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特表2024-541423拡張現実ゲームプレイのための物理環境の特徴類似性スコアリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】拡張現実ゲームプレイのための物理環境の特徴類似性スコアリング
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/65 20140101AFI20241031BHJP
   A63F 13/46 20140101ALI20241031BHJP
   A63F 13/67 20140101ALI20241031BHJP
   A63F 13/52 20140101ALI20241031BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241031BHJP
【FI】
A63F13/65
A63F13/46
A63F13/67
A63F13/52
G06T19/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529659
(86)(22)【出願日】2022-10-28
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 US2022048274
(87)【国際公開番号】W WO2023091288
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】17/530,329
(32)【優先日】2021-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】トクボ、トッド
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA11
5B050CA07
5B050DA04
5B050EA09
5B050EA19
5B050FA08
5B050FA10
(57)【要約】
【解決手段】拡張現実(AR)ゲームプレイに使用される現実世界の空間の特徴の類似性を処理する方法及びシステムが開示される。この方法には、ゲームのARゲームプレイのためにユーザが使用する現実世界の空間からキャプチャされたセンサデータを受信することが含まれる。センサデータは、現実世界の空間における物理オブジェクトの特性を識別するためのデータを提供する。この方法には、現実世界の空間で識別された物理オブジェクトの特性を使用して、ユーザ空間スコアを生成することが含まれる。この方法には、ユーザ空間スコアを、ゲーム用に事前定義されたゲーム空間スコアと比較することが含まれる。この比較は、ユーザによる現実世界の空間でのゲームのARゲームプレイのためのフィットネスハンディキャップを生成するために使用される。フィットネスハンディキャップを補正または調整するために、ゲームプレイパラメータを調整する場合がある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張現実(AR)ゲームプレイに使用される現実世界の空間の特徴の類似性を処理する方法であって、
ゲームの前記ARゲームプレイのためにユーザによって使用される前記現実世界の空間からキャプチャされたセンサデータを受信することであって、前記センサデータは、前記現実世界の空間内の物理オブジェクトの特性を識別するためのデータを提供する、前記受信することと、
前記現実世界の空間で識別された前記物理オブジェクトの前記特性を使用して、ユーザ空間スコアを生成することと、
前記ユーザ空間スコアを前記ゲーム用に事前定義されたゲーム空間スコアと比較し、この比較が、前記ユーザによる前記現実世界の空間での前記ゲームの前記ARゲームプレイのフィットネスハンディキャップを生成するために使用されることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記現実世界の空間には、前記ARゲームプレイ中の前記ユーザのインタラクティブゾーンが含まれ、前記物理オブジェクトの前記特性は、表面素材の種類を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ空間スコアは、前記インタラクティブゾーン内の各種類の表面素材の数値カウントを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各数値カウントは、前記表面素材の種類に対するしきい値サイズを満たすとスコア付けされる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記センサデータは、カメラ、マイクロフォン、または超音波センサの1つ以上によってキャプチャされ、前記センサデータは、機械学習プロセスによってラベル付けされた特徴セットを識別するために処理され、前記機械学習プロセスは、前記現実世界の空間内の前記物理オブジェクトの前記特性を識別するようにトレーニングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ゲーム空間スコアは、前記ゲーム用に開発されたインタラクティブコンテンツと相関しており、前記ゲーム空間スコアは、前記ARゲームプレイ中に前記ゲームをプレイするために使用される環境の種類に対する最適化されたベースラインを定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ユーザによる前記現実世界の空間での前記ゲームの前記ARゲームプレイに対する前記フィットネスハンディキャップは、前記ARゲームプレイ中に前記ゲームをプレイするために使用される環境の種類に対する最適化されたベースラインからの偏差を識別する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ゲームをプレイしているときに前記ユーザのゲームプレイパラメータを調整して、前記最適化されたベースラインからの前記偏差を大幅に排除し、前記調整は、前記フィットネスハンディキャップを使用してプレイしているときに、1つ以上の難易度設定またはスコアリングしきい値を制御するメタデータを調整するように構成されることをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記偏差を実質的に排除することが、前記最適化されたベースラインにほぼ達するゲーム空間スコアで前記ゲームをプレイする他のユーザとほぼ同等の立場に前記ユーザを配置するために機能する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ユーザの各々及び他のユーザはそれぞれ、前記ゲームをプレイする際に、前記最適化されたベースラインからの前記偏差を実質的に排除するために、前記ユーザの各々及び前記他のユーザが、互いにほぼ同等の立場で前記ゲームをプレイするように、そのゲームプレイパラメータを動的に調整する、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
拡張現実(AR)ゲームプレイに使用される現実世界の空間の特徴の類似性を処理する方法であって、
ゲームの前記ARゲームプレイのためにユーザによって使用される前記現実世界の空間からキャプチャされたセンサデータを受信することであって、前記センサデータは前記現実世界の空間内の物理オブジェクトの特性を識別するためのデータを提供する、前記受信することと、
前記現実世界の空間で識別された前記物理オブジェクトの前記特性を使用して、ユーザ空間スコアを生成することと、
前記ユーザによる前記現実世界の空間での前記ゲームの前記ARゲームプレイのためのフィットネスハンディキャップを生成することと、
前記ユーザのために前記ゲームのゲームプレイパラメータを調整することであって、前記調整によって前記ゲームの難易度設定が変更され、前記フィットネスハンディキャップが補われる、前記調整することと、
