(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】圧力タンク
(51)【国際特許分類】
F17C 1/06 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F17C1/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531354
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2022083440
(87)【国際公開番号】W WO2023099388
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】102021131449.6
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519324581
【氏名又は名称】ツェヴォテック ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Cevotec GmbH
【住所又は居所原語表記】Biberger Strasse 93, 82008 Unterhaching, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジクトリス,ディミトリオス
(72)【発明者】
【氏名】コルンメッサー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】カルレ,リヒャルト
(72)【発明者】
【氏名】ワイディンガー,ヘルベルト
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB03
3E172BB12
3E172BB17
3E172BC04
3E172BD03
3E172CA20
(57)【要約】
【要約】 本発明は、円筒部分(14)と閉止キャップ(16)とを備えるライナ(12)を具備する圧力タンク(10)に関しており、中心軸線(X)と柱状部(20)とがライナ(12)上に規定され、ライナ(12)の周方向に関して第1回転方向に従う第1複数薄片(24)と、ライナ(12)の周方向に関して第2回転方向に従う第2複数薄片(26)とが設けられ、第1複数薄片(24)と第2複数薄片(26)とが少なくとも一部で重複し、第1複数薄片(24)が従う第1回転方向は、第2複数薄片(26)が従う第2回転方向と反対である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧流体を保管するように設計されている圧力タンク(10,10’)であって、
略円筒部分(14)と、いずれの場合にも前記円筒部分(14)の軸方向端部にある閉止キャップ(16)とを具備するライナ(12)であって、前記円筒部分(14)により中心軸線(X)が規定され、前記中心軸線(X)とそれぞれの閉止キャップ(16)との交点が前記閉止キャップ(16)の柱状部(20)を規定する、ライナ、
を具備し、
前記ライナ(12)の外側に第1複数薄片(24)が配置されて、相互に隣接する薄片が、略同一の長手方向の開始位置(S1)から始まり、前記ライナ(12)の周方向に関して同一の回転方向と前記ライナ(12)の長手方向に関して略同一の角度とに従い、略同一の長手方向の終了位置(E1)で終了するように、前記薄片が前記ライナ(12)の周方向に沿って互いに対して配置され、それぞれの前記終了位置(E1)は、それぞれの前記開始位置(S1)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する柱状部(20)の近くに設けられ、
前記第1複数薄片(24)の外側に第2複数薄片(26)が配置されて、相互に隣接する薄片が、略同一の長手方向の開始位置(S2)から始まり、前記ライナ(12)の周方向に関して同一の回転方向と前記ライナ(12)の長手方向に関して略同一の角度とに従い、略同一の長手方向の終了位置(E2)で終了するように、前記第2複数薄片が前記ライナ(12)の周方向に沿って互いに対して配置され、それぞれの前記終了位置(E2)は、それぞれの前記開始位置(S2)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する前記柱状部(20)の近くに設けられ、
前記第1複数薄片(24)と前記第2複数薄片(26)とが少なくとも一部で重複し、前記第1複数薄片(24)が従う前記回転方向が、前記第2複数薄片(26)が従う前記回転方向と反対である、
圧力タンク(10,10’)。
【請求項2】
少なくとも前記第1複数薄片(24)が始まる前記長手方向の前記開始位置(S1)は、前記ライナ(12)の前記円筒部分(14)の領域に配置される、
請求項1に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項3】
前記第2複数薄片(26)が始まる前記長手方向の前記開始位置(S2)は、前記第1複数薄片(24)の前記長手方向の前記開始位置(S1)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する前記柱状部(20)の近くに設けられる、
