(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】被験者の眼球運動性を評価するための装置、システム、及びコンピュータ実施方法
(51)【国際特許分類】
A61B 3/113 20060101AFI20241031BHJP
A61B 3/08 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61B3/113
A61B3/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529824
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2022082203
(87)【国際公開番号】W WO2023094249
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルタ・エルナンデス-カスタニェーダ
(72)【発明者】
【氏名】ジルダ・マラン
(72)【発明者】
【氏名】トマ・シャルボノー
【テーマコード(参考)】
4C316
【Fターム(参考)】
4C316AA16
4C316AA22
4C316AB08
4C316FA18
4C316FA19
4C316FA20
4C316FB11
4C316FB12
(57)【要約】
被験者の眼球運動性を評価するための装置であって、被験者の第1の眼に第1の画像を表示し、被験者の第2の眼に第2の画像を表示するように構成された少なくとも1つのスクリーンを備え、第1の画像が、固定された第1の要素を含み、第2の画像が、被験者の動きに応じて動く第2の要素を含む、装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の眼球運動性を評価するシステム(101)であって、被験者の眼球性運動を評価する装置(102)を備え、前記装置(102)が、前記被験者の第1の眼に第1の画像を表示し、前記被験者の第2の眼に第2の画像を表示するように構成された、少なくとも1つのスクリーン(102-b)を備え、
前記第1の画像が、固定された第1の要素を含み、前記第2の画像が、前記被験者の動きに応じて動く第2の要素を含み、
前記システム(101)が、メモリ(103-a)及びプロセッサ(103-b)を備える計算モジュール(103)も備え、前記システム(101)又は前記計算モジュール(103)が、
前記第1の画像に前記第1の要素を表示し、
前記第2の画像に前記第2の要素を表示し、前記被験者の一部分の動きに応じて前記第2の要素を動かし、
前記被験者による選択を受信し、
前記選択が受信されると、前記第2の画像での前記第2の要素の局在化を記憶し、場合によっては、前記第1の画像での前記第1の要素の局在化を記憶する、
ように構成される、システム(101)。
【請求項2】
前記装置(102)が2つのスクリーンを備え、前記2つのスクリーンのうちの一方が、前記第1の画像を表示するように構成され、前記2つのスクリーンのうちのもう一方が、前記第2の画像を表示するように構成される、請求項1に記載のシステム(101)。
【請求項3】
前記装置(102)が、単一のスクリーン、及びフィルタ、たとえば偏光フィルタを備え、前記単一のスクリーン及び前記フィルタが、前記第1の画像を前記第1の眼に表示し、前記第2の画像を前記第2の眼に表示するように構成される、請求項1に記載のシステム(101)。
【請求項4】
前記装置(102)が、前記被験者の一部分の前記動きを検出するための手段(102-a)を備え、前記装置(102)が、前記被験者の前記一部分の検出された前記動きに応じて、前記第2の要素を動かすように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム(101)。
【請求項5】
前記動きを検出するための前記手段(102-a)が、前記第2の眼の動きを検出するためのアイ・トラッカであり、前記装置(102)が、前記アイ・トラッカによって検出される前記動きに応じて、前記第2の要素を動かすように構成される、請求項4に記載のシステム(101)。
【請求項6】
前記動きを検出するための前記手段(102-a)が、前記被験者の手によって動かすことのできるジョイパッドであり、前記装置(102)が、前記ジョイパッドの動きに応じて、前記第2の要素を動かすように構成される、請求項4に記載のシステム(101)。
【請求項7】
前記装置(102)が、前記被験者によって起動されるように構成された選択手段を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム(101)。
【請求項8】
前記選択手段が、スイッチ又は押しボタンであり、前記スイッチ又は押しボタンが、たとえば、前記被験者の第1の手の指によって起動可能であり、前記第1の手が、前記動きを検出するための前記手段(102-a)を起動するのに使用される、前記被験者の第2の手とは異なる、請求項7に記載のシステム(101)。
【請求項9】
前記選択手段が、前記第1の眼又は前記第2の眼の瞬きを検出し、前記瞬きの後に起動されるように構成されたセンサである、請求項7に記載のシステム(101)。