を含む方法。
【請求項12】
前記フィットネスハンディキャップは、前記ユーザ空間スコアと、前記ARゲームプレイ中に前記ゲームをプレイするために使用される環境の種類に対する最適化されたベースラインを定義するゲーム空間スコアとの比較に基づいている、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ゲームのスコアリングしきい値を調整し、スコアリングしきい値の前記調整により、前記ゲーム内でスコアを獲得するための前記ゲーム内のアクションのスキル要件が低減または強化されることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザの前記ゲームのゲームプレイパラメータを調整することは、前記現実世界の空間における前記ユーザの偏差を、前記ARゲームプレイ中に前記ゲームをプレイするために使用される環境の種類についてほぼ最適化されたベースラインにあるゲーム空間スコアまで低減するように機能する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記偏差を低減することが、前記最適化されたベースラインにほぼ達するゲーム空間スコアで前記ゲームをプレイする他のユーザとほぼ同等の立場に前記ユーザを配置するために機能する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記別のユーザの前記ゲームのゲームプレイパラメータを調整し、前記別のユーザのフィットネスハンディキャップを、前記ユーザの前記フィットネスハンディキャップとほぼ同じに配置することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記現実世界の空間は、前記ARゲームプレイ中の前記ユーザのインタラクティブゾーンを含み、前記物理オブジェクトの前記特性には、表面素材の種類を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記ユーザ空間スコアは、前記インタラクティブゾーン内の各種類の表面素材の数値カウントを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
各数値カウントは、前記表面素材の種類に対するしきい値サイズを満たすとスコア付けされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記センサデータは、カメラ、マイクロフォン、または超音波センサの1つ以上によってキャプチャされ、前記センサデータは、機械学習プロセスによってラベル付けされた特徴セットを識別するために処理され、前記機械学習プロセスは、前記現実世界の空間内の前記物理オブジェクトの前記特性を識別するようにトレーニングされる、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的には、現実世界の空間における特徴の類似性を使用して、ARゲームにおけるゲームプレイパラメータの調整を可能にし、及び/またはユーザのゲーム空間の独自性に適応することに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の説明
拡張現実(AR)技術は、長年にわたって前例のない成長を遂げており、年平均成長率で成長し続けると予想されている。AR技術は、現実世界のビューをコンピュータ生成素子(例えば、仮想オブジェクト)とリアルタイムで組み合わせるインタラクティブ3次元(3D)エクスペリエンスである。ARシミュレーションでは、実世界に仮想オブジェクトがインフュージョンされ、インタラクティブエクスペリエンスを提供する。AR技術の人気の高まりに伴い、様々な業界は、AR技術を実装して、ユーザエクスペリエンスを向上させた。対象となる業界としては、例えば、ビデオゲーム業界、エンターテインメント、及びソーシャルメディアが挙げられる。
【0003】
例えば、ビデオゲーム業界では、エクスペリエンスのリアリティを高めることでユーザのゲームエクスペリエンスを向上させるという傾向が高まっている。ただし、ARエクスペリエンスは必然的に現実世界に存在するものに依存するため、同じメディアがARエクスペリエンスに使用されたとしても、あるユーザのARエクスペリエンスは別のユーザのARエクスペリエンスとは異なります。
【0004】
このような文脈で、本開示の実施態様が生じる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施態様には、AR環境でのゲームプレイの特徴類似性スコアを生成及び使用するための方法及びシステムが含まれる。一実施形態では、方法は、複数のセンサー(視覚、音声など)を使用して環境をスキャンし、プレイ環境の主要な側面をキャプチャすることを含む。ある構成では、スコアリング方法を使用して、最適化されたタイプのゲームプレイと比較して、ユーザの現実世界の空間がどの程度適合するかを判断する。一例として、スコアリングでは、きれいな壁の数、開いている床面積、オブジェクトまたは障害物の形状、オブジェクトまたは障害物のサイズまたは体積、滑らかな表面または粗い表面の量、窓の数、家具の種類、他の人またはプレイヤの存在などを考慮に入れることができます。ユーザの現実世界の空間に対するこのスコアリングにより、ユーザ空間スコアが生成されます。ユーザの空間スコアは、ゲームの開発者によって事前に定義されたゲーム空間スコア(例えば、VRゲームをプレイするための最適化されたタイプの環境を表す)と比較される場合がある。
【0006】
ユーザ空間スコアがわかると、ゲームプレイパラメータを動的に調整して、ユーザのフィットネスハンディキャップを低減または排除することが可能になる。場合によっては、ゲームプレイは、他のゲームプレイヤの集団及びゲーム開発者がグランドトゥルースとして意図したものと比較して、ゲームプレイ(敵の種類の発生方法、スコアの付け方、アクションまたはタスクの難易度など)を標準化するように調整される。一実施形態では、ユーザの空間スコアをキャプチャして計算することにより、ARゲーム開発において環境の独自性を予測し、それに対応できるようになる。
【0007】
一実施形態では、拡張現実(AR)ゲームプレイに使用される現実世界の空間の特徴の類似性を処理する方法が開示される。この方法には、ゲームの前述のARゲームプレイのためにユーザが使用する現実世界の空間からキャプチャされたセンサデータを受信することが含まれる。センサデータは、現実世界の空間における物理オブジェクトの特性を識別するためのデータを提供する。この方法には、現実世界の空間で識別された物理オブジェクトの特性を使用して、ユーザ空間スコアを生成することが含まれる。この方法には、ユーザ空間スコアを、ゲーム用に事前定義されたゲーム空間スコアと比較することが含まれる。この比較は、ユーザによる現実世界の空間でのゲームのARゲームプレイのためのフィットネスハンディキャップを生成するために使用される。
【0008】
他の実施形態では、拡張現実(AR)ゲームプレイに使用される現実世界の空間の特徴の類似性を処理する方法が開示される。この方法には、ゲームのARゲームプレイのためにユーザが使用する現実世界の空間からキャプチャされたセンサデータを受信することが含まれる。センサデータは、現実世界の空間における物理オブジェクトの特性を識別するためのデータを提供する。この方法には、現実世界の空間で識別された物理オブジェクトの特性を使用して、ユーザ空間スコアを生成することが含まれる。この方法には、ユーザによる現実世界の空間でのゲームのARゲームプレイのためのフィットネスハンディキャップを生成することが含まれる。この方法には、ユーザ向けにゲームのゲームプレイパラメータを調整することが含まれる。その調整によってゲームの難易度設定が変更され、フィットネスハンディキャップが補われる。
【0009】
