(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】食品のためのプレミックス
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20241031BHJP
A23L 35/00 20160101ALI20241031BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
A23L35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024527869
(86)(22)【出願日】2022-11-07
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 CA2022051646
(87)【国際公開番号】W WO2023081996
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502195857
【氏名又は名称】マッケイン フーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シェリー・リー・ジェロー
【テーマコード(参考)】
4B023
4B036
【Fターム(参考)】
4B023LE30
4B023LG01
4B023LG08
4B023LG10
4B023LL01
4B036LF13
4B036LF19
4B036LH21
4B036LH22
4B036LH29
4B036LK01
4B036LK06
4B036LP01
4B036LP14
(57)【要約】
本開示は、ハッシュブラウン及びコロッケ等の食品用のプレミックスに関し、該プレミックスは、キヌアフレーク等のキヌア、イエローコーン粉末等のコーン粉末、及び米粉を含む。本開示はまた、調理又は下調理するための食品、及び本開示のプレミックスを含む食品に関する。更に、本開示は、本開示の食品を調製する方法を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キヌア、
コーン粉末、
米粉、並びに
必要に応じて、香味剤、着色料、ビジュアル微粒子、流動化剤、粉末制御剤、食感改良剤、及びこれらの組合せから選択される1つ以上の追加の作用剤
を含む、食品のためのプレミックス。
【請求項2】
前記キヌアが、キヌアフレーク、キヌア粉末、全粒キヌア、乾燥させた調理済みキヌア、及びこれらの組合せから選択され、必要に応じて、前記キヌアがキヌアフレークである、請求項1に記載のプレミックス。
【請求項3】
前記コーン粉末が、イエローコーン粉末、ホワイトコーン粉末、又はこれらの組合せであり、必要に応じて、前記コーン粉末がイエローコーン粉末である、請求項1又は2に記載のプレミックス。
【請求項4】
前記キヌア:前記コーン粉末:前記米粉の重量比が、約1~10:0.5~1.5:0.5~1.5、約1~4:0.5~1.5:0.5~1.5、約1.5~3.5:0.7~1.3:0.7~1.3、約0.75~1.25:0.35~0.65:0.35~0.65、又は約0.9~1.1:0.4~0.6:0.4~0.6である、請求項1から3のいずれか一項に記載のプレミックス。
【請求項5】
約35%w/w~約60%w/wの前記キヌアと、
約20%w/w~約32.5%w/wの前記コーン粉末と、
約20%w/w~約32.5%w/wの前記米粉と
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプレミックス。
【請求項6】
約35%w/w~約50%w/wの前記キヌアと、
約10%w/w~約24%w/wの前記コーン粉末と、
約10%w/w~約24%w/wの前記米粉と、
約2%w/w~約45%w/wの前記1つ以上の追加の作用剤と
を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のプレミックス。
【請求項7】
前記食品が、野菜、乳製品、乳製品代替製品、肉製品、肉代替製品、半調理食料品又はこれらの組合せを含む、マトリックスを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のプレミックス。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか一項に記載のプレミックス及び請求項7に規定のマトリックスを含む、食品。
【請求項9】
調理又は下調理されており、必要に応じて、炒められている又は下炒めされている、請求項8に記載の食品。
【請求項10】
冷凍された、請求項8又は9に記載の食品。
【請求項11】
熱によって再構成される、請求項10に記載の食品。
【請求項12】
