(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】色が改善されたパン粉及びそれを含む冷凍食品
(51)【国際特許分類】
A23L 7/157 20160101AFI20241031BHJP
A23L 5/10 20160101ALI20241031BHJP
A21D 13/00 20170101ALI20241031BHJP
【FI】
A23L7/157
A23L5/10 E
A21D13/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532442
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 KR2022019171
(87)【国際公開番号】W WO2023101396
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0168973
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513178894
【氏名又は名称】シージェイ チェイルジェダン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジョン ファン
(72)【発明者】
【氏名】リ, ダ ウン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ, ウンヨン
(72)【発明者】
【氏名】リ, ミンヨル
(72)【発明者】
【氏名】キム, ユナ
(72)【発明者】
【氏名】チャ, ユナム
(72)【発明者】
【氏名】キム, チョル ジン
【テーマコード(参考)】
4B025
4B032
4B035
【Fターム(参考)】
4B025LB08
4B025LG04
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4B035LP43
(57)【要約】
本出願は、パン粉の製造方法、前記方法で製造したパン粉、及び前記パン粉を用いて製造した冷凍食品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小麦粉と、イーストと、水とを含む1次ペースト原材料を混合して1次ペーストを作製するステップと、
前記1次ペーストを12~30時間1次静置するステップと、
前記1次静置した1次ペーストに、小麦粉と、塩と、水とを含む2次ペースト原材料を混合して2次ペーストを作製するステップと、
前記2次ペーストを2次静置するステップと、
前記2次静置した2次ペーストを加熱してパンを作製するステップと、
前記作製したパンを粉砕するステップとを含む、パン粉の製造方法。
【請求項2】
前記1次静置ステップは、20℃~30℃の温度範囲で行われるものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記2次ペースト原材料は、脱脂粉乳と、色素とをさらに含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記2次ペーストを作製するステップにおいて、前記静置した1次ペーストと前記2次ペーストの小麦粉は、4:6~8:2の混合比で混合されるものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記粉砕は、前記作製したパンを5mm~25mmのスクリーンで粉砕するものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記イーストは、前記1次ペースト全体を100重量部として0.1~0.5重量部含まれるものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記脱脂粉乳と前記色素は、200:1~10:1の混合比で含まれるものである、請求項3に記載の製造方法。
【請求項8】
前記1次ペースト原材料及び前記2次ペースト原材料は、グルコース、砂糖、フルクトース又はマルトースを含まないものである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法で製造したパン粉。
【請求項10】
前記パン粉は、1回又は2回の加熱後に、加熱前のパン粉に比べて、パン粉の色の明るさ(L値)の減少量が10%~40%である、請求項9に記載のパン粉。
【請求項11】
前記加熱は、160℃~190℃の温度で、30秒~5分間行われるものである、請求項10に記載のパン粉。
【請求項12】
前記パン粉は、1回又は2回の加熱後の色の明るさの値(L値)が50~60である、請求項9に記載のパン粉。
【請求項13】
小麦粉と、イーストと、塩と、脱脂粉乳と、色素と、水とを含むパン粉であって、
1回又は2回の加熱後に、加熱前のパン粉に比べて、パン粉の色の明るさ(L値)の減少量が10%~40%であるパン粉。
【請求項14】
前記加熱は、160℃~190℃の温度で、30秒~5分間行われるものである、請求項13に記載のパン粉。
