(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
F28D 7/00 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F28D7/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530038
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-21
(86)【国際出願番号】 GB2022052918
(87)【国際公開番号】W WO2023089318
(87)【国際公開日】2023-05-25
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】シーリー アンドリュー ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA37
3L103BB01
3L103BB39
3L103CC27
3L103DD08
(57)【要約】
熱交換器が開示される。この熱交換器は、第1の流体を輸送するための、三角形の断面部分を有する第1の導管の第1のセットと、第2の流体を輸送するための、三角形の断面部分を有する第2の導管の第2のセットとを備え、隣接する第1の導管は、介在する第2の導管によって空間が占められている。このように、導管は、接近して並びにスペース効率の良い構成で位置決めすることができ、これは、第1の流体と第2の流体との間の熱交換を改善するのを助け、一方でコンパクトな配置を可能にし、これは、熱交換器を構築するために使用される材料の量を最小限に抑える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器であって、
第1の流体を輸送するための、三角形の断面部分を有する第1の導管の第1のセットと、
第2の流体を輸送するための、三角形の断面部分を有する第2の導管の第2のセットと、
を備え、
隣接する第1の導管は、介在する第2の導管によって空間が占められている、熱交換器。
【請求項2】
前記第1の導管及び前記第2の導管は、交互に隣接する第1の導管及び第2の導管を備える少なくとも1つのモザイク列に配置される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
複数のモザイク列を備える、請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1の導管及び前記第2の導管の第1の端部は、三角形の断面を有する第1の開口部を画定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1の導管及び第2の導管は、第2の開口部を画定する第2の端部に向かって狭窄部分を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の導管及び前記第2の導管は、前記狭窄部分、並びに前記第2の端部に向かって隣接する拡大部分を有する、請求項5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1の導管の前記第1のセットは、前記第1の端部から前記第2の端部まで第1の方向に延在し、前記第2の導管の前記第2のセットは、前記第1の端部から前記第2の端部まで第2の方向に延在し、前記第2の方向は、前記第1の方向の反対方向である、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1の導管の前記第1のセットは、前記第2の導管の前記第2のセットに向かって延在しており、前記第1の導管の前記三角形の断面部分は、前記第2の導管の前記三角形の断面部分と入れ子になっている、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第2の導管の前記第2のセットの前記狭窄部分は、前記狭窄部分の外面の間に第1の空間を画定し、前記第1の導管の前記第1のセットの前記第1の開口部は、前記第1の流体を輸送するための前記第1の空間と流体連通するように位置決めされている、請求項5から8のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記第1の導管の前記第1のセットの前記狭窄部分は、前記狭窄部分の外面の間に第2の空間を画定し、前記第2の導管の前記第2のセットの前記第1の開口部は、前記第2の流体を輸送するための前記第2の空間と流体連通するように位置決めされている、請求項5から9のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記第2の導管の前記第2のセットの前記狭窄部分を取り囲み、前記第1の流体を輸送可能な第1のポートを画定する第1のハウジング部分を備える、請求項5から10のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