(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電気シェーバ
(51)【国際特許分類】
B26B 19/38 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
B26B19/38 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532380
(86)(22)【出願日】2023-01-06
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2023050243
(87)【国際公開番号】W WO2023135065
(87)【国際公開日】2023-07-20
(32)【優先日】2022-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ファルギース バブ
(72)【発明者】
【氏名】パレロ ジョナサン アラムブラ
(72)【発明者】
【氏名】ドーデマン ジェラルダス ヨハネス ニコラース
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッサー コルネリス ジェラルダス
(72)【発明者】
【氏名】フラッコワィアク ブルーノ ジャン フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】レッヅ ペーター ヨハネス アントニウス
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056JE00
3C056JE10
(57)【要約】
一態様によれば、第1の毛髪切断ユニット150を有する電気シェーバ100、300a~b、400、500a~cが提供され、このユニットは、第1の内部切断部材252と、第1の内部切断部材252を覆うよう構成される第1の外部切断部材152、152a、152b、152cとを有し、第1の内部切断部材252は、第1の外部切断部材152、152a、152b、152cに対して移動可能であり、第1の外部切断部材152、152a、152b、152cは、第1の複数の毛髪進入開口部266を含む第1の皮膚接触領域を有し、第1の皮膚接触領域は、使用時に、皮膚に接触するよう構成される。電気シェーバ100、300a~b、400、500a~cは、使用時に、皮膚に接触するよう構成される第2の皮膚接触領域と、第1の外部切断部材152、152a、152b、152cに第1の極性のRF電圧を印加するよう構成されるバイポーラ無線周波数RF生成器ユニット120とを更に有し、第1の外部切断部材152、152a、152b、152cの全体が、第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され、バイポーラRF生成器ユニット120は、第2の皮膚接触領域に第2の極性のRF電圧を印加するように更に構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気シェーバであって、
第1の毛髪切断ユニットを有し、前記第1の毛髪切断ユニットが、
第1の内部切断部材と、
前記第1の内部切断部材を覆う第1の外部切断部材であって、前記第1の内部切断部材が、前記第1の外部切断部材に対して移動可能である、第1の外部切断部材とを含み、前記第1の外部切断部材が、第1の複数の毛髪進入開口部を備える第1の皮膚接触領域を含み、前記第1の皮膚接触領域は、使用時に、皮膚に接触し、前記電気シェーバが更に、
使用時に、前記皮膚に接触する第2の皮膚接触領域と、
前記第1の外部切断部材に第1の極性のRF電圧を印加するバイポーラ無線周波数RF生成器ユニットとを有し、前記第1の外部切断部材の全体が、前記第1の極性のRF電圧を伝導し、前記バイポーラRF生成器ユニットは更に、前記第2の皮膚接触領域に第2の極性のRF電圧を印加する、電気シェーバ。
【請求項2】
第2の毛髪切断ユニットを更に有し、前記第2の毛髪切断ユニットが、
第2の内部切断部材と、
前記第2の内部切断部材を覆う第2の外部切断部材であって、前記第2の内部切断部材が前記第2の外部切断部材に対して移動可能である、第2の外部切断部材とを含み、
前記第2の外部切断部材が、前記第2の皮膚接触領域を含み、前記第2の皮膚接触領域に設けられる第2の複数の毛髪進入開口部を含み、前記第2の外部切断部材の全体が、前記第2の極性のRF電圧を伝導する、請求項1に記載の電気シェーバ。
【請求項3】
第3の毛髪切断ユニットを更に有し、前記第3の毛髪切断ユニットが、
第3の内部切断部材と、
前記第3の内部切断部材を覆う第3の外部切断部材であって、前記第3の内部切断部材が前記第3の外部切断部材に対して移動可能である、第3の外部切断部材とを含み、
前記第3の外部切断部材が、第3の複数の毛髪進入開口部を備える第3の皮膚接触領域を含み、
前記バイポーラRF生成器ユニットは、前記第1の極性の電圧を前記第3の外部切断部材に印加し、前記第3の外部切断部材の全体が、前記第1の極性のRF電圧を伝導する、請求項2に記載の電気シェーバ。
【請求項4】
前記第2の毛髪切断ユニットが、前記第1の毛髪切断ユニットと前記第3の毛髪切断ユニットとの間に配置される、請求項3に記載の電気シェーバ。
【請求項5】
前記第1の外部切断部材及び前記第2の外部切断部材がそれぞれ、長手方向に平行に延びるシェービングホイルを有し、前記第1の内部切断部材及び前記第2の内部切断部材は、それぞれ前記第1の外部切断部材及び前記第2の外部切断部材に対して長手方向に平行に直線的に往復運動する、請求項2乃至4のいずれかに記載の電気シェーバ。
【請求項6】
前記第3の外部切断部材が、長手方向に平行に延びるシェービングホイルを有し、前記第3の内部切断部材は、前記第3の外部切断部材に対して長手方向に平行に直線的に往復運動する、請求項3又は4に従属する請求項5に記載の電気シェーバ。
【請求項7】
前記第1の皮膚接触領域が環状であり、前記第1の内部切断部材は、前記第1の外部切断部材に対して回転可能であり、