【請求項15】
前記パン粉は、1回又は2回の加熱後の色の明るさの値(L値)が50~60である、請求項13に記載のパン粉。
【請求項16】
請求項9又は13に記載のパン粉を含む冷凍食品。
【請求項17】
前記冷凍食品は、1回又は2回の加熱後の色の明るさの値(L値)が43~60である、請求項16に記載の冷凍食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、色が改善されたパン粉の製造方法、前記方法で製造したパン粉、及び前記パン粉を用いて製造した冷凍食品に関する。
【背景技術】
【0002】
パン粉(crumb)は、小麦粉などを粉砕して粒子の形態にしたものであり、小麦粉以外にも、イースト、塩、色素などの成分を含む。パン粉は、ポークカツレツ(porkcutlet)、トンカツ、クロケット(croquette)、フライなどの表面に付ける衣として用いられる。その他にも、パン粉は、ハンバーガーパティ(patty)などの粘着性を向上させる用途、各種食品、動物用飼料などの混合物の増量材としての用途、ナゲット(nugget)などのコーティング材料としての用途に用いられる。また、チキンナゲット、肉の具材に加える充填材、ソーセージなどに大量に用いられ、特に冷凍食品に大量に用いられるので、パン粉市場が大きく成長している。
【0003】
しかし、従来のパン粉の製造方法は、短期間の静置で立体感のあるパン粉を得るために、グルコース、砂糖及び過剰量のイーストを必ず用いなければならないという問題がある。また、前述したような方法で製造したパン粉は、グルコースや砂糖などを含むので、1回又は2回の加熱(揚げ物調理過程)でパン粉の色が濃い茶色に変わり、品質が低下するという問題がある。例えば、パン粉を用いて製品を生産する際に1回の加熱により生産する冷凍食品においては、消費者がエアフライヤーなどで2回目の加熱(再加熱)を行うと、パン粉の色が過度に濃くなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べてパン粉の色の明るさが維持される高品質のパン粉の製造方法、前記方法で製造したパン粉、及び前記パン粉を用いて製造した冷凍食品を開発し、本出願を完成するに至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、小麦粉と、イーストと、水とを含む1次ペースト原材料を混合して1次ペーストを作製するステップと、前記1次ペーストを12~30時間1次静置するステップと、前記1次静置した1次ペーストに、小麦粉と、塩と、水とを含む2次ペースト原材料を混合して2次ペーストを作製するステップと、前記2次ペーストを2次静置するステップと、前記2次静置した2次ペーストを加熱してパンを作製するステップと、前記作製したパンを粉砕するステップとを含む、パン粉の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本出願は、前記方法で製造したパン粉を提供することを目的とする。
【0008】
さらに、本出願は、小麦粉と、イーストと、塩と、脱脂粉乳と、色素と、水とを含むパン粉であって、1回又は2回の加熱後に、加熱前のパン粉に比べて、パン粉の色の明るさ(L値)の減少量が10%~40%であるパン粉を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本出願は、前記パン粉を用いて製造した冷凍食品を提供することを目的とする。
【発明の効果】
【0010】
本出願による製造方法を用いると、1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べてパン粉の色の明るさが維持される高品質のパン粉を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】1次ペーストの小麦粉の各割合におけるパン粉の比容積を示すグラフである。
【
図2】1次ペーストの小麦粉の各割合におけるパン粉の粉砕の程度を示す写真である。
【
図3】各製造方法におけるパン粉製造用食パンを比較した写真である。
【
図4】各製造方法及び各色素添加量におけるパン粉の色度を比較した写真である。
【
図5】各製造方法及び各色素添加量における冷凍食品の色度を比較した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、これらを具体的に説明する。なお、本出願で開示される各説明及び実施形態はそれぞれ他の説明及び実施形態にも適用される。すなわち、本出願で開示される様々な要素のあらゆる組み合わせが本出願に含まれる。また、以下の具体的な記述に本出願が限定されるものではない。さらに、本明細書全体にわたって多くの論文及び特許文献が参照されており、その引用が示されている。引用された論文及び特許文献の開示内容はその全体が本明細書に参照として組み込まれており、それにより本出願の属する技術分野の水準及び本出願の内容がより明確に説明される。
【0013】
