(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】仮想車両の制御方法と装置及びコンピュータ機器とプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/55 20140101AFI20241031BHJP
A63F 13/803 20140101ALI20241031BHJP
A63F 13/42 20140101ALI20241031BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20241031BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20241031BHJP
【FI】
A63F13/55
A63F13/803
A63F13/42
A63F13/58
A63F13/53
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532393
(86)(22)【出願日】2023-04-12
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 CN2023087825
(87)【国際公開番号】W WO2023221695
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】202210555884.1
(32)【優先日】2022-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TENCENT TECHNOLOGY (SHENZHEN) COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】35/F,Tencent Building,Kejizhongyi Road,Midwest District of Hi-tech Park,Nanshan District, Shenzhen,Guangdong 518057,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】薛 皓晟
(72)【発明者】
【氏名】▲塗▼ 金▲龍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ 志▲鵬▼
(57)【要約】
本出願は仮想車両の制御方法と装置及びコンピュータ機器とプログラムを提供し、コンピュータ及びインターネットの技術分野に属する。前記方法はドリフト状態にある仮想車両を表示し(301);第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御し(302);スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、仮想車両が加速して移動し、かつ仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御し(303);及び、仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御すること(304)を含む。本出願はドリフト状態からの退出の自動化を実現できるため、ユーザの操作を簡素化し、仮想車両のドリフト終了効率を向上させることができ、また、ドリフトを加速する移動方式を提供することで、仮想車両の移動方式をより豊富にすることもできる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置が実行する、仮想車両を制御する方法であって、
ドリフト状態にある仮想車両を表示するステップであって、前記ドリフト状態は前記仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも大きい状態であり、前記ドリフト角度は前記仮想車両の移動方向と前記仮想車両のヘッド向きとの間の夾角である、ステップ;
第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御するステップ;
スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、前記仮想車両が加速して移動し、かつ前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御するステップ;及び
前記仮想車両のドリフト角度が前記第一閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両が前記ドリフト状態を終了するように制御するステップを含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くすることは、
前記仮想車両のグリップ力を増加させるステップを含み、
前記グリップ力は前記ドリフト角度の減少速度と正の相関関係がある、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記仮想車両が加速して移動するように制御することは、
前記仮想車両の第一基本加速度に追加の第一加速度を重ね合わせて、前記仮想車両の第一目標加速度を取得するステップ;及び
前記第一目標加速度に基づいて、前記仮想車両が加速して移動するように制御するステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御するステップは、
次の時間スタンプにおける前記仮想車両の目標ヘッド向きを取得するステップであって、隣接する2つの時間スタンプの間の時間間隔は単位時間である、ステップ;
前記目標ヘッド向きに基づいて、前記次の時間スタンプにおける前記仮想車両の目標移動方向を決定するステップであって、前記目標移動方向と前記目標ヘッド向きとの間の夾角は現在の時間スタンプにおける移動方向とヘッド向きとの間の夾角よりも小さい、ステップ;及び
前記仮想車両が前記次の時間スタンプにおいて前記目標移動方向に基づいて移動するように制御するステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記目標ヘッド向きに基づいて、前記次の時間スタンプにおける前記仮想車両の目標移動方向を決定するステップは、
現在の時間スタンプにおける前記仮想車両のグリップ力及び移動方向、並びに前記目標ヘッド向きに基づいて、前記移動方向の角度変化量を決定するステップであって、前記グリップ力は単位時間内の前記移動方向の角度変化量と正の相関関係がある、ステップ;及び
前記現在の時間スタンプにおける移動方向及び前記移動方向の角度変化量に基づいて、前記次の時間スタンプにおける前記仮想車両の目標移動方向を決定するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記仮想車両が前記ドリフト状態を終了するように制御した後に、前記方法はさらに、
前記ドリフト状態の終了時刻からの第一時間長内で、前記仮想車両が加速して移動するように制御するステップを含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記ドリフト状態の終了時刻からの第一時間長内で、前記仮想車両が加速して移動するように制御するステップは、
前記仮想車両の第一基本加速度に追加の第二加速度を重ね合わせて、前記仮想車両の第二目標加速度を取得するステップ;及び
前記ドリフト状態の終了時刻からの第一時間長内で、前記第二目標加速度に基づいて前記仮想車両が加速して移動するように制御するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記仮想車両が前記ドリフト状態を終了するように制御した後に、前記方法はさらに、
前記スロットルコントロールに対する第二操作を検出した場合に、前記第二操作の持続期間内で、前記仮想車両が加速して移動するように制御するステップ;及び
前記ドリフト状態の終了時刻から、前記第二操作の持続時間長が最大応答値に達した場合に、スロットル全開スキルがトリガされていることを指示するため提示情報を表示するステップを含む、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記スロットルコントロールに対する前記第一操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が第二閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両が加速して移動し、かつ前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御するステップを実行するステップ;及び
カーブからイジェクトするスキルがトリガされていることを指示するための提示情報を表示するステップを含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記スロットルコントロールに対する前記第一操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が第三閾値よりも大きい場合に、前記仮想車両が制御不能状態にあると決定するステップであって、前記制御不能状態では前記仮想車両のグリップ力がゼロに近づき、かつ前記仮想車両の移動方向は調整できない、ステップ;及び
前記仮想車両が前記制御不能状態からグリップ復元状態に切り替えるように制御するステップを含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記仮想車両が前記制御不能状態からグリップ復元状態に切り替えるように制御するステップは、
前記仮想車両のグリップ力が増加するように制御することで、前記仮想車両が前記制御不能状態を終了するように制御するステップ;及び
グリップ復元スキルがトリガされていることを指示するための提示情報を表示するステップを含む、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記スロットルコントロールに対する前記第一操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が第二閾値よりも大きく、かつ第三閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両のドリフト角度が継続して次第に減少するように制御し、かつ前記仮想車両の第一基本加速度に基づいて、前記仮想車両が加速して移動するように制御するステップを含む、方法。
【請求項13】
請求項1乃至12のうちの任意の1項に記載の方法であって、さらに、
方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールが何れもトリガされている状態にあることを検出した場合に、前記仮想車両が前記ドリフト状態に入るように制御するステップを含み、
前記第二ブレーキコントロールは前記第一ブレーキコントロールとは異なるもう1つのコントロールである、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記仮想車両が前記ドリフト状態に入るように制御した後に、前記方法はさらに、
前記第二ブレーキコントロールに対する操作に応じて、速度がゼロになるまで前記仮想車両が減速して移動するように制御するステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項1乃至12のうちの任意の1項に記載の方法であって、さらに、
前記スロットルコントロールに対するクリック操作に応じて、前記仮想車両が加速して移動するように制御するステップ;及び
前記第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両が減速して移動するように制御するステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両が減速して移動するように制御するステップは、
前記第一ブレーキコントロールに対するクリック操作に応じて、速度がゼロになるまで前記仮想車両が減速して移動するように制御するステップ;又は
前記第一ブレーキコントロールに対する持続押下操作に応じて、前記仮想車両が減速して移動するように制御し、前記仮想車両の速度がゼロになっており、かつ前記持続押下操作が消えていない場合に、前記仮想車両が後退するように制御するステップを含む、方法。
【請求項17】
仮想車両を制御する装置であって、
ドリフト状態にある仮想車両を表示するために用いられる車両ドリフトモジュールであって、前記ドリフト状態は前記仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも大きい状態であり、前記ドリフト角度は前記仮想車両の移動方向と前記仮想車両のヘッド向きとの間の夾角である、車両ドリフトモジュール;
第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御するために用いられる車両制御モジュール;
スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、前記仮想車両が加速して移動し、かつ前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御するために用いられるドリフト終了加速モジュール;及び
前記仮想車両のドリフト角度が前記第一閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両が前記ドリフト状態を終了するように制御するために用いられる車両ドリフト終了モジュールを含む、装置。
【請求項18】
処理器、及び前記処理器に接続される記憶器を含む端末装置であって、
前記記憶器にはコンピュータプログラムが記憶されており、
前記処理器は前記コンピュータプログラムを実行することで、請求項1乃至12のうちの任意の1項に記載の方法を実現するように構成される、端末装置。
【請求項19】
コンピュータに、請求項1乃至12のうちの任意の1項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年05月20日に中国専利局に出願した、出願番号が202210555884.1、発明名称が“仮想車両の制御方法、装置、機器及び記憶媒体”である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を参照によりここに援用する。
【0002】
本出願は、コンピュータ及びインターネットの技術分野に関し、特に、仮想車両の制御方法と装置及びコンピュータ機器とプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
ユーザにより、仮想車両が仮想環境で移動するように制御できる。
【0004】
関連技術では、ユーザインターフェースに方向調整コントロール、スロットルコントロール(throttle control)及びドリフトコントロール(drift control)が表示され得る。仮想車両の移動過程では、方向調整コントロールにより仮想車両の移動方向を調整し、スロットルコントロールを長押しすることで仮想車両が加速移動を保つように制御し、スロットルコントロールをリリースすることで仮想車両が加速移動を停止するように制御し、ドリフトコントロールにより仮想車両がドリフト状態に入るように制御する。また、仮想車両のドリフト過程では、ユーザは方向調整コントロールにより仮想車両の移動方向を絶えずに調整することでドリフト状態を終了(退出)する。
【0005】
しかし、上述の関連技術では、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御するときにユーザの操作が煩雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願の実施例は、ユーザの操作を簡素化し、かつ仮想車両のドリフト終了効率を向上させることができる、仮想車両の制御方法と装置及びコンピュータ機器とプログラムの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の実施例の1つの側面によれば、仮想車両の制御方法が提供され、前記方法は端末装置により実行され、前記方法は以下のステップを含み、即ち、
ドリフト状態にある仮想車両を表示するステップであって、前記ドリフト状態は前記仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも大きい状態であり、前記ドリフト角度は前記仮想車両の移動方向と前記仮想車両のヘッド向きとの間の夾角である、ステップ;
第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御するステップ;
スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、前記仮想車両が移動を加速し、かつ前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御するステップ;及び
前記仮想車両のドリフト角度が前記第一閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両が前記ドリフト状態を終了するように制御するステップである。
【0008】
本出願の実施例の1つの側面によれば、仮想車両の制御装置が提供され、前記装置は以下のモジュールを含み、即ち、
ドリフト状態にある仮想車両を表示するために用いられる車両ドリフトモジュールであって、前記ドリフト状態は前記仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも大きい状態であり、前記ドリフト角度は前記仮想車両の移動方向と前記仮想車両のヘッド向きとの間の夾角である、車両ドリフトモジュール;
第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御するために用いられる車両制御モジュール;
スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、前記仮想車両が移動を加速し、かつ前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御するために用いられるドリフト終了加速モジュール;及び
前記仮想車両のドリフト角度が前記第一閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両が前記ドリフト状態を終了するように制御するために用いられる車両ドリフト終了モジュールである。
【0009】
本出願の実施例の1つの側面によれば、本出願の実施例では端末装置が提供され、前記端末装置は処理器及び記憶器を含み、前記記憶器にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは前記処理器によりロードされ実行されることで上述の仮想車両の制御方法を実現する。
【0010】
本出願の実施例の1つの側面によれば、本出願の実施例ではコンピュータ可読記憶媒体が提供され、前記可読記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは前記処理器によりロードされ実行されることで上述の仮想車両の制御方法を実現する。
【0011】
本出願の実施例の1つの側面によれば、コンピュータプログラムプロダクト又はコンピュータプログラムが提供され、該コンピュータプログラムプロダクト又はコンピュータプログラムはコンピュータ命令を含み、該コンピュータ命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。端末装置の処理器はコンピュータ可読記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取り、該処理器は該コンピュータ命令を実行することで、該端末装置が上述の仮想車両の制御方法を実行するようにさせる。
【発明の効果】
【0012】
本出願の実施例で提供される技術案により、以下のような有利な効果を奏する。
【0013】
第一ブレーキコントロールにより、仮想車両のドリフト角度が減少するように制御し、仮想車両のドリフト角度が閾値未満に減少した場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御することで、ドリフト状態からの退出の自動化を実現でき、ユーザが方向調整コントロールにより仮想車両の移動方向又はヘッド向きを頻繁に調整する必要がなくなり、ユーザの操作を簡素化することができ、また、スロットルコントロールにより、仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くし、仮想車両のドリフト状態からの退出を加速することで、仮想車両のドリフト終了効率を向上させることができ、さら、スロットルコントロールにより、仮想車両が加速するように制御することで、ドリフトを加速する移動方式を提供できるため、仮想車両の移動方式をより豊富にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本出願の1つの実施例で提供される仮想車両の制御システムを示す図である。
【
図2】ユーザインターフェースを例示的に示す図である。
【
図3】本出願の1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。
【
図4】ユーザインターフェースを例示的に示す図である。
【
図5】ドリフト角度の変化方式を例示的に示す図である。
【
図6】本出願のもう1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。
【
図7】本出願のもう1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。
【
図8】ユーザインターフェースを例示的に示す図(その1)である。
【
図9】ユーザインターフェースを例示的に示す図(その2)である。
【
図10】ユーザインターフェースを例示的に示す図(その3)である。
【
図11】ユーザインターフェースを例示的に示す図(その4)である。
【
図12】ユーザインターフェースを例示的に示す図(その5)である。
【
図13】仮想車両の制御方式を例示的に示す図である。
【
図14】本出願のもう1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。
【
図15】ユーザが仮想車両を制御することを例示的に示す図である。
【
図16】本出願の1つの実施例で提供される仮想車両の制御装置のブロック図である。
【
図17】本出願のもう1つの実施例で提供される仮想車両の制御装置のブロック図である。
【
図18】本出願の1つの実施例で提供される端末装置の構成のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本出願の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、図面と併せて本出願の実施形態について詳しく説明する。
【0016】
図1を参照し、それは本出願の1つの実施例で提供される仮想車両の制御システムを示す図である。該仮想車両の制御システムは端末装置10及びサーバ20を含み得る。
【0017】
端末装置10は例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ゲーム機、電子書籍リーダー、マルチメディアプレーヤー、ウェアラブルデバイス、PC(Personal Computer(パソコン))などの電子機器であっても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。幾つかの実施例において、端末装置10にはアプリケーションプログラムのクライアントが含まれる。そのうち、該アプリケーションプログラムはダウンロードしてインストールする必要があるアプリケーションプログラムであっても良く、Click-to-Runのアプリケーションプログラムであっても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0018】
本出願の実施例では、上述のアプリケーションプログラムとは、仮想車両が仮想環境で移動するように制御できる任意のアプリケーションプログラムであっても良い。例示として、該アプリケーションプログラムはレーシングゲーム、MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)ゲーム、TPS(Third-Personal Shooting Game)、FPS(First-Person Shooting Game)、マルチプレイヤー銃撃戦サバイバルゲーム、AR(Augmented Reality)アプリケーションプログラム、3次元地図プログラム、ソーシャルアプリケーションプログラム、インタラクティブエンターテインメントアプリケーションプログラムなどであっても良い。また、異なるアプリケーションプログラムについて言えば、提供される仮想車両も異なる形態を有する場合があり、実際のニーズに応じて事前設定されても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。もちろん、例示的な実施例において、同じアプリケーションプログラムは異なる形態を有する複数の仮想車両をユーザに提供しても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0019】
上述の仮想車両とは、ユーザがアプリケーションプログラムで制御する移動可能な仮想アイテムを指す。そのうち、該仮想車両は3次元の形式で表示されても良く、2次元の形式で表示されても良く、さらに、2.5次元の形式で表示されても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。幾つかの実施例において、仮想車両は仮想乗り物と称されても良い。例示として、レーシングゲームでは、仮想車両はユーザがレーシング過程で制御した車両であっても良く、射撃ゲームでは、仮想車両はユーザが仮想環境で捜索した仮想乗り物であっても良く、MOBAゲームでは、仮想車両はユーザの制御によって仮想キャラクタが呼び出した仮想乗り物であっても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0020】
