(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】連結装置
(51)【国際特許分類】
A44B 11/25 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A44B11/25
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532239
(86)(22)【出願日】2022-11-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 EP2022082639
(87)【国際公開番号】W WO2023099265
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】102021213558.7
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515160367
【氏名又は名称】フィドロック・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】FIDLOCK GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100220489
【氏名又は名称】笹沼 崇
(74)【代理人】
【識別番号】100225026
【氏名又は名称】古後 亜紀
(74)【代理人】
【識別番号】100230248
【氏名又は名称】杉本 圭二
(72)【発明者】
【氏名】リヒター・ダビッド
(72)【発明者】
【氏名】フィードラー・ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】ボトクス・ブライド
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AE05
3B090BD01
3B090BD06
(57)【要約】
【課題】簡単で簡便な様式で連結部品同士を載置可能で、連結位置で互いに確実で強靭に保持可能な連結装置の提供。
【解決手段】連結装置1は、第1ベース本体20と、該本体20に強固に配置された係合突起240,241を有する第1連結部品2と、第2ベース本体30と、第2ベース本体に強固に配置された係合部341を有する、第1連結部品に閉止方向Xに取付可能な第2連結部品3と、を備える。第1連結部品は第1磁気装置21を具備し、第2連結部品は第2磁気装置31を具備し、第1磁気装置21と第2磁気装置31は、第1連結部品と第2連結部品とが互いの取付けを補助するように閉止方向Xに磁気吸引して協働する。第1連結部品は連結位置にて第2連結部品と相互作用して少なくとも1つの係合突起240,241との係合部341の係合を係合方向Yの逆方向でブロックするブロック部236,238を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のベース本体(20)および該第1のベース本体(20)に強固に設けられた少なくとも1つの係合突起(240,241)を有する第1の連結部品(2)と、
第2のベース本体(30)および該第2のベース本体(30)に強固に設けられた係合部(341)を有する、前記第1の連結部品(2)に対して閉止方向(X)に載置されることが可能な第2の連結部品(3)であって、前記係合部(341)が、前記第1の連結部品(2)の前記少なくとも1つの係合突起(240,241)と、前記閉止方向(X)とは異なる係合方向(Y)に沿って係合可能であり、前記第1の連結部品(2)と前記第2の連結部品(3)との連結位置にて、前記係合部(341)は、前記第1の連結部品(2)の前記少なくとも1つの係合突起(240,241)と係合している、第2の連結部品(3)と、
を備え、前記第1の連結部品(2)が、第1の磁気装置(21)を具備しており、前記第2の連結部品(3)が、第2の磁気装置(31)を具備しており、前記第1の磁気装置(21)および前記第2の磁気装置(31)は、前記第1の連結部品(2)と前記第2の連結部品(3)とが互いに取り付けられるのを補助するように前記閉止方向(X)に沿って磁気的に吸引して協働するものである、連結装置(1)において、
前記第1のベース本体(20)は、前記第1の連結部品(2)と前記第2の連結部品(3)との前記連結位置にて前記第2のベース本体(30)が当接することで前記第1の連結部品(2)に対する前記第2の連結部品(3)の傾動に抵抗する形状係合部(234)を有しており、
前記連結位置にて、前記第2のベース本体(30)が、第1の領域(300A)では前記第1のベース本体(20)に当接し、前記第1の領域(300A)と前記係合方向(Y)に隣接する第2の領域(300B)では前記第1のベース本体(20)に当接していないことで、前記閉止方向(X)沿いで、前記第1のベース本体(20)と前記第2のベース本体(30)との間に空き空間が形成されており、前記第2の領域(300B)と前記係合方向(Y)に隣接するか又は離間した第3の領域(300C)が、前記形状係合部(234)で支持されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の連結装置(1)において、荷重が意図どおりにかかった荷重負荷状態では、荷重力が、前記第1の連結部品(2)に対する少なくとも前記係合方向(Y)の方向ベクトル成分を伴って、前記第2の連結部品(3)に作用することを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項3】
請求項1または2に記載の連結装置(1)において、前記第2のベース本体(30)は、前記第1の連結部品(2)と前記第2の連結部品(3)とが相対的に傾動したときに、前記空き空間を狭めながら前記第2の領域(300B)及び/又は前記第3の領域(300C)で前記第1のベース本体(20)と前記閉止方向(X)に接近するように構成されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第1ベース本体(20)は、前記第2の連結部品(3)が前記第1の連結部品(2)に対して前記閉止方向(X)に傾動したときに前記第2のベース本体(30)の前記第3の領域(300C)が突入する突入開口(232)を有することを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項5】
請求項4に記載の連結装置(1)において、前記突入開口(232)が、前記閉止方向(X)沿いで、少なくとも部分的に前記少なくとも1つの係合突起(240,241)よりも下に位置していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記形状係合部(234)は、前記第2のベース本体(30)が前記連結位置にて載っかる段差によって形成されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記形状係合部(234)が、前記閉止方向(X)と直交に又は前記閉止方向(X)の斜めに向いた表面部によって形成されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記形状係合部(234)が、前記閉止方向(X)沿いで、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)から離間していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記形状係合部(234)が、前記係合方向(Y)に沿いで、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)から離間していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第1のベース本体(20)が、該第1のベース本体(20)に強固に形成された支持部(233)を有しており、前記連結位置にて、前記第2のベース本体(30)が、前記係合方向(Y)の荷重を受ける前記支持部(233)で支持されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項11】
請求項10に記載の連結装置(1)において、前記支持部(233)が、前記閉止方向(X)を中心として円弧状に湾曲していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項12】
請求項10または11に記載の連結装置(1)において、前記支持部(233)が、前記閉止方向(X)に沿いで、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)から離間していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項13】
請求項10から12のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記支持部(233)が、前記係合方向(Y)沿いで、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)から離間していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項14】
請求項10から13のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記支持部(233)が、前記閉止方向(X)と平行に又は前記閉止方向(X)の斜めに向いた表面部によって形成されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第2の連結部品(3)が、前記連結位置にて、前記第1の連結部品(2)に対して前記閉止方向(X)を中心として捻回可能であり、捻回の際に、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)との前記係合部(341)の係合が維持されることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項16】
請求項15に記載の連結装置(1)において、前記第2の連結部品(3)が、前記連結位置にて、前記第1の連結部品(2)に対して前記閉止方向(X)を中心として10°以上、好ましくは20°以上の角度で動かすことが可能であることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第1の連結部品(2)が、前記第1のベース本体(20)に強固に設けられたブロック部236,238)を有し、前記ブロック部(236,238)が、前記連結位置にて、前記第2の連結部品(3)と相互作用することで前記少なくとも1つの係合突起(240,241)との前記係合部(341)の係合を前記係合方向(Y)の逆方向にブロックするように構成されており、前記第2の連結部品(3)は、前記第1の連結部品(2)に対して傾動させることで、前記係合方向(Y)の逆方向のブロックを解除することが可能であり、これにより、前記第1の連結部品(2)と前記第2の連結部品(3)とを互いに外して、前記係合部(341)と前記少なくとも1つの係合突起(240,241)とを脱係合できることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項18】
請求項17に記載の連結装置(1)において、前記第2の連結部品(3)が、前記第2のベース本体(30)に強固に設けられて前記第1の連結部品(2)の前記ブロック部(236,238)と協働するブロック要素(303)を有することを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項19】
請求項18に記載の連結装置(1)において、前記ブロック要素(303)が、前記連結位置にて、前記第1の連結部品(2)の前記ブロック部(236,238)に対して前記閉止方向(X)を中心として捻回可能であり、捻回の際に、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)との前記係合部(341)の係合のブロックが維持されることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項20】
請求項18または19に記載の連結装置(1)において、前記第1のベース本体(20)が、前記ブロック部(236,238)によって少なくとも部分的に画定された凹所(231)を有しており、前記ブロック要素(303)が、前記連結位置にて前記凹所(231)に配置されることにより、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)との前記係合部(341)の係合のブロックが維持されることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項21】
請求項18から20のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記ブロック部(236,238)が、乗り上がり斜面(235)を有しており、前記乗り上がり斜面(235)は、前記第2の連結部品(3)が前記第1の連結部品(2)に対して傾動したときに前記ブロック要素(303)の前記係合方向(Y)の逆方向へのスライド案内を行うように構成されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項22】
