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特表2024-541382カニューレ繊維ルーメンひずみ緩和のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】カニューレ繊維ルーメンひずみ緩和のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20241031BHJP
   A61M 60/135 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
A61M25/00 600
A61M60/135
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529119
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 US2022050862
(87)【国際公開番号】W WO2023096966
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/282,407
(32)【優先日】2021-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510121444
【氏名又は名称】アビオメド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロックリン,キャム
【テーマコード(参考)】
4C077
4C267
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077EE01
4C077HH03
4C077HH13
4C267AA05
4C267BB12
4C267BB48
4C267BB62
4C267CC08
4C267DD10
(57)【要約】
カニューレと、光ファイバーを摺動可能に受けるように構成されたカニューレに取り付けられた可撓性ハイポチューブとを含むシステム。システムは、カニューレの内面の直径に対するハイポチューブの外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25であるように構成されてもよく、及び/又は、可撓性ハイポチューブは、外面から少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブの側壁を通って延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を含み、各切込みは0.01~0.1mmの最大幅を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面及び外面を有するカニューレであって、前記内面及び外面が厚さを有するカニューレ壁を画定し、前記カニューレの前記内面がそれを通る第1ルーメンを画定する、カニューレと、
前記カニューレに取り付けられた可撓性ハイポチューブであって、前記可撓性ハイポチューブが外面及び内面を有し、前記可撓性ハイポチューブの前記内面がそれを通る第2ルーメンを画定し、前記第2ルーメンが、それを通る光ファイバーを摺動可能に受けるように配置される、可撓性ハイポチューブと
を含み、
前記カニューレの前記内面の直径に対する前記ハイポチューブの前記外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25である、システム。
【請求項2】
前記光ファイバーが前記第2ルーメン内で自由に移動するように配置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記可撓性ハイポチューブの前記内面の直径に対する前記光ファイバーの外面の直径の比R2が1:3>R2>1:1.1である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記カニューレが可撓性フローカニューレである、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記光ファイバーの先端部分が前記インフローケージに取り付けられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記光ファイバーが、前記光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
光ファイバーセンサが心室圧を測定するように構成される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1ルーメンの基端部分に作動的に接続されたポンプをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメン内に位置付けられる、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメンの外側に位置付けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記可撓性ハイポチューブの少なくとも第1部分が前記第1ルーメン内に位置付けられ、前記可撓性ハイポチューブの少なくとも第2部分が前記第1ルーメンの外側に位置付けられる 請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記第2部分が、圧送デバイスのインフローケージ内に延在する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記可撓性ハイポチューブが先端部と、基端部と、管状部分であって、少なくとも部分的に前記ハイポチューブの外面から前記ハイポチューブの内面に延在する1つ又は複数の切込みを有する管状部分とを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記管状部分が、前記可撓性ハイポチューブを貫通して延在するとともに前記外面から前記内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含み、任意選択的に、各切込みが0.01~0.1mmの幅を有する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記管状部分が先端部分である、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項17】
前記可撓性ハイポチューブが、基端部分と、先端部分と、前記基端部分と先端部分との間の中間部分を有する、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの切込みが、前記可撓性ハイポチューブの前記中間部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの切込みが複数の同一のレーザ切込みを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込み開口から軸方向にオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記複数の同一のレーザ切込みが、少なくとも2つのらせん状パターンを画定する、請求項19に記載のシステム。
【請求項24】
内面及び外面を有するカニューレであって、前記カニューレの前記内面がそれを通る第1ルーメンを画定するカニューレと、
前記カニューレに取り付けられた可撓性ハイポチューブであって、前記可撓性ハイポチューブが外面及び内面を有し、前記内面及び外面がそれらの間に側壁を画定し、前記可撓性ハイポチューブの前記内面がそれを通る第2ルーメンを画定し、前記第2ルーメンが、それを通る光ファイバーを摺動可能に受けるように配置される可撓性ハイポチューブとを含み、前記可撓性ハイポチューブと
を含む、システムであって、
前記可撓性ハイポチューブが、管状部分であって、前記外面から少なくとも部分的に前記可撓性ハイポチューブの前記側壁を通って延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を含み、各切込みが0.01~0.1mmの幅を有する、システム。
【請求項25】
前記少なくとも1つの切込みが前記側壁を貫通して延在する、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記可撓性ハイポチューブが先端部と、基端部と、前記先端部から前記基端部に延在する前記管状部分とを有する、請求項24又は25に記載のシステム。
【請求項27】
前記可撓性ハイポチューブが先端部分と、基端部分とを有し、前記管状部分が、前記先端部分と前記基端部分との間に延在する中間部分である、請求項24~26のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記カニューレの前記内面の直径に対する前記ハイポチューブの前記外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25である、請求項24~27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記光ファイバーが前記第2ルーメン内で自由に移動するように配置される、請求項24~28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記可撓性ハイポチューブの前記内面の直径に対する前記光ファイバーの外面の直径の比R2が1:3>R2>1:1.1である、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記カニューレが可撓性フローカニューレである、請求項24~30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージをさらに含む、請求項24~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
前記光ファイバーの先端部分が前記インフローケージに取り付けられる、請求項32に記載のシステム。
【請求項34】
前記光ファイバーが、前記光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドを含む、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