本出願の一態様は、小麦粉と、イーストと、水とを含む1次ペースト原材料を混合して1次ペーストを作製するステップと、前記1次ペーストを12~30時間1次静置するステップと、前記1次静置した1次ペーストに、小麦粉と、塩と、水とを含む2次ペースト原材料を混合して2次ペーストを作製するステップと、前記2次ペーストを2次静置するステップと、前記2次静置した2次ペーストを加熱してパンを作製するステップと、前記作製したパンを粉砕するステップとを含む、パン粉の製造方法を提供する。
【0014】
本出願における「パン粉」とは、パンを粉砕して作製した粉を意味し、生パン粉であってもよい。前記生パン粉は、水分含有量が20%~40%であってもよい。生パン粉は、用いられる食品のフライ(frying)後に立体感のある豊かな風味が得られるように、細長い形態に製造することが重要である。
【0015】
具体的には、本出願のパン粉の製造方法について詳細に説明する。
【0016】
まず、1次ペースト原材料を混合して1次ペーストを作製する。
【0017】
本出願における「イースト」は、酵母やドライイーストが全て含まれるものである。
【0018】
本出願の一実施例として、前記1次ペースト原材料は、小麦粉(50~70%)と、イースト(具体的には、ドライイースト0.1~0.5%)と、水(50~60%)とを含むものであるが、これに限定されるものではない。
【0019】
本出願の一実施例として、前記ドライイーストは、前記1次ペースト全体を100重量部として0.1~0.5重量部含まれるものであるが、これに限定されるものではない。前記ドライイーストの重量部は1次ペースト後の1次静置時間に適した重量部であり、上記範囲を逸脱すると、1次静置の際に過発酵することもあり、発酵が不足してパン粉製造用食パンの品質が劣化することもある。
【0020】
本出願の一実施例として、前記1次ペースト原材料は、イーストフード(Yeast Food)をさらに含むものであるが、これに限定されるものではない。前記イーストフードは、トウモロコシデンプン、精製塩、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、ビタミンCなどを含むものであってもよく、イーストに必要な栄養を供給して発酵促進及び製パンの際の作業安定性を向上させるものであってもよい。
【0021】
本出願において、前記原材料としては公知又は市販のものが用いられ、各原材料の具体的な種類、名称、成分、製造工程などに限定されるものではない。
【0022】
次に、前記1次ペーストを1次静置する。前記「静置」には、パンペーストを発酵する過程が含まれる。
【0023】
本出願の一実施例として、前記1次静置ステップは、15℃~45℃、具体的には20℃~35℃、より具体的には20℃~30℃の温度範囲で、12~30時間、具体的には12~25時間、より具体的には14~18時間行われるものであるが、これに限定されるものではない。
【0024】
前記1次静置ステップが20℃未満の温度で行われると、長時間静置しても静置が適切に行われず、時間がかかるという問題があり、30℃超の温度で行われると、過度に静置されて本ペーストに用いる際にペーストが水っぽくなるという問題がある。
【0025】
上記静置時間は、添加するドライイーストの含有量により調節されるが、これに限定されるものではない。
【0026】
本出願の一実施例として、前記1次ペースト原材料及び前記2次ペースト原材料は、グルコース、砂糖、フルクトース又はマルトースを含まないものであるが、これに限定されるものではない。
【0027】
具体的には、前記1次ペースト及び前記2次ペーストにグルコース、砂糖、フルクトース及びマルトースを別途に添加するステップを含まないものであるが、これに限定されるものではない。
【0028】
よって、本出願の製造方法で製造したパン粉は、グルコース、フルクトース及びマルトースを0.05~0.3重量%の割合で極少量含有するが、これは自然に存在する小麦粉内の遊離糖類(グルコース、フルクトース及びマルトース)のレベルである。
【0029】
一般的なパン粉の製造方法において、前記グルコース、砂糖、フルクトース、マルトースなどは、静置速度が速くなるので、短期間の静置により立体感のあるパン粉を得るために必須である。しかし、高温での加熱により、パン粉の色が暗くなり、品質が低下する原因の一つとなる。
【0030】
本出願のパン粉の製造方法は、小麦粉製粉の際に発生する損傷デンプン(5~8%のレベル)と自然発生した小麦粉内の少量の遊離糖類のみで静置が可能な前記1次静置ステップを導入することにより、グルコース、砂糖、フルクトース及びマルトースを別途に添加するステップを含むことなく、1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べてパン粉の色の明るさが維持される高品質のパン粉を製造することができる。
【0031】
次に、前記1次静置した1次ペーストに2次ペースト原材料を混合して2次ペーストを作製する。
【0032】
本出願の一実施例として、前記2次ペースト原材料は、脱脂粉乳と、色素とをさらに含むものであるが、これに限定されるものではない。
【0033】
