(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】手動式グリースガン用のグリース充填装置
(51)【国際特許分類】
B65B 37/06 20060101AFI20241031BHJP
B65B 37/14 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B65B37/06
B65B37/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529790
(86)(22)【出願日】2022-10-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-17
(86)【国際出願番号】 KR2022016161
(87)【国際公開番号】W WO2023090666
(87)【国際公開日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0160229
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524188044
【氏名又は名称】チョ, ドゥク-ヘン
【氏名又は名称原語表記】CHO, Duk-haeng
【住所又は居所原語表記】168, Deokpyeong-ro 357beon-gil, Hobeop-myeon, Icheon-si, Gyeonggi-do 17396 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ドゥク-ヘン
【テーマコード(参考)】
3E055
【Fターム(参考)】
3E055AA02
3E055BA05
3E055BB01
3E055CA08
3E055CB02
3E055DA03
3E055EA02
(57)【要約】
本発明の手動式グリースガン用のグリース充填装置は、カバー(200)を介し充填タンク(100)内のシリンダ(300)に第2バルブ手段(600)が設けられ、カバー(200)を介しシリンダ(300)の内部に挿入されて昇降するピストン(400)に第1バルブ手段(500)が設けられ、ピストン(400)の上部に着脱可能に手動式グリースガン(1)が設けられているため、ピストン(400)を昇降させるポンピング力により充填タンク(100)内のグリースをシリンダ(300)とピストン(400)を介し手動式グリースガンに充填する際、空気層の形成が排除でき、短時間での完全充填が可能である。また、手動式グリースガンの前方側の雄ねじ面(10a)が形成された開口部の外部にグリースが付着する現象を防止することで、グリースの消耗を防止できる上に、手動式グリースガン(1)にグリースが完全充填された後に雄ねじ面(10a)の開口部を布などで拭き取る不便や手間がなくなり、現場周辺の清潔度を向上できる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部のチェックバルブ(102)を介して供給されるグリースを保管する円筒状の充填タンク(100)と、
前記充填タンク(100)の内部にエアが供給されるように一側にエア通路(202)が備えられ、前記充填タンク(100)の上部開口部(104)にねじ結合され、中央に貫通孔(204)が形成されるカバー(200)と、
前記カバー(200)の下面の中央に前記貫通孔(204)と中心が一致するように通路が連結されることで、前記充填タンク(100)の内部の底まで隣接して垂直に結合されるシリンダ(300)と、
下部が前記貫通孔(204)を介して前記シリンダ(300)の内周面とパッキング(410)を媒介として密閉され、上部が前記カバー(200)の上部に手動式グリースガン(1)と着脱可能に結合されて昇降するピストン(400)と、
前記ピストン(400)内の下部に設けられ、前記ピストン(400)の下降時には、ポンピング力によって前記シリンダ(300)内のグリースが前記ピストン(400)内に吸入されるように通路を開放し、前記ピストン(400)の上昇時には通路を閉鎖する第1バルブ手段(500)と、
前記シリンダ(300)内の下部に設けられ、前記ピストン(400)の下降時には通路を閉鎖し、前記ピストン(400)の上昇時には、ポンピング力によって前記充填タンク(100)内のグリースが前記シリンダ(300)内に吸入されるように通路を開放する第2バルブ手段(600)と、を含むことを特徴とする手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項2】
前記ピストン(400)内の上端には、前記手動式グリースガン(1)の前方側の開口に形成された雄ねじ面(10a)が結合するように雌ねじ面(404)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項3】
前記第1バルブ手段(500)は、
前記ピストン(400)内の下部の一定高さに形成されたリング状の第1係止突起(402)の上面に配置される第1ヘッド(512)と、
