(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】関心点の視認性を特定するための方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
G01C21/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532944
(86)(22)【出願日】2022-11-24
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2022083198
(87)【国際公開番号】W WO2023099339
(87)【国際公開日】2023-06-08
(32)【優先日】2021-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ルモンティ, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ソーナー, パブロ
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129CC13
2F129CC28
2F129DD02
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2F129DD13
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2F129FF62
2F129FF63
2F129HH12
2F129HH21
2F129HH24
(57)【要約】
関心点の視認性を特定するための方法。
本発明は、関心点(POI)の視認性を特定するための方法に関し、方法は、自己の自動車両(1)に組み込まれており、かつ、
- 関心点(POI)と、残りの計画された経路と、三次元マップにおける車両の現在位置の座標とを位置決めするステップと、
- 三次元における所与の座標の少なくとも3つの頂点をもつ多角形により関心点(POI)を表すステップと、
- 残りの計画された経路の配向の変化点を相互接続することにより、残りの計画された経路を開いた破線により表すステップと、
- 第1の端部としての破線上の点と第2の端部としての多角形上の点とをもつ直線のセグメントをトレースするステップと、
- セグメントの第1の端部からの関心点(POI)の視認性を特定するステップと、
- 最適な視認性ウィンドウを特定するステップと
を含む。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
関心点(POI)の視認性を特定するための方法であって、前記方法が、自己の自動車両(1)に組み込まれた処理手段により実施され、かつ、
- (E1)関心点(POI)を選択する、または特定するステップと、
- (E2)三次元マップ(3D)と、走行されていない残りの経路または経路部分、特に走行されていない残りの計画された経路または推測された経路部分の少なくとも2つの次元における位置座標と、前記車両(1)の現在位置の少なくとも2つの次元における座標とを含むナビゲーション情報を受信するステップと、
- (E3)前記関心点(POI)と、走行されていない前記残りの経路または経路部分と、前記三次元マップ(3D)における前記車両の前記現在位置の前記座標とを位置決めするステップと、
- (E4)前記関心点(POI)に属する三次元における所与の座標の少なくとも3つの頂点をもつ多角形により前記関心点(POI)を表すステップであって、前記多角形が特に、例えば前記関心点(POI)の輪郭の配向の変化点および/または前記関心点(POI)の等高度点といった前記関心点(POI)の輪郭の特徴的な幾何学的点を頂点としてもつ、前記関心点(POI)を表すステップと、
- (E5)前記残りの経路または経路部分の配向の変化点を相互接続することにより、前記残りの経路または経路部分を開いた破線により表すステップと、
- (E6)第1の端部としての前記破線上の点と第2の端部としての前記関心点(POI)に属する前記多角形上の点とをもつ直線のセグメントをトレースするステップと、
- (E7)前記セグメントの各々に対する前記関心点(POI)の前記視認性を特定することにより、前記セグメントの前記第1の端部の各々により形成された開始点からの前記関心点(POI)の前記視認性を特定するステップと、
- (E8)最適な視認性ウィンドウを特定するステップと
を含み、
視認性を特定する前記ステップ(E7)において、前記セグメントの2つの前記端部間の前記関心点(POI)のゼロではない視認性が、前記セグメントと前記三次元マップ(3D)の要素との間の非交差を条件とすることを特徴とする、
関心点(POI)の視認性を特定するための方法。
【請求項2】
視認性特定の前記開始点が、前記変化点間に分布した中間点を含むことを特徴とし、かつ/または、前記第2の端部が、前記多角形の前記頂点間に分布した中間点を含むことを特徴とする、請求項1に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項3】
前記関心点(POI)の前記視認性を特定する前記ステップ(E7)において、後方に前記関心点(POI)が位置する視認性特定の前記開始点の下流に位置する前記残りの経路または経路部分の全ての点に対して、ゼロの視認性が特定されることを特徴とする、請求項1または2に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項4】
後方に前記関心点(POI)が位置する視認性特定の前記開始点が、前記開始点を第1の前の前記開始点に接続するベクトル(u)に、前記開始点を前記関心点(POI)の前記頂点の各々に接続するベクトル(v)の各々を乗じた全てのベクトル積が正である前記経路の視認性特定の第1の前記開始点に対応していることを特徴とする、請求項3に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項5】