光ファイバーセンサが心室圧を測定するように構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記第1ルーメンの基端部分に作動的に接続されたポンプをさらに含む、請求項24~35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメン内に位置付けられる、請求項24~36のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項38】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメンの外側に位置付けられる、請求項24~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記可撓性ハイポチューブの少なくとも一部が前記第1ルーメン内に位置付けられ、前記可撓性ハイポチューブの少なくとも一部が前記第1ルーメンの外側に位置付けられる、請求項24~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つの切込みが、前記可撓性ハイポチューブの前記中間部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する、請求項24~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記少なくとも1つの切込みが複数の同一のレーザ切込みを含む、請求項24~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされる、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記複数の同一のレーザ切込みが、少なくとも2つのらせん状パターンを画定する、請求項41に記載のシステム。
【請求項46】
血管内血液ポンプであって、
カテーテルと、
圧送デバイスであって、前記カテーテルの先端側に配置されるとともに、その先端部に、カニューレであって、それを通じて血液が、前記血管内血液ポンプの動作中に前記圧送デバイスにより吸引されるか排出されるかのいずれかであるカニューレを有する圧送デバイスと、
可撓性ハイポチューブにおいて摺動可能に置かれた少なくとも1つの光ファイバーを有する少なくとも1つのセンサであって、前記可撓性ハイポチューブが少なくとも部分的に前記カニューレに取り付けられ、前記可撓性ハイポチューブが、管状部分であって、前記可撓性ハイポチューブの外面から前記可撓性ハイポチューブの内面に向かって及び少なくとも部分的に前記可撓性ハイポチューブを通って延在する少なくとも1つの切込みを有する管状部分を含み、各切込みが0.01~0.1mmの幅を有する、少なくとも1つのセンサと
を含む、血管内血液ポンプ。
【請求項47】
前記可撓性ハイポチューブが、前記血液ポンプが患者の血管系を通って案内される間の前記可撓性ハイポチューブ及びカニューレの屈曲中の前記少なくとも1つの光ファイバーの破損を防ぐように、及び/又は前記圧送デバイスからの前記少なくとも1つのセンサの分離を防ぐように構成される、請求項46に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項48】
前記カニューレが可撓性フローカニューレである、請求項46又は47に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項49】
前記カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージをさらに含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項50】
前記センサの先端部分が前記インフローケージに取り付けられる、請求項49に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項51】
前記センサが、前記光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドを含む、請求項50に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項52】
前記センサが心室圧を測定するように構成される、請求項51に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項53】
前記カニューレが、内面であって、それを通る第1ルーメンを画定する内面を有する、請求項46~52のいずれか一項に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項54】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメン内に位置付けられる、請求項53に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項55】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメンの外側に位置付けられる、請求項53に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項56】
前記可撓性ハイポチューブの少なくとも第1部分が前記第1ルーメン内に位置付けられ、前記可撓性ハイポチューブの少なくとも第2部分が前記第1ルーメンの外側に位置付けられる、請求項53に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項57】
前記少なくとも1つの切込みが、前記可撓性ハイポチューブの前記中間部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する、請求項46~56のいずれか一項に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項58】
前記少なくとも1つの切込みが複数の同一のレーザ切込みを含む、請求項46~56のいずれか一項に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項59】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされる、請求項58に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項60】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、請求項58に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項61】
少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる、請求項60に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項62】
前記複数の同一のレーザ切込みが、少なくとも2つのらせん状パターンを画定する、請求項58に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項63】
前記カニューレの内面の直径に対する前記ハイポチューブの前記外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25である、請求項46~62のいずれか一項に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項64】
前記可撓性ハイポチューブの前記内面の直径に対する前記光ファイバーの外面の直径の比R2が1:3>R2>1:1.1である、請求項46~63のいずれか一項に記載の血管内血液ポンプ。
【請求項65】
血液ポンプの挿入及び使用中の光ファイバーのひずみを減らす方法であって、
血液ポンプであって、
内面及び外面を有するカニューレであって、前記内面がそれを通る第1ルーメンを画定するカニューレと、
前記カニューレに取り付けられた可撓性ハイポチューブであって、前記可撓性ハイポチューブが外面及び内面を有し、前記内面がそれを通る第2ルーメンを画定し、前記可撓性ハイポチューブが、管状部分であって、少なくとも部分的に前記可撓性ハイポチューブを通って前記可撓性ハイポチューブ前記外面から前記可撓性ハイポチューブの内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を含み、各開口が0.01~0.1mmの幅を有する可撓性ハイポチューブと、
外面を有する光ファイバーであって、前記光ファイバーが前記可撓性ハイポチューブにおいて摺動可能に置かれた光ファイバーと
を含む血液ポンプを提供することと、
前記血液ポンプが移動している間に前記光ファイバーが前記可撓性ハイポチューブ内を軸方向に移動するのを可能にすると同時に、前記血液ポンプを患者の血管系を通して移動させることと
を含む、方法。
【請求項66】
光ファイバーセンサヘッドからの伝送された光信号を評価デバイスで入力として受信することと、
前記伝送された光信号を使用して圧力を決定することと
をさらに含む、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記カニューレが可撓性フローカニューレである、請求項65又は66に記載の方法。
【請求項68】
前記血液ポンプが、前記カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージをさらに含む、請求項65~67のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記光ファイバーの先端部分が前記インフローケージに取り付けられる、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記血液ポンプが、前記光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドをさらに含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記光ファイバーセンサヘッドが心室圧を測定するように構成される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記カニューレが、内面であって、それを通る第1ルーメンを画定する内面を有する、請求項67~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメン内に位置付けられる、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記可撓性ハイポチューブが前記第1ルーメンの外側に位置付けられる、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記可撓性ハイポチューブの少なくとも第1部分が前記第1ルーメン内に位置付けられ、前記可撓性ハイポチューブの少なくとも第2部分が前記第1ルーメンの外側に位置付けられる、請求項72に記載の方法。
