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特表2024-541637風力発電所に複数のタワーを製造して組み立てるための方法
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  • 特表-風力発電所に複数のタワーを製造して組み立てるための方法 図1
  • 特表-風力発電所に複数のタワーを製造して組み立てるための方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】風力発電所に複数のタワーを製造して組み立てるための方法
(51)【国際特許分類】
   E04H 12/00 20060101AFI20241031BHJP
   F03D 13/40 20160101ALI20241031BHJP
   F03D 13/20 20160101ALI20241031BHJP
   E04H 12/02 20060101ALI20241031BHJP
【FI】
E04H12/00 A
F03D13/40
F03D13/20
E04H12/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532737
(86)(22)【出願日】2022-11-28
(85)【翻訳文提出日】2024-07-08
(86)【国際出願番号】 ES2022070764
(87)【国際公開番号】W WO2023099803
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P202131119
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516180117
【氏名又は名称】エステイコ・ソシエダッド・アノニマ
【氏名又は名称原語表記】Esteyco S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】サラシン ゴメス,ダビド
(72)【発明者】
【氏名】セルナ ガルシア-コンデ,ホセ サルスティアノ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA43
3H178AA51
3H178BB77
3H178CC23
3H178DD67X
(57)【要約】
本発明は、風力発電所(2)に複数のタワー(1)を製造して組み立てるための方法であって、前記タワー(1)は、高さが重ね合わされる複数のプレキャストコンクリートセグメント(3)を有し、前記方法は、a)前記風力発電所(2)に集中製造場所(6)を確立すること、及びb)前記タワー(1)の最終位置(5)への複数の陸上ルート(8)を確立することを有する。有利には、前記方法はさらに、c)タワー(1)の少なくとも1つのセグメント(3)をプレハブすること、d)プレハブされたセグメント(2)を陸上輸送システム(9)上に垂直な位置に位置付けること、e)垂直な位置にある前記セグメント(3)を、1つの前記陸上ルート(8)に続いて1つの前記タワー(1)の最終位置(5)に輸送すること、及びf)前記セグメント(3)を組み立て、タワー(1)のシャフト(4)の少なくとも1つの部分を形成することを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力発電所(2)に複数のタワー(1)を製造して組み立てるための方法であって、前記タワー(1)のそれぞれは、高さが重ね合わされてタワーのシャフト(4)を形成する複数のプレキャストコンクリートセグメント(3)を有し、各タワー(1)は、組立後に風力発電所(2)における最終位置(5)を占め、
前記方法は、以下のステップ、すなわち、
a)集中製造場所(6)を確立するステップであって、前記集中製造場所(6)が、前記タワー(1)のセグメント(3)をプレハブするための手段(7)を備えている、ステップ、
b)前記集中製造場所(6)から前記タワー(1)の最終位置(5)への複数の陸上ルート(8)を確立するステップ、
を任意の順序で行うことを有し、
前記方法はさらに、以下のステップ、すなわち、
c)タワー(1)の少なくとも1つのセグメント(3)を実質的に垂直な位置にプレハブするステップであって、前記セグメント(3)の高さが6.0mより大きい、ステップ、
d)ステップc)においてプレハブされたセグメント(3)を陸上輸送システム(9)上に実質的に垂直な位置に位置付けるステップ、
e)ステップd)において前記陸上輸送システム(9)上に実質的に垂直な位置に位置付けられたセグメント(3)を、前記集中製造場所(6)から1つの前記陸上ルート(8)に続いて1つの前記タワー(1)の最終位置(5)に輸送するステップであって、前記陸上ルート(8)は橋又はトンネルの形をした垂直方向クリアランス障害物が全く存在しない、ステップ、
f)ステップe)において1つの前記タワー(1)の最終位置(5)に輸送されたセグメント(3)を組み立てるステップであって、前記タワー(1)のシャフト(4)の少なくとも1つの部分を形成する、ステップ、
g)前記風力発電所(2)における複数のタワー(1)のためにステップc)~f)を繰り返すステップ、
を行うことを有することを特徴とする方法。
【請求項2】