前記ナビゲーション情報が、局所的な気象状態および/または外部照明レベルに依存したコンテキスト関連視認性情報を含むことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項6】
前記関心点の視認性を特定するための方法が、前記コンテキスト関連視認性情報に応じて、および特に前記関心点(POI)に応じて最大コンテキスト関連視認性距離を特定するサブステップを含むことを特徴とする、請求項5に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項7】
- 前記関心点の視認性を特定するための方法が、各開始点と前記関心点(POI)の前記頂点の各々との間の距離、特にユークリッド距離を特定するサブステップを含むこと、および、前記トレースするステップ(E6)が、所定の前記最大コンテキスト関連視認性距離以下の長さのセグメントのみをトレースすることを含むこと、および、前記関心点(POI)の前記視認性を特定する前記ステップ(E7)において、前記開始点と前記関心点(POI)の前記頂点とを分離する距離が所定の前記最大コンテキスト関連視認性距離よりも長い場合、前記開始点と前記関心点(POI)の前記頂点との間において前記視認性がゼロであると特定されること、ならびに/または、
- 前記関心点(POI)の前記視認性を特定する前記ステップ(E7)において、前記セグメントの2つの前記端部間の前記関心点(POI)のゼロではない視認性の特定が、更に、前記セグメントの長さが所定の前記最大コンテキスト関連視認性距離未満であることを条件とすること、
を特徴とする、請求項6に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項8】
最適な視認性ウィンドウを特定する前記ステップ(E8)が、前記残りの経路または経路部分の視認性特定の前記開始点の各々に対して、
- 前記第2の端部のうちの前記関心点(POI)に属する視認可能な点の連続的グループを特定するサブステップと、
- 視認性セグメントを前記連続的グループの各々と関連付けるサブステップと、
- 前記視認性セグメントの長さを合計するサブステップと、
- 前記関心点(POI)の外縁により前記合計を割るサブステップと、
- 前記残りの経路または経路部分の視認性特定の前記開始点の各々に対して、前記関心点(POI)の視認可能な前記外縁を割合として演算するサブステップと、
- 前記残りの経路または経路部分の視認性特定の前記開始点の各々に対して、前記関心点(POI)の視認可能な前記外縁の前記割合を記憶するサブステップと
を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項9】
最適な視認性ウィンドウを特定する前記ステップ(E8)が、
- 記憶された割合がゼロであるものを含めずに、前記残りの経路または経路部分の視認性特定の前記開始点のうちから、点の連続的グループの各々を特定するサブステップと、
- 開始ノードおよび終了ノードと、長さと、前記車両(1)の前記現在位置からの距離と、視認性スコアであって、前記視認性スコアの値が、記憶された割合がゼロであるものを含まない点の前記連続的グループから視認可能な前記関心点(POI)の前記外縁の前記割合の合計である視認性スコアとにより特徴付けられる連続的視認性ウィンドウを規定するサブステップと、
- 最良の前記視認性スコアをもつ前記連続的視認性ウィンドウを選択するサブステップと
を含むことを特徴とする、請求項8に記載の関心点の視認性を特定するための方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の関心点の視認性を特定するための方法を実行する運転者支援方法であって、情報を送達するステップ、および/または、特定された前記最適な視認性ウィンドウにわたって、または、特定された前記最適な視認性ウィンドウの開始から周辺環境を生成するステップを含むことを特徴とする、運転者支援方法。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載の関心点の視認性を特定するための方法を実施するための手段を備える、関心点の視認性を特定するためのモジュール。
【請求項12】
ナビゲーション手段(4)を備える自動車両(1)であって、前記車両が、請求項11に記載の関心点の視認性を特定するためのモジュールを更に備える、自動車両(1)。
【請求項13】
通信ネットワークからダウンロード可能な、ならびに/またはコンピュータにより読み取り可能なおよび/もしくはコンピュータにより実行可能なデータ媒体に記録された、コンピュータプログラムプロダクトであって、命令を含み、前記命令は、前記コンピュータによりプログラムが実行されたときに前記コンピュータに請求項1から9のいずれか一項に記載の関心点の視認性を特定するための方法を実施させる、
コンピュータプログラムプロダクト。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、関心点の視認性を特定することに関し、特に、関心点の視認性を特定するための方法およびモジュール、ならびにこのような方法を実行する運転者支援方法に関する。本発明は、関心点の視認性を特定するためのこのようなモジュールを備える、および本発明による方法のステップを実施するためのコンピュータ可読媒体に記録されたプログラムコード命令を含むコンピュータプログラムプロダクトを備える自動車両の形態で有益に適用可能である。
【0002】
