(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】キャリパアンドサポートアセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
F16D 65/02 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
F16D65/02 F
F16D65/02 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024532945
(86)(22)【出願日】2022-11-29
(85)【翻訳文提出日】2024-07-22
(86)【国際出願番号】 IB2022061527
(87)【国際公開番号】W WO2023100071
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】102021000030617
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521259127
【氏名又は名称】ブレンボ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BREMBO S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ペナーティ,ダニエーレ
(72)【発明者】
【氏名】カントーニ,カルロ
(72)【発明者】
【氏名】オドーニ,アンドレア
【テーマコード(参考)】
3J058
【Fターム(参考)】
3J058AA43
3J058AA48
3J058AA53
3J058AA66
3J058AA73
3J058AA77
3J058AA84
3J058AA87
3J058BA64
3J058CA52
3J058CA59
3J058CC82
3J058CD18
3J058DB29
3J058FA02
(57)【要約】
本発明は、ブレーキ作用を検出することができるディスクブレーキ用のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)に関し、キャリパアンドサポートアセンブリ(1)は、ディスクブレーキの関連ディスク(2)を跨ぐように適合されたキャリパ本体(5)を含むブレーキキャリパ(3)を含み;キャリパアンドサポートアセンブリ(1)は、キャリパ本体(5)に接続された支持構造(4)を含み;支持構造(4)は、車両と一体的に接続するように適合された第1固定部分(7)及び第2固定部分(8)と、少なくとも前記軸方向(X-X)に平行な方向又は径方向(R-R)に平行な方向に沿って、キャリパ本体(5)を第1固定部分(7)に接続するように適合された接続部分(6)を備えている。この接続により、支持構造(4)に対するキャリパ本体(5)の所定方向(P-P)に沿った自由な移動が可能になる。所定方向(P-P)は、軸方向(X-X)及び径方向(R-R)又はこれらに平行な方向に入射する方向である。キャリパアンドサポートアセンブリ(1)は、キャリパ本体(5)の自由な移動を阻止する所定方向(P-P)に沿って、キャリパ本体(5)を第2固定部分(8)に接続するように構成された拘束要素(9)を備え、ブレーキ動作中に、拘束要素(9)が、少なくとも所定方向(P-P)に従って弾性変形し、その結果、少なくとも所定方向(P-P)において、支持構造(4)に対するキャリパ本体(5)の相対的な変位が生じる。キャリパアンドサポートアセンブリ(1)は、少なくとも所定方向(P-P)に沿った支持構造(4)に対するキャリパ本体(5)の変位を直接的又は間接的に検出する少なくとも1つの検出装置(10)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクブレーキのキャリパアンドサポートアセンブリ(1)であって、
前記ディスクブレーキのディスク(2)の回転軸と一致するか、又はディスクブレーキのディスク(2)の回転軸に平行な軸方向(X-X)と、前記軸方向(X-X)に直交する径方向(R-R)と、前記軸方向(X-X)及び前記径方向(R-R)の両方に直交する周方向(C-C)と、前記軸方向(X-X)及び前記径方向(R-R)の両方に直交する接線方向(T-T)とを備え、
前記キャリパアンドサポートアセンブリ(1)はブレーキキャリパ(3)を有し、
前記ブレーキキャリパ(3)はキャリパ本体(5)を有し、
前記キャリパ本体(5)は前記ディスクブレーキの関連ディスク(2)を跨ぐように適合されており、
前記キャリパアンドサポートアセンブリ(1)は、前記キャリパ本体(5)に接続された支持構造(4)を含み、
前記支持構造(4)は、
車両と一体的に接続するように適合された第1固定部分(7)及び第2固定部分(8)と、
少なくとも前記軸方向(X-X)に平行な方向に沿って、又は前記径方向(R-R)に平行な方向に沿って、前記キャリパ本体(5)を前記第1固定部分(7)に接続するように適合された接続部分(6)であって、前記接続により、所定方向(P-P)に沿った前記キャリパ本体(5)の前記支持構造(4)に対する自由な移動が可能となり、前記所定方向(P-P)が前記軸方向(X-X)及び前記径方向(R-R)又はこれらに平行な方向と交差する、接続部分(6)と、を備え、
前記キャリパアンドサポートアセンブリ(1)は、前記所定方向(P-P)に沿って、前記キャリパ本体(5)を前記第2固定部分(8)に接続するように構成され、前記キャリパ本体(5)の前記自由な移動を阻止する拘束要素(9)を備え、
ブレーキ動作中に、前記拘束要素(9)が、少なくとも前記所定方向(P-P)に従って弾性変形し、少なくとも前記所定方向(P-P)における前記支持構造(4)に対する前記キャリパ本体(5)の相対的な変位を決定し、
前記キャリパアンドサポートアセンブリ(1)は、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿って、前記支持構造(4)に対する前記キャリパ本体(5)の相対的な変位を直接的又は間接的に検出する少なくとも1つの検出装置(10)を備える、キャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの所定方向(P-P)が前記接線方向(T-T)であり、
及び/又は
前記キャリパ本体(5)が前記キャリパ本体の一部のキャリパ本体部分を有し、
前記少なくとも1つの検出装置(10)が、前記キャリパ本体部分と支持構造部分(6,7,8)との間の、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿った距離(d)を検出することによって、前記キャリパ本体(5)の前記変位を直接的に検出し、
前記キャリパ本体部分は、好ましくは前記所定方向(P-P)に沿って、前記支持構造部分(6,7,8)に対向し、
前記支持構造部分(6,7,8)は、前記第1固定部分(7)、前記第2固定部分(8)、又は前記接続部分(6)であり、
及び/又は
前記少なくとも1つの検出装置(10)が、ブレーキ動作中の前記拘束要素(9)の弾性変形に起因する、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿った前記拘束要素(9)の少なくとも1つの伸び(1)を検出することによって、前記キャリパ本体(5)の前記変位を間接的に検出し、
及び/又は
前記少なくとも1つの検出装置(10)が、少なくとも1つのセンサ(44)を備える、請求項1に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項3】
前記接続部分(6)が、
主に前記径方向(R-R)又は前記軸方向(X-X)に沿って展開する第1接続装置(13)と、
主に前記径方向(R-R)又は前記軸方向(X-X)に沿って展開する第2接続装置(14)であって、前記第1接続装置(13)及び前記第2接続装置(14)が前記第1固定部分(7)に拘束される、第2接続装置(14)を有し、
前記ブレーキキャリパ(3)が、
前記キャリパ本体(5)に一体的に接続された少なくとも1つの第1ガイドブッシング(21)であって、第1スロット(17)を少なくとも部分的に画定する第1スロット第1壁(15)を備える、第1ガイドブッシング(21)と、
前記キャリパ本体(5)に一体的に接続された少なくとも1つの第2ガイドブッシング(23)であって、