請求項1または請求項2に記載の圧力タンク(10’)。
【請求項4】
前記第2複数薄片(24)が始まる前記長手方向の前記開始位置(S2)は、前記第1複数薄片(24)の前記開始位置(S1)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する前記柱状部(20)に近いことによる長手方向オフセットが、前記第1複数薄片の薄片の幅、あるいは長さの半分に実質的に対応する、
請求項3に記載の圧力タンク(10’)。
【請求項5】
前記第1複数薄片(24)の薄片の長さが、前記第2複数薄片(26)の薄片の長さと実質的に同じである、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項6】
前記第1及び/又は第2複数薄片(24,26)の薄片の少なくとも一つの前記終了位置(E1,E2)にそれぞれの後続する薄片(28)が配置され、後続する前記薄片(28)の幅(B)が先行する前記薄片(24,26)の幅と異なっている、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項7】
後続する前記薄片(28)の前記幅(B)が先行する前記薄片(24,26)の幅より大きい、
請求項6に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項8】
後続する前記薄片(28)の長手延在方向(LR)がそれぞれの先行する薄片(24,26)の長手延在方向(LR)に対して傾斜している、
請求項6または請求項7に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項9】
後続する前記薄片(28)の外側縁部(38)がそれぞれの先行する薄片(24,26)の外側縁部(36)と交差して、二つの前記外側縁部(36,38)が交差する交点が、後続する前記薄片(28)の幅方向における中心と先行する前記薄片(24,26)の幅方向における中心との両方に設けられるように、後続する前記薄片(28)とそれぞれの先行する前記薄片(24,26)とが互いに対して配置される、
請求項8に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項10】
後続する前記薄片(28)の外側縁部(38)がそれぞれの先行する薄片(24,26)の外側縁部(36)と交差して、二つの前記外側縁部(36,38)が交差する交点が、後続する前記薄片(28)の前記外側縁部(38)の端部と先行する前記薄片(24,26)の前記外側縁部(36)の端部の両方に設けられるように、後続する前記薄片(28)とそれぞれの先行する前記薄片(24,26)とが互いに対して配置される、
請求項8に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項11】
前記第1及び/又は第2複数薄片(24,26)の少なくとも一つの薄片が台形基本形状を有する、
請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項12】
先行する薄片(24,26)と後続する薄片(28)とが互いに対して整列されて、特に先行する薄片(24,26)と後続する薄片(28)とが接触する外側縁部により規定される軸線(44)が、それぞれの先行する薄片(24,26)の長手延在方向(LR)に対する後続する前記薄片(28)の長手延在方向(LR)の角度(α)を二等分するように、少なくとも一つの薄片の台形基本形状が設計される、
請求項11に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項13】
先行する薄片(24,26)と後続する薄片(28)とが、元々は一体に製作された薄片開始材料(48)の相互隣接部分(24,26)から得られる、
請求項12に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項14】
前記薄片(24,26,28,32)の少なくとも一つ、特に前記薄片の全てが、炭素繊維及び/又はアラミド及び/又はガラス及び/又はポリエチレン、特にUHMWPE、及び/又は、玄武岩を含有する、
請求項1から請求項13の何れか一項に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項15】
前記薄片(24,26,28,32)の少なくとも一つ、特に前記薄片の全てが、それぞれの薄片(24,26,28,32)の繊維を接続するマトリクス材料、特に樹脂で事前含浸されるか、前記ライナ(12)上に配置された後に前記マトリクス材料により含浸される、
請求項1から請求項14の何れか一項に記載の圧力タンク(10,10’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧流体を保管するように設計された圧力タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料又はガソリンなどの加圧流体を保管する為の圧力タンクは、長年にわたって普及している。正確には、車両を駆動する為の水素など代替燃料について考えると、重量、安全性、そして生産コストの観点で圧力タンクに課せられる要件は増加している。周知の圧力タンクは、通常は面倒な補強のみによって充分な程度の安全性を達成し、これはこの種の圧力タンクの重量及びコストを著しく増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
