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特表2024-541426充電制御方法、システム、端末機器、充電器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】充電制御方法、システム、端末機器、充電器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/04 20060101AFI20241031BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
H02J7/04 A
H02J7/10 H
H02J7/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529691
(86)(22)【出願日】2022-10-14
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 CN2022125389
(87)【国際公開番号】W WO2023093353
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】202111414485.5
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】張慶立
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA03
5G503CA14
(57)【要約】
本出願は、充電制御方法、システム、端末機器、充電器及び記憶媒体を開示し、この充電制御方法は、充電器の最大充電電力値を取得するステップ(S110)と、最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得るステップであって、予め設定される充電データリストが、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、第一の電流値が、充電器が電池に充電する最大電流値であるステップ(S120)と、第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定するステップ(S130)と、ターゲットカットオフ電流値に基づいてターゲットカットオフ電圧値を決定するステップであって、ターゲットカットオフ電圧値が、ターゲットカットオフ電流値に対応するサンプルカットオフ電圧値であるステップ(S140)と、ターゲットカットオフ電流値とターゲットカットオフ電圧値に基づいて電池を充電するステップ(S150)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられる充電制御方法であって、
前記充電器の最大充電電力値を取得することと、
前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることであって、前記予め設定される充電データリストが、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、前記第一の電流値が、前記充電器が前記電池に充電する最大電流値であることと、
前記第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電流値が、前記第一の電流値よりも小さいことと、
前記ターゲットカットオフ電流値に基づいてターゲットカットオフ電圧値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電圧値が、前記ターゲットカットオフ電流値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値であることと、
前記ターゲットカットオフ電流値と前記ターゲットカットオフ電圧値に基づいて前記電池を充電することとを含む、方法。
【請求項2】
前記の、前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることは、
前記最大充電電力値、前記サンプルカットオフ電圧値及び予め設定される充電効率値に基づいて、前記充電器の最大出力電流値である第二の電流値を得ることと、
負荷によって消費される電流値である第三の電流値を取得することと、
前記第二の電流値から前記第三の電流値を減算して前記第一の電流値を得ることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予め設定される充電データリストは、複数の非ターゲット電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値と前記サンプルカットオフ電圧値とをさらに含み、前記の、前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることは、
ターゲット電池容量値を取得することと、
前記ターゲット電池容量値に基づいて前記予め設定される充電データリストから前記ターゲット電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値を決定することと、
前記最大充電電力値、前記ターゲット電池容量値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値及び予め設定される充電効率値に基づいて、前記充電器の最大出力電流値である第二の電流値を得ることと、
負荷によって消費される電流値である第三の電流値を取得することと、
前記第二の電流値から前記第三の電流値を減算して第一の電流値を得ることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の、前記第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することは、
前記ターゲット電池容量値に対応する各前記サンプルカットオフ電流値をトラバースし、前記サンプルカットオフ電流値が、前記第一の電流値から予め設定される残量電流値を減算した値以下である場合に、前記サンプルカットオフ電流値を候補カットオフ電流値として決定することと、
最大の前記候補カットオフ電流値を前記ターゲットカットオフ電流値として決定することとを含む、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記予め設定される充電データリストの生成方法は、
電池に対して充放電試験を行って、複数のターゲット電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値と前記サンプルカットオフ電圧値とを得ることであって、前記ターゲット電池容量値に前記ターゲット電池容量値が含まれることと、
前記ターゲット電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値と前記サンプルカットオフ電圧値に基づいて前記予め設定される充電データリストを生成することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記の、前記充電器の最大充電電力値を取得する前に、前記方法は、
前記充電器の充電器パラメータを取得することと、
前記充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定することと、
