(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】漸進的変動を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置
(51)【国際特許分類】
F16H 33/02 20060101AFI20241031BHJP
F16H 37/04 20060101ALI20241031BHJP
F16H 33/08 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
F16H33/02 A
F16H37/04
F16H33/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024530431
(86)(22)【出願日】2022-11-04
(85)【翻訳文提出日】2024-07-10
(86)【国際出願番号】 RO2022000011
(87)【国際公開番号】W WO2023096517
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524192225
【氏名又は名称】チョラク,ステファン
【氏名又は名称原語表記】CIOLACU, Stefan
【住所又は居所原語表記】str. Lebedei nr.27, bloc B67, Brasov, jud., Brasov (RO)
(71)【出願人】
【識別番号】524192236
【氏名又は名称】マウラー,シモン-アンドレアス
【氏名又は名称原語表記】MAURER, Simon-Andreas
【住所又は居所原語表記】str. Albatrosului nr.11, bl.11, ap.23, Brasov jud., Brasov (RO)
(74)【代理人】
【識別番号】100186060
【氏名又は名称】吉澤 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100145218
【氏名又は名称】川島 曉
(72)【発明者】
【氏名】チョラク,ステファン
(72)【発明者】
【氏名】マウラー,シモン-アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AB06
3J062BA31
3J062CG04
3J062CG13
3J062CG83
(57)【要約】
【要 約】
本発明は漸進的変動を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置であって、その遊星システムは2つ以上のピニオン対および/または中心ピニオンに対して任意のマルティプリケーション/デマルティプリケーション比を有するサテライトを有することができる装置であって、組み立てられたインナーボックスAからなり、これは組み立てられたアウターボックスBに軸方向に組み付けられ、アウターボックスBには組み立てられたサイドボックスCが軸方向に固定され、組み立てられたインナーボックスAはフランジを備えた一次駆動シャフト(1)からなり、その手段によってシャフトが方向付けられカバー(2)上に固定され、ここで軸方向に軸受(3)が組み付けられ、径方向には円筒状に加工されたいくつかのボス
a内にいくつかの軸受(4)が固定的に組み付けられており、ここにおいて、通常直角とされた肩を有するいくつかのサテライト(15)が組み付けられ、その各々は中央肩部上に軸受(4’)が組み付けられ、軸方向に、軸受(3)上には中間ピニオン(6)が組み付けられており、歯付きクラウンの左側には第2の軸受(18)が組み付けられており、カバー(2)に固定されているいくつかの軸受(19)(
図4)には、いくつかのピニオン(14)が組み付けられており、これにはピニオン(15)と中間ピニオン(6)の歯付きクラウンとの双方に噛み合い、カバー(2)上であって、軸受(4’)、(18)、(19)上に方向付けられている中間カバー(5)は中央に配置されており、これはいくつかのねじ(13)によってカバー(2)にしっかりと固定されており、カバー(5)上には円筒壁(20)が方向付けられ固定されており、各ピニオン(15)の通常左側に、1つの偏心体(15)が堅固に固定されており(
図1、
図4、
図5、