それゆえ、本発明の目的は、増加する要件に一層適応し、特に材料の使用を削減できる圧力タンクを提供するというものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によるこの目的は、加圧流体を保管するように設計された圧力タンクにより達成され、この圧力タンクは、略円筒部分を備えるとともに、いずれの場合にもその軸方向端部に閉止キャップを備えるライナを具備しており、円筒部分により中心軸線が規定され、中心軸線とそれぞれの閉止キャップとの交点が閉止キャップの柱状部を規定し、ライナの外側に第1複数薄片が配置されて、相互に隣接する薄片が、略同一の長手方向の開始位置から始まって、ライナの周方向に関して同一の回転方向とライナの長手方向に関して略同一の角度とに従い、略同一の長手方向の終了位置で終了するように、ライナの周方向に沿って薄片が互いに対して配置され、それぞれの終了位置が、それぞれの終了位置よりも、第1複数薄片と関連する柱状部の近くに設けられ、第2複数薄片が第1複数薄片の外側に配置されて、相互に隣接する薄片が略同一の長手方向の開始位置から始まり、ライナの周方向に関して同一の回転方向とライナの長手方向に関して略同一の角度とに従い、略同一の長手方向の終了位置で終了するように、ライナの周方向に沿って薄片が互いに対して配置され、それぞれの終了位置が、それぞれの開始位置よりも、第1複数薄片と関連する柱状部の近くに設けられ、第1複数薄片と第2複数薄片とが少なくとも一部で重複し、第1複数薄片が従う回転方向は、第2複数薄片が従う回転方向と反対である。
【0005】
「関連した柱状部」は、いずれの場合にも検討される薄片の近くに配置されている柱状部を説明する意図であることがこの時点で既に留意されるべきである。さらに、「長手方向」は、ライナの中心軸線と平行に延在する圧力タンク上で方向を説明するように意図されている。ライナの長手方向について薄片がライナに装着される角度は、特に、0°及び/又は90°とは異なっていてもよい。「少なくとも一部で重複する(している)」という表現は、特に、二つの薄片の間で起こる貫通を伴わずに、及び/又は、隣接する薄片の間にもつれを発生させずに、第1薄片がその主要外表面で第2薄片に被覆されると理解するように意図されている。言い換えると、ライナの表面に対するそれぞれの垂直線に沿った方向から見て、第1複数薄片の隣接する薄片の重複領域をおそらくは例外として、第1複数薄片がライナの表面から第1距離をあけて配置され得るとともに、ライナの表面に対するそれぞれの垂直線に沿った方向から見て、第2複数薄片の隣接する薄片の重複領域をおそらくは例外として、第2複数薄片がライナの表面から第2距離をあけて配置され得て、特に第1距離は第2距離より小さい。
【0006】
例えば、第1複数薄片は、周方向に延在するリング(「ベースベルト」とも称される)としてライナに装着され得て、略平行に配置される複数の薄片で構成され、その結果、周方向から見ると実質的に閉じられている表面が第1複数薄片により製作することができる。この場合、中心軸線に沿ったライナの長手方向に対する所定の角度で薄片がライナに装着され得て、特に、第1複数薄片の全ての薄片についてこの角度は実質的に同じにすることが可能である。この結果、斜めストリップによる周方向に均一なストリップパターンが得られる。ここで、第2複数薄片は第1複数薄片の径方向外側に配置され得て、第2複数薄片も、ライナの長手方向に対する所定角度で、そしてその周方向の全周にわたって装着され得(「オフセットベルト」とも称され)、第1複数薄片の薄片の角度は第2複数薄片の薄片の角度と異なっている。特に、圧力タンクの同じ輪郭線とのそれぞれの交点での、つまり圧力タンクの同じ長手方向位置での角度は、ライナの長手方向に関して同じ大きさだが符号が異なり、例えば+30°と-30°であり得る。第1複数薄片の上に第2複数薄片を配置することに起因して、周方向から見ると実質的に閉じられている表面が今度は第2複数薄片により形成され、この表面は、第1複数薄片により形成される表面を、特に少なくとも90%まで外から被覆する。
【0007】
第1複数薄片の径方向外側への第2複数薄片の重ね合わせを用いることにより、このような重ね合わせの場合には第1及び第2複数薄片がライナの中心軸線から異なる径方向距離をあけて配置されるので、第2複数薄片の薄片に対する第1複数薄片の薄片の非対称配置を達成することが可能である。
【0008】
本発明による、ライナ上の第1複数薄片及び第2複数薄片の配置は、薄片により形成される補強層の規則的な凹凸を低減する、特にほぼ防止することを可能にする。ゆえに、実質的に全ての敷設薄片、つまりライナ上に敷設される耐荷重性の繊維材料が、基本材料の理論的最大荷重に近い荷重を受ける。
【0009】
