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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】膜ろ過アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/44 20230101AFI20241031BHJP
   B01D 61/36 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
C02F1/44 H
B01D61/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531326
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2022082546
(87)【国際公開番号】W WO2023094297
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】2151427-8
(32)【優先日】2021-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524196371
【氏名又は名称】エヌエスエス・ウォーター・エンハンスメント・テクノロジー・アクチエボラグ
【氏名又は名称原語表記】NSS Water Enhancement Technology AB
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】ホルムストレーム,ビョルン
【テーマコード(参考)】
4D006
【Fターム(参考)】
4D006GA27
4D006JA28B
4D006JA65Z
4D006JA67A
4D006KA67
4D006MA21
4D006MC23
4D006MC29
4D006MC30
4D006PA01
4D006PB06
(57)【要約】
本発明は、純水を提供するための膜ろ過アセンブリ(1)に関する。膜ろ過アセンブリ(1)は、純水を生産するように構成された膜ろ過器(2)であって、蒸発室(7)および凝縮室(8)を有し、蒸発室(7)および凝縮室(8)が膜(9)によって分離されている、膜ろ過器(2)と、膜ろ過器(2)に接続されており、純水を中間的に保存するための貯水槽(4)と、膜ろ過器(2)に接続された給水ユニット(3)と、貯水槽(4)に接続された純水ディスペンサツール(5)と、を含む。貯水槽(4)は、純水を中間的に保存するための少なくとも2つのタンク(11a、11b)を含み、タンク(11a、11b)は、膜ろ過器(2)と純水ディスペンサツール(5)との間において並列に接続されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
純水を提供するための膜ろ過アセンブリ(1)であって、
純水を生産するように構成された膜ろ過器(2)であって、蒸発室(7)および凝縮室(8)を有し、前記蒸発室(7)および前記凝縮室(8)が膜(9)によって分離されている、膜ろ過器(2)と、
前記膜ろ過器(2)に接続されており、純水を中間的に保存するための貯水槽(4)と、
前記膜ろ過器(2)に接続された給水ユニット(3)と、
前記貯水槽(4)に接続された純水ディスペンサツール(5)と、
を含み、
前記貯水槽(4)は、純水を中間的に保存するための少なくとも2つのタンク(11a、11b)を含み、前記タンク(11a、11b)は、前記膜ろ過器(2)と前記純水ディスペンサツール(5)との間において並列に接続されている、
膜ろ過アセンブリ。
【請求項2】
前記タンク(11a、11b)のそれぞれは、
前記膜ろ過器(2)に接続されており、制御可能な中間弁(14)を有する、中間管(13)と、
前記純水ディスペンサツール(5)に接続されており、制御可能な出口弁(16)を有する、出口管(15)と、
を含む、
請求項1に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項3】
前記タンク(11a、11b)のそれぞれは、
制御可能な排出弁(18)を有し、前記ディスペンサツール(5)を迂回している、排出管(17)
を含む、
請求項1または2に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項4】
前記膜ろ過アセンブリは、ガス源(19)を含み、
前記タンク(11a、11b)のそれぞれは、