いくつかの実施形態では、フィットネスハンディキャップは、ユーザ空間スコアと、ARゲームプレイ中にゲームをプレイするために使用される環境の種類に対する最適化されたベースラインを定義するゲーム空間スコアとの比較に基づいている。
【0010】
いくつかの実施形態では、この方法は、ゲームのスコアリングしきい値を調整することをさらに含む。スコアリングしきい値を調整すると、ゲーム内でスコアを獲得するためのゲーム内のアクションのスキル要件が低下する。
【0011】
いくつかの実施形態では、ユーザ空間スコアには、インタラクティブゾーン内の各タイプの表面素材の数値カウントが含まれる。
【0012】
いくつかの実施形態では、各数値カウントは、前述の表面素材の種類に対する閾値サイズを満たすとスコア付けされる。
【0013】
いくつかの実施形態では、センサデータは、カメラ、マイクロフォン、または超音波センサの1つ以上によってキャプチャされ、センサデータは、機械学習プロセスによってラベル付けされた特徴セットを識別するために処理され、機械学習プロセスは、現実世界の空間内の物理オブジェクトの特性を識別するようにトレーニングされる。
【0014】
本開示の他の態様及び利点は、添付の図面と併せて、本開示の原理を例として示す以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本開示は、添付の図面と併せて以下の説明を参照することによってより良く理解され得る。
【0016】
図1】一実施形態に従って、ユーザがゲームをプレイしている現実世界の空間の例を示す。
【0017】
図2】一実施形態に従って、ゲームプレイ正規化エンジンを使用してゲームのゲームプレイパラメータを調整する処理の例を示す。
【0018】
図3】一実施形態に従って、ユーザのフィットネスハンディキャップに基づいてゲームプレイパラメータを調整し得る一例の実施形態を示す。
【0019】
図4】一実施形態に従って、ユーザ空間スコアを生成するプロセスを示す。
【0020】
図5】一実施形態に従って、現実世界の空間に存在する様々なタイプのオブジェクトと、スキャンに応じて現実世界の空間で識別される属性及び特性の例を示す。
【0021】
図6】本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用することができる例示的なデバイスの構成要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示の以下の実施態様は、AR環境でのゲームプレイの特性類似性スコアを生成及び使用するための方法、システム、及びデバイスを提供する。拡張現実(AR)グラスを使用してゲームをプレイしているときに、現実世界の空間におけるユーザのインタラクションゾーンに関連付けられたゲーム空間スコアの形式で、特性類似性スコアが生成される。ここで使用されるARグラスは、ARと仮想現実の両方を処理できる。例えば、ARでは仮想オブジェクトを現実世界の空間内や周囲に配置できるが、VR環境は完全にコンピューティングシステムによって生成される。一実施形態によれば、コンピューティングシステムはARグラスに関連付けられる場合がある。ARグラスには、ARオブジェクト及び/またはVRコンテンツをレンダリングするためのプログラム命令を実行するプロセッサが搭載されている場合がある。一実施形態では、ARグラスは、インターネットを介してサーバに直接通信できるように無線通信機能を備えている。他の実施形態では、ARグラスはゲームコンソールまたはローカルコンピュータとローカルに通信し、ゲームコンソールまたはローカルコンピュータはインターネット経由でサーバと通信し得る。
【0023】
一実施形態では、方法は、複数のセンサ(視覚、音声など)を使用して環境をスキャンし、プレイ環境の主要な側面をキャプチャすることを含む。複数のセンサは、カメラ、マイクロフォン、超音波センサ、光センサ、モーションセンサ、慣性センサ、及び/またはそれらの組み合わせなど様々である。いくつかの実施形態では、センサ融合は、例えばインタラクティブゾーンなどの部屋をスキャンするときに、様々なセンサからキャプチャされたデータを収集するために使用される。ある構成では、スコアリング方法を使用して、最適化されたタイプのゲームプレイと比較して、ユーザの現実世界の空間がどの程度適合するかを判断する。一例として、スコアリングでは、きれいな壁の数、開いている床面積、オブジェクトまたは障害物の形状、オブジェクトまたは障害物のサイズまたは体積、滑らかな表面または粗い表面の量、窓の数、家具の種類、他の人またはプレイヤの存在などを考慮に入れることができる。ユーザの現実世界の空間に対するこのスコアリングにより、ユーザ空間スコアが生成される。ユーザの空間スコアは、ゲームの開発者によって事前に定義されたゲーム空間スコア(例えば、VRゲームをプレイするための最適化されたタイプの環境を表す)と比較される場合がある。
【0024】
ユーザ空間スコアがわかると、ゲームプレイパラメータを動的に調整して、ユーザのフィットネスハンディキャップを低減または排除することが可能になる。場合によっては、ゲームプレイは、他のゲームプレイヤの集団及びゲーム開発者がグランドトゥルースとして意図したものと比較して、ゲームプレイ(敵の種類の発生方法、スコアの付け方、アクションまたはタスクの難易度など)を標準化するように調整される。一実施形態では、ユーザの空間スコアをキャプチャして計算することにより、ARゲーム開発において環境の独自性を予測し、それに対応できるようになる。
【0025】
図1は、ユーザ104がゲームをプレイしている現実世界の空間100の例を示す。一実施形態では、ユーザは、インタラクティブゾーン102でARグラス103を使用して拡張現実ゲームをプレイしている。ユーザの位置はより広範囲に及ぶ場合があるが、インタラクティブゾーン102は、ユーザに近い領域、例えば、ユーザが位置し、ゲームをプレイしている場所である。一般的に言えば、現実世界の空間100には、家またはいる場所内の他の部屋は含まれない場合がある。これは、他の領域では、ARゲームをプレイするときにARグラス103のパフォーマンスが提供されない場合があるためである。例えば、ARグラス103は、インタラクティブゾーン内の現実世界のオブジェクト上またはその近くに仮想オブジェクトを投影する場合がある。
【0026】
ゲームに応じてARオブジェクトを投影したり移動したりできる表面または物が十分にない場合、投影のパフォーマンス、例えば、仮想オブジェクトが現実世界空間100内でどのように認識されるかが影響を受ける場合がある。例として、窓が多すぎると、外部の周囲光が投影されたARオブジェクトのパフォーマンスに影響を与える場合がある。同様に、空間に雑然とした壁または空間が多すぎると、ARオブジェクトの投影及び/または移動に十分な空間が確保できない場合がある。場合によっては、床の反射が強すぎたり、粗すぎたりすると、ARコンテンツの投影が最適にならない場合もある。
【0027】
ARゲームの開発者がゲームを制作する場合、開発者は現実世界の空間がどのように見えるかについていくつかのベースラインとなる想定を立て、及び/または投影され追跡されるARコンテンツを配置、移動、または相互作用するための最小限のレベルの空間を用意する必要がある。ARゲームに必要な機能に対するこれらのベースラインの想定が空間に欠けている場合、ゲームプレイ中にユーザのゲームパフォーマンスが低下する。一実施形態によれば、ゲーム空間スコアを生成するためにインタラクティブゾーン102をスキャンできるようにするプロセスが説明される。次に、ユーザの現実世界空間100のゲーム空間スコアが、開発者によってゲーム用に事前定義されたゲーム空間スコアと比較される。例えば、ゲーム空間スコアは、ARまたはVRを使用して最適なゲームプレイエクスペリエンスを実現するためのベースライン要件を定義し得る。
【0028】