サーバ20は端末装置10にバックグラウンドサービスを提供するために用いられる。サーバ20は1台のサーバであっても良く、複数台のサーバからなるサーバ群であっても良く、又は、1つのクラウドコンピューティングサービスセンターであっても良い。幾つかの実施例において、サーバ20は上述のアプリケーションプログラムのクライアントのためのバックグラウンドサーバであっても良い。例示的な実施例において、サーバ20は複数の端末装置10にバックグラウンドサービスを提供する。
【0021】
上述の端末装置10と上述のサーバ20との間ではネットワークを介してデータ伝送を行う。
【0022】
本出願の実施例では、ユーザは上述のアプリケーションプログラムにおける仮想車両が柔軟に移動するように制御できる。例示として、
図2に示すように、端末装置10のユーザインターフェースには仮想車両21、及び該仮想車両21を制御するための操作コントロールが表示される。そのうち、操作コントロールには方向調整コントロール22、スロットルコントロール23、第一ブレーキコントロール24及び第二ブレーキコントロール25が含まれる。
【0023】
方向調整コントロール22は仮想車両21のヘッド向きを制御するために用いられる。ユーザは方向調整コントロール22に対する操作により、仮想車両21のヘッド向きの調整を制御する。1つの可能な実施方式において、方向調整コントロール22には複数のサブコントロールが含まれ、異なるサブコントロールは異なる調整方向に対する。もう1つの可能な実施方式において、方向調整コントロール22はスライダを含み、ユーザはスライダに対するスライド操作により、仮想車両のヘッド向きを調整し、異なるスライド方向は異なる調整方向に対応する。
【0024】
スロットルコントロール23は仮想車両21が移動を加速するように制御するために用いられる。ユーザはスロットルコントロール23に対する操作により、仮想車両21が移動を加速するように制御する。
【0025】
第一ブレーキコントロール24は仮想車両21が減速又は後退するように制御するために用いられる。仮想車両21が移動を加速する過程では、ユーザは第一ブレーキコントロール24に対するクリック操作により、仮想車両21がゆっくり減速して移動するように制御し、又は、ユーザは第一ブレーキコントロール24に対する持続押下操作により、仮想車両21が速く減速して移動するように制御し、かつ仮想車両21の速度がゼロに減少した(ゼロになった)場合に、上述の持続押下操作が消えていなければ(リリースされていなければ)、仮想車両21が後退するように継続して制御する。
【0026】
第二ブレーキコントロール25は仮想車両21が減速して移動するように制御するために用いられる。そのうち、第二ブレーキコントロール25は上述の第一ブレーキコントロール24とは異なるもう1つのコントロールである。例示として、第一ブレーキコントロール24はフットブレーキコントロールと理解されても良く、第二ブレーキコントロール25はハンドブレーキコントロールと理解されても良い。ユーザは方向調整コントロール22に対する操作及び第二ブレーキコントロール25に対する1回のクリック操作により、仮想車両21がドリフト状態に入るように制御し、その後に、第二ブレーキコントロール25に対する2回のクリック操作により、仮想車両21が、速度がゼロになるまで、急速に減速して移動するように制御する。
【0027】
なお、上述のゆっくり減速して移動し、速く減速して移動し、及び急速に減速して移動するとは、仮想車両の3種類の異なる減速方式を指す。例示として、ゆっくり減速して移動する減速効率は速く減速して移動する減速効率よりも低く、速く減速して移動する減速効率は急速に減少して移動する減速効率よりも低い。
【0028】
幾つかの実施例において、上述の操作コントロールはさらに、窒素コントロール26及びリセットコントロール27を含む。
【0029】
窒素コントロール26は仮想車両21が既に蓄積された窒素資源に従って加速するように制御するために用いられる。ユーザは窒素コントロール26に対する操作により、仮想車両21が既に蓄積された窒素資源を消費して加速するように制御する。幾つかの実施例において、ユーザインターフェースにはさらに窒素指示アイコンが表示される。そのうち、該窒素指示アイコンには複数のサブアイコンが含まれ、該サブアイコンは第一表示様式及び第二表示様式を対応して有する。仮想車両21に既に蓄積される窒素資源の数は第一表示様式で表示されるサブアイコンの数と正の相関関係がある。窒素資源が蓄積される過程では、窒素指示アイコンにはサブアイコンが第二表示様式から第一表示様式に変換される変換過程を、窒素資源が蓄積されることを表すように表示し、窒素資源が消費される過程では、窒素指示アイコンにはサブアイコンが第一表示様式から第二表示様式に変換される変換過程を、窒素資源が消費されることを表すように表示する。
【0030】
リセットコントロール27は仮想車両21がスタック状態又は制御不能状態から抜け出すように制御するために用いられる。仮想車両21が移動する過程では、仮想車両21が特殊な場所に移動することによって仮想車両21が制御不能になった場合に、リセットコントロール27に対する操作により、仮想車両21が該特殊な場所を離れて最も近い非特殊な場所にリセットするように制御し、これによって、仮想車両21が該非特殊な場所から継続して移動し始まるようにさせることができる。
【0031】
なお、上述の操作コントロールについての紹介は例示的かつ説明的なものに過ぎず、例示的な実施例において、操作コントロールの機能を柔軟に設定及び調整することができ、本出願の実施例ではこれについて限定しない。上述の第一ブレーキコントロールを例にとり、仮想車両が加速して移動する過程では、ユーザは第一ブレーキコントロールにより、仮想車両が減速して移動するように制御でき、仮想車両がドリフト状態にある場合には、ユーザは第一ブレーキコントロールにより、仮想車両のドリフト角度が減少するように制御できる。
【0032】
図3を参照し、それは本出願の1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。該方法は
図1に示す仮想車両の制御システムにおける端末装置10により実行され、例えば、各ステップの実行主体は端末装置10におけるアプリケーションプログラムのクライアントであり得る。該方法は以下の幾つかのステップ(301~304)のうちの少なくとも1つのステップを含んでも良い。
【0033】
ステップ301:ドリフト状態にある仮想車両を表示する。
【0034】
ドリフト状態は仮想車両の移動方向とヘッド向きとが不一致の移動状態であり、即ち、仮想車両がドリフト状態にある場合に、仮想車両の移動方向とヘッド向きとの間には夾角が存在する。そのうち、ヘッド向きとは、仮想車両の後方から車両の前方に向かう方向を指す。例示として、
図4に示すように、仮想車両41がドリフト状態にある場合に、仮想車両のヘッド向きと移動方向との間には夾角が存在する。本出願の実施例では、ドリフト状態は仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも大きい状態である。そのうち、ドリフト角度は仮想車両の移動方向と仮想車両のヘッド向きとの間の夾角である。
【0035】
幾つかの実施例において、上述の第一閾値は任意の値、例えば、0°、10°、13°、15°などであっても良く、実際の状況に応じて該第一閾値を柔軟に設定しても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。1つの可能な実施方式において、ドリフト状態のリアリティを向上させるために、上述の第一閾値は0°である。仮想車両の移動過程では、仮想車両にドリフト角度が存在する場合に、クライアントは仮想車両がドリフト状態にあると判定し、言い換えれば、クライアントは仮想車両のドリフト角度がないからあるになるように制御することで、仮想車両がドリフト状態に入るように制御する。もう1つの可能な実施方式において、ユーザが仮想車両のドリフト状態への進入を感知するよう、ドリフト状態の表示効果を向上させるために、上述の第一閾値は0°ではない(即ち、第一閾値は0°よりも大きい)。仮想車両の移動過程では、仮想車両のドリフト角度が所定値よりも大きい場合に、クライアントは仮想車両がドリフト状態にあると判定し、言い換えれば、クライアントは、仮想車両がドリフト状態に入るように制御するために、仮想車両のドリフト角度が所定値に増加するように制御する。
【0036】
本出願の実施例では、クライアントは仮想車両を表示し、そして、仮想車両がドリフト状態に進入した後に、クライアントはドリフト状態にある仮想車両を表示する。幾つかの実施例において、仮想車両は表現向き及び論理方向を対応して有する。そのうち、表現向きは上述のヘッド向きに対応し、仮想車両に対してのユーザの制御期待を表示するために用いられ、論理方向は上述の移動方向に対応し、制御期待に対しての仮想車両の物理システムの実際のフィードバックを表すために用いられる。本出願の実施例では、クライアントは表現向きにより仮想車両のヘッド向きを制御し、論理方向により仮想車両の移動方向を制御する。
【0037】
1つの可能な実施方式において、論理方向と表現向きとの間には計算ルール(規則)が存在する。幾つかの実施例において、クライアントは方向調整コントロールに対するユーザの操作に基づいて仮想車両の表現向きを決定することで、計算パラメータ及び計算ルールを取得し、また、表現向きに基づいて仮想車両の論理方向を決定し、そして、現在の画像フレームにおいて、表現向きに基づいて仮想車両のヘッド向きを制御し、論理方向に基づいて仮想車両の移動方向を制御する。
【0038】
もう1つの可能な実施方式において、論理方向は表現向きの遅延(lag)応答である。幾つかの実施例において、クライアントは方向調整コントロールに対するユーザの操作に基づいて虚車両の表現向きを決定し、仮想車両の過去の表現向きを仮想車両の論理方向として決定し、そして、現在の画像フレームにおいて、表現向きに基づいて仮想車両のヘッド向きを制御し、論理方向に基づいて仮想車両の移動方向を制御する。そのうち、過去の表現向きとは、仮想車両の1つ前の画像フレーム内の表現向きを指す。
【0039】
ステップ302:第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御する。
【0040】
幾つかの実施例において、クライアントには第一ブレーキコントロールが表示される。そのうち、第一ブレーキコントロールは仮想車両が減速して移動し又は後退するように制御するために用いられる。
【0041】
本出願の実施例では、クライアントは上述の第一ブレーキコントロールを表示した後に、該第一ブレーキコントロールに対して検出を行い、第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御する。例示として、上述の第一ブレーキコントロールに対する操作はクリック操作であり、クリック操作とは、或る作用点に対しての瞬時タッチ操作又は押下操作を指し、クライアントは或る作用点に対してのタッチ操作又は押下操作が出現した後に直ぐに消えたことを検出した場合に、該作用点に対してのクリック操作を検出したと決定し、本出願の実施例では、該作用点は第一ブレーキコントロールのトリガ領域内の任意の1つの点であっても良い。幾つかの実施例において、クライアントは或る作用点に対してのタッチ操作又は押下操作を検出した後に、該タッチ操作又は押下操作が直ぐに消えた(例えば、第一時間長閾値内で消えた)ことをも発見した場合に、該作用点に対してのクリック操作を検出したと決定する。幾つかの実施例において、第一時間長閾値は0.3秒、0.5秒、0.7秒などであっても良く、第一時間長閾値の具体的な値は当業者が実際の状況に応じて設定しても良く、本出願の実施例ではこれについて具体的に限定しない。もちろん、例示的な実施例において、実際の状況に応じて、上述の第一ブレーキコントロールに対する操作、例えば、スライド操作、ドラッグ操作、対応するキーの押下操作などを柔軟に設定及び調整することができ、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0042】