調理又は下調理される前に、約1%w/w~約25%w/w、又は約1%w/w~約15%w/wの前記プレミックスを含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の食品。
【請求項13】
調理又は下調理される前に、約0.5%w/w~約10%w/wの前記キヌア、約0.1%w/w~約5%w/wの前記コーン粉末、及び約0.1%w/w~約5%w/wの前記米粉を含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の食品。
【請求項14】
請求項1から22のいずれか一項に記載のプレミックスを請求項23から31のいずれか一項に規定のマトリックスと組み合わせて食品混合物を得る工程と、
必要に応じて、前記食品混合物を調理又は下調理する工程と
を含む、食品を調製する方法。
【請求項15】
前記食品を冷凍する工程を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1から6のいずれか一項に記載のプレミックス、及び請求項7に規定のマトリックスを含む、調理又は下調理するための食品。
【請求項17】
約1%w/w~約25%w/w、又は約1%w/w~約15%w/wの前記プレミックスを含む、請求項16に記載の調理又は下調理するための食品。
【請求項18】
約0.5%w/w~約10%w/wの前記キヌア、約0.1%w/w~約5%w/wの前記コーン粉末、及び約0.1%w/w~約5%w/wの前記米粉を含む、請求項16又は17に記載の調理又は下調理するための食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月10日出願の米国仮出願第63/278,009号に基づく優先権を主張するものであり、その内容は、その全てが参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、食品のためのプレミックス及びプレミックスを使用して調製した食品に関する。本開示は、例えば、ハッシュブラウン及びコロッケを含む、根野菜食品等の野菜食品のためのプレミックスに関する。
【背景技術】
【0003】
導入
ハッシュブラウン及びコロッケ等の調理及び下調理(par-cook)された食品は、その利便性及び風味が人気の食料品である。それらの産業的規模の生産は、多量のデンプン質野菜混合物を上昇した温度にて下調理(例えば、下炒め(parfry)又はオーブン調理)すること、並びに必要に応じて、適切な冷凍固形分、エンドユーザーによる再構成の容易さ、及び最終食品における質感と色彩を維持しながら、下調理された製品を冷凍することが必要とされる。このような食品のための従来の配合物は、フライヤー中の調理かす並びに望ましくない質感、色彩及び冷凍固形分を生じ、又は大型規模での使用に費用がかさむ高価な成分を含みうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、消費者及び産業界のニーズを満たす、下炒めされた食品の配合物を開発するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
キヌアフレーク等のキヌア、イエローコーン粉末等のコーン粉末及び米粉を含む組成物を、ハッシュブラウン(例えば、ポテトハッシュブラウン)及びコロッケ等の調理又は下調理された(例えば、下炒めされた)食品のためのプレミックスとして使用して、口当たりの良い質感及び香味並びに許容される冷凍固形分(調理又は下調理された食品が冷凍されて、エンドユーザーによって再構成された場合)を含む、心地よい官能特性を得ることができること、並びに調理又は下炒め等の下調理中の調理かすを低減させることができることが示された。また、プレミックスを含む食品は、より短い下調理時間とより低い下調理温度が必要とされ、所望の特質(例えば、固形分、色彩及び他の視覚的外観、質感、例えばクリスピー感)を達成することもまた観察された。
【0006】
したがって、一態様では、本開示は、キヌア、コーン粉末、米粉、及び必要に応じて1つ以上の追加の作用剤を含む、食品のためのプレミックスを含む。
【0007】
別の態様では、本開示は、本開示のプレミックス及びマトリックスを含む食品を含む。
【0008】
別の態様では、本開示は、
本開示のプレミックスをマトリックスと組み合わせて食品混合物を得る工程と、
必要に応じて、食品混合物を調理又は下調理する工程と
を含む、食品を調製する方法を含む。
【0009】
別の態様では、本開示は、
本開示のプレミックスを準備する工程と、
プレミックスをマトリックスと組み合わせて食品混合物を得る工程と、
必要に応じて、食品混合物を調理又は下調理する工程と
を含む、食品を調製する方法を含む。