請求項17から21のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第2の連結部品(3)は、前記第1の連結部品(2)から持ち上げて前記少なくとも1つの係合突起(240,241)とは反対側で前記第1の連結部品(2)に対して前記閉止方向(X)の反対方向に傾動させることが可能であることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項23】
請求項17から22のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第2の連結部品(3)は、該第2の連結部品(3)を前記第1の連結部品(2)に対して傾動させるために使用者が作動させることが可能な作動部(40)を具備することを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項24】
請求項1から23のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)が、前記閉止方向(X)を中心として円弧状に湾曲しているか、あるいは、複数の係合突起(240,241)が、前記閉止方向(X)回りに向いた周方向(U)に沿って一列に並んでいることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項25】
請求項1から24のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記係合部(341)が、前記閉止方向(X)回りの周方向に延在していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項26】
請求項25に記載の連結装置(1)において、前記係合部(341)が、前記閉止方向(X)を基準として回転対称であるように構成されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項27】
請求項1から26のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第2の連結部品(3)の前記第2のベース本体(30)がベース部(300)を有し、前記ベース部(300)が前記係合部(341)を形成しているか、あるいは、前記係合部(341)が前記閉止方向(X)に沿って前記ベース本体(341)と隔てられていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項28】
請求項27に記載の連結装置(1)において、前記第2のベース本体(30)が、前記ベース部(300)から前記閉止方向(X)に沿って突出したピン要素(340)を有し、前記ピン要素(340)上に前記係合部(341)が設けられているとともに、前記係合部(341)が前記係合方向(Y)に沿って前記ピン要素(340)に突設されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項29】
請求項27または28に記載の連結装置(1)において、前記ベース部(300)が、前記閉止方向(X)を基準として径方向に前記係合部(341)を越えて突出していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項30】
請求項27から29のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記ベース部(300)が、円盤状であることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項31】
請求項27から30のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記ベース部(300)がエッジ部(305)を有し、前記連結位置にて、前記ベース部(300)の前記エッジ部(305)は、前記形状係合部(234)で支持されていることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項32】
請求項31に記載の連結装置(1)において、前記エッジ部(305)が、前記ベース部(300)において前記閉止方向(X)回りの周方向に延在していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項33】
請求項27から32のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記ベース部(300)がベース面(302)を形成しており、前記第1のベース本体(20)が底面(230)を形成しており、前記ベース面(302)が、前記連結位置にて、前記閉止方向(X)に沿って前記底面(230)に対向していることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項34】
請求項27から33のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記第1の連結部品(2)に対して前記第2の連結部品(3)を傾動させるために、前記ベース部(300)は、前記第1の連結部品(2)に対して、前記閉止方向(X)と前記係合方向(Y)とに直交する傾動軸(K)を中心として傾動させることが可能であることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項35】
請求項1から34のいずれか一項に記載の連結装置(1)において、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)が、前記閉止方向(X)に対して斜めに延びるスライド斜面(244,245)を有し、前記摺動斜面(244,245)は、前記第2の連結部品(3)が前記第1の連結部品(2)に対して載置される際に、前記少なくとも1つの係合突起(240,241)上で前記第2の連結部品(3)を前記閉止方向(X)に沿って案内することで前記第2の連結部品(3)を前記第1の連結部品(2)に対して前記係合方向(Y)の反対に変位させて前記少なくとも1つの係合突起(240,241)を通り越させるように構成されており、そして、前記係合部(341)を前記少なくとも1つの係合突起(240,241)に、前記係合方向(Y)に通り越させることで係合させることが可能であることを特徴とする、連結装置(1)。
【請求項36】
請求項1から35のいずれか一項に記載の連結装置(1)を備える、ストラップ留め具。
【請求項37】
請求項36に記載のストラップ留め具において、さらに、
前記第2の連結部品(3)に接続されたストラップ(4)、
を備えることを特徴とする、ストラップ留め具。
【請求項38】
請求項37に記載のストラップ留め具において、前記ストラップ(4)が、前記第2の連結部品(3)に固定的かつ調節不能に接続されていることを特徴とする、ストラップ留め具。
【請求項39】
請求項37または38に記載のストラップ留め具において、前記第1の連結部品(2)が、2つの係合突起(240,241)を有し、前記2つの係合突起(240,241)は、前記第1の連結部品(2)と前記第2の連結部品(3)との前記連結位置にて前記ストラップ(4)が該係合突起(240,241)間を通過案内させられることができるように互いに離間していることを特徴とする、ストラップ留め具。
【請求項40】
物体をアセンブリに留め固定する物体留め固定装置であって、
請求項1から35のいずれか一項に記載の連結装置(1)、
を備え、前記物体が前記連結部品(2,3)の一方に配置されており、前記連結部品(2,3)の他方が前記アセンブリに配置されている、物体留め固定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載されているような連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような連結装置は、第1のベース本体および該第1のベース本体に強固に設けられた少なくとも1つの係合突起を有する第1の連結部品を備える。同連結装置は、さらに、第2のベース本体および該第2のベース本体に強固に設けられた係合部を有する、上記第1の連結部品に対して閉止方向に載置されることが可能な第2の連結部品を備えており、上記係合部が、上記閉止方向とは異なる係合方向に沿って上記第1の連結部品の上記少なくとも1つの係合突起と係合させられることが可能であり、上記第1の連結部品と上記第2の連結部品との連結位置にて、上記係合部は、上記第1の連結部品の上記少なくとも1つの係合突起と係合している。上記第1の連結部品は、第1の磁気装置を具備しており、上記第2の連結部品は、第2の磁気装置を具備している。上記第1の磁気装置および上記第2の磁気装置は、上記第1の連結部品と上記第2の連結部品とが互いに載置されるのを補助するように上記閉止方向に沿って磁気的に吸引して協働するものである。
【0003】
上記連結装置にて、少なくとも1つの係合突起は、上記第1の連結部品の上記第1のベース本体に強固に形成されている。上記第2の連結部品の係合部を上記第1の連結部品の上記少なくとも1つの係合突起と係合させることにより、上記第2の連結部品をその少なくとも1つの強固な係合突起と係合させることができる。上記第1の連結部品および上記第2の連結部品は閉止方向に沿って互いに載置されるが、該閉止方向に沿ってこれら連結部品の上記磁気装置同士が磁気的な吸引力を提供することで、これら連結部品が上記閉止方向に沿って互いに引き寄せられる。これに対し、上記第1の連結部品の上記少なくとも1つの係合突起との上記第2の連結部品の上記係合部の係合は、上記閉止方向を横切る係合方向に沿って生じる。上記連結位置にて、上記係合部が上記少なくとも1つの係合突起と形状係合または力と形状係合(formschluessig oder kraftformschluessig)で係合することにより、上記連結部品同士が互いに保持される。
【0004】
ここで、係合方向が閉止方向と異なるということは、係合方向が閉止方向と直交であるか又は閉止方向と斜めの角度であることを意味する。係合方向は、必ずしも閉止方向と厳密に直交している必要はなく、閉止方向と斜めの角度であってもよい。ただし、係合方向は、閉止方向に沿った向きにはならず、特に、閉止方向の反対方向にはならない。
【0005】
EP 3 616 553 A1(特許文献1)から知られる、2つの部品を着脱可能に連結する留め固定装置では、第1の連結部品を第2の連結部品に載置することで、これら連結部品同士を互いに連結することが可能である。一方の連結部品に靴紐が配置されており、連結部品同士を互いに連結することで、その靴紐を締めることができる。
【0006】
EP 3 192 388 B1(特許文献2)からは、第1の連結部品が強固な係合突起を有し、該第1の連結部品を第2の連結部品に連結させることが可能なファスナー装置が知られている。第2の連結部品には、ストラップが調節可能に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3616553号明細書
【特許文献2】欧州特許第3192388号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の種類の連結装置では、一般的に、使用者にとって簡単かつ楽で触感的に心地よい方法で連結部品同士を連結できることが望まれる。好ましくは、連結部品同士の載置が不正確であっても、位置的に寛容な様式で連結が可能であるべきである。連結部品同士の連結位置では、確実かつ強靭な連結が得られるべきである。
【0009】
本発明の目的は、簡単かつ簡便な様式で連結部品同士を載置させることができ、連結位置にて互いに確実かつ強靭な保持を行うことが可能な連結装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1の構成を備える主題によって達成される。
【0011】
つまり、第1のベース本体は、第1の連結部品と第2の連結部品との連結位置にて第2のベース本体が当接することで前記第1の連結部品に対する前記第2の連結部品の傾動に抵抗する形状係合部(Formschlussabschnitt)を有しており、連結位置にて、前記第2のベース本体が、第1の領域では第1のベース本体に当接し、前記第1の領域と係合方向に隣接する第2の領域では前記第1のベース本体に当接していないことで、閉止方向沿いで、前記第1のベース本体と前記第2のベース本体との間にフリースペースが形成されており、前記第2の領域と前記係合方向に隣接するか又は離間した第3の領域が、前記形状係合部で支持されている。
【0012】
前記第1のベース本体は、前記第1の連結部品と前記第2の連結部品との前記連結位置にて前記第2のベース本体が当接することで前記第1の連結部品に対する前記第2の連結部品の傾動に抵抗する形状係合部を有している。具体的には、前記形状係合部は、前記係合方向を基準として前記第1のベース本体の前方領域に形成されており、かつ、前記第1のベース本体に強固に形成されている。前記第2のベース本体は、前記形状係合部で、特に、前記閉止方向への動きに抗するようにして支持される。これにより、前記第1の連結部品に対する前記第2の連結部品の傾動は、前記形状係合部の支持によって少なくともより困難になる。
【0013】
本連結装置では、好ましくは、荷重負荷状態にて荷重が意図どおりにかかった際に荷重力が前記第2の連結部品に作用する荷重方向が、前記係合方向に少なくとも1つの方向ベクトル成分を有する向きとなり得る。よって、前記荷重負荷状態では、前記第2の連結部品に、前記第1の連結部品に対する係合方向への荷重、つまり、前記第1の連結部品に強固に形成された前記少なくとも1つの係合突起との係合方向への荷重がかかる。
【0014】
