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特表2024-541403損傷なくガイドワイヤを並進することを容易にするためのデバイスハウジング形態
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  • 特表-損傷なくガイドワイヤを並進することを容易にするためのデバイスハウジング形態 図1
  • 特表-損傷なくガイドワイヤを並進することを容易にするためのデバイスハウジング形態 図2A
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  • 特表-損傷なくガイドワイヤを並進することを容易にするためのデバイスハウジング形態 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】損傷なくガイドワイヤを並進することを容易にするためのデバイスハウジング形態
(51)【国際特許分類】
   A61M 60/165 20210101AFI20241031BHJP
   A61M 60/242 20210101ALI20241031BHJP
   A61M 60/422 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
A61M60/165
A61M60/242
A61M60/422
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529308
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-07-09
(86)【国際出願番号】 US2022050212
(87)【国際公開番号】W WO2023091549
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】63/280,345
(32)【優先日】2021-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス、ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ラッドマン、ロイド
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD10
4C077EE01
4C077FF04
(57)【要約】
本開示の様々な態様は、経皮的循環補助デバイスを含む装置、システム、及び方法を対象とする。経皮的循環補助デバイスは、ガイドワイヤと共に使用され、血液出口開口部を有するハウジングを含んでもよい。血液出口開口部は、ガイドワイヤを受容して、支持するように構成されたチャネルを含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤと共に使用するための経皮的循環補助デバイスであって、
内部ルーメン、外面、血液入口、及び血液出口開口部を含む血液出口を含んだハウジングを備え、
前記血液出口開口部は、前記ハウジングの前記内部ルーメンから前記ハウジングの前記外面まで延在するチャネルを含み、前記チャネルは、損傷を与えずに前記ガイドワイヤを受容し、かつ支持するように構成される、経皮的循環補助デバイス。
【請求項2】
当該デバイスは、
前記内部ルーメン内に配置されたインペラであって、前記ハウジングに対して回転することにより、血液を前記血液入口内に流入させ、前記ハウジングの前記内部ルーメンを通して、前記血液出口から流出させるように構成された前記インペラと、
前記インペラに動作可能に連結され、前記インペラを回転可能に駆動するように構成されたモータと
をさらに備える、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項3】
前記血液出口開口部は第1の血液出口開口部であり、前記血液出口は第2の血液出口開口部を含み、前記チャネルは前記第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する、請求項1または2に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項4】
前記チャネルは、傾斜した第1の端部を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項5】
前記チャネルは、丸みを帯びた第1の端部を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項6】
前記チャネルは、前記ガイドワイヤよりも大きい幅を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項7】
前記チャネルは、0.0635cm(0.025インチ)~0.953cm(0.375インチ)の長さを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項8】
前記チャネルは、前記ガイドワイヤを支持するための実質的に平坦な表面を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項9】
前記チャネルは、前記血液出口開口部の近位部分に位置する、請求項1~8のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項10】
前記ハウジングは、
前記チャネルの近位側の第1のハウジング部分及び前記チャネルの遠位側の第2のハウジング部分であって、
前記第1のハウジング部分は第1の直径を有し、前記第2のハウジング部分は第2の直径を有し、前記第1の直径は前記第2の直径よりも小さい前記第1のハウジング部分及び前記第2のハウジング部分と、
前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分との間に延在するテーパ状ハウジング部分とをさらに備え、前記チャネルは、前記テーパ状ハウジング部分内に位置する、請求項1~9のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項11】