前記第2ガイドブッシング(23)は、第2スロット(20)を少なくとも部分的に画定する第2スロット第1壁(18)を有し、
前記第1スロット(17)が、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿って第1所定クリアランス(gl)を有して前記第1接続装置(20)を受容し、
前記第2スロット(20)が、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿って第2所定クリアランス(g2)を有して前記第2接続装置(14)を受容し、
これにより、前記支持構造(4)に対する前記所定方向(P-P)に沿った前記キャリパ本体(5)の前記変位が許容される、第2ガイドブッシング(23)を有する、請求項1又は2のいずれか1項に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項4】
前記第1接続装置(13)と前記第1スロット(17)とが、前記キャリパ本体(5)と前記支持構造(4)との間に少なくとも前記所定方向(P-P)に沿った拘束を形成することを回避しながら結合し、
前記キャリパ本体(5)と前記支持構造(4)との間に、少なくとも1つの前記所定方向(P-P)に沿った拘束が形成されるのを回避しながら、前記第2接続装置(14)と前記第2スロット(20)とが結合し、
及び/又は、
前記第1接続装置(13)が前記第1スロット壁(15)と協働して、前記キャリパ本体(5)と前記支持構造(4)との間に、前記軸方向(X-X)又は径方向(R-R)の拘束を形成し、
及び/又は、
前記第2接続装置(14)が前記第2スロット第1壁(18)と協働して、前記キャリパ本体(5)と前記支持構造(4)との間に前記軸方向(X-X)又は前記径方向(R-R)の拘束を形成し、
及び/又は
前記キャリパ本体(5)が、拘束シート(37)を少なくとも部分的に画成する少なくとも1つのシート壁(12)を有し、
前記拘束シート(37)が前記拘束要素(9)の一端部を受容し、
前記第2固定部分(8)が固定ブラケットを有し、
前記固定ブラケットが、前記固定ブラケットを貫通する拘束スロット(38)を有し、
前記拘束要素(9)が前記拘束スロット(38)に受容され、
前記拘束要素(9)のヘッドが前記固定ブラケットの外壁に当接し、
前記拘束要素(9)が、前記所定方向(P-P)に沿って前記キャリパ本体(5)を前記支持構造(4)に拘束し、前記キャリパ本体(5)と前記支持構造(4)との間に前記軸方向(X-X)及び/又は前記径方向(R-R)の拘束を形成することによって、前記少なくとも一つのシート壁(11)及び前記少なくとも一つの拘束スロット(38)と協働し、
及び/又は
ブレーキ動作中、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿った前記拘束要素(9)の最大長(lmax)が、前記所定のクリアランス(t1)及び/又は前記第2の所定のクリアランス(t2)未満となるように、前記拘束要素(9)が設計されて大きさが決められ、これにより、前記キャリパ本体(5)が前記所定方向(P-P)に変位したときに、前記第1接続装置(13)及び/又は前記第2接続装置(14)が前記第1スロット第1壁(15)及び/又は前記第2スロット第1壁(18)に当接するのが防止され、
及び/又は
前記第1固定部分(7)の方向において前記第1スロット第1壁(15)の下流に前記第1スロット壁(17)を区画する第1スロット第2壁(16)を有し、
前記第1固定部分(7)の方向において前記第2スロット第1壁(18)の下流に前記第2スロット(20)を区画する第2スロット第2壁(19)を有する、請求項1-3のいずれか1項に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項5】
前記第1ガイドブッシング(21)及び前記第1接続装置(13)が、ブレーキ動作中に前記支持構造(4)に対する前記キャリパ本体(5)の前記所定方向(P-P)に沿った低摩擦摺動を可能にするためのそれぞれの第1摺動面(31)及びそれぞれの第2摺動面(33)を備え、
前記第1摺動面(31)及び前記第2摺動面(33)が相互に横断しており、
前記第2ガイドブッシング(23)及び前記第2接続装置(14)が、制動動作中に前記支持構造(4)に対する前記キャリパ本体(5)の前記所定方向(P-P)に沿った低摩擦摺動を可能にするためのそれぞれの第3の摺動面(32)及びそれぞれの第4の摺動面(34)を備え、
前記第3の摺動面(32)及び前記第4の摺動面(34)が相互に横断しており、及び/又は、
前記第1スロット第1壁(15)が、前記所定方向(P-P)に沿って細長い形状の第1スロットエッジプロファイル(39)を有し、前記キャリパ本体(5)の変位中に、前記所定方向(P-P)において前記キャリパ本体(5)と前記第1接続装置(13)との間に拘束を形成することを回避し、
前記第2スロット第1壁(18)が、前記所定方向(P-P)に沿って細長い第2スロットエッジプロファイルを有し、前記キャリパ本体(5)の変位中に、前記所定方向(P-P)において前記キャリパ本体(5)と前記第2接続装置(14)との間に拘束を形成することを回避し、及び/又は、
前記第1スロット第1壁(18)が、少なくとも1つの第1スロット直線ストレッチ(41)を有し、
前記少なくとも1つの第1スロット直線ストレッチ(41)が、第1の平面上にあり、前記所定方向(P-P)に沿って、少なくとも前記第1の所定クリアランス(gl)に等しい第1の長さを有し、
前記第1の平面は、前記所定方向(P-P)に平行であり、前記径方向(R-R)又は前記軸方向(X-X)を横断し、
前記第1接続装置(13)は、前記少なくとも1つの第1スロットストレートストレッチ(41)上を摺動し、
前記第2スロット第1壁(18)は、少なくとも1つの第2スロットストレートストレッチ(12)を有し、
前記少なくとも1つの第2スロットストレートストレッチ(12)が、第2の平面上にあり、前記所定方向(P-P)に沿って、少なくとも前記第2の所定のクリアランス(g2)に等しい第2の長さを有し、
前記第2の平面が、前記所定方向(P-P)に平行であり、前記径方向(R-R)又は前記軸方向(X-X)に横断しており、
前記第2接続装置(14)が、前記第2スロットストレートストレッチ(12)上を摺動し、
及び/又は、
前記第1ガイドブッシング(21)が第1ガイドフランジ(22)を有し、
前記第2ガイドブッシング(23)が第2ガイドフランジ(24)を有し、
前記第1ガイドフランジ(22)及び前記第2ガイドフランジ(24)がガイド平面上にあり、
前記ガイド平面が前記所定方向(P-P)に平行であり、前記軸方向(X-X)又は前記径方向(R-R)に平行であり、
前記第1接続装置(13)及び前記第2接続装置(14)が前記ガイド平面上を摺動し 前記第1ガイドフランジ(22)上及び前記第2のガイドフランジ(24)上をそれぞれ摺動可能であり、
及び/又は、
前記第1接続装置(13)が第1ブッシングフランジ(27)を有し、前記第2接続装置(14)が第2ブッシングフランジ(30)を有し、
前記第1ブッシングフランジ(27)及び前記第2ブッシングフランジ(30)が、前記第1ガイドフランジ(22)上及び前記第2のガイドフランジ(24)上をそれぞれ摺動可能である、ことを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項6】
前記第1接続装置(13)が、前記第1ピン(25)と、前記第1ピン(25)上に嵌合された少なくとも1つの前記第1ブッシング(26)とを備え、
前記第1ピン(25)と前記第1ブッシング(26)とが相互に一体であり、
及び/又は、
前記第2接続装置(14)が、第2ピン(28)と、前記第2ピン(28)上に嵌合された少なくとも1つの第2ブッシング(29)とを備え、
及び/又は、
前記拘束要素(9)がねじを有し、
及び/又は、
前記第1接続装置(13)及び前記第2接続装置(14)がそれぞれスタッドを有し、
及び/又は、
前記第1ガイドブッシング(21)が前記キャリパ本体(5)と一体に作られているか、又は、前記第1ガイドブッシング(21)が前記キャリパ本体(5)に作られた第1ガイドブッシングシート(35)に収容されており、
前記第1ガイドブッシング(21)が、