関心点は、車両ナビゲーションデータベースの特徴点であり、特に建物からなる物理的空間に対応する。関心点の視認性を特定すること、および考慮することは、様々な方法の対象とされてきた。したがって、EP1650533の文献は、経路を生成することを目的として、ガイダンス目的のために注目に値する点を選択するための方法を説明している。それにもかかわらず、説明されている方法は、特に、特に理論的な視認性を遮り得る建物または景色といった三次元環境に関連した制約を考慮することを可能にする。更に、米国特許第8489325号の文献では、関心点の選択はガイダンス目的のために使用されるが、同文献において説明されている方法は特に、三次元環境に関連した制約が考慮されることを可能にせず、言及されている視認性スコアがナビゲーション補助として関心点を選択するために使用されるが、車両の搭乗者により関心点の視認性の最適な領域が特定されることを可能にしない。最後に、国際公開第WO2015/187474A1号の文献は、ユーザーに提示され得る三次元による視認性のマップを構築するために、所与の点から構造物が視認可能であるか否かを判定するための方法を説明しているが、この文献において説明されている方法は特に、車両の搭乗者による関心点の視認性の最適な領域が特定されることを可能にしない。本発明の目的のうちの1つは、車両の搭乗者により視認可能な環境がより適切に考慮されることを可能にする関心点の視認性を特定するための方法を提供することにより従来技術の欠点のうちの少なくとも幾つかを解決することである。
【0003】
この目的のために、本発明は、関心点の視認性を特定するための方法であって、方法が、自己の自動車両に組み込まれており、および、以下のステップ、すなわち、
- 関心点を選択する、または特定するステップと、
- 三次元(3D)マップと、走行されていない残りの経路または経路部分、特に走行されていない残りの計画された経路または推測された経路部分の少なくとも2つの次元における位置座標と、車両の現在位置の少なくとも2つの次元における座標とを含むナビゲーション情報を受信するステップと、
- 関心点と、残りの経路または経路部分と、三次元マップにおける車両の現在位置の座標とを位置決めするステップと、
- 関心点に属する三次元における所与の座標の少なくとも3つの頂点をもつ多角形により関心点を表すステップであって、多角形が、特に、例えば関心点の輪郭の配向の変化点、および/または、関心点の同じ高さの点といった、関心点の輪郭の特徴的な幾何学的点を頂点としてもつ、関心点を表すステップと、
- 残りの経路または経路部分の配向の変化点を相互接続することにより、残りの経路または経路部分を開いた破線により表すステップと、
- 第1の端部としての破線上の点と第2の端部としての関心点に属する多角形上の点とをもつ直線のセグメントをトレースするステップと、
- セグメントの各々に対する関心点の視認性を特定することにより、セグメントの第1の端部の各々により形成された開始点からの関心点の視認性を特定するステップと、
- 最適な視認性ウィンドウを特定するステップであって、視認性を特定するステップにおいて、セグメントの2つの端部間の関心点のゼロではない視認性が、セグメントと三次元マップの要素との間の非交差を条件とする、最適な視認性ウィンドウを特定するステップと
を含む、方法を提供する。
【0004】
動く車両上で実行されるこの方法は、経路のどの部分において関心点が車両の搭乗者にとって最も視認可能であるかを特定することを可能にし、および、特に車両の近傍において、車両の位置と、車両上でまたは遠隔からアクセス可能なマップデータとだけを使用する一方で、カメラは必要とされない。
【0005】
有益には、視認性特定の開始点は、変化点間に分布した中間点を含み、および/または、第2の端部は、多角形の頂点間に分布した中間点を含み、これは、数ある中で単純な幾何学的および空間離散化を可能にする。
【0006】
トレースするステップが残りの経路または経路部分に属する第1の端部の各々と第2の端部の各々とを接続するセグメントのうちの幾らかをトレースすることを含むという特徴に関連した利点は、それが、全てのセグメントをトレースする必要はなく、例えば所与の最大コンテキスト関連視認性距離未満の半径内に第2の端部が位置するセグメントのみをトレースすればよいということを可能にすることである。
【0007】
有益には、関心点の視認性を特定するステップでは、後方に関心点が位置する視認性特定の開始点の下流に位置する残りの経路または経路部分の全ての点に対して、ゼロの視認性が特定され、これは演算を最適化する。
【0008】
有益には、後方に関心点が位置する視認性特定の開始点は、開始点を第1の前の開始点に接続するベクトルに、開始点を関心点の頂点の各々に接続するベクトルの各々を乗じた全てのベクトル積が正である経路の第1の視認性特定の開始点に対応しており、経路が変化しないことを条件として、この演算は多くの演算能力を必要とせず、一度だけ評価される必要がある。
【0009】
有益には、ナビゲーション情報は、局所的な気象状態および/または外部照明レベルに依存したコンテキスト関連視認性情報を含み、これは特に、所与の最大コンテキスト関連視認性距離が規定されることを可能にする。
【0010】
有益には、本方法は、特に最大コンテキスト関連視認性距離を関心点の性質に適応させるために、コンテキスト関連視認性情報に応じて、および特に関心点に応じて、最大コンテキスト関連視認性距離を特定するサブステップを含む。
【0011】
有益には、
- 本方法は、各開始点と関心点の頂点の各々との間の距離、特にユークリッド距離を特定するサブステップを含み、トレースするステップは、所定の最大コンテキスト関連視認性距離以下の長さのセグメントのみをトレースすることを含み、関心点の視認性を特定するステップでは、開始点と関心点の頂点とを分離する距離が所定の最大コンテキスト関連視認性距離よりも長い場合、開始点と関心点の頂点との間で視認性がゼロであると特定され、および/または、
- 関心点の視認性を特定するステップでは、セグメントの2つの端部間の関心点のゼロではない視認性の特定は、更に、セグメントの長さが所定の最大コンテキスト関連視認性距離未満であることを条件とする。
【0012】
1つの有益な特徴によると、最適な視認性ウィンドウを特定するステップは、残りの経路または経路部分の視認性特定の開始点の各々に対して、
- 第2の端部のうちの関心点に属する視認可能な点の連続的グループを特定するサブステップと、
- 視認性セグメントを連続的グループの各々と関連付けるサブステップと、
- 視認性セグメントの長さを合計するサブステップと、
- 関心点の外縁により合計を割るサブステップと、
- 残りの経路または経路部分の視認性特定の開始点の各々に対して、関心点の視認可能な外縁を割合として演算するサブステップと、
