領域を有する、取得する工程と、
-このウエストバンド積層体を、非結合領域内の破線切断線に沿って機械交差方向に切断する工程であって、破線切断線は、弾性ストランド及び折り畳まれたウエストバンド材料を部分的に切断する、切断する工程と、
-ウエストバンド積層体を物品のシャーシの横断方向と位置合わせする工程と、
-ウエストバンド積層体が破線切断線に沿って破断して、組み合わされたパッドを形成するように、ウエストバンド積層体を延伸させる工程と、
-別個の前部ウエストバンド積層体及び後部ウエストバンド積層体を作り出すために、切断線に沿って各組み合わされたパッドを切断する工程と、
-前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドを吸収性物品のシャーシに取り付ける工程と、を含むことができる。
【0009】
本発明のこの特徴及び更なる特徴又は態様は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書は、本発明を詳細に示しかつ明確に特許請求する「特許請求の範囲」をもって結論とするが、添付図面とともに以下の説明を読むことにより、本明細書の内容がよりよく理解されると考えられる。
【
図1】着用者によって着用されるときの閉鎖構成にある例示的なテープ式おむつの斜視図を示す。
【
図2】おむつが平らに置かれている、
図1のおむつの着用者に面する側を示す。
【
図3】おむつが平らに置かれている、
図1のおむつの衣類に面する側を示す。
【
図4】接着剤などの取り付け具が簡略化のために表されていない状態で、
図2の層の異なる断面を分解図で示す。
【
図5】接着剤などの取り付け具が簡略化のために表されていない状態で、
図2の層の異なる断面を分解図で示す。
【
図6】接着剤などの取り付け具が簡略化のために表されていない状態で、
図2の層の異なる断面を分解図で示す。
【
図7a】本発明による前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドを同時に作製するためのプロセスを例解する。
【
図7b】本発明による前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドを同時に作製するためのプロセスを例解する。
【
図7c】本発明による前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドを同時に作製するためのプロセスを例解する。
【
図7d】本発明による前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドを同時に作製するためのプロセスを例解する。
【
図8a】折り畳まれた不織布内に接着して挟持された複数の弾性ストリングを含むウエストバンドを例解する。
【
図8b】折り畳まれた不織布内に接着して挟持された複数の弾性ストリングを含むウエストバンドを例解する。
【
図9a】ウエストバンド力測定方法の試験ストランドの一式を示す。
【
図9b】ウエストバンド力測定方法の試験ストランドの一式を示す。
【
図9c】ウエストバンド力測定方法の試験ストランドの一式を示す。
【
図9d】ウエストバンド力測定方法の試験ストランドの一式を示す。
【
図10a】ウエストバンド力測定方法の異なる工程を示す。
【
図10b】ウエストバンド力測定方法の異なる工程を示す。
【
図10c】ウエストバンド力測定方法の異なる工程を示す。
【
図10d】ウエストバンド力測定方法の異なる工程を示す。
【
図10e】ウエストバンド力測定方法の異なる工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
本明細書で使用される場合、「吸収性物品」又は「おむつ」という用語は、概して、乳児、幼児及び成人失禁者によって、着用者の腰及び脚を取り囲むように胴体下部の周囲に着用され、特に、尿及び糞便排泄物を受容しかつ封じ込めるように適合されている個人衛生デバイスを指す。これらの製品は、典型的には、テープ式おむつ又はパンツ型おむつとして提案されている。テープ式おむつは、(
図1に例解されるような)締着システムを有し、おむつが着用者に適用されるとき、腰部開口部及び脚部開口部は、前部腰部領域及び後部腰部領域を一対の後耳部によって互いに取り外し可能に取り付けることによって形成される。一方、パンツ型おむつでは、物品は、予め形成された腰部開口部及び脚部開口部を有する。パンツ型おむつは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツ型おむつを着用者の下部胴体の周囲の位置にまで摺動させることによって着用者の所定位置に配置される。パンツは、限定するものではないが、再締結可能な接合材及び/又は再締結不可能な接合材(例えば、縫合、溶接、接着剤、粘着性接合材、締着具など)を使用して、吸収性物品の部分をともに接合することを含む任意の好適な手法によって、予め形成されてもよい。
【0012】
本明細書で使用される場合、「不織布」、「不織布ウェブ」、及び「不織層」という用語は、互換的に使用される。不織布は、織ること、編むこと又は製紙することを除く、物理的及び/又は化学的手段によって設計されたレベルの構造的一体性が与えられている、主に平面状の人工繊維アセンブリとして広く定義される。繊維は、綿若しくは竹繊維などの天然由来のものであるか、又は人工由来のものであり得る。合成繊維は、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン又はそれらの組み合わせ及び混合物など)、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、co-PET、ポリ乳酸(polylactic acid、PLA)、ポリヒドロキシアルカノイド(polyhydroxy alkanoid、PHA)又はそれらの混合物若しくは組み合わせからなる群から選択され得る。繊維は、ステープル繊維(例えば、カーディングされた不織布ウェブ/層)又は連続繊維(例えば、スパンボンド又はメルトブローン不織布ウェブ/層)であり得る。
【0013】
不織布材料は、様々な繊維材料(PP、PE、PET、coPET、二成分、及びこれらの混合物)によって形成することができ、場合によっては、繊維又は不織布を処理して、流体透過性又は流体バリア特性などの特定の流体処理特性を向上させることができる。
【0014】
「dtex」とは、本明細書で使用するとき、フィラメント/繊維の繊度を示すために使用される単位を指す。この単位は、長さ10,000メートル当たりのグラムでフィラメント/繊維の質量を表す。
【0015】
「長手方向」とは、物品の腰縁部から反対側の腰縁部まで実質的に垂直に、及び物品の最大直線寸法に対して略平行に延びる方向を指す(
図1の線80)。「横断方向」とは、長手方向に対して垂直な方向を指す(
図1の線90)。
【0016】
「内側」及び「外側」とは、それぞれ、要素、又は要素の表面、又は要素の群の相対位置を指す。「内側」は、要素又は表面が物品の内側に向かって配向されることを意味し、「外側」は、要素又は表面が物品の外側に向かって配向されることを意味する。