前記第2の皮膚接触領域が環状であり、前記第2の内部切断部材は、前記第2の外部切断部材に対して回転可能である、請求項2に記載の電気シェーバ。
【請求項8】
前記第1の皮膚接触領域が環状であり、前記第1の内部切断部材は、前記第1の外部切断部材に対して回転可能であり、
前記第1の毛髪切断ユニットが、前記第2の皮膚接触領域を含む第1のカバー要素を更に有し、前記第1のカバー要素が、前記第1の皮膚接触領域に対して中心位置にある前記第1の外部切断部材上に配置され、前記第1の皮膚接触領域が前記第2の皮膚接触領域を囲み、前記第1のカバー要素は、前記第1の外部切断部材から電気的に絶縁される、請求項1に記載の電気シェーバ。
【請求項9】
前記第1のカバー要素が円盤状である、請求項1に記載の電気シェーバ。
【請求項10】
前記第1のカバー要素の全体が、前記第2の極性のRF電圧を伝導する、請求項8又は9に記載の電気シェーバ。
【請求項11】
第2の毛髪切断ユニットを更に有し、前記第2の毛髪切断ユニットが、第2の内部切断部材と、前記第2の内部切断部材を覆う第2の外部切断部材とを含み、前記第2の内部切断部材は、前記第2の外部切断部材に対して回転可能であり、
前記第2の外部切断部材が、第2の複数の毛髪進入開口部を備える環状の第3の皮膚接触領域を含み、前記第3の皮膚接触領域は、使用時に、皮膚に接触し、
前記第2の毛髪切断ユニットが、使用時に皮膚に接触する第4の皮膚接触領域を備える第2のカバー要素を更に含み、前記第2のカバー要素は、前記第3の皮膚接触領域に対して中心位置で前記第2の外部切断部材上に配置され、前記第3の皮膚接触領域が前記第4の皮膚接触領域を囲み、前記第2のカバー要素は、前記第2の外部切断部材から電気的に絶縁され、
前記バイポーラRF生成器ユニットは、前記第1の極性のRF電圧を前記第2の外部切断部材に印加し、前記第2の外部切断部材の全体が、第1の極性のRF電圧を伝導し、前記バイポーラRF生成器ユニットは、前記第4の皮膚接触領域に前記第2の極性のRF電圧を印加する、請求項8、9又は10に記載の電気シェーバ。
【請求項12】
前記第2のカバー要素が円盤状である、請求項11に記載の電気シェーバ。
【請求項13】
前記第2のカバー要素の全体が、前記第2の極性のRF電圧を伝導する、請求項11又は12に記載の電気シェーバ。
【請求項14】
前記第1及び第2の極性のRF電圧が、0.5MHzから4MHzの範囲の周波数を持つ、請求項1乃至13のいずれかに記載の電気シェーバ。
【請求項15】
前記第1の極性のRF電圧及び前記第2の極性のRF電圧が、10ボルトから100ボルトの範囲のピークツーピーク電圧を有する、請求項1乃至14のいずれかに記載の電気シェーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気シェーバに関し、特に、使用時に皮膚を加熱するための高周波(RF)生成器ユニットを含む電気シェーバに関する。
【背景技術】
【0002】
ある温度範囲、例えば約38℃から40℃の熱の皮膚への適用が、心地よい温熱感覚を呼び起こすことができることは、一般に認められる。皮膚を温める方法は、ホットタオル、スチーム、赤外線などを皮膚に適用することを含む。パーソナルケア装置に皮膚温熱ユニットを一体化することは一般に、パーソナルケアのルーチンを実行中のユーザの感覚的な体験を改善する。
【0003】
皮膚温熱ユニットを採用したパーソナルケア装置の1つが、電気シェーバである。加熱された機械的要素を含む電気シェーバが知られており、この機械的要素は、シェービング中に熱伝導を介して皮膚に温かさを提供することができる。温かさが心地よさを生み、ユーザ体験を向上させる。
【0004】
皮膚を温めるもうひとつの方法は、高周波(RF)エネルギーを用いる深部真皮加熱の使用である。RFエネルギーの使用は、熱伝導を用いて加熱を提供する機械的要素とは異なる。RF加熱の適用では、2つの電極が皮膚に適用され、それぞれが反対方向に帯電したRFエネルギーを皮膚に印加する。これは、2つの電極間の皮膚における電界を生成する。RFエネルギーは、加熱された機械的要素による熱伝動よりも深く皮膚に浸透することができ、及び従って皮膚の比較的広い領域に加熱が適用されることができる。加熱された機械的要素の使用で必要とされるような、熱アプリケータ及び皮膚の両方の熱伝導性に頼ることなく、浸透の深さ全体にわたって加熱が適用されることができる。
【0005】
皮膚を加熱するためのRFエネルギーの使用は、いくつかの髭剃り装置に組み込まれている。例えば、US8,516,706は、刃又は刃に隣接する別個の電極がRFエネルギーを伝導して皮膚に熱を与える刃カミソリを開示する。US2015/133906は、電気シェーバのシェービングキャップに複数の逆帯電電極が含まれる別の例を開示する。電極は、シェービングキャップの一部である絶縁部材により分離される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
こうして、RFエネルギーを使って皮膚に熱を加えることができるシェービング装置が利用可能であるものの、既知の技術は欠点に苦しむ。例えば、RF電界密度は導電性電極の幾何学的サイズ、及び特に皮膚に接触する電極部分のサイズに反比例することが知られる。従って、電極として先の尖った刃の使用、又は非常に小さい皮膚接触領域を備える同様の寸法の導体の使用は、高エネルギーのRF場を生成させる可能性がある。例えば、皮膚に接触する刃の鋭利なエッジ又は角は、皮膚における高エネルギーRF場を生成する電流集中をもたらす場合がある。高エネルギーのRF場はホットスポットを生成する可能性があり、これは、ユーザにとって不快な、又は更には痛みを伴う熱感をもたらす。別の欠点として、電気シェーバのシェービングキャップにおける複数の小さな電極の使用は、電極間の小さい距離をもたらす。そのため、加熱は電極の下にある皮膚の小さな体積に集中され、皮膚の部分的な加温のみをもたらし、強い温熱体験を呼び起さない。従って、皮膚に温熱を与えるために適切な寸法の電極をシェービング装置に構成することは、少なくとも部分的には、シェービング装置の皮膚接触領域に斯かる電極を構成するために利用可能な領域が限られることに起因して、困難である。
