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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】電気パルス発生装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20241031BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532850
(86)(22)【出願日】2022-11-17
(85)【翻訳文提出日】2024-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2022082194
(87)【国際公開番号】W WO2023104460
(87)【国際公開日】2023-06-15
(31)【優先権主張番号】21212531.4
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524206474
【氏名又は名称】スカンジノバ、システムズ、アクチボラゲット
【氏名又は名称原語表記】ScandiNova Systems AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】クラス、エルムクビスト
(72)【発明者】
【氏名】ペール、ニルソン
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770BA20
5H770CA02
5H770DA01
5H770DA11
5H770DA47
5H770KA01Y
(57)【要約】
負荷(90)に接続される、または接続可能な電気パルス発生装置(100)が開示される。電気パルス発生装置(100)は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール(40)、および第1の電気エネルギー貯蔵モジュール(40)を選択的に充電するように構成される電力供給源(30)を含む、電気パルス発生モジュール(10)を含む。電気パルス発生モジュール(10)は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール(40)の充電および放電によって1つまたは複数の電気パルスを発生させるように構成され、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール(40)が放電されるとき、電気パルスが、負荷(90)に伝達されるために作成される。電気パルス発生装置(100)は、負荷(90)と直列に接続される、または接続可能な電気パルス形状調整回路(80)を含む。電気パルス形状調整回路(80)は、少なくとも第1の抵抗器(81)、インダクタ(82)、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール(83)を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷(90)に接続される、または接続可能な電気パルス発生装置(100)であって、前記電気パルス発生装置は、
電気パルス発生モジュール(10)であって、
第1の電気エネルギー貯蔵モジュール(40)、および
前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを選択的に充電するように構成される電力供給源(30)を含み、
前記電気パルス発生モジュールは、前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの充電および放電によって1つまたは複数の電気パルスを発生させるように構成され、前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールが放電されるとき、電気パルスが、前記負荷に伝達されるために作成される、電気パルス発生モジュールと、
前記負荷と直列に接続される、または接続可能な電気パルス形状調整回路(80)であって、前記電気パルス形状調整回路は、少なくとも第1の抵抗器(81)、インダクタ(82)、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール(83)を含み、前記第1の抵抗器、前記インダクタ、および前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、相互接続される、電気パルス形状調整回路(80)と、を含む、電気パルス発生装置。
【請求項2】
前記第1の抵抗器、前記インダクタ、および前記第2の電気エネルギー貯蔵は、並列に接続される、請求項1に記載の電気パルス発生装置。
【請求項3】
前記電気パルス形状調整回路は、前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールと直列に接続される第2の抵抗器(84)をさらに含み、
前記第2の抵抗器および前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの直列接続、前記第1の抵抗器、および前記インダクタは、並列に接続される、請求項1または2に記載の電気パルス発生装置。
【請求項4】
変換器(20)をさらに含み、前記変換器は、前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールによって生成される任意の電気パルスが、前記変換器を介して前記負荷へ伝達されるように配置され、
前記電気パルス発生モジュールは、少なくとも伝導状態と非伝導状態との間で制御可能に切り替え可能であるスイッチユニット(50)を含み、前記スイッチユニットは、少なくとも1つのスイッチユニットの、その少なくとも前記伝導状態と前記非伝導状態との間での切り替えに基づいて、前記電力供給源が、前記電力供給源によって供給される充電電流により第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを充電するか、または前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールが、前記負荷に伝達されるべき電気パルスを作成するように放電されるように、前記電力供給源および前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールにそれぞれ接続される、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気パルス発生装置。
【請求項5】
前記電気パルス形状調整回路は、前記スイッチユニットと前記変換器との間に接続される、請求項4に記載の電気パルス発生装置。
【請求項6】
複数の電気パルス形状調整回路を含み、
前記変換器は、複数の一次巻線(21)を有し、
前記電気パルス形状調整回路の各々は、前記スイッチユニットと、前記一次巻線のうちの対応するものとの間に接続され、
1つの電気パルス形状調整回路のみが、各一次巻線に接続される、請求項4または5に記載の電気パルス発生装置。
【請求項7】
前記電気パルス形状調整回路は、前記変換器と前記負荷との間に接続される、請求項4に記載の電気パルス発生装置。
【請求項8】