幾つかの実施例において、クライアントは仮想車両のグリップ力(traction又はgrip)を増加させることで、仮想車両のドリフト角度が減少するように制御する。グリップ力は仮想車両と地面との間の抵抗力を表すために用いられる。そのうち、グリップ力とドリフト角度との間には負の相関関係がある。即ち、ドリフト角度が大きいほど、グリップ力が小さくなり、ドリフト角度が小さいほど、グリップ力は大きくなる。幾つかの実施例において、ドリフト状態にあるときに、仮想車両のドリフト角度が増大し、仮想車両のグリップ力が減少し、このときに、仮想車両と地面との間の抵抗力が小さくなり、仮想車両がスリップするため、仮想車両のドリフト角度はさらに増大し、グリップ力はさらに減少し、その後に、第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両がドリフト状態から退出する準備を開始し、仮想車両のグリップ力を増加させ、このときに、仮想車両と地面との間の抵抗力が増大し、仮想車両のスリップが弱くなり、仮想車両のドリフト角度が減少するため、仮想車両のグリップ力はさらに増加する。幾つかの実施例において、グリップ力は仮想車両と地面との間の摩擦力であっても良く、該摩擦力と正の相関がある1つの力であっても良い。該実施例では、グリップ力がドリフト角度の減少速度と正の相関関係があるから、グリップ力を増加させることで、仮想車両のドリフト角度を速く減少させることを実現できるため、ドリフト状態から離れるに必要な時間を短縮できる。
【0043】
出願の実施例では、クライアントは第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御し、かつ仮想車両が減速して移動するように制御する。幾つかの実施例において、クライアントは仮想車両のドリフト角度が減少するように制御すると同時に、第二基本加速度に基づいて、仮想車両が減速して移動するように制御する。そのうち、第二基本加速度とは、上述の第一ブレーキコントロールに対する操作に対応する加速度である。
【0044】
ステップ303:スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、仮想車両が加速して移動し、かつ仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御する。
【0045】
幾つかの実施例において、クライアントにはスロットルコントロールが表示される。そのうち、スロットルコントロールは仮想車両が加速して移動するように制御するために用いられる。
【0046】
本出願の実施例では、クライアントは上述のスロットルコントロールを表示した後に、該スロットルコントロールに対して検出を行い、スロットルコントロールに対する第一操作を検出した場合に、仮想車両が加速して移動し、かつ仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御する。例示として、上述のスロットルコントロールに対する第一操作はクリック操作であり、該クリック操作とは、スロットルコントロールのトリガ領域における任意の1つの作用点に対しての瞬時押下操作である。もちろん、例示的な実施例において、実際の状況に応じて上述のスロットルコントロールに対する第一操作、例えば、スライド操作、ドラッグ操作、対応するキーの押下操作などを柔軟に設定及び調整することもでき、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0047】
幾つかの実施例において、クライアントは仮想車両のグリップ力を増加させることで、仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くする。そのうち、グリップ力はドリフト角度の減少速度と正の相関関係があり、即ち、グリップ力が大きいほど、ドリフト角度の減少速度が速くなり、グリップ力が小さくなり、ドリフト角度の減少速度が大きくなる。例示として、スロットル操作コントロールに対する第一操作を検出した場合に、仮想車両の現在のグリップ力をもとに仮想車両のグリップ力を増加させ、このときに、仮想車両と地面との間の抵抗力が本来よりもさらに増大するため、仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くすることができる。
【0048】
幾つかの実施例において、クライアントはスロットルコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両の第一基本加速度に追加の第一加速度を重ね合わせて仮想車両の第一目標加速度を取得し、そして、第一目標加速度に基づいて、仮想車両が加速して移動するように制御する。そのうち、第一基本加速度とは、上述のスロットルコントロールに対する第一操作に対応する加速度である。該実施例では、スロットルコントロールにより第一加速度を重ね合わせることで、仮想車両の加速方式がリアルな加速方式により近くなるようにさせ、仮想車両の制御過程のリアリティを向上させることができるため、ユーザが仮想車両の制御方式に慣れることに有利であり、ユーザが仮想車両の制御操作を学ぶための時間及び労力を減少させ、ユーザの制御体験を向上させることができる。
【0049】
ステップ304:仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御する。
【0050】
本出願の実施例では、ドリフト角度が次第に減少する過程では、クライアントはドリフト角度に対して検出を行い、仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御する。1つの可能な実施方式において、上述の第一閾値は0°である。クライアントは仮想車両のヘッド向きと移動方向との間に夾角が存在しないと決定した場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御する。もう1つの可能な実施方式において、上述の第一閾値は0°ではない。クライアントは仮想車両のヘッド向きと移動方向との間の夾角が所定値よりも小さいと決定した場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御することで、ドリフト状態とドリフト状態の終了との間の遅延を回避できる。
【0051】
幾つかの実施例において、仮想車両はドリフト状態から退出した後に平坦走行状態に入る。そのうち、平坦走行状態とは、仮想車両が浮遊せず、ドリフトせず、窒素資源を使用しない場合に前へ走行(例えば、加速走行、定速走行、減速走行)する状態を指す。幾つかの実施例において、仮想車両が浮遊しないとは、仮想車両のタイヤがすべて地面に着いている状態を指し、仮想車両の1つ又は複数のタイヤが地面に着かない場合に、仮想車両が非平坦走行状態にあると見なし得る。
【0052】
なお、本出願の実施例では、ドリフト角度が減少する過程はドリフト終了過程(即ち、ドリフト状態を退出する過程)と称されても良く、ドリフト状態にある仮想車両について、クライアントは第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、ドリフト終了過程が開始すると決定し、スロットルコントロールに対する第一操作を検出した場合に、ドリフトの終了を加速すると決定し、ドリフト角度が第一閾値以下になった場合に、ドリフト終了過程が終わったと決定する。
【0053】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、第一ブレーキコントロールにより、仮想車両のドリフト角度が減少するように制御し、仮想車両のドリフト角度が閾値以下に減少した場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御し、ドリフト状態からの退出の自動化を実現でき、ユーザが方向調整コントロールにより仮想車両の移動方向又はヘッド向きを頻繁に調整する必要がなくなり、ユーザの操作を簡素化することができ、また、スロットルコントロールにより、仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くし、仮想車両のドリフト状態からの退出を加速することで、仮想車両のドリフト終了効率を向上させることができ、さら、スロットルコントロールにより、仮想車両が加速するように制御することで、ドリフトを加速する移動方式を提供できるため、仮想車両の移動方式をより豊富にすることができる。
【0054】
また、グリップ力をドリフト角度の減少速度に関連付けさせ、グリップ力を増加させることでドリフト角度の減少速度を上げ、また、具体的なパラメータを採用して仮想車両を制御し、動画の自動再生と比較して、仮想車両のドリフト終了過程における移動表現はよりリアルになる。
【0055】
また、スロットルコントロールに対する第一操作に対応する第一基本加速度に追加の第一加速度を重ね合わせることで、仮想車両が加速して移動するように制御し、一方では、具体的なパラメータを採用して仮想車両を制御するため、仮想車両のドリフト終了過程における移動表現はよりリアルになり、他方では、加速度を重ね合わせる方式で、仮想車両がドリフト状態を終了する前にドリフトを加速する移動方式を提供できるため、仮想車両の移動方式を豊富にすることができる。
【0056】
以下、上述のドリフト角度の減少方式について紹介する。
【0057】
例示的な実施例において、上述のステップ302は以下の少なくとも1つのステップを含む。
【0058】
1:次の1つの時間スタンプにおける仮想車両の目標ヘッド向きを取得する。
【0059】
時間スタンプは画像フレームの表示時刻を指示するために用いられる。幾つかの実施例において、1つ前の時間スタンプは1つ前の画像フレームの表示時刻を指示するために用いられ、現在の時間スタンプは現在の画像フレームの表示時刻を指示するために用いられ、次の1つの時間スタンプは次の1つの画像フレームの表示時刻を表示するために用いられる。そのうち、隣接する2つの時間スタンプの間の時間間隔は単位時間であり、該単位時間は隣接する2つの画像フレームの間の時間間隔である。例示として、該単位時間は任意の値、例えば、0.025s(second/秒)、0.033s、0.050sなどであっても良く、また、実際の状況に応じて該単位時間を柔軟に設定及び調整しても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0060】
本出願の実施例では、クライアントは仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御するときに、次の1つの時間スタンプにおける仮想車両の目標ヘッド向きを取得する。幾つかの実施例において、クライアントは方向調整コントロールに対する操作に基づいて目標ヘッド向きを決定でき、仮想車両の過去のヘッド向きに基づいて仮想車両の目標ヘッド向きをも決定できる。そのうち、過去のヘッド向きとは、仮想車両の現在の時間スタンプにおけるヘッド向きを指す。
【0061】
1つの可能な実施方式において、クライアントは方向調整コントロールに対する操作に基づいて目標ヘッド向きを決定する。幾つかの実施例において、ドリフト角度が減少する過程では、クライアントは方向調整コントロールに対する操作を検出した場合に、該方向調整コントロールに対する操作に基づいて上述の目標ヘッド向きを決定し、又は、クライアントは方向調整コントロールに対する操作を検出しない場合に、検出された最新(最も近い1回)の方向調整コントロールに対する操作に基づいて目標ヘッド向きを決定する。
【0062】
もう1つの可能な実施方式において、クライアントは仮想車両の過去のヘッド向きに基づいて仮想車両のヘッド向きを決定する。幾つかの実施例において、ドリフト角度が減少する過程では、クライアントは仮想車両の現在の時間スタンプにおけるヘッド向きを上述の目標ヘッド向きとして得る。
【0063】
なお、上述の目標ヘッド向きの取得方式についての紹介は例示的かつ説明的なものに過ぎず、例示的な実施例において、実際の状況に応じて該目標ヘッド向きの取得方式を柔軟に設定及び調整しても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。例示として、ドリフト角度が減少する過程では、ユーザは方向調整コントロールにより仮想車両のヘッド向きを調整でき、クライアントは方向調整コントロールに対する操作を検出した場合に、該操作に基づいて次の1つの時間スタンプにおける仮想車両の目標ヘッド向きを決定し、クライアントは方向調整コントロールに対する操作を検出しない場合に、仮想車両の現在の時間スタンプにおけるヘッド向きを上述の目標ヘッド向きとして決定する。
【0064】
2:目標ヘッド向きに基づいて、次の1つの時間スタンプにおける仮想車両の目標移動方向を決定する。
【0065】
本出願の実施例では、目標ヘッド向きと目標移動方向との間には関連付け関係があり、クライアントは上述の目標ヘッド向きを決定し後に、目標ヘッド向きに基づいて、次の1つの時間スタンプにおける仮想車両の目標移動方向を決定する。なお、本出願の実施例では、目標移動方向と目標ヘッド向きとの間の夾角は現在の時間スタンプにおける移動方向とヘッド向きとの間の夾角よりも小さい。
【0066】
幾つかの実施例において、クライアントは上述の目標移動方向を得るときに、仮想車両の現在の時間スタンプにおけるグリップ力及び移動方向、及び目標ヘッド向きに基づいて、移動方向の角度変化量を決定する。そのうち、グリップ力は単位時間内の移動方向の角度変化量と正の相関関係がある。その後に、クライアントは現在の時間スタンプにおける移動方向及び移動方向の角度変化量に基づいて、仮想車両の次の1つの時間スタンプにおける目標移動方向を決定する。