前記第1ヘッド(512)の下面の中央に接続され、前記第1係止突起(402)の中央を貫通する第1軸(510)と、
前記第1軸(510)の下端に締結される第1ナット(520)と、
前記第1係止突起(402)の下面の縁と前記第1ナット(520)の上面との間に配置され、前記第1ヘッド(512)が前記第1係止突起(402)の上面に緊密に安着するように弾性を加える第1コイルスプリング(530)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項4】
前記第1ヘッド(512)、前記第1軸(510)、前記第1ナット(520)、前記第1コイルスプリング(530)は、前記ピストン(400)の内面と一定距離を隔てて前記第1係止突起(402)に支持され、前記第1ヘッド(512)の昇降時に前記第1係止突起(402)の上面と当接して通路を開閉することを特徴とする請求項3に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項5】
前記第2バルブ手段(600)は、
前記シリンダ(300)内の下部の一定高さに形成されたリング状の第2係止突起(302)の下面に配置されるリング状のハウジング(610)と、
前記ハウジング(610)の上面に配置される第2ヘッド(622)と、
前記第2ヘッド(622)の下面の中央に接続され、前記ハウジング(610)の中央を貫通する第2軸(620)と、
前記第2軸(620)の下端に締結される第2ナット(630)と、
前記ハウジング(610)の下面の内側縁と前記第2ナット(630)の上面との間に配置され、前記第2ヘッド(622)が前記ハウジング(610)の上面に緊密に安着するように弾性を加える第2コイルスプリング(640)と、
前記シリンダ(300)内の下端に締結される第3ナット(650)と、
前記ハウジング(610)の下面の外側縁と前記第3ナット(650)の上面との間に配置され、前記ハウジング(610)が昇降するように弾性を加える第3コイルスプリング(660)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項6】
前記ハウジング(610)の外周面には、前記ピストン(400)が下降するポンピング力によって前記ハウジング(610)が前記第2係止突起(302)から離隔する際に、前記シリンダ(300)内の上部に残留するグリースが前記第2バルブ手段(600)の下部に収去されるように、上下部及び側面に通路が開放された複数の凹部(612)が周方向に沿って一定距離を隔てて形成されることを特徴とする請求項5に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項7】
前記充填タンク(100)の内周面と前記シリンダ(300)の外周面との間には、前記充填タンク(100)内のグリースを下方に加圧するリング状の圧力板(700)が配置されることを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手動式グリースガン用のグリース充填装置に関し、より詳しくは、充填タンクに手動式グリースガンを接続し、ポンピング力によってグリースを充填できる手動式グリースガン用のグリース充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の手動式グリースガンは、
図1に示すように、グリースを収容しているパイプ状の本体10と、前記本体10の前方側にグリースが排出されるノズル15とを含んでいる。
【0003】
また、前記本体10内のグリースは、ポンピング手段を介して外部に排出され、ポンピング手段は、前記本体10の内部にピストンなどの方式で取り付けられている排出部材(図示せず)と、このような排出部材とリンクカップリング14で結合される排出ハンドル13とを含む。
【0004】
このとき、前記本体10の前方側には蓋12が着脱可能にねじ結合され、前記蓋12には、前記リンクカップリング14を媒介としてノズル15が接続されており、前記ノズル15は、前記本体10内に収容されたグリースがポンピングされるときに外部に噴射させる役割を果たす。図中、説明のない符号17は、前記排出部材と接続される引張リングを示したものである。
【0005】
しかしながら、このように構成された従来の手動式グリースガンは、本体10内に収容されたグリースが使い切られた場合、本体10内にグリースを充填するために、本体10の前方側から蓋12を分離した後、本体10の前方側の開口を充填タンク(図示せず)に浸漬した状態で、ポンピング手段により本体10内にグリースを吸入させる直接吸入方式を採用しているが、このような直接吸入方式は、吸引を繰り返して行うと、吸引した箇所に空気層が形成されてしまい、充填が適切に行われないという問題があった。
【0006】
