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特表2024-541634一酸化炭素及び貴重な生成物の電気化学的生成
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  • 特表-一酸化炭素及び貴重な生成物の電気化学的生成 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】一酸化炭素及び貴重な生成物の電気化学的生成
(51)【国際特許分類】
   C25B 1/23 20210101AFI20241031BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20241031BHJP
   C25B 13/07 20210101ALI20241031BHJP
   C25B 13/04 20210101ALI20241031BHJP
   C25B 11/052 20210101ALI20241031BHJP
   C25B 11/077 20210101ALI20241031BHJP
【FI】
C25B1/23
C25B9/00 H
C25B13/07
C25B13/04 301
C25B11/052
C25B11/077
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532718
(86)(22)【出願日】2022-11-30
(85)【翻訳文提出日】2024-05-31
(86)【国際出願番号】 US2022051391
(87)【国際公開番号】W WO2023102039
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】63/284,830
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/289,421
(32)【優先日】2021-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522162325
【氏名又は名称】ユティリティ・グローバル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Utility Global, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ファランドス,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ドーソン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ダナ,ジェイソン
【テーマコード(参考)】
4K011
4K021
【Fターム(参考)】
4K011AA69
4K011BA12
4K011DA11
4K021AB25
4K021DB18
4K021DB31
4K021DB40
4K021DC11
4K021DC13
(57)【要約】
本明細書において考察されるのは、一酸化炭素を生成する方法であって、(a)アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間の混合伝導性膜を有する、電気化学反応器を提供することと、(b)第1の流れをアノードに導入することであって、第1の流れが、燃料を含む、導入することと、(c)第2の流れをカソードに導入することであって、第2の流れが、二酸化炭素を含み、一酸化炭素が、二酸化炭素から電気化学的に発生する、導入することと、を含み、反応器が、電気を発生させず、かつ電気を受容しない、方法である。一実施形態では、アノード及びカソードは、膜によって分離され、その両方が、動作の全時間中、還元環境に曝露される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一酸化炭素を生成する方法であって、(a)アノード、カソード、及び前記アノードと前記カソードとの間の混合伝導性膜を有する、電気化学反応器を提供することと、(b)第1の流れを前記アノードに導入することであって、前記第1の流れが、燃料を含む、導入することと、(c)第2の流れを前記カソードに導入することであって、前記第2の流れが、二酸化炭素を含み、一酸化炭素が、二酸化炭素から電気化学的に発生する、導入することと、を含み、前記反応器が、電気を発生させず、かつ電気を受容しない、方法。
【請求項2】
前記燃料が、アンモニア、シンガス、水素、メタノール、一酸化炭素、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記カソード排気が、分離器を通過し、前記発生した一酸化炭素が、二酸化炭素から分離される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アノード及び前記カソードが、前記膜によって分離され、その両方が、動作の全時間中、還元環境に曝露される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アノード及び前記カソードが、同じ要素を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記アノード及び前記カソード並びに