【0067】
3:仮想車両が次の1つの時間スタンプにおいて目標移動方向に基づいて移動するように制御する。
【0068】
本出願の実施例では、クライアントは上述の目標ヘッド向き及び上述の目標移動方向を決定した後に、仮想車両が次の1つの時間スタンプにおいて目標移動方向に基づいて移動するように制御し、仮想車両が示すヘッド向きは上述の目標ヘッド向きである。
【0069】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、目標ヘッド向きにより目標移動方向を決定し、ヘッド向きを移動方向に関連付けさせ、ユーザはヘッド向きを制御しながら移動方向を制御する必要がなく、仮想車両に対するユーザの操作を簡素化し、仮想車両に対するユーザの制御効率を向上させることができ、また、仮想車両の現在の時間スタンプにおけるグリップ力及び移動方向、及び次の1つの時間スタンプにおける仮想車両の目標ヘッド向きに基づいて、移動方向の角度変化量を決定し、そして、目標移動方向を決定することで、仮想車両のフレーム毎の変化を実現でき、かつ次の1つの画像フレームの変化が現在の画像フレームにおけるパラメータに依存するため、仮想車両の変化がよりリアルかつスムーズなものになるようにさせることができる。
【0070】
なお、上述のステップ302におけるドリフト角度の変化方式は同様にステップ303におけるドリフト角度の変化方式に適用できる。
【0071】
例示として、仮想車両のヘッド向きがd(t)、移動方向がv(t)、グリップ力がFz、単位時間がΔtであるとし、この場合に、仮想車両の目標移動方向の反復(iteration)公式は以下のとおりである。
【0072】
【数1】
グリップ力とドリフト角度との間には負の相関関係がある。クライアントは第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両のグリップ力を増加させ、上述の反復公式から分かるように、この過程では、仮想車両の移動方向は次第にヘッド向きに近くなり、仮想車両のドリフト角度は次第に減少し、そして、スロットルコントロールに対する操作を検出した場合に、元のベースで継続して仮想車両のグリップ力を増加させ、上述の反復公式から分かるように、この過程では、仮想車両の移動方向がヘッド向きに接近する速度は速くなり、仮想車両のドリフト角度の減少は速くなる。
【0073】
例示として、
図5を参照し、仮想車両の開始(初期)ヘッド向きが90°であることを例にとり、クライアントは第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御し、スロットルコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両がドリフト角度の減少を加速するように制御する。
【0074】
幾つかの実施例において、ドリフト状態から退出した後に、仮想車両は加速移動を保つ。以下、仮想車両がドリフト状態を終了した後に加速して移動する方式について紹介する。
【0075】
1つの可能な実施方式において、上述のステップ304の後にさらに次のようなサブステップが含まれ、即ち、ドリフト状態の退出(終了)時刻からの第一時間長内で仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0076】
本出願の実施例では、クライアントは仮想車両がドリフト状態を終了したと決定した後に、ドリフト状態の退出時刻からの第一時間長内で仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0077】
幾つかの実施例において、クライアントは仮想車両が加速して移動するように制御するときに、仮想車両の第一基本加速度をもとに追加の第二加速度を重ね合わせて仮想車両の第二目標加速度を取得し、そして、ドリフト状態の退出時刻からの第一時間長内で第二目標加速度に基づいて仮想車両が加速して移動するように制御する。該実施例では、加速度の重ね合わせにより、仮想車両が加速して移動するように制御し、異なる場合に第一基本加速度が通常異なるため、同じ第二加速度を重ね合わせた後に第二目標加速度も毎回異なるようになるため、毎回の加速度が同じであるという退屈な加速方式を避け、ドリフト終了後の仮想車両の加速の多様性を高め、ユーザ体験を向上させることができる。そのうち、上述の第二加速度は上述の第一加速度と同じであっても良く、異なっても良く、本出願の実施例ではこれについて限定せず、また、上述の第一時間長は任意の時間長、例えば、0.2s、0.3s、0.4sなどであっても良く、実際の状況に応じて該第一時間長を柔軟に設定及び調整しても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0078】
幾つかの実施例において、第一時間長の後に、クライアントは上述の第一基本加速度に基づいて、仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0079】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、ドリフト終了後に、仮想車両が加速して移動するように自動制御するため、ユーザの操作を簡素化できる。
【0080】
もう1つの可能な実施方式において、上述のステップ304の後にさらに以下の少なくとも1つのサブステップが含まれる。
【0081】
1:スロットルコントロールに対する第二操作を検出した場合に、第二操作の持続期間内で仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0082】
本出願の実施例では、クライアントは仮想車両がドリフト状態を終了したと決定した後に、スロットルコントロールに対して検出を行い、スロットルコントロールに対する第二操作を検出した場合に、第二操作の持続期間内で仮想車両が加速して移動するように制御する。例示として、上述のスロットルコントロールに対する第二操作は持続押下操作であり、持続押下操作とは、或る作用点に対して持続的に押下する時間長が第二時間長閾値を超えた操作を指し、クライアントは或る作用点に対しての押下操作が出現し、かつ所定期間継続した後に消えたことを検出した場合に、該作用点に対しての持続押下操作を検出したと決定し、本出願の実施例では、該作用点はスロットル操作コントロールのトリガ領域における任意の1つの点であっても良い。幾つかの実施例において、第二時間長閾値は0.5秒、0.7秒、1秒、1.5秒、2秒などであっても良く、第二時間長閾値の具体的な値は当業者が実際の状況に応じて設定でき、本出願の実施例ではこれについて具体的に限定しない。
【0083】
幾つかの実施例において、クライアントは仮想車両が加速して移動するように制御するときに、仮想車両の第一基本加速度をもとに追加の第三加速度を重ね合わせて仮想車両の第三目標加速度を取得し、そして。第二操作の持続期間内で第三目標加速度に基づいて仮想車両が加速して移動するように制御する。そのうち、上述の第三加速度は上述の第二加速度と同じであっても良く、異なっても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0084】
なお、本出願の実施例では、上述の第二操作の検出時刻は仮想車両がドリフト状態を終了した時刻であるが、ユーザの該第二操作に対するトリガ時刻は、ドリフト角度が速く減少すると決定した時刻と、仮想車両がドリフト状態を終了すると決定した時刻との間にある任意の時刻であっても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0085】
2:ドリフト状態の退出時刻から第二操作の持続時間長が最大応答値に達した場合に、第一提示情報を表示する。
【0086】
本出願の実施例では、クライアントは上述の第二操作を検出した後に、該第二操作の持続時間長を計時し、ドリフト状態の退出時刻から第二操作の持続時間長が最大応答値(例えば、上述の第二時間長閾値)に達した場合に、第一提示情報を表示する。そのうち、第一提示情報はスロットル全開スキルがトリガされたことを指示するための提示情報である。例示として、第一提示情報は、第二操作の持続時間長が上述の最大応答値に達したことを指示するために用いられると理解されても良い。幾つかの実施例において、スロットル全開スキルとは、スロットルに対する第二操作の持続時間長が最大応答値に達した後に、スロットルコントロールによる車両の加速の加速効果が頂点に達しており、仮想車両がさらに加速できないことを指す。
【0087】
上述の最大応答値とは、ドリフト状態の退出時刻から上述の第二操作の最大応答時間長を指す。第二操作の持続時間長が最大応答値に達した場合に、ユーザが継続して該第二操作をトリガしても、クライアントは該第二操作に応答しない。幾つかの実施例において、第二操作の持続時間長が最大応答値に達した後に、クライアントは上述の第一基本加速度に基づいて、仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0088】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、第二操作の持続時間長に基づいて仮想車両の加速時間長を決定し、ユーザが実際の状況に応じて仮想車両の加速時間長を選択できるため、ユーザ操作の柔軟性を上げることができ、また、第二操作の持続時間長が最大応答値に達した後に、第一提示情報を表示することで、第二操作の持続時間長が最大応答値に達したことを表示できるため、非応答期間内でユーザが継続して第二操作をトリガすることを回避できる。
【0089】
もう1つの可能な実施方式において、上述のステップ304の後にさらに以下の少なくとも1つのサブステップが含まれる。
【0090】
1:ドリフト状態の退出時刻からの第一時間長内で、仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0091】
2:第一時間長の終了時刻から、スロットルコントロールに対する第二操作を検出した場合に、第二操作の持続期間内で仮想車両が加速して移動するように継続して制御する。
【0092】
そのうち、上述の第二操作の検出時刻は第一時間長の終了時刻であり、ユーザの該第二操作に対するトリガ時刻は、ドリフト角度が速く減少すると決定した時刻から、第一時間長の終了時刻までの間にある任意の時刻であっても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0093】
3:第一時間長の終了時刻から第二操作の持続時間長が最大応答値に達した場合に、第一提示情報を表示する。
【0094】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、ドリフト終了後に、先に、仮想車両が加速して移動するように自動制御し、そして、第二操作の持続時間長に基づいて、仮想車両の加速移動時間長を延長することで、ユーザの操作を簡素化することができるとともに、ユーザに加速移動時間長の柔軟な選択方式を提供することもできる。
【0095】
図6を参照し、それは本出願のもう1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。該方法は
図1に示す仮想車両の制御システムにおける端末装置10により実行され、例えば、各ステップの実行主体は端末装置10におけるアプリケーションプログラムのクライアントであっても良い。該方法は以下の幾つかのステップ(601~604)のうちの少なくとも1つのステップを含んでも良い。
【0096】
ステップ601:ドリフト状態にある仮想車両を表示する。
【0097】
ステップ602:第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御する。
【0098】
上述のステップ601及び602は
図3の実施例における301及び302と同様であり、具体的には
図3の実施例を参照でき、ここではその詳しい説明を省略する。
【0099】
ステップ603:スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、仮想車両のドリフト角度に基づいて仮想車両の移動方式を決定する。
【0100】
幾つかの実施例において、クライアントはスロットルコントロールに対する第一操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度が第二閾値よりも小さいときに、仮想車両が加速して移動し、かつ仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御する。また、第二提示情報を表示し、該第二提示情報はカーブからイジェクト(eject)するスキルがトリガされたことを指示するための提示情報である。例示として、該第二提示情報は、仮想車両が目標ドリフト終了状態に入ることを指示するために用いられると理解されても良い。そのうち、目標ドリフト終了状態とは、仮想車両の速度を加速し、かつドリフト角度の減少速度を加速する移動方式を指す。例示として、該目標ドリフト終了状態は、ドリフトを速く終了する状態、又は、ドリフトの終了を加速する状態、又は、カーブからイジェクトする状態、又は、カーブから抜け出すことを加速する状態と称されても良い。該実施例では、提示情報を表示することで、ユーザは、仮想車両がカーブからイジェクトするスキルがトリガされており、かつ後続の操作を行っても良いということをタイムリーに知ることができるため、ユーザの操作効率を向上させることができる。