複数の電気パルス形状調整回路を含み、
前記変換器は、複数の二次巻線(22)を有し、
前記電気パルス形状調整回路の各々は、前記負荷と、前記二次巻線のうちの対応するものとの間に接続され、
1つの電気パルス形状調整回路のみが、各二次巻線に接続される、請求項4または7に記載の電気パルス発生装置。
【請求項9】
少なくとも第1の電気パルス形状調整回路および第2の電気パルス形状調整回路を含む複数の電気パルス形状調整回路を含み、
前記第1の電気パルス形状調整回路は、前記スイッチユニットと前記変換器との間に接続され、前記第2の電気パルス形状調整回路は、前記変換器と前記負荷との間に接続される、請求項4に記載の電気パルス発生装置。
【請求項10】
前記第1の抵抗器の抵抗および前記インダクタのインダクタンスは、前記第1の抵抗器および前記インダクタのRL時定数が、前記電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの所望のパルス持続時間に対応するように選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の電気パルス発生装置。
【請求項11】
前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、コンデンサを含み、
前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの静電容量は、1μF~200μFの範囲にある、請求項1~10のいずれか一項に記載の電気パルス発生装置。
【請求項12】
前記第1の抵抗器の抵抗は、1mΩ~200mΩの範囲にあり、
前記インダクタのインダクタンスは、0.1μH~100μHの範囲にある、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気パルス発生装置。
【請求項13】
前記第2の抵抗器の抵抗は、1mΩ~100mΩの範囲にある、請求項3、または請求項3に従属する請求項4~12のいずれか一項に記載の電気パルス発生装置。
【請求項14】
前記電気パルス発生装置は、前記電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスのパルス持続時間が、0.5μs~25μsの範囲にあるように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の電気パルス発生装置。
【請求項15】
負荷(90)、および前記負荷に接続される、請求項1~14のいずれか一項に記載の電気パルス発生装置(100)を含む、システム(90、100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、電気設備の分野に関する。具体的には、本発明は、電気パルス発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気パルスは、例えば、レーダシステム、粒子加速器、殺菌設備、高エネルギーレーザ、マイクロ波システム、または医療デバイスなど、様々な用途に用いられ得る。そのような用途および他の用途において、1つまたは複数の電気パルスを負荷に送達することが所望または要求され得る。
【0003】
コンデンサなどの電気エネルギー貯蔵ユニットまたはモジュールは、電気エネルギーを貯蔵するために使用され得、この電気エネルギーが放電されるとき、負荷またはパルス変換器へ送達され得る電気パルスを発生させる。コンデンサは、電源に接続される電力供給ユニットまたは装置によって繰り返し充電され得る。コンデンサは、複数の連続した電気パルスを発生させるために、繰り返しまたは周期的に充電および放電され得る。電気パルスを発生させるために用いられる装置、システム、および回路は、電力変調器と称され得る。電力変調器は、要求または所望される電圧の電気パルスを獲得するためにパルス変換器を用い得る。
【発明の概要】
【0004】
電力変調器内の電気パルス発生モジュールは、電力供給源、および充電または放電され得る電気エネルギー貯蔵モジュールを用い得る。電気エネルギー貯蔵モジュールは、例えば、1つのコンデンサまたはいくつかのコンデンサ(例えば、コンデンサバンク)を含み得る。電気パルスは、電気エネルギー貯蔵モジュールを繰り返しまたは周期的に充電および放電することによって生成され得、電気エネルギー貯蔵モジュールが放電されるとき、電気パルスが生成され、この電気パルスは、負荷に接続される変換器(例えば、電圧昇圧変換器)へ伝達され、またこれにより受信され得る。場合により、電気パルスは、負荷へ直接的に送達または伝達され得る。電気エネルギー貯蔵モジュールは、部分的または完全に、充電および放電され得る。電気エネルギー貯蔵モジュールが電気パルスを発生させるために充電された後、電気エネルギー貯蔵モジュールは、次の電気パルスの準備のために再び充電されなければならない。
【0005】
電気エネルギー貯蔵モジュールの充電および放電を実行するため、電力供給源と電気エネルギー貯蔵モジュールとを、選択的に接続する、または切り離すことができるスイッチまたはスイッチングデバイスが、電気パルス発生モジュール内に含まれ得る。コンデンサなどの電気エネルギー貯蔵モジュールの放電に基づく電気パルス発生モジュールのスイッチまたはスイッチングデバイスは、パルススイッチまたはパルススイッチングデバイスと称され得る。
【0006】
以下において、電気エネルギー貯蔵モジュールは、コンデンサと称され得るが、2つ以上のコンデンサおよび/またはコンデンサとは別もしくは他のタイプの電気エネルギー貯蔵モジュール、例えば、誘導性電気エネルギー貯蔵モジュールが、場合によっては使用され得ることを理解されたい。故に、以下における電気エネルギー貯蔵モジュールがコンデンサと称され得るとしても、本明細書内の開示は、コンデンサとは他のタイプの電気エネルギー貯蔵モジュールについても同じやり方でまたは同様に適用可能である。
【0007】
コンデンサなどの電気エネルギー貯蔵モジュールの放電に基づいた電力変調器において、コンデンサの放電中のコンデンサの電圧の「垂下」は、コンデンサの放電によって生成される電気パルスの電圧の垂下を引き起こし得る。コンデンサの放電によって生成される電気パルスの形状は、以て、「フラット」または実質的に「フラット」ではない場合があり、すなわち、電気パルスの後縁から電気パルスの前縁まで一定の振幅または実質的に一定の振幅を有さず、電気パルスの後縁から電気パルスの前縁へ減少している(例えば、単調に減少している)振幅を有し得る。多くの用途において、そのような電圧垂下は、許容できるが、生成した電気パルスによりマイクロ波増幅器を駆動することなどのいくつかの用途において、そのような電圧垂下は、許容できない場合がある。
【0008】