【0007】
従って、RFエネルギーを使用してユーザの皮膚に熱を与え、心地よい温感を呼び起こすことができる、改良されたシェービング装置に関する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、電気シェーバが提供され、これは、第1の毛髪切断ユニットを有し、このユニットは、第1の内部切断部材と、第1の内部切断部材を覆うよう構成される第1の外部切断部材であって、第1の内部切断部材が第1の外部切断部材に対して移動可能である、第1の外部切断部材とを有し、第1の外部切断部材は、第1の複数の毛髪進入開口部を含む第1の皮膚接触領域を有し、第1の皮膚接触領域は、使用時に、皮膚に接触するよう構成される。電気シェーバは更に、使用時に、皮膚に接触するよう構成される第2の皮膚接触領域と、第1の外部切断部材に第1の極性のRF電圧を印加するよう構成されるバイポーラ無線周波数RF生成器ユニットとを有し、第1の外部切断部材の全体が、第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され、バイポーラRF生成器ユニットは、第2の皮膚接触領域に第2の極性RF電圧を印加するように更に構成される。
【0009】
いくつかの例では、電気シェーバは更に、第2の毛髪切断ユニットを有し、これは、
第2の内部切断部材と、第2の内部切断部材を覆うよう構成される第2の外部切断部材であって、第2の内部切断部材が第2の外部切断部材に対して移動可能である、第2の外部切断部材とを有し、上記第2の外部切断部材は、上記第2の皮膚接触領域を含み、上記第2の皮膚接触領域に設けられる第2の複数の毛髪進入開口部を含み、第2の外部切断部材の全体が、第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成される。いくつかの例では、第1皮膚接触領域は環状であり、第1の内部切断部材は、第1の外部切断部材に対して回転可能であり、上記第2の皮膚接触領域が環状であり、第2の内部切断部材は、第2の外部切断部材に対して回転可能である。
【0010】
いくつかの例では、電気シェーバは更に、第3の毛髪切断ユニットを有し、これは、第3の内部切断部材と、上記第3の内部切断部材を覆うよう構成される第3の外部切断部材であって、上記第3の内部切断部材が上記第3の外部切断部材に対して移動可能である、第3の外部切断部材とを有し、上記第3の外部切断部材が、第3の複数の毛髪進入開口部を含む第3の皮膚接触領域を有し、バイポーラRF生成器ユニットは、第3の外部切断部材に第1の極性の電圧を印加するよう構成され、第3の外部切断部材の全体が、第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成される。
【0011】
いくつかの例では、第2毛髪切断ユニットは、第1毛髪切断ユニットと第3毛髪切断ユニットとの間に配置される。
【0012】
いくつかの例では、第1の外部切断部材及び第2の外部切断部材はそれぞれ、長手方向に平行に延びるシェービングホイルを有し、上記第1の内部切断部材及び上記第2の内部切断部材はそれぞれ、上記第1の外部切断部材及び上記第2の外部切断部材に対して長手方向に平行に直線的に往復運動するよう構成される。いくつかの例では、第3の外部切断部材は、長手方向に平行に延びるシェービングホイルを有し、上記第3の内部切断部材は、上記第3の外部切断部材に対して長手方向に平行に直線的に往復運動するよう構成される。
【0013】
いくつかの例では、第1皮膚接触領域は環状であり、第1の内部切断部材は、第1の外部切断部材に対して回転可能であり、上記第1の毛髪切断ユニットは、上記第2の皮膚接触領域を含む第1のカバー要素を更に有し、第1のカバー要素は、第1の皮膚接触領域に対して中心位置で第1の外部切断部材上に配置され、その結果、第1の皮膚接触領域が第2の皮膚接触領域を囲み、第1のカバー要素は、第1の外部切断部材から電気的に絶縁される。いくつかの例では、第1カバー要素は円盤状である。いくつかの例では、第1カバー要素の全体が第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成されることができる。
【0014】
いくつかの例では、電気シェーバは更に、第2の毛髪切断ユニットを有し、上記第2の毛髪切断ユニットが、第2の内部切断部材と、上記第2の内部切断部材を覆うよう構成される第2の外部切断部材とを有し、第2の内部切断部材は、第2の外部切断部材に対して回転可能であり、第2の外部切断部材は、環状形状の第3の皮膚接触領域を有し、第2の複数の毛髪進入開口部を有し、上記第3の皮膚接触領域は、使用時に、皮膚に接触し、第2の毛髪切断ユニットは、使用時に皮膚に接触するよう構成される第4の皮膚接触領域を含む第2のカバー要素を更に有し、第2のカバー要素は、第3の皮膚接触領域に対して中心位置で第2の外部切断部材上に配置され、その結果、第3の皮膚接触領域が第4の皮膚接触領域を囲み、第2のカバー要素は、第2の外部切断部材から電気的に絶縁され、バイポーラRF生成器ユニットは、第2の外部切断部材に第1の極性のRF電圧を印加するよう構成され、第2の外部切断部材の全体が、第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され、バイポーラRF生成器ユニットは、第4の皮膚接触領域に第2の極性のRF電圧を印加するように更に構成される。いくつかの例では、第2のカバー要素は円盤状である。いくつかの例では、第2のカバー要素の全体が、第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成されることができる。
【0015】
いくつかの例では、第1及び第2の極性の電圧は、0.5MHzから4MHzの範囲の周波数を持つ。
【0016】
いくつかの例では、第1極性のRF電圧及び第2極性のRF電圧は、10ボルト(V)から100Vの範囲のピークツーピーク電圧を有する。