図6)、各偏心体(16)の後で、各ピニオン(15)上に軸受(4”)が組み付けられ、各軸受(4”)上にそれは方向付けられ、円筒壁(20)上には別のカバー(21)が方向付けられ固定されており、その中心には、中間ピニオン(6)が摺動する軸受(22)が組み付けられており、組み立てられたボックス(B)であって、組み立てられたインナーボックスAから一次モータシャフト(1)上の軸受(24)の手段によって方向付けられたカバー(23)からなり、カバー(23)であってその上にネジ(25)の手段によって方向付けられて固定されており、通常の右面を備えて、外円筒壁26であって、それからカバー(27)がその通常の左面上にネジ(28)の手段によって方向付けられ固定されており、カバー(27)であって、一次モータシャフト(1)上の軸受(29)の手段によって方向付けられ、径方向に組み付けられたいくつかの軸受(35)を有するカバー(27)。スペーサ(30)は、一次駆動シャフト(1)上で軸受(22)と軸受(29)との間に介在し、軸受(29)の後に、別のスペーサ(31)が組み付けられ、その後に、一方向軸受(7)が、次いで、別のスペーサ(32)が組み付けられ、組み立てられたサイドボックスCであって、軸方向の穴
eを備えたサイドカバー(36)からなり、その中に軸受(34)が搭載されており、その中にピニオン(11)の出力シャフトが組み付けられており、その中に一方向軸受(7)と逆方向に動作する一方向軸受(12)を固定的に組み付け得る。径方向に、軸受(35)が配置されているのと同じ直径上に、鏡像であるがサイドカバー(36)の内側で、いくつかのボス(
d)内に、いくつかの軸受(35’)が搭載され、その中にいくつかの中間ピニオン(9)が組み付けられ、これは第3ピニオン(10)と噛み合い、またサイドカバー(36)の中に径方向に固定されている、図示しないいくつかの軸受(37)にも組み付けられ、この組み付けられたサイドボックスCは、一次モータシャフト(1)上のピニオン(11)内に組み付けられた軸受(12)の手段によって、および軸受(35)内に中間ピニオン(9)の手段によって、およびいくつかの軸受(37’)内に第3ピニオン(10)の手段によって、方向付けられ、カバー(27)内に組み付けられ、ねじ(38)の手段によってカバー(27)に固定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漸進的変動を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置であって、その遊星システムは2つ以上のピニオン対および/または中心ピニオンに対して任意のマルティプリケーション/デマルティプリケーション比を有するサテライトを有することができる装置であって、組み立てられたサイドボックス(C)が軸方向に固定された組み立てられたアウターボックス(B)に軸方向に組み付けられた組み立てられたインナーボックス(A)からなり、組み立てられたインナーボックス(A)はフランジを備えた一次駆動シャフト(1)からなり、その手段によってシャフトが方向付けられてカバー(2)上に固定され、ここで軸方向に軸受(3)が組み付けられ、径方向には円筒状に加工されたいくつかのボス(
a)内にいくつかの軸受(4)が固定的に組み付けられており、ここにおいて、通常直角とされた肩を有するいくつかのサテライト(15)が組み付けられ、その各々は中央肩部上に組み付けられた軸受(4’)を有し、軸方向に、軸受(3)上には中間ピニオン(6)が組み付けられており、歯付きクラウンの左側には組み付けられた第2の軸受(18)を備えており、カバー(2)に固定されているいくつかの軸受(19)(
図4)には、いくつかのピニオン(14)が組み付けられており、これらはピニオン(15)と中間ピニオン(6)の歯付きクラウンとの双方に噛み合い、カバー(2)上であって、軸受(4’、18、19)上に方向付けられている中間カバー(5)は中央に配置されており、これはいくつかのねじ(13)によってカバー(2)にしっかりと固定されており、カバー(5)上には円筒壁(20)が方向付けられ固定されており、各ピニオン(15)の通常左側に、1つの偏心体(16)が堅固に固定されており(
図1、
図4、
図5、
