(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】足関節全置換のための解剖学的距骨コンポーネント設計
(51)【国際特許分類】
A61F 2/42 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
A61F2/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532522
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 US2022051611
(87)【国際公開番号】W WO2023102158
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514290052
【氏名又は名称】アースレックス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARTHREX, INC.
【住所又は居所原語表記】1370 Creekside Blvd, Naples, FL 34108, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アダム・エヌ・ガーロック
(72)【発明者】
【氏名】ブラハム・ディロン
(72)【発明者】
【氏名】マリス・プリエディティス
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ドーン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア・マトゥスカ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA08
4C097BB01
4C097BB09
4C097CC01
4C097CC05
4C097DD09
4C097DD10
4C097FF05
4C097SC08
4C097SC09
(57)【要約】
本開示は、上面および底面を有する距骨コンポーネントを含む人工足首を提供する。底面は距骨に隣接して配置されるように構成される。上面は、距骨コンポーネントの後側から距骨コンポーネントの前側まで延在する滑車溝を含む。滑車溝は、距骨コンポーネントの後側に隣接する第1の部分と、距骨コンポーネントの前側に隣接する第2の部分とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および底面を有する距骨コンポーネントを備えた人工足首であって、
前記底面は距骨に隣接して配置されるように構成され、
前記上面は、前記距骨コンポーネントの後側から前記距骨コンポーネントの前側まで延在する滑車溝を含み、
前記滑車溝は、前記距骨コンポーネントの後側に隣接する第1の部分と、前記距骨コンポーネントの前側に隣接する第2の部分とを含む、人工足首。
【請求項2】
前記滑車溝が前記距骨コンポーネントの後側から前記距骨コンポーネントの前側に延在するにつれて、前記滑車溝が横方向に傾斜している、請求項1に記載の人工足首。
【請求項3】
前記距骨コンポーネントの上面は内側方向から外側方向に上方に傾斜しており、前記距骨コンポーネントの上面は前方向から後方向に後方に傾斜している、請求項1または2に記載の人工足首。
【請求項4】
前記距骨コンポーネントの上面の内側部分の平均曲率半径は、前記距骨コンポーネントの上面の外側部分の平均曲率半径よりも大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項5】
前記内側部分は、前記滑車溝の内側にある前記距骨コンポーネントの上面の一部を含み、前記外側部分は、前記滑車溝の外側にある前記距骨コンポーネントの上面の一部を含む、請求項4に記載の人工足首。
【請求項6】
前記滑車溝の第1の部分の直径は、前記滑車溝の第2の部分の直径とは異なる、請求項1~5のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項7】
前記滑車溝の第1の部分の直径は、前記滑車溝の第2の部分の直径よりも大きい、請求項6に記載の人工足首。
【請求項8】
前記滑車溝の第1の部分の直径は、前記滑車溝の第2の部分の直径よりも大きい、請求項6に記載の人工足首。
【請求項9】
前記滑車溝の第1の部分の直径は約10mmから約16mmの範囲であり、前記滑車溝の第2の部分の直径は約8mmから約12mmの範囲である、請求項6~8のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項10】
前記滑車溝の第1の部分の直径は一定であり、前記滑車溝の第2の部分の直径は一定である、請求項6~9のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項11】
前記滑車溝の第1の部分の直径は可変であり、前記滑車溝の第2の部分の直径は可変である、請求項6~9のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項12】
前記滑車溝の第1の部分は第1の長さを有し、前記滑車溝の第2の部分は第2の長さを有し、前記第2の長さは前記第1の長さよりも長い、請求項6~11のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項13】
前記距骨コンポーネントの後側は第1の幅を有し、前記距骨コンポーネントの前側は第2の幅を有し、前記第2の幅は前記第1の幅よりも大きい、請求項1~12のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項14】
前記距骨コンポーネントの上面と底面との間に位置する第1の側壁と、
前記距骨コンポーネントの上面と底面との間に位置する第2の側壁と、