そのような電圧垂下を補償するため、および「フラット」な電気パルスを達成しようとして、並列R-L回路が使用され得る。並列R-L回路は、相互接続される抵抗器およびインダクタを含み得、並列R-L回路は、コンデンサと負荷との間に接続され得る。パルススイッチが、電気パルスを開始するために切り替えられると(例えば、パルススイッチが電力供給源を電気エネルギー貯蔵モジュールから選択的に切り離すとき)、電気パルスの電流全体(または実質的に全体)が、電気パルスの開始時に並列R-L回路内の抵抗器を通過する。故に、並列R-L回路内の抵抗器は、電気パルスの開始から「アクティブ」であり、並列R-L回路における電圧降下を引き起こす。並列R-L回路内の抵抗器の抵抗は、コンデンサの放電によって電気パルスの電圧の垂下を補償するための並列R-L回路における電圧降下を獲得するために選択される。並列R-L回路内のインダクタは、電気パルスの開始時に電流を保持しない。コンデンサの放電中、および故に、電気パルスの持続時間中、電流は、並列R-L回路内のインダクタ内で増大する。結果として、並列R-L回路内の抵抗器における電圧降下は減少する。並列R-L回路内のインダクタのインダクタンスの適切な選択により、これは、「フラット」または実質的に「フラット」な電気パルスを達成するように、コンデンサの放電の結果としてのコンデンサの減少する電圧を補償し得る。
【0009】
しかしながら、そのような並列R-L回路は、電圧垂下を補償し、「フラット」または実質的に「フラット」な電気パルスを達成し得る一方で、そのような並列R-L回路の使用は、いくつかの用途においては許容できない場合のある程度まで電気パルスの立ち上がり時間を増加させ得る。これは、並列R-L回路内の抵抗器が、電気パルスの開始から「アクティブ」であり、電気パルスの開始から並列R-L回路における電圧降下を引き起こすことに少なくとも部分的に起因する。電気パルスの立ち上がり時間が増加する場合、電気パルスの持続時間(または電気パルスの「幅」)は、減少し得、これは、いくつかの用途では望ましくない場合がある。
【0010】
上記観点において、本発明の関心事は、コンデンサなどの電気エネルギー貯蔵モジュールの放電に基づく電気パルス発生モジュールを提供することであり、この電気パルス発生モジュールは、比較的高速の立ち上がり時間を有しながら、「フラット」または実質的に「フラット」な電気パルスを生成する能力があるということである。
【0011】
この関心事および他の関心事のうちの少なくとも1つに対処するために、独立クレームによる電気パルス発生装置が提供される。好ましい実施形態は、従属クレームによって規定される。
【0012】
第1の態様によると、電気パルス発生装置が提供される。電気パルス発生装置は、負荷に接続される、または接続可能である。電気パルス発生装置は、電気パルス発生モジュールを含む。電気パルス発生モジュールは、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール、および第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを選択的に充電するように構成される電力供給源を含む。電気パルス発生モジュールは、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの充電および放電によって1つまたは複数の電気パルスを発生させるように構成され、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールが放電されるとき、電気パルスが、負荷に伝達されるために作成される。電気パルス発生装置は、負荷と接続される、または接続可能な、例えば、負荷と直列に接続される、または接続可能な電気パルス形状調整回路を含む。電気パルス形状調整回路は、少なくとも第1の抵抗器、インダクタ、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュールを含む。第1の抵抗器、インダクタ、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、相互接続される。
【0013】
電気パルス形状調整回路は、スイッチユニットと負荷との間に接続され得る。第1の電気エネルギー貯蔵モジュールおよび第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの各々またはいずれかは、例えば、1つまたは複数のコンデンサを含み得る。
【0014】
電気パルス発生装置内の電気パルス形状調整回路の提供によって、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電中の第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの電圧の「垂下」に起因する、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電によって生成される電気パルスの電圧の任意の垂下は、「フラット」または実質的に「フラット」な形状を(少なくとも電気パルスの持続時間の一部の間)有する電気パルス、または少なくともそのような「フラット」形状を有することに近づいている電気パルスを達成するために、補償され得る。これは、例えば先述において説明されるように並列R-L回路を使用することと同様に、少なくとも部分的に電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器およびインダクタによって達成され得る。
【0015】
電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールが電気パルスの開始時に充電されることに起因して、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器が電気パルスの開始時から「アクティブ」ではないことを確実にすることを促進または可能にし得る。具体的には、電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの提供により、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電によって生成される電気パルスの電圧の任意の垂下の補償は、電気パルスの開始の瞬間からは起こらず、電気パルスの持続時間の選択された部分が経過した後にのみ起こり得る。この後に、電気パルスの電圧の任意の垂下の補償は、残りの電気パルスの間に起こり得る。例えば、電気パルス形状調整回路内の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの提供により、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電によって生成される電気パルスの電圧の任意の垂下の補償は、例えば、電気パルスの持続時間の後半の間に起こるが、例えば、電気パルスの前半の間には起こらない場合がある。
【0016】