径方向から見ると重複薄片が交差している配置により、ライナに作用する荷重が均一に吸収され得るように、ライナを均一に補強することを可能にする。技術用語において、これは、ライナの中心軸線に対する第1配置角度を有する薄片の層ごとに、第1配置角度と同じ大きさだが符号が反対である、ライナの中心軸線に対する第2配置角度を有する薄片の第2層が配置される時に、「バランス積層板」として既知のものとも称され得る。
【0010】
薄片のストリップ状敷設は、従来の繊維材料によるライナの包装と対照的に、不要な重複を防止することで繊維材料全体の節約を可能にする。
【0011】
薄片は、複数の個別繊維又は個別繊維束を含有し得る。複数の個別繊維又は個別繊維束の下位群が薄片の長手延在方向と略平行に延在し得ると有利であり、長手延在方向は、例えば、幅よりも長さが大きい長尺薄片の長さが延在する方向を指すことが意図されている。湾曲状態で延在する長さを有するように意図される薄片である場合には、長手延在方向も湾曲状態で延在し得る。
【0012】
本発明の発展例において、第1複数薄片が始まる長手方向の開始位置はライナの円筒部分の領域に配置され得る。ゆえに、ライナの円筒部分から、円筒部分と閉止キャップとの間の移行領域を越えて、閉止キャップの領域に入るまで、第1複数薄片の薄片が延在し得る。閉止キャップの領域と、円筒部分までの対応する移行領域とは通常、ライナの円筒部分よりも荷重に対する耐性がかなり低いので、第1複数薄片の薄片のこのような配置によりこれらの領域が意図的に補強され得る。
【0013】
さらに、第2複数薄片が始まる長手方向の開始位置は、第1複数薄片の長手方向の開始位置よりも、第1複数薄片と関連する柱状部に近くにあり得る。ゆえに、ライナの周方向に延在するリングであって、第2複数薄片の薄片の開始位置を相互接続するリングは、ライナの周方向に延在しているリングよりも、短い長手方向距離、あるいは関連の柱状部からの閉止キャップの経線方向に沿って小さい距離をあけ得て、このリングは第1複数薄片の薄片の開始位置を相互接続する。このようにして、薄片の層の剛性変化を理由とする荷重集中が低減もしくは防止され得る。
【0014】
この場合、第2複数薄片が始まる長手方向の開始位置が第1複数薄片の開始位置よりも第1複数薄片と関連する柱状部に近いことによる長手方向オフセットは、第1複数薄片の薄片の幅、あるいは長さの半分に実質的に対応し得る。これは、径方向から(つまりライナの表面に対するそれぞれの垂直線に沿った方向から)見た第1及び第2複数薄片の薄片の開始位置の重複防止を可能にするので、こうして薄片によるライナの均一な補強を再度達成できる。
【0015】
第1複数薄片の薄片の長さが第2複数薄片の薄片の長さと実質的に同じであると、有利である。当然であるが、第1複数薄片の薄片の寸法の全てが第2複数薄片の薄片の寸法と実質的に同じであり得ることも想定可能である。
【0016】
第1及び/又は第2複数薄片の薄片の少なくとも一つの終了位置にそれぞれの後続する薄片が配置され、後続する薄片の幅が先行する薄片の幅と異なることが可能である。上述の「後続する薄片」は、上述の「先行する薄片」よりも関連の柱状部の近くに配置され得る。この場合、おそらくは先行する薄片から後続する薄片への移行部という意味での重複領域を例外として、後続する薄片は、先行する薄片と大部分は別に配置され得る。先行する薄片と後続する薄片との間のこれらの重複領域は、薄片の表面積全体の10%未満、特に5%未満であり得る。
【0017】
これに関係して、圧力タンクの周方向から見た後続する薄片の数は、やはり圧力タンクの周方向から見た先行する薄片の数より小さくてもよい。隣接する薄片の間の望ましくない重複領域を削減又は防止する為に、被覆される表面が縮小する、例えば閉止キャップのそれぞれの柱状部まで徐々に小さくなる圧力タンクの領域では特に、後続する薄片の幅が小さいと有利であり得る。当然であるが、後続する薄片の幅が先行する薄片の幅より大きくてもよい。後続する薄片の幅を増大すると、被覆される表面が増大するか少なくとも実質的に同じままである圧力タンクの領域では特に、ライナの周方向において横列に配置されることでリングを形成する後続する薄片の数を、ライナの周方向に形成された先行する薄片によるリングからやはり見た先行する薄片の数より小さくすることが可能になる。
【0018】
後続する薄片の長手延在方向は、特に、それぞれの先行する薄片の長手延在方向に対して傾斜し得る。すなわち、それぞれの閉止キャップに連続的に付着される連続繊維ストリップとは対照的に、この場合、連続薄片は互いの移行部に「ねじれ」(連続薄片の経路方向の突然の変化)を有し得る。特に、長尺薄片、つまり二つの長い外側縁部と少なくとも二つの短い外側縁部とを具備する薄片を使用する時に、それぞれの長手延在方向は長い外側縁部の少なくとも一つと平行に延在し得る。それぞれの先行する薄片に対する後続する薄片の傾斜配置により、閉止キャップの湾曲に従って最適な形で各個別薄片を整列することが可能であり、その結果、最大支持荷重の方向にそれぞれの薄片が良好に使用され得る。
【0019】
