(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】向上したスルー性能及び低静止電流を備えるトランスコンダクタ
(51)【国際特許分類】
H03F 3/45 20060101AFI20241031BHJP
H03F 3/34 20060101ALI20241031BHJP
H03F 1/32 20060101ALN20241031BHJP
【FI】
H03F3/45
H03F3/34 230
H03F1/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532177
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-16
(86)【国際出願番号】 US2022051158
(87)【国際公開番号】W WO2023097099
(87)【国際公開日】2023-06-01
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アンモル シャルマ
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA12
5J500AC21
5J500AC92
5J500AF09
5J500AF10
5J500AF15
5J500AH09
5J500AH25
5J500AK08
5J500AK09
5J500AK28
5J500AM02
5J500AT01
5J500DN22
5J500DN23
5J500DP01
(57)【要約】
半導体デバイス(200)が、基準電位入力(206)とフィードバック電位入力(210)の間の差の関数として出力電流を提供する低電力高速差動トランスコンダクタ(202)を含む。トランスコンダクタンスは基準電位及びフィードバック電位間の差の絶対値が増加するにつれて増加する。トランスコンダクタは基準電位を受け取るための基準入力段(204)と基準入力段に直列に結合される基準負荷(220)とを含む。トランスコンダクタはフィードバック電位を受け取るためのフィードバック入力段(208)とフィードバック入力段に直列に結合されるフィードバック負荷(224)とを含む。トランスコンダクタは基準入力段及びフィードバック入力段を介して総電流を制御するよう構成される電流制限構成要素(212)も含む。トランスコンダクタは、基準電位及びフィードバック電位間の差に起因する総電流の変化を補償する、基準負荷から電流制限構成要素への負のフィードバック経路(236)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスコンダクタを含む半導体デバイスであって、
基準電位を受け取るように構成される基準入力段と、
フィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段と、
前記基準入力段及び前記フィードバック入力段を介して総電流を制御するように構成される、電流制限構成要素と、
前記基準入力段に直列に結合される基準負荷と、
前記フィードバック入力段に直列に結合されるフィードバック負荷と、
出力バッファを介して前記フィードバック負荷に結合される出力電流端子と、
前記基準負荷から前記電流制限構成要素への負のフィードバックループと、
を含み、
前記出力電流端子が、前記基準電位と前記フィードバック電位との差の関数である出力電流を提供するように構成され、
前記負のフィードバックループが、前記基準電位と前記フィードバック電位との差に起因して前記総電流における変化を補償するように構成され、前記基準電位と前記フィードバック電位との前記差が、前記基準電位から前記フィードバック電位を減じたものである、
半導体デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記トランスコンダクタのトランスコンダクタンスが、前記基準電位と前記フィードバック電位との間の前記差の絶対値が増加するにつれて増加する、半導体デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記トランスコンダクタが、吸込み(sunk)出力機能性を備える前記出力電流を提供するように構成され、前記出力電流が、前記半導体デバイスの前記出力電流端子と接地端子との間に接続される出力ドライバを制御することによって制御される、半導体デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記トランスコンダクタが、ソース(sourced)出力機能性を備える前記出力電流を提供するように構成され、前記出力電流が、前記半導体デバイスの前記出力電流端子と電力端子との間に接続される出力ドライバを制御することによって制御される、半導体デバイス。
【請求項5】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記トランスコンダクタが、双方向出力機能性を備える前記出力電流を提供するように構成され、前記出力電流が、前記半導体デバイスの前記出力電流端子と電力端子との間に接続される出力ドライバを制御することと、前記半導体デバイスの前記出力電流端子と接地端子との間に接続される別の出力ドライバを制御することと、によって制御される、半導体デバイス。
【請求項6】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記トランスコンダクタが、前記出力電流の相補極性を提供するように構成され、そのため、前記出力電流が、前記基準電位と前記フィードバック電位との間の前記差が増加するときに減少し、前記基準電位と前記フィードバック電位との間の前記差が減少するときに増加するようになっている、半導体デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記トランスコンダクタが、前記出力電流の非相補極性を提供するように構成され、そのため、前記出力電流が、前記基準電位と前記フィードバック電位との間の前記差が増加するときに増加し、前記基準電位と前記フィードバック電位との間の前記差が減少するときに増加するようになっている、半導体デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記電流制限構成要素がnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)を含む、半導体デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記電流制限構成要素がpチャネル電界効果トランジスタ(PFET)を含む、半導体デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記基準負荷がNFETを含む、半導体デバイス。
【請求項11】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記フィードバック負荷がNFETを含む、半導体デバイス。
【請求項12】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記負のフィードバックループが反転バッファを含む、半導体デバイス。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体デバイスであって、前記反転バッファが、制御ドライバに直列に結合される制御負荷を含む、半導体デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載の半導体デバイスであって、前記制御ドライバが、前記基準負荷及び前記基準入力段に接続される、半導体デバイス。
【請求項15】
請求項13に記載の半導体デバイスであって、前記電流制限構成要素が、前記制御負荷及び前記制御ドライバに接続される、半導体デバイス。
【請求項16】
請求項13に記載の半導体デバイスであって、前記制御負荷がPFETとして実装され、前記制御ドライバがNFETとして実装される、半導体デバイス。
【請求項17】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記電流制限構成要素に直列に結合される電流センサを更に含む、半導体デバイス。
【請求項18】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、更に、
前記電流制限構成要素と前記基準入力段との間に直列に結合される第1の抵抗器と、
前記電流制限構成要素と前記フィードバック入力段との間に直列に結合される第2の抵抗器と、
を含む、半導体デバイス。
【請求項19】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、前記出力バッファが、増幅されたトランスコンダクタンスを提供するように構成される増幅器を含む、半導体デバイス。
【請求項20】
請求項1に記載の半導体デバイスであって、
前記基準入力段が第1の基準入力段であり、
前記フィードバック入力段が第1のフィードバック入力段であり、
前記電流制限構成要素が第1の電流制限構成要素であり、
前記基準負荷が第1の基準負荷であり、
前記フィードバック負荷が第1のフィードバック負荷であり、
前記出力バッファが第1の出力バッファであり、
前記負のフィードバックループが第1の負のフィードバックループであり、
前記総電流が第1の総電流であり、
前記半導体デバイスがさらに、
前記基準電位を受け取るように構成される第2の基準入力段と、
前記フィードバック電位を受け取るように構成される第2のフィードバック入力段と、
前記第2の基準入力段及び前記第2のフィードバック入力段を介して総電流を制御するように構成される、第2の電流制限構成要素と、
前記第2の基準入力段に直列に結合される第2の基準負荷と、
前記第2のフィードバック入力段に直列に結合される第2のフィードバック負荷と、
前記第2のフィードバック負荷と前記電流出力電流端子との間に結合される、第2の出力バッファと、
前記第2の基準負荷から前記第2の電流制限構成要素への第2の負のフィードバックループと、
を含み、
前記第2の負のフィードバックループが、前記基準電位と前記フィードバック電位との差に起因して、前記第2の基準入力段及び前記第2のフィードバック入力段を介する前記総電流における変化を補償するように構成される、
半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、半導体デバイスの分野に関する。より具体的に言えば、限定はしないが、本記載は半導体デバイスにおけるトランスコンダクタに関する。
【背景技術】
【0002】