前記第1スロット第1壁(15)を構成する内壁、
前記第1ガイドブッシングシート(35)を画定するシート壁と形状結合又は干渉して結合された外壁を有し、
及び/又は、
前記第2ガイドブッシング(23)が前記キャリパ本体(5)と一体に作られ、又は、前記第2ガイドブッシング(23)が前記キャリパ本体に作られた第2ガイドブッシングシート(36)に収容され、
前記第2ガイドブッシング(23)は、
前記第2スロット第1壁(18)を構成する内壁と、
前記第2ガイドブッシングシート(36)を画定するシート壁と形状又は干渉によって結合された外壁とを有することを特徴とする、請求項3-5のいずれか1項に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項7】
前記第1ブッシング(26)が第1ブッシングフランジ(27)を有し、
前記第2ブッシング(29)が第2ブッシングフランジ(30)を有し、
前記第1ガイドフランジ(22)が前記第1ブッシングフランジ(27)に対して摺動可能に当接し、
前記第2ガイドフランジ(24)が前記第2ブッシングフランジ(30)に対して摺動可能に当接し、
前記第1固定部分(7)が前記キャリパ本体(5)に面する第1固定部表面を有し、
前記第1ブッシング(26)が、前記第1ブッシングフランジ(27)とは反対側のその第1端部を前記第1の部分固定面に対して当接させ、
前記第2ブッシング(29)が、前記第2ブッシングフランジ(30)とは反対側のその第1端部を前記第1の部分固定面に対して当接させ、
前記第1ブッシング(26)及び前記第2ブッシング(29)が、前記キャリパ本体(5)と前記第1固定部分(7)との間の距離(s)を維持しながら、前記キャリパ本体(5)と前記第1固定部分の表面との間の直接的な接触を回避するように適合されたそれぞれの長手方向の長さを有しており、
及び/又は、
前記第1ピン(25)及び前記第2ピン(28)が、それぞれ前記第1ブッシング(26)及び前記第2のブッシング(29)と一体であり、
前記第1ピン(25)及び前記第2ピン(28)が、前記第1ブッシングフランジ(27)及び前記第2ブッシングフランジ(30)に対して当接するそれぞれのピンヘッドを有し、
前記第1ピン(25)及び前記第2ピン(28)が、前記第1固定部分(7)内に作られたそれぞれの拘束装置座に収容され拘束されるそれぞれのテール部を有する、請求項1-6のいずれか1項に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項8】
前記第1固定部分(7)と前記第2固定部分(8)とが、直接接続され、かつ/又は一体化され、かつ/又は一体的に作られているか、又は、前記第2固定部分(8)が、前記第1固定部分(7)とは別個の一つの部品で作られ、かつ前記第1固定部分(7)に例えばヨーク(43)を介して間接的に接続され、及び/又は、前記支持構造(4)が、車両のサスペンションのアームに接続され、及び/又は、前記第1固定部分(7)が、前記接続部分(6)に剛性的に接続するように適合された接続部分を有し、及び/又は、前記第2固定部分(8)が、前記第1固定部分(7)から又は前記キャリパ本体(5)に対向するヨーク(43)から例えばL字形に突出する接続フランジを有し、及び/又は、前記接続部分(6)が、前記キャリパ本体(5)と前記支持構造(4)との間の径方向接続部又は軸方向接続部を形成する、前記径方向(R-R)に沿った、又は前記軸方向(X-X)に沿った主要な展開をそれぞれ有する、請求項1-7のいずれか1項に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項9】
前記拘束要素(9)が、前記検出装置(10)を一体化して構成され、
前記検出装置(10)が、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿って、前記拘束要素(9)の前記少なくとも1つの伸び(1)を検出し、及び/又は、前記少なくとも1つのセンサ(44)が、前記拘束要素(9)と一体であり、及び/又は、前記拘束要素(9)が、前記少なくとも1つのセンサ(44)を含むねじであり、及び/又は、前記少なくとも1つのセンサ(44)が、ひずみゲージ、及び/又は、容量性ひずみ検出装置、及び/又は、超音波ひずみ検出装置であることを特徴とする、請求項2に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項10】
前記センサ(44)が、キャリパ本体(5)、例えば、前記キャリパ本体の前記部分と、
前記支持構造(4)、例えば前記支持構造の前記部分と一体であり、及び/又は、前記キャリパ本体部分又は前記支持構造部分が、前記少なくとも1つのセンサ(44)を収容して構成され、及び/又は前記センサ(44)が渦電流センサであり、及び/又は前記少なくとも1つのセンサ(44)がLVDTであり、及び/又は、前記少なくとも1つのセンサ(44)が、前記第1スロット第1壁(15)から前記第1接続装置(13)に向かって前記第1スロット(17)内へ、又は、前記第2スロット第1壁(18)から前記第2接続装置(14)に向かって前記第2スロット(20)内へ突出するセンサ片持ち梁部分を備え、好ましくは、前記センサ片持ち梁部分が、実質的に前記所定方向(T-T)に沿って延在し、及び/又は、前記センサ(16)が、少なくともデータ伝送ワイヤ(21)と接続するように適合された前記センサ(16)の出力部分(19)を有し、及び/又は、前記キャリパ本体(5)又は前記支持構造の前記部分が、前記キャリパ本体(5)の変位が測定される方向に沿って、好ましくは前記所定方向(P-P)に沿って、実質的に直交するようにされた平坦化された表面を有し、前記検出装置(10)が、前記支持構造の前記部分又は前記キャリパ本体(5)に面するように前記平坦化された表面上に配置されている、ことを特徴とする請求項2に記載のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)。
【請求項11】
ブレーキ動作中のキャリパアンドサポートアセンブリ(1)の支持構造(4)に対するキャリパ本体(5)の変位を検出する方法であって、
前記キャリパ本体(5)を、前記支持構造(4)の接続部(6)を用いて、前記支持構造(4)の第1固定部分(7)に接続し、前記キャリパ本体(5)の所定方向(P-P)に沿った変位を許容するステップと、
ブレーキ動作中に前記キャリパ本体(5)の変位を許容し、非ブレーキ動作中は前記キャリパ本体(5)の変位を防止するために、拘束要素(9)を用いて、前記キャリパ本体(5)を前記支持構造(4)の第2固定部分(8)に拘束するステップと、
少なくとも前記所定方向(P-P)に沿って弾性的に変形可能な拘束要素により、ブレーキ動作中のキャリパ本体(5)の変位を許容し、制動動作のない状態でのキャリパ本体(5)の変位を阻止するステップと
好ましくは前記所定方向(P-P)に沿って、前記第1固定部分(7)、前記第2固定部分(8)及び前記接続部のうちの1つを構成する支持構造の一部と対向するキャリパ本体の部分を特定し、ブレーキ動作中の前記キャリパ本体(5)の前記部分と支持構造の前記部分との間の距離(d)を測定することによって、制動動作中のキャリパ本体(5)の変位を直接的に検出するか、又は、少なくとも前記所定方向(P-P)に沿った前記拘束要素(9)の長さの変化を測定することによって、前記距離(d)を間接的に検出するステップとを有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
【0002】
本発明は、ディスクブレーキ用のキャリパアンドサポートアセンブリに関する。
【0003】
特に、本発明は、検出装置を含むキャリパアンドサポートアセンブリに関する。
【0004】
本発明はまた、検出方法に関する。
【背景技術】
【0005】
背景技術
【0006】
ディスクブレーキにおいて、ブレーキキャリパは、一般に、回転軸を中心に回転するように適合されたブレーキディスクの外周リムを跨ぐように配置される。ブレーキキャリパは、例えば、車両サスペンションのスタブアクスル、車両ホイールハブ、又はオートバイのフォークもしくはヨークのような、車両ホイールに対して静止したままの支持構造に拘束される。ブレーキキャリパは、ブレーキディスクの対向するブレーキ面に対向するように配置された2つの細長い部分を有するキャリパ本体と、前記2つの細長い部分を互いに接続する少なくとも1つのブリッジとを備える。