先行する薄片から後続する薄片への移行部に関して、後続する薄片の外側縁部がそれぞれの先行する薄片の外側縁部と交差するように後続する薄片とそれぞれの先行する薄片とは互いに対して配置され得て、二つの外側縁部が交差する交点は、後続する薄片の幅方向の中心と先行する薄片の幅方向の中心の両方に設けられる。言い換えると、先行する薄片の長手方向中心線がその外側縁部で、後続する薄片の長手方向中心線とその外側縁部で合致するように、二つの薄片が互いに、例えば、いずれの場合にも短い外側縁部の一つと重複して配置され得る。
【0020】
さらに、この種の移行部に関して、後続する薄片の外側縁部がそれぞれの先行する薄片の外側縁部と交差するように後続する薄片とそれぞれの先行する薄片とが互いに対して配置され得ることが想定可能であって、二つの外側縁部が交差する交点は、後続する薄片の外側縁部の端部と先行する薄片の外側縁部の端部の両方に設けられる。すなわち、先行する薄片の角部は後続する薄片の角部と重ね合わされて配置される。
【0021】
考えられる本発明の実施形態では、第1及び/又は第2複数薄片の少なくとも一つの薄片が台形基本形状を有し得る。台形基本形状は例えば、薄片の二つの長い外側縁部の一方が薄片の他の長い外側縁部より短いものと説明し得る。台形基本形状により、長手延在方向での連続する薄片は「縁部と縁部で」、つまり実質的な重複を伴わずに配列され得て、同時に、長手延在方向に配列された薄片の経路方向の突然の変化を達成し得る。
【0022】
このために、先行する薄片とこれに後続する薄片とが互いに対して整列される、特に先行する薄片とこれに後続する薄片とが接触するこれらの外側縁部により規定される軸線が、後続する薄片の長手延在方向とそれぞれの先行する薄片の長手延在方向との角度を二分割するように、少なくとも一つの薄片の台形基本形状を設計し得ることが可能である。ゆえに、例えば本発明による圧力タンクの製作前に行われる計画に基づいて、長手延在方向に連続する薄片を配置すべき角度を決定することが可能であり、この角度について角度二等分線を決定することが可能で、この二等分線に従って対応する薄片が台形基本形状に切断される。当然であるが、二つの連続薄片の当接縁部が角度を二分割すること、もしくは薄片の一方のみが台形基本形状を有して他方が(少なくとも台形薄片が置かれる側で)略矩形であることも想定可能である。
【0023】
この場合、元々は一体に製作された薄片開始材料の相互隣接部分から先行する薄片とこれに後続する薄片とが得られる。例えば、それぞれの薄片より長さが著しく大きい長い繊維ストリップが少なくとも二つの薄片、特に複数の薄片に分割され得る。この場合、二つの薄片への繊維ストリップの分割は、繊維ストリップの長手延在方向に対して斜めに、特に非直角に延在する切断線を使用して行われ得る。この時、先行及び後続の薄片の長手延在方向が互いに対して配置されることが意図される角度の半分に対応する繊維ストリップの長手延在方向に対する角度でこの交線が延在する場合には、こうして繊維ストリップから切断される薄片が、薄片の一方が「上下逆に」ライナに敷設されるという点で互いに対して容易に置かれ得るのであって、「上下逆」はこの場合には、繊維ストリップにおいて、繊維ストリップの二つの主要表面の一方が「上部」と規定されて繊維ストリップの二つの主要表面の他方が「底部」と規定されると仮定すると、先行する薄片と後続する薄片のうち一方が「上部」でライナに敷設され、先行する薄片と後続する薄片のうち他方が「底部」でライナに敷設されることをそれぞれ意味する意図がある。それぞれの薄片の個別繊維の経路と薄片のそれぞれの外側縁部での中断部とを特に理由として、この種の配置が完成した圧力タンクで視認可能である。
【0024】
ライナでの薄片の配置とその結果としての薄片の切断についての上述の計画により、重複のない、及び/又は、間隙のない薄片の配列を達成することが可能である。さらに、繊維ストリップを個別薄片に分割する時の廃棄物を削減もしくは防止し得る。
【0025】
薄片の少なくとも一つ、特に全ての薄片は、炭素繊維及び/又はアラミド及び/又はガラス及び/又はポリエチレン、特にUHMWPE、及び/又は、玄武岩を含有し得る。先行する薄片と長手延在方向においてこれに後続する薄片とが異なる材料を含有することも想定可能である。こうして、圧力タンクの或る領域での明確な荷重状況に具体的に反応することが可能である。
【0026】
ライナ上の薄片の配置をさらに補強する為に、薄片の少なくとも一つ、特に全ての薄片が、それぞれの薄片の繊維を接続するマトリクス材料、特に樹脂で事前含浸され得るか、ライナに配置された後でこのマトリクス材料により含浸され得る。こうして、それぞれの薄片が、最初にライナの表面あるいはライナに既に配置された薄片の表面に合わせて調節され、続いてこの位置で硬化し得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下では、添付図面を参照し、実施形態に基づいて発明がより詳しく記載される。
【
図1】本発明による圧力タンクの部分的側面図である。
【
図3】
図2による薄片の相対的配置に従って補強される圧力タンクの概略図である。
【
図4】
図3による圧力タンクの部分的断面図である。
【
図5】本発明による圧力タンクのライナへの別の薄片配置を例として示す。
【
図8】