【請求項76】
前記少なくとも1つの切込みが、前記可撓性ハイポチューブの中間部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する、請求項65~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記少なくとも1つの切込みが複数の同一のレーザ切込みを含む、請求項65~75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされる、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記複数の同一のレーザ切込みの各々が、前記複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記複数の同一のレーザ切込みが、少なくとも2つのらせん状パターンを画定する、請求項77に記載の方法。
【請求項82】
前記カニューレの内面の直径に対する前記ハイポチューブの前記外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25である、請求項65~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記可撓性ハイポチューブの前記内面の直径に対する前記光ファイバーの外面の直径の比R2が1:3>R2>1:1.1である、請求項65~82のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年11月23日に出願された、その内容全体が本明細書に組み込まれる、米国仮特許出願第63/282,407号の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本開示は、測定するための、例えば患者の血管系内の圧力を測定するための1つ又は複数のセンサを有する血管内血液ポンプに関する。
【背景技術】
【0003】
背景
血管内血液ポンプは、外科的に又は経皮的に患者に導入され得るとともに、心臓又は循環系におけるある位置から心臓又は循環系における別の位置に血液を送達するために使用され得る。例えば、左心において展開されると、血管内血液ポンプは血液を心臓の左心室から大動脈内へ圧送し得る。同様に、右心において展開されると、血管内血液ポンプは血液を下大静脈から肺動脈内へ圧送し得る。そのような血液ポンプの例は、デバイスのImpella(登録商標)ファミリ(Abiomed、Inc.、Danvers、MA)を含む。
【0004】
血液ポンプは、患者の血管系を測定するための1つ又は複数のセンサを有し得る。例えば、血管内血液ポンプは、血液ポンプを作動させるために及び/又は患者の心臓の健康状態を評価するために使用され得る、患者の血管系、特定に患者の心室腔内の圧力を測定するための1つ又は複数の光学センサを含み得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示の第1態様は、特定の幾何学的関係のカニューレと可撓性ハイポチューブとを含むシステムに向けられる。カニューレ(可撓性フローカニューレであってもよい)は内面と厚さを有するカニューレ壁を画定する外面とを有し、カニューレの内面はそれを通る第1ルーメンを画定する。可撓性ハイポチューブはカニューレに取り付けられ、外面と内面とを有し、内面はそれを通る第2ルーメンを画定する。システムは、カニューレの内面の直径に対するハイポチューブの外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25であるように構成される。第2ルーメンは、それを通る光ファイバーを摺動可能に受けるように配置される。
【0006】
有利には、光ファイバーが第2ルーメン内で自由に移動するように配置される。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブの内面の直径に対する光ファイバーの外面の直径の比R2は1:3>R2>1:1.1である。
【0007】
いくつかの実施形態において、システムは、カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージをさらに含む。いくつかの実施形態において、光ファイバーの先端部分がインフローケージに取り付けられる。いくつかの実施形態において、光ファイバーは光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドを含み、センサは、例えば心室圧を測定するように構成され得る。
【0008】
いくつかの実施形態において、システムは、第1ルーメンの基端部分に作動的に接続されたポンプをさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメン内に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメンの外側に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分が第1ルーメン内に位置付けられ、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分が第1ルーメンの外側に位置付けられる。
【0010】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは、先端部、基端部、及び先端部と基端部との間の管状部分を有し、管状部分は、可撓性ハイポチューブの壁を少なくとも部分的に、例えば外面から内面に向かって延在する少なくとも1つのレーザ切込みを含む。いくつかの実施形態において、切込み(又は切込みのサブセット)はハイポチューブの壁を貫通して延在し得る。いくつかの実施形態において、各切込みは0.01mm~0.1mmの幅を有し得る。いくつかの実施形態において、管状部分は先端部と基端部との間を貫通して延在し得る。そのような実施形態において、先端部及び基端部を除くハイポチューブ全体が切込みを含み得る。他の実施形態において、管状部分は、ハイポチューブの長さの、先端部及び基端部の間の部分を含む。例えば、管状部分はハイポチューブの長さの20%~80%であり得る。いくつかの実施形態において、管状部分は先端部及び基端部の間で中心に位置付けられる。この点に関して、管状部分はハイポチューブの中央部分であり得る。
【0011】
理解されるように、ハイポチューブ及び管状部分は、断面が円形であるとして示されているが、任意の好適な断面形状を有してもよい。例えば、他の実施形態において、ハイポチューブ及び管状部分は卵形、三角形、四角形、他の多角形又は他の好適な形状であってもよい。
【0012】
本明細書において説明されたとおりの、少なくとも1つの切込み(例えばレーザ切込み)は様々な構成で存在し得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは、可撓性ハイポチューブの管状部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する。
【0013】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは複数の同一のレーザ切込みを含む。いくつかの実施形態において、複数の同一のレーザ切込みの各々は、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされてもよい。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みの各々は、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にオフセットされてもよく、少なくとも1つのレーザ切込みは、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、例えば隣接するレーザ切込みから45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みは、少なくとも2つのらせん状パターン、例えば円周方向にオフセットされた2つのらせん状パターンを画定し得る。
【0014】
本開示の第2態様は、カニューレと可撓性ハイポチューブとを有するシステムに向けられ、可撓性ハイポチューブはハイポチューブにおいてレーザ切込みを含む。カニューレ(可撓性フローカニューレであってもよい)は内面と厚さを有するカニューレ壁を画定する外面とを有し、カニューレの内面はそれを通る第1ルーメンを画定する。可撓性ハイポチューブはカニューレに取り付けられてもよく、外面と内面とを有し、内面はそれを通る第2ルーメンを画定する。可撓性ハイポチューブは、外面から少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブの側壁を通って延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を含み、各切込みは0.01mm~0.1mmの最大幅を有する。第2ルーメンは、それを通る光ファイバーを摺動可能に受けるように配置される。
【0015】