ステップe)は、前記製造場所(6)と前記タワー(1)の最終位置(5)との間に含まれる領域(10)に前記セグメント(3)を貯蔵するステップを含み、前記セグメント(3)は、前記セグメント(3)が前記最終位置(5)に運ばれるまで実質的に垂直な位置において貯蔵領域(10)に貯蔵される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記陸上輸送システム(9)は、モジュラートレーラ、自走式トランスポーター及び/又は自走式モジュラートランスポーターを有する、
請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップc)及び/又はステップd)は、隆起支持体上において行われ、前記隆起支持体は、前記陸上輸送システム(9)が前記隆起支持体の下に位置付けられることができるように構成され、ステップd)は、クレーン又は頭上クレーンタイプの持ち上げ手段を使用することなく行われる、
請求項1から請求項3の何れかに記載の方法。
【請求項5】
前記陸上輸送システム(9)及び/又は前記隆起支持体は、高さ調節可能な表面を有し、前記高さ調節可能な表面は、前記陸上輸送システム(9)上にプレハブされたセグメント(3)を位置付けるまで前記表面を調節することによってステップd)を行うことができるように構成される、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ステップf)はさらに、前記タワー(1)のシャフト(4)に組み立てられた前記セグメント(3)にストレスを加えることを有する、
請求項1から請求項5の何れかに記載の方法。
【請求項7】
ステップf)はさらに、前記タワー(1)のシャフト(4)に組み立てられた1つ又は複数のセグメント(3)に水平ジョイントを作ることを有する、
請求項1から請求項6の何れかに記載の方法。
【請求項8】
ステップc)は、前記セグメント(3)をプレハブするためのモジュール製造型枠又はモールドを使用することを有し、それにより、同一の型枠又はモールドが、前記型枠又はモールドの一部を追加、除去、又は変更することによって少なくとも2つの異なるセグメント(3)を製造することができる、
請求項1から請求項7の何れかに記載の方法。
【請求項9】
前記セグメント(3)は、管状、円筒状、円錐台状、角柱状、角錐台形状、及び/又は多角形セクションを有する、
請求項1から請求項8の何れかに記載の方法。
【請求項10】
同一のタワー(1)のすべてのセグメント(3)は、ステップc)中に5mより大きい高さでプレハブされる、
請求項1から請求項9の何れかに記載の方法。
【請求項11】
請求項1から請求項10の何れかに記載の方法に従って組み立てられたタワー(1)。
【請求項12】
ナセル、及び/又は、1つ又は複数の風力タービンブレードを有する、
請求項11に記載のタワー(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タワー、好ましくは風力タービンタワーを設置して組み立てるための方法に関する。より具体的には、本発明は、中空タワー、好ましくはプレキャストコンクリートセグメントによって形成される中空タワーを製造し、輸送し、組み立てるための方法に関し、例えば風力発電所において、タワーユニットアセンブリを設置するための作業を簡素化するのに特に適している。本発明はまた、前述の方法を用いて製造され組み立てられる1つ又は複数のコンクリートタワーに関する。
【背景技術】
【0002】
過去数十年間に、ロータ直径の増加によって、風力タービンの公称電力は徐々に増加している。その結果、それらを支持するためにより高くより頑丈なタワーを使用することが必要となった。例えば、1990年から2020年の間に、陸上の風力タービンの最大出力は3倍に増加し、現在は6MWを超え、この期間の初めからロータの高さと最大回転直径とは2倍になっている。
【0003】
ロータサイズの増加に由来する、風力タービンを支持するタワーにかかるストレスにおけるこの増加は、主に溶接スチール要素を使用して従来の技術を用いて製造されたタワーが、他のより適切なタワーコンセプトに次第に取って代わられることを意味する。この点において、近年コンクリートタワーの使用が増加し、それは、一般に100mを超える、より高いタワーの高さにとって特に有利である。コンクリートは、スチールより安価で、耐久性を有し、また重い。また、より大きい断面直径を有するタワー形状も可能であり、それは、より大きい風力タービンの負荷に耐えることが必要である。
【0004】
コンクリートタワーは、本質的に2つの主なタイプに分けることができる。
【0005】
A)最終位置に輸送されるプレキャストコンクリート要素で構成されるタワー
【0006】
これらは、それらが大部分はプレハブ(prefabricated)セグメントで構成され、工場から、タワー設置プロセスがその作用位置において実行される組立プラットフォームに輸送される、という事実によって特徴付けられる。このタイプのタワーのための製造及び設置技術の例は、特許ES2371960B1に記載されている。これらの技術に従って、タワーを構成するプレハブ要素の工場は、各風力タービンの最終位置から多少離れた距離に配置することができる。コンクリートタワーは重いので、プレハブ要素の工場は、その対応する輸送コストを最小限にするために、風力発電所が位置付けられる同じ領域に設置されることもある。プレハブ要素のサイズ及び形状はまた、輸送制約によって調整され、大部分は以下の3つのタイプが使用される。