図7による第1及び第2薄片を得る為の繊維ストリップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1には、本発明による圧力タンクが全体として参照符号10で示されている。圧力タンク10はライナ12を具備し、そしてこれは、円筒部分14と、円筒部分14の開口端部に配置される(
図1には一つのみが示されている)閉止キャップ16とを具備する。閉止キャップ16は、円筒部分14がそれぞれの閉止キャップ16に(ここでは接線方向に)移行する移行領域18(「赤道」とも称される)から、円筒部分14により規定される長手方向中心線Xと閉止キャップ16が交差する柱状部20まで延在する。
【0029】
図1に示されている閉止キャップ16の柱状部20には流体接続部22が配置され、この接続部を介して流体が圧力タンク10又はライナ12へ導入されるかこれから吐出され得る。
【0030】
圧力タンク10のライナ12上に第1複数薄片24が配置され、より良き理解の為にこの薄片は領域Iでは自由に示されている。第1複数薄片24の薄片の各々は、ここでは円筒部分14の領域に設けられる中心軸線Xに関して長手方向の開始位置S1から始まり、ここでは閉止キャップ16の領域に設けられる長手方向の終了位置E1で終了する。この場合、第1複数薄片24の薄片は、
図1に示される図では右下から左上に延在する。言い換えると、第1複数薄片24の薄片は、
図1の反時計回転方向で柱状部20に向かって延在する。
【0031】
図1に示されている領域IIでは、例として第2複数薄片26が自由に(つまり第1複数薄片24を伴わずに)示されている。第2複数薄片26の薄片は、ここでは開始位置S1に対応するそれぞれの開始位置S2から、ここでは終了位置E1に対応するそれぞれの終了位置E2まで、第1複数薄片24の薄片と同じように延在する。しかしながら、第2複数薄片26の薄片は、第1複数薄片24の薄片の回転方向と反対の回転方向に、つまり
図1の左下から右上に延在する。言い換えると、第2複数薄片26の薄片は、
図1の時計回転方向で柱状部20に向かって延在する。
【0032】
図1に示されている領域IIIには、ここでは(「オフセットベルト」の意味の)第2複数薄片26が(「ベースベルト」の意味の)第1複数薄片に径方向外側へ重ね合わされている様子が示されており、下に位置する第1複数薄片24が説明の為に記されている。
【0033】
ここで、いずれの場合にも圧力タンク10の同じ長手方向位置で見ると、第2複数薄片26の薄片は、第1複数薄片24の薄片に関して同じだが負の角度を有する。それゆえ、本発明による圧力タンク10を製作する時には、第2複数薄片26を径方向外側に敷設する前に、ライナ12の周方向の全周にわたって第1複数薄片24を最初に配置すると有利となり得る。
【0034】
図2には、第1複数薄片24の薄片と第2複数薄片26の薄片とが例として示されている。
図1を参照して既に記載したように、薄片26は薄片24と重複している。しかしながら、
図1による配置と対照的に、ここでは、薄片26の長手方向の開始位置S2が薄片24の長手方向の開始位置S1よりも柱状部20の近くに設けられるように、薄片26の長手方向の開始位置S2は薄片24の長手方向の開始位置S1に対してオフセットされている。
図2に示されるように、二つの薄片の長さが同じであるという理由で、長手方向の終了位置E1及びE2にも同様のことが当てはまる。開始位置S1及びS2の間の長手方向距離は特に、薄片24及び26の幅、あるいは長さの半分にそれぞれ相当し得る。
【0035】
図3には圧力タンク10’が示され、
図2を参照して記載された配置に従って、第1複数薄片24と第2複数薄片26との薄片がライナ12に敷設されている。開始位置S1及びS2あるいは終了位置E1及びE2のこのオフセット配置により、ライナ12,特に閉止キャップ16のより均一な補強を達成することが可能になる。
図3は三次元体の概略斜視図であるので、位置S1,S2,E1,E2は
図3の側縁部まで上向きに移行している。
【0036】
図4は、これに関係して、第2複数薄片26が第1複数薄片24に、その外側で重ね合わされるやり方を再度図解することを意図したものである。このようにして、ライナ12の外側に第1層が形成されて、この層は第1複数薄片24を具備し、第1層の外側に第2層が形成されて、これは第2複数薄片26を具備する。ゆえに、薄片の開始及び終了点と薄片の寸法及び重複部とが適切に選択された時には、ライナ表面に対するそれぞれの垂直方向から見ると、ライナ12から第1距離をあけた第1層の配置と、ライナ12から第2距離をあけた第2層の特に完全な配置とを達成することが可能であり、第2距離は第1距離より大きい。
【0037】
図5は、第1複数薄片24の例を用いて、それぞれの薄片の長手延在方向LRにおいて後続する薄片28が(「先行する」薄片としての)第1複数薄片24に隣接し得ることを示している。
図5に示される実施形態で、後続する薄片28は、第1複数薄片24のそれぞれの先行する薄片より小さい長さLと大きい幅Bとを有する。このようにして、後続する薄片28は、閉止キャップ16のより大きな曲率に適応し得る。さらに、ライナ12の周方向から見た後続する薄片28の数が複数薄片24と比較して減少し得る。このようにして、しかも、第1複数薄片24の薄片の長手方向外側縁部に対する後続する薄片28の長手方向外側縁部のオフセットが達成され得て、その結果、荷重に対する耐性の低い補強領域を縮小し得る。