前記チャネルは、第1の側壁及び第2の側壁を含み、前記第1の側壁及び前記第2の側壁は、前記第1のハウジング部分に隣接するフレア状開口部を形成するように構成されている、請求項10に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項12】
経皮的循環補助デバイスを使用するための方法であって、
ガイドワイヤの遠位端を患者の脈管構造に挿入する工程と、
前記ガイドワイヤの近位端を当該デバイスのハウジングに挿入する工程であって、前記ハウジングは、内部ルーメン、前記内部ルーメン内のインペラ、外面、及び血液出口開口部を含む血液出口を備え、前記血液出口開口部はチャネルを含み、前記チャネルは前記ハウジングの前記内部ルーメンから前記ハウジングの前記外面まで延在し、かつ損傷を与えずに前記ガイドワイヤを受容し、支持するように構成される、工程と、
前記ガイドワイヤの前記近位端を前記ハウジングの前記内部ルーメンに通す工程と、
前記インペラに隣接して前記ガイドワイヤの前記近位端を通す工程と、
前記ガイドワイヤが前記ハウジングの前記内部ルーメンから前記ハウジングの外面まで延在するように、前記ガイドワイヤの前記近位端を前記血液出口開口部の前記チャネルに通す工程と
を含む、方法。
【請求項13】
前記チャネルは、前記血液出口開口部の近位部分に位置する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記血液出口開口部は、第1の血液出口開口部であり、前記ハウジングは、第2の血液出口開口部を含み、前記チャネルは、前記第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ガイドワイヤに沿って前記デバイスを移動させる工程と、前記デバイスを前記患者の前記脈管構造に挿入する工程とをさらに含む、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、経皮的循環補助システムに関する。より具体的には、本開示は、ガイドワイヤを使用して患者の心臓に送達される経皮的循環補助デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
経皮的循環補助デバイスは、心機能または心拍出量が低下した患者において、最大で約数週間にわたって一時的な補助を提供することができる。そのようなデバイスは、典型的には、ガイドワイヤを使用して患者の心臓に送達され、それによって、循環補助デバイスはガイドワイヤに連結され、デバイスが心臓内の適切な位置に達するまで、患者の脈管構造を通して、ガイドワイヤに沿って移動される。一般に、循環補助デバイスは、遠位端が既に患者の脈管構造に挿入されているガイドワイヤの近位端を、デバイスの開口部を通して送り込むことによって、ガイドワイヤに連結される。次いで、ガイドワイヤの近位端は、デバイスを通過し、別の開口部からデバイスの外に出る。次いで、デバイスをガイドワイヤの長さに沿って移動させて、デバイスを患者の脈管構造内に挿入し、最終的には患者の心臓内に挿入することができる。ガイドワイヤがデバイス内の開口部を通過するとき、またはデバイスがガイドワイヤに沿って移動するとき、デバイスは典型的には金属材料製である一方、ガイドワイヤはより軟質の材料で構成されるか、または被覆を含有するため、ガイドワイヤは損傷され得る。例えば、ガイドワイヤの被覆は、ガイドワイヤと開口部のうちの1つの表面との間の接触によって除去され得る。被覆材料の除去は、健康上の合併症を引き起こすか、またはガイドワイヤおよび/またはデバイスの性能に悪影響を及ぼす可能性がある。
【発明の概要】
【0003】
実施例1では、ガイドワイヤと共に使用するための経皮的循環補助デバイスは、内部ルーメン、外面、血液入口、血液出口開口部を含む血液出口を含んだハウジングを備え、血液出口開口部は、ハウジングの内部ルーメンからハウジングの外面まで延在するチャネルを含み、チャネルは、損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、かつ支持するように構成される。
【0004】
実施例2では、実施例1に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、デバイスは、内部ルーメン内に配置されたインペラであって、ハウジングに対して回転することにより、血液を血液入口内に流入させ、ハウジングの内部ルーメンを通して、血液出口から流出させるように構成されたインペラと、インペラに動作可能に連結され、インペラを回転可能に駆動するように構成されたモータとをさらに備える。
【0005】
実施例3では、実施例1または2に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、血液出口開口部は第1の血液出口開口部であり、血液出口は第2の血液出口開口部を含み、チャネルは第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する。
【0006】
実施例4では、実施例1~3のいずれか1つに記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、傾斜した第1の端部を含む。
実施例5では、実施例1~3のいずれか1つに記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、丸みを帯びた第1の端部を含む。
【0007】
実施例6では、実施例1~5のいずれか1つに記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、ガイドワイヤよりも大きい幅を有する。
実施例7では、実施例1~6のいずれか1つに記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、0.0635cm(0.025インチ)~0.953cm(0.375インチ)の長さを有する。
【0008】
実施例8では、実施例1~7のいずれか1つに記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、ガイドワイヤを支持するための実質的に平坦な表面を含む。