【0101】
幾つかの実施例において、クライアントはスロットルコントロールに対する第一操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度が第三閾値よりも大きいときに、仮想車両が制御不能状態にあると決定する。そのうち、制御不能状態にあるときに、仮想車両のグリップ力がゼロに近づき、上述の反復公式から分かるように、仮想車両のグリップ力がゼロに近づく場合に、仮想車両の移動方向は調整できない。このときに、クライアントは、仮想車両が制御不能状態からグリップ復元状態(即ち、地面をグリップすることを復元する状態)に切り替えるように制御する必要がある。幾つかの実施例において、クライアントは仮想車両のグリップ力が増加するように制御することで、仮想車両が制御不能状態から退出するように制御し、また、スロットルコントロールに対する第一操作を検出しており、かつ仮想車両のドリフト角度が第三閾値よりも大きい場合に、クライアントは第三提示情報を表示し、該第三提示情報はグリップ復元スキルがトリガされたことを指示するための提示情報である。例示として、該第三提示情報は、仮想車両がグリップ復元状態に入ることを指示するために用いられると理解されても良い。該実施例では、スロットルに対する第一操作により、制御不能状態下の仮想車両を制御可能なグリップ復元状態に復元することができるため、仮想車両が制御不能状態にある時間長をできるだけ減少させ、ユーザの仮想車両に対する制御感及び制御体験を維持することができる。また、提示情報により、地面をグリップすることが回復した旨をユーザに提示することで、ユーザがグリップ復元のための操作を継続して実行することを回避でき、不必要な操作を減少させ、ユーザの操作効率を向上させることができる。
【0102】
幾つかの実施例において、グリップ状態を復元するとは、仮想車両のグリップ力を復元することで、仮想車両が制御不能状態を出て制御可能状態に戻るようにさせることを指す。
【0103】
幾つかの実施例において、仮想車両のグリップ力がゼロに近づくとは、仮想車両のグリップ力が第四閾値以下になることを指し、第四閾値の具体的な値は当業者が実際の状況に応じて設定でき、本出願の実施例ではこれについて具体的に限定しない。
【0104】
幾つかの実施例において、クライアントはスロットルコントロールに対する第一操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度が第二閾値よりも大きく、かつ第三閾値よりも小さいときに、仮想車両のドリフト角度が継続して次第に減少するように制御し、かつ仮想車両の第一基本加速度に基づいて仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0105】
なお、上述の第二閾値及び上述の第三閾値は任意の値であっても良く、例えば、第二閾値は40°、45°、50°などであっても良く、第三閾値は65°、67°、80°などであっても良く、第二閾値及び可第三閾値の具体的な値は当業者が実際の状況に応じて設定でき、本出願の実施例ではこれについて限定しない。そのうち、第二閾値は第三閾値よりも小さい。
【0106】
ステップ604:仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御する。
【0107】
上述のステップ604は
図3の実施例における304と同様であり、具体的には
図3の実施例を参照でき、ここではその詳しい説明を省略する。
【0108】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、第一ブレーキコントロールとスロットルコントロールとの組み合わせにより、仮想車両がドリフトする過程では、ドリフト角度が異なる場合に仮想車両に異なる移動方式を提供し、仮想車両の移動方式を豊富にすることができ、また、仮想車両のドリフト角度が比較的に大きい場合に、第一ブレーキコントロール及びスロットルコントロールにより、仮想車両が制御不能状態からグリップ復元状態に戻るように制御し、仮想車両のドリフト角度が比較的に小さい場合に、第一ブレーキコントロール及びスロットルコントロールにより、仮想車両がドリフトを速く終了するように制御し、仮想車両のドリフト角度が大きくなくかつ小さくない場合に、ドリフト角度の減少を安定し維持し、異なるドリフト角度の設定により、仮想車両の移動がよりリアルになるようにさせ、ユーザに没入型の体験を提供することに有利である。
【0109】
図7を参照し、それは本出願のもう1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。該方法は
図1に示す仮想車両の制御システムにおける端末装置10により実行され、例えば、各ステップの実行主体は端末装置10におけるアプリケーションプログラムのクライアントであっても良い。該方法は以下の幾つかのステップ(701~706)のうちの少なくとも1つのステップを含み得る。
【0110】
ステップ701:方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールが何れもトリガされている状態にあることを検出した場合に、仮想車両がドリフト状態に入るように制御する。
【0111】
幾つかの実施例において、クライアントには方向調整コントロールが表示され、該方向調整コントロールは仮想車両のヘッド向きを調整するために用いられる。
【0112】
1つの可能な実施方式において、方向調整コントロールには複数のサブコントロールが含まれ、異なるサブコントロールは異なる調整方向に対応する。幾つかの実施例において、ユーザは異なるサブコントロールにより異なる調整方向を制御し、クライアントは目標サブコントロールに対する操作を検出した場合に、該操作の属性情報に基づいて仮想車両のヘッド向き目標サブコントロールにより指示される方向の調整を制御する。例示として、属性情報はクリック回数を含み、かつクリック回数は向き調整度合いと正の相関関係があり、即ち、クリック回数が大きいほど、向き調整度合いが大きくなり、クリック回数が小さいほど、向き調整度合いが小さくなり、又は、属性情報は押下時間長を含み、かつ押下時間長は向き調整度合いと正の相関関係があり、即ち、押下時間長が長いほど、向き調整度合いが大きくなり、クリック回数が小さいほど、押下時間長が短くなる。
【0113】
もう1つの可能な実施方式において、方向調整コントロールはスライダを含み、ユーザはスライダに対するスライド操作により、仮想車両のヘッド向きを調整し、異なるスライド方向は異なる調整方向に対応する。幾つかの実施例において、クライアントは該スライダに対するスライド操作を検出した場合に、該スライド操作の属性情報に基づいて仮想車両のヘッド向きを調整するように制御する。例示として、属性情報はスライド方向及びスライド距離を含み、クライアントは該スライド方向に基づいてヘッド向きについての調整方向を決定し、該スライド距離に基づいてヘッド向きについての調整角度を決定する。
【0114】
本出願の実施例では、クライアントは方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールが何れもトリガされている状態にあると検出した場合に、仮想車両がドリフト状態に入るように制御する。そのうち、方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールが何れもトリガされている状態にあるとは、ユーザが方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールを同時にトリガした或る時刻が存在することを指し、2つの操作コントロールに対してのトリガ開始時刻とトリガ終了時刻が同じであるか、又は異なるかについては、本出願の実施例では限定しない。
【0115】
なお、本出願の実施例では、第二ブレーキコントロールは第一ブレーキコントロールとは異なるもう1つのコントロールである。例示として、第二ブレーキコントロールはハンドブレーキコントロールと理解されても良く、該ハンドブレーキコントロールにより、仮想車両がゼロに減速した後にタイヤロック状態に入るように制御でき、第一ブレーキコントロールはフットブレーキコントロールと理解されても良く、該フットブレーキコントロールにより、仮想車両がゼロに減速した後に後退を開始するように制御できる。
【0116】
上述の実施例では、方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールが何れもトリガされている状態にあると検出した場合に、仮想車両がドリフト状態に入るように制御することで、仮想車両のドリフトがリアルな状況に近くなるようにさせることができるため、仮想車両を制御するリアリティ及び操作体験を向上させることができる。
【0117】
ステップ702:第二ブレーキコントロールに対する操作に応じて、仮想車両が、速度がゼロになるまで、減速して移動するように制御する。
【0118】
本出願の実施例では、仮想車両ドリフト状態にある場合に、クライアントは第二ブレーキコントロールに対する操作を検出したときに、仮想車両が、速度がゼロになるまで、減速して移動するように制御する。ブレーキにより仮想車両が減速するように制御することで、仮想車両の減速方式がリアルな状況に近くなるようにさせることができるため、仮想車両を制御するリアリティを向上させることができる。幾つかの実施例において、仮想車両の速度がゼロに減少した後に、仮想車両はタイヤロック状態に進入でき、即ち、仮想車両は移動を停止する。
【0119】
ステップ703:第二ブレーキコントロールに対する操作を検出しない場合に、ドリフト状態にある仮想車両を表示するように制御する。
【0120】
ステップ704:第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御する。
【0121】
ステップ705:スロットルコントロールに対する第一操作に応じて、仮想車両が加速して移動し、かつ仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御する。
【0122】
ステップ706:仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御する。
【0123】
上述のステップ703~706は
図3の実施例におけるステップ301~304と同様であり、具体的には
図3の実施例を参照でき、ここではその詳しい説明を省略する。
【0124】
例示として、
図8乃至12を参照し、ドリフト状態及びドリフト状態退出後の仮想車両の移動方式について紹介する。
図8に示すように、仮想車両81は平坦走行状態にある。その後に、方向調整コントロール82及び第二ブレーキコントロール83が同時にトリガされていることを検出した場合に、
図9に示すように、仮想車両81がドリフト状態に入るように制御する。その後に、
図10に示すように、仮想車両81がドリフト状態にある場合に、第一ブレーキコントロール84に対する操作を検出した場合に、仮想車両81のドリフト角度が減少するように制御することで、仮想車両81がドリフトの終了を開始するように制御する。その後に、
図11に示すように、仮想車両81がドリフト状態にある場合に、スロットルコントロール85に対するクリック操作を検出した場合に、仮想車両81のドリフト角度が第二閾値よりも小さいときに、仮想車両81のドリフト角度の減少を加速するように制御し、また、仮想車両81が加速して移動するように制御し、それと同時に、第二提示情報86を表示することで、仮想車両81がカーブからイジェクトする状態に入ったことを指示する。その後に、仮想車両81のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、仮想車両81はドリフト状態から退出して再び平坦走行状態に入り、そして、仮想車両81が継続して加速して0.3s移動するように自動制御し、その後に、
図12に示すように、スロットルコントロール85に対する持続押下操作を検出した場合に、持続押下操作の持続期間内で仮想車両81の加速移動を延長し、そして、持続押下操作の持続時間長が0.5sに達した場合に、第一提示情報87を表示することで、第二操作の持続時間長が最大応答値に達したことを表示する。
【0125】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、方向調整コントロールと第二ハンドブレーキコントロールとの組み合わせにより、仮想車両がドリフト状態に入るように制御し、その後に、再び第二ハンドブレーキコントロールにより仮想車両が移動を停止するように制御し、これによって、新しいドリフトコントロールを設定しなくても仮想車両がドリフト状態に入るように制御できるため、ユーザインターフェースのシンプルさを向上させることができる。
