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特表2024-541506生体表面のトポグラフィー解析のための装置、システム、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】生体表面のトポグラフィー解析のための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/40 20180101AFI20241031BHJP
   G01N 33/50 20060101ALI20241031BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20241031BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20241031BHJP
【FI】
G16H10/40
G01N33/50 Z
G01N33/483 C
G06N20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531233
(86)(22)【出願日】2022-11-23
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 US2022080446
(87)【国際公開番号】W WO2023097289
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】63/283,139
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524195330
【氏名又は名称】ライナス バイオテクノロジー インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アローラ,マニシュ
(72)【発明者】
【氏名】カーティン,ポール
(72)【発明者】
【氏名】オースティン,クリスティーン
【テーマコード(参考)】
2G045
5L099
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CB05
2G045FA11
2G045FA12
2G045JA01
5L099AA03
(57)【要約】
【解決手段】本明細書において、生体表面のトポグラフィーを測定し、その表現型特徴の有無の確率的予測を得る装置、システム、および方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料の表面のトポグラフィーを決定するための方法であって、
(a)生体試料を受け取ること、
(b)前記生体試料を固定具中に取り付けること、
(c)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体を前記生体試料に接触させることであって、前記少なくとも1つの光源が、前記少なくとも1つのセンサにより検出された前記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、接触させること、ならびに
(d)前記多次元データセットから前記生体試料の表面プロファイルを決定すること
を含む方法。
【請求項2】
前記生体試料が、ex-vivoまたはin-vivoでの歯を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧縮性本体が、ゲルカートリッジを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記固定具が、パテ、機械的取付具、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
標準ガラス、ボールグリッドアレイ、グルーブターゲット、またはそれらのいずれかの組合せの上で前記圧縮性本体を較正することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの光源が、少なくとも1つのコヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記生体試料を水で洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記圧縮性本体の空間的位置が、解放可能にロックできる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記少なくとも1つの光源および前記少なくとも1つのセンサが、前記生体試料の照明、および前記表面の前記多次元データセットの検出を開始するよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのいずれかの組合せを介してプロセッサと電気通信している、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記多次元データセットが、少なくとも一次元を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記表面プロファイルが、前記ex-vivoまたはin-vivoでの歯の歯冠の切縁から歯頚端までで測定される、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
生体試料の表面のトポグラフィーを決定するための方法であって、
(a)生体試料を受け取ること、
(b)前記生体試料を固定具中に取り付けること、
(c)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサにより前記生体試料を照明することであって、前記少なくとも1つの光源が、前記少なくとも1つのセンサにより検出された前記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、照明すること、ならびに
(d)前記多次元データセットから前記生体試料の表面プロファイルを決定すること
を含む方法。
【請求項13】
前記生体試料が、ex-vivoまたはin-vivoでの歯を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記固定具が、パテ、機械的取付具、安定剤、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの光源が、少なくとも1つのコヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記生体試料を水で洗浄することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光源および前記少なくとも1つのセンサが、前記生体試料の照明、および前記表面の前記多次元データセットの検出を開始するよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのいずれかの組合せを介してプロセッサと電気通信している、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記多次元データセットが、少なくとも一次元を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記表面プロファイルが、前記ex-vivoまたはin-vivoでの歯の歯冠の切縁から歯頚端までで測定される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
生体試料の表面のトポグラフィーを決定するためのシステムであって、
(a)生体試料の三次元位置を制限するよう機械的に構成された固定具と、
(b)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体であって、前記少なくとも1つの光源が、前記少なくとも1つのセンサにより検出された前記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、圧縮性本体と、
(c)前記少なくとも1つの光源および前記少なくとも1つのセンサに電気的に結合されたプロセッサであって、前記プロセッサに前記多次元データセットから前記生体試料の前記表面のトポグラフィーを決定させるよう構成された非一時的な記憶媒体に記憶されたプログラムによる命令のセットを含むプロセッサと
を含むシステム。
【請求項21】
前記生体試料が、歯を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記圧縮性本体が、ゲルカートリッジを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記固定具が、パテ、機械的取付具、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの光源が、少なくとも1つのコヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記圧縮性本体の空間的位置が、解放可能にロックできる、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの光源および前記少なくとも1つのセンサが、前記生体試料の照明、および前記表面の前記多次元データセットの検出を開始するよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのいずれかの組合せを介してプロセッサと電気通信している、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記圧縮性本体を前記生体試料に対して位置決めするよう構成された、前記圧縮性本体に機械的に結合された剛性ガイド部材をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項28】
前記圧縮性本体が、前記圧縮性本体の前記三次元位置を固定するよう構成されたロック機械部材に収容されている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記多次元データセットが、少なくとも一次元を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項30】
1以上の対象のトポグラフィーデータセットの表現型特性付けを出力するための予測モデルを訓練する方法であって、
(a)対象の第1のセットから1つ以上の生体試料および表現型特性付けを受け取ること、
(b)前記対象の第1のセットの1つ以上の生体試料から第1のトポグラフィーデータセットを決定すること、
(c)前記第1のトポグラフィーデータセットの特徴の第1のセットを計算すること、ならびに
(d)前記特徴の第1のセットと前記対象の第1のセットの前記表現型特性付けとにより予測モデルを訓練することにより、訓練された予測モデルが第2のトポグラフィーデータセットの特徴の第2のセットとともに入力されたときに、1以上の対象の第2のセットの表現型特性付けを出力するよう構成された前記訓練された予測モデルを生成すること
を含む方法。
【請求項31】
前記1つ以上の生体試料が、歯を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記トポグラフィーデータセットの前記特徴の第1のセットが、検出された前記トポグラフィーデータセットのピークの数、前記ピークのうちの1つ以上の傾き、トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの前記トポグラフィーデータセットの特徴を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記予測モデルが、機械学習アルゴリズムを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記機械学習アルゴリズムが、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記表現型特性付けが、疾患または障害の有無を含み、前記疾患または障害が、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項36】
1以上の対象の表現型データの表現型特性付けを出力するための予測モデルを訓練する方法であって、
(a)対象の第1のセットの1つ以上の生体試料を撮像することにより、第1のトポグラフィーデータセットを生成すること、
(b)前記第1のトポグラフィーデータセットの特徴の第1のセットを計算すること、および
(c)前記特徴の第1のセットと前記対象の第1のセットの表現型特性付けとにより予測モデルを訓練することにより、訓練された予測モデルが第2のトポグラフィーデータセットの特徴の第2のセットとともに入力されたときに、1以上の対象の第2のセットの表現型特性付けを出力するよう構成された前記訓練された予測モデルを生成すること
を含む方法。
【請求項37】
前記対象の第1のセットと第2のセットとが、同じまたは異なっている、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記1つ以上の生体試料が、歯を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記トポグラフィーデータセットの前記特徴の第1のセットまたは第2のセットが、検出された前記トポグラフィーデータセットのピークの数、前記ピークのうちの1つ以上の傾き、トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの前記トポグラフィーデータセットの特徴を含む、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
表現型特性付けの前記第1または第2のセットが、疾患または障害の有無を含み、前記疾患または障害が、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記予測モデルが、機械学習アルゴリズムを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記機械学習アルゴリズムが、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
1以上の対象のトポグラフィーデータセットの表現型分類を予測する方法であって、
(a)1以上の対象の1つ以上の生体試料を撮像することにより、トポグラフィーデータセットを生成すること、
(b)前記トポグラフィーデータセットの特徴のセットを計算すること、および
(c)訓練された予測モデルに、入力として前記1以上の対象の特徴のセットが提供されたときに、前記訓練された予測モデルの出力として表現型特性付けを予測すること
を含む方法。
【請求項44】
前記1つ以上の生体試料が、歯を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記トポグラフィーデータセットの前記特徴のセットが、検出された前記トポグラフィーデータセットのピークの数、前記ピークのうちの1つ以上の傾き、トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの前記トポグラフィーデータセットの特徴を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