- 残りの経路または経路部分の視認性特定の開始点の各々に対して、関心点の視認可能な外縁の割合を記憶するサブステップと
を含む。
【0013】
別の有益な特徴によると、最適な視認性ウィンドウを特定するステップは、
- 記憶された割合がゼロであるものを含めずに、残りの経路または経路部分の視認性特定の開始点のうちから、点の連続的グループの各々を特定するサブステップと、
- 開始ノードと、終了ノードと、長さと、車両の現在位置からの距離と、視認性スコアであって、視認性スコアの値が、記憶された割合がゼロのものを含まない点の連続的グループから視認可能な関心点の外縁の割合の合計である、視認性スコアとにより特徴付けられた連続的視認性ウィンドウを規定するサブステップと、
- 最良の視認性スコアをもつ連続的視認性ウィンドウを選択するサブステップと
を含み、これはあまりリソースに負荷がかからずリアルタイムに実現可能な演算を可能にする。
【0014】
本発明は更に、本発明による関心点の視認性を特定するための方法を実行する運転者支援方法であって、情報を送達するステップ、および/または、特定された最適な視認性ウィンドウにわたって周辺環境を生成するステップを含む運転者支援方法に関し、これは、関心点が車両の搭乗者にとって最も視認可能であり、特に車両の近傍にあるとき、運転者およびその者の同乗者に、関心点に関連した多感覚性周辺環境の送達をトリガーすることを可能にする。したがって、この運転者支援方法は、高リスクエリア(学校など)に注意するように運転者に警報を出すことにより、安全性の観点から運転者を助け得るだけでなく、エンターテインメントまたは観光目的で車両の近くにありその搭乗者に視認可能な環境の発見にも寄与し得る。
【0015】
本発明は更に、本発明による方法を実施するための手段を備える、関心点の視認性を特定するためのモジュールに関し、これは方法の利点に類似した利点をもつ。
【0016】
本発明は更に、本発明によるモジュールを備える自動車両に関し、これは方法の利点に類似した利点をもち、デバイスは車両上に位置する。
【0017】
本発明は更に、コンピュータによりプログラムが実行されたときにコンピュータに本発明による方法を実施させる命令を含む、通信ネットワークからダウンロード可能な、ならびに/または、コンピュータにより読み取り可能なおよび/もしくはコンピュータにより実行可能なデータ媒体に記録された、コンピュータプログラムプロダクトに関する。
【0018】
本発明は更に、コンピュータにより命令が実行されたときにコンピュータに本発明による方法を実施させる命令を含むデータ記録媒体に関する。
【0019】
本発明は更に、本発明によるコンピュータプログラムプロダクトを伝達するデータ媒体の信号に関する。
【0020】
本発明の他の目的、特徴、および利点が、単に非限定的な例として与えられる以下の説明を読むことにより、および添付図面を参照しながら明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明による関心点の視認性を特定するための方法の工程のフローチャート形態による図である。
【
図2】使用される三次元マップの合成要素を示す図である。
【
図3a】車両を運転するときに出会う状態の概略図であり、関心点の視認性がゼロではない状態の一例を示す図である。
【
図3b】車両を運転するときに出会う状態の概略図であり、関心点の視認性がゼロである状態の一例を示す図である。
【
図4】車両を運転するときに出会う状態の概略図であり、関心点の視認性がゼロである状態の別の例を示す図である。
【
図5】特徴点および中間点により離散化された関心点の一例を示す図である。
【
図6】変化点および中間点により離散化された走行されていない残りの計画された経路の一例を示す図である。
【
図7】残りの計画された経路上の点からの前の関心点のゼロの視認性が存在すると特定された使用例を示す図である。
【
図8】この使用事例において適用されるトレースするステップの簡略化された例示的な図である。
【
図9a】この使用事例における関心点に属する視認可能な点の連続的グループを特定するサブステップの結果を示す図である。
【
図9b】この使用事例における関連する連続的視認性セグメントを示す図である。
【
図10a】この使用事例における、残りの計画された経路の視認性特定の開始点の各々に対する関心点の視認可能な外縁の割合による演算の記憶された結果を示す図である。
【
図10b】この使用事例における連続的視認性ウィンドウを規定するサブステップの結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書を通して、「前」および「後」という概念は、車両の通常の前方への移動方向を基準として示される。明確であることを目的として、同一または類似の要素は、全ての図において同一の参照符号により指定されている。
【0023】
関心点POIが選択された、または特定された場合、POIが自動車の搭乗者の視野内にあるとき、例えば特に、それに関連した可聴および/または触覚警報、注意を払うべきプロンプト、(音および/または光を通した)特に搭乗者用区画における周辺環境の生成、または更にはアニメーション(例えばスクリーンへの投影)といったアクションの有効化が理想的に行われなければならず、したがって、それらはPOIとアクションとの間のリンクを形成し得る。この目的のために、関心点の視認性を特定するための方法は、これらの空間時間ウィンドウを特定すること、およびこの同期を可能にすることを目的として車両上に組み込まれなければならない。
【0024】
図1は、本発明の1つの好ましい実施形態による自己の自動車両に組み込まれた関心点POIの視認性を特定するための方法の工程のフローチャートを示す。フローチャートは以下のステップを含む。