【0126】
また、
図13を参照して、仮想車両がドリフト状態からドリフト状態を退出するまでの移動フローについて紹介する。具体的なステップは以下のとおりである。
【0127】
ステップ1301:方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールが同時にトリガされていると検出した場合に、ドリフト状態にある仮想車両を表示する。
【0128】
ステップ1302:第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御する。
【0129】
ステップ1303:スロットルコントロールに対する第一操作を検出した場合に、仮想車両のドリフト角度を得る。
【0130】
ステップ1304:仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さいかを判断し、仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、ステップ1305を実行し、仮想車両のドリフト角度が第一閾値以上の場合に、ステップ1306を実行する。
【0131】
ステップ1305:仮想車両がドリフト角度の減少を加速し、かつ仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0132】
ステップ1306:仮想車両のドリフト角度が第二閾値よりも大きいかを判断し、仮想車両のドリフト角度が第二閾値よりも大きい場合に、ステップ1307を実行し、仮想車両のドリフト角度が第二閾値以下の場合に、ステップ1308を実行する。
【0133】
ステップ1307:仮想車両のグリップ力を増加させることで、仮想車両が制御不能状態からグリップ復元状態に切り替えるように制御する。
【0134】
ステップ1308:仮想車両のドリフト角度が継続して減少するように制御する。
【0135】
ステップ1309:仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも小さい場合に、仮想車両がドリフト状態を終了すると決定する。
【0136】
ステップ1310:スロットルコントロールに対する第二操作を検出したかを判断し、スロットルコントロールに対する第二操作を検出した場合に、ステップ1312を実行し、スロットルコントロールに対する第二操作を検出しない場合に、ステップ1311を実行する。
【0137】
ステップ1311:第一時間長内で仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0138】
ステップ1312:第二操作の持続時間長内で仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0139】
ステップ1313:第二操作の持続時間長が最大応答値に達したかを判断し、第二操作の持続時間長が最大応答値に達した場合に、ステップ1314を実行し、第二操作の持続時間長が最大応答値に達しない場合に、ステップ1312を継続して実行する。
【0140】
ステップ1314:第一提示情報を表示する。
【0141】
以下、仮想車両のドリフト状態にないときの移動方式について紹介する。
【0142】
図14を参照し、それは本出願のもう1つの実施例で提供される仮想車両の制御方法のフローチャートである。該方法は
図1に示す仮想車両の制御システムにおける端末装置10により実行され、例えば、各ステップの実行主体は端末装置10におけるアプリケーションプログラムのクライアントであっても良い。該方法は以下の幾つかのステップ(1401~1402)のうちの少なくとも1つのステップを含み得る。
【0143】
ステップ1401:スロットルコントロールに対するクリック操作に応じて、仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0144】
スロットルコントロールは仮想車両が加速して移動するように制御するために用いられる。本出願の実施例では、クライアントはスロットルコントロールに対するクリック操作を検出した場合に、仮想車両が加速して移動するように制御する。幾つかの実施例において、スロットルコントロールは第一基本加速度を対応して有し、クライアントは該第一基本加速度に基づいて仮想車両が加速して移動するように制御する。そのうち、該第一基本加速度の方向は仮想車両の移動方向と同じである。
【0145】
ステップ1402:第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、仮想車両が減速して移動するように制御する。
【0146】
第一ブレーキコントロールは仮想車両が減速して移動し又は後退するように制御するために用いられる。本出願の実施例では、クライアントは第一ブレーキコントロールに対する操作を検出した場合に、仮想車両が減速して移動するように制御する。
【0147】
1つの可能な実施方式において、上述の操作はクリック操作である。クライアントは第一ブレーキコントロールに対するクリック操作を検出した場合に、仮想車両が、速度がゼロになるまで、減速して移動するように制御する。幾つかの実施例において、第一ブレーキコントロールは第二基本加速度を対応して有し、クライアントは該第二基本加速度に基づいて仮想車両が減速して移動するように制御する。そのうち、該第二基本加速度の方向は仮想車両の移動方向と相反する。
【0148】
もう1つの可能な実施方式において、上述の操作は持続押下操作である。本出願の実施例では、クライアントは第一ブレーキコントロールに対する持続押下操作を検出した場合に、仮想車両が減速して移動するように制御し、そして、仮想車両の速度がゼロに減少し、かつ該持続押下操作が消えていない場合に、仮想車両が後退するように制御する。幾つかの実施例において、第一ブレーキコントロールは第二基本加速度及び第四加速度を対応して有し、第二基本加速度をもとに第四加速度を重ね合わせて第四目標加速度を取得し、そして、クライアントは該第四目標加速度に基づいて仮想車両が減速して移動するように制御する。そのうち、第四目標加速度の方向は仮想車両の移動方向と相反する。
【0149】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、スロットルコントロールに対するクリック操作により、仮想車両が加速して移動するように制御し、スロットルコントロールをずっと押下しなくても、仮想車両の加速移動を保つことができるから、ユーザの操作を簡素化し、端末装置の検出オーバーヘッドを減少させることができ、また、第一ブレーキコントロールにより、仮想車両が減速して移動し又は後退するように制御できるから、仮想車両の移動方式を豊富にすることができ、かつ仮想車両の速度調整をより柔軟にすることもできる。
【0150】
また、
図15を参照して、ヒューマンコンピュータインタラクションの観点から仮想車両の制御方式について紹介する。具体的は以下のとおりである。
【0151】
平坦走行状態について、ユーザはスロットルコントロールをクリックし、クライアントは第一基本加速度に基づいて仮想車両が加速して移動するように制御し、ユーザは第一ブレーキコントロールをクリックし、クライアントは第二基本加速度に基づいて仮想車両が減速して移動するように制御し、ユーザは第一ブレーキコントロールを持続的に押下し、クライアントは第二加速度に基づいて第四加速度を重ね合わせて、仮想車両が減速して移動するように制御する。
【0152】
ドリフト状態について、ユーザは方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールを同時にクリックし、クライアントは仮想車両がドリフト状態に入るように制御し、ユーザは第一ブレーキコントロールをクリックし、クライアントは仮想車両のドリフト角度が減少するように制御し、ユーザはスロットルコントロールをクリックし、ドリフト角度が第三閾値よりも大きい場合に、クライアントはグリップ力を増加させて、仮想車両が制御不能状態からグリップ復元状態に切り替えるように制御し、ドリフト角度が第三閾値よりも小さく、かつ第二閾値よりも大きい場合に、クライアントは仮想車両のドリフト角度が継続して減少するように制御し、ドリフト角度が第三閾値よりも小さい場合に、クライアントは仮想車両がドリフト角度の減少を加速するように制御し、かつ第一基本加速度に基づいて第一加速度を重ね合わせて、仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0153】
ドリフト状態退出後の平坦走行状態について、クライアントは第一基本加速度をもとに第二加速度を重ね合わせて、仮想車両が第一時間長内で加速して移動するように自動制御し、ユーザはスロットルコントロールを持続的に押下し、クライアントは持続押下操作の持続期間内で、第一基本加速度をもとに第三加速度を重ね合わせて、仮想車両が加速して移動するように制御し、その後に、持続押下操作の持続時間長が最大応答値に達した場合に、クライアントは第一基本加速度に基づいて仮想車両が加速して移動するように制御する。
【0154】
なお、本出願の実施例では、上述の“大きい”及び“小さい”の紹介について、両者のうちの任意の1つに“等しい”を入れても良い。例示として、“第一閾値よりも小さい”は“第一閾値未満”又は“第一閾値以下”と理解されても良い。
【0155】
また、以上、実施例に基づく本出願の紹介は例示的かつ説明的なものに過ぎず、上述の実施例におけるステップを任意に組み合わせて形成した新しい実施例も本出願の技術的に範囲内に属する。
【0156】
図16を参照し、それは本出願の1つの実施例で提供される仮想車両の制御装置のブロック図である。該装置は上述の仮想車両の制御方法を実現し得る機能を有し、該機能はハードウェアにより実現されても良く、ハードウェアが対応するソフトウェアを実行することにより実現されても良い。該装置は端末装置であっても良く、端末装置に設けられても良い。該装置1600は車両ドリフトモジュール1610、車両制御モジュール1620、ドリフト終了加速モジュール1630及び車両ドリフト終了モジュール1640を含み得る。
【0157】
前記車両ドリフトモジュール1610はドリフト状態にある仮想車両を表示するために用いられ、前記ドリフト状態は前記仮想車両のドリフト角度が第一閾値よりも大きい状態であり、前記ドリフト角度は前記仮想車両の移動方向と前記仮想車両のヘッド向きとの間の夾角である。
【0158】
前記車両制御モジュール1620は第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が次第に減少するように制御するために用いられる。
【0159】
前記ドリフト終了加速モジュール1630はスロットルコントロールに対する第一操作に応じて、前記仮想車両が移動を加速し、かつ前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御するために用いられる。
【0160】
前記車両ドリフト終了モジュール1640は前記仮想車両のドリフト角度が前記第一閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両が前記ドリフト状態を終了するように制御するために用いられる。
【0161】
例示的な実施例において、前記ドリフト終了加速モジュール1630はさらに、前記仮想車両のグリップ力を増加させるために用いられ、前記グリップ力は前記ドリフト角度の減少速度と正の相関関係がある。
【0162】
例示的な実施例において、前記ドリフト終了加速モジュール1630はさらに、前記仮想車両の第一基本加速度に追加の第一加速度を重ね合わせて、前記仮想車両の第一目標加速度を取得し、そして、前記第一目標加速度に基づいて前記仮想車両が加速して移動するように制御するために用いられる。
【0163】
例示的な実施例において、前記車両制御モジュール1620は向き取得ユニット、移動決定ユニット及び移動制御ユニットを含む。
【0164】
前記向き取得ユニットは次の1つの時間スタンプにおける前記仮想車両の目標ヘッド向きを得るために用いられ、隣接する2つの時間スタンプの間の時間間隔は単位時間である。
【0165】
前記移動決定ユニットは前記目標ヘッド向きに基づいて前記仮想車両の前記次の1つの時間スタンプにおける目標移動方向を決定するために用いられ、そのうち、前記目標移動方向と前記目標ヘッド向きとの間の夾角は現在の時間スタンプにおける移動方向とヘッド向きとの間の夾角よりも小さい。
【0166】
前記移動制御ユニットは前記仮想車両が前記次の1つの時間スタンプにおいて前記目標移動方向に基づいて移動するように制御するために用いられる。
【0167】
例示的な実施例において、前記移動決定ユニットは、
前記仮想車両の現在の時間スタンプにおけるグリップ力及び移動方向、及び前記目標ヘッド向きに基づいて、前記移動方向の角度変化量を決定し、そのうち、前記グリップ力は単位時間内の前記移動方向の角度変化量と正の相関関係があり;及び
前記現在の時間スタンプにおける移動方向及び前記移動方向の角度変化量に基づいて、前記仮想車両の前記次の1つの時間スタンプにおける目標移動方向を決定するために用いられる。