差動トランスコンダクタは、2つの電圧入力間の差のほぼ線形の関数である出力電流を提供する。差動トランスコンダクタは、例えば、電圧レギュレータ、フィルタ、及び増幅器において用いられる。差動トランスコンダクタの2つの重要な性能パラメータは、スルーレート及び静止電流である。スルーレートは、2つの電圧入力が異なるときの出力電流の尺度である。静止電流は、2つの電圧入力が等しいとき、差動トランスコンダクタによって消費される電流の尺度である。
【発明の概要】
【0003】
本記載は、本明細書ではトランスコンダクタと称する低電力高速差動トランスコンダクタを含む、半導体デバイスを説明する。トランスコンダクタは、基準電位を受け取るように構成される基準入力段と、基準入力段に直列に結合される基準負荷とを含む。トランスコンダクタは、フィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段と、フィードバック入力段に直列に結合されるフィードバック負荷とを含む。トランスコンダクタは更に、基準入力段及びフィードバック入力段を介して総電流を制御するように構成される電流制限構成要素を含む。トランスコンダクタは、基準電位とフィードバック電位との間の差の関数である出力電流を提供するように構成される出力電流端子を含む。トランスコンダクタは、基準電位がフィードバック電位とは異なるとき、総電流における変化を補償するように構成される、基準負荷から電流制限構成要素への負のフィードバック経路を含む。トランスコンダクタンスは、基準電位とフィードバック電位との間の差における変化に対する、出力電流端子での出力電流における変化の比であり、基準電位とフィードバック電位との間の差の絶対値が増加するにつれて増加する。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】トランスコンダクタンス及び出力電流に対する、例示のトランスコンダクタについての基準電位とフィードバック電位との間の差を示すグラフである。
【0005】
【
図2】例示のトランスコンダクタを含む半導体デバイスの概念概略図である。
【0006】
【
図3】例示のトランスコンダクタを示す回路概略図である。
【0007】
【
図4】別の例示のトランスコンダクタを示す回路概略図である。
【0008】
【
図5】別の例示のトランスコンダクタを示す回路概略図である。
【0009】
【
図6】別の例示のトランスコンダクタを示す回路概略図である。
【0010】
【
図7】別の例示のトランスコンダクタを示す回路概略図である。
【0011】
【
図8】別の例示のトランスコンダクタを示す回路概略図である。
【0012】
【
図9】別の例示のトランスコンダクタを示す回路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面は必ずしも一定の縮尺で描かれていない。本記載は、行為又は事象の例示される順に限定されず、いくつかの行為又は事象が、異なる順で、及び/又は他の行為又は事象と同時に、生じ得る。また、いくつかの例示される行為又は事象は任意選択である。
【0014】
本明細書で例示されるいくつかの例は、奥行き及び幅を有する様々な領域を備える2次元図で示されているが、それらの領域は、実際には3次元構造であるデバイスの一部を図示し得る。したがって、それらの領域は、実際のデバイス上で製作されるとき、長さ、幅、及び奥行きを含む3次元を有する。
【0015】
トランスコンダクタは、基準電位を受け取るように構成される基準入力段と、フィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段とを含む。電流制限構成要素が、基準入力段及びフィードバック入力段を介して総電流を制御する。基準負荷が基準入力段に直列に結合され、フィードバック負荷がフィードバック入力段に直列に結合される。出力電流ノードが、出力電流を提供するように構成される。トランスコンダクタンスを増加させることは、基準電位がフィードバック電位とは異なるときに総電流における変化を補償するように構成される、基準負荷から電流制限構成要素への負のフィードバック経路によって達成される。基準入力段及びフィードバック入力段に直列の電流制限構成要素を有する結果、フィードバック電位が基準電位と等しいとき、トランスコンダクタはより少ない電力を引き出すことになり、これは、有利なことに、正のフィードバックループを備えるトランスコンダクタを有する半導体デバイスと比べて、半導体デバイスの静止電流を減少させ得る。本トランスコンダクタの更なる利点が、フィードバック電位が基準電位とは異なるときの出力電流であるスルー電流が、フィードバック電位が基準電位と等しいときには存在しないことであり、これは静止電流を更に減少させ得る。
【0016】
いくつかの例において、トランスコンダクタは、吸込み(sunk)出力機能性を提供し得、この例では、出力電流は、半導体デバイスの出力ノードと接地端子との間に接続される出力ドライバを制御することによって制御される。いくつかの例において、トランスコンダクタはソース(sourced)出力機能性を提供し得、この例では、出力電流は、半導体デバイスの出力ノードと電力端子との間に接続される出力ドライバを制御することによって制御される。いくつかの例において、トランスコンダクタは双方向出力機能性を提供し得、この例では、出力電流は、半導体デバイスの出力ノードと電力端子との間に接続される出力ドライバを制御することによって、並びに、半導体デバイスの出力ノードと接地端子との間に接続される別の出力ドライバを制御することによって、制御される。いくつかの例において、トランスコンダクタは、出力電流の相補極性を提供し得、この例では、基準電位とフィードバック電位との間の差が増加するとき、出力電流は減少し、その逆も同様である。基準電位とフィードバック電位との間の差は、本説明の目的で、基準電位からフィードバック電位を減じたものとして定義される。いくつかの例において、トランスコンダクタは、出力電流の非相補極性を提供し得、この例では、基準電位とフィードバック電位との間の差が増加するとき、出力電流は増加し、その逆も同様である。
【0017】
本説明の目的で、或る構成要素が別の構成要素に「接続」又は「結合」されていると記載される場合、それは、他方の要素に直接接続又は直接結合されてもよく、或いは介在構成要素が存在してもよい。いずれの場合も、共に結合又は接続される構成要素は、結合又は接続された構成要素間で、直流(DC)導電性があり得る。或る構成要素が別の構成要素に「直接結合」又は「直接接続」されていると言及される場合、半導体デバイスの金属相互接続などの導電体の例外の可能性はあるが、他の意図的に配設された介在構成要素は存在しない。構成要素は、構成要素間のDC導電性は可能でないが、相互の誘起効果又は容量効果によって影響を受け得、具体的にその旨の記載がない限り、結合又は接続されているとは見なされない。
【0018】
本記載において、電流フローなどトランスコンダクタの様々な構成要素の動作特性を説明する。説明する構成要素の動作特性は、半導体デバイスの動作の間に生じ、半導体デバイスが動作していないときに現れることは予測されない。
【0019】
図1は、トランスコンダクタンス及び出力電流に対する、例示のトランスコンダクタについての基準電位とフィードバック電位との間の差を示すグラフである。グラフ100において、横軸は、基準電位とフィードバック電位との間の差である。基準電位とフィードバック電位との間の差は、例として、ミリボルトで表され得る。左縦軸102はトランスコンダクタンスである。トランスコンダクタンスは、例として、ボルト当たりのアンペア数である、ジーメンス単位で表され得る。場合によっては、トランスコンダクタンスはミリジーメンス単位で表され得、或いはトランスコンダクタンスはマイクロジーメンス単位で表される場合もある。トランスコンダクタンス曲線104は、基準電位とフィードバック電位との間の差について、5ミリボルト内でおよそ0ミリボルトの値の最小値を有する。トランスコンダクタンス曲線104は、基準電位とフィードバック電位との間の差の正値及び負値の両方について上向きに凹であり、これは、有利なことに、平坦の又は下向きに湾曲したトランスコンダクタンス曲線を有するトランスコンダクタに比べて、トランスコンダクタに結合される回路についての回復時間を減少させるために一層多くの電流を提供する。この例では、すべてのトランスコンダクタンス値は正である。
【0020】
右縦軸106は出力電流である。出力電流は、例として、場合によってはマイクロアンペアの単位で、又は他の場合においてミリアンペアで、表され得る。この例では、出力電流曲線108は、すべてが正であるトランスコンダクタンス値と一貫して、基準電位とフィードバック電位との間の差の正の値について上向きに凹であり、差の負の値については下向きに凹である。
【0021】
図2は、例示のトランスコンダクタを含む、半導体デバイスの概念概略図である。半導体デバイス200は、例として、電圧レギュレータ、高速増幅器、又はフィルタとして実装され得る。トランスコンダクタ202は、基準入力ポート206において、
図2において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成される基準入力段204を含む。トランスコンダクタ202は、フィードバック入力ポート210において、
図2において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段208を含む。この例では、基準入力段204は負のトランスコンダクタンスを有し、基準電位VREFが増加することで基準入力段204を介する電流は減少し、その逆も同様である。同様に、フィードバック入力段208は負のトランスコンダクタンスを有し、フィードバック電位VFBが増加することでフィードバック入力段208を介する電流は減少し、その逆も同様である。
【0022】
トランスコンダクタ202は、分岐ノード214において、基準入力段204及びフィードバック入力段208に直列に結合される電流制限構成要素212を含む。基準入力段204及びフィードバック入力段208は、
図2に示されるように、並列の電流経路にある。電流制限構成要素212は電流制御ノード216を有する。電流制限構成要素212を介する電流は、半導体デバイス200の動作の間、
図2において電流制御ノード216上の「VCTL1」と標示される第1の制御電位によって調整される。この例の電流制限構成要素212は、正のトランスコンダクタンスを有し、電流制御ノード216上の第1の制御電位VCTL1が増加することで、電流制限構成要素212を介する電流は増加し、その逆も同様である。電流制限構成要素212は、基準入力段204及びフィードバック入力段208への接続とは反対の電力端子218に接続される。電力端子218は、