【請求項10】
前記装置(102)が、背景を含む第1の画像、及び同じ背景を含む前記第2の画像を表示するように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム(101)。
【請求項11】
前記背景がボロノイ図である、請求項10に記載のシステム(101)。
【請求項12】
前記装置(102)が、前記装置(102)の画像距離に応じた距離において前記背景を表示するように構成される、請求項10又は11に記載のシステム(101)。
【請求項13】
前記距離が、前記画像距離の80%~120%の間にある、請求項12に記載のシステム(101)。
【請求項14】
前記装置(102)が、前記被験者の頭部の向きとは関係なく前記第1の画像及び前記第2の画像を表示するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム(101)。
【請求項15】
被験者の眼球運動性を評価するコンピュータ実施方法であって、
前記被験者の第1の眼に、第1の要素を含む第1の画像を表示するステップと、
前記被験者の第2の眼に、第2の要素を含む第2の画像を表示し、前記被験者の一部分の動きに応じて前記第2の要素を動かすステップと、
前記被験者による選択を受信するステップと、
前記選択が受信されると、前記第2の画像での前記第2の要素の局在化を記憶し、場合によっては、前記第1の画像での前記第1の要素の局在化を記憶するステップと、
を含む、コンピュータ実施方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な態様は一般に、測定方法の分野のみならず、検眼士向けの器具及び道具の分野での、検眼の分野に関する。より厳密には、本開示は、被験者の眼球運動性を評価する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、眼球運動性及び両眼検査の完全な測定を実現するための装置に関する。本開示の装置は、たとえば人間工学的条件において使用されるヘッドセットとすることもできる。
【0003】
被験者のそれぞれの眼は3対の筋肉を有し、これらが連携して、その眼を同じ方向に向けるように変化させる。我々が、難なく読書することができ、効率的且つ快適に自分の環境を見て回ることができるのは、主としてこれら眼筋のおかげである。これら6つの筋肉は、3つの神経(III、IV、及びVI)によって制御される。眼球運動性という用語は、これら6つの外眼筋の研究、及び眼の動きに及ぼすその影響を指す。
【0004】
眼球運動性の検査は、完全な目視検査において不可欠なステップである。この測定が首尾よく実現すれば、斜位、斜視、輻輳障害、又は、不快感、疲労などの原因となる神経性障害(たとえば麻痺)など、両眼視の問題を検査員が検出するのに役立つことができる。
【0005】
現在、眼球運動性障害を検出及び測定する装置が存在する。しかし、これらの装置は、非常に基本的な検査、又は、実行するのに長く、且つ/若しくは複雑な説明を必要とする複雑な検査を実行している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Strabismus(2000、Vol.8、No.2、127~134頁)に発表された論文「Heterophoria and fixation disparity:A review」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
正確で、迅速で、検査員及び被験者にとって使用するのが容易である完全な検査を実現するための、新規のタイプの装置及び方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下の説明では、簡略化された概要を提示して、本開示の様々な態様の基本的な理解を得る。この概要は、企図されたすべての態様を広範囲にわたって概説するものではなく、すべての態様の鍵となる要素又は重要な要素を識別するものでもなく、いずれかの態様又はすべての態様の範囲を述べるものでもない。唯一の目的は、後に提示するさらに詳細な説明への前置きとして、簡略化された形式で1つ又は複数の態様の考え方をいくつか提示することである。
【0009】
本開示の一態様は、被験者の眼球運動性を評価するための装置であって、被験者の第1の眼に第1の画像を表示し、被験者の第2の眼に第2の画像を表示するように構成された少なくとも1つのスクリーンを備え、第1の画像が、固定された第1の要素を含み、第2の画像が、被験者の動きに応じて動く第2の要素を含む、装置である。
【0010】
本開示の他の一態様は、この装置と、メモリ及びプロセッサを備える計算モジュールとを備える、被験者の眼球運動性を評価するためのシステムであって、このシステム又はこの計算モジュールが、第1の画像に第1の要素を表示し、第2の画像に第2の要素を表示し、被験者の一部分の動きに応じてこの第2の要素を動かし、被験者による選択を受信し、この選択が受信されると、第2の画像での第2の要素の局在化を記憶し、場合によっては、第1の画像での第1の要素の局在化を記憶するように構成された、システムである。