実施例9では、実施例1~8のいずれか1つに記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、血液出口開口部の近位部分に位置する。
【0009】
実施例10では、実施例1~9のいずれか1つに記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、ハウジングは、チャネルの近位側の第1のハウジング部分及びチャネルの遠位側の第2のハウジング部分であって、第1のハウジング部分は第1の直径を有し、第2のハウジング部分は第2の直径を有し、第1の直径は第2の直径よりも小さい第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分と、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分との間に延在するテーパ状ハウジング部分とをさらに備え、チャネルは、テーパ状ハウジング部分内に位置する。
【0010】
実施例11では、実施例10に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、第1の側壁及び第2の側壁を含み、第1の側壁及び第2の側壁は、第1のハウジング部分に隣接するフレア状開口部を形成するように構成される。
【0011】
実施例12では、経皮的循環補助デバイスを使用するための方法は、ガイドワイヤの遠位端を患者の脈管構造に挿入する工程と、ガイドワイヤの近位端をデバイスのハウジングに挿入する工程であって、ハウジングは、内部ルーメン、内部ルーメン内のインペラ、外面、血液出口開口部を含む血液出口を備え、血液出口開口部はチャネルを含み、チャネルはハウジングの内部ルーメンからハウジングの外面まで延在し、かつ損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するように構成される工程と、ガイドワイヤの近位端をハウジングの内部ルーメンに通す工程と、インペラに隣接してガイドワイヤの近位端を通す工程と、ガイドワイヤがハウジングの内部ルーメンからハウジングの外面まで延在するようにガイドワイヤの近位端を血液出口開口部のチャネルに通す工程とを含む。
【0012】
実施例13では、実施例12に記載の方法において、チャネルは、血液出口開口部の近位部分に位置する。
実施例14では、実施例13に記載の方法において、血液出口開口部は、第1の血液出口開口部であり、ハウジングは、第2の血液出口開口部を含み、チャネルは、第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する。
【0013】
実施例15では、実施例12~14のいずれか1つに記載の方法において、ガイドワイヤに沿ってデバイスを移動させる工程と、デバイスを患者の脈管構造に挿入する工程とをさらに含む。
【0014】
実施例16では、ガイドワイヤと共に使用するための経皮的循環補助デバイスは、内部ルーメン、外面、血液入口、血液出口開口部を含む血液出口を含んだハウジングと、内部ルーメン内に配置されたインペラであって、ハウジングに対して回転することにより、血液を血液入口に流入させ、ハウジングの内部ルーメンを通して、血液出口から流出させるように構成されたインペラと、インペラに動作可能に連結され、インペラを回転可能に駆動するように構成されたモータとを備え、血液出口開口部は、ハウジングの内部ルーメンからハウジングの外面まで延在するチャネルを含み、チャネルは、損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するように構成される。
【0015】
実施例17では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、血液出口開口部は第1の血液出口開口部であり、血液出口は第2の血液出口開口部を含み、チャネルは第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する。
【0016】
実施例18では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、傾斜した第1の端部を含む。
実施例19では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、丸みを帯びた第1の端部を含む。
【0017】
実施例20では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、ガイドワイヤよりも大きい幅を有する。
実施例21では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、0.0635cm(0.025インチ)~0.953cm(0.375インチ)の長さを有する。
【0018】
実施例22では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、ガイドワイヤを支持するための実質的に平坦な表面を含む。
実施例23では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、血液出口開口部の近位部分に位置する。
【0019】
実施例24では、実施例16に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、ハウジングは、チャネルの近位側の第1のハウジング部分及びチャネルの遠位側の第2のハウジング部分であって、第1のハウジング部分は第1の直径を有し、第2のハウジング部分は第2の直径を有し、第1の直径は第2の直径よりも小さい第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分と、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分との間に延在するテーパ状ハウジング部分とをさらに備え、チャネルは、テーパ状ハウジング部分内に位置する。
【0020】
実施例25では、実施例24に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、第1の側壁及び第2の側壁を含み、第1の側壁及び第2の側壁は、第1のハウジング部分に隣接してフレア状開口部を形成するように構成されている。