本明細書において説明されたとおり、光ファイバーはハイポチューブの第2ルーメン内で自由に移動するように配置され得る。いくつかの実施形態において、システムは、可撓性ハイポチューブの内面の直径に対する光ファイバーの外面の直径の比R2が1:3>R2>1:1.1であるように構成される。いくつかの実施形態において、システムは、カニューレの内面の直径に対するハイポチューブの外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25であるように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブはコーティング又はジャケットを含み得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、システムはまた、カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージを含む。いくつかの実施形態において、光ファイバーの先端部分はインフローケージに取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、光ファイバーは光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドを含み、センサは、例えば心室圧を測定するように構成され得る。
【0018】
いくつかの実施形態において、システムは、第1ルーメンの基端部分に作動的に接続されたポンプをさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメン内に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメンの外側に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分が第1ルーメン内に位置付けられ、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分が第1ルーメンの外側に位置付けられる。
【0020】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは先端部分、基端部分、及び先端部分と基端部分との間の管状部分を含み、管状部分は、少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブの壁を通って外面から内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含み、各切込みは0.01~0.1mmの最大幅を有する。いくつかの実施形態において、切込みはハイポチューブを貫通して延在し得る。
【0021】
上記と同様に、少なくとも1つの切込みは様々な構成を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは、可撓性ハイポチューブの管状部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは複数の同一のレーザ切込みを含む。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みの各々は、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされる。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みの各々は、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込みは、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、例えば隣接するレーザ切込みから45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みは、少なくとも2つのらせん状パターン、例えば円周方向にオフセットされた2つのらせん状パターンを画定し得る。
【0022】
本開示の第3態様は血管内血液ポンプに向けられる。ポンプは一般にカテーテル、圧送デバイス、及び少なくとも1つのセンサを含む。圧送デバイスはカテーテルの先端側に配置されてもよく、その先端部に、カニューレ(可撓性フローカニューレであってもよい)であって、それを通じて血液が、血管内血液ポンプの動作中に圧送デバイスにより吸引されるか排出されるかのいずれかであるカニューレを有する。少なくとも1つのセンサは可撓性ハイポチューブにおいて摺動可能に配置された少なくとも1つの光ファイバーを有し、可撓性ハイポチューブは少なくとも部分的にカニューレに取り付けられ、可撓性ハイポチューブは、管状部分であって、少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブの壁を通って可撓性ハイポチューブの外面から可撓性ハイポチューブの内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を有する。いくつかの実施形態において、切込みは、可撓性ハイポチューブ壁を貫通して延在し得る。いくつかの実施形態において、各切込みは0.01mm~0.1mmの幅を含む。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは、血液ポンプが患者の血管系を通って案内される間の可撓性ハイポチューブ及びカニューレの屈曲中の少なくとも1つの光ファイバーの破損を最小化する及び/又は防ぐように構成される。
【0023】
有利には、光ファイバーは第2ルーメン内で自由に移動するように配置される。いくつかの実施形態において、システムは、可撓性ハイポチューブの内面の直径に対する光ファイバーの外面の直径の比R2が1:3>R2>1:1.1であるように構成される。いくつかの実施形態において、システムは、カニューレの内面の直径に対するハイポチューブの外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25であるように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態において、システムはまた、カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージを含む。いくつかの実施形態において、光ファイバーの先端部分がインフローケージに取り付けられる。いくつかの実施形態において、光ファイバーは光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドを有し、センサは、例えば心室圧を測定するように構成され得る。
【0025】
いくつかの実施形態において、システムは、第1ルーメンの基端部分に作動的に接続されたポンプをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメン内に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメンの外側に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分は第1ルーメン内に位置付けられてもよく、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分が第1ルーメンの外側に位置付けられる。
【0027】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは先端部分、基端部分、及び管状部分であって、少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブを通って(例えば外面から内面に向かって)延在する少なくとも1つの切込みを有する管状部分を含む。例えば、切込みはハイポチューブ壁を貫通して延在し得る。いくつかの実施形態において、各切込みは0.01mm~0.1mmの最大幅を含む。少なくとも1つの切込みは様々な構成を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは、可撓性ハイポチューブの管状部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは複数の同一のレーザ切込みを含む。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みの各々は、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされる。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みの各々は、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込みは、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、例えば隣接するレーザ切込みから45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みは、少なくとも2つのらせん状パターン、例えば円周方向にオフセットされた2つのらせん状パターンを画定する。
【0028】
本開示の第4態様は、血液ポンプの挿入及び使用中の光ファイバーのひずみを減らす方法である。方法は、血液ポンプであって、(i)内面及び外面を有するカニューレ(可撓性フローカニューレであってもよい)であって、内面がそれを通る第1ルーメンを画定するカニューレと、(ii)カニューレに取り付けられた可撓性ハイポチューブであって、可撓性ハイポチューブが外面及び内面を有し、内面がそれを通る第2ルーメンを画定し、可撓性ハイポチューブが、管状部分であって、少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブを通って可撓性ハイポチューブの外面から可撓性ハイポチューブの内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を含み、各開口が0.01~0.1mmの幅を有する可撓性ハイポチューブと、(iii)外面を有する光ファイバーであって、光ファイバーが可撓性ハイポチューブにおいて摺動可能に置かれた光ファイバーとを有する血液ポンプを提供することを含む。方法は次いで、血液ポンプが移動している間に光ファイバーが可撓性ハイポチューブ内を軸方向に移動するのを可能にすると同時に、血液ポンプを患者の血管系を通して移動させることを含む。
【0029】
いくつかの実施形態において、方法は、光ファイバーセンサヘッドからの伝送された光信号を評価デバイスで入力として受信することと、次いで、伝送された光信号を使用して圧力を決定することとをさらに含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、光ファイバーは第2ルーメン内で自由に移動するように配置される。いくつかの実施形態において、本方法の血液ポンプは、可撓性ハイポチューブの内面の直径に対する光ファイバーの外面の直径の比R2が1:3>R2>1:1.1であるように構成される。いくつかの実施形態において、本本方法の血液ポンプは、カニューレの内面の直径に対するハイポチューブの外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25であるように構成される。