また、本体10の前方側の開口に付着したグリースを布などを用いて拭き取る際に、捨てられる残量が多くグリースの消費量が多いだけでなく、グリースが付着した布を現場に放置しておくと、作業者の身体や周囲の施設物に付着し、作業上の不便さに加え、捨てられた布によって環境が汚染されるという問題もあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、従来の諸問題に鑑みて案出されたものであり、グリースを充填する際に空気層の形成を排除した状態で短時間で完全充填が可能であり、手動式グリースガンの前方側の開口部にグリースが付着する現象を防止することで、グリースの消耗を防止すると共に、布などの使用を防止して現場周辺の清潔度を向上させることができる手動式グリースガン用のグリース充填装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決するための本発明の実施形態に係る手動式グリースガン用のグリース充填装置は、下部のチェックバルブを介して供給されるグリースを保管する円筒状の充填タンクと、前記充填タンクの内部にエアが供給されるように一側にエア通路が備えられ、前記充填タンクの上部開口部にねじ結合され、中央に貫通孔が形成されるカバーと、前記カバーの下面の中央に前記貫通孔と中心が一致するように通路が連結されることで、前記充填タンク内部の底まで隣接して垂直に結合されるシリンダと、下部が前記貫通孔を介して前記シリンダの内周面とパッキングを媒介として密閉され、上部が前記カバーの上部に手動式グリースガンと着脱可能に結合されて昇降するピストンと、前記ピストン内の下部に設けられ、前記ピストンの下降時には、ポンピング力によって前記シリンダ内のグリースが前記ピストン内に吸入されるように通路を開放し、前記ピストンの上昇時には通路を閉鎖する第1バルブ手段と、前記シリンダ内の下部に設けられ、前記ピストンの下降時には通路を閉鎖し、前記ピストンの上昇時には、ポンピング力によって前記充填タンク内のグリースが前記シリンダ内に吸入されるように通路を開放する第2バルブ手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
他の実施形態として、本発明の前記ピストン内の上端には、前記手動式グリースガンの前方側の開口に形成された雄ねじ面が結合するように雌ねじ面が形成されることを特徴とする。
【0010】
他の実施形態として、本発明の前記第1バルブ手段は、前記ピストン内の下部の一定高さに形成されたリング状の第1係止突起の上面に配置される第1ヘッドと、前記第1ヘッドの下面の中央に接続され、前記第1係止突起の中央を貫通する第1軸と、前記第1軸の下端に締結される第1ナットと、前記第1係止突起の下面の縁と前記第1ナットの上面との間に配置され、前記第1ヘッドが前記第1係止突起の上面に緊密に安着するように弾性を加える第1コイルスプリングと、を含むことを特徴とする。
【0011】
他の実施形態として、本発明の前記第1ヘッド、第1軸、第1ナット、第1コイルスプリングは、前記ピストンの内面と一定の距離を隔てて前記第1係止突起に支持され、前記第1ヘッドの昇降時に前記第1係止突起の上面と当接して通路を開閉することを特徴とする。
【0012】
他の実施形態として、本発明の前記第2バルブ手段は、前記シリンダ内の下部の一定高さに形成されたリング状の第2係止突起の下面に配置されるリング状のハウジングと、前記昇降リングの上面に配置される第2ヘッドと、前記第2ヘッドの下面の中央に接続され、前記ハウジングの中央を貫通する第2軸と、前記第2軸の下端に締結される第2ナットと、前記ハウジングの下面の内側縁と前記第2ナットの上面との間に配置され、前記第2ヘッドが前記ハウジングの上面に緊密に安着するように弾性を加える第2コイルスプリングと、前記シリンダ内の下端に締結される第3ナットと、前記ハウジングの下面の外側縁と前記第3ナットの上面との間に配置され、前記ハウジングが昇降するように弾性を加える第3コイルスプリングと、を含むことを特徴とする。
【0013】
他の実施形態として、本発明の前記ハウジングの外周面には、前記ピストンが下降するポンピング力によって前記ハウジングが前記第2係止突起から離隔する際に、前記シリンダ内の上部に残留するグリースが前記第2バルブ手段の下部に収去されるように、上下部及び側面に通路が開放された複数の凹部が周方向に沿って一定の距離を隔てて形成されることを特徴とする。
【0014】
他の実施形態として、本発明の前記充填タンクの内周面と前記シリンダの外周面との間には、前記充填タンク内のグリースを下方に加圧するリング状の圧力板が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の手動式グリースガン用のグリース充填装置は、カバーを媒介として充填タンク内のシリンダに第2バルブ手段が設けられ、カバーを介してシリンダ内部に緊密に挿入されて昇降するピストンに第1バルブ手段が設けられ、ピストンの上部に着脱可能に従来の手動式グリースガンが設けられる構造であるため、ピストンを昇降させるポンピング力によって充填タンク内のグリースをシリンダとピストンにより手動式グリースガンに充填する際に、空気層の形成を排除した状態で短時間で完全充填が可能であり、手動式グリースガンの前方側の雄ねじ面が形成された開口部の外部にグリースが付着する現象を防止することで、グリースの消耗を防止できるだけでなく、手動式グリースガンにグリースが完全充填された後に雄ねじ面の開口部を布などで拭き取る不便や手間がなくなり、現場周辺の清潔度を向上させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来による手動式グリースガンの使用状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明によるグリース充填装置の未使用時の初期状態を示す結合縦断面図である。
