(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】高電圧真空遮断器のためのトロイダルカプセル化
(51)【国際特許分類】
H01H 33/662 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
H01H33/662 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024528444
(86)(22)【出願日】2022-11-11
(85)【翻訳文提出日】2024-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2022025506
(87)【国際公開番号】W WO2023083498
(87)【国際公開日】2023-05-19
(32)【優先日】2021-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】バラスブラマニアン,ガネーシュ クマール
(72)【発明者】
【氏名】スミス、エリック デニス
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ルイス ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リー,ワーンペイ
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,シン
【テーマコード(参考)】
5G026
【Fターム(参考)】
5G026RA03
5G026RB03
(57)【要約】
真空遮断器は、より高い誘電レベル、故により高い遮断レベルを達成するトロイダル部を一端又は両端に有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路の保護部分への電流を遮断するように構成された真空遮断器であって、
絶縁性のシリンダと、該シリンダの両端に位置する一対のエンドキャップとを含むエンベロープであって、該エンベロープは内部領域を有し、該内部領域内は減圧されている、エンベロープと、
前記エンベロープ上に可動に位置し、前記一対のエンドキャップのうちの一方のエンドキャップに隣接して位置する可動接点と、
前記エンベロープ上に位置し、前記一対のエンドキャップのうちの他方のエンドキャップに隣接して位置する固定接点と、
少なくとも部分的に絶縁材料で形成され、前記エンベロープの外側に位置するコーティングであって、該コーティングは、前記シリンダ上に位置し且つ前記シリンダに対する半径方向に第1の厚さを有する第1の部分を含み、該コーティングは、前記一方のエンドキャップに隣接して位置し且つ前記半径方向に前記第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する第2の部分をさらに含む、コーティングと、
を含む真空遮断器。
【請求項2】
前記第2の部分は、前記シリンダに対する長手方向に沿って弓状プロファイルを有する外面を有する、請求項1に記載の真空遮断器。
【請求項3】
前記弓状プロファイルは実質的に円形である、請求項2に記載の真空遮断器。
【請求項4】
前記弓状プロファイルはトロイダルプロファイルである、請求項2に記載の真空遮断器。
【請求項5】
前記一方のエンドキャップは平面部及び円筒部を含み、該円筒部は該平面部から延び、前記シリンダに隣接して位置し、前記シリンダ及び前記円筒部は接合部で互いに接触し、前記弓状プロファイルは、前記長手方向に沿って前記接合部に隣接する位置に位置する頂部を有する、請求項2に記載の真空遮断器。
【請求項6】
前記頂部は、前記長手方向に沿って前記接合部と実質的に整合する、請求項5に記載の真空遮断器。
【請求項7】
前記絶縁材料はシリコーン材料である、請求項1に記載の真空遮断器。
【請求項8】
前記シリコーン材料は約2.7~5の範囲の比誘電率を有する、請求項7に記載の真空遮断器。
【請求項9】
前記シリコーン材料は約3.5の比誘電率を有する、請求項8に記載の真空遮断器。
【請求項10】
前記第2の部分は、前記第2の部分に埋め込まれた金属体及び前記第2の部分の外面に位置する金属被覆のうちの少なくとも一方を含む金属部品を含む、請求項1に記載の真空遮断器。
【請求項11】
前記金属部品は金属体を含み、該金属体は、前記一方のエンドキャップに隣接して前記エンベロープの周囲で延在する、請求項10に記載の真空遮断器。
【請求項12】
前記外面は、前記シリンダに対する長手方向に沿って弓状プロファイルを有し、