【0031】
いくつかの実施形態において、本方法の血液ポンプは、カニューレの先端部分に又は近くに接続されたインフローケージをさらに含む。いくつかの実施形態において、光ファイバーの先端部分はインフローケージに取り付けられる。いくつかの実施形態において、光ファイバーは光ファイバーの先端部に光ファイバーセンサヘッドを有し、センサは、例えば心室圧を測定するように構成され得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、本方法の血液ポンプは、第1ルーメンの基端部分に作動的に接続されたポンプをさらに含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメン内に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは第1ルーメンの外側に位置付けられ得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分が第1ルーメン内に位置付けられ、可撓性ハイポチューブの少なくとも1つの部分が第1ルーメンの外側に位置付けられる。
【0034】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは先端部分、基端部分、及び先端部分と基端部分との間の管状部分を有し、管状部分は少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブを通って外面から内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含み、各切込みは0.01~0.1mmの幅を有する。
【0035】
上記と同様に、少なくとも1つの切込みは様々な構成を含み得る。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは、可撓性ハイポチューブの管状部分に沿って軸方向に延在するらせん状の切込みを画定する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは複数の同一のレーザ切込みを含む。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みの各々は、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にのみオフセットされる。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みの各々が、複数の同一のレーザ切込みの全ての他のレーザ切込みから軸方向にオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込みが、隣接するレーザ切込みから円周方向にオフセットされる、例えば隣接するレーザ切込み開口から45°、90°、又は180°円周方向にオフセットされる。これらの実施形態の一部において、複数の同一のレーザ切込みは、少なくとも2つのらせん状パターン、例えば円周方向にオフセットされた2つのらせん状パターンを画定する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面の簡単な説明
図1】大動脈弁を通って左心室内に延在するとともに一体化圧力センサを有する大動脈を通して置かれた血液ポンプの図である。
図2A】可撓性ハイポチューブの実施形態の概略断面図である。
図2B】カニューレ、可撓性ハイポチューブ、及び光ファイバーの実施形態の概略断面図である。
図2C】可撓性ハイポチューブがカニューレ内部に配置されたカニューレの実施形態の概略断面図である。
図3A】開示されたとおりの切込みを備えた可撓性ハイポチューブの概略図である。
図3B】可撓性ハイポチューブにおいて作られた切込みの代替例の側面図である。
図3C】可撓性ハイポチューブにおいて作られた切込みの代替例の側面図である。
図3D】可撓性ハイポチューブにおいて作られた切込みの代替例の側面図である。
図3E】可撓性ハイポチューブにおいて作られた切込みの代替例の側面図である。
図3F】可撓性ハイポチューブにおいて作られた切込みの代替例の側面図である。
図3G】可撓性ハイポチューブにおいて作られた切込みの代替例の側面図である。
図3H】可撓性ハイポチューブの、カニューレに結合された部分の軸方向断面図である。
図3I】カニューレに結合された可撓性ハイポチューブの拡大又は詳細画像である。
図4図1からの血液ポンプの圧送デバイスのより詳細な図である。
図5】開示された方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
詳細な説明
周知のように、血液ポンプは患者を監視するためのセンサを有し得る。例えば、血管内血液ポンプは、光学センサであって、血液ポンプを作動させるために及び/又は患者の心臓の健康の状態を評価するために使用され得る、患者の血管系内、特に患者の心室腔の圧力を測定するための光学センサを含み得る。
【0038】
発明者により理解されるとおり、カニューレは、心臓に配置される途中で、カニューレに沿って置かれた光ファイバーに無視できない引張及び圧縮応力をかけ得る大きい屈曲又は湾曲を受けることがあり、このことは光ファイバーへの損傷を引き起こし得る。例えば、説明のための例において、光ファイバーは引張及び圧縮応力を原因として挿入中にポンプハウジングから分離し得る。これはまた、ガラスでできている光ファイバーにも当てはまり得る。そのような光ファイバーは通常は、破損からのいくらかの保護を提供する薄いプラスチックコーティング、例えばポリイミド(カプトン)で覆われているが、引張及び圧縮応力を原因とする挿入中の破損の危険性は依然として問題を含む。例えば、そのような損傷は、(例えば光ファイバーが破損した場合)血液ポンプ全体が交換されなければならないという結果を招き得る。
【0039】
相応して、発明者は、カニューレ、例えば可撓性フローカニューレと関連する光ファイバーのひずみを緩和するためのシステム及び方法の利点を認識している。本明細書において説明されたとおり、いくつかの実施形態において、システムは、可撓性ハイポチューブであって、中に光ファイバーが摺動可能に配置される可撓性ハイポチューブを含み得る。この点に関して、ハイポチューブは、保護スリーブであって、中に光ファイバーが置かれ得る保護スリーブを形成し得る。いくつかの実施形態において、ハイポチューブはカニューレと関連付けられる。例えば、ハイポチューブはカニューレの内側又は外側に配置され得る。ハイポチューブは1つ又は複数の切込み(例えばレーザ切込み)を含み得る。
【0040】
ここで図を見ると、図1は、患者の心臓に導入され得るカテーテル10を有する例示的な血管内血液ポンプを示す。例えば、この図において示されるとおり、いくつかの実施形態においてポンプは下行大動脈11に逆行して挿入されてもよい。周知のように、下行大動脈は、大動脈12の、第1に心臓から上がり、次いで下行する部分であり、大動脈弓14を有する。大動脈12の始まりには、大動脈弁15であって、左心室16を大動脈12に結合するとともに血管血液ポンプが中を通って延在し得る大動脈弁15が位置する。理解されるように、血液ポンプは他の好適な部分に挿入されてもよい。
【0041】
図1に示されるとおり、血管内血液ポンプは、回転圧送デバイス50であって、カテーテルホース20の先端部に締結されるとともにそこからある軸方向距離に配置されたモータセクション51とポンプセクション52(本明細書においては単純に「ポンプ」と呼ばれるときもある)とを有する回転圧送デバイス50と、カニューレ53(可撓性フローカニューレであってもよい)であって、ポンプセクション52のインフロー端から先端方向に突出するとともにその端に位置する吸引入口54を有するカニューレ53とを含み得る。吸引入口54の先端側には、例えば「ピッグテール」として又はJ字形で構成され得るやわらかい可撓性の先端55が提供される。カテーテルホース20を通じて、圧送デバイス50を作動させるのに重要であり得る異なるライン及びデバイスが延在し得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、ポンプは、2つの光ファイバー28A、28Bであって、それらの基端部で評価デバイス100に取り付けられ得る2つの光ファイバー28A、28Bを含み得る。これらの光ファイバー28A、28Bはそれぞれ、光学センサ(例えば圧力センサ)であって、そのセンサヘッド30及び60が一方で吸引入口54の近傍に、他方でポンプセクション52のハウジングの外側に位置し得る光学センサの一部であり得る。図1では、センサヘッド30が血液ポンプの外側にあるとして示されているが、センサヘッドはまた血液ポンプの内部、好ましくはインフローケージ内に位置することもでき、インフローケージは、吸引入口54を画定するそれを通じたルーメンを有する。そのような実施形態において、情報(例えば圧力情報)はセンサヘッド30及び60により評価デバイス100に伝送されてもよく、評価デバイス100において電気信号に変換されてもよく、例えばディスプレイスクリーン101に表示されてもよい。
【0043】
本開示の態様によると、図2A及び2Bに示されるとおり、血管内ポンプは、光ファイバーを受け入れるための可撓性ハイポチューブ27を含み得る。例えば、光ファイバーは可撓性ハイポチューブに摺動可能に受け入れられる。これらの図を考慮して理解されるように、ハイポチューブはカニューレの内面又は外面に沿って延在し得る。さらに理解されるとおり、いくつかの実施形態において、ハイポチューブは、部分的にカニューレの内面に沿って、及び部分的にカニューレの外側に沿って延在し得る。例えば、いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブの1つ又は複数の部分がカニューレの内側に配置されてもよい一方で、可撓性ハイポチューブの1つ又は複数の他の部分はカニューレの外側に配置されてもよい。可撓性ハイポチューブの1つ又は複数の部分はまた、血液ポンプの、カニューレとは異なる部分(例えばインフローケージ上又は内)に延在し得る。
【0044】
いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは先端部、基端部、及び本明細書において説明されたとおりの1つ又は複数の切込みを含む管状部分を有し得る。本明細書において説明されたとおり、管状部分は、基端及び先端部の間で可撓性ハイポチューブの長さに沿って延在し得る。いくつかの実施形態において、管状部分はハイポチューブの長さ全体に沿って延在し得る。他の実施形態において、管状部分はハイポチューブの長さの一部のみに沿って延在し得る。例えば、いくつかの実施形態において、管状部分はハイポチューブの中間部分を含み得る。そのような実施形態において、ハイポチューブは先端部分、中間部分、及び基端部分を含み得る。例えば、可撓性ハイポチューブ100Aが基端部分120A、中間部分130A、及び先端部分140Aを含む図3Aを参照されたい。
【0045】
図2A及び3Aに示されるとおり、例えば、可撓性ハイポチューブは可撓性フローカニューレに取り付けられ得る。可撓性ハイポチューブは外面111と内面112とを有することができ、内面は基端部170Aから先端部171Aに延在するルーメンを画定する。いくつかの実施形態において、ハイポチューブはフローカニューレの外面の一部に沿って延在し得る(例えば図2Aを参照)。他の実施形態において、ハイポチューブはフローカニューレの内面の一部に沿って延在し得る(例えば図2Bを参照)。依然として他の実施形態において、ハイポチューブは、フローカニューレの内面及び外面の各々の一部に沿って延在し得る。
【0046】
光ファイバー28A、28Bが置かれた可撓性ハイポチューブ27は、いくつかの実施形態において、カテーテルホース20内へ短く(例えば6インチ未満)延在することができるが、カテーテルホース20を貫通して延在して関連する圧力センサを評価デバイス100の接続部内へ挿入するためにラインの終わりの対応するプラグにおいて終端することもできる(図1を参照)。
【0047】
いくつかの実施形態において(例えば図4を参照)、カニューレ53は、デバイスを患者の血管系に置くことを円滑にし得る予屈曲を有し得る。この予屈曲を原因として、カニューレ53は内側曲率半径と外側曲率半径とを有してもよく、それらの間に、実質的に中間に、中立屈曲平面が延在する。そのような実施形態において、ハイポチューブ(hypotoube)はフローカニューレの予屈曲で屈曲するように構成され得る。
【0048】
可撓性ハイポチューブは、単一の壁付き、中空チューブを含み得る。いくつかの実施形態において、ハイポチューブは、単一の壁付き、中空チューブの周りに1つ又は複数のコーティングを含み得る。例えば、図2Cにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、ハイポチューブ27は、単一の壁付き、中空チューブ162の外側に外側ジャケット161を含んでもよく、単一の、壁付き、中空チューブは、本明細書において説明された1つ又は複数の切込みを有する。いくつかの実施形態において、ハイポチューブ27は、単一の壁付き、中空チューブ162の内側に内側コーティング163を含み得る。いくつかの実施形態において、ハイポチューブ27は外側ジャケット161と内側コーティング163の両方を含み得る。理解されるように、いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは内側ジャケットのみ又は外側ジャケットのみを含んでもよい。いくつかの実施形態において、外側ジャケット及び内側コーティングは同じ材料からなる。いくつかの実施形態において、外側ジャケット及び内側コーティングは異なる材料からなる。
【0049】
可撓性ハイポチューブは長さ113を有する。いくつかの実施形態において、ハイポチューブは4~8cmの長さ、例えば5~7cmの長さであってもよい。
【0050】
図2A及び3Aに示されるとおり、可撓性ハイポチューブは、基端部から先端部に外径114を画定する外面111を有し得る。可撓性ハイポチューブはまた、(例えば基端部170から先端部171に)貫通するルーメンを画定する内径115を有する内面112を含み得る。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは0.130mm~0.275mm、例えば0.140mm~0.160mmの内径を有し得る。外径114と内径115との間の差は可撓性ハイポチューブの壁厚さを画定し得る。いくつかの実施形態において、壁厚さは0.045mm~0.090mm、例えば0.050mm~0.070mmであり得る。
【0051】
図2A及び2Bを手短に参照すると、光ファイバー28Aは、カニューレ53に取り付けられた可撓性ハイポチューブ27のルーメン内に存在し得る。例えば、いくつかの実施形態において、ハイポチューブは、カニューレの外面に取り付けられてもよい(図2Aを参照)一方で、他の実施形態においては、ハイポチューブはカニューレの内面に取り付けられてもよい(図2Bを参照)。相応して、図2Aにおいて、可撓性ハイポチューブ及び光ファイバーは第1ルーメンの外側に位置付けられてもよい一方で、図2Bにおいて、可撓性ハイポチューブ及び光ファイバーは第1ルーメン内に位置付けられてもよい。理解されるように、可撓性ハイポチューブの第1部分は第1ルーメン内に位置付けられてもよい一方で、可撓性ハイポチューブの一部は第1ルーメンに位置付けられる。
【0052】
これらの図に表されているとおり、可撓性ハイポチューブ27の外径114は、カニューレ53を通ってルーメンを画定する内径117より小さくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの構成要素は、カニューレ53の内面の直径117に対するハイポチューブ27の外面の直径114の比R1が1:5>R1>1:25であるように構成され得る。すなわち、カニューレの当該内径はハイポチューブの外径より5~25倍大きくてもよい、例えばハイポチューブの外径より15~25倍より大きくてもよい(すなわち、1:15>R1>1:25)。
【0053】
さらに、可撓性ハイポチューブ27の内径115は光ファイバー28Aの外径116より大きくてもよい。いくつかの実施形態において、これらの構成要素は、可撓性ハイポチューブ27の内面の直径115に対する光ファイバー28Aの外面の直径116の比R2が1:3>R2>1:1.1、例えば1:2>R2>1:1.1であり得るように構成される。
【0054】
いくつかの実施形態において、光ファイバーが可撓性ハイポチューブの移動とは無関係に軸方向に移動し得るように、光ファイバーは第2ルーメン内で自由に移動するように配置され得る。いくつかの実施形態において、この自由は光ファイバーが可撓性ハイポチューブに接続されていないことによるものであり得る。いくつかの実施形態において、この自由は、可撓性ハイポチューブ内に緩んだ、又は余剰の、光ファイバーがあることによるものであり得る。例えば、いくつかの実施形態において、光ファイバーは、ハイポチューブの基端部で又は近くでハイポチューブに取り付けられ得る(すなわちハイポチューブに接着される、又は他の方法でハイポチューブとは無関係に軸方向に移動することを制限される)一方で、可撓性ハイポチューブ内の光ファイバーの線形長さは可撓性ハイポチューブの線形長さより長くてもよく(例えば最大で1.1~1.2倍長い)、その結果、カニューレ及び可撓性ハイポチューブが屈曲すると、光ファイバーが実質的な緊張を受けないように十分な余剰の光ファイバーがハイポチューブ内にあり得る。理解されるように、光ファイバーはまた、ハイポチューブの他の好適な部分に及び/又はポンプ(例えばインフローケージで)に取り付けられてもよい。
【0055】
図3A~3Gに示されるとおり、可撓性ハイポチューブは少なくとも1つの切込みを備えた管状部分を含み得る。本明細書において説明されたとおり、切込みは、特定の方向に屈曲するときにハイポチューブが呈する容易さ(又は抵抗)を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態において、切込みは、ハイポチューブが1つのみの方向に、例えばハイポチューブが置かれるカニューレの定められた屈曲方向に屈曲し得るように配置され得る。ハイポチューブはまた、全ての方向に屈曲するように構成され得る。
【0056】
図3Aにおいて見られるとおり、システムのいくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは、先端部171の又は近くの先端部分140A、基端部170の又は近くの基端部分120A、及び管状部分130Aであって、外面111から内面112に向かって少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブを通って(例えば可撓性ハイポチューブの壁を部分的にのみ通って)延在する少なくとも1つの切込み150Aを有する管状部分130Aを含み得る。いくつかの実施形態において、先端部分は先端部からある距離延在することができ、基端部分は基端部からある距離延在することができる。いくつかの実施形態において、各切込みは、可撓性ハイポチューブの壁を(例えば外面から内面まで)貫通して延在し得る。
【0057】
各切込みの長さが変わり得る一方で、各切込みは0.01~0.1mmの幅w155を有し得る。本明細書の目的上、ハイポチューブの表面に沿ってポイントAとポイントBとの間に作られた切込みは、真っ直ぐな、湾曲した、又は自由形状の経路である流跡線に従い得る。流跡線はある距離(すなわち流跡線の長さ)を有することができ、切込み(例えばレーザ切込み)を形成する手段は切込みの幅wを画定し得る。いくつかの実施形態において、切込みの幅wは流跡線全体に沿って一定であり得る。他の実施形態において、切込みの幅wは変化し得る。例えば、いくつかの実施形態において、切込みの幅は、(丸い形などであり得る)各切込みの最後の端180を除いて、一定であり得る。他の実施形態において、切込みの幅は他の好適な部分において変わり得る。
【0058】
図3A~3Gに示されるとおり、異なるパターンの切込みが用いられ得る。
【0059】
図3A及び3Bにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込み150A、150Bは、可撓性ハイポチューブ100A、100Bの切込み長さ130A、130Bに沿って軸方向に延在するらせん状(又は渦巻き状)切込みを画定する単一の切込みを含む。渦巻き状パターンは一定のピッチを有してもよく又は様々なピッチを有してもよい。いくつかの実施形態において、ピッチは0.3mm~1.0mmであり得る。一実施形態において、ピッチは0.5mmであり得る。
