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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】ビタミンCのための新規送達系
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/375 20060101AFI20241031BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20241031BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20241031BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20241031BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
A61K31/375
A61K47/46
A61K47/36
A61K47/10
A61K47/14
A61K9/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024531642
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-24
(86)【国際出願番号】 EP2022083708
(87)【国際公開番号】W WO2023099493
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21212297.2
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】フンダ, エルガー
(72)【発明者】
【氏名】クラインツ, オディール
(72)【発明者】
【氏名】ザバラ, アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA95
4C076BB01
4C076CC21
4C076DD38
4C076DD39
4C076DD47
4C076EE36
4C076EE57
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA18
4C086MA03
4C086MA05
4C086NA13
4C086ZC21
(57)【要約】
本発明は、大腸での放出のための、(アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩としても知られる)ビタミンCのための新規送達系に関する。これらの栄養成分は、単胃動物(ブタ及び家禽並びに魚など)、特にヒトにおいて腸及び代謝の健康に有用である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ビタミンCを含む固体コアと、
(b)セラック及び/又はセラックアンモニウム塩、
粘度が10~800mPas(20℃で10%水溶液)である少なくとも1つのアルギン酸塩、及び
少なくとも1つの可塑剤
を含むコーティングと、
からなる単一コーティングされた送達系。
【請求項2】
前記単一コーティングされた送達系の総重量に対して60~95wt-%の前記コアと、
前記単一コーティングされた送達系の総重量に対して5~40wt-%の前記コーティング層と、からなる、請求項1に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項3】
前記単一コーティングされた送達系の総重量に対して70~90wt-%の前記コアと、
前記単一コーティングされた送達系の総重量に対して10~30wt-%の前記コーティング層と、からなる、請求項1に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項4】
前記コーティング層の厚さが少なくとも5μmである、請求項1~3の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項5】
前記コーティング層の厚さが5μm~50μmである、請求項1~4の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項6】
前記コアが、前記コアの総重量に対して最大100wt-%のビタミンCを含む、請求項1~5の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項7】
前記単一コーティングされた送達系の前記サイズが100~2300μmである、請求項1~6の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項8】
前記セラック及び/又はセラックアンモニウム塩が、前記単一コーティング層の総重量に対して50~98wt-%の量で前記単一コーティング中で使用される、請求項1~7の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項9】
前記単一コーティング中の前記少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度が10~800mPas(20℃で10%溶液として測定)である、請求項1~8の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項10】
前記少なくとも1つのアルギン酸塩がアルギン酸ナトリウムである、請求項1~9の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項11】
単一中の前記少なくとも1つのアルギン酸塩が前記単一コーティング層の総重量に対して0.5~10wt-%の量で前記単一コーティング中で使用される、請求項1~10の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項12】
前記少なくとも1つの可塑剤が、グリコール、グリセロール三酢酸、ポリエーテル、クエン酸トリエチルからなる群から選択される、請求項1~11の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【請求項13】
