(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】自転車用の電気駆動装置、およびそれを有する自転車
(51)【国際特許分類】
B62M 6/55 20100101AFI20241031BHJP
B62M 11/14 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
B62M6/55
B62M11/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532329
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2022083453
(87)【国際公開番号】W WO2023099393
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】102021213515.3
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ツィーマー
(57)【要約】
本発明は、自転車用の、歯車機構(4)を有する電気駆動装置(1;11;21;31)に関する。歯車機構は、遊星歯車セットを備える。遊星歯車セットは、互いに対して回転可能に配置された少なくとも3つの回転要素(12;SR、PT、HR)を備える。電気駆動装置(1;11;21;31)は、さらに、電気モータ(5)と、駆動シャフト(7;7’)と、電気モータのモータ力を駆動シャフトに伝達する駆動輪(8)と、第1フリーホイール要素(F1)と、第2フリーホイール要素(F2)と、を備える。駆動輪は、第1フリーホイール要素を用いて駆動シャフト(7;7’)に接続可能である。歯車機構の1つの回転要素は、第2フリーホイール要素を用いて駆動シャフトに接続することができる。歯車機構の遊星歯車セットの回転要素の別の回転要素は、歯車機構の動力伝達装置(7;7’;9)と一体に形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自転車用の電気駆動装置(1;11;21;31)であって、
前記自転車のボトムブラケット(3)に配置されて、少なくとも1つの遊星歯車セットを備える歯車機構(4)であって、前記遊星歯車セットは、少なくとも3つの回転要素(12;SR、PT、HR)を備え、前記回転要素(12;SR、PT、HR)は、互いに対して回転可能に配置されて、トルクを伝達するように設計される、歯車機構(4)と、
前記歯車機構(4)に対してオフセットされた電気モータ(5)と、
少なくとも前記自転車のペダルクランクシャフト(6)の上に取り付けられた駆動シャフト(7;7’)と、
前記駆動シャフト(7;7’)と同軸に配置されて、前記電気モータ(5)からのモータ力を前記駆動シャフト(7;7’)に伝達する駆動輪(8)と、
第1フリーホイール要素(F1)と、
第2フリーホイール要素(F2)と、を備え、
前記第1フリーホイール要素(F1)および前記第2フリーホイール要素(F2)は、ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)に一緒に配置され、
前記駆動輪(8)は、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)を介して、前記第1フリーホイール要素(F1)を用いて前記駆動シャフト(7;7’)に接続可能であり、
前記歯車機構(4)の前記遊星歯車セットの前記回転要素(12;SR、PT、HR)の1つの回転要素を、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)を介して、前記第2フリーホイール要素(F2)を用いて前記駆動シャフト(7;7’)に接続可能であり、
前記歯車機構(4)の前記遊星歯車セットの前記回転要素(12;SR、PT、HR)の別の回転要素は、前記歯車機構(4)の動力伝達装置(7;7’;9)と一体に形成される、電気駆動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気駆動装置(1;11;21;31)であって、前記歯車機構(4)の前記動力伝達装置(7;7’;9)は、前記駆動シャフト(7;7’)によって形成される、電気駆動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電気駆動装置(1;11;21;31)であって、前記歯車機構(4)の前記動力伝達装置(7;7’;9)は、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)によって形成される、電気駆動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電気駆動装置(1;11;21;31)であって、前記歯車機構(4)の前記動力伝達装置(7;7’;9)は、前記駆動シャフト(7;7’)および前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)によって形成される、電気駆動装置。