【0168】
例示的な実施例において、
図17に示すように、前記装置1600はさらに、車両加速モジュール1650を含む。
【0169】
前記車両加速モジュール1650は前記ドリフト状態の退出時刻からの第一時間長内で前記仮想車両が加速して移動するように制御するために用いられる。
【0170】
例示的な実施例において、
図17に示すように、前記車両加速モジュール1650はさらに、前記仮想車両の第一基本加速度をもとに追加の第二加速度を重ね合わせて、前記仮想車両の第二目標加速度を取得し、そして、前記ドリフト状態の退出時刻からの第一時間長内で前記第二目標加速度に基づいて前記仮想車両が移動を加速するように制御するために用いられる。
【0171】
例示的な実施例において、
図17に示すように、前記装置1600はさらに、情報表示モジュール1660を含む。
【0172】
前記車両加速モジュール1650はさらに、前記スロットルコントロールに対する第二操作を検出した場合に、前記第二操作の持続期間内で前記仮想車両が加速して移動するように制御するために用いられる。
【0173】
前記情報表示モジュール1660は前記ドリフト状態の退出時刻から、前記第二操作の持続時間長が最大応答値に達した場合に、第一提示情報を表示するために用いられ、前記第一提示情報は前記第二操作の持続時間長が前記最大応答値に達したことを指示するために用いられる。
【0174】
例示的な実施例において、前記ドリフト終了加速モジュール1630はさらに、前記スロットルコントロールに対する前記第一操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が第二閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両が移動を加速し、かつ前記仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くするように制御するステップを実行する。
【0175】
例示的な実施例において、
図17に示すように、前記情報表示モジュール1660はさらに、第二提示情報を表示するために用いられ、前記第二提示情報は前記仮想車両が目標ドリフト終了状態に入ったことを指示するために用いられる。
【0176】
例示的な実施例において、
図17に示すように、前記装置1600はさらに、状態決定モジュール1670及び状態切換モジュール1680を含む。
【0177】
前記状態決定モジュール1670は前記スロットルコントロールに対する前記第一操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が第三閾値よりも大きい場合に、前記仮想車両が制御不能状態にあると決定するために用いられ、そのうち、前記制御不能状態にあるときに、前記仮想車両のグリップ力はゼロに近づき、かつ前記仮想車両の移動方向は調整できない。
【0178】
前記状態切換モジュール1680は前記仮想車両が前記制御不能状態からグリップ復元状態に切り替えるように制御するために用いられる。
【0179】
例示的な実施例において、前記状態切換モジュール1680はさらに、前記仮想車両のグリップ力を増加させるように制御することで、前記仮想車両が前記制御不能状態から退出するように制御し、また、第三提示情報を表示するために用いられ、前記第三提示情報は前記仮想車両が前記グリップ復元状態に入ったことを指示するために用いられる。
【0180】
例示的な実施例において、前記車両制御モジュール1620はさらに、前記スロットルコントロールに対する前記第一操作に応じて、前記仮想車両のドリフト角度が第二閾値より大きく、かつ第三閾値よりも小さい場合に、前記仮想車両のドリフト角度が継続して次第に減少するように制御し、かつ前記仮想車両の第一基本加速度に基づいて前記仮想車両が加速して移動するように制御するために用いられる。
【0181】
例示的な実施例において、
図17に示すように、前記車両ドリフトモジュール1610はさらに、方向調整コントロール及び第二ブレーキコントロールが何れもトリガされている状態にあると検出した場合に、前記仮想車両が前記ドリフト状態に入るように制御するために用いられ、そのうち、前記第二ブレーキコントロールは前記第一ブレーキコントロールとは異なるもう1つのコントロールである。
【0182】
例示的な実施例において、
図17に示すように、前記装置1600はさらに、車両減速モジュール1690を含む。
【0183】
前記車両減速モジュール1690は前記第二ブレーキコントロールに対する操作に応じて、速度がゼロになるまで前記仮想車両が減速して移動するように制御するために用いられる。
【0184】
例示的な実施例において、前記車両加速モジュール1650はさらに、前記スロットルコントロールに対するクリック操作に応じて、前記仮想車両が加速して移動するように制御するために用いられる。
【0185】
例示的な実施例において、前記車両減速モジュール1690はさらに、前記第一ブレーキコントロールに対する操作に応じて、前記仮想車両が減速して移動するように制御するために用いられる。
【0186】
例示的な実施例において、前記車両減速モジュール1690はさらに、
前記第一ブレーキコントロールに対するクリック操作に応じて、速度がゼロになるまで前記仮想車両が減速して移動するように制御するために用いられ;又は
前記第一ブレーキコントロールに対する持続押下操作に応じて、前記仮想車両が減速して移動するように制御し、前記仮想車両の速度がゼロに減少し、かつ前記持続押下操作が消えていない場合に、前記仮想車両が後退するように制御するために用いられる。
【0187】
要約すれば、本出願の実施例で提供される技術案では、第一ブレーキコントロールにより、仮想車両のドリフト角度が減少するように制御し、仮想車両のドリフト角度が閾値未満に減少した場合に、仮想車両がドリフト状態を終了するように制御することで、ドリフト状態からの退出の自動化を実現でき、ユーザが方向調整コントロールにより仮想車両の移動方向又はヘッド向きを頻繁に調整する必要がなくなり、ユーザの操作を簡素化することができ、また、スロットルコントロールにより、仮想車両のドリフト角度の減少速度を速くし、仮想車両のドリフト状態からの退出を加速することで、仮想車両のドリフト終了効率を向上させることができ、さら、スロットルコントロールにより、仮想車両が加速するように制御することで、ドリフトを加速する移動方式を提供できるため、仮想車両の移動方式をより豊富にすることができる。
【0188】
なお、上述の実施例で提供される装置はその機能を実現するときに、上述の各機能モジュールの分割を例にして説明が行われているが、実際の応用ではニーズに応じて上述の機能を異なる機能モジュールに割り当てて完了してもらっても良く、即ち、機器の内部構成を異なる機能モジュールに分割することで、上述した全部又は一部の機能を完了しても良い。また、上述の実施例で提供される装置は方法の実施例と同じ構想に属し、その具体的な実現プロセスについては方法の実施例を参照でき、ここではその詳しい説明を省略する。
【0189】
図18を参照し、それは本出願の1つの実施例で提供される端末装置1800を示している。該端末装置1800は例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、ゲーム機、電子書籍リーダー、マルチメディアプレーヤー、ウェアラブルデバイス、PCなどであっても良い。該端末装置1800は上述の仮想車両の制御方法の機能を実現するために用いられる。具体的には以下のとおりである。
【0190】
通常、端末装置1800は処理器1801及び記憶器1802を含む。
【0191】
処理器1801は1つ又は複数の処理コア、例えば、4コア処理器、8コア処理器などを含んでも良い。処理器1801はDSP(Digital Signal Processing)、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びPLA(Programmable Logic Array)のうちの少なくとも1つのハードウェアを採用して実現され得る。処理器1801はメインプロセッサ及びコプロセッサを含んでも良く、メインプロセッサは喚起状態にあるデータを処理するための処理器であり、CPU(Central Processing Unit)とも称され、コプロセッサは待機状態にあるデータを処理する低電力消費処理器である。幾つかの実施例において、処理器1801にはGPU(Graphics Processing Unit)が統合されても良く、GPUは表示スクリーンに表示する必要のあるコンテンツのレンダリング及び描画を行うために用いられる。幾つかの実施例において、処理器1801はさらに、AI(Artificial
Intelligence)処理器を含んでも良く、該AI処理器は機会学習に関する演算操作を行うために用いられる。
【0192】
記憶器1802は1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでも良く、該コンピュータ可読記憶媒体は非一時的であっても良い。記憶器1802はさらに、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性記憶器、例えば、1つ又は複数の磁気記憶装置、フレッシュメモリを含んでも良い。幾つかの実施例において、記憶器1802のうちの非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットを記憶するために用いられ、前記少なくとも1つの条命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットは1つ又は1つの以上の処理器により実行されることで、上述の方法を実現できる。
【0193】
幾つかの実施例において、端末装置1800はさらに、オプションとして、周辺機器インターフェース1803及び少なくとも1つの周辺機器を含んでも良い。処理器1801、記憶器1802及び周辺機器インターフェース1803はバス又は信号線を介して接続されても良い。各周辺機器はバス、信号線又は回路板によって周辺機器インターフェース1803に接続され得る。具体的には、周辺機器はRF回路1804、表示スクリーン1805、カメラヘッドアセンブリ1806、音声回路1807及び電源1808のうちの少なくとも1つを含む。
【0194】
当業者が理解できるように、
図18に示す構成は端末装置1800について限定せず、図示よりも多くの又はより少ないアセンブリを含んでも良く、又は、幾つかのアセンブリを組み合わせても良く、又は、異なるアセンブリ配置を採用しても良い。
【0195】
例示的な実施例において、コンピュータ可読記憶媒体がさらに提供され、前記記憶媒体にはコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは処理器により実行されるときに、上述の仮想車両の制御方法を実現できる。
【0196】
幾つかの実施例において、該コンピュータ可読記憶媒体はROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、SSD(Solid State Drives)、光ディスクなどを含み得る。そのうち、ランダムアクセスメモリはReRAM(Resistance Random Access Memory)及びDRAM(Dynamic Random Access Memory)を含む。
【0197】
例示的な実施例において、コンピュータプログラムプロダクトがさらに提供され、該コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータ命令を含み、該コンピュータ命令はコンピュータ可読記憶媒体に記憶されている。端末装置の処理器はコンピュータ可読記憶媒体から該コンピュータ命令を読み取り、該処理器は該コンピュータ命令を実行することで、該端末装置が上述の仮想車両の制御方法を実行するようにさせることができる。
【0198】
また、理解できるように、ここで言及されている“複数”とは2つ又は2つの以上を指し、“及び/又は”は関連対象の間の関係を示し、次のような3種類の関係が存在することを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在し、A及びBが同時に存在し、及びBが単独で存在するという3種類のケースを表すことができる。文字“/”は一般的に前後の関連対象が“又は”の関係を有することを表す。また、ここで説明されているステップの番号は各ステップの1つの可能な実行順序を例示的に示しているが、幾つかの他の実施例において、上述のステップは番号が示す順に従って実行されなくも良く、例えば、2つの異なる番号のステップは同時に実行されても良く、又は、2つの異なる番号のステップは図示と相反する順に従って実行されても良く、本出願の実施例ではこれについて限定しない。
【0199】
以上、本出願の好ましい実施例を説明したが、本出願はこの実施例に限定されず、本出願の趣旨を離脱しない限り、本出願に対するあらゆる変更は本出願の技術的範囲に属する。
【国際調査報告】