このような荷重により、前記第2の連結部品には、前記閉止方向と前記係合方向とに直交する横方向を中心として傾動するような方向の荷重を該第2の連結部品にかけるトルクが作用し得る。このような傾動に抵抗するために、前記第1のベース本体の特に前方領域には、前記第2のベース本体の支持を実現する前記形状係合部が形成されており、これにより、前記第2のベース本体は、特に前記横方向を中心とした傾動に抗するようにして支持される。これにより、荷重によって前記連結部品同士が意図せず互いに緩むような可能性がなくなる。
【0015】
前記形状係合部およびその結果行われる支持により、荷重力によって連結部品同士が互いに取り外れる可能性なく、連結部品同士が連結位置にて確実かつ高い信頼度で強靭に互いに保持されることが確保される。
【0016】
前記連結位置にて、前記第2のベース本体は、第1の領域では前記第1のベース本体に当接している。例えば、前記第2のベース本体のベース面が、前記第1のベース本体の底面に対して載置されることができ、これにより、前記第1の領域では、前記第2のベース本体と前記第1のベース本体との間に面接触が生じる。これに対し、前記第1の領域と前記係合方向に隣接する第2の領域では、前記第2のベース本体が前記第1のベース本体と接触していないため、前記閉止方向沿いで、前記第1のベース本体と前記第2のベース本体との間に空き空間が形成されている。第3の領域は、前記第2の領域と前記係合方向に沿って隣接するか又は離間している。前記第2のベース本体のこの第3の領域は、前記第1のベース本体の前記形状係合部で支持されている。
【0017】
つまり、前記第1のベース本体上での前記第2のベース本体の支持は、空き空間を間に形成してなる2点支持の様式で行われる(なお、当接を2つ以上の領域で生じさせる構成もある)。具体的には、前記第3の領域は、前記第2のベース本体のうち、前記係合方向で前方にある領域に形成され得る。これにより、前記第3の領域は、特に、前記閉止方向と前記係合方向とに直交する横方向を中心とした傾動に抗する支持を行わせるのに利用することができる。これに対し、前記第1の領域は、前記係合方向を基準として前記第2のベース本体の後方にある部分に形成され得る。
【0018】
前記第2のベース本体の前記第2の領域と前記第1のベース本体との間に形成される前記フリースペースにより、前記連結部品同士の取付けや前記連結部品同士の外しを容易に行うことが可能になる。例えば、前記連結部品同士を外す際には、まず、前記第2の連結部品を、前記第1の連結部品との前記係合方向の反対方向へと所定の(僅かな)距離だけ動かしてから前記第1の連結部品へと前記横方向で傾動させることが必要又は有利になり得る。傾動させる際には、例えば、前記第2の領域及び/又は第3の領域を前記空き空間内へと動かすことが可能である。これにより、使用者にとって楽で触感的に心地よい方法で、前記第2の連結部品を前記第1の連結部品に対して傾動運動させることができる。
【0019】
すなわち、前記連結位置では、特に、荷重の負荷下で、前記第2の連結部品が前記第1の連結部品に対して自由度を制限された状態で固定される。開放させる際には、前記連結部品同士を前記係合方向の逆方向に(例えば、許容範囲内で)動かすか又は相対的に少し傾かせることで前記第2の連結部品が前記形状係合部から滑り落ち、それによって、前記自由度の制限が緩和される。これにより、前記連結部品同士を相対的に傾動させることが可能になる。つまり、開放させる際には、初動の後に前記空き空間へと突入させることで、前記連結部品同士を相対的に(より強く)傾動又は回動運動させることが可能となり、使用者が触感的に心地よく且つ簡便に前記連結部品同士を外すことができるようになる。
【0020】
前記少なくとも1つの係合突起は、前記第1の連結部品の前記第1のベース本体に強固かつ(荷重が意図どおりに作用した場合に)変形不能に形成されている。これにより、前記係合突起は、前記第2のベース本体の前記係合部と係合した際に、力を高い信頼度で吸収して逃がすことができる。好ましくは、前記少なくとも1つの係合突起は、前記第1の連結部品の前記第1のベース本体との一体品として形成されており、前記第1のベース本体は、剛質であるとともに全体的に変形不能である。
【0021】
ここでの「変形不能」とは、意図どおりの荷重の負荷下で、前記第1の連結部品の前記ベース本体および該ベース本体に形成された前記係合突起が変形しないこと、すなわち、前記ベース本体が非弾性体であることが確保されるように、前記ベース本体の材料の選択肢とその幾何形状が本質的に剛体であることを意味するものと理解されたい。例えば、前記第1の連結部品の前記ベース本体は、金属または硬質プラスチック材からなり得る。
【0022】
同じく、前記第2の連結部品において前記係合部が形成されている前記ベース本体も、剛質かつ変形不能であり、例えば、金属または硬質プラスチック材からなる。
【0023】
前記連結部品同士の載置は、磁気的に補助される。この目的のために、前記第1の連結部品は第1の磁気装置を具備しており、前記第2の連結部品は第2の磁気装置を具備している。前記連結位置にて、前記第1の磁気装置および前記第2の磁気装置は、磁気的に吸引して協働するものであり、具体的には、前記連結部品同士の載置も補助する。前記連結部品同士を載置させる際には、前記磁気装置同士が前記閉止方向に沿って磁気的な吸引作用を奏することで、該磁気装置同士が前記閉止方向に沿って磁気的な吸引力を発生させて前記連結部品同士を前記閉止方向に沿って引き付ける。前記磁気装置は、例えば、それぞれ永久磁石によって形成することが可能である。しかしながら、前記磁気装置の一方を永久磁石で、前記磁気装置の他方を磁気アーマチュア、つまり、受動的な磁気素子で構成することも可能である。
【0024】
一実施形態において、前記第2のベース本体は、前記第1の連結部品と前記第2の連結部品とが相対的に傾動したとき、例えば、前記連結部品同士を互いに外すときに、前記第2の領域及び/又は前記第3の領域で前記第1のベース本体と前記閉止方向に近付いて前記空き空間を狭めるように構成されている。例えば、前記第2のベース本体の前記第3の領域は、このように傾けられた際に、前記形状係合部との接触から外れて前記空き空間内へと動くことができる。これにより、前記連結部品同士を相対的に傾動させることが可能となる。
【0025】
一実施形態において、前記第1ベース本体は、前記第2の連結部品が前記第1の連結部品に対して前記閉止方向に傾動したときに前記第2のベース本体の前記第3の領域が突入することが可能な突入開口を有する。具体的には、前記突入開口は、前記第1のベース本体の(前記係合方向を基準とした)前方領域に形成され得て、例えば、前記第1のベース本体の凹部として形成され得る。前記第2のベース本体は、前記連結部品同士が(連結時又は脱連結時に)相対的に傾動したときに、特に、前記第3の領域を形成している前方エッジ部が、前記突入開口内に突入し得る。
【0026】
前記突入開口は、例えば、前記第1のベース本体の底面に対する凹入部として形成され得る。この場合、前記突入開口は、例えば、前記底面に隣接しているが、前記底面に対して凹入することで前記閉止方向に沿って後退している。前記第2のベース本体は、例えば、前記連結位置にて第1の領域で前記底面と接触する。具体的には、前記突入開口は、前記少なくとも1つの係合突起よりも下に延在することで、該少なくとも1つの係合突起の領域に空間を提供することができる。前記連結位置にて、前記第2のベース本体の前記第2の領域が該空間に対して間隔を空けて配置されることで(前記閉止方向を基準とした)前記空き空間が形成される。前記連結部品同士を載置する際だけでなく、前記連結部品同士を互いに外す際にも、前記第2の連結部品の前記第3の領域が該空き空間に突入することで、本連結装置の閉止や開放が可能となる。
【0027】
一般的に、前記第2の連結部品の前記係合部と前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起との間に隙間があることで、連結を確立したり外したりするのに前記連結部品同士を相対的に傾動させ易くなり得る。さらに、前記係合方向の逆方向に少し作動させてからの傾動作動を経て、前記第2のベース本体の前記第3の領域が前記形状係合部から滑り落ちて前記空き空間内に突入することができるという点でも、前記第2のベース本体の前記第2の領域と前記第1のベース本体との間の該空き空間により、傾動が行い易くなる。
【0028】
前記突入開口は、前記第1のベース本体に凹部として構成することも貫通開口として構成することも可能である。
【0029】
前記形状係合部は、例えば、前記第2のベース本体が前記連結位置にて載っかる段差によって形成され得る。具体的には、前記形状係合部は、前記閉止方向と直交に又は前記閉止方向の斜めに向いて前記第2のベース本体の支持を行う表面部からなり得る。
【0030】
他の実施形態において、前記形状係合部は、例えば、ノッチ形態の係合開口として形成されてもよい。前記形状係合部が、前記係合方向と直交した支持、すなわち、前記閉止方向に沿った支持を前記第1のベース本体で実現することにより、前記連結部品同士は、荷重の負荷下にある前記連結位置にて意図せず簡単に相対的に傾動する可能性がなくなり、むしろ、(意図せぬ)傾動に抗するようにして前記形状係合部で支持されることになる。
【0031】
一実施形態において、前記形状係合部は、前記閉止方向沿いで、前記少なくとも1つの係合突起から離間している。前記閉止方向沿いで、前記形状係合部は、前記少なくとも1つの係合突起よりも上に又は下に延在したものであり得る。
【0032】
これに加えて又はこれに代えて、前記形状係合部は、前記係合方向沿いで、前記少なくとも1つの係合突起から離間していてもよい。つまり、前記形状係合部は、前記係合方向を基準として、前記少なくとも1つの係合突起とは異なる位置に位置している。具体的には、前記形状係合部は、前記係合方向において前記少なくとも1つの係合突起よりも前方に位置していてもよい。前記形状係合部は、特に、有利な回転自在構成の場合に、前記少なくとも1つの係合突起の径方向外側に位置していてもよい。このようにして、前記連結部品間に荷重力が作用した際に、前記第2のベース本体が前記形状係合部に対して好適な梃(てこ)の腕をもって接触することができるという点で、前記連結部品同士が相対的に傾動するのを阻止する好適な支持が、そのような形状係合部によって実現され得る。
【0033】
一実施形態において、前記第1のベース本体は、該第1のベース本体に強固に形成された支持部を有しており、前記連結位置にて、前記第2のベース本体が、前記係合方向に沿って荷重を吸収する前記支持部で支持されている。前記第2のベース本体は、例えば、前記係合方向に荷重が加わった場合に前記支持部で支持接触されるエッジ部を形成し得る。前記エッジ部は、例えば、前記第2のベース本体の前方領域に形成され得る。また、前記エッジ
部は、前記第2のベース本体の周に延在したものであり得る。前記支持部は、前記係合方向を基準として前記第1の連結部品の前方領域に形成されている。これにより、前記支持部は、前記第2のベース本体の前記係合方向の支持を行うことができる。つまり、前記第2の連結部品から前記第1の連結部品に対して前記係合方向に荷重がかかると、前記エッジ部が前記支持部に押し付けられ、これにより、前記エッジ部が前記支持部で支持される。よって、前記連結位置では、前記第2のベース本体が前記エッジ部で前記第1の連結部品の前記第1のベース本体の前記支持部と接触することができ、これにより、前記第2の連結部品から前記第1の連結部品へと荷重力を導くことが可能になる。
【0034】
このとき、前記連結位置にて、前記エッジ部が前記係合方向において前記支持部と常に接触するという構成が考えられ得る。あるいは、荷重がかかっていない状態では前記エッジ部が前記係合方向において前記支持部と接触せず、むしろ、前記連結部品同士で互いに荷重がかかっている場合にのみ前記エッジ部が前記支持部と接触するという構成も可能である。
【0035】
有利なことに、前記第2の連結部品から、前記支持部および前記支持部での前記第2のベース本体の前記エッジ部の支持を介して、前記第1の連結部品へと力を伝達することが可能となる。例えば、本連結装置がストラップ留め具として構成されている場合、本連結装置を意図どおりに使用した際に前記連結部品間に力が作用する荷重方向は、前記係合方向に沿った向きとなり得る。これにより、荷重が加わった際に、前記少なくとも1つの係合突起との前記係合方向へと、前記係合部に荷重がかかることになる。この場合、前記第2のベース本体の前記エッジ部が前記支持部で支持接触されることにより、前記係合方向に作用した力は、前記支持部との前記エッジ部の接触を介して逃がされる。前記少なくとも1つの係合突起は、特に、前記閉止方向に沿った支持を行うことで前記連結部品同士の保持を確実なものにする機能を果たす。前記係合方向の荷重力については、主に前記支持部を介して吸収されて逃がされる。
【0036】
一実施形態において、前記支持部は、前記閉止方向と直交する断面平面上で円弧状に湾
曲している。つまり、前記エッジ部も円弧状に湾曲したものであり得て、有利なことに、前記エッジ部の円弧形状が前記支持部の円弧形状と相補的なものになる。これにより、前記エッジ部は、前記支持部と面接触し得る。
【0037】
一実施形態において、前記支持部は、前記閉止方向沿いで、前記少なくとも1つの係合突起から間隔が空いている。前記閉止方向沿いで、前記支持部は、前記少なくとも1つの係合突起よりも上又は下に延在したものであり得る。
【0038】
これに加えて又はこれに代えて、前記支持部は、前記係合方向沿いで、前記少なくとも1つの係合突起から離間していてもよい。つまり、前記支持部は、前記係合方向を基準として、前記少なくとも1つの係合突起とは異なる位置に位置することになる。具体的には、前記支持部は、前記係合方向において前記少なくとも1つの係合突起よりも前方に位置していてもよい。これにより、前記支持部は、前記少なくとも1つの係合突起の径方向外側に位置することになる。このようにして、前記連結部品間に荷重力が作用した際に、前記第2のベース本体が前記支持部に対して好適な梃の腕をもって接触することができるという点で、好適な支持が前記支持部によって実現され得る。