電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、電気パルスを開始するためにパルススイッチが切り替えられる際(例えば、パルススイッチが電気エネルギー貯蔵モジュールから電力供給源を選択的に切り離すとき)に充電され始め得る。電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールが充電されて特定の電圧を達成すると、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器は、「アクティブ」になり得る。第1の抵抗器が「アクティブ」になる第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの特定の電圧は、電気パルス形状調整回路の構成要素の特徴(例えば、第1の抵抗器の抵抗、インダクタのインダクタンス、および/または電気エネルギーを貯蔵するための第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの容量(例えば、静電容量))に基づき得る。電気パルス形状調整回路の構成要素の特徴のうち、第1の抵抗器が「アクティブ」になる第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの特定の電圧は、第1の抵抗器の抵抗および電気エネルギーを貯蔵するための第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの容量(例えば、静電容量)に最も強く依存し得る。
【0017】
一般的に、電気パルス形状調整回路内の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの提供により、電気パルスの持続時間の第1の部分の間は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電によって生成される電気パルスの電圧の任意の垂下の補償が存在しない場合がある一方、電気パルスの持続時間の残りの部分の間は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電によって生成される電気パルスの電圧の任意の垂下の補償が存在し得る。
【0018】
電気パルス形状調整回路内の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールを適切に構成および/または選択することによって、電気パルス形状調整回路は、電気パルスの電圧の任意の垂下の補償が、電気パルスの持続時間の間の選択された時間点においてアクティブになるように構成され得る。電気パルスの持続時間の間のその時間点の前に、電気パルスの電圧の任意の垂下の補償は存在しない場合がある。述べたように、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、例えば、または複数のコンデンサを含み得る。電気パルスの電圧の任意の垂下の補償を、電気パルスの持続時間の間の選択された時間点においてアクティブにさせるための電気パルス形状調整回路の構成は、例えば、選択された静電容量または選択された静電容量範囲内の静電容量を有する第2の電気エネルギー貯蔵モジュールを提供することによって実行され得る。
【0019】
電気パルスの開始時に第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電によって生成される電気パルスの電圧の任意の垂下のいかなる補償も有さないことによって、電気パルスの立ち上がり時間は、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器が電気パルスの開始から「アクティブ」である場合と比較してより高速になり得る。電気パルス発生装置内での電気パルス形状調整回路の使用は、先述に説明されるような並列R-L回路が上述の電気パルス形状調整回路の代わりに用いられる場合と比較して、電気パルスの立ち上がり時間の増加を伴わない、または実質的に伴わない場合がある。
【0020】
第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、例えば、コンデンサ(または、いくつかの相互接続されたコンデンサ)を含み得る。第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの静電容量の値は、電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの立ち上がり時間および場合によって振幅を、少なくとも部分的に決定し得る。故に、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの適切な選択によって(例えば、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールが特定の静電容量を有するように)、電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの立ち上がり時間および場合によって振幅は、用途によって(例えば、負荷のタイプによって)要求または所望されるように調整され得る。
【0021】
第1の電気エネルギー貯蔵モジュールおよび第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの各々またはいずれかは、1つまたは複数のコンデンサを含み得るか、またはこれにより構成され得る。代替的に、または追加的に、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールおよび第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの各々またはいずれかは、コンデンサとは別または他のタイプの電気エネルギー貯蔵モジュール、例えば、誘導性電気エネルギー貯蔵モジュールを含み得るか、またはこれにより構成され得る。
【0022】
電力供給源は、例えば、電力変換装置を含み得る。例えば、電力供給源は、交流(AC)源を含み得るか、またはこれに接続可能であり得、また、AC源からのACを、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを充電するために使用され得る直流(DC)へ変換するための整流装置をさらに含み得る。
【0023】
本出願の文脈において、スイッチユニットの非伝導状態とは、スイッチユニットを通る電流の伝導がないかほんのわずかである状態を意味する。故に、スイッチユニットは、スイッチユニットが電流を、スイッチユニットを通じて伝導することを停止する、または実質的に停止するように切り替え可能であり得る。
【0024】
負荷は、例えば、マイクロ波増幅器、クライストロン、マグネトロン、または、例えば、電子放出体(電子ガンと称され得る)などの粒子放出体のうちの1つまたは複数を含み得るか、またはこれにより構成され得る。
【0025】
第1の抵抗器、インダクタ、および第2の電気エネルギー貯蔵装置は、例えば、並列に接続され得る。
【0026】
電気パルス形状調整回路は、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールと直列に接続され得る第2の抵抗器を含み得る。第2の抵抗器および第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの直列接続、第1の抵抗器、ならびにインダクタは、並列に接続され得る。故に、電気パルス形状調整回路は、(1)第2の抵抗器および第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの直列接続、(2)第1の抵抗器、ならびに(3)インダクタという、並列に接続される3つの構成要素を含み得る(または場合によっては、これらからなる)。
【0027】