をさらに含み、前記底面の最小幅は前記上面の最小幅よりも大きく、前記第1の側壁と前記第2の側壁のそれぞれが前記底面から前記上面に向かって内側に傾斜している、請求項1~13のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項15】
前記距骨コンポーネントの内部は空洞である、請求項1~14のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項16】
前記距骨コンポーネントの内部に格子構造が含まれている、請求項15に記載の人工足首。
【請求項17】
前記距骨コンポーネントの内部に、交互にされた剛性層および格子構造層が含まれている、請求項15に記載の人工足首。
【請求項18】
前記距骨コンポーネントは、前記底面に隣接して配置された多孔質構造を含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項19】
前記距骨コンポーネントは、前記多孔質構造に埋め込まれた1つまたは複数のチャネルを含む、請求項18に記載の人工足首。
【請求項20】
前記1つまたは複数のチャネルは、それぞれが互いに流体連通するように相互接続されている、請求項19に記載の人工足首。
【請求項21】
前記1つまたは複数のチャネルのうちの少なくとも1つのチャネルは前記距骨コンポーネントの前側に延在している、請求項19または20に記載の人工足首。
【請求項22】
前記底面は、前記底面から離れるように延在する1つまたは複数の骨間固定要素を含み、前記1つまたは複数の骨間固定要素は距骨内に配置されるように構成されている、請求項1~21のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項23】
前記骨間固定要素のそれぞれの内部は中空で、格子構造を含む、請求項22に記載の人工足首。
【請求項24】
前記1つまたは複数の骨間固定要素は、一対の距骨ペグを備え、前記一対の距骨ペグのそれぞれは、前記距骨コンポーネントの底面に対して0度から90度の間の角度をなしている、請求項22または23に記載の人工足首。
【請求項25】
前記一対の距骨ペグのそれぞれは、前記距骨コンポーネントの底面に対して垂直である、請求項24に記載の人工足首。
【請求項26】
軸受面と、
脛骨に隣接して配置されるように構成された上面と、前記軸受面の上面に隣接して配置されるように構成された底面とを有する脛骨コンポーネントと
をさらに備えている、請求項1~25のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項27】
前記軸受面と前記脛骨コンポーネントとは、互いに対して移動することができ、前記軸受面の上面で互いに摩擦係合し得るように、前記軸受面の底面は前記距骨コンポーネントの上面と実質的に一致するように構成されている、請求項26に記載の人工足首。
【請求項28】
前記距骨コンポーネントの底面は、患者の骨内に配置されるように構成され、前記底面の外面の少なくとも一部は、亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金を含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項29】
前記亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金は、Zn-Sr、Zn-0.8Sr、Zn-0.6Sr、Zn-0.5Sr、Zn-0.4Sr、Zn-0.2Sr、およびZn-0.1Srからなるグループから選択される、請求項28に記載の人工足首。
【請求項30】
前記亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金は、CD45-、CD45´/CD146+、CD45-CD271+、CD31-44+45-73+90+105+、およびCD45-CD34+からなるグループから選択され、間葉系幹細胞の骨形成を刺激する、請求項28または29に記載の人工足首。
【請求項31】
前記亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金は、PI3K/Akt細胞、MAPK/Erk細胞、および/または、Wnt/β-カテニン経路シグナル伝達を増加させ、それにより、骨リモデリングに対する同化作用および抗異化作用を促進している、請求項28~30のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項32】
前記亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金は、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)、およびシリコンからなるグループから選択される材料をさらに含む、請求項28~31のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項33】
前記亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金は微量のマグネシウムしか含まない、請求項28~32のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項34】
前記距骨コンポーネントの上面は、前記距骨コンポーネントを骨に移植した後、骨から離れるように延在するように構成され、前記距骨コンポーネントの上面の外面は第1の材料を含み、前記距骨コンポーネントの底面の外面は前記第1の材料とは異なる第2の材料を含む、請求項28~33のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項35】