前記充電器タイプが急速充電器である場合に、前記予め設定される充電データリストにおける前記ターゲット電池容量値に対応する最大の前記サンプルカットオフ電流値を前記ターゲットカットオフ電流値として決定し、前記ターゲットカットオフ電流値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値を前記ターゲットカットオフ電圧値として決定することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記の、前記充電器の最大充電電力値を取得する前に、前記方法は、
前記充電器の充電器パラメータを取得することと、
前記充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定することと、
前記充電器タイプが急速充電器である場合に、予め設定されるカットオフ電圧値を前記ターゲットカットオフ電圧値として決定し、予め設定されるカットオフ電流値を前記ターゲットカットオフ電流値として決定することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
充電制御システムであって、メモリと、プロセッサと、メモリ上に記憶され、プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する時に請求項1から7のいずれか1項に記載の充電制御方法を実現する、充電制御システム。
【請求項9】
請求項8に記載の充電制御システムを含む、端末機器。
【請求項10】
請求項8に記載の充電制御システムを含む、充電器。
【請求項11】
請求項1から7のいずれか1項に記載の充電制御方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、出願番号が202111414485.5であり、出願日が2021年11月25日である中国特許出願に基づいて提出され、この中国特許出願の優先権を主張しており、この中国特許出願の内容のすべては、ここで参照として本出願に取り込まれる。
【0002】
本出願は、充電技術分野に関し、具体的に充電制御方法、システム、端末機器、充電器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の蓄電池は、設定されたカットオフ電圧とカットオフ電流に基づいて充電する時、定電流段階で急速充電が可能であるが、実際の定電圧充電段階が冗長すぎるため、前の充電が速く、最後の充電完了に必要な時間は、依然として比較的に長い。この問題を解決するために、急速充電をサポートするスマート端末では、最大充電電圧を向上させ、カットオフ電流を向上させるFCC充電方式が一般的に採用されており、このように定電流充電の段階を延長し、定電圧充電の段階を減少させ、総充電時間を短縮することができる。
【0004】
しかしながら、現在の充電制御方法は、異なる充電器に対して同じカットオフ電圧とカットオフ電流を使用して充電し、端末にマッチングしない充電器を使用して端末の電池を充電する時、電池の過充電又は電池の充電不足の問題が存在する。例えば急速充電をサポートする移動端末は、小電力充電器を使用する時、依然として急速充電のために設定されたカットオフ電圧とカットオフ電流を使用すると、実際に充電される電力量に偏差が現れ、電池寿命とユーザ体験に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下は、本明細書で詳細に記述されたテーマの概要である。本概要は、特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0006】
本出願の実施例は、充電制御方法、システム、端末機器、充電器及び記憶媒体を提供する。
【0007】
本出願に言及された電圧と電流は、いずれも電圧値と電流値を指す。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、充電制御方法を提供し、前記方法は、充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられ、前記方法は、前記充電器の最大充電電力値を取得することと、前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることであって、前記予め設定される充電データリストが、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、前記第一の電流値が、前記充電器が前記電池に充電する最大電流値であることと、前記第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電流値が、前記第一の電流値よりも小さいことと、前記ターゲットカットオフ電流値に基づいてターゲットカットオフ電圧値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電圧値が、前記ターゲットカットオフ電流値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値であることと、前記ターゲットカットオフ電流値と前記ターゲットカットオフ電圧値に基づいて前記電池を充電することとを含む。
【0009】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、充電制御システムを提供し、前記充電制御システムは、メモリと、プロセッサと、メモリ上に記憶され、プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムとを含み、ここで、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する時に第一の態様のいずれか1項に記載の充電制御方法を実現する。
【0010】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、端末機器を提供し、前記機器は、第二の態様のいずれか1項に記載の実施例に記載の充電制御システムを含む。
【0011】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、充電器を提供し、前記充電器は、第二の態様のいずれか1項に記載の実施例に記載の充電制御システムを含む。
【0012】
第五の態様によれば、本出願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータ実行可能命令が記憶されており、前記コンピュータ実行可能命令は、第一の態様のいずれか1項に記載の実施例に記載の充電制御方法を実行するために用いられる。
【0013】
本出願の他の特徴と利点は、その後の明細書において述べられるとともに、本出願の目的と他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面において特に指摘された構造によって実現して得られる。
図面は、本出願の技術案のさらなる理解を提供するために用いられるとともに、明細書の一部を構成し、本出願の実施例と共に本出願の技術案を解釈するために用いられ、本出願の技術案を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本出願の一実施例による充電制御方法のステップフローチャートである。
図2】本出願の別の実施例による充電制御方法において、充電データリストにターゲット電気容量に対応するデータしかない場合に第一の電流を得るステップフローチャートである。