前記膜が、同じ要素を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アノード及び前記カソード並びに前記膜が、Ni-YSZ又はLaSrFeCr-SSZ又はLaSrFeCr-SCZを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記アノード及び前記カソードが、Ni又はNiOと、YSZ、CGO、SDC、SSZ、LSGM、CoCGO、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料と、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記膜が、電子伝導性相及びイオン伝導性相を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記電子伝導性相が、ドープランタンクロマイト若しくは電子伝導性金属、又はそれらの組み合わせを含み、前記イオン伝導性相が、ガドリニウム又はサマリウムドープセリア、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ランタンストロンチウムガレートマグネサイト(LSGM)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、Sc及びCeドープジルコニア(SCZ)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記膜が、CoCGO又はLST(ランタンドープチタン酸ストロンチウム)安定化ジルコニアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記安定化ジルコニアが、YSZ又はSSZ又はSCZ(スカンジアセリア安定化ジルコニア)を含み、前記LSTが、LaSrCaTiOを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記膜が、ニッケル、銅、コバルト、又はニオブドープジルコニアを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
貴重な生成物を生成する方法であって、(a)各々がアノード、カソード、及び前記アノードと前記カソードとの間の混合伝導性膜を有する、2つの電気化学反応器を提供することと、(b)燃料流を前記アノードの各々に導入することと、(c)CO含有流を第1のカソードに導入し、HO含有流を第2のカソードに導入することと、を含み、一酸化炭素が、二酸化炭素から電気化学的に発生し、水素が、水から電気化学的に発生し、反応器は電気を発生させないか、又は電気を受容しない、方法。
【請求項15】
COが、前記第1のカソード排気流からのCOから分離され、Hが、前記第2のカソード排気流からのHOから分離される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記分離されたCO及び前記分離されたHを利用して、メタノール、エタノール、炭化水素、プラスチックモノマー、ポリエチレン、又はそれらの組み合わせを生成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記アノード及び前記カソードが、それぞれ前記膜によって分離され、全てが、動作の全時間中、還元環境に曝露される、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記膜が、CoCGO又はLST(ランタンドープチタン酸ストロンチウム)安定化ジルコニアを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記安定化ジルコニアが、YSZ又はSSZ又はSCZ(スカンジアセリア安定化ジルコニア)を含み、前記LSTが、LaSrCaTiOを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項20】
前記膜が、ニッケル、銅、コバルト、又はニオブドープジルコニアを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、一酸化炭素(CO)及び関連する貴重な生成物の生成に関する。より具体的には、本発明は、一酸化炭素(CO)及び関連する貴重な生成物の電気化学的生成に関する。
【背景技術】
【0002】
一酸化炭素(CO)は、空気よりもわずかに密度が低い無色、無臭、無味、及び可燃性のガスである。COはヘモグロビンと容易に結合して、カルボキシヘモグロビンを生成し、濃度があるレベルを超えると高毒性であるため、その中毒効果でよく知られる。しかしながら、COは、多くの化学及び工業プロセスにおいて重要な成分である。COは、例えば、金属-カルボニル触媒作用、ラジカル化学、カチオン及びアニオン化学など、化学の全ての分野にわたって広範囲の機能を有する。一酸化炭素は、強力な還元剤であり、何世紀にもわたって鉱石から金属を還元するために乾式冶金において使用されてきた。特殊化合物を作製するための一例として、COは、ビタミンAの生成において使用される。
【0003】