【0007】
ブレーキパッドは一般に、摩擦材が固定されたプレートからなり、ブレーキディスクのブレーキバンドの対向するブレーキ面に押し付けられるように適合されている。レース用のブレーキキャリパでは、プレートが摩擦材と一体になったブレーキパッドが使用される。このプレートは、長期間の使用によって摩擦材が軸方向に薄くなったときに、ディスクのブレーキバンドと擦れることによって音を発する機能を有する聴覚的摩耗インジケータを、摩擦材に埋め込んで構成することができる。
【0008】
固定ディスクに付随するフローティングキャリパ本体において、キャリパ本体のフローティング部分又は摺動部分は、ブラケットすなわちキャリパの固定部分上を摺動し、ブレーキディスクに当接する第2のクラッチパッドに作用してブレーキ作用を加える一方で、ディスクのブレーキ面に当接し、それに面するクラッチパッドにスラスト作用を加えることができるスラスト手段を収容するように適合されたシリンダ又はシリンダを有する。
【0009】
固定ディスクに付随するキャリパ本体において、シリンダ又はシリンダは、キャリパ本体の対向する両側面に存在するか、又は存在し、ディスクのブレーキ面に対してアバットし、それに対向するクラッチパッドにスラスト作用を加えることができるスラスト手段を収容するように適合されている。
【0010】
その他、フローティングディスクに関連する固定キャリパ本体も知られており、この場合、キャリパ本体の細長い部分の一方のみが、対向するクラッチパッドにスラスト作用を加えることができるスラスト手段を収容するように適合されたシリンダ又はシリンダを有し、これをディスクのブレーキ面に突き当て、このディスクが今度はその支持体上を軸方向にスライドし、反対側のクラッチパッドに突き当たってブレーキ作用を加える。
【0011】
油圧作動式ブレーキシステムでは、車両のドライバがブレーキペダルを踏むと、ブレーキマスタシリンダを介してブレーキ液圧がかかり、このブレーキ液圧は、パイプを介してキャリパ本体内に配置された油圧回路内のブレーキ液に加えられてシリンダに達し、このシリンダで圧力がピストンの底面に加えられるため、ピストンがパッドに対して強制的に閉じられ、このパッドがディスクのブレーキ面に突き当たる。
【0012】
ブレーキフルードの圧力作用はシリンダの底壁にも加わるため、キャリパ本体に反作用が生じ、ディスク表面から離れるように変形する。この現象は、キャリパの弾性変形又は「ひずみ」として知られており、ブレーキディスクから離れることで、パッドにスラスト手段のさらなるバイアスを強制し、所望のブレーキ作用を加える。
【0013】
ブレーキ作用が停止し、したがってキャリパ本体をブレーキディスクから離れる方向に変形させるバイアスが停止すると、キャリパ本体は変形していない静止状態に戻り、再びブレーキディスクに接近し、したがってパッドがブレーキ面に接近する。このようにパッドがブレーキディスクに接近することは、パッドとディスクとの間にわずかではあるが接触が生じ、その結果、車両ドライバによるブレーキ指令が停止しても、継続的にわずかな摩擦が生じ、その結果、残留ブレーキトルクとしても知られるブレーキ作用が生じるため、望ましくない。
【0014】
この残留ブレーキトルクは、パッドとディスクのブレーキ面間の摩擦作用によって、わずかではあるが騒音が発生すること、パッドとブレーキディスクの望ましくない摩耗が発生し、それらの交換のためのメンテナンスの頻度が高くなること、及び、この残留トルクを克服するために必要なエネルギを駆動ユニットに供給するための燃料消費が最小限であることから、望ましくないものと見なされることが多い。
【0015】
ブレーキ作用の間、ディスクのブレーキバンドに対して閉じられたクラッチパッドは、ディスクの回転により、例えばパッドを支持するピンやキャリパ本体に設けられた突出壁のようなキャリパ本体の接線方向のアバットメント部分と突き当たるまで接線方向又は周方向に向けられた摩擦による抗力加速を受ける。
【0016】
このような引きずり作用は、キャリパ本体に伝達され、キャリパ本体の接線方向、特にキャリパ本体を車両に固定された支持構造に拘束するための要素間に存在するキャリパ本体の接線方向の弾性伸び変形を引き起こす傾向がある。この接線方向の伸び変形は、通常、キャリパ本体を支持構造に拘束するための要素、例えば、通常、クラッチパッドの横方向に対向する側に配置される固定ピン又はブッシングを設けることによって対比され、従って、通常、キャリパ本体の接線方向の詰まり又は「座屈」現象を発生させ、弾性不安定性を生じさせ、キャリパ本体に曲げ応力及びねじり応力を発生させる。
【0017】
さらに、キャリパとその支持体との間の拘束は、通常、ハブ側の細長い要素のキャリパ側にのみ配置されるため、さらなる切断変形及びねじり変形が生じ、これにより、支持体に拘束されていない細長い要素、すなわちホイール側の細長い要素がハブ側の細長い要素に対して相対的に移動し、その結果、これらの細長い要素を互いに接続するキャリパブリッジが撓む可能性がある。
【0018】
そうでなければ、ブレーキペダルが油圧回路によってキャリパスラスト手段に接続されていない、特に高性能車両用のブレーキバイワイヤタイプのブレーキシステムにおいて、車両運転手によってブレーキペダルに加えられた動作を測定し、パッドをディスクの対向するブレーキ面に突き当てるためにブレーキキャリパスラスト手段に伝達されるべき対応する動力を計算するために、データ処理ユニットと関連付けられた検出システムが存在する。車両のドライバにとって、ブレーキバイワイヤシステムによる制動フィーリングは、特にブレーキペダルによって提供される機械的フィードバックに関して、油圧作動ブレーキによる制動フィーリングと比較して根本的に変化するため、ドライバにとって感度が低くなり、制動制御がうまくいかなくなる可能性がある。
【0019】
したがって、ブレーキ動作を定量化する必要性が強く感じられる。
【0020】
ブレーキトルクの間接的な測定に基づいてフローティングキャリパのブレーキ作用を定量化するためのいくつかの解決策が提案されている。すなわち、ブレーキトルクの実体に関連する量、典型的にはブレーキキャリパ又はその支持体の部分の曲げ変形を検出することに基づいている。
【0021】
例えば、DE102012007118には、フローティングキャリパのキャリパ本体を支持構造に接続するための専用の片持ち梁接続ブリッジの曲げ変形を検出するように適合されたセンサシステムが示されている。例えば、US6511135には、キャリパ本体のディスク出口を見る側又はディスク出口側に配置され、ブレーキ作用が解除されるフローティングキャリパに対する支持ブラケットのアームの撓み変形を検出するように適合させた解決策が示されている。
【0022】
これらの解決策は、いくつかの観点からは有利であるが、フローティングキャリパにのみ適用され、例えば、撓み変形するように適合されたキャリパ本体から片持ち式に突出した専用の機械装置を設ける必要があるなど、構造が複雑になる可能性がある。また、ブレーキトルクを計算するための基礎としてこのような解決策で使用される、例えば片持ち梁になるように配置されたキャリパ本体の曲げ変形のような非線形量の測定は、ブレーキ作用の定量化に実質的な不確実性を課すことに留意すべきである。
【0023】
US-8146715から、レーザ切断によってフローティングキャリパの本体に切り込みを入れ、ブレーキ作用中に発生する力の流れから排除される片持ち棚を構成することが知られている。近接センサは、ブレーキ中にこのような切り込みの軸方向の幅の変化を測定するために使用される。さらに、US2012/0198926には、クラッチパッドが取り付けられたブラケットとフローティングキャリパ本体の細長い部分との間の軸方向の変位を検出する装置が示されている。
【0024】
このような解決策では問題が解決されず、ブレーキキャリパの軸方向の変形の測定は、摩擦材料の摩耗状態、ディスクの温度などの運転条件、及び例えば雨などの環境条件に応じて変化する未知の摩擦のために、軸方向の変形がブレーキトルクに非比例的に相関するため、ブレーキ作用の信頼できる推定値を提供するのに適応しない。
【0025】
したがって、フローティングタイプと固定タイプの両方のブレーキキャリパのブレーキ作用を、再現可能で信頼できる方法で定量化する必要性が感じられる。