前記ガス源(19)に接続されており、制御可能なガス弁(21)を有する、給気管(20)
を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項5】
前記給水ユニット(3)は、
前記蒸発室(7)に接続されており、ヒータ(23)を含む、一次給水管(22)
を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項6】
前記一次給水管(3)は、
前記一次給水管(22)を介して前記蒸発室(7)に供給される水の流量および圧力を制御するように構成された、整水器(24)
を含む、
請求項5に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項7】
前記給水ユニット(3)は、
前記一次給水管(22)に接続されたバッファタンク(25)と、
前記バッファタンク(25)に接続されており、水源(6)に接続されるように構成されており、制御可能な充填弁(27)を含む、給水管(26)と、
を含む、
請求項5または6に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項8】
前記給水ユニット(3)は、
前記蒸発室(7)から前記バッファタンク(25)に延びた一次還水管(28)
を含む、
請求項7に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項9】
前記膜ろ過器(2)は、前記凝縮室(8)の近傍に位置する冷却室(30)を含む、
請求項1~8のいずれか1項に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項10】
前記膜ろ過器(2)は、前記冷却室(30)と前記凝縮室(8)とを分離させるフィルム(31)を含む、
請求項9に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項11】
前記フィルム(31)の厚さは、0.08ミリメートル以上かつ0.25ミリメートル以下であり、好ましくは、0.1ミリメートル以上かつ0.2ミリメートル以下である、
請求項10に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項12】
前記給水ユニット(3)は、
前記冷却室(30)に接続されており、クーラー(33)を含む、二次給水管(32)
を含む、
請求項9~11のいずれか1項に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項13】
前記二次給水管(32)は、
前記二次給水管(32)を介して前記冷却室(30)に供給される水の流量および圧力を制御するように構成された、整水器(34)
を含む、
請求項12に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項14】
前記二次給水管(32)は、
前記二次給水管(32)に接続されたバッファタンク(35)と、
前記バッファタンク(35)に接続されており、前記水源(6)に接続されるように構成されており、制御可能な充填弁(37)を含む、給水管(36)と、
を含む、
請求項12または13に記載の膜ろ過アセンブリ。
【請求項15】
前記二次給水管(32)は、
前記冷却室(30)から前記バッファタンク(35)に延びた二次還水管(38)
を含む、
請求項14に記載の膜ろ過アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概ね、水から粒子を取り除くように、すなわち、純水を生産するように構成された膜ろ過アセンブリに関し、膜ろ過アセンブリは、産業応用、および、純水の一時的/中間的な保存に用いられる。さらに具体的に言うと、本発明は、10ナノメートルよりも大きい粒子を含まないナノ/超純水(nano/ultra-purified water)を生産することが可能な膜ろ過アセンブリに関する。
【0002】
本発明は、純水を提供するための膜ろ過アセンブリに特に関連する。
当該膜ろ過アセンブリは、
純水を生産するように構成された膜ろ過器であって、蒸発室および凝縮室を有し、蒸発室および凝縮室が膜によって互いに分離されている、膜ろ過器と、
膜ろ過器に接続されており、純水を中間的に保存するための貯水槽と、
膜ろ過器に接続された給水ユニットと、
貯水槽に接続された純水ディスペンサツールと、
を含む。
【0003】
このような膜ろ過アセンブリは半導体製造産業に特に有用であり、半導体製造産業において、半導体ウェハは純水を用いた洗浄ステップを複数回通過する。
