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特表2024-541532バイオメトリック認証可能なスマートカードのモバイル登録のためのアセンブリ及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】バイオメトリック認証可能なスマートカードのモバイル登録のためのアセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20241031BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20241031BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
G06K19/07 180
G06K19/077 296
G06K7/10 252
G06K19/07 230
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531408
(86)(22)【出願日】2022-11-25
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2022083352
(87)【国際公開番号】W WO2023094627
(87)【国際公開日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】2117047.7
(32)【優先日】2021-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517124778
【氏名又は名称】ズワイプ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, ローベルト
(57)【要約】
スマートカード100と信号ブースタ200とを備えるアセンブリであって、スマートカードが、非接触電力回収のためのアンテナ103と、バイオメトリックキャプチャデバイス102と、を備え、スマートカードが、バイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック登録を実行し、バイオメトリック登録が完了した後にバイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック認証を実行するように構成されており、信号ブースタ200が、スマートカードアンテナ103と誘導結合するように構成された第1のアンテナ201と、スマートフォン301の近距離無線通信アンテナ302と誘導結合するように構成された第2のアンテナ202と、を備え、第2のアンテナが第1のアンテナよりも小さく、第1及び第2のアンテナが、第2のアンテナを介してスマートフォンのアンテナから受信した電力が第1のアンテナを介してスマートカードのアンテナに送信されるように電気通信する、アセンブリ。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スマートカードと信号ブースタとを備えるアセンブリであって、前記スマートカードが、
非接触電力回収のためのアンテナと、
バイオメトリックキャプチャデバイスと、を備え、
前記スマートカードが、前記バイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック登録を実行し、バイオメトリック登録が完了した後に前記バイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック認証を実行するように構成されており、
前記信号ブースタが、
前記スマートカードアンテナと誘導結合するように構成された第1のアンテナと、
スマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナと、を備え、
前記第2のアンテナが前記第1のアンテナよりも小さく、
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが、前記第2のアンテナを介して前記スマートフォンの前記アンテナから受信した電力が前記第1のアンテナを介して前記スマートカードの前記アンテナに送信されるように電気通信する、アセンブリ。
【請求項2】
前記第1のアンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数が、前記スマートカードアンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数と一致する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
a)前記第1のアンテナに接続され、前記スマートカードの前記アンテナのチューニングに一致するように前記第1のアンテナをチューニングする第1の発振回路、及び/又は、
前記第2のアンテナに接続された第2の発振回路であって、
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが、前記第1の発振回路及び/又は前記第2の発振回路を介して電気通信する、第2の発振回路と、
b)インダクタであって、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが前記インダクタを介して電気通信しており、任意選択的に、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナ並びに前記インダクタの各々が同じワイヤから形成される、インダクタと、
のいずれかを備える、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記信号ブースタを支持する機械的構造を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記構造が、前記アセンブリを前記スマートフォンに対して所定の位置に位置合わせさせるためのガイドを備える、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記ガイドが、前記構造の縁部、前記信号ブースタの縁部、及び/又は1つ若しくは複数のアライメントマークを備え、前記ガイドが、前記アセンブリを前記スマートフォンの縁部(複数可)と位置合わせするように構成される、請求項5に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記構造が、折り畳まれたテンプレート構造を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記構造が切り欠きを備え、前記切り欠きが前記スマートカードを保持するように構成される、請求項4から7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記構造が紙ベースの材料から形成され、任意選択的に、前記構造が2mm未満の厚さである、請求項4から8のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記構造が箔又はフィルムの形態である、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記信号ブースタ及び/又は構造が、前記スマートカードの表面に取り外し可能に取り付けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項12】
前記バイオメトリックキャプチャデバイスが指紋センサである、請求項1から11のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記信号ブースタが、開口部であって、前記スマートカードの前記アンテナが前記信号ブースタの前記第1のアンテナと位置合わせされたときに、前記スマートカードの前記指紋センサが前記開口部を通してアクセス可能であるように構成された開口部を含む、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
バイオメトリック認証可能なスマートカードのバイオメトリック登録のためのシステムであって、前記システムが、
請求項1から13のいずれか一項に記載のアセンブリと、
近距離無線通信アンテナを備えるスマートフォンと、
を備える、システム。
【請求項15】
前記第2のアンテナが、前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナと実質的に位置合わせし、且つ/又は、
前記第2のアンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数が、前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数と一致する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
請求項14又は15に記載のシステム内の前記スマートカードにユーザを登録する方法であって、前記方法が、
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナを介して前記スマートフォンから前記スマートカードに電力を供給することを含む、方法。
【請求項17】
前記スマートフォンが、前記登録プロセスを制御するためにコマンドを前記スマートカードに発行するように構成される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ユーザが前記スマートカードの前記指紋センサに指を提示することと、
前記スマートカードの前記指紋センサを使用して、前記提示された指に対応する指紋画像を取り込むことと、
前記取り込まれた指紋画像からバイオメトリック基準データを生成することと、