【0010】
別の態様では、本開示は、本開示のプレミックス及びマトリックスを含む、調理するため又は下調理するための食品を含む。
【0011】
別の態様では、本開示は、食品における本開示のプレミックスの使用を含む。
【0012】
別の態様では、本開示は、調理するため又は下調理するための食品における本開示のプレミックスの使用を含む。
【0013】
別の態様では、本開示は、必要に応じて、調理するため又は下調理するための食品の調製における本開示のプレミックスの使用を含む。
【0014】
本開示の他の特性及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになる。しかしながら、詳細な説明及び特定の実施例は、本開示の実施形態を表すものではあるものの、例示を与えるにすぎず、請求項の範囲はこれらの実施形態によって限定されるべきではなく、全体として本明細書と一致する最も広い解釈を与えられるべきである、と理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
I.定義
別途指示がない限り、本節及び他の節に記載される定義及び実施形態は、当業者によって好適であると理解される、本明細書に記載された本開示の全ての実施形態及び態様に、適用可能であることを意図する。
【0016】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、個々に又は組み合わせて列挙された項目が存在する又は使用されることを意味する。実際には、本用語は、列挙された項目「のうちの少なくとも1つ」又は「1つ以上の」列挙された項目が使用される又は存在することを意味する。
【0017】
本開示で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、その内容に別段の明確な指示がない限り、複数のものを含む。例えば、「1つの作用剤」を含む実施形態は、1つの作用剤、又は2つ以上の追加の作用剤を用いるある特定の態様を提示すると理解されるべきである。
【0018】
本明細書で使用される用語「約」、「実質的に」及び「およそ」は、最終結果を有意に変化させないように、修飾された用語の妥当な偏差量を意味する。修飾する言葉の意味をこの偏差が否定しない場合、又は文脈が当業者に別段の示唆を与えない限り、程度を表すこれらの用語は、修飾された用語の少なくとも±5%の偏差を含むとして解釈されるべきである。
【0019】
本明細書で使用される用語「内部温度」は、消費のために調理された後の製品の内側の温度を指す。通常、消費のための食品の分野では、約72℃以上の内部温度が所望であると理解されうる。内部温度は、食品の固形分(固形物質%)の関数である。
【0020】
II.本開示のプレミックス組成物
したがって、一態様では、本開示は、キヌア、コーン粉末、米粉、及び必要に応じて1つ以上の追加の作用剤を含む、食品のためのプレミックスを含む。
【0021】
別の態様では、本開示は、本開示のプレミックス及びマトリックスを含む食品を含む。
【0022】
別の態様では、本開示は、本開示のプレミックス及びマトリックスを含む、調理するため又は下調理するための食品を含む。
【0023】
一部の実施形態では、キヌアは、キヌアフレーク、キヌア粉末、全粒キヌア、乾燥させた調理済みキヌア、及びこれらの組合せから選択される。一部の実施形態では、キヌアはキヌアフレークである。一部の実施形態では、キヌアフレークは、ホワイトキヌアフレークである。
【0024】
一部の実施形態では、コーン粉末は、イエローコーン粉末、ホワイトコーン粉末、又はこれらの組合せである。一部の実施形態では、コーン粉末はイエローコーン粉末である。
【0025】
一部の実施形態では、1つ以上の追加の作用剤は、着色剤、香味剤、製造助剤、ビジュアル微粒子(visual particulate)、食感改良剤(texturizing agent)、及びこれらの組合せから選択される。
【0026】
例えば、香味剤は、塩、コショウ、砂糖、ハーブ、スパイス、天然香味料、及びこれらの混合物を含んでよい。一部の実施形態では、香味剤は、塩、コショウ及び砂糖を含む。一部の実施形態では、1つ以上の追加の作用剤は、塩及びコショウである。一部の実施形態では、製造助剤は、流動化剤(flow agent)及び/又は粉末制御剤(dust control agent)である。一部の実施形態では、流動化剤は、二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、及び/又はリン酸三カルシウムを含む。一部の実施形態では、粉末制御剤は1つ以上の油である。例えば、粉末制御剤は、ヒマワリ油、植物油、及びこれらの混合物から選択されうる。一部の実施形態では、植物油は、キャノーラ油、大豆油、綿実油及びこれらの混合物から選択される。