前記第1の材料はチタン合金、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはコバルト・クロム(CoCr)合金を含み、前記第2の材料は亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金を含む、請求項34に記載の人工足首。
【請求項36】
前記亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金は、第2の端部の外面から延在する三次元構造を備えている、請求項28~35のいずれか一項に記載の人工足首。
【請求項37】
前記三次元構造は足場を備えている、請求項36に記載の人工足首。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連アプリケーションへの相互参照]
本出願は、(i)2021年12月3日に出願された「足関節全置換のための解剖学的距骨コンポーネント設計」と題する米国仮出願第63/285,690号、並びに、(ii)2022年5月2日に出願された「幹細胞刺激のための亜鉛ストロンチウム合金を用いた人工インプラント」と題する米国仮出願第63/337,556号に対する優先権の利益を主張し、それぞれの内容は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
多軸回転軸(multiaxial axis)を有する解剖学的滑車面(anatomic trochlear surface)を有する距骨インプラント(talar implant)により、全置換足首補綴物(total ankle replacement prosthetic)が歩行中の自然な運動を模倣することが可能になる、解剖学的距骨インプラントが本明細書に開示されている。
【発明の概要】
【0003】
本明細書の開示は、人工足首用の距骨コンポーネントを含む。本明細書に記載される距骨コンポーネントは、屈曲および伸展中の連動した動きを可能にすることによって、生来の足首関節と同様の可動性を可能にする。
【0004】
特に、人工足首は、足首の自然な運動を再現するように設計されている。人工足首の距骨コンポーネントの回転軸は傾斜しており、横断面と冠状面とで複合角として配向されている。距骨コンポーネントの回転軸を歪めることに加えて、距骨コンポーネントは、内側半径が大きく外側半径が小さくなるように半径が変化するように設計されており、これは自然な関節機能の再現にも役立つ。背屈時の足首の内外旋能力の向上を助けるために、後方に広がるテーパー状の解剖学的滑車溝(trochlear groove)により、中立姿勢および背屈姿勢での安定性を維持しながらこの動作が可能になる。本明細書に開示される滑車溝の設計は、足首の内側/外側の安定性を維持するのに役立ち得る。
【0005】
さらに、強度をもたらしながら重量を軽減するために、距骨コンポーネントは、通常の歩行中に地面反力に対抗するのに必要な強度をもたらす内部格子構造(internal lattice structure)を含み得る。距骨コンポーネントの底面は、骨の内方成長/成長(bone ingrowth/on growth)を促進するために骨に面する多孔質構造(porous structure)に結合されてもよく、移植後に使用者が適切な送達システムを用いてセメントおよび生物製剤を挿入できるようにする1つまたは複数のチャネルを含み得る。これらのチャネルは、距骨コンポーネントの剛性本体と多孔質の骨境界面との間に位置する。
【0006】
したがって、一態様では、人工足首は、上面および底面を有する距骨コンポーネントを備え得る。底面は距骨に隣接して配置されるように構成される。上面は、距骨コンポーネントの後側(posterior side)から距骨コンポーネントの前側(anterior side)まで延在する解剖学的滑車溝を含む。滑車溝は、距骨コンポーネントの後側に隣接する第1の部分と、距骨コンポーネントの前側に隣接する第2の部分とを含む。
【0007】
上述したように、人工インプラントはさまざまな医療処置で使用される。このような処置では、人工インプラントの少なくとも一部が患者の骨に挿入され得る。このような処置における一般的な失敗モードは、移植後の人工インプラントの緩みまたは沈下である。患者の解剖学的構造と人工インプラント表面の骨統合(osseointegration)は治癒過程における重要なステップであり、インプラントの緩みの可能性を減らすことで人工インプラントの寿命と成功に貢献することが可能である。
【0008】
したがって、本明細書の開示は、インプラント部位における骨形成(osteogensis)および骨統合(osseointegration)の刺激に役立つ亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)界面を有する人工インプラントをさらに含む。
【0009】
非限定的な例としての足関節全置換術(total ankle replacement:TAR)用の距骨および脛骨コンポーネントなどの現在の人工インプラントは、一般に、Tiプラズマスプレー(Ti Plasma spray)、ヒドロキシアパタイト(hydroxyapatite:HA)、またはリン酸カルシウム(CaP)でコーティングされる。最近の付加製造の進歩により、インプラントによる骨の内方成長をさらに促進するために、Tiプラズマスプレーの代わりに多孔質または足場のような構造が使用されるようになった。これらの骨内方成長面(bone ingrowth surfaces)は骨結合の可能性をもたらすが、骨形成活性(osteogenic activity)が欠如しているため、新しい骨の形成は促進されない。さまざまな人工インプラントの多孔質内方成長面にZn-Srベースの金属を追加すると、骨形成および骨統合の刺激に役立つだけでなく、この反応の増加により、構造物の固定を強化しながら、手術後の治癒時間を短縮できる可能性がある。Zn-Sr合金の骨化反応(ossification response)の増加は、新しい骨の形成を促進しながら骨吸収(bone resorption)を抑制することを考慮すると、インプラントの緩み(loosening)や沈下(subsidence)の可能性を潜在的に減らす可能性がある。