【0017】
これら及び他の側面が、以下に記載される実施形態から明らかとなり、実施形態を参照して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】ホイルシェーバーの形態の例示的な電気シェーバの図である。
【
図2】皮膚に温熱を提供するため電気シェーバがRFエネルギーを皮膚に適用する様子を示す概略図である。
【
図3A】電気シェーバにおけるシェービングホイル配置の図である。
【
図3B】電気シェーバにおけるシェービングホイル配置の図である。
【
図4】回転式シェーバの形態の例示的な電気シェーバの別の図である。
【
図5A】電気シェーバのシェービングキャップ配置の図である。
【
図5B】電気シェーバのシェービングキャップ配置の図である。
【
図5C】電気シェーバのシェービングキャップ配置の図である。
【
図6A】皮膚に温熱を提供するためRFエネルギーを用いる電気シェーバを使用して得られる快感スコアの結果である。
【
図6B】皮膚に温熱を提供するためRFエネルギーを用いる電気シェーバを使用して得られる快感スコアの結果である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、例示的な実施形態が、例示に過ぎない以下の図面を参照しながら説明される。
【0020】
従って、本発明による例は、毛髪切断ユニットの外部切断部材が、RFエネルギーを皮膚に伝達するための第1の電極として使用される電気シェーバを提供する。外部切断部材のカバー要素又は別の外部切断部材が、第2の電極として使用されることができる。こうして、外部切断部材が、電気シェーバの皮膚接触領域分の比較的大きな部分を提供するので、RFエネルギーを皮膚に供給するのに、より大きな表面積が使用される。RF電極としてより広い面積を使用することは、より広い面積の皮膚がRFエネルギーを受けることを意味し、これは、より深い浸透を可能にし、及び従って、改善された温熱を可能にする。上述したように、約38℃から40℃に皮膚を温めることは、ユーザの体感を向上させることができる。毛髪切断ユニットは、以下に更に説明するように、直線的に往復運動するカッターを備えるホイルタイプの毛髪切断ユニット又は回転式毛髪切断ユニットといった、任意の適切な設計を有することができる。
【0021】
図1は、本書で説明する技術が適用されることができる例示的な電気シェーバ100の図である。
図1では、電気シェーバ100はホイル型シェーバの形態であるが、本書で説明する技術は、
図4及び
図5を参照して後述するように、回転式シェーバなどの任意のタイプの電気シェーバ100に適用されることができることを理解されたい。毛髪切断装置100は、ユーザの手に保持される本体110と、毛髪をカット/シェービングするための複数の毛髪切断ユニット150、160を含むシェービング部分の形態の切断ヘッド140とを有する。
図1の図示例では、シェービング部は、第1毛髪切断ユニット150と第2毛髪切断ユニット160とを有する。各毛髪切断ユニット150、160は、複数のカッター刃を持つ個別の内部切断部材と、複数の毛髪進入開口部を含む個別の外部切断部材152、162とを有する。毛髪進入用開口部は、穴及び/又はスリットを有することができる。各外部切断部材152、162は、シェーバ100の使用時にユーザの皮膚に接触する個別の皮膚接触領域を有する。毛髪侵入開口は皮膚接触領域の一部である。
図1の実施形態では、各外側切断部材152、162は、長手方向に平行に延びるシェービングホイルである。外部切断部材152、162は、個別の内部切断部材を覆うよう構成され、個別の内部切断部材は、外部切断部材に対して移動可能であり、例えば、複数のカッター刃は、シェービングホイルに対して長手方向に平行に直線的に往復運動することができる。毛は、シェービングホイル152、162の開口部を貫通し、カッター刃の往復動作が毛を切断し、切断された端部は、シェーバ100の毛収集領域に集まることができる。従って、電気シェーバ100は、切断作用をもたらすために個別の外部切断部材152、162に対して内部切断部材を移動させるよう構成されるモータ130を更に有する。
【0022】
電気シェーバ100は更に、バイポーラRF生成器ユニット120を有する。バイポーラRF生成器ユニットは、バイポーラRF電圧を生成するよう構成されるバイポーラRFエネルギー源を有する。RF電圧は、10から100V、好ましくは30~70Vの範囲のピークツーピーク電圧を備えるパルス幅変調(PWM)電圧信号を有することができる。PWM電圧信号は、1~100%、好ましくは25~75%の範囲のデューティサイクルを有することができる。電圧信号は、0.5~4MHz、好ましくは1MHzの範囲の周波数を有する。RF信号のこれらのパラメータを用いて、皮膚は約38℃から40℃に温められることができ、これは、ユーザの体感を向上させることができる。
【0023】
RF生成器ユニット120は、毛髪切断ユニット150、160の1つ、例えば第1の毛髪切断ユニット150の外部切断部材152、162により提供される皮膚接触領域を介して、第1のRF電圧を皮膚に印加するよう構成される。従って、RF生成器ユニット120は、第1のRF電圧を、例えば、第1の毛髪切断ユニット150の外部切断部材152に印加するよう構成される。外部切断部材152は、第1のRF電圧を伝導することができるが皮膚に対して生体適合性を持つ導電性材料で形成される。例えば、外部切断部材152は、ステンレス鋼、銀又は銀塩化物といった金属で形成されることができる。従って、外部切断部材152の全体が第1のRF電圧を伝導する。言い換えると、外部切断部材152は、RF信号のための第1の電極として使用される。RF生成器ユニット120は更に、電気シェーバ100の別の皮膚接触領域に第2のRF極性電圧を印加するよう構成される。この実施形態では、第2のRF電圧は、第2の毛髪切断ユニット160内の外部切断部材162に印加される。外部切断部材162も、第2のRF電圧を伝導することができるが皮膚に対して生体適合性を持つ導電性材料で形成される。従って、外部切断部材162は、外部切断部材152と同一又は類似の材料で形成されることができる。従って、外部切断部材162の全体が第2のRF電圧を伝導する。従って、第2毛髪切断ユニット160の外部切断部材162は、RF信号のための第2電極として使用される。