【0017】
「身体に面する」及び「衣類に面する」とはそれぞれ、要素の表面、又は要素群の相対的な場所を指す。「身体に面する」とは、表面が、要素群の要素の他方の表面よりも着用中に着用者に近いことを意味する。「衣類に面する」とは、着用中に表面が着用者から離れて配向されることを意味する。衣類に面する表面は、着用者の別の(すなわち、着用可能物品以外の)衣類、寝具などの他の物品、又は大気に面してもよい。
【0018】
「含む、備える(comprise、comprising、comprises)」は、非限定的な用語であり、各々が、続いて記載される特徴(例えば、構成要素)の存在を特定するが、他の特徴(例えば、当該技術分野において既知の、又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素)の存在を除外しない。動詞「含む、備える(comprise)」に基づくこれらの用語は、特徴がその機能を実施する方法に実質的に影響を及ぼすような、言及されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する「から本質的になる」というより狭義の用語、及び指定されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する「からなる」という用語を包含する。
【0019】
本発明による例示的なおむつの一般的な説明
本発明の吸収性物品は、概して、
図1~
図3に示されるテープ式おむつ20を参照して説明することができる。
図1は、着用者によって着用されたときに見えるような、閉じた状態の例示的なおむつの斜視図である。これらの図は、本発明を実施するための1つの方法の例示として本明細書で使用されており、特に指示がない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。以下では、単語「おむつ」及び「吸収性物品」は、互換的に使用される。
図2は、テープが開かれ、おむつが平らに延伸された状態のおむつの着用者に面する側の上面図を示し、
図3は、同じおむつを衣類に面する側から見た上面図を示す。
【0020】
吸収性物品は、前縁部10、後縁部12、及び2つの長手方向に延在する側(横)縁部13、14を有する。前縁部10は、着用時にユーザの前方に向かって配置される物品の縁部であり、後縁部12は、その反対側の縁部であり、ともにおむつの腰部開口部を形成する。横縁部13、14は、それぞれ2つの脚開口部を形成する。
【0021】
おむつの長手方向縁部13、14は、典型的には、おむつ20の長手方向中心線80と略平行に延び、前部腰縁部10及び後部腰縁部12は、典型的には、おむつ20の横断中心線90と略平行に延びる。前縁部及び後縁部は、示されているように直線状であり得るが、例えば、前部のへそ用切り込みのために波状であってもよい。
【0022】
以下でより詳細に考察されるように、図に表される例示的なトップシートは、中央に配設される一次トップシート層24aと、一次トップシート層24aの下に配設されるより広い二次トップシート層24bと、を備える。二次トップシート層24bは、おむつの外側縁部13、14まで横方向に延在し得るか、又はおむつの着用者に面する側に延在するバリアカフ材料36を有する中間位置まで横方向に停止してもよい。一次トップシート層及び二次トップシート層は、典型的には、接着剤を用いてともに接合することができ、一次トップシート層は機械的に変形され、そのため、一次トップシート層は、三次元キルト状の柔らかい感触を有する。示される例示的なテープ式おむつは、着用者に面する側の第2のトップシート層24bから延在するレッグカフ材料36と、衣類に面する側のバックシート外側カバー25bとの組み合わせによって形成された、成形された長手方向縁部13、14を有するユニボディ構造を有する。
【0023】
しかしながら、本発明は、当然ながら、任意の種類のテープ式おむつ構造体、具体的には、略直線の長手方向縁部を有するバックシート及びトップシートによって形成されたシャーシを有するテープ式おむつに適用可能であり、おむつは、当該技術分野においても既知であるように、シャーシに取り付けられた別個の前耳部及び後耳部を含む。
【0024】
前部ウエストバンド100及び後部ウエストバンド200を考察する前に、物品の他の構成要素について、本明細書において最初に概して考察される。
【0025】
トップシート24
トップシート24は、着用者の皮膚に接触する、吸収性物品20の部分である。トップシート24は、当業者には既知であるように、バックシート26、吸収性コア28、バリアレッグカフ32~34、及び/又は任意の他の層の部分に接合され得る。好適なトップシートは、柔軟で、柔らかな感触で、着用者の皮膚を刺激しないものである。トップシートは、典型的には、少なくとも不織布層からなるか、又はそれを含む。更に、トップシートは液体透過性であり、液体の身体排泄物がその厚さを容易に貫通することを可能にする。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、孔形成されたプラスチックフィルム、織布材料、不織布材料、天然繊維(例えば、木材繊維若しくは綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はこれらの混合物)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの、織布材料又は不織布材料などの、幅広い範囲の材料から製造されてもよい。トップシートは、典型的には、単一の層であるが、例えば、より大きい二次トップシート層24bの上部に配設された三次元の中央に配設された一次トップシート層24aを含む二重層積層体構造として図内に表されるように、1つ以上の層を有し得る。
【0026】
トップシートは、孔形成されてもよく、任意の好適な三次元特徴部を有してもよく、且つ/又は、複数のエンボス部(例えば、ボンドパターン)を有してもよい。三次元材料を有する多成分トップシートは、例えば、国際公開第2017/156197号に開示されている。トップシートはまた、材料をオーバーボンドし、次にリングローリングによってオーバーボンドを破断することによって孔形成されてもよい。トップシートの任意の部分は、スキンケア組成物、抗菌剤、界面活性剤、及び/又は他の有益な薬剤でコーティングされ得る。トップシートは、親水性若しくは疎水性であり得るか、あるいは親水性部分若しくは親水性層及び/又は疎水性部分若しくは疎水性層を有し得る。トップシートが疎水性である場合、孔は、典型的には、身体の排泄物がトップシートを通過し得るように存在することになる。
【0027】
バックシート積層体25