図6)、各偏心体(16)の後で、各ピニオン(15)上に軸受(4”)が組み付けられ、各軸受(4”)上にそれは方向付けられ、円筒壁(20)上には別のカバー(21)が方向付けられ固定されており、その中心には、中間ピニオン(6)が摺動する軸受(22)が組み付けられており、組み立てられたボックス(B)であって、組み立てられたインナーボックス(A)から一次モータシャフト(1)上の軸受(24)の手段によって方向付けられたカバー(23)からなり、カバー(23)であってその上にネジ(25)の手段によって方向付けられて固定されており、通常の右面を備えて、外円筒壁(26)であって、それからカバー(27)がその通常の左面上にネジ(28)の手段によって方向付けられ固定されており、カバー(27)であって、一次モータシャフト(1)上の軸受(29)の手段によって方向付けられ、径方向に組み付けられたいくつかの軸受(35)を有する、カバー(27)、スペーサ(30)は、一次駆動シャフト(1)上で軸受(22)と軸受(29)との間に介在し、軸受(29)の後に、別のスペーサ(31)が組み付けられ、その後に、一方向軸受(7)が、次いで、別のスペーサ(32)が組み付けられ、組み立てられたサイドボックス(C)であって、軸方向の穴(
e)を備えたサイドカバー(36)からなり、その中に軸受(34)が搭載されており、その中にピニオン(11)の出力シャフト(
c)が組み付けられており、その中に一方向軸受(7)と逆方向に動作する一方向軸受(12)を固定的に組み付け得る、径方向に、軸受(35)が配置されているのと同じ直径上に、鏡像であるがサイドカバー(36)の内側で、いくつかのボス(
d)内に、いくつかの軸受(35’)が搭載され、その中にいくつかの中間ピニオン(9)が組み付けられ、これは図示しないいくつかの軸受(37)にも組み付けられる第3ピニオン(10)と噛み合い、またサイドカバー(36)の中に径方向に固定されている、この組み立てられたサイドボックス(C)は、一次モータシャフト(1)上のピニオン(11)内に組み付けられた軸受(12)の手段によって、および軸受(35)内に中間ピニオン(9)の手段によって、およびカバー(27)内に組み付けられ、ねじ(38)の手段によってカバー(27)に固定されるいくつかの軸受(37’)内に第3ピニオン(10)の手段によって、方向付けられる、
動作モード
図1によれば、モーメントMl、速度tlで入力シャフト(1)にモータから作用することによって、アイドル状態で、それは組み付けられたボックス(A)に作用し、それは、その上に偏心体(16)が固定して組み立てられピニオン(14)を駆動するピニオン(15)からなる慣性継手の手段によって、それらは中間ピニオン(6)を駆動し、それは入力シャフト(1)と同じ速度tlで同じ方向に回転し、ピニオン(8)が固定された一方向軸受(7)を作動させ、それは中間ピニオン(9)と係合し、それは出力シャフト(11)を動かす第3ピニオン(10)を駆動し、これは一方向軸受(12)が一方向軸受(7)とは反対方向に搭載されているためであり、偏心体(16)は動かないままであり、出力シャフトは同じ速度tlで回転するが反対方向に回転し、これは例えば、車がブレーキなしで下り坂を走行し、エンジンは速度t1で駆動し、車輪が抵抗なしでこの速度に対応する運動を引き継ぐ状況であろう。
図2によれば、出力シャフト(11)がその運動を完全に遮断する抵抗モーメントMR1(MR1=M1)によって作用される状況において、入力シャフト(1)上で、同じモーメントMlで、同じ速度t11(MRl)=tlで、一方向軸受(12)の手段によって作用すると、中間ピニオン(6)が遮断され、および結果としてピニオン(14)、それらがピニオン(15)を駆動し、これが偏心体(16)を駆動し、これらが慣性モーメントMexcを生成する。結果として、偏心体(16)は最大速度texemaxで対称的に回転する。これは例えば、車が速度tlでエンジンを回転させ、完全に制動した状況である。
図3によれば、出力シャフト(11)にMR1より小さい抵抗モーメントMR2が作用する状況においては、出力シャフト(11)は入力(1)の回転数t’ll<tlで回転し、一方向軸受(12)を介して中間ピニオン(6)に速度t6<tlの回転運動を伝達し、ピニオン(14および15)を介して偏心体(16)に運動を伝達し、
図5と
図6によれば偏心体(16)の回転運動によって振動慣性モーメントMoが生成され、同じピニオン(15および14)を介して振動モーメントMoを中間ピニオン(6)に伝達し、それは一方向軸受(7および12)に交互に作用し、その結果、出力ピニオン11では同じ速度t’ll(MR2)で連続的な回転運動が発生する。ピニオン(15)が偏心体(16)を伴って完全に回転すると、回転の前半(