石油及び化学工業では、大量の水素(H)が必要である。例えば、大量の水素は、化石燃料における改良、及びメタノール又は塩酸の生成において使用される。石油化学プラントは、水素化分解、水素化脱硫、水素化脱アルキルのために水素を必要とする。不飽和脂肪及び油の飽和レベルを増加させるための水素化プロセスもまた水素を必要とする。水素はまた、金属鉱石の還元剤である。水素は、水の電気分解、水蒸気改質、実験室規模の金属酸プロセス、熱化学的方法、又は嫌気性腐食から生成され得る。多くの国が、水素経済を目指している。
【0004】
フィッシャートロプシュプロセスでは、CO及びHの両方は、必須のビルディングブロックであり、多くの場合、炭素リッチな原料(例えば、石炭)を変換することによって生成される。CO及びHシンガスの混合物は、例えば、フィッシャートロプシュプロセスを介して、様々な液体燃料を生成するために結合することができる。シンガスはまた、より軽い炭化水素、メタノール、エタノール、又はプラスチックモノマー(例えば、エチレン)に変換することができる。CO/Hの比は、所望の化合物を生成するために、全てのかかるプロセスにおいて重要である。従来の技術は、ビルディングブロックとしてCO及びHを得るために、広範かつ高価な分離及び精製プロセスを必要とする。
【0005】
これらのビルディングブロック及び貴重な生成物を生成するための新規の技術プラットフォームを開発する必要性及び関心が増加していることは明らかである。本開示は、効率的な電気化学経路を介した貴重な生成物の生成を考察する。更に、本明細書において開示される方法及びシステムは、従来の技術において必要とされるような広範かつ高価な分離及び精製プロセスを必要としない。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において考察されるのは、一酸化炭素を生成する方法であって、(a)アノード、カソード、及びアノードとカソードとの間の混合伝導性膜を有する、電気化学反応器を提供することと、(b)第1の流れをアノードに導入することであって、第1の流れが、燃料を含む、導入することと、(c)第2の流れをカソードに導入することであって、第2の流れが、二酸化炭素を含み、一酸化炭素が、二酸化炭素から電気化学的に発生する、導入することと、を含み、反応器が、電気を発生させず、かつ電気を受容しない、方法である。
【0007】
一実施形態では、燃料は、アンモニア、シンガス、水素、メタノール、一酸化炭素、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、カソード排気は、分離器を通過し、発生した一酸化炭素は、二酸化炭素から分離される。一実施形態では、第2の流れは、一酸化炭素を含み、一酸化炭素は、二酸化炭素未満である。いくつかの実施形態では、アノード及びカソードは、膜によって分離され、その両方が、反応器の動作中、還元環境に曝露される。これらの実施形態のうちのいくつかでは、アノード及びカソードの両方は、反応器の動作の全時間中、還元環境に曝露される。これらの実施形態のうちの他のものでは、アノード及びカソードの両方は、一酸化炭素がカソードにおいて二酸化炭素から生成される間、還元環境に曝露される。
【0008】
一実施形態では、アノード及びカソードは、同じ要素を有する。一実施形態では、アノード及びカソード並びに膜は、同じ要素を有する。一実施形態では、アノード及びカソード並びに膜は、Ni-YSZ又はLaSrFeCr-SSZ又はLaSrFeCr-SCZを含む。一実施形態では、アノード及びカソードは、Ni又はNiOと、YSZ、CGO、SDC、SSZ、LSGM、CoCGO、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料と、を含む。
【0009】
一実施形態では、膜は、電子伝導性相及びイオン伝導性相を含む。一実施形態では、電子伝導性相は、ドープランタンクロマイト若しくは電子伝導性金属、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、イオン伝導性相は、ガドリニウム又はサマリウムドープセリア、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ランタンストロンチウムガレートマグネサイト(LSGM)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、Sc及びCeドープジルコニア(SCZ)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。
【0010】
一実施形態では、膜は、CoCGO又はLST(ランタンドープチタン酸ストロンチウム)安定化ジルコニアを含む。一実施形態では、安定化ジルコニアは、YSZ又はSSZ又はSCZ(スカンジアセリア安定化ジルコニア)を含み、LSTは、LaSrCaTiO3を含む。一実施形態では、膜は、ニッケル、銅、コバルト、又はニオブドープジルコニアを含む。
【0011】
また、本明細書において考察されるのは、貴重な生成物を生成する方法であって、(a)各々がアノード、カソード、及びアノードとカソードとの間の混合伝導性膜を有する、2つの電気化学反応器を提供することと、(b)燃料流をアノードの各々に導入することと、(c)CO2含有流を第1のカソードに導入し、H2O含有流を第2のカソードに導入することと、を含み、一酸化炭素が、二酸化炭素から電気化学的に発生し、水素が、水から電気化学的に発生し、反応器が、電気を発生させないか、又は電気を受容しない、方法である。