【0010】
これらおよび他の態様、利点、並びに代替案は、必要に応じて添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】人工足首の距骨コンポーネントの一例を示す上面図である。
【
図2】
図1の距骨コンポーネントの一例の正面図である。
【
図3】
図1の例示的な距骨コンポーネントの正面図であり、上面の変化する内側半径および外側半径を示す。
【
図4】
図1の距骨コンポーネントの一例の側面図である。
【
図5】格子構造を示す、
図1の例示的な距骨コンポーネントの側方断面図である。
【
図6】多孔質構造を示す例示的な距骨コンポーネントの底面図である。
【
図7】1つまたは複数のチャネルを示す例示的な距骨コンポーネントの底面図である。
【
図8】内部格子構造を有するシェル構造を示す距骨コンポーネントの別の一例の底面図である。
【
図9】
図8のシェル内に配置された格子構造を示す距骨コンポーネントの別の一例の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面を参照すると、
図1~
図2は、人工足首の距骨コンポーネント100を示している。距骨コンポーネント100は、上面102と、上面102の反対側の底面104とを含む。底面104は、患者の距骨に隣接して配置されるように構成される。上面102は、距骨コンポーネント100の後側108から距骨コンポーネント100の前側110まで延在する滑車溝(trochlear groove)106を含む。滑車溝106は、距骨コンポーネント100の後側108に隣接する第1の部分112と、距骨コンポーネント100の前側110に隣接する第2の部分114とを含む。一例では、滑車溝106の第1の部分112の直径は、滑車溝106の第2の部分114の直径とは異なる。一例では、滑車溝106の第1の部分112の直径は、滑車溝106の第2の部分114の直径よりも大きい。別の例では、滑車溝106の第1の部分112の直径は、滑車溝106の第2の部分114の直径よりも小さい。
【0013】
一例では、
図1に示されるように、滑車溝106は、距骨コンポーネント100の後側108から距骨コンポーネント100の前側110まで延在するにつれて、横方向に傾斜している。
図1および
図2に示されるように、一例では、距骨コンポーネント100の上面102は、内側方向から外側方向へ上方に傾斜しており、距骨コンポーネント100の上面102は、前方向から後方向に向かって後方に傾斜している。そのため、人工足首の距骨コンポーネントの回転軸は傾斜し、横断面と冠状面と(transverse and coronal planes)で複合角をなすように配向されている。一例では、距骨コンポーネント100の回転軸は、冠状面(coronal plane)において内側から外側へ上方に傾斜し、横断面(transverse plane)において内側から外側へ後方に傾斜している。一例では、回転軸は上面102と同じ方向に傾斜している。
【0014】
一例では、距骨コンポーネント100は、内側半径(medial radius)が大きく、外側半径(lateral radius)が小さい、半径が変化するように設計される。特に、
図3に示されるように、距骨コンポーネント100の上面102の内側部分(medial portion)の平均曲率半径は、距骨コンポーネント100の上面102の外側部分(lateral portion)の平均曲率半径よりも大きい。このような一例では、内側部分は、滑車溝106の内側である距骨コンポーネント100の上面102の部分を含み、外側部分は、滑車溝106の側方である距骨コンポーネント100の上面102の部分を含む。上述した距骨コンポーネント100の傾斜した回転軸および変化する半径は、足首の自然な関節運動を再現するのに役立ち、足首が底屈(plantarflexion)に移行するときに内旋および内転(internal rotation and inversion)が可能になり、足首が背屈(dorsiflexion)に移行するときに外旋および外転(external rotation and eversion)が可能になることによって、自然な足首関節と同様の可動性を可能にする。
【0015】
さらに、
図2に示されるように、距骨コンポーネント100の前側110における上面102の内側部分の高さは可変である一方、距骨コンポーネント100の前側110の上面102の側部の高さは一定である。一例では、距骨コンポーネント100の前側110の上面102の側方部分の高さはゼロである。
【0016】
一例では、(冠状面における)滑車溝106の第1の部分112の直径は約10mm~約16mmであり、滑車溝106の第2の部分114の直径(内側横方向)は約8mmから約12mmであり得る。滑車溝106の第1の部分112の直径(内側横方向)は、約10mm、約11mm、約12mm、約13mm、約14mm、約15mm、または約16mmであり得る。(冠状面における)滑車溝106の第2の部分114の直径は、約8mm、約9mm、約10mm、約11mm、または約12mmであり得る。一例では、滑車溝106の第1の部分112の直径はその長さに沿って一定であり、滑車溝106の第2の部分114の直径もその長さに沿って一定である。別の例では、滑車溝106の第1の部分112の直径はその長さに沿って変化し、滑車溝106の第2の部分114の直径もその長さに沿って変化する。別の例では、滑車溝106の第1の部分112の直径はその長さに沿って変化し、滑車溝106の第2の部分114の直径はその長さに沿って一定である。さらに別の例では、滑車溝106の第1の部分112の直径はその長さに沿って一定であり、滑車溝106の第2の部分114の直径はその長さに沿って変化する。このように、滑車溝106は、一定または変化する内側・外側直径(溝の幅)を有しながら、前方から後方まで変化する半径を有し得る(滑車溝106がたどる曲率半径は、前方に第1の半径を有し、後方に第2の半径を有し得る)。