前記スマートカードに前記バイオメトリック基準データを保存することと、
を含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカードに電力を供給するために使用されるスマートフォンを識別することと、
前記スマートフォンの近距離無線通信アンテナの構成及び前記スマートカードのアンテナの構成を識別することと、
前記スマートカードアンテナと誘導結合するように構成された第1のアンテナと、前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナと、を有する信号ブースタの設計を作成することであって、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが、前記スマートフォンの前記アンテナから前記第1のアンテナを介して受信した電力が前記スマートカードの前記アンテナに前記第2のアンテナを介して送信されるように電気通信する、設計を作成することと、
を含む、方法。
【請求項20】
前記設計を作成することが、前記第1のアンテナと前記スマートカードの前記アンテナとの間の実質的に最適な誘導結合のための前記第1のアンテナのサイズ、及び/若しくは形状、及び/若しくは位置、及び/若しくは共振周波数を識別すること、並びに/又は前記第2のアンテナと前記スマートフォンの前記アンテナとの間の実質的に最適な誘導結合のための前記第2のアンテナのサイズ、及び/若しくは形状、及び/若しくは位置、及び/若しくは共振周波数を識別することを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記信号ブースタが、前記第1のアンテナに接続された第1の発振回路及び前記第2のアンテナに接続された第2の発振回路を含み、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが、前記第1の発振回路及び前記第2の発振回路を介して電気通信し、前記設計を前記作成することが、前記スマートカードの前記アンテナのチューニングに一致するように前記第1のアンテナをチューニングすること、及び/又は、前記スマートフォンの前記アンテナのチューニングに一致するように前記第2のアンテナをチューニングすることを含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカードに電力を供給するために各々が個別に使用される複数のスマートフォンを識別することと、
前記複数のスマートフォンの各々の近距離無線通信アンテナの構成を識別することと、を含み、
前記信号ブースタの前記設計を前記作成することが、前記複数のスマートフォンの各々の前記近距離無線通信アンテナに誘導結合するように前記第2のアンテナを設計することを含む、請求項19、20、又は21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記方法が、
前記設計に従って信号ブースタを製造すること
を含む、請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
ユーザのスマートフォンのモデルを識別することと、
複数の信号ブースタの中から信号ブースタを選択することであって、各信号ブースタが、スマートカードアンテナと誘導結合するように構成された第1のアンテナと、スマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナと、を備え、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが、前記第1のアンテナにおいて受信した電力が前記第2のアンテナに送信されるように電気通信し、前記選択された信号ブースタが、前記識別されたモデルのスマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナを有している、選択することと、
前記選択された信号ブースタを前記ユーザに送ることと、
を含む、方法。
【請求項25】
スマートカードをユーザに送る要求を受信することであって、前記要求が、前記ユーザが所有するスマートフォンの前記モデルの通知を含む、受信すること
を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記信号ブースタを前記ユーザに送る前に、前記信号ブースタをスマートカードに取り付けることであって、前記信号ブースタ及び前記スマートカードが一緒に前記ユーザに送られる、取り付けること
を含む、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
非接触電力回収のためのアンテナと、バイオメトリックキャプチャデバイスと、を備えたスマートカードであって、前記スマートカードが、前記バイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック登録を実行し、バイオメトリック登録が完了した後に前記バイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック認証を実行するように構成されている、スマートカードと、
近距離無線通信アンテナを備えたスマートフォンと、
前記スマートカードの前記アンテナと前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナとの両方と誘導結合するように構成された単一のアンテナを備えている信号ブースタと、を備え、
前記単一のアンテナが前記スマートカードの前記アンテナより小さく、且つ前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナより大きく、
前記単一のアンテナが、前記スマートフォンの前記アンテナから受信した電力が前記単一のアンテナを介して前記スマートカードの前記アンテナに送信されるように構成される、アセンブリ。
【請求項28】
前記単一のアンテナのサイズ及び/又は共振周波数が、前記スマートカードアンテナのサイズ及び/又は共振周波数と前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナの間にあり、任意選択的に、前記単一のアンテナと、前記スマートカードアンテナと前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナとの両方との間の結合効率がほぼ等しい、請求項27に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記単一のアンテナに接続され、前記スマートカードの前記アンテナのチューニングと前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナのチューニングとの間になるように前記単一のアンテナをチューニングする発振回路を備える、請求項27又は28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記信号ブースタを支持する機械的構造を備える、請求項27、28、又は29に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記構造が、前記アセンブリを前記スマートフォンに対して所定の位置に位置合わせさせるためのガイドを備える、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記ガイドが、前記構造の縁部、前記信号ブースタの縁部、及び/又は1つ若しくは複数のアライメントマークを備え、前記ガイドが、前記アセンブリを前記スマートフォンの縁部(複数可)と位置合わせするように構成される、請求項31に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記構造が、折り畳まれたテンプレート構造を含む、請求項30から32のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記構造が切り欠きを備え、前記切り欠きが前記スマートカードを保持するように構成される、請求項30から33のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記構造が紙ベースの材料から形成され、任意選択的に、前記構造が2mm未満の厚さである、請求項30から34のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記構造が箔又はフィルムの形態である、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記信号ブースタ及び/又は構造が、前記スマートカードの表面に取り外し可能に取り付けられている、請求項27から36のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記バイオメトリックキャプチャデバイスが指紋センサである、請求項27から37のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記信号ブースタが、開口部であって、前記スマートカードの前記アンテナが前記信号ブースタの前記単一のアンテナと位置合わせされたときに、前記スマートカードの前記指紋センサが前記開口部を通してアクセス可能であるように構成された開口部を含む、請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記単一のアンテナが、前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナを実質的に取り囲み、且つ/又は、前記単一のアンテナの共振周波数が、前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナの共振周波数より小さい、請求項27から39のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項41】