前記シリンダ及び前記一方のエンドキャップは接合部で互いに接触し、前記弓状プロファイルは、前記長手方向に沿って前記接合部に隣接する位置に位置する頂部を有し、
前記金属体の少なくとも一部は、前記接合部と前記頂部との間に概して位置する、請求項11に記載の真空遮断器。
【請求項13】
前記コーティングは、前記他方のエンドキャップに隣接して位置し且つ前記半径方向において前記第1の厚さよりも大きい別の第2の厚さを有する別の第2の部分をさらに含む、請求項1に記載の真空遮断器。
【請求項14】
前記第2の部分及び前記別の第2の部分のそれぞれは、前記シリンダに対する長手方向に沿って弓状プロファイルを有する外面を有する、請求項13に記載の真空遮断器。
【請求項15】
前記弓状プロファイルはトロイダルプロファイルである、請求項14に記載の真空遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の概念は概して真空遮断器に関し、より具体的には、より高い誘電レベル、それ故に高い遮断レベルを達成する、一端又は両端にトロイダル部を有する真空遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
真空遮断器は、真空チャンバと呼ばれ得る、絶縁され且つ密閉されたエンベロープ内に位置する分離可能な主接点を含む。真空チャンバは、例えば、限定されないが、多数の端部部材(例えば、限定されないが、金属端板等の金属部品、エンドキャップ、シールカップ)によってキャップされて、真空又は減圧が引き込まれるエンベロープを形成する電気絶縁のための多数のセラミック製の円筒状部(例えば、限定されないが、略円筒状の多数の管状セラミック部)を典型的に含む。例示のセラミック区画は典型的には円筒状であるが、他の適切な断面形状が用いられることもある。典型的には2つの端部部材が用いられる。複数のセラミック区画がある場合、例示のセラミック区画の間に内部中央シールドが配置される。一部の既知の真空遮断器は、その外面上に適用され、シリコーン材料又は他の適切な絶縁材料で形成され得るエンベロープを含む。
【0003】
真空遮断器には多くの欠点がある。例えば、72kVのライン間電圧定格が存在する用途等の典型的な高電圧用途で用いられる真空遮断器では、真空遮断器は、達成可能な350kVの雷インパルス耐電圧(LIWV)定格を達成できなければならない。しかしながら、84kVのライン間電圧定格が存在する用途等のさらに高い電圧用途で用いられる真空遮断器では、真空遮断器は、達成が困難な400kVのLIWV定格を達成できなければならない。そのため、真空開閉装置には改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
これらのニーズ及びその他のものは、改善された真空遮断器に関する本発明の実施形態によって満たされる。
【0005】
開示及びクレームされる概念の一態様として、改善された真空遮断器は回路の保護部分への電流を遮断するように構成され、その一般的な性質は、絶縁性のシリンダと、該シリンダの両端に位置する一対のエンドキャップとを含むものであるということができるエンベロープであって、該エンベロープは内部領域を有し、該内部領域内は減圧されている、エンベロープと、エンベロープ上に可動に位置し、前記一対のエンドキャップのうちの一方のエンドキャップに隣接して位置する可動接点と、エンベロープ上に位置し、一対のエンドキャップのうちの他方のエンドキャップに隣接して位置する固定接点と、少なくとも部分的に絶縁材料で形成され、エンベロープの外側に配置されるコーティングであって、該コーティングは、シリンダ上に位置し、シリンダに対して半径方向に第1の厚さを有する第1の部分を含むものであるということができ、該コーティングは、エンドキャップに隣接して位置し、半径方向に第1の厚さよりも大きい第2の厚さを有する第2の部分をさらに含むものとさらにいうことができる、コーティングと、を含む。本明細書で使用される場合、「いくつかの」という表現は、1を含む任意の非ゼロの数を広く指すものとする。
【0006】
典型的な高電圧用途、例えば、72kV以上のライン間電圧定格を含む用途で用いられる真空遮断器(VI)の端部区画にある、シリコーン又は他の適切な材料から作ることができるようなトロイダル形状のカプセル化(encapsulation)は、AC耐電圧のより高い定格を実現し、400KVの高い雷インパルス耐電圧レベルを首尾よく通過させるのに有効に役立つ。VI上のシリコーンカプセル化は全てのコンディショニングプロセスが完了した後に通常適用されるが、いくつかの処理上の利点を提供するためにコンディショニング前に適用することもできる。トロイダル形状のシリコーンカプセル化の追加により、VIに対して、