【0021】
実施例26では、ガイドワイヤと共に使用するための経皮的循環補助デバイスは、内部ルーメン、外面、血液入口、第1の血液出口開口部及び第2の血液出口開口部を含む血液出口を含んだハウジングと、内部ルーメン内に配置されたインペラであって、ハウジングに対して回転することにより、血液を血液入口に流入させ、ハウジングの内部ルーメンを通して、第1の血液出口開口部及び第2の血液出口開口部から流出させるように構成されたインペラと、インペラに動作可能に連結され、インペラを回転可能に駆動するように構成されたモータとを備え、第1の血液出口開口部は、損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するように構成されたチャネルを含み、チャネルは、ハウジングの内部ルーメンからハウジングの外面まで、第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する。
【0022】
実施例27では、実施例26に記載の経皮的循環補助システムにおいて、チャネルは、傾斜した第1の端部を含む。
実施例28では、実施例26に記載の経皮的循環補助システムにおいて、チャネルは、丸みを帯びた第1の端部を含む。
【0023】
実施例29では、実施例26に記載の経皮的循環補助システムにおいて、チャネルは、ガイドワイヤを支持するための実質的に平坦な表面を含む。
実施例30では、実施例26に記載の経皮的循環補助システムにおいて、ハウジングは、チャネルの近位側の第1のハウジング部分及びチャネルの遠位側の第2のハウジング部分であって、第1のハウジング部分は第1の直径を有し、第2のハウジング部分は第2の直径を有し、第1の直径は第2の直径よりも小さい第1のハウジング部分及び第2のハウジング部分と、第1のハウジング部分と第2のハウジング部分との間に延在するテーパ状ハウジング部分とをさらに備え、チャネルは、テーパ状ハウジング部分内に位置する。
【0024】
実施例31では、実施例30に記載の経皮的循環補助デバイスにおいて、チャネルは、第1の側壁及び第2の側壁を含み、第1の側壁及び第2の側壁は、第1のハウジング部分に隣接するフレア状開口部を形成するように構成されている。
【0025】
実施例32では、経皮的循環補助デバイスを使用するための方法は、ガイドワイヤの遠位端を患者の脈管構造に挿入する工程と、ガイドワイヤの近位端をデバイスのハウジングに挿入する工程であって、ハウジングは、内部ルーメン、内部ルーメン内のインペラ、外面、血液出口開口部を含む血液出口を備え、血液出口開口部はチャネルを含み、チャネルはハウジングの内部ルーメンからハウジングの外面まで延在し、かつ損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するように構成される工程と、ガイドワイヤの近位端をハウジングの内部ルーメンに通す工程と、インペラに隣接してガイドワイヤの近位端を通す工程と、ガイドワイヤがハウジングの内部ルーメンからハウジングの外面まで延在するように、ガイドワイヤの近位端を血液出口開口部のチャネルに通す工程とを含む。
【0026】
実施例33では、実施例32に記載の方法において、チャネルは、血液出口開口部の近位部分に位置する。
実施例34では、実施例33に記載の方法において、血液出口開口部は、第1の血液出口開口部であり、ハウジングは、第2の血液出口開口部を含み、チャネルは、第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する。
【0027】
実施例35では、実施例32に記載の方法において、ガイドワイヤに沿ってデバイスを移動させる工程と、デバイスを患者の脈管構造に挿入する工程とをさらに含む。
複数の実施形態が開示されているが、本発明のさらに他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示しかつ記載した以下の詳細な説明から、当業者には明らかとなるであろう。従って、図面及び詳細な説明は、本質的に例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本明細書に開示される主題の実施形態に従った、例示的な機械的循環補助デバイス(本明細書では互換的に「血液ポンプ」とも呼ばれる)の側断面図である。
図2A】本明細書に開示される主題の実施形態に従った、図1の機械循環補助デバイスの斜視図である。
図2B】本明細書に開示される主題の実施形態に従った、例示的な血液出口開口部およびチャネルの斜視図である。
図2C】本明細書に開示される主題の実施形態に従った、例示的な血液出口開口部およびチャネルの斜視図である。
図3】本明細書に開示される主題の実施形態に従った、図1の機械的循環補助デバイスの斜視図であり、ガイドワイヤをさらに示す。
図4図1の機械的循環補助デバイスの側断面図であり、ガイドワイヤ、導入シース、および血管をさらに示す。
【0029】
本発明は、様々な修正形態及び代替形態に従うが、特定の実施形態が、例として図面に示されており、以下で詳細に説明される。しかし、その意図は、本発明を記載された特定の実施形態に限定することではない。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に収まる全ての修正形態、均等物、および代替形態を包含することが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本明細書に開示される主題の実施形態に従った例示的な経皮的循環補助デバイス100(本明細書では互換的に「血液ポンプ」とも呼ばれる)の部分側断面図を示す。デバイス100は、ガイドワイヤ(他の場所に示す)および導入シース(他の場所に示す)と共に、経皮的循環補助システムの一部を形成してもよい。より具体的には、ガイドワイヤおよび導入シースは、患者内の標的位置(例えば、患者の心臓内等)へのデバイス100の経皮的送達を容易にし得る。代わりに、デバイス100は、患者内の異なる標的位置に送達されてもよい。
【0031】