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の電気駆動装置(1;11;21;31)であって、前記自転車の前記駆動シャフト(7;7’)は、少なくとも1つのペダルクランク(62)に機械的に動作可能に接続され、動力伝達経路は、前記ペダルクランク(62)から、前記歯車機構(4)を介して前記駆動シャフト(7;7’)に至る、電気駆動装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気駆動装置(1;11;21;31)であって、前記電気モータ(5)からのモータ力は、前記動力伝達経路の端部領域で前記駆動シャフト(7;7’)に伝達される、電気駆動装置。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の電気駆動装置(1;11;21)であって、前記駆動輪(8)は、前記駆動シャフト(7;7’)の上に取り付けられる、電気駆動装置。
【請求項8】
請求項1~6の何れか一項に記載の電気駆動装置(31)であって、前記駆動輪(8)は、前記駆動装置(31)のハウジング(10)に取り付けられる、電気駆動装置。
【請求項9】
請求項1~8の何れか一項に記載の駆動装置(1;21;31)であって、前記第1フリーホイール要素(F1)および前記第2フリーホイール要素(F2)は、前記駆動シャフト(7;7’)の長手方向軸線(LA)に対して、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)内部で、少なくとも部分的に、互いに軸方向に隣接するように配置される、駆動装置。
【請求項10】
請求項1~8の何れか一項に記載の駆動装置(11)であって、前記第1フリーホイール要素(F1)および前記第2フリーホイール要素(F2)は、前記駆動シャフト(7;7’)の長手方向軸線(LA)に対して、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)内部で、少なくとも部分的に、互いに径方向に隣接するように配置される、駆動装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか一項に記載の駆動装置(1;21;31)であって、前記第1フリーホイール要素(F1)および前記第2フリーホイール要素(F2)は、前記駆動シャフト(7;7’)の長手方向軸線(LA)に対して、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)内部で、同じ方向に配向される、駆動装置。
【請求項12】
請求項1~10の何れか一項に記載の駆動装置(11)であって、前記第1フリーホイール要素(F1)および前記第2フリーホイール要素(F2)は、前記駆動シャフト(7;7’)の長手方向軸線(LA)に対して、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)内部で、反対方向に配向される、駆動装置。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載の駆動装置(1;11;21;31)であって、前記第1フリーホイール要素(F1)および前記第2フリーホイール要素(F2)は、前記駆動シャフト(7;7’)の長手方向軸線(LA)から所定の距離で、前記ワンピースのフリーホイール要素キャリア(9)内部に配置される、駆動装置。
【請求項14】
請求項1~13の何れか一項に記載の電気駆動装置(1;11;21;31)と、前記ペダルクランクシャフト(6)の両端部に配置された2つのペダルクランク(62)と、を備える自転車であって、前記ペダルクランク(62)は、前記自転車(2)を人力で駆動するために、前記ペダルクランクシャフト(6)に取り付けられた前記駆動シャフト(7;7’)に機械的に動作可能に接続される、自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用の電気駆動装置に関する。また、本発明は、この電気駆動装置を有する自転車に関する。
【従来技術】
【0002】
電動自転車が、特に電気モータを用いて電気的に、かつペダルを用いて筋肉の力によって、ハイブリッドの態様で駆動される電動アシスト自転車(pedelec)が既知である。これらは、電動自転車のペダルシャフトの受容領域に配置された電気モータを有する。電動自転車の電気モータおよびペダルから、電動自転車の駆動シャフトにトルクを伝達するギア機構も、電動自転車のペダルシャフトの受容領域に配置される。しかしながら、電動自転車のペダルシャフトの受容領域の近傍における設置スペースの広さは、限られている。
【発明の概要】
【0003】
第1態様において、本発明は、自転車用の電気駆動装置に関する。駆動装置は、電気的に生成された駆動力を自転車の駆動アクスルに伝達するように設計することができる。代替的または追加的に、駆動装置は、例えば自転車のペダルの回転によって、筋力によって生成される駆動力を、自転車の駆動アクスルに伝達するように設計することができる。例えば、駆動装置を用いてトルクを生成して、そのトルクを自転車の駆動アクスルに伝達して、自転車を駆動することができる。駆動装置は、ハイブリッドの設計を有することができる。すなわち、駆動装置を、自転車が電気的にと、筋力との両方で駆動されるように、設計することもできる。自転車は、電動自転車、特にハイブリッド駆動型の電動アシスト自転車とすることもできる。電動アシスト自転車の場合、筋力によって生成される自転車の駆動力と、電気的に生成される自転車の駆動力とを、組み合わせることができる。