例えば、前記2次ペースト原材料は、小麦粉(30~50%)と、塩(0.5~2%)と、脱脂粉乳(1.0~3.0%)と、色素(0.01~0.05%)と、水とを含むものであるが、これに限定されるものではない。
【0034】
本出願の一実施例においては、前記2次ペースト原材料の最適な含有量を設定した。具体的には、前記小麦粉が上記範囲で添加されると、パン粉用食パンに適したボリュームが得られ、適切な内相が得られる。前記塩が上記範囲で添加されると、ペースト性が強くなり、食パンに適したボリュームが得られる。ショートニングが下記範囲で添加されると、パン粉用食パンに適したボリュームが得られ、生パン粉のフライの際の吸油が適切に行われる。前記脱脂粉乳が上記範囲で添加されると、揚げ物の適切な色が得られる。前記色素が上記範囲で添加されると、揚げ物の色の適切な明るさが得られる。
【0035】
本出願の一実施例として、前記脱脂粉乳と前記色素は、200:1~10:1の混合比で含まれるものであってもよい。例えば、180:1、150:1、100:1、90:1、80:1、70:1、60:1、50:1、40:1、30:1、20:1、15:1、10:1の混合比で含まれるものであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
前記脱脂粉乳及び色素の重量部により、生パン粉製造後の適切なフライが得られるが、その範囲を逸脱すると、揚げ物の色が過度に暗くなることもあり、過度に黄色くなることもある。
【0037】
本出願の一実施例として、前記2次ペースト原材料は、ショートニング(1.0~3.0%)をさらに含むものであるが、これに限定されるものではない。
【0038】
本出願の一実施例として、前記色素は、アナトー色素、クチナシ黄色素、ベニバナ黄色素、ウコン黄色素、ベニコウジ黄色素、β-カロテン、ベニコウジ赤色素、クチナシ赤色素、ベニバナ赤色素、ビートレッド、コチニール色素、ラック色素、シソ色素、赤キャベツ色素、赤カブ色素、紫イモ色素、紫トウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、ベリー類色素、ブドウ果汁色素、青イチゴ色素、パプリカ色素、クチナシ青色素、スピルリナ色素、クロロフィル色素、カカオ色素、タマリンド色素及びコウリャン色素からなる群から選択される少なくとも1つ、具体的にはアナトー色素であるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
具体的には、前記アナトー色素は、小麦粉に対して0.001重量%~0.05重量%、具体的には0.005重量%~0.04重量%、より具体的には0.01重量%~0.03重量%含まれるものであるが、これに限定されるものではない。
【0040】
前記アナトー色素が上記範囲で含まれると、官能的に優れ、食材料に適する程度の十分な着色効果が得られる。
【0041】
本出願の一実施例として、前記2次ペーストを作製するステップにおいて、前記静置した1次ペーストと前記2次ペーストの小麦粉は、4:6~8:2の混合比、具体的には5:5~7:3、より具体的には約6:4で混合されるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
前記1次ペーストが小麦粉を基準に4:6未満の混合比で混合されると、作製されるパンにおいてパン粉の形成に重要な内部のキメが得られないという問題があり、結局のところ、パン粉が幅の広い形態に粉砕されるという問題がある。前記1次ペーストが8:2超の混合比で混合されると、作製されるパンの比容積が減少し、パンの弾力性が低下するという問題がある。
【0043】
次に、前記作製した2次ペーストを成形してペースト成形体を作製するステップをさらに含むが、これに限定されるものではない。
【0044】
例えば、前記2次ペーストを所定量毎に分割して円形又はツイスト型のペースト成形体を形成する。具体的には、ペーストを400g~600g単位で分割してペースト成形体を形成するが、これに限定されるものではない。
【0045】
次に、前記2次ペースト又はペースト成形体を2次静置する。
【0046】
本出願の一実施例として、前記2次静置ステップは、20℃~40℃、具体的には25℃~40℃、より具体的には35℃~40℃の温度範囲で、30分~90分、具体的には35分~70分、より具体的には45分~60分間行われるものであるが、これに限定されるものではない。
【0047】
上記条件で2次静置を行うと、パン粉用食パンに適したボリュームの食パンを作製することができ、適切に発酵するので、食パンの適切な内相が得られる。
【0048】
具体的には、前記2次静置ステップは、75%、具体的には80%、より具体的には85%以上の湿度条件で行われるものであるが、これに限定されるものではない。
【0049】
上記湿度条件においては、ペーストの表面が乾かず、所望のボリュームの食パンが得られる。
【0050】
次に、前記2次静置した2次ペースト又はペースト成形体を加熱してパンを作製する。前記「加熱」には、ペースト成形体を焼成する過程が含まれる。