図2において「VDD」と標示される正の電力電位において、電流をトランスコンダクタ202に提供するように構成され、そのため、電力端子218からの電流が、電流制限構成要素212を介して基準入力段204及びフィードバック入力段208へ流れることになる。電流制限構成要素212を介する電流は、
図2において「IREF」と標示される基準入力段204を介する基準電流と、
図2において「IFB」と標示されるフィードバック入力段208を介するフィードバック電流とに分けられる。
【0023】
トランスコンダクタ202は基準負荷220を含み、基準負荷220は、制御信号ノード222を介して基準入力段204に接続される。基準電流IREFは、基準入力段204、制御信号ノード222、及び基準負荷220を介して流れる。基準負荷220は、
図2に概略的に示されるように、基準負荷220を介する基準電流IREFの関数として変動するインピーダンスを有し得、そのため、制御信号ノード222において、
図2において「VCTL2」と標示される第2の制御電位が、基準電流IREFの関数となる。
【0024】
トランスコンダクタ202は、出力信号ノード226を介してフィードバック入力段208に接続されるフィードバック負荷224を含む。フィードバック入力段208を介するフィードバック電流IFBは、出力信号ノード226及びフィードバック負荷224を介して流れる。フィードバック負荷224は、
図2に概略的に示されるように、フィードバック負荷224を介するフィードバック電流IFBの関数として変動するインピーダンスを有し得、そのため、制御信号ノード222において、
図2において「VSIG」と標示される出力信号電位が、フィードバック電流IFBの関数となる。
【0025】
基準負荷220及びフィードバック負荷224は、それぞれ、基準入力段204及びフィードバック入力段208への接続とは反対の接地端子228に接続される。接地端子228は、
図2において「VSS」と標示される接地電位において電流を受け取るように構成される。基準電流IREF及びフィードバック電流IFBは、接地端子228へ流れる。
【0026】
トランスコンダクタ202は出力電流端子230を含み、出力電流端子230は、出力バッファ232を介して出力信号ノード226に結合される。出力バッファ232は、出力信号ノード226における出力信号電位VSIGを、出力電流端子230を介して流れる、
図2において「IOUT」と標示される出力電流へと変換する。
【0027】
制御信号ノード222は、
図2に示されるように、反転制御バッファ234を介して電流制限構成要素212の電流制御ノード216に結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1は、第2の制御電位VCTL2に対して負の相関関係を有する。制御信号ノード222を、反転制御バッファ234を介して電流制御ノード216に結合すると、負のフィードバック経路236が提供され、負のフィードバック経路236は、フィードバック電位VFBにおける変動に起因してフィードバック電流IFBが変化するときに分岐ノード214において、
図2において「VHEAD」と標示されるヘッド電位における変動を補償する。半導体デバイス200の動作の間、フィードバック電位VFBが減少するとき、フィードバック入力段208のインピーダンスが減少し、フィードバック入力段208の負のトランスコンダクタンスに起因してフィードバック電流IFBが増加して、出力信号電位VSIGを増加させ、出力電流IOUTを増加させる。フィードバック入力段208のインピーダンスが減少するのでヘッド電位VHEADは減少して、基準電流VREFを減少させ、第2の制御電位VCTL2を減少させる。反転制御バッファ234は、第1の制御電位VCTL1を増加させ、これは、電流制限構成要素212のインピーダンスを減少させ、それによって、フィードバック電流IFBを更に増加させ、出力電流IOUTを更に増加させ、これがトランスコンダクタ202のトランスコンダクタンスを増加させる。反対に、フィードバック電位VFBが増加するとき、フィードバック入力段208のインピーダンスが増加し、フィードバック電流IFBが減少して、出力信号電位VSIGを減少させ、出力電流IOUTを減少させる。第2の制御電位VCTL2は増加し、反転制御バッファ234は、電流制限構成要素212のインピーダンスを増加させる第1の制御電位VCTL1を減少させ、それによってフィードバック電流IFBを更に減少させ、出力電流IOUTを更に減少させ、これは、トランスコンダクタ202のトランスコンダクタンスを増加させる。そのため、負のフィードバック経路236は、フィードバック電位VFBが基準電位VREFとは異なるとき、トランスコンダクタ202の増加したトランスコンダクタンスを提供する。
【0028】
図3は、例示のトランスコンダクタの回路概略図である。トランスコンダクタ302は、基準入力ポート306において、
図3において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成される基準入力段304を含む。トランスコンダクタ302は、フィードバック入力ポート310において、
図3において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段308を含む。この例では、基準入力段304及びフィードバック入力段308は、負のトランスコンダクタンスを有するpチャネル電界効果トランジスタ(PFET)として実装され得る。
【0029】
トランスコンダクタ302は、分岐ノード314において、
図3に示されるように、並列の電流経路において、基準入力段304に及びフィードバック入力段308に直列に結合される電流制限構成要素312を含む。この例では、電流制限構成要素312は、正のトランスコンダクタンスを有するnチャネル電界効果トランジスタ(NFET)として実装され得る。電流制限構成要素312は、トランスコンダクタ302の動作の間、
図3において「VCTL1」と標示される第1の制御電位を有する、電流制御ノード316を有する。電流制限構成要素312は、
図3において「VDD」と標示される正の電力電位において、電流をトランスコンダクタ302に提供するように構成される電力端子318に結合される。電流は、電力端子318から電流制限構成要素312を介して流れ、
図3において「IREF」と標示される、基準入力段304を介する基準電流と、
図3において「IFB」と標示される、フィードバック入力段308を介するフィードバック電流とに分かれる。
【0030】
トランスコンダクタ302は、出力信号ノード326を介してフィードバック入力段308に接続されるフィードバック負荷324を含む。この例では、フィードバック負荷324は、NMOSダイオードとして構成されるNFETとして実装され得、
図3に示されるように、NMOSダイオードのゲートがNMOSダイオードのドレインに直接接続される。
図3において「VSIG」と標示される、出力信号ノード326における出力信号電位は、フィードバック電流IFBに起因してフィードバック負荷324両端の電圧降下に等しい。
【0031】
トランスコンダクタ302は、制御信号ノード322を介して基準入力段304に接続される基準負荷320を含む。この例では、基準負荷320はNFETとして実装され得る。基準負荷320のゲートが、
図3において「NBIAS」と標示されるNMOSバイアス電位を基準負荷320のゲートに提供するように構成される、NMOSバイアス端子338に接続され得る。NMOSバイアス電位NBIASは、基準負荷320の閾値電位より上であるが飽和電位より著しく下であり得、そのため、基準負荷320は線形モードで動作していることになる。
図3において「VCTL2」と標示される制御信号ノード322における第2の制御電位は、基準電流IREFに起因して基準負荷320の両端の電圧降下に等しい。
【0032】
基準負荷320及びフィードバック負荷324は、
図3において「VSS」と標示される接地電位において電流を受け取るように構成される接地端子328に接続される。基準電流IREF及びフィードバック電流IFBは、接地端子328へ流れる。
【0033】
トランスコンダクタ302は出力電流端子330を含み、出力電流端子330は、出力バッファ332を介して出力信号ノード326に結合される。出力バッファ332は、出力信号ノード326における出力信号電位VSIGを、
図3において「IOUT」と標示され、出力電流端子330を介して流れる、出力電流に変換する。この例では、出力バッファ332は、出力信号ノード326に直列に結合される、この例ではPFETとして実装される出力負荷340とこの例ではNFETとして実装される出力ドライバ342とを含み、出力信号ノード326は、出力負荷340のドレインと出力ドライバ342のドレインとに接続される。出力負荷340のゲートがPMOSバイアス端子344に接続され、PMOSバイアス端子344は、
図3において「PBIAS」と標示されるPMOSバイアス電位を、出力負荷340のゲートに提供するように構成される。PMOSバイアス電位PBIASは、出力負荷340の閾値電位より下であるが、飽和電位より著しく上であり得、そのため、出力負荷340は線形モードで動作していることになる。出力ドライバ342のゲートが、出力信号ノード326に接続される。出力負荷340のソースが、電力端子318に接続される。出力ドライバ342のソースが、接地端子328に接続される。この例の出力バッファ332は、出力電流IOUTについての相補極性を有する吸込み出力機能性を提供する。
【0034】
制御信号ノード322は、
図3に示されるように、反転制御バッファ334を介して電流制限構成要素312の電流制御ノード316に結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1は、第2の制御電位VCTL2に対して負の相関関係を有する。この例では、反転制御バッファ334は、制御信号ノード322に直列に結合される、この例ではPFETとして実装される制御負荷346とこの例ではNFETとして実装される制御ドライバ348とを含み、制御信号ノード322は、制御負荷346のドレインと制御ドライバ348のドレインとに接続される。制御負荷346のゲートが、PMOSバイアス端子344に接続される。制御ドライバ348のゲートが、制御信号ノード322に接続される。制御負荷346のソースが、電力端子318に接続される。制御ドライバ348のソースが、接地端子328に接続される。反転制御バッファ334を介して制御信号ノード322を電流制御ノード316に結合すると、負のフィードバック経路336が提供され、負のフィードバック経路336は、フィードバック電位VFBにおける変動に起因してフィードバック電流IFBが変化するときに分岐ノード314において、