・三重接合部(triple point junctions)の非常に良好な保護、
・三重接合部を保護する等電位電圧ラインが広がる表面フラッシオーバを軽減するための非常に優れた電界分布、
・誘電強度の向上、
・電気的誘電率の向上、
・沿面距離の増加、
・400kVのLIWV定格でのより多くのマージン、
・VIがGIS又は圧縮空気等のメカニズムにどのように設置されていても、高電圧レベルを通過させる能力、
・3相機構構成でVIとエンクロージャとの間の安全な絶縁距離を持つポール間レイアウトを含む設計での採用、
・絶縁媒体は乾燥した空気であり、シリコーンカプセル化のトロイダルプロファイルは、160kVの高電位及び400kVのLIWVを実現するための間隔を空けるのに役立つこと、
・コンディショニングの前に適用された場合、製造の間に漏洩及びスクラップ製品を引き起こすコンディショニングプロセスの間のセラミック貫通絶縁破壊(パンク)からVIを保護すること、
といった多くの機能強化がもたらされる。
【0007】
真空遮断器のエンベロープの両端に位置し、VIのエンベロープを覆うシリコンコーティングと一体化された、図示の例示の実施形態ではシリコーン製である絶縁部材のトロイダルプロファイルの形状は、より高い誘電レベルを得るのに役立つ。トロイダル形状は、導体、セラミック及びシリコーン絶縁体で形成される三重接合部を取り囲み、保護するように形成されている。半球の半径は、接合面に沿ってピーク又は頂点を有し、等電位線によって示される高電界勾配が三重接合部から離れることを可能にする。等電位線によって示される電界勾配は、VIエンベロープのシリンダの観点から概ね半径方向に有利に押され、非常に高電圧の誘電試験中にコロナ、放電及び外部フラッシオーバを有利に駆動する。三重接合部付近のこのような電界が非常に良好に緩和され、これはセラミックを介した破壊的な誘電破壊を防止するのに役立ち、漏れの発生を回避し、VIの全体的な高電圧性能を有利に改善する。開示及びクレームされる等電位線の概念のトロイダルシリコーンプロファイルによる有利な偏向はこれらの重要な三重接合部で起こり、トロイダル形状プロファイルは、VI性能を向上させるのに有利な役割を果たす。
【0008】
トロイダルプロファイルが形成されるシリコーン材料自体は高い比誘電率を有するように調製される。なお、材料の比誘電率又は誘電率は真空の誘電率に対する比として表されるその(絶対)誘電率である。図示の例示の実施形態では、VI上のコーティング及び端部のトロイダルプロファイルを含む絶縁性シリコーン材料は約2.7~5の範囲の比誘電率を有し、より具体的には約3.5の比誘電率を有する。トロイダルプロファイルに埋め込まれる金属フィルム又はシースを成形することは、三重接合部における高電界勾配を緩和するのに役立つ。トロイダルプロファイルの外側表面を、トロイダルプロファイルの周囲のコーティング又は層の形態の金属被覆で被覆することも、三重接合部における高電界勾配を緩和するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面と併せて以下の説明を読んだ場合に開示の概念の完全な理解を得ることができる。
【
図1】
図1は、開状態にある開示及びクレームされる概念の第1の実施形態に係る改良された型真空遮断器の断面図である。
【
図2】
図2は、閉状態にある真空遮断器を示す以外は、
図1と同様の図である。
【
図3】
図3は、従来技術の真空遮断器における等電位電界線を示す図であり、等電位電界線が三重接合部の周囲を包み、これらの位置で応力を増加させることを示す。
【
図4】
図4は、
図1の改良された真空遮断器の等電位電界線を示す図であり、等電位電界線が三重接合部で偏向して高電界勾配の解消を助けることを示す。
【
図5】
図5は、開状態にある開示及びクレームされる概念の第2の実施形態に係る改良された真空遮断器の断面図である。
【
図6】
図6は、
図5に示された断面とは異なる断面に沿って切断されているように示される第2の実施形態の金属部品の断面図である。
【0010】
同様の参照符号は明細書全体を通じて同様の部分を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示及びクレームされる概念の第1の実施形態に係る改良された真空遮断器(VI)4を概して
図1及び