前記表現型特性付けが、疾患または障害の有無を含み、前記疾患または障害が、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項47】
前記予測モデルが、機械学習アルゴリズムを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項48】
前記機械学習アルゴリズムが、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
1以上の対象のトポグラフィーデータセットの表現型特性付けを予測する方法であって、
(a)1以上の対象の1つ以上の生体試料および表現型データを受け取ること、
(b)前記1以上の対象の1つ以上の生体試料からトポグラフィーデータセットを決定すること、
(c)第1のトポグラフィーデータセットの特徴のセットを計算すること、ならびに
(d)訓練された予測モデルに、入力として前記1つ以上の対象の特徴のセットが提供されたときに、前記訓練された予測モデルの出力として表現型分類を予測すること
を含む方法。
【請求項50】
前記1つ以上の生体試料が、歯を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記トポグラフィーデータセットの前記特徴のセットが、検出された前記トポグラフィーデータセットのピークの数、前記ピークのうちの1つ以上の傾き、トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの前記トポグラフィーデータセットの特徴を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項52】
前記表現型特性付けが、疾患または障害の有無を含み、前記疾患または障害が、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項53】
前記訓練された予測モデルが、機械学習アルゴリズムを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項54】
前記機械学習アルゴリズムが、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
表現型特性付けと相関する対象の1つ以上の特徴の特徴重要度スコアを出力するための方法であって、
(a)対象の生体試料を受け取ること、
(b)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体を前記生体試料の表面に接触させることであって、前記少なくとも1つの光源が、前記少なくとも1つのセンサにより検出された前記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、接触させること、
(c)前記多次元データセットを解析することにより、前記生体試料の前記表面の前記多次元データセットの1つ以上の特徴を決定すること、ならびに
(d)表現型特性付けと相関するトポグラフィーデータセットの1つ以上の特徴の特徴重要度スコアを出力すること
を含む方法。
【請求項56】
前記生体試料が、歯を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記多次元データセットの特徴のうちの前記1つ以上が、検出された前記トポグラフィーデータセットのピークの数、前記ピークのうちの1つ以上の傾き、トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの前記トポグラフィーデータセットの特徴を含む、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記表現型特性付けが、疾患または障害の有無を含み、前記疾患または障害が、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記特徴重要度スコアが、訓練された予測モデルにより出力され、前記訓練された予測モデルが、機械学習アルゴリズムを含む、請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記機械学習アルゴリズムが、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項59に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本願は、2021年11月24日出願の米国仮出願第63/283,139号の利益を主張するものであり、当該出願は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
非侵襲的診断技術は、過去10年間で劇的に進歩し、これにより、複雑な生体系および生理系の豊富な典型的データセットの取り込みが可能となっている。そのような技術は、信号対雑音比および分子特異性の向上を適切に刷新してきたものの、依然として所与の時点におけるスナップショットに過ぎない。診断プラットフォームは、ヒトが獲得でき得るものを超えた豊富なデータセットを活用し解釈することで、洞察に満ち、かつ実行可能な予測をもたらすために、予測モデルの統合、機械学習または人工知能の統合が必要となる、発展上の転換点を迎えている。このため、そのような豊富なデータセットを活用することで、生体または生理状態のパラダイムシフトとなる予測をもたらすことが、診断プラットフォームにおける刷新の臨床上満たされていないニーズである。
【発明の概要】
【0003】
本明細著中で提供される開示の態様は、生体試料の表面のトポグラフィーを決定するための方法であって、(a)生体試料を受け取ること、(b)上記生体試料を固定具中に取り付けること、(c)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体を上記生体試料に接触させることであって、上記少なくとも1つの光源が、上記少なくとも1つのセンサにより検出された上記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、接触させること、ならびに(d)上記多次元データセットから上記生体試料の表面プロファイルを決定することを含む方法を含む。いくつかの実施形態において、上記生体試料は、ex-vivoまたはin-vivoでの歯を含む。いくつかの実施形態において、上記圧縮性本体は、ゲルカートリッジを含む。いくつかの実施形態において、上記固定具は、パテ、機械的取付具、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、標準ガラス、ボールグリッドアレイ、グルーブターゲット、またはそれらのいずれかの組合せの上で前記圧縮性本体を較正することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つの光源は、少なくとも1つのコヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記生体試料を水で洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記圧縮性本体の空間的位置は、解放可能にロックできる。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つの光源および上記少なくとも1つのセンサは、上記生体試料の照明、および上記表面の上記多次元データセットの検出を開始するよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのいずれかの組合せを介してプロセッサと電気通信している。いくつかの実施形態において、上記多次元データセットは、少なくとも一次元を含む。いくつかの実施形態において、上記表面プロファイルは、上記ex-vivoまたはin-vivoでの歯の歯冠の切縁から歯頚端までで測定される。
【0004】
本明細著中で提供される開示の態様は、生体試料の表面のトポグラフィーを決定するための方法であって、(a)生体試料を受け取ること、(b)上記生体試料を固定具中に取り付けること、(c)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサにより上記生体試料を照明することであって、上記少なくとも1つの光源が、上記少なくとも1つのセンサにより検出された上記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、照明すること、ならびに(d)上記多次元データセットから上記生体試料の表面プロファイルを決定することを含む方法を含む。いくつかの実施形態において、上記生体試料は、ex-vivoまたはin-vivoでの歯を含む。いくつかの実施形態において、上記固定具は、パテ、機械的取付具、安定剤、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つの光源は、少なくとも1つのコヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記方法は、上記生体試料を水で洗浄することをさらに含む。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つの光源および上記少なくとも1つのセンサは、上記生体試料の照明、および上記表面の上記多次元データセットの検出を開始するよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのいずれかの組合せを介してプロセッサと電気通信している。いくつかの実施形態において、上記多次元データセットは、少なくとも一次元を含む。いくつかの実施形態において、上記表面プロファイルは、上記ex-vivoまたはin-vivoでの歯の歯冠の切縁から歯頚端までで測定される。
【0005】
本明細著中で提供される開示の態様は、生体試料の表面のトポグラフィーを決定するためのシステムであって、(a)生体試料の三次元位置を制限するよう機械的に構成された固定具と、(b)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体であって、上記少なくとも1つの光源が、上記少なくとも1つのセンサにより検出された上記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、圧縮性本体と、(c)上記少なくとも1つの光源および上記少なくとも1つのセンサに電気的に結合されたプロセッサであって、上記プロセッサに上記多次元データセットから上記生体試料の上記表面のトポグラフィーを決定させるよう構成された非一時的な記憶媒体に記憶されたプログラムによる命令のセットを含むプロセッサとを含むシステムを含む。いくつかの実施形態において、上記生体試料は、歯を含む。いくつかの実施形態において、上記圧縮性本体は、ゲルカートリッジを含む。いくつかの実施形態において、上記固定具は、パテ、機械的取付具、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つの光源は、少なくとも1つのコヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記圧縮性本体の空間的位置は、解放可能にロックできる。いくつかの実施形態において、上記少なくとも1つの光源および前記少なくとも1つのセンサは、前記生体試料の照明、および前記表面の前記多次元データセットの検出を開始するよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのいずれかの組合せを介してプロセッサと電気通信している。いくつかの実施形態において、上記システムは、上記圧縮性本体を上記生体試料に対して位置決めするよう構成された、上記圧縮性本体に機械的に結合された剛性ガイド部材をさらに含む。いくつかの実施形態において、上記圧縮性本体は、上記圧縮性本体の上記三次元位置を固定するよう構成されたロック機械部材に収容されている。いくつかの実施形態において、上記多次元データセットは、少なくとも一次元を含む。
【0006】
本明細著中で提供される開示の態様は、1以上の対象のトポグラフィーデータセットの表現型特性付けを出力するための予測モデルを訓練する方法であって、(a)対象の第1のセットから1つ以上の生体試料および表現型特性付けを受け取ること、(b)上記対象の第1のセットの1つ以上の生体試料から第1のトポグラフィーデータセットを決定すること、(c)上記第1のトポグラフィーデータセットの特徴の第1のセットを計算すること、ならびに(d)上記特徴の第1のセットと上記対象の第1のセットの上記表現型特性付けとにより予測モデルを訓練することにより、訓練された予測モデルが第2のトポグラフィーデータセットの特徴の第2のセットとともに入力されたときに、1以上の対象の第2のセットの表現型特性付けを出力するよう構成された上記訓練された予測モデルを生成することを含む方法を含む。いくつかの実施形態において、上記1つ以上の生体試料は、歯を含む。いくつかの実施形態において、上記トポグラフィーデータセットの上記特徴の第1のセットは、検出された上記トポグラフィーデータセットのピークの数、上記ピークのうちの1つ以上の傾き、上記トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの上記トポグラフィーデータセットの特徴を含む。いくつかの実施形態において、上記予測モデルは、機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、上記機械学習アルゴリズムは、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記表現型特性付けは、疾患または障害の有無を含み、上記疾患または障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0007】
本明細著中で提供される開示の態様は、1以上の対象の表現型データの表現型特性付けを出力するための予測モデルを訓練する方法であって、(a)対象の第1のセットの1つ以上の生体試料を撮像することにより、第1のトポグラフィーデータセットを生成すること、(b)上記第1のトポグラフィーデータセットの特徴の第1のセットを計算すること、および(c)上記特徴の第1のセットと上記対象の第1のセットの表現型特性付けとにより予測モデルを訓練することにより、訓練された予測モデルが第2のトポグラフィーデータセットの特徴の第2のセットとともに入力されたときに、1以上の対象の第2のセットの表現型特性付けを出力するよう構成された上記訓練された予測モデルを生成することを含む方法を含む。いくつかの実施形態において、上記対象の第1のセットと第2のセットとは、同じまたは異なっている。いくつかの実施形態において、上記1つ以上の生体試料は、歯を含む。いくつかの実施形態において、上記トポグラフィーデータセットの上記特徴の第1のセットまたは第2のセットは、検出された上記トポグラフィーデータセットのピークの数、上記ピークのうちの1つ以上の傾き、上記トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの上記トポグラフィーデータセットの特徴を含む。いくつかの実施形態において、表現型特性付けの上記第1または第2のセットは、疾患または障害の有無を含み、上記疾患または障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記予測モデルは、機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、上記機械学習アルゴリズムは、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0008】