図4)における中間ピニオン(6)に対する相対的な回転運動により、中間ピニオン(6)を一方向に動かすように制限する第1の慣性モーメントが生成される。そして、回転の後半(
図5)では、反対方向の慣性モーメントが生じ、中間ピニオン(6)が反対方向に移動するように強制する。偏心体(16)に作用する遠心力により抵抗モーメントMR1による動作の停止後、それらは
図3によれば、径方向であって軸方向の平衡位置に戻る。
【請求項2】
前記クラッチの除去を可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の漸進的変動を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置。
【請求項3】
燃料の種類を問わず、装置から出る瞬間の同量の燃料へ動的自動適用することを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の漸進的変動を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置。
【請求項4】
過渡速度領域での動的かつエネルギー的な性能を向上させる、請求項1に記載の漸進的変動を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、任意の産業分野で適用可能な漸進的変化を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置に関し、入力モータシャフトから出力シャフトへの変速比を連続的に変化することによって燃料消費を最適化することを目的とする。
【背景技術】
【0002】
自動車に適用可能なギアボックスで、変速比を段階的に変更するものが知られており、それらは制限されたステップ数のために、変動が小さいモータモーメントの、非常に大きな変動を有する抵抗モーメントへの適応が不連続であり、それが動的品質の低下および燃料消費の増加の一因となるという欠点を示す。
【0003】
可変トランスミッションギアボックスも知られており、これらは、限られた動作モード及び限られた機械的パラメータの双方を決定する駆動ベルトを用いるという欠点を有する。
【0004】
また、米国特許第3447398号明細書によるギアボックスも知られており、これは駆動シャフトと従動シャフトとの間に介在され、第1の軸の周りを回転する駆動ギアを備え、第1の軸に平行な複数の第2の軸の周りを回転するいくつかの遊星歯車と接続されるトルクコンバータを参照し、遊星歯車は所定の位相関係で第2の軸の周りを回転する偏心重りとも結合され、遊星歯車および重りはいずれか1つまたは一対のピニオンのいずれかが選択的に接続され得る従動歯車に結合され、各ピニオンは制限された回転および本質的に固定されたトルクシャフトと係合可能な一方クラッチを備え、クラッチは反対方向に動作し、好ましくは駆動シャフトおよび従動シャフトの双方、ならびにトルクシャフトはトルク変動を滑らかにするためにトルクダンパが取り付けられている。
【0005】
フランス特許第1588205号によればギアボックスも知られており、このギアボックスはハイポサイクロイド遊星歯車から構成され、連続可変の自動速度及びトルクコンバータであり、その内歯歯車リングが取り除かれ、その結果、装置は、出力シャフトに搭載される中央ピニオンと噛み合うサテライトを駆動するサテライト駆動モータシャフトから構成され、このサテライトはその周囲に固定された所定重量の質量(mass)を有し、全体のアセンブリは所定の一様な入力トルクで一様に回転し、したがって、出力シャフト上の抵抗トルクの増加がある場合、この増加によりこのシャフトの速度が比例的に減少し、その結果、入力シャフトと出力シャフトとの間の速度差をもたらし、速度差はサテライト自体を回転させ、このサテライトの回転において、サテライトに取り付けられた質量は時には装置の回転軸に近接し、時にはこれから離れ、そのため、その円周速度はこの軸からのその距離に比例して変化する。