第2の抵抗器は、直列抵抗器と称され得る。第2の抵抗器は、第1の抵抗器と第2の抵抗器との間の電流の分布を決定するように、例えば、電気パルスの最初のミリ秒に至るまでなど、電気パルスの開始時は、電流制限器として作用し得る。電気パルス形状調整回路内に第2の抵抗器を配置することは、以て、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器が電気パルスの開始から「アクティブ」ではないことを確実にすることをさらに促進し得る。さらに、選択された抵抗または選択された抵抗範囲内の抵抗を有する第2の抵抗器を提供することによって、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器が電気パルスの開始から電気パルスの持続時間の選択された第1の部分の間「アクティブ」ではないことを確実にすることがさらに促進され得る。先に述べたように、電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールが電気パルスの開始時に充電されることに起因して、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器が電気パルスの開始から「アクティブ」ではないことを確実にすることを促進または可能にし得る。電気パルスの開始時に電気パルス形状調整回路の第2の電気エネルギー貯蔵モジュールを充電するのにかかる時間は、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールが電気パルスの開始時に「アクティブ」である時間と称され得る。第2の電気エネルギー貯蔵モジュールが電気パルスの開始時に「アクティブ」である時間は、第2の抵抗器の抵抗に依存し得る。故に、選択された抵抗または選択された抵抗範囲内の抵抗を有する第2の抵抗器を提供することによって、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器が電気パルスの開始から電気パルスの持続時間の選択された第1の部分の間どの程度「アクティブ」であるか、または、電気パルス形状調整回路の第1の抵抗器が電気パルスの開始時にどれくらいの間「アクティブ」ではないかが調整され得る。先に述べたように、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、例えば、コンデンサ(または、いくつかの相互接続されたコンデンサ)を含み得る。第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの静電容量および抵抗器の抵抗の値は、電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの立ち上がり時間および場合によって振幅を決定し得る。故に、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールおよび第2の抵抗器の適切な選択によって(例えば、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールが特定の静電容量を有するように、および第2の抵抗器が特定の抵抗を有するように)、電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの立ち上がり時間および場合によって振幅は、用途によって(例えば、負荷のタイプによって)要求または所望されるように調整され得る。
【0028】
電気パルス発生装置は、(例えば、負荷および変換器に関連して)配置され得る変換器を含み得、その結果として、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの放電によって生成される任意の電気パルスは、この変換器を介して負荷に伝達される。
【0029】
電気パルス発生モジュールは、少なくとも伝導状態と非伝導状態(または実質的に非伝導状態)との間で制御可能に切り替え可能なスイッチユニット(またはスイッチ、またはスイッチ素子)を含み得る。スイッチユニットは、少なくとも1つのスイッチユニットの、その少なくとも伝導状態と(実質的に)非伝導状態との間での切り替えに基づいて、電力供給源が、電力供給源によって供給される充電電流により第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを充電するか、または第1の電気エネルギー貯蔵モジュールが、負荷に伝達されるべき電気パルスを作成するために放電されるように、電力供給源および第1の電気エネルギー貯蔵モジュールにそれぞれ接続され得る。
【0030】
スイッチユニットは、例えば、ターンオンおよびターンオフ能力を有する1つまたは複数の固体半導体スイッチングデバイス、例えば、少なくとも1つの絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)、集積化ゲート転流型トランジスタ(IGCT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、および/またはゲートターンオフサイリスタ(GTO)を含み得るが、これらに限定されない。
【0031】
電気パルス形状調整回路は、スイッチユニットと変換器との間に接続され得る。例えば、電気パルス形状調整回路は、スイッチユニットと変換器の一次巻線との間に接続され得る。変換器が昇圧変換器である場合、これは、電気パルス形状調整回路が変換器の低電圧側に接続されることに対応し得る。
【0032】
電気パルス発生装置は、複数の電気パルス形状調整回路を含み得る。変換器は、複数の一次巻線を有し得る。電気パルス形状調整回路の各々は、スイッチユニットと一次巻線の対応するものとの間に接続され得る。1つの電気パルス形状調整回路のみが、各一次巻線に接続され得る。故に、各電気パルス形状調整回路は、変換器の対応する一次巻線に接続され得る。
【0033】
電気パルス形状調整回路は、変換器と負荷との間に接続され得る。例えば、電気パルス形状調整回路は、変換器の二次巻線と負荷との間に接続され得る。変換器が昇圧変換器である場合、これは、電気パルス形状調整回路が変換器の高電圧側に接続されることに対応し得る。
【0034】
電気パルス発生装置は、複数の電気パルス形状調整回路を含み得る。変換器は、複数の二次巻線を有し得る。電気パルス形状調整回路の各々は、負荷と二次巻線の対応するものとの間に接続され得る。1つの電気パルス形状調整回路のみが、各二次巻線に接続され得る。故に、各電気パルス形状調整回路は、変換器の対応する二次巻線に接続され得る。
【0035】
電気パルス発生装置は、複数の電気パルス形状調整回路を含み得る。複数の電気パルス形状調整回路は、少なくとも第1の電気パルス形状調整回路および第2の電気パルス形状調整回路を含み得る。第1の電気パルス形状調整回路は、スイッチユニットと変換器との間に接続され得る。第2の電気パルス形状調整回路は、変換器と負荷との間に接続され得る。第1の電気パルス形状調整回路は、例えば、スイッチユニットと変換器の一次巻線との間に接続され得る。第2の電気パルス形状調整回路は、例えば、変換器の二次巻線と負荷との間に接続され得る。
【0036】