【0039】
一実施形態において、前記支持部は、前記閉止方向と平行な又は前記閉止方向に対して傾いた表面部によって形成されている。前記支持部は、前記第1の連結部品の前記第1のベース本体に強固に形成されている。荷重の負荷下では、前記第1の連結部品の前記支持部が前記第2の連結部品の前記第2のベース本体に接触することで、前記係合方向に作用する荷重力を好適な様式で吸収させて逃がすことが可能になる。
【0040】
一実施形態において、前記第2の連結部品は、前記連結位置にて、前記第1の連結部品に対して前記閉止方向を中心としてツイスト可能である。これにより、前記連結部品同士の取付けを角度的に寛容なものにすることができる。また、前記連結部品同士が前記連結位置にあるときに、前記第2の連結部品を前記第1の連結部品に対してツイストさせることが可能となる。ツイストするあいだ、前記係合部と前記少なくとも1つの係合突起は、その係合を保持する。さらに、上記のツイストのあいだは、前記第1のベース本体の(後述の)
ブロック部による該係合のブロックも維持される。よって、前記連結位置にて前記連結部品同士を、前記閉止方向を中心として互いにツイストさせても、該連結部品同士が互いに外れることはない。
【0041】
前記連結位置で前記連結部品同士が回転できることにより、あらゆる角度でのあらゆる回転運動が可能となり得る。しかしながら、前記連結部品同士の動きを、例えばストッパ等で所定の回転角度に制限するということも考えられ得る。同回転角度は、好ましくは10°よりも大きく、より好ましくは20°よりも大きく、極めて好ましくは45°よりも大きく、さらには90°よりも大きい。
【0042】
一実施形態において、前記第1の連結部品は、前記第1のベース本体に強固に設けられたブロック部を有し、前記ブロック部が、前記連結位置にて、前記第2の連結部品と協働して前記少なくとも1つの係合突起との前記係合部の係合を前記係合方向の逆方向でブロックさせるように構成されている。前記第2の連結部品は、前記連結位置にて、前記第1の連結部品に対して前記閉止方向を中心としてツイスト可能である。ツイストの際には、前記少なくとも1つの係合突起との前記係合部の係合および前記ブロック部による係合のブロックが維持される。前記第2の連結部品は、前記第1の連結部品に対して傾動させることで、前記係合方向の逆方向のブロックを解除することが可能であり、これにより、前記第1の連結部品と前記第2の連結部品とを互いに外して、前記少なくとも1つの係合部と前記係合突起とを脱係合させることができる。
【0043】
前記連結部品同士は、前記閉止方向に沿って載置されるものであり、前記連結部品同士のこの載置は、前記連結部品同士の前記磁気装置によって磁気的に補助される。前記連結部品同士は、前記磁気装置により、取付けの際に互いに磁気的に引き付けられるとともに前記連結位置にて磁気的に互いに保持される。
【0044】
前記連結部品同士が載置されると、前記第2の連結部品の前記係合部が、前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起と、前記閉止方向を横切る又は前記閉止方向の斜めになる前記係合方向で係合する。これにより、前記連結位置にて前記連結部品間に形状嵌合又は摩擦嵌合による連結が生じるため、前記少なくとも1つの係合突起との前記係合部の係合によって前記連結部品同士が互いに強靭に保持される。
【0045】
前記第1の連結部品の前記第1のベース本体に強固に形成された、該第1の連結部品の前記ブロック部により、該ブロック部が前記第2の連結部品のうちの対応する部位と前記係合方向の反対にブロックするようにして協働することで、少なくともこのブロックが解除されない限りは、前記係合部が前記少なくとも1つの係合突起に対して前記係合方向とは反対に動かすことができないようになるという点で、前記第2の連結部品の前記係合部と前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起との係合が、前記連結位置にて確実なものになる。つまり、前記ブロック部のブロック作用により、前記少なくとも1つの係合突起との前記係合部の係合がブロックされることで、前記連結部品同士が前記連結位置にて互いに固定される。
【0046】
前記磁気装置同士の磁気的作用により、前記連結部品同士は、前記連結位置にて、前記第1の連結部品の前記ブロック部によって前記係合方向の逆方向にブロックされるようにして互いに保持される。これにより、前記連結部品同士は、前記係合方向の逆方向の(単純な)スライド運動によって互いに切り離すことができない。
【0047】
むしろ、前記連結部品同士を切り離すには、前記連結部品同士を互いに傾けて前記第2の連結部品を前記閉止方向と前記係合方向とに広がる傾動平面上で前記第1の連結部品に対して動かすことで、前記第2の連結部品が前記ブロック部に対して前記係合方向の逆方向に移動できるようにする必要がある。前記第2の連結部品を前記第1の連結部品に対して傾動させることで前記ブロック部のブロック作用を解除することができ、前記ブロック
部を越えて前記第2の連結部品を移動させることが可能となる。これにより、前記第2の連結部品の前記係合部を前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起から脱係合させることができるようになる。
【0048】
前記第1の連結部品の前記第1のベース本体に強固に設けられた前記ブロック部のブロック作用により、前記第2の連結部品が確実に前記係合方向の逆方向に真っ直ぐ移動できなくなるのに対し、前記連結部品同士を互いに外すには、前記閉止方向と前記係合方向とに広がる前記傾動平面上で前記第2の連結部品を傾動させる必要がある。この傾動運動は、所定の傾動軸を中心として行われ得る。ただし、同傾動運動は、前記傾動平面上に位置した曲線状の移動経路に沿って行われてもよい。前記傾動運動の結果として、前記第2の連結部品が前記第1の連結部品に対して傾動する。前記傾動運動は、前記係合方向の逆方向及び/又は前記閉止方向の逆方向の直線運動と重ね合わされてもよい。
【0049】
なお、前記連結部品同士を相対的に傾動させることで、該連結部品同士を外すことが可能である。しかし、前記連結部品同士の連結についても、真っ直ぐな閉止運動で確立されるのではなく、傾斜運動や揺動運動を伴って前記連結部品同士が載置されて互いに係合することで連結が確立される。連結を確立する場合も、前記第2の連結部品を前記第1の連結部品に対して傾動させることで、前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起への前記第2の連結部品の前記係合部の係合が可能となる。
【0050】
前記連結部品同士を傾動させて互いに外す際には、前記第2のベース本体の第3の領域を前記係合方向の逆方向へとクリアランスの一部として少し動かすことで、前記第2のベース本体が前記第1のベース本体の前記形状係合部との相互作用から脱する。前記第2の連結部品と前記第1の連結部品の前記ブロック部との間に、前記係合方向の逆方向への前記第2の連結部品の(僅かな)変位運動を可能にするクリアランスが設けられてもよいし、前記第2の連結部品と前記少なくとも1つの係合突起との間に、前記係合方向の逆方向への前記第2の連結部品の(僅かな)傾動運動及びそれに続く変位運動を可能にするクリアランスが設けられてもよい。前記クリアランスの範囲内での動きの結果、前記第3の領域は例えば段差等の様式で形成された前記形状係合部から滑り落ちて例えば該形状係合部から脱係合する。すると、前記連結部品同士を互いに(より大きく)傾けることが可能となり、これにより、該連結部品同士を互いに外すことができるようになる。
【0051】
前記係合突起の前記係合方向に沿った深さは、前記形状係合部によって形成される接触面の前記係合方向に沿った深さよりも深くに設定され得る。これにより、前記第3の領域が初めに前記形状係合部から滑り抜けた後、前記係合方向の逆方向にさらに動かすことで、前記第2の連結部品の前記係合部が前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起から脱係合する。
【0052】
一実施形態において、前記第2の連結部品は、前記第2のベース本体に強固に設けられて前記第1の連結部品の前記ブロック部と協働するブロック要素を有する。前記ブロック
要素は、前記第2のベース本体に形成されており、例えば、前記第2のベース本体のベース面から前記閉止方向に沿って突出している。前記連結位置にて、前記ブロック要素が前記第1の連結部品の前記ブロック部と相互作用することにより、前記係合方向の逆方向への前記連結部品同士の動きがブロックされる。しかし、前記連結部品同士を相対的に傾動させれば、前記ブロック要素を前記ブロック部の上方に持ち上げることが可能になる。これにより、ブロックが解除されるとともに、前記連結部品同士を傾動させると同時に前記係合方向の逆方向に相対移動させることで、前記第2の連結部品の前記係合部と前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起との係合を解除することができ、前記連結部品同士を互いに外すことが可能となる。
【0053】
好ましくは、前記連結位置にて、前記ブロック要素は、前記ブロック部に対して前記閉止方向を中心としてツイスト可能であり、ツイストの際に、前記少なくとも1つの係合突起との前記係合部の係合のブロックが維持される。例えば、前記ブロック要素は、この目的のために、円筒状とされ得る。
【0054】
一実施形態において、前記第1のベース本体は、前記ブロック部によって少なくとも部分的に画定された凹所を有している。前記連結位置にて、前記ブロック要素が前記凹所に配置されることにより、前記少なくとも1つの係合突起との前記係合部の係合が前記係合方向の逆方向でブロックされる。前記凹所は、例えば、前記第1の連結部品の前記第1のベース本体の底面の窪みとして形成され得る。つまり、前記凹所は、前記底面に成形される。前記連結部品同士が載置されたときに前記ブロック要素が前記凹所と係合することで、前記第2の連結部品が同係合によって前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起へと押さえ込まれる。
【0055】
一実施形態において、(前記閉止方向と直交する断面平面で)前記凹所は、前記ブロック部を実現して円弧に沿って延在する少なくとも1つの境界壁によって画定されている。前記凹所は、例えば、前記少なくとも1つの境界壁が所定の軸心を中心とした(仮想的な)円に沿って円弧状に延在する、円状の基本形状を有し得る。
【0056】
例えば、前記凹所は、共同で前記ブロック部を形成して前記連結位置にて前記第2の連結部品の前記ブロック要素を間に受け入れることで前記第1の連結部品に対する前記第2の連結部品の前記係合方向の逆方向への動きをブロックさせる、2つの曲線状の境界壁によって画成されている。前記少なくとも1つ以上の境界壁は、例えば、前記底面に対して直角に設けられることで前記ブロック要素に対する支持面を提供する。これにより、荷重が加わると前記ブロック要素が前記境界壁で支持され、それによって前記第1の連結部品に対して前記ブロック要素がブロックされることになる。
【0057】
一実施形態において、前記ブロック部は乗り上がり斜面を有している。前記乗り上がり斜面は、前記第2の連結部品が前記第1の連結部品に対して傾動したときに前記ブロック
要素の前記係合方向の逆方向へのスライド案内を行うように構成されている。例えば、前記連結部品同士が相対的に傾動した際に、前記第2の連結部品のブロック要素が前記乗り上がり斜面と接触することが可能になる。これにより、前記ブロック要素が前記乗り上がり斜面に乗り上がるため、前記ブロック部を越えて前記ブロック要素を動かすことができるようになる。よって、このような乗り上がり斜面により、前記連結部品同士が互いに外し易くなり得る。
【0058】
一実施形態において、前記第2の連結部品は、前記第1の連結部品から持ち上げて前記少なくとも1つの係合突起とは反対側で前記第1の連結部品に対して前記閉止方向の反対方向に傾動させることが可能である。前記連結位置にて、前記第2の連結部品は、前記第2のベース本体に強固に形成された前記係合部により、前記第1の連結部品の前記第1のベース本体の前記少なくとも1つの係合突起と係合しているが、この係合は、前記係合方向を基準として視て前記第2の連結部品の前方領域で行われる。前記連結位置にて、前記係合方向を基準とした後方の領域で前記第2の連結部品を前記第1の連結部品から前記閉止方向の逆方向に持ち上げることにより、前記第2の連結部品を前記第1の連結部品に対して傾動させ、それによって前記第1の連結部品の前記ブロック部のブロック作用を解除することが可能である。これにより、前記第2の連結部品を前記第1の連結部品の前記ブロック部に対して動かすことが可能となり、前記係合部を前記少なくとも1つの係合突起から前記係合方向の逆方向に脱係合させることができるようになる。
【0059】
使用者にとって取り扱い易いように、前記第2の連結部品は、例えば、該第2の連結部品を前記第1の連結部品に対して傾動させるために使用者が作動させることが可能な作動部を具備し得る。前記作動部は、例えば、前記第2の連結部品の後方領域のタブによって形成され得て、使用者が該タブを引っ張ることにより、前記第2の連結部品をその後方領域で前記第1の連結部品から前記閉止方向の逆方向に持ち上げることが可能なものとされる。しかしながら、前記作動部は、例えば、使用者が把持することで前記第2の連結部品を前記第1の連結部品に対して傾動させることが可能な、凹状のグリップのような把持部によって形成することも可能である。
【0060】