【0051】
本出願の一実施例として、前記加熱は、150℃~250℃、具体的には170℃~220℃、より具体的には180℃~200℃の温度範囲で、30分~90分、具体的には35分~70分、より具体的には45分~60分間行われるものであるが、これに限定されるものではない。
【0052】
上記温度及び時間範囲においては、食パンが好ましく焼かれ、クラストが焦げず、適した厚さが得られ、パン粉収率が増加する。また、加熱時間が長くなることは、生産効率性を低下させる要素となる。
【0053】
次に、前記作製したパンを乾燥させるステップをさらに行うが、これに限定されるものではない。
【0054】
本出願の一実施例として、前記乾燥は、常温で18時間~30時間、具体的には20時間~25時間、より具体的には約24時間行われるものであるが、これに限定されるものではない。
【0055】
前記乾燥が上記時間行われると、パン粉粉砕の際に細長い粒子に粉砕しやすくなる。乾燥時間が長くなると、生産効率性を低下させるという問題がある。
【0056】
具体的には、前記乾燥ステップにおいて、作製したパンを熟成させる。
【0057】
次に、前記作製したパンを粉砕する。
【0058】
本出願の一実施例として、前記粉砕は、前記作製したパンを5mm~25mm、具体的には7mm~20mm、より具体的には10mm~18mmのスクリーンで粉砕するものであるが、これに限定されるものではない。
【0059】
前記作製したパンを上記範囲のスクリーンで粉砕すると、生パン粉が得られるパン粉の大きさに粉砕され、スクリーンを効果的に通過することにより生産性が高まる。
【0060】
前記作製したパンを5mm未満のスクリーンで粉砕すると、スクリーンを効果的に通過することができずに生産性が低下し、前記作製したパンを18mm超のスクリーンで粉砕すると、生パン粉を得ることが困難な大きさのパン粉に粉砕されるという問題がある。
【0061】
具体的には、前記粉砕ステップは、粉砕したパン粉を5メッシュ篩(Mesh Sieve)で篩過するステップを含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0062】
本出願の他の態様は、前記方法で製造したパン粉を提供する。
【0063】
本出願の一実施例として、前記パン粉は、1回又は2回の加熱後に、加熱前のパン粉に比べて、パン粉の色の明るさ(L値)の減少量が10%~40%、具体的には15%~35%、より具体的には18%~30%であるが、これに限定されるものではない。
【0064】
本出願の一実施例として、前記加熱は、公知の揚げ物調理工程で行うことができ、例えば160℃~190℃、具体的には170℃~180℃の温度で、30秒~5分間、具体的には45秒~3分間、より具体的には1分間行われるものであるが、これに限定されるものではない。
【0065】
本出願の一実施例として、前記パン粉は、1回又は2回の加熱後の色の明るさの値(L値)が50~60であるが、これに限定されるものではない。
【0066】
よって、本出願のパン粉は、このような色度の範囲を有するので、1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べてパン粉の色の明るさが維持され、官能的特性に優れた高品質のパン粉として有用である。
【0067】
本出願の一実施例として、前記パン粉は、1次静置ステップを含まない製造方法で製造したパン粉に比べて、1回又は2回の加熱後の色の明るさ(L値)が増加したものであるが、これに限定されるものではない。
【0068】
具体的には、本出願のパン粉は、1次静置ステップを含まない製造方法で製造したパン粉に比べて、加熱前の色の明るさ(L値)が減少したものであってもよい。
【0069】
一方、1次静置ステップを含まない従来のパン粉の製造方法は、短期間の静置により立体感のあるパン粉を得るために、グルコース、砂糖及び過剰量のイーストを必ず用いなければならないという問題があり、前記方法で製造したパン粉は、グルコースや砂糖などを含むので、1回又は2回の加熱でパン粉の色が濃い茶色に変わり、品質が低下するという問題がある。本出願のパン粉は、グルコース、砂糖、フルクトース及びマルトースを別途に添加しない方法で製造されるので、1回又は2回の加熱後の色の明るさ(L値)は、1次静置ステップを含まない製造方法で製造したパン粉より増加する。よって、本出願のパン粉は、1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べてパン粉の色の明るさが維持される高品質のパン粉として有用である。
【0070】
本出願の一実施例として、前記パン粉は冷凍食品用パン粉であるが、これに限定されるものではない。
【0071】
前記冷凍食品用パン粉は、1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べてパン粉の色の明るさが維持されるので、追加加熱が必要な冷凍食品の表面に付着すると、加熱前の冷凍食品に比べて冷凍食品の色の明るさが維持される。
【0072】