図3】本出願の別の実施例による充電制御方法において、充電データリストにターゲット電気容量以外の電気容量に対応するデータがある場合に第一の電流を得るステップフローチャートである。
図4】本出願の別の実施例による充電制御方法においてターゲットカットオフ電流値を決定するステップフローチャートである。
図5】本出願の別の実施例による充電制御方法において充電データリストを生成するステップフローチャートである。
図6】本出願の別の実施例による充電制御方法において、充電器が急速充電器である場合に充電データリストに基づいて処理するステップフローチャートである。
図7】本出願の別の実施例による充電制御方法において、充電器が急速充電器である場合に予め設定されるパラメータに基づいて処理するステップフローチャートである。
図8】本出願の別の実施例による、充電電制御方法により充電制御を行う実例図である。
図9】本出願の別の実施例による充電制御システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願の目的、技術案及び利点をより明瞭に理解するために、以下の図面及び実施例を結び付けながら、本出願をさらに詳細に説明する。ここで記述された実施例は、本出願を解釈するためにのみ用いられ、本出願を限定するためのものではない。
【0016】
システム概略図において機能モジュール分けを行っており、フローチャートに論理順序が示されているが、いくつかの場合に、システムにおけるモジュール分けとは異なってもよく、又は示されるもくしは記述されるステップは、フローチャートにおける順序と異なるもので実行してもよい。明細書と特許請求の範囲及び上記図面における用語である「第一」、「第二」などは、類似している対象を区別するものであり、必ずしも特定の順序又は前後手順を記述するためのものではない。
【0017】
本出願の実施例は、充電制御方法、システム、端末機器、充電器及び記憶媒体を含み、充電制御方法は、充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられ、方法は、充電器の最大充電電力値を取得することと、最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることであって、予め設定される充電データリストが、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、第一の電流値が、充電器が電池に充電する最大電流値であることと、第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することであって、ターゲットカットオフ電流値が、第一の電流値よりも小さいことと、ターゲットカットオフ電流値に基づいてターゲットカットオフ電圧値を決定することであって、ターゲットカットオフ電圧値が、ターゲットカットオフ電流値に対応するサンプルカットオフ電圧値であることと、ターゲットカットオフ電流値とターゲットカットオフ電圧値に基づいて電池を充電することとを含む。本出願の実施例による方案によれば、電池を充電する時に、充電器の電力と電流に基づいて適切なカットオフ電圧とカットオフ電流を選択し、ターゲットカットオフ電流値とターゲットカットオフ電圧値に基づいて電池を充電して、電池に充電される電力量は、ちょうど電池を満充電することができ、電池が過充電になるか又は電池を完全に満充電できないという問題の発生を回避することができる。
【0018】
一実施例では、本出願による充電制御方法は、充電制御システムに用いられ、この充電制御システムは、充電可能な機器内に設置され、充電制御方法によって、この充電制御システムは、充電器の電力と電流に基づいて適切なカットオフ電圧とカットオフ電流を選択し、この機器への充電中に電池の過充電又は電池の充電不足の問題の発生を回避することができる。
【0019】
一実施例では、本出願による充電制御方法は、充電制御システムに用いられ、この充電制御システムは、充電器内に設置され、充電制御方法によって、この充電制御システムは、充電器の電力と電流に基づいて適切なカットオフ電圧とカットオフ電流を選択し、この充電器による充電中に電池の過充電又は電池の充電不足の問題の発生を回避することができる。
【0020】
一実施例では、本出願による充電制御方法は、充電制御システムに用いられ、この充電制御システムは、適切なカットオフ電圧とカットオフ電流を選択し、カットオフ電圧とカットオフ電流を端末上に設置されるデジタル回路に伝送し、このデジタル回路は、カットオフ電圧とカットオフ電流に基づいて電池を充電するために用いられる。
【0021】
一実施例では、本出願による充電制御方法は、充電制御システムに用いられ、この充電制御システムは、適切なカットオフ電圧とカットオフ電流を選択し、カットオフ電圧とカットオフ電流を充電器上に設置されるデジタル回路に伝送し、このデジタル回路は、カットオフ電圧とカットオフ電流に基づいて電池を充電するために用いられる。
【0022】
本出願による充電制御方法は、充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられ、これは、電池への充電を開始する時に、後続の充電準備のために、充電器、電池と充電制御システムを相互接続状態にすることを表す。ここで、充電制御システムがそれぞれ充電器と電池とに接続されることは、非充電状態にある充電器、電池と充電制御システムの間の接続関係を制限するものではなく、非充電状態において、充電器、電池と充電制御システムの間の接続関係は、相互又は部分的な分離であってもよく、相互又は部分的な接続であってもよい。
【0023】
本出願による充電制御方法は、充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられ、ここで、充電制御システムは、それぞれ充電器と電池とに接続され、回線を介する有線接続であってもよく、信号を介する無線接続であってもよい。
【0024】
上記実施例は、本出願に提出された技術案に用いられるハードウェア機器を解釈するものにすぎず、本出願に提出された技術案を制限するものではない。
【0025】
表(1)を参照すると、表(1)は、カットオフ電圧、カットオフ電流及び電池容量の間の関係を表す数値表である。
【0026】
【表1】
【0027】
表(1)を参照すると、電池に同じ電力量が充電される場合に、カットオフ電圧が大きく、カットオフ電流が大きいほど、充電カットオフの速度が速くなるとともに、カットオフ電圧が大きく、カットオフ電流が小さいほど、電池に充電される電力量が多くなるため、端末にマッチングしない充電器を使用して端末の電池を充電する時、電池が過充電になるか又は電池を完全に満充電できないという問題が存在し、例えば:
電池が過充電になる例:現在、電池容量4410mAhの電池S1があり、この電池に対応するカットオフ電圧が4.48Vであり、カットオフ電流が800mAであるとともに、充電器Aもあり、充電器Aは、カットオフ電圧が4.45Vであり、カットオフ電流が400mAである場合にS1に4410mAhの電気容量を充電することができる。充電器Aを使用してS1を充電する時、カットオフ電圧は、4.48Vであり、カットオフ電流は、800mAであり、表(1)から分かるように、この時に充電する電気容量は、必ず4480mAhよりも大きく、S1の過充電をもたらす。
【0028】