【0024】
図1にて図示省略されるが、外部切断部材152、162は、切断ヘッド140/電気シェーバ100内で互いに電気的に絶縁される。その結果、外部切断部材152、162が皮膚に接触しているときにのみRF電圧の「回路」が完成される。電気的絶縁は例えば、外部切断部材152、162の間に少なくとも2ミリメートル(mm)の距離を持つことにより、外部切断部材152、162を互いに空間的に分離することにより提供され得る。追加的又は代替的に、非導電性プラスチックなどの外部切断部材152、162の間に配置される絶縁材料により電気的絶縁が提供されることができる。
【0025】
使用時には、切断ヘッド140、及び特に第1の毛髪切断ユニット150及び第2の毛髪切断ユニット160の外部切断部材152、162の皮膚接触領域の皮膚への適用は、加熱をもたらすようRFエネルギーが皮膚に付与されることを可能にする。上述したように、RFエネルギー加熱手順では、RF生成器ユニット120の作動及び電極の適用が、皮膚における電界を作り、RFエネルギーが一方の電極から他方の電極へと皮膚を通り流れることがもたらされる。従って、例えば第1の毛髪切断ユニット150の外部切断部材152からのRFエネルギーが、第1及び第2の毛髪切断ユニットの外部切断部材152,162の皮膚への適用により、第2の毛髪切断ユニット160の外部切断部材162に皮膚を介して流れ、皮膚における加熱効果をもたらす。
【0026】
図2は、RFエネルギーを皮膚204に適用して皮膚204に温熱を提供する電気シェービング装置200の概略例を示す。
図2は、
図1に存在する要素を概略的に示し、対応する要素は同じ参照数字を持つ。
図2は、
図1のシェーバ100の側面を通る部分断面とみなされることができる。
【0027】
従って、
図2は、内部切断部材252及び外部切断部材152(「第1外部切断部材」152と呼ぶ)を有する第1毛髪切断ユニット150を示す。シェーバ100は、個別の内部切断部材262及び個別の外部切断部材162(「第2の外部切断部材」162と呼ぶ)を含む第2の毛髪切断ユニット160を更に有する。各外部切断部材152、162は、皮膚204上の毛髪202が貫通し得る複数の毛髪進入開口部266を含む個別の皮膚接触領域を有する。各内部毛切断部材252、262は、個別の外部切断部材152、162に対して移動可能であり、その結果、個別の外部切断部材152、162に対する内部毛切断部材252、262の移動が、開口部266を貫通する毛202を切断する。
【0028】
シェーバ200は、第1の外部切断部材152に第1の極性のRF電圧、例えば正のRF電圧を印加し、第2の外部切断部材162に第2の極性のRF電圧、例えば負のRF電圧を印加するよう構成されるRFエネルギー源120を更に有する。こうして、使用中、第1の外部切断部材152及び第2の外部切断部材162は、RF電圧を伝導する電極として機能し、シェーバが適用される皮膚204にRFエネルギーが印加される。RFエネルギーは例えば、第2の外部切断部材162から第1の外部切断部材152に流れ、皮膚204に温熱領域206が生成される。第1の外部切断部材152の全体及び第2の外部切断部材162の全体は、個別のRF電圧を伝導することができ、及び従って、RFエネルギーを皮膚204に伝達するのに比較的大きな面積が使用されることができる。そのため、温熱領域206は比較的大きく、皮膚204の比較的広い領域にわたって心地よい温熱感を誘発することができる。
【0029】
図2に示されるように、第1及び第2の外部切断部材152、162は互いに電気的に絶縁されており、その結果、温熱領域206を生成するためにRFエネルギーが外部切断部材152、162の間を流れ、皮膚204を通るために皮膚接触が必要とされる。いくつかの例では、第1及び第2の外部切断部材152、162は、皮膚204に接触していないときに電気的絶縁を達成するために、少なくとも2mm離れている。いくつかの例では、第1及び第2の外部切断部材152、162並びに第1及び第2の毛髪切断ユニット150、160は、第1及び第2の毛髪切断ユニット150、160の間に絶縁材料、例えばプラスチック材料が存在することにより、互いに電気的に絶縁されることができる。
【0030】
図3A及び3Bは、電気シェーバ300a、300bの異なる毛髪切断ユニット/シェービングホイルの配置を示す。
図3Aは、第1シェービングホイル350aの形態の外部切断部材を持つ第1毛髪切断ユニットと、第2シェービングホイル360aの形態の外部切断部材を持つ第2毛髪切断ユニットとを有するシェーバ300aを示す。
図1及び
図2に関して上述したのと同様に、第1のシェービングホイル350aの全体は、第1の極性のRF電圧を伝導し、第2のシェービングホイル360aの全体は、第2の極性のRF電圧を伝導することができる。皮膚に接触していないとき、2つのシェービングホイル350a、360aは互いに電気的に絶縁される。こうして、シェーバ300aのシェービングホイル350a、360aの皮膚への接触は、RFエネルギーが、例えば、第1のシェービングホイル350aから第2のシェービングホイル360aへと皮膚を通って流れることをもたらし、皮膚の領域にわたって心地よい温熱感が生成される。
【0031】