【
図3】本発明によるグリース充填装置の下降動作状態を示す結合縦断面図である。
【
図4】本発明によるグリース充填装置の上昇動作状態を示す結合縦断面図である。
【
図5】本発明によるグリース充填装置の初期状態のために残留グリースを充填タンクに押し出す動作状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を十分に理解するために、本発明の好ましい実施形態を添付の
図2から
図5を参照して説明する。本発明の実施形態は、様々な形態に変形することができ、本発明の範囲は、以下に詳しく説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。各図面において、同一の構成は同一の参照符号で示される場合があることに留意されたい。本発明の要旨を不必要に曖昧にすると判断される公知機能及び構成についての詳細な説明は省略する。
【0018】
参考までに、本発明の構成に対して、従来(既存)の構成と同一の構成に対しては同一の名称及び同一の符番を付し、重複する説明は省略する。
【0019】
図2から
図5を参照すると、本発明の実施形態に係る手動式グリースガン用のグリース充填装置は、下部のチェックバルブ102を介して供給されるグリースを保管する円筒状の充填タンク100と、前記充填タンク100の内部にエアが供給されるように一側にエア通路202が備えられ、前記充填タンク100の上部開口部104にねじ結合され、中央に貫通孔204が形成されるカバー200と、前記カバー200の下面の中央に前記貫通孔204と中心が一致するように通路が連結されることで、前記充填タンク100の内部の底まで隣接して垂直に結合されるシリンダ300と、下部が前記貫通孔204を介して前記シリンダ300の内周面とパッキング410を媒介として密閉され、上部が前記カバー200の上部に手動式グリースガン1と着脱可能に結合されて昇降するピストン400と、前記ピストン400内の下部に設けられ、前記ピストン400の下降時には、ポンピング力によって前記シリンダ300内のグリースが前記ピストン400内に吸入されるように通路を開放し、前記ピストン400の上昇時には通路を閉鎖する第1バルブ手段500と、前記シリンダ300内の下部に設けられ、前記ピストン400の下降時には通路を閉鎖し、前記ピストン400の上昇時には、ポンピング力によって前記充填タンク100内のグリースが前記シリンダ300内に吸入されるように通路を開放する第2バルブ手段600と、を含んでなる。
【0020】
すなわち、前記充填タンク100と前記カバー200は、ねじ結合された後に、図示していない金属性締結バンドによって結合部分が分離されないように結束することもできる。
【0021】
前記充填タンク100の内周面と前記シリンダ300の外周面との間には、前記充填タンク100内のグリースを下方に加圧するリング状の圧力板700が配置され、前記圧力板700の外周面と内周面は、前記充填タンク100の内周面とシリンダ300の外周面に緊密に密着するゴムパッキングの形態で構成することが好ましい。
【0022】
ここで、前記圧力板700は、前記充填タンク100内に充填されたグリースに空気層が形成されないように加圧し、充填タンク100内のグリースがシリンダ300の内部に吸入される吸入量と吸入速度に合わせて下降する。
【0023】
前記チェックバルブ102は、前記充填タンク100内にグリースが使い切られたときに、外部からグリースを充填タンク100内に供給できるように充填タンク100の底の中央に設けられることが好ましい。
【0024】
前記ピストン400内の上端には、前記手動式グリースガン1の前方側の開口に形成された雄ねじ面10aが結合するように雌ねじ面404が形成されている。
【0025】
このとき、前記手動式グリースガン1の雄ねじ面10aは、従来の
図1に示す手動式グリースガン1から蓋12が分離された本体10の前方側の開口に形成されている。
【0026】
前記第1バルブ手段500は、前記ピストン400内の下部の一定高さに形成されたリング状の第1係止突起402の上面に配置される第1ヘッド512と、前記第1ヘッド512の下面の中央に接続され、前記第1係止突起402の中央を貫通する第1軸510と、前記第1軸510の下端に締結される第1ナット520と、前記第1係止突起402の下面の縁と前記第1ナット520の上面との間に配置され、前記第1ヘッド512が前記第1係止突起402の上面に緊密に安着するように弾性を加える第1コイルスプリング530と、を含んでなる。