電池を完全に満充電できない例:現在、電池容量4410mAhの電池S2があり、この電池に対応するカットオフ電圧が4.45Vであり、カットオフ電流が400mAであるとともに、充電器Bもあり、充電器Bは、カットオフ電圧が4.48Vであり、カットオフ電流が800mAである場合にS2に4410mAhの電気容量を充電することができる。充電器Bを使用してS2を充電する時、カットオフ電圧は、4.45Vであり、カットオフ電流は、400mAであり、表(1)から分かるように、この時に充電する電気容量は、必ず4380mAhよりも小さく、S2を完全に満充電できないことをもたらす。
【0029】
以下では、図面を結び付けながら、本出願の実施例をさらに記述する。
【0030】
図1を参照すると、図1は、本出願の一実施例による充電制御方法のステップフローチャートであり、この充電制御方法は、充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられ、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0031】
ステップS110:充電器の最大充電電力値を取得する。
【0032】
充電器のタイプに応じて対応する方式で充電器の最大充電電力値を取得することができる。例えば、PD充電器について、PDプロトコルによって充電器の最大充電電力値を取得することができ、一般的な充電器について、電力検出の方法を使用して充電器の最大充電電力値を取得することができ、USB充電を使用する充電方式について、USBインターフェースを充電器として、USBプロトコルによって最大充電電力値を直接取得することができる。なお、充電器の最大充電電力値を取得する方法は、上記の例示に限られず、関連分野の技術者は、実際の状況に応じて調整してもよい。
【0033】
ステップS120:最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得、予め設定される充電データリストは、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、第一の電流値は、充電器が電池に充電する最大電流値である。
【0034】
予め設定される充電データリストは、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、ここで、ターゲット電池容量値は、プロジェクトにおける製品の需要とポジショニングに基づいて総合的に考慮された一つの適切なターゲット電池容量値である。ターゲット電池容量値は、電池が蓄積可能な電気容量を表し、電池が蓄積可能な電気容量は、電池の出荷時に設定された出荷電池容量と電池の損失後の実際の電池容量を含む。
【0035】
一実施例では、表(2)を参照すると、充電データリストは、電池のセルで充放電試験を行って得ることができる。充電データリストには、表(2)に示す電池容量に対応するカットオフ電圧データとカットオフ電流データとが含まれる。充電データリストは、充電制御方法においてこの充電データリストに基づいてターゲット電池容量値に対応するターゲットカットオフ電圧値とターゲットカットオフ電流値を決定するために用いられる。充電データリストにおけるターゲット電池容量値に対応するカットオフ電流データとカットオフ電圧データをサンプルカットオフ電圧値とサンプルカットオフ電流値と呼ぶ。
【0036】
【表2】
なお、第一の電流値は、充電器が電池に充電する最大電流値であり、この最大電流値とは、単位時刻当たりに電池に充電できる実際の最大電流の電流値であり、この最大電流値と充電器がすでに電池に充電した電流とは、無関係である。
【0037】
ステップS130:第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定し、ターゲットカットオフ電流値は、第一の電流値よりも小さい。
【0038】
ここで、第一の電流値は、充電器が電池に充電する最大電流値であり、現在の電池充電中には、定電圧充電段階が存在するが、ターゲットカットオフ電流値が第一の電流値よりも小さい場合にのみ、電池充電中に定電圧充電段階を有するため、ターゲットカットオフ電流値は、第一の電流値よりも小さくなるべきである。
【0039】
また、すべてのサンプルカットオフ電圧値とサンプルカットオフ電流値は、いずれもターゲット電池容量値に対応する。ターゲットカットオフ電流値が第一の電流値よりも小さいことを満たす場合に、いずれか一つのサンプルカットオフ電流値をターゲットカットオフ電流値として決定し、対応するサンプルカットオフ電圧値をターゲットカットオフ電圧値として決定することにより、電池に充電される電力量は、ちょうど電池を満充電することができ、電池が過充電になるか又は電池を完全に満充電できないという問題の発生を回避することができる。本出願の例示的な実施例は、いずれも一般的な状況での充電問題のみを考慮する。
【0040】
ステップS140:ターゲットカットオフ電流値に基づいてターゲットカットオフ電圧値を決定し、ターゲットカットオフ電圧値は、ターゲットカットオフ電流値に対応するサンプルカットオフ電圧値である。
【0041】
ここで、すでに第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定した場合に、充電データリストを再度探して、充電データリストにおけるターゲットカットオフ電流値に対応するサンプルカットオフ電圧値をターゲットカットオフ電圧値として決定してもよく、充電データリストにおけるターゲットカットオフ電圧値に隣接する対応するサンプルカットオフ電圧値を直接読み取り、このサンプルカットオフ電圧値をターゲットカットオフ電圧値として決定してもよく、関連分野の技術者は、実際の状況に応じてデータ読み取り方式を設定してもよい。
【0042】
ステップS150:ターゲットカットオフ電流値とターゲットカットオフ電圧値に基づいて電池を充電する。
【0043】
一般的には、充電中に、端末の電力量百分率を100%と表示することと充電カットオフは、二つの段階であり、電力量百分率は、一般的にはクーロンメータによって電流を積算して得られるものであり、電力量百分率を100%と表示することは、積算により電池の電力量がすでに満充電になったことを予測することを表すが、実際の充電カットオフは、一般的には電池の電圧と電流がカットオフ電圧とカットオフ電流を満たすかどうかに基づいて判断される。ここで、一般的には、充電は、定電流充電と定電圧充電との二つの段階に分けられ、定電流充電の場合、電池の電圧は、カットオフ電圧よりも低く、一定の電流で電池を充電することができ、電池電圧がカットオフ電圧に達した後に、充電制御システムは、定電圧充電モードになり、電池電圧をカットオフ電圧に維持し、充電電流を徐々に減小させ、電流がカットオフ電流よりも小さい場合、充電カットオフを行い、電池を充電するプロセスを完了させる。
【0044】
ここで、ターゲットカットオフ電流値とターゲットカットオフ電圧値に基づいて電池を充電するステップは、関連分野の技術者の公知常識であり、ターゲットカットオフ電流値とターゲットカットオフ電圧値を決定した後に、関連分野の技術者は、実際の状況に応じて充電ステップを設定してもよい。
【0045】
図2を参照すると、一実施例では、図1に示す実施例のステップS120は、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0046】
ステップS210:最大充電電力値、サンプルカットオフ電圧値及び予め設定される充電効率値に基づいて、充電器の最大出力電流値である第二の電流値を得る。