【0004】
電気駆動装置は、自転車のボトムブラケットに配置された歯車機構を備える。ボトムブラケットは、自転車を駆動するペダルが配置される自転車フレームの部分とすることができる。ボトムブラケットのハウジングは、自転車のペダルが取り付けられるパイプの形状で設計することができる。歯車機構も、ハウジングに取り付けることができる。さらに、駆動装置によって生成される駆動力を自転車の駆動アクスルに伝達するように設計できるチェーンリングを、ボトムブラケットの領域に配置することができる。歯車機構は、駆動装置によって生成されて駆動速度の形で加えられる駆動力を、多様な変換要素を用いて、駆動シャフトに作用する出力速度に変換するように設計することができる。
【0005】
歯車機構は、少なくとも1つの遊星歯車セットを備える。遊星歯車セットは、少なくとも3つの回転要素を備える。回転要素は、互いに対して回転可能に配置されて、トルクを伝達するように設計される。互いに対して回転可能に配置された3つの回転要素は、太陽歯車、少なくとも1つの遊星歯車を備える遊星キャリア、および遊星歯車セットの内歯車とすることができる。太陽歯車、遊星キャリア、および内歯車は、それぞれ、回転可能に取り付けられたシャフトの上に配置することができる。太陽歯車、遊星歯車、内歯車は、それぞれ、互いに噛み合う歯車として設計することができる。個々の歯車の直径と、それらの相対回転速度に応じて、太陽歯車と、遊星キャリアと、内歯車との間でトルクを伝達することができる。例えば、内歯車の回転を阻止して、内歯車を固定することができる。太陽歯車は、自転車の駆動シャフトと連結することができる。遊星キャリアは、自転車のペダルクランクシャフトと連結することができる。太陽歯車と内歯車との両方が遊星キャリアと噛み合うために、駆動装置から自転車の駆動シャフトにトルクを伝達することができる。
【0006】
さらに、電気駆動装置は、歯車機構に対してオフセットされた電気モータと、少なくとも自転車のペダルクランクシャフトの上に取り付けられた駆動シャフトと、を備える。電気モータは、電気エネルギを機械エネルギに変換するように設計できる。電気モータは、例えば、同期モータまたは非同期モータとして設計することができる。電気モータの出力シャフトは、例えば、恒久的に回転不能な状態で電気モータのロータと接続することができる。電気モータは、例えば、歯車機構またはボトムブラケットの長手方向軸線と軸方向で平行に配置することができる。ペダルクランクシャフトは、ボトムブラケットの長手方向に沿って取り付けられた機械式のシャフトとすることができる。ペダルクランクシャフトは、その両端部の少なくとも1つの端部が、ボトムブラケットから突出することができる。ペダルクランクシャフトの両端部には、それぞれ、自転車を機械的に駆動するペダルを取り付けることができるペダルクランクを、取り付けることができる。駆動シャフトは、ペダルクランクシャフトに機械的に動作可能に接続されるようにペダルクランクシャフトに取り付けられる、中空シャフトの形状で設計することができる。ペダルクランクによって生成された駆動力は、ペダルクランクシャフトを介して、トルクの形で駆動シャフトに伝達することができる。駆動シャフトは、さらに、歯車機構の遊星歯車セットの少なくとも1つの回転要素に、機械的に動作可能に接続することができる。駆動シャフトは、さらに、電気モータの出力シャフトに機械的に動作可能に接続することができる。
【0007】
さらに、電気駆動装置は、駆動輪を備える。駆動輪は、駆動シャフトと同軸に配置されて、電気モータからのモータ力を駆動シャフトに伝達する。駆動輪は、牽引装置を介して電気モータの出力シャフトに連結できる歯車の形状で設計することができる。牽引装置は、歯車の歯と噛み合うことができるチェーンまたは歯付きベルトとすることができる。代替的または追加的に、駆動輪は、摩擦結合的に牽引装置と接続できるプーリとすることができる。
【0008】
加えて、電気駆動装置は、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素を備える。第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、ワンピースのフリーホイール要素キャリアに一緒に配置される。第1フリーホイール要素は、回転方向に応じて駆動装置の2つのコンポーネントを連結するように設計できる。したがって、第1フリーホイール要素は、第1方向へのトルクの伝達のために、駆動装置の2つのコンポーネントを連結するように設計することができる。第1回転方向とは反対の第2回転方向において、第1フリーホイール要素を用いて、2つのコンポーネントの間の接続を解放または遮断することができる。例えば、第1フリーホイール要素を用いて、駆動装置内部でシャフトが第1方向に回転するのをブロックすることができる。第1フリーホイール要素について述べたことは、同様に第2番フリーホイール要素についても当てはまる。したがって、駆動装置の2つのコンポーネントの回転方向に応じた連結機能は、第1または第2フリーホイール要素を使用して実現することができる。第1および第2フリーホイール要素は、爪を有することができる。代替的に、第1および第2フリーホイール要素は、クランプローラ、クランプ体、爪リング、またはラップスプリングを有することができる。第1および第2フリーホイール要素は、ワンピースのフリーホイール要素キャリアに一緒に配置される。したがって、フリーホイール要素キャリアは、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素がそれぞれ部分的に配置された単一のコンポーネントである。