【0012】
一実施形態では、COは、第1のカソード排気流からのCO2から分離され、H2は、第2のカソード排気流からのH2Oから分離される。一実施形態では、方法は、分離されたCO及び分離されたH2を利用して、メタノール、エタノール、炭化水素、プラスチックモノマー、ポリエチレン、又はそれらの組み合わせを生成することを含む。
【0013】
一実施形態では、アノード及びカソードは、それぞれ膜によって分離され、全てが、動作の全時間中、還元環境に曝露される。
【0014】
一実施形態では、膜は、CoCGO又はLST(ランタンドープチタン酸ストロンチウム)安定化ジルコニアを含む。一実施形態では、安定化ジルコニアは、YSZ又はSSZ又はSCZ(スカンジアセリア安定化ジルコニア)を含み、LSTは、LaSrCaTiO3を含む。一実施形態では、膜は、ニッケル、銅、コバルト、又はニオブドープジルコニアを含む。
【0015】
更なる態様及び実施形態が、以下の図面、詳細な説明、及び特許請求の範囲において提供される。別途指定されない限り、本明細書において説明される特徴は、組み合わせ可能であり、かかる全ての組み合わせは、本開示の範囲内である。
【0016】
以下の図面は、本明細書において説明されるある実施形態を例解するために提供される。図面は単に例示であり、特許請求される発明の範囲を限定することを意図するものではなく、特許請求される発明の全ての潜在的な特徴又は実施形態を示すことを意図するものではない。図面は、必ずしも正確な縮尺で描かれるわけではなく、いくつかの例では、図面のある要素が、例解目的のために図面の他の要素に対して拡大される場合もある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一実施形態による、電気化学(EC)反応器又は電気化学ガス生成器を例解する。
図2A】本開示の一実施形態による、管状電気化学反応器を例解する。
図2B】本開示の一実施形態による、管状電気化学反応器の断面図を例解する。
図3A】本開示の一実施形態による、電気化学反応器を有するCO生成システムを例解する。
図3B】本開示の一実施形態による、2つの電気化学反応器を有する化学物質生成システムを例解する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
概要
本明細書に別途定めがない限り、以下の用語及び語句は、以下に示される意味を有する。本開示は、本明細書で明示的に定義されていない他の用語及び語句を用いる場合がある。かかる他の用語及び語句は、当業者にとって、それらが本開示の文脈内で有するであろうという意味を有するものとする。場合によっては、用語又は語句は、単数形又は複数形で定義され得る。かかる例では、反対に明示的に示されない限り、単数形のいかなる用語も、その複数の対応物を含む場合があり、逆もまた同様であることが理解される。
【0019】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明白に別途指示されない限り、複数の指示対象を含む。例えば、「置換基」への言及は、単一の置換基、並びに2つ以上の置換基などを包含する。本明細書で使用される場合、「例えば(for example)」、「例えば(for instance)」、「などの(such as)」、又は「含む(including)」は、より一般的な主題を更に明確にする例を導入することを意味する。別途明示的に示されない限り、これらの例は、本開示において例解される実施形態を理解するための補助としてのみ提供され、いかなる方法でも限定的であることを意図するものではない。また、これらの語句は、開示された実施形態に対するいかなる種類の優先性を示すものではない。
【0020】
本明細書で使用される場合、組成物及び材料は、別途指定されない限り、互換的に使用される。各組成物/材料は、複数の要素、相、及び成分を有し得る。本明細書で使用される場合、加熱は、組成物又は材料にエネルギーを積極的に加えることを指す。
【0021】
本明細書で使用される場合、YSZは、イットリア安定化ジルコニアを指し、SDCは、サマリアドープセリアを指し、SSZは、スカンジア安定化ジルコニアを指し、LSGMは、ランタンストロンチウムガレートマグネサイトを指す。
【0022】
本開示では、実質的な量のHが存在しないとは、水素の体積含有量が、5%以下、又は3%以下、又は2%以下、又は1%以下、又は0.5%以下、又は0.1%以下、又は0.05%以下であることを意味する。
【0023】
本明細書で使用される場合、CGOは、代替的に、ガドリニアドープセリア、ガドリニウムドープ酸化セリウム、酸化セリウム(IV)、ガドリニウムドープ、GDC又はGCO(式Gd:CeO)としても知られるガドリニウムドープセリアを指す。別途指定されない限り、CGO及びGDCは、互換的に使用される。本開示におけるシンガス(すなわち、合成ガス)は、主に水素、一酸化炭素、及び二酸化炭素からなる混合物を指す。
【0024】
混合伝導性膜は、電子及びイオンの両方を輸送することができる。イオン伝導性は、酸素イオン(又は酸化物イオン)、プロトン、ハロゲン化物アニオン、カルコゲン化物アニオンなどのイオン種を含む。様々な実施形態では、本開示の混合伝導性膜は、電子伝導性相及びイオン伝導性相を含む。