本明細著中で提供される開示の態様は、1以上の対象のトポグラフィーデータセットの表現型分類を予測する方法であって、(a)1以上の対象の1つ以上の生体試料を撮像することにより、トポグラフィーデータセットを生成すること、(b)上記トポグラフィーデータセットの特徴のセットを計算すること、および(c)訓練された予測モデルに、入力として上記1以上の対象の特徴のセットが提供されたときに、上記訓練された予測モデルの出力として表現型特性付けを予測することを含む方法を含む。いくつかの実施形態において、上記1つ以上の生体試料は、歯を含む。いくつかの実施形態において、上記トポグラフィーデータセットの上記特徴のセットは、検出された上記トポグラフィーデータセットのピークの数、上記ピークのうちの1つ以上の傾き、上記トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの上記トポグラフィーデータセットの特徴を含む。いくつかの実施形態において、上記表現型特性付けは、疾患または障害の有無を含み、上記疾患または障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記予測モデルは、機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、上記機械学習アルゴリズムは、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0009】
本明細著中で提供される開示の態様は、1以上の対象のトポグラフィーデータセットの表現型特性付けを予測する方法であって、(a)1以上の対象の1つ以上の生体試料および表現型データを受け取ること、(b)上記1以上の対象の1つ以上の生体試料からトポグラフィーデータセットを決定すること、(c)第1のトポグラフィーデータセットの特徴のセットを計算すること、ならびに(d)訓練された予測モデルに、入力として上記1つ以上の対象の特徴のセットが提供されたときに、訓練された予測モデルの出力として表現型分類を予測することを含む方法を含む。いくつかの実施形態において、上記1つ以上の生体試料は、歯を含む。いくつかの実施形態において、上記トポグラフィーデータセットの上記特徴のセットは、検出された上記トポグラフィーデータセットのピークの数、上記ピークのうちの1つ以上の傾き、上記トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの上記トポグラフィーデータセットの特徴を含む。いくつかの実施形態において、上記表現型特性付けは、疾患または障害の有無を含み、上記疾患または障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記訓練された予測モデルは、機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、上記機械学習アルゴリズムは、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0010】
本明細著中で提供される開示の態様は、表現型特性付けと相関する対象の1つ以上の特徴の特徴重要度スコアを出力するための方法であって、(a)対象の生体試料を受け取ること、(b)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体を上記生体試料の表面に接触させることであって、上記少なくとも1つの光源が、上記少なくとも1つのセンサにより検出された上記生体試料の表面の多次元データセットを生成する、接触させること、(c)上記多次元データセットを解析することにより、上記生体試料の上記表面の上記多次元データセットの1つ以上の特徴を決定すること、ならびに(d)表現型特性付けと相関するトポグラフィーデータセットの1つ以上の特徴の特徴重要度スコアを出力することを含む方法を含む。いくつかの実施形態において、上記生体試料は、歯を含む。いくつかの実施形態において、上記多次元データセットの特徴のうちの1つ以上は、検出された上記トポグラフィーデータセットのピークの数、上記ピークのうちの1つ以上の傾き、上記トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せの上記トポグラフィーデータセットの特徴を含む。いくつかの実施形態において、上記表現型特性付けは、疾患または障害の有無を含み、上記疾患または障害は、自閉症スペクトラム障害(ASD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、統合失調症、過敏性腸疾患(IBD)、小児腎臓病、腎臓移植拒絶、小児がん、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの実施形態において、上記特徴重要度スコアは、訓練された予測モデルにより出力され、上記訓練された予測モデルは、機械学習アルゴリズムを含む。いくつかの実施形態において、上記機械学習アルゴリズムは、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ゲート付き回帰型ユニット(GRU)、教師あり学習アルゴリズム、教師なし機械学習アルゴリズム、またはそれらのいずれかの組合せを含む。
【0011】
参照による組み込み
本明細書において記載される刊行物、特許、および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許、または特許出願のそれぞれが参照により組み込まれると具体的かつ個別に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において具体的に記載されている。本発明の原理が利用される例示的な実施形態を記載する以下の詳細な説明、および付随する図面を参照することにより、本発明の特徴および利点がよりよく理解されるであろう。
図1】本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるex-vivoでの生体試料表面のトポグラフィーデータを収集するための装置構成例を示す図である。
図2】本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるex-vivoでの生体試料の生体表面のトポグラフィーデータを収集する方法のフロー図である。
図3A】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、小児の一集団における擬人的かつ臨床上の表現型特性(身長および/または体重)を予測する(研究1)ための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、予測身長と臨床的評価において測定された身長との相関を示すことにより装置性能を明示している。
図3B】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、小児の一集団における擬人的かつ臨床上の表現型特性(身長および/または体重)を予測する(研究1)ための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、予測体重と臨床的評価において測定された体重との相関を示すことにより装置性能を明示している。
図4A】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、小児の一集団における擬人的かつ臨床上の表現型特性(身長および/または肥満度指数(BMI))を予測する(研究2)ための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、予測身長と臨床的評価において測定された身長との相関を示すことにより装置性能を明示している。
図4B】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、小児の一集団における擬人的かつ臨床上の表現型特性(身長および/または肥満度指数(BMI))を予測する(研究2)ための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、予測BMIと臨床的評価において測定されたBMIとの相関を示すことにより装置性能を明示している。
図5A】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、知能指数(IQ)を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、表面トポグラフィーデータの解析に基づくこれらの測定に関する予測スコアと臨床的評価によって測定されたスコアとの相関を示すことにより装置性能を明示している。
図5B】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、小児認知総合スコアを予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、表面トポグラフィーデータの解析に基づくこれらの測定に関する予測スコアと臨床的評価によって測定されたスコアとの相関を示すことにより装置性能を明示している。
図6】本明細書中で提供される本開示の方法を処理、実行、かつ/または実施するよう構成されたシステムの図である。
図7A】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7B】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7C】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7D】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7E】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7F】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7G】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7H】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図7I】生体表面のトポグラフィーデータのデータセットから、歯試料中の必須元素および非必須元素の濃度を予測するための装置、方法、およびシステムの適用により生成されたデータセット例を示す図である。プロットは、本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるように、標準的な質量分析法を用いた必須元素および非必須元素の検出と比較して、表面トポグラフィーデータの解析に基づく予測元素濃度間の相関を示すことによりある元素についての装置性能を明示している。
図8A】本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるin-vivoでの生体表面のトポグラフィーを測定するためのハンドヘルド装置の使用を示す図である。
図8B】本明細書中のいくつかの実施形態において説明されるin-vivoでの生体表面のトポグラフィーを測定するためのハンドヘルド装置の使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書中で提供される開示は、生体表面のトポグラフィーの測定、取込み、および解析に関する装置、システム、ならびに方法を説明する。いくつかの場合、生体表面のトポグラフィーは、対象のin-vivoまたはex-vivoでの生体表面であってもよい。本明細書中で説明される装置は、ハンドヘルド装置または卓上装置を含んでもよい。本明細書中で提供される開示は、生体表面の測定されたトポグラフィーに適用される解析方法を説明することもある。いくつかの例において、解析方法は、生体表面の測定されたトポグラフィーの1つ以上の特徴、および測定された対象の生体表面に関連付けられた対応する表現型特性により予測モデルを訓練することを含んでもよい。いくつかの場合、表現型特性は、対象の知能指数(IQ)、肥満度指数(BMI)、身長、体重などを含んでもよい。
【0014】
装置およびシステム
本明細書中で提供される開示は、生体表面のトポグラフィーを決定するために利用されてもよい装置およびシステムを説明する。装置100は、少なくとも1つの光源と、少なくとも1つのセンサと、光学アセンブリと、任意選択で、上記少なくとも1つの光源、光学アセンブリ、および/または上記少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体106とを備えてもよい。
【0015】
いくつかの場合、装置は、対象800の生体表面806(図8B)の上方にまたはこれに接触して低侵襲的または非侵襲的に配置されるよう構成された、図8A図8Bに見られるようなハンドヘルド装置100であってもよい。いくつかの場合、生体表面806には、本明細書中の他の箇所で説明されている圧縮性本体106の接触面を介して装置が接触していてもよい。いくつかの場合、ハンドヘルド装置は、対象の口腔内のin-vivoでの生体表面へのアクセスを提供してもよい。いくつかの場合、生体表面は、対象の歯807のうちの1つ以上の表面を含んでもよい。図8Aに示されているように、ハンドヘルド構成において用いられる装置100は、有線通信116または無線通信802を介してプロセッサ114と電気通信していてもよい。いくつかの場合、ハンドヘルド装置は、空間内の装置の三次元位置を決定するための磁気、ジャイロ式、加速度計、またはそれらのいずれかの組合せのセンサを備えてもよい。いくつかの例において、装置の空間内の三次元位置は、複数の連続および/または非連続生体表面の収集データを再構成するために用いられてもよい。
【0016】
あるいは、装置は、図1に見られるように、卓上システムであってもよい。いくつかの例において、装置100は、図1に示すように卓上システム(112、120、102)にドッキングして、卓上システムとして用いられてもよい。いくつかの例において、装置100は、有線116または無線113の通信プラットフォームを介してプロセッサ114と電気通信していてもよい。いくつかの場合、プロセッサは、パーソナルデスクトップコンピュータ、サーバ、クラウドベースのサーバ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの例において、プロセッサは、装置100によって収集された生体試料108の生体表面のトポグラフィーデータの収集を開始するか、または当該トポグラフィーデータを解析してもよい。いくつかの場合、生体表面のトポグラフィーデータは、多次元データセットを含んでもよい。いくつかの場合、多次元データセットは、少なくとも一次元のデータ、少なくとも二次元、または少なくとも三次元のデータを含む。いくつかの場合、データは、1つ以上のカラー画像および/またはグレースケール画像に変換されてもよい。