【0009】
駆動輪は、ワンピースのフリーホイール要素キャリアを介して、第1フリーホイール要素を用いて駆動シャフトに接続可能である。さらに、歯車機構の遊星歯車セットの回転要素の1つの回転要素を、ワンピースのフリーホイール要素キャリアを介して、第2フリーホイール要素を用いて駆動シャフトに接続可能である。したがって、第1フリーホイール要素は、駆動輪またはそれと接続された駆動シャフトを、回転方向に応じて、駆動シャフトと連結できる。したがって、第2フリーホイール要素は、歯車機構の遊星歯車セットの回転要素の1つの回転要素、例えば内歯車を、回転方向に応じて、駆動シャフトと連結できる。ワンピースのフリーホイール要素キャリアによって、これら2つの連結機能を、単一のコンポーネントを介して実現できる。
【0010】
歯車機構の遊星歯車セットの回転要素の別の回転要素は、歯車機構の動力伝達装置と一体に形成される。遊星歯車セットの他の回転要素は、例えば、太陽歯車とすることができる。一方、遊星歯車セットの内歯車は、ワンピースのフリーホイール要素キャリアを介して、第2フリーホイール要素を用いて駆動シャフトと接続可能である。歯車機構の動力伝達装置は、トルクを伝達するための、例えば回転可能な、歯車機構内部に配置された動力伝達コンポーネントとすることができる。代替的に、歯車機構の動力伝達装置は、互いにトルクを伝達するための、特に回転可能な、歯車機構内部に配置された複数の動力伝達コンポーネントとすることができる。
【0011】
したがって、提案された自転車用の電気駆動装置によれば、フリーホイール要素キャリア自体および遊星歯車セットの別の回転要素の両方が、歯車機構の動力伝達装置と一体に形成される。これによって、コンポーネントの数を低減することができる。さらに、ボトムブラケット内部に収容する必要があるコンポーネントが少なくなるため、ボトムブラケット内部の必要とされる設置スペースを低減することが可能である。加えて、使用しなければならないコンポーネントが少なくなるため、駆動装置を、より簡単に、かつコスト効率良く設計することもできる。
【0012】
駆動装置の一実施形態によれば、歯車機構の動力伝達装置は、駆動シャフトによって形成することができる。したがって、この実施形態において、歯車機構の遊星歯車セットの回転要素の1つの回転要素を、ワンピースのフリーホイール要素キャリアを介して、第2フリーホイール要素を用いて駆動シャフトに接続することができる。遊星歯車機構の遊星歯車セットの別の回転要素は、駆動シャフトと一体に形成することができる。したがって、特に歯車機構の設計において、コンポーネントの数を、例えば駆動シャフトと遊星歯車セットの回転要素との間の歯などのコンポーネントを、低減することができる。さらに、一体の設計、すなわち遊星歯車セットの回転要素の1つと駆動シャフトとが直接に接続されるため、これらのコンポーネント間のトルクの伝達時の摩擦損失も最小限に抑えることができる。
【0013】
駆動装置の別の実施形態によれば、歯車機構の動力伝達装置は、ワンピースのフリーホイール要素キャリアによって形成することができる。したがって、この実施形態において、ワンピースのフリーホイール要素キャリアは、遊星歯車セットの回転要素と一体に形成することができる。これによって、フリーホイール要素キャリアを、遊星歯車セットの回転要素の間に追加的に設置する必要をなくすことができる。したがって、駆動装置の設置をより容易に行うことができる。加えて、この構成によって、トルクの伝達の機能と、トルクの伝達を行う2つのコンポーネントの間の連結の機能との両方を、単一のコンポーネントを用いて実現することができる。これによって、歯車機構の複雑さを軽減することができる。
【0014】
駆動装置の別の実施形態によれば、歯車機構の動力伝達装置は、駆動シャフトおよびワンピースのフリーホイール要素キャリアによって形成することができる。この実施形態において、上述した機能および利点を組み合わせることができる。
【0015】
別の実施形態によれば、自転車の駆動シャフトは、少なくとも1つのペダルクランクに機械的に動作可能に接続することができる。動力伝達経路は、ペダルクランクから、歯車機構を介して駆動シャフトに至ることができる。ペダルクランクは、例えばペダルクランクシャフトに取り付けることができる。この場合、駆動シャフトは、その上に駆動シャフトが取り付けられるペダルクランクシャフトを介して、ペダルクランクに機械的に動作可能に接続することができる。加えて、駆動シャフトは、第1および/または第2フリーホイール要素を介して、さらに歯車機構のコンポーネントに接続可能である。したがって、ペダルクランクに取り付けられたペダルを人力で踏むことによって発生される駆動力がペダルクランクに加えられると、その駆動力は、上述の動作接続部を介して、駆動シャフトに伝達することができる。