図3Bは、個別の第1及び第2シェービングホイル350b、360bを外部切断部材として持つ第1及び第2毛髪切断ユニットを有し、第3シェービングホイル370bの形態の外部切断部材を持つ第3毛髪切断ユニットを更に有する別のシェーバ300bを示す。シェーバ300aと同様に、第1のシェービングホイル350bの全体は、第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され、第2のシェービングホイル360bの全体は、第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成される。第3のシェービングホイル370bの全体も、第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成される。シェービングホイル350b、360b及び370bが互いに平行になり、第1のシェービングホイル350b及び第3のシェービングホイル370bは、第2のシェービングホイル360bの反対側にあるよう、毛髪切断ユニットは、シェーバ300bにおいて配置される。皮膚に接触していないとき、3つのシェービングホイル350b~370bは互いに電気的に絶縁される。こうして、電気シェーバ300bが皮膚に適用されるとき、RFエネルギーが、例えば、第1及び第3のシェービングホイル350b、370bから第2のシェービングホイル360bへと流れ、皮膚の領域にわたり心地よい温熱感が生成される。シェーバ300aに比べてシェーバ300bのシェービングホイルの数が増えることは、より広い領域の皮膚が温められることをもたらすことができる。
【0032】
図4は、本書で説明する技術が適用されることができる別の例示的な電気シェーバ400の図である。
図4は、
図1に存在する要素を示し、対応する要素は同じ参照数字を持ち、簡略化のため以下では詳述されない。
【0033】
電気シェーバ400は、回転式シェーバの形態であり、第1の外部切断部材152を備える第1の毛髪切断ユニット150、第2の外部切断部材162を備える第2の毛髪切断ユニット160、及び第3の外部切断部材472を備える第3の毛髪切断ユニット470を含む切断ヘッド140を有する。第1、第2及び第3の毛髪切断ユニット150、160、470は、適切な取り付け位置で切断ヘッド140に取り付けられることができる。この図示される実施形態では、毛髪切断ユニット150、160、470は三角形の配置を持つが、毛髪切断ユニットは代替的に一列に配置され得る点を理解されたい。毛髪切断ユニットの外部切断部材152、162、472はそれぞれ、複数の毛髪進入開口部を含む皮膚接触領域を有し、これは使用時に、皮膚に接触するよう構成される。第1、第2及び第3の毛髪外部切断部材152、162、472の個別の皮膚接触領域は、環状(即ちリング状)である。第1、第2及び第3の毛髪切断ユニット150、160、470の各々は、個別の外部切断部材152、162、472に対して回転可能な、特に複数のカッター刃を持つ個別の内部切断部材を更に有する。外部切断部材152、162、472はそれぞれ、個別の内部切断部材を覆うよう構成される。毛髪進入用開口部は、穴及び/又はスリットを有することができる。使用中、毛は毛髪進入用開口部を貫通し、外部切断部材152、162、472に対するカッター刃の回転が、開口部を貫通する毛を切断する。
【0034】
第1毛髪切断ユニット150、第2毛髪切断ユニット160及び第3毛髪切断ユニット470は、それぞれ第1カバー要素452、第2カバー要素462及び第3カバー要素474を更に有する。第1、第2及び第3のカバー要素452、462、474の各々は、第1、第2及び第3の外部切断部材152、162、472上にそれぞれ配置される。第1、第2及び第3のカバー要素452、462、474はそれぞれ、使用時に皮膚に接触するよう構成される皮膚接触領域を有する。第1、第2及び第3のカバー要素452、462、474のそれぞれは更に、第1、第2及び第3の外部切断部材152、162、472の個別の環状の皮膚接触領域に対して中央に配置され、その結果、外部切断部材152、162、472の皮膚接触領域は、個別のカバー要素452、462、474を囲む。
図4に示されるように、各カバー要素452、462、474は円盤状であり、及び従って、キャップ又はデコキャップとも呼ばれ得るカバー要素である。当業者であれば、カバー要素の他の適切な形状及び/又は形態に気づくであろう。
【0035】
バイポーラRF生成器ユニット120は、外部切断部材152、162、472の1つ、例えば第1の外部切断部材152により提供される皮膚接触領域を介して、第1の極性のRF電圧を皮膚に印加するよう構成される。従って、RF生成器ユニット120は、例えば第1の毛髪切断ユニット150の外部切断部材152に第1の極性のRF電圧を印加するよう構成される。外部切断部材152の全体が第1のRF電圧を伝導し、その結果、第1の切断部材152はRF信号のための第1の電極として使用される。バイポーラRF生成器ユニット120は更に、別の皮膚接触領域を介して、例えば、第1の外部切断部材152の皮膚接触領域の中央に配置される第1のカバー要素452により提供される皮膚接触領域を介して、第2の極性のRF電圧を皮膚に印加するよう構成される。従って、RF生成器ユニット120は例えば、第1のカバー要素452に第2の極性のRF電圧を印加するよう構成される。従って、第1のカバー要素452は、RF信号のための第2の電極として使用され得る。従って、例えば、第1のRF電圧は、第1の外部切断部材152を介して皮膚に供給され得、第2のRF電圧は、第1のカバー要素452を介して皮膚に供給され得る。カバー要素452の全体は、第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成され得る。
【0036】
図4にて図示省略されるが、第1の外部切断部材152及び第1のカバー要素452は、切断ヘッド140/電気シェーバ400において互いに電気的に絶縁される。その結果、外部切断部材152及び第1のカバー要素452が皮膚に接触しているときにのみ、RF電圧の「回路」が完成される。電気的絶縁は、非導電性プラスチックのような、第1の外部切断部材152と第1のカバー要素452との間に位置する絶縁材料により達成されることができる。
【0037】
使用中、切断ヘッド140、並びに特に、第1の外部切断部材152及び第1のカバー要素452の皮膚接触領域の皮膚への適用は、RFエネルギーが皮膚に付与されることを可能にし、皮膚の加温がもたらされる。従って、RFエネルギーは例えば、第1の毛髪切断ユニットの皮膚への適用により、第1の外部切断部材152から第1のカバー要素452へと皮膚を介して流れ、皮膚における加熱効果をもたらす。