【0027】
すなわち、前記第1ヘッド512、第1軸510、第1ナット520、及び第1コイルスプリング530は、前記ピストン400の内面と一定の距離を隔てて前記第1係止突起402に支持され、前記第1ヘッド512の昇降時に前記第1係止突起402の上面と当接して通路を開放又は閉鎖する役割を果たす。
【0028】
ここで、前記第1ヘッド512の周りと前記第1係止突起402の上面は、互いに対応して当接するため、通路の開放時又は閉鎖時における密閉力を高めると共に、第1ヘッド512が第1係止突起402の中央に安定して安着するように、下部から上部に行くほど次第に広くなる円錐形状に形成することが好ましい。
【0029】
前記第2バルブ手段600は、前記シリンダ300内の下部の一定高さに形成されたリング状の第2係止突起302の下面に配置されるリング状のハウジング610と、前記ハウジング610の上面に配置される第2ヘッド622と、前記第2ヘッド622の下面の中央に接続され、前記ハウジング610の中央を貫通する第2軸620と、前記第2軸620の下端に締結される第2ナット630と、前記ハウジング610の下面の内側縁と前記第2ナット630の上面との間に配置され、前記第2ヘッド622が前記ハウジング610の上面に緊密に安着するように弾性を加える第2コイルスプリング640と、前記シリンダ300内の下端に締結される第3ナット650と、前記ハウジング610の下面の外側縁と前記第3ナット650の上面との間に配置され、前記ハウジング610が昇降するように弾性を加える第3コイルスプリング660と、を含んでなる。
【0030】
すなわち、前記ハウジング610の外周面には、前記ピストン400が下降するポンピング力によって前記ハウジング610が前記第2係止突起302から離隔する際に、前記シリンダ300内の上部に残留するグリースが前記第2バルブ手段600の下部に収去されるように、上下部及び側面に通路が開放された複数の凹部612が周方向に沿って一定の距離を隔てて形成されている。
【0031】
このとき、前記複数の凹部612は、前記ハウジング610が上昇して第2係止突起302の下面に当接すると通路が閉鎖され、前記ハウジング610が下降する際に、第2係止突起302と一定距離離隔することによって通路が開放されることで、第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間に残留するグリースをシリンダ300の下部に排出する役割を果たす。
【0032】
前記ハウジング610の上面と第2ヘッド622の周りは、互いに対応して当接するため、通路の開放時又は閉鎖時における密閉力を高めると共に、第2ヘッド622がハウジング610の中央に安定して安着するように、下部から上部に行くほど次第に広くなる円錐形状に形成することが好ましい。
【0033】
前記第2ナット630の外周は、前記第3ナット650の内径よりも小さく構成することで、第3ナット650の内径を介してシリンダ300の内部にグリースが吸入される際に通路が塞がれないようにすることが好ましい。
【0034】
前記第2コイルスプリング640は、前記第3コイルスプリング660よりも弱い弾性を有するように構成することで、ハウジング610の昇降よりも第2ヘッド622の昇降が先に行われるようにする役割を果たす。
【0035】
図中に説明のない符号420は、グリース充填装置を使用していない場合に、前記ピストン400の上部開口を密閉する蓋を示す。
【0036】
このように構成された本発明の手動式グリースガン用のグリース充填装置を用いて手動式グリースガン1にグリースを充填するためには、まず、
図2で蓋420を分離した後、
図3のように、手動式グリースガン1の雄ねじ面10aをピストン400の雌ねじ面404に結合し、ピストン400を上昇させると、ピストン400の下部の外周面に結合されたパッキング410がシリンダ300の内周面に沿って摺動することでポンピング力が発生する。
【0037】
すなわち、ピストン400内の第1バルブ手段500側の第1ヘッド512が第1コイルスプリング530の弾発力によって下降され、ピストン400の第1係止突起402に安着することで、第1バルブ手段500を通る通路が閉鎖される。
【0038】
これによって、ピストン400の上昇時に発生するポンピング力による真空圧力によって、シリンダ300内の第2バルブ手段600側の第2ヘッド622が上昇することで、閉塞していたハウジング610の通路が開放され、この開放された通路を介して充填タンク100内のグリースがシリンダ300の下部の開口を介して吸入されると共に、
図3に示す矢印方向に沿って、ハウジング610を経てピストン400の下部まで充填される。
【0039】
このとき、充填タンク100内に設けられた圧力板700は、カバー200のエア通路202を介して流入される外部空気の影響を受けて下降することで、充填タンク100内のグリースを下方に加圧し、この加圧力によって、充填タンク100内のグリースは一方に偏ることなく水平を維持することで、充填タンク100内の真空圧力を維持することができる。
【0040】