【0026】
同じ出願人に対するWO2019008534から、支持構造に接続されたキャリパ本体を含み、少なくとも1つのディスク入口側固定装置が設けられ、この固定装置は、前記所定方向T-Tに沿った支持構造に対するキャリパ本体のディスク入口側の変形を局所的に防止することによって、接線方向に沿って支持構造に対してキャリパ本体を拘束する、キャリパアンドサポートアセンブリが知られている。この解決手段は、キャリパ本体のディスク出口側に結合するディスク出口側固定装置をさらに含み、前記少なくとも1つの所定方向T-Tにおける拘束の形成を回避する。この二重拘束システムでは、キャリパ本体の変形が接線方向に促進され、ディスク出口側固定装置とそれを収容するキャリパ本体のスロットとの間の距離を測定する装置によって、ブレーキ作用を定量化することが可能である。この解決策は、多くの点で満足のいくものであるが、ブレーキ作用がキャリパ本体の小さな接線方向の変形を誘発する状況ではほとんど採用できず、変形測定をブレーキ作用と十分な精度で相関させることができない。
【0027】
したがって、キャリパ本体の変形が極めて小さい場合であっても、あるいはキャリパ本体の変形の測定に関係なく、ブレーキ作用を繰り返し確実に定量化する必要性が感じられる。
【0028】
EP1646853には、地面でやりとりされる力とモーメントを測定するために、ブレーキキャリパとは独立してホイールのハブの中心に取り付けられた装置が記載されている。この解決策は、車輪によって地面と交換される力を推定することを可能にし、その結果、キャリパ本体の変形の測定からブレーキ作用の定量化を解放する。この解決策は、車両をテストする際には非常に有効ですが、侵襲性が高く、レースで実施するには不向きです。
【0029】
標準的なブレーキキャリパの構成にほとんど影響を与えることなく実施可能であると同時に、単純でありながら再現性が高く、信頼性の高い方法でブレーキ作用を測定する必要性が強く感じられる。
【発明の概要】
【0030】
解決策
【0031】
本発明の目的は、従来技術の欠点を解消し、上述のニーズに対する解決策を提供することである。
【0032】
これら及び他の目的は、請求項1によるアセンブリ、及び請求項11による方法によって達成される。
【0033】
いくつかの有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0034】
提案された解決手段により、制動動作中にキャリパ本体の変位を許容するように、固定接続部によってキャリパ本体を支持構造に接続することが可能であり、支持構造に対するキャリパ本体の変位を許容する制動動作中に、少なくとも所定方向に沿って弾性変形するように適合された拘束要素によって、キャリパ本体を支持構造に拘束することが可能である。キャリパ本体が、支持構造に対して所定方向に沿って移動可能であり、変形可能な拘束要素によって所定方向に対して拘束されていること、及び検出装置が設けられていることにより、支持構造に対するキャリパ本体の変位を直接的又は間接的に検出することが可能である。
【0035】
本発明の一態様によれば、支持構造に対して可動であるキャリパ本体の一部が支持構造の一部と対向する距離を測定することによって、支持構造に対するキャリパ本体の変位を直接的に検出することが可能である。
【0036】
本発明の一態様によれば、好ましくは牽引時の変形に起因する拘束要素の長さの変化を測定することによって、キャリパ本体の変位を間接的に検出することが可能であるが、ブレーキ作用中の圧縮時の変形を排除するものではない。
【0037】
本発明の一態様によれば、キャリパ本体は、所定方向に沿って所定のクリアランスを有する支持構造の接続部分に接続され、これにより、所定のクリアランスの長さ内でのキャリパ本体の変位が可能になる。キャリパ本体は、弾性変形可能な拘束要素によって支持構造に拘束されており、この拘束要素は、ブレーキ作用がないときにはキャリパ本体の変位を阻止し、ブレーキ作用があるときにはその弾性変形によってそのような変位を許容するため、接続部分に対するキャリパ本体の変位は、ブレーキ作用中にのみ許容される。
【0038】
本発明の一態様によれば、キャリパ本体は、キャリパ本体シート壁を備え、このキャリパ本体シート壁は、キャリパ本体の少なくとも一部分を通過する接続シートを画成し、この接続シートは、接続部分を収容し、この接続部分は、キャリパ本体が所定のクリアランス未満の変位に対して接続部分と突き当たるのを防止するように、所定方向に沿って所定のクリアランスを有して接続シート内に収容される。
【0039】
本発明の一態様によれば、接続部は、キャリパ本体の接続座の少なくとも一部分を低摩擦で摺動する。
【0040】
有利には、提案された解決手段により、所定方向に沿ったブレーキ力が排出される所定方向に沿った拘束要素の変形によってキャリパ本体に許容される変位によって、支持構造の接続部分上への所定方向に沿ったブレーキ力の排出が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図
【0042】
組立体及び方法のさらなる特徴及び利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として与えられる、その好ましい実施形態の以下の説明から明らかになる。
【0043】
【
図1】
図1は、一実施形態によるキャリパアンドサポートアセンブリの軸線図であり、キャリパ本体が、径方向、軸方向、及び接線方向を規定するブレーキディスクを跨いでおり、キャリパ本体が車両サスペンションのアームに接続されている、 接続部が、キャリパ本体の所定方向に沿った変位を許容するように、キャリパ本体を径方向に沿って車両に接続し、拘束要素が、ブレーキ作用がない場合にキャリパ本体の変位を阻止するように、少なくとも所定方向に沿ってキャリパ本体を車両に接続する。
【0044】
【0045】
【
図3】
図3は、
図1のキャリパと支持構造のアセンブリの軸線図であり、キャリパ本体と支持構造は、軸方向に垂直な平面に沿って部分的に切断されている。
【0046】
【
図4】
図4は、
図3のキャリパアンドサポートアセンブリの軸方向に垂直な正面図であり、第1接続装置及び第2接続装置が、キャリパ本体を第1固定部分に接続しており、キャリパ本体が、所定方向に沿って所定のクリアランスを有して接続部分に接続されており、制動動作中にキャリパ本体が接続部分に対して突き当たるのを防止し、その結果、ブレーキ力が、所定方向に沿って弾性変形する拘束要素上に放出される。
【0047】
【
図5】
図5は、キャリパ本体の第1スロットに収容された第1接続装置が示されており、第1接続装置とキャリパ本体と一体の第1ガイドブッシングの内壁との間の所定のクリアランスが見える、
図4の断面組立体の詳細を示している。
【0048】
【
図6】
図6は、
図4の組立体の詳細を示しており、キャリパ本体の第2スロットに収容された第2接続装置が示されており、第2接続装置とキャリパ本体と一体の第2ガイドブッシングの内壁との間の所定のクリアランスが見えるとともに、接続部分が拘束されている第1固定部分の表面に面するキャリパ本体の表面間の間隔が見える。
【0049】
【
図7】
図7は、第1及び第2接続装置が延びる径方向に垂直な平面に沿ってとられた、
図1のキャリパアンドサポートアセンブリの部分的な断面図を示しており、この図では、特に、2つの円筒形の半円形の延長部の間に直線状の平坦な延長部が設けられていることによる、第1キャリパ本体ブッシング及び第2キャリパ本体ブッシングそれぞれの内表面の所定方向に沿った細長い形状を見ることができる。
【0050】
【
図8】
図8は、実施形態によるキャリパアンドサポートアセンブリの軸線図であり、接続部が、キャリパ本体の所定方向に沿った変位を許容するように、軸方向に沿ってキャリパ本体を車両に接続し、変形可能な拘束要素が、少なくとも所定方向に沿ってキャリパ本体を車両に拘束し、ブレーキ作用がない場合のキャリパ本体の変位を防止する。
【0051】
【0052】
【
図10】
図10は、
図8のキャリパアンドサポートアセンブリの径方向に垂直な平面図を示しており、キャリパ本体、支持構造、及び拘束要素が、径方向に垂直な平面に従って部分的に分割されており、接続部分の第1接続装置及び第2接続装置が、キャリパ本体を第1固定部分に接続している、 キャリパ本体が、所定方向に沿って所定のクリアランスを有して接続部分に接続され、制動動作中にキャリパ本体が接続部分に突き当たるのを防止し、その結果、ブレーキ力が、所定方向に沿って弾性変形する拘束要素上に放出される。