本出願のさらに他の態様は、小麦粉と、イーストと、塩と、脱脂粉乳と、色素と、水とを含むパン粉であって、1回又は2回の加熱後に、加熱前のパン粉に比べて、パン粉の色の明るさ(L値)の減少量が10%~40%であるパン粉を提供する。
【0073】
本出願の一実施例として、前記加熱は、公知の揚げ物調理工程で行うことができ、例えば160℃~190℃、具体的には170℃~180℃の温度で、30秒~5分間、具体的には45秒~3分間、より具体的には1分間行われるものであるが、これに限定されるものではない。
【0074】
本出願の一実施例として、前記パン粉は、1回又は2回の加熱後の色の明るさの値(L値)が50~60であるが、これに限定されるものではない。
【0075】
本出願のパン粉は、このような色度の範囲を有するので、1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べて明るい色が維持され、官能的特性に優れた高品質のパン粉として有用である。
【0076】
本出願のさらに他の態様は、前記パン粉を用いて製造した冷凍食品を提供する。
【0077】
本出願における「冷凍食品」とは、製造、加工又は調理した食品を長期保存する目的で冷凍処理、冷凍保管した食品を意味し、当該技術分野で知られている冷凍食品が全て含まれ、前記パン粉を付けるものであればいかなるものでもよい。
【0078】
前記冷凍食品の具体例として、冷凍トンカツ、冷凍コロッケ、冷凍チキンナゲット、冷凍チーズバイツ、冷凍フィッシュフィンガー、冷凍クロケット、冷凍ポークカツレツ、冷凍エビフライ、その他の冷凍フライ類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
一方、冷凍食品は、一般に1次調理後に冷凍処理されて消費者に到達し、2次調理過程を経ることになる。よって、パン粉が付けられた冷凍食品においては、2回の加熱で表面のパン粉の色が濃い茶色に変わり、品質が低下するという問題がある。
【0080】
本出願の冷凍食品は、本出願の1回又は2回の加熱後も加熱前のパン粉に比べてパン粉の色の明るさが維持される高品質のパン粉を用いることにより、嗜好度及び審美感が向上するという利点がある。
【0081】
本出願の一実施例として、前記冷凍食品は、1次静置ステップを含まない製造方法で製造したパン粉を用いて製造した冷凍食品に比べて、1回又は2回の加熱後の色の明るさ(L値)が増加したものであるが、これに限定されるものではない。
【0082】
本出願の一実施例として、前記冷凍食品は、1回又は2回の加熱後の色の明るさの値(L値)が43~60であるが、これに限定されるものではない。
【0083】
本出願の一実施例として、前記冷凍食品は、これらに限定されるものではないが、電子レンジ用又はエアフライヤー用冷凍食品、具体的にはエアフライヤー用冷凍食品である。
本出願
【実施例】
【0084】
以下、実施例を挙げて本出願をより詳細に説明する。しかし、これらの実施例は本出願を例示する好ましい実施形態にすぎず、本出願がこれらに限定されるものではない。なお、本明細書に記載されていない技術的事項は、本出願の技術分野又は類似技術分野における熟練した技術者が十分に理解し、容易に実施することのできるものである。
【実施例1】
【0085】
パン粉の製造
実施例1-1.パン粉製造用食パンの作製
(1)1次ペーストの作製及び1次静置
小麦粉(CJ第一製糖)600gに対してイーストフード(ジェニコ食品)6g、インスタントドライイースト(ジェニコ食品)3g、水500gを混練機(ホバート,HL200)に入れて1次ペーストを作製した。次に、前記ペーストを20~30℃の発酵器(デヨン製菓製パン機械工業,MPO-2002)で14~18時間静置した。
【0086】
(2)2次ペースト(本ペースト)の作製
前記(1)の静置したペーストに、小麦粉(CJ第一製糖)400g、塩(ハンジュ食塩)3g、パームショートニング(サムヤン社)20g、脱脂粉乳(ソウル牛乳)10g、水10gを入れ、アナトー色素を小麦粉全体(1次及び2次ペーストの小麦粉全体)に対してそれぞれ0.1g、0.2g、0.3g添加し、混練機(デヨン製菓製パン機械工業,MPO-2002)に入れて練り混ぜた。アナトー色素を0.1g、0.2g又は0.3g添加したパン粉をそれぞれアナトー色素0.01%、アナトー色素0.02%、アナトー色素0.03%と命名した。
【0087】
(3)分割及びパンニング
前記(2)の練り混ぜたペーストを400~600gに分割し、弾力を有するように細長く成形し、2個の塊りを互いにツイストさせ、食パン型(食パン枠)に入れて成形した。
【0088】
(4)2次静置
前記(3)で成形して食パン型に入れたペーストを35~40℃、湿度85%以上の静置器(デヨン製菓製パン機械工業,MPO-2002)で45~60分間静置した。
【0089】
(5)加熱、冷却及び熟成
前記(4)の静置した食パン型のペーストを約180~200℃で40~60分間加熱し、その後加熱した食パンを常温で24時間冷却及び熟成した。
【0090】
実施例1-2.パン粉の製造
(6)粉砕