- E1:関心点POIを選択する、または特定するステップ。特に、関心点POIは、例えば最終目的地もしくは途中通過目標地点を選択するためにユーザーにより行われたアクションによるもの、または、全てのもしくは特定の種類の関心点POIに関連した情報もしくは警報を受信するためにユーザーが例えばナビゲーションシステムにおいて選択した場合にユーザーにより計画された経路に基づくPOIが近づくナビゲーションシステムによる特定によるもの、または更には、地理的コンテキスト、時間的コンテキスト、もしくは更には車両の搭乗者の好みに応じて車両のコンピュータにより作成された自動的な提案によるものである。それは、例えば、経路が学校付近を通るときに伝えられる重要な警報、特定のモニュメントが近づいたときの重要なツーリスト情報などであり得る。更に、ナビゲーションシステムにより提供される完全な経路、すなわち計画された経路は、常に入手可能とは限らず、この場合には、車両の現在位置に基づいて、および、車両が進なければならない経路である可能性が最も高い経路に基づいて道路網を分析することにより、より長い、またはより短い長さの車両の将来の経路の一部を推測すること、ひいては推測された経路部分を特定することが必要とされ、これは、例えば運転者が右折するか左折するかが知られていない交差点を含む道路上から計画された経路が分岐している場合に当てはまる。
- E2:三次元マップ3D、走行されていない残りの計画された経路または残りの推測された経路部分の少なくとも2つの次元x、yにおける位置座標、および、自己の車両の現在位置の少なくとも2つの次元x、yにおける座標を含むナビゲーション情報を受信するステップ。それらの高度zはそれらの緯度および経度に基づいて3Dマップから取得される。したがって、3DマップはPOIを覆う傾向がある高さをもつ景色の高度および全ての構造物の高さを表す十分な分解能によるテリトリーの各点の三次元における座標をもち、3Dマップは、二次元マップを含む多くのデータ源を使用して車両の外部において上流で準備され、および3D情報を使用して補完されたものであり得る。
- E3:関心点POI、走行されていない残りの経路または経路部分、および、三次元マップ3Dにおける車両の現在位置の座標を位置決めするステップ。
- E4:関心点POIに属する三次元における所与の座標の少なくとも3つの頂点をもつ多角形により関心点POIを表すステップ。多角形は特に、例えば関心点POIの輪郭の配向の変化点および/または関心点POIの同じ高さの点といった、関心点POIの輪郭の特徴的な幾何学的点を頂点としてもつ。
- E5:残りの経路または経路部分の配向の変化点を相互接続することにより、残りの経路または経路部分を開いた破線により表すステップ。好ましくは、破線を車両の搭乗者の頭部の高さに一致させるために破線が地形に対して例えば1メートルの高さぶん上昇させられ、これは、トレースするステップにおいて仮想光路をトレースすることを可能にする。
- E6:第1の端部としての破線上の点と第2の端部としての関心点POIに属する多角形上の点とをもつ直線のセグメントをトレースするステップ。
- E7:セグメントの各々に対する関心点POIの視認性を特定することにより、セグメントの第1の端部の各々により形成された開始点から関心点POIの視認性を特定するステップ。セグメントの2つの端部間の関心点POIのゼロではない視認性が、セグメントと三次元マップ3Dの要素との間の非交差を条件とする。
- E8:最適な視認性ウィンドウを特定するステップ。
【0025】
三次元マップにおけるステップE3における自己の車両の位置が更に、方法の実行の各時間増分において更新され、および考慮されるので、ステップE6に戻る方法のループは視覚的な簡潔化に対応する。
【0026】
POIまでの計画された経路または推測された経路部分が、2つの時間増分間で車両の位置により変更されない場合、視認性を特定する全ての幾何学的条件が同一のまま留まり、および、予め演算された予測された最大視認性が有効なまま留まるので、方法はE6に戻るループを有益に回避する。
【0027】
更に、ステップの提示された順序は非限定的であり、開いた破線による表現のステップE5が本例において示されるように並列に実行され得るだけでなく、更に関心点POIを表すステップE4の後に実行され得ることが、例えば本説明の残りの部分を読んだときに明確となる。
【0028】
本例では、関心点POIは、従来のナビゲーションシステムによくあるようにアドレスまで小さくされないが、関心点POIがユーザーの視野に入ろうとしているときにユーザーが知らされることを可能にするためにボリュームであると考えられる。したがって、これらの関心点POIは例えば道路までの長さ、深さ、高さおよび距離により説明される物理的な現存物を伴うオブジェクトである。例えば、
図2は、道路から200メートルに位置する、および屈曲部にある丘において右に視認可能な中世の城Cの事例を示す。関心点POIがユーザーの視野内にあるか否かを判定するために、障害物がユーザーの視線を遮っているか否か、および、どれくらいの期間にわたってそれがそのまま続くかを知ることが必要とされる。トレースするステップE6における視認性推定は、
図2に示されるデータに基づいて構築された数値表面モデルにおいて実行される光線トレーシングを使用する。図示されているように、3Dマップを形成する数値表面モデルは、好ましくはXが緯度に対応するとともにYが経度に対応したXY平面における、それらの全面にわたる領域における全ての点の高度Z、および、関心領域における全ての建物の高さHを含む数値地形モデルの和に対応している。更に、林冠も数値地形モデルの成分であり得、したがってPOIを形成する。特に、ライダー測定により識別されたこのような木で覆われた表面をリスト化したデータベースが存在する。加えて、透明度推定が、日、林冠の種類、および/または位置(多数を占める樹種およびそれらの葉を落とすそれらの傾向の標示)に応じて追加され得る。関心領域により意味されるものは、残りの経路または経路部分を囲む領域であり、経路に対する距離制限は例えば10kmに設定され、場合によっては、例えば気象状態に応じて変動する。これらのデータは、車両に記憶された、および/または、車両のコネクティビティシステムにより遠隔からアクセス可能な車両上のデータベースから取得され得、例えば、XYマップが車両ナビゲーションシステムに記憶され、遠隔データベースとの通信を可能にするネットワークにより、または例えばUSBスティックにより定期的に更新され得、数値地形モデルは車両に組み込まれ、および/または、車両のコネクティビティシステムによりリモートサーバーからダウンロードされ得る。したがって、位置決めするステップE3の結果は、関心領域の各点に対する座標x、y、(z+h)を含む。トレースするステップE6では、光線トレーシングは、車両から対象物POIまで直線のセグメントをトレースすることに対応し、直線のセグメントは、(車両の搭乗者の頭部が位置する)1メートルの高さにおいて車両から生じる光線のようなものであり、次に、関心点POIの視認性を特定するステップE7では、この直線のセグメントが景色または建物により交差されるか否か、すなわち、この直線のセグメントが景色または建物に対する割線であるか否かが判定される。1メートルの高さは、乗用車より高い例えばバンといった市販の車両に対して2メートルまで、または、更には大きいトラックに対してほぼ3メートルまで高くされ得る。