【0025】
本開示では、管状部の軸方向断面は、円形であることが示されるが、これは例示的なものであり、限定するものではない。管状部の軸方向断面は、当業者に既知であるように、正方形、角が丸い正方形、長方形、角が丸い長方形、三角形、六角形、五角形、楕円形、不規則な形状などの任意の好適な形状である。
【0026】
本明細書で使用される場合、セリアは、酸化セリック、二酸化セリック、又は二酸化セリウムとしても知られる酸化セリウムを指し、希土類金属セリウムの酸化物である。ドープセリアは、サマリアドープセリア(SDC)、又はガドリニウムドープセリア(GDC若しくはCGO)などの他の元素でドープされたセリアを指す。本明細書で使用される場合、クロマイトは、クロム酸化物の全ての酸化状態を含むクロム酸化物を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、不浸透性である層又は物質は、それが流体の流れに対して不浸透性であることを指す。例えば、不浸透性層又は物質は、1マイクロダルシ未満、又は1ナノダルシ未満の浸透性を有する。
【0028】
本開示では、焼結は、材料を液化の程度まで溶融することなく、熱若しくは圧力、又はそれらの組み合わせによって材料の固体塊を形成するためのプロセスを指す。例えば、材料粒子は、加熱されることによって固体又は多孔質の塊に凝集され、材料粒子内の原子は、粒子の境界を越えて拡散し、粒子をともに融合させ、1つの固体片を形成させる。
【0029】
本開示における「原位置」という用語は、同じ場所で、又は同じデバイス内のいずれかで実施される処理(例えば、加熱又は分解)プロセスを指す。例えば、アノードにおいて電気化学反応器内で起こるアンモニア分解は、原位置とみなされる。
【0030】
電気化学は、測定可能かつ定量的な現象としての電位と、識別可能な化学的変化との間の関係に関連する物理化学の分野であり、電位は、特定の化学的変化の結果か、又はその逆かのいずれかである。これらの反応は、イオン伝導性膜及び電子絶縁性膜(又は溶液中のイオン種)によって分離された、電子伝導性相(典型的には、必ずしもそうではないが、外部電気回路)を介して電極間を移動する電子を伴う。化学反応が、電気分解中など、電位差によって影響を受けるとき、又はバッテリ若しくは燃料電池のような化学反応から電位が生じる場合、それは電気化学反応と呼ばれる。化学反応とは異なり、電気化学反応では、電子(及び必然的に得られるイオン)は、分子間で直接移送されるのではなく、それぞれ、前述の電子伝導性回路及びイオン伝導性回路を介して移送される。この現象は、電気化学反応を、化学反応と区別するものである。
【0031】
電気化学反応器及び使用方法に関連して、電極及び膜などの反応器の様々な構成要素が、構成要素の構成材料とともに説明される。以下の説明は、本明細書に開示される本発明の様々な態様及び実施形態について詳述する。特定の実施形態が、本発明の範囲を定義することを意図したものではない。むしろ、実施形態は、特許請求される発明の範囲内に含まれる様々な組成物及び方法の非限定的な例を提供するものである。本説明は、当業者の観点から読まれるべきである。したがって、当業者に既知の情報は、必ずしも含まれない。
【0032】
電気化学デバイス(例えば、燃料電池)内の相互接続は、多くの場合、個々のセル又は繰り返しユニットの間に配置される金属又はセラミックのいずれかである。その目的は、電気を分配するか又は結合することができるように、各セル又は繰り返しユニットを接続することである。相互接続はまた、電気化学デバイスにおけるバイポーラプレートとも称される。本明細書で使用される場合、不浸透性層である相互接続は、流体の流れに対して不浸透性である層であることを指す。
【0033】
電気化学反応器
従来とは違い、イオン伝導性膜を含む電気化学反応器が見出されており、この反応器は、炭化水素を電気化学的に改質することができるか、又は水性ガスシフト反応を電気化学的に実施することができる。電気化学改質反応は、膜を通したイオンの交換を伴って、炭化水素を酸化させる。電気化学反応は、膜を通るイオンの交換を伴い、順水性ガスシフト反応、若しくは逆水性ガスシフト反応、又はその両方を含む。これらは、反応物質の直接の結合を伴うため、化学経路を介した従来の改質反応及び水性ガスシフト反応とは異なる。
【0034】
図1は、本開示の一実施形態による、電気化学反応器又は電気化学(EC)ガス生成器100を例解する。電気化学反応器(又はECガス生成器)デバイス100は、第1の電極101、膜103、第2の電極102を備える。第1の電極101は、燃料104を受容するように構成されている。例えば、流れ104は、H、アンモニア、シンガス、又はそれらの組み合わせを含む。流れ104は、酸素を含有しない。第2の電極102は、105で示されるように、二酸化炭素(CO)を受容するように構成されている。
【0035】