一実施形態では、1つ以上のセンサを使用してスキャンを行うことができる。センサは、音声をキャプチャするもの、ビデオをキャプチャするもの、動きをキャプチャするもの、超音波をキャプチャするもの、温度をキャプチャするもの、湿度をキャプチャするもの、慣性データをキャプチャするものなど、様々である可能性がある。センサは、現実世界の空間にある既存のデバイスの一部である可能性があり、例えば、1台以上のカメラS1、S2、マイクロフォンS3、マイクロフォンS4、ARグラス103上のカメラとマイクロフォンS5、ドアまたはドアベルの一部であってもよいマイクロフォンS6、携帯電話上のマイクロフォンS7、ユーザ104が持ってもよい1台以上のコントローラに統合されたマイクロフォンS8などであってよい。
【0029】
これらのセンサは、一実施形態では、インタラクティブゾーン102の特性をキャプチャし、オブジェクトの種類及び/または表面素材を識別するように構成されてもよい。図示の例では、ユーザ104は敷物108の上に立っている。椅子106及び椅子126が空間内で識別される。壁には絵110が掛けられている。壁の1つに窓114が特定されている。別の壁にはテレビ116が掛けられている。テレビ116の隣にはドア120が配置されている。ゲームコンソール118はテレビ116の下に設置されている。テーブル112が存在し、携帯電話S7がテーブル上に置かれる。犬124がインタラクティブゾーン102内を動き回っているところがキャプチャされる。部屋の中央にある小さなテーブル128の上にランプ112が置かれている。一実施形態では、センサ融合130は、オブジェクト、表面、素材、及びその他の環境の特徴を識別するために、現実世界の空間から環境データをキャプチャすることを表す。
【0030】
一実施形態では、機械学習を利用して、様々なセンサから受信した入力を処理する。機械学習アルゴリズムは、インタラクティブゾーン内に存在する可能性のあるオブジェクトを識別するようにトレーニングされたモデルを使用する。例えば、生のセンサデータはまず機械学習システムによって処理され、キャプチャされたセンサデータ内から特徴データが識別される。次に、特徴データはラベル付けアルゴリズムを使用して処理される。ラベル付けアルゴリズムは、ラベル付けされた特徴データを分類するために、特徴データに意味を割り当てるように構成されている。時間の経過とともに、トレーニングに基づいて、ラベル付けされた特徴データが適切に分類され、機械学習モデルが改善される。機械学習モデルがトレーニングされると、インタラクティブゾーンでキャプチャされたセンサデータを処理するために使用できるようになる。
【0031】
機械学習モデルを使用してセンサデータを処理すると、現実世界の空間にどのような現実世界の特徴があるのかを識別することができる。例えば、センサデータを使用して、ランプ112、敷物108、犬124、窓114、テレビ116、及びインタラクティブゾーンに出入りする場合があるその他のオブジェクトを識別できる。以下でさらに詳しく説明するように、インタラクティブゾーンに存在する機能とそれらの機能のプロパティを識別することによって、インタラクティブゾーンのゲーム空間スコアを生成することができる。
【0032】
図2は、一実施形態に従って、ゲームプレイ正規化エンジン200を使用してゲーム202のゲームプレイパラメータを調整する処理の例を示す。一例では、ユーザ104はゲーム202をプレイしているか、またはゲーム202のプレイを開始している場合がある。正規化エンジン200は、ゲームの起動前にインタラクションゾーン102のスキャンを実行するように(プログラムまたはユーザ入力によって)トリガーされる場合があり、これにより、ARゲームエクスペリエンスは調整されたゲームプレイパラメータで事前構成される。他の実施形態では、ユーザ104はゲームのプレイを開始し、ゲームの開始後に、スムーズな移行を実現するために、ゲームプレイパラメータを一度にすべて調整するか、時間の経過とともに徐々に調整してもよい。
【0033】
動作204では、ユーザの現実世界の空間は、ユーザがARゲームでプレイしている場合がある場所を表し、ここではインタラクティブゾーン102と称す。インタラクティブゾーンは、前述のように、ユーザがARゲームまたはARグラス103と対話する場合がある領域を表す。現実空間100内のセンサを利用してその環境をスキャンし、その環境の音響プロファイルを生成してもよい。スキャンは、センサ融合130を実行し、インタラクティブゾーン102内に存在する場合がある、またはインタラクティブゾーン102に持ち込むことができる様々なセンサを利用して、現実世界の空間の初期スキャンを実行できる。このようにして、現実世界の空間100、具体的にはインタラクティブゾーン102のスキャンを1回または定期的に実行し、後でゲームプレイするために検索できるように安全に保存することができる。
【0034】
このようにして、ARグラス103を用いたゲームプレイが実行されるたびに、継続的にスキャンを実行する必要がなくなる。センサ融合130を使用して、スコアリングプロセス206が実行される。スコアリングプロセス206は、一般に、現実世界空間100内の様々な種類のオブジェクト、及びインタラクティブゾーン102内及びその周囲に存在する様々な種類の素材に関連する表面素材を識別するために使用される。後述するように、スコアリングプロセスは、インタラクティブゾーン102内に存在する様々な種類のオブジェクトの様々なタイプの素材を識別することを含むことができる。スコアリングプロセスは、特定の種類の素材を識別し、それらの種類の素材がインタラクティブゾーン102に存在するかどうかを判断することを含むことができる。
【0035】
しきい値は、それらの表面が存在するかどうか、または数値カウントでカウントされるのに十分な量のそれらの表面が存在するかどうかを判断するために使用される。したがって、数値カウントは、インタラクティブゾーン内に存在する表面の種類、及びそれらの種類の素材に関連する音響吸収または反射をスコアリングするために使用される。数値スコアは、様々な種類の素材と表面、及びそれらの素材の関連する量と吸収率と反射率を組み合わせたスコアである。これらの値を総合すると、現実世界の空間で様々な種類の素材とそれらの素材に関連付けられた重みを定義したベクトルが生成される。
【0036】
したがって、スコアリングプロセス206は、ユーザ空間スコア210を生成する。ユーザ空間スコア210は、スコアリングプロセス206の出力を表す。一実施形態では、ユーザがARグラス103を使用している各インタラクティブゾーン102には、固有のユーザ空間スコア210が設定される。ゲーム202のゲーム開発者は、ARグラス103または同様のARタイプのグラスを使用してゲームをプレイし得る環境の種類に対する最適または最適化されたベースラインスコアを表す最適化されたゲーム空間スコア208も生成する。
【0037】
一実施形態では、ユーザ空間スコアは、自己識別障害を使用してさらに変更または調整することができる。これらの自己識別障害はユーザ固有のものであり、入力、設定、または学習した設定に基づいて調整され得る。一例として、限定されることなく、自己認識障害には、色覚異常、聴覚障害、乗り物酔いに対する敏感さ、着席しなければならないこと、移動不能、運動能力の低下、大きな音に対する敏感さ、暗闇での見えにくさ、明るい光に対する苦手意識、またはこれらの組み合わせ、及び/または他の自己認識障害または好みが含まれる場合がある。1つの構成では、これらの自己認識障害は追加されたアクセシビリティオプションと見なされ、ユーザインターフェイス、音声入力、コントローラ入力、またはタッチスクリーンを使用して設定できる。
【0038】
ゲーム空間スコア208をユーザ空間スコア210と比較することにより、そのユーザ空間スコア210にフィットネスハンディキャップ212を生成できる。フィットネスハンディキャップ212は、ユーザ空間スコア210がゲーム空間スコア208にどれだけ近いか、またはスコアがどれだけ離れているかを表す。両者の偏差が大きいほど、インタラクティブゾーン102の表面の特徴により、インタラクティブゾーン102はARゲームのプレイに適していないことを示す。その結果、偏差が大きいインタラクティブゾーン102内のARゲーム内のユーザ104平面は、偏差が最小限である他のユーザと相対してハンディキャップを負うことになる。