【0029】
図3aにより示される第1の事例では、自己の車両1から始まり城Cまで延びた直線のセグメントは交差せず、城Cは自己の車両1の搭乗者に視認可能である。
【0030】
図3bにより示される第2の事例では、自己の車両1から始まり城Cまで延びた直線は高さz3+h3の建物Iと交差し、城Cは自己の車両1の搭乗者に視認可能ではない。
【0031】
別のものからのある点の視認性の特定においてそれを更に考慮するために、数値表面モデルに依存しない、および視認性に悪影響を与えるコンテキスト関連情報、例えば一年のうちの時期に関連した時刻に関連した暗さ、または、更には、霧もしくは雨の存在が使用される。したがって、関心点POIの視認性を特定するステップE7は、それ自体が局所的な気象状態および/または外部照明レベルに依存したコンテキスト関連視認性情報に応じて最大コンテキスト関連視認性距離を特定するサブステップを含む。したがって、このコンテキスト関連視認性情報は、走行されていない残りの経路または経路部分に沿った局所的な気象的視認性距離に関する動的な情報であって、この情報が遠隔の気象サーバーにより提供される情報、または、例えば雨センサーにより生成されたデータに、および/もしくは、車両のカメラにより生成されたデータに由来する、または必要な場合はこれらのデータを融合することによる局所的な気象的視認性距離に関する情報を含み得る。このコンテキスト関連視認性情報は、例えば遠隔からアクセス可能なカレンダーに関連したデータであって、そのデータに基づいて、日の入りの30分後から局所的なカレンダーに関連した視認性距離が例えばゼロに設定される、データに基づく、または、自己の車両1上に位置する光センサーにより生成されたデータに由来する、残りの経路または経路部分に沿った様々な位置において演算された局所的なカレンダーに関連した視認性距離情報を更に含み得る。ある点における最大コンテキスト関連視認性距離は好ましくは、両方が利用可能なときには局所的な気象的視認性距離のおよび局所的なカレンダーに関連した視認性距離の、最小値として特定される。ステップE7において、セグメントの2つの端部間の関心点POIのゼロではない視認性の特定は、したがって、更にセグメントの長さが所定の最大コンテキスト関連視認性距離未満であることを条件とする。好ましくは、トレースするステップにおいて最大コンテキスト関連視認性を考慮し、したがって、関心領域の予め与えられた規定との一貫性を伴って自己の車両1からトレースされたセグメントの数および長さを制限するために、POIの多角形の点までの距離と同様にトレースの上流においてトレースするステップにおいて、最大コンテキスト関連視認性距離が特定される。したがって、その多角形の全ての頂点が所定の最大コンテキスト関連視認性距離よりも長い距離に位置する場合、POIを全く考慮しないこと、ならびにしたがって、非視認性を特定するときに演算的に高価なステップE6、E7、およびE8を回避することが可能である。加えて、実施形態にかかわらず、トレースされたセグメントの長さまたは最大コンテキスト関連視認性距離は、各POIの性質に更に依存し得る。例えば、学校の場合、車両が近くにあるときに学期中に危険警告の生成をトリガーすることを意図したものであり、トレースされたセグメントの長さは、例えば50mに制限され得る。
【0032】
したがって、地形学的状態にかかわらず、点と別のものとの間の距離が最大コンテキスト関連視認性距離未満である場合、点は別のものから視認可能ではないと考えられる。
図4は、例えば霧の影響で城Cが自己の車両1の搭乗者に視認可能ではない局所的状態を示す。
【0033】
トレースするステップE6における光線トレーシングは、所与の点からPOIが視認可能であるか否かを特定することを可能にするが、光線トレーシングは、POIがそばを通過される前に、最大視認性ウィンドウ、すなわち、自己の車両1からPOIが最も視認可能となる最大距離が特定されることを可能にしない。最大視認性ウィンドウを演算するために、以下の更なるステップが必要とされる。
- E4:関心点POIに属する三次元における所与の座標の少なくとも3つの頂点をもつ多角形により関心点POIを3Dマップにおいて表すステップ。
- E5:残りの経路または経路部分の配向の変化点を相互接続することにより、残りの経路または経路部分を、開いた破線により3Dマップにおいて表すステップ。開いた多角形または開いたポリラインとも呼ばれる開いた破線は、点の並びを連続的に接続する直線のセグメントの並びを指定する。
【0034】