【0038】
次に、
図6及び7は、先行する薄片24からそれぞれの後続する薄片28への経路方向の変化を達成するように意図される時に後続する薄片28が先行する薄片24に対して配置され得るやり方を示している。この場合、
図6及び7は、補強される構成要素の荷重進行に対応する勾配線30を示している。この荷重進行は、構成要素、例えば、圧力タンクに同時荷重が印加されるというコンピュータシミュレーションに、例えば、基づき得る。結果的に、それぞれの薄片の長手延在方向を勾配線30上に整列させることが望ましいこともある。
【0039】
この場合、
図6では、勾配線30が薄片の短辺(薄片24の辺34)の中心に入って反対の短辺36の中心から再度出るようにそれぞれの薄片24,28,32が整列されるアプローチが取られている。すなわち、薄片のそれぞれの短辺34,36で勾配線30により外側縁部が二分割されている。上述の同じ特性の下で、それぞれの後続する薄片28が勾配線30に対して整列され、加えて薄片28の短辺38への勾配線30の入口点は薄片24の短辺36からの勾配線30の出口点と一致している。薄片28に後続する別の薄片32が、同様の手法で配置される。
【0040】
図6に見られるように、薄片24,28,32のこのような配置の結果、隣接する薄片が重複する領域40と、相互に隣接する薄片が互いに離間する領域42とが得られる。
【0041】
望ましくない形態で重複している領域40、及び/又は、望ましくない形で互いに離間する領域42が、ライナ12への薄片の配置の間に発生するのを防止する為に、
図7に示されている手法に従って薄片が配置され得る。この場合、それぞれの薄片の整列はやはりコンピュータシミュレーションに基づいて予め計画され得る。後続する薄片28(又は28から32)に関する先行する薄片24の相対的整列が規定される場合には、角度αが決定され、これは、先行する薄片24及び後続する薄片28の二つの長手延在方向LRが互いに対して成す角度である。先行する薄片24と後続する薄片28とが互いに隣接する当接縁部44について、角度αの角度二等分線に沿って延在することが望ましい場合には、それぞれの薄片が元々の繊維ストリップ48(
図8参照)から切断される際の交線46(
図8参照)は、交線46と薄片の長手延在方向LRとの間の角度がα/2であるように調整されるものとする。
【0042】
図8は、上で考察したように、
図7に示されている薄片24,28が結果的に得られるように先行する薄片24と後続する薄片28とが繊維ストリップ48から切断されることを示し、この場合には使い物にならない廃棄物が発生しない。
図8に従って製作される薄片24,28を配置する為に、切断縁部とそれぞれの長手延在方向LRとの間の二つの角度α/2が互いに補足し合って望ましい角度αを形成する(
図7参照)ように、当該薄片の一方は回転されるものである。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧流体を保管するように設計されている圧力タンク(10,10’)であって、
略円筒部分(14)と、いずれの場合にも前記円筒部分(14)の軸方向端部にある閉止キャップ(16)とを具備するライナ(12)であって、前記円筒部分(14)により中心軸線(X)が規定され、前記中心軸線(X)とそれぞれの閉止キャップ(16)との交点が前記閉止キャップ(16)の柱状部(20)を規定する、ライナ、
を具備し、
前記ライナ(12)の外側に第1複数薄片(24)が配置されて、相互に隣接する薄片が、略同一の長手方向の開始位置(S1)から始まり、前記ライナ(12)の周方向に関して同一の回転方向と前記ライナ(12)の長手方向に関して略同一の角度とに従い、略同一の長手方向の終了位置(E1)で終了するように、前記薄片が前記ライナ(12)の周方向に沿って互いに対して配置され、それぞれの前記終了位置(E1)は、それぞれの前記開始位置(S1)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する柱状部(20)の近くに設けられ、
前記第1複数薄片(24)の外側に第2複数薄片(26)が配置されて、相互に隣接する薄片が、略同一の長手方向の開始位置(S2)から始まり、前記ライナ(12)の周方向に関して同一の回転方向と前記ライナ(12)の長手方向に関して略同一の角度とに従い、略同一の長手方向の終了位置(E2)で終了するように、前記第2複数薄片が前記ライナ(12)の周方向に沿って互いに対して配置され、それぞれの前記終了位置(E2)は、それぞれの前記開始位置(S2)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する前記柱状部(20)の近くに設けられ、
前記第1複数薄片(24)と前記第2複数薄片(26)とが少なくとも一部で重複し、前記第1複数薄片(24)が従う前記回転方向が、前記第2複数薄片(26)が従う前記回転方向と反対である、
圧力タンク(10,10’)。
【請求項2】
少なくとも前記第1複数薄片(24)が始まる前記長手方向の前記開始位置(S1)は、前記ライナ(12)の前記円筒部分(14)の領域に配置される、