【0017】
一例では、滑車溝106の第1の部分112は第1の長さを有し、滑車溝106の第2の部分114は第2の長さを有し、第2の長さは第1の長さよりも大きい。上述したように後方に広がる先細の滑車溝106は、中立姿勢および背屈姿勢(neutral and dorsiflexion stances)での安定性を維持しながら、底屈(plantarflexion)中および背屈(dorsiflexion)中の足首の内旋能力および外旋能力の向上に貢献する。
【0018】
一例では、
図1に示されるように、距骨コンポーネント100の後側108は第1の幅を有し、距骨コンポーネント100の前側110は第2の幅を有し、第2の幅は第1の幅よりも大きい。距骨コンポーネント100は、距骨コンポーネント100の上面102と底面104との間に位置する第1の側壁116と、距骨コンポーネント100の上面102と底面104との間に位置する第2の側壁118とをさらに含み得る。このような一例では、第1の側壁116および第2の側壁118のそれぞれが底面104から上面102に向かって内側に傾斜するように、底面104の最小幅は上面102の最小幅よりも大きい。
【0019】
軸受面(bearing surface)と関節運動する最新の関節形成装置(arthroplasty devices)のほとんどは、耐摩耗性を向上させるために、コバルト・クロム(CoCr)合金、セラミック合金、酸化ジルコニウム、および窒化物被覆チタン合金から製造される。しかし、コバルト・クロムおよび前述した材料は高密度の材料であり、その重量が増加すると、インプラントが存在する密度の低い骨に対する摩耗が増加し得る。コバルト・クロムの望ましい特性を維持しながら、そのような磨耗を最小限に抑え、インプラントの重量を軽減するために、重量軽減メカニズムが望ましい。一例では、
図5に示されるように、距骨コンポーネント100の内部が中空である。このような一例では、距骨コンポーネント100の内部は格子構造(lattice structure)120を含む。一例では、距骨コンポーネント100の内部全体が格子構造120を含む。別の例では、距骨コンポーネント100の内部は、交互になった剛性層(solid layers)と格子構造層とを含む。剛性層と格子層とは、同じ材料(コバルト・クロムなど)または混合材料層のバリエーションから製造され得る。これと同じ材料で距骨コンポーネント100のシェルを構成することもできる。インプラントに強度を加える距骨コンポーネント100の中空内部に配置された格子構造120は、均一なビーム設計(uniform beam design)またはフォーミュラ駆動ジャイロイド形状(formula driven gyroid shape)のいずれかにされ得る。多孔質構造(porous structure)122は、成長/内方成長中表面(on-growth/ingrowth surface)の確率論的タイプ(stochastic type)として作成および画定され得る。材料は同じであってもよいが、格子構造120および多孔質構造122の両方の特性であるセルタイプおよび構造は異なり得る。
【0020】
一例では、
図6に示されるように、距骨コンポーネント100は、底面104に隣接して配置された多孔質構造122を含む。一例では、多孔質構造122は、焼結、拡散結合、焼結、拡散結合、或いは、底面104に付加製造された別々の表面または構造を含み得る。多孔質構造122は、距骨コンポーネント100の骨の内方成長/成長を有利に促進させ得る。別の例では、
図7に示されるように、距骨コンポーネント100は、多孔質構造122に埋め込まれた1つまたは複数のチャネル124を含む。1つまたは複数のチャネル124は、それぞれが互いに流体連通するように相互接続され得る。一例では、1つまたは複数のチャネル124のうちの少なくとも1つのチャネルは、距骨コンポーネント100の前側110まで延在する。このように、距骨コンポーネント100の前側110まで延在する1つまたは複数のチャネル124のうちの1つのチャネルは、骨セメント(bone cement)および/または他の生物製剤(biologics)を多孔質構造122に注入し、骨の内方成長/距骨コンポーネント100の成長をさらに促進するための使用者へのアクセスを提供する。
【0021】
一例では、1つまたは複数のチャネル124は、距骨コンポーネント100の後側108から距骨コンポーネントの前側110の方向に延在する第1のチャネルを備え、1つまたは複数のチャネル124は、第1のチャネルから横方向に延在する第2のチャネルをさらに含み、1つまたは複数のチャネル124は、第1のチャネルから内側方向に延在する第3のチャネルをさらに含む。
【0022】
図8は距骨コンポーネント100のシェル126を示し、
図9はシェル126の中空部分全体に配置された格子構造120を示す。多孔質構造122(
図8および
図9には図示せず)は、格子構造120と、距骨コンポーネント100の底面104のシェル126の縁部128の両方を覆うことになる。
【0023】
図8~