したがって、関心点POIは、ステップE4において、点により離散化された幾何学的形態により表される。多角形により意味されることは相互接続された連続的な直線のセグメントから作られた閉じた線である。開いた破線と異なり、(閉じた)多角形は、規定されるエリアおよびボリュームの認識を可能にする。開いた破線を形成する点の場合、開いた破線は、適切な場合に近似エリアを生成するために、その2つの端部間に頂点を加えることにより多角形に変換される。POIは2Dマップにおける現存物を含まなければならず、したがって、それは本来的に多角形であり、その3D形状が複雑である場合、それは場合によっては多面体(ただし任意の種類の多面体というわけではない)であり得るが、地上におけるそのエリアは実際には多角形であり、それは方法の全てのステップにおいてそのようなものであると考えられる。好ましくは、多角形は、例えば関心点POIの輪郭の配向の変化点および/または関心点POIの等高度点といった、関心点POIの輪郭の特徴的な幾何学的点を頂点としてもち、これらの点は、物理的ボリューム占有オブジェクトにより関心点POIに属する。視認性を過大評価せずにマップにおけるデータ量を最適化するために、多角形の頂点は、好ましくは、POIの輪郭、すなわち、例えば城に対する城壁といった外側の包絡線の配向の変化点を2D座標としてもつ、ならびに、それらの緯度および経度から3Dマップを介して特定された点z+hの高度としてもつ点として規定される。したがって、地面に投影された多角形はPOIの輪郭に対応しており、多角形自体はPOIの外側の輪郭の上面の包絡線を表し、したがって、その高度はポイントごとに異なり得る。その1つの高度に対して、各点に対して1つの光線がトレースされる。問題となっている城壁が城より低い場合、この妥協案は潜在的な視認性の過小評価をもたらすが、これは、それらの外側の包絡線上のデータに関心点POIの高さhにおけるデータを制限することにより3Dマップのサイズが制限されることを更に可能にする安全で定性的な選択である。したがって、多角形のこの定義は、次に、視認可能なボリュームの割合ではなく、視認可能な外縁の割合を特定することを可能にする。それにもかかわらず、変形例として、POIの輪郭だけでなくそのボリューム全体も説明するために、POIの所与の特定された点に対して多くの高さにわたる平面またはスキャンにより特定された視認可能なボリュームが特定されるが、この変形例はPOIの完全な3Dマップ、および、リアルタイムに演算を実施することを続けることができる、より高い演算能力を必要とする。特に、制限されていないマップが提供される場合別の代替例は、例えば、等高度スライスによりスキャンするために、多くの高度z+h(POIのzレベル)を使用して、このような多角形を説明することにある。加えて、中間点が多角形の頂点間に分布している。したがって、
図5は、多角形の頂点を表すx、y座標の点により特徴付けられるXY平面におけるPOIの幾何学的構造を示す。塗りつぶした黒色の円は多角形の頂点に対応し、塗りつぶしていない黒色の円は中間点に対応する。
【0035】
残りの計画された経路は
図6において、塗りつぶした黒色の円により表された配向の変化点から、および、変化点間に分布した塗りつぶしていない黒色の円により表された中間点から形成された開いた破線により表されている。特に、ステップE5では、残りの計画された経路は残りの計画された経路の配向の変化点(塗りつぶした黒色の円)を相互接続することにより形成された開いた破線により表され、それは、好ましくは連続的な経路セグメントのリストに基づく等距離の中間点(塗りつぶしていない黒色の円)を生成する問題であり、中間点の間隔は、道程のほぼ毎秒ごとに視認性のシミュレーションを実行することができるように、車両の予測された速度に依存する。この表現は、説明の残りの部分と正に同様に、走行されていない残りの推測された経路部分に更に適用される。
【0036】
図7は、描画を簡潔にするために、XY平面において、自己の車両1が破線の矢印の配向により示される方向に残りの計画された経路を辿る使用例を示す。したがって、それは、自己の車両1の現在位置とPOIが車両の後方にあるその将来の位置との間の連続的な道路セグメントのリストを特定する問題であり、関心があるのは走行されていない残りの計画された経路であるので、これは往復の場合でも適用可能である。セグメントの各々は、各端部(黒色のドット)にx、y座標をもつ2つの点で構成されている。それらは、共通の点により接続されている。POIは、その頂点の全てが車両の後方に存在する場合、車両の後方に存在すると考えられる。uを(特定の)現在の点から前の点まで延びたベクトルであるとし、vを(特定の)現在の点からPOIの頂点まで延びたベクトルであるとし、したがって、ベクトル積(u,v)が正である場合、頂点は車両の後方にある。したがって、進行方向は
図7のベクトル-uにより表され、したがって、前/後または更には右/左の観念を特定することに寄与し、この観念は、例えば、POIが通過されたか否か、すなわち後方に存在するか否かを判定するため、または、例えばPOI側としてどちら側の室内ドアのハンドルおよび/もしくは柱を照射するかを判定するために、または、運転者がPOIの位置を特定することを助けるために、または、更には子供達が出てきている可能性がある学校が近くに存在することを運転者に警告することを目的として使用される。地面に対して車両の搭乗者の頭部の高さまで破線が上昇させられるので、窓を通した実際の視認性を平均化するための十分なスコアを理由に、車両の厳密な形状は考慮されない。
図7では、残りの計画された経路の最も右の点のみにこれが当てはまる。これは、残りの計画された経路におけるこの識別された点の下流に位置する特定開始点からのステップE7において特定された視認性がゼロであることを意味する。後方に関心点POIが位置する第1の視認性特定の開始点は、計画された残りの経路に属する第1の開始点に対応し、これに対して、視認性特定の開始点を以前の特定開始点に接続するベクトルuに、視認性特定の開始点を関心点POIの頂点の各々に接続するベクトルvの各々を乗じた全てのベクトル積が正である。トレースするステップを繰り返すことを必要とせずにゼロの視認性が得られるので、この動作モードは、POIの下流における特定を簡略化することを可能にする。実際に運転するとき、POIが通過された後、それを示し続けることは、ユーザー、特に運転者に振り返ることを要求する場合に危険であるので、したがって、演算により視認性を特定するサブステップはPOIの下流にあるPOIに対して停止され、したがって、特定するステップは、これらの場合において、POIの下流における視認性をゼロに設定することにより簡略化される。
【0037】