記第1のハウジング部分は、前記第1の流体を輸送するための前記第1の導管の前記第1のセットの前記第1の開口部と流体連通しており、好ましくは、前記第1のハウジング部分は前記第1の空間を取り囲む、請求項11に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記第1の導管の前記第1のセットの前記狭窄部分を取り囲み、前記第2の流体を輸送可能な第2のポートを画定する第2のハウジング部分を備える、請求項5から12のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記第2のハウジング部分は、前記第2の流体を輸送するための前記第2の導管の前記第2のセットの前記第1の開口部と流体連通しており、好ましくは、前記第2のハウジング部分は前記第2の空間を取り囲む、請求項13に記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器は、公知である。熱交換器は、典型的に、第1の流体及び第2の流体を受け入れ、第1の流体と第2の流体との間で熱交換を行うために構造体を介してそれらの流体を輸送する。このような熱交換器は存在しているが、それらには、それぞれの欠点がある。従って、改良された熱交換器を提供することが望まれる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
第1の態様によれば、第1の流体を輸送するための三角形の断面部分を有する第1の導管の第1のセットと、第2の流体を輸送するための三角形の断面部分を有する第2の導管の第2のセットとを備え、隣接する第1の導管は、介在する第2の導管によって空間が占められている、熱交換器が提供される。
【0004】
第1の態様は、既存の熱交換器の問題点が、所望よりも効率が低く、所望よりも大型で、構造上多くの材料を必要とする場合があることと認識している。従って、熱交換器を提供される。熱交換器は、導管の第1のセットと、流路又はダクトとを備えることができる。導管の第1のセットは、第1の流体を輸送することができる。第1の導管は、三角形の断面部分を有することができる。熱交換器は、導管の第2のセットと、流路又はダクトとを備えることができる。第2の導管は、第2の流体を輸送することができる。第2の導管は、三角形の断面部分を有することができる。隣接する第1の導管は、介在する第2の導管によって空間が占められており、相隔たること又はオフセットすることができる。このようにして、導管は、接近して並びにスペース効率の良い構成で位置決めすることができ、これは、第1の流体と第2の流体との間の熱交換を改善するのを助け、一方でコンパクトな配置を可能にし、これは、熱交換器を構築するために使用される材料の量を最小限に抑える。
【0005】
介在する第2の導管は、第1の隣接する第1の導管と第1の共有面を共有することができ、介在する第2の導管は、第2の隣接する第1の導管と第2の共有面を共有することができる。すなわち、第1の面は、1つの第1の導管と第2の導管の両方の一部を画定すると同時に、別の面は、別の第1の導管と第2の導管の両方の一部を画定することができる。
【0006】
第1の導管及び第2の導管は、交互に隣接する第1の導管及び第2の導管を少なくとも1つのモザイク列に配置することができる。これは、特にコンパクトな配置を可能にし、第1の導管と第2の導管との間の熱伝達が改善され、熱交換器に使用される材料の量が低減される。
【0007】
各モザイク列の隣接する第1の導管及び第2の導管は、2つの共通の頂点及び共有面を共有することができる。
【0008】
熱交換器は、複数のモザイク列を備えることができる。
【0009】
各モザイク列の第1の導管及び第2の導管は、各第1の導管の頂点が隣接する列の各第1の導管の面に沿って中間に位置決めされるように、空間的に整列することができる。この場合も、これは、特にコンパクトな配置を可能にし、第1の導管と第2の導管との間の熱伝達が改善され、熱交換器に使用される材料の量が低減される。
【0010】
各モザイク列の第1の導管及び第2の導管は、各第2の導管の頂点が隣接する列の各第2の導管の面に沿って中間に位置決めされるように、空間的に整列することができる。
【0011】
各モザイク列の第1の導管及び第2の導管は、各第1の導管の面が隣接する列の第2の導管と共有されるように、空間的に整列することができる。
【0012】
各モザイク列の第1の導管及び第2の導管は、各第2の導管の面が隣接する列の第1の導管と共有されるように、空間的に整列することができる。
【0013】
各モザイク列の第1の導管及び第2の導管は、第2の導管を4つの隣接する第1の導管によって囲まれるように、空間的に整列することができる。
【0014】
各モザイク列の第1の導管及び第2の導管は、第1の導管が4つの隣接する第2の導管によって取り囲まれるように、空間的に整列することができる。
【0015】