【0016】
この実施形態において、電気モータからのモータ力は、動力伝達経路の端部領域で駆動シャフトに伝達することができる。電気モータからのモータ力は、駆動シャフトと同軸に配置された駆動輪を用いて、駆動シャフトに伝達することができる。この実施形態において、電気モータからのモータ力が歯車機構の出力部で駆動シャフトに伝達されるように、駆動輪を駆動装置内部に配置することができる。したがって、ペダルクランクを介して加えられる駆動力は、トルク伝達のために、すなわち遊星歯車セットの回転要素の適切な伝達比を設定するために、まず、ペダルクランクシャフトを介して、歯車機構に導くことができる。適切な伝達比が設定された後に、すなわちギアシフトが発生した後に、駆動力は、電気モータからのモータ力によって増幅され、駆動シャフトに加えることができる。この構成によって、電気モータからの追加的なモータ力なしで、すなわち負荷なしで、ギアシフトを行うことができるという利点が提供される。これによって、歯車機構の耐用年数を延ばすことができる。
【0017】
別の実施形態によれば、駆動輪は、駆動シャフトの上に取り付けることができる。駆動輪は、駆動シャフトの上に直接に取り付けることができる。代替的に、駆動輪は、間接的に、例えば別の回転要素を用いて、駆動シャフトの上に取り付けることもできる。駆動輪は、特にトルクを伝達するために、駆動シャフトの上に取り付けることができる。この構成によって、電気モータからのモータ力を、駆動輪によって特に簡単に伝達できるという利点が提供される。
【0018】
一実施形態によれば、駆動輪は、駆動装置のハウジングに取り付けることができる。駆動輪を駆動装置のハウジングに取り付けることによって、駆動装置内部の設置スペースを節約することができる。
【0019】
別の実施形態によれば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部で、少なくとも部分的に、互いに軸方向に隣接するように配置することができる。駆動シャフトの長手方向軸線は、例えば、駆動シャフトがそれに沿ってボトムブラケットにおいて延びる軸に対応することができる。第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、少なくとも部分的に、この軸に沿って互いに隣接するように配置することができる。例えば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線に対して垂直に配向されたそれぞれの外面で、互いに接触することができる。したがって、この実施形態において、ワンピースのフリーホイール要素キャリアの広がりは、駆動シャフトの長手方向軸線に沿った方向の方が、この軸に垂直な方向よりも、大きくなることができる。したがって、この実施形態において、駆動軸の長手方向軸線に対して、径方向で必要とされる設置スペースを低減することができる。
【0020】
別の実施形態によれば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部で、少なくとも部分的に、互いに径方向に隣接するように配置することができる。駆動シャフトの長手方向軸線は、例えば、駆動シャフトがそれに沿ってボトムブラケットにおいて延びる軸に対応することができる。第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、この軸から径方向外側に延び、少なくとも部分的に、互いに隣接して配置することができる。したがって、この実施形態において、ワンピースのフリーホイール要素キャリアの広がりは、駆動シャフトの長手方向軸線に対して垂直な方向の方が、この軸に平行な方向よりも、大きくなることができる。その結果、この実施形態において、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、軸方向で必要とされる設置スペースを低減することができる。
【0021】
別の実施形態によれば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部で、同じ方向に配向させることができる。例えば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、第1および第2爪として設計することができる。第1および第2爪は、爪が、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、ワンピースのフリーホイールキャリア要素内部で、少なくとも部分的に、径方向外側に延びることができるように配向させることができる。代替的に、第1および第2爪は、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、径方向内側に延びることができる。第1および第2フリーホイール要素の更なる構成、およびそれらがそれぞれ配向されることも考慮可能である。この実施形態によって、第1および第2フリーホイール要素を、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部で、特に同じ方向に、容易に形成できるという利点が提供される。