このような状態で、
図4のように、ピストン400が押圧されて下降されると、このピストン400が下降されるポンピング力によって、上昇されたシリンダ300内の第2バルブ手段600側の第2ヘッド622は下降され、ハウジング610の通路を閉鎖し、ピストン400内の第1バルブ手段500側の第1ヘッド512は、グリースが押し上げられる圧力によってピストン400の第1係止突起402から上昇して通路を開放することで、
図4に示した矢印方向に沿って、第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間に吸入されたグリースがピストン400の通路に沿って手動式グリースガン1の本体10の内部に吸入される。
【0041】
このとき、ピストン400を上昇させる動作を数回繰り返す度に、充填タンク100内のグリースがシリンダ300の下部を介して第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間に吸入され、ピストン400を下降させる動作を数回繰り返す度に、第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間に充填されたグリースがピストン400を介して手動式グリースガン1に吸入されることで、手動式グリースガン1内にグリースが完全充填される。
【0042】
また、手動式グリースガン1内にグリースが完全充填された状態で、再びピストン400を押すと、
図5のように、シリンダ300内で第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間に充填されたグリースがハウジング610の中央通路を閉鎖するように下降された第2ヘッド622に押し力を加え、これによって、第2ヘッド622と共にハウジング610が下降してハウジング610と第2係止突起302との間が広がることで隙間が発生し、この隙間は、第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間で前記手動式グリースガン1に吸入されずに残っていたグリースを、ハウジング610の外周面に形成された複数の凹部612を介して
図5に示す矢印方向に沿って充填タンク100内に排出させ、
図2のように、次の手動式グリースガン1にグリースを充填するために初期状態が維持される。
【0043】
このように、本発明の手動式グリースガン用のグリース充填装置は、カバー200を媒介として充填タンク100内のシリンダ300に第2バルブ手段600が設けられ、カバー200を介してシリンダ300の内部に緊密に挿入されて昇降するピストン400に第1バルブ手段500が設けられ、ピストン400の上部に着脱可能に従来の手動式グリースガン1が設けられる構造であるため、ピストン400を昇降させるポンピング力によって充填タンク100内のグリースをシリンダ300とピストン400を介して手動式グリースガン1に充填する際に、空気層の形成を排除した状態で短時間で完全充填が可能であり、手動式グリースガン1の前方側の雄ねじ面10aが形成された開口部の外部にグリースが付着する現象を防止することで、グリースの消耗を防止できるだけでなく、手動式グリースガン1にグリースが完全充填された後に雄ねじ面10aの開口部を布などで拭き取る不便や手間がなくなり、現場周辺の清潔度を向上させることができるという利点がある。
【0044】
一方、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で修正及び変形して実施することができ、かかる修正及び変形が加えられた技術思想も以下の特許請求の範囲に属するものと見なすべきである。
【符号の説明】
【0045】
1:手動式グリースガン 10a:雄ねじ面
100:充填タンク 102:チェックバルブ
104:開口部 200:カバー
202:エア通路 204:貫通孔
300:シリンダ 302:第2係止突起
400:ピストン 402:第1係止突起
404:雌ねじ面 410:パッキング
500:第1バルブ手段 512:第1ヘッド
510:第1軸 520:第1ナット
530:第1コイルスプリング 600:第2バルブ手段
610:ハウジング 612:凹部
620:第2軸 622:第2ヘッド
630:第2ナット 640:第2コイルスプリング
650:第3ナット 660:第3コイルスプリング
700:圧力板
【手続補正書】
【提出日】2024-05-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