一実施形態では、デバイス100は、H(104)を受容し、第1の電極(101)においてHO(106)を生成するように構成されており、デバイス100はまた、CO(105)を受容し、第2の電極(102)においてCO(107)を生成するように構成されている。いくつかの場合では、第2の電極はまた、少量のCOを受容する。COは、反対側の電極においてHを酸化させるために必要な酸化物イオン(膜を通って輸送される)を提供するため、このシナリオでは、COが酸化剤とみなされる。COの還元は、COを生成する。このように、第1の電極101は、還元環境において酸化反応を実施し、第2の電極102は、還元環境において還元反応を実施している。いくつかの場合では、かかる環境は、名目上、還元環境とみなされる。様々な実施形態では、両方の電極は、反応器による一酸化炭素の生成中、還元環境に曝露される。いくつかの実施形態では、アノード及びカソードの両方は、反応器の動作の全時間中、還元条件に曝露される。
【0036】
様々な実施形態では、103は、酸化物イオン伝導性膜を表す。一実施形態では、第1の電極101及び第2の電極102は、Ni-YSZ又はNiO-YSZを含む。一実施形態では、酸化物イオン伝導性膜103はまた、電子を伝導する。様々な実施形態では、電極101及び102は、Ni又はNiOと、YSZ、CGO、SDC、SSZ、LSGM、CoCGO、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料と、を含む。代替的に、炭化水素を含有するガスは、膜103/電極101と接触する前に改質される。改質器は、蒸気改質、乾式改質、又はそれらの組み合わせを実施するように構成されている。改質されたガスは、供給流104として好適である。
【0037】
一実施形態では、アノード及びカソード並びに膜は、同じ要素を有する。例えば、アノード及びカソード並びに膜は、Ni-YSZを含む。一実施形態では、アノード及びカソード並びに膜は、LaSrFeCr(ランタンストロンチウム鉄ドープクロマイト)-SSZ(スカンジア安定化ジルコニア)を含む。一実施形態では、アノード及びカソード並びに膜は、LaSrFeCr-SCZ(Sc及びCe安定化ジルコニア)を含む。
【0038】
本開示では、酸素がないことは、第1の電極101に酸素が存在しないこと、又は少なくとも、反応を妨げるのに十分な酸素がないことを意味する。また、本開示では、水は、意図された原料が水であり、水中の微量元素又は固有の成分を排除しないことのみを意味する。例えば、塩又はイオンを含有する水は、水のみの範囲内であるとみなされる。水はまた、100%純粋な水を必要としないが、この実施形態を含む。
【0039】
様々な実施形態では、デバイスは、集電体を含有しない。一実施形態では、デバイスは、相互接続を含まない。電気を必要とせず、かかるデバイスは、電気分解装置ではない。これは、本開示のEC反応器の主な利点である。膜103は、電子を伝導するように構成されており、そのため、混合伝導性、すなわち、電子伝導性及びイオン伝導性の両方である。一実施形態では、膜103は、酸化物イオン及び電子を伝導する。一実施形態では、電極101、102及び膜103は、管状である(例えば、図2A及び図2Bを参照)。一実施形態では、電極101、102及び膜103は、平面である。これらの実施形態では、電極における電気化学反応は、反応器に電位/電気を適用する必要がなく、自発的である。
【0040】
一実施形態では、電気化学反応器(又はECガス生成器)は、第1の電極、第2の電極、及び電極間の膜を備えるデバイスであり、第1の電極及び第2の電極は、デバイスの使用中に白金族金属を含有しない金属相を含み、膜は、酸化物イオン伝導性である。一実施形態では、第1の電極は、燃料を受容するように構成されている。一実施形態では、当該燃料は、アンモニア、シンガス、水素、メタノール、一酸化炭素、又はそれらの組み合わせを含む。一実施形態では、第2の電極は、CO(少量のCOを含む)を受容するように構成されており、COをCOに還元するように構成されている。様々な実施形態では、かかる還元は、電気化学的に行われる。
【0041】
一実施形態では、膜は、ドープランタンクロマイト、若しくは電子伝導性金属、又はそれらの組み合わせを含有する電子伝導性相を含み、膜は、ガドリニウムドープセリア(CGO)、サマリウムドープセリア(SDC)、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ランタンストロンチウムガレートマグネサイト(LSGM)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、Sc及びCeドープジルコニア、コバルトドープガドリニウムドープセリア(CoCGO)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含有するイオン伝導性相を含む。一実施形態では、ドープランタンクロマイトは、ストロンチウムドープランタンクロマイト、鉄ドープランタンクロマイト、ストロンチウム及び鉄ドープランタンクロマイト、ランタンカルシウムクロマイト、又はそれらの組み合わせを含み、伝導性金属は、Ni、Cu、Ag、Au、Pt、Rh、又はそれらの組み合わせを含む。
【0042】