【0017】
いくつかの例において、装置100は、電気部品、光学部品、および/または機械部品を収容する筐体を備えてもよい。いくつかの場合、筐体は、ユーザが、図8A図8Bに見られるように、湿布(compress)ように対象の生体表面806の上方にまたはこれに接触して装置を保持および位置決めできるようにするために、グリップまたは人間工学的ハンドヘルド機構804を備えてもよい。いくつかの場合、装置は、ハンドヘルド式に装置を用いることができるよう構成されたバッテリ、充電回路、バッテリインジケータ、またはそれらのいずれかの組合せを備えてもよい。
【0018】
いくつかの場合、少なくとも1つの光源は、コヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、共焦点レーザ、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。
【0019】
いくつかの例において、少なくとも1つの光源は、約350nm~約1,000nmの波長範囲内の光を発する。いくつかの例において、少なくとも1つの光源は、約350nm~約400nm、約350nm~約440nm、約350nm~約480nm、約350nm~約520nm、約350nm~約560nm、約350nm~約600nm、約350nm~約640nm、約350nm~約670nm、約350nm~約600nm、約350nm~約800nm、約350nm~約1,000nm、約400nm~約440nm、約400nm~約480nm、約400nm~約520nm、約400nm~約560nm、約400nm~約600nm、約400nm~約640nm、約400nm~約670nm、約400nm~約600nm、約400nm~約800nm、約400nm~約1,000nm、約440nm~約480nm、約440nm~約520nm、約440nm~約560nm、約440nm~約600nm、約440nm~約640nm、約440nm~約670nm、約440nm~約600nm、約440nm~約800nm、約440nm~約1,000nm、約480nm~約520nm、約480nm~約560nm、約480nm~約600nm、約480nm~約640nm、約480nm~約670nm、約480nm~約600nm、約480nm~約800nm、約480nm~約1,000nm、約520nm~約560nm、約520nm~約600nm、約520nm~約640nm、約520nm~約670nm、約520nm~約600nm、約520nm~約800nm、約520nm~約1,000nm、約560nm~約600nm、約560nm~約640nm、約560nm~約670nm、約560nm~約600nm、約560nm~約800nm、約560nm~約1,000nm、約600nm~約640nm、約600nm~約670nm、約600nm~約600nm、約600nm~約800nm、約600nm~約1,000nm、約640nm~約670nm、約640nm~約600nm、約640nm~約800nm、約640nm~約1,000nm、約670nm~約600nm、約670nm~約800nm、約670nm~約1,000nm、約600nm~約800nm、約600nm~約1,000nm、または約800nm~約1,000nmの波長範囲内の光を発する。いくつかの例において、少なくとも1つの光源は、約350nm、約400nm、約440nm、約480nm、約520nm、約560nm、約600nm、約640nm、約670nm、約600nm、約800nm、または約1,000nmの波長範囲内の光を発する。いくつかの例において、少なくとも1つの光源は、少なくとも約350nm、約400nm、約440nm、約480nm、約520nm、約560nm、約600nm、約640nm、約670nm、約600nm、または約800nmの波長範囲内の光を発する。いくつかの例において、少なくとも1つの光源は、最大で約400nm、約440nm、約480nm、約520nm、約560nm、約600nm、約640nm、約670nm、約600nm、約800nm、または約1,000nmの波長範囲内の光を発する。
【0020】
いくつかの場合、少なくとも1つのセンサは、エラストマーゲル膜、カメラ、光電子増倍管、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)、またはそれらのいずれかの組合せのセンサを含む。いくつかの場合、少なくとも1つのセンサは、生体表面のトポグラフィーデータの三次元空間データセットを取り込むよう構成されていてもよい。いくつかの場合、センサは、生体表面のトポグラフィーデータの少なくとも一次元、二次元、または三次元空間データセットを取り込むよう構成されていてもよい。
【0021】
いくつかの場合、少なくとも1つのセンサは、約0.01μm~約2μmの空間分解能を有するデータセットを作成するよう構成されていてもよい。いくつかの場合、少なくとも1つのセンサは、約0.01μm~約0.03μm、約0.01μm~約0.05μm、約0.01μm~約0.08μm、約0.01μm~約0.1μm、約0.01μm~約0.5μm、約0.01μm~約0.8μm、約0.01μm~約1μm、約0.01μm~約1.2μm、約0.01μm~約1.5μm、約0.01μm~約1.7μm、約0.01μm~約2μm、約0.03μm~約0.05μm、約0.03μm~約0.08μm、約0.03μm~約0.1μm、約0.03μm~約0.5μm、約0.03μm~約0.8μm、約0.03μm~約1μm、約0.03μm~約1.2μm、約0.03μm~約1.5μm、約0.03μm~約1.7μm、約0.03μm~約2μm、約0.05μm~約0.08μm、約0.05μm~約0.1μm、約0.05μm~約0.5μm、約0.05μm~約0.8μm、約0.05μm~約1μm、約0.05μm~約1.2μm、約0.05μm~約1.5μm、約0.05μm~約1.7μm、約0.05μm~約2μm、約0.08μm~約0.1μm、約0.08μm~約0.5μm、約0.08μm~約0.8μm、約0.08μm~約1μm、約0.08μm~約1.2μm、約0.08μm~約1.5μm、約0.08μm~約1.7μm、約0.08μm~約2μm、約0.1μm~約0.5μm、約0.1μm~約0.8μm、約0.1μm~約1μm、約0.1μm~約1.2μm、約0.1μm~約1.5μm、約0.1μm~約1.7μm、約0.1μm~約2μm、約0.5μm~約0.8μm、約0.5μm~約1μm、約0.5μm~約1.2μm、約0.5μm~約1.5μm、約0.5μm~約1.7μm、約0.5μm~約2μm、約0.8μm~約1μm、約0.8μm~約1.2μm、約0.8μm~約1.5μm、約0.8μm~約1.7μm、約0.8μm~約2μm、約1μm~約1.2μm、約1μm~約1.5μm、約1μm~約1.7μm、約1μm~約2μm、約1.2μm~約1.5μm、約1.2μm~約1.7μm、約1.2μm~約2μm、約1.5μm~約1.7μm、約1.5μm~約2μm、または約1.7μm~約2μmの空間分解能を有するデータセットを作成するよう構成されていてもよい。いくつかの場合、少なくとも1つのセンサは、約0.01μm、約0.03μm、約0.05μm、約0.08μm、約0.1μm、約0.5μm、約0.8μm、約1μm、約1.2μm、約1.5μm、約1.7μm、または約2μmの空間分解能を有するデータセットを作成するよう構成されていてもよい。いくつかの場合、少なくとも1つのセンサは、少なくとも約0.01μm、約0.03μm、約0.05μm、約0.08μm、約0.1μm、約0.5μm、約0.8μm、約1μm、約1.2μm、約1.5μm、または約1.7μmの空間分解能を有するデータセットを作成するよう構成されていてもよい。いくつかの場合、少なくとも1つのセンサは、最大で約0.03μm、約0.05μm、約0.08μm、約0.1μm、約0.5μm、約0.8μm、約1μm、約1.2μm、約1.5μm、約1.7μm、または約2μmの空間分解能を有するデータセットを作成するよう構成されていてもよい。
【0022】
いくつかの場合、圧縮性本体106は、生体試料108に接触させる際に生体試料108表面のトポグラフィーを増大させるよう構成された変形可能なエラストマーゲル基材および膜を含む圧縮性ゲルカートリッジを含んでもよい。いくつかの例において、変形可能なプラスチックは、熱可塑性エラストマー(TPE)またはシリコーンの材料を含んでもよい。いくつかの場合、装置は、装置100の光路から圧縮性カートリッジ106を除去することにより圧縮性本体106を使用せずに動作し得る。いくつかの場合、装置は、生体表面のトポグラフィーデータの収集を開始、休止、または終了させるよう構成されたスイッチまたは実行可能なボタン104を備えてもよい。いくつかの場合、スイッチまたは実行可能なボタン104は、物理的な押しボタン、力センサ、静電容量式タッチボタン、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの例において、スイッチまたは実行可能なボタン104を長押しか、または長期間作動させることにより、ユーザは、装置および/またはシステムの種々の機能(例えば、特定の光源照明パターンや収集されたデータの平均化)を始動させてもよい。
【0023】
いくつかの場合、装置は、1つ以上のレンズまたはレンズ素子を含む光学アセンブリを備えてもよい。いくつかの場合、1つ以上のレンズは、凹レンズ、凸レンズ、両凹レンズ、両凸レンズ、平凹レンズ、平凸レンズ、球面レンズ、またはそれらのいずれかの組合せのレンズを含んでもよい。いくつかの例において、1つ以上のレンズは、少なくとも1つの光源の発光、または少なくとも1つのセンサにより集光された生体試料108からの反射光を導くか、拡大するか、コリメートするか、合焦するか、またはそれらのいずれかの組合せの光線操作を行うよう構成されてもよい。場合により、1つ以上のレンズは、特定の帯域の光を反射および/または透過するよう構成された反射防止コーティングを備えてもよい。いくつかの場合、光アセンブリは、ダイクロイックフィルタ、ホットミラー、コールドミラー、またはそれらのいずれかの組合せのミラーをさらに備えてもよい。
【0024】
システム
本明細書中で提供される開示は、生体表面のトポグラフィーを決定するよう構成されたシステムを説明する。いくつかの例において、システムは、in-vivoでの生体表面のトポグラフィーを撮像するよう構成されたハンドヘルドシステムを備えてもよい。あるいは、システムは、ex-vivoでの生体表面のトポグラフィーを撮像するよう構成された卓上システムを備えてもよい。いくつかの場合、システムは、(a)生体試料の三次元位置を制限するよう機械的に構成された固定具と、(b)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体であって、少なくとも1つの光源が、少なくとも1つのセンサにより検出された生体試料の表面の多次元データセットを生成する、圧縮性本体と、(c)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに電気的に結合されたプロセッサであって、プロセッサに多次元データセットから生体試料の表面のトポグラフィーを決定させるよう構成された非一時的な記憶媒体に記憶されたプログラムによる命令のセットを含む、プロセッサとを備えてもよい。いくつかの場合、生体試料は、歯であってもよい。いくつかの場合、圧縮性本体は、ゲルカートリッジを含んでもよい。いくつかの場合、圧縮性本体は、圧縮性本体の三次元位置を固定するよう構成されたロック機械部材に収容されている。
【0025】
いくつかの例において、固定具110は、パテ、機械的取付具、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの例において、装置100は、生体試料108に対して装置の位置を解放可能にロックするよう構成された取付け機構102に機械的に結合されていてもよい。いくつかの例において、装置の圧縮性本体の空間的位置は、取付け機構102のロック機構により解放可能にロックできてもよい。いくつかの場合、ロック機構は、脱着可能なまたはラッチによるロック機構を含んでもよい。いくつかの例において、ロック機構は、生体試料に対して圧縮性本体の三次元位置を固定してもよい。いくつかの例において、取付け機構は、剛性ガイド部材112に機械的に結合されており、これにより、取付け機構が、制限された次元内で、剛性ガイド部材112に沿って、取り付けられた生体試料108に対して接離方向に動くことができてもよい。いくつかの場合、剛性ガイド部材112は、トラック、レール、またはポスト112を含んでもよい。いくつかの例において、剛性ガイド部材は、図1に示す卓上システムに取り付けられた装置を用いて生体表面のトポグラフィーのデータを収集する際に振動を低減するよう構成された基部120に機械的に結合されていてもよい。
【0026】
いくつかの場合、少なくとも1つの光源は、少なくとも1つのコヒーレントレーザ、インコヒーレントレーザ、パルスレーザ、発光ダイオード、スーパールミネッセントダイオード、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの場合、少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサは、生体試料の照明、および生体試料表面の多次元データセットの検出を開始するよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー(104)、またはそれらのいずれかの組合せと電気通信している。いくつかの場合、多次元データセットは、少なくとも一次元を含む。
【0027】
コンピュータシステム
図6は、本明細書中で説明されるモデルおよび/または予測モデルの実施および/または訓練に適したコンピュータシステム601を示す。コンピュータシステム601は、例えば、対象の生体試料トポグラフィー生データ、トポグラフィーにより生成された画像、処理されたトポグラフィーデータパラメータまたは特徴、対応する対象の表現型特性付け、臨床上のメタデータ、またはそれらのいずれかの組合せなどの本開示のデータおよび/または情報の様々な態様を処理してもよい。コンピュータシステム601は、電子装置であってもよい。電子装置は、携帯型電子装置であってもよい。
【0028】
