(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置
(51)【国際特許分類】
F23Q 7/00 20060101AFI20241031BHJP
F23Q 7/22 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F23Q7/00 T
F23Q7/22 620B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024529874
(86)(22)【出願日】2022-10-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 CN2022125555
(87)【国際公開番号】W WO2023226280
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202210574075.5
(32)【優先日】2022-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518060538
【氏名又は名称】チョンチン リ-マーク テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHONGQING LE-MARK TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】15-1,Fengsheng Road,Jiulongpo District,Chongqing 401329 China
(74)【代理人】
【識別番号】100077012
【氏名又は名称】岩谷 龍
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ピーター
(57)【要約】
本発明は、ハウジング(4)と、自己温度測定機能を有する発熱アセンブリとを含む温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置に関する。発熱アセンブリはハウジング(4)内に配置され、発熱アセンブリは、ハウジング(4)の発熱端から延出し;ハウジング(4)の温度測定端には、温度測定アセンブリ(6)がさらに設けられ、温度測定アセンブリ(6)の温度測定端が、ハウジング(4)の温度測定端から延出する。本発明の装置により、既存の燃焼/加熱装置に使用される高温の熱面素子が、使用中に加熱/点火不良を起こしやすく、これにより燃焼装置が正常動作できないという課題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置であって、ハウジングと、自己温度測定機能を有する発熱アセンブリとを含み;前記発熱アセンブリが前記ハウジング内に配置され、前記発熱アセンブリが前記ハウジングの発熱端から延出し;前記ハウジングの温度測定端には温度測定アセンブリがさらに設けられ、前記温度測定アセンブリの温度測定端が、前記ハウジングの温度測定端から延出している、温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置。
【請求項2】
前記温度測定アセンブリが熱電対ワイヤである、請求項1に記載の温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置。
【請求項3】
前記温度測定アセンブリが金属の熱電対ワイヤである、請求項2に記載の温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置。
【請求項4】
前記発熱アセンブリが、温度測定可能な発熱体を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置。
【請求項5】
前記発熱アセンブリが、さらに2つの電極を含み、前記ハウジングから延出する電極リードが、前記電極に接続されている、請求項4に記載の温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置。
【請求項6】
前記ハウジングが、金属のハウジングまたはセラミックのハウジングである、請求項5に記載の温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱/点火装置の技術分野に関し、特に、温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼装置は、燃料に点火して燃焼させ、燃料の化学エネルギーを、熱エネルギーに変換する装置であり、燃焼装置から熱エネルギーが放出される。現在、ほとんどのグリーンな新エネルギー燃焼装置は、燃焼にメタノールまたはLNG等の燃料を使用する。燃焼装置を使用するときは、高温の熱面素子でも直接点火できる。しかし、この点火技術を使用すると、周囲温度、ガス流量、燃料温度・気温等の大幅な変化から点火が失敗しやすく、正常な燃焼を行うことができずに、燃焼装置の正常運転に影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置を提供することを意図し、既存の燃焼装置に使用される高温の熱面素子が、使用中に加熱/点火不良を起こしやすく、これにより燃焼装置が正常な動作を行えないという課題を解決する。
【0004】
本発明は、以下の基本的解決法を提供する:温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置であって、ハウジングと自己温度測定機能を有する発熱アセンブリとを含み;該発熱アセンブリはハウジング内に配置され、該発熱アセンブリは、ハウジングの発熱端から延出し;ハウジングの温度測定端には温度測定アセンブリがさらに設けられ、温度測定アセンブリの温度測定端が、ハウジングの温度測定端から延出している、温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置。
【0005】