【0007】
高さを低くしたリング又はセクション:これらは、特許ES2659523T3に記載されるように、高さが直径又は幅より低く、主にリングの形状をとる環状セグメントである。製造及び物流の制約のため、タワーの下部の直径(6.0m以上)がセクション全体を超過幅のため移動することができないことを意味するので、それらは、高さが4.0m未満であり、タワーの下部にあるリングも通常は、2つのC字形部分に分割される。このようにして、例えば100mのタワーは、約30個のリングを有する場合があり、その約半分は、2つのC字形部分において製造され、さらに輸送され、最終組立位置においてリングを形成するために互いに取り付けられる。その上部の小径リングもそれぞれ、単一部品として製造して輸送することができる。
【0008】
高さの高いセクション:これらは、高さが直径又は幅より著しく大きいセグメントであり、水平に製造され輸送される。これは、スチールタワーでは最も一般的なケースであり、コンクリートタワーの幾つかの上部セクションにおいて起こり得るが、最も一般的ではない。それらは、タワーセグメントが水平位置において製造され、輸送され、貯蔵され、組立プロセス中に最終位置になると、組立クレーンは、それらを直立して配置し、その後にそれらをタワー上の最終位置に配置することにおいて特徴付けられる。これらは、一般的な輸送クリアランスとそれらを輸送する車両の安定性に応じて、工場からタワーの最終位置に輸送されるために、通常は直径が4.5mを超えないセクションである。
【0009】
パネル又は迫石:このタイプのセグメントは、プレキャストコンクリートタワーにおいて一般的である。それらを構成する要素は、細長く、平ら又は湾曲とすることができる。それらは、水平に製造され、貯蔵され、輸送される要素である。タワーの最終位置に到着すると、それらは、直立して配置され、部品間の垂直ジョイントによってタワーセクションを形成するために互いに取り付けられる。この作業は、セクションの事前組立と呼ばれる。このようにして形成されたセクションはその後に、タワー上の最終位置に引き上げられる。このタイプのタワーの例は、ES2326010B2に記載されるものがある。その他の場合に、ES2704624T3に記載されるように、パネルは、前述の事前組立プロセスなしに、直立して配置され、最終位置に直接配置される。
【0010】
プレハブタワーの主な利点は、効率のよい製造及び高い組立速度であり、その欠点は、高い輸送コスト及び組立コストである。コンクリートタワーの重量及びサイズは、それらを相当数の要素に分割する必要があり、製造、輸送及び組立を著しくより高価にする。
【0011】
B)最終位置において製造される要素を備えたタワー
【0012】
コンクリートは容易に輸送可能である材料であるので、タワーはまた、最終位置において製造されるように設計及び建設される。このようにして、それは、輸送されるタワーの要素ではなく、製造手段及び使用される材料(主にコンクリート及び鉄筋)である。このカテゴリ内に、2つの主なタイプのタワーがある。
【0013】
現場タワー:これらは、ES2614861T3に記載されるタワーのように、風力タービン自体の位置において上昇又はスライドさせることによって製造されるタワーである。
【0014】
最終位置において製造されるタワー:これらは、特許EP3212863B1に記載されるタワーのように、その要素がタワーの前記最終位置に近い組立プラットフォームにおいて製造され、その後にクレーンを用いて風力タービンの前記最終位置に配置されるタワーである。完全に現場において製造されるタワーに比べて、施設内で製造されるタワーは、それらがある高さではなく地上レベルで製造されるので、幾つかのタワーセクションを同時に製造することができるという利点を有するが、それらがタワーの最終組立段階を必要とするという欠点を有する。プレハブ要素から作られて前記最終位置に輸送されるタワーに比べて、それらは、輸送において節約し、要素の数を低減し、それによって単一タワーの組立を容易にするという利点を有する。しかしながら、風力発電所の建設において、それらは、前記発電所の各タワーの位置に製造ツールを運ぶ必要があり、時間に関して効率的ではなく、より工業的な製造プロセスの効率の利点の損失を引き起こす。
【0015】
プレハブされて輸送される要素から作られるコンクリートタワーに比べて、施設内で製造されるタワー変形体(variant)は、輸送全体と、タワーのセグメントの組立の一部又は全部とを省く。さらに、タワーは通常は互いに取り付けられるセグメントが少ないので、その構造は、より簡単になる。しかしながら、その製造は、より時間がかかり、各ユニットの複雑な工具の解体、撤去及び設置を含み、より複雑であり、また、一般的にある高さにおける製造作業と各タワーの最終位置に輸送されるコンクリートの高いコストが必要である。
【0016】