【0011】
システムの一実施形態では、装置は、仮想現実ヘッドセットである。
【0012】
システムの一実施形態では、計算モジュールは、装置に連結された、又は装置に組み込まれた、コンピュータ又はモバイル装置である。
【0013】
本開示の他の態様は、被験者の眼球運動性を評価するコンピュータ実施方法であって、被験者の第1の眼に、第1の要素を含む第1の画像を表示するステップと、被験者の第2の眼に、第2の要素を含む第2の画像を表示し、被験者の一部分の動きに応じてこの第2の要素を動かすステップと、被験者による選択を受信するステップと、この選択が受信されると、第2の画像での第2の要素の局在化を記憶し、場合によっては、第1の画像での第1の要素の局在化を記憶するステップとを含む、コンピュータ実施方法である。
【0014】
本明細書において提示される説明及びその利点をさらに完全に理解するために、次に、添付図面及び詳細な説明とともに行われる以下の簡単な説明を参照し、ここで同じ参照番号は同じ部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】光学装置で見られるようなHess-Weissグリッドを表す図である。
【
図5】よせ運動と遠近調節の不一致を表す図である。
【
図7】背景が複数の等距離ドットで構成されているときに生じる難しさを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
添付図面とともに以下に述べる詳細な説明は、実現可能な様々な実施形態の説明として意図されるものであり、本明細書に記載の考え方を実施してもよい唯一の実施形態を表すことを意図するものではない。この詳細な説明は、様々な考え方を十分に理解するための具体的な詳細を含む。しかし、これら具体的な詳細がなくても、これらの考え方を実施してもよいことが、当業者には明らかになろう。場合によっては、よく知られた構造体及び構成部品は、そうした考え方を曖昧にするのを避けるためにブロック図の形式で示してある。
【0017】
図1には、被験者の眼球運動性を評価するためのシステム101が表してある。このシステム101は、装置102、たとえば光学装置102、及び計算モジュール103を備える。計算モジュール103は、メモリ103-a及びプロセッサ103-bを備える。
【0018】
プロセッサ103-bの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理装置(GPU)、中央処理装置(CPU)、アプリケーション・プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セット・コンピューティング(RISC)プロセッサ、システム・オン・チップ(SoC)、ベースバンド・プロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート・ロジック、ディスクリート・ハードウェア回路、及び本開示全体を通して説明される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。
【0019】
メモリ103-aは、コンピュータ読取り可能な媒体である。一例として、また限定することなく、このようなコンピュータ読取り可能な媒体には、ランダムアクセス・メモリ(RAM)、リードオンリ・メモリ(ROM)、電気消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、他の磁気記憶装置、前述のタイプのコンピュータ読取り可能な媒体の組合せ、又は計算モジュール103がアクセスすることのできる命令若しくはデータ構造の形でのコンピュータ実行可能コードを記憶するのに使用することのできる他の任意の媒体が含まれ得る。
【0020】
図2には、光学装置102の一実施形態が表してある。光学装置102は、1つのスクリーン102-a、及び被験者の一部分の動きを検出するための手段102-bを備える。スクリーン102-aは、被験者の第1の眼(たとえば、右眼)に第1の画像を表示し、被験者の第2の眼(たとえば、左眼)に第2の画像を表示するように構成される。第1の画像は、固定又は静止した第1の要素を含み、第2の画像は、被験者の動きに応じて動く第2の要素を含む。光学装置は、被験者によって起動されるように構成された選択手段102-cを備えることもできる。
【0021】
一実施形態では、光学装置102は2つのスクリーンを備え、この2つのスクリーンのうちの一方は、第1の画像を表示するように構成され、この2つのスクリーンのうちのもう一方は、第2の画像を表示するように構成される。
【0022】