【0022】
別の実施形態によれば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部で、反対方向に配向させることができる。例えば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、第1および第2爪として設計することができる。第1および第2爪は、第1爪が、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、少なくとも部分的に、径方向外側に延びることができるように、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部で配向させることができる。第2爪は、駆動シャフトの長手方向軸線に対して、少なくとも部分的に、径方向内側に延びることができる。第1および第2フリーホイール要素の更なる構成、およびそれらがそれぞれ配向されることも考慮可能である。この実施形態によって、第1および第2フリーホイール要素を、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部で、特に軸方向で鏡像となるように、容易に形成できるという利点が提供される。
【0023】
別の実施形態によれば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線から所定の距離で、ワンピースのフリーホイール要素キャリア内部に配置することができる。ワンピースのフリーホイール要素キャリアの駆動シャフトの長手方向軸線からの所定の距離は、例えば、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素の予想される耐負荷能力によって、決定する、または定義することができる。例えば、比較的高い耐負荷能力が予想される場合には、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線から比較的大きな距離に配置することができる。代替的に、比較的低い耐負荷能力が予想される場合には、第1フリーホイール要素および第2フリーホイール要素は、駆動シャフトの長手方向軸線から比較的小さな距離に配置することができる。したがって、ワンピースのフリーホイール要素キャリアに作用するトルクは、駆動シャフトの長手方向軸線からの距離を適切に選択することによって調整することができる。これによって、ワンピースのフリーホイール要素キャリアの耐用年数を延ばすことができる。
【0024】
第2態様において、本発明は、第1態様による電気駆動装置と、ペダルクランクシャフトの両端部に配置された2つのペダルクランクと、を備える自転車に関する。ペダルクランクは、自転車を人力で駆動するために、ペダルクランクシャフトに取り付けられた駆動シャフトに機械的に動作可能に接続される。それぞれの他の特徴、実施形態、および利点は、第1態様の説明に見出すことができる。逆に、第2態様の特徴、実施形態、および利点は、第1態様の特徴、実施形態、および利点も構成する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態による、自転車のボトムブラケットに配置された電気駆動装置の細部の概略図である。
【
図2】本発明の更なる実施形態による、自転車のボトムブラケットに配置された電気駆動装置の細部の概略図である。
【
図3a】本発明の更なる実施形態による、自転車のボトムブラケットに配置された電気駆動装置の細部の概略図である。
【
図3b】
図3aの実施形態の更なる発展形態による、自転車のボトムブラケットに配置された電気駆動装置の細部の概略図である。
【
図4】本発明の更なる実施形態による、自転車のボトムブラケットに配置された電気駆動装置の細部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、
図1には示されていない自転車のボトムブラケット3に配置された電気駆動装置1の細部を概略的に示す。駆動装置1は、示された図に対して水平方向に反転して、下方に延在する。電気駆動装置1は、ボトムブラケット3に配置された歯車機構4を備える。歯車機構4は、
図1では遊星歯車機構4として示されており、太陽歯車SRと、遊星キャリアPTの上に配置された複数の遊星歯車PRと、内歯車HRと、を備える。遊星歯車機構4は、太陽歯車SR、遊星キャリアPT、および内歯車HRを用いて、既知の方法でトルクを伝達するように構成されている。
【0027】
駆動装置1は、電気モータ5を更に備える。電気モータ5は、歯車機構4に対してオフセットされて配置され、自転車を電気的に駆動する。
図1に示すように、電気モータ5は、歯車機構4の長手方向軸線に対して軸方向で平行に配置されている。この場合、電気モータ5は、
図1の面に対して歯車機構4に対してオフセットされて配置されている。自転車のボトムブラケット3には、ペダルクランクシャフト6が取り付けられている。ペダルクランクシャフト6は、