バックシート25は、概して、吸収性物品の衣類に面する表面を形成する。典型的には、バックシートは、少なくとも吸収性コア28を覆うように中央に配設され、好ましくは、吸収性コア及び外側カバー25bを越えて延在する液体不透過性フィルム25aを含む積層体である。バックシートフィルム25aは、略長方形である。外側カバー25bは、バックシートの最外層である。吸収性物品が、図に表されるようなユニボディシャーシによって形成されるとき、外側カバー25bは、典型的には、バックシートフィルム25aの長手方向縁部を越えて横方向に延在し、そのため外側カバーは、トップシート(又は積層体の場合はその1つの層)とともに、おむつの外側縁部、具体的にはおむつの長手方向縁部13、14を形成することができる。
【0028】
バックシートフィルム25aは、当業者に既知の任意の取り付け方法によって、トップシート24、外側カバー材料25b、吸収性コア28、及び/又は吸収性物品の任意の他の層の部分に接合され得る。バックシート25は、吸収性コア28内に吸収されかつ封じ込められた身体排泄物が、ベッドシーツ、下着、及び/又は衣服などの物品を汚すことを防止するか、又は少なくとも抑制する。バックシートフィルムは、典型的には、液体不透過性であるか、又は少なくとも実質的に液体不透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm~約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムのような薄いプラスチックフィルムであるか、又はこれを含んでもよい。その他の適切なバックシート材料は、吸収性物品から蒸気を逃がすことを可能にする一方で、依然として、身体の排泄物がバックシートを通過することを防止するか又は少なくとも抑制する、通気性材料を含んでもよい。
【0029】
外側カバー(バックシート不織布と呼ばれることもある)25bは、バックシートフィルム25aに接合された1つ以上の不織布材料を含み得る。外側カバー材料25bは、吸収性物品20の衣類に面する表面の少なくとも一部分を形成し、フィルムが衣類に面する表面上に存在しないようにバックシートフィルム25aを効果的に「被覆する」。外側カバー材料25bは、ボンドパターン、孔、及び/又は三次元特徴部を含み得る。外側カバー材料25bは、水流交絡された不織布材料であり得る。
【0030】
吸収性コア28
本明細書で使用される場合、「吸収性コア」という用語は、吸収性物品によって受容された尿などの液体を吸収しかつ封じ込める構成要素を指す。このため、吸収性コアは、典型的には、物品の他の構成要素と比較して高い吸収能力を有する。吸収性コアは、吸収性材料及びコアラップ(簡略化のために別個に表されていない)を含む。本明細書で使用するとき、「吸収性コア」は、吸収性物品の任意の捕捉分配システム、トップシート、又はバックシートを含まない。
【0031】
吸収性材料は、典型的には、当該技術分野において既知であるように、超吸収性ポリマー粒子を含む。本明細書では、「超吸収性ポリマー」又は「SAP」は、遠心保持容量(Centrifuge Retention Capacity、CRC)試験を使用して測定したときに、それらの重量の少なくとも10倍の0.9%生理食塩水を吸収することができる、吸収性材料、典型的には、架橋ポリマー材料を指す。CRCは、過剰の生理食塩水中で自由膨潤する超吸収性ポリマー粒子によって吸収される液体を測定する。CRCは、EDANA法NWSP 241.0.R2(19)に従って測定される。SAPは、具体的には、少なくとも20g/g、具体的には20g/g~40g/gのCRC値を有することができる。本明細書で使用するとき、「超吸収性ポリマー粒子」は、乾燥状態で流動性であるような微粒子形態である超吸収性ポリマー材料を指す。
【0032】
超吸収性粒子は、セルロース繊維と混合され得るか、又は当該技術分野において既知であるように、糊又は高ロフト不織布層を使用してコアラップ内に固定化され得る。コアラップは、典型的には、最上層及び最下層を含み、吸収性材料は、これらの層の間に挟持されている。コアラップは、折り畳まれてそれ自体に取り付けられた単一の材料であってもよく、又は互いに結合若しくは他の方法で接合することができる別個の最上層及び最下層を含んでもよい。
【0033】
多種多様な吸収性コアがまた、本発明において使用され得る。吸収性材料はまた、矩形の層を形成し得るが、非矩形の外周(「成形」コア)を有してもよく、具体的には、吸収性材料は、コアの中心領域に向かってその幅に沿って先細り(又は「ドッグボーン」形状)を画定してもよい。このようにして、吸収性材料堆積エリアは、吸収性物品の股部領域内に配置されることが意図されたコアの区域において、比較的狭い幅を有してもよい。これにより、例えば、より良好な着用快適性をもたらすことができる。吸収性材料の当該エリアに、「T字」、又は「Y字」、又は「砂時計」などの他の形状も使用することができる。
【0034】
吸収性材料は、当該技術分野で既知の任意の従来の吸収性材料であり得る。例えば、吸収性材料は、セルロース繊維と超吸収性粒子(「superabsorbent particles、SAP」)とのブレンドを、典型的には吸収性材料の約50重量%~約75重量%の範囲のSAPのパーセンテージで含むことができる。吸収性材料はまた、吸収性材料がSAPからなる又は本質的になる、いわゆるエアフェルトフリーコアで知られているように、セルロース繊維を含まなくてもよい。吸収性材料はまた、高内相エマルション発泡体であってもよい。
【0035】
多量のSAPを含む様々な吸収性コア設計が、過去に提案されており、例えば、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)、国際公開第2012/052172号(Van Malderen)を参照されたい。具体的には、米国特許出願公開第2006/024433号(Blessing)、米国特許出願公開第2008/0312617号及び米国特許出願公開第2010/51166(A1)号(両方はHundorfらへのもの)で開示されるSAP印刷技術が使用され得る。吸収性コアはまた、超吸収性ポリマー粒子が少なくとも部分的に分布している繊維間細孔を含む高ロフト中央不織布を含むエアフェルトコアであり得る。
【0036】
しかしながら、本開示は、特定のタイプの吸収性コアに限定されない。吸収性コアはまた、典型的には、コアラップの外側のSAPの漏れを低減させるために、コアラップ層の一方(又は両方)の内面と吸収性材料との間に適用された補助糊などの1つ以上の糊を含む。また、上記のHundorfの参考文献に記載されているように、マイクロ繊維状接着剤ネットがエアフェルトフリーコアに使用されてもよい。これらの糊は、簡略化のために図には表されていない。SAP粒子が堆積された多孔質構造を有する、カード不織布層などの高ロフト不織布基材を含む他のコア構造もまた、本開示において使用されてもよい。かかる高ロフトコアは、例えば、中国特許第101797201号、国際公開第2016106021号及び米国特許出願第17/542592号に開示される。高ロフト中心層は、典型的には、中心層の繊維とブレンドされた超吸収性ポリマー粒子(60)を有し、4.14kPa、の圧力で測定して、具体的には0.200g/cc未満の密度を有する不織布であり得る。中心層は、例えば、高ロフトカード不織布層であり得る。