前記単一コーティング中の前記少なくとも1つの可塑剤が、前記単一コーティング層の総重量に対して1~30wt-%の量で使用される、請求項1~12の何れか一項に記載の単一コーティングされた送達系。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、大腸での放出のための(アスコルビン酸及びアスコルビン酸塩としても知られる)ビタミンCに対する新規送達系に関する。これらの栄養成分は、単胃動物(ブタ及び家禽並びに魚など)、特にヒトにおいて腸及び代謝の健康に有用である。
【0002】
多くの場合において、医薬及び栄養補助剤的な投与単位は、未変化の状態で胃を通過し、腸に到達したときにそれらの内容物を放出することが望ましい。この制御放出は、投与単位の成分が胃の酸性環境で不安定ある場合に特に望ましいものであり得、胃よりも先にある消化管の、僅かにアルカリ性状態において成分が放出されることが意図される。
【0003】
本発明による新規処方物は、大腸でのビタミンCの放出を可能にする。
【0004】
従って、本発明は、
(a)ビタミンCを含む固体コアと、
(b)セラック及び/又はセラックアンモニウム塩、
10~800mPas(20℃で10%水溶液)の粘度を有する少なくとも1つのアルギン酸塩、
及び少なくとも1つの可塑剤
を含むコーティングと、
からなる単一コーティングされた送達系(DS)に関する。
【0005】
新規送達系は、単一コーティングされた処方物である。これは、処方物の内側部分(コア)が単一層により被覆されることを意味する。この新規送達系は、別のさらなる層を含まない。
【0006】
通常、本発明による単一コーティングされた送達系は、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して60~95重量%(wt-%)(好ましくは70~90wt-%)のコアと、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して5~40wt-%(好ましくは10~30wt-%)のコーティング層と、
を含む。
【0007】
通常及び好ましくは、単一コーティングされた送達系は、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して60~95wt-%のコアと、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して5~40wt-%のコーティング層と、
からなる。
【0008】
より好ましくは、単一コーティングされた送達系は、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して70~90wt-%のコアと、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して10~30wt-%のコーティング層と、
からなる。
【0009】
単一コーティングされた送達系の全パーセンテージは通常、100まで加算する。
【0010】
従って、本発明は、単一コーティングされた送達系の総重量に対して60~95wt-%のコアと、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して5~40wt-%のコーティング層と、
を含む、コーティングされた送達系(DS)である単一コーティングされた送達系(DS1)に関する。
【0011】
従って、本発明は、単一コーティングされた送達系の総重量に対して70~90wt-%のコアと、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して10~30wt-%のコーティング層と、
を含む、コーティングされた送達系(DS)である単一コーティングされた送達系(DS1’)に関する。
【0012】
従って、本発明は、単一コーティングされた送達系の総重量に対して60~95wt-%のコアと、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して5~40wt-%のコーティング層と、からなる、コーティングされた送達系(DS)である単一コーティングされた送達系(DS1’’)に関する。
【0013】
従って、本発明は、単一コーティングされた送達系の総重量に対して70~90wt-%のコアと、
単一コーティングされた送達系の総重量に対して10~30wt-%のコーティング層と、からなる、コーティングされた送達系(DS)である単一コーティングされた送達系(DS1’’’)に関する。
【0014】
本発明による単一コーティングされた送達系のコーティングは、固体コアを完全に被覆している。理想的には、コーティング層は、固体コア上に適用される場合、(程度の差はあるが)均一な厚さを有する。
【0015】
通常、コーティング層の厚さは、少なくとも5μmであり、50μm以下である。好ましくは、コーティング層の厚さは、5μm~50μmである。
【0016】
従って、本発明は、コーティング層の厚さ(コア上に適用される)が少なくとも5μmであり、50μm以下である、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)又は(DS1’’’)である単一コーティングされた送達系(DS2)に関する。
【0017】
従って、本発明は、コーティング層の厚さが5μm~50μmである、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)又は(DS1’’’)である単一コーティングされた送達系(DS2’)に関する。
【0018】
本発明の単一コーティングされた送達系の固体コアは、ビタミンCを含む。
【0019】
「コア」という用語は、本発明の文脈において、通常は、何れかの一般的に知られ、使用される技術(噴霧乾燥、噴霧冷却(spray-cooling)、噴霧造粒、噴霧冷却(spray-chilling)、凝集、押出し成形-球状化、ペレット化など)により作製され、少なくとも1つの有効成分を含有する粒子を指す。
【0020】
ビタミンCは、化学的に生成され得るか又は天然源から単離され得る(主に果実及び野菜)。本発明による処方物に対して、供給源は必須ではない。あらゆるビタミンC(様々な供給源からの混合物も)が使用され得る。
【0021】
コアは、コアの総重量に対して最大100wt-%のビタミンCを含む。
【0022】
従って、本発明は、コアが、コアの総重量に対して最大100wt-%のビタミンCを含む、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)又は(DS2)である、単一コーティングされた送達系(DS3)に関する。
【0023】