第1の抵抗器の抵抗およびインダクタのインダクタンスは、第1の抵抗器およびインダクタのRL時定数が、電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの所望のパルス持続時間に対応するように選択され得る。第1の抵抗器の抵抗がRであり、インダクタのインダクタンスがLである場合、第1の抵抗器およびインダクタのRL時定数は、I/Rによって得られ得る。
【0037】
第1の抵抗器の抵抗は、例えば、1mΩ~200mΩの範囲にあり得る。
【0038】
インダクタのインダクタンスは、0.1μH~100μHの範囲にあり得る。
【0039】
先に述べたように、第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、例えば、コンデンサ(または、いくつかの相互接続されたコンデンサ)を含み得る。第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの静電容量の値および第2の抵抗器の抵抗の値は、先述に説明されるように、電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの特定の立ち上がり時間および場合によって振幅を達成するように選択され得る。
【0040】
第2の抵抗器の抵抗は、例えば、1mΩ~100mΩの範囲にあり得る。
【0041】
第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの静電容量は、例えば、1μF~200μFの範囲にあり得る。
【0042】
電気パルス発生装置は、例えば、電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスのパルス持続時間が、0sのすぐ上~(約)25μs、例えば、(約)0.5μs~(約)25μsの範囲にあるように構成され得る。
【0043】
第2の態様によると、システムが提供される。本システムは、負荷および第1の態様による電気パルス発生装置を含み、電気パルス発生装置は、負荷に接続される。
【0044】
本発明の更なる目的および利点は、例示的な実施形態を用いて以下に説明される。本発明は、クレーム内に列挙される特徴のすべての可能な組み合わせに関するということに留意されたい。本発明の更なる特徴および利点は、添付のクレームおよび本明細書内の説明を研究するときに明らかになるものとする。当業者は、本発明の異なる特徴が、本明細書内に説明されるものとは異なる実施形態を作成するために組み合わされ得ることを理解する。
【0045】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1図1および図2は、本発明の実施形態による電気パルス発生装置の概略回路図である。
図2図1および図2は、本発明の実施形態による電気パルス発生装置の概略回路図である。
【0047】
すべての図は、概略的であり、必ずしも縮尺通りではなく、また全体的に、本発明の実施形態を明瞭にするために必要である部分のみを示し、他の部分は、省略され得るか、単に示唆され得る。
【発明を実施するための形態】
【0048】
これより本発明は、本発明の例示的な実施形態が示される添付の図面を参照して、以後説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に明記される本発明の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が当業者に本発明の範囲を伝えるように例として提供される。
【0049】
図1は、本発明の実施形態による電気パルス発生装置100の概略回路図である。電気パルス発生装置100は、負荷90に接続される。負荷90は、例えば、マイクロ波増幅器、クライストロン、マグネトロン、または粒子放出体のうちの1つまたは複数を含み得るか、またはこれにより構成され得る。
【0050】
電気パルス発生装置100は、電気パルス発生モジュール10を含む。電気パルス発生モジュール10は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40および電力供給源30を含む。電力供給源30は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40を選択的に充電するように構成される。
【0051】
図1に例証される本発明の実施形態によると、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40は、コンデンサを含む。しかしながら、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40は、いくつかのコンデンサ(例えば、コンデンサバンク)、ならびに/またはコンデンサとは別もしくは他のタイプの電気エネルギー貯蔵モジュール、例えば、誘導性電気エネルギー貯蔵モジュールを含み得るということを理解されたい。
【0052】
電力供給源30は、例えば、電力変換装置を含み得る。例えば、電力供給源は、交流(AC)源(図1に示されない)を含み得るか、またはこれに接続可能であり得、また、AC源からのACを、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40を充電するために使用され得る直流(DC)へ変換するための整流装置(図1に示されない)をさらに含み得る。例えば、電力供給源30は、1つの相または複数の相を有するAC電力を供給している電源(図1に示されない)に接続可能であるか、またはこれに接続され得る。電源は、例えば、三相AC電力を供給するように構成され得る。電源は、例えば、三相AC電力、例えば、主電力を供給し得る電気グリッドを含み得るか、またはこれにより構成され得る。電力供給源30は、入力整流装置(図1には示されない)を含み得る。入力整流装置は、電力供給源30が電源に接続されるとき電源によって供給されるAC電力を受信するように配置され得る。入力整流装置は、例えば、複数の相レグを含み得る多相整流装置を含み得るか、またはこれにより構成され得る。
【0053】
電気パルス発生モジュール10は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40の充電および放電によって1つまたは複数の電気パルスを発生させるように構成される。第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40が放電されるとき、電気パルスが、負荷90に伝達されるために作成される。
【0054】
電気パルス発生装置100は、図1に例証される本発明の実施形態によると負荷90と直列に接続される電気パルス形状調整回路80を含む。電気パルス形状調整回路80は、第1の抵抗器81、インダクタ82、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83を含む。
【0055】
第1の抵抗器81、インダクタ82、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83は、相互接続される。例えば、および図1に例証されるように、第1の抵抗器81、インダクタ82、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83は、並列に接続され得る。
【0056】