【0037】
吸収性材料の坪量(表面単位当たりの堆積量)は、特に、コアの中心及び中央に向かってより多くの吸収性を提供するために長手方向に、しかしながらコアの横断方向にも、あるいは両方向に、吸収性材料の輪郭分布を作り出すように変化され得る。
【0038】
吸収性材料層は、1つ以上のチャネル形成エリアを含み得る。チャネル形成エリアは、吸収性材料を実質的に含まず、具体的には吸収性材料を完全に含まないエリアである(作製プロセスの高速によるチャネルの不随意の汚染による偶発的な微量の吸収性材料は無視される)。チャネル形成エリアは、存在する場合、コアラップの上側とコアラップの底側との間にチャネル結合を含み得る。この結合は、乾燥状態及び湿潤状態におけるチャネルの構造的一体性を提供する。この結合を提供するために、当該技術分野において既知の任意の既知の結合技術が使用されてもよいが、具体的には、ホットメルト接着剤結合が、チャネル結合に使用されてもよい。接着剤は、例えば、典型的には、スロット糊適用又は任意の他の手段によって、コアラップの上側の内側及び/又は底部の内側のチャネルのエリア内に適用され得、その後、チャネルのエリアに圧力を適用して、これらのエリアに良好な接着剤結合を提供する。かかる接着剤結合プロセスの例示的な特許開示は、エアフェルト又はエアフェルトフリー吸収性コアについて国際公開第2012/170,798(A1)号(Jackelsら)、欧州特許第2,905,000号(Jackelsら)及び欧州特許第2,905,001号(Armthold-Osmolら)において見出すことができる。
【0039】
内側カフ34及び外側カフ32
吸収性物品20は、当該技術分野において既知であり、本明細書において簡単に説明されるように、一対のバリアレッグカフ34(内側カフとも呼ばれる)及び一対のガスケット弾性カフ32(外側カフとも呼ばれる)を備え得る。バリアレッグカフ34は、ガスケットカフ32の横方向内側に位置決めされ、
図5に示されるように、物品の着用者に面する側から離れて垂直に延在することができる。このため、バリアレッグカフ34は、トップシート及び/又はバックシートに直接又は間接的に接合された近位縁部35と、着用者の皮膚に接触し皮膚との封止部を形成することが意図された自由末端縁部37と、によって境界が定められる。バリアレッグカフ34は、典型的には、中央長手方向軸80の両側に対として配設された、前縁部10と後縁部12との間に部分的に延在し、M点のレベルにおいて少なくとも存在している。バリアレッグカフ34は、好ましくは、自由末端縁部37付近又は自由末端縁部37において、1つ以上の弾性ストランド33を含むことができる。これらの弾性ストランド33は、バリアレッグカフ34に、着用者の脚部及び胴体の周囲に封止部を形成させる。バリアレッグカフ34は、物品20の前縁部及び後縁部に向かって存在せず、むしろカフ材料36は、
図4及び
図6に例解されるように、前及び後領域において物品のシャーシ(典型的にはトップシート上)に平坦に取り付けられる(接着剤結合は、図を明確にするために表されていない)。
【0040】
ガスケット弾性カフ32は、弾性化されており、また好ましくは、バックシート25とバリアカフ材料36との間に挟持された1つ以上の弾性ストランド31を含み、物品の前端縁部10と後端縁部12との間に少なくとも部分的に延在し、少なくとも点Mのレベルに存在する。ガスケットカフの弾性体31は、本質的に、シャーシ側縁部13、14に近接する吸収性物品の部分に、着用者の脚の周りの封止部を形成させる。
【0041】
内側カフ34及び外側カフ32の両方は、カフ材料片36、典型的には、SMSなどの不織布によって形成されてもよく、カフ材料片36は、長手方向縁部13、14からカフの近位縁部35まで吸収性物品20のシャーシに部分的に結合され、そのため、バリアレッグカフ34は、吸収性物品20の着用者に面する表面から上方に延在し、着用者の胴体及び脚との接合部付近で身体排出物の改善された封じ込めを提供することができる。
【0042】
ランディングゾーン44
図1及び
図3を参照すると、テープ式おむつの形態の吸収性物品20は、典型的には、物品20の前縁部10に近接して配設されたランディングゾーン44をその衣類に面する側に形成する別個の材料を有し得る。ランディングゾーン44は、締着具42を受容するように構成され、例えば、締結具上の複数のフックと係合されるように構成された複数のループを含み得、又は逆もまた同様である。
【0043】
ランディングゾーン44は、典型的には、テープ式物品の前部腰縁部10に隣接するバックシート外側カバー25bの一部分に取り付けられた不織布材料を含む。外側カバー材料が締着具42と十分に相互作用するのに十分なロフト又は他の必要な特性を有する場合、いくつかの外側カバーバックシート材料25bは、代替的に、別個のランディングゾーンストリップ44を必要とせずにランディングゾーンとして直接機能し得る。ランディングゾーン44が、図に示されるように、バックシートに取り付けられた別個の材料片として存在するとき、ランディングゾーン44は、前部ウエストバンド100の下に有利に配設される。換言すれば、前部ウエストバンド100は、ランディングゾーン44と物品の前縁部10との間に有利に配設される。ウエストバンド100は、直接隣接していてもよく(すなわち、物品の前縁部10から1cm未満離れており、ランディングゾーン44は、前縁部に依然として隣接して(すなわち、5cm未満離れて)配設されているが、前部ウエストバンドはそれらの間に配設され得る。
【0044】
前部ウエストバンド100及び後部ウエストバンド200
前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドは、当該技術分野において既知であるおむつなどの吸収性物品に組み込むのに好適な任意の弾性材料から作製され得る。しかしながら、ウエストバンドの弾性強度は、本発明の要件に適合するように選択される。
【0045】
典型的なウエストバンド構造100、200は、2つの不織布基材の間に接着して積層された複数の弾性ストランド110、210を含む。ウエストバンドの弾性力は、個々のストランドの弾性強度(典型的には、それらのdtex値によって測定される際、より太いストランドが、より高い強度を有する)及びストランドの数(ストランドの数が多いほど、達成される弾性力が高くなる)を変化させることによって調節することができる。
【0046】
弾性ストランドを有する不織布積層体として前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドを連続的かつ同時に作製するための簡略化されたプロセスが、
図7a~
図7dに例解される。ウエストバンド材料70の連続的な供給は、例えば、好適な材料のウェブを展開することによって、機械方向MDに提供される。好適なウエストバンド材料は、例えば、SMS材料などの低坪量不織布(例えば、8gsm~20gsmの坪量を有する)である。ウェブは、有利には、所望の組み合わされた前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドの約2倍の幅を有してもよく、MDにおいて延在する第1の半分71及び第2の半分72を有し、これらは等しい幅であり、折り線73によって概念的に分割される。