図1には示されていないペダルクランクに機械的に動作可能に接続され、筋力によって自転車を駆動する。ペダルクランクシャフト6の上には、駆動シャフト7が取り付けられている。
図1に示すように、駆動シャフト7は、中空シャフトとして設計されており、ベアリングL1、L2を用いてペダルクランクシャフト6の上に取り付けられている。
【0028】
自転車を電気的に駆動するために、電気モータ5は、駆動シャフト7と同軸に配置された駆動輪8に機械的に動作可能に接続されている。牽引装置81、すなわち
図1のチェーン81は、電気モータ5によって生成されたトルクを駆動輪8に伝達し、そこから駆動シャフト7に伝達するために使用される。駆動輪8は、ボールベアリングKL1を用いて駆動シャフト7に取り付けられている。
【0029】
電気駆動装置1は、第1フリーホイール要素F1および第2フリーホイール要素F2を更に備える。第1および第2フリーホイール要素F1、F2は、
図1において、それぞれ第1爪および第2爪として示されている。第1爪F1および第2爪F2は、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9に一緒に配置されている。ワンピースのフリーホイール要素キャリア9は、第1フリーホイール要素F1および第2フリーホイール要素F2がそれぞれ部分的に配置された単一のコンポーネントである。
【0030】
電気モータ5のモータ動力を伝達するために、第1フリーホイール要素F1を用いて、特にワンピースのフリーホイール要素キャリア9を介して、駆動輪8を駆動シャフト7に接続可能である。したがって、電気モータ5は、回転方向に応じて、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9を介して、第1フリーホイール要素F1を用いて駆動シャフト7に連結することができる。
【0031】
歯車機構4の遊星歯車セットの回転要素のうちの1つを、第2フリーホイール要素F2を用いて、特にワンピースのフリーホイール要素キャリア9を介して、駆動シャフト7に接続可能である。
図1において、部分的にのみ示されている、歯車機構4の回転要素12は、第2フリーホイール要素F2を介して駆動シャフト7に接続可能である。したがって、歯車機構4のこの回転要素12は、回転方向に応じて、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9を介して、第2フリーホイール要素F2を用いて駆動シャフト7に連結することができる。
【0032】
図1の実施形態において、さらに、歯車機構4の遊星歯車セットの別の回転要素が、歯車機構4の動力伝達装置7、9と一体に形成されている。
図1において、歯車機構4の動力伝達装置7、9は、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9によって形成されている。歯車機構4の遊星歯車セットの遊星キャリアPTは、この動力伝達装置9と一体に形成されている。
【0033】
第1フリーホイール要素F1および第2フリーホイール要素F2は、
図1において、それぞれ第1および第2爪F1、F2としてワンピースのフリーホイール要素キャリア9に示されている。第1および第2爪F1、F2は、駆動シャフト7の長手方向軸線LAに対して、互いに軸方向に隣接して配置されている。さらに、
図1において、第1および第2爪F1、F2は、それぞれ駆動シャフト7の長手方向軸線LAに対して、径方向外側に、すなわち同じ方向に配向されている。さらに、
図1において、第1および第2爪F1、F2は、駆動シャフト7の長手方向軸線LAから比較的小さい所定の距離に配置されている。
【0034】
図2は、別の実施形態による電気駆動装置11の細部を概略的に示す。
図2において同じ参照番号が付された駆動装置11の要素は、
図1の駆動装置1の要素と同等である。これらの要素については、
図2の説明ではそれ以上詳説されない。
【0035】
図2の駆動装置11は、
図1の駆動装置1とは、この場合、歯車機構4の遊星歯車セットの内歯車HRが、第2フリーホイール要素F2を用いて、特にワンピースのフリーホイール要素キャリア9を介して、駆動シャフト7に連結可能である点で異なる。
図1の駆動装置1と同様に、
図2において、歯車機構4の動力伝達装置7、9も同様に、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9によって形成されている。
図1とは対照的に、
図2の駆動装置11においては、歯車機構4の遊星歯車セットの、遊星キャリアPTではなく、太陽歯車SRと、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9とが、一体に形成されている。
【0036】
図2において、第1フリーホイール要素F1および第2フリーホイール要素F2は同様に、それぞれ第1および第2爪F1、F2として示されている。第1および第2爪F1、F2は、駆動シャフト7の長手方向軸線LAに対して、少なくとも部分的に、互いに径方向に隣接して配置されている。さらに、
図2において、駆動シャフト7の長手方向軸線LAに対して、第1爪F1は径方向内側に配向され、しかしながら、第2爪F2は径方向外側に配向されている。これによって、