第1の導管及び第2の導管の第1の端部は、三角形の断面を有する第1の開口部を画定することができる。
【0016】
第1の導管及び第2の導管は、第2の開口部を画定する第2の端部に向かって狭窄部分を有することができる。
【0017】
第1の導管及び第2の導管は、狭窄部分、並びに第2の端部に向かって隣接する拡大部分を有することができる。
【0018】
各第2の開口部は、流体連通用に構成することができる。つまり、第1の流体又は第2の流体は、各第2の開口部を通過することができる。
【0019】
各第2の開口部は、そこを通って流体を輸送可能な共有面を画定するように位置決めすることができる。
【0020】
狭窄部分は、三角形の断面から非三角形の断面に移行することができる。この移行は、ロフテッド移行とすることができる。
【0021】
非三角形の断面は、円形の断面を含むことができる。
【0022】
隣接する拡大部分は、第2の開口部を画定する非円形の断面へと移行することができる。この移行は、ロフテッド移行とすることができる。
【0023】
隣接する拡大部分は、第2の開口部を画定する正方形の断面に移行することができる。この移行は、ロフテッド移行とすることができる。
【0024】
各正方形の断面は、共有面を画定するためにモザイクパターンで位置決めすることができ、そこを通って第1の流体及び第2の流体の対応する一方は輸送可能である。これは、好都合な構造体を可能にし、そこを通って流体は導管で輸送可能である。
【0025】
第1の導管の第1のセットは、第1の端部から第2の端部まで第1の方向に延在し、第2の導管の第2のセットは、第1の端部から第2の端部まで第2の方向に延在し、第2の方向は、第1の方向の反対方向である。すなわち、第1の導管及び第2の導管は、反対方向に、反対に向かって、又は異なる方向に整列することができる。
【0026】
第1の導管の第1のセットは、第2の導管の第2のセットに向かって延在することができ、第1の導管の三角形の断面部分は、第2の導管の三角形の断面部分と入れ子になっている。すなわち、いくつかの隣接する導管の三角形の断面は、他の導管の三角形の断面を形成することができる。
【0027】
第2の導管の第2のセットの狭窄部分は、狭窄部分の外面の間に第1の空間を画定することができ、第1の導管の第1のセットの第1の開口部は、第1の流体を輸送するための第1の空間と流体連通するように位置決めされている。すなわち、第2の導管の狭窄部分は、第1の流体をその中で輸送することができるスペースを提供することができる。
【0028】
第1の導管の第1のセットの狭窄部分は、狭窄部分の外面の間に第2の空間を画定することができ、第2の導管の第2のセットの第1の開口部は、第2の流体を輸送するための第2の空間と流体連通するように位置決めされている。すなわち、第1の導管の狭窄部分は、第2の流体をその中で輸送することができるスペースを提供することができる。
【0029】
熱交換器は、第2の導管の第2のセットの狭窄部分を取り囲み、第1の流体を輸送可能な第1のポートを画定する第1のハウジング部分を備えることができる。すなわち、第1のハウジング部分は、第2の導管の第2のセットの狭窄部分と共に第1の流体を第1のポートと第1の導管の第1のセットの第1の開口部との間で輸送可能なプレナムを画定することができる。
【0030】
第1のハウジング部分は、第1の流体を輸送するための第1の導管の第1のセットの第1の開口部と流体連通することができる。
【0031】
第1のハウジング部分は、少なくとも、第1の導管の第1のセットの三角形の断面部分と第2の導管の第2のセットの第2の開口部との間に延在することができる。
【0032】
第1のハウジング部分は、第1の空間を取り囲むことができる。
【0033】
熱交換器は、第1の導管の第1のセットの狭窄部分を取り囲み、第2の流体を輸送可能な第2のポートを画定する第2のハウジング部分を備えることができる。すなわち、第2のハウジング部分は、第1の導管の第1のセットの狭窄部分と共に第2の流体を第2のポートと第2の導管の第2のセットの第1の開口部との間で輸送可能なプレナムを画定することができる。
【0034】
第2のハウジング部分は、第2の流体を輸送するための第2の導管の第2のセットの第1の開口部と流体連通することができる。
【0035】
第2のハウジング部分は、少なくとも、第2の導管の第2のセットの三角形の断面部分と第1の導管の第1のセットの第2の開口部との間に延在することができる。
【0036】
第2のハウジング部分は、第2の空間を取り囲むことができる。
【0037】
さらなる特定の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、適宜、及び、特許請求の範囲に明示的に記載されている以外の組み合わせで独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0038】