図2に示す。例示の真空遮断器4は、シリンダ12を含み、さらに参照符号16A及び16Bで示される一対のエンドキャップを含むということができるエンベロープ8を含む。エンベロープ8は、内部に減圧又は真空が形成される内部領域18を有する。
【0012】
シリンダ12は、セラミック又は他の適切な材料等の絶縁材料で形成され、それ故にそれ自体は絶縁性である。ここでは、シリンダ12は中空の円筒状であり、それに対して半径方向及び長手方向の両方を有するように描かれているが、他の実施形態では、開示された概念の精神から逸脱することなく、シリンダ12は長方形又は他の断面形状であり、依然として半径方向及び長手方向を有すると理解される。
【0013】
真空遮断器4は可動接点20及び固定接点24をさらに含む。可動接点20は、エンベロープ8上に可動に配置され、内部領域18内の減圧を維持しながら、エンドキャップ16Aに形成された開口を通って外方に延びる。固定接点24はエンベロープ8に対して固定され、エンドキャップ16Bに形成された開口を通って外方に延びる。可動接点20は、真空遮断器4を、例えば
図1に概して示す、可動接点20及び固定接点24が互いに電気的に切断されている開状態と、
図2に概して示す、可動接点20及び固定接点24が互いに電気的に接続されている閉状態との間で移動可能にするために、エンベロープ8に対して可動である。理解されるように、可動接点20及び固定接点24は、回路の保護された部分と電気的に接続可能である。
【0014】
エンドキャップは16A及び16Bのそれぞれは平面部28及び円筒部32を含むものとして概して特徴付けることができ、円筒部32は平面部28の周囲から突出している。円筒部32は接合部36でシリンダ12の端部に当接する。エンドキャップ16A及び16Bの円筒部32のそれぞれは、シリンダ12の両端に配置された接合部36のうちの1つを形成する。
【0015】
真空遮断器4は、絶縁材料でできており且つエンベロープ8の外側に形成されるコーティング40をさらに含む。コーティング40は、シリンダ12の外面に概して形成された第1の部分44と、参照符号48A及び48Bで示され、エンドキャップ16A及び16Bに且つ接合部36が位置するシリンダ12の端部領域に概して形成される一対の第2の部分とを含むと言うことができる。
【0016】
図1から分かるように、例えば、第1の部分44は、シリンダ12に対して半径方向56に測定された第1の厚さ52を有する。第1の厚さ52は、第2の部分48A及び48Bの間に概して延びるコーティング40の領域において実質的に不変の寸法を有する。他の実施形態では、第1の部分44又は第2の部分48A及び48Bは、この長さに沿ってリブ又は流域(watersheds)を追加で含むカプセル化された形状を有し得る。本明細書で説明するように、絶縁体の実質的に最大の直径が両端の三重接合部に適用される限り、トロイダルカプセル化の利点をここでも適用できる。
【0017】
第1の部分44とは対照的に、第2の部分48A及び48Bのそれぞれはトロイダルプロファイルを有する。これは、それぞれが弓状の外面64と、シリンダ12に対して長手方向70に沿って変化する半径方向56で測定した第2の厚さ60A及び60Bとを有することを意味する。第1の部分44に沿って存在し得る前述のリブ又は流域は、第2の端部48A及び48Bにおけるトロイダル形状よりも小さくなり得る。
【0018】
さらに、
図1及び
図2から分かるように、第2の部分48A及び48Bのそれぞれは、径方向56において対応する接合部36に隣接する長手方向70に沿った位置に、相対的に最も厚い領域と呼ぶことができる頂部68を有する。図示の例示の実施形態では、各頂部68は、径方向56においてエンベロープ8の対応する端部の接合部36と実質的に整列するように、長手方向70に沿った位置に位置する。長手方向は、軸方向に整列した可動接点20及び固定接点24を含む軸と平行及び/又は同軸であると見ることもできる。
【0019】
図示の例示の実施形態では、コーティング40は、約2.7~5の範囲の高い比誘電率を有し、より具体的には約3.5の比誘電率を有するシリコーン絶縁材料の単一のモールドから形成されている。このような高い比誘電率は、真空遮断器4の三重接合部である接合部36から電場を偏向するため有利である。例えば、
図3は、第1の部分48A及び第2の部分48Bなしで形成され、三重接合部Cを有するエンドキャップBを含む従来の真空遮断器を文字Xで示す。
図3は符号Aで示す一組の等電位磁力線を示し、