最後に、両方のタイプが同じタワーに混合された複合タワー又はハイブリッドタワーも多数存在することに注意すべきである。下部がコンクリートから作られて上部がスチール管であるタワーは、非常に一般的であるが、その下部が現場で製造することができ、その上部がプレキャストコンクリートから作られるタワーも存在する。多かれ少なかれ、ハイブリッドタワーは、各タイプのタワーの問題の一部を解決するが、一方で、使用される各タイプのタワーの問題及び手段と共存しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の目的は、タワーの複数の事前組立(pre-assembled)セグメント(好ましくは、一連のセグメント又は類似モジュールとして)に基づいてコンクリートタワーを製造して組み立てるための方法を提供することであり、それは、従来技術の代替方法よりも効率がよい。好ましくは、本発明は、タワーの基部において高いモーメントに耐えるために一般的に使用される、円錐台形セクションを有するコンクリートタワーに適用可能である。しかしながら、前記目的は、円筒形、多角形などの他のタイプのセクション形状にも適用することができる。同様に、この文書では風力タービンタワーについて繰り返し言及されているが、本発明は、プレキャストコンクリート要素又はその一部に基づく他のタイプのタワーにも、無制限に使用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記段落で説明された技術的問題を克服するために、本発明は、コンクリートタワーを製造して組み立てるための新規な方法を提案し、それは、本質的にタワーを構成するセグメントの事前組立、輸送及び組立のための作業を最適化することに基づいており、既知の解決策に比べて時間を改善し、作業の総数を低減する。
【0019】
より具体的には、本発明の第1の目的は、風力発電所に複数のタワーを製造して組み立てるための方法に関し、前記タワーのそれぞれは、タワーのシャフトを形成する、高さが重ね合わされる複数のプレキャストコンクリートセグメントを有し、各タワーは、組立後に風力発電所における最終位置を占める。前記方法は好ましくは、以下のステップを任意の順序で行うことを有する:
a)風力発電所に集中製造場所を確立するステップであって、前記集中製造場所が、前記タワーのセグメントをプレハブするための手段を備えている、ステップ、
b)前記集中製造場所から前記タワーの最終位置への複数の陸上ルートを確立するステップ。
【0020】
本発明では有利には、前記方法はさらに以下のステップを行うことを有する:
c)タワーの少なくとも1つのセグメントを垂直にプレハブするステップであって、前記セグメントの高さが5.0mより大きい、ステップ、
d)ステップc)においてプレハブされたセグメントを陸上輸送システム上に実質的に垂直な位置に位置付けるステップ、
e)ステップd)において陸上輸送システム上に実質的に垂直な位置に位置付けられたセグメントを、前記集中製造場所から1つの前記陸上ルートに続いて1つの前記タワーの最終位置に輸送するステップであって、前記陸上ルートは、橋、トンネル、及び/又は電力線によって課されるもののような、垂直方向クリアランスがない、ステップ、
f)ステップe)において1つの前記タワーの最終位置に輸送されたセグメントを組み立てるステップであって、前記タワーのシャフトの少なくとも1つの部分を形成する、ステップ、
g)風力発電所における複数のタワーのためにステップc)~f)を繰り返すステップ。
【0021】
本発明の前記方法において好ましくは、ステップe)は、前記製造場所と前記タワーの最終位置との間に含まれる領域に貯蔵するステップを含み、前記セグメントは、前記セグメントが前記最終位置に運ばれるまで実質的に垂直な位置において前記貯蔵領域に貯蔵される。
【0022】
最終位置において製造されるタワーに関して、本発明の方法の目的は、(これらは6.0mより大きい高さを有するので)タワーを形成するセグメントの数を低減することによって達成される設計の簡潔さと一致する。しかしながら、それは、前記低減が、輸送における制限を排除し、より高くより幅が広いタワーセクションを作ることができるために前記最終位置において製造することに基づいて達成されるのではなく、工場においてセクションの製造を維持することによって達成され、集中製造の有利な特徴、すなわち、制御された環境及び低い高さにおける作業、隣接するコンクリートプラントからのコンクリートの直接供給、及び、それらが解体されて各タワーの建設を有する新しい場所に運ぶ必要がないことを考慮すると、より頑丈で工業化された手段を有するという点において後者とは異なる。
【0023】
プレキャストコンクリートタワーに関して、本発明の方法は、垂直ジョイントが存在しないために垂直に製造されるタワーに特有の製造の容易さを維持しながら、タワーを形成するために製造され、輸送され、組み立てられるセグメントの数を著しく低減するという大きい利点を有する。これに関して、高さが6.0m(スチールタワーセクションは通常8.0mから25.0mの範囲である)を超えるセグメントを有するタワー(ほとんど全てがスチールタワーで、一部がコンクリートタワーセクション)が存在する。しかしながら、これらのタワーは、現在の方法のステップと非常に異なるステップを備え、セグメントを水平に製造し、貯蔵し、輸送するための方法を常に有することによって特徴付けられる。
【0024】