図3において「VHEAD」と標示されるヘッド電位における変動を減少させる。
【0035】
トランスコンダクタ302の動作は、
図2のトランスコンダクタ202について説明したように進行する。トランスコンダクタ302は、フィードバック電位VFBと基準電位VREFとの間の差の絶対値が増加するにつれて、トランスコンダクタンスにおける所望の増加を提供し得る。また、この例のトランスコンダクタ302は、負のフィードバック経路336の実装に起因して、より複雑なトランスコンダクタに比べて面積がより小さくなり得、有利なことに、トランスコンダクタ302を含む半導体デバイス300についてより小さな面積を可能にする。
【0036】
図4は、別の例示のトランスコンダクタの回路概略図である。トランスコンダクタ402は、基準入力ポート406において、
図4において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成される基準入力段404を含む。トランスコンダクタ402は、フィードバック入力ポート410において、
図4において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段408を含む。この例では、基準入力段404及びフィードバック入力段408は、
図4に示されるようにPFETとして実装され得る。
【0037】
トランスコンダクタ402は、
図4に示されるように、この例ではNFETとして実装される電流制限構成要素412を含み、電流制限構成要素412は、分岐ノード414において、基準入力段404及びフィードバック入力段408に直列に結合される。電流制限構成要素412は、トランスコンダクタ402の動作の間、
図4において「VCTL1」と標示される第1の制御電位を有する電流制御ノード416を有する。電流制限構成要素412は、電力端子418に結合され、電力端子418は、
図4において「VDD」と標示される正の電力電位において電流をトランスコンダクタ402に提供するように構成される。
【0038】
トランスコンダクタ402はフィードバック負荷424を含み、フィードバック負荷424は、この例ではNMOSダイオードとして実装され、出力信号ノード426を介してフィードバック入力段408に接続される。出力信号ノード426において、
図4において「VSIG」と標示される出力信号電位は、フィードバック電流IFBに起因してフィードバック負荷424の両端の電圧降下に等しい。
【0039】
トランスコンダクタ402は基準負荷420を含み、基準負荷420は、この例ではNFETとして実装され、制御信号ノード422を介して基準入力段404に接続される。基準負荷420のゲートが、NMOSバイアス端子438に接続され得る。制御信号ノード422において、
図4において「VCTL2」と標示される第2の制御電位は、基準電流IREFに起因して基準負荷420の両端の電圧降下に等しい。基準負荷420及びフィードバック負荷424は、
図4において「VSS」と標示される接地電位における電流を受け取るように構成される接地端子428に接続される。
【0040】
トランスコンダクタ402を含む半導体デバイス400の動作の間、電流は、電力端子418から電流制限構成要素412を介して流れ、分岐ノード414において、
図4において「IREF」と標示される基準入力段404を介する基準電流と、
図4において「IFB」と標示されるフィードバック入力段408を介するフィードバック電流とに分かれる。基準電流IREFは、制御信号ノード422及び基準負荷420を介して、接地端子428へ流れる。フィードバック電流IFBは、出力信号ノード426及びフィードバック負荷424を介して、接地端子428へ流れる。
【0041】
制御信号ノード422は、
図4に示されるように、反転制御バッファ434を介して電流制限構成要素412の電流制御ノード416に結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1は、第2の制御電位VCTL2に対して負の相関関係を有する。この例では、反転制御バッファ434は、制御信号ノード422に直列に結合される、この例ではPFETとして実装される制御負荷446とこの例ではNFETとして実装される制御ドライバ448とを含み、制御信号ノード422は、制御負荷446のドレインと制御ドライバ448のドレインとに接続される。制御負荷446のゲートが、PMOSバイアス端子444に接続される。制御ドライバ448のゲートが、制御信号ノード422に接続される。制御負荷446のソースが電力端子418に接続される。制御ドライバ448のソースが接地端子428に接続される。反転制御バッファ434を介して制御信号ノード422を電流制御ノード416に結合すると、負のフィードバック経路436が提供され、負のフィードバック経路436は、フィードバック電位VFBにおける変動に起因してフィードバック電流IFBが変化するときに分岐ノード414において、
図4において「VHEAD」と標示されるヘッド電位における変動を減少させる。
【0042】
トランスコンダクタ402は、出力バッファ432を介して出力信号ノード426に結合される出力電流端子430を含む。出力バッファ432は、出力信号ノード426における出力信号電位VSIGを、出力電流端子430を介して流れる、
図4において「IOUT」と標示される出力電流に変換する。この例では、出力バッファ432は、増幅されたトランスコンダクタンスを提供するために、2つの並列電流経路を含む。
【0043】
出力バッファ432の第1の電流経路が、直列に結合される、
図4において「R1」と標示される第1の抵抗器450aと、この例ではPFETとして実装される第1の出力負荷440aと、この例ではNFETとして実装される第1の出力ドライバ442aとを含む。第1の抵抗器450aの第1の端子が電力端子418に接続される。第1の出力負荷440aのソースが、第1の抵抗器R1 450aの第2の端子に接続される。第1の出力ドライバ442aのソースが接地端子428に接続される。
【0044】
出力バッファ432の第2の電流経路が、直列に結合される、
図4において「R2」と標示される第2の抵抗器450bと、この例ではPFETとして実装される第2の出力負荷440bと、この例ではNFETとして実装される第2の出力ドライバ442bとを含む。第2の抵抗器450bの第1の端子が電力端子418に接続される。第2の出力負荷440bのソースが、第2の抵抗器R2 450bの第2の端子に接続される。第2の出力ドライバ442bのソースが接地端子428に接続される。
【0045】
第1の出力負荷440a及び第2の出力負荷440bのゲートは、第1の出力負荷440aのドレインに接続され、そのため、第1の出力負荷440aはPMOSダイオードとして動作する。第1の出力ドライバ442a及び第2の出力ドライバ442bのゲートは、出力信号ノード426に接続される。第1の抵抗器R1 450a、第2の抵抗器R2 450b、第1の出力負荷440a、第2の出力負荷440b、第1の出力ドライバ442a、及び第2の出力ドライバ442bは、増幅されたトランスコンダクタンスを提供するように構成される出力バッファ432の増幅器を提供する。
【0046】
出力バッファ432は、この例ではPMOSソースフォロワとして実装される出力段452を含む。出力段452のソースが、第1の出力負荷440aのソースに接続される。出力段452のゲートが、第2の出力ドライバ442bのドレインに接続される。出力段452のドレインが出力電流端子430に接続される。
【0047】
トランスコンダクタ402の動作は、
図3の出力信号ノード326における出力信号電位VSIGの発生まで、
図3のトランスコンダクタ302の動作と同様である。出力バッファ432は、第1の抵抗器450aの抵抗に対する第2の抵抗器450bの抵抗の比にほぼ等しい係数で、出力信号ノード426における出力信号電位VSIGを増幅する。そのため、基準入力段404、フィードバック入力段408、基準負荷420、及びフィードバック負荷424の真性トランスコンダクタンスが、第1の抵抗器450aの抵抗に対する第2の抵抗器450bの抵抗の比にほぼ等しい係数で増幅されて、トランスコンダクタ402が出力信号ノード426においてより大きな負荷を駆動できるようにする。フィードバック電位VFBが基準電位VREFに等しいとき、トランスコンダクタ402がスルー電流を引き出さないことに起因して、トランスコンダクタ402の静止電流は、等価のトランスコンダクタンス値を有する類似のトランスコンダクタよりも低い。
【0048】
この例の出力バッファ432は、出力電流IOUTに対する相補極性を有するソース出力機能性を提供する。ソース出力機能性は、出力信号ノード326に接続される接地負荷にとって有利であり得る。増幅されたトランスコンダクタンスを有するトランスコンダクタ402は、トランスコンダクタ402を含む半導体デバイス400の外にあるキャパシタを駆動させるために特に有利であり得る。
【0049】
図5は、別の例示のトランスコンダクタの回路概略図である。トランスコンダクタ502は基準入力段504を含み、基準入力段504は、基準入力ポート506において、
図5において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成される。トランスコンダクタ502は、フィードバック入力ポート510において、
図5において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段508を含む。この例では、基準入力段504及びフィードバック入力段508は、
図5に示されるようにPFETとして実装され得る。
【0050】
トランスコンダクタ502は電流制限構成要素512を含み、電流制限構成要素512は、
図5に示されるように、この例ではNFETとして実装され、分岐ノード514において、基準入力段504及びフィードバック入力段508に直列に結合される。電流制限構成要素512は、トランスコンダクタ502の動作の間、
図5において「VCTL1」と標示される第1の制御電位を有する電流制御ノード516を有する。
【0051】
この例のトランスコンダクタ502は、電流制限構成要素512に直列に結合される電流センサ554を含む。この例では、電流センサ554はPFETとして実装される。電流センサ554のドレインが、電流センサ554のゲート及び電流制限構成要素512のドレインに接続される。電流センサ554のソースが電力端子518に接続され、電力端子518は、