【0053】
【
図11】
図11は、それぞれ、
図1の変形例及び
図8の変形例による、キャリパアンドサポートアセンブリの軸線図であり、キャリパ本体は、接続部によって第1固定部分に接続され、キャリパ本体は、変形可能な拘束要素によって第2固定部分に接続され、第1固定部分及び第2固定部分は、ホイールハブに接続されるように適合された同一の要素に一体化されている。
【
図12】
図12は、それぞれ、
図1の変形例及び
図8の変形例による、キャリパアンドサポートアセンブリの軸線図であり、キャリパ本体は、接続部によって第1固定部分に接続され、キャリパ本体は、変形可能な拘束要素によって第2固定部分に接続され、第1固定部分及び第2固定部分は、ホイールハブに接続されるように適合された同一の要素に一体化されている。
【0054】
【
図13】
図13は、少なくとも部分的に、第1スロット又は第2スロットのいずれかを内部的に画定するブレーキキャリパのそれぞれの第1ガイドブッシング又は第2ガイドブッシングに結合された、支持構造の2つの接続装置のうちの1つの接続装置の断面図を示し、接続装置と第1スロット又は第2スロットの第1壁との間のクリアランスが示されるとともに、第1スロット又は前記第2スロットの第1壁の直線的な伸びが示され、これに沿って、それぞれの接続装置が、支持構造に対するキャリパ本体の変位の所定方向に沿って低摩擦で摺動する。
【発明を実施するための形態】
【0055】
いくつかの好ましい実施形態の説明
【0056】
一般的な実施形態によれば、ディスクブレーキ100用のキャリパアンドサポートアセンブリ1は、ブレーキキャリパ3と、支持構造4とを備える。
【0057】
ディスクブレーキ100のディスク2の回転軸に一致又は平行な軸方向X-Xと、軸方向X-Xに直交する径方向R-Rと、軸方向X-X及び径方向R-Rの両方に直交する周方向C-Cと、軸方向X-X及び径方向R-Rの両方に正確に直交する接線方向T-Tとが、前記ディスクブレーキ100に定義される。
【0058】
前記ブレーキキャリパ3は、キャリパ本体5からなり、ディスクブレーキ100の関連ディスク2を跨ぐように適合されている。
【0059】
前記支持構造4は、前記キャリパ本体5に接続されている。
【0060】
前記支持構造4は、車両、例えば車両のサスペンションアームに一体的に接続するように適合された第1固定部分7及び第2固定部分8を備える。
【0061】
有利には、前記支持構造4は、少なくとも前記軸方向X-Xに平行な方向又は前記径方向R-Rに平行な方向に沿って、キャリパ本体5を第1固定部分7に接続するように適合された接続部分6を備え、前記支持構造4に対するキャリパ本体5の所定方向P-Pに沿った変位を可能にし、ここで、前記所定方向P-Pは、前記軸方向X-X及び前記径方向R-R又はこれらに平行な方向に入射する。
【0062】
前記キャリパアンドサポートアセンブリ1は、前記所定方向P-Pに沿って前記キャリパ本体5を前記第2固定部分8に接続するように構成された拘束要素9を備え、ブレーキ作用がない場合に前記キャリパ本体5の前記変位を防止する。
【0063】
ブレーキ作用中、前記拘束要素9は、少なくとも前記所定方向P-Pに従って弾性変形し、その結果、キャリパ本体5が支持構造4に対して少なくとも前記所定方向P-Pに相対的に変位する。
【0064】
前記キャリパアンドサポートアセンブリ1は、少なくとも1つの検出装置10を備え、この検出装置10は、少なくとも前記所定方向P-Pに沿った支持構造4に対する前記キャリパ本体5の変位を直接的又は間接的に検出する。
【0065】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの所定方向P-Pは、接線方向T-Tである。
【0066】
前記検出装置10が設けられているため、ブレーキ作用に比例する前記距離dを検出することが可能である。これにより、前記検出装置10によって取得された情報に基づいてブレーキトルクを計算することが可能である。
【0067】
前記検出装置10が設けられているため、ブレーキ作用に比例する拘束要素9の牽引時又は圧縮時の弾性変形を検出することが可能である。それによって、前記検出装置10によって得られた情報に基づいてブレーキトルクを計算することが可能になる。
【0068】
このような検出装置10が設けられているため、接線方向T-Tに評価される距離dは、ディスクがパッドを接線方向T-Tに押す力に比例する。それによって、少なくとも1つの拘束要素9の接線方向T-Tにおける変形を評価することによって、ブレーキ作用を定量化することが可能になる。
【0069】
一実施形態によれば、少なくとも1つの検出装置10は、キャリパ本体と該キャリパ本体に対向する支持構造部分6,7,8との間の少なくとも前記所定方向P-Pに沿った距離dを検出することによって、前記キャリパ本体5の前記変位を直接検出する。前記支持構造部分6、7、8は、前記第1固定部分7、前記第2固定部分8、及び前記接続部分6のうちの1つである。一実施形態によれば、前記キャリパ本体は、前記所定方向P-Pに沿って前記支持構造部6,7,8と対向する。
【0070】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの検出装置10は、制動動作中の前記拘束要素9の弾性変形による、少なくとも前記所定方向P-Pに沿った前記拘束要素9の少なくとも1つの伸び1を検出することによって、前記キャリパ本体5の前記変位を間接的に検出する。
【0071】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つの検出装置10は、少なくとも1つのセンサ44を備える。
【0072】
一実施形態によれば、前記接続部6は、キャリパ本体と支持構造との間の接続のタイプに応じて、主に前記径方向R-R又は前記軸方向X-Xに沿って延びる第1接続装置13を備える。
【0073】
一実施形態によれば、前記接続部6は、主に前記径方向R-R又は前記軸方向X-Xに沿って延びる第2接続装置14を備える。
【0074】
一実施形態によれば、前記第1接続装置13及び前記第2接続装置14は、前記第1固定部分7に拘束される。
【0075】
一実施形態によれば、前記ブレーキキャリパ3は、前記キャリパ本体5に一体的に接続された少なくとも第1ガイドブッシング21を備え、前記第1ガイドブッシング21は、第1スロット17を少なくとも部分的に区画する第1スロット第1壁15を備える。前記第1スロット17は、少なくとも前記所定方向P-Pに沿って第1の所定のクリアランスglで前記第1接続装置20を受け入れる。
【0076】
一実施形態によれば、前記ブレーキキャリパ3は、前記キャリパ本体5に一体的に接続された少なくとも第2ガイドブッシング23を備え、前記第2ガイドブッシング23は、第2スロット20を少なくとも部分的に区画する第2スロット第1壁18を備える。前記第2スロット20は、少なくとも前記所定方向P-Pに沿って第2の所定のクリアランスg2を有する前記第2接続装置14を受け入れる。
【0077】
一実施形態によれば、前記第1スロット17は、少なくとも前記所定方向P-Pに沿って第1の所定のクリアランスglを有する前記第1接続装置20を受容し、前記第2スロット20は、支持構造4に対する前記所定方向P-Pに沿った前記キャリパ本体5の前記変位を可能にするように、少なくとも前記所定方向P-Pに沿って第2の所定のクリアランスg2を有する前記第2接続装置14を受容する。
【0078】
一実施形態によれば、前記第1接続装置13及び前記第1スロット17は、前記キャリパ本体5と前記支持構造4との間に前記少なくとも1つの所定方向P-Pに沿った拘束が形成されることを回避して結合する。
【0079】
一実施形態によれば、前記第2接続装置14と前記第2スロット20とは、前記キャリパ本体5と前記支持構造4との間の前記少なくとも1つの所定方向P-Pに沿った拘束の形成を回避して結合する。
【0080】
一実施形態によれば、前記第1接続装置13は、前記第1スロット壁15と協働して、前記キャリパ本体5と前記支持構造4との間に軸方向X-X又は径方向R-Rの拘束を形成する。