引き続き図1を参照すると、デバイス100は、一般に、インペラハウジング102およびモータハウジング104を含むハウジング101を含む。いくつかの実施形態では、インペラハウジング102およびモータハウジング104は、一体的またはモノリシックに構築されてもよい。他の実施形態では、インペラハウジング102およびモータハウジング104は、取り外し可能にまたは恒久的に連結されるように構成された別個の構成要素であってもよい。いくつかの実施形態では、血液ポンプ100は、別個のモータハウジング104を欠いてもよく、インペラハウジング102は、以下に記載されるモータ105に直接連結されてもよく、またはモータハウジング104は、以下に記載されるモータ105と一体的に構築されてもよい。インペラハウジング102は、内部ルーメン102aと、内面102bと、外面102cとを含む。同様に、モータハウジング104は、内部ルーメン104aと、内面104bと、外面104cとを含む。中心軸103は、ハウジング101を長手方向に貫通する。
【0032】
インペラハウジング102は、その中にインペラアセンブリ106を搭載する。インペラアセンブリ106は、軸受110などの少なくとも1つの軸受によって回転可能に支持されるインペラシャフト108を含む。インペラアセンブリ106はまた、インペラハウジング102に対して回転することによりデバイス100を通して血液を駆動するインペラ112を含む。より具体的には、インペラ112は、インペラハウジング102上に形成された血液入口114から、インペラハウジング102を通って、インペラハウジング102上に形成された血液出口116から血液を流出させる。いくつかの実施形態では、図示されるように、インペラシャフト108およびインペラ112は、別個の構成要素であってもよく、他の実施形態では、インペラシャフト108およびインペラ112は、一体化されてもよい。いくつかの実施形態では、以下でより詳細に記載されるように、入口114および/または出口116は、それぞれ、複数の開口部を含んでもよい(例えば、図2~4参照)。他の実施形態では、入口114および/または出口116はそれぞれ、単一の開口部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、図示されるように、入口114は、インペラハウジング102の端部に形成されてもよく、出口116は、インペラハウジング102の側部に形成されてもよい。他の実施形態では、入口114および/または出口116は、インペラハウジング102の他の部分に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、インペラハウジング102は、遠位に延在するカニューレ(図示無し)に連結してもよく、カニューレは、血液を受容し、入口114に送達してもよい。
【0033】
引き続き図1を参照すると、モータハウジング104は、モータ105を搭載し、モータ105は、インペラハウジング102に対してインペラ112を回転可能に駆動するように構成される。図示された実施形態では、モータ105は、駆動磁石122に連結された駆動シャフト120を回転させる。駆動磁石122の回転は、被動磁石124の回転を引き起こし、これはインペラアセンブリ106に接続され、それと共に回転する。より具体的には、インペラシャフト108を組み込む実施形態では、インペラシャフト108およびインペラ112は、被動磁石124と共に回転するように構成される。他の実施形態では、モータ105は、他の構成要素を介してインペラアセンブリ106に連結することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、コントローラ(図示無し)が、モータ105に動作可能に連結され、モータ105を制御するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、モータハウジング104内に配置されてもよい。他の実施形態では、コントローラは、モータハウジング104の外側(例えば、独立したハウジング内など)に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラは、複数の構成要素を含んでもよく、そのうちの1つ以上は、モータハウジング104内に配置されてもよい。実施形態によれば、コントローラは、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1つ以上のプログラマブルロジックデバイス(PLD)、1つ以上のコンプレックスPLD(CPLD)、1つ以上のカスタム特定用途向け集積回路(ASIC)、1つ以上の専用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)、1つ以上の中央処理装置(CPU)、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらおよび/もしくは他の構成要素の任意の組み合わせであってもよく、それらを含んでもよく、またはそれらに含まれてもよい。コントローラは、本明細書では単数形で参照されるが、コントローラは、複数の例で実装されてもよく、複数のコンピューティングデバイスにわたって分散されてもよく、複数の仮想マシン内でインスタンス化されてもよく、及び/又は同様のものであってもよい。他の実施形態では、モータ105は、他の様式で制御されてもよい。
【0035】
引き続き図1を参照し、さらに図2Aを参照すると、デバイス100は、血液出口116の血液出口開口部128内にチャネル126を組み込むことによって、デバイス100を通るガイドワイヤ(他の場所に示す)の通過を容易にする。上述のように、血液出口116は、2つ以上の開口部を含んでもよく、例えば、図2Aに示すように、血液出口116は、6つの血液出口開口部128、130、131、132、133、および134を含む。図2Aに示すように、血液出口開口部128は、近位部分136および遠位部分138を含む。いくつかの実施形態では、図2Aに示すように、チャネル126は、血液出口開口部128の近位部分136に位置する。他の実施形態では、チャネル126は、血液出口開口部の他の部分、例えば、遠位部分138に位置してもよい。図2Aに示すように、チャネル126は、血液出口開口部128から近位方向に延在する。また、図2Aに示すように、チャネル126は、他の血液出口開口部130、131、132、133、および134のそれぞれを越えて近位方向に延在し、したがって、ガイドワイヤを、他の血液出口開口部130、131、132、133、および134ではなく、血液出口開口部128に通すべきであることをユーザに示す。ガイドワイヤの適切な位置を示すために、マーキングまたは文字などの追加の表示がチャネル126の近くに配置されてもよい。チャネル126は、幅140および長さ142を有する。幅140は、一般に、ガイドワイヤの幅よりも狭くない。いくつかの実施形態では、長さ142は、0.0635cm(0.025インチ)から0.953cm(0.375インチ)まで変化してもよい。