図5において「VDD」と標示される正の電力電位において電流をトランスコンダクタ502に提供するように構成される。そのため、この例の電流センサ554は、PMOSダイオードとして構成される。この例では、電流センサ554のゲートは、トランスコンダクタ502の動作の間、
図5において「VSIG」と標示される出力信号電位を有する出力信号ノード526を提供する。
【0052】
トランスコンダクタ502は、制御信号ノード522を介して基準入力段504に接続される、この例ではNFETとして実装される基準負荷520を含む。基準負荷520のゲートが、NMOSバイアス端子538に接続され得る。
【0053】
トランスコンダクタ502は、この例ではNMOSダイオードとして実装されるフィードバック負荷524を含む。フィードバック負荷524のドレインが、フィードバック入力段508に接続される。基準負荷520及びフィードバック負荷524は、
図5において「VSS」と標示される接地電位において電流を受け取るように構成される接地端子528に接続される。
【0054】
電流は、電力端子518から電流センサ554を介して、電流制限構成要素512を介して流れ、分岐ノード514において、
図5において「IREF」と標示される基準入力段504を介する基準電流と、
図5において「IFB」と標示されるフィードバック入力段508を介するフィードバック電流とに分かれる。基準電流IREFは、制御信号ノード522及び基準負荷520を介して、接地端子528へ流れる。制御信号ノード522において、
図5において「VCTL2」と標示される第2の制御電位は、基準電流IREFに起因して基準負荷520の両端の電圧降下に等しい。フィードバック電流IFBは、フィードバック負荷524を介して接地端子528へ流れる。
【0055】
制御信号ノード522は、
図5に示されるように、反転制御バッファ534を介して電流制限構成要素512の電流制御ノード516に結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1は、第2の制御電位VCTL2に対して負の相関関係を有する。この例では、反転制御バッファ534は、制御信号ノード522に直列に結合される、この例ではPFETとして実装される制御負荷546とこの例ではNFETとして実装される制御ドライバ548とを含み、制御信号ノード522は、制御負荷546のドレインと制御ドライバ548のドレインとに接続される。制御負荷546のゲートが、PMOSバイアス端子544に接続される。制御ドライバ548のゲートが、制御信号ノード522に接続される。制御負荷546のソースが、電力端子518に接続される。制御ドライバ548のソースが、接地端子528に接続される。反転制御バッファ534を介して制御信号ノード522を電流制御ノード516に結合すると、負のフィードバック経路536が提供され、負のフィードバック経路536は、フィードバック電位VFBにおける変動に起因してフィードバック電流IFBが変化するときに分岐ノード514において、
図5において「VHEAD」と標示されるヘッド電位における変動を減少させる。
【0056】
トランスコンダクタ502は、出力バッファ532を介して出力信号ノード526に結合される出力電流端子530を含む。出力バッファ532は、出力信号ノード526における出力信号電位VSIGを、出力電流端子530を介して流れる、
図5において「IOUT」と標示される出力電流に変換する。この例では、出力バッファ532は、出力信号ノード526に直列に結合される、この例ではNFETとして実装される出力負荷540とこの例ではPFETとして実装される出力ドライバ542とを含み、出力信号ノード526は、出力負荷540のドレインと出力ドライバ542のドレインとに接続される。出力負荷540のゲートが、NMOSバイアス端子538に接続される。出力ドライバ542のゲートが、出力信号ノード526に接続される。出力負荷540のソースが、接地端子528に接続される。出力ドライバ542のソースが、電力端子518に接続される。この例の出力バッファ532は、出力電流IOUTに対する相補極性を有するソース出力機能性を提供する。トランスコンダクタ502の動作は、
図3のトランスコンダクタ302の動作と同様であり、電流センサ554が、ソース出力機能性を可能にするために出力信号電位VSIGを提供する。相補極性は、トランスコンダクタ502を含む半導体デバイス500の外にあるネットワークに適切であり得る。
【0057】
図6は、別の例示のトランスコンダクタの回路概略図である。トランスコンダクタ602は、基準入力ポート606において、
図6において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成される基準入力段604と、フィードバック入力ポート610において、
図6において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段608とを含む。この例では、基準入力段604及びフィードバック入力段608は、負のトランスコンダクタンスを有するPFETとして実装され得る。
【0058】
トランスコンダクタ602は、分岐ノード614において、
図6に示されるように、並列の電流経路において、基準入力段604とフィードバック入力段608とに直列に結合される電流制限構成要素612を含む。この例では、電流制限構成要素612は、正のトランスコンダクタンスを有するNFETとして実装され得る。電流制限構成要素612は、トランスコンダクタ602の動作の間、
図6において「VCTL1」と標示される第1の制御電位を有する電流制御ノード616を有する。電流制限構成要素612は、
図6において「VDD」と標示される正の電力電位において電流をトランスコンダクタ602に提供するように構成される電力端子618に結合される。電流は、電力端子618から電流制限構成要素612を介して流れ、
図6において「IREF」と標示される基準入力段604を介する基準電流と、
図6において「IFB」と標示されるフィードバック入力段608とに分かれる。
【0059】
トランスコンダクタ602はフィードバック負荷624を含み、フィードバック負荷624は、出力信号ノード626を介してフィードバック入力段608に接続される。この例では、フィードバック負荷624はNMOSダイオードとして実装され得、NMOSダイオードのゲートが、
図6に示されるように、NMOSダイオードのドレインに直接接続される。出力信号ノード626において、
図6において「VSIG」と標示される出力信号電位は、フィードバック電流IFBに起因してフィードバック負荷624の両端の電圧降下に等しい。
【0060】
トランスコンダクタ602は、制御信号ノード622を介して基準入力段604に接続される基準負荷620を含む。この例では、基準負荷620はNFETとして実装され得る。基準負荷620のゲートがNMOSバイアス端子638に接続され得る。制御信号ノード622において、
図6において「VCTL2」と標示される第2の制御電位は、基準電流IREFに起因して基準負荷620の両端の電圧降下に等しい。
【0061】
基準負荷620及びフィードバック負荷624は、
図6において「VSS」と標示される接地電位において電流を受け取るように構成される接地端子628に接続される。基準電流IREF及びフィードバック電流IFBは、接地端子628へ流れる。
【0062】
制御信号ノード622は、
図6に示されるように、反転制御バッファ634を介して電流制限構成要素612の電流制御ノード616に結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1は、第2の制御電位VCTL2に対して負の相関関係を有する。この例では、反転制御バッファ634は、制御信号ノード622に直列に結合される、この例ではPFETとして実装される制御負荷646とこの例ではNFETとして実装される制御ドライバ648とを含み、制御信号ノード622は、制御負荷646のドレインと制御ドライバ648のドレインとに接続される。制御負荷646のゲートが、PMOSバイアス端子644に接続される。制御ドライバ648のゲートが、制御信号ノード622に接続される。制御負荷646のソースが、電力端子618に接続される。制御ドライバ648のソースが、接地端子628に接続される。反転制御バッファ634を介して制御信号ノード622を電流制御ノード616に結合すると、負のフィードバック経路636が提供され、負のフィードバック経路636は、フィードバック電位VFBにおける変動に起因してフィードバック電流IFBが変化するときに分岐ノード614において、
図6において「VHEAD」と標示されるヘッド電位における変動を減少させる。
【0063】
トランスコンダクタ602は、出力バッファ632を介して出力信号ノード626に結合される出力電流端子630を含む。出力バッファ632は、出力信号ノード626における出力信号電位VSIGを、出力電流端子630を介して流れる、
図6において「IOUT」と標示される出力電流に変換する。この例では、出力バッファ632は、出力電流ミラー656の出力電流センサ640に直列の、この例ではNFETとして実装される、出力ドライバ642を含む。出力電流ミラー656は、出力信号ノード626に接続される出力段652を含む。この例では、出力電流センサ640及び出力段652は、PFETとして実装され得る。出力ドライバ642のソースが接地端子628に接続される。出力電流センサ640のソース及び出力段652のソースが、電力端子618に接続される。
【0064】
トランスコンダクタ602の動作は、出力バッファ632まで、
図3のトランスコンダクタ302について説明したように進行する。出力電流ミラー656は、
図3の出力バッファ332よりも多くの電流を提供し、トランスコンダクタ602が、トランスコンダクタ302より低い値の正の電力電位VDDで動作できるようにする。この例の出力バッファ632は、出力電流IOUTについての非相補極性を有するソース出力機能性を提供する。非相補極性は、トランスコンダクタ602を含む半導体デバイス600の外にあるネットワークに適切であり得る。
【0065】
図7は、別の例示のトランスコンダクタの回路概略図である。トランスコンダクタ702は、基準入力ポート706において、
図7において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成される基準入力段704と、フィードバック入力ポート710において、