本発明の方法の好ましい実施形態では、陸上輸送システムは、モジュラートレーラタイプ車両、自走式モジュラートランスポーター(SPMT)及び/又は自走式トランスポーター(SPT)を含む。従って、本発明の対象を製造して組み立てるための方法は、2つの主な特徴、すなわち、コンクリートタワーの分野において従来行われている使用に関する新規な方法において、セグメントの輸送及び取り扱いのためにモジュラートレーラ/SPT/SPMTタイプの輸送システムの使用とともに、風力発電所の近くに又は前記発電所において、前記風力発電所のすべてのタワーのための要素を供給する工場における製造という特徴を相乗的に組み合わせることができる。両方の特徴を組み合わせることによって、非常に高いタワーのセグメント数の低減に基づく方法を規定することができ、その製造、貯蔵、及び輸送は、垂直において行われ、タワー建設時間の大幅な節約を実現する。同様に、従来の道路網と比較した風力発電所における陸上ルートの特有の特徴と、それらの特徴を活用するためのモジュラートレーラ/SPT/SPMTの能力との新規な利用は、新しいタワー設計と新しい建設プロセスとを引き起こし、それは、改善され、現在使用されているプレハブされたタワー設計の制限がない。
【0025】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、陸上ルートは、あらゆる橋及び/又はトンネル、及び随意的に電力線の下を横断しない。これは、セグメントを輸送するステップをより容易に行うようにする。本発明の方法とは対照的に、風力発電所から遠く離れたセグメントの製造場所に基づく方法は、これらの高さ制限に遭遇するときにより大きな困難を提示し、それは、プレハブされたセグメントの高さに対応するレベルを必然的に課す。
【0026】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、ステップc)及び/又は製造場所とタワーの最終位置との間に含まれる領域に貯蔵するステップは、陸上輸送システムが隆起支持体(raised support)の下に位置付けられることができるように構成された隆起支持体上において行われ、ステップd)は、クレーン又は頭上クレーンタイプの持ち上げ手段を使用することなく行われる。それによって、輸送前のセグメントの事前製造及び位置付けのステップが簡素化され、安価にされる。これは、積載面の高さを調整する能力を有する輸送システムの使用の結果として実現される。
【0027】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、前記実施形態において言及された隆起支持体は、高さ調節可能な表面を備え、高さ調節可能な表面は、プレハブされたセグメントを前記陸上輸送システム上に位置付けるまで前記表面を調節することによって、クレーン又は他の積み降ろし方法を必要とすることなく、ステップd)を行うことができるように構成される。前記調節は、異なる実施形態において、限定されることなく、油圧、空気圧、又は機械的手段によって実行することができる。
【0028】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、タワーのセグメントの重量及び高さは、その構成を変更する必要なしに、すべてのセグメントが同一のクレーンによって最終位置に持ち上げることができるように規定される。
【0029】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、ステップf)はさらに、タワーのシャフトに組み立てられるセグメントにストレスを加える(stressing)ステップを有する。これは、最終的に製造されるタワーが、それが受けるストレス及び負荷に対してより高い耐性及びロバスト性を有することを実現する。
【0030】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、ステップf)はさらに、タワーのシャフトに組み立てられる1つ又は複数のセグメントに水平ジョイントを作ることを有する。前記ジョイントは、タワーのシャフトに構造的な耐性と簡単且つ拡張可能な方法で完全性とを提供することが可能になる。
【0031】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、ステップc)は、セグメントをプレハブするためのモジュール製造型枠又はモールドを使用することを有し、それにより、同一の型枠又はモールドが、前記型枠又はモールドの幾つかの部分を追加、除去、又は変更することによって少なくとも2つの異なるセグメントを製造することができる。
【0032】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、セグメントは、管状、円筒状、円錐台状、角柱状、角錐台形状及び/又は多角形セクションを有する。これは、より複雑な形状を有するセクションに比べて、前記セグメントを事前製造するステップが、そのようなセクションで得られるタワーのシャフトのロバスト性を損なうことなく簡素化された方法で行うことを実現する。
【0033】
本発明の方法の別の好ましい実施形態では、同一のタワーのすべてのセグメントは、ステップc)中に6.0mを超える高さでプレハブされる。これは、従来技術の既知の代替手段に対して、非常に少ないセグメント数で時間効率の良い方法で非常に高いタワーを建設することを実現する。
【0034】
本発明の別の好ましい実施形態では、より大きい直径を有するセグメントは、2つのC字形の半割体に製造され、施設内でタワーのセグメントを形成するためにともに結合される。
【0035】
本発明の第2の目的は、本明細書に記載された実施形態のいずれかに従った本発明の方法によって製造され組み立てられるタワーに関する。好ましくは、前記タワーは、ナセル、及び/又は、1つ又は複数の風力タービンブレードを有する。
【0036】