図3から、固定接点が存在し得る場所に向かう方向に少なくとも部分的にエンドキャップBを横切って延びることが分かる等電位磁力線Aのうちの1つをAAで示す。これは望ましくないものであり、開示及びクレームされる概念によって緩和される。
【0020】
より具体的には、
図4は、真空遮断器4の一部から延びる一組の等電位磁力線を符号72で示す。
図4から分かるように、第1の部分48Aは、等電位磁力線72によって示されているように、電界を有利に偏向させるため、電界がエンドキャップ16Aでフラッシュオーバーせず、それ故に接合部36に存在すると言える三重接合部が有利に損傷され難くなる。同じ利点が第2の部分48Bによって、エンドキャップ16Bに関して提供される。これにより、真空遮断器4を、
図3の真空遮断器Xよりも比較的高い電圧の用途で用いることが有利に可能になる。
【0021】
開示及びクレームされる概念の第2の実施形態に係る改善された真空遮断器104を概して
図5に示す。真空遮断器104は、真空遮断器104が絶縁シリンダ112と、一対の接合部136でシリンダ112に対応するエンドキャップ116A及び116Bを有し、内部が減圧されたエンベロープ108を含むという点で、真空遮断器4と同様である。エンベロープ108は、同様に、第1の部分144と、同様にトロイダル形状の一対の第2の部分148A及び148Bとを有するコーティング140を含む。しかしながら、第2の部分148A及び148Bのそれぞれは、第2の部分148A及び148Bを形成するシリコーン絶縁材料に加えて、符号150A及び150Bで示される金属部品を追加で有する。
【0022】
真空遮断器4のコーティング40と同様に、第1の部分144は、第1の部分148Aと第2の部分148Bとの間で実質的に変化しない寸法を有するシリンダ112に対して半径方向156で第1の厚さ152を有する。しかしながら、本明細書の他の箇所で説明したように、第1の部分144は、この長さに沿って端部トロイダルよりも小さいリブ又は流域を再び含むことができる。第2の部分148A及び148Bのそれぞれは、シリンダ112に対して長手方向170に沿って変化する、半径方向156で測定した第2の厚さ168及び160Bを有する。前述のように、第1の部分148A及び第2の部分148Bのそれぞれは長手方向170に沿って配置され、半径方向156において対応する接合部136に隣接し、図示の例示の実施形態では半径方向156において接合部136と実質的に整合する頂点168を有する。第2の部分148A及び148Bのそれぞれは、弓状で且つ図示の例示の実施形態ではトロイダル形状である外面164を有する。
【0023】
例示の真空遮断器104の金属部品150A及び150Bのそれぞれは、
図5及び
図6に図示され、第2の部分148A及び148Bのそれぞれのシリコーン材料に埋め込まれた金属体176を含む。各金属体176は概してリング状であり、エンドキャップ116A及び116Bのそれぞれの円筒部の周囲で延在し(extends about)、金属体176の少なくとも一部は接合部136と対応する第2の部分148A及び148Bの頂点168との間に概して配置される。図示の例示の実施形態では、金属部品150A及び150Bのそれぞれは第2の部分148A及び148Bのそれぞれのシリコーン材料の外面164に位置する金属コーティングの形態である金属被覆180をさらに含む。他の実施形態では、金属部品150A及び150Bは、本開示の趣旨から逸脱することなく、金属体176又は金属被覆180のいずれか又は両方を含み得ることが理解される。
【0024】
金属体176及び金属被覆180のそれぞれは、エンドキャップ116A及び116Bから離れ且つ接合部136から離れるように電界をさらに分散させるのに有利に支援し、これはさらに、フラッシュオーバー及び真空遮断器104の故障から真空遮断器104を保護するのに役立つ。これは、真空遮断器104を破壊のリスクなしに様々な高電圧用途に使用することを可能とするため有利である。必須ではないが、金属被覆は、閉状態にあるVIを介して伝導の間に渦電流加熱を防止するために非磁性であることがさらに有利である。他の利点も明らかである。
【0025】
開示の概念の特定の実施形態を詳細に説明してきたが、本開示の全体的な教示に照らして、これらの詳細に対する様々な修正及び代替が開発され得ることを当業者は理解するであろう。したがって、開示した特定の構成は例示のみを意図したものであり、開示の概念の範囲に関して限定するものではない。開示の概念の範囲には添付の特許請求の範囲及びそのあらゆる等価物の全範囲が与えられる。
【国際調査報告】