【0047】
ステップS220:負荷によって消費される電流値である第三の電流値を取得する。
【0048】
ステップS230:第二の電流値から第三の電流値を減算して第一の電流値を得る。
【0049】
ここで、第二の電流値は、充電器の最大出力電流値であり、この最大出力電流値とは、充電器が発生可能な最大出力電流の電流値である。この最大出力電流には、効率問題、システム負荷問題で消費される電流が含まれる。
【0050】
なお、第三の電流は、負荷によって消費される電流であり、負荷とは、システムの平均負荷である。この第三の電流値は、関連開発者が充電プロセス前に設定されたものであってもよく、過去の充電のプロセスにおいて関連データに基づいて計算して得られたものであってもよく、関連分野の技術者は、実際の状況に応じてこの第三の電流の取得方法を設定してもよい。
【0051】
充電器の最大出力電流値を表す第二の電流値から負荷によって消費される電流を表す第三の電流値を減算して得た第一の電流値は、充電器が電池に充電する最大電流値である。
【0052】
充電データリストにおける各サンプルカットオフ電圧値と対応するサンプルカットオフ電流値をトラバースする方式によって、充電データリストにおける電池に充電される電力量がちょうど電池を満充電できるようにするサンプルカットオフ電圧値と対応するサンプルカットオフ電流値を選別して、電池が過充電になるか又は電池を完全に満充電できないという問題の発生を減少させる。
【0053】
【表3】
【0054】
得られた第一の電流値が対応するサンプルカットオフ電流よりも大きい条件を満たさない場合に、この第一の電流値に対応するサンプルカットオフ電流とサンプルカットオフ電圧に対して後続の処理を行わない。
【0055】
図3を参照すると、一実施例では、予め設定される充電データリストは、複数の非ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とをさらに含み、図1に示す実施例のステップS120は、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0056】
ステップS310:ターゲット電池容量値を取得する。
【0057】
ステップS320:ターゲット電池容量値に基づいて予め設定される充電データリストからターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値を決定する。
【0058】
ステップS330:最大充電電力値、ターゲット電池容量値に対応するサンプルカットオフ電圧値及び予め設定される充電効率値に基づいて、充電器の最大出力電流値である第二の電流値を得る。
【0059】
ステップS340:負荷によって消費される電流である第三の電流値を取得する。
【0060】
ステップS350:第二の電流値から第三の電流値を減算して第一の電流値を得る。
【0061】
一実施例では、予め設定される充電データリストは、複数の非ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とをさらに含み、表(3)に示すとおりである。
【0062】
【表4】
【0063】
一つのプロジェクトは、製品の需要とポジショニングに基づいて一つの適切なターゲット電池容量値をターゲット電池容量値として総合的に考慮し、そしてターゲット電池容量値に基づいて後続の操作を行う。
【0064】
一実施例では、電池セルの充放電試験によって、プロジェクトの急速充電需要時間要求と電池寿命を両立させる一つの点を探し、標準装備充電器による充電時のカットオフ電圧とカットオフ電流パラメータとし、この時の電池の実際の使用可能容量値をターゲット電池容量値とする。
【0065】
ターゲット電池容量値を取得した後に、後続の対応する第一の電流を決定する準備として、ターゲット電池容量値に基づいて予め設定される充電データリストからターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流を決定する。
【0066】
ステップS320の後に、ステップS330からステップS350の処理プロセスは、ステップS210からステップS230の処理プロセスと実質的に同じであり、ここでこれ以上説明しない。
【0067】
【表5】
【0068】
また、得られた第一の電流値が対応するサンプルカットオフ電流よりも大きい条件を満たさない場合に、この第一の電流値に対応するサンプルカットオフ電流とサンプルカットオフ電圧に対して後続の処理を行わない。
【0069】
なお、本出願に提出された任意の例は、いずれも本出願による技術案をより良く解釈するためにのみ用いられ、出願に提出された技術案を制限するものではない。
【0070】
図4を参照すると、一実施例では、図2又は図3のステップを前提として、図1に示す実施例のステップS130は、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0071】
ステップS410:ターゲット電池容量値に対応する各サンプルカットオフ電流値をトラバースし、サンプルカットオフ電流値が、第一の電流値から予め設定される残量電流値を減算した値以下である場合に、サンプルカットオフ電流値を候補カットオフ電流値として決定する。
【0072】
ステップS420:最大の候補カットオフ電流値をターゲットカットオフ電流値として決定する。
【0073】
予め設定される残量電流値は、充電制御システムがカットオフ電圧とカットオフ電流によって充電を制御するために必要な電流と電池への充電以外に他の必要な電流とを含む。サンプルカットオフ電流値が、第一の電流値から予め設定される残量電流値を減算した値以下である場合に、サンプルカットオフ電流を候補カットオフ電流として決定し、候補カットオフ電流が予め設定される残量電流値をリザーブしている場合に、電池が過充電になるか又は電池を完全に満充電できないという問題の発生を減少させることができることを確保する。
【0074】
予め設定される残量電流値の数値は、関連分野の技術者が実際の状況に応じて決めてもよく、且つ予め設定される残量電流値は、ゼロよりも大きくなるべきである。
【0075】
【表6】
【0076】
ターゲット電池容量値に対応する各サンプルカットオフ電流値をトラバースすると、複数の候補カットオフ電流が発生し、複数の候補カットオフ電流は、いずれも電池が過充電になるか又は電池を完全に満充電できないという問題の発生を減少させることができるが、カットオフ電流が高いほど、電池を満充電する速度が速くなるため、最大の候補カットオフ電流をターゲットカットオフ電流として決定することは、現在の条件下で最も速い速度で電池をちょうど満充電し、ユーザ時間を節約し、ユーザ体験を向上させることができる。
【0077】
図5を参照すると、一実施例では、図1に示す実施例における予め設定される充電データリストの生成方法は、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0078】
ステップS510:電池に対して充放電試験を行って、複数のターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値を得、ターゲット電池容量値には、ターゲット電池容量値が含まれる。
【0079】
ステップS520:ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値に基づいて予め設定される充電データリストを生成する。