一実施形態において、前記少なくとも1つの係合突起は、前記閉止方向を中心として円弧状に湾曲している。よって、係合突起が(一つだけ)設けられる場合、該係合突起は前記閉止方向を中心として円弧状に延在していることになる。例えば、複数の係合突起が設けられる場合には、各係合突起が前記閉止方向を中心として円弧状に延在することになり得る。これに加えて又はこれに代えて、前記係合突起同士が、前記閉止方向回りに向いた周方向に沿って並んでいてもよく、これにより、前記係合突起同士は、円弧状の線に沿って並び、前記連結部品同士が前記連結位置にあるときに共同で前記第2の連結部品の前記係合部との係合を確立する。
【0061】
前記少なくとも1つの係合突起は、前記係合部を前記係合方向で前記少なくとも1つの係合突起と係合させることができるように、前記閉止方向を中心として180°未満、好ましくは150°未満の角度で延在している。
【0062】
好ましくは、前記少なくとも1つの係合突起は、前記閉止方向に対するアンダーカットを形成している。つまり、前記少なくとも1つの係合突起は、前記第1の連結部品のうちの対応する部位から前記閉止方向を横切るようにして突設されているという点で、前記閉止方向に対するアンダーカットとなる。
【0063】
前記アンダーカットは、前記閉止方向と直交に又は前記閉止方向の斜めに(鋭角又は鈍角で)延びる面によって形成されたものであり得る。
【0064】
同様に、好ましくは、前記第2の連結部品の前記係合部も、前記閉止方向に対するアンダーカットを形成している。つまり、前記係合部は、前記第2の連結部品のうちの対応する部位から前記閉止方向を横切るようにして突設されているという点で、前記閉止方向に対するアンダーカットとなる。
【0065】
ここでも、前記アンダーカットは、前記閉止方向と直交に又は前記閉止方向の斜めに(鋭角又は鈍角で)延びる面によって形成されたものであり得る。
【0066】
一実施形態において、前記係合部は、前記閉止方向回りの周方向に延在している。前記係合部は、例えば、ピン要素上に設けられて該ピン要素から前記閉止方向を横切るようにして突設されたものであり得る。
【0067】
例えば、前記係合部は、前記閉止方向を基準として回転対称である。これにより、前記第1の連結部品に対して前記第2の連結部品がどのような回転位置であったとしても、前記係合部を前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起と係合させることが可能となるため、前記第1の連結部品に対する前記第2の連結部品のあらゆる回転位置で前記係合部と前記少なくとも1つの係合突起との間に係合が存在することになる。これにより、前記少なくとも1つの係合突起との前記係合部の係合が解除されることなく、前記連結部品同士を互いにツイストさせることが可能となる。
【0068】
一実施形態において、前記第2の連結部品の前記第2のベース本体は、ベース部を有する。
【0069】
一実施形態において、前記ベース部は、前記係合部が前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起と係合するように該ベース部に、例えば、該ベース部の周縁部に、前記係合部を形成したものであり得る。
【0070】
他の実施形態において、前記係合部は、前記閉止方向に沿って前記ベース部から離間している。つまり、前記係合部は、例えば、前記ベース部が第1の平面に沿って延在しているのに対し、該係合部は前記閉止方向に沿って前記第1の平面から離間した第2の平面に沿って延在しているという点で、前記ベース部から空間的に隔てられている。
【0071】
前記係合部が前記ベース部から物理的に離間している場合、該係合部は、例えば、前記ベース部から前記閉止方向に沿って突出したピン要素上に形成されている。この場合、前記係合部は、前記ピン部から前記係合方向に沿って突設されており、それによって、アンダーカットを形成している。これにより、前記係合部を、前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起に、形状嵌合又は摩擦嵌合による連結を生じるようにして係合させることが可能となる。
【0072】
前記係合部は、例えば、前記ピン要素上に周方向に形成され得る。これにより、前記連結部品同士を互いに連結して前記連結位置で互いに保持するようにあらゆる回転位置で前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起と係合させることが可能なマッシュルーム形状の係合要素を提供することが可能になる。
【0073】
前記係合部が前記ベース部から空間的に隔てられていると、該ベース部を前記閉止方向に対して径方向に前記係合部よりもさらに延出させることができ、つまり、径方向に前記係合部を越えて突出させることが可能となる。つまり、前記係合部は径方向内側に位置するのに対し、前記ベース部の外縁は前記係合部の径方向外側に位置することになる。これにより、前記連結部品同士がそれらの連結位置にある場合の、前記第1の連結部品による前記第2の連結部品の支持を、前記ベース部によって好適に行うことが可能になる。
【0074】
一実施形態では、例えば、前記ベース部が円盤状である。前記ベース部の基本形状は、例えば、断面が円状である円筒状とされ得る。
【0075】
例えば、前記ベース部に留め固定部を形成し、該留め固定部で前記第2の連結部品にストラップを接続することが可能である。
【0076】
一実施形態では、前記ベース部がベース面を有し、前記第1のベース本体が底面を有する。前記ベース面および前記底面は、それぞれ、前記閉止方向と直交に延在している。前記連結位置にて、前記第2の連結部品の前記ベース部の前記ベース面と前記第1の連結部品の前記第1のベース本体の前記底面とは互いに対向している。
【0077】
例えば、前記連結位置では、前記ベース面と前記底面との間に接触が存在し得る。よって、前記連結部品同士を前記閉止方向を中心として互いに回転又はツイストさせると、前記ベース面と前記底面とが互いにスライドしながら動くことになる。
【0078】
ただし、これは必しもそうでなくてよい。前記連結位置にて、前記ベース面と前記底面との間に空隙がある(つまり、非接触とする)ことも考えられ得る。
【0079】
一実施形態において、前記ベース部は、前記連結部品同士を相対的に傾動させるために、前記第1の連結部品に対して、前記閉止方向と前記係合方向とに直交する傾動軸を中心として傾動させることが可能である。つまり、前記ベース部を前記第1の連結部品の前記第1のベース本体に対して傾動軸を中心として傾動させることにより、前記連結部品同士が傾動して互いに外れることになる。前記傾動軸は、前記ベース部-前記第1のベース本体間の接触線により形成され得る。しかしながら、前記傾動軸を、前記ベース部中又は前記ベース部外を延びる仮想線に相当するものとして前記連結部品同士の傾動時の前記ベース部の相対回動の中心となる線に対応させることも考えられ得る。
【0080】
一実施形態において、前記少なくとも1つの係合突起は、例えば、前記連結部品同士が載置された際に該連結部品同士が簡単に、好ましくはほぼ自動的に互いに係合に移行できるように該連結部品を案内するための案内斜面として機能する摺動斜面を有する。好ましくは、前記摺動斜面は、前記第2の連結部品が前記第1の連結部品に載置される際に、前記少なくとも1つの係合突起上で前記第2の連結部品を前記閉止方向に沿って案内することで、前記第2の連結部品を前記第1の連結部品に対して前記係合方向の逆方向にずらして前記少なくとも1つの係合突起を通り越させるように構成されている。そして、通り越し後、前記第2の連結部品を、前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起に前記係合方向に係合させることが可能となる。つまり、前記第2の連結部品は、前記少なくとも1つの係合突起上を摺動することで、前記少なくとも1つの係合突起を通り越すように前記第1の連結部品に対して案内されることとなる。前記第2の連結部品の係合部は、前記第1の連結部品の前記少なくとも1つの係合突起を通過することで、前記係合方向に該少なくとも1つの係合突起と係合することができる。
【0081】
一実施形態において、ストラップ留め具は、前述の種類の連結装置を備える。具体的には、前記第2の連結部品が、ストラップに接続したものとされ得る。該ストラップは、前記第2の連結部品に固定されて調節不能とされるが、前記第2の連結部品に調節可能に配置されていてもよい。
【0082】
前記第1の連結部品も、同じくストラップに接続したものとされ得るが、例えば繊維製品物やその他の物体などの対応するアセンブリに固定的に配置されたものであってもよい。
【0083】
一実施形態では、本連結装置をストラップ留め具に用いた場合に、前記第1の連結部品が2つの係合突起を有し、前記2つの係合突起は、前記第1の連結部品と前記第2の連結部品との前記連結位置にて前記ストラップが該係合突起間を通過案内させられることができるように、前記閉止方向と前記係合方向とを横切るようにして互いに離間している。つまり、前記ストラップがこれらの係合突起間に受け入れられて、前記ストラップの両側で前記第2の連結部品が前記係合突起によって前記第1の連結部品に対して支持されることになる。
【0084】
他の用途として、物体をアセンブリに留め固定するために、物体留め固定装置が前述の種類の連結装置を備え得る。この場合、前記物体が前記連結部品の一方に配置され得て、例えば、その連結部品と一体化したものとされ得る。これに対し、前記連結部品の他方が前記アセンブリに配置される。これにより、前記連結部品同士を連結することで、前記物体を前記アセンブリに固定することが可能になる。
【0085】
次に挙げる用途候補は、本連結装置の用途が広範であることを示すためのものであって、本発明を限定するものではなく、特に、全てを網羅したものではない。本連結装置は:
-ヘルメット固定具;
-馬用端綱;
-取外し可能な(チェスト)ポーチ;
-バッグ、バックパック;
-ロールトップ用、(弾性)ストラップで閉じる用途;
-ジャケット留め具(例えば、袖や下襟やボタンプラケットの留め具、シャツの袖の結び留め等);
-モーターホームのローラーブラインド、移動住宅用プライバシースクリーン;
-覆い;
-オーニング、タープ、キャンプ用テント、テント用ガイロープ;
-パニアやサドルバッグ(バイク、自動二輪車)の留め固定や閉止;
-荷物や積み荷の固定や、公共交通機関内での自転車やベビーカーの固定;
-乗り物内での作業者のソーティング・固定システム;
-背負い具用のストラップ留め具や拘束システムや留め固定装置;
-チェストストラップ、ヒップストラップ、ショルダーストラップ;
-バッグにおける取外し可能な持ち手または持ち運び用ストラップ;
-例えば乳母車等の折り畳み式サンシェード;
-バックパックの背負いストラップの可動かつ着脱可能又は開放可能な連結
-衣類ハンガーの掛け止め;
-家具、例えば、台座要素の取付け用;
-寝袋、スリーピングマット、ヨガマット(丸めて留めるため);
-タオル掛け
-キーホルダー
-ベルト
-工具引っ掛け部を具備した工具ベルト
-例えば工具や園芸用具等の取外し可能な持ち運び用ストラップ、バッグや電化製品の持ち手;
-手袋、靴、ゴルフバッグ(閉じたり留めたりするため);
-乳母車やテントの蚊除け具;
-例えばバイクの荷かご内の物を固定するため等の荷物用の紐;および
-バイクの部品や装備品(速度計、照灯、コンピュータ、電子機器など)用;
に利用することが可能である。
【0086】
以下では、本発明の基礎をなす思想について、図面に示す実施形態を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図3A】連結装置の第1の連結部品の単体図である。
【
図5A】ストラップが配置された第2の連結部品の図である。
【
図5B】ストラップが配置された第2の連結部品の他の図である。
【
図7A】連結部品同士を連結する際の連結装置の図である。
【
図8A】さらに閉止を進めた際の連結装置の図である。
【
図9A】さらに閉止を進めた際の連結装置の図である。
【
図10A】さらに閉止を進めた際の連結装置の図である。
【
図11A】連結部品同士の連結位置での連結装置の図である。
【
図12A】第2の連結部品が第1の連結部品に対して捻回された位置での連結装置の平面図である。
【
図12D】連結装置の斜め後方からの側面図である。
【
図13A】連結装置の他の実施形態における第2の連結部品の図である。
【
図18A】さらに閉止を進めた際の連結装置の図である。
【
図19A】さらに閉止を進めた際の連結装置の図である。
【
図20A】連結部品同士の連結位置での連結装置の図である。
【
図21】連結装置のさらに他の実施形態を示す図である。
【
図23A】連結装置の第1の連結部品の単体図である。
【
図28A】さらに閉止を進めた際の連結装置の図である。
【
図29A】さらに閉止を進めた際の連結装置の図である。
【
図30A】連結部品同士の連結位置での連結装置の図である。
【
図31A】連結装置のさらに他の実施形態を示す分解図である。
【
図31B】閉止させる際の連結装置の、
図29Bに示した断面図に対応する断面図である。
【
図31C】連結部品同士の連結位置での連結装置の、
図30Bの断面図に対応する断面図である。
【