装置の特徴が、ある機能をもたらすように動作可能であると記載されている場合、これは、その機能をもたらすか、又はその機能をもたらすように適合又は構成されている装置の特徴を含むことを理解されたい。
【0039】
ここで、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】1つの実施形態による熱交換器を概略的に示す。
【
図2B】ハウジングを取り外した熱交換器全体の断面図である。
【
図3A】第2の導管のセットの構成をより詳細に示す。
【
図3B】第2の導管のセットの構成をより詳細に示す。
【
図3C】第2の導管のセットの構成をより詳細に示す。
【
図3D】第2の導管のセットの構成をより詳細に示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
実施形態をさらに詳細に説明する前に、まず概要を説明する。いくつかの実施形態は、熱交換器を提供する。典型的に、熱交換器は、第1の流体と第2の流体との間で熱交換するための向流熱交換器として動作するが、並流配置も企図されている。熱交換器は、複数の第1の導管及び複数の第2の導管を備える。第1の導管は、第1の流体を輸送し、第2の導管は、第2の流体を輸送する。これらの導管の少なくとも一部は、三角形の断面を有する。三角形の断面部分は、典型的に、モザイク状であり、第1の流体を運ぶ導管は、第2の流体を運ぶ導管に隣接するようになっている。典型的に、隣接する三角形の部分は、第1の流体と第2の流体との間の熱交換を促進するために共有面を共有する。このような配置は、コンパクトな構造体を提供し、いくつかの既存の配置と比較して、導管の間の接触表面積が改善され、導管の間の材料の厚さが低減され、熱質量が小さい。別個の第1の流体及び第2の流体の輸送を容易にするために第1の導管及び第2の導管の各端部と結合することができるマニホールド配置が可能であるが、効率的な配置は、第1の導管及び第2の導管の一端部を狭めることを想定しており、これは、流体が輸送されることを可能にするために第1の導管及び第2の導管の別の端部の開口部と流体連通する空間を作り出す。典型的に、これらの空間は、それぞれの流体が輸送される開口部又はポートを有するそれぞれのハウジングによって取り囲まれている。反対側の端部で導管を狭めることにより、2つのそのようなハウジングは、第1の流体及び第2の流体の輸送を容易にするために設けることができる。
【0042】
熱交換器
図1は、1つの実施形態による熱交換器10を概略的に示す。熱交換器10は、ハウジング20を有する。ハウジング20の一方の面には、第2の開口部30のセットが設けられており、第1の流体40が第2の開口部30を通って輸送される。ハウジング20の別の面には、第1の流体がそこを通って輸送されるポート50が設けられている。第2の開口部(図示せず)の別のセットは、別の面に設けられており、第2の流体60がそこを通って輸送される。別のポート70は、ハウジング20の他の面に設けられており、第2の流体60がハウジング20を通って輸送される。第1の流体40は、第2の開口部30のセットから第1のポート50に流れるように図示され、第2の流体60は、第2の開口部(図示せず)のセットから第2のポート70に流れるように示されているが、第1の流体40及び第2の流体60の方向は、独立して逆転させることができること、すなわち、熱交換器10は、
図1に図示されているような向流熱交換器として動作させる必要はなく、並流熱交換器として動作させることもできるということを理解されたい。
【0043】
図2Aは、内部構成を示すために、ハウジング20を取り外した状態の熱交換器10を示す。
図2Bは、ハウジング20を取り外した状態の熱交換器全体の断面図である。図に示すように、第1の導管80のセットが設けられており、これは第2の導管90のセットと入れ子になってその中に延在する。
【0044】
各第1の導管80は、その第2の開口部30と、第2の導管90との間の空間で終端するその第1の開口部150との間に延在する。各第2の導管90は、その第2の開口部100と、その第1の開口部110との間に延在する。図に示すように、第1の開口部110は、各第1の導管80の間の空間に位置決めされている。
【0045】
図3Aから3Dは、第2の導管90のセットの構成をより詳細に示す。
図2から分かるように、第1の導管80のセットは、同様の構成を有する。
図3Aは、斜視上面図であり、
図3Bは、斜視底面図であり、
図3Cは、第2の開口部110の方を向いて見た図であり、
図3Dは、第1の開口部100の方を向いて見た図である。
【0046】