【背景技術】
【0004】
本発明は、消費エネルギがより少ない、かつより速い、より安い電子装置という需要を満たすために、半導体が小さくなる一方、という事実に基づくものである。よって、ウェアにより多くの半導体/構造を含ませるために、シリコンウェア上の半導体/構造が小さくなり、構造間の距離も小さくなる。よって、半導体の短絡または故障を回避するために、ウェハから同様に小さい汚染物をより効率的に洗い流すという需要が増加し、洗浄水にウェハを汚染させないように、洗浄水には超純水を利用する必要がある。求められる洗浄結果を得るために、ウェアの洗浄は大量の超純水を消費するものの、超純水の生産が時間もエネルギもかかり、超純水の有効寿命(useful life)が短く、すなわち、30分間よりも短い。よって、タンクまたは管路による超純水の搬送は汚染を引き起こし、すなわち、既存の汚染物の成長によって、および、タンク/管路の材料からの汚染物の増加によって、汚染を引き起す。従来技術では遅すぎるので、従来の膜ろ過アセンブリは、所要量の純水を生産することができない。
【0005】
よって、利用時に、利用する箇所、すなわち、クリーンルームの洗浄ステーションの近くに大量の超純水を効率的に生産するように構成された設備についてのニーズがある。純水は、洗剤として利用される以外にも、異なる産業応用では溶剤として利用可能である。
【発明の概要】
【0006】
(本発明の目的)
本発明の狙いは、従来の膜ろ過アセンブリの欠点および短所を克服し、改良された膜ろ過アセンブリを提供することである。本発明の主な目的は、最初に定義された種類であって改良された膜ろ過アセンブリを提供することであり、当該膜ろ過アセンブリは、所要量の純水を常に提供し、半導体/ウェハの製造プラントのクリーンルーム内に利用可能である。本発明のもう1つの目的は、純水の同時かつ連続的な生産および利用が可能な膜ろ過アセンブリを提供することである。本発明のもう1つの目的は、純水の精製度(degree of purification)が増加することで純水の所要量が減少する膜ろ過アセンブリを提供することである。本発明のもう1つの目的は、より少ない水道水を消費する膜ろ過アセンブリを提供することである。
【0007】
(発明の概要)
本発明に基づいて、少なくとも1つの主な目的は、独立請求項によって定義された特徴を有する、最初に定義された膜ろ過アセンブリによって達成される。本発明の好ましい実施例は、従属請求項によってさらに定義されている。
【0008】
本発明に基づいて、最初に定義された種類の膜ろ過アセンブリが提供され、当該膜ろ過アセンブリにおいて、貯水槽は、純水を中間的に保存するための少なくとも2つのタンクを含み、これらのタンクは、膜ろ過器と純水ディスペンサツールとの間において並列に接続されている(connected in parallel)。
【0009】
本発明は、使用する箇所で超純水の供給が間に合うように、貯水槽を設計/構築するという洞察に基づいたものであり、すなわち、この少なくとも2つのタンクが交互に充填され、ディスペンサツールに超純水を交互に供給する。よって、生産および利用を同時かつ継続的に行うことができる。
【0010】
本発明の様々な実施例に基づいて、タンクのそれぞれは、中間管であって、膜ろ過器に接続されており、制御可能な中間弁を有する、中間管と、出口管であって、純水ディスペンサツールに接続されており、制御可能な出口弁を有する、出口管と、を含む。よって、貯水槽の別々のタンクは、個別に充填されたり空にされたりすることができる。さらに、タンクのそれぞれは排出管を含み、排出管は、制御可能な排出弁を有し、ディスペンサツールを迂回している。よって、別々のタンク内の古くなった水または適切でない水は、ディスペンサツールへの純水供給に影響を与えずに排出またはリサイクルされ得る。
【0011】
本発明の様々な実施例に基づいて、給水ユニットは一次給水管を含み、一次給水管は、蒸発室に接続されており、ヒータを含む。よって、処理/精製すべき水は、蒸発室に到達するときにはすでに適切/正確な温度になっている。
【0012】
本発明の様々な実施例に基づいて、膜ろ過器は、凝縮室の近傍に位置する冷却室を含む。よって、凝縮室における適切で効率的な冷却が達成される。
【0013】
本発明の更なる特徴および利点は、他の従属請求項および以下の好ましい実施例についての詳細な説明から明らかになるであろう。
【0014】