一実施形態では、膜は、電子伝導性相及びイオン伝導性相を含む。いくつかの場合では、電子伝導性相は、ドープランタンクロマイト、若しくは電子伝導性金属、又はそれらの組み合わせを含み、イオン伝導性相は、ガドリニウム又はサマリウムドープセリア、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)、ランタンストロンチウムガレートマグネサイト(LSGM)、スカンジア安定化ジルコニア(SSZ)、Sc及びCeドープジルコニア(SCZ)、並びにそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。一実施形態では、膜は、CoCGO又はLST(ランタンドープチタン酸ストロンチウム)安定化ジルコニアを含む。一実施形態では、安定化ジルコニアは、YSZ又はSSZ又はSCZ(スカンジアセリア安定化ジルコニア)を含む。一実施形態では、LSTは、LaSrCaTiOを含む。一実施形態では、膜は、ニッケル、銅、コバルト、又はニオブドープジルコニアを含む。
【0043】
一実施形態では、膜は、コバルト-CGO(CoCGO)、すなわち、コバルトドープCGOを含む。一実施形態では、膜は、本質的に、CoCGOからなる。一実施形態では、膜は、CoCGOからなる。一実施形態では、膜は、LST(ランタンドープチタン酸ストロンチウム)-YSZ、又はLST-SSZ、又はLST-SCZ(スカンジアセリア安定化ジルコニア)を含む。一実施形態では、膜は、本質的に、LST-YSZ、又はLST-SSZ、又はLST-SCZからなる。一実施形態では、膜は、LST-YSZ、又はLST-SSZ、又はLST-SCZからなる。本開示では、LST-YSZは、LST及びYSZの複合体を指す。様々な実施形態では、LST相及びYSZ相は、互いに浸透する。本開示では、LST-SSZは、LST及びSSZの複合体を指す。様々な実施形態では、LST相及びSSZ相は、互いに浸透する。本開示では、LST-SCZは、LST及びSCZの複合体を指す。様々な実施形態では、LST相及びSCZ相は、互いに浸透する。YSZ、SSZ、及びSCZは、安定化ジルコニアのタイプである。
【0044】
図2Aは、本開示の一実施形態による、(正確な縮尺ではない)管状電気化学(EC)反応器又はECガス生成器200を例解する。管状生成器200は、それぞれ、内側管状構造体202、外側管状構造体204、及び内側管状構造体202と外側管状構造体204との間に配置された膜206を含む。管状生成器200は、流体通路のための空隙空間208を更に含む。図2Bは、本開示の一実施形態による、管状生成器200の(正確な縮尺ではない)断面図を例解する。管状生成器200は、第1の内側管状構造体202、第2の外側管状構造体204、及び内側管状構造体202と外側管状構造体204との間の膜206を含む。管状生成器200は、流体通路のための空隙空間208を更に含む。
【0045】
一実施形態では、電極及び膜は管状であり、第1の電極は最も外側にあり、第2の電極は最も内側にあり、第2の電極は、COを受容するように構成されている。一実施形態では、電極及び膜は管状であり、第1の電極は最も内側にあり、第2の電極は最も外側にあり、第2の電極は、COを受容するように構成されている。一実施形態では、電極及び膜は、管状である。
【0046】
反応器内で起こる電気化学反応は、電気化学ハーフセル反応を含む。様々な実施形態では、ハーフセル反応は、三相境界で行われ、三相境界は、電子伝導性相及びイオン伝導性相と細孔との交差部である。
【0047】
様々な実施形態では、イオン伝導性膜は、プロトン又は酸化物イオンを伝導する。様々な実施形態では、イオン伝導性膜は、固体酸化物を含む。様々な実施形態では、イオン伝導性膜は、流体の流れに対して不浸透性である。様々な実施形態では、イオン伝導性膜はまた、電子も伝導し、反応器は、相互接続を含まない。
【0048】
電気化学CO生成
上で考察されるようなEC反応器は、COからCOを生成するのに好適である。一実施形態では、反応器は、金属相及びセラミック相を含む多孔質電極を備え、金属相は、電子伝導性であり、セラミック相は、イオン伝導性である。様々な実施形態では、電極は、それらに取り付けられた集電体を有しない。様々な実施形態では、反応器は、いずれの集電体も含有しない。明らかに、かかる反応器は、いずれの電気分解デバイスとも、又はいずれの燃料電池とも根本的に異なる。
【0049】
図3Aに例解されるように、CO生成システム300が示される。システム300は、ECレクタ331、燃料源311、二酸化炭素源321、及び分離器341を備える。301は、反応器内のアノードを表し、302は、反応器内のカソードを表す。303は、反応器内の電極間の膜を表す。燃料を含む第1の流れ392は、アノード301を通過し、酸化され、流れ393としてアノードを出る。CO源321からの第2の流れ394は、カソード302を通過し、COはCOに還元される。カソード排気流395は、分離器341を通過し、COは、COから分離される。生成物流396は、分離器341を出て、本質的にCOからなる。流れ395又は流れ396の一部分は、カソード302にリサイクルされ得る(図3Aには示されず)。いくつかの実施形態では、アノード及びカソードの両方は、反応器の動作中、還元環境に曝露される。いくつかの実施形態では、両方の電極は、同時に、反応器による一酸化炭素の生成中、還元環境に曝露される。様々な実施形態では、両方の電極は、動作の全時間中、還元環境に曝露される。
【0050】
本開示によるCO生成のプロセス及びシステムは、様々な利点を有する。COからのCO生成は、温室効果ガス排出量を低減するため、望ましい。COを現地(現場)で製造することは、加圧容器又は導管内でCOを輸送するよりも本質的により安全である。本開示のプロセスは、効率的な電気化学経路を利用するが、まだ電気を必要としない。カソード排気からのCO/CO分離は、容易かつ安価である。このように、本開示の方法及びシステムは、資本設備及び運用費用の両方でコスト競争力がある。