【0080】
ここで、充放電試験は、関連分野の技術者が電力パラメータを試験する慣用技術手段であり、ターゲット電池容量値は、ユーザ又は試験者が標準装備充電器を使用して充電する時に電池に対応する実際の使用可能容量である。
【0081】
充電中のカットオフ電流とカットオフ電圧の異なりによって、電池に充電される実際の電気容量も異なるが、機器を生産する過程において、この機器の用途に応じて、ユーザが異なる場合の電池容量に対する需要を満たすために、異なるターゲット電池容量値を選定してもよい。
【0082】
図6を参照すると、一実施例では、図1に示す実施例のステップS110の前に、以下のステップをさらに含むが、それらに限らない。
【0083】
ステップS610:充電器の充電器パラメータを取得する。
【0084】
ステップS620:充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定する。
【0085】
ステップS630:充電器タイプが急速充電器である場合に、予め設定される充電データリストにおけるターゲット電池容量値に対応する最大のサンプルカットオフ電流値をターゲットカットオフ電流値として決定し、ターゲットカットオフ電流値に対応するサンプルカットオフ電圧値をターゲットカットオフ電圧値として決定する。
【0086】
プロトコルの読み取り、充電試験などの方式によって充電器による充電プロトコル、サポートされる電流値、サポートされる電圧値などの充電器パラメータを取得してもよい。そして、取得された充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定することができる。充電器の充電器パラメータを取得し、充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定することは、関連分野の技術者が理解すべき技術常識と手段であり、ここでこれ以上列挙しない。
【0087】
一実施例では、充電器タイプは、急速充電器と非急速充電器とを含み、予め設定される条件に基づいて、充電器が急速充電器であるかどうかを決定してもよい。例えば、一般的には、PD充電器、QC充電器を急速充電器として決定するが、一般的な充電器については、2A以上の電流出力をサポートする充電器を急速充電器として決定し、これに対し、2A以下の電流をサポートする一般的な充電器又はUSB充電を非急速充電器として決定する。以上の例は、本出願の方法ステップを説明するためにのみ用いられ、本出願に対して制限を構成するものではなく、関連分野の技術者は、実際の状況に応じて充電器が急速充電であるかどうかを判断する条件を調整してもよい。
【0088】
なお、一実施例では、充電器の充電器タイプが急速充電器であることは、この充電器が予め設定される最適なターゲットカットオフ電圧とターゲットカットオフ電流で充電できることを表すため、予め設定される充電データリストにおける電池容量に対応する最大のサンプルカットオフ電流をターゲットカットオフ電流として決定し、ターゲットカットオフ電流に対応するサンプルカットオフ電圧をターゲットカットオフ電圧として決定し、急速充電器に最も効果の高いカットオフ電圧とカットオフ電流を使用することで、カットオフ電圧とカットオフ電流との不適合で急速充電器による充電速度を制限するという問題の発生を減少させ、充電速度とユーザ体験を向上させる。
【0089】
図7を参照すると、一実施例では、図1に示す実施例のステップS110の前に、以下のステップをさらに含むが、それらに限らない。
【0090】
ステップS710:充電器の充電器パラメータを取得する。
【0091】
ステップS720:充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定する。
【0092】
ステップS730:充電器タイプが急速充電器である場合に、予め設定されるカットオフ電圧値をターゲットカットオフ電圧値として決定し、予め設定されるカットオフ電流値をターゲットカットオフ電流値として決定する。
【0093】
ステップS710からステップS720の間の処理プロセスは、ステップS610からステップS620の間の処理プロセスと実質的に同じであり、ここでこれ以上説明しない。
【0094】
なお、一実施例では、充電器の充電器タイプが急速充電器であることは、この充電器が予め設定される急速充電構成に対応するターゲットカットオフ電圧とターゲットカットオフ電流で充電できることを表すため、予め設定されるカットオフ電圧をターゲットカットオフ電圧として決定し、予め設定されるカットオフ電流をターゲットカットオフ電流として決定し、急速充電器に事前に設定された、対応するカットオフ電圧とカットオフ電流を使用することで、カットオフ電圧とカットオフ電流との不適合で急速充電器による充電速度を制限するという問題の発生を減少させ、充電速度とユーザ体験を向上させる。
【0095】
また、図8を参照すると、図8は、本出願の別の実施例による、充電電制御方法により充電制御を行う実例図であり、以下のステップを含むが、それらに限らない。
【0096】
ステップS801:機器が充電器に接続されるのを待ち、充電プロセスを開始する。
ステップS802:充電器の電力を検出する。
ステップS803:現在使用している充電器が急速充電器であるかどうかを判断し、YESの場合、ステップS804を実行し、NOの場合、ステップS805を実行する。
ステップS804:予め設定される急速充電構成のカットオフ電圧とカットオフ電流をターゲットカットオフ電圧とターゲットカットオフ電流として設定する。
ステップS805:充電データリストは、充電器がターゲット機器に充電する最大電流値を取得する。
ステップS806:最大電流値と充電データリストに基づいてカットオフ電流値とカットオフ電圧値を得、ターゲットカットオフ電流値に残量電流値と負荷電流値を加算しても最大電流値以下となる。
ステップS807:現在の電圧と電流が充電カットオフ条件を満たすかどうかを判断し、YESの場合、ステップS808を実行し、NOの場合、ステップS807を実行し続ける。
ステップS808:充電がカットオフし、充電が完了する。
【0097】
ここで、表(1)におけるデータを参照し、機器の急速充電構成が4.48Vのカットオフ電圧、800mAのカットオフ電流であり、機器に対応する電池容量が4410mAhであるとし、例を挙げて説明すると、USBで仮定機器を充電し、USBの最大電力が2.5W(0.5A、5V)である場合、充電器がターゲット機器に充電する最大電流値は、500mA以下と想定されるが、システムの平均負荷によって発生する負荷電流値がおよそ100mAであるとともに、100mAの残量電流値をリザーブする必要があることを考慮すると、4.42Vのカットオフ電圧、300mAのカットオフ電流を選択する必要がある。機器を充電し、充電がカットオフすると、充電が完了する。
【0098】
また、図9を参照すると、本出願の一実施例は、充電制御システム900をさらに提供する。充電制御システム900は、メモリ920と、プロセッサ910と、メモリ920に記憶され、且つプロセッサ910上で実行できるコンピュータプログラムとを含み、このプロセッサ910がコンピュータプログラムを実行する時に、前述いずれか1項の充電制御方法を実現し、例えば以上に記述された図1における方法ステップS110からS150、図2における方法ステップS210からS230、図3における方法ステップS310からS350、図4における方法ステップS410からS420、図5における方法ステップS510からS520、図6における方法ステップS610からS630、図7における方法ステップS710からS730、図8における方法ステップS801からS808を実行することができる。