【0047】
弾性ストランド110、210は、当技術分野で既知のように、好適な数のスプール(図示せず)から連続的に提供される。弾性ストランド110及び210は、同じエラストマー材料であり得るが、有利には、前部ウエストバンド100に関するストランド110は、後部ウエストバンド200のストランド210よりも小さいdtex値を有し、数が少ない。ストランドには、典型的にはノズル(図示せず)を通して接着剤が断続的に適用される。このため、弾性ストランドの一部は、糊が適用されていない。弾性ストランド110、210は、ウエストバンド材料の第1の半分71上のウエストバンド材料70と重ね合わされる。当業者は、プロセスが連続的であり、ウエストバンド材料70及び弾性ストランド110、210が原材料のロール及び/又はスプールから巻き出され、
図7aに示されるように、機械方向に高速で平行に位置合わせされることを理解する。
【0048】
図7bに例解される第2の工程では、ウエストバンド材料70の第2の半分72が、第1の半分71にわたる折り畳み線73に沿って折り畳みプレート(図示せず)によって折り畳まれる。このため、この第2の工程は、折り畳まれた不織布材料ウェブ70によって形成された2つの不織布層の間に挟持された弾性ストランドを含む積層体を提供する。積層体は、接着剤が積層体に一体性を提供するのを助けるために、2つのロールの間を通され得る。このように取得された連続ウエストバンド積層体74は、折り畳まれたウエストバンド材料70によって形成された2つの不織布層の間に挟持された弾性ストランド110、210を含む。このため、連続ウエストバンド積層体は、非結合領域76によって分離された接着結合領域75を表示する。弾性ストランドは、結合領域75においてウエストバンド材料に接着して取り付けられる。
【0049】
連続積層体74は、非結合領域76において破線切断線77に沿って機械交差方向において切断される(
図7c)。これらの破線切断線は、弾性ストランドを切断するが、ウエストバンド材料(典型的には、不織布)を部分的に切断するのみである。弾性ストランドは、糊が適用されていない断続的なエリア76からスナップバックするが、ウエストバンド材料70は、破線切断プロセスにより部分的に接続されたままである。
【0050】
更なる工程(図示せず)では、ウエストバンド積層体74は、物品のシャーシの横断方向と位置合わせされ、必要な場合、積層体構造を、90度回転ロールを通して任意選択的に回転する。積層体はまた、破線切断線77に沿って破断して、組み合わされたパッド78を形成するように延伸される。次いで、この組み合わされたパッド78は、パッドを別個の前部ウエストバンド積層体100と、物品のシャーシに取り付けることができる後部ウエストバンド積層体200とに分割するために、別の工程(
図7d)において切断線79に沿って切断され得る。この例解されたプロセスは、物品のシャーシの残りの部分が作製されるのと同時に変形ライン上で同時に延びる。
【0051】
しかしながら、他の弾性化ウエストバンド作製プロセス及び更に他のタイプの弾性ウエストバンドも本発明において使用され得る。例えば、ウエストバンドを弾性化するための代替的であるがより高価な方法は、2つの不織布基材の間に積層されたエラストマーフィルムを使用することであり、これは、当該技術分野において既知であるように、ラインの外側で作製され、次いで材料のロールとして輸送され得る。このため、上で説明されたプロセスが好ましいが、ウエストバンドの特性によって定義される本発明の物品を限定するものではない。
【0052】
本発明によれば、前部ウエストバンド弾性力は、約0.03N~約0.32Nの範囲内にあるべきであることが見出された。後部弾性ウエストバンドは、前部ウエストバンド弾性力よりも高い後部ウエストバンド弾性力を有するべきである。後部ウエストバンド弾性力は、具体的には、1.1N~約2.9Nの範囲内であり得る。前部及び後部ウエストバンド弾性力は、以下に更に説明される測定方法に示されるように測定される。
【0053】
後部ウエストバンド弾性力の値対前部ウエストバンド弾性力の値の比(後部ウエストバンド弾性力を前部ウエストバンド弾性力で割った値)は、有利には、4~40の範囲内、具体的には5~30の範囲内にあり得る。
【0054】
前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドのための異なる弾性力は、前部ウエストバンドにおける弾性ストランドよりも多くの弾性ストランド及び/又はより高いdtex値を有するストランドを後部ウエストバンドに提供することによって、同じタイプのエラストマー材料(例えば、エラスタンストランド)から取得することができる。
【0055】
前部ウエストバンド120の延伸長及び後部ウエストバンド220の延伸長は、典型的には、ほぼ同じであり得る(典型的には、弾性積層体の外側層を形成する不織布材料の長さに対応する)。これは特に、
図7a~
図7dに例解されるように、ウエストバンドが同じ出発ウエストバンド材料70から同時に作製される場合である。後部ウエストバンドの幅w2は、より多くの弾性ストランドを含むため、典型的には、前部ウエストバンドの幅w1よりも大きくてもよく、また、物品の前部においてランディングが存在するため、物品の前縁部10に隣接するよりも物品の後縁部12に隣接してより多くの空間が存在し得る。
【0056】
前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドの各々の有効糊付け弾性長さ(
図8のE.G.E.L.)(以下のウエストバンド力測定方法に示されるように測定される)は、着用者の腰部の周りに連続的に延在する弾性力を提供するために、おむつのシャーシに対して十分に長くあるべきである。後部ウエストバンドは、有利には、吸収性物品(
図2参照)の後縁部12の長さWの50%~100%(具体的には、70%~95%)の範囲内にある有効糊付け弾性長さを有し得、同様に、前部ウエストバンドは、有利には、前縁部10の長さWの50%~100%(具体的には、70%~95%)の範囲内にある有効糊付け弾性長さを有し得る。
【0057】
他の構成要素
トップシート24、バックシート25、吸収性コア28、前部ウエストバンド及び後部ウエストバンド100、200、並びに他の物品の構成要素は、具体的には、糊付け、融着、及び/又は圧力結合によって種々の既知の構成に組み立てられ得る。本発明の吸収性物品は、おむつタイプの吸収性製品で使用される任意の典型的な層及び構成要素を含み得、単純化された
図1~
図6では必ずしも表されていない。かかる構成要素の例のより詳細な開示は、いくつか例を挙げれば、例えば、国際公開第201493323号、国際公開第2015/183669号(両方はBianchiら)、国際公開第2015/031225号(Roeら)又は国際公開第2016/133712号(Ehrnspergerら)に開示されている。