【0081】
一実施形態によれば、前記第2接続装置14は、前記キャリパ本体5と前記支持構造4との間に軸方向X-X又は径方向R-Rの拘束を形成する前記第2スロット第1壁18と協働する。
【0082】
一実施形態によれば、前記キャリパ本体5は、拘束シート37を少なくとも部分的に画成する少なくとも1つのシート壁12を備え、前記拘束シート37は、前記拘束要素9の端部を受容する。
【0083】
一実施形態によれば、前記第2固定部分8は、前記固定ブラケットの厚さを貫通する拘束スロット38を含む固定ブラケットからなり、前記拘束要素9が前記拘束スロット38に収容され、前記拘束要素9の頭部が前記固定ブラケットの外壁に突き当たる。
【0084】
一実施形態によれば、前記拘束要素9は、前記キャリパ本体5を前記所定方向P-Pに沿って前記支持構造4に拘束し、前記キャリパ本体5と前記支持構造4との間に軸方向X-X及び/又は径方向R-Rの拘束を形成することによって、前記少なくとも1つのシート壁11及び前記少なくとも1つの拘束スロット38と協働する。
【0085】
一実施形態によれば、前記拘束要素9は、制動動作中の少なくとも前記所定方向P-Pに沿ったその最大伸びImaxが、前記第1の所定クリアランスtl及び/又は前記第2の所定クリアランスt2よりも小さくなるように設計され、かつ大きさが設定される。
【0086】
一実施形態によれば、前記第1の所定のクリアランスtlは、前記第2の所定のクリアランスt2に等しい。
一実施形態によれば、前記拘束要素9の最大伸びImaxは、前記キャリパ本体5が前記所定方向P-Pに沿って移動するときに、前記第1接続装置13及び/又は前記第2接続装置14が前記第1スロット第1壁15及び/又は前記第2スロット第1壁18に突き当たるのを防止するように設計され、かつ、大きさが決められる。
【0087】
一実施形態によれば、前記キャリパ本体5は、前記第1固定部分7の方向において前記第1スロット第1壁15の下流側で前記第1スロット17を区画する第1スロット第2壁16を備える。一実施形態によれば、前記第1スロット第2壁は、円筒状であり、前記第1接続装置との接触を回避する。
【0088】
一実施形態によれば、前記キャリパ本体5は、前記第1固定部分7の方向において前記第2スロット第1壁18の下流側に、前記第2スロット壁20を区画する第2スロット第2壁19を備える。一実施形態によれば、前記第2スロット第2壁は、円筒状であり、前記第2接続装置との接触を回避する。
【0089】
一実施形態によれば、前記第1ガイドブッシング21及び前記第1接続装置13は、それぞれの第1摺動面31及びそれぞれの第2摺動面33から構成され、ブレーキ動作中に前記所定方向P-Pに沿って支持構造4に対するキャリパ本体5の低摩擦摺動を可能にし、前記第1摺動面31及び前記第2摺動面33は相互に横方向である。
【0090】
一実施形態によれば、前記第2ガイドブッシング23及び前記第2接続装置14は、制動動作中に前記所定方向P-Pに沿って前記支持構造4に対する前記キャリパ本体5の低摩擦摺動を可能にするために、それぞれの第3の摺動面32及びそれぞれの第4の摺動面34からなり、前記第3の摺動面32及び前記第4の摺動面34は、相互に横断している。
【0091】
一実施形態によれば、前記第1スロット第1壁15は、前記所定方向P-Pに沿って細長い形状の第1スロット縁部プロファイル39を記述し、前記キャリパ本体5の変位中に前記所定方向P-Pにおいて前記キャリパ本体5と前記第1接続装置13との間に拘束が形成されることを回避する。
【0092】
一実施形態によれば、前記第2スロット第1壁18は、前記所定方向P-Pに沿って細長い形状の第2スロットエッジプロファイルを記述し、前記キャリパ本体5の変位中、前記所定方向P-Pにおける前記キャリパ本体5と前記第2接続装置14との間の拘束の形成を回避する。
【0093】
一実施形態によれば、前記第1スロット第1壁18は、少なくとも第1スロット直線伸張部41からなり、前記少なくとも第1スロット直線伸張部41は、第1の平面上にあり、前記所定方向P-Pに沿って、前記第1の所定のクリアランスg1に少なくとも等しい第1の長さを有する。一実施形態によれば、前記第1の平面は、前記所定方向P-Pに平行であり、前記径方向R-R又は前記軸方向X-Xに横断している。前記第1接続装置13は、前記第1スロットストレートストレッチ41上を摺動する。一実施形態によれば、前記第1摺動面31は、前記少なくとも第1スロット直線ストレッチ41と、前記直線ストレッチに面する前記第1接続デバイス13の外面部分とからなる。好ましくは、前記第1接続装置の外面部分は円筒状であり、直線ストレッチに縮小された接触面を形成する。
【0094】
一実施形態によれば、前記第2スロット第1壁18は、少なくとも第2スロット直線伸張部12からなり、前記少なくとも第2スロット直線伸張部12は、第2平面上にあり、前記第2所定クリアランスg2に少なくとも等しい前記所定方向P-Pに沿った第2長さを有する。一実施形態によれば、前記第2の平面は、前記所定方向P-Pに平行であり、前記径方向R-R又は前記軸方向X-Xに横断している。前記第2接続装置14は、前記第2スロットストレートストレッチ12上を摺動する。一実施形態によれば、前記第3の摺動面32は、前記少なくとも第2スロット直線ストレッチ12と、前記直線ストレッチに面する前記第2接続装置14の外面部分とからなる。好ましくは、前記第2接続装置の外面部分は円筒状であり、直線ストレッチに縮小された接触面を形成する。
【0095】
一実施形態によれば、前記第1ガイドブッシング21は、第1ガイドフランジ22を備える。一実施形態によれば、前記第2ガイドブッシング23は、第2ガイドフランジ24を備える。一実施形態によれば、前記第1ガイドフランジ22及び前記第2ガイドフランジ24は、ガイド平面上にあり、前記ガイド平面は、前記所定方向P-Pに平行であり、前記軸方向X-X又は前記径方向R-Rのいずれかに平行である。一実施形態によれば、前記第1接続装置13及び前記第2接続装置14は、それぞれ、前記ガイド平面上で、前記第1ガイドフランジ22及び前記第2ガイドフランジ24上を摺動する。一実施形態によれば、前記第1接続装置13は、第1ブッシングフランジ27を備える。一実施形態によれば、前記第2接続装置14は、第2ブッシングフランジ30からなる。一実施形態によれば、前記第1ブッシングフランジ27及び前記第2ブッシングフランジ30は、それぞれ、前記第1ガイドフランジ22及び前記第2ガイドフランジ24上を摺動する。一実施形態によれば、前記第2摺動面33は、少なくとも部分的に前記第1ガイドフランジ22及び前記第1ブッシングフランジ27を構成する。一実施形態によれば、前記第4の摺動面34は、少なくとも部分的に前記第2ブッシングフランジ30と前記第2ガイドフランジ24とからなる。
【0096】
一実施形態によれば、前記第1接続装置13は、第1ピン25と、前記第1ピン25に嵌合された少なくとも第1ブッシング26とを備える。
【0097】
一実施形態によれば、前記第2接続装置14は、第2ピン28と、前記第2ピン28に嵌合された少なくとも第2ブッシング29とを備える。
【0098】
一実施形態によれば、前記拘束要素9は、ねじからなる。
【0099】
一実施形態によれば、前記第1接続装置13及び前記第2接続装置14は、それぞれスタッドからなる。
【0100】
一実施形態によれば、前記第1ガイドブッシング21は、前記キャリパ本体5と一体に作られている。
【0101】
一実施形態によれば、又は、前記第1ガイドブッシング21が、前記キャリパ本体5に作られた第1ガイドブッシングシート35に収容される場合、前記第1ガイドブッシング21は、前記第1スロット壁15を構成する内壁と、前記第1ガイドブッシングシート35を画定するシート壁に形状によって又は干渉によって結合された外壁とを備える。
【0102】
一実施形態によれば、前記第2ガイドブッシング23は、前記キャリパ本体5と一体に作られている。
【0103】
一実施形態によれば、前記第2ガイドブッシング23は、前記キャリパ本体に作られた第2ガイドブッシングシート36に収容され、前記第2ガイドブッシング23は、前記第2スロット第1壁18を構成する内壁と、前記第2ガイドブッシングシート36を画定するシート壁に形状により又は干渉により結合された外壁とを備える。
【0104】