【0027】
例えば、ビジュアル微粒子は、乾燥野菜、乾燥果実、デンプン微粒子、及びハーブを含みうる。一部の実施形態では、デンプン微粒子は、模擬果実又は模擬野菜等の、着色されたデンプン微粒子である。
【0028】
一部の実施形態では、着色料は、パプリカ抽出物、ターメリック抽出物、カラメル、アナトー、及びこれらの混合物から選択される。
【0029】
一部の実施形態では、食感改良剤は、食用デンプン、食用デキストリン、及びこれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、食用デンプンは、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及びこれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、食用デキストリンは、ジャガイモ、コーン、タピオカ、エンドウ豆、及び米から選択される。
【0030】
一部の実施形態では、キヌア:コーン粉末:米粉の重量比は、約1~10:0.5~1.5:0.5~1.5、約1~4:0.5~1.5:0.5~1.5、約1.5~3.5:0.7~1.3:0.7~1.3、約0.75~1.25:0.35~0.65:0.35~0.65、又は約0.9~1.1:0.4~0.6:0.4~0.6である。一部の実施形態では、キヌア:コーン粉末:米粉の重量比が、約2:1:1である。一部の実施形態では、キヌア:コーン粉末:米粉の重量比が、約3:1:1である。一部の実施形態では、キヌア:コーン粉末:米粉の重量比が、約2:1:0.5である。
【0031】
一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、約35%w/w~約60%w/wのキヌア、約20%w/w~約32.5%w/wのコーン粉末、及び約20%w/w~約32.5%w/wの米粉を含む。
【0032】
一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、約45%w/w~約55%w/wのキヌア、約22.5%w/w~約27.5%w/wのコーン粉末、及び約22.5%w/w~約27.5%w/wの米粉を含む。
【0033】
一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、約50%w/wのキヌア、約25%w/wのコーン粉末、及び約25%w/wの米粉を含む。
【0034】
一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、約35%w/w~約50%w/wのキヌア、約10%w/w~約24%w/wのコーン粉末、約10%w/w~約24%w/wの米粉、及び約2%w/w~約45%w/wの1つ以上の追加の作用剤を含む。
【0035】
一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、約35%w/w~約45%w/wのキヌア、約15%w/w~約24%w/wのコーン粉末、約15%w/w~約24%w/wの米粉、及び約7%w/w~約35%w/wの1つ以上の追加の作用剤を含む。
【0036】
一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、約35%w/w~約40%w/wのキヌア、約15%w/w~約20%w/wのコーン粉末、約15%w/w~約20%w/wの米粉、及び約20%w/w~約35%w/wの1つ以上の追加の作用剤を含む。
【0037】
一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、約38%w/wのキヌア、約19%w/wのコーン粉末、約19%w/wの米粉、及び約24%w/wの1つ以上の追加の作用剤を含む。
【0038】
一部の実施形態では、キヌアはキヌアフレークであり、コーン粉末はイエローコーン粉末である。一部の実施形態では、本開示のプレミックスは、キヌアフレーク、イエローコーン粉末、及び米粉を含む。
【0039】
一部の実施形態では、本開示の食品は、マトリックスを含む。一部の実施形態では、マトリックスは、野菜、乳製品、乳製品代替製品、肉製品、肉代替製品、半調理(precook)食料品又はこれらの組合せを含む。
【0040】
一部の実施形態では、マトリックスは、野菜、乳製品、乳製品代替製品、肉製品、肉代替製品、半調理食料品、又はこれらの組合せを含む。
【0041】