【0058】
例えば、吸収性物品は、当該技術分野において一般的であるように、トップシート24と吸収性コア28との間に少なくとも1つの捕捉層を含み得る。二次層が同様の機能を有するので、図の吸収性物品について表されているように、物品が二重層トップシート積層体を含む場合、捕捉層は必要ではない。捕捉層は、典型的には、通気結合カード不織布などの不織布であり、親水処理され得る。分配層はまた、具体的には、繊維内結合がないか又は弱い状態の相対的に緩い繊維を含むか又はそれからなり、捕捉層と吸収性コアとの間に配設されるときに存在し得る。分配材料の典型的な例は、架橋セルロース繊維を含むか又はそれからなる。分配層を作製するために使用されてきた化学架橋セルロース繊維の例は、米国特許第5,549,791号、米国特許第5,137,537号、国際公開第95/34329号、又は米国特許出願公開第2007/118087号に開示される。このタイプの材料は、過去に、例えば、米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号(Hundorf)の捕捉分配システムの一部として、使い捨ておむつに使用されてきた。
【0059】
トップシート24、バックシート25及び吸収性コア28は、様々な既知の構成で、具体的には、糊付け、熱エンボス加工、超音波結合又はそれらの組み合わせによって組み立てられてもよい。例示的なおむつ構成は、米国特許第3,860,003号、米国特許第5,221,274号、米国特許第5,554,145号、米国特許第5,569,234号、米国特許第5,580,411号及び米国特許第6,004,306号に概説されている。
【0060】
バイオ源材料
本発明の吸収性物品の任意の構成要素は、米国特許出願公開第2007/0219521(A1)号、米国特許出願公開第2011/0139658(A1)号、米国特許出願公開第2011/0139657(A1)号、米国特許出願公開第2011/0152812(A1)号、米国特許出願公開第2011/0139662(A1)号、及び米国特許出願公開第2011/0139659(A1)号に記載されるように、少なくとも部分的にバイオ源の内容物から構成され得る。これらの構成要素としては、限定されるものではないが、トップシート不織布、バックシートフィルム、バックシート不織布、バリアレッグカフ不織布、超吸収性材料、上部及び下部コアラップ層、接着剤、締着具フック、及び締着具ランディングゾーン不織布、並びにフィルムベースが挙げられる。
【0061】
使い捨て吸収性物品の構成要素は、ASTM D6866-10の方法Bを使用して、約10%~約100%、別の実施形態では、約25%~約75%、更に別の実施形態では、ASTM D6866-10の方法Bを使用して、約50%~約60%のバイオベース含有量値を含み得る。
【0062】
ASTM D6866-10の方法論を適用して、任意の使い捨て吸収性物品の構成要素のバイオベース含有量を決定するために、使い捨て吸収性物品の構成要素の代表的試料を、試験用に得る必要がある。そこで、使い捨て吸収性物品の構成要素を、既知の粉砕方法(例えば、Wiley(登録商標)ミル)を用いて、約20メッシュ未満の微粒子に粉砕し、ランダムに混合された粒子から好適な質量の代表的試料を取り出すことができる。
【実施例】
【0063】
図1~
図6に概して例解されるようなサイズ4の乳児用おむつとして好適な吸収性物品を、以下の寸法で作製した。
【0064】
【0065】
後部ウエストバンド200は、各々620のdtexを有する11本のエラスタン弾性ストランドを含み、前部ウエストバンド100は、各々470のdtexを有する3本のエラスタン弾性ストランドを含んでいた。前部ウエストバンドは、0.1Nの弾性力(以下に示される方法によって測定される)を有し、後部ウエストバンドは、1.98Nの弾性力を有した。吸収性コアは、上で説明されたような高ロフト吸収性コアであった。
【0066】
比較データ
異なる前部ウエストバンド及び後部ウエストバンドの弾性力を有する4つのテープ式おむつを、消費者適合研究(N=28又は12人の乳児)において試験した。後部ウエストバンドのみを有し、前部ウエストバンドを有しない更なる対照のおむつを試験した。各おむつについて、同行する親は、おむつの前部腰部のフィット性をきつい、ちょうどよい、又は緩いとして等級付けするように求められた。
【0067】
結果は、以下の表2に示される通りである。
【0068】
【0069】
試験された全てのおむつのうち、前部弾性ウエストバンド力が0.10Nを有するおむつは、上記の表2に示されるように、最も高い消費者フィット性評価(100%ちょうどよい)を有することが見出された。
【0070】
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明者らは、より高い前部ウエストバンド弾性力が、おむつの前部腰縁部が固定位置(乳児のへそのかなり下)に落ちることにより、より高い緩いフィット性につながると考える。これは、おむつをたわませ、おむつのフィット性を低下させる。更に、前部ウエストバンドがきつすぎる(強い力)場合、これは前部に多くのしわを引き起こし、消費者が前部ウエスト部分を数回延伸させる原因となる。これは、追加の適用労力を加えるので、適用の不便さを増加させる。しかしながら、前部ウエストバンド力が低すぎる場合、前部弾性ウエストバンドのない製品と比較して、流体の漏れ防止に関する利点がない。
【0071】
試験方法
ウエストバンド弾性力測定方法
この方法は、最大延伸長さ(Lmax)で2回延伸した後の有効糊付け弾性長さ(Lread)の85%における、テープ付き吸収性物品の前部弾性ウエストバンド及び後部弾性ウエストバンドのウエストバンド弾性力を測定する。この方法は、温度23℃±2℃の標準状態において気候調節された室内で実施される。
【0072】
定義
有効糊付け弾性長さ(EGEL):1つ又は複数の弾性ストランドを有するウエストバンドの場合、これは、例示的な後部ウエストバンド100、200について、
図8a~
図8bに距離E.G.E.L.によって例解するように、個々の弾性ストランドが縮み始める位置における個々の弾性ストランドの終端間の最小距離である(同じ原理が、前部ウエストバンドに適用される)。弾性フィルムを含む延伸積層体などの弾性ストランドを有しない弾性ウエストバンドの場合、有効糊付け弾性長さは、ウエストバンドの各側部の第1のしわの位置で測定される。実際には、E.G.E.L.は、ウエストバンド材料(弛緩状態)の既知の全長120、220を取り、ウエストバンド上で直接測定することができる横方向非結合ゾーンD1、D2の長さを差し引くことによって最も容易に測定することができる。
【0073】
最大延伸長さLmax:ウエストバンドの有効糊付け弾性長さの95%(Lmax=0.95×EGEL)。
【0074】
読み取り点の長さLread:有効糊付け弾性長さの85%(Lread=0.85*EGEL)。
【0075】
試料調製:
1.パッケージからおむつ製品を取り出し、トップシートを作業者に向けた状態で製品を開き、ウエストバンド部分を延伸させない。