さらに、コアは、何れかの一般的に公知の補助剤を含み得る。これらの物質は通常、コアの作製のために使用される。
【0024】
このような補助剤は、例えば担体(セルロース、マルトデキストリン、デンプン又はラクトースなど);結合剤(ペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガムのようなゲル形成剤など);保水剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルなど);染料;香料;充填剤及び緩衝剤である。
【0025】
このような補助剤は通常、コアの総重量に対して最大80重量%の量で存在する。(通常、コアの総重量に対して10~60wt-%、好ましくは10~40wt-%)。
【0026】
従って、本発明は、コアが少なくとも1つの補助剤を含む、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)又は(DS3)である、単一コーティングされた送達系(DS4)に関する。
【0027】
従って、本発明は、少なくとも1つの補助剤が、担体(セルロース、マルトデキストリン、デンプン又はラクトースなど);結合剤(ペクチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガムのようなゲル形成剤など);保水剤(グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコール、クエン酸トリエチルなど);染料;香料;充填剤及び緩衝剤からなる群から選択される、コーティングされた送達系(DS4)である単一コーティングされた送達系(DS4’)に関する。
【0028】
従って、本発明は、コアが、コアの総重量に対して最大80wt-%の少なくとも1つの補助剤を含む、コーティングされた送達系(DS4)又は(DS4’)である単一コーティングされた送達系(DS4’’)に関する。
【0029】
従って、本発明は、コアが、コアの総重量に対して10~60wt-%の少なくとも1つの補助剤を含む、コーティングされた送達系(DS4)又は(DS4’)である単一コーティングされた送達系(DS4’’’)に関する。
【0030】
従って、本発明は、コアが、コアの総重量に対して10~40wt-%の少なくとも1つの補助剤を含む、コーティングされた送達系(DS4)又は(DS4’)である単一コーティングされた送達系(DS4’’’’)に関する。
【0031】
本発明による単一コーティングされた送達系のコアは、あらゆる一般的に知られる工程(噴霧乾燥、噴霧冷却(spray-cooling)、噴霧造粒、噴霧冷却(spray-chilling)、凝集、押出し成形-球状化、ペレット化など)により作製され得る。
【0032】
コアの形状は、本発明の必須の特性ではない。形状は、球状又はあらゆる他の形態であり得る(形状の混合物も)。通常及び好ましくは、粒子は球状である。
【0033】
コアのサイズ並びに本発明による単一コーティングされた送達系のサイズは、本発明の必須の特性ではない。
【0034】
本発明による単一コーティングされた送達系の適切なサイズは、100~2300μm(好ましくは300~2000μm、より好ましくは500~1400μm)であり;そのサイズは、粒子の最大幅の径により定められ、一般的に知られる方法によって測定される(レーザー回折又はふるい分析のようなもの)。
【0035】
上記のように、コーティング層の厚さは、5μm~50μmである。
【0036】
粒径は全て、Malvern Instruments Ltd.,UKの「Mastersizer 3000」を使用してレーザー回折技術により決定する。この粒径の特徴評価法に対するさらなる情報は、例えば、“Basic principles of particle size analytics”,Dr Alan Rawle,Malvern Instruments Limited,Enigma Business Part,Grovewood Road,Malvern,Worcestershire,WR14 1XZ,UK及び“Manual of Malvern particle size analyser”で見ることができる。ユーザーマニュアル番号MAN 0096,Issue 1.0,Nov.1994を特に参照する。他に何も記載されていない場合、全ての粒径への言及は、レーザー回折により決定されるDv90値(体積直径、集団の90%がこの点未満に属し、10%がこの点より上に属する)である。粒径は、乾燥形態で決定され得る。
【0037】
従って、本発明は、サイズが100~2300μmである、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)又は(DS4’’’’)である単一コーティングされた送達系(DS5)に関する。
【0038】
従って、本発明は、サイズが300~2000μmである、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)又は(DS4’’’’)である単一コーティングされた送達系(DS5’)に関する。
【0039】
従って、本発明は、サイズが500~1400μmである、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)又は(DS4’’’’)である単一コーティングされた送達系(DS5’’)に関する。
【0040】
本発明による単一コーティングされた送達系のコーティングは、セラック及び/又は少なくとも1つのセラックアンモニウム塩と、粘度が10~800mPas(20℃で10%水溶液)の少なくとも1つのアルギン酸塩と、少なくとも1つの可塑剤と、を含む。
【0041】
これは、本発明による単一コーティングされた送達系のコーティングが少なくとも3つの成分を有することを意味する。
【0042】
第1のコーティング材料は、セラック及び/又はセラックアンモニウム塩である。
【0043】
セラックは、興味深い特性及び例外的な多用途性を持つ天然産物である。セラックは、天然樹脂ラックの精製された生成物であり、ラックカイガラムシとして一般的に知られる小さな寄生昆虫ケリア・ラッカ(Kerria Lacca)の硬化した分泌物である。これは、動物由来の唯一の既知の市販樹脂である。
【0044】
セラックは、エステル及びポリヒドロキシ酸のポリエステルの複合混合物を伴う天然物質である。
【0045】
セラックを販売する、多くの市販業者が存在する。
【0046】