上記技術的課題を解決するための本発明の実施形態に係る手動式グリースガン用のグリース充填装置は、下部のチェックバルブを介して供給されるグリースを保管する円筒状の充填タンクと、前記充填タンクの内部にエアが供給されるように一側にエア通路が備えられ、前記充填タンクの上部開口部にねじ結合され、中央に貫通孔が形成されるカバーと、前記カバーの下面の中央に前記貫通孔と中心が一致するように通路が連結されることで、前記充填タンク内部の底まで隣接して垂直に結合されるシリンダと、下部が前記貫通孔を介して前記シリンダの内周面とパッキングを媒介として密閉され、上部が前記カバーの上部に手動式グリースガンと着脱可能に結合されて前記手動式グリースガンの昇降運動によって昇降するピストンと、前記ピストン内の下部に設けられ、前記ピストンの下降時には、ポンピング力によって前記シリンダ内のグリースが前記ピストン内に吸入されるように通路を開放し、前記ピストンの上昇時には通路を閉鎖する第1バルブ手段と、前記シリンダ内の下部に設けられ、前記ピストンの下降時には通路を閉鎖し、前記ピストンの上昇時には、ポンピング力によって前記充填タンク内のグリースが前記シリンダ内に吸入されるように通路を開放する第2バルブ手段と、を含むことを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
図2から
図5を参照すると、本発明の実施形態に係る手動式グリースガン用のグリース充填装置は、下部のチェックバルブ102を介して供給されるグリースを保管する円筒状の充填タンク100と、前記充填タンク100の内部にエアが供給されるように一側にエア通路202が備えられ、前記充填タンク100の上部開口部104にねじ結合され、中央に貫通孔204が形成されるカバー200と、前記カバー200の下面の中央に前記貫通孔204と中心が一致するように通路が連結されることで、前記充填タンク100の内部の底まで隣接して垂直に結合されるシリンダ300と、下部が前記貫通孔204を介して前記シリンダ300の内周面とパッキング410を媒介として密閉され、上部が前記カバー200の上部に手動式グリースガン1と着脱可能に結合されて
前記手動式グリースガン1の昇降運動によって昇降するピストン400と、前記ピストン400内の下部に設けられ、前記ピストン400の下降時には、ポンピング力によって前記シリンダ300内のグリースが前記ピストン400内に吸入されるように通路を開放し、前記ピストン400の上昇時には通路を閉鎖する第1バルブ手段500と、前記シリンダ300内の下部に設けられ、前記ピストン400の下降時には通路を閉鎖し、前記ピストン400の上昇時には、ポンピング力によって前記充填タンク100内のグリースが前記シリンダ300内に吸入されるように通路を開放する第2バルブ手段600と、を含んでなる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
このように構成された本発明の手動式グリースガン用のグリース充填装置を用いて手動式グリースガン1にグリースを充填するためには、まず、
図2で蓋420を分離した後、
図3のように、手動式グリースガン1の雄ねじ面10aをピストン400の雌ねじ面404に結合し、
次に前記手動式グリースガン1を引いてピストン400を上昇させると、ピストン400の下部の外周面に結合されたパッキング410がシリンダ300の内周面に沿って摺動することでポンピング力が発生する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
このような状態で、
図4のように、
前記手動式グリースガン1を押し下げてピストン400が押圧されて下降されると、このピストン400が下降されるポンピング力によって、上昇されたシリンダ300内の第2バルブ手段600側の第2ヘッド622は下降され、ハウジング610の通路を閉鎖し、ピストン400内の第1バルブ手段500側の第1ヘッド512は、グリースが押し上げられる圧力によってピストン400の第1係止突起402から上昇して通路を開放することで、
図4に示した矢印方向に沿って、第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間に吸入されたグリースがピストン400の通路に沿って手動式グリースガン1の本体10の内部に吸入される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
また、手動式グリースガン1内にグリースが完全充填された状態で、再びピストン400を
図4の吸引動作時よりも強い力で押すと、
図5のように、シリンダ300内で第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間に充填されたグリースがハウジング610の中央通路を閉鎖するように下降された第2ヘッド622に押し力を加え、これによって、第2ヘッド622と共にハウジング610が下降してハウジング610と第2係止突起302との間が広がることで隙間が発生し、この隙間は、第1バルブ手段500と第2バルブ手段600との間で前記手動式グリースガン1に吸入されずに残っていたグリースを、ハウジング610の外周面に形成された複数の凹部612を介して
図5に示す矢印方向に沿って充填タンク100内に排出させ、
図2のように、次の手動式グリースガン1にグリースを充填するために初期状態が維持される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部のチェックバルブ(102)を介して供給されるグリースを保管する円筒状の充填タンク(100)と、