図34】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図35】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図36】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図37】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図38】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図39】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図40】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図41】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図42】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図43】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図44】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図45】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図46】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図47】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図48】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図49】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図50】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図51】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図52】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図53】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図54】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図55】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図56】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図57】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【
図58】連結装置のさらに他の用途候補を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
図1ないし
図12A~
図12Fに示す例示的な一実施形態において、連結装置1は、第1の連結部品2(いわゆる雌部品)、および第1の連結部品2に対して載置される第2の連結部品3(いわゆる雄部品)を備える。
【0089】
連結部品2,3は、一般的に、閉止方向Xに沿って互いに載置されることが可能である。連結部品2,3は、それぞれ、永久磁石の形態の(あるいは、一方が永久磁石の形態で、他方が磁気アーマチュアの形態の)磁気装置21,31を具備している。磁気装置21,31は、磁気的に吸引して協働するものであり、閉止方向Xに沿って連結部品2,3同士を互いに引き付ける。
【0090】
なお、連結部品2,3は、閉止方向Xから逸れた方向、例えば、閉止方向Xの斜めに配置するようにしてもよい。磁気装置21,31は、閉止方向Xに沿って磁気的に吸引して協働するものであり、閉止方向Xに沿って連結部品2,3同士を互いに引き付ける。
【0091】
図2A及び
図2Bの分解図ならびに
図3A、
図3B及び
図4A~
図4Cの単体図から見て取れるように、第1の連結部品2はベース本体20を有しており、ベース本体20は、第2の連結部品3を受け入れる受入開口23を形成している。ベース本体20にはウェブと該ウェブに隣接する開口との形態のストラップ受け22が設けられており、ストラップ受け22にストラップ5が取付け可能であるか又は取り付けられている。ベース本体20は、受入開口23の裏側に、磁気装置21を収容する留め固定開口25を形成している。
【0092】
受入開口23は、ベース本体20に凹入部として形成されている。受入開口23内部では、底面230が、閉止方向Xと直交に延びる平坦面の形態で形成されている。第2の連結部品3は、受入開口23に挿入された際に底面230と面接触することで、連結部品2,3同士の連結を確立することができる。
【0093】
底面230には、窪みの形態の凹所231が形成されている。後述するように、連結部品2,3同士が連結位置にあるときに、第2の連結部品3のベース部300のブロック要素303が凹所231に係合する。
【0094】
受入開口23は、前方端部が、支持部233によって画定されている。支持部233は、前記連結位置にて、第2の連結部品3の支持・荷重支持手段として機能する。支持部233と底面230との間には、突入開口232が形成されている。例えば
図10B等に見て取れるように且つ後述するように、突入開口232は、連結部品2,3同士の連結の確立時だけでなく連結の分離時にも第2の連結部品3のベース部300のエッジ部305が突入開口232内に突出できるという点で、同連結の確立及び分離を容易にするという役割を果たす。
【0095】
突入開口232は、底面230に対する凹入部として形成されており、支持部233と底面230との間に位置するように底面230に隣接している。突入開口232と底面230との間の遷移部には、傾斜遷移面237が形成されている。傾斜遷移面237は、脱連結時と同様に連結の確立にあたっても、第2の連結部品3のガイドとして機能する。
【0096】
強固に形成されたベース本体20上の、該ベース本体20に強固に形成された2つの側方の盛上り部242,243に、係合突起240,241が設けられている。係合突起240,241は、閉止方向Xに沿った向きの高さ方向H沿いで、底面230よりも上に位置しており、前記連結位置にて連結部品2,3同士の形状係合又は摩擦・形状係合(formschluessigen oder kraftformschluessigen Verbindung)による連結を確立するという役割を果たす。係合突起240,241、横方向Qに沿って互いに離間している。係合突起240,241は、第2の連結部品3との形状嵌合又は摩擦・形状嵌合(formschluessigen oder kraftformschluessigen Eingriff)による係合を可能にする係合装置24を共同で形成している。後述するように、第2の連結部品3のベース部300は、連結位置にて該ベース部300に形成された係合部341が係合突起240,241と底面230との間に収まり、かつ、前方のエッジ305が支持部233で支持される。これにより、連結部品2,3同士が確実かつ高い信頼度で互いに保持される。
【0097】
係合突起240,241には、高さ方向Hの斜めに傾斜したスライド斜面244,245が形成されており、連結部品2,3同士が閉止方向Xに沿って載置される際に、第2の連結部品3を係合方向Yの逆方向にスライドさせる。
【0098】
凹所231は、円弧状の境界壁236によって側方が境界付けられている。境界壁236同士は、第1の連結部品2のブロック部を共同で実現しており、凹所231の底部と底面230とに対して直交に並んでいる。境界壁236は、底面230の法線方向Nに沿った向きの、凹所231の中心軸Bを中心として、円弧状に延在している。
【0099】
境界壁236間には、乗り上がり斜面235が形成されている。乗り上がり斜面235は、凹所231において支持部233よりも後方に位置しており、凹所231内へのブロック要素303のスライドおよび凹所231からのブロック要素303の離脱を容易にするためのスライド面を提供する。
【0100】
底面230は、法線方向Nと直交する平面に沿って平坦に延在している。
【0101】
図2A及び
図2Bの分解図ならびに
図5A、
図5B及び
図6A~
図6Cの単体図に示すように、第2の連結部品3はストラップ4と固定的に接続されている。第2の連結部品3は、ベース本体30を有する。ベース本体30には、ストラップ4がベース部300と留め固定部301との間に形成されたストラップ受け32に配置されることで該ベース本体30に固定的に設けられているという点で、ストラップ4が固定的かつ調節不能に配置されている。
【0102】
ベース本体30は、例えば、プラスチック射出成形によってベース部300及び留め固定部301と一体的な単一物として形成されて、ストラップ4は、部分的にオーバーモールド成形されることでベース本体30に強固かつ調節不能に接続したものとされ得る。
【0103】
ベース部300は、基本形状が円筒状であり、(連結が行われる際に)第1の連結部品2と対向する側にベース面302を形成している。該ベース面は、平坦であり、第2の連結部品3が第1の連結部品2に取り付けられる際に受入開口23の底面230に接触する。
【0104】
ベース面302からは、円筒状のベース部300と同心であり且つ断面が円状であるブロック要素303が突出しており、第1の連結部品2のベース本体20の底面230の凹所231と係合する役割を果たす。
【0105】
ブロック要素303の内側には、留め固定開口35が形成されている。留め固定開口35は、例えば永久磁石の形態の、第2の連結部品3の磁気装置31を収容する役割を果たし、留め固定開口35内に、磁気装置31が留め固定されている。
【0106】
ベース部300は、係合部341と共に、第2の連結部品3の係合装置34を形成している。係合部341は、第1の連結部品2の係合装置24の係合突起240,241と協働するように機能し、連結が行われる際に係合突起240,241の下に突入する。これにより、連結部品2,3間で形状係合又は摩擦係合による連結が行われる。
【0107】
図示の実施形態において、係合部341は、ベース部300のうち、留め固定部301よりも径方向に突出した周縁によって形成されており、それによって、アンダーカットを形成している。該アンダーカットにより、係合部341は、第1の連結部品2のうちの同じくアンダーカットを形成している係合突起240,241と係合させられることができ、これにより、連結部品2,3同士が互いに連結される。
【0108】
【0109】
連結部品2,3は、一般的に、閉止方向Xに沿って互いに取り付けられる。閉止方向Xに沿って磁気装置21,31が磁気的に吸引して協働することで、連結部品2,3が磁気的に吸引されて互いに引き付けられる。連結部品2,3は、手動で互いに近付けることが可能であり、ある程度連結部品2,3を近接させると、磁気的な吸引力によって係合状態まで自動的に引き寄せられることで、連結装置1の連結が確立される。これにより、連結部品2,3同士の載置は不正確であってもよく、ほぼ自動的に連結が確立されることになる。
【0110】
図7A及び
図7Bから見て取れるように連結部品2,3を互いに近付けると、第2の連結部品3のベース本体30のベース部300が、
図8A及び
図8Bから見て取れるように上方から閉止方向Xに沿って係合突起240,241に接触する。係合突起240,241には傾斜したスライド斜面244,245が形成されているので、ベース部300は係合突起240,241上を摺動方向Aに沿って摺動し、
図8Bに示すように、ベース部300の後方のエッジ304が第1の連結部品2の受入開口23内で底面230に接触することで、前記ブロック要素が早々に引っ掛かることなくベース部300を底面230に沿って摺動案内することが可能となる。
【0111】
ベース部300が係合突起240,241から滑り落ちることで該ベース部300が閉止方向Xで係合突起240,241を通過すると、
図9A及び
図9Bならびに
図10A及び
図10Bから見て取れるように、ベース部300の周縁に形成された係合部341が、磁気装置21,31の磁気吸引に補助されながら係合突起240,241との係合へと係合方向Yにスライドする。(ほぼ)係合方向Yに沿ったこの動きは、磁気的に補助されながら行われる。(ストラップ4から導入される)追加の荷重力によっても、同係合が支援され得る
【0112】
図10A及び
図10Bから
図11A~
図11Dへの移り変わりで見て取れるように、係合部341が係合突起240,241との係合へと係合方向Yに入り込むと、ブロック要素303が第1の連結部品2の受入開口23の凹所231に滑り込む。
【0113】
図11A~11Eに示す前記連結位置では、特に、
図11Bの断面図から見て取れるように、ブロック要素303が凹所231内に位置しているとともに、ベース部300に形成されたベース面302が第1の連結部品2の受入開口23内で底面230に面接触している。
【0114】
前記連結位置にて、ベース部300は、(前方の)エッジ部305を支持部233と向かい合わせるようにして該支持部233に当接支持される。ストラップ4から第2の連結部品3に力が導入された場合には、支持部233によるベース部300の支持接触によってその力が吸収されて逃がされる。
【0115】
図11C及び
図11Dから見て取れるように、支持部233は、円筒状のベース部300の曲率に合わせて閉止方向Xを中心として円弧状に湾曲しており、これにより、ベース部300のエッジ部305と支持部233との間で、円弧状の支持線又は支持面に沿って接触が生じる。
【0116】
支持部233の横方向Q沿いの中央部は、係合突起240,241間に位置するとともに、該中央部が係合方向Yに沿って係合突起240,241から離れている。
図11Dの断面平面上にて、支持部233は、係合突起240,241の下側で係合突起240,241を越えて円弧状に広がっており、これにより、係合突起240,241間の中央で、かつ、係合突起240,241の領域でも直接、ベース部300の面支持が行われる。