図8は、走行されていない残りの計画された経路の視認性特定の開始点に対して、この開始点に適用されたトレースするステップの、部分的に明確であることを目的として簡略化された例示的な図を示す。それは、破線上の点に対応したこの開始点を第1の端部としてもち、および、関心点POIに属する多角形上の点を第2の端部としてもつ直線のセグメントをトレースする問題であり、同じ工程が、変化点(塗りつぶした黒色の円)、および、セグメントのリストの、すなわち走行されていない残りの計画された経路の中間点(塗りつぶしていない黒色の円)の各々に対して適用される。各開始点に対して、好ましくは、直線のセグメントが数値表面モデルに存在する何らかの障害物により交差されるか否かに応じて、および、コンテキスト関連視認性距離に応じて、特徴点(塗りつぶした黒色の円)およびPOIの中間点(塗りつぶしていない黒色の円)の各々が上述のように視認可能であるか否かが判定される。したがって、
図8の例では、黒色の長方形により表された建物が、本例において考慮される視認性特定の開始点からPOIの一部を遮る。POIの形状は、POIの特定の点が、特にPOIの高度より低い高度に位置する視認性探索点から、POI自体により遮られることを更に意味し得る。したがって、残りの計画された経路の視認性特定の開始点の各々に対して、第2の端部のうちの、関心点POIに属する視認可能な点の連続的グループ特定するサブステップが実行され、この連続的グループがセグメントすなわち線セグメントを形成する。
【0038】
図面の描画は本例では明確であることを目的としてXY平面におけるものであるが、方法のステップは3DマップのXYZ平面において適用される。
【0039】
後続の図は、視認性を特定するステップE8のサブステップの部分的な結果を示す。
【0040】
図9aは、例えば本例において考慮される視認性特定の開始点から特定された関心点POIに属する視認可能な点の連続的グループを示す。
【0041】
図9bは、関心点POIに属する視認可能な点の連続的グループを特定する、前のサブステップにおいて特定された視認可能な点の各連続的グループに関連した視認性セグメントを示す。
【0042】
続いて、以下、すなわち、
- 視認性セグメントの長さを合計するサブステップ、
- 外縁により意味されることは多角形を形成する線の長さであることを念頭に置いて、関心点POIの外縁により合計を割るサブステップ、
- 残りの計画された経路の視認性特定の開始点の各々に対して、関心点POIの視認可能な外縁を割合として演算するサブステップ、および、
- 残りの計画された経路の視認性特定の開始点の各々に対して、関心点POIの視認可能な外縁の割合を記憶するサブステップ、
が実施される。
【0043】
図10aは、残りの計画された経路に沿った様々な開始点に対して、POIの外縁により視認性セグメントの長さの合計を割ることにより取得された、POIの視認可能な外縁の記憶された割合を示す。
【0044】
次に、以下のサブステップ、すなわち、
- 記憶された割合がゼロであるものを含めずに、残りの計画された経路の視認性特定の開始点のうちから、点の連続的グループの各々を特定するサブステップと、
- 開始ノードすなわち1つの視認性特定の開始点の数と、終了ノードと、長さと、自己の車両1の現在位置(本例では最も左のノード)からの距離と、視認性スコアであって、視認性スコアの値が、記憶された割合がゼロであるものを含まない点の連続的グループから視認可能な関心点POIの外縁の割合の合計である、視認性スコアとにより特徴付けられる連続的視認性ウィンドウを規定するサブステップと、
が実行される。
【0045】
図10bは、開始ノードと、終了ノードと、長さと、車両の現在位置からの距離と、視認性スコアであって、視認性スコアの値が、グループから視認可能なPOIの外縁の割合の合計である、視認性スコアとにより特徴付けられる視認性ウィンドウを規定する、スコアが0であるものを含まない道路セグメントの点の連続的グループの各々に対する、
図10aにおいて取得されたPOI視認性ウィンドウを示す。
【0046】
最後に、最良の視認性スコアをもつ視認性ウィンドウを選択するサブステップが実行される。
図10bの例では、最良のスコアをもつ視認性ウィンドウが、163個の点をもつ最後のウィンドウに対応する。
【0047】
ステップの最後に、方法は、どの視認性ウィンドウが最適な視認性ウィンドウであるか、その長さ、自動車の現在位置からのその距離、アクションが実行されなければならない点、生成される周辺環境、または、再生されるアニメーション、および、ユーザーの後方にPOIが位置していることによりPOIがもはや自己の車両1に搭乗している1人または複数人のユーザーに視認可能ではない点を特定した状態となる。
【0048】
本発明による方法は更に、POIが問題となっている旅の任意の点において視認可能であるか否かを示すことを可能にする。
【0049】
本発明による関心点の視認性を特定するための方法を実行する、ならびに、情報を送達する、および/または、特定された最適な視認性ウィンドウにわたって周辺環境を生成するステップを含む運転者支援方法は、したがって、運転者が学校付近を通っていることを運転者に音声手段、触覚手段、および/もしくは視覚手段を介して警告すること、または、同じ手段を介してではあるが、好ましくは、POIの種類および/または情報の性質(例えば危険性の警告または観光の文化的情報)に適応された手法により、歴史遺産と考えられる近くの教会の存在、もしくは、コンテキスト関連アクションをトリガーすることを正当化するほど十分に関連した任意の他の情報を、運転者に知らせることを可能にする。
【0050】
有益には、本発明による方法は、車両の位置および車両上のマップ情報のみを使用することができる。本発明による方法は、視認性を分析するためのカメラもコンピュータサーバーへのリアルタイム接続も必ずしも必要としない。
【0051】
更に、方法のステップは、あまり複雑ではない幾何学的演算に基づいて実行される。方法のステップは、あまり多量の演算能力を必要とせず、車両上のコンピュータに簡単に統合され得る。好ましくは、関心点の視認性を特定するための方法は、人間機械インターフェース(頭字語HMI)のコンピュータの、および/または、高度な運転者支援システム(頭字語ADAS)の、関心点の視認性を特定するためのモジュールにおいてホストされる。
【国際調査報告】