上述した本発明の特徴と利点、および本発明の他の特徴と利点へのより完全な理解は、添付図面と併せて好ましい実施形態についての以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】膜ろ過アセンブリの主要構成の概略図
図2】第1実施例に基づいた膜ろ過アセンブリの貯水槽の概略図
図3】第2実施例に基づいた膜ろ過アセンブリの貯水槽の概略図
図4】膜ろ過アセンブリの給水ユニットの概略図
【発明を実施するための形態】
【0016】
最初には、概ね参照番号1で指される膜ろ過アセンブリの主要構成の概略図を示す図1が参照される。
【0017】
膜ろ過アセンブリ1は、超純水などの純水を製造するように構成された膜ろ過器2と、膜ろ過器2に接続されており、膜ろ過器2が処理すべき水を供給するように構成された給水ユニット3と、膜ろ過器2に接続されており、膜ろ過器2から純水を受けるように構成された貯水槽4と、貯水槽4に接続された純水ディスペンサツール5とを含む。貯水槽4は、純水を中間的/一時的に保存するように構成されている。
【0018】
給水ユニット3は、水道の本管(water mains)などの水源6に接続されており、すなわち、水道水に接続されている。純水ディスペンサツール5は、手動のノズル/ハンドルまたは自動制御のノズルであってもよい。
【0019】
膜ろ過器2は、密封された蒸発室7と、密封された凝縮室8とを含み、蒸発室7と凝縮室8とは、膜9によって分離されている。凝縮室8はガス室としても知られている。様々な実施例に基づいて、膜ろ過器2は複数組の蒸発室7および凝縮室8を含み、このような組は並列に接続されている。好ましくは、それぞれの蒸発室7は2つの凝縮室8と関連しており、この2つの凝縮室8は、蒸発室7の両側のそれぞれに設けられており、かつ、対向するように設けられている。膜9は、1000ナノメートル以下の孔径を有し、好ましくは、750ナノメートル以下の孔径を有し、さらに好ましくは、500ナノメートル以下の孔径を有する。膜9は、100ナノメートル以上の孔径を有する。一般的には、比較的小さい孔径によって、きれいな水が提供可能であるが、純水の生産が遅くなる。液浸透を防ぐために、孔を十分に小さくすべきである。
【0020】
給水ユニット3は蒸発室7に給水し、すなわち、蒸発室7は熱湯によって充填される。例えば、蒸発室7は、80℃以上かつ90℃以下の熱湯によって充填される。このような水は膜9を通れないが、水と膜9との間の境界にある蒸気は、汚染物を蒸発室7に残して膜9に通って凝縮室8に入る。凝縮室8内の温度は蒸発室7内の温度よりも低い。すなわち、凝縮室8は冷却されており、凝縮室8において、蒸気は蓄積/凝縮されて液滴になる。凝縮室8は冷たい表面10を含み、冷たい表面10において、効率的な凝縮が行われる。液滴は蓄積されて最終的に凝縮室8の底部に流れ、純水はその底部において膜ろ過器2から離れて貯水槽4に入る。蒸発室7と凝縮室8との圧力差は、0.5バール以下であり、すなわち、水は強制的に/加圧されて膜9を通過させられることがない。
【0021】
膜9は、熱的かつ化学的に安定な材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)、ポリプロピレン(polypropylene、PP)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride、PVDF)などの材料から製造されるべきである。
【0022】
貯水槽4は、純水を中間的/一時的に保存するための少なくとも2つのタンク11a、11bを含む。タンク11a、11bは、膜ろ過器2と純水ディスペンサツール5との間において並列に接続されている。膜ろ過アセンブリ1の動作中に、第1のタンク11aが膜ろ過器2からの純水によって充填されて第2のタンク11bが純水をディスペンサツール5に提供するか、または、第2のタンク11bが膜ろ過器2からの純水によって充填されて第1のタンク11aが純水をディスペンサツール5に提供する。よって、純水の生産および利用は同時かつ連続的に実行できる。
【0023】
注意すべきことに、第1のタンク11aは、その中からの純水が利用される前に完全に充填される必要がなく、充填される前にその中の純水を利用し切る必要もない。好ましくは、第1のタンク11aは、第2のタンク11bの充填にかかる時間にわたってディスペンサツール5が純水に対する需要と同じ程度/範囲で充填される。
【0024】