コンピュータシステム601は、中央処理装置(CPU、本明細書中では「プロセッサ」および「コンピュータプロセッサ」とも呼ぶ)605を含んでもよく、当該中央処理装置は、シングルコアもしくはマルチコアプロセッサ、または並列処理のための複数のプロセッサであってもよい。コンピュータシステム601は、メモリまたはメモリ位置604(例えば、ランダムアクセスメモリ、読取り専用メモリ、フラッシュメモリ)と、電子記憶装置606(例えば、ハードディスク)と、1つ以上の他の装置と通信するための通信インタフェース608(例えば、ネットワークアダプタ)と、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶および/または電子ディスプレイアダプタなどの周辺装置607とをさらに備えてもよい。メモリ604、記憶装置606、インタフェース608、および周辺装置607は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU605と通信していてもよい。記憶装置606は、データを記憶するためのデータ記憶装置(またはデータリポジトリ)であってもよい。コンピュータシステム601は、通信インタフェース608の助けによりコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)600に動作可能に結合されていてもよい。ネットワーク600は、インターネット、インターネットおよび/もしくはエクストラネット、またはインターネットと通信しているイントラネットおよび/もしくはエクストラネットであってもよい。ネットワーク600は、いくつかの場合、遠隔通信および/またはデータネットワークであってもよい。ネットワーク600は、1つ以上のコンピュータサーバを含んでいてもよく、当該コンピュータサーバにより、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングが可能となってもよい。ネットワーク600は、いくつかの場合、コンピュータシステム601の助けにより、ピアツーピアネットワークを実装してもよく、当該ピアツーピアネットワークにより、コンピュータシステム601に結合された装置がクライアントまたはサーバとして動作可能であってもよい。
【0029】
CPU605は、機械読み取り可能な命令のシーケンスを実行してもよく、当該命令は、プログラムまたはソフトウェアにおいて実現されてもよい。命令は、CPU605に向けられてもよく、これが、CPU605を次にプログラムまたはそうでなければ構成して、本開示の方法を実施してもよい。CPU605により行われる動作の例としては、フェッチ、復号、実行、およびライトバックが挙げられる。
【0030】
CPU605は、集積回路などの回路の一部であってもよい。システム601の1つ以上の他の構成部品が回路に含まれていてもよい。いくつかの場合、回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0031】
記憶装置606は、ドライバ、ライブラリおよび保存されたプログラムなどのファイルを記憶してもよい。記憶装置606は、対象の生体試料トポグラフィー生データ、トポグラフィーにより生成された画像、処理されたトポグラフィーデータパラメータまたは特徴、対応する表現型特性付け、臨床上のメタデータ、またはそれらのいずれかの組合せを記憶してもよい。コンピュータシステム601は、いくつかの場合、イントラネットまたはインターネットを介してコンピュータシステム601と通信しているリモートサーバ上に位置しているような、コンピュータシステム601の外部にある1つ以上の追加のデータ記憶装置を含んでいてもよい。
【0032】
本明細書中で説明される方法は、例えば、メモリ604または電子記憶装置606などのコンピュータ装置601の電子記憶位置に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能なコードにより実施されてもよい。機械実行可能なまたは機械読み取り可能なコードは、ソフトウェアの形態で提供されてもよい。使用中、コードは、プロセッサ605により実行されてもよい。いくつかの例において、コードは、記憶装置606から取り出され、プロセッサ605により即時アクセス可能なようにメモリ604に記憶されていてもよい。いくつかの例において、電子記憶装置606は、排除されてもよく、機械実行可能な命令がメモリ604に記憶される。
【0033】
コードは、コードを実行するよう適合されたプロセッサを機械が有している状態で使用のためにプリコンパイルおよび構成されていてもよく、または実行時間中にコンパイルされてもよい。コードは、プリコンパイルまたは都度コンパイルされる方式でコードが実行可能なように選択され得るプログラミング言語で供給されてもよい。
【0034】
コンピュータシステム601などの、本明細書中で提供されるシステムおよび方法の態様は、プログラミングにおいて実現されてもよい。技術の様々な態様は、典型的に、ある種の機械読取り可能な媒体上で伝送されるか、この中で実現される機械(またはプロセッサ)実行可能なコードおよび/または関連データの形態の「製品」または「製造物品」と考えられてもよい。機械実行可能なコードは、メモリ(例えば、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶装置に記憶されてもよい。「記憶装置」タイプの媒体は、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどのような、コンピュータ、プロセッサなど、またはその関連モジュールの有形メモリのいずれかまたはすべてを含んでもよく、これにより、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも非一時的な記憶装置が提供可能である。ソフトウェアの全部または一部は、時々、インターネットまたは様々なその他の遠隔通信ネットワークを介して通信されていてもよい。そのような通信は、例えば、あるコンピュータまたはプロセッサから別のコンピュータまたはプロセッサへ、例えば、管理サーバまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォーム内へとソフトウェアのロードを可能とし得る。したがって、ソフトウェア素子を持ち得る別の種類の媒体は、有線および光回線ネットワークを介し、かつ、様々なエアリンクにわたり、ローカル装置間の物理的インタフェースにわたって用いられるような、光波、電波、および電磁波を含む。有線または無線回線、光回線またはこれに類似のものなどのそのような波を伝送する物理素子もまた、ソフトウェアを持つ媒体と考えられてもよい。本明細書中で使用されるとき、非一時的な有形の「記憶」媒体に制限されるのでない限り、コンピュータまたは機械「読取り可能な媒体」などの用語は、実行のためのプロセッサへの命令の発出に関与するいずれかの媒体を指す。
【0035】
ゆえに、コンピュータ実行可能なコードなどの機械読取り可能な媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理的伝送媒体を含む数多くの形態を取ってもよいが、これらに限定はされない。不揮発性記憶媒体は、データベースなどの実装に用いられ得るような、いずれかのコンピュータなどにおける記憶デバイスのいずれかのような、例えば、光ディスクまたは磁気ディスクを含んでもよい。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリのようなダイナミックメモリを含む。有形伝送媒体は、コンピュータデバイス内のバスを含む線材を含む同軸ケーブル、銅線および光ファイバーを含む。搬送波伝送媒体は、無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されるような電気もしくは電磁信号、または音波もしくは光波の形態をとってもよい。そのためのコンピュータ読取り可能な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他いずれかの磁気媒体、CD-ROM、DVDまたはDVD-ROM、その他いずれかの光媒体、パンチカード、紙テープ、穴パターンを有するその他いずれかの物理的記憶媒体、RAM、ROM、PROMおよびEPROM、FLASH-EPROM、その他いずれかのメモリチップもしくはカートリッジ、データもしくは命令を伝送する搬送波、そのような搬送波を伝送するケーブルもしくは回線、またはコンピュータがプログラミングコードおよび/またはデータを読み出し得るその他いずれかの媒体を含む。コンピュータ読取り可能な媒体のこれらの形態の多くは、実行のためのプロセッサへの1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスの搬送に関わっていてもよい。
【0036】
コンピュータシステムは、対象の表現型特性付け予測をその対象の生体試料のトポグラフィーデータに基づいて見るためのユーザインタフェース(UI)603を含む電子ディスプレイ602を備えるか、またはこれと通信していてもよい。UIの例としては、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)およびウェブベースのユーザインタフェースが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0037】
本開示の方法およびシステムは、本明細書中に開示されるような1つ以上のプロセッサと共に提供される命令を有する1つ以上のアルゴリズムおよび/または予測モデルにより実施可能である。アルゴリズムおよび/または予測モデルは、中央処理装置905による実行時にソフトウェアにより実施可能である。いくつかの場合、予測モデルは、機械学習予測モデルを含んでもよい。いくつかの場合、機械学習予測モデルは、1つ以上の統計的、機械学習、または人工知能アルゴリズムを含んでもよい。利用されるアルゴリズムの例としては、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、(ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、またはゲート付き回帰型ユニット(GRU)などの)ニューラルネットワーク、教師あり学習、教師なし機械学習、分類および回帰のための統計的ディープラーニングアルゴリズムが挙げられ得る。機械学習予測モデルは、同様に、複数の予測モデルからなるアンサンブルモデルの推定を含み、かつ例えば、勾配ブースティング決定木の構成における勾配ブースティングなどの技法を利用し得る。機械学習予測モデルは、対象のデータに対応する1つ以上の訓練データセットを用いて訓練されてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の訓練データセットは、エクスポゾーム生化学的シグネチャ、ダイナミックエクスポゾーム生化学的シグネチャ、臨床メタデータ、臨床試験情報、医薬および栄養補助処置のエクスポゾーム生化学的シグネチャ情報、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。
【0038】
方法
本明細書中で提供される開示は、対象の生体試料からの生体表面のトポグラフィーデータを収集または決定する方法を説明する。いくつかの例において、本明細書中で提供される開示の方法は、予測モデルを訓練するために対象の表現型特性付けと併用され得る対象の生体表面のトポグラフィーデータの特徴または特性を生成、計算、決定する方法を含んでもよい。いくつかの場合、予測モデルは、本明細書中の他の箇所で説明されている機械学習アルゴリズムを含んでもよい。いくつかの例において、対象の表現型特性付けは、疾患状態(例えば、自閉症、ADHD、がんなど)の有無、生理学的パラメータ(例えば、体重、身長、肥満度指数)、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。
【0039】
いくつかの場合、本明細書中で提供される開示は、図2に示すように、生体試料のトポグラフィーを決定するための方法121を説明する。いくつかの場合、本方法は、(a)対象の生体試料を受け取る工程122、(b)固定具中に生体試料を取り付ける工程126、(c)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体を生体試料に接触させる工程128、(d)生体試料の表面の多次元データセットを生成する工程130、(e)多次元データセットを表す定量的尺度(すなわち、特徴)を導き出す工程132、(f)対象の健康メタデータと多次元データセットの定量的尺度との相関的データに基づき、予測モデルを生成する工程134、および(g)予測モデルを用いて、健康アウトカムと相関性がある特徴および/または表現型特性付けを予測するための歯のトポグラフィーの尺度に対する対象のスコアを提供する工程135を含んでもよい。いくつかの場合、工程(a)~(c)を、生体試料を撮像することと置き換えることにより、生体試料の表面の多次元データセットを生成してもよい。いくつかの場合、本方法は、(b)固定具中に生体試料を取り付けるために、生体試料の表面を洗浄すること124をさらに含んでもよい。いくつかの例において、生体試料の表面を洗浄することにより、生体試料表面の測定されるトポグラフィーに悪影響を与えかねない汚れ、くず、またはその他の粒子を除去してもよい。いくつかの例において、生体試料の表面を洗浄することは、洗浄後に残留物を残さない湿ったリントフリーの布または生地を用いて洗浄してもよい。いくつかの場合、脱イオン水は、キムワイプとともに用いることで、生体試料の表面を洗浄してもよい。いくつかの例において、生体試料は、ex-vivoまたはin-vivoでの生体試料(例えば、対象の口内の対象の歯と比較した対象の抜去歯)を含んでもよい。いくつかの場合、本方法は、圧縮性本体を生体試料に接触させる前に、標準ガラス、ボールグリッドアレイ(BGA)、グルーブターゲット、バリデーションプレート、またはそれらのいずれかの組合せの上で圧縮性本体を較正することをさらに含んでもよい。いくつかの例において、圧縮性本体の空間的位置は、解放可能にロックできてもよい。
【0040】
いくつかの場合、固定具110は、パテ、機械的取付具、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの例において、固定具は、本明細書中の他の箇所で説明されている装置を用いて、生体試料の表面のトポグラフィーデータセットを決定する際に、生体試料の動きを限定または制限してもよい。いくつかの例において、少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサは、生体試料の照明の開始、生体試料の照明の休止、生体試料の照明の停止、少なくとも1つのセンサによるトポグラフィーデータセットの収集の開始、少なくとも1つのセンサによるトポグラフィーデータセットの収集の休止、少なくとも1つのセンサによるトポグラフィーデータセットの収集の停止、またはそれらのいずれかの組合せのアクションを行うよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのためのいずれかの組合せと電気通信していてもよい。いくつかの場合、多次元データセットは、少なくとも一次元を含む。いくつかの場合、本方法は、トポグラフィーデータセットおよび対応する対象の健康メタデータによりモデルを訓練することにより訓練された予測モデルを生成する工程を含んでもよい。
【0041】