一実施形態では、光学装置102は、単一のスクリーン102-a、及びフィルタ、たとえば偏光フィルタを備え、この単一のスクリーン102-a及びフィルタは、第1の画像を第1の眼に表示し、第2の画像を第2の眼に表示するように構成される。たとえば、偏光フィルタは2つの部分を備え、各部分の偏光角度は異なる。スクリーン102-aは2つの画像を表示し、一方の画像は、偏光フィルタの第1の部分の偏光角に適合され、もう一方の画像は、偏光フィルタの第2の部分の偏光角に適合される。スクリーン102-aによる2つの画像の表示を実現するために、第1の画像に関連するスクリーン102-aの第1の部分が、偏光フィルタの第1の部分として偏光され(スクリーンの第1の部分の偏光角は、偏光フィルタの第1の部分と同じである)、第2の画像に関連付けられたスクリーン102-aの第2の部分が、偏光フィルタの第2の部分として偏光される。この実施形態を使用すると、次いで、それぞれの眼は、偏光子の一方の部分に関連付けられ、同じ偏光を有するスクリーンのその部分しか見えない。スクリーン102-aの2つの部分はインターレース式とすることができる(2つのラインから1つのラインが第1の部分の専用となり、あるラインが第1の部分の専用となる場合、隣接するラインは第2の部分の専用となる)。
【0023】
光学装置102は、被験者の一部分の検出された動きに応じて、第2の要素を動かすように構成される。
【0024】
一実施形態では、光学装置102は、仮想現実ヘッドセットである。
【0025】
一実施形態では、計算モジュール103は、コンピュータ又はモバイル装置である。この計算モジュール103を、光学装置102に連結することができ、又は光学装置102に組み込むことができる。
【0026】
図3には、仮想現実ヘッドセットとして実装された光学装置102の一実施形態が表してある。優先的に、この仮想現実ヘッドセットは、周波数が120Hz(眼ごとに60Hz)のアイ・トラッカを備えることができる。仮想現実ヘッドセットは、たとえば視野が110°であり、それぞれの解像度が1440×1600ピクセルで、リフレッシュ・レートが90Hzの2つのスクリーンを備える。アイ・トラッカは、動きを検出するための手段102-bの一例であり、以下でより厳密に説明することになる。
【0027】
光学装置102は、3つの主要な情報を得ることができる。
・頭部の位置及び回転(頭部角度)
・運動性グリッドの深さ(よせ運動)
・グリッドでのターゲットとなる位置(アイ・トラッカの有無にかかわらず)
【0028】
頭部の位置及び回転を精密に行うことで、ビールショウスキー試験をより正確に実現することができる。
【0029】
このシステム101によって、被験者の眼球運動性を評価することを目的とする検査を実現することが可能になる。この試験を実現する前に、瞳孔計を用いて被験者の瞳孔距離を測定することができる。
【0030】
試験中、座った状態で被験者を椅子につかせることができる(被験者を立った状態とすることもできる)。ヘッドセットがシステム101によって、より厳密には光学装置102によって正しく見え、追跡されるように、被験者は良好に配置されることが有利である。検査員は、被験者がヘッドセットを正しく装着するよう援助する。したがって、たとえば特定のスクロール・ホイールを用いて、ヘッドセットにおいて瞳孔距離を設定することができる。同様に、実現可能な最大の視野を有するように、最も近い位置にヘッドセットをセットすることが有利である。
【0031】
試験は、以下のステップの一部又はすべてを実現する。
・視力検査
・アイ・トラッカ較正(任意選択)
・アイ・トラッカ妥当性検査(任意選択)
・右眼の自由試験
・左眼の自由試験
・右眼の選択試験
・左眼の選択試験
・右眼のビールショウスキー運動(自由試験)
・左眼のビールショウスキー運動(自由試験)
【0032】
試験中、被験者は、両側で異なる要素を見ることができる。被験者は、自分の視野を検査し、ターゲットへの様々なポイントが正しく見えるかどうか判定することができる。これにより、被験者は、投影距離(75cm)において両眼視が正しく働いているかどうか、また融合が完全なものかどうか(複視がないこと)を検査することができるようになる。
【0033】
図4に示してある一実施形態では、第1の要素は、光学装置102に見られるようなHess-Weissグリッドである(図の右側部分を参照されたい)。この第1の要素(
図4の例ではHess-Weissグリッド)は、眼から約50cmの遠近調節距離の投影距離において表示される。この投影距離は、ヘッドセットの構成に応じて、50cmから無限遠まで(又は、より具体的には2mまで)変化してもよい。このように、投影距離は通常、約75cmである。光学系、又は光学系とスクリーンの間の距離を変えることによって、この投影距離を変化させてもよい。投影距離は、光学装置102に依存し、表示された画像を片眼のみで見る場合にも適用される。これと比較すると、輻輳距離に応じて2つの眼の間で偏移された同様の表示画像を両眼が見る場合にのみ、この輻輳距離が適用される。標準的な仮想現実の立体視と同様に、表示される画像を変えることによって、輻輳距離を変化させることができる。
【0034】
現実的には、遠近調節とよせ運動は常に一致する。仮想現実ヘッドセットを使用すると、これが必ずしも当てはまるとは限らない。
図5には、よせ運動と遠近調節の不一致が表してある。最良の状態にあって、遠近調節とよせ運動を一致させるために、光学装置102の画像投影距離に応じた輻輳距離において背景を表示するように、この光学装置102が構成される。たとえば、輻輳距離は、画像投影距離の80%~120%の間にある。