【0036】
図2A図2Cの実施形態では、チャネル126は、チャネル126の遠位端146に、すなわち、チャネル126が内面102bと接するところに、第1の端部144を含む。同様に、図2A図2Cの実施形態では、チャネル126はまた、チャネル126が外面104cと接するところであるチャネル126の近位端150に、第2の端部分148を含む。図2Bは、第1の端部144aを滑らかにするために傾斜、面取り、丸み付け、または他の機械的変更が施されていない第1の端部144bを示す。対照的に、いくつかの実施形態では、第1の端部144および/または第2の端部148は、第1の端部144および第2の端部148を滑らかにするために、傾斜、面取り、丸み付け、または他の機械的変更が施されてもよい。例えば、図2Cに示すように、第1の端部144cは、第1の端部144cを滑らかにするために丸みを帯びている。いくつかの実施形態では、チャネル126は、図2A~2Cに示すよりも少ないまたは追加の縁または表面を含んでもよく、そのような縁または表面の一部または全部は、傾斜、面取り、丸み付け、または他の機械的変更によって滑らかにされてもよい。図2A~2Cにさらに示すように、いくつかの実施形態では、チャネル126は、幅140によって分離された第1の側壁152および第2の側壁154を含み、それらの両方は、長さ142に沿って延在し、互いから離れるように広がって、チャネル126の遠位端146に隣接するフレア状開口部158を形成する。フレア開口部158は、例えば、最大で120度の幅であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の側壁152および第2の側壁154には、第1の側壁152および第2の側壁154の表面を滑らかにするために、傾斜、面取り、丸み付け、または他の機械的変更が施されてもよい。例えば、図2Cに示すように、第2の壁154cは、丸みを帯びている。他の実施形態では、第1の側壁152および第2の壁154は、図2Bの第2の壁154bに示すように、変更されないままであり得る。
【0037】
図2A~2Cおよび図3に示すように、チャネル126はまた、端部分144、148と側壁152、154との間に延在する実質的に平坦な表面156を含む。表面156は、近位端150および遠位端146からわずかに傾斜が付けられるかまたはテーパになってもよいが、図2および図3に示す実施形態では、表面156は、チャネル126に沿ってガイドワイヤ200を支持するように実質的に平坦である。ガイドワイヤ200は、遠位端(図示無し)および近位端202を含み、1つ以上の金属、1つ以上のプラスチック、または複合材料などからなり得る。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ200は、ガイドワイヤ200上でデバイス100を進行させる間、またはデバイス100を通してガイドワイヤ200を進行させる間、患者の脈管構造内での追跡を容易にし、かつ、摩擦を低減させる被覆(図示無し)を含んでもよい。そのような被覆には、原子層堆積などの化学蒸着プロセスによるPTFE、ポリマー被覆、またはセラミック被覆が含まれ得る。
【0038】
従来の循環補助デバイスにおいて、ガイドワイヤが循環補助デバイスの開口部を通過するとき、またはデバイスがガイドワイヤに沿って移動するとき、ガイドワイヤは、ガイドワイヤとデバイスハウジングとの間の接触によって損傷され得る。例えば、ハウジングが金属材料製であり、ガイドワイヤがより軟質の材料で構成されるか、または被覆を含む場合、比較的切り立ったハウジング表面との接触の間に、ガイドワイヤが損傷され得るか、またはガイドワイヤ上の被覆が削り取られ得る。また、従来の循環補助デバイスでは、ガイドワイヤがデバイスハウジングの内部から外部に移行する際に、ガイドワイヤが比較的大きな角度で曲げられることがある。
【0039】
従来のデバイスとは対照的に、デバイス100では、ガイドワイヤ200がチャネル126を通過するため、損傷の可能性が実質的に低減される。特に、チャネル126の上述した形態は、ガイドワイヤ200上の被覆が削り取られたり損傷したりする可能性を実質的に低減する。加えて、チャネル126の上述した形態は、ガイドワイヤ200がインペラハウジング102の内部ルーメン102aからモータハウジング104の外面104cに移行するときに、ガイドワイヤ200が変形または屈曲される量を最小限にし、ガイドワイヤ200に、より平坦なプロファイルを提供し、したがって、図4に示すように、導入シース300内で占める空間が少なくなるという利点がある。また、ガイドワイヤ200のより平坦なプロファイルにより、導入シース300および血管Vを通ることを含め、ガイドワイヤ200に沿ってデバイス100をより容易に移動させることができる。
【0040】
チャネル126の上述の形態は、ガイドワイヤ200が血液出口開口部128を通過するときに、損傷を与えずにガイドワイヤ200を受容し、支持することを容易にする。具体的には、図3に示すように、血液出口開口部128内のチャネル126は、ガイドワイヤ200がインペラハウジング102の内部ルーメン102aからモータハウジング104の外面104cまで通過するための比較的滑らかな表面を提供する。傾斜、面取り、丸み付け、または他の変更が施された第1および第2の端部144、148、第1および第2の側壁152、154ならびにフレア状開口部152および実質的に平坦な表面156を組み込むことによって、ガイドワイヤ200が血液出口開口部128を通過するとき、またはデバイス100がガイドワイヤ200に沿って移動されるときに、ガイドワイヤ200が損傷される可能性は、そのような形態を含まない血液出口開口部130、131、132、133、および134等の他の血液出口開口部と比較して低減する。例えば、チャネル126は、ガイドワイヤ200が血液出口開口部128を通過するとき、またはデバイス100がガイドワイヤ200に沿って移動させられるときに、ガイドワイヤ200の表面上の被覆が削り取られる可能性を低減させる。