請求項27又は40に記載のシステム内の前記スマートカードにユーザを登録する方法であって、前記方法が、
前記単一のアンテナを介して前記スマートフォンから前記スマートカードに電力を供給すること
を含む、方法。
【請求項42】
前記スマートフォンが、前記登録プロセスを制御するためにコマンドを前記スマートカードに発行するように構成される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ユーザが前記スマートカードの前記指紋センサに指を提示することと、
前記スマートカードの前記指紋センサを使用して、前記提示された指に対応する指紋画像を取り込むことと、
前記取り込まれた指紋画像からバイオメトリック基準データを生成することと、
前記スマートカードに前記バイオメトリック基準データを保存することと、
を含む、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカードに電力を供給するために使用されるスマートフォンを識別することと、
前記スマートフォンの近距離無線通信アンテナの構成及び前記スマートカードのアンテナの構成を識別することと、
前記スマートカードアンテナと前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナとの両方と誘導結合するように構成された単一のアンテナを有する信号ブースタの設計を作成することであって、前記アンテナが、前記スマートフォンの前記アンテナから受信した電力が前記スマートカードの前記アンテナに前記単一のアンテナを介して送信されるように配置される、設計を作成することと、
を含む、方法。
【請求項45】
前記設計を作成することが、前記単一のアンテナと、前記スマートカードの前記アンテナと前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナとの両方との間の実質的に最適な誘導結合のための前記アンテナのサイズ、及び/若しくは形状、及び/若しくは位置、及び/若しくは共振周波数を識別することを含み、任意選択的に、前記実質的に最適な結合が、前記単一のアンテナと、前記スマートカードアンテナと前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナとの両方との間のほぼ等しい結合である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記信号ブースタが、前記単一のアンテナに接続された発振回路を含み、前記設計を前記作成することが、前記スマートカードの前記アンテナのチューニングと前記スマートフォンの前記近距離無線通信アンテナのチューニングとの間になるように前記単一のアンテナをチューニングすることを含む、請求項44又は45に記載の方法。
【請求項47】
登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカードに電力を供給するために各々が個別に使用される複数のスマートフォンを識別することと、
前記複数のスマートフォンの各々の近距離無線通信アンテナの構成を識別することと、を含み、
前記信号ブースタの前記設計を前記作成することが、前記複数のスマートフォンの各々の前記近距離無線通信アンテナに誘導結合するように前記単一のアンテナを設計することを含む、請求項44、45、又は46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記方法が、
前記設計に従って信号ブースタを製造すること
を含む、請求項44から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
ユーザのスマートフォンのモデルを識別することと、
複数の信号ブースタの中から信号ブースタを選択することであって、
各信号ブースタが、スマートカードアンテナとスマートフォンの近距離無線通信アンテナとの両方と誘導結合するように構成された単一のアンテナを備え、
前記選択された信号ブースタが、前記識別されたモデルのスマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された単一のアンテナを有している、選択することと、
前記選択された信号ブースタを前記ユーザに送ることと、を含む、方法。
【請求項50】
スマートカードをユーザに送る要求を受信することであって、前記要求が、前記ユーザが所有するスマートフォンの前記モデルの通知を含む、受信すること
を含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記信号ブースタを前記ユーザに送る前に、前記信号ブースタをスマートカードに取り付けること
を含む、請求項49又は50に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートカードと信号ブースタとを備えるアセンブリに関する。本発明は、バイオメトリック登録システム及び方法における使用に特に適用可能である(ただし、これに限定されない)。
【背景技術】
【0002】
スマートカードなどのバイオメトリック認証可能なデバイスは、ますます広く使用されるようになってきており、例えば、アクセスカード、クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、ポイントカード、IDカードなどを含む。スマートカードは、データを格納し、例えば近距離無線通信(NFC)などの非接触技術を介して、ユーザ及び/又は外部デバイスと相互作用する能力を備えた電子カードである。これらのスマートカードは、リーダと相互作用して、アクセスを可能にしたり、トランザクションを許可したりするために情報を通信することができる。
【0003】
指紋認証などのバイオメトリック認証は、ますます広く使用されるようになってきている。完全なオンボードバイオメトリック認証を備えたスマートカードは、バイオメトリックシステムオンカード(BSoC、例えばISO/IEC 17839-1)と呼ばれ、例えば金融取引を許可するために、スマートカードの安全な機能へのアクセスを可能にするために、統合バイオメトリックキャプチャデバイス(例えば指紋センサなど)を介してユーザと相互作用することができる。
【0004】
バイオメトリック認証可能なスマートカードは、使用することができる前に登録プロセス(例えば、ユーザの指紋の取り込み及び登録)を完了する必要がある。登録中にスマートカードに組み込まれたバイオメトリックキャプチャデバイスを使用することが望ましい。これにより、ネットワークを介したバイオメトリックデータの潜在的に安全でない送信の必要性が回避され、代わりに、外部記憶装置又は送信を必要とせずにバイオメトリックデータをスマートカードに安全に保持することができる。また、ユーザの現在キャプチャされたバイオメトリックプローブデータを以前に保存されたバイオメトリック基準データと比較することによって、後の認証に使用されるのと全く同じキャプチャデバイスが登録に使用されるため、後続のバイオメトリック識別プロセスの精度が向上する。このような登録プロセスでは、スマートカードに電源を入れる必要がある。
【0005】
オンボード電源を備えていないスマートカードの場合、国際公開第2020/002678号に開示されているように、電気接続を介してスマートカードに電力を供給するように構成された内部バッテリを備えたパッシブ登録デバイス/スリーブを介して、登録プロセス中に使用するためにカードに電力を供給することができる。あるいは、電力は、スマートカードのISO/IEC 7816接触プレートとの接続を介して、又は例えばISO/IEC 14443-3インターフェースを使用して非接触で接続する専用インターフェースデバイスとの接続を介して引き出される電力など、外部電源への有線接続を介してスマートカードに供給されてもよい。しかしながら、この手法を介して引き出される電流に関して外部電源からの技術的制約があり、スマートカード自体で大電力を処理することは困難である。
【発明の概要】
【0006】
一態様によれば、本発明は、スマートカードと信号ブースタとを備えるアセンブリを提供し、スマートカードが、非接触電力回収のためのアンテナと、バイオメトリックキャプチャデバイスと、を備え、スマートカードが、バイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック登録を実行し、バイオメトリック登録が完了した後にバイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック認証を実行するように構成されており、信号ブースタが、スマートカードアンテナと誘導結合するように構成された第1のアンテナと、スマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナと、を備え、第2のアンテナが第1のアンテナよりも小さく、第1のアンテナ及び第2のアンテナが、第2のアンテナを介してスマートフォンのアンテナから受信した電力が第1のアンテナを介してスマートカードのアンテナに送信されるように電気通信する。
【0007】
スマートフォン(例えばカード所有者に属する)を使用して、登録中に近距離無線通信(NFC)アンテナを介してスマートカードに電力を供給することが可能である。これを行うために、無線接続が利用され、スマートフォンのNFCアンテナから電力が収集される。多くの最新のスマートフォンは、この目的に適したNFCアンテナを備える。
【0008】
スマートカードはパッシブなスマートカードであってもよい。すなわち、スマートカードは、外部RF励起場、例えばスマートフォンによって生成され、信号ブースタを介してスマートカードに転送されるRF励起場から収集されたエネルギーによってのみ電力供給され得る。