図に示すように、各第2の導管90は、第1の開口部110と第2の開口部100との間に延在する。第1の開口部110は、三角形の断面を有する。第2の導管90は、細長い軸に沿って第1の開口部110から第2の開口部100に向かって延在する三角形の断面部分120を有する。三角形の断面部分120に隣接して、狭窄部分130がある。狭窄部分130は、第2の開口部100に向かって断面又は面積が縮小している。上記で説明したように、これは、第1の導管80の第1の開口部150と流体連通する空間を作り出す。狭窄部分130に隣接して拡大部分140がある。拡大部分140の断面又は面積は、第2の開口部100に向かって増加する。第2の導管90の狭窄部は、第1の導管80の第1の開口部150と流体連通する空間を提供する。拡大部分140は、第2の開口部100が共有面を形成することを可能にし、この共有面を通って第2の流体60を輸送することができる。この例では、狭窄部分130は、三角形の断面部分120に隣接する三角形の断面から拡大部分140に隣接する円形の断面145に移行する。しかしながら、他の断面形状も可能であることを理解されたい。また、拡大部分140は、第2の開口部100において円形の断面から正方形の断面へと移行する。しかしながら、正方形以外の断面形状を設けることも可能であることを理解されたい。正方形の断面積を有することは、第2の導管90の均一な配置に特に好都合であり、コンパクトでモザイク式の配置を可能にし、そこを通って第2の流体60が輸送される領域を最適化するのに役立つ。
【0047】
ここで
図2及び
図3Aを参照すると、図に示すように、第1の導管80の三角形の断面部分120B(その一端は、
図3Aにおいて×印で示される)は、一連のモザイク列において、第2の導管90の隣接する三角形の断面部分120Bの間に位置決めされている。実際、この実施形態では、三角形の断面部分120Bは、隣接する三角形の断面部分120の面によって画定されている。
【0048】
動作中に、第1の流体30は、第2の開口部30を介して第1の導管80に入り、その拡大部分、その狭窄部分、三角形の断面部分120Bを通過し、その第1の開口部150から出て第2の導管90の狭窄部分130により作り出された空間に入り、次に第1のポート50から出る。一方、第2の流体60は、第2の開口部100を介して第2の導管90に入り、拡大部分140、狭窄部分130及び三角形の断面部分120を通過し、第1の開口部110から出て第1の導管80の狭窄部分により画定された空間に入り、第2のポート70から出る。これは、向流熱交換器を提供し、ここでは第1の流体及び第2の流体は分離されたままであるが、第1の導管及び第2の導管を通る第1の流体と第2の流体との間の熱交換を容易にする。
【0049】
いくつかの実施形態は、触媒反応体から熱を回収するために設計された高効率の向流熱交換器を提供する。燃焼副生成物(例えばNOx)の除害は、触媒上で行うことができるが、これには高温での動作が必要であるため、加熱が必要となる場合がある。多くの場合、破壊反応は発熱反応であるので、熱を回収できれば、システムは自立式とすることができる。このようないくつかの実施形態の熱交換器は、理想的には質量/体積が小さいが高効率であろう。付加製造技術は、このような構造体の製造に用いることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、熱交換器の中心部は、一致する壁の間に形成された三角形の通路の入れ子を含む。各壁は、順流及び逆流(又は高温流及び低温流)通路の間の境界である。通常、通路は、同じ断面積を有する。高温の通路は、入口及び出口でグループ化され、同様に低温の通路もこれらの入口及び出口でグループ化される。このグループ化は、三角形の形状の面積を縮小した円形の形状に移行させ、その後、正方形の形状に拡大させることにより達成され、個々の正方形の通路の境界壁は、互いに一致するようになっている。これが出口を形成する場合、入口は、移行特徴部の間に形成された間隙通路を取り囲む環状構造又はベルトで構成される。これらの通路は、熱交換器中心部を通る流れ方向に対して直交している。移行部の円形の部分の高さを高くすると、及び/又は直径を小さくすると、構造体の通気性が向上する。
【0051】
同様の構造を正方形の通路で考えることもができるが、計算によれば、三角形の配置の方が、熱伝達率が高く、従ってスペース効率が高い。熱交換器の上部グリッド面は、触媒床の支持体として機能を果たすことができる。触媒粒子に対する通路の相対的な大きさに応じて、追加的な構造体が、正方形の出口通路を細分化して格子を形成し、触媒が管状の熱交換通路に入るのを防ぐことができる。一例として、2.5mmピッチ、45mm有効長の4800個の三角形通路を備える、約600slpmのガス流量で使用する熱交換器は、約5kWの熱交換をできるはずである。これにより50℃の差温が得られる。従って、触媒床から出るガスの温度が450℃の場合、触媒に与えられる予熱ガスの温度は、400℃になるはずである。
【0052】
いくつかの実施形態では、三角形の外形がコンパクトな幾何形状を与える。さらに、一体化された格子は触媒床を支持する。直交する通路は、触媒反応体の意図された外形と協働して、その統合を簡略化する(配管/接続性に関わる最小限の空間/労力)。
【0053】
通路のピッチ(面積)、熱交換エレメントの高さ、及び移行部の外形は、変えることができることを理解されたい。また、三角形、四角形、又は他の断面形状の通路を使用することも可能である。