セラックアンモニウム塩は、修飾されたセラックである。これは、一般的に知られる工程に従い行われる。セラックアンモニウム塩も市販されている。
【0047】
単一コーティング層の総重量に対して50~98wt-%の量で、単一コーティング中でセラック及び/又はセラックアンモニウム塩が使用される。
好ましくは、これは、単一コーティング層の総重量に対して60~85wt-%、より好ましくは70~85wt-%の量で使用される。
【0048】
好ましくはセラックアンモニウム塩が使用される。
【0049】
従って、本発明は、セラック及び/又はセラックアンモニウム塩が単一コーティング層の総重量に対して50~98wt-%の量で単一コーティング中で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)又は(DS5’’)である単一コーティングされた送達系(DS6)に関する。
【0050】
従って、本発明は、セラック及び/又はセラックアンモニウム塩が単一コーティング層の総重量に対して60~85wt-%の量で単一コーティング中で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)又は(DS5’’)である単一コーティングされた送達系(DS6’)に関する。
【0051】
従って、本発明は、セラック及び/又はセラックアンモニウム塩が単一コーティング層の総重量に対して70~85wt-%の量で単一コーティング中で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)又は(DS5’’)である単一コーティングされた送達系(DS6’’’)に関する。
【0052】
単一コーティングは、粘度が10~800mPas(20℃で10%水溶液として測定)である少なくとも1つのアルギン酸塩も含む。粘度は、全ての一般的に知られる方法及び装置を使用して測定され得る。
【0053】
好ましくは、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度は、10~500mPas(20℃で10%溶液として測定)である。
【0054】
より好ましくは、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度は、10~200mPas(20℃で10%溶液として測定)である。
【0055】
最も好ましくは、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度は、10~100mPas(20℃で10%溶液として測定)である。
【0056】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度が10~800mPas(20℃で10%水溶液として測定)である、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)又は(DS6’’)である単一コーティングされた送達系(DS7)に関する。
【0057】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度が10~500mPas(20℃で10%溶液として測定)である、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)又は(DS6’’)である単一コーティングされた送達系(DS7’)に関する。
【0058】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度が10~200mPas(20℃で10%溶液として測定)である、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)又は(DS6’’)である単一コーティングされた送達系(DS7’’)に関する。
【0059】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩の粘度が10~100mPas(20℃で10%溶液として測定)である、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)又は(DS6’’)である単一コーティングされた送達系(DS7’’’)に関する。
【0060】
このようなアルギン酸塩は、超低粘度アルギン酸塩として知られる。
【0061】
通常及び好ましくは、これはアルギン酸ナトリウムである。このような超低粘度アルギン酸塩は、様々な供給業者から市販されている(例えば、株式会社キミカ(KIMICA Corporation)、商品名KIMICA ALGIN ULV-L3、KIMICA ALGIN ULV-L5、KIMICA ALGIN ULV-1、KIMICA ALGIN ULV-3及びKIMICA ALGIN ULV-5)。
【0062】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩がアルギン酸ナトリウムである、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)又は(DS7’’’)である単一コーティングされた送達系(DS8)に関する。
【0063】
少なくとも1つのアルギン酸塩は、単一コーティング層の総重量に対して0.5~10wt-%の量で単一コーティング中で使用される。
【0064】
好ましくは、これは、単一コーティング層の総重量に対して1~6wt-%、より好ましくは2~5wt-%の量で使用される。
【0065】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩が単一コーティング層の総重量に対して0.5~10wt-%の量で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)又は(DS8)である単一コーティングされた送達系(DS9)に関する。
【0066】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩が単一コーティング層の総重量に対して1~6wt-%の量で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)又は(DS8)である単一コーティングされた送達系(DS9’)に関する。