2.ウエストバンドの縁部に沿って製品の横断方向軸に平行に切断案内線を構成する。
3.ウエストバンドがシャーシから分離されるように、はさみ/カッタを使用して構成された線に沿ってウエストバンドを切断する。弾性体が位置するいずれの弾性体又は不織布を切断又は断裂しない、そうなった場合は、新しいパッドを取り出し、最初からやり直す。
4.いずれかのSAP曝露が観察された場合、マスキングテープを使用して曝露された縁部をテープで閉じ、テープがいかなる材料も拘束しないことを確実にする。
5.上記の定義で示したように、有効糊付け弾性長さの各末端に対して一対の基準線(ウエストバンドの長さに垂直)を引く。
【0076】
装置:
測定機器91は、
図9a~
図9bに例解され、下部クランプ92及び上部クランプ93を備える。下部クランプ92は、摺動可能であり、そのため上部クランプバーライン92’と下部クランプバーライン93’との間の距離dは、手動で調整することができる。
【0077】
力スタンド:スタンド/モデルE-DFE-002を有する力ゲージ、製造業者:Trimborn+Guld Maschinenbau GmbH、最小分解能0.01Nを有するデジタル力ゲージ0~10N(ニュートン)スケール、又は同等物(参照番号94)。
【0078】
クランプ:都合の良い供給源。ウエストバンドストリップを保持するのに十分な幅のクランプ。
【0079】
はさみ:都合の良い供給源。
【0080】
マーカ:例えば、ボールペン。
【0081】
定規:測定される長さよりも長く、mm目盛が付いている、NIST、DIN、JIS、CMC又はその他の同等の国家規格に準拠している、金属定規。
【0082】
タイマ:都合の良い供給源。
【0083】
マスク:AGMに対する都合の良い供給源。
【0084】
テープ:都合の良い供給源。
【0085】
機器準備:
力スタンド91は、以下の工程に従って調整される(
図9c~
図9d):
1.下部クランプ92を最下位置に移動させる。
2.上部幅クランプバーラインと下部幅クランプバーラインとの間の距離dが、L
maxであるように、下部クランプを移動させ、固定する(
図9c)。
3.下部クランプをアームストップ95に移動させ、上部クランプバーライン93’と下部クランプバーライン92’との間の距離dが、L
readであるように、アームストップを調整/固定する(
図9d)。
【0086】
試験手順(
図10a~
図10e):
1.下部クランプをその上部位置(弛緩位置)に位置決めする。
2.マークされた基準線(試料調製の工程5)が幅クランプバーライン93’と正確に整列するように、ウエストバンドストリップの一端を全ての弾性端とともに上部クランプ93にクリップ留めすることによって、ウエストバンドストリップをクランプに垂直に取り付ける。試料がクランプ点から滑らないことを確認する。
3.試料の真上でクランプを中心に置く。
4.試料ストリップを上部クランプ内に取り付けると、力ゲージをリセットする。
5.第2のマークされた基準線が下部クランプ線92’と一致するように、工程2で説明したように、全ての弾性端部を有する試料ストリップの他端を下部クランプ92にクリップ留めする。試料ストリップが完全に弛緩した位置にあることを確認する(
図10a)。実行中、試料ストリップを延伸させない。試料がねじれておらず、クランプ点から滑らないことを確認する。
6.第1の工程として、試料ストリップが延在する:これは、下部クランプ92を底部位置(LMax)に移動させることによって行われる。これを行うことによって、試料ストリップは、「最大延在」点まで延在する(
図10b)。およそ1秒間そこに放置した後、次いで、試料ストリップをその完全に弛緩した位置に戻す(
図10c)。
7.試料ストリップを、2回目、LMax距離まで延在させ(
図10d)、ここでおよそ1秒間保持する。
8.停止アーム95(「機器準備」段階で「読み取り点」となるように設定されている)を揺動/摺動させ、下部クランプ92をこの「読み取り点」プレート停止アームに対してゆっくりと(約3~5cm/秒)上げる(
図10e)。
9.ゲージ上の値が安定するまでおよそ5秒間待ち、ディスプレイから値を読み取る。値を最近接0.01N単位で記録する。
【0087】
注:測定中にクランプからの試料滑りが生じた場合、データ読み取りのために試験をやり直す。下部クランプ92は、別段の指示がない限り、上記の工程において約10~15cm/秒の速度で手動で移動される。
【0088】
報告:
決定された値を最近接0.01Nまで報告する。
【0089】
その他
本明細書で使用する場合、「含むcomprise(s)」及び「備える(comprising)」という用語は、非限定的(open-ended)である。それぞれは、続いて記載される特徴、例えば構成要素の存在を特定するものであるが、他の特徴、例えば、当該技術分野において既知であるか、又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素の存在を除外するものではない。「含む、備える(comprise)」という動詞に基づくこれらの用語は、特徴がその機能を実施する方法に著しく影響を及ぼす言及されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する、「から本質的になる(consisting essentially of)」というより狭義の用語、及び明記されていないあらゆる要素、工程、又は成分を除外する、「からなる(consisting of)」という用語を包含すると解釈されるべきである。以下に記載する好ましい又は例示的な実施形態はいずれも、特に具体的に示さない限り、特許請求の範囲を限定するものではない。「典型的に」、「通常は」、「好ましくは」、「有利には」、「具体的には」などの語も、特許請求の範囲を限定することが具体的に示されていない限り、特許請求の範囲を限定することを意図しない特徴を修飾する。本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。代わりに、別途指定のない限り、各このような寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0090】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるともみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆、又は開示するとはみなされない。更に、本文献における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文献内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文献においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0091】