一実施形態によれば、前記第1ブッシング26は、第1ブッシングフランジ27を備える。
【0105】
一実施形態によれば、前記第2ブッシング29は、前記第2ブッシングフランジ30を備える。
【0106】
一実施形態によれば、前記第1ガイドフランジ22は、前記第1ブッシングフランジ27と摺動自在であり、前記第2ガイドフランジ24は、前記第2ブッシングフランジ30と摺動自在である。
【0107】
一実施形態によれば、前記キャリパ本体は、前記第1ガイドフランジ22及び前記第2ガイドフランジ24によって、前記第1ブッシングフランジ27及び前記第2ブッシングフランジ30上に載っている。
【0108】
一実施形態によれば、前記第1固定部分7は、前記キャリパ本体5に対向する第1固定部表面を備える。一実施形態によれば、前記第1ブッシング26は、その第1端部が前記第1ブッシングフランジ27とは反対側で前記第1固定部表面に当接する。一実施形態によれば、前記第2ブッシング26は、その第1端部が前記第2ブッシングフランジ30とは反対側で前記第1固定部表面に対して当接する。
【0109】
一実施形態によれば、前記第1ブッシング26及び前記第2ブッシング29は、前記キャリパ本体5と前記第1固定部分7との間の間隔sを維持しながら、前記キャリパ本体5と前記第1固定部分表面との間の直接接触を回避するように適合されたそれぞれの長手方向の長さを有する。
【0110】
一実施形態によれば、前記第1ピン25及び前記第2ピン28は、それぞれ前記第1ブッシング26及び前記第2ブッシング29と一体であり、前記第1ピン25及び前記第2ピン28は、前記第1ブッシングフランジ27及び前記第2ブッシングフランジ30に突き当たるそれぞれのピンヘッドを有する。
【0111】
一実施形態によれば、前記第1ピン25及び前記第2ピン28は、前記第1固定部分7に作られたそれぞれの拘束装置座に収容され拘束されるそれぞれのテール部を備える。
【0112】
一実施形態によれば、前記第1固定部分7及び前記第2固定部分8は、直接接続され、かつ/又は一体化され、かつ/又は一体的に作られる。
【0113】
一実施形態によれば、前記第2固定部分8は、前記第1固定部分7とは別個の部分として作られ、前記第1固定部分7に、例えばオートバイのヨーク43、又はフォークを介して間接的に接続される。
【0114】
一実施形態によれば、前記支持構造4は、車両サスペンションのアームに接続される。
【0115】
一実施形態によれば、前記第1固定部分7は、車両のホイールハブに接続可能なホイールピンを受容するように適合された部分を備える。
【0116】
一実施形態によれば、前記第1固定部分7は、前記接続部分6に剛性的に接続するように適合された接続対部分を備える。
【0117】
一実施形態によれば、前記第2固定部分8は、前記第1固定部分7から、例えばL字形として、キャリパ本体5の一部に面して突出する接続フランジを備える。
【0118】
一実施形態によれば、前記第2固定部分8は、ヨーク43又はフォークから、キャリパ本体5の一部に面して突出する接続フランジからなる。
【0119】
一実施形態によれば、前記接続部分6は、前記キャリパ本体5と前記支持構造4との間の径方向接続部又は軸方向接続部をそれぞれ形成する、前記径方向R-R又は前記軸方向X-Xに関する実質的に円筒状の延長部を有する。
【0120】
一実施形態によれば、前記拘束要素9は、前記検出装置10を一体化して構成され、前記検出装置10は、少なくとも前記所定方向P-Pに沿って前記拘束要素9の前記少なくとも1つの伸び1を検出する。
【0121】
一実施形態によれば、少なくとも1つのセンサ44は、拘束要素9と一体であり、及び/又は、前記拘束要素9は、前記少なくとも1つのセンサ44を含む計装化されたねじである。
【0122】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのセンサ44は、ひずみゲージ及び/又は容量性ひずみ検出装置及び/又は超音波ひずみ検出装置である。一実施形態によれば、前記センサ44は、例えば前記キャリパ本体5と一体である。一実施形態によれば、前記センサ44は、支持構造4、例えば前記支持構造部分と一体である。
【0123】
一実施形態によれば、前記キャリパ本体又は前記支持構造部分は、その中に収容された前記少なくとも1つのセンサ44を備える。
【0124】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのセンサ44は渦電流センサである。
【0125】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのセンサ44は、LVDTである。
【0126】
一実施形態によれば、前記少なくとも1つのセンサ44は、前記第1スロット第1壁15から前記第1接続装置13に向かって前記第1スロット17内に、又は前記第2スロット第1壁18から前記第2接続装置14に向かって前記第2スロット20内に、片持ち梁状に突出する片持ち梁センサ部分を備え、好ましくは、前記片持ち梁センサ部分は、実質的に前記所定方向T-Tに沿って延在する。
【0127】
一実施形態によれば、前記センサ44は、少なくとも1つのデータ伝送ワイヤに接続するように適合されたセンサの出力部を備える。
【0128】
一実施形態によれば、前記検出装置10は、ブレーキ作用を定量化し、及び/又はブレーキトルクを推定し、及び/又はブレーキ力を算出するために、前記距離d又は前記伸びIに関する情報を受信するように適合されたデータ処理ユニットと関連付けられる。好ましくは、前記検出装置10は、前記データ伝送ワイヤによってデータ処理ユニットと関連付けられる。
【0129】
一実施形態によれば、前記キャリパ本体5又は前記支持構造部分は、前記キャリパ本体5の変位が測定される方向、好ましくは前記所定方向P-Pに沿って実質的に直交するようにされた平坦化された表面からなり、前記検出装置10は、前記支持構造部分又は前記キャリパ本体5に面するように前記平坦化された表面上に配置される。
【0130】
本発明はさらに、制動動作中の支持構造部4に対するキャリパ本体5の変位を検出するための方法に関する。
【0131】
この方法は、以下のステップからなる。
【0132】
キャリパ本体5の所定方向P-Pに沿った変位を可能にするように、前記キャリパ本体5を、前記支持構造4の接続部分6を用いて、前記支持構造4の第1固定部分7に接続するステップ;
【0133】
少なくとも前記所定方向P-Pに沿って弾性的に変形可能な拘束要素9を用いて、前記キャリパ本体5を前記支持構造4の第2固定部分8に拘束し、ブレーキ作用中のキャリパ本体5の変位を許容し、ブレーキ作用がないときのキャリパ本体5の変位を阻止するステップ;
【0134】
直接的又は間接的な方法で、ブレーキ作用中のキャリパ本体5の変位を検出するステップ。
【0135】
直接的な方法で変位を検出するステップは以下を含む。
【0136】
好ましくは所定方向P-Pに沿って、前記第1固定部分7、前記第2固定部分8、及び前記接続部のうちの1つを含む支持構造部分に面するキャリパ本体を特定するステップ;
【0137】
制動動作中に、前記キャリパ本体と前記支持構造部分との間の距離dを測定するステップ。
【0138】
前記変位を間接的に検出するステップは、以下を含む。
【0139】
少なくとも前記所定方向P-Pに沿った前記拘束要素9の長さの変化を測定するステップ。
【0140】
動作モードによれば、前記方法は以下のステップを含む。
【0141】
前記所定方向P-Pに沿ってブレーキキャリパによって前記拘束要素9に加えられる最大ブレーキ力を計算するステップ、
【0142】
最大弾性変形量(Imax)、例えば最大伸びで弾性変形することによって前記最大ブレーキ力を支持するように、前記拘束要素9のサイズを決定するステップ、
【0143】
前記支持構造の前記接続部分、例えば前記第1接続装置13及び前記第2接続装置14上の前記ブレーキキャリパを、前記所定方向P-Pに沿って、所定のクリアランス、例えば前記第1の所定のクリアランスgl及び前記第2の所定のクリアランスg2を有して、少なくとも前記最大弾性変形の伸びと等しく接続するように、前記キャリパ本体に接続対向部分、例えば前記第1スロット17及び前記第2スロット20を形成するステップ。
【0144】
上述した特徴により、上述した必要性及び上述した所望の利