【0051】
貴重な生成物の電気化学的生成
図3Bに例解されるように、化学物質生成システム300が示される。システム301は、2つのECレクタ331及び332、燃料源311、二酸化炭素源321、水源322、第1の分離器341、及び第2の分離器342を備える。301は、第1の反応器331におけるアノードを表し、302は、第1の反応器331におけるカソードを表す。303は、第1の反応器331における電極301と302との間の膜を表す。304は、第2の反応器332におけるアノードを表し、305は、第2の反応器332におけるカソードを表す。306は、第2の反応器332の電極304と305との間の膜を表す。
【0052】
燃料を含む第1の燃料流313は、アノード301を通過し、酸化され、流れ315として出る。燃料を含む第2の燃料流312は、アノード304を通過し、酸化され、流れ314として出る。様々な実施形態では、燃料は、アンモニア、シンガス、水素、メタノール、一酸化炭素、又はそれらの組み合わせを含む。
【0053】
第1の反応器331に関して、CO源321からの流れ323は、カソード302を通過し、ここでCOが、電気化学的にCOに還元される。カソード排気流343は、第1の分離器341を通過し、ここでCOが、COから分離される。生成物流345は、第1の分離器341を出て、本質的にCOからなる。流れ343の一部分又は流れ345の一部分は、カソード302に再循環され得る(図3Bには示されず)。
【0054】
第2の反応器332に関して、HO源322からの流れ324は、カソード305を通過し、HOは、電気化学的にHに還元される。カソード排気流344は、第2の分離器342を通過し、ここで、Hは、HOから分離される。生成物流346は、第2の分離器342を出て、本質的にHからなる。流れ344の一部分又は流れ346の一部分は、カソード305に再循環され得る(図3Bには示されず)。いくつかの実施形態では、両方の電気化学反応器のアノード及びカソードは、その両方が、反応器の動作中、還元環境に曝露される。いくつかの実施形態では、第1の反応器の両方の電極は、同時に、反応器による一酸化炭素の生成中、又は第1の反応器の動作の全時間中、還元環境に曝露される。いくつかの実施形態では、第2の反応器の両方の電極は、同時に、反応器による水素の生成中、又は第2の反応器の動作の全時間中、還元環境に曝露される。様々な実施形態では、両方のEC反応器の両方の電極は、動作の全時間中、還元環境に曝露される。
【0055】
化学物質生成システム301は、フィッシャートロプシュ反応器、メタノール生成器、エタノール生成器、炭化水素生成器、プラスチックモノマー生成器、及びそれらの組み合わせ(図3Bには示されない)からなる群から選択される化学物質生成器を更に備え得る。フィッシャートロプシュ反応器は、ナフサ、ガソリン、ディーゼル、ワックスなどの貴重な生成物を発生させることができる。生成されたメタノールは、ガソリン、エチレン、酢酸、ホルムアルデヒド、酢酸メチル、ポリオレフィン、ジメチルエーテル(DME)、又はそれらの組み合わせに更に変換され得る。様々な実施形態では、化学物質生成器は、第1の分離器から一酸化炭素を受容し、第2の分離器から水素を受容するように構成されている。追加的に、システムは、プラスチックモノマーを様々なタイプのプラスチックに変換するための重合ユニットを備え得る。生成されたCO及びHを利用するための構成及び配置は、当業者に既知であり、かかる全ての構成及び配置は、本開示の範囲内にある。
【0056】
本開示は、本発明の異なる特徴、構造、又は機能を実装するための例示的な実施形態を説明することを理解されるものとする。構成要素、配置、及び構成の例示的な実施形態は、本開示を簡略化するために説明されるが、これらの例示的な実施形態は、単に例として提供され、本発明の範囲を限定することを意図しない。本明細書に提示されるような実施形態は、別途指定されない限り、組み合わされ得る。かかる組み合わせは、本開示の範囲から逸脱するものではない。
【0057】
追加的に、ある用語は、特定の構成要素又はステップを指すために、説明及び特許請求の範囲全体にわたって使用される。当業者であれば理解するように、様々なエンティティは、同じ構成要素又はプロセスステップを異なる名前で指す場合があり、そのため、本明細書に記載される要素の命名規則は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。更に、本明細書において使用される用語及び命名規則は、名前が異なるが機能においては異ならない構成要素、特徴、及び/又はステップを区別することを意図するものではない。
【0058】
本開示は、様々な修正及び代替的な形態を受け入れるが、その具体的な実施形態は、図面及び説明において例として示される。しかしながら、図面及び詳細な説明は、開示される特定の形態に本開示を限定することを意図するものではなく、逆に、本開示の趣旨及び範囲内にある全ての修正、等価物、及び代替物を対象にすることを意図することを理解されたい。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【国際調査報告】