図9にさらに示されるように、底面104は、底面104から遠ざかるように延在する1つまたは複数の骨間固定要素(interosseous fixation elements)130を含む。一例では、1つまたは複数の骨間固定要素130は、一対の距骨ペグを含む。使用時、1つまたは複数の骨間固定要素130は、患者の距骨内に配置されるように構成される。一例では、1つまたは複数の骨間固定要素130のそれぞれの内部は剛性である。別の例では、1つまたは複数の骨間固定要素130のそれぞれの内部は中空であり、上述した距骨コンポーネント100の本体の格子構造120と同様の格子構造を含む。一例では、1つまたは複数の骨間固定要素130のそれぞれは、骨セメントおよび/または他の生物製剤を注入するための1つまたは複数のチャネルをさらに含む。一例では、1つまたは複数の骨間固定要素130のそれぞれは、1つまたは複数の骨間固定要素130の外側に配置された多孔質構造をさらに含み、それにより、上述した距骨コンポーネント100の底面104の多孔質構造122と同様の1つまたは複数の骨の内方成長/成長を促進する。一例では、1つまたは複数の骨間固定要素130のそれぞれは、距骨コンポーネント100の底面104に対して0度から90度の間の角度をなしている。別の例では、1つまたは複数の骨間固定要素130のそれぞれは、距骨コンポーネント100の底面104に対して垂直である。
【0024】
本明細書に記載される距骨コンポーネント100は、屈曲および伸展中(during flexion and extension)の連動した動きを可能にすることによって、生来の足首関節と同様の可動性を可能にする。距骨コンポーネント100は、足首が底屈に移動するときに内旋および内転(internal rotation and inversion)を可能にし、足首が背屈に移動するときに外旋および外転(external rotation and eversion)を可能にする。
【0025】
距骨コンポーネント100は、軸受面と、脛骨に隣接して配置されるように構成された上面と軸受面の上面に隣接して配置されるように構成された底面とを有する脛骨コンポーネントをさらに含み得る。一例では、軸受面は超高分子量ポリエチレン(ultra-high-molecular-weight polyethylene:UHMWPE)を含む。一例では、軸受面の底面は、距骨コンポーネント100の上面102と実質的に一致するように構成され、軸受面と脛骨コンポーネントとが互いに対して移動し、距骨コンポーネント100の軸受面の上面で互いに摩擦係合し得る。一例では、軸受面の底面は、脛骨コンポーネントに対する軸受面の可動性を少なくとも部分的に制限するように構成される。
【0026】
一例では、距骨コンポーネント100の底面104は、患者の骨と接触して配置されるように構成され、底面104の外面の少なくとも一部は、亜鉛ストロンチウム(Zn-Sr)合金を含む。このような例では、Zn-Sr合金は、Zn-Sr、Zn-0.8Sr、Zn-0.6Sr、Zn-0.5Sr、Zn-0.4Sr、Zn-0.2Sr、およびZn-0.1Srからなるグループから選択される。人工インプラントの第2の端部が患者の骨に接触すると、Zn-Sr合金がインプラント部位の間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells)の骨形成を刺激する。一例では、Zn-Sr合金は、CD45-、CD45´/CD146+、CD45-CD271+、CD31-44+45-73+90+105+、および、CD45-CD34+からなるグループから選択される間葉系幹細胞を刺激する。さらに、Zn-Sr合金は、PI3K/Akt細胞、MAPK/Erk細胞、および/または、Wnt/β-カテニン経路シグナル伝達を増加させ、これにより、骨リモデリングに対する同化作用(anabolic effect)および抗異化作用(anticatabolic effect)を促進する。一例では、Zn-Sr合金は、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)、およびシリコンからなるグループから選択される材料をさらに含む。別の例では、Zn-Sr合金は、微量のマグネシウムしか含まない。
【0027】
足関節全置換術(total ankle replacement surgeries)のために距骨コンポーネント100の底面104にSr-Znベースの金属を追加すると、新しい骨の形成を促進および/または刺激するのに役立つであろう。また、治癒過程中の骨吸収も抑制し、これにより、インプラントの緩みや沈下に関連する潜在的な失敗モードを軽減する。
【0028】
一例では、距骨コンポーネント100の上面102は、人工インプラントを骨に移植した後、骨から離れるように延在するように構成される。そのような一例では、距骨コンポーネント100の上面102の外面は第1の材料を含み、距骨コンポーネント100の底面104の外面は第1の材料とは異なる第2の材料を含む。そのような一例では、第1の材料はチタン合金、ステンレス鋼、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはコバルト・クロム(CoCr)合金を含み、第2の材料はZn-Sr合金を含む。
【0029】
一例では、Zn-Sr合金は、底面104の外面から延在する三次元構造を含む。そのような一例では、三次元構造は足場(scaffold)を含む。
【0030】
いくつかの例では、人工インプラントの1つまたは複数のコンポーネントは、光リソグラフィー(stereolithography)、マルチジェットモデリング(multi-jet modeling)、インクジェット印刷、選択的レーザー焼結/溶融(selective laser sintering/melting)(またはDMLS、EBM)、並びに、他の可能性の中でも特に溶融フィラメント製造(fused filament fabrication)などの付加製造機械を使用する付加製造プロセスを介して作製される。付加製造により、人工インプラントの1つまたは複数のコンポーネントやその他の物理的オブジェクトを、積層生成プロセス(layer-upon-layer generation process)を使用して内部接続された一体構造として作成できる。付加製造は、物体の設計に基づいて1つまたは複数の選択された材料で物理的物体を堆積することを含み得る。例えば、付加製造は、距骨コンポーネント100のコンピュータ支援設計(CAD)を命令として使用して、距骨コンポーネント100の1つまたは複数のコンポーネントを生成し得る。その結果、距骨コンポーネント100の設計への変更は、距骨コンポーネント100の後続の物理的な作成において直ちに実行され得る。これにより、人工インプラントのコンポーネントを、さまざまなタイプの用途(例えば、さまざまなタイプおよびサイズの患者の解剖学的構造で使用するため)に合わせて簡単に調整または拡大縮小することができる。