ウェハの洗浄時などに利用された純水は、樋/排水装置12内に収集されて水源6に戻されてリサイクルされてもよい。樋/排水装置12は、洗浄ステップにわたって水に入った汚染物/物質が水源6に届くことを防ぐために、適したフィルタを含んでもよい。膜ろ過アセンブリ1は、水源6と給水ユニット3との間に位置するプレフィルタ(prefilter)を含んでもよい。
【0025】
第1実施例に基づいた膜ろ過アセンブリ1の貯水槽4の概略図を示す図2が参照される。
【0026】
様々な実施例に基づいて、タンク11a、11bのそれぞれは中間管13と出口管15とを含み、中間管13は、膜ろ過器2に接続されており、制御可能な中間弁14を有し、出口管15は、純水ディスペンサツール5に接続されており、制御可能な出口弁16を有する。タンク11a、11bは、純水が自動的に出口管15へ流れるように設けられており、出口管15は、タンクの最低点においてタンクと接続されている。
【0027】
タンク11a内の純水が時間内に利用し切れていないイベントにおいて、すなわち、第1のタンク11a内の純水の有効寿命が尽きる前に、および/または、第2のタンク11bが満タンになる前に、第1のタンク11a内に残ったものは、第2のタンク11bの純水が利用される前に排出/廃棄される。この排出/廃棄は、ディスペンサツール5を樋/排水装置12に直接的に向かわせる手動操作であってもよい。
【0028】
第2実施例に基づいた膜ろ過アセンブリ1の貯水槽4の概略図を示す図3が参照される。
【0029】
様々な実施例に基づいて、タンク11a、11bのそれぞれは排出/廃棄管17を含み、排出/廃棄管17は、制御可能な排出弁18を有し、ディスペンサツール5を迂回している。このようにすれば、タンク11a、11bの一方に残ったものの排出/廃棄が自動的に実行されると同時に、タンク11a、11bの他方の純水がディスペンサツール5に利用されることが可能である。排出管17は好ましくは、直接的に、または、樋/排水装置12を介して間接的に、水源6に接続される。
【0030】
タンク11a、11bが空になるとき、タンク内の残留物が次のバッチの純水を汚染しかねないため、タンク内に残留物が残っていないことが重要である。様々な実施例に基づいて、膜ろ過アセンブリ1は、ガス源19を含み、好ましくは、窒素などのガスのガス源19を含む。タンク11a、11bのそれぞれは給気管20を含み、給気管20は、ガス源19に接続されており、制御可能なガス弁21を有する。ガス源19からの加圧ガスは、出口弁16および/または排出弁18を介してタンク11a、11bを空にするように利用される。給気管20は好ましくは、中間管13の近傍で、または、中間管13を介して、中間弁14の下流でタンク11a、11bに接続されている。
【0031】
ここで、膜ろ過アセンブリ1の給水ユニット3の概略図示す図4も参照される。
【0032】
様々な実施例に基づいて、給水ユニット3は、概ね参照番号22で指される一次給水管を含み、一次給水管22は、膜ろ過器2の蒸発室7に接続されており、ヒータ23を含む。よって、蒸発室7に供給される水は適した温度に予熱される。
【0033】
一次給水管22は整水器24を含み、整水器24は、一次給水管22を介して蒸発室7に供給される水の流量および圧力を制御するように構成されている。整水器24は好ましくはポンプによって形成され、ポンプは、蒸発室7内の圧力が高くなりすぎないように自動的に動作する。
【0034】
様々な実施例に基づいて、給水ユニット3は、一次給水管22に接続されたバッファタンク25を含む。好ましくはバッファタンク25がヒータ23と関連するが、バッファタンク25とヒータ23とは互いに直列に位置してもよい。また、給水管26は、バッファタンク25または整水器24に接続されており、水源6に接続されるように構成されている。給水管26は、バッファタンク25を充填するか、または整水器24を動作させるために、制御可能な充填弁27を含む。様々な実施例に基づいて、給水ユニット3は、蒸発室7からバッファタンク25に延びた一次還水管28を含む。膜ろ過器2において精製されていない水、すなわち、膜9に通っていない水は戻され/リサイクルされ、このような水は、すでに高温であるため、有益である。バッファタンク25は、充填弁27を制御するために、好ましくは水位センサ(level sensor)を含む。一次給水管22は好ましくはエア抜き構造を含む。
【0035】
給水ユニット3は、整水器24の上流側の圧力が高くなりすぎないように圧力調整弁29を含む。圧力調整弁29は水源6と給水ユニット3との間に位置してもよい。
【0036】
整水器24によって生成された流量は1リットル/分から5リットル/分までの範囲内であり、貯水槽4に届く純水の生成量は1リットル/分から4リットル/分までの範囲内である。