実施例1-1の(5)の乾燥させた食パンをパン粉粉砕機(ヨンソン機械工業)にて10~18mmのスクリーンで粉砕し、その後5メッシュ篩(Mesh Sieve)で篩過し、小さな粒子が除去されたパン粉を製造した。
【実施例2】
【0091】
冷凍食品の製造
実施例1で製造したパン粉を用いて、冷凍食品(トンカツ)を製造した。具体的には、表1のトンカツ製造用バターミックスをプレダスト及びパン粉付着用液状バターとして用いた。
【0092】
【0093】
表1のバターミックス100に水を200~250gの重量で入れて混合したバター溶液に、プレダストを付けたトンカツ製造用豚ロースを入れ、バター溶液を塗布した。
【0094】
次に、実施例1で製造した生パン粉をまんべんなく押さえつけて塗布し、1次的に180℃に予熱したフライヤー(リンナイRFA-227E)で3.5~5.5分間揚げ物調理した(1次揚げ物調理)。
【0095】
次に、調理したトンカツを急速冷凍庫(PANEM RXP4-D)で-35℃で1時間(品温-10℃以下)急冷し、冷凍食品として製造した。
【0096】
比較例1.ストレート法を用いたパン粉の製造
比較例1-1.パン粉製造用食パンの作製
(1)ペーストの作製
小麦粉(CJ第一製糖)1000g、塩(ハンジュ食塩)5~20g、パームショートニング(サムヤン社)10~30g、イーストフード(ジェニコ食品)5~7g、ドライイースト(ジェニコ食品)10~20g、水600~700gを混練機(デヨン製菓製パン機械工業,MPO-2002)に入れて練り混ぜた。
【0097】
(2)1次静置
前記(1)で練り混ぜたペーストを25~30℃、湿度75~85%の発酵器(デヨン製菓製パン機械工業,MPO-2002)で60~90分間静置した。
【0098】
(3)分割及びパンニング
前記(2)の練り混ぜたペーストを400~600gに分割し、弾力を有するように細長く成形し、2個の塊りを互いにツイストさせ、食パン型(食パン枠)に入れて成形した。
【0099】
(4)2次静置
前記(3)で成形して食パン型に入れたペーストを35~40℃、湿度85%以上の発酵器(デヨン製菓製パン機械工業,MPO-2002)で45~60分間静置した。
【0100】
(5)加熱、冷却及び熟成
前記(4)の静置した食パン型のペーストを約180~200℃で40~60分間加熱し、その後加熱した食パンを常温で24時間冷却及び熟成した。
【0101】
比較例1-2.パン粉の製造
(6)粉砕
比較例1-1の(5)の乾燥させた食パンをパン粉粉砕機(ヨンソン機械工業)にて10~18mmのスクリーンで粉砕し、その後粉砕したパン粉を5メッシュ篩(Mesh Sieve)で篩過し、小さな粒子のパン粉を除去することにより最終パン粉を製造した。
【0102】
比較例2.ストレート法で製造したパン粉を用いた冷凍食品の製造
比較例1で製造したパン粉を用いることを除いて、実施例2の方法と同様に製造した。
【0103】
実験例1.1次及び2次ペーストの小麦粉の各割合における食パンの比容積(Specific volume)の測定及びパン粉の形態の観察
1次及び2次ペーストの小麦粉の割合が及ぼす影響を確認するために、実施例1の方法でペーストの小麦粉の割合を変えてパン粉製造用食パンを作製し、各食パンを粉砕してパン粉製造後の形態を観察した。
【0104】
具体的には、1次及び2次ペーストに含まれる小麦粉全体を100%として、1次ペーストの小麦粉の割合を40~80%に調節した。よって、2次ペーストの小麦粉の割合は60~20%とした。
【0105】
各割合を調節し、食パン作製24時間後を基準に、i)比容積を測定し(表2及び
図1)、ii)パン粉の粉砕の程度を肉眼で比較した(
図2)。
【0106】
【0107】
その結果、1次ペーストの小麦粉の割合が80%である場合、1次ペーストの小麦粉の割合が60%である食パンに比べて、作製した食パンの比容積が12.5%減少することが確認された(表2及び
図1)。また、1次ペーストの小麦粉の割合が40%である場合、作製した食パンを引き裂くと、パン粉の品質に重要な食パンの内部のキメが十分に得られず、それを用いてパン粉を製造すると、パン粉が幅の広い形態に粉砕されることが確認された(
図2)。
【0108】
実験例2.各製造方法におけるパン粉の物性の測定
Texture Analyzer(TA)(Stable micro systems, TA-XT plus)を用いて、実施例1で製造したパン粉及び比較例1で製造したパン粉の物性を比較した。TA分析条件を表3に示す。
【0109】
【0110】
前記TA分析のための試料の準備条件は、パン粉15gを秤量し、その後篩にかけ、大豆油を180℃に加熱したフライヤー(fryer)で1分間揚げ、次いで5分間冷却してから、直径30mm、高さ20mmのアクリル円筒に試料を入れて分析するものとした。
【0111】
【0112】
その結果、表4に示すように、Force値は実施例1で製造したパン粉が比較例1に比べて約13.5%高く、Countpeaks値も実施例1で製造したパン粉が比較例1に比べて約10.9%高いことが確認された。
【0113】