【0067】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つのアルギン酸塩が単一コーティング層の総重量に対して2~5wt-%の量で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)又は(DS8)である単一コーティングされた送達系(DS9’’)に関する。
【0068】
単一コーティング層の第3の構成成分は、1つ又は複数の可塑剤である。
【0069】
可塑剤は、あらゆる一般的に使用されるものであり得る。適切なものは、例えばグリコール、グリセロール、グリセロール三酢酸、ポリエーテル、クエン酸トリエチルである。
【0070】
従って、本発明は、少なくとも1つの可塑剤が、グリコール、グリセロール、グリセロール三酢酸、ポリエーテル、クエン酸トリエチルからなる群から選択される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)又は(DS9’’)である単一コーティングされた送達系(DS10)に関する。
【0071】
少なくとも1つの可塑剤は、単一コーティング層の総重量に対して1~30wt-%の量で単一コーティング中で使用される。
【0072】
好ましくは、これは、単一コーティング層の総重量に対して5~30wt-%、より好ましくは10~25wt-%の量で使用される。
【0073】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つの可塑剤が単一コーティング層の総重量に対して1~30wt-%の量で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)又は(DS10)である単一コーティングされた送達系(DS11)に関する。
【0074】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つの可塑剤が単一コーティング層の総重量に対して5~30wt-%の量で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)又は(DS10)である単一コーティングされた送達系(DS11’)に関する。
【0075】
従って、本発明は、単一コーティング中の少なくとも1つの可塑剤が単一コーティング層の総重量に対して10~25wt-%の量で使用される、コーティングされた送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)又は(DS10)である単一コーティングされた送達系(DS11’’)に関する。
【0076】
単一コーティング層の成分の全パーセンテージが通常100まで加算されることは明らかである。
【0077】
本発明による単一コーティングされた送達系は、流動床コーティング、ワースターコーティング、ボトムスプレーコーティング、タンジェンシャルスプレーコーティングなどの、一般に知られ、使用される工程に従い作製される。
【0078】
本発明による新規送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)、(DS10)、(DS11)、(DS11’)及び/又は(DS11’’)は、それ自体で使用され得るか、又はあらゆる適用形態に組み込まれ得る。
【0079】
新規送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)、(DS10)、(DS11)、(DS11’)及び/又は(DS11’’)は、それ自体で使用され得るか、又はあらゆる栄養補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬製品において使用され得る。
【0080】
新規送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)、(DS10)、(DS11)、(DS11’)及び/又は(DS11’’)はまた、プレミックス処方物の一部でもあり得、ひいては、これらは、何れかの栄養補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬製品を処方するために使用され得る。
【0081】
本発明はまた、少なくとも1つの送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)、(DS10)、(DS11)、(DS11’)及び/又は(DS11’’)を用いた、プレミックス、栄養補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬製品の生産のための工程にも関する。
【0082】
本発明はまた、少なくとも1つの送達系(DS)、(DS1)、(DS1’)、(DS1’’)、(DS1’’’)、(DS2)、(DS3)、(DS4)、(DS4’)、(DS4’’)、(DS4’’’)、(DS4’’’’)、(DS5)、(DS5’)、(DS5’’)、(DS6)、(DS6’)、(DS6’’)、(DS7)、(DS7’)、(DS7’’)、(DS7’’’)、(DS8)、(DS9)、(DS9’)、(DS9’’)、(DS10)、(DS11)、(DS11’)及び/又は(DS11’’)を含む、プレミックス、栄養補助食品、食品、飼料製品、パーソナルケア製品又は医薬製品にも関する。
【0083】
以下の実施例は、本明細書において特許請求される本発明の特定の実施形態を例示する役割を果たす。パーセンテージは全て重量に関して記載し、温度は全て摂氏度で記載する。
【0084】
[実施例]
[実施例1]
噴霧溶液について、穏やかに撹拌しながら66.4gのセラックアンモニウム塩溶液(25%固形、Aquagold SSB,Stroever,ドイツ(Germany))中で0.13gのアルギン酸Na(Kimica Algin ULV-L3、株式会社キミカ、日本)及び0.9gのグリセロール(Sigma Aldrich,スイス(Switzerland))を溶解させた。
【0085】
68%アスコルビン酸を含有する100gのコア顆粒をボトムスプレー形態の実験室スケールの流動床プロセッサー(WFP mini,DMR,スイス)に入れ、流動化させた。入口の空気温度を80℃に設定した。セラック-アルギン酸塩-グリセロール溶液をコアペレット上に噴霧した。49~59℃の生成物温度を維持するために、噴霧速度を設定した。コーティング後、生成物を45~52℃で流動床において乾燥させた。114gのコーティングされた生成物を得た。
【0086】
コーティング層は、94.2%セラックアンモニウム塩、0.7%アルギン酸Na及び5.1%グリセロールを可塑剤として含有する。
【0087】
【表1】
【国際調査報告】