【0031】
付加製造で利用される積層プロセス(layer-upon-layer process)は、サブトラクティブ製造(subtractive manufacturing)で組み立てられたデバイスでは不可能な複雑な設計の人工インプラントの1つまたは複数のコンポーネントを堆積し得る。同様に、人工インプラントの設計には、全体的な動作を改善することを目的とした側面を含み得る。例えば、従来の製造デバイスでは再現できない可能性がある、応力を望ましい方法で方向転換するのに役立つ物理的要素を設計に組み込むことができる。
【0032】
付加製造は、マルチマテリアル付加製造プロセスを使用して、人工インプラントの1つまたは複数のコンポーネントをさまざまな材料で堆積することも可能にする。そのような例では、人工インプラントの第1の端部の外面は第1の材料から作られ、人工インプラントの第2の端部の外面は第1の材料とは異なる第2の材料から作られ得る。別の例では、人工インプラント全体が同じ材料で作られる。他の材料の組み合わせ例も同様に可能である。さらに、人工インプラントの1つまたは複数のコンポーネントは、第1のタイプの材料を使用して作成されるいくつかの層と、第2のタイプの材料を使用して作成される他の層とを有し得る。
【0033】
一例では、人工インプラントの1つまたは複数のコンポーネントの内部は中空である。このような一例では、人工インプラントの内部は格子構造を含む。一例では、人工インプラントの内部全体が格子構造を含む。別の例では、人工インプラントの内部は、交互にされた剛性層と格子構造層とを含む。剛性層と格子層とは、同じ材料(CoCrなど)または混合材料層のバリエーションから製造され得る。この同じ材料で、人工インプラントのシェルも構成され得る。インプラントに強度を加える人工インプラントの中空内部に配置された格子構造は、均一なビーム設計またはフォーミュラ駆動ジャイロイド形状のいずれかにされ得る。
【0034】
図1~
図9のいずれか1つに示されるようないくつかの例では、距骨コンポーネント100の1つまたは複数のコンポーネントは、他の可能性の中でも特に、ステレオリソグラフィー、マルチジェットモデリング、インクジェット印刷、選択的レーザー焼結/溶融、並びに、溶融フィラメント製造などの付加製造機械を使用する付加製造プロセスを介して作製される。付加製造により、距骨コンポーネント100の1つまたは複数のコンポーネントおよび他の物理的物体を、積層生成プロセスの使用を介して内部接続された一体構造として作成することが可能になる。付加製造は、物体の設計に基づいて1つまたは複数の選択された材料で物理的物体を堆積することを含み得る。例えば、付加製造は、距骨コンポーネント100のコンピュータ支援設計(CAD)を命令として使用して、距骨コンポーネント100の1つまたは複数のコンポーネントを生成し得る。その結果、距骨コンポーネント100の設計への変更は、距骨コンポーネント100の後続の物理的な作成において直ちに実行され得る。これにより、人工インプラントのコンポーネントを、さまざまなタイプの用途(例えば、さまざまなタイプおよびサイズの患者の解剖学的構造で使用するため)に合わせて簡単に調整または拡大縮小することができる。
【0035】
付加製造で利用される積層プロセスは、サブトラクティブマニュファクチャリングで組み立てられたデバイスでは不可能な複雑な設計で距骨コンポーネント100の1つまたは複数のコンポーネントを堆積し得る。同様に、距骨コンポーネント100の設計は、全体的な動作を改善することを目的とした態様を含み得る。例えば、従来の製造デバイスでは再現できない可能性がある、応力を望ましい方法で方向転換するのに役立つ物理的要素を設計に組み込むことができる。
【0036】
付加製造は、マルチマテリアル付加製造プロセス(multi-material additive-manufacturing process)を使用して、距骨コンポーネント100の1つまたは複数のコンポーネントをさまざまな材料で堆積することも可能にする。このような例では、距骨コンポーネント100の大部分は第1の材料から作られ、格子構造120および/または多孔質構造122は第1の材料とは異なる第2の材料から作られ得る。別の例では、距骨コンポーネント100全体が同じ材料から作られる。他の材料の組み合わせ例も同様に可能である。さらに、距骨コンポーネント100の1つまたは複数のコンポーネントは、第1のタイプの材料を使用して作成されるいくつかの層と、第2のタイプの材料を使用して作成される他の層とを有し得る。
【0037】
本明細書で説明する構成は、例示のみを目的としたものであることを理解されたい。したがって、当業者であれば、他の構成および他の要素(例えば、機械、インターフェース、機能、順序、および機能のグループ化など)を代わりに使用することができ、また、所望の結果に応じて一部の要素を完全に省略できることを理解するであろう。さらに、説明される要素の多くは、別々のコンポーネント若しくは分散コンポーネントとして、または他のコンポーネントと連携して、任意の適切な組み合わせおよび位置で実装され得る機能エンティティとして、或いは、独立した構造として説明された他の構造要素が組み合わされてもよい。
【0038】