Count peaks値は、probeが揚げ物を押し出す過程で0.049Nの閾値を超える力の強度(潰れの程度)が現れる回数であり、この値が高いと潰れる回数が多くなり、相対的にサクサク感を確認することができる。
【0114】
よって、実施例1で製造したパン粉のForce値及びCountpeaks値が相対的に高く、比較例1に比べてサクサク感があることが確認された。
【0115】
実験例3.各製造方法及び各色素添加量におけるパン粉の色度の測定
実施例1で製造したパン粉及び比較例1で製造したパン粉の加熱(揚げ物調理)前後の色度を比較した。
【0116】
具体的には、分光測色計(KONICA MINOLTA, Spectrophotometer CM-5)を用いた色度(L,a,b)測定は、パン粉15gを秤量し、その後篩にかけ、大豆油を180℃に加熱したフライヤー(fryer)で1分間揚げ、次いで5分間冷却してから、直径45mm、高さ15mmのアクリル円筒に試料を入れて分析するものとした。
【0117】
【0118】
その結果、表5及び
図4に示すように、比較例1で製造したパン粉は、実施例1で製造したパン粉に比べて、揚げ物調理後の明るさ(L値)が減少する色度変化が大きく、かつ早く現れることが確認された。
【0119】
具体的には、比較例1で製造したパン粉は、加熱前のパン粉に比べて、加熱後のパン粉の色の明るさ(L値)の減少量が約44.95%であることが確認された。それに対して、実施例1で製造したパン粉は、加熱後に、加熱前のパン粉に比べて、パン粉の色の明るさ(L値)の減少量がアナトー色素の各添加量においてそれぞれ約29.6%、約25.7%、約18.48%であることが確認され、加熱による色変化が少ないことが確認された。
【0120】
また、実施例1で製造したパン粉は、加熱後の色の明るさの値(L値)が50~60であることが確認され、実施例1で製造したパン粉は、比較例1で製造したパン粉に比べて、加熱前のパン粉の明るさ(L値)は相対的に低いのに対して、加熱後のパン粉の明るさ(L値)は相対的に高く、従来のパン粉より加熱後の色が明るいことが確認された。
【0121】
さらに、実施例1で製造したパン粉において、アナトー色素添加量が増加するにつれて加熱前のパン粉の明るさ(L値)は減少したのに対して、加熱後のパン粉の明るさ(L値)はアナトー色素添加量が増加するにつれて増加することが確認された。
【0122】
実験例4.各製造方法及び各色素添加量における冷凍食品の色度の測定
実施例2で製造した冷凍トンカツ及び比較例2で製造した冷凍トンカツの加熱(揚げ物調理)前後の色度を比較した。
【0123】
具体的には、分光測色計(KONICA MINOLTA, Spectrophotometer CM-5)を用いた色度(L,a,b)測定は、トンカツ加熱調理後に5分間冷却してから、トンカツ自体を試料として分析器にかけて測定した。2次加熱としては、実施例2及び比較例2の製造過程において、1次的に揚げ物調理した冷凍トンカツの喫食のために2次的に揚げ物調理/加熱し、より具体的には、冷凍したトンカツを180℃に予熱したエアフライヤー(フィリップスHD9220)で15分間2次加熱(再加熱)した。
【0124】
【0125】
その結果、表6及び
図5に示すように、実施例2で製造した冷凍トンカツは、比較例2で製造した冷凍トンカツに比べて、1次加熱後及び2次加熱後の明るさ(L値)がそれぞれ17.3~23.8%、16.3~23.8%高いことが確認された。また、実施例2で製造した冷凍トンカツは、加熱後の色の明るさの値(L値)が43~60であることが確認された。
【0126】
さらに、実施例2で製造した冷凍トンカツにおいて、アナトー色素添加量が増加するにつれて1次加熱後及び2次加熱後の明るさ(L値)が増加することが確認された。
【0127】
実験例5.各製造方法におけるパン粉及び冷凍食品の官能評価
実施例2(アナトー色素0.02%)で製造した冷凍食品(トンカツ)及び比較例2で製造した冷凍食品(トンカツ)を用いてパン粉及び冷凍食品の官能評価を行った。
【0128】
具体的には、冷凍したトンカツを180℃に予熱したエアフライヤー(フィリップスHD9220)で15分間2次加熱(再加熱)した。再加熱したトンカツを幅20mmのレベルでカットして一切れずつ提供し、訓練されたパネル30名による官能評価を行った。
【0129】
【0130】
その結果、表7に示すように、実施例2に付着した、実施例1で製造したパン粉は、比較例2に付着した、比較例1で製造したパン粉に比べて、色、付着性、剣立ち、サクサク感、味、香りなどの嗜好度及び選好度が高いことが確認された。
【0131】
以上の説明から、本出願の属する技術分野の当業者であれば、本出願がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。なお、上記実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本出願には、明細書ではなく請求の範囲の意味及び範囲とその等価概念から導かれる変更又は変形された形態が全て含まれるものと解釈すべきである。
【国際調査報告】