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部腰縁部(10)を有する前部半分領域(15)と、後部腰縁部(12)を有する後部半分領域(16)と、第1の長手方向縁部(13)と、第2の長手方向縁部(14)と、着用者に面する側と、衣類に面する側と、を有するテープ式吸収性物品(20)であって、前記テープ式吸収性物品が、
-その着用者に面する側のトップシート(24)と、
-その衣類に面する側のバックシート(26)と、
-前記トップシートと前記バックシートとの間の吸収性コア(28)と、
-前記後部半分領域における一対の後耳部(40)であって、各後耳部が、前記物品の前記前部半分領域における前記吸収性物品の前記衣類に面する側のランディングゾーン(44)に取り外し可能に取り付けることができる締結タブ(42)を有する、一対の後耳部(40)と、
-前記前部腰縁部(10)に隣接する前部弾性ウエストバンド(100)であって、本明細書に開示されるウエストバンド弾性力測定方法によって測定される際、約0.03N~約0.32Nの範囲内にある、前部ウエストバンド弾性力を有する、前部弾性ウエストバンド(100)と、
-前記物品の前記後部腰縁部(12)に隣接する後部弾性ウエストバンド(200)であって、前記後部弾性ウエストバンドが、前記前部ウエストバンド弾性力よりも高い後部ウエストバンド弾性力を有する、後部弾性ウエストバンド(200)と、を備える、テープ式吸収性物品(20)。
【請求項2】
前記後部ウエストバンド弾性力が、1.1N~約2.9Nの前記範囲内にある、請求項1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項3】
前記後部ウエストバンド弾性力対前記前部ウエストバンド弾性力の比が、4~40の範囲内にある、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項4】
前記後部ウエストバンド弾性力対前記前部ウエストバンド弾性力の比が、5~30の前記範囲内にある、請求項3に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項5】
前記前部弾性ウエストバンド及び前記後部弾性ウエストバンドが、各々複数の弾性ストランド(110、210)を含む、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品(20)。
【請求項6】
前記後部ウエストバンドの前記弾性ストランドが、前記前部ウエストバンドの前記弾性体よりも、数が多い及び/又はより高いdtex値を有する、請求項5に記載のテープ付き使い捨て吸収性物品。
【請求項7】
前記前部ウエストバンド及び前記後部ウエストバンドの各々の前記弾性ストランドが、不織布ウエストバンド材料、具体的にはSMS材料、によって挟持されている、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項8】
前記前部ウエストバンドが、前記ランディングゾーンと前記物品の前記前縁部との間に配設されている、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項9】
前記後部ウエストバンドが、前記吸収性物品の前記後縁部(12)の長さ(W)の50%~100%の範囲内にある有効糊付け弾性長さ(220)を有し、かつ/又は前記前部ウエストバンドが、前記前縁部(10)の長さの50%~100%の範囲内にある有効糊付け弾性長さを有する、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項10】
前記後部ウエストバンド(200)が、前記吸収性物品の前記後縁部(12)の前記長さ(W)の70%~95%の前記範囲内にある有効糊付け弾性長さ(220)を有し、かつ/又は前記前部ウエストバンドが、前記前縁部(10)の前記長さの70%~95%の前記範囲内にある有効糊付け弾性長さを有する、請求項9に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項11】
前記吸収性コアが、コアラップ内に高ロフト不織布中心層を含み、超吸収性ポリマー粒子が、前記高ロフト不織布中心層の細孔内に少なくとも部分的に固定化されている、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項12】
より大きい二次不織布トップシート層(24b)に積層された一次三次元トップシート層(24a)を有する二重層トップシートを備える、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項13】
再生可能又はリサイクル可能な材料を含む、請求項
1に記載のテープ式使い捨て吸収性物品。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の複数の吸収性物品を含む、パッケージ。
【請求項15】
請求項1~
13のいずれか一項に記載の複数の吸収性物品(20)を連続的に作製するための方法であって、
-機械方向においてウエストバンド材料(70)の連続的な供給を提供する工程であって、前記材料が、折り畳み線(73)によって概念的に分割された、機械方向に延在する第1の半分(71)及び長手方向の半分(72)を有する、提供する工程と、
-弾性ストランド(110、210)の連続的な供給を提供する工程であって、前記弾性ストランドが、前記それぞれのウエストバンドに前記所望の弾性強度を提供するように適合されている、提供する工程と、
-前記弾性ストランド(110、210)上に接着剤を断続的に適用する工程と、
-前記ウエストバンド材料の前記第1の半分(71)上の前記ウエストバンド材料(70)にわたって機械方向(MD)に前記弾性ストランドを重ね合わせる工程と、
-前記ウエストバンド材料(70)の前記第2の半分(72)を、前記ウエストバンド材料の前記第1の半分(71)にわたって前記折り畳み線(73)に沿って折り畳み、このように折り畳まれたウエストバンド材料の間に挟持された前記弾性ストランド(110、210)を含む連続的なウエストバンド積層体(74)を取得する工程であって、前記積層体が、非結合領域(76)によって分離された接着結合領域(75)を有する、取得する工程と、
-このウエストバンド積層体(74)を、前記非結合領域内の破線切断線(77)に沿って機械交差方向に切断する工程であって、前記破線切断線が、前記弾性ストランド及び前記折り畳まれたウエストバンド材料を部分的に切断する、切断する工程と、
-前記ウエストバンド積層体(74)を前記物品の前記シャーシの横断方向と位置合わせする工程と、
-前記ウエストバンド積層体(74)が前記破線切断線(77)に沿って破断して、組み合わされたパッド(78)を形成するように、前記ウエストバンド積層体(74)を延伸させる工程と、
-別個の前部ウエストバンド積層体及び後部ウエストバンド積層体(100、200)を作り出すために、切断線(79)に沿って各組み合わせられたパッドを切断する工程と、
-前記前部ウエストバンド及び前記後部ウエストバンドを前記吸収性物品の前記シャーシに取り付ける工程と、を含む、方法。
【国際調査報告】