【0009】
モバイル登録は、自宅又は外出先でユーザによって柔軟に登録を実行することを可能にする。しかしながら、モバイル登録のためにスマートフォンを使用することに伴う1つの課題は、多くのスマートフォンからのNFCフィールドが典型的なスマートカードのアンテナとの誘導結合にあまり適していないことである。多くの場合、スマートカードに電力を供給するのに十分な結合が可能であっても、特定の位置での登録のためにスマートカードに直接電力を供給するだけで十分であり、これを達成するためにスマートカードを電話の横の適切な位置に安定して識別して保持することはユーザにとって困難である。
【0010】
第1の態様によるアセンブリは、スマートカードに結合するように構成された第1のアンテナと、スマートフォンに結合するように構成された第2のアンテナとを含む信号ブースタを利用することによってこれらの問題に対処する。このようにして、スマートフォンからのエネルギーハーベスティング及びスマートカードへの伝搬を改善することができる。これは、スマートフォンをスマートカードに直接結合する場合よりも信頼性の高い電源をスマートカードに提供する。また、スマートフォンとスマートカードとのより安定した通信を確立することができる。
【0011】
第1のアンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数は、スマートカードアンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数と一致し得る。これにより、誘導結合の安定性が向上し、それぞれのアンテナ間のより安定した電力供給及び通信が保証される。
【0012】
アセンブリは、第1のアンテナに接続され、スマートカードのアンテナのチューニングと一致するように第1のアンテナをチューニングする第1の発振回路を備えてもよい。アセンブリは、第2のアンテナに接続された第2の発振回路を備えてもよい。第1のアンテナ及び第2のアンテナは、第1の発振回路及び/又は第2の発振回路を介して電気通信することができる。発振回路は、アンテナを特定の共振周波数にチューニングすることを可能にし、例えば、(誘導結合の強度を向上させるために)上述のようにスマートカードアンテナ又はスマートフォンアンテナの共振周波数に一致させる。
【0013】
発振回路はそれぞれ、受動電子構成要素(個別電子構成要素とも呼ばれる)のみを備えてもよい。これらの構成要素は、コンデンサ、抵抗器、及び/又はインダクタを含むことができ、発振回路は、コンデンサ、抵抗器、及びインダクタ以外の電子構成要素を含まなくてもよい。これらの構成要素は、調達及び実装が安価であり、したがって、信号ブースタが安価で製造が容易であることを意味する。
【0014】
アセンブリはインダクタを備えてもよく、第1のアンテナ及び第2のアンテナはインダクタを介して電気通信している。1つ又は複数のワイヤが、第1のアンテナ及び第2のアンテナを形成してもよい。1つ又は複数のワイヤがインダクタを形成してもよく、インダクタを形成する同じワイヤ(複数可)が第1のアンテナ及び第2のアンテナを形成してもよい。したがって、インダクタは、上述の発振回路の代替として、又はそれに加えて、第1のアンテナと第2のアンテナとを電気的に接続することができる。
【0015】
アセンブリは、信号ブースタを支持する機械的構造を備えてもよい。
【0016】
構造は、折り畳まれたテンプレート構造を含むことができる。折り畳まれたテンプレート構造は、接着剤で折り畳まれた位置に保持されてもよい。接着剤は、接着剤ドット、例えばグルードットを含み得る。構造が折り畳まれた構造を含む場合、スマートカードは折り畳まれた構造によって所定の位置に保持され得る。例えば、構造は、構造が折り畳まれる前にスマートカードが構造の切り欠きに受け入れ可能であり、構造が折り畳まれたときにスマートカードが折り畳まれた構造の2つの部分の間に保持されるように構成されてもよい。
【0017】
構造は切り欠きを含み、切り欠きはスマートカードを保持するように構成されてもよい。
【0018】
構造は、切り欠きの領域に信号ブースタを備えることができる。構造は、テンプレート構造を折り畳んだ後にスマートカードの上部に位置合わせする領域に信号ブースタを備えてもよい。
【0019】
構造は、アセンブリをスマートフォンに対して所定の位置に位置合わせさせるためのガイドを備えることができる。
【0020】
ガイドは、構造の縁部及び/又は1つ若しくは複数のアライメントマークを備えてもよく、構造の縁部及び/又は1つ若しくは複数のアライメントマークは、構造をスマートフォンの縁部(複数可)と位置合わせするように構成される。例えば、登録中に、ユーザは、構造の2つの隣接する縁部をスマートフォンの2つの縁部と位置合わせすることができる。代替的又は追加的に、ユーザは、アライメントマークをスマートフォンの1つ又は複数の特定の縁部と位置合わせすることができる。アライメントマークは、例えば、構造の特定の縁部をスマートフォンと位置合わせするようにユーザに指示する矢印及び/又はテキストなどの視覚的インジケータを含むことができる。
【0021】
構造は、厚紙、カードストック、板紙、紙などの紙ベースの材料から形成されてもよい。これにより、製造が安価になり、リサイクルが容易になる。
【0022】
NFC信号ブースタは、金属アンテナを備えたプラスチック箔、例えばエッチングされたアルミニウムを備えたPVCとして製造されてもよく、信号ブースタと組み合わされるときの構造は、リサイクルを単純化するために信号ブースタから基材(例えば、厚紙)を容易に分離するように設計されてもよい。
【0023】
構造は、実質的に平坦であってもよい。構造は、5mm未満の厚さであってもよい。任意選択的に、構造は、2mm未満の厚さ又は1mm未満の厚さであってもよい。薄い構造を有することにより、例えば郵便サービスなどを介して送られる封筒に、構造を容易に包装して登録のためにユーザに送ることができる。
【0024】
構造は、第1のスマートフォンモデル又はスマートフォンモデルのファミリのための(すなわち、それらでの登録方法における使用のための)第1のガイドと、第2のスマートフォンモデル又はスマートフォンモデルのファミリのための第2のガイドとを備えることができる。このようにして、単一の構造がある範囲のスマートフォンモデルに適し得る。構造は、任意の数のスマートフォンモデルで使用するための任意の数のガイドを備えることができる。
【0025】
構造は、構造の一部を除去することによって、どのガイドを使用のために露出させるかの選択を可能にするように構成されてもよい。例えば、2つの(又は任意の数の)ガイドは、1つのガイドが別のガイドを取り囲む構造の一部にある、単一の構造の一部として到来してもよい。構造の周囲部分を除去して内側ガイドを露出させるために、構造に穿孔が存在してもよい。あるいは、単一の構造は、構造を変更することなく使用可能な複数のガイドを備えてもよい。
【0026】
構造は、箔又はフィルムの形態であってもよい。箔又はフィルムは、スマートカードと同じサイズであってもよい。箔又はフィルムは、構造をスマートカードに取り付けるための接着剤を含んでもよく、これは、箔又はフィルムがスマートカードに取り外し可能に取り付けられ得るステッカーであるように、構造の片側に設けられてもよい。
【0027】
信号ブースタ及び/又は構造は、スマートカードの表面に取り外し可能に取り付けられてもよい。この取り付けは、接着剤を使用して行うことができる。
【0028】
スマートカードは、ID-1カード(ISO/IEC 7810に準拠)に準拠したサイズを有し得る。特に、スマートカードは、85.60mm(+0.12mm/-0.13mm)×53.98mm(+0.05mm/-0.06mm)のサイズ、及び半径2.88~3.48mm、厚さ0.76(+0.08mm/-0.08mm)の丸みを帯びた角を有することができる。スマートカードは、より一般的には、約86×54ミリメートルのサイズを有し得る。
【0029】
スマートカードは、アクセスカード、ペイメントカード(例えば、クレジットカード、デビットカード、及びプリペイドカードのうちの1つ)、ポイントカード、及び身分証明書のいずれか1つであってもよい。
【0030】
スマートカードは、例えばISO/IEC 14443-3などの無線/非接触通信プロトコルを介して通信するように構成されてもよい。スマートカードは、例えばそのようなプロトコルを介してスマートフォンと通信するように構成されてもよい。スマートカードは、スマートカードチップを含むことができる。
【0031】
バイオメトリックキャプチャデバイスは、指紋センサであってもよい。
【0032】
信号ブースタ及び/又は構造は、スマートカードのアンテナが信号ブースタの第1のアンテナと位置合わせされると、スマートカードの指紋センサが開口部を通してアクセス可能になるように構成された開口部を備えてもよい。
【0033】
第2の態様によれば、本発明は、バイオメトリック認証可能なスマートカードのバイオメトリック登録のためのシステムを提供し、システムは、第1の態様(本明細書に記載の任意選択の特徴のいずれかを含む)によるアセンブリと、近距離無線通信アンテナを備えるスマートフォンとを備える。
【0034】
第2のアンテナは、スマートフォンの近距離無線通信アンテナと実質的に位置合わせしてもよい。第2のアンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数は、スマートフォンの近距離無線通信アンテナのサイズ及び/又は形状及び/又は共振周波数と一致し得る。
【0035】