図7において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成されるフィードバック入力段708とを含む。この例では、基準入力段704及びフィードバック入力段708は、
図7に示されるように、PFETとして実装され得る。
【0066】
この例のトランスコンダクタ702は、電流制限構成要素712に直列に結合される電流センサ754を含む。この例では、
図7に示されるように、電流センサ754はPFETとして実装され、電流制限構成要素712はNFETとして実装される。電流センサ754のドレインが、電流センサ754のゲートと電流制限構成要素712のドレインとに接続される。電流センサ754のソースが、
図7において「VDD」と標示される正の電力電位において電流をトランスコンダクタ702に提供するように構成される電力端子718に接続される。そのため、この例の電流センサ754はPMOSダイオードとして構成される。この例では、電流センサ754のゲートは、トランスコンダクタ702の動作の間、
図7において「VSIG」と標示される出力信号電位を有する出力信号ノード726を提供する。電流制限構成要素712は、トランスコンダクタ702の動作の間、
図7において「VCTL1」と標示される第1の制御電位を有する電流制御ノード716を有する。電流制限構成要素712は、分岐ノード714において、基準入力段704及びフィードバック入力段708に直列に結合される。
【0067】
トランスコンダクタ702は、制御信号ノード722を介して基準入力段704に接続される、この例ではNFETとして実装される基準負荷720を含む。基準負荷720のゲートが、NMOSバイアス端子738に接続され得る。制御信号ノード722において、
図7において「VCTL2」と標示される第2の制御電位は、基準電流IREFに起因して基準負荷720の両端の電圧降下に等しい。
【0068】
トランスコンダクタ702は、この例ではNMOSダイオードとして実装されるフィードバック負荷724を含む。フィードバック負荷724のドレインが、フィードバック入力段708に接続される。基準負荷720及びフィードバック負荷724は、
図7において「VSS」と標示される接地電位において電流を受け取るように構成される接地端子728に接続される。
【0069】
電流は、電力端子718から電流センサ754を介し、電流制限構成要素712を介して流れ、基準入力段704を介する
図7において「IREF」と標示される基準電流と、フィードバック入力段708を介する
図7において「IFB」と標示されるフィードバック電流とに分かれる。基準電流IREFは、制御信号ノード722及び基準負荷720を介して接地端子728へ流れる。フィードバック電流IFBは、フィードバック負荷724を介して接地端子728へ流れる。
【0070】
制御信号ノード722は、
図7に示されるように、反転制御バッファ734を介して電流制限構成要素712の電流制御ノード716に結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1は、第2の制御電位VCTL2に対して負の相関関係を有する。この例では、反転制御バッファ734は、制御信号ノード722に直列に結合される、この例ではPFETとして実装される制御負荷746とこの例ではNFETとして実装される制御ドライバ748とを含み、制御信号ノード722は、制御負荷746のドレインと制御ドライバ748のドレインとに接続される。制御負荷746のゲートが、PMOSバイアス端子744に接続される。制御ドライバ748のゲートが、制御信号ノード722に接続される。制御負荷746のソースが、電力端子718に接続される。制御ドライバ748のソースが、接地端子728に接続される。反転制御バッファ734を介して制御信号ノード722を電流制御ノード716に結合すると、負のフィードバック経路736が提供され、負のフィードバック経路736は、フィードバック電位VFBにおける変動に起因してフィードバック電流IFBが変化するときに分岐ノード714において、
図7において「VHEAD」と標示されるヘッド電位における変動を減少させる。
【0071】
トランスコンダクタ702は、出力バッファ732を介して出力信号ノード726に結合される出力電流端子730を含む。出力バッファ732は、出力信号ノード726における出力信号電位VSIGを、出力電流端子730を介して流れる、
図7において「IOUT」と標示される出力電流に変換する。この例では、出力バッファ732は、この例ではPMOSソースフォロワとして実装される出力段752を含む。出力段752のソースが、電力端子718に接続される。出力段752のゲートが、出力信号ノード726に接続される。出力段752のドレインが、出力電流端子730に接続される。この例の出力バッファ732は、出力電流IOUTに対する非相補極性を有するソース出力機能性を提供する。トランスコンダクタ702の動作は、
図3のトランスコンダクタの動作と同様であり、電流センサ754が、ソース出力機能性を可能にするために出力信号電位VSIGを提供する。出力段752は、有利なことに、ドライバ/負荷バッファよりも多くの電流を提供し得、トランスコンダクタ702を含む半導体デバイス700において占める面積がより少ない。
【0072】
図8は、別の例示のトランスコンダクタの回路概略図である。トランスコンダクタ802は、基準入力ポート806において、
図8において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成される第1の基準入力段804aを含み、これは、フィードバック入力ポート810において、
図8において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成される第1のフィードバック入力段808aと対になっている。この例では、第1の基準入力段804a及び第1のフィードバック入力段808aは、
図8に示されるように、PFETとして実装され得る。
【0073】
トランスコンダクタ802は、
図8に示されるように、この例ではNFETとして実装される第1の電流制限構成要素812aを含む。第1の電流制限構成要素812のソースが、第1の分岐ノード814aに接続される。第1の電流制限構成要素は、第1の電流制御ノード816aを有し、第1の電流制御ノード816aは、トランスコンダクタ802の動作の間、
図8において「VCTL1a」と標示される第1の制御電位を有する。この例のトランスコンダクタ802は、第1の電流制限構成要素812aに直列に結合される電流センサ854を含む。この例では、電流センサ854はPFETとして実装される。電流センサ854のドレインが、電流センサ854のゲートと第1の電流制限構成要素812aのドレインとに接続される。電流センサ854のソースが、
図8において「VDD」と標示される正の電力電位において、電流をトランスコンダクタ802に提供するように構成される電力端子818に接続される。そのため、この例の電流センサ854はPMOSダイオードとして構成される。この例では、電流センサ854のゲートは、トランスコンダクタ802の動作の間、
図8において「VSIGa」と標示される第1の出力信号電位を有する第1の出力信号ノード826aを提供する。
【0074】
この例では、第1の基準入力段804aは、
図8において「R1」と標示される第1の抵抗器858を介して、第1の電流制限構成要素812aに接続される。第1のフィードバック入力段808aは、
図8において「R2」と標示される第2の抵抗器860を介して、第1の電流制限構成要素812aに接続される。
【0075】
トランスコンダクタ802は第1の基準負荷820aを含み、第1の基準負荷820aは、この例ではNFETとして実装され、第1の制御信号ノード822aを介して第1の基準入力段804aに接続される。第1の基準負荷820aのゲートが、NMOSバイアス端子838に接続され得る。
【0076】
トランスコンダクタ802は、この例ではNMOSダイオードとして実装される、第1のフィードバック負荷824aを含む。第1のフィードバック負荷824aのドレインが、第1のフィードバック入力段808aに接続される。第1のフィードバック負荷824aのゲートが、第1のフィードバック負荷824aのドレインに接続され得、そのため、第1のフィードバック負荷824aは、この例ではNMOSダイオードとして実装される。第1の基準負荷820a及び第1のフィードバック負荷824aのソースが、
図8において「VSS」と標示される接地電位において電流を受け取るように構成される接地端子828に接続される。
【0077】
電流は、電力端子818から電流センサ854を介し、第1の電流制限構成要素812aを介して流れ、第1の抵抗器R1 858及び第1の基準入力段804aを介する、
図8において「IREFa」と標示される第1の基準電流と、第2の抵抗器R2 860及び第1のフィードバック入力段808aを介する、
図8において「IFBa」と標示される第1のフィードバック電流とに分かれる。基準電流IREFaは、第1の制御信号ノード822a及び第1の基準負荷820aを介して、接地端子828へ流れる。第1の制御信号ノード822aにおいて、
図8において「VCTL2a」と標示される第2の制御電位は、基準電流IREFaに起因して、第1の基準負荷820aの両端の電圧降下に等しい。フィードバック電流IFBaは、第1のフィードバック負荷824aを介して接地端子828へ流れる。
【0078】
第1の制御信号ノード822aは、
図8に示されるように、第1の反転制御バッファ834aを介して第1の電流制限構成要素812aの第1の電流制御ノード816aに結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1aは、第2の制御電位VCTL2aに対して負の相関関係を有する。この例では、第1の反転制御バッファ834aは、第1の制御信号ノード822aに直列に結合される、この例ではPFETとして実装される第1の制御負荷846aとこの例ではNFETとして実装される第1の制御ドライバ848aとを含み、第1の制御信号ノード822aは、第1の制御負荷846aのドレインと第1の制御ドライバ848aのドレインとに接続される。第1の制御負荷846aのゲートが、PMOSバイアス端子844に接続される。第1の制御ドライバ848aのゲートが、第1の制御信号ノード822aに接続される。第1の制御負荷846aのソースが、電力端子818に接続される。第1の制御ドライバ848aのソースが、接地端子828に接続される。第1の反転制御バッファ834aを介して第1の制御信号ノード822aを第1の電流制御ノード816aに結合すると、第1の負のフィードバック経路836aが提供され、第1の負のフィードバック経路836aは、フィードバック電位VFBにおける変動に起因して第1のフィードバック電流IFBaが変化するときに第1の分岐ノード814aにおいて、