【0039】
一実施形態では、10パーセント未満の偏差が適切であり、ARゲーム202でプレイしているときにユーザ104にそれほど影響を与えない。30パーセント未満の偏差は許容範囲内だが、ユーザ104は、より小さな偏差でプレイしている他のプレイヤに比べて不利な立場でプレイすることになる。例えば、偏差が30パーセントを超えると、ハンディキャップが大きくなり、ユーザ104がゲームを進めることができなくなったり、他のユーザと比較してゲームのプレイが妨げられたりする場合がある。
【0040】
一実施形態では、ユーザ104のフィットネスハンディキャップ212を使用して、ゲームプレイパラメータ214を調整し、偏差を補正することが可能である。一例として、ゲームプレイパラメータは、ゲームでポイントを獲得しやすくしたり、ARキャラクタと対話しやすくしたり、ARキャラクタを見やすくしたり、ARキャラクタのパラメータを変更して背景でより目立つようにしたり、ユーザ空間の音響に基づいてARキャラクタやオブジェクトの音を大きくしたり、他のレベルに進みやすくしたりするなどのために動的に調整されてもよい。
【0041】
これらのパラメータはゲームエンジンへの入力となり、フィットネスハンディキャップを使用してプレイし、そのフィットネスハンディキャップに合わせて調整するときに、様々な難易度、設定、及びその他のパラメータを調整する。一実施形態では、マルチプレイヤARゲームで1人のプレイヤが別のプレイヤと対戦しているときに、各プレイヤのゲームプレイパラメータ214を調整して、フィットネスハンディキャップ212がほぼ等しくなるようにすることができる。このように、フィットネスハンディキャップを完全に排除する必要はなく、各プレイヤのそれぞれのゲームインスタンスのゲームプレイパラメータを調整するだけで、プレイヤをほぼ均等または同等の立場に保つことができる。マルチプレイヤゲームでは、プレイヤの1人または両方、あるいは複数のプレイヤを最適化することで、それぞれの現実世界の環境の特性により、1人または数人のユーザが他のユーザよりも有利な立場に立たないため、ARゲームとゲームプレイのエクスペリエンスが向上する。
【0042】
図3は、一実施形態に従って、ユーザのフィットネスハンディキャップに基づいてゲームプレイパラメータを調整し得る一例の実施形態を示す。一実施形態では、ユーザ104はゲーム302を選択する。ゲーム302は、様々なパラメータを調整できるように開発者によって装備されたARゲームであり、これらのパラメータは、特定のプレイヤのハンディキャップの偏差を除去するための事前定義されたパラメータであってもよい。ゲーム302が選択されると、動作304でユーザの現実世界の空間をスキャンすることができる。前述のように、スキャンは1つまたは複数のセンサによって実行できる。単純な例では、ARグラス自体のセンサが利用される場合がある。センサは、マイクロフォン、カメラ、慣性センサ、超音波センサ、またはこれらまたは複数のセンサの組み合わせを含むことができる。他の実施形態では、センサは、プレイヤまたはユーザがゲーム302をプレイする環境の一部である他のセンサを含むことができる。
【0043】
図1に示すように、センサは多数存在することができ、センサの出力は、ユーザの現実世界の空間の異なる素材、表面、吸収、反射率、及びパラメータを正確にスキャンして定量化するために、センサ融合130プロセスで利用できる。スキャンされたパラメータ(ベクトルまたは行列の形式である場合がある)を使用して、データを利用してユーザ空間スコア306を生成してもよい。一実施形態では、ユーザ空間スコアは正規化された値である場合がある。別の実施形態では、ユーザ空間スコアは、スコアを構成する異なる種類のパラメータのそれぞれに関連付けられた重み及び大きさを持つ、ベクトル形式の複数の値である場合がある。別の実施形態では、行列は、空間の表面及び素材を定義する様々な種類のパラメータ、及びその現実世界の空間、または特定のインタラクティブゾーン102内のユーザの位置に対するそれらの素材及び表面の大きさまたは量を識別できる。
【0044】
動作308では、ユーザ空間スコアが、ゲームの事前に定義されたゲーム空間スコアと比較される。前述のように、ゲーム空間スコアは、ゲームの開発者によって署名されたスコア値である。これらの値は、ゲームをプレイできる空間の最適値を表す。例えば、ARゲームで壁に画像を大量に投影する必要がある場合、投影が可能な壁の空きスペースの広さによって、ARゲームのプレイアビリティが向上する。空間に関連するその他のパラメータと、投影または表示されるARコンテンツへの適応性も考慮される。動作310では、比較に基づいて、ユーザに対するフィットネスハンディキャップが生成される。前述のように、フィットネスハンディキャップは、ゲームの開発者が定義した最適な獲得空間スコアからの偏差を識別してもよい。
【0045】
動作312では、フィットネスハンディキャップに基づいてゲームのゲームプレイパラメータを調整できる。一実施形態では、調整により、ゲーム空間スコアの最適化されたベースラインからの偏差が削減される。他の実施形態では、2人または複数のプレイヤの偏差がほぼ等しくなるように、1人のプレイヤの偏差を大きくすることが望ましい場合がある。したがって、ゲーム空間スコアからの偏差は、場合によっては許容され、場合によっては、偏差がほぼ等しいか実質的に等しい場合に、マルチプレイヤゲーム内の複数のプレイヤがほぼ対等な立場になるように、偏差を大きくすることができることを理解されたい。
【0046】
図4は、一実施形態に従って、ユーザ空間スコアを生成するプロセスを示す。前述のように、ユーザ空間スコアを生成する方法はいくつかあり、次の例は前述の他の方法を制限するものではない。一実施形態では、動作402で、現実世界空間のインタラクティブゾーン内の複数のセンサによってセンサデータがキャプチャされる。前述のように、センサデータは、カメラ、マイクロフォン、慣性センサ、超音波センサ、温度センサ、湿度センサなどの様々な種類のセンサを利用してキャプチャできる。これらのセンサデータ入力をキャプチャするために利用できるデバイスの種類は、ARグラス103、及びインタラクティブゾーン102または現実世界の空間100に存在する場合があるデバイスを含むことができる。
【0047】
一例として、これらの種類のデバイスは、ARグラス103に加えて、テレビセンサ、カメラ、ゲームコンソール、ゲームに使用されるコントローラ、携帯電話、腕時計、及び現実世界の空間100内及びその周囲に存在する場合があるその他のデバイスを含むことができる。動作404では、インタラクティブゾーンの特性が組み立てられる。これらの特性は、インタラクティブゾーン内の様々な種類の表面素材、及び存在する場合がある、または現実世界の空間を定義するその他のオブジェクトを識別する。これらのオブジェクトは、ユーザ104の現実世界の空間100に存在するものに応じて変化する可能性がある。
【0048】
図1の例は、インタラクティブゾーン102に様々な種類のオブジェクトが存在できることを示す。ユーザによって空間は異なり、ユーザの好み、希望、装飾及び配置の選択に合わせてカスタマイズされた様々なオブジェクトが空間内に存在することを理解されたい。このため、ユーザ空間スコアの特性は、ユーザがARゲームをプレイし、特定のインタラクティブゾーンで交流することを決定する場所に応じて異なる。このため、センサを定義し、例えばセンサ融合130のセンサデータの形式でデータをキャプチャするデバイスの種類は大きく異なる。
【0049】