図1に例証される本発明の実施形態によると、電気パルス形状調整回路80は、第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83と直列に接続される第2の抵抗器84を含む。第2の抵抗器84は、任意選択であり、省略され得るということを理解されたい。図1に例証されるように、第2の抵抗器84および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83の直列接続、第1の抵抗器81、ならびにインダクタ82は、並列に接続され得る。故に、電気パルス形状調整回路80は、(1)第2の抵抗器84および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83の直列接続、(2)第1の抵抗器81、ならびに(3)インダクタ82という、並列に接続される3つの構成要素を含み得る。
【0057】
図1に例証される本発明の実施形態によると、第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83は、コンデンサを含む。しかしながら、第2の電気エネルギー貯蔵モジュール83は、いくつかのコンデンサ(例えば、コンデンサバンク)、ならびに/またはコンデンサとは別もしくは他のタイプの電気エネルギー貯蔵モジュール、例えば、誘導性電気エネルギー貯蔵モジュールを含み得るということを理解されたい。
【0058】
図1に例証される本発明の実施形態によると、電気パルス発生装置は、変換器20を含む。図1に例証されるように、変換器20は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40の放電によって生成される任意の電気パルスが変換器20を介して負荷90に伝達されるように配置される。変換器20は、少なくとも1つの磁心25を含み得る。
【0059】
さらに図1に例証される本発明の実施形態によると、電気パルス発生モジュール10は、スイッチユニット50を含む。スイッチユニット50は、少なくとも伝導状態と非伝導状態(または実質的に非伝導状態)との間で制御可能に切り替え可能である。スイッチユニット50は、少なくとも1つのスイッチユニット50の、その少なくとも伝導状態と非伝導状態(または実質的に非伝導状態)との間での切り替えに基づいて、電力供給源30が、電力供給源30によって供給される充電電流により第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40を充電するか、または第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40が、負荷90に伝達されるべき電気パルスを作成するように放電されるように、電力供給源30および第1の電気エネルギー貯蔵モジュール40にそれぞれ接続される。
【0060】
スイッチユニット50は、例えば、例えば、少なくとも1つのIGBT、IGCT、MOSFET、および/もしくはGTOなど、1つまたは複数の固体半導体スイッチングデバイス、ならびに/またはターンオンおよびターンオフ能力を有する、別もしくは他のタイプの電気スイッチングデバイスを含み得る。
【0061】
図1に例証されるように、電気パルス形状調整回路80は、スイッチユニット50と変換器20との間に接続される。
【0062】
変換器20は、少なくとも1つの一次巻線21を含み得、これにより変換器20は、電気パルス発生モジュール10に接続され得る。例えば、変換器20は、図1に例証されるように、少なくとも1つの一次巻線21の2つの端子によって電気パルス発生モジュール10に接続され得る。図1に例証される本明細書の実施形態によると、および本明細書に示されるように、変換器20は、2つの一次巻線21を含み得、これにより変換器20は、電気パルス発生モジュール10に接続され得る。しかしながら、変換器20が電気パルス発生モジュール10に接続され得る、変換器20の一次巻線の数は、2つに限定されず、例えば3つ以上であってもよいということを理解されたい。変換器20の一次巻線は、電気パルス発生モジュール10によって生成される電気パルスを受信するように構成され得る。
【0063】
図1に例証されるように、電気パルス形状調整回路80は、スイッチユニット50と変換器20の一次巻線21との間に接続される。
【0064】
電気パルス発生装置100は、場合によっては、図1に例証されるように1つの電気パルス形状調整回路80のみではなく、複数の電気パルス形状調整回路を含み得るということを理解されたい。変換器20は、複数の一次巻線を含み得、電気パルス形状調整回路の各々は、スイッチユニット50と変換器20の一次巻線のうちの対応するものとの間に接続され得、1つの電気パルス形状調整回路のみが、各一次巻線に接続され得る。
【0065】
図1に例証される本発明の実施形態によると、スイッチユニット50が非伝導状態へ切り替えられるときに電力供給源30によって供給される充電電流は、図1で矢印ICによって示されるように、図1で最上位にある、電力供給源30に接続される2つの導体のうちの1つの導体を介して電力供給源30から流れ、図1で最下位にある、電力供給源30に接続される2つの導体のうちの1つの導体を介して電力供給源30へ戻り得る。上述の2つの導体は、例えば、電力供給源30の2つの端子に接続され得る。
【0066】
さらに図1に例証される本発明の実施形態によると、電気エネルギー貯蔵モジュール40が放電されるときに生成される電気パルスの電流は、例えば、図1で矢印IPによって示される方向に流れ得る。電気パルス発生装置100は、例えば、生成される各電子パルスまたは任意の電気パルスの持続時間が、例えば、0.5μs~25μsの範囲にあるように構成され得る。
【0067】
図2は、本発明の実施形態による電気パルス発生装置100の概略回路図である。図2に例証される電気パルス発生装置100は、図1に例証される電気パルス発生装置100と同様であり、図1および図2内の同じ参照番号は、同じまたは同様の機能を有する同じまたは同様の構成要素を示す。
【0068】
図1に例証される電気パルス発生装置100とは対照的に、図2に例証される電気パルス発生装置100において、電気パルス形状調整回路80は、スイッチユニット50と変換器20の一次巻線21との間に接続されるのではなく、代わりに、変換器20と負荷90との間に接続される。図2に例証されるように、電気パルス形状調整回路80は、変換器20の二次巻線22と負荷90との間に接続され得る。
【0069】
結論として、電気パルス発生装置が開示される。電気パルス発生装置は、負荷に接続される、または接続可能である。電気パルス発生装置は、第1の電気エネルギー貯蔵モジュール、および第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを選択的に充電するように構成される電力供給源を含む、電気パルス発生モジュールを含む。電気パルス発生モジュールは、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの充電および放電によって1つまたは複数の電気パルスを発生させるように構成され、第1の電気エネルギー貯蔵モジュールが放電されるとき、電気パルスが、負荷に伝達されるために作成される。電気パルス発生装置は、負荷と直列に接続される、または接続可能な電気パルス形状調整回路を含む。電気パルス形状調整回路は、少なくとも第1の抵抗器、インダクタ、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュールを含む。