調理又は下調理され、必要に応じて冷凍されるのに好適な任意の野菜が、本開示のプレミックスと共に使用されうる、と理解することができる。一部の実施形態では、野菜は、根野菜等のデンプン質の野菜である。一部の実施形態では、野菜は、ジャガイモ、サツマイモ、ヤム、タロイモ、ニンジン、カブ、ユッカ、コールラビ、コーン、豆(beans)、レンズ豆、緑豆、ズッキーニ、スカッシュ、パンプキン、及びこれらの組合せから選択される。野菜は、多様な形状及び寸法で食品に含まれうることが企図される。例えば、野菜は、カット、スライス、みじん切り、さいの目切り、すりつぶし又は粉状にすることができる。一部の実施形態では、野菜は、ドウ(dough)様の粘稠度に形成され、商業的及び/又は製造業的ニーズに合う形状に形成されうる。
【0042】
例えば、乳製品は、チーズ、プロセスチーズ製品、及びパニールを含むことができる。例えば、乳製品代替製品は、乳製品を含まないチーズ代替品を含む。一部の実施形態では、乳製品代替製品は、ナッツベースのチーズ代替品、植物ベースのチーズ代替品、又はこれらの混合物である。例えば、ナッツベースのチーズ代替品は、カシューベースのチーズ代替品、アーモンドベースのチーズ代替品、又はそれらの類似物であってよい。例えば、植物ベースのチーズ代替品は、タピオカデンプン、アガー、アガー粉末、ジャガイモデンプン、植物ベースのタンパク質、植物ベースの粉末、ココナツミルク、又はこれらの混合物を含むことができる。一部の実施形態では、乳製品代替製品は、栄養酵母を含む。
【0043】
肉製品の例としては、家禽、牛肉、豚肉、魚肉、海産物、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、家禽は、ニワトリ、アヒル、シチメンチョウ、ガチョウ、及びこれらの組合せから選択される。肉代替製品の例としては、植物ベースの肉代替製品が挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、植物ベースの肉代替製品は、豆腐である。一部の実施形態では、植物ベースの肉代替製品は、豆類タンパク質(例えば、エンドウ豆タンパク質、ヒヨコ豆タンパク質、レンズ豆タンパク質、豆タンパク質)、大豆タンパク質及び米タンパク質等の、1つ以上の豆科植物ベースのタンパク質及び穀物ベースのタンパク質を含む。肉製品及び肉代替製品は、好適なサイズのカット片の形態であってよく、又は粉砕されていて、若しくはペースト若しくはドウの形態であってよいことが、企図される。切断片、粉砕物、及びペースト又はドウの組合せが使用されうることもまた企図される。
【0044】
一部の実施形態では、半調理食料品は、調理されたパスタであってよい。例えば、調理されたパスタは、マカロニであってよい。
【0045】
マトリックスは1種類より多くの成分を含むことができることが企図される。例えば、食品は、半調理されたマカロニ、チーズ、及び本開示のプレミックスが配合された、マカロニチーズバイトであってよい。
【0046】
理論に束縛されることを望むものではないが、いくらかの水分を有する構成成分を含むマトリックスは、キヌアに水分を与えることによって、形成された食品の凝集性を増加させることができることが見出された。
【0047】
一部の実施形態では、食品混合物は、調理又は下調理される前に、約0.5%w/w~約10%w/wのキヌアフレーク、約0.1%w/w~約5%w/wのイエローコーン粉末、及び約0.1%w/w~約5%w/wの米粉を含む。一部の実施形態では、食品混合物は、調理又は下調理される前に、約0.75%w/w~約2%w/wのキヌアフレーク、約0.3%w/w~約1%w/wのイエローコーン粉末、及び約0.3%w/w~約1%w/wの米粉を含む。一部の実施形態では、食品混合物は、調理又は下調理される前に、約1%w/wのキヌアフレーク、約0.5%w/wのイエローコーン粉末、及び約0.5%w/wの米粉を含む。一部の実施形態では、食品混合物は、調理又は下調理される前に、3%w/w未満のキヌアフレークを含む。
【0048】
一部の実施形態では、プレミックスの濃度は、食品混合物(すなわちグリーン混合物)中にプレミックス約1%~約25%w/wである。一部の実施形態では、プレミックスの濃度は、食品混合物中にプレミックス約1%w/w~約15%w/w、又は約1%~約10%w/wである。一部の実施形態では、プレミックスの濃度は、食品混合物中にプレミックス約1.5%w/w~約8%w/wである。一部の実施形態では、プレミックスの濃度は、食品混合物中にプレミックス約2%w/w~約5%w/wである。
【0049】
一部の実施形態では、食品は、食品混合物(すなわちグリーン混合物)の重量に基づき、約0.5%w/w~約3%w/w又は約1%w/w~約2%w/wのキヌアの量を達成するのに十分な量のプレミックスを含む。
【0050】