【0041】
加えて、図3に示すように、ガイドワイヤ200がインペラハウジング102の内部ルーメン102aからモータハウジング104の外面104cまで通過するときに、チャネル126の上述の形態は、ガイドワイヤ200が変形または屈曲する量を最小限にする。別の言い方をすれば、インペラハウジング102の内部ルーメン102aからモータハウジング104の外面104cへの移行領域を長くすることによって、ガイドワイヤ200は、チャネル126のような形態を含まない血液出口開口部130、131、132、133、および134等の別の血液出口開口部において移行するガイドワイヤと比較して、より平坦なプロファイルを呈する。上述のように、ガイドワイヤのより平坦なプロファイルにより、ガイドワイヤが導入シース300内で占める空間が少なくなり、また、ガイドワイヤ200に沿ったデバイス100の移動が容易になる。
【0042】
図2A~2Cおよび3を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、インペラハウジング102は、モータハウジング104の外径より大きい外径を有する。代替の実施形態では、インペラハウジング102の外径は、例えば、インペラハウジング102およびモータハウジング104が一体的またはモノリシックに構築されるとき、モータハウジング104の外径と実質的に等しくてもよい。さらに他の実施形態では、モータハウジング104の外径は、インペラハウジング102の外径よりも大きくてもよい。図2A~2Cおよび図3に示すように、テーパ状ハウジング部分160が、インペラハウジング102とモータハウジング104との間に延在する。テーパ状ハウジング部分160は、ハウジング101に沿って、インペラハウジング102のより大きい外径からモータハウジング104の比較的小さい外径への滑らかな移行部を形成する。図2A~2Cおよび図3に示すように、チャネル126は、テーパ状ハウジング部分160内に位置し、インペラハウジング102の内部ルーメン102aからモータハウジング104の外面104cへのガイドワイヤ200の通過を容易にするように構成される。より具体的には、図2A~2Cおよび図3に示す実施形態では、ガイドワイヤ200がインペラハウジング102の内部ルーメン102aからモータハウジング104の外面104cまで通過するときに、チャネル126は、ガイドワイヤ200が変形または屈曲する量を最小限にするように設計される。別の言い方をすれば、図3および図4に示すように、チャネル126が、テーパ状ハウジング部分160を有するデバイス100に組み込まれる場合、ガイドワイヤ200は、ハウジング101の中心軸103から同じまたは同様の距離を維持しながら、モータハウジング104の外面104cに沿って延在し、血液出口開口部128を通過し、インペラハウジング102の内部ルーメン102aに入る。
【0043】
他の実施形態では、血液出口128の開口部の近位部分136以外の他の部分は、損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するためのチャネルまたは同様の構造を含むことができる。例えば、血液出口開口部128の遠位部分138は、損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するためのチャネルまたは同様の構造を含むことができる。そのような実施形態では、遠位部分138におけるインペラハウジング102の内面102bは、上述されるチャネル126に類似する形態を含むこと等によって、ガイドワイヤを受容するように構成されてもよい。他の実施形態では、遠位部分138におけるインペラハウジング102の内面102bは、損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するように、修正され、変形され、丸められ、または他の方法で構成されてもよい。加えて、他の実施形態では、ガイドワイヤへの損傷を防止するために、血液出口開口部全体の一部が被覆または表面処理で処理されてもよい。さらに他の実施形態では、血流入口114の開口部のうちの1つ以上などの他の開口部は、損傷を与えずにガイドワイヤを受容し、支持するための、チャネル126などのチャネルまたは同様の構造を含むことができる。
【0044】
図2A~2C、図3、および図4は、血液ポンプ100がガイドワイヤ200とともに使用される方法、およびチャネル126を含むハウジング101の上述の形態によってもたらされる利点の説明を容易にする。例示的手技では、導入シース300は、血管(図示無し)の中に挿入され、ガイドワイヤ200は、ガイドワイヤ200の近位端202が導入シース300の外側かつ患者の身体の外側に位置するように、導入シース300を通して挿入される。ガイドワイヤ200の遠位端(図示無し)は、導入シース300から遠位方向に配置され、患者の脈管構造内、例えば、心臓の左心室内に位置する。次いで、血液入口114等の血液ポンプ100内の開口部を通してガイドワイヤ200の近位端202を送り込むことによって、血液ポンプ100がガイドワイヤ200に連結される。次いで、ガイドワイヤ200の近位端202は、ハウジング101を通過し、例えば、インペラハウジング102の内部ルーメン102aを通過し、インペラ112を通過し、血液出口116などの別の開口部を通って、特に、図3および図4に示すように、血液出口開口部128を通って血液ポンプ100から出る。ガイドワイヤ200が血液出口開口部128を通過するとき、ガイドワイヤ200は、チャネル126によって受容され、かつ支持されることにより、ガイドワイヤ200がハウジング101に接触するときに、ガイドワイヤ200に対する損傷を抑制する。図4は、具体的には、血液出口開口部128から、例えば、モータハウジング104の外面104cに沿って、かつ導入シース300および血管V内を、近位方向に延在するガイドワイヤ200を示す。ガイドワイヤ200に連結されると、血液ポンプ100は、デバイス100を血管Vの中に、最終的には、患者の心臓の中に挿入するように、導入シース300を通して、ガイドワイヤ200の長さに沿って移動されることが可能である。