【0035】
他の実施形態では、光学装置102は、不一致の遠近調節/輻輳の状態を提示して、融合の難易度を高め、したがって検査の感度を高めることができる。両眼視/運動視の問題が比較的小さい被験者は、遠近調節/輻輳の矛盾を伴う試験に同化し、成功するための難題に進んで取り組もうとする。
【0036】
図4に示すように、Hess-Weiss実験(自由試験)の第1のステップでは、片側(左又は右)にグリッドが表示され、もう一方の側に白の自由試験が表示される。両眼間の競合が低減されるので、両眼視は実際の試験よりも快適な方式で分離され、両眼は、白色の背景を見る(実際の試験では、背景は、一方の眼においては赤色であり、もう一方の眼においては緑色である)。一度に(全部のグリッドの代わりに)グリッドの1つのポイントのみを表示することによって、融合を改善し/競合を低減することさえできる。
【0037】
この第1のステップでは、Hess-Weissグリッド(このHess-Weissは第1の要素である)が表示されていない部分に第2の要素が表示されることになり、被験者は、第1の要素の特定の位置に第2の要素を動かさなければならなくなる。
【0038】
仮想現実ヘッドセットが使用される場合、表示されるあらゆる要素が、頭部の傾きに関係なくスクリーン上に固定されてもよい(すなわち、各要素の表示は頭部の傾きに依存しない)。このことは、被験者が頭部を動かす場合、この被験者はヘッドセットを装着しているので、頭部の動きに追従して各要素も動くことを意味する。これにより、顎当ての必要性がなくなり、被験者は、より自然な姿勢でいることが可能になる。これにより、座った姿勢又は立った姿勢も可能となる。さらに、各要素の位置を制御することができ、たとえば、Hess-Weissグリッドの中央が、目の前方に厳密に設定及び維持される。各要素は頭部の傾斜に追従するので、ビールショウスキー試験を行うことも比較的容易である。
【0039】
一実施形態では、光学装置102は、背景を含む第1の画像、及び同じ背景を含む第2の画像を表示するように構成される。この背景は、ボロノイ図若しくはドット・グリッド、又は、たとえば仮想眼科検査室など特定のシーンを表す3D環境、又は他の任意の抽象的シーン若しくは人工的シーンとすることができる。光学装置102は、装置の画像距離に応じた距離において背景を表示するように構成される。この距離は、画像距離の80%~120%の間にある。
図6には、ボロノイ図が表してある。
【0040】
一実施形態では、選択試験には融合が適用される。そのために、選択試験用の追加要素(背景)(実際のHess-Weiss試験ではドット・グリッドに対応する)が両眼に表示される。実際の測定試験では、実際の環境も背景の一部分であり、参考情報のように機能するので、画像を遠近調節及び融合するのにも役立つ。実際の状態にさらに近づけるため、選択テストのステップでは仮想表示が少し異なっていてもよい。各要素(たとえば、背景がドット・グリッドのHess-Weiss)は、試験での所望の位置において突然現れるのではなく、遠くから近くへと徐々に現れる。各要素は、遠くの距離(約3メートル)において投影され、検査での所望の距離になるまで緩やかに近づく。この動きの速度は、滑らかで徐々に進むように計算される。各要素が近いほど、速度は遅くなる(速度は、近接度に比例し、距離の逆数である)。このようにすることで、被験者が現実のように遠近調節し、融合を維持するのに役立つ。このステップがない場合、被験者は、オフセットと同化することができる。この動きの場合、同化と遠近調節がより良好に制御される。
【0041】
すなわち、(ボロノイ図のような)いくつかの背景を使用して、両眼融合を向上させることができる。特に、黒点が繰り返される背景と比較したときである(
図7参照)。繰り返される黒点を使用するとき、視覚にずれがある場合には、選択試験の2つの画像が位置合せされず、これにより、縁部において複視を起こす場合がある。しかし中央部においては、各ドット間の間隔が周期的なので、視覚的なオフセットを補償できるようになる。同化は実現可能である。それにもかかわらず、仮想試験においては、被験者によっては依然として調整不良がある。
【0042】
図7には、背景が複数の等距離ドットで構成されているときに生じる、前述の難しさが示してある。
【0043】
一方では、フレームの輪郭の視認性をなくし、したがって画像を同化するきっかけを減らすことによって、この現象を増やすことができる。次いで、試験の感度を上げて、正しい融合の妨げになる視覚問題を検出する。その一方で、この現象を減らし、融合を増やすことができる。そのために、ボロノイ図のような周期性がない別の背景を使用する。
【0044】