いくつかの場合、本明細書中で提供される開示は、対象の表現型特性付けと相関する1つ以上の特徴の特徴重要度スコアを出力するための方法を説明する。いくつかの場合、本方法は、(a)対象の生体試料を受け取る工程、(b)固定具中に生体試料を取り付ける工程、(c)少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサに光学的に結合された圧縮性本体を生体試料の表面に接触させる工程であって、少なくとも1つの光源が、少なくとも1つのセンサにより検出された生体試料の表面の多次元データセットを生成する、工程、(d)多次元データセットを解析することにより、生体試料の表面の多次元データセットの1つ以上の特徴を決定する工程、および(e)トポグラフィーデータセットの1つ以上の特徴の特徴重要度スコアを出力する工程を含んでもよい。いくつかの場合、工程(a)~(c)を、1以上の対象の1つ以上のin-vivoでの生体試料を撮像することと置き換えることにより、1つ以上のin-vivoでの生体試料の表面の多次元データセットを生成してもよい。いくつかの場合、本方法は、(b)固定具中に生体試料を取り付けるために、生体試料の表面を洗浄することをさらに含んでもよい。いくつかの例において、生体試料の表面を洗浄することにより、生体試料表面の測定されるトポグラフィーに悪影響を与えかねない汚れ、くず、またはその他の粒子を除去してもよい。いくつかの例において、生体試料の表面を洗浄することは、洗浄後に残留物を残さない湿ったリントフリーの布または生地を用いて洗浄してもよい。いくつかの場合、脱イオン水は、キムワイプとともに用いることで、生体試料の表面を洗浄してもよい。いくつかの例において、生体試料は、ex-vivoまたはin-vivoでの生体試料(例えば、対象の口内の対象の歯と比較した対象の抜去歯)を含んでもよい。いくつかの場合、本方法は、圧縮性本体を生体試料に接触させる前に、標準ガラス、ボールグリッドアレイ(BGA)、グルーブターゲット、バリデーションプレート、またはそれらのいずれかの組合せの上で圧縮性本体を較正することをさらに含んでもよい。いくつかの例において、圧縮性本体の空間的位置は、解放可能にロックできてもよい。
【0042】
いくつかの場合、トポグラフィーデータセットの1つ以上の特徴は、1つ以上のエクスポゾームシグネチャと相関しているか、または関連付けられていてもよい。いくつかの例において、1つ以上のエクスポゾームシグネチャは、金属イオン濃度を含んでもよい。いくつかの場合、金属イオンは、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ヒ素(As)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、およびクロム(Cr)を含む化学元素のイオンを含んでもよい。いくつかの例において、時間的金属イオン濃度は、標準的な質量分析法により対象の生体試料から決定される。
【0043】
いくつかの場合、固定具は、パテ、機械的取付具、粘着剤、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの例において、固定具は、本明細書中の他の箇所で説明されている装置を用いて、生体試料の表面のトポグラフィーデータセットを決定する際に、生体試料の動きを限定または制限してもよい。いくつかの例において、少なくとも1つの光源および少なくとも1つのセンサは、生体試料の照明の開始、生体試料の照明の休止、生体試料の照明の停止、少なくとも1つのセンサによるトポグラフィーデータセットの収集の開始、少なくとも1つのセンサによるトポグラフィーデータセットの収集の休止、少なくとも1つのセンサによるトポグラフィーデータセットの収集の停止、またはそれらのいずれかの組合せのアクションを行うよう構成されたボタン、スイッチ、トリガー、またはそれらのためのいずれかの組合せと電気通信していてもよい。いくつかの場合、多次元データセットは、少なくとも一次元を含む。いくつかの場合、本方法は、トポグラフィーデータセットおよび対応する対象の健康メタデータによりモデルを訓練することにより訓練された予測モデルを生成する工程を含んでもよい。
【0044】
いくつかの場合、本明細書中で提供される開示は、1以上の対象の表現型特性の表現型特性付けを出力するための予測モデルを訓練する方法を説明する。いくつかの場合、本開示の方法は、(a)対象の第1のセットから1つ以上のex-vivoでの生体試料と表現型特性付けデータを受け取る工程、(b)対象の第1のセットの1つ以上の生体試料の表面の第1のトポグラフィーデータセットを決定する工程、(c)第1のトポグラフィーデータセットの特徴の第1のセットを計算する工程、および(d)特徴の第1のセットと対象の第1のセットの表現型データとにより予測モデルを訓練することにより、訓練された予測モデルがトポグラフィーデータの第2のセットの特徴の第2のセットとともに入力されたときに、1以上の対象の第2のセットの表現型特性付けを出力するよう構成された訓練された予測モデルを生成する工程を含んでもよい。いくつかの場合、工程(a)および(b)を、1以上の対象の1つ以上のin-vivoでの生体試料を撮像することと置き換えてもよい。いくつかの例において、対象の第1のセットと第2のセットとは、同じまたは異なっている。
【0045】
いくつかの例において、特徴の第1または第2のセットは、二次元表面プロファイルにおいて検出されたピークの数、一次元表面プロファイルにおいて検出されたピークの数、1つ以上のピークの傾き、トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せのトポグラフィーデータの特徴を含んでもよい。いくつかの例において、特徴の第1または第2のセットは、表面トポグラフィーデータへの再帰定量化解析の適用から得られる測定値を含んでもよい。いくつかの例において、特徴の第1または第2のセットは、表面トポグラフィーデータから得られる尺度、とりわけ、ピーク間隔への再帰定量化解析の適用から得られる測定値を含んでもよい。いくつかの例において、特徴の第1または第2のセットは、情報理論の側面に関わる表面トポグラフィーデータの尺度、とりわけ、表面トポグラフィー波形におけるシャノンエントロピー、またはピーク間隔におけるシャノンエントロピーの導出に関わってもよい。いくつかの場合、第1または第2の特徴は、トポグラフィーデータの線形プロファイルを含んでもよい。いくつかの例において、プロファイルは、本明細書中の他の箇所で説明されているユーザインタフェース上に、ユーザまたはオペレータにより描かれてもよい。いくつかの例において、線形プロファイルは、トポグラフィーデータセットの解剖学的に共登録された領域から取り出されてもよい。いくつかの場合、解剖学的に共登録された領域は、ex-vivoまたはin-vivoでの歯の歯冠の切縁から歯頚端の間の線形セグメントを含んでもよい。いくつかの場合、特徴の第1または第2のセットは、線形プロファイルの凹凸、平均高さ、またはそれらのいずれかの組合せのパラメータを含んでもよい。
【0046】
いくつかの場合、対象の第1のセットの表現型特性付けは、疾患状態(例えば、自閉症、ADHD、がんなど)の有無、生理学的パラメータ(例えば、体重、身長、肥満度指数)、知能指数および/または認知尺度を含む心理的発達の側面、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの場合、対象の第1のセットの1つ以上の生体試料からの第1のトポグラフィーデータセットを決定することは、本明細書中の他の箇所で説明されている卓上システムにより達成されてもよい。
【0047】
いくつかの場合、本明細書中で提供される開示は、1以上の対象のトポグラフィーデータセットの表現型特性付けを予測する方法を説明する。いくつかの例において、本方法は、(a)1以上の対象から1つ以上の生体試料と表現型データを受け取る工程、(b)1以上の対象の1つ以上の生体試料からトポグラフィーデータを決定する工程、(c)トポグラフィーデータの特徴のセットを計算する工程、および(d)訓練された予測モデルに、入力として1以上の対象の特徴のセットが入力として提供されたときに、訓練された予測モデルの出力として表現型特性付けを予測する工程を含んでもよい。いくつかの場合、工程(a)および(b)を、1以上の対象の1つ以上のin-vivoでの生体試料を撮像することと置き換えてもよい。
【0048】
いくつかの例において、特徴のセットは、検出されたピークの数、1つ以上のピークの傾き、トポグラフィーデータにわたる二次元勾配、またはそれらのいずれかの組合せのトポグラフィーデータの特徴を含んでもよい。いくつかの例において、特徴の第1または第2のセットは、表面トポグラフィーデータへの再帰定量化解析(RQA)の適用から得られる測定値を含んでもよい。
【0049】
RQAは、トポグラフィー表面データから得られる特徴を視覚化および解析するリカレンスプロットの構成を含んでもよい。そのようなリカレンスプロットは、空間測定値における位相性プロセス(phasic processes)を例示してもよい。生体試料、例えば、歯の試料の表面から測定された空間的トポグラフィーから、追加の次元が計算的に得られることで、空間測定値を相図と呼ばれるより高次元の空間内に埋め込んでもよく、ここでxはトポグラフィーデータセットの次元を指し、次元(x+τ)および(x+2τ)は、間隔τだけずれた当初の空間次元から得られ得る。その後、埋め込まれた相図上で次の解析が行われることで、リカレンスプロットおよび再帰定量化解析を構成してもよい。リカレンス定量化プロットは、相図内の各点へのしきい値関数の適用により相図から得られ得る。典型的には白黒空間として表される正方2値行列からなる対応するリカレンスプロット上で、所与の点には、割り当てられたしきい値の境界の空間的限界を相図内の別の点が共有している各空間間隔において値1が割り当てられる。RQA法は、システムが同じ状態を再訪するとき黒点が空間間隔を反映している状態で、所与のシステムにおける状態間の間隔を調べるためにリカレンスプロットに適用されてもよい。システムが所与の状態パターンを連続的に繰り返す周期的プロセスは、黒い対角線としてリカレンスプロットに現れてもよく、一方、安定性の周期は、疑似反復が黒点、ユニークなイベントが白い空間となる正方形構造として現れてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、リカレンスプロットは、(例えば、トポグラフィーデータセットの2つ以上の次元の相互作用的な周期パターンを視覚化するために)トポグラフィーデータの1つの空間次元または2つ以上の次元の組合せについて構成され得る。これは、交差再帰定量化解析、またはジョイント再帰定量化解析と呼ばれ得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、データ解析は、リカレンスプロットに関連付けられた特徴のセットを得るために、リカレンスプロットを解析することを含んでもよい。「律動性特徴」または「動的特徴」という用語と互換可能である上記特徴は、トポグラフィーデータセットの1つ以上の次元に存在する周期性、予測可能性、および推移性を説明する定量的尺度を提供する。上記特徴は、再帰率、決定性、対角線の平均長さ、対角線の最大長さ、発散、対角線の長さにおけるシャノンエントロピー、再帰におけるトレンド、ラミナリティ(laminarity)、停留時間(trapping time)、縦線の最大長さ、縦線の長さにおけるシャノンエントロピー、平均再帰時間、再帰時間におけるシャノンエントロピー、最も確からしい再帰の数(number of the most probable recurrences)、および/またはそれらのいずれかの組合せを含むセットから選択される。
【0052】
いくつかの例において、特徴の第1または第2のセットは、表面トポグラフィーデータから得られる尺度、とりわけ、ピーク間隔への再帰定量化解析(RQA)の適用から得られる測定値を含んでもよい。いくつかの例において、特徴の第1または第2のセットは、情報理論の側面に関わる表面トポグラフィーデータの尺度、とりわけ、表面トポグラフィー波形におけるシャノンエントロピー、またはピーク間隔におけるシャノンエントロピーの導出に関わってもよい。いくつかの場合、特徴のセットは、トポグラフィーデータの線形プロファイルを含んでもよい。いくつかの例において、プロファイルは、本明細書中の他の箇所で説明されているユーザインタフェース上に、ユーザまたはオペレータにより描かれてもよい。いくつかの例において、線形プロファイルは、トポグラフィーデータセットの解剖学的に共登録された領域から取り出されてもよい。いくつかの場合、解剖学的に共登録された領域は、ex-vivoまたはin-vivoでの歯の歯冠の切縁から歯頚端の間の線形セグメントを含んでもよい。いくつかの場合、特徴のセットは、線形プロファイルの凹凸、平均高さ、またはそれらのいずれかの組合せのパラメータを含んでもよい。
【0053】
いくつかの例において、表面トポグラフィーデータ、または検出ピーク、ピーク間隔、もしくは表面トポグラフィーの測定された凹凸などの表面トポグラフィーデータの得られた特徴に再帰定量化解析を適用することにより、信号再帰率、決定性、対角線の平均長さ、対角線の最大長さ、発散、対角線の長さにおけるシャノンエントロピー、再帰におけるトレンド、ラミナリティ、停留時間、縦線の最大長さ、縦線の長さにおけるシャノンエントロピー、平均再帰時間、再帰時間におけるシャノンエントロピー、最も確からしい再帰の数、またはそれらのいずれかの組合せを含む尺度がもたらされてもよい。
【0054】
いくつかの例において、表面トポグラフィーデータから、または検出ピーク、ピーク間隔などの表面トポグラフィーデータの得られた特徴からの特徴の導出は、リアプノフ指数の推定、エントロピー推定、収束的交差写像、非線形モデリングおよびパラメータ推定、変化点推定、表面トポグラフィーデータもしくは表面トポグラフィーデータから得られた特徴の周波数領域表現、表面トポグラフィーデータ、表面トポグラフィーデータから得られた特徴のパワースペクトル領域表現、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。
【0055】
いくつかの例において、表面トポグラフィーデータ、または検出ピーク、ピーク間隔、もしくは表面トポグラフィーの測定された凹凸などの表面トポグラフィーデータの得られた特徴の解析から得られた再帰行列は、ネットワークベースのモデルへと拡張してもよく、ここで、ネットワークの接続性、効率性、特徴の重要性、経路の重要性、および関連するグラフ理論ベースのメトリクスを表す特徴が得られてもよい。
【0056】
RQAの方法および特徴は、例えば、Webberらによる「Simpler Methods Do It Better:Success of Recurrence Quantification Analysis as a General Purpose Data Analysis Tool」、Physics Letters A 373、3753~3756頁(2009)、およびMarwanらによる「Recurrence Plots for the Analysis of Complex Systems」、Physics Reports 438、237~239頁(2007)において説明されており、各文献の内容は、参照により全体として本明細書中に組み込まれる。いくつかの実施形態において、トポグラフィーデータの空間次元は、フーリエ変換、ウェーブレット解析、およびコサイナー解析などの他の解析方法を用いることにより解析される。そのような技法を適用することで、周波数成分およびその関連付けられたパワーのスペクトル解析を含む類似のメトリクスを得ることができる。これらのメトリクスおよび関連付けられた導出尺度は、予測分類を目的として生体試料の表面から得られるトポグラフィーデータの1つ以上の空間次元を解析するために、RQAから得られる特徴の代わりに用いられてもよい。