本開示のプレミックスを含む食品は、調理又は下調理後に、許容される固形分を有していることが示された。必須ではないが、本願の分野において許容される固形分は、約39重量%以上であると理解されうる。商業的及び製造業的ニーズに応じて、より高い固形分が一部の文脈では望ましいとも理解されうる。例えば、ハッシュブラウン及びコロッケ等の一部の製品に関して、約44%以上の固形分が、必須ではないが望ましい。
【0051】
したがって、一部の実施形態では、本開示の食品は、約39重量%の固形分を有する。一部の実施形態では、本開示の食品は、約39重量%又は39重量%を上回る固形分を有する。一部の実施形態では、本開示の食品は、約25重量%以上、約30重量%以上、約35重量%以上又は約39重量%以上の固形分を有する。一部の実施形態では、本開示の食品は、少なくとも約25重量%、少なくとも約30重量%、少なくとも約35重量%又は少なくとも約39重量%の固形分を有する。一部の実施形態では、本開示の食品は、約39重量%~約70重量%、約39重量%~約65重量%、約39重量%~約60重量%、約40重量%~約65重量%、約40重量%~約60重量%の固形分を有する。一部の実施形態では、本開示の食品は、約70%未満、約65%未満、又は約60%未満の固形分を有する。
【0052】
一部の実施形態では、食品は、パティ又は円筒形の形態である。
【0053】
一部の実施形態では、食品は、ハッシュブラウン、フライ、コロッケ、又は野菜のマッシュパティである。
【0054】
一部の実施形態では、食品は調理又は下調理されており、必要に応じて、食品は炒められて又は下炒めされている。一部の実施形態では、食品は冷凍されている。一部の実施形態では、食品は熱によって再構成される。
【0055】
一部の実施形態では、食品は、流動化剤、粉末制御剤、香味剤、着色料、食感改良剤、ビジュアル微粒子、及びこれらの組合せから選択される、1つ以上の追加の成分を更に含む。一部の実施形態では、流動化剤、粉末制御剤、香味剤、着色料、食感改良剤、ビジュアル微粒子はそれぞれ、本明細書に記載されるとおりである。
【0056】
一部の実施形態では、食品は、調理又は下調理される前に、約1%w/w~約25%w/w、又は約1%w/w~約15%w/wのプレミックスを含む。一部の実施形態では、食品は、調理又は下調理される前に、約1%w/w~約10%w/wのプレミックスを含む。一部の実施形態では、食品は、調理又は下調理される前に、約1.5%w/w~約8%w/wのプレミックス、必要に応じて約2%w/w~約5%w/wのプレミックスを含む。一部の実施形態では、食品は、調理又は下調理される前に、約0.5%w/w~約10%w/wのキヌア、約0.1%w/w~約5%w/wのコーン粉末、及び約0.1%w/w~約5%w/wの米粉を含む。一部の実施形態では、食品は、調理又は下調理される前に、約0.75%w/w~約2%w/wのキヌア、約0.3%w/w~約1%w/wのコーン粉末、及び約0.3%w/w~約1%w/wの米粉を含む。一部の実施形態では、食品は、調理又は下調理される前に、約1%w/wのキヌア、約0.5%w/wのコーン粉末、及び約0.5%w/wの米粉を含む。
【0057】
III.本開示の方法及び使用
別の態様では、本開示は、
本開示のプレミックスをマトリックスと組み合わせて食品混合物を得る工程と、
必要に応じて、食品混合物を調理又は下調理する工程と
を含む、食品を調製する方法を含む。
【0058】
別の態様では、本開示は、
本開示のプレミックスを準備する工程と、
プレミックスをマトリックスと組み合わせて食品混合物を得る工程と、
必要に応じて、食品混合物を調理又は下調理する工程と
を含む、食品を調製する方法を含む。
【0059】
一部の実施形態では、本開示の方法は、プレミックス、マトリックス及び/又は食品混合物を、香味剤、着色料、食感改良剤、ビジュアル微粒子、流動化剤、粉末制御剤、及びこれらの組合せから選択される1つ以上の追加の成分と組み合わせる工程を更に含む。一部の実施形態では、香味剤、着色料、食感改良剤、ビジュアル微粒子、流動化剤、粉末制御剤はそれぞれ、本明細書に記載されるとおりである。
【0060】
一部の実施形態では、本開示の方法は、調理又は下調理前に、食品混合物を成形する工程を更に含む。
【0061】
一部の実施形態では、本開示の方法は、食品を冷凍する工程を更に含む。
【0062】
一部の実施形態では、マトリックスは、本明細書に記載されるとおりである。
【0063】
一部の実施形態では、食品は、パティ又は円筒形に成形される。
【0064】
一部の実施形態では、食品は、ハッシュブラウン、フライ、コロッケ、又は野菜のマッシュパティであり、必要に応じて、食品はハッシュブラウンである。
【0065】
一部の実施形態では、炒める、油で揚げる、オーブン加熱する、焼く(bake)、ローストする、真空フライする、放射加熱する(radiant frying)、又はこれらの組合せによって、調理又は下調理が実施される。