一実施形態では、右眼と左眼にそれぞれ表示される2つの画像は、色及びコントラストが異なる場合がある。一方の画像が赤色の背景を有し、もう一方の画像が緑色の背景を有することができる。実際の試験では、たとえばフィルタリングすることによって得られる赤色及び緑色の背景の光吸収は同じではないことに気付いた。確かに、緑色の背景は赤色よりも吸収率が低く、より多くの光を通す。そのために、赤色及び緑色の背景を、様々なコントラストを有する仮想検査に使用することができる。赤色及び緑色を使用して、実際のHess-Weiss試験にマッチさせてもよく、それぞれの眼をより良好に区別することができる。事実上もちろん、すでに述べたように、それぞれの眼に、グリッド及び異なるコントラストの白色背景を使用して、競合を減らし、融合の良好な快適さを得て、画像を融合することもできる。
【0045】
一実施形態では、計算モジュール103又は光学装置102は、検査員にフィードバックするためのスクリーンを備えることができる。このスクリーンは、頭部角度、グリッドの深さ、ターゲットとなる位置をその場で示す、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を実装することができる。光学装置102は、ヘッドセットを通して被験者が見ているものを見ることができる、正投影カメラを備えることができる。正投影カメラにより、検査員は、両側の重なりを見ることができるようになる。この検査が平面における場合は問題ではない。あらゆる対象物が同じ距離にある場合、透視投影の必要性はない。その場合、正射投影の方が解釈しやすい。
【0046】
このGUIは、試験中に検査員を誘導する。プロトコルの流れが、より追跡しやすい。すべてのステップが互いに続く。検査が終了するまで、検査員は、段階的にスクリーン上の結果を検査し、たとえばキーボードのキー、たとえばスペース・キーを用いて妥当性検査するしかない。GUIは、手動ステップの必要性を低減し、又はこれをなくす。
【0047】
一実施形態では、光学装置102は、動きを検出するための手段102-bの一例である、ジョイスティック又はジョイパッドを備える。このジョイスティック又はジョイパッドは、被験者の手で動かすことができる。ジョイスティック又はジョイパッドのこの動きによって、第2の要素の動きが可能になる。この実施形態では、選択手段102-cは、スイッチ又は押しボタンとすることができ、このスイッチ又は押しボタンは、たとえば被験者の指によって起動することができる。ジョイスティック又はジョイパッドは、他の検出手段102-bよりも費用がかからない。
【0048】
一実施形態では、仮想シーンにおいて、ジョイスティック又はジョイパッドは、その先端にレーザ光線があるように見える。ジョイスティック又はジョイパッドを第1の手で動かすことによって、被験者は、各ポイントをターゲットにし、妥当性検査しなければならない。主たる手で震えることなく、より厳密にするために、たとえば第2の手を用いて妥当性検査ボタンを押すことができる。被験者は、各ポイントを順序よく妥当性検査しなければならない。もう片方のスクリーンには、9つのポイントが段階的に表示される。また、被験者は、自らのターゲットを妥当性検証するために、頭部角度が10°から-10°までの間でなければならない(すなわち、測定の時点で、頭部傾斜の許容可能な閾値を設定することができる)。
【0049】
図8では、被験者は、片側でしかグリッドを見ない。もう一方の眼は、レーザと、寸法がグリッドと同じ白色の正方形とを見る。グリッドを見る眼が固視眼であり、もう一方の眼が定位眼である。
【0050】
一実施形態では、動きを検出するための手段102-bは、第2の眼の動きを検出するためのアイ・トラッカである。光学装置102は、アイ・トラッカによって検出された動きに応じて、第2の要素を動かすように構成される。動きを検出するための手段102-bは、両眼アイ・トラッカとすることができる。この両眼アイ・トラッカは、検査員が運動性を分析し、同時に解離性斜位を測定するのに役立つ。2つの眼の間の固視差は、融合が生じないとき(すなわち、背景がなく、2つの眼の間に共通要素がないとき)には斜位と呼ばれ、融合が生じるとき、すなわち融合する何らかの部分(選択試験では背景)があるときには固視ずれと呼ばれる。Strabismus(2000、Vol.8、No.2、127~134頁)に発表された論文「Heterophoria and fixation disparity:A review」には、斜位及び固視ずれのこのような問題が記載されている。
【0051】
アイ・トラッカを備える光学装置102の実施形態では、選択手段102-cは、第1の眼又は第2の眼の瞬きを検出し、この瞬きの後に起動されるように構成されたセンサとすることができる。このセンサは、眼の動きを検出するのに使用されるアイ・トラッカとすることができる。アイ・トラッカを使用すると、瞳孔がないことによって瞬きを検出することができる。
【0052】
他の実施形態では、検出手段102-bと選択手段102-cとを組み合わせることができる。たとえば、アイ・トラッカを妥当性検査ボタンとともに使用することができ、又は、ジョイスティック若しくはジョイパッドを、被験者の眼のうち1つ又は2つの眼の瞬きを検出するように構成されたセンサとともに使用することができる。
【0053】