請求項1に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項3】
前記第2複数薄片(26)が始まる前記長手方向の前記開始位置(S2)は、前記第1複数薄片(24)の前記長手方向の前記開始位置(S1)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する前記柱状部(20)の近くに設けられる、
請求項1または請求項2に記載の圧力タンク(10’)。
【請求項4】
前記第2複数薄片(24)が始まる前記長手方向の前記開始位置(S2)は、前記第1複数薄片(24)の前記開始位置(S1)よりも、前記第1複数薄片(24)と関連する前記柱状部(20)に近いことによる長手方向オフセットが、前記第1複数薄片の薄片の幅、あるいは長さの半分に実質的に対応する、
請求項3に記載の圧力タンク(10’)。
【請求項5】
前記第1複数薄片(24)の薄片の長さが、前記第2複数薄片(26)の薄片の長さと実質的に同じである、
請求項1
または請求項2に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項6】
前記第1及び/又は第2複数薄片(24,26)の薄片の少なくとも一つの前記終了位置(E1,E2)にそれぞれの後続する薄片(28)が配置され、後続する前記薄片(28)の幅(B)が先行する前記薄片(24,26)の幅と異なっている、
請求項1
または請求項2に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項7】
後続する前記薄片(28)の前記幅(B)が先行する前記薄片(24,26)の幅より大きい、
請求項6に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項8】
後続する前記薄片(28)の長手延在方向(LR)がそれぞれの先行する薄片(24,26)の長手延在方向(LR)に対して傾斜している、
請求項6
に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項9】
後続する前記薄片(28)の外側縁部(38)がそれぞれの先行する薄片(24,26)の外側縁部(36)と交差して、二つの前記外側縁部(36,38)が交差する交点が、後続する前記薄片(28)の幅方向における中心と先行する前記薄片(24,26)の幅方向における中心との両方に設けられるように、後続する前記薄片(28)とそれぞれの先行する前記薄片(24,26)とが互いに対して配置される、
請求項8に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項10】
後続する前記薄片(28)の外側縁部(38)がそれぞれの先行する薄片(24,26)の外側縁部(36)と交差して、二つの前記外側縁部(36,38)が交差する交点が、後続する前記薄片(28)の前記外側縁部(38)の端部と先行する前記薄片(24,26)の前記外側縁部(36)の端部の両方に設けられるように、後続する前記薄片(28)とそれぞれの先行する前記薄片(24,26)とが互いに対して配置される、
請求項8に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項11】
前記第1及び/又は第2複数薄片(24,26)の少なくとも一つの薄片が台形基本形状を有する、
請求項1
または請求項2に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項12】
先行する薄片(24,26)と後続する薄片(28)とが互いに対して整列されて、特に先行する薄片(24,26)と後続する薄片(28)とが接触する外側縁部により規定される軸線(44)が、それぞれの先行する薄片(24,26)の長手延在方向(LR)に対する後続する前記薄片(28)の長手延在方向(LR)の角度(α)を二等分するように、少なくとも一つの薄片の台形基本形状が設計される、
請求項11に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項13】
先行する薄片(24,26)と後続する薄片(28)とが、元々は一体に製作された薄片開始材料(48)の相互隣接部分(24,26)から得られる、
請求項12に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項14】
前記薄片(24,26,28,32)の少なくとも一つ、特に前記薄片の全てが、炭素繊維及び/又はアラミド及び/又はガラス及び/又はポリエチレン、特にUHMWPE、及び/又は、玄武岩を含有する、
請求項1
または請求項2に記載の圧力タンク(10,10’)。
【請求項15】
前記薄片(24,26,28,32)の少なくとも一つ、特に前記薄片の全てが、それぞれの薄片(24,26,28,32)の繊維を接続するマトリクス材料、特に樹脂で事前含浸されるか、前記ライナ(12)上に配置された後に前記マトリクス材料により含浸される、
請求項1
または請求項2に記載の圧力タンク(10,10’)。
【国際調査報告】