【0060】
理解されるように、切込みの長さ(例えば管状部分の長さ)はハイポチューブの長さ全体(例えば図3Bにおいては、ハイポチューブ100Bの先端部171Bと基端部170Bとの間)に沿って延在し得る。図3Aに示されるものなど、他の実施形態において、切込みの長さ(例えば管状部分の長さ)はハイポチューブの中央部分を含み得る。本明細書の目的上、中央部分130Aはハイポチューブの長さの20%~80%を含み得る。いくつかの実施形態において、中央部分は、ハイポチューブの先端部171Aと基端部170Aとの間で中心に位置付けられる。
【0061】
いくつかの実施形態は単一の切込みのみを使用するが、いくつかの実施形態において、少なくとも1つの切込みは複数の同一の切込み、例えば複数の同一のレーザ切込み開口を含んでもよい。
【0062】
例えば、図3C及び3Dに示されるとおり、切込みは部分的渦巻き状切込みを含み得る。理解されるように、複数の切込みは、ハイポチューブの円周の周りに及びハイポチューブの長さに沿って延在し得る。図3Cにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、第1部分的渦巻き状切込み150C及び第2部分的渦巻き状切込み151Cは、第1渦巻き状切込みの流跡線及び第2渦巻き状切込みの流跡線が拡張されると、それらが交差するとともに連続的な渦巻き状パターンを形成するように構成され得る。図3Dにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、第1部分的渦巻き状切込み150D及び第2部分的渦巻き状切込み151Dの流跡線は互いに平行であってもよいが、拡張された場合交差しなくてもよい。むしろ、部分的切込みは、各切込みの一部(例えば底部エッジ、頂部エッジ、中心点、など)が、想像線181により接続された場合、渦巻き状パターンを画定するように、構成され得る。いくつかの実施形態において、各切込みは、切込みの流跡線が線形であるように構成され得る。いくつかの実施形態において、各切込みは、切込みの流跡線が非線形であるように構成され得る。いくつかの実施形態において、各切込みは、切込みの流跡線がハイポチューブの軸に垂直な平面にあるように作られ得る。いくつかの実施形態において、各切込みは、独立して、切込みの流跡線がハイポチューブの軸に垂直ではない平面にあるように作られ得る。
【0063】
図3Eにおいて見られるとおり、少なくとも1つの切込みは、第1渦巻き状切込み150E、同一の第2渦巻き状切込み151E、同一の第3渦巻き状切込み152E、及び同一の第4渦巻き状切込み153Eを含む、断続的ならせん状若しくは渦巻き状パターン又は切込みの反復パターンを含み得る。渦巻き状パターンは一定のピッチを有してもよく又は様々なピッチを有してもよい。いくつかの実施形態において、ピッチは0.3mm~1.0mmであり得る。例えば、ピッチは0.5mmであり得る。
【0064】
図3Eに示されるとおり、第1切込み150E及び第2切込み151Eは、可撓性ハイポチューブの先端部から同じ軸方向距離156Eで始まり得るが、互いから円周方向にオフセットされ得る(すなわち、各切込みの端はハイポチューブの先端部から同じ軸方向距離にあるが、パターンは、互いに対してハイポチューブの軸の周りで「回転」させられる)。いくつかの実施形態において、円周方向のオフセットは隣接するレーザ切込み開口から±45°、±90°、又は180°である。隣接するレーザ切込み開口は、一般に、間に介在する他のレーザ切込み開口がない2つの異なるレーザ切込み開口として検討され得る。図3Eにおいて、第1切込み150E及び第3切込み152Eは互いから円周方向にではなく軸方向にオフセットされ得る一方で、第1切込み150E及び第4切込み153Eは互いから円周方向及び軸方向にオフセットされ得る。したがって、図3Eにおいて、複数の切込みのうちの少なくとも1つの切込み(例えば第3切込み152E)は少なくとも1つの他の切込み(例えば第1切込み150E)から軸方向にのみオフセットされてもよく、複数の切込みのうちの少なくとも1つの他の切込み(例えば第2切込み151E)は少なくとも1つの他の切込みから円周方向にのみオフセットされてもよく、複数の切込みのうちの少なくとも1つの追加的な切込み(例えば第4切込み153E)は少なくとも1つの他の切込みから軸方向及び円周方向の両方にオフセットされる。
【0065】
図3Eは、各渦巻き状又はらせん状パターン又は切込み(150E、151E、152E、153E)が管状部分130Cの長さの一部のみに延在し得る断続的な渦巻き状を示しているが、他の実施形態においては、複数の同一のレーザ切込みが、少なくとも2つのらせん状パターンであって、各々が実質的にハイポチューブの管状部分の長さ全体に、又は実質的にハイポチューブの長さ全体に延在する少なくとも2つのらせん状パターンを画定し得る。例えば、場合により、2つ以上のらせん状パターンがハイポチューブに切り込まれてもよく、パターンは円周方向にのみオフセットされる。
【0066】
これらの切込みの組合せもまた他の実施形態において想定される。例えば、いくつかの実施形態において、1つの第1の長い渦巻き状切込みが実質的に管状部分の長さ全体に延在し得る。別の実施形態において、ハイポチューブは、複数の追加的な断続的な渦巻き状切込みであって、各々第1の長い渦巻き状切込みから円周方向に及び/又は軸方向にオフセットされた複数の追加的な断続的な渦巻き状切込みを含み得る。
【0067】
図3Fにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブ100Fは、切込み(150F、151F、152F、153F)の反復パターンを有する少なくとも1つの切込みを備えた管状部分を含んでもよく、各切込みは可撓性ハイポチューブの軸に直交するようになされる(例えば切込みは円周方向においてのみ作られる)。そのような実施形態において、各切込みは、第1切込み150F、同一の第2切込み151F、同一の第3切込み152F、及び同一の第4切込み153Fを含み得る。図3Fにおいて見られるとおり、複数の同一のレーザ切込み開口の各々は、複数の同一のレーザ切込み開口の全ての他のレーザ切込み開口から軸方向にオフセットされてもよい。さらに、図3Fにおいて見られるとおり、少なくとも1つのレーザ切込み開口は、隣接するレーザ切込み開口から円周方向にオフセットされ得る。例えば図3Fにおいて、151Fは隣接するレーザ切込み開口150F及び152Fの両方からオフセットされる。図3Fにおいて、各レーザ切込み開口は、パターンにおける先行するレーザ切込み開口から軸方向に少量だけオフセットされ得るとともに円周方向に90度オフセットされ得る。すなわち、150Fの切込みの後、ハイポチューブは90度回転されることができ、任意選択的に軸方向に少量移動させられることができ、同一の第2切込み151Fが作られ得る。
【0068】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのレーザ切込み開口は、隣接するレーザ切込み開口から円周方向に±45°、±90°、又は180°オフセットされ得る。
【0069】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つのレーザ切込み開口は隣接するレーザ切込みから円周方向にのみオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込み開口は隣接するレーザ切込みから円周方向及び軸方向にオフセットされ得る。
【0070】
図3Gにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブ100Gは、少なくとも1つの切込みの切込み長さ157G(先に検討されたとおり、この切込み長さはハイポチューブの長さ全体の一部又は全てであり得る)を含むことができ、切込み(150G、151G、152G、153G)の反復パターンを含み、少なくとも1つのレーザ切込み開口(151G)は隣接するレーザ切込み(150G)から円周方向にのみオフセットされ、少なくとも1つのレーザ切込み開口(152G、153G)は隣接するレーザ切込み(150G)から円周方向及び軸方向にオフセットされる。図3Gにおいて、反復パターンは切込み(150G及び151G、152G及び153G)の2つの対からなり、対の各切込みはハイポチューブに沿って同じ軸方向距離にある(すなわちそれらは互いから軸方向にオフセットされない)が、互いから円周方向に180度オフセットされる。例えば、第1切込み150Gは第2切込み151Gから円周方向に180度オフセットされ得る。切込みの第2対は切込みの第1対から軸方向にオフセットされ得るとともに円周方向に90度オフセットされ得る。すなわち、第3切込み152Gは第1切込み150Gから軸方向に少量だけオフセットされ得るとともに円周方向に90度オフセットされ得、第4切込み153Gは第1切込み150Gから軸方向に少量だけオフセットされ得るとともに、円周方向に-90度オフセット(又は+270度オフセット)され得る。
【0071】
図3H及び3Iにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、ハイポチューブ100H、100Iにおいて切込みにより形成された間隙190は、例えばポリマーで充填され得る。例えば、いくつかの実施形態において、間隙190はウレタン材料、例えばポリウレタン(例えば熱成形されたポリウレタン)で充填され得る。いくつかの実施形態において、間隙は、ハイポチューブをポリマー材料でコーティングすることにより充填され得る。いくつかの実施形態において、ハイポチューブはポリマージャケットを含み得る。そのような実施形態において、ハイポチューブは滑らかな内面及び/又は外面を有し得る。図3Hにおいて見られるとおり、いくつかの実施形態において、ハイポチューブ100Hの表面166はカニューレ53の表面167に結合され得る。ハイポチューブ100Iは、貫通するルーメン160を画定する内側コーティング163、例えば低摩擦コーティング(例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であってもよい)又はポリウレタンを含み得る。間隙190は、例えばポリマー層161で充填されてもよい。いくつかの実施形態において、ポリマー層はハイポチューブ100Hの外側層のみを形成しなくてもよく、カニューレ53の外側コーティング又は層も形成してもよい。いくつかの実施形態において、ハイポチューブの外側層はカニューレの外側層とは別個であってもよく、したがってハイポチューブの外側層はカニューレ53の外側層と接触し得る。いくつかの実施形態において、ハイポチューブの外側層161はカニューレ53の外側コーティング又は層165を形成するのと同じ材料からなり得る。いくつかの実施形態において、ハイポチューブの外側層161は、カニューレ53の外側コーティング又は層165を形成するものとは異なる材料からなっていてもよい。