【0070】
本発明は、添付の図面および先述の説明において例証されているが、そのような例証は、例証的または例示的と見なされるべきであり、制限的と見なされるべきではなく、本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変異形は、図面、本開示、および添付のクレームの研究から、特許請求された発明を実践する際に当業者により理解および達成され得る。添付のクレームにおいて、用語「含む」は、他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a(1つの)」または「an(1つの」は、複数を除外しない。特定の方策が相互に異なる従属クレームにおいて列挙されるという単なる事実は、これらの方策の組み合わせを生かすことができないことは示さない。クレーム内の任意の参照符号は、範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-06-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷(90)に接続される、または接続可能な電気パルス発生装置(100)であって、前記電気パルス発生装置は、
電気パルス発生モジュール(10)であって、
第1の電気エネルギー貯蔵モジュール(40)、および
前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを選択的に充電するように構成される電力供給源(30)を含み、
前記電気パルス発生モジュールは、前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールの充電および放電によって1つまたは複数の電気パルスを発生させるように構成され、前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールが放電されるとき、電気パルスが、前記負荷に伝達されるために作成される、電気パルス発生モジュールと、
前記負荷と直列に接続される、または接続可能な電気パルス形状調整回路(80)であって、前記電気パルス形状調整回路は、少なくとも第1の抵抗器(81)、インダクタ(82)、および第2の電気エネルギー貯蔵モジュール(83)を含み、前記第1の抵抗器、前記インダクタ、および前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、相互接続される、電気パルス形状調整回路(80)と、を含むものであり、
前記第1の抵抗器、前記インダクタ、および前記第2の電気エネルギー貯蔵は、並列に接続される、電気パルス発生装置。
【請求項2】
前記電気パルス形状調整回路は、前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールと直列に接続される第2の抵抗器(84)をさらに含み、
前記第2の抵抗器および前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの直列接続、前記第1の抵抗器、および前記インダクタは、並列に接続される、請求項1に記載の電気パルス発生装置。
【請求項3】
変換器(20)をさらに含み、前記変換器は、前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールによって生成される任意の電気パルスが、前記変換器を介して前記負荷へ伝達されるように配置され、
前記電気パルス発生モジュールは、少なくとも伝導状態と非伝導状態との間で制御可能に切り替え可能であるスイッチユニット(50)を含み、前記スイッチユニットは、少なくとも1つのスイッチユニットの、その少なくとも前記伝導状態と前記非伝導状態との間での切り替えに基づいて、前記電力供給源が、前記電力供給源によって供給される充電電流により第1の電気エネルギー貯蔵モジュールを充電するか、または前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールが、前記負荷に伝達されるべき電気パルスを作成するように放電されるように、前記電力供給源および前記第1の電気エネルギー貯蔵モジュールにそれぞれ接続される、請求項1に記載の電気パルス発生装置。
【請求項4】
前記電気パルス形状調整回路は、前記スイッチユニットと前記変換器との間に接続される、請求項3に記載の電気パルス発生装置。
【請求項5】
複数の電気パルス形状調整回路を含み、
前記変換器は、複数の一次巻線(21)を有し、
前記電気パルス形状調整回路の各々は、前記スイッチユニットと、前記一次巻線のうちの対応するものとの間に接続され、
1つの電気パルス形状調整回路のみが、各一次巻線に接続される、請求項3に記載の電気パルス発生装置。
【請求項6】
前記電気パルス形状調整回路は、前記変換器と前記負荷との間に接続される、請求項3に記載の電気パルス発生装置。
【請求項7】
複数の電気パルス形状調整回路を含み、
前記変換器は、複数の二次巻線(22)を有し、
前記電気パルス形状調整回路の各々は、前記負荷と、前記二次巻線のうちの対応するものとの間に接続され、
1つの電気パルス形状調整回路のみが、各二次巻線に接続される、請求項3に記載の電気パルス発生装置。
【請求項8】
少なくとも第1の電気パルス形状調整回路および第2の電気パルス形状調整回路を含む複数の電気パルス形状調整回路を含み、
前記第1の電気パルス形状調整回路は、前記スイッチユニットと前記変換器との間に接続され、前記第2の電気パルス形状調整回路は、前記変換器と前記負荷との間に接続される、請求項3に記載の電気パルス発生装置。
【請求項9】
前記第1の抵抗器の抵抗および前記インダクタのインダクタンスは、前記第1の抵抗器および前記インダクタのRL時定数が、前記電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスの所望のパルス持続時間に対応するように選択される、請求項1に記載の電気パルス発生装置。
【請求項10】
前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールは、コンデンサを含み、
前記第2の電気エネルギー貯蔵モジュールの静電容量は、1μF~200μFの範囲にある、請求項1に記載の電気パルス発生装置。
【請求項11】
前記第1の抵抗器の抵抗は、1mΩ~200mΩの範囲にあり、
前記インダクタのインダクタンスは、0.1μH~100μHの範囲にある、請求項1に記載の電気パルス発生装置。
【請求項12】
前記第2の抵抗器の抵抗は、1mΩ~100mΩの範囲にある、請求項2に記載の電気パルス発生装置。
【請求項13】
前記電気パルス発生装置は、前記電気パルス発生装置によって生成される任意の電気パルスのパルス持続時間が、0.5μs~25μsの範囲にあるように構成される、請求項1に記載の電気パルス発生装置。
【請求項14】
負荷(90)、および前記負荷に接続される、請求項1に記載の電気パルス発生装置(100)を含む、システム(90、100)。
【国際調査報告】