【0099】
なお、本出願の一実施例は、機器をさらに提供する。この機器は、以上に記述された図9における充電制御システム900を含み、この機器は、前述いずれか1項の充電制御方法を実現し、例えば以上に記述された図1における方法ステップS110からS150、図2における方法ステップS210からS230、図3における方法ステップS310からS350、図4における方法ステップS410からS420、図5における方法ステップS510からS520、図6における方法ステップS610からS630、図7における方法ステップS710からS730、図8における方法ステップS801からS808を実行することができる。
【0100】
なお、本出願の一実施例は、充電器をさらに提供する。この充電器は、以上に記述された図9における充電制御システム900を含み、この充電器は、前述いずれか1項の充電制御方法を実現し、例えば以上に記述された図1における方法ステップS110からS150、図2における方法ステップS210からS230、図3における方法ステップS310からS350、図4における方法ステップS410からS420、図5における方法ステップS510からS520、図6における方法ステップS610からS630、図7における方法ステップS710からS730、図8における方法ステップS801からS808を実行することができる。
【0101】
なお、本出願の一実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。このコンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータ実行可能命令が記憶されており、このコンピュータ実行可能命令は、一つ又は複数の制御プロセッサによって実行され、例えば以上に記述された図1における方法ステップS110からS150、図2における方法ステップS210からS230、図3における方法ステップS310からS350、図4における方法ステップS410からS420、図5における方法ステップS510からS520、図6における方法ステップS610からS630、図7における方法ステップS710からS730、図8における方法ステップS801からS808を実行する。
【0102】
本出願の実施例は、充電制御方法、システム、端末機器、充電器及び記憶媒体を含む。ここで、充電制御方法は、充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられ、前記方法は、前記充電器の最大充電電力値を取得することと、前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることであって、前記予め設定される充電データリストが、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、前記第一の電流値が、前記充電器が前記電池に充電する最大電流値であることと、前記第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電流値が、前記第一の電流値よりも小さいことと、前記ターゲットカットオフ電流値に基づいてターゲットカットオフ電圧値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電圧値が、前記ターゲットカットオフ電流値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値であることと、前記ターゲットカットオフ電流値と前記ターゲットカットオフ電圧値に基づいて前記電池を充電することとを含み、それによって、前記電池に充電される電力量でちょうど前記電池を満充電し、電池が過充電になるか又は電池を完全に満充電できないという問題の発生を回避することができる。
【0103】
当業者であれば理解できるように、以上に開示された方法におけるステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア及びその適切な組み合わせとして実施されてもよい。いくつかの物理コンポーネント又はすべての物理コンポーネントは、プロセッサ、例えば中央プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ又はマイクロプロセッサにより実行されるソフトウェアとして実施されてもよく、又はハードウェアとして実施されてもよく、又は集積回路、例えば専用集積回路として実施されてもよい。このようなソフトウェアは、コンピュータ可読媒体に分布してもよく、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体(又は非一時的媒体)と通信媒体(又は一時的媒体)を含んでもよい。当業者に周知するように、用語であるコンピュータ記憶媒体は、情報(例えばコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実施される揮発性と非揮発性、取り外し可能と固定媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスク記憶、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶もしくは他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために用いられることができ、且つコンピュータによってアクセスされることができる任意の他の媒体を含むが、それらに限らない。なお、当業者に周知するように、通信媒体は、一般的にコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は例えばキャリアもしくは他の伝送メカニズムのような変調データ信号における他のデータを含むとともに、任意の情報配信媒体を含んでもよい。
【0104】
以上は、本出願のいくつかの実施について説明したが、本出願は、上記実施の形態に限定されるものではなく、当業者は、本出願の思想を逸脱することなく、様々な同等の変形又は置き換えを行ってもよく、これらの同等の変形又は置き換えは、いずれも本出願の特許請求の範囲によって限定される範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電器と電池とにそれぞれ接続される充電制御システムに用いられる充電制御方法であって、
前記充電器の最大充電電力値を取得することと、
前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることであって、前記予め設定される充電データリストが、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、前記第一の電流値が、前記充電器が前記電池に充電する最大電流値であることと、
前記第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電流値が、前記第一の電流値よりも小さいことと、
前記ターゲットカットオフ電流値に基づいてターゲットカットオフ電圧値を決定することであって、前記ターゲットカットオフ電圧値が、前記ターゲットカットオフ電流値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値であることと、