【0057】
いくつかの例において、表面トポグラフィーデータの解析から得られる特徴を利用する機械学習予測モデルは、1つ以上の統計的、機械学習、または人工知能アルゴリズムを含んでもよい。利用されるアルゴリズムの例としては、勾配ブースティングアンサンブル学習者、サポートベクタマシン(SVM)、ナイーブベイズ分類、ランダムフォレスト、(ディープニューラルネットワーク(DNN)、回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、ディープRNN、長・短期記憶(LSTM)回帰型ニューラルネットワーク(RNN)、もしくはゲート付き回帰型ユニット(GRU)などの)ニューラルネットワーク、または分類および回帰のためのその他の教師あり学習アルゴリズムもしくは教師なし機械学習、統計的またはディープラーニングアルゴリズムが挙げられ得る。機械学習分類子は、同様に、複数の予測モデルからなるアンサンブルモデルの推定を含み、かつ例えば、勾配ブースティング決定木の構成における勾配ブースティングなどの技法を利用し得る。機械学習分類子は、対象のデータに対応する1つ以上の訓練データセットを用いて訓練されてもよい。いくつかの実施形態において、1つ以上の訓練データセットは、エクスポゾーム生化学的シグネチャ、ダイナミックエクスポゾーム生化学的シグネチャ、臨床メタデータ、臨床試験情報、医薬および栄養補助処置のエクスポゾーム生化学的シグネチャ情報、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施形態において、分類子は、ニューラルネットワークまたは畳み込みニューラルネットワークである。Vincentらによる2010年、「Stacked denoising autoencoders:Learning useful representations in a deep network with a local denoising criterion」、J Mach Learn Res 11、3371~3408頁、Larochelleらによる2009年、「Exploring strategies for training deep neural networks」、J Mach Learn Res 10、1~40頁、およびHassounによる1995年、Fundamentals of Artificial Neural Networks(人工ニューラルネットワークの基礎)、マサチューセッツ工科大学を参照のこと。これら各文献は、参照により本明細書中に組み込まれる。
【0059】
SVMは、CristianiniおよびShawe-Taylorによる2000年、「An Introduction to Support Vector Machines」、ケンブリッジ大学出版局、ケンブリッジ、Boserらによる1992年、「A training algorithm for optimal margin classifiers」、計算論的学習理論に関する第5回年次ACMワークショップ予稿集、ACMプレス、ペンシルバニア州ピッツバーグ、142~152頁、Vapnikによる1998年、Statistical Learning Theory(統計的学習理論)、ワイリー、ニューヨーク、Mountによる2001年、Bioinformatics:sequence and genome analysis(バイオインフォマティクス:シーケンスおよびゲノム解析)、コールド・スプリング・ハーバー研究所出版局、ニューヨーク州コールド・スプリング・ハーバー、DudaによるPattern Classification(パターン分類)、第2版、2001年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、259、262~265頁、およびHastieによる2001年、The Elements of Statistical Learning(統計的学習の基礎)、Springer、ニューヨーク、ならびにFureyらによる2000年、Bioinformatics 16(バイオインフォマティクス16)、906~914頁に説明されており、これら各文献は、参照により全体として本明細書中に組み込まれる。分類に用いられるとき、SVMは、2値ラベル付けされたデータの所与のセットを、該ラベル付けされたデータから最大距離離れた超平面により分離する。線形分離が不可能である場合については、SVMは、特徴空間への非線形写像を自動的に実現する「カーネル」の技法と組み合わせて機能し得る。特徴空間においてSVMにより発見された超平面は、入力空間における非線形決定境界に相当する。
【0060】
決定木は、Dudaによる2001年、Pattern Classification(パターン分類)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、ニューヨーク、395~396頁により概説されており、本文献は、参照により本明細書に組み込まれる。木ベースの方法は、特徴空間を複数の長方形のセットに分割し、その後、それぞれにモデルを(定数のように)フィッティングする。いくつかの実施形態において、決定木は、ランダムフォレスト回帰である。用いることができる1つの具体的なアルゴリズムは、分類回帰木(CART)である。その他の具体的な決定木アルゴリズムには、ID3、C4.5、MART、およびランダムフォレストが含まれるが、これらに限定されない。CART、ID3、およびC4.5は、Dudaによる2001年、Pattern Classification(パターン分類)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、ニューヨーク。396~408頁および411~412頁において説明されており、本文献は、参照により本明細書に組み込まれる。CART、MART、およびC4.5は、Hastieらによる2001年、The Elements of Statistical Learning(統計的学習の基礎)、シュプリンガー・フェアラーク、ニューヨーク、チャプター9において説明されており、本文献は、参照により全体として本明細書中に組み込まれる。ランダムフォレストは、Breimanによる1999年、「Random Forests-Random Features」、Technical Report 567、カリフォルニア大学バークレー校統計学部、1999年9月において説明されており、本文献は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0061】
クラスタリング(例えば、教師なしクラスタリングモデルアルゴリズムおよび教師ありクラスタリングモデルアルゴリズム)は、DudaおよびHartによるPattern Classification and Scene Analysis(パターン分類および情景解析)、1973年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、ニューヨーク、(以下、「Duda1973年」と呼ぶ)の211~256頁において説明されており、本文献は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。Duda1973年のセクション6.7において説明されているように、クラスタリング問題は、データセットにおいて自然的分類を発見するものとして説明されている。自然的分類を識別するために、2つの問題が対処される。第一に、2つの試料間の類似度(または非類似度)を測定する方法が決定される。このメトリック(類似度尺度)は、1つのクラスタにおける試料同士が、他のクラスタにおける試料に対してより類似しているということを保証するために用いられる。第二に、類似度尺度を用いてデータをクラスタに分割する機構が決定される。類似度尺度は、Duda1973年のセクション6.7において取り上げられており、そこで、クラスタリング調査を開始する1つの方法は、距離関数を定義し、訓練セットにおける試料のすべての対間の距離の行列を計算することであると述べられている。もし距離が類似度の良好な尺度なのであれば、同一クラスタにおける参照エンティティ間の距離は、異なるクラスタにおける参照エンティティ間の距離より大幅に小さいだろう。しかし、Duda1973年の215頁に述べられているように、クラスタリングは、距離メトリックの使用を要求していない。例えば、非メトリック類似度関数s(x,x’)を用いて、2つのベクトルxおよびx’を比較することができる。従来、s(x,x’)は、xとx’とが何かしら「類似している」ときに値が大きくなる対称関数である。非メトリック類似度関数s(x,x’)の一例は、Duda1973年の218頁に記載されている。一旦、データセットにおける点間の「類似度」または「非類似度」を測定するための方法が選択されると、クラスタリングは、データのいずれかの分割のクラスタリング品質を測定する基準関数を要求する。基準関数を極端化するデータセットの分割を用いることで、データをクラスタ化する。Duda1973年の217頁を参照のこと。基準関数は、Duda1973年のセクション6.8において取り上げられている。より最近では、DudaらによるPattern Classification(パターン分類)、第2版、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、New Yorkが出版されている。537~563頁でクラスタリングが詳説されている。クラスタリング技法についてのさらなる情報は、KaufmanおよびRousseeuwによる1990年、Finding Groups in Data:An Introduction to Cluster Analysis(データにおけるグループの発見:クラスタ解析入門)、Wiley、ニューヨーク州ニューヨーク、Everittによる1993年、Cluster analysis(クラスタ解析)(第3版)、Wiley、ニューヨーク州ニューヨーク、ならびにBackerによる1995年、Computer-Assisted Reasoning in Cluster Analysis(クラスタ解析におけるコンピュータ支援推論)、Prentice Hall、ニュージャージー州アッパーサドルリバーにおいて入手可能であり、各文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示において用いることができる特に例示的なクラスタリング技法には、階層的クラスタリング(最近隣アルゴリズム、最遠隣アルゴリズム、平均連結アルゴリズム、重心アルゴリズム、または平方和アルゴリズムを用いる凝集クラスタリング)、k平均クラスタリング、ファジーk平均クラスタリングアルゴリズム、およびJarvis-Patrickクラスタリングが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、クラスタリングは、教師なしクラスタリングを含み、ここでは、訓練セットがクラスタ化される際、クラスタが何を形成すべきかについての既成概念にとらわれない。
【0062】
複数カテゴリロジットモデルのものなどの回帰モデルは、AgrestiによるAn Introduction to Categorical Data Analysis(分類別データ解析入門)、1996年、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、ニューヨーク、チャプター8において説明されており、本文献は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、分類子は、Hastieらによる2001年、The Elements of Statistical Learning(統計的学習の基礎)、シュプリンガー・フェアラーク、ニューヨークにおいて開示されている回帰モデルを利用しており、本文献は、参照により全体として本明細書中に組み込まれる。いくつかの実施形態において、勾配ブースティングモデルは、例えば、本明細書中で説明される分類アルゴリズムのために用いられ、これら勾配ブースティングモデルは、Bradley Boehmke、Brandon Greenwell(2019)による「Gradient Boosting(勾配ブースティング)」。Hands-On Machine Learning with R(Rによる実践的機械学習)。Chapman&Hall。221~245頁。ISBN978-1-138-49568-5において説明されており、本文献は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態において、アンサンブルモデリング技法は、例えば、本明細書中で説明される分類アルゴリズムのために用いられ、これらアンサンブルモデリング技法は、本明細書中で分類モデルの実装において説明され、Zhou Zhihua(2012)によるEnsemble Methods:Foundations and Algorithms(アンサンブル法:基礎とアルゴリズム)。Chapman and Hall/CRC。ISBN978-1-439-83003-1において説明されており、本文献は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0063】
いくつかの実施形態において、機械学習解析は、データ解析を行う命令を含む1つ以上のプログラム(例えば、図6に示されている非永続型メモリ(すなわち、RAMもしくはROM)604または記憶装置606(すなわち、ハードディスク)に記憶されている1つ以上のプログラム)を実行する装置により行われてもよい。いくつかの実施形態において、データ解析は、データ解析を行う命令を含む少なくとも1つのプロセッサ(例えば、処理コア605)と、メモリ(例えば、非永続型メモリ604または記憶装置606に記憶された1つ以上のプログラム)とを含むシステムにより行われる。
【0064】
いくつかの場合、1以上の対象の表現型特性付けは、疾患状態(例えば、自閉症、ADHD、がんなど)の有無、生理学的パラメータ(例えば、体重、身長、肥満度指数)、知能指数および/または認知尺度を含む心理的発達の側面、またはそれらのいずれかの組合せを含んでもよい。いくつかの場合、1以上の対象の1つ以上の生体試料からのトポグラフィーデータセットを決定することは、本明細書中の他の箇所で説明されている卓上および/またはハンドヘルドシステムにより達成されてもよい。
【0065】
いくつかの場合、本明細書中の他の箇所で説明されている、表現型特性の予測にあたり計算された特徴のセットのうちの1つ以上の特徴の精度は、図3A図3B図4A図4B、および図5A図5Bに示される実験データから分かるように解析されてもよい。いくつかの場合、特徴のセットのうちの1つ以上の特徴は、図5Aに記載の通り、知能指数(IQ)の表現型特性付けを予測してもよい。あるいは、またはさらに、特徴のセットのうちの1つ以上の特徴は、疾患状態、例えば、自閉症、ADHD、がんの有無、生理学的パラメータ、例えば、体重(図3B)、身長(図3Aおよび図4A)、肥満度指数(図4B)、認知総合スコア(図5B)、またはそれらのいずれかの組合せの表現型特性付けを予測してもよい。いくつかの例において、装置は、図7A図7Iに示されるように、対象の生体組織または組織試料、例えば、歯状組織中に集まる場合がある、本明細書中の他の箇所で説明されている、必須元素または非必須元素などの化学的バイオマーカーの濃度を予測するために特徴のセットのうちの1つ以上の特徴を利用してもよい。