アイ・トラッカを使用するとき、このアイ・トラッカの較正を実現して、このアイ・トラッカの確度を向上させることができる。較正の一実施形態では、被験者は、3秒間にそれぞれ次々に現れる9つのポイントを見る。初めの1秒間には何も起こらず、2秒間でデータを保存する。データは、ポイントごとに平均される。次いで、アイ・トラッカの注視を内挿して、生データを補正する。この内挿は、スター参照フォーマットで行われる。このポイントが、参照ポイントからどのセクタに存在し、中心ポイントからどのくらい離れているかが分かる。また、セクタの2つの縁部の間の角度を推定して、外挿後のポイントの位置を見つけることができる。この較正ステップの終わりに、検査員のスクリーンに2つの眼の注視が表示される。これらは、異なる色のポイントで表される。検査員は、注視が正しいかどうかを、その場で検査することができる。結果が適合する場合、検査員は、この検査を妥当性検査して継続することができる。
図9には、較正手順の一例が示してある。
【0054】
メモリ103-aは、プロセッサ103-bによってプログラムが実行されると、計算モジュール103又はシステム101が、
-第1の画像に第1の要素を表示するステップと、
-第2の画像に第2の要素を表示し、被験者の一部分の動きに応じて、この第2の要素を動かすステップと、
-被験者による選択を受信するステップと、
-この選択が受信されると、第2の画像での第2の要素の局在化を記憶し、場合によっては、第1の画像での第1の要素の局在化を記憶するステップと
を実行できるようにする命令を含む、コンピュータ・プログラムを記憶するように構成される。
【0055】
これらのステップによって、被験者の眼球運動性の検査が可能になる。一実施形態では、検査の終わりに、検査員は、エクスポートされたファイルでの結果、又は写真を伴う結果を検査及び解釈することができる。したがって、視覚的に又は計算によって、調整不良の斜位を検査することができる。固視ずれ、斜視、任意の運動性障害又は両眼融合障害など、他の診断も可能である。機械学習による処置を用いて、運動性診断を自動的に計算することも実現できる。
【0056】
すなわち、本開示の各実施形態を使用すると、説明が容易で、正確で、迅速で、検査員による解釈が容易な試験を用いて、両眼視及び眼球運動性の状態を、診断及び測定することができる。これらの実施形態により、たとえば仮想現実ヘッドセットを使用して、被験者にとってより快適な、より「自然な」Hess/Weiss測定を実現することができ、ビールショウスキー試験においても、被験者が自由な頭部姿勢(顎当てなし)をとることが可能になり、眼の競合が少なくなる。眼の競合が少ない場合には、赤色画像と緑色画像を使用することが必須ではないことを意味する。仮想現実ヘッドセットにより、被験者は、ワールド座標系に固定画像を表示して、ターゲットと比較した被験者の頭部の位置を測定することができる。光学装置102及び/又はアイ・トラッカに組み込まれた慣性測定装置(IMU)を使用して、注視の方向を測定することで、この測定を実現することができる。また、ジョイパッドによって制御される仮想レーザを使用して、被験者がどこを見ているかを示すこともできる。
【0057】
仮想現実ヘッドセットは、交換することのできるレンズを備えることもできる。仮想現実ヘッドセットでのレンズを変更することによって、試験での遠近調節プランを変更することができる。それに応じてヘッドセットの3D能力を用いて、又は遠近調節とは切り離して、輻輳プランを変更することもできる。
【0058】
したがって、検査員は、多くの様々な条件において試験を実行することができることになり、Hess Weiss「エルゴラマ」を有することになる。検査員は、様々な距離でこの試験を使用することができ、この試験は、プログレッシブ・レンズのエルゴラマを示すものであり、検査員はまた、ずれをシミュレーションして、累進屈折カレンズ(PAL)の使用に沿って測定を実行することができる。エルゴラマは、対象物ポイントの通常の距離を各注視方向に関連付ける関数である。検査員はまた、装着されるプログレッシブ・レンズをシミュレーションして、視差測定を用いて、選択された設計の適切性を検査することができ、円滑な追跡検査を、動いているターゲットと統合することさえできる。
【0059】
ヘッドセットのおかげで、検査員は、被検者の(両眼視の変化の処方を決定するのに役立てるための)被験者の眼鏡の有無にかかわらず、遠距離、近距離、及び中間距離における様々な注視方向での両眼視の問題を測定するための、新規の実現可能な手段を手にすることになる。検査員は、日常の状況での眼球運動性を決定し、視覚的疲労、及び光学処方(SV、PAL、...)に対する適合問題を引き起こすのが何かを知るために、より長い距離をとり、並びに現実により近いタスク(コンピュータ、読書、テレビ、...の使用)を実行することができるようになるはずである。SVは、単焦点レンズ(すなわち、遠近両用レンズ又はプログレッシブ・レンズなど複数度数のレンズとは異なる)を意味する。
【0060】
計算モジュールのソフトウェアは、簡単なグラフを表示して、検査員に診断を示し、被験者に3Dの説明を表示するように構成することができる。このソフトウェアは、測定中のタスクの簡単な説明を表示することもできる。
【0061】