質量速度が増加する瞬間、結果としての力の増加はエンジントルクからその瞬間において自動的にとられる動力の増加を必要とし、次いで、質量速度が減少する瞬間には、それは出力シャフトに復元され、それから、上述のように速度を減少させることによって、このシャフト上に生成される抵抗トルクの増加を補償するために、トルクを増加させることになる。モータシャフトから質量出力シャフトへのエネルギーのこの伝達およびこのトルクへの速度変換は以下の特徴点を有する2つのシャフトの速度差に比例して変化する。a)2つのシャフトの速度が等しい場合、サテライトは回転せず、速度-トルク変換は生じない、b)出力シャフトの速度がゼロに低下する場合、入力シャフトの速度は常に同じままであり、全速度はトルクに変換され、出力トルクは無限に大きくなるが、この出力シャフト上では動力は利用できず、その速度はゼロである。次に、装置はクラッチとして作用し、c)出力シャフトの速度が入力シャフトの速度よりも大きくなり、したがって、このシャフトのトルクよりもトルクが小さくなる場合、サテライトおよびその質量はそれ自体開始するが、以前とは逆方向で、余分な動力は、以前の場合のようにトルクに変換されるのではなく、2つのシャフト間の速度の差を補償するために速度に変換され、d)最終的に、速度をゼロに低下する代わりに、出力シャフトは逆方向にも回転することができ、したがって、所望であれば、自動的に逆方向を与える。これらの速度およびトルクの変動は全て、なんらかの制御装置を使用する必要なく自動的に行われ、機械は、まさに一種の回転トルクロッカーのように作動する。一方、質量によって出力シャフトに伝達されるトルクの不規則性を考慮すると、1でなく4つの遊星歯車がピニオンと1でなく4つの質量の周辺に装着され、これら4つの質量がそれらによって伝達される力が互いにバランスを取るようサテライト周辺に配置され、結果として得られる出力シャフト上の全ての力が完全に調節される。次いで、装置の伝達可能な力の容量が4倍にされる。これらのサテライトおよびこれらの質量はまた、出力シャフトに伝達される力がそれらの間でバランスされるという条件で、必要に応じて3、6、8、またはそれ以上の数であり得る。装置の基本原理が適用されることを可能にするならば、他のタイプの差動歯車を使用してもよい。この装置は、自動車、工作機械、トラクタ、オートバイ、鉄道などに適用される。
【0006】
これらの解決策はすべて、ステアリングホイールにおけるエネルギー蓄積の原理を使用しないという欠点、ならびに生成された力の一部のみを使用するという欠点を提示する。
【0007】
また、ルーマニア公開特許公報第12966A2号明細書によれば、変速比の連続的な変更を可能にする、漸進的変動を伴う遊星ギアボックスが知られている。インナーボックスの回転方向が偏心ピニオンの回転方向と同じであるという事実のために、機構が追加の質量慣性モーメントを導入し、これが回転に対する追加の抵抗に変換され、これが燃料の追加の消費を誘発するという欠点が生じる。加えて、機械的システムを作り出すための円錐ピニオンを使用することで、追加のコストや組立中の調整の複雑さが増加することを引き起こす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第3447398A号明細書
【特許文献2】フランス特許第1588205号明細書
【特許文献3】ルーマニア公開特許公報第12966A2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決する技術的課題は、エンジンの運転に必要な燃料消費を低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
技術的課題は、二次(出力)シャフトに慣性遠心結合されている一次モータシャフト(入力)を備える、漸進的変動を有する任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置を作製することによる本発明によって解決される。この慣性遠心結合はシャフトの独立した移動を確実にし、シャフト間の機械的結合を排除することによって、前段落に列挙された発明に提示された欠点を取り除く。また、フライホイール効果を利用し、発生する力を最大限に活用することで、本発明は上記参考発明と比べて実質的に効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の利点は多数ある:
- この装置の適用可能性の分野は、車両産業から、速度の連続的な変化が必要とされる産業の任意の分野に至るまで、膨大である。
- エンジン回転数を一定に保つことで、従来のオートマチックトランスミッションに比べて動力損失を大幅に低減し、効率と加速度を向上する。
- 燃料の種類を問わず、装置から出る瞬間の同量の燃料へ動的自動適用。
- 牽引力の遮断がないため、ダイナミクスが向上。
- 過渡的領域における動的でエネルギー的な性能の向上。
- クラッチ接続を自動化し、変速比の変更不要による走行快適性を向上。
- 汚染排出ガスの抑制と騒音低減。
【0012】
以下、
図1~7も参照して、漸進的変動を伴う任意の回転力発生システムの効率を高めるための装置の一例であり、これらは:
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、アイドル時のモーメントと回転数を示す、漸進的変動を伴う任意の動力発生の回転式システムの歩留まりを増加させるための装置の縦断面図である。
【
図2】
図2は、出力シャフトに抵抗モーメントMR1が作用し、その動きが完全に妨げられる(MR1=M1)場合における動作モードの説明である。
【
図3】
図3は、MR1より小さい抵抗モーメントMR2が出力シャフトに作用する場合の動作モードの説明であり、入力シャフトの回転数t’11<t1で回転する出力シャフトである。
【
図4】
図4は、Xから見た図であり、アイドリング時の偏心体の位置である。
【
図5】
図5は、Xから見た図であり、出力シャフトにMR1より小さい抵抗モーメントMR2が作用している状態での偏心体の位置であり、出力シャフトは入力シャフトの回転数t’1l<tlで回転し、一方向軸受を介して、ピニオンを介して運動を伝達する中間ピニオン上の回転速度t6<tlの運動を、それらの回転運動を介して振動慣性モーメントMoを生成する偏心体に伝達する。
【
図6】
図6は、Xから見た図であり、出力シャフトにMR1より小さい抵抗モーメントMR2が作用している状態での偏心体の位置であり、出力シャフトは入力シャフトの回転数t’1l<tlで回転し、一方向軸受を介して、逆に、ピニオンを介して運動を伝達する中間ピニオン上の速度t6<tlの回転運動を、それらの回転運動を介して振動慣性モーメントMoを生成する偏心体に伝達する。
【
図7】
図7は、箱C内のピニオンの部分図である(2つのピニオンを有する解決法)
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の例示的な実施形態を以下に示し、
図1によれば、組み立てられたインナーボックスAからなり、これは組み立てられたアウターボックスB内に軸方向に組み付けられ、アウターボックスBには組み立てられたサイドボックスCが軸方向に固定される。
組み立てられたインナーボックスAであって、フランジを備えた一次駆動シャフト1からなり、その手段によってシャフトが方向付けられカバー2上に固定され、ここで軸方向に軸受3が組み付けられ、径方向には円筒状に加工されたいくつかのボス
a内にいくつかの軸受4が固定的に組み付けられており、ここにおいて、通常直角とされた肩を有するいくつかのサテライト15が組みつけられ、その各々は中央肩部上に軸受4’を組み付けており、軸方向に、軸受3上には中間ピニオン6が組み付けられており、歯付きクラウンの左側には組み付けられた第2の軸受18を備えており、カバー2に固定されているいくつかの軸受19(
図4)には、いくつかのピニオン14が組み付けられており、これらはピニオン15と中間ピニオン6の歯付きクラウンとの双方に噛み合い、カバー2上であって軸受4’、18、および19上に方向付けられている中間カバー5は中央に配置されており、これはいくつかのねじ13によってカバー2にしっかりと固定されており、カバー5上には円筒壁20が方向付けられ固定されており、
各ピニオン15の通常左側に、1つの偏心体16が堅固に固定されており(
図1、
図4、
図5、
図6)、
各偏心体16の後で、各ピニオン15上に軸受4”が組み付けられている。各軸受4”上にそれは方向付けられ、円筒壁20上には別のカバー21が方向付けられ固定されており、その中心には、中間ピニオン6が摺動する軸受22が組み付けられている。