それでも、空間内に存在する場合がある様々な種類のオブジェクト、及びそれらの種類のオブジェクトを定義する表面素材をスキャンして識別するために、センサデータがキャプチャされる。いくつかの実施形態では、しきい値のサイズを満たすオブジェクトの量とそれらのオブジェクト及び素材の表面の量を識別するために数値カウントが実行される。例えば、インタラクティブゾーン102にクリーンでオープンな壁がある場合、そのクリーンでオープンな壁は、その種類の素材の平方フィートまたは平方メートルの量に基づく値を表し得る。したがって、素材の種類ごとに異なる平方フィートまたは平方メートルを計算し、空間内のその種類の素材または表面オブジェクトの量に数値を割り当てることができる。
【0050】
表面素材の量が1平方フィート未満など、カウントするには小さすぎる場合、その素材またはオブジェクトはしきい値を満たさないためカウントされない場合がある。いくつかの実施形態では、インタラクティブゾーン102内のその種類の素材の数を特定するために、少なくとも1平方フィートを超える素材表面がカウントされる。いくつかの実施形態では、生のセンサデータを処理して、インタラクティブゾーン内に存在する様々な種類の素材及び特性を識別するために、機械学習モデル406を利用することができる。例えば、機械学習モデルは、各画像内の特徴を識別するために処理できる画像データを受信し、それらの特徴を分類して、空間内に存在するオブジェクトを識別できる。
【0051】
例えば、機械学習を使用すると、カメラでキャプチャした画像に存在する実際の特徴や特性を識別することができる。特徴と特性は、オブジェクトが何であるかだけでなく、テクスチャ、反射率、粗さ、位置、照明、その他の区別可能または識別可能な特性などのオブジェクトの属性も識別できる。したがって、機械学習モデルは、音、照明、マイクロフォンアレイ、様々な種類のオブジェクト及び表面素材の特性を識別するのに役立つその他のデータなどの他の入力も取り込むことができる。この情報と動作408で生成された数値カウントを利用して、動作410でユーザ空間スコアが生成される。
【0052】
図5は、現実世界の空間に存在する様々なタイプのオブジェクトと、上述のスキャンに応じて現実世界の空間で識別される属性及び特性の例を示す。単純な例として、現実世界の空間またはインタラクティブゾーン102には、壁420、床422、家具424、及びその他のオブジェクト426が含まれる。その他のオブジェクトはここでは説明しきれないほど多くあるが、空間内に存在する場合があるあらゆる種類のオブジェクトを含めることができる。いくつかの実施形態では、他のオブジェクトは、人、ペット、またはロボットなどの他の動く種類のオブジェクトであってもよい。
【0053】
図示の例では、壁420は、粗い、レンガ、覆い、滑らか、窓など、様々な種類の表面素材によって定義され得る。その素材の量についてしきい値が満たされている場合、その種類の表面素材に数値カウントが割り当てられる。例として、壁の粗い表面の量が2平方フィートを超える場合、数値カウントには少なくとも2を割り当てることができる。滑らかな表面が少なくとも16平方フィートを超える場合、数値カウントは16に設定できる。図示された数字は、空間内に存在する素材の種類及び数量または量を考慮したカウント方法を説明するためだけに提供されている。
【0054】
床、家具、及びその他のオブジェクトにも同じことを行うことができる。結果は、ユーザ104のインタラクティブゾーン102のユーザ空間スコア450になる。ユーザ空間スコアは、ベクトル、行列、またはその他の値もしくは数式として定義でき、開発者がゲーム用に定義したゲーム空間スコアと比較できる。前述のように、偏差を削除する、または1人もしくは他のプレイヤに対する偏差を調整するために、ユーザ空間スコアを利用または知ることで、ゲームのゲームプレイパラメータを調整できるようになる。前述のように、ゲームプレイパラメータには、特定のフィットネスハンディキャップを使用してゲームをプレイするときに、1つ以上の難易度設定またはスコアリングしきい値を制御するメタデータの調整も含めることができる。
【0055】
ゲームプレイパラメータを調整すると、ゲームの難易度もしくはその他のパラメータを削除または調整して、プレイヤが実質的に平等な立場でゲームをプレイできるようになることを理解されたい。したがって、環境をスキャンすると、ユーザの現実世界の空間と、ARゲーム中にゲームをプレイするときに使用される環境の種類に対してより最適なまたは最適化されたベースラインを提供する特徴との間の特徴の類似性が生成される。ゲームプレイパラメータの動的な調整を可能にすることで、プレイヤ間のハンディキャップが低減され、ARゲームをプレイする際に各プレイヤ固有の環境を考慮したゲームをより楽しむことができる。したがって、調整により、プレイヤが異なる現実世界の環境(例えば、オンラインゲームやストリーミング中のクラウドゲーム)でプレイしている場合でも、2人または複数のプレイヤ間の正規化またはグラウンドトゥルースが提供される。
【0056】
図6は、本開示の様々な実施形態の態様を実行するために使用することができる例示的なデバイス600の構成要素を示す。このブロック図は、本開示の実施形態を実施するのに好適なパーソナルコンピュータ、ビデオゲームコンソール、パーソナルデジタルアシスタント、サーバ、または他のデジタルデバイスを組み込むことができる、またはこれらであり得る、デバイス600を示す。デバイス600は、ソフトウェアアプリケーション及び任意選択でオペレーティングシステムを実行するための中央処理装置(CPU)602を含む。CPU602は、1つ以上の同種または異種の処理コアで構成されてもよい。例えば、CPU602は、1つ以上の処理コアを有する1つ以上の汎用マイクロプロセッサである。さらなる実施形態は、クエリの解釈、文脈的に関連するリソースの識別、及び文脈的に関連するリソースのビデオゲーム内での即時実施及びレンダリングなど、高並列及び計算集約的なアプリケーションに特に適合したマイクロプロセッサアーキテクチャを有する1つ以上のCPUを使用して、実施することができる。デバイス600は、ゲームセグメント(例えば、ゲームコンソール)をプレイするプレイヤにローカライズされたもの、またはプレイヤからリモートであるもの(例えば、バックエンドサーバプロセッサ)、またはクライアントへのゲームプレイのリモートストリーミングのためにゲームクラウドシステムで仮想化を使用する多くのサーバの1つであってもよい。
【0057】
メモリ604は、CPU602が使用するアプリケーション及びデータを記憶する。ストレージ606は、アプリケーション及びデータのための不揮発性ストレージ及びその他のコンピュータ可読媒体を提供し、固定ディスクドライブ、リムーバブルディスクドライブ、フラッシュメモリデバイス、及びCD-ROM、DVD-ROM、Blu-ray(登録商標)、HD-DVD、またはその他の光学ストレージデバイス、ならびに信号伝送及びストレージメディアを含んでもよい。ユーザ入力デバイス608は、1人以上のユーザからのユーザ入力をデバイス600へ通信し、ユーザ入力デバイス608の例には、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチパッド、タッチスクリーン、スチルレコーダ/カメラもしくはビデオレコーダ/カメラ、ジェスチャを認識する追跡デバイス、及び/またはマイクロフォンが挙げられ得る。ネットワークインタフェース614は、電子通信ネットワークを介してデバイス600が他のコンピュータシステムと通信することを可能にするものであり、ローカルエリアネットワークやインターネットなどのワイドエリアネットワークを介した有線または無線の通信を含み得る。オーディオプロセッサ612は、CPU602、メモリ604、及び/またはストレージ606によって提供される命令及び/またはデータから、アナログまたはデジタルのオーディオ出力を生成するように適合されている。CPU602、メモリ604、データストレージ606、ユーザ入力デバイス608、ネットワークインタフェース610、及びオーディオプロセッサ612を含むデバイス600の構成要素は、1つ以上のデータバス622を介して接続されている。