図1の実施形態と比較して、駆動装置11の軸方向の設置スペースを低減することができる。さらに、
図2において、第1および第2爪F1、F2は、
図1と比較して、駆動シャフト7の長手方向軸線LAから、より大きい所定の距離に配置されている。
【0037】
図3aは、別の実施形態による電気駆動装置21の細部を概略的に示す。
図3において同じ参照番号が付された駆動装置21の要素は、
図1の駆動装置1および
図2の駆動装置11の要素と同等である。これらの要素については、
図3の説明ではそれ以上詳説されない。
【0038】
図3aの駆動装置21において、歯車機構4の遊星歯車セットの内歯車HRは、この場合でも、第2フリーホイール要素F2を用いて、すなわちワンピースのフリーホイール要素キャリア9を介して、駆動シャフト7に連結可能である。しかしながら、
図1の駆動装置1および
図2の駆動装置11とは対照的に、
図3において、歯車機構4の動力伝達装置7、9は、駆動シャフト7によって形成されている。したがって、
図3の駆動装置21において、歯車機構4の遊星歯車セットの太陽歯車SRと駆動シャフト7とが、一体に形成されている。
【0039】
図3aにおいて、第1フリーホイール要素F1および第2フリーホイール要素F2は同様に、それぞれ第1および第2爪F1、F2として示されている。第1および第2爪F1、F2は、駆動シャフト7の長手方向軸線LAに対して、少なくとも部分的に、軸方向に隣接して径方向内側に、すなわち互いに同じ方向に配向されている。さらに、
図3において、第1および第2爪F1、F2は、
図1および
図2と比較して、駆動シャフト7の長手方向軸線LAから、より大きい所定の距離に配置されている。これによって、爪F1、F2は、駆動装置1、11と比較して、より大きなトルクを吸収することができる。
【0040】
図3bは、
図3aによる駆動装置21の発展形態を概略的に示す。この場合、駆動装置21の駆動シャフト7’は、長手方向軸線LAに対して径方向外側に延びている。この実施形態は、自転車の駆動装置21から駆動アクスルに駆動力を伝達する別の駆動輪8’を、駆動シャフト7’から低減された距離で、駆動シャフト7’の上に取り付けることができるという利点を提供する。さらに、径方向外側に延びる駆動シャフト7’と、駆動装置21のハウジング10との間に、シール要素10aが配置されている。シール要素10aを使用して、駆動装置21のハウジング10を、汚れ、および/または湿気の侵入に対してシールすることができる。
【0041】
図4は、別の実施形態による電気駆動装置31の細部を概略的に示す。
図4において同じ参照番号が付された駆動装置31の要素は、
図1の駆動装置1、
図2の駆動装置11、ならびに
図3aおよび
図3bの駆動装置21の要素と同等である。これらの要素については、
図4の説明ではそれ以上詳説されない。
【0042】
図4の駆動装置31において、
図1と同様に、歯車機構4の遊星歯車セットの、部分的にしか描かれていない回転要素12は、第2フリーホイール要素F2を用いて、特にワンピースのフリーホイール要素キャリア9を介して、駆動シャフト7に接続可能である。しかしながら、
図1、
図2、および
図3aの駆動装置1、11、および21とは対照的に、歯車機構4の動力伝達装置7、9は、
図4において、駆動シャフト7とワンピースのフリーホイール要素キャリア9との両方によって、形成されている。
図4において、歯車機構4の遊星歯車セットの太陽歯車SRは、この動力伝達装置7、9と一体に形成されている。したがって、
図4の駆動装置31において、歯車機構4の遊星歯車セットの太陽歯車SRと、駆動シャフト7と、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9とが、一体に形成されている。これによって、駆動装置31は、駆動装置1、11、21の設計よりも使用するコンポーネントが少なくて済み、特に簡単に設計することが可能である。
【0043】
さらに、
図4の駆動装置31において、駆動輪8は、駆動装置31のハウジング10に取り付けられている。これによって、ワンピースのフリーホイール要素キャリア9を、駆動シャフト7の長手方向軸線LAに対して、駆動輪8のボールベアリングKL1の径方向内側に配置することができる。したがって、フリーホイール要素キャリア9およびボールベアリングKL1を、放射状に積み重ねて配置することができる。そのため、駆動シャフト7の長手方向軸線LAに対する軸方向の設置スペースを低減することができる。
【符号の説明】
【0044】
1;11;21;31 電気駆動装置
3 ボトムブラケット
4 歯車機構、遊星歯車機構
SR 太陽歯車
PR 遊星歯車
PT 遊星キャリア
HR 内歯車
5 電気モータ
6 ペダルクランクシャフト
62 ペダルクランク
7;7’ 駆動シャフト
8;8’ 駆動輪
81 牽引装置、チェーン
F1 第1フリーホイール要素、第1爪
F2 第2フリーホイール要素、第2爪
9 フリーホイール要素キャリア
7;7’;9 動力伝達装置
10 ハウジング
10a シーリング要素
12 回転要素
L1、L2 ベアリング
KL1 ボールベアリング
LA 駆動シャフトの長手方向軸線
【国際調査報告】