【0054】
本明細書では、添付の図面を参照して本発明の例示的な実施形態を詳細に開示してきたが、本発明は、正確な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって種々の変更及び修正を行うことができることが理解される。
【符号の説明】
【0055】
10 熱交換器
20 ハウジング
30 第2の開口部
40 第1の流体
50 ポート
60 第2の流体
70 ポート
80 第1の導管
90 第2の導管
100 第2の開口部
110 第1の開口部
120 三角形の断面部分
120B 三角形の断面部分
130 狭窄部分
140 拡大部分
145 円形断面部
150 第1の開口部
【手続補正書】
【提出日】2024-05-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器であって、
第1の流体を輸送するための、三角形の断面部分を有する第1の導管の第1のセットと、
第2の流体を輸送するための、三角形の断面部分を有する第2の導管の第2のセットと、
を備え、
隣接する第1の導管は、介在する第2の導管によって空間が占められている、熱交換器。
【請求項2】
前記第1の導管及び前記第2の導管は、交互に隣接する第1の導管及び第2の導管を備える少なくとも1つのモザイク列に配置される、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
複数のモザイク列を備える、請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1の導管及び前記第2の導管の第1の端部は、三角形の断面を有する第1の開口部を画定する、請求項1に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1の導管及び第2の導管は、第2の開口部を画定する第2の端部に向かって狭窄部分を有する、請求項4に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の導管及び前記第2の導管は、前記狭窄部分、並びに前記第2の端部に向かって隣接する拡大部分を有する、請求項5に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1の導管の前記第1のセットは、前記第1の端部から前記第2の端部まで第1の方向に延在し、前記第2の導管の前記第2のセットは、前記第1の端部から前記第2の端部まで第2の方向に延在し、前記第2の方向は、前記第1の方向の反対方向である、請求項6に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記第1の導管の前記第1のセットは、前記第2の導管の前記第2のセットに向かって延在しており、前記第1の導管の前記三角形の断面部分は、前記第2の導管の前記三角形の断面部分と入れ子になっている、請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第2の導管の前記第2のセットの前記狭窄部分は、前記狭窄部分の外面の間に第1の空間を画定し、前記第1の導管の前記第1のセットの前記第1の開口部は、前記第1の流体を輸送するための前記第1の空間と流体連通するように位置決めされている、請求項5から8のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記第1の導管の前記第1のセットの前記狭窄部分は、前記狭窄部分の外面の間に第2の空間を画定し、前記第2の導管の前記第2のセットの前記第1の開口部は、前記第2の流体を輸送するための前記第2の空間と流体連通するように位置決めされている、請求項5から8のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記第2の導管の前記第2のセットの前記狭窄部分を取り囲み、前記第1の流体を輸送可能な第1のポートを画定する第1のハウジング部分を備える、請求項9に記載の熱交換器。
【請求項12】
前記第1のハウジング部分は、前記第1の流体を輸送するための前記第1の導管の前記第1のセットの前記第1の開口部と流体連通しており、前記第1のハウジング部分は前記第1の空間を取り囲む、請求項11に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記第1の導管の前記第1のセットの前記狭窄部分を取り囲み、前記第2の流体を輸送可能な第2のポートを画定する第2のハウジング部分を備える、請求項10に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記第2のハウジング部分は、前記第2の流体を輸送するための前記第2の導管の前記第2のセットの前記第1の開口部と流体連通しており、前記第2のハウジング部分は前記第2の空間を取り囲む、請求項13に記載の熱交換器。
【国際調査報告】