本発明の解釈の範囲において、「実質的に」という用語は、同一である又は±10%の変動範囲内に含まれることを意味するものと理解される。
【0037】
本発明の解釈の範囲において、「最終位置(definitive location)」という用語は、風力発電所における作用位置又は作業位置に各タワーが直立される場所を意味するものと理解される。最終位置は次に、風力タービンの位置とそれに対応する組立プラットフォームとによって形成される。
【0038】
本発明の解釈の範囲において、「風力タービンの位置」という用語は、タワーとその基礎とが最終位置に位置付けられ、両方の垂直軸が実質的に一致する場所である。
【0039】
本発明の解釈の範囲において、「組立プラットフォーム」という用語は、風力タービンの位置の周囲に又はすぐ隣に位置し、タワー及びタワーを構成する要素を組み立てるクレーンが位置付けられる領域を意味するものと解釈される。
【0040】
本発明の解釈の範囲において、「風力発電所」という用語は、タワーの最終位置及び組立プラットフォームのグループ、並びに輸送陸上ルート及び前記発電所への外部アクセスを備えた1つ又は複数の経路を収容する領域を意味するものと解釈される。二次的に、「風力発電所」という用語は、風力タービンであろうと他のタイプのタービンであろうと、本発明の方法によって製造されるタワーのグループを収容するあらゆる発電所又は領域に限定なしに適用可能であると考えられる。
【0041】
本発明の解釈の範囲において、「タワーのセグメント」という用語は、タワーのシャフトを形成する、プレハブ可能である且つ高さ方向に積み重ね可能であるセクションを意味するものと解釈される。
【0042】
セグメントは好ましくは、タワーのシャフト、その基礎、及び風力タービンの位置決め中心と実質的に一致する垂直軸を共有する略円筒形状を有する。セグメントは好ましくは、水平ジョイントによって互いに取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本発明の好ましい実施形態に従って本発明の方法を実行するように構成された風力発電所の平面図を示す。
図2図2は、本発明の好ましい実施形態に従った本発明の方法においてタワーのセグメントを輸送するステップの概略図を示し、非常に高いセグメントは、実質的に垂直な位置にあり、モジュラートレーラタイプ輸送システムによってタワーの最終位置に輸送される。
【0044】
(図面に使用される参照番号)
【発明を実施するための形態】
【0045】
前節において説明したように、また図1図2に示す好ましい実施形態に示されるように、本発明の第1の目的は、特に複数の風力タービンを備えた風力発電所(2)にタワー(1)を建設するために示される、コンクリートタワー(1)を製造して組み立てるための方法に関し、前記タワー(1)は、複数のプレハブセグメント(3)によって形成される。前記方法は、セグメント(3)を製造し、その後に輸送し、タワー(1)のシャフト(4)の一部としてそれを組み立てるステップの相乗的な組み合わせに基づいており、前記組み立ては、タワー(1)の最終位置(5)において行われ、既知の方法と比較して、製造されるセグメント(3)の数及び輸送を大幅に低減し、簡素化された製造及び組立をもたらす。
【0046】
前節で述べたように、本発明の方法は2つの主な前提に基づいている:すなわち、
i)工場から各組立位置へのルートに橋、トンネル又は電線路などの垂直方向クリアランス障害物がないことを可能にする製造位置を選択する。これは、風力発電所(2)(又は、一般的にタワー(1)の最終位置(5))の近くに、タワー(1)のセグメント(3)をプレハブするための手段(7)を備えた集中製造場所(6)によって、現地製造のための位置を選択することを含む。
ii)実質的に垂直な位置にある、タワー(1)の非常に高いセグメント(3)(好ましくは6mを超える)を、異なる陸上輸送ルート(8)を通じて、このタイプのセグメント(3)を実質的に垂直な位置において輸送するのに適した陸上輸送システム(9)の使用の結果として、製造し、貯蔵し、輸送し、前記輸送システム(9)は好ましくは、モジュラートレーラ、SPT及び/又はSPMTタイプである。
【0047】
これらの2つの特徴は、新規なタワー設計及び製造、貯蔵、輸送、並びにプレハブタワーを製造するために著しく最適化された組立プロセスを可能にする。
【0048】
ここで図1に示すように、本発明によって提案される方法は、風力発電所(2)における複数のタワー(1)の製造及び組立に関する。好ましくは、前記タワー(1)のそれぞれは、タワー(1)のシャフト(4)を形成する、高さが重ね合わされる複数のプレキャストコンクリートセグメント(3)を有する。風力発電所(2)内において、各タワー(1)は、組立後に風力タービンの作業位置又は作用位置に対応する最終位置(5)を占める。
【0049】
より具体的には、本発明の方法は、以下のステップa)~b)を限定されない順序で行うことを有する。
【0050】
a)風力発電所又はその付近(2)に各位置への経路に垂直方向クリアランス障害物がない集中製造場所(6)を確立し、前記集中製造場所(6)は、タワー(1)のセグメント(3)をプレハブするための手段(7)を備えている。
【0051】