【0066】
別の態様では、本開示は、食品における本開示のプレミックスの使用を含む。
【0067】
別の態様では、本開示は、調理するため又は下調理するための食品における本開示のプレミックスの使用を含む。
【0068】
別の態様では、本開示は、必要に応じて調理するため又は下調理するための、食品の調製における本開示のプレミックスの使用を含む。
【0069】
本開示のプレミックスは、実施例において以下に記載されるとおり調製されうる。一般に、プレミックスは、プレミックスの構成成分全てを組み合わせて混合物にすることによって調製されうる。或いは、キヌア、コーン粉末及び米粉を組み合わせて混合物にしながら、必要に応じて1つ以上の追加の作用物質を順次又は一緒に、キヌア、コーン粉末及び米粉の混合物と組み合わせることができる。キヌア、イエローコーン粉末及び米粉の混合物と食品のマトリックスとを組み合わせる直前又はそれと同時に、1つ以上の追加の作用剤を混合物と組み合わせることができることもまた企図される。
【0070】
キヌア、コーン粉末及び米粉を含むプレミックスをマトリックスと組み合わせることができ、必要に応じて1つ以上の追加の作用剤を順次又は一緒に、添加してもよいこともまた企図される。
【0071】
本開示のプレミックスを食品のマトリックスと組み合わせる任意の好適な方法を使用してよいことが理解されうる。例えば、プレミックスをマトリックス中へ所望の重量パーセンテージまで計量することができ、得られる混合物を、実質的に均一な分布になるまで混合することができる。一部の実施形態では、オーガー及び/又はパドルによって混合が実施される。
【0072】
本開示のプレミックスを含む食品は、炒める、油で揚げる、焼く、ローストする、オーブン調理する、エアフライする、真空フライする、放射加熱する、及びこれらの組合せを含む方法によって調理又は下調理されうることが企図される。一部の実施形態では、食品は炒められるか又は下炒めされる。
【0073】
必要に応じて、調理又は下調理された食品は冷凍されうる。冷凍食品は、エンドユーザーによる加熱によって再構成することができる。冷凍食品を再構成するための任意の従来の加熱方法を使用することができる。例えば、冷凍食品を再構成するための加熱の好適な方法としては、炒める、油で揚げる、焼く、ローストする、オーブン調理する、エアフライする、真空フライする、レンジ加熱する、放射加熱する、及びこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【実施例】
【0074】
以下の非限定的な実施例は、本開示の例示である。
【0075】
一般的な方法
本明細書で使用したキヌアフレークは、ロールドホワイトキヌアフレーク(Bay State Milling社、PC165707)であった。本明細書で使用した粉末は、Ingredion社のネイティブコーン粉末及び米粉であった。
【0076】
CEM社のSmart Trac (商標) IIを使用して、製造業者の指示書に従い、冷凍製品中の固形物含有量を分析した。CEM社のSmart Trac IIは、レンジ乾燥を核磁気共鳴(NMR)と組み合わせて、食品の(そのままの)水分と脂質を正確に測定する。冷凍された試料を粉砕によって均質化し、装置に供した。レンジ乾燥での試料の重量減少量に基づいて、固形物を計算した。当該分野で公知の他の固形分測定の方法もまた使用することができることが理解されうる。例えば、好適な方法は、オーブン乾燥、真空オーブン乾燥、それに続いてNMR分析を含む。
【0077】
(実施例1)
プレミックスの調製
本開示の例示的プレミックスは、一般的に本明細書に記載したとおりに調製することができる。
【0078】
キヌア、コーン粉末及び米粉を組み合わせて混合物にした。組合せは、ブレンドによって行われた。プレミックスは、そのまま使用することができる。他の追加の作用剤を、キヌア、コーン粉末及び米粉の混合物に添加できることもまた企図される。例えば、食品中で使用される他の成分をプレミックス中に含めて製造を容易にすると、便利でありうる。本実施例の目的のために、異なるプレミックスを、以下を用いて製造した。
・塩及びコショウ
・塩、コショウ、コーンスターチ、砂糖、天然香味料
【0079】
追加の作用剤を、キヌア、コーン粉末及び米粉の混合物と組み合わせた。
【0080】
複数の例示的プレミックスを、キヌアフレーク、イエローコーン粉末及び米粉を用いて製造し、Table 1(表1)に示す。食品の異なる香味等の、食品のバッチの必要性に応じて、香味剤、流動化剤及び/又は食感改良剤等の追加の作用剤を添加することができ、それらの作用剤は、プレミックスがマトリックス成分と共にどのように使用されるか又はプレミックスが得られる食品中でどのように機能するかに影響を及ぼさないことに留意されたい。したがって、以下に示す例示的プレミックス中の特定の追加の作用剤は、列挙されていない。しかしながら、例示的プレミックスは、1つ以上の追加の作用剤を含むことができる。