前記ターゲットカットオフ電流値と前記ターゲットカットオフ電圧値に基づいて前記電池を充電することとを含む、方法。
【請求項2】
前記の、前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることは、
前記最大充電電力値、前記サンプルカットオフ電圧値及び予め設定される充電効率値に基づいて、前記充電器の最大出力電流値である第二の電流値を得ることと、
負荷によって消費される電流値である第三の電流値を取得することと、
前記第二の電流値から前記第三の電流値を減算して前記第一の電流値を得ることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記予め設定される充電データリストは、複数の非ターゲット電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値と前記サンプルカットオフ電圧値とをさらに含み、前記の、前記最大充電電力値と予め設定される充電データリストに基づいて第一の電流値を得ることは、
ターゲット電池容量値を取得することと、
前記ターゲット電池容量値に基づいて前記予め設定される充電データリストから前記ターゲット電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値を決定することと、
前記最大充電電力値、前記ターゲット電池容量値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値及び予め設定される充電効率値に基づいて、前記充電器の最大出力電流値である第二の電流値を得ることと、
負荷によって消費される電流値である第三の電流値を取得することと、
前記第二の電流値から前記第三の電流値を減算して第一の電流値を得ることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記の、前記第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することは、
前記ターゲット電池容量値に対応する各前記サンプルカットオフ電流値をトラバースし、前記サンプルカットオフ電流値が、前記第一の電流値から予め設定される残量電流値を減算した値以下である場合に、前記サンプルカットオフ電流値を候補カットオフ電流値として決定することと、
最大の前記候補カットオフ電流値を前記ターゲットカットオフ電流値として決定することとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記の、前記第一の電流値に基づいて複数のサンプルカットオフ電流値からターゲットカットオフ電流値を決定することは、
前記ターゲット電池容量値に対応する各前記サンプルカットオフ電流値をトラバースし、前記サンプルカットオフ電流値が、前記第一の電流値から予め設定される残量電流値を減算した値以下である場合に、前記サンプルカットオフ電流値を候補カットオフ電流値として決定することと、
最大の前記候補カットオフ電流値を前記ターゲットカットオフ電流値として決定することとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記予め設定される充電データリストの生成方法は、
電池に対して充放電試験を行って、複数の電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値と前記サンプルカットオフ電圧値とを得ることであって、前記電池容量値に前記ターゲット電池容量値が含まれることと、
前記ターゲット電池容量値に対応する複数の前記サンプルカットオフ電流値と前記サンプルカットオフ電圧値に基づいて前記予め設定される充電データリストを生成することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記の、前記充電器の最大充電電力値を取得する前に、前記方法は、
前記充電器の充電器パラメータを取得することと、
前記充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定することと、
前記充電器タイプが急速充電器である場合に、前記予め設定される充電データリストにおける前記ターゲット電池容量値に対応する最大の前記サンプルカットオフ電流値を前記ターゲットカットオフ電流値として決定し、前記ターゲットカットオフ電流値に対応する前記サンプルカットオフ電圧値を前記ターゲットカットオフ電圧値として決定することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記の、前記充電器の最大充電電力値を取得する前に、前記方法は、
前記充電器の充電器パラメータを取得することと、
前記充電器パラメータに基づいて充電器タイプを決定することと、
前記充電器タイプが急速充電器である場合に、予め設定されるカットオフ電圧値を前記ターゲットカットオフ電圧値として決定し、予め設定されるカットオフ電流値を前記ターゲットカットオフ電流値として決定することとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
充電制御システムであって、メモリと、プロセッサと、メモリ上に記憶され、プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムとを含み、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行する時に請求項1からのいずれか1項に記載の充電制御方法を実現する、充電制御システム。
【請求項10】
請求項に記載の充電制御システムを含む、端末機器。
【請求項11】
請求項に記載の充電制御システムを含む、充電器。
【請求項12】
請求項1からのいずれか1項に記載の充電制御方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令が記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
予め設定される充電データリストは、ターゲット電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値とを含み、ここで、ターゲット電池容量値は、プロジェクトにおける製品の需要とポジショニングに基づいて総合的に考慮された一つの適切な電池容量値である。ターゲット電池容量値は、電池が蓄積可能な電気容量を表し、電池が蓄積可能な電気容量は、電池の出荷時に設定された出荷電池容量と電池の損失後の実際の電池容量を含む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0063
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0063】
一つのプロジェクトは、製品の需要とポジショニングに基づいて一つの適切な電池容量値をターゲット電池容量値として総合的に考慮し、そしてターゲット電池容量値に基づいて後続の操作を行う。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
ステップS510:電池に対して充放電試験を行って、複数の電池容量値に対応する複数のサンプルカットオフ電流値とサンプルカットオフ電圧値を得、電池容量値には、ターゲット電池容量値が含まれる。
【国際調査報告】