【0058】
グラフィックスサブシステム620が、データバス622及びデバイス600の構成要素とさらに接続されている。グラフィックスサブシステム620は、グラフィックス処理装置(GPU)616とグラフィックスメモリ618とを含む。グラフィックスメモリ618は、出力画像の各画素の画素データを格納するために使用される表示メモリ(例えば、フレームバッファ)を含む。グラフィックスメモリ618は、GPU608と同じデバイスに統合されてもよく、GPU616と別個のデバイスとして接続されてもよく、及び/またはメモリ604内に組み込まれてもよい。画素データは、CPU602から直接グラフィックスメモリ618に提供することができる。あるいは、CPU602は、所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令をGPU616に提供し、そこからGPU616が1つ以上の出力画像の画素データを生成する。所望の出力画像を定義するデータ及び/または命令は、メモリ604及び/またはグラフィックスメモリ618に格納することができる。実施形態では、GPU616は、シーンのジオメトリ、ライティング、シェーディング、テクスチャリング、モーション、及び/またはカメラパラメータを定義する命令及びデータから、出力画像用の画素データを生成するための3Dレンダリング機能を含む。GPU616は、シェーダプログラムを実行することができる1つ以上のプログラマブル実行ユニットをさらに含むことができる。
【0059】
グラフィックスサブシステム614は、グラフィックスメモリ618から画像の画素データを定期的に出力して、ディスプレイデバイス610に表示させる。ディスプレイデバイス610は、CRT、LCD、プラズマ、及びOLEDディスプレイを含む、デバイス600からの信号に応答して視覚情報を表示することができる任意のデバイスであり得る。デバイス600は、例えば、アナログ信号またはデジタル信号をディスプレイデバイス610に提供することができる。
【0060】
現在の実施形態のゲームへのアクセス提供など、広範囲な地域にわたり配信されるアクセスサービスは、多くの場合、クラウドコンピューティングを使用することに留意されたい。クラウドコンピューティングとは、動的にスケーラブルで多くの場合仮想化されたリソースがインターネット経由のサービスとして提供される、コンピューティング様式である。ユーザは、ユーザをサポートする「クラウド」の技術的インフラストラクチャのエキスパートである必要はない。クラウドコンピューティングは、サービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、及びサービスとしてのソフトウェア(SaaS)などの異なるサービスに分けることができる。クラウドコンピューティングサービスは、多くの場合、ビデオゲームなどの共通のアプリケーションを、ウェブブラウザからアクセスするオンラインで提供するが、ソフトウェア及びデータは、クラウド内のサーバに記憶される。クラウドという用語は、コンピュータネットワーク図におけるインターネットの描かれ方に基づいたインターネットの隠喩として使用され、それが隠し持つ複雑なインフラストラクチャの抽象的概念である。
【0061】
一部の実施形態では、ゲームサーバを使用して、ビデオゲームプレイヤのための持続時間情報プラットフォームの動作を実行してよい。インターネット経由でプレイされる大抵のビデオゲームは、ゲームサーバへの接続を介して動作する。通常、ゲームは、プレイヤからデータを収集し、収集したデータを他のプレイヤに配信する専用サーバアプリケーションを使用する。他の実施形態では、ビデオゲームは、分散型ゲームエンジンによって実行されてよい。これらの実施形態では、分散型ゲームエンジンは、複数の処理エンティティ(PE)上で実行されてよく、各PEは、ビデオゲームが実行される所与のゲームエンジンの機能セグメントを実行する。各処理エンティティは、ゲームエンジンからは単なる計算ノードと見なされる。ゲームエンジンは通常、機能的に多様な一連の動作を行って、ユーザがエクスペリエンスする追加のサービスと共にビデオゲームアプリケーションを実行する。例えば、ゲームエンジンは、ゲームロジックを実装し、ゲーム計算、物理特性、ジオメトリ変換、レンダリング、ライティング、シェーディング、オーディオ、ならびに追加のゲーム内もしくはゲーム関連サービスを実行する。追加のサービスには、例えば、メッセージング、ソーシャルユーティリティ、オーディオ通信、ゲームプレイ再生機能、ヘルプ機能などが含まれてよい。ゲームエンジンは、特定のサーバのハイパーバイザによって仮想化されたオペレーティングシステム上で実行されてよい場合もあるが、他の実施形態では、ゲームエンジン自体が複数の処理エンティティに分散され、各エンティティはデータセンタの異なるサーバユニットに常駐してよい。
【0062】
この実施形態によると、方法/処理動作の実行のために各処理エンティティは、各ゲームエンジンセグメントのニーズに応じて、サーバユニット、仮想マシン、またはコンテナであってよい。例えば、ゲームエンジンセグメントがカメラの変換を担当する場合、その特定のゲームエンジンセグメントは、比較的単純な数学演算(例えば、行列変換)を多数行うことになるので、グラフィックス処理装置(GPU)に関連する仮想マシンと共にプロビジョニングされてよい。より少ないがより複雑な動作を必要とする他のゲームエンジンセグメントは、1つ以上のより高出力の中央処理装置(CPU)に関連する処理エンティティと共にプロビジョニングされてよい。
【0063】
ゲームエンジンを分散することにより、ゲームエンジンは、物理サーバユニットの能力に拘束されない弾力性のある計算特性を備える。代わりに、ゲームエンジンは、必要に応じて、ビデオゲームの要求を満たすためにより多いまたは少ない計算ノードと共にプロビジョニングされる。ビデオゲーム及びビデオゲームプレイヤの観点からは、複数の計算ノードに分散されているゲームエンジンは、ゲームエンジンマネージャまたはスーパーバイザがワークロードを分散し、結果をシームレスに統合して、エンドユーザにビデオゲーム出力構成要素を提供するので、単一の処理エンティティで実行される非分散ゲームエンジンと区別できない。
【0064】
ユーザは、少なくともCPU、ディスプレイ、及びI/Oを含むクライアントデバイスにより、リモートサービスにアクセスする。クライアントデバイスは、PC、携帯電話、ネットブック、PDAなどであってよい。一実施形態では、ゲームサーバ上で実行されるネットワークは、クライアントが使用するデバイスの種類を認識し、採用する通信方法を調整する。別の事例では、クライアントデバイスは、HTMLなどの標準的な通信方法を使用して、インターネット経由でゲームサーバ上のアプリケーションにアクセスする。
【0065】
当然ながら、所与のビデオゲームまたはゲームアプリケーションは、特定のプラットフォーム及び特定の関連するコントローラデバイス用に開発されてよい。しかし、このようなゲームが、本明細書に記載されるようなゲームクラウドシステムを介して利用可能となる場合、ユーザは、異なるコントローラデバイスを用いてビデオゲームにアクセスすることができる。例えば、ゲームは、ゲームコンソール及びその関連コントローラ用に開発された場合があるが、ユーザは、キーボード及びマウスを利用して、パーソナルコンピュータからクラウドベースバージョンのゲームにアクセスすることができる。このようなシナリオでは、入力パラメータ設定により、ユーザが利用可能なコントローラデバイス(この事例ではキーボード及びマウス)により生成され得る入力から、ビデオゲームの実行で受け入れ可能な入力へ、マッピングを定義することができる。
【0066】