基本的解決法の有利な効果は以下の通りである:高温の熱面素子の使用プロセスにおいて、周囲温度の大幅な変化は高温の熱面素子の温度に大きな影響をもたらし、これにより加熱/点火不良という課題が浮上する。よって、この解決法において、自己温度測定機能を有する発熱アセンブリが電気加熱装置の発熱コアとして使用され、さらに、ハウジングから延出する温度測定アセンブリが低温端(温度測定端)として使用され、補助的温度測定を行う;補助的温度測定によって不安定な外部環境により引き起こされた温度測定誤差が補正され、温度制御システムを共に使用することによって、低温端の温度が変化したときに適時に確実に補正が行われ、これによって電気加熱装置の加熱/点火信頼性が増し、燃焼装置が正常に使用されることを確実にする。
【0006】
さらに、温度測定アセンブリは、熱電対ワイヤである。有利な効果:この課題解決法においては、熱電対ワイヤが温度測定アセンブリとして使用され、構成を簡易にしている。
【0007】
さらに、温度測定アセンブリは、金属の熱電対ワイヤである。
【0008】
さらに、発熱アセンブリは、温度測定可能な発熱体を含む。有利な効果:この課題解決法において、温度測定可能な発熱アセンブリは、発熱アセンブリとして使用され、温度制御応答スピードおよび耐用年数を改善し、発熱アセンブリは、その構成材料の配置により、熱電対温度測定機能を可能にし、構成を簡易にしている。
【0009】
また、発熱アセンブリは2つの電極をさらに含み、ハウジングから延出する電極リードが、電極に接続されている。有利な効果:この課題解決法において、電極と電極リードは、電源端をハウジング外へと繋げ、ハウジング外部から発熱アセンブリへの電力供給を容易にしている。
【0010】
さらに、ハウジングは、金属のハウジングまたはセラミックのハウジングである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、具体的な実施形態を参照することにより本発明をさらに詳細に説明する。
【0013】
本明細書に添付した図面中の参照番号は、以下を含む:温度測定可能な発熱体1、中心電極2、側方電極3、ハウジング4、中心電極リード5、温度測定アセンブリ6、および側方電極リード7。
【0014】
本実施形態は、基本的に
図1に示す通りである:温度測定可能な4線式電気加熱・点火装置は、ハウジング4と、自己温度測定機能を有する発熱アセンブリとを含む。本実施形態において、ハウジング4は、金属のハウジングまたはセラミックのハウジングであり、本実施形態においては、金属のハウジングが使用される。ハウジング4の左端は発熱端であり、ハウジングの右端は、温度測定端、すなわち、電気加熱装置の低温端である。
【0015】
発熱アセンブリはハウジング4内に配置され、発熱アセンブリは、ハウジング4の発熱端から延出する。発熱アセンブリの自己温度測定機能を可能にするために、本実施形態において、発熱アセンブリは、温度測定可能な発熱体1を含み、温度測定可能な発熱体1は、その構成材料の配置によって熱電対温度測定機能を可能にしている。本実施形態において、温度測定可能な発熱体1は、窒化ケイ素のフルセラミックの発熱体である。
【0016】
発熱アセンブリは2つの電極をさらに含み、ハウジングから延出する電極リードが、電極に接続されている。具体的には、本実施形態において、2つの電極は、中心電極2と側方電極3を含み、ハウジング4から延出する中心電極リード5は中心電極2に接続され、ハウジング4から延出する側方電極リード7は側方電極3に接続されている。本実施形態において、中心電極2は、導電の機能と電気加熱装置の正極としての機能の両方を有し、側方電極3は、導電の機能と温度測定熱電対の負極としての機能の両方を有する。
【0017】
ハウジング4の温度測定端にはさらに、温度測定アセンブリ6が設けられ、温度測定アセンブリ6の温度測定端は、ハウジング4の温度測定端から延出する。温度測定アセンブリ6は、一対の金属熱電対である。
【0018】
具体的な一実装形態のプロセスは以下の通りである:使用時、側方電極リード7が電源の負極に接続され、中心電極リード5が電源の正極に接続され、電源が電気加熱装置に電力を供給する。発熱アセンブリに通電後、発熱アセンブリが高温で発熱し、その構成材料の配置により熱電対温度測定機能を実現する。同時に、温度測定アセンブリ6が通電され;温度測定アセンブリ6が電気加熱装置から外側に延びていることから、通電後の温度測定アセンブリ6が、電気加熱装置の低温端で補助的温度測定を行い、外部の不安定要素により引き起こされた温度測定誤差が補正される。
【0019】
本実施形態において、自己温度測定機能を有する発熱アセンブリは、電気加熱装置の発熱コアとして使用され、金属の熱電対は、低温端として使用され補助的温度測定を行い、導電と加熱と温度制御という複合機能を実現し、既存の燃焼装置では100%の信頼性で点火することができず、メタノールおよびLNG燃料などを使用した際に安定な動作条件で運転ができないという課題を克服することによって、燃焼装置が正常に運転できることを確かにしている。
【0020】
上記は単に本発明の一実施形態であり、当技術分野において解決法として周知の具体的構造および特徴等の、一般的な知識は詳細に説明されていない。当業者は、出願日または優先日より以前に本発明が属する技術分野の一般的な技術的知識を全て有し、その時点で存在した技術が全て利用でき、この日以前にすべての慣用的実験手段を適用することが可能である。本願における動機、そしてこの動機を自己の能力と組み合わせることによって、当業者は、本解決法を改良し実施でき、当業者にとって、典型的に周知の構造または周知の方法は、本願の実施の妨げにはならない。当業者は、本発明の構成から逸脱することなくさらに多様な変形や改良が可能であり、これらの変形や改良は本発明の保護範囲に属し、これらの変形や改良が本発明の実装の効果および特許の利用可能性に影響しないと考えるべきである。本願の保護範囲は、請求項の内容に基づき、具体的な実施形態等の明細書中の開示を、請求項の内容の解釈に使用できる。
【国際調査報告】