風力発電所(2)の製造場所(6)の位置は、好ましくは風力発電所(2)の道路上の移動に限定されることによって、より狭く、平坦であり、大部分は、道路網に存在するような垂直及び水平クリアランスが5.0~6.0m未満に限定するケーブル、橋、及び他の障害物を有しない道路上の移動に限定されることによって、一般道路網の高さ及び幅の制限がない特徴を保証することを可能にする。道路のこれらの特徴は、主に前記タービン(ナセル及びブレードによって形成される)及び前記タービンの組立のためのクレーンの構成要素のサイズ及び重量のため、ほとんどの風力発電所(2)で存在し、それは、前記発電所のクリアランス及び路面品質に対応する制限を課す。
【0052】
本発明の好ましい実施形態では、製造場所(6)に、好ましくは各セグメント(3)の下部型枠として機能する架台(trestle)に、多数の垂直型枠が存在する。従って、前記型枠は、タワー(1)のセグメント(3)を簡単且つ拡張可能な方法においてプレハブすることを可能にする。好ましい実施形態では、内側モールドが各架台上に配置され、次に、その後に外側型枠で前記モールドを閉じてセグメント(3)を形成する部分のためのコンクリートを流し込むために、ある量の鉄筋がモールド内に配置される、事前製造の第1段階が存在する。前記部分の硬化(curing)後、外側及び内側モールドが取り外され、前記部分は、製造場所(6)の貯蔵/配置エリアに取り出される。
【0053】
b)集中製造場所(6)からタワー(1)の最終位置(5)への複数の陸上ルート(8)を確立する。
【0054】
前述のように、陸上ルート(8)は、セグメント(3)を輸送するための輸送システム(9)によって続かれ、集中製造場所(6)を風力発電所(2)におけるタワー(1)の異なる最終位置(5)と接続する経路、道路又はルートに対応する。好ましくは、前記陸上ルート(8)は、いかなる橋、トンネル及び/又は電力線の下を通過しない。同様に、セグメント(3)の高さは、輸送高さの仮想制限によって条件付けられることがあるが、関連する制限(例えば、通路高さを6.0m未満に制限する高圧線)は従って、製造場所(6)から同じものを運ぶコストを相殺するのに十分な数の風力タービンタワー(1)がその両側にある場合、まず前記線の片側における風力発電所(2)の領域に製造場所(6)を設置し、その後に、前記線の他方側に運ばれることを引き起こす。あるいは、製造場所(6)はまた、風力タービンの数が最も多い風力発電所(2)の領域に設置することができ、2つのタワー(1)モデルを規定することができ、1つはセグメント(3)の数が少ないが高さが高く、もう1つはセグメント(3)の数が多いが高さがそれほど高くなく、これによりそれらは風力発電所(2)の他方側に障害なしに輸送することができる。
【0055】
有利には、本発明の方法はさらに、以下のステップc)~g)を行うことを有する。
【0056】
c)タワー(1)の少なくとも1つのセグメント(3)を実質的に垂直な位置にプレハブし、前記セグメント(3)の高さが6.0mより大きい。プレハブセグメント(3)は、好ましくは円筒形(又はほぼ円筒形又は角柱形、あるいはわずかに円錐台形又は角錐台形)の要素であり、タワー(1)又はそのセクションを構成し、リングタワー(1)において使用されるものと同様に製造が簡単であるが、著しく高く、直径が大きい場合もある。従来技術のプレキャストコンクリートタワー(1)のリングの高さが約3~4mであるのに比べて、好ましい実施形態では、本発明のタワー物体の下部にあるセグメント(3)は、6.0mを超える高さを有し、タワーの上部に対応するセグメントは、最大12.0mまでの高さを有する。従って、タワー(1)は、製造され、輸送され、持ち上げられ、配置され、水平調整されるセグメント(3)の数を低減し、形成される水平ジョイントの数も低減し、その結果、各タワー(1)のコスト削減は、相当なものである。さらに、直径に関しては、好ましくは、最大直径6.0mまでのタワーのセグメント(3)を作ることができるが、従来のリングタワーは、より大きい幅のために、風力発電所(2)におけるタワーの最終位置において完全なリングを形成するために互いに後に取り付けられる半割体リング(half-ring)を製造することによって、直径4.0mを超える環状部品を使用しない。これは、このタワーを製造して組み立てるための方法が、製造され、輸送され、組み立てられる要素を市場に出ている現在のリングタワーのためのものの3分の1以下に低減することを意味する。
【0057】
本発明の別の好ましい実施形態では、異なるセグメント(3)の高さは、各セグメント(3)の目標重量に基づいて適合され、その結果、同一のクレーン構成は、すべてのセグメント(セクション)を迅速に組み立てることを可能にする。これは、より大きい直径を有するタワー(1)の下部セグメント(3)が、より小さな直径を有するとともに高さリニアメータ(linear metre)当たり重量がより少ない上部セグメント(3)より低くなることを意味する。
【0058】
d)ステップc)においてプレハブされたセグメント(3)を陸上輸送システム(9)上に実質的に垂直な位置に位置付ける。
【0059】
本発明の好ましい実施形態では、陸上輸送システム(9)は、モジュラートレーラ、SPT及び/又はSPMTを有する。SPMT及びモジュラートレーラは、既知の方法に従ってプレハブタワー要素を輸送するために一般的に使用される従来のトラック又は小型でシンプルなモジュラー車両より概してより高価で通常より遅い(特にSPMT)。この理論的欠点は、輸送されるセグメント(3)の数が少ないことと、製造場所(6)とタワー(1)の特徴である最終位置(5)との間の距離が短いことによって、はるかに相殺される。SPT/SPMTの使用はさらに、水平位置において輸送及び貯蔵される既知の方法からのプレハブセグメント(3)及び同様の高さを有する迫石を輸送することに比べて、このような細長いセグメント(3)を垂直な位置において輸送するときの横方向の安定性を保証することを可能にする。