【0081】
【0082】
(実施例2)
食品の調製
食品は、実施例1で調製したプレミックスを、以下に例示されるマトリックスと混合することによって調製することができる。
【0083】
概して、プレミックスをマトリックス中へ所望の重量パーセンテージまで計量した。プレミックス及びマトリックスを、実質的に均一な分布になるまで組み合わせた。組合せは、オーガー又はパドルを用いて行った。
【0084】
以下の本実施例では、食品は、野菜を使用して調製した。
【0085】
すりおろした又は粗く刻んだジャガイモ及び/又はサツマイモを使用して、例えばハッシュブラウン及びコロッケを製造した。それらは典型的には、スライス、細切り、みじん切り、さいの目切り、カット、粗刻み、又はすりおろしの野菜を含む。プレミックスを用いてドウタイプの混合物を製造するために、マッシュポテトについても試験した。
【0086】
プレミックスをマトリックスと組み合わせて、均一な食品混合物(グリーン混合物)にした。この食品混合物を、最終製品の形態、例えば、ハッシュブラウンのためのパティの形態又はコロッケのための小型の円筒形に成形した。マッシュポテト等のマッシュされた又は粉砕されたマトリックスのドウタイプの混合物を、商業的ニーズに応じた小型の円形ディスクを含む種々の形状に成形した。
【0087】
次いで、成形された食品混合物を下炒めした。固形分、質感、視覚的外観及び香味について調査した。
【0088】
【0089】
上記に示されたとおり、キヌア、コーン粉末及び米粉の組合せは、十分な固形分を有する食品(39%を上回る)、フライヤー中の最小限の調理かす並びに良好な質感、香味的及び視覚的特性を達成することができた。
【0090】
キヌア及びコーン粉末の別のバリエーションを、比較のために試験した。結果をTable 3(表3)に示す。
【0091】
【0092】
Table 4(表4)は、異なる濃度のキヌア、米粉及びコーン粉末を含む異なるプレミックスが配合された、マッシュ形成及び粗刻み形成された食品の固形分(固形物質%)の結果を示す。
【0093】
【0094】
Table 3(表3)に示すように、Table 2(表2)に実証された結果を参照すると、風味と質感に関して、キヌアフレークは、全粒キヌア及び乾燥させた調理済みキヌアよりも更に良好な役割を果たし、イエローコーン粉末は、ホワイトコーン粉末より更に良好であった。しかしながら、固形分試験において、全粒キヌア、キヌア粉末、及び乾燥させた調理済みキヌアもまた、所望の固形分を達成することができたが、質感及び風味特質は、キヌアフレークの場合に比べてより影響を受けたことが観察された。同様に、イエローコーン粉末と比べて、同様の能力を示したホワイトコーン粉末は、固形分を達成するが、下調理中により多くの調理かすを生じた。
【0095】
Table 4(表4)に示すとおり、キヌアフレーク、イエローコーン粉末及び米粉が配合された食品は、許容される固形分を達成することができた。実施例1、2、及び9は、キヌア、コーン粉末及び米粉無しの対照であった。キヌア、コーン粉末及び米粉無しの試料と比べて、短い下炒め時間と低い調理温度で、キヌア、コーン粉末及び米粉を含む食品は、固形分(水分)、色彩(及び他の視覚的評価)並びに質感(例えばクリスピー感)等の所望の特質を達成したこともまた観察された。
【0096】
試験された食品は、プレミックスと混合した、ハッシュブラウン、コロッケ、及びマッシュポテトのディスクを含んだ。形成された食品混合物を、下炒めして又は炒めて食品にした。いくつかの例では、下炒めされた又は炒められた食品を冷凍した。冷凍食品は、炒める、焼く、又はレンジ加熱する等の加熱によって再構成された。結果は、食品の異なる形態及び異なる調理方法全体で一貫していた。
【0097】
実施例を参照して本開示について説明したが、請求項の範囲は、本実施例に記載した実施形態によって限定されるべきではなく、全体として本明細書と一致する最も広い解釈を与えられるべきであると、理解されるべきである。
【0098】
全ての公報、特許及び特許出願は、それぞれ個別の公報、特許又は特許出願が、参照によりその全体を組み込むために具体的かつ個々に示される場合と同程度に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示における用語が、参照により本明細書に組み込まれる文献において、異なるように定義されることが見出される場合、本明細書に提供される定義が、その用語の定義としての役割を果たす。
【国際調査報告】