スマートフォンは、通常、タッチスクリーンインターフェース、インターネットアクセス、及びダウンロードされたアプリケーションを実行することができるオペレーティングシステムを有する、コンピュータの機能の多くを実行する携帯電話を説明するために使用される用語である。登録プロセスは、スマートフォン上のアプリケーションによって案内されてもよい。後述する第3の態様の登録方法は、アプリケーションによってガイドされ得る。
【0036】
スマートフォンは、ユーザによって所有されているか、又はユーザに知られているデバイスであってもよい。
【0037】
第3の態様によれば、本発明は、第2の態様によるシステム(本明細書に記載の任意選択の特徴のいずれかを含む)でスマートカードにユーザを登録する方法を提供し、本方法は、第1のアンテナ及び第2のアンテナを介してスマートフォンからスマートカードに電力を供給するステップを含む。
【0038】
アセンブリは、スマートフォンの前又は後に配置されてもよく、例えば、スマートフォンの表示画面がスマートフォンの前面にある。アセンブリが配置される側は、スマートフォンのNFCアンテナの位置に依存し得る。例えば、スマートフォンのNFCアンテナが電話機の背面に近接して位置される場合、アセンブリは、信号強度を向上させるためにNFCアンテナに近づくように、スマートフォンの背後に配置されてもよい。これは、登録中のスマートカードへの最適な誘導結合及び最適で安定した電力の供給に役立つ。「最適な」誘導結合を論じるとき、これは登録方法の特定の制約内で最適であると解釈されるべきであることが理解されよう。例えば、位置は、ユーザが位置合わせを実行するためにアセンブリが電話表面に対して平らでなければならないこと、及び/又はスマートカードのバイオメトリックキャプチャデバイスがアクセス可能でなければならないこと、及び/又はスマートカードがスマートフォン又はスマートフォンの縁部の向きとほぼ位置合わせされ得ることにおいて制限され得る。
【0039】
本方法は、スマートフォン上の画面上命令を介して、スマートフォンに対してアセンブリのガイドを位置合わせする方法をユーザに指示することを含むことができる。本方法は、スマートフォン上の画面上命令を介してユーザに、スマートフォンに対するアセンブリの位置合わせを調整するように指示することを含むことができる。この微調整は、スマートカードへの電力供給を改善するのに役立ち得る。
【0040】
本方法は、信号ブースタを介してスマートフォンとスマートカードとの間の近距離無線通信の信号強度を判定することと、判定された信号強度に基づいてアセンブリの位置を調整するようにユーザに指示することとを含むことができる。信号強度は、スマートフォンからの測定によって判定されてもよい。信号強度は、スマートカードによって代替的又は追加的に決定され、ローカル非接触インターフェースを介してスマートフォンに報告されてもよい。信号強度の決定及び調整は、リアルタイムで実行されてもよく、及び/又は反復的であってもよい。ユーザは、スマートフォンの画面に表示された指示を介して指示されてもよい。
【0041】
本方法は、ユーザが、指紋などのバイオメトリック識別子をスマートカードのバイオメトリックキャプチャデバイスに提示することと、スマートカードのバイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリックプローブデータを取得することと、バイオメトリックプローブデータからバイオメトリック基準データを生成し、スマートカードのバイオメトリック基準データに記憶することと、を含む場合がある。バイオメトリックキャプチャデバイスは、指紋センサであってもよく、バイオメトリックプローブデータは、指紋画像であってもよく、バイオメトリック基準データは、指紋画像に基づく指紋基準データであってもよい。
【0042】
この方法は、登録命令をユーザに提示することを含むことができる。登録命令は、スマートフォンの画面上及び/又はアセンブリ自体に提示されてもよい。例えば、命令は、構造の表面に印刷されてもよい。
【0043】
スマートフォンに対するアセンブリの位置合わせは、アセンブリの縁部(例えば、上述したように、アセンブリの構造の縁部)をスマートフォンの縁部に対して位置合わせすることによって実行されてもよい。
【0044】
本方法は、スマートフォンに対してアセンブリ/構造を位置合わせすることと、ユーザの第1のバイオメトリック識別子を取得すること(例えば、ユーザの右親指)と、電話機、構造、及びスマートカードのうちの1つ又は複数の向きを変更することと、スマートフォンに対して構造を再び位置合わせさせることと、ユーザの第2のバイオメトリック識別子を取得すること(例えば、ユーザの左親指)と、を含む場合がある。第1及び第2のバイオメトリック識別子は、スマートフォンによってユーザに示されてもよい(例えば、「右手の親指をカードのセンサ上に置いてください」)。スマートフォンに対して構造を再び位置合わせすることは、構造の第2のガイドを用いて実行されてもよい。例えば、再び位置合わせすることは、構造の第2の異なるガイドをスマートフォンの同じ又は異なる縁部(又は複数の縁部)と位置合わせさせることによって実行され得る。あるいは、再び位置合わせすることは、構造の第1のガイドをスマートフォンの異なる縁部(又は複数の縁部)と位置合わせさせることによって実行されてもよい。この向きの変更及び再位置合わせは、異なる指(特に異なる手の指)の指紋画像をキャプチャすることをより容易にすることができる。
【0045】
スマートフォンは、登録プロセスを制御するためにスマートカードにコマンドを発行するように構成されてもよい。
【0046】
スマートフォンは、スマートカード、スマートフォン、信号ブースタ及び/又は機械的構造の相対的な位置合わせのための命令をユーザに提供することができる。スマートフォンはまた、バイオメトリック登録のための命令をユーザに提供することができる。そのような命令は、例えばアニメーション化されたビデオによって提示されてもよい。
【0047】
第4の態様によれば、本発明は、登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカードに電力を供給するために使用されるスマートフォンを識別することと、スマートフォンの近距離無線通信アンテナの構成及びスマートカードのアンテナの構成を識別することと、スマートカードアンテナに誘導結合するように構成された第1のアンテナと、スマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナと、を有する信号ブースタの設計を作成することであって、第1のアンテナ及び第2のアンテナが、スマートフォンのアンテナから第1のアンテナを介して受信した電力がスマートカードのアンテナに第2のアンテナを介して送信されるように、電気通信する、作成することと、を提供する。
【0048】
本方法は、コンピュータ実装方法であってもよく、設計を作成するステップは、コンピュータによって実行されてもよい。
【0049】
信号ブースタは、本明細書に記載の任意選択の特徴のいずれかを含む、第1の態様による信号ブースタであってもよい。
【0050】
設計を作成することは、第1のアンテナとスマートカードのアンテナとの間の実質的に最適な誘導結合のための第1のアンテナのサイズ、及び/若しくは形状、及び/若しくは位置、及び/若しくは共振周波数を識別すること、並びに/又は、第2のアンテナとスマートフォンのアンテナとの間の実質的に最適な誘導結合のための第2のアンテナのサイズ、及び/若しくは形状、及び/若しくは位置、及び/若しくは共振周波数を識別することを含み得る。
【0051】
信号ブースタは、第1のアンテナに接続された第1の発振回路と、第2のアンテナに接続された第2の発振回路とを含むことができ、第1のアンテナ及び第2のアンテナは、第1及び第2の発振回路を介して電気通信する。設計の作成は、スマートカードのアンテナのチューニングと一致するように第1のアンテナをチューニングすること、及び/又はスマートフォンのアンテナのチューニングと一致するように第2のアンテナをチューニングすることを含んでもよい。
【0052】
本方法は、登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカードに電力を供給するために各々が個別に使用される複数のスマートフォンを識別することと、複数のスマートフォンの各々の近距離無線通信アンテナの構成を識別することと、を含む場合があり、信号ブースタの設計を作成することが、複数のスマートフォンの各々の近距離無線通信アンテナに誘導結合するように構成されるように第2のアンテナを設計することを含む。
【0053】
このようにして、単一の信号ブースタを複数のスマートフォンモデルで利用することができる。信号ブースタの設計の作成は、スマートフォンの各モデルとの誘導結合のための最適な特性(例えば、サイズ、共振周波数、形状)の平均化を含むことができる。
【0054】
本方法は、設計に従って信号ブースタを製造することを含むことができる。
【0055】
第5の態様によれば、本発明は、
ユーザのスマートフォンのモデルを識別することと、複数の信号ブースタの中から信号ブースタを選択することであって、各信号ブースタが、スマートカードアンテナと誘導結合するように構成された第1のアンテナと、スマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナと、を備え、第1のアンテナ及び第2のアンテナが、第1のアンテナにおいて受信した電力が第2のアンテナに送信されるように電気通信し、選択された信号ブースタが、識別されたモデルのスマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された第2のアンテナを有している、選択することと、選択された信号ブースタをユーザに送ることと、を含む方法を提供する。
【0056】