様々な態様および例が本明細書に開示されているが、他の態様および例は当業者には明らかであろう。本明細書に開示される様々な態様および実施例は、例示を目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は、そのような請求項が権利を有する均等物の全範囲とともに、以下の特許請求の範囲によって示される。また、本明細書で使用される用語は、特定の例を説明することのみを目的としており、限定することを意図したものではないことも理解されたい。
【0039】
例示的な方法およびシステムが本明細書に記載される。「例」、「例えば」、「例示的な」という用語は、本明細書では「例、実例、または説明として役立つ」という意味で使用されることを理解されたい。「例」、「例えば」、「例示的」として本明細書に記載される任意の例または特徴は、必ずしも他の例または特徴よりも好ましい若しくは有利であると解釈されるべきではない。本明細書に記載される例は、限定を意図するものではない。本明細書に概して説明され、図面に示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、設計することができ、本明細書でそのすべてが明示的に企図されることが容易に理解されるであろう。
【0040】
さらに、図示されている特定の構成は、限定的なものと見なされるべきではない。他の例は、所与の図面に示されている各要素を多かれ少なかれ含み得ることを理解されたい。そして、図示された要素のいくつかは、組み合わせられたり、省略されたりされ得る。さらに、一例には、図示されていない要素が含まれ得る。
【0041】
以下の説明では、開示された概念の完全な理解を提供するために多くの特定の詳細が記載されているが、これらの詳細の一部または全部がなくても実施することができる。他の場合には、開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、既知の装置および/またはプロセスの詳細が省略されている。いくつかの概念を特定の例と併せて説明するが、これらの例は限定を意図するものではないことが理解されるだろう。
【0042】
本明細書で使用される場合、「結合された」とは、直接的および間接的に関連付けられることを意味する。例えば、部材Aは部材Bに直接関連付けることも、別の部材Cなどを介して間接的に関連付けることもできる。開示された様々な要素間のすべての関係が必ずしも表されているわけではないことが理解されるだろう。
【0043】
特に断りのない限り、「第1」、「第2」などの用語は、本明細書では単にラベルとして使用され、これらの用語が指すアイテムに順序、位置、または階層的な要件を課すことを意図していない。さらに、例えば「第2」のアイテムへの言及は、例えば「第1」またはそれ以下の番号のアイテム、および/または、例えば「第3」またはそれ以上の番号のアイテムの存在を要求したり排除したりするものではない。
【0044】
本明細書における「一実施形態」または「一例」または「例」への言及は、実施例に関連して説明される1つまたは複数の特徴、構造、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所での「一実施形態」、「一例」、または「例」という語句は、同じ例を指している場合もあれば、そうでない場合もある。
【0045】
本明細書で使用される場合、特定の機能を実行する「ように構成された」システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、またはハードウェアは、単にさらなる変更を加えた後に指定された機能を実行する可能性があるだけではなく、実際に何の変更もせずに特定の機能を実行することができる。言い換えれば、指定された機能を実行するように「構成された」システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、またはハードウェアは、指定された機能を実行する目的のために特別に選択、作成、実装、利用、プログラム、および/または、設計される。本明細書で使用される「ように構成された」とは、さらなる変更無しに、システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、またはハードウェアが、指定された機能を実行できるようにする、システム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、またはハードウェアの既存の特性を示す。本開示の目的上、特定の機能を実行するように「構成されている」と説明されているシステム、装置、構造、物品、要素、コンポーネント、またはハードウェアは、追加または代替として、その機能を「実行するように構成されている」および/または「動作可能である」と説明され得る。
【0046】
以下の特許請求の範囲の限定は、ミーンズ・プラス・ファンクション形式で書かれておらず、そのような請求項の制限が「手段」という語句を明示的に使用し、その後にさらなる構造を持たない機能の記述を使用するまで、35U.S.C.§112(f)(米国特許法)に基づいて解釈されることを意図したものではない。
【0047】
本明細書に記載の量または測定値に関して「約」、「およそ」、または「実質的に」という用語によって、規定された特性、パラメータ、または値が正確に達成される必要はないが、例えば、公差、測定誤差、測定精度の制限、並びに、当業者に知られている他の要因を含む偏差または変動は、その特性がもたらすことを意図した効果を妨げない量で発生し得る。例えば、一実施形態では、「約」という用語は、所与の値の±5%を指し得る。
【0048】
本開示による主題の、特許請求される場合もされない場合もある、例示的な非網羅的な例を以下に提供する。
【符号の説明】
【0049】
100 距骨コンポーネント
102 上面
104 底面
106 滑車溝
108 後側
110 前側
112 第1の部分
114 第2の部分
116 第1の側壁
118 第2の側壁
120 格子構造
122 多孔質構造
124 チャネル
126 シェル
128 縁部
130 骨間固定要素
【国際調査報告】