【0117】
前記連結位置では、連結部品3上のストラップ4が、連結部品2の係合突起240,241の略高さに又は係合突起240,241の下側に位置する。これにより、ストラップ4からストラップ力が導入されても、連結部品3は受入開口23内で傾動することができないか、あるいは、小さい傾動モーメントしか発生できず、係合突起240,241によって連結部品2上の連結部品3の位置、特に、高さ方向Hに沿った位置が固定されるという効果が奏される。
【0118】
前記連結位置や、連結部品2,3間に荷重が作用した状態では、ストラップ4が、盛上り部242,243間に位置し、つまり、係合突起240,241間に位置する。これにより、ストラップ4から力が加わった際には、係合突起240,241によってストラップ4が対称的に支持される。
【0119】
前記連結位置では、磁気装置21,31が磁気的に吸引して協働することで、連結部品2,3が該連結位置に保持される。
【0120】
さらに、凹所231内にブロック要素303が係合することで、係合方向Yの逆方向への連結部品2,3同士の接線方向の相対変位がブロックされる。前記連結位置では、ブロック要素303が凹所231内に位置することで、前記ブロック部を実現する円弧状の境界壁236間にブロック要素303が収まって該境界壁236とブロック接触するため、ブロック要素303は境界壁236に対して係合方向Yの逆方向に動くことができなくなる。
【0121】
ブロック要素303が回転対称形状であり、かつ、ベース部300が円筒状であることにより、前記連結位置にて、連結部品3は、連結部品2の受入開口23内で回転軸R回りに任意の角度で周方向U(
図1を参照のこと)に沿って、連結部品2,3間の連結係合、さらには、凹所231内でのブロック要素303のブロックを維持しながら回転することができる。
【0122】
しかも、このようなねじり(Verdrehbarkeit)が可能であることにより、連結部品2,3同士はどのような回転位置で載置されることもできるため、ストラップ4から荷重が加わったとしても、ストラップ4が係合突起240,241間に居座るように連結部品2,3同士が互いに位置合わせされることになる。これにより、連結部品3は、連結部品2によって対称的な支持を受ける。捻回が可能であることにより、連結部品2,3同士を位置的に寛容に載置させることができるため、連結は簡単かつ簡便に行われることとなる。
【0123】
図10A~
図10Cから見て取れるように、前方エッジ部305を有するベース部300が係合突起240,241の下に滑り込む際には、該エッジ部305が底面230と凹所231の双方に対して凹入した突入開口232へと突入する。エッジ部305を突入開口232に突入させることで、ブロック要素303を凹所231内に滑り込ませることができるとともに、ベース部300に形成された係合部341と係合突起240,241との係合を確立させることができる。さらに、これにより、作動部40(タブ)に加わる開放力の角度範囲を広げることができ、開放する際にエッジ部305がつっかえることがないようにすることが可能となる。
【0124】
その後、前記連結位置では、特に、
図11Bから見て取れるように、ベース部300の前方のエッジ部305が、突入開口232と支持部233との間に形成されて底面230の高さに位置した段差234の形態の形状嵌合部に載っかる。ベース部230が段差234に載ることにより、連結部品3は連結部品2に対する傾動に抗するようにして追加の支持を受ける。
【0125】
変形例として、前記形状係合部は、例えば、支持部233の切欠きなどで形成されてもよく、ベース部300のエッジ部305は、該形状係合部と係合することにより、支持部233上での該エッジ部305の閉止方向Xへの下方移動に対応する傾動に抗するようにして支持部233で支持される。
【0126】
図11A~
図11Eの前記連結位置では、段差234の形態の形状係合部により、特に、ストラップ4に荷重が加わった際の傾動に対する抵抗が行われる。つまり、前記連結位置では、第2の連結部品3のベース本体30のうち、(係合方向Yを基準として)後方の部位とブロック部303とによって形成された第1の領域300Aが、第1の連結部品2のベース本体20の底面230上に載って凹所231内に配置される(
図11Eを参照のこと)。これに対し、係合方向Yに隣接する、突入開口232上方の部位で形成された第2の領域300Bでは、第2の連結部品3の第2のベース本体30が第1の連結部品2の第1のベース本体20に載らない。第2の領域300Bと係合方向Yに隣接する、ベース部300の前方のエッジ部305で形成された第3の領域300Cにより、第2のベース本体30が段差234上に載っかる。これにより、前記連結位置にて、2点支持の様式の支持が実現され、突入開口232の領域のこれら点と点の間に空き空間が形成される。
【0127】
荷重負荷状態では、ベース部300は、エッジ部305が支持部233に当接して荷重がかかっている。これにより、ベース部300は、段差234との接触を自己増強させるようにして保持される。
【0128】
連結部品2,3同士を互いに外す場合には、
図7及び
図7Bないし
図11A~
図11Dの動作順序を基本的に逆に行うことになる。具体的には、連結部品2,3同士を外すには、使用者が、第2の連結部品3のうちの係合突起240,241とは反対側である後側の(ストラップ4の突出部で形成された)タブ40の形態の作動部を操作することで連結部品3の後端を底面230から持ち上げることにより、
図11A~11Dの前記連結位置から連結部品3を傾動させればよい。これにより、10A及び
図10Bで見て取れるように、ベース部300の前方のエッジ部305が段差234から滑り落ちてブロック要素303が凹所231から持ち上がる。このようにして、連結部品2,3間での係合方向Yの逆方向のブロックが解除されるので、連結部品3を係合方向Yの逆方向に連結部品2との係合から引き出すことが可能となり、それによって、連結部品2,3を互いに切り離すことができるようになる。
【0129】
前記傾動は、底面230と直交する傾動平面上、すなわち、閉止方向Xと係合方向Yとによって広がる傾動平面上で行われる。前記傾動は、傾動軸K(
図10A及び
図10Bを参照のこと)を略中心として発生し、傾斜軸Kと直交する傾動平面上で連結部品3が回動運動することで、ブロック要素303が凹所231から持ち上がる。これにより、連結部品2,3を係合方向Yの逆方向に相対的に動かし、それによって互いに外すことが可能となる。
【0130】
特に、連結装置1に荷重がかかっていないときに、連結部品2,3の連結を解除する場合には、連結部品2,3を相対的に傾動、特に、係合方向Yの逆方向に相対的に移動させることで、
図10Bで見て取れるように、ベース部300の(第3の領域300Cを形成する)前方のエッジ部305が、段差234から滑り抜けて突入開口232の領域に突入する。これにより、段差234によって形成される前記形状係合部が傾動に抵抗しない(あるいは、抵抗しなくなる)ため、作動部40による傾動の際に連結部品2,3を簡便かつ簡単に互いに外すことが可能になる。
【0131】
図12A~
図12Fに、第1の連結部品2に対して第2の連結部品3が回転した状態の連結装置1を示す。このとき、第2の連結部品3は、(あらゆる)回転位置で第1の連結部品2に適用することが可能であり、第2の連結部品3の係合部341は、あらゆる回転位置で第1の連結部品2の係合突起240,241と係合することができる。前記連結位置にて、第2の連結部品3は、係合突起240,241との係合部341の係合を維持しながら、かつ、ブロック要素303を凹所231内に係合させたまま、回転軸R回りの周方向Uに沿って第1の連結部品2に対してツイストすることができる。
【0132】
連結装置1の連結位置にてストラップ4,5間にストラップ力が作用する荷重の負荷下では、
図1で見て取れるように、ストラップ4が係合突起240,241間に位置する。この場合、係合突起240,241がストラップ4の脇に位置しているので、ストラップ4は(係合突起240から係合突起241に向いた横方向Q沿いで)係合突起240,241間に延在することになる。
【0133】
一方で、
図12A~
図12Fから見て取れるように、第2の連結部品3が第1の連結部品2に対して回転軸Rを中心として周方向Uに沿って回転すると、特に、
図12B及び
図12Dで見て取れるように、ストラップ4が屈曲自在に可撓変形して一方の係合突起240,241上に延在することになり得る。捻回の際、ストラップ4は、(回転方向に応じて)いずれかの係合突起240,241上をスライドして変形する。これにより、ストラップ4は、対応する係合突起240,241上を移動することができる。
【0134】
例えば
図6C等と併せて
図1から見て取れるように、ストラップ4は、ベース部300の上にある留め固定部301の、該留め固定部301の円筒形状に応じて湾曲した出口ライン306から出現している。ベース部300のうち、出口ライン306を越えた、すなわち、留め固定部301よりも外側にある、係合部341を形成する突出エッジの領域では、ストラップ4が接続しておらず、むしろ、ベース部300に対して自由に動くことでき、特に、ベース部300から浮き上がることが可能である。そのため、連結部品3が連結部品2に対して捻回させられた際には、ストラップ4が変形して係合突起240,241上をスムーズにスライドすることができる。
【0135】
出口ライン306は、ベース部300の端面エッジ部305に対して径方向内側にオフセットしており、つまり、エッジ部305から径方向に隔てられている。よって、ストラップ4は、エッジ部305に対して後退したラインに沿って留め固定部301から出現している。
【0136】
また、
図12A~
図12Fに示す位置から連結部品3をさらに回転させることも可能である。原則として、連結部品3は、連結部品2に対してどのような角度にも回転させることができる。
【0137】
ストラップ4,5間に荷重がかかると、連結部品2,3は自動的に
図1に示す位置に戻る。
【0138】
また、連結部品3を任意の回転位置で連結部品2に取り付けたり連結部品2から取り外したりすることも可能である。
【0139】
図1ないし
図12A~
図12Fの例示的な実施形態では、連結装置1が、ストラップ同士を互いに接続することが可能なストラップ留め具を実現している。前記連結位置にて、これらのストラップにより決まる荷重方向は、本質的に係合方向Yに沿った向きである。
【0140】
図13A及び
図13Bないし
図20A~
図20Dに示す例示的な他の実施形態では、連結装置1が、物体留め固定装置として構成されており、対応するアセンブリに物体を留め固定するのに使用される。前記物体は、例えば、(第2の)連結部品3に配置したものであり得るか、あるいは、連結部品3と一体化したものであり得る。これにより、通信装置やライトなどの電気装置や電子装置を、ヘルメットなどのスポーツ用具といった対応するアセンブリに取り付けることが可能になる。
【0141】
図13A及び
図13Bならびに
図14A~14Cから見て取れるように、図示の例示的な実施形態の(第2の)連結部品3は、回転対称形状であり、円筒状のベース本体30上に設けられたベース部300を形成している。ベース部300の下側にはベース面302が形成されており、断面が円状でベース面302と同心状のブロック要素303が該ベース面302から突出している。
【0142】
ベース部300から起伏したハウジング部には、磁気装置31を収容する留め固定開口35が形成されている。
【0143】
図13A及び
図13Bならびに
図14A~
図14Cに示す(第2の)連結部品3は、
図15A及び
図15Bならびに
図16A~
図16Cに示す(第1の)連結部品2に取り付けられることが可能である。(第1の)連結部品2は、底面230が形成されたベース本体20を有する。底面230は、ベース本体20のうちの、(連結部品2,3が互いに取り付けられた際に)連結部品3と対向する側に、平坦かつ一様に延在している。連結部品2,3が互いに連結される際には、連結部品3のベース部300のベース面302が底面230に面接触する。
【0144】
先述の例示的な実施形態を参考に説明したように、底面230には凹所231が形成されており、凹所231は、連結部品3のブロック要素303を受け入れる役割を果たす。また、底面230には突入開口232が隣接している。突入開口232は、底面230とベース本体20の前方領域に形成された支持部233との間に位置している。
【0145】
盛上り部242,243には、ベース本体20と強固に形成された係合突起240,241が、高さ方向H沿いで底面230よりも上に設けられている。連結部品2,3同士の前記連結位置では、連結部品3のベース部300の径方向に突出した周縁によって形成された係合部341が、底面230と係合突起240,241との間に受け入れられる。
【0146】
底面230の裏側では、ベース本体20が留め固定開口25を形成している。留め固定開口25には、連結部品3の磁気装置31と磁気的に相互作用する磁気装置21が配置されている。
【0147】
【0148】
例えば、
図17A及び
図17Bで見て取れるように、連結部品2,3が、高さ方向Hに沿った向きの閉止方向Xに沿って互いに近付けられる。磁気装置21,31は、磁気的に吸引して協働するものであり、連結部品2,3を閉止方向Xに沿って互いに引き付ける。これにより、
図18A及び
図18Bで見て取れるように、連結部品3が係合突起240,241上へと進んで係合突起240,241の後端246、247から滑り落ちる。このとき、ベース部300の後方のエッジ部304が底面230と接触することで、連結部品3が連結部品2に対してスライド方向Aに沿ってスライドし、これにより、ベース部300が係合突起240,241を通過できるまで該ベース部300が係合突起240,241に沿って動き、それによって、連結部品3が連結部品2に対する