【0066】
上記工程は、実施形態に係る方法または動作セットの各々を示しているが、当業者は、本明細書中で説明される教示に基づいて数多くの変形を認識するだろう。工程は、異なる順序で完了されてもよい。工程は、追加や省略されてもよい。工程のいくつかは、サブ工程を含んでもよい。工程の多くは、有益なだけ反復してもよい。
【0067】
方法または動作セットの各々の工程のうちの1つ以上は、本明細書中で説明される回路構成、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ用のプログラマブルアレイロジックなどのプロセッサまたは論理回路構成のうちの1つ以上により行われてもよい。回路構成は、方法または動作セットの各々の工程のうちの1つ以上を提供するようプログラムされてもよく、プログラムは、コンピュータ読取り可能なメモリ上に記憶されたプログラム命令または、例えば、プログラマブルアレイロジックやフィールドプログラマブルゲートアレイなどの論理回路構成のプログラムされた工程を含んでもよい。
【0068】
定義
他に定義されない限り、本明細書中で用いられるすべての技術用語、表記およびその他の科学用語または術語は、請求されている主題が属する分野における当業者により一般に理解されているのと同じ意味を有すると意図されている。いくつかの場合、一般に理解されている意味を有する用語は、明確性のためおよび/またはすぐに参照できるように本明細書中で定義されており、本明細書中にそのような定義を含めることは、当該技術において一般的に理解されていることとの実質的な相違を表すと必ずしも解釈されるべきでない。
【0069】
本願全体を通して、さまざまな実施形態が範囲形式で示されることがある。なお、範囲形式での記載は、便宜および簡潔さのために過ぎず、本開示の範囲に対して確固たる限定とは解釈されるべきでない。よって、範囲の記載は、あり得るすべての部分範囲、および、その範囲内の個々の数値を特定して開示したものと考えられねばならない。例えば、1~6といった範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の、例えば、1、2、3、4、5、および6のような個々の数値を特定して開示したものと考えられねばならない。これは、範囲の広さに関わらず該当する。
【0070】
本明細書および請求項中で使用されるとき、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別の意味に解されるのでない限り、複数の参照対象を含む。例えば、「a sample(試料)」という用語は、その混合物を含む複数の試料を含む。
【0071】
「決定する(determining)」、「測定する(measuring)」、「評価する(evaluating)」、「査定する(assessing)」、「分析する(assaying)」、および「解析する(analyzing)」という用語は、測定の形態に言及するために本明細書中でしばしば交換可能に用いられる。上記用語は、ある要素が存在するか否かを決定すること(例えば、検出)を含む。これらの語は、定量的決定、定性的決定、または定量的および定性的決定を含み得る。査定は、相対的または絶対的であり得る。「の存在を検出すること」は、文脈次第で、あるものが存在するか存在しないかを決定することに加えて、存在しているものの量を決定することを含み得る。
【0072】
「対象」、「個体」、または「患者」という用語は、本明細書中でしばしば交換可能に用いられる。「対象」は、発現した遺伝物質を含む生物学的実体であり得る。生物学的実体は、植物、動物、または、例えば、細菌、ウイルス、菌、および原生動物を含む微生物であり得る。対象は、in vivoで得られた、またはin vitroで培養された生物学的実体の組織、細胞およびその子孫であり得る。対象は、哺乳類であり得る。哺乳類は、ヒトであり得る。対象は、ある疾患と診断されているか、またはそのリスクが高い疑いがある場合がある。いくつかの場合、対象は必ずしも、該疾患と診断されているか、またはそのリスクが高い疑いがなくともよい。
【0073】
「in vivo」という用語は、対象の身体内で起こる事象の説明用に用いられる。
【0074】
「ex vivo」という用語は、対象の身体外で起こる事象の説明用に用いられる。ex vivoアッセイは、対象に対しては行われない。むしろ、対象とは分離された試料に対して行われる。試料に対して行われるex vivoアッセイの一例は、「in vitro」アッセイである。
【0075】
「in vitro」という用語は、材料が得られる生物源とは分離されるように実験用試薬を保持するための容器に収容されて起こる事象の説明用に用いられる。In vitroアッセイは、生きている細胞または死んだ細胞が使用される細胞ベースアッセイを包含し得る。In vitroアッセイはまた、無傷細胞が使用されない無細胞アッセイをも包含し得る。
【0076】
本明細書中で使用されるとき、「約(about)」という用語とある数値は、その数値プラスマイナス10%の数値を指す。「約」という用語とある範囲は、その下限値マイナス10%から上限値プラス10%までの範囲を指す。
【0077】
本明細書中で使用されるとき、「治療(treatment)」または「治療する(treating)」という用語は、受け手において有益または所望の結果を得るための医薬またはその他の介入レジメンに関連して用いられる。有益または所望の結果は、治療上の利益および/または予防的利益を含むが、これらに限定されない。治療上の利益は、症状もしくは治療中の基礎疾患の根絶または軽快を指してもよい。また、治療上の利益は、対象は依然として基礎疾患に苦しんでいるかもしれないものの、対象において改善が観察されるような、基礎疾患に関連する生理的症状の1つ以上の根絶または軽快により達成可能である。予防効果としては、疾患もしくは病態の出現を遅延、防止もしくは除去すること、疾患もしくは病態の症状の徴候を遅延もしくは除去すること、疾患もしくは病態の進行を減速、停止もしくは反転させること、またはそれらのいずれかの組合せが挙げられる。予防的利益のために、ある特定の疾患を発症するリスクのある対象、またはある疾患の生理的症状のうちの1つ以上を報告している対象は、その疾患の診断が下されておらずとも治療を受けてもよい。
【0078】
本明細書中で用いられる項目の表題は、整理目的に過ぎず、説明される主題を限定するものとして解釈されるべきでない。
【実施例
【0079】
以下の実施例は、例示目的のみで含まれており、本発明の範囲を限定する意図はない。
【0080】
実施例1:小児の測定身長および体重に対する予測因子としての歯のトポグラフィーデータ
人口ベースのコホート研究で収集された52人の対象の試料セットにおいて、ex vivoでの歯を、TPEゲルカートリッジを有する、本明細書中の他の箇所で説明されている卓上システムにより解析した。抜けた時点から1~5年までの間にex vivoでの歯試料を得た。その後、本明細書中の他の箇所で説明されている卓上システムによりそれぞれの歯をスキャンすることで、歯の上面の3Dトポグラフィーデータセットを生成した。その後、本明細書中の他の箇所で説明されているように3Dトポグラフィーデータセットを解析することで、3Dトポグラフィーデータセットの1つ以上の特徴を生成した。3Dトポグラフィーデータセットから計算されたそのような特徴のうちの1つは、歯冠の口唇/頬側の歯冠の歯の切縁から歯頚端までで測定された3Dトポグラフィーデータセットの線形プロファイルを含んでいた。歯のトポグラフィーを表す他の特徴を説明したように得て、臨床通院時に測定した身長および体重を含む6歳時の人体計測的特徴を予測するモデルの構成において用いた。図3Aは、各試料について、該試料に関連付けられた小児の測定身長と、歯のトポグラフィー用に得られたデータについて訓練されたモデルに基づいた小児の予測身長とを示している。身長の予測値は、身長の測定値と相関が高く(r=0.98)、予測モデルの精度が高いことを示していた。図3Bは、各試料について、該試料に関連付けられた小児の測定体重と、該試料の歯のトポグラフィーから得られた特徴について訓練されたモデルに基づいた小児の予測体重とを示している。BMI小児体重の予測値は、体重の測定値と相関が高く(r=0.92)、予測モデルの精度が高いことを示していた。
【0081】
実施例2:小児の測定身長および体重に対する予測因子としての歯のトポグラフィーデータ
別の人口ベースのコホート研究で収集された150人の対象の試料セットにおいて、ex vivoでの歯を、TPEゲルカートリッジを有する卓上システムにより解析した。抜けた時点から1~5年までの間にex vivoでの歯試料を得た。その後、本明細書中の他の箇所で説明されている卓上システムによりそれぞれの歯をスキャンすることで、歯の上面の3Dトポグラフィーデータセットを生成した。その後、本明細書中の他の箇所で説明されているように3Dトポグラフィーデータセットを解析することで、3Dトポグラフィーデータセットの1つ以上の特徴を生成した。3Dトポグラフィーデータセットから計算されたそのような特徴のうちの1つは、歯冠の口唇/頬側の歯冠の歯の切縁から歯頚端までで測定された3Dトポグラフィーデータセットの線形プロファイルを含んでいた。歯のトポグラフィーを表すさらなる特徴を説明したように得て、臨床通院時に測定した身長および肥満度指数(BMI)を含む6歳時の人体計測的特徴を予測するモデルの構成において用いた。図4Aは、各試料について、該試料に関連付けられた小児の測定身長と、歯のトポグラフィー用に得られたデータについて訓練されたモデルに基づいた小児の予測身長とを示している。身長の予測値は、身長の測定値と相関が高く(r=0.97)、予測モデルの精度が高いことを示していた。図4Bは、各試料について、該試料に関連付けられた小児の測定BMIと、該試料の歯のトポグラフィーから得られた特徴について訓練されたモデルに基づいた予測BMIとを示している。BMIの予測値は、身長の測定値と相関が高く(r=0.99)、予測モデルの精度が高いことを示していた。
【0082】
実施例3:IQおよび小児認知総合スコアに対する予測因子としての歯のトポグラフィーデータ
(実施例2において見られた)人口ベースのコホート研究2で収集された150人の対象の試料セットにおいて、ex vivoでの歯を、TPEゲルカートリッジを有する卓上システムにより解析した。抜けた時点から1~5年までの間にex vivoでの歯試料を得た。その後、本明細書中の他の箇所で説明されている卓上システムによりそれぞれの歯をスキャンすることで、歯の上面の3Dトポグラフィーデータセットを生成した。その後、本明細書中の他の箇所で説明されているように3Dトポグラフィーデータセットを解析することで、3Dトポグラフィーデータセットの1つ以上の特徴を生成した。3Dトポグラフィーデータセットから計算されたそのような特徴のうちの1つは、歯冠の口唇/頬側の歯冠の歯の切縁から歯頚端までで測定された3Dトポグラフィーデータセットの線形プロファイルを含んでいた。また、説明したように歯のトポグラフィーを表す別の特徴を得て、IQおよび認知発達を予測するモデルの構成において用いた。これらの表現型特性は、標準的心理アッセイ、具体的にはそれぞれ、児童向けウェクスラー式知能検査(WISC)および児童向け行動評価システム(BASC)を用いて6歳時に測定した。図5Aは、各試料について、該試料に関連付けられた小児の測定IQと、歯のトポグラフィー用に得られたデータについて訓練されたモデルに基づいた小児の予測IQとを示している。予測IQスコアと測定IQスコアとは相関が高く(r=0.99)、予測モデルの精度が高いことを示していた。図5Bは、各小児についての測定認知総合スコアと、予測モデルに基づく予測認知総合スコアとを示している。測定認知総合スコアと予測認知総合スコアとの相関は高く(r=0.98)、モデルの精度の高い性能を示していた。
【0083】
実施例4:IQおよび小児認知総合スコアに対する予測因子としての歯のトポグラフィーデータ
人口ベースのコホートで収集された127人の対象の試料セット(実施例2の対象のサブセット)において、標準的な質量分析法により並行解析を実施することで、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ヒ素(As)、マンガン(Mn)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、およびクロム(Cr)を含む様々な化学元素の濃度を決定した。その後、説明したように(化学的解析の前に)歯のトポグラフィーを表す特徴を得て、元素バイオマーカー濃度を予測するモデルの構成において用いた。各元素について、質量分析法によりそれぞれの歯において測定された金属濃度を、歯の表面トポグラフィーの解析から得られる特徴について訓練されたモデルに基づき当該歯について予測された濃度に対してプロットした(図7A図7I)。モデル性能は精度が高く、測定元素濃度と予測元素濃度との相関は、0.87~0.96であった。より具体的には、Znについては(図7A)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.96であった。Pbについては(図7B)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.91であった。Cuについては(図7C)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.96であった。Asについては(図7D)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.87であった。Mnについては(図7E)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.91であった。Cdについては(図7F)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.90であった。Mgについては(図7G)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.91であった。Caについては(図7H)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.91であった。Crについては(図7I)、モデル性能は、測定値と予測値との相関がr=0.92であった。
【0084】
本明細書中で本発明の好適な実施形態を示し、説明したが、そのような実施形態がほんの一例として与えられていることは、当業者であれば自明のことであろう。本発明から逸脱することなく、数多くの変形、変更、および置換えが現在当業者に想定されるであろう。本明細書中で説明した本発明の実施形態の様々な代案は、本発明を実施するにあたり使用されてもよいことを理解されたい。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定することと、これら特許請求の範囲内の方法および構成ならびにそれらの均等物が請求項の範囲に包含されることが、意図されている。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図8A
図8B
【国際調査報告】