【0045】
本発明の範囲から逸脱することなく、議論した例示的な実施形態に対して様々な修正及び追加が行われ得る。例えば、上述の実施形態は特定の特徴に言及しているが、本発明の範囲はまた、特徴の異なる組み合わせを有する実施形態、及び記載された特徴の全てを含まない実施形態を含む。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に収まる全てのそのような代替形態、修正形態、及び変形形態を、その全ての均等物と共に受け入れることが意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-07-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガイドワイヤと共に使用するための経皮的循環補助デバイスであって、
内部ルーメン、外面、血液入口、及び血液出口開口部を含む血液出口を含んだハウジングを備え、
前記血液出口開口部は、前記ハウジングの前記内部ルーメンから前記ハウジングの前記外面まで延在するチャネルを含み、前記チャネルは、損傷を与えずに前記ガイドワイヤを受容し、かつ支持するように構成される、経皮的循環補助デバイス。
【請求項2】
当該デバイスは、
前記内部ルーメン内に配置されたインペラであって、前記ハウジングに対して回転することにより、血液を前記血液入口内に流入させ、前記ハウジングの前記内部ルーメンを通して、前記血液出口から流出させるように構成された前記インペラと、
前記インペラに動作可能に連結され、前記インペラを回転可能に駆動するように構成されたモータと
をさらに備える、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項3】
前記血液出口開口部は第1の血液出口開口部であり、前記血液出口は第2の血液出口開口部を含み、前記チャネルは前記第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項4】
前記チャネルは、傾斜した第1の端部を含む、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項5】
前記チャネルは、丸みを帯びた第1の端部を含む、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項6】
前記チャネルは、前記ガイドワイヤよりも大きい幅を有する、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項7】
前記チャネルは、0.0635cm(0.025インチ)~0.953cm(0.375インチ)の長さを有する、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項8】
前記チャネルは、前記ガイドワイヤを支持するための実質的に平坦な表面を含む、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項9】
前記チャネルは、前記血液出口開口部の近位部分に位置する、請求項1に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項10】
前記ハウジングは、
前記チャネルの近位側の第1のハウジング部分及び前記チャネルの遠位側の第2のハウジング部分であって、
前記第1のハウジング部分は第1の直径を有し、前記第2のハウジング部分は第2の直径を有し、前記第1の直径は前記第2の直径よりも小さい前記第1のハウジング部分及び前記第2のハウジング部分と、
前記第1のハウジング部分と前記第2のハウジング部分との間に延在するテーパ状ハウジング部分とをさらに備え、前記チャネルは、前記テーパ状ハウジング部分内に位置する、請求項1~9のいずれか1項に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項11】
前記チャネルは、第1の側壁及び第2の側壁を含み、前記第1の側壁及び前記第2の側壁は、前記第1のハウジング部分に隣接するフレア状開口部を形成するように構成されている、請求項10に記載の経皮的循環補助デバイス。
【請求項12】
経皮的循環補助デバイスを使用するための方法であって、
ガイドワイヤの遠位端を患者の脈管構造に挿入する工程と、
前記ガイドワイヤの近位端を当該デバイスのハウジングに挿入する工程であって、前記ハウジングは、内部ルーメン、前記内部ルーメン内のインペラ、外面、及び血液出口開口部を含む血液出口を備え、前記血液出口開口部はチャネルを含み、前記チャネルは前記ハウジングの前記内部ルーメンから前記ハウジングの前記外面まで延在し、かつ損傷を与えずに前記ガイドワイヤを受容し、支持するように構成される、工程と、
前記ガイドワイヤの前記近位端を前記ハウジングの前記内部ルーメンに通す工程と、
前記インペラに隣接して前記ガイドワイヤの前記近位端を通す工程と、
前記ガイドワイヤが前記ハウジングの前記内部ルーメンから前記ハウジングの外面まで延在するように、前記ガイドワイヤの前記近位端を前記血液出口開口部の前記チャネルに通す工程と
を含む、方法。
【請求項13】
前記チャネルは、前記血液出口開口部の近位部分に位置する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記血液出口開口部は、第1の血液出口開口部であり、前記ハウジングは、第2の血液出口開口部を含み、前記チャネルは、前記第2の血液出口開口部を越えて近位方向に延在する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ガイドワイヤに沿って前記デバイスを移動させる工程と、前記デバイスを前記患者の前記脈管構造に挿入する工程とをさらに含む、請求項12~14のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】