図19A及び
図19Bの位置へと移行する。前記ブロック部が凹所231よりも上に保持されるため、連結部品2,3が早々に引っ掛かることがない。
【0149】
ベース部300が閉止方向Xに沿って係合突起240,241を通り越すと、
図19A及び
図19Bから
図20A及び
図20Bへの移り変わりで見て取れるように、ベース部300に形成された係合部341が(剛質の)係合突起240,241との係合に係合方向Yにスライドする。この過程では、ブロック要素303が、磁気装置21,31の磁気吸引作用によって磁気的に補助されながら凹所231内にスライドする。
【0150】
図20A~20Dに示す前記連結位置では、ベース部300のベース面302が、連結部品2の底面230に対して面状に載置されている。ブロック要素303は、凹所231内に配置されている。ベース部300の前方のエッジ部305は、支持部233と接触している。
図19Bで見て取られるように、前方のエッジ部305は、さらに、突入開口232と支持部233との間の段差234に載っている。ベース部300に形成された係合部341が係合突起240,241と係合することで、連結部品3が連結部品2上に形状嵌合又は摩擦嵌合によって保持され、磁石装置21,31によって連結部品2,3の位置が固定されるとともに、ブロック要素303によって係合方向Yの反対方向への脱係合がブロックされることになる。
【0151】
連結部品3の回転対称性により、連結部品3は、前記連結位置にて連結部品2上で回転することが可能である。
【0152】
さらに、前記回転対称性により、連結部品3をあらゆる回転位置で連結部品2上に配置することが可能になるため、連結部品2,3同士の連結が簡単かつ簡便に行われることとなる。
【0153】
連結2,3を切り離するには、
図19Bで見て取れるものと同様に、閉止方向Xと係合方向Yとに広がる傾動平面上で連結部品3を連結部品2に対して傾動させて、ベース部300の端縁で形成された係合部341を突入開口232に突入させればよい。これにより、凹所231内のブロック要素303のブロックが解除されるので、連結部品2,3を互いに取り外すことが可能になる。
【0154】
図21ないし
図30A~
図30Dに示すストラップ留め具の形態の例示的なさらに他の実施形態において、第1の連結部品2は、受入開口23が形成されたベース本体20を有する。第2の連結部品3のベース本体30のベース部300に形成されたピン要素340を受入開口23に挿入し、該ピン要素340を周方向の係合部341で第1の連結部品2の受入開口23の壁部の円弧状の係合突起240と係合させることにより、第2の連結部品3を第1の連結部品2に取り付けることができる。
【0155】
図示の例示的な実施形態では、ストラップ4が、ベース部300に形成された留め固定部301で連結部品3のベース本体30に強固に接続されている。ベース部300は、円筒状かつ円盤状の基本形状を有し、連結部品2に面する側にベース面302を形成している。
【0156】
ベース面302からは、マッシュルーム形状のピン要素340が突出している。ピン要素340は、閉止方向X回りの周方向に延在して係合装置34を実現する係合部341を保持している。つまり、図示の例示的な実施形態の係合部341は、ベース部300から閉止方向Xに沿って離間しているという点で、ベース部300から空間的に隔てられている。
【0157】
図示の例示的な実施形態では、円錐面の形態の傾斜面342が係合部341に形成されており、連結部品3が連結部品2に取り付けられるときに係合部341の傾斜面342が受入開口23内の係合突起240上を進むことで連結部品3が連結部品2に対して係合方向Yの反対に変位する。そして、係合部341は、係合突起240を通り越すことで係合部240と係合方向Yに係合することができる。
【0158】
連結部品2,3は、それぞれ、磁気装置21,31(
図22A及び
図22Bを参照のこと)を具備しており、磁気装置21,31は、閉止方向Xに沿って互いに磁気的に吸引することで、連結部品2,3同士の閉止方向Xの配置を磁気的に補助する。
【0159】
図示の例示的な実施形態では、
図25A及び
図25Bならびに
図26A及び
図26Bで見て取れるように、円盤状のベース部300がピン要素340の係合部341を越えて径方向に突出している。
【0160】
図27A及び27Bから
図30A~
図30Dまでの順序で示すが、連結部品2,3同士を載置させる際には、連結部品3が閉止方向Xで連結部品2に近付き、
図28Bから見て取れるように、まず係合部341に形成された傾斜面342が受入開口23内の係合突起240に接触してから、
図28A及び
図28Bから
図29A及び
図29Bへの移り変わりで見て取れるようにスライドすることで係合部341が係合突起240を通り越すという揺動運動を、連結部品3が行うことができる。
【0161】
係合部341が係合突部240を通り越したら、磁性体装置21,31間の磁気吸引によって係合部341が係合方向Yで係合突部240と係合することで、連結部品2,3同士が
図30A~
図30Dに示す前記連結位置となる。
【0162】
前記連結位置にて、ピン要素340上の係合部341は、受入開口23の壁上の円弧状に湾曲した係合突起240と係合している。このとき、係合部341は、係合突起240とは反対側で、受入開口23内で係合方向Yに突出した突出要素の形態のブロック238と対峙する。このようにして、ブロック部238が受入開口23内でのピン要素340の係合方向Yの逆方向への接線方向の動きを阻止するため、係合部341と係合突起240との係合がブロックされる。
【0163】
前記連結位置にて、前記ベース部は、
図30Bに示すように、係合方向Yで係合突起240よりも前方に位置する支持部233と当接する外周側のエッジ部305を有する。これにより、ベース部300の係合方向Yの支持が支持部233によって実現されるため、連結部品2,3間に荷重が加わった際に、係合方向Yに相当する荷重方向に沿った力が支持部233で吸収されて逃げるようになる。
【0164】
図30Bからも見て取れるように、支持部233の部分には、段差の形態の形状係合部234が形成されており、ベース部300のエッジ部305が閉止方向Xで形状係合部234上に載っかる。該段差は、荷重の負荷下で連結部品2に対するベース部300、つまり、連結部品3の傾動に抵抗することにより、連結部品2,3が意図せず緩むようなことを阻止する。
【0165】
図29Bと併せて
図30Bから見て取れるように、段差234には、突入開口232が隣接している。突入開口232は、
図29Bから見て取れるように、ベース部300を連結部品2,3に対して傾けた際に該ベース部300が突入することが可能な空き空間を提供する役割を果たす。
【0166】
連結部品2,3を互いに外す場合には、使用者が、
図29Bで見て取れるように、連結部品3のうちの係合突起240とは反対側である後側のタブ40の形態の作動部を引っ張ることで、ピン要素340を受入開口23から持ち上げればよい。この過程で、ベース部300のうちの支持部233に面した前方の領域が突入開口232に突出することで連結部品3を連結部品2に対して傾動させ易くなり、連結部品2,3が互いに切り離される。
【0167】
前記連結位置では、
図1ないし
図12A~
図12Fの最初の例と同様に、段差234の支持によって荷重の負荷下での傾動に対する抵抗を行う。この場合、段差234と係合方向Yの反対方向で隣接する部分に突入開口232による空き空間が形成されており、連結を外すために連結部品2,3を相対的に傾動させた際に、ベース部300の周方向のエッジ部がこの空き空間に突入することが可能となる。
【0168】
図21ないし
図30A~
図30Dに示す実施形態では、係合部341が、円盤状のベース部300に形成されておらず、むしろ、ベース部300から閉止方向Xに沿って突出したピン要素340上に形成されている。これにより、係合部341は、閉止方向Xに沿ってベース部300から離間しており、かつ、ベース部300の周方向のエッジ部305が、係合部241の径方向外側に位置している。
【0169】
よって、係合部341は、ベース部300から空間的に隔てられている。また、係合部341による形状嵌合又は摩擦嵌合の用意が、支持部233及び形状係合部234によるベース部300の支持と機能的に分かれている。このことは、例えば、ベース部300が係合部341に比べて比較的大きな梃の腕を支持のために用意できるという点で、支持部233での荷重支持と形状係合部234による傾動抵抗とのためのベース部300の支持を好適ものにすることを可能にする。
【0170】
図21ないし
図30A~
図30Dの実施形態では、
図24Aと併せて
図30Bに示すように、支持部233が、連結部品2のベース本体20において、閉止方向Xに対する径方向と直交に延びるとともに閉止方向Xを中心として円弧状に湾曲した表面部によって強固に形成されている。同じく、前記段差の形態の形状係合部234も円弧状に湾曲していることで、ベース部300のエッジ部305に対する支持が形成される。
【0171】
これに対し、
図31A~
図31Cに示す変更版の例示的な実施形態では、閉止方向Xの斜めに延びる円弧状の支持部233が、
図31ないし
図30A~
図30Dに示す例示的な実施形態の支持部233と形状係合部234の機能を兼用している。
図31A~
図31Cの例示的な実施形態の斜めに延びる支持部233は、連結部品3のベース部300の斜めのエッジ部305に対する支持を形成する。これにより、係合方向Yの支持と傾動に抵抗する(すなわち、ベース部300のうちの閉止方向Xで前方にある領域の動きに抵抗する)支持の両方が支持部233によって実現される。
【0172】
【0173】
【0174】
連結装置1は、例えば、
図32~
図39に示すように、バッグやリュックサックに使用されることができる。連結装置1は、ストラップの端部同士を連結したり(
図32、
図35、
図36及び
図39)、ストラップをバッグ本体に連結したり(
図33、
図34及び
図38)、バッグやリュックサックの蓋を閉じたりバッグやリュックサックに物を取り付けたり(
図37)するのに使用されることができる。
【0175】
連結装置1は、靴の留め具として(
図40及び
図41)、例えばジャケット、ベスト等の繊維製品のポケットの留め具として(
図42)、あるいは、医療用包帯の留め具として(
図43~
図45)使用されることができる。
【0176】
連結装置1は、ファニーパック(
図46)や工具ベルト(
図47)の留め具として使用されることができる。
【0177】
連結装置1は、工具ベルトなどのベルトに対する、工具などの物体や例えば電子装置、ライト等の物体のホルダとして機能することもできる(
図48)。
【0178】
連結装置1は、例えばギター等の楽器のストラップの留め具として使用されることができる(
図49)。
【0179】
連結装置1は、自転車、例えば、自転車の荷台や荷かごなどにストラップを取り付けるのに使用されることができる(
図50)。
【0180】
連結装置1は、ヘルメットの固定具として機能することもできる(
図51)。
【0181】
連結装置1は、例えばマット等の物体を結び留めるためのストラップ留め具を提供することができる(
図52)。
【0182】
連結装置1は、例えば自動車等の乗り物に荷物を積むためのストラップ系統の留め具を提供することもできる(
図53)。
【0183】
連結装置1は、例えばサンブラインド等の乗り物内の調節系統の留め具として使用されることができる(
図54)。
【0184】
連結装置1は、例えばキーラックのキーリングのような、ラックに対する物体のホルダを提供することができる(
図55)。
【0185】
連結装置1は、例えばカメラをストラップと連結するための、カメラのホルダ(
図56)として機能し得る。
【0186】
連結装置1は、腕時計(
図57)やブレスレット(
図58)の留め具として機能し得る。
【0187】
上記のどの用途においても、連結部品2,3が捻回可能であることにより、各用途の要件の重要な側面が解決される。この種の用途でしばしば使用される従来の差込型留め具や閉止具は、捻回させることができない。
【0188】
これ以外の用途も考えられるし可能である。
【0189】
本発明の基礎をなす思想は、図示の実施形態に限定されるものではなく、別の方法で実現されることも可能である。
【0190】
具体的には、説明した種類の連結装置は、基端同士を連結するストラップ留め具や物体の留め固定装置以外としても使用することができる。説明した種類の連結装置は、あらゆる数のアセンブリ同士の連結に使用することができる。
【符号の説明】
【0191】
1 連結装置
2 連結部品(雌部品)
20 ベース本体
21 磁気装置
22 ストラップ受け
23 受入開口
230 底面
231 凹所
232 突入開口
233 支持部
234 段差
235 乗り上がり斜面
236 ブロック部(境界壁)
237 遷移面
238 ブロック部
24 係合装置
240,241 係合突起
242,243 盛上り部
244,245 摺動斜面
25 留め固定開口
3 連結部品(雄部品)
30 ベース本体
300 ベース部
300A~300C 領域
301 留め固定部
302 ベース面
303 ブロックエレメント(鍔)
304 エッジ
305 エッジ部
306 出口ライン
31 磁気装置
32 ストラップ受け
34 係合装置
340 ピン要素
341 係合部
342 傾斜面(円錐)
35 留め固定開口
4 ストラップ
40 作動部
5 ストラップ
A 摺動運動
B 軸
H 高さ方向
K 傾動軸
N 法線方向
Q 横方向
R 回転軸
U 周方向
X 閉止方向
Y 係合方向
【国際調査報告】