組み立てられたボックスBであって、組み立てられたインナーボックスAから一次モータシャフト1上に軸受24の手段によって方向付けられたカバー23からなり、カバー23であってその上にネジ25の手段によって方向付けられて固定されており、通常の右面を備えて、外円筒壁26であって、それからカバー27がその通常の左面上にネジ28の手段によって方向付けられ固定されており、
カバー27であって、一次モータシャフト1上の軸受29の手段によって方向付けられ、径方向に組み付けられたいくつかの軸受35を有する、カバー27、スペーサ30は、一次駆動シャフト1上で軸受22と軸受29との間に介在し、軸受29の後に、別のスペーサ31が組み付けられ、その後に、一方向軸受7が、次いで別のスペーサ32が組み付けられ、
組み立てられたサイドボックスCであって、軸方向の穴
eを備えたサイドカバー36からなり、その中に軸受34が搭載されており、その中にピニオン11の出力シャフト
cが組み付けられており、その中に一方向軸受7と逆方向に動作する一方向軸受12を固定的に組み付け得る、径方向に、軸受35が配置されているのと同じ直径上に、鏡像であるがサイドカバー36の内側で、いくつかのボス
d内に、いくつかの軸受35’が搭載され、その中にいくつかの中間ピニオン9を組み付けることができ、これは第3ピニオン10と噛み合い、またサイドカバー36の中に径方向に固定されている、図示しないいくつかの軸受37にも組み付けられ、
この組み立てられたサイドボックスCは、一次モータシャフト1上のピニオン11内に組み付けられた軸受12の手段によって、および軸受35内に中間ピニオン9の手段によって、およびいくつかの軸受37’内に第3ピニオン10の手段によって、方向付けられ、カバー27内に組み付けられ、ねじ38の手段によってカバー27に固定される。
【0015】
動作モード
図1によれば、モーメントMl、回転数tlで入力シャフト1にモータから作用することによって、アイドル状態で、それは組み付けられたボックスAに作用し、それは、その上に偏心体16が固定して組み立てられピニオン14を駆動するピニオン15からなる慣性継手の手段によって、それらは中間ピニオン6を駆動し、それは入力シャフト1と同じ速度tlで同じ方向に回転し、ピニオン8が固定された一方向軸受7を作動させ、それは中間ピニオン9と係合し、それ出力シャフト11を動かす第3ピニオン10を駆動し、これは一方向軸受12が一方向軸受7とは反対方向に搭載されているためであり、偏心体16は動かないままであり、出力シャフトは同じ速度tlで回転するが反対方向に回転し、これは例えば、車がブレーキなしで下り坂を走行し、エンジンは速度t1で駆動し、車輪が抵抗なしでこの速度に対応する運動を引き継ぐ状況であろう。
図2によれば、出力シャフト11がその運動を完全に遮断する抵抗モーメントMR1(MR1=M1)によって作用される状況において、入力シャフト1上で、同じモーメントMlで、同じ速度t11(MRl)=tlで、一方向軸受12の手段によって作用すると、中間ピニオン6、および結果としてピニオン14がロックされ、ピニオン15を駆動し、これが偏心体16を駆動し、これらが慣性モーメントMexcを生成する。結果として、偏心体16は最大速度texemaxで対称的に回転する。これは例えば、車が速度tlでエンジンを回転させ、完全に制動した状況である。
図3によれば、出力シャフト11にMR1より小さい抵抗モーメントMR2が作用する状況においては、出力シャフト11は入力1の回転数t’ll<tlで回転し、一方向軸受12を介して中間ピニオン6に速度t6<tlの回転運動を伝達し、ピニオン14と15とを介して偏心体16に運動を伝達し、
図5と
図6によれば偏心体16の回転運動によって振動慣性モーメントMoが生成され、同じピニオン15と14を介して振動モーメントMoを中間ピニオン6に伝達し、それは一方向軸受7と12に交互に作用し、その結果、出力ピニオン11では同じ速度t’ll(MR2)で連続的な回転運動が発生する。ピニオン15が偏心体16を伴って完全に回転すると、回転の前半(
図4)における中間ピニオン6に対する相対的な回転運動により、中間ピニオン6を一方向に動かすように制限する第1の慣性モーメントが生成される。そして、回転の後半(
図5)では、反対方向の慣性モーメントが生じ、中間ピニオン6が反対方向に移動するように強制する。偏心体16に作用する遠心力により抵抗モーメントMR1による動作の停止後、それらは
図3によれば、径方向であって軸方向の平衡位置に戻る。
【国際調査報告】