別の例では、ユーザは、タブレットコンピューティングデバイス、タッチスクリーンスマートフォン、または他のタッチスクリーン駆動デバイスを介して、クラウドゲームシステムにアクセスしてよい。この場合、クライアントデバイス及びコントローラデバイスは、同じデバイス内に一緒に統合され、検出されたタッチスクリーン入力/ジェスチャにより入力が提供される。このようなデバイスでは、入力パラメータ設定により、ビデオゲームのゲーム入力に対応する特定のタッチスクリーン入力を定義してよい。例えば、ボタン、指向性パッド、または他の種類の入力素子は、ビデオゲームの実行中に表示されて、またはオーバーレイされて、ユーザがゲーム入力を生成するためにタッチすることができるタッチスクリーン上の位置を示してよい。特定の向きにおけるスワイプなどのジェスチャ、または特定のタッチモーションもゲーム入力として検出され得る。一実施形態では、タッチスクリーン上での制御動作にユーザを慣れさせるために、例えばビデオゲームのゲームプレイを始める前に、タッチスクリーンを介してゲームプレイに入力する方法を示すチュートリアルが、ユーザに提供できる。
【0067】
いくつかの実施形態では、クライアントデバイスは、コントローラデバイスについての接続ポイントとして機能する。すなわち、コントローラデバイスは、無線接続または有線接続を介してクライアントデバイスと通信し、コントローラデバイスからクライアントデバイスへ入力を送信する。次に、クライアントデバイスは、これらの入力を処理して、その後入力データを、ネットワーク(例えばルータなどのローカルネットワークデバイスを介してアクセスされるネットワーク)を介して、クラウドゲームサーバへ送信し得る。しかしながら、他の実施形態において、コントローラ自体は、ネットワークを介してクラウドゲームサーバへ直接に入力を通信する能力を有し、これらのような入力を最初にクライアントデバイスを通して通信する必要がなく、ネットワーク化されたデバイスであることが可能である。例えば、コントローラは、ローカルネットワークデバイス(前述のルータなど)に接続して、クラウドゲームサーバとデータを送受信し得る。したがって、クライアントデバイスは、クラウドベースのビデオゲームからビデオ出力を受信し、それをローカルディスプレイにレンダリングすることを依然として必要とされるが、コントローラがクライアントデバイスを迂回してクラウドゲームサーバへネットワーク経由で直接に入力を送信することを可能にすることにより、入力レイテンシを低減することができる。
【0068】
一実施形態において、ネットワーク化されたコントローラ及びクライアントデバイスは、特定の種類の入力をコントローラからクラウドゲームサーバへ直接に、また他の種類の入力をクライアントデバイスを介して送信するように構成することができる。例えば、コントローラ自体は別として、任意の追加のハードウェアまたは処理に依存しない検出による入力は、クライアントデバイスを迂回して、ネットワークを介して直接コントローラからクラウドゲームサーバへ送信することができる。このような入力は、ボタン入力、ジョイスティック入力、埋め込み型動き検出入力(例えば、加速度計、磁力計、ジャイロスコープ)などを含み得る。しかしながら、追加のハードウェアを利用する、またはクライアントデバイスによる処理を必要とする入力は、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ送信できる。これらは、クラウドゲームサーバへ送信する前に、クライアントデバイスにより処理されることができるゲーム環境からキャプチャされたビデオまたは音声を含むことができる。加えて、コントローラの動き検出ハードウェアからの入力は、キャプチャされたビデオと併せてクライアントデバイスにより処理され、コントローラの位置及び動きを検出することができ、その後、クライアントデバイスによりクラウドゲームサーバへ通信される。様々な実施形態によるコントローラデバイスはまた、クライアントデバイスから、または直接クラウドゲームサーバから、データ(例えばフィードバックデータ)を受信し得ることを理解されたい。
【0069】
本明細書で定義される様々な実施形態は、本明細書で開示される様々な特徴を使用する特定の実施態様に組み合わされてもよい、または組み立てられ得ることを、理解されたい。したがって、提供される例は、可能な例の一部にすぎず、様々な要素を組み合わせて、より多くの実施態様を規定することによって可能である様々な実施態様に制限を加えるものではない。一部の例では、一部の実施態様は、開示されたまたは同等の実施態様の趣旨から逸脱することなく、より少ない要素を含んでもよい。
【0070】
本開示の実施形態は、ハンドヘルドデバイス、マイクロプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースもしくはプログラム可能家庭用電化製品、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータなどを含む様々なコンピュータシステム構成で実践されてよい。本開示の実施形態はまた、有線ベースネットワークまたは無線ネットワークを介してリンクされる遠隔処理デバイスによりタスクが行われる分散コンピューティング環境においても、実施することができる。
【0071】
方法動作を特定の順序で説明したが、修正されたゲーム状態を生成するためのテレメトリ及びゲーム状態データの処理が所望の方法で実行される限り、動作間に他のハウスキーピング動作が実行されてもよく、または動作がわずかに異なる時間に起こるように調整されてもよく、またはシステム内に動作を分散することで、様々な処理関連間隔で処理動作が起こることを可能にしてもよいことを、理解されたい。
【0072】
1つ以上の実施形態は、コンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして作ることもできる。コンピュータ可読媒体は、データを記憶することができ、その後、コンピュータシステムによって読み取ることができる任意のデータストレージデバイスである。コンピュータ可読媒体の例は、ハードドライブ、ネットワーク接続ストレージ(NAS)、読み出し専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、並びに他の光学及び非光学データストレージデバイスを含む。コンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読コードが分散方式で記憶され実行されるように、ネットワーク接続されたコンピュータシステムにわたり分散されたコンピュータ可読有形媒体が含まれ得る。
【0073】
一実施形態では、ビデオゲームは、ゲーム機、パーソナルコンピュータ、またはサーバ上でローカルに実行される。いくつかの場合、ビデオゲームは、データセンタの1つ以上のサーバによって実行される。ビデオゲームが実行されるとき、ビデオゲームのいくつかのインスタンスは、ビデオゲームのシミュレーションであり得る。例えば、ビデオゲームは、ビデオゲームのシミュレーションを生成する環境またはサーバによって実行され得る。シミュレーションは、いくつかの実施形態では、ビデオゲームのインスタンスである。他の実施形態では、シミュレーションはエミュレータによって生成されてもよい。いずれの場合でも、ビデオゲームがシミュレーションとして表現されている場合、そのシミュレーションは、ユーザ入力によってインタラクティブにストリーミング、実行、及び/または制御できるインタラクティブコンテンツをレンダリングするために実行することができる。
【0074】
前述の実施形態は、理解を明確にするためにある程度詳細に説明されたが、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正を実施できることは明らかであろう。したがって、本実施形態は、限定ではなく例示としてみなされるべきであり、本実施形態は、本明細書に記載される詳細に限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲及び均等物の範囲内で修正されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】