【0060】
本発明の別の好ましい実施形態では、ステップc)及び/又はステップd)は、陸上輸送システム(9)が隆起支持体の下に位置付けられることができるように構成された隆起支持体上において行われ、ステップd)は、クレーン又は頭上クレーンタイプの持ち上げ手段を使用することなく行われる。さらに好ましくは、陸上輸送システム(9)及び/又は隆起支持体は、高さ調節可能な表面を有し、前記高さ調節可能な表面は、前記陸上輸送システム(9)上にプレハブセグメント(3)を位置付けるまで前記表面を調節することによってステップd)を行うことができるように構成される。
【0061】
そのようにして、各セグメント(3)が実質的に垂直な位置にプレハブされると、それは、隆起場所(例えば架台)の下に位置付けられる輸送システムアセンブリ(9)を導入することによって、そのモールドから貯蔵領域に取り出され、次に、輸送システム(9)の高さが、プレハブセグメント(3)を架台の脚の上に上昇させるように高くされ、また実質的に垂直な位置においてタワー(1)の最終位置(5)に運び、そこでセグメント(3)が再び架台上に、逆の作業でクレーン及び転倒作業がなく配置され、セグメント(3)の物流管理全体が、それらが製造されるときからタワー(1)の近くに運ばれ、そこでシャフト(4)に組み込まれるまで、実質的に垂直な位置において行われる。
【0062】
本発明の別の好ましい実施形態では、セグメント(3)の連続した水平な待機位置が確保され、セグメント(3)を形成する部分を硬化する最終段階が、たとえ十分に硬化されなくても、連続した支持要素よりもむしろ分離した支持要素上に前記部分を置いたままにすることによって引き起こされる望ましくない変形を生成しないようにして、各型枠の使用時間を低減することができる。この場合、ただ1つのクレーン動作が存在することができ、それは、セグメント(3)を水平面(例えば、研磨されたコンクリートスラブ)上に配置して最終的に硬化し、必要な硬化時間(例えば、72時間)が経過した後、同じクレーンを用いて、セグメント(3)が再びタワーの最終位置(5)に運ぶ輸送システム(9)上に配置される。この実施形態では、クレーンの必要がなく、単にそれらが輸送される輸送システム(9)を用いてセグメント(3)を荷降ろしするための支持体も存在し得る。
【0063】
e)ステップd)において陸上輸送システム(9)上に実質的に垂直な位置に位置付けられたセグメント(3)を、集中製造場所(6)から1つの陸上ルート(8)に続いてタワー貯蔵領域(10)又は1つのタワー(1)の最終位置(5)に輸送する。
【0064】
随意に、ステップe)は、以下のステップf)においてそれぞれ説明されるように、このように貯蔵領域(10)に又は最終位置(5)の近くに実質的に垂直な位置において輸送されたセグメント(3)を、前記最終位置(5)への輸送まで又はその組立まで、貯蔵又は保管するステップを有し得る。
【0065】
f)ステップe)において1つのタワー(1)の最終位置(5)に輸送されたセグメント(3)を組み立て、前記タワー(1)のシャフト(4)の少なくとも1つの部分を形成する。
【0066】
g)風力発電所(2)における複数のタワー(1)のためにステップc)~f)を繰り返す。
【0067】
本発明の好ましい実施形態では、ステップc)~e)は、自由高さが約1.5mの支持体上において行われる。これはさらに、モジュラートレーラ/SPT/SPMTタイプの輸送システム(9)の使用と組み合わされ、クレーン、頭上クレーン、及び他の積荷の持ち上げ及び移動手段の使用を排除する、又は大いに軽減することを可能にする。製造される要素(タワー(1)のセグメント(3))が、他のプレハブされたタワーの特徴的な要素よりかなり大きく重いという事実にもかかわらず、部品をそれらが製造されるモールド又は型枠から取り出すため、それらを貯蔵するため又は内部組立位置に運んで降ろすため、またそれらを輸送するために積み込んでタワー(1)の最終位置(5)にそれらを降ろすためのクレーンの使用は、排除される。このようにして、セグメント(3)を製造し、例えば高さ1.5mの支持体上に位置付けることによって、輸送システム(9)自体は、セグメント(3)の積み降ろしのために使用することができる。プレハブ要素を貯蔵するための小さい支持体の使用は、本部門において知られているが、クレーンなしにそれらの積み降ろしのために設計された支持体は、使用されていない。
【0068】
従って、本発明を製造して組み立てるための方法は、6.0mを超える高さを有するセグメント(3)によって形成される完全なコンクリートタワー(1)を建設するために使用することができる、又はタワー(1)の1つのセクションが前記方法を用いて作られ、他の部分が他の材料、設計、又はプロセスを用いて作られる複合又はハイブリッドタワー(1)の一部を作るためにも使用することができる。例えば、タワー(1)の上部は、1つ又は複数の従来の金属セクションによって形成することができ、下にある下部は、本明細書に記載された設計及びプロセスを用いて製造することができる。
図1
図2
【国際調査報告】