信号ブースタは、前述の任意選択の特徴のいずれかを含む信号ブースタであってもよい。信号ブースタは、前述のように機械的構造で支持されてもよい。信号ブースタ又は信号ブースタを支持する機械的構造は、郵便サービスを介してユーザに送られてもよい。したがって、信号ブースタ又は信号ブースタを支持する機械的構造は、郵便配達サービスによってエンドユーザに配達されるように構成されてもよい。特に、信号ブースタ又は信号ブースタを支持する機械的構造は、典型的な文字の形状及びサイズ内に適合することができる。例えば、信号ブースタ又は信号ブースタを支持する機械的構造は、24cm×16cm×5mm未満の寸法を有することができる。スマートカードは、信号ブースタ又は機械的構造を予め装着することができ、このため、スマートカードをカード所有者に出荷するときにカードキャリアとして機能する。
【0057】
この方法は、信号ブースタ又は信号ブースタを支持する機械的構造を、登録されるバイオメトリック認証可能なスマートカードと共にユーザに送ることを含んでもよい。例えば、信号ブースタ又は機械的構造は、信号ブースタ及びスマートカードをユーザに送る前に、スマートカードに接着剤で取り付けられてもよい。
【0058】
この方法は、バイオメトリック認証可能なスマートカードをユーザに送る要求を受信することを含むことができ、要求は、ユーザが所有するスマートフォンのモデルの通知を含む。要求は、ユーザから、又はユーザの銀行若しくは他のカードプロバイダから送信されてもよい。
【0059】
本方法は、信号ブースタをユーザに送る前に、信号ブースタをスマートカードに取り付けることを含んでもよい。
【0060】
第6の態様によれば、本発明は、非接触電力回収のためのアンテナと、バイオメトリックキャプチャデバイスと、を備えたスマートカードであって、スマートカードが、バイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック登録を実行し、バイオメトリック登録が完了した後にバイオメトリックキャプチャデバイスを使用してバイオメトリック認証を実行するように構成されている、スマートカードと、近距離無線通信アンテナを備えたスマートフォンと、スマートカードのアンテナとスマートフォンの近距離無線通信アンテナとの両方と誘導結合するように構成された単一のアンテナを備えている信号ブースタと、を備え、単一のアンテナがスマートカードのアンテナより小さく、且つスマートフォンの近距離無線通信アンテナより大きく、単一のアンテナが、スマートフォンのアンテナから受信した電力が単一のアンテナを介してスマートカードのアンテナに送信されるように構成される、アセンブリを提供する。
【0061】
第6の態様のアンテナは、スマートカードのアンテナよりも小さく、スマートフォンのアンテナよりも大きい。したがって、ブースターアンテナは、スマートフォン及びスマートカードのアンテナが互いに結合するよりも効率的にスマートフォン及びスマートカードのアンテナの各々に結合することができ、スマートフォンとスマートカードとの間の電力伝送を強化する。
【0062】
第6の態様の信号ブースタは、第1の態様に関して説明したのと同じ利点の多くを提供する。しかしながら、第6の実施形態の信号ブースタは、単一のアンテナのみを使用してスマートフォンアンテナとスマートカードアンテナとの両方と結合することができ、第1の実施形態と比較してより簡単な設計を提供する。任意選択的に、単一のアンテナと、スマートフォンのスマートカードアンテナと近距離無線通信アンテナとの両方との間の結合係数はほぼ等しい。
【0063】
第6の態様のアセンブリは、信号ブースタが2つのアンテナの代わりに単一のアンテナを使用することを除いて、第1の態様に関して説明した任意の要素を組み込むことができる。
【0064】
第7の態様によれば、本発明は、前述のシステム内のスマートカードにユーザを登録する方法であって、方法が、単一のアンテナを介してスマートフォンからスマートカードに電力を供給することを含む、方法を提供する。
【0065】
第8の態様によれば、本発明は、登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカードに電力を供給するために使用されるスマートフォンを識別することと、スマートフォンの近距離無線通信アンテナの構成及びスマートカードのアンテナの構成を識別することと、スマートカードアンテナとスマートフォンの近距離無線通信アンテナとの両方と誘導結合するように構成された単一のアンテナを有する信号ブースタの設計を作成することであって、アンテナが、スマートフォンのアンテナから受信した電力がスマートカードのアンテナに単一のアンテナを介して送信されるように配置される、設計を作成することと、を含む、方法を提供する。
【0066】
第9の態様によれば、本発明は、ユーザのスマートフォンのモデルを識別することと、複数の信号ブースタの中から信号ブースタを選択することであって、各信号ブースタが、スマートカードアンテナとスマートフォンの近距離無線通信アンテナとの両方と誘導結合するように構成された単一のアンテナを備え、選択された信号ブースタが、識別されたモデルのスマートフォンの近距離無線通信アンテナと誘導結合するように構成された単一のアンテナを有している、選択することと、選択された信号ブースタをユーザに送ることと、を含む、方法を提供する。
【0067】
ここで、本発明の特定の好ましい実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1】スマートカードのバイオメトリック登録中にスマートフォンに対してバイオメトリック認証可能なスマートカードを位置合わせするための構造の平面図である。
図1a】スマートカードのバイオメトリック登録中にスマートフォンに対してバイオメトリック認証可能なスマートカードを位置合わせするための別の構造の平面図である。
図2】構造が折り畳まれている、図1に示す構造の第2の平面図である。
図3】バイオメトリック認証可能なスマートカードのバイオメトリック登録のためのシステムの概略図である。
図4】登録プロセス中の図3のシステムの平面図である。
図5】バイオメトリック認証可能なスマートカードのバイオメトリック登録のための別のシステムの概略図である。
図6】登録プロセスの2つの異なる段階における図5のシステムの2つの平面図である。
図7】スマートカードのバイオメトリック登録中にスマートフォンに対してバイオメトリック認証可能なスマートカードを位置合わせするための複数の構造を含むキャリアの平面図である。
図8】バイオメトリック認証可能なスマートカードのバイオメトリック登録のためのシステムの概略図である。
図9】信号ブースタを支持する箔又はフィルムを含むアセンブリと、スマートカードとの概略図である。
図10】信号ブースタを支持する機械的構造を含むアセンブリと、スマートカードとの概略図である。
図11】バイオメトリック認証可能なスマートカードのバイオメトリック登録のためのシステムである。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図1は、カードから作製され、スマートカード10のバイオメトリック登録中にスマートフォンに対してバイオメトリック認証可能なスマートカード10を位置合わせするための構造21を備えるキャリア20を示す。構造21は、構造21の縁部におけるカードの穿孔によってキャリア20から分離可能である。
【0070】
構造21は、スマートカード10を受け入れるためのスマートカード領域22を備え、スマートカード領域22は箔コーティング23を備える。箔コーティング23は、登録中にカードが構造21から誤って取り外されるのを防ぐために静止摩擦又は接着を実装する。図1に示す構造21では、スマートカード領域22は、(構造がスマートフォンと位置合わせされたときに)スマートカードがスマートフォンの右側に延びることから、スマートカード10全体を保持するのに十分な大きさである。
【0071】
構造21はまた、(図2を参照して以下により詳細に説明するように)構造21を折り畳まれた構成に保持するための接着点24を備える。
【0072】
スマートカード10は、ID-1カード(ISO/IEC 7810参照)のフォームファクタを有し、したがって、85.60×53.98×0.76ミリメートル(プラス又はマイナスの許容公差)の公称寸法と、2.88~3.48mmの半径の丸い角とを有する。
【0073】
スマートカード10は、接触プレート11(ISO/IEC 7816-1,-2参照)と、ISO/IEC 14443-3などの非接触プロトコルを介して通信するように構成されたNFCアンテナ13とを備える。
【0074】
スマートカード10はまた、スマートカード10へのユーザの登録中及びスマートカード10によるユーザのその後のバイオメトリック認証中に指紋データをキャプチャするために使用されるように構成された指紋センサ12の形態のバイオメトリックキャプチャデバイスを備える。
【0075】
使用時には、構造21は、図2に示すような構造を形成するために中央破線に沿って折り畳まれる。図1の構造21の左側に示す切り欠きは、構造21が折り畳まれたときに、カードの縁部(3つの側部)によって部分的に囲まれたスマートカード領域22の形成をもたらす。この縁部は、登録プロセス中にスマートカード10をスマートカード領域22内の所定の位置に保持するのに役立つ。
【0076】
図1aは、スマートカード10のバイオメトリック登録中にスマートフォンに対してバイオメトリック認証可能なスマートカード10を位置合わせするための構造21を含む代替のカードキャリア20を示す。この構造21は、図1に示す構造21と同様であり、同じ参照番号は同一の特徴を示す。しかしながら、図2に示す構造21は、スマートカード領域22aが構造21の右側に延びていないため、スマートカード10の一部のみを保持するように構成されたスマートカード領域22aを有する。構造21が折り畳まれたときにスマートカード10の縁部によって3つの縁部で部分的に囲まれていることを考えると、そのような構成は依然としてスマートカード10をしっかりと保持できることが理解されよう。