【0038】
いくつかの例では、バイポーラRF生成器ユニット120は、外部切断部材152、162、472の追加の1つ、例えば第2の外部切断部材162により提供される皮膚接触領域を介して、第1の極性RF電圧を皮膚に印加するように更に構成される。第2の外部切断部材162の全体は、第1のRF電圧を伝導することができる。その結果、第2の外部切断部材162が、RF信号のための第3の電極として使用される。バイポーラRF生成器ユニット120は更に、別の皮膚接触領域に、例えば、第2の外部切断部材162の皮膚接触領域の中央に配置される第2のカバー要素462に、第2の極性のRF電圧を印加するよう構成される。従って、第2のカバー要素462は、RF信号のための第4の電極として使用されることができる。第2のカバー要素462の全体は、第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成され得る。
【0039】
上述した第1の外部切断部材152及び第1のカバー要素452と同様に、第2の外部切断部材162及び第2のカバー要素462も互いに電気的に絶縁され、その結果、切断ヘッド140の皮膚への適用時に、RFエネルギーが例えば、第2の外部切断部材162から第2のカバー要素462に流れ、皮膚の加熱が生成される。
【0040】
いくつかの例では、バイポーラRF生成器ユニット120は、外部切断部材152、162、472の各々により提供される皮膚接触領域を介して第1の極性RF電圧を皮膚に印加するように更に構成され、カバー要素452、462、474の各々に第2の極性RF電圧を印加するように更に構成される。斯かる例では、第3の外部切断部材472及び第3のカバー要素474も、上述した第1の外部切断部材152及び第1のカバー要素452と同様に、互いに電気的に絶縁される。第3の外部切断部材472の全体は、第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され得る。第3のカバー要素474の全体は、第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成され得る。従って、外部切断部材152、162、472及びカバー要素452、462、474の各々は、RF信号のためのRF電極として使用され得る。従って、使用中、切断ヘッド140の皮膚への適用を介して、RFエネルギーは例えば、外部切断部材152、162、472からカバー要素452、462、474へと皮膚を通って流れ、皮膚における温熱領域が生成される。
【0041】
RFエネルギーは、外部切断部材152、162、472とカバー要素452、462、474との個別の対の間で実質的に流れることができる。例えば、RFエネルギーは、第1の毛髪切断ユニット152から第1のカバー要素452へと実質的に流れることができる。
【0042】
上述したアプローチの代替的アプローチでは、第2の極性のRF電圧を皮膚に印加するのに、カバー要素452、462、474をバイポーラRF生成器ユニット120に接続するのではなく、外部切断部材152、162、472の少なくとも1つが、第1の極性のRF電圧を皮膚に印加するために使用され、外部切断部材152、162、472の別の1つが、第2の極性のRF電圧を皮膚に印加するために使用され、これにより回路が完成され、皮膚が温められることが可能にされる。従って、バイポーラRF生成器ユニット120用の電極としての外部切断部材152、162、472の使用は、
図1及び2に関して上述した実施形態と同様である。
【0043】
図5A~Cは、回転式シェーバ500a、500b、500cの異なる外部切断部材/カバー要素の配置を示す。
【0044】
図5Aは、3つの毛髪切断ユニットを有する回転式シェーバ500aの配置を示し、各ユニットが、個別の外部切断部材152a、162a、472a及び個別のカバー要素452a、462a、474aを有する。
【0045】
図4に関して上述したように、外部切断部材152a、162a、472aは第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され、カバー要素452a、462a、474aは第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成される。外部切断部材152a、162a、472a及びカバー要素452a、462a、474aは、皮膚に接触していないとき、互いに電気的に絶縁される。こうして、皮膚に適用されるとき、外部切断部材152a、162a、472aとカバー要素452a、462a、474aとの間に電界が生成される。その結果、RFエネルギーが例えば、外部切断部材152a、162a、472aから個別のカバー要素452a、462a、474aに流れる。
【0046】
図5Bは、2つの毛髪切断ユニットを有する回転式シェーバ500bの別の配置を示す。第1毛髪切断ユニットは第1外部切断部材152bを有し、第2毛髪切断ユニットは第2外部切断部材452bを有する。第1の毛髪切断ユニットは、第1の外部切断部材152b上に配置され、第1の外部切断部材152bの皮膚接触領域の中央に位置する第1のカバー要素452bを更に有する。第2の毛髪切断ユニットは、第2の外部切断部材162b上に配置され、第2の外部切断部材162bの皮膚接触領域の中央に位置する第2のカバー要素462bを更に有する。各外部切断部材152a、162aは第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され、各カバー要素452b、462bは第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成される。外部切断部材152b、162b及びカバー要素452b、462bは、皮膚に接触していないとき、互いに電気的に絶縁される。従って、上述したのと同様の態様で、シェーバ500bの皮膚への適用により、外部切断部材152b、162bとカバー要素452b、462との間の皮膚に電界が生成される。その結果、外部切断部材152b、162bとカバー要素452b、462との間でRFエネルギーが流れ、皮膚の領域が温められる。