【0037】
様々な実施例に基づいて、膜ろ過器2は、凝縮室8の近傍に位置する、密封された冷却室30を含む。よって、冷却室30は冷たい表面10を提供するように構成されている。好ましくは、膜ろ過器2は、冷却室30と凝縮室8とを分離させるフィルム/隔壁/箔31を含み、すなわち、冷たい表面10はフィルム/隔壁31の一部である。冷却室30は液体/水またはガスを含む。代替的に、冷たい表面10は冷却ブロック/冷却装置の一部である。
【0038】
様々な実施例に基づいて、フィルム31の厚さは、0.08ミリメートル以上かつ0.25ミリメートル以下であり、好ましくは、0.1ミリメートル以上かつ0.2ミリメートル以下である。よって、フィルム31は、変形に耐えて取り付けやすいとともに、依然として断熱性が低い。冷たい表面10は、純水の下への流れを促すために、できるだけ滑らかであるべきである。好ましくは、フィルム31はポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの疎水性材料である。
【0039】
様々な実施例に基づいて、給水ユニット3は、概ね参照番号32で指される二次給水管を含み、二次給水管32は、膜ろ過器2の冷却室30に接続されており、クーラー33を含む。よって、冷却室30内の水は、凝縮室8における水蒸気を純水に効率的に凝縮させるのに適した温度を有する。
【0040】
二次給水管32は整水器34を含み、整水器34は、二次給水管32を介して冷却室30に供給される水の流量および圧力を制御するように構成されている。整水器34は好ましくはポンプによって形成され、ポンプは、冷却室30内の圧力が高くなりすぎないように自動的に動作する。
【0041】
様々な実施例に基づいて、給水ユニット3は、二次給水管32に接続されたバッファタンク35を含む。好ましくはバッファタンク35がクーラー33と関連するが、バッファタンク35とクーラー33とは互いに直列に位置してもよい。また、給水管36は、バッファタンク35または整水器34に接続されており、水源6に接続されるように構成されている。給水管36は、バッファタンク35を充填するか、または整水器34に給水するために、制御可能な充填弁37を含む。様々な実施例に基づいて、給水ユニット3は、冷却室30からバッファタンク35に延びた二次還水管38を含む。冷却水は戻され/リサイクルされ、このような水は、水の使用量を低減させるため、有益である。
【0042】
バッファタンク35は、充填弁37を制御するために、好ましくは水位センサを含む。二次給水管32は好ましくはエア抜き構造を含む。
【0043】
好ましくは、クーラー33は熱電ヒートポンプ(thermoelectric heat pump)であり、例えば、電力を用いて熱を素子の一側から他側に伝達するペルチェ素子(peltier device)であってもよい。熱は、二次給水管32内、好ましくはバッファタンク35内の液体/水から、周囲の空気に伝達される。代替的な実施例に基づいて、このような熱電ヒートポンプは冷却室30に直接的に関連する。
【0044】
好ましくは、少なくとも貯水槽4および凝縮室8からディスペンサツール5に延びた管は、純水の流れを促すために、純水に面する表面が疎水性を有するように処理される。
【0045】
(実施可能な変化例)
本発明は、上述した説明および図面に示された実施例に限定されることがなく、これらの説明および実施例は例示のみを目的とする。この特許出願は、本明細書に記載された好ましい実施例のすべての変化例および変形例を網羅することを意図している。よって、本発明は、添付の特許請求の範囲の文言によって定義される。したがって、装置は、添付の特許請求の範囲の枠組み内で考えられるすべての方法で変化可能である。
【0046】
また、注意すべきことに、上、下、上方、下方などの用語に関する/関連するすべての情報は、図面において参照番号が正しく読み取れる方向で定位された装置を考慮して解釈/解読しなければならない。よって、このような用語は、示された実施例における相対的な関係を示すだけであり、この関係は、本発明による装置に別の構造/設計が提供される場合、変更され得る。
【0047】
また、注意すべきことに、特定の実施例の特徴を別の実施例の特徴と組み合わせることができると明示されていない場合でも、組み合わせが可能であれば、その組み合わせは明らかであると考えられる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】