【0077】
図2は、登録プロセスで使用するために折り畳まれた後の構造31(図1に示す構造と同一)を示す。ここで、構造の前面は、登録中に構造31をスマートフォンと位置合わせする方法をユーザに示す矢印及びテキストの形態の多数のガイド表示32を含むことが分かる。図示の配置では、構造31は、矢印によって示されるように、その下側及び右手側のガイド縁部に沿って、スマートフォンの下側及び右手側のガイド縁部と位置合わせされるべきである。
【0078】
構造31のガイド(すなわち、ガイド表示32及びガイド縁部)は、他の形態をとることができ、例えば、ガイド表示32は省略することができ、ガイドは単に構造31のガイド縁部である。代替的又は追加的に、構造31には、1つ又は複数のガイドウィンドウが形成されてもよく、構造31のガイド縁部及び/又はガイドウィンドウをスマートフォンの特定の縁部又は他の特徴と位置合わせするようにユーザに通知する命令がユーザに与えられてもよい。
【0079】
図3は、スマートカード10のバイオメトリック登録のためのシステムの一部として、図2の構造31及びスマートカード10を示す。システムは、その後部に向かって配置された近距離無線通信アンテナ41を有するスマートフォン40を備える。
【0080】
図4を参照すると、登録プロセス中の使用中、スマートカード10は、前述のように構造31のスマートカード領域22に配置される。次いで、構造31は、スマートフォン51の背後に、その後面と接触して配置され、ガイド32に従ってスマートフォン51の下縁部及び右手側縁部と位置合わせされる。
【0081】
スマートフォン51はスマートカード10の存在を検出し、登録プロセスはスマートフォン51上のアプリケーション53によって案内される。この位置合わせした位置では、スマートフォン51は、NFCアンテナ52を介して登録するためにスマートカード10に電力を供給する。
【0082】
スマートフォン51は、例えば、登録のためにスマートカード10に十分な電力が供給されていない場合に、NFCアンテナ52に対するスマートカード10の位置が準最適であるかどうかを検出するように構成される。この場合、アプリケーション53は、それに応じて構造31及びスマートカード10の位置を調整するようにユーザを案内する。このようなガイダンスは、スマートフォン51によってスマートカード10に供給される電力の信号強度測定に基づいており、リアルタイムで動的である。
【0083】
スマートカード10が登録のために十分な安定した電力を供給できる位置になると、アプリケーション53は登録プロセスを通じてユーザを案内する。登録プロセスは、ユーザがスマートカード10の指紋センサ12に指を提示することと、スマートカードの指紋センサ12を使用して1つ又は複数の指紋画像を取り込むことと、センサ、MCU、又はスマートカード10の固定要素において、取り込まれた指紋画像に基づいてバイオメトリック基準データを生成することと、スマートカード10にバイオメトリック基準データを保存することと、を含む。
【0084】
登録のための別のシステムを図5に示す。このシステムは、スマートカード60と、NFCアンテナ71を有するスマートフォン70とを備えている。これらは、図2から図4のものと同じであるが、スマートカード60のバイオメトリック登録中にスマートカード60をスマートフォン70に対して位置合わせするための異なる構造61を利用する。
【0085】
このシステムでは、構造61は、構造61の上部と下部との両方にガイドを備え、それぞれがガイド表示及びガイド縁部を備える。構造61の上部のガイドは、構造61がスマートフォン70に対して第1の向きにあるときに指紋を登録するためのものであり、構造61の下部のガイドは、構造が第2の向きにあるときにスマートフォン70と構造61を位置合わせするためのものである。
【0086】
ガイド表示は、スマートフォン70と位置合わせされるべき縁部を示す矢印及びテキストである。構造は、構造の上縁部及び下縁部のガイドが構造61(及びカード60)の中心から等距離にあるという点で対称的である。この対称性により、構造は、構造61の向きに応じて、構造61の上部又は下部ガイド縁部のいずれかに沿ってスマートフォンの縁部と位置合わせすることができる。
【0087】
したがって、この構造61は、登録のためのスキャンの第1のシーケンスの前にスマートフォン70の縁部と位置合わせし、スマートフォン70に対する構造61(したがって、スマートカード60も)の向きを変更し、次に登録のためのスキャンの第2のシーケンスの前にスマートフォンの同じ縁部と位置合わせし直すことを含む登録プロセスで使用することができる。これは、図6を参照してより詳細に説明される。
【0088】
図6は、スマートフォン83及びスマートカード82が、例えば左手側に左手の親指を登録するために、スマートフォンの左に延びるスマートカード10に第1の指を登録するためにどのように配置されるかを示す(図の左側)。この設定では、構造61の下部のガイド(図5に示す)は、スマートフォン83の下縁部と位置合わせされる。この設定では、ユーザは、左手の指又は親指をスキャンする間、右手で、位置合わせした構造61及びスマートカード82と共にスマートフォン83を保持することができる。
【0089】
図6の右側は、スマートフォン83及びスマートカード82をどのように再配置及び再び位置合わせさせることができるかを示しており、スマートカード80はその後、第2の指、例えば右親指を登録するためにスマートフォン81の右側に延びる。この設定では、構造61及びそれと共にスマートカード80は、構造61の平面に垂直な軸の周りに180°回転しており、図5の構造の上部のガイドはスマートフォン81の底部と位置合わせされている。この設定では、ユーザは、右手の指又は親指をスキャンする間、左手で、再び位置合わせした構造61及びスマートカード80と共にスマートフォン81を保持することができる。
【0090】
本明細書に記載の構造は、異なる寸法、アンテナ位置、及びスマートフォンに対するスマートカードの最適な位置を有する異なる携帯電話用の異なる変形形態で提供され得る。
【0091】
図7に示すように、携帯電話の複数のモデルに一度に対応するために、単一のカード構造90は、複数のプリカットガイドを提供し、各ガイドは、異なるモデル又は電話のファミリ用であり、各ガイドは、それに応じて、電話のグループ又は電話のファミリ用の電話モデルインジケータ91でマークされる。構造90には、使用のために露出されるべき特定のガイドの選択を可能にするために、様々なガイド間に(図7に示す破線に沿って)穿孔が設けられている。この選択は、穿孔に沿って引き裂き、周囲のガイド又は使用されていないガイドに関する構造90の部分を除去することによって達成される。
【0092】
図8及び図9は、バイオメトリック認証可能なスマートカード100のバイオメトリック登録のためのシステムを示す。システムは、バイオメトリック認証可能なスマートカード100、信号ブースタ200、及びスマートフォン301を備える。3つの構成要素はすべて図8に示されており、図9はスマートカード100及び信号ブースタ200をより詳細に示している。
【0093】
スマートカード100は、前述と同じ形態であり、指紋センサ102、セキュア要素101、及びアンテナ103を備える。スマートフォン301はまた、前述した形態であり、近距離無線通信(NFC)アンテナ302及びスクリーン303を備える。
【0094】
信号ブースタ200は、スマートカードのアンテナ103と誘導結合するように構成された第1のアンテナ201と、スマートフォンの近距離無線通信アンテナ302と誘導結合するように構成された第2のアンテナ202とを備える。
【0095】
第1のアンテナ201及び第2のアンテナ202は、使用中に、スマートフォン301のアンテナ302から第2のアンテナ202を介して受信した電力が第1のアンテナ201を介してスマートカード100のアンテナ103に送信されるように、信号ブースタ200の回路203を介して電気通信する。あるいは、第1のアンテナ201及び第2のアンテナ202は、インダクタを形成し得る直接ワイヤ接続を介して電気通信してもよい。
【0096】
第2のアンテナ202はスマートフォン301のアンテナ302と同じ形状及びサイズになるように設計されているため、第2のアンテナ202は第1のアンテナ201よりも小さく、第1のアンテナ201はスマートカード101のアンテナ103と同じサイズ及び形状になるように設計されている。このように形状及びサイズを一致させることにより、それぞれの誘導結合の強度及び安定性が改善される。第2のアンテナ202の共振周波数はスマートフォン301のアンテナ302と同様であり、第1のアンテナ201の共振周波数はスマートカード100のアンテナ103と同様である。やはり、これは、それぞれの誘導結合の強度及び安定性を改善する。
【0097】
この目的のために、オプション回路203は、第1のアンテナ201に接続され、スマートカード100のアンテナ103のチューニングに一致するように第1のアンテナ201をチューニングする第1の発振回路と、第2のアンテナ202に接続され、スマートフォン301のアンテナ302のチューニングに一致するように第2のアンテナ202をチューニングする第2の発振回路と、を備えている。
【0098】
回路203(並びに第1及び第2の発振回路の各々)は各々、受動/離散電子構成要素のみを備える。受動構成要素は、調達及び実装が安価であり、典型的には小さく、能動機能を有さない。これは、信号ブースタ200が安価で製造が容易であることを意味する。受動構成要素には、コンデンサ、抵抗器、及びインダクタが含まれる。回路203がない場合、インダクタはまた、第1のアンテナ201、第2のアンテナ202、及びこれら2つの間の電気的接続を形成するのと同じワイヤによって形成されてもよい。