システム101、より厳密には計算モジュール103は、被験者のどの眼筋が良好に機能しないのかを判定することもできる。
【符号の説明】
【0062】
101 システム
102 装置
102-a スクリーン
102-b 検出手段
102-c 選択手段
103 計算モジュール
103-a メモリ
103-b プロセッサ
【手続補正書】
【提出日】2024-05-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の眼球運動性を評価するシステム(101)であって、被験者の眼球性運動を評価する装置(102)を備え、前記装置(102)が、前記被験者の第1の眼に第1の画像を表示し、前記被験者の第2の眼に第2の画像を表示するように構成された、少なくとも1つのスクリーン(102-b)を備え、
前記第1の画像が、固定された第1の要素を含み、前記第2の画像が、前記被験者の動きに応じて動く第2の要素を含み、
前記システム(101)が、メモリ(103-a)及びプロセッサ(103-b)を備える計算モジュール(103)も備え、前記システム(101)又は前記計算モジュール(103)が、
前記第1の画像に前記第1の要素を表示し、
前記第2の画像に前記第2の要素を表示し、前記被験者の一部分の動きに応じて前記第2の要素を動かし、
前記被験者による選択を受信し、
前記選択が受信されると、前記第2の画像での前記第2の要素の局在化を記憶し、場合によっては、前記第1の画像での前記第1の要素の局在化を記憶する、
ように構成される、システム(101)。
【請求項2】
前記装置(102)が2つのスクリーンを備え、前記2つのスクリーンのうちの一方が、前記第1の画像を表示するように構成され、前記2つのスクリーンのうちのもう一方が、前記第2の画像を表示するように構成される、請求項1に記載のシステム(101)。
【請求項3】
前記装置(102)が、単一のスクリーン、及びフィルタ、たとえば偏光フィルタを備え、前記単一のスクリーン及び前記フィルタが、前記第1の画像を前記第1の眼に表示し、前記第2の画像を前記第2の眼に表示するように構成される、請求項1に記載のシステム(101)。
【請求項4】
前記装置(102)が、前記被験者の一部分の前記動きを検出するための手段(102-a)を備え、前記装置(102)が、前記被験者の前記一部分の検出された前記動きに応じて、前記第2の要素を動かすように構成される、請求項
1に記載のシステム(101)。
【請求項5】
前記動きを検出するための前記手段(102-a)が、前記第2の眼の動きを検出するためのアイ・トラッカであり、前記装置(102)が、前記アイ・トラッカによって検出される前記動きに応じて、前記第2の要素を動かすように構成される、請求項4に記載のシステム(101)。
【請求項6】
前記動きを検出するための前記手段(102-a)が、前記被験者の手によって動かすことのできるジョイパッドであり、前記装置(102)が、前記ジョイパッドの動きに応じて、前記第2の要素を動かすように構成される、請求項4に記載のシステム(101)。
【請求項7】
前記装置(102)が、前記被験者によって起動されるように構成された選択手段を備える、請求項
4に記載のシステム(101)。
【請求項8】
前記選択手段が、スイッチ又は押しボタンであり、前記スイッチ又は押しボタンが、たとえば、前記被験者の第1の手の指によって起動可能であり、前記第1の手が、前記動きを検出するための前記手段(102-a)を起動するのに使用される、前記被験者の第2の手とは異なる、請求項7に記載のシステム(101)。
【請求項9】
前記選択手段が、前記第1の眼又は前記第2の眼の瞬きを検出し、前記瞬きの後に起動されるように構成されたセンサである、請求項7に記載のシステム(101)。
【請求項10】
前記装置(102)が、背景を含む第1の画像、及び同じ背景を含む前記第2の画像を表示するように構成される、請求項
1に記載のシステム(101)。
【請求項11】
前記背景がボロノイ図である、請求項10に記載のシステム(101)。
【請求項12】
前記装置(102)が、前記装置(102)の画像距離に応じた距離において前記背景を表示するように構成される、請求項10又は11に記載のシステム(101)。
【請求項13】
前記距離が、前記画像距離の80%~120%の間にある、請求項12に記載のシステム(101)。
【請求項14】
前記装置(102)が、前記被験者の頭部の向きとは関係なく前記第1の画像及び前記第2の画像を表示するように構成される、請求項
1に記載のシステム(101)。
【請求項15】
被験者の眼球運動性を評価するコンピュータ実施方法であって、
前記被験者の第1の眼に、第1の要素を含む第1の画像を表示するステップと、
前記被験者の第2の眼に、第2の要素を含む第2の画像を表示し、前記被験者の一部分の動きに応じて前記第2の要素を動かすステップと、
前記被験者による選択を受信するステップと、
前記選択が受信されると、前記第2の画像での前記第2の要素の局在化を記憶し、場合によっては、前記第1の画像での前記第1の要素の局在化を記憶するステップと、
を含む、コンピュータ実施方法。
【国際調査報告】