前記充填タンク(100)の内部にエアが供給されるように一側にエア通路(202)が備えられ、前記充填タンク(100)の上部開口部(104)にねじ結合され、中央に貫通孔(204)が形成されるカバー(200)と、
前記カバー(200)の下面の中央に前記貫通孔(204)と中心が一致するように通路が連結されることで、前記充填タンク(100)の内部の底まで隣接して垂直に結合されるシリンダ(300)と、
下部が前記貫通孔(204)を介して前記シリンダ(300)の内周面とパッキング(410)を媒介として密閉され、上部が前記カバー(200)の上部に手動式グリースガン(1)と着脱可能に結合されて
前記手動式グリースガン(1)の昇降運動によって昇降するピストン(400)と、
前記ピストン(400)内の下部に設けられ、前記ピストン(400)の下降時には、ポンピング力によって前記シリンダ(300)内のグリースが前記ピストン(400)内に吸入されるように通路を開放し、前記ピストン(400)の上昇時には通路を閉鎖する第1バルブ手段(500)と、
前記シリンダ(300)内の下部に設けられ、前記ピストン(400)の下降時には通路を閉鎖し、前記ピストン(400)の上昇時には、ポンピング力によって前記充填タンク(100)内のグリースが前記シリンダ(300)内に吸入されるように通路を開放する第2バルブ手段(600)と、を含むことを特徴とする手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項2】
前記ピストン(400)内の上端には、前記手動式グリースガン(1)の前方側の開口に形成された雄ねじ面(10a)が結合するように雌ねじ面(404)が形成されることを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項3】
前記第1バルブ手段(500)は、
前記ピストン(400)内の下部の一定高さに形成されたリング状の第1係止突起(402)の上面に配置される第1ヘッド(512)と、
前記第1ヘッド(512)の下面の中央に接続され、前記第1係止突起(402)の中央を貫通する第1軸(510)と、
前記第1軸(510)の下端に締結される第1ナット(520)と、
前記第1係止突起(402)の下面の縁と前記第1ナット(520)の上面との間に配置され、前記第1ヘッド(512)が前記第1係止突起(402)の上面に緊密に安着するように弾性を加える第1コイルスプリング(530)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項4】
前記第1ヘッド(512)、前記第1軸(510)、前記第1ナット(520)、前記第1コイルスプリング(530)は、前記ピストン(400)の内面と一定距離を隔てて前記第1係止突起(402)に支持され、前記第1ヘッド(512)の昇降時に前記第1係止突起(402)の上面と当接して通路を開閉することを特徴とする請求項3に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項5】
前記第2バルブ手段(600)は、
前記シリンダ(300)内の下部の一定高さに形成されたリング状の第2係止突起(302)の下面に配置されるリング状のハウジング(610)と、
前記ハウジング(610)の上面に配置される第2ヘッド(622)と、
前記第2ヘッド(622)の下面の中央に接続され、前記ハウジング(610)の中央を貫通する第2軸(620)と、
前記第2軸(620)の下端に締結される第2ナット(630)と、
前記ハウジング(610)の下面の内側縁と前記第2ナット(630)の上面との間に配置され、前記第2ヘッド(622)が前記ハウジング(610)の上面に緊密に安着するように弾性を加える第2コイルスプリング(640)と、
前記シリンダ(300)内の下端に締結される第3ナット(650)と、
前記ハウジング(610)の下面の外側縁と前記第3ナット(650)の上面との間に配置され、前記ハウジング(610)が昇降するように弾性を加える第3コイルスプリング(660)と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項6】
前記ハウジング(610)の外周面には、前記ピストン(400)が下降するポンピング力によって前記ハウジング(610)が前記第2係止突起(302)から離隔する際に、前記シリンダ(300)内の上部に残留するグリースが前記第2バルブ手段(600)の下部に収去されるように、上下部及び側面に通路が開放された複数の凹部(612)が周方向に沿って一定距離を隔てて形成されることを特徴とする請求項5に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【請求項7】
前記充填タンク(100)の内周面と前記シリンダ(300)の外周面との間には、前記充填タンク(100)内のグリースを下方に加圧するリング状の圧力板(700)が配置されることを特徴とする請求項1に記載の手動式グリースガン用のグリース充填装置。
【国際調査報告】