【0099】
図9は、信号ブースタ200及びスマートカード100を含むアセンブリを示す。このアセンブリでは、信号ブースタ200は、スマートカード100の表面に接着され得る箔又はフィルムに組み込まれる。図9に示す配置は、内部構成要素の位置合わせを示すために、スマートカードとは別個の箔又はフィルムを示している。信号ブースタ200の片側に接着剤があり、信号ブースタ200をスマートカード100の表面に接着することができる。
【0100】
使用中、信号ブースタ200とスマートカード100との組み合わせアセンブリが、スマートカード100の登録のためにユーザに送られる(前述のような方法でユーザのスマートフォン100を使用する)前に、図9に示すように、信号ブースタ200は、例えば接着剤を介して、スマートカード100の表面に取り外し可能に取り付けられる。一実施形態では、信号ブースタ200は、登録が完了するとスマートカード100から取り外し可能であり得る、スマートカード100の片側に取り付けられた箔又はフィルムのステッカーの形態の構造の一部である。
【0101】
信号ブースタ200は開口部204を備える。スマートカード100のアンテナ103が信号ブースタ200の第1のアンテナ201と位置合わせされると、スマートカード100の指紋センサ102は開口部204を通してアクセス可能である。信号ブースタ200の第1のアンテナ201は、この開口部204の周囲に延在している。これにより、登録のためのスマートカード100のバイオメトリックセンサ103へのアクセスを妨げずに、第1のアンテナ201をスマートカード100のサイズに一致するのに十分な大きさのサイズにすることができる。
【0102】
使用中、信号ブースタ200及びスマートカード100を含むアセンブリを位置合わせさせるようにユーザを案内する命令は、前述の方法で、スマートフォン301のスクリーン303を介してユーザに提供される。位置合わせされると、スマートフォンアンテナ302からの電力が信号ブースタ200を介してスマートカード100に供給され、スマートカード100のバイオメトリックセンサ102を使用して、前述のようにバイオメトリック登録を実行することができる。
【0103】
図10は、信号ブースタ200及びスマートカード100を含む別のアセンブリを示す。このアセンブリでは、信号ブースタ200は、カードの穿孔を引き裂くことによってカードキャリア401から取り外すことができるカードから形成された機械的構造400の一部である。構造400は、図1図1a、及び図2に示され、上述されたガイド21と同様の折り畳まれたテンプレートの形態をとり、信号ブースタ200を更に含む。前述の構造と同様に、構造400はまた、スマートフォンと位置合わせするためのガイド表示を含むが、これらは示されていない。構造400はまた、前述と同じ方法でスマートカード100を保持するための切り欠き402を含む。スマートカード100が切り欠き401に保持されると、信号ブースタ200の第1のアンテナ201はスマートカード100のアンテナ103と位置合わせされる。
【0104】
スマートカード100に電力を供給するために、構造400及びスマートカード100のアセンブリはスマートフォン301と位置合わせされ、その結果、信号ブースタ200を介してスマートカード100に電力を供給することができ、登録を前述の方法で実行することができる。
【0105】
本明細書に記載の信号ブースタ200を設計及び製造するために、以下の方法を利用することができる。
【0106】
まず、信号ブースタ設計者は、登録中にバイオメトリック認証可能なスマートカード100に電力を供給するために使用されるスマートフォン301の特定のモデルを識別する。
【0107】
次に、信号ブースタ設計者は、スマートフォン300の近距離無線通信アンテナ302の構成及びスマートカード100のアンテナ103の構成を特定する。位置は、任意の適切な方法で判定することができる。いくつかの実施形態では、スマートフォン及びスマートカードの知識に基づいて、構成を分析的に判定することができる。いくつかの実施形態では、アンテナ103、302の位置及び/又はチューニングは、製品仕様などから利用可能であり得る。
【0108】
それぞれのアンテナ103、302の構成に基づいて、設計者は次いで、スマートカードアンテナ103と誘導結合するように構成された第1のアンテナ201と、スマートフォン300の近距離無線通信アンテナ302と誘導結合するように構成された第2のアンテナ202とを有する信号ブースタ200の設計を作成する。
【0109】
第1のアンテナ201及び第2のアンテナ202のサイズ、形状及び共振周波数は、スマートカードアンテナ103及びスマートフォンアンテナ302への実質的に最適な誘導結合のためにそれぞれ設計されている。各アンテナ201、202の共振周波数を設計することは、前述のように第1及び第2発振回路203をチューニングすることを含む。
【0110】
実質的に最適な誘導結合のサイズ、形状、及び共振周波数は、実験によって決定することができる。この実験は、スマートカード100に十分な及び/又は最大の電力供給を提供する構成を見つけるために、異なる可能な構成を試験することを含み得る。
【0111】
第1のアンテナ及び第2のアンテナの最適なサイズ、形状及び共振周波数が判定されると、設計者は次いで、信号ブースタ200を支持するための構造400を設計することができる。信号ブースタ200は、図1図7に関連して説明した構造のいずれかに組み込むことができる。例えば、設計は、図8及び図9を参照して上述したような箔又はフィルム、又は図10に関連して上述したような折り畳み構造であってもよい。
【0112】
設計者は、スマートフォン300の複数の異なるモデルに適した第1のアンテナ201及び第2のアンテナ202の構成を判定してもよい。したがって、設計者は、複数のスマートフォン300のいずれかの1つのアンテナ202と誘導結合するように構成された第2のアンテナ302及び/又は回路203を備える信号ブースタの設計を作成してもよい。これは、サイズ、形状、共振周波数など、スマートフォン300の複数のモデルのアンテナ特性を平均化して達成してもよい。
【0113】
設計が完了すると、1つ又は複数の信号ブースタ200及び/又は構造400を、設計(複数可)に従って製造することができる。任意の適切な製造方法を使用することができる。
【0114】
スマートカード発行機関には、スマートフォン300の複数の異なるモデルでの使用に適した複数の異なる信号ブースタ200及び/又は構造400を提供することができる。
【0115】
スマートカード発行機関が、銀行から、ユーザから、又は内部ワークフローに起因するなど、スマートカードをユーザに発行する要求を受信すると、スマートカード発行機関は、まず、ユーザが所有するスマートフォン300のモデルを識別する。これは、要求の内容に基づいて判定されてもよく、データベースから取得されてもよく、又はユーザによって若しくは要求発行者からのいずれかで要求されてもよい。
【0116】
次いで、スマートカード発行機関は、複数の異なる信号ブースタ200及び/又は構造400の中から、識別されたスマートフォン300のモデルに対応する適切な信号ブースタ200及び/又は構造400を選択する。次いで、選択された信号ブースタ200及び/又は構造400は、例えば郵便サービスによって、スマートカード100と共にユーザに送られる。このプロセスはまた、専用のパーソナライズ局、フルフィルメントセンタ、又は発行機関とは異なる他のエンティティによって処理されてもよい。
【0117】
図8及び図9の実施形態などのいくつかの実施形態では、スマートカード100並びに信号ブースタ200及び/又は構造400は、接着剤を介して互いに取り外し可能に取り付けられてもよい。
【0118】
図10の実施形態などのいくつかの実施形態では、スマートカード100は、ユーザに送る前に構造400に取り付けられてもよい。
【0119】
図11は、バイオメトリック認証可能なスマートカード100のバイオメトリック登録のための更なるシステムを示す。システムは、バイオメトリック認証可能なスマートカード100、信号ブースタ500、及びスマートフォン300を備える。
【0120】
スマートカード100は、前述と同じ形態であり、指紋センサ102、セキュア要素101、及びアンテナ103を備える。スマートフォン301はまた、前述した形態であり、近距離無線通信(NFC)アンテナ302及びスクリーン303を備える。
【0121】
この実施形態の信号ブースタ500は、スマートカード100のアンテナ103とスマートフォン300の近距離無線通信アンテナ302との両方と誘導結合するように構成された単一のアンテナ502を備える。
【0122】
アンテナ502は、スマートフォン301のアンテナ302よりも大きく、スマートカード100のアンテナ103よりも小さい。信号ブースタ500のアンテナ502をスマートカードアンテナ103とスマートフォンアンテナ502との間のサイズにすることにより、スマートフォンアンテナ302とスマートカードアンテナ103との両方との誘導結合が可能になる。好ましい実装態様では、信号ブースタ500のアンテナ502は、スマートフォン301のアンテナ302とスマートカード100のアンテナ103との両方とほぼ等しい結合効率を達成するようにサイズ設定及びチューニングされる。
【0123】
図11に示す信号ブースタ500は、図11に示すように、上述し、図8及び図9に示す信号ブースタ200と実質的に同じ方法で使用することができる。あるいは、信号ブースタ500は、図10に示す信号ブースタ200と同じ方法で構造400に組み込まれてもよい。
【0124】
同様に、信号ブースタ500は、同じ利点と共に図8の開口部204と同じ機能を提供する開口部504を備える。
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】