図8において「VHEADa」と標示される第1のヘッド電位における変動を減少させる。
【0079】
この例のトランスコンダクタ802は、基準入力ポート806から基準電位VREFを受け取るように構成される第2の基準入力段804bを含み、これは、フィードバック入力ポート810からフィードバック電位VFBを受け取るように構成される第2のフィードバック入力段808bと対になっている。第2の基準入力段804bは、
図8において「R3」と標示される第3の抵抗器862を介して第2の分岐ノード814bに接続される。第2のフィードバック入力段808bは、
図8において「R4」と標示される第4の抵抗器864を介して第2の分岐ノード814bに接続される。
【0080】
トランスコンダクタ802は第2の電流制限構成要素812bを含み、第2の電流制限構成要素812bは、
図8に示されるように、第2の分岐ノード814bにおいて、それぞれ、第3の抵抗器R3 862及び第4の抵抗器R4 864を介して、並列の電流経路において、第2の基準入力段804bに及び第2のフィードバック入力段808bに直列に結合される。この例では、第2の電流制限構成要素812bは、正のトランスコンダクタンスを有するNFETとして実装され得る。第2の電流制限構成要素812bは、トランスコンダクタ802の動作の間、
図8において「VCTL1b」と標示される第3の制御電位を有する第2の電流制御ノード816bを有する。第2の電流制限構成要素812bは、電力端子818に結合される。電流は、電力端子818から第2の電流制限構成要素812bを介して流れ、第2の基準入力段804bを介する、
図8において「IREFb」と標示される第2の基準電流と、第2のフィードバック入力段808bを介する、
図8において「IFBb」と標示される第2のフィードバック電流とに分かれる。
【0081】
トランスコンダクタ802は第2のフィードバック負荷824bを含み、第2のフィードバック負荷824bは、第2の出力信号ノード826bを介して第2のフィードバック入力段808bに接続される。この例では、第2のフィードバック負荷824bは、
図8に示されるように、NMOSダイオードとして実装され得る。第2の出力信号ノード826bにおいて、
図8において「VSIGb」と標示される第2の出力信号電位は、第2のフィードバック電流IFBbに起因して、第2のフィードバック負荷824bの両端の電圧降下に等しい。
【0082】
トランスコンダクタ802は第2の基準負荷820bを含み、第2の基準負荷820bは、第2の制御信号ノード822bを介して第2の基準入力段804bに接続される。この例では、第2の基準負荷820bは、NFETとして実装され得る。第2の基準負荷820bのゲートが、NMOSバイアス端子838に接続され得る。第2の制御信号ノード822bにおいて、
図8において「VCTL2b」と標示される第4の制御電位は、第2の基準電流IREFbに起因して、第2の基準負荷820bの両端の電圧降下に等しい。
【0083】
第2の基準負荷820b及び第2のフィードバック負荷824bのソースが、接地端子828に接続される。第2の基準電流IREFb及び第2のフィードバック電流IFBbは、接地端子828へ流れる。
【0084】
第2の制御信号ノード822bは、
図8に示されるように、第2の反転制御バッファ834bを介して、第2の電流制限構成要素812bの第2の電流制御ノード816bに結合され、そのため、第3の制御電位VCTL1bは、第4の制御電位VCTL2bに対して負の相関関係を有する。この例では、第2の反転制御バッファ834bは、第2の制御信号ノード822bに直列に結合される、この例ではPFETとして実装される第2の制御負荷846bとこの例ではNFETとして実装される第2の制御ドライバ848bとを含み、第2の制御信号ノード822bは、第2の制御負荷846bのドレインと第2の制御ドライバ848bのドレインとに接続される。第2の制御負荷846bのゲートが、PMOSバイアス端子844に接続される。第2の制御ドライバ848bのゲートが、第2の制御信号ノード822bに接続される。第2の制御負荷846bのソースが、電力端子818に接続される。第2の制御ドライバ848bのソースが、接地端子828に接続される。第2の反転制御バッファ834bを介して第2の制御信号ノード822bを第2の電流制御ノード816bに結合すると、第2の負のフィードバック経路836bが提供され、第2の負のフィードバック経路836bは、フィードバック電位VFBにおける変動に起因して第2のフィードバック電流IFBbが変化するときに第2の分岐ノード814bにおいて、
図8において「VHEADb」と標示される第2のヘッド電位における変動を減少させる。
【0085】
トランスコンダクタ802は出力電流端子830を含み、出力電流端子830は、出力バッファ832を介して、第1の出力信号ノード826a及び第2の出力信号ノード826bに結合される。出力バッファ832は、第1の出力信号ノード826aにおける第1の出力信号電位VSIGaと第2の出力信号ノード826bにおける第2の出力信号電位VSIGbとを、出力電流端子830を介して流れる、
図3において「IOUT」と標示される出力電流に変換する。この例では、出力バッファ832は、ドレイン間に直列に結合される、この例ではPFETとして実装される第1の出力ドライバ842aとこの例ではNFETとして実装される第2の出力ドライバ842bとを含む。第1の出力ドライバ842aのソースが電力端子818に接続され、第2の出力ドライバ842bのソースが接地端子828に接続される。第1の出力信号ノード826aは、第1の出力ドライバ842aのゲートに接続され、第2の出力信号ノード826bは、第2の出力ドライバ842bに接続される。出力電流端子830は、第1の出力ドライバ842aのドレインと第2の出力ドライバ842bのドレインとに接続される。この例の出力バッファ832は、出力電流IOUTに対する非相補極性を有する双方向出力機能性を提供する。抵抗器R1 858、R2 860、R3 862、及びR4 864は、有利なことに、フィードバック電位VFBと基準電位VREFとの間の差の関数として出力電流IOUTにおける更なる線形性を提供し得る。双方向出力機能性は、トランスコンダクタ802を含む半導体デバイス800の外にあるネットワークに適切であり得る。
【0086】
図9は、別の例示のトランスコンダクタの回路概略図である。トランスコンダクタ902は第1の基準入力段904aを含み、第1の基準入力段904aは、基準入力ポート906において
図9において「VREF」と標示される基準電位を受け取るように構成され、フィードバック入力ポート910において、
図9において「VFB」と標示されるフィードバック電位を受け取るように構成される第1のフィードバック入力段908aと対になっている。この例では、第1の基準入力段904a及び第1のフィードバック入力段908aは、
図9に示されるように、NFETとして実装され得る。トランスコンダクタ902の動作の間、
図9において「IREFa」と標示される第1の基準電流が、第1の基準入力段904aを介して流れ、
図9において「IFBa」と標示される第1のフィードバック電流が、第1のフィードバック入力段908aを介して流れる。
【0087】
トランスコンダクタ902は、第1の分岐ノード914aにおいて、
図9に示されるように並列の電流経路において第1の基準入力段904aに及び第1のフィードバック入力段908aに直列に結合される、第1の電流制限構成要素912aを含む。この例では、第1の電流制限構成要素912aは、負のトランスコンダクタンスを有するPFETとして実装され得る。第1の電流制限構成要素912aは、トランスコンダクタ902の動作の間、
図9において「VCTL1a」と標示される第1の制御電位を有する第1の電流制御ノード916aを有する。第1の電流制限構成要素912aのドレインが、
図9において「VSS」と標示される接地電位において電流を受け取るように構成される接地端子928に結合される。第1の基準電流IREFa及び第1のフィードバック電流IFBaは、第1の分岐ノード914aにおいて組み合わされ、第1の電流制限構成要素912aを介して接地端子928へ流れる。
【0088】
トランスコンダクタ902は第1の基準負荷920aを含み、第1の基準負荷920aは、この例ではPFETとして実装され、第1の制御信号ノード922aを介して第1の基準入力段904aに接続される。第1の基準負荷920aのゲートが、PMOSバイアス端子944に接続され得る。
【0089】
トランスコンダクタ902は、この例ではPMOSダイオードとして実装される、第1のフィードバック負荷924aを含む。第1のフィードバック負荷924aのドレインが、第1のフィードバック入力段908aに接続される。第1のフィードバック負荷924aのゲートが、第1のフィードバック負荷924aのドレインに接続され得、そのため、第1のフィードバック負荷924aは、この例ではPMOSダイオードとして実装される。第1の基準負荷920a及び第1のフィードバック負荷924aのソースが、電力端子918に接続され、電力端子918は、
図9において「VDD」と標示される正の電力電位において、トランスコンダクタ902に電流を提供するように構成される。
【0090】
電流は、接地端子928から第1の電流制限構成要素912aを介して流れ、第1の分岐ノード914aにおいて、第1の基準電流IREFa及び第1のフィードバック電流IFBaに分かれる。基準電流IREFaは、第1の制御信号ノード922a及び第1の基準負荷920aを介して、電力端子918へ流れる。第1の制御信号ノード922aにおいて、
図9において「VCTL2a」と標示される第2の制御電位は、基準電流IREFaに起因して、VDDに関して第1の基準負荷920aの両端の電圧降下に等しい。フィードバック電流IFBaは、第1のフィードバック負荷924aを介して電力端子918へ流れる。
【0091】
第1の制御信号ノード922aは、