【0072】
図4を参照すると、ポンプは、カニューレ53(可撓性フローカニューレであってもよい)の第1ルーメンの基端部分に作動的に接続され得る。カニューレは好ましくは、その先端部に位置する吸引入口54を有する。好ましい実施形態において、吸引入口54は、カニューレ53に結合されたインフローケージ70に形成された複数の開口を含み得る。いくつかの実装形態において、インフローケージはステンレス鋼からなり得る。
【0073】
光ファイバーの先端部分は、いくつかの実施形態においてインフローケージ70に取り付けられ、いくつかの実施形態においてインフローケージの内面に取り付けられる。
【0074】
図1及び4を参照すると、同様に開示されているのは血管内血液ポンプである。血液ポンプはカテーテル、圧送デバイス、及び少なくとも1つのセンサを含み得る。
【0075】
圧送デバイス50はカテーテル10の先端側に配置され得るとともに、その先端部に、カニューレ53(可撓性フローカニューレであってもよい)であって、それを通じて、血管内血液ポンプの動作中に、血液が圧送デバイス50により吸引されるか排出されるかのいずれかであるカニューレ53を有してもよい。少なくとも1つの光ファイバー28Aを有する少なくとも1つのセンサは可撓性ハイポチューブ27において摺動可能に置かれてもよく、可撓性ハイポチューブは少なくとも部分的にカニューレに(例えばカニューレの内面又は外面に)取り付けられる。本明細書において説明されたとおり、可撓性ハイポチューブは、管状部分であって、少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブを通って可撓性ハイポチューブの外面から可撓性ハイポチューブの内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を含むことができ、各切込みは0.01~0.1mmの幅を有する。いくつかの実施形態において、可撓性ハイポチューブは、可撓性ハイポチューブ及び/又はカニューレの屈曲中に少なくとも1つの光ファイバーの破損を最小化する又は防ぐように、及び/又は、血液ポンプが患者の血管系(例えば11、12、14、15、16)を通して案内される間のポンプからの光学センサ(例えば入口ハウジングに取り付けられた光学センサ)の分離を最小化する又は防ぐように構成され得る。
【0076】
カニューレ、可撓性ハイポチューブ、及びセンサ(光ファイバー、センサヘッド、など)を含む血液ポンプの構成要素は、先行する実施形態のいずれかにおいて説明されたとおりに構成され得る。
【0077】
同様に開示されているのは、血液ポンプの挿入及び使用中の光ファイバーのひずみを減らす方法である。図5を参照すると、方法200は一般に、血液ポンプに上述のとおりの光ファイバーを提供すること210を含む。例えば、いくつかの実施形態において、血液ポンプは、(i)内面及び外面を有するカニューレであって、内面がそれを通る第1ルーメンを画定するカニューレと、(ii)カニューレに(例えば内面及び/又は外面に)取り付けられた可撓性ハイポチューブであって、可撓性ハイポチューブが外面及び内面を有し、内面がそれを通る第2ルーメンを画定し、可撓性ハイポチューブが、管状部分であって、少なくとも部分的に可撓性ハイポチューブの壁を通って可撓性ハイポチューブの外面から可撓性ハイポチューブの内面に向かって延在する少なくとも1つの切込みを含む管状部分を有し、各開口が0.01~0.1mmの幅(例えば最大幅)を有する可撓性ハイポチューブと、(iii)外面を有する光ファイバーであって、光ファイバーが可撓性ハイポチューブにおいて摺動可能に置かれた光ファイバーとを含み得る。他の実施形態において、血液ポンプは、(i)内面及び外面を有するカニューレであって、内面及び外面が厚さを有するカニューレ壁を画定し、カニューレの内面がそれを通る第1ルーメンを画定するカニューレと、(ii)カニューレに取り付けられた可撓性ハイポチューブであって、可撓性ハイポチューブが外面及び内面を有し、可撓性ハイポチューブの内面がそれを通る第2ルーメンを画定する可撓性ハイポチューブとを含み得る。いくつかの実施形態において、第2ルーメンはそれを通る光ファイバーを摺動可能に受けるように配置されてもよく、カニューレ及び可撓性ハイポチューブは、カニューレの内面の直径に対するハイポチューブの外面の直径の比R1が1:5>R1>1:25となり得るように構成される。
【0078】
血液ポンプの提供後、血液ポンプは次いで患者の血管系を通して移動させられ得る。光ファイバーを移動しないようにするよりむしろ、光ファイバーは、血液ポンプが移動している間に可撓性ハイポチューブ内で軸方向に移動することを可能にされ220得る。
【0079】
血液ポンプの移動後、評価デバイス(図1、デバイス100を参照)は、入力として、光ファイバーを通じて、光ファイバーセンサヘッドから伝送された光信号を受信230し得る。評価デバイスは次いで、圧力及び/又は信号対雑音比(SNR)を決定する240ために当該受信された入力を使用し得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、血液ポンプを移動させるとともに圧力を測定するプロセスは少なくとも1回繰り返される。いくつかの実施形態において、これは、決められた圧力が血液ポンプが正しく位置付けられていることを示すまで繰り返される。
【0081】
図4を再び参照すると、いくつかの実施形態において、センサヘッドにおけるガラスメンブレン32は感圧性であり得るとともにセンサヘッド60(又は30)に作用する圧力の量に応じて変形し得る。例えば、ガラスメンブレン32の変形により、光は反射され得るとともに光ファイバー28A内に結合され得る。光ファイバー28Aは光信号を光ファイバーセンサから評価デバイスへ伝送する。例えば、上で言及したとおり、センサヘッド30及び60により伝送された光信号は、評価デバイス100において電気信号に変換され得るとともに例えばディスプレイスクリーン101で表示され得る。
【0082】
図4において見られるとおり、圧力測定カテーテルにおける光ファイバー28Aは、空洞33を終端させる薄いガラスメンブレン32を含むヘッドハウジング31を有するセンサヘッド30を有し得る。ガラスメンブレン32は、感圧性であり得るとともにセンサヘッド30に作用する圧力の大きさに応じて変形し得る。メンブレンでの反射を通じて、光ファイバー28Aを出る光は、変調可能に反射され得るとともに光ファイバー内に結合される。結合は、光ファイバー28A内へ直接に又は真空気密に空洞33を終端させる底部37を介して間接的にもたらされ得る。いくつかの実施形態において、底部37はヘッドハウジング31の一体部分であってもよい。したがって、空洞33における圧力の特定は、光ファイバー28Aの取付けとは無関係にもたらされ得る。光ファイバー28Aの基端部に、すなわち、評価デバイス100において、干渉パターンの形で入ってくる光を評価するデジタルカメラ、例えばCCDカメラ又はCMOSなどが位置してもよい。それに依存して、圧力依存性電気信号が生じ得る。カメラにより送達された光学画像又は光学パターンの評価及び圧力の計算は評価ユニット100を通じて影響を受け得る。後者は、既に線形化した圧力値を制御手段に送り、制御手段はまた、圧力信号の生成された評価に応じてモータで作動される圧送デバイス50へのパワーを制御する。
【0083】
いくつかの実施形態において、評価デバイス100は代替的に又は追加的に、伝送された光信号に基づき信号対雑音比(SNR)を算出し得る。例えば、光ファイバー28Aを使用して先端センサヘッド60から評価デバイス100に伝送された光信号は、評価デバイス100により光信号のSNRを算出するために使用され得る。SNRは圧送デバイス50の機械的振動に結び付けられ得る。圧送デバイス50が停止されると、モータ電流はゼロであり圧送デバイス50の機械的振動は最小である。この状態の間、光信号の雑音レベルは低いためSNRは比較的大きくてもよい。圧送デバイス50が動作中、モータ電流はゼロより大きく圧送デバイス50の機械的振動は増大する。この状態の間、光信号の雑音レベルは大きいためSNRは比較的低くてもよい。
【0084】
図1からの圧送デバイス50は図4においてさらに詳細に示されている。図4において見られるとおり、ドライブシャフト57はモータセクション51からポンプセクション52内へ突出することができ、ポンプセクション52はインペラ58を駆動し、これにより、血液ポンプの動作中、血液がカニューレ53の先端部の血液が通過する開口54を通じて吸引され得るとともに、血液フローが通過する開口56を通じてインペラ58の基端側に排出され得る。圧送デバイス50はまた、相応して適合されると逆方向に圧送し得る。カテーテル10のカテーテルホース20を通って圧送デバイス50へ至るのは、一方では上記の光ファイバー28A、28B、モータセクション51のためのパワー供給ライン59A、及びパージ流体ライン59Bであり得る。
【0085】
例えばファブリ・ペロー原理で動作し得る、図4を参照して説明された光学圧力センサの代わりに、1つ又は複数の光ファイバーを備えた他の光学センサ(他の光学圧力センサも含む)もまた使用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、光学センサは心室圧を測定するように構成され得る。
【0086】
カニューレ、可撓性ハイポチューブ、及びセンサ(光ファイバー、センサヘッド、など)を含む血液ポンプの構成要素は、先行する実施形態のいずれかに記載のとおり構成され得る。
【0087】
当業者は、慣例にすぎない実験を使用して、本明細書において説明された本発明の特定の実施形態の多くの均等物を認識する又は認めることができる。そのような均等物は、以下の特許請求の範囲により包含されることを意図されている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図4
図5
【国際調査報告】