【0047】
図5Cは、外部切断部材のみがバイポーラRF生成器ユニット120の電極として使用される上述の代替アプローチに関する。従って、
図5Cは、2つの毛髪切断ユニットを有する回転式シェーバ500cの別の配置を示す。シェーバ500bと同様に、第1の毛髪切断ユニットは、第1の外部切断部材152cと第1のカバー要素452cとを有し、第2の毛髪切断ユニットは、第2の外部切断部材162cと第2のカバー要素462cとを有する。第1の外部切断部材152cは第1の極性のRF電圧を伝導するよう構成され、第2の外部切断部材162cは第2の極性のRF電圧を伝導するよう構成される。シェーバ500cでは、第1のカバー要素452c及び第2のカバー要素462cのいずれも、バイポーラRF生成器ユニット120に接続されておらず、それ自体はRF電圧を皮膚に提供しない。この実施形態では、第1のカバー要素452c及び第2のカバー要素462cは、例えばプラスチックのような電気的に非導電性の材料から作られる。第1の外部切断部材152c及び第2の外部切断部材162cは、皮膚に接触していないとき、互いに電気的に絶縁される。シェーバ500cへの皮膚の適用により、第1の外部切断部材152cと第2の外部切断部材162cとの間の皮膚に電界が生成され、その結果、RFエネルギーが、例えば第1の毛髪切断ユニット550cから第2の毛髪切断ユニット560cに流れ、皮膚の領域が温められる。代替的に、第1のカバー要素452cは導電性であってもよく、第1の外部切断部材152cに接続されて、第1の外部切断部材152cとともに第1の極性のRF電圧を伝導してもよい。同様に、第2のカバー要素462cは、導電性であってもよく、第2の外部切断部材162cに接続されて、第2の外部切断部材162cと共に第2の極性のRF電圧を伝導してもよい。
【0048】
図6A及び6Bは、本開示の例による電気シェーバを使用して得られる快感スコアの結果を示す。快感スコアは、
図2に示したようなホイルタイプのシェーバを用いる異なるユーザにより提供され、RFエネルギーを皮膚に印加して皮膚を温め、皮膚の引き締めを促進する既知のスキンタイトニング装置を用いる同じユーザにより提供される快感スコアと比較される。装置のユーザは、各装置による皮膚温熱の知覚される心地よさを、快適な場合「2」、マイルドな温かさの場合「1」、温かさがない、又は無視できる場合「0」で採点することを求められた。快感スコア「A」は、ホイルシェーバーに関し、快感スコア「B」は、スキンタイトニング装置に関する。各装置のRF電圧は、異なるRF周波数及びRF電圧で、デューティサイクル80%を持つ10HzPWM信号で変調された。これらのテストでは、装置の使用前にシェービングジェルが皮膚に適用されていた。使用したシェービングジェルは、1MHzのRFエネルギー周波数に対して0.01~0.25S/mの範囲の導電率を持っていた。
【0049】
図6Aは、周波数0.5MHz、1MHz、2MHz及び4MHzで印加されるバイポーラRF電圧に対して、50Vのピークツーピーク電圧で得られた結果を示す。図に示すように、この電圧レベルでは、ホイル型シェーバは、すべての周波数にわたりスキンタイトニング装置を上回り、最も快適なスコアは、1MHz周波数で50Vのピークツーピーク電圧に対して得られた。
図6Bは、周波数0.5MHz、1MHz、2MHz及び4MHzで印加されるバイポーラRF電圧に対して、100Vのピークツーピーク電圧で得られた結果を示す。図に示すように、ホイルタイプのシェーバは、すべての周波数にわたり少なくともマイルドな温感を誘発することができ、最高の快感スコアはここでも、1MHzの周波数で得られた。
【0050】
従って、本開示による例は、RFエネルギーの皮膚への印加を介して心地よい温感を皮膚に与えることができる電気シェーバを提示する。RF電圧は、電気シェーバの毛髪切断ユニットの少なくとも1つを介して皮膚に印加され、毛髪切断ユニットの外部切断部材の全体がRF電圧を伝導するよう構成される。外部切断部材は、使用時に、電気シェーバの皮膚接触領域の比較的大きな部分を占めることができる。そのため、比較的大きい領域の皮膚を通じて、外部切断部材と他の電極(例えば、毛髪切断ユニットに付随するキャップ又は他の毛髪切断ユニットの外部切断部材)との間に電界が生成されることができる。従って、電界によるRFエネルギーの流れは、比較的広い領域にわたり皮膚に温熱を与え、心地よい温熱感覚が呼び起こされる。皮膚のRF温熱は、皮膚における血液微小循環を更に増加させ、皮膚の保湿を改善することができる。更に、RF温熱は局所吸収を高めることもできる。
【0051】
開示される実施形態への変形は、図、開示、及び添付の請求項の検討から、本書に記載される原理及び技術を実施する当業者により理解及び実施されることができる。特許請求の範囲において、「有する」という語は、他の要素又はステップを除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。1つのプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲に記載される複数の項目の機能を果たすことができる。ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアとともに、又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体に格納又は配布されることができるが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してなど、他の形態で配布されることもできる。特許請求の範囲に記載される任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【国際調査報告】