図9に示されるように、第1の反転制御バッファ934aを介して、第1の電流制限構成要素912aの第1の電流制御ノード916aに結合され、そのため、第1の制御電位VCTL1aは、第2の制御電位VCTL2aに対して負の相関関係を有する。この例では、第1の反転制御バッファ934aは、第1の電流制御ノード916aとドレイン間で直列に結合される、この例ではNFETとして実装される第1の制御負荷946aとこの例ではPFETとして実装される第1の制御ドライバ948aとを含み、第1の電流制御ノード916aは、第1の制御負荷946aのドレインと第1の制御ドライバ948aのドレインとに接続される。第1の制御負荷946aのゲートが、NMOSバイアス端子938に接続される。第1の制御ドライバ948aのゲートが、第1の制御信号ノード922aに接続される。第1の制御負荷946aのソースが、接地端子928に接続される。第1の制御ドライバ948aのソースが、電力端子918に接続される。第1の反転制御バッファ934aを介して第1の制御信号ノード922aを第1の電流制御ノード916aに結合すると、第1の負のフィードバック経路936aが提供され、第1の負のフィードバック経路936aは、フィードバック電位VFBにおける変動に起因して第1のフィードバック電流IFBaが変化するときに、第1の分岐ノード914aにおいて、
図9において「VHEADa」と標示される第1のヘッド電位における変動を減少させる。
【0092】
この例のトランスコンダクタ902は、第2の基準入力段904bを含み、第2の基準入力段904bは、基準入力ポート906から基準電位VREFを受け取るように構成され、フィードバック入力ポート910からフィードバック電位VFBを受け取るように構成される第2のフィードバック入力段908bと対になっている。第2の基準入力段904b及び第2のフィードバック入力段908bは、第2の分岐ノード914bに接続される。トランスコンダクタ902は、第2の電流制限構成要素912bを含み、第2の電流制限構成要素912bは、第2の分岐ノード914bにおいて、第2の基準入力段904bに及び第2のフィードバック入力段908bに直列に結合される。この例では、第2の電流制限構成要素912bは、PFETとして実装され得る。第2の電流制限構成要素912bは、トランスコンダクタ902の動作の間、
図9において「VCTL1b」と標示される第3の制御電位を有する、第2の電流制御ノード916bを有する。
【0093】
この例のトランスコンダクタ902は、第1の電流制限構成要素912aに直列に結合される電流センサ954を含む。この例では、電流センサ954はNFETとして実装される。電流センサ954のドレインが、電流センサ954のゲートと第1の電流制限構成要素912aのドレインとに接続される。電流センサ954のソースが、接地端子928に接続される。そのため、この例の電流センサ954は、NMOSダイオードとして構成される。この例では、電流センサ954のゲートは、トランスコンダクタ902の動作の間、
図9において「VSIGb」と標示される第2の出力信号電位を有する、第2の出力信号ノード926bを提供する。またトランスコンダクタ902の動作の間、第2の基準電流IREFb及び第2のフィードバック電流IFBbは、第2の分岐ノード914bにおいて組み合わされ、第1の電流制限構成要素912a及び電流センサ954を介して、接地端子928へ流れる。
【0094】
トランスコンダクタ902は、第2のフィードバック負荷924bを含み、第2のフィードバック負荷924bは、第2の制御信号ノード922bを介して第2のフィードバック入力段908bに接続される。この例では、第2のフィードバック負荷924bはPFETとして実装され得る。第2のフィードバック負荷924bが、電力端子918に接続され得る。第2のフィードバック負荷924bのゲートが、PMOSバイアス端子944に接続され得る。第2の制御信号ノード922bにおいて、
図9において「VCTL2b」と標示される第4の制御電位は、第2の基準電流IREFbに起因して、VDDに関して第2のフィードバック負荷924bの両端の電圧降下に等しい。
【0095】
トランスコンダクタ902は、第2の基準入力段904bに接続される第2の基準負荷920bを含む。この例では、第2の基準負荷920bはPMOSダイオードとして実装され得る。第2の基準負荷920b及び第2のフィードバック負荷924bのソースが、電力端子918に接続される。
【0096】
第2の制御信号ノード922bは、
図9に示されるように、第2の反転制御バッファ934bを介して、第2の電流制限構成要素912bの第2の電流制御ノード916bに結合され、そのため、第3の制御電位VCTL1bは、第4の制御電位VCTL2bに対して負の相関関係を有する。この例では、第2の反転制御バッファ934bは、第2の電流制御ノード916bに直列に結合される、この例ではNFETとして実装される第2の制御負荷946bとこの例ではPFETとして実装される第2の制御ドライバ948bとを含み、第2の電流制御ノード916bは、第2の制御負荷946bのドレインと第2の制御ドライバ948bのドレインとに接続される。第2の制御負荷946bのゲートが、NMOSバイアス端子938に接続される。第2の制御ドライバ948bのゲートが、第2の制御信号ノード922bに接続される。第2の制御負荷946bのソースが、接地端子928に接続される。第2の制御ドライバ948bのソースが、電力端子918に接続される。第2の反転制御バッファ934bを介して第2の制御信号ノード922bを第2の電流制御ノード916bに結合すると、第2の負のフィードバック経路936bが提供され、第2の負のフィードバック経路936bは、フィードバック電位VFBにおける変動に起因して第2のフィードバック電流IFBbが変化するときに第2の分岐ノード914bにおいて、
図9において「VHEADb」と標示される第2のヘッド電位における変動を減少させる。
【0097】
トランスコンダクタ902は出力電流端子930を含み、出力電流端子930は、第1の出力バッファ932aを介して第1の出力信号ノード926aに結合され、第2の出力バッファ932bを介して第2の出力信号ノード926bに結合される。この例の第1の出力バッファ932a及び第2の出力バッファ932bは、互いの構成が反転されている。
【0098】
第1の出力バッファ932aは、第1の出力信号ノード926aにおける第1の出力信号電位VSIGaを、出力電流端子930を介して流れるソース出力電流部分に変換する。この例では、この例では、第1の出力バッファ932aは、増幅されたトランスコンダクタンスを提供するために2つの並列電流経路を含む。第1の出力バッファ932aの第1の電流経路が、直列に結合される、
図9において「R1」と標示される第1の抵抗器950aと、この例ではNFETとして実装される第1の出力負荷940aと、この例ではPFETとして実装される第1の出力ドライバ942aとを含む。第1の抵抗器950aの第1の端子が、接地端子928に接続される。第1の出力負荷940aのソースが、第1の抵抗器950aの第2の端子に接続される。第1の出力ドライバ942aのソースが、電力端子918に接続される。第1の出力バッファ932aの第2の電流経路が、直列に結合される、
図9において「R2」と標示される第2の抵抗器950bと、この例ではNFETとして実装される第2の出力負荷940bと、この例ではPFETとして実装される第2の出力ドライバ942bとを含む。第2の抵抗器950bの第1の端子が、接地端子928に接続される。第2の出力負荷940bのソースが、第2の抵抗器950bの第2の端子に接続される。第2の出力ドライバ942bのソースが、電力端子918に接続される。第1の出力負荷940a及び第2の出力負荷940bのゲートが、第1の出力負荷940aのドレインに接続され、そのため、第1の出力負荷940aはNMOSダイオードとして動作する。第1の出力ドライバ942a及び第2の出力ドライバ942bのゲートが、第1の出力信号ノード926aに接続される。第1の出力バッファ932aは、この例ではNFETとして実装される第1の出力段952aを含む。第1の出力段952aのソースが、第1の出力負荷940aのソースに接続される。第1の出力段952aのゲートが、第2の出力ドライバ942bのドレインに接続される。第1の出力段952aのドレインが、出力電流端子930に接続される。第1の出力バッファ932aは、第1の出力信号ノード926aにおいて、第1の抵抗器950aの抵抗に対する第2の抵抗器950bの抵抗の比にほぼ等しい係数で、第1の出力信号電位VSIGaを増幅する。
【0099】
第2の出力バッファ932bは、第2の出力信号ノード926bにおける第2の出力信号電位VSIGbを、出力電流端子930を介して流れる吸込み出力電流部分に変換する。この例では、第2の出力バッファ932bは、増幅されたトランスコンダクタンスを提供するために2つの並列電流経路を含む。第2の出力バッファ932bの第1の電流経路が、直列に結合される、
図9において「R3」と標示される第3の抵抗器950cと、この例ではPFETとして実装される第3の出力負荷940cと、この例ではNFETとして実装される第3の出力ドライバ942cとを含む。第3の抵抗器950cの第1の端子が、電力端子918に接続される。第3の出力負荷940cのソースが、第3の抵抗器950cの第2の端子に接続される。第3の出力ドライバ942cのソースが、接地端子928に接続される。第2の出力バッファ932bの第2の電流経路が、直列に結合される、
図9において「R4」と標示される第4の抵抗器950dと、この例ではPFETとして実装される第4の出力負荷940dと、この例ではNFETとして実装される第4の出力ドライバ942dとを含む。第4の抵抗器950dの第1の端子が、電力端子918に接続される。第4の出力負荷940dのソースが、第4の抵抗器950dの第2の端子に接続される。第4の出力ドライバ942dのソースが、接地端子928に接続される。第3の出力負荷940c及び第4の出力負荷940dのゲートが、第3の出力負荷940cのドレインに接続され、そのため、第3の出力負荷940cはPMOSダイオードとして動作する。第3の出力ドライバ942c及び第4の出力ドライバ942dのゲートが、第2の出力信号ノード926bに接続される。第2の出力バッファ932bは、この例ではPFETとして実装される第2の出力段952bを含む。第2の出力段952bのソースが、第3の出力負荷940cのソースに接続される。第2の出力段952bのゲートが、第4の出力ドライバ942dのドレインに接続される。第2の出力段952bのドレインが、出力電流端子930に接続される。第2の出力バッファ932bは、第2の出力信号ノード926bにおいて、第3の抵抗器950cの抵抗に対する第4の抵抗器950dの抵抗の比にほぼ等しい係数で、第2の出力信号電位VSIGbを増幅する。この例の第1の出力バッファ932a及び第2の出力バッファ932bは、出力電流IOUTに対する相補極性を有する双方向出力機能性を提供する。双方向出力機能性及び相補極性は、トランスコンダクタ902を含む半導体デバイス900の外にあるネットワークに適切であり得る。特許請求の範囲内で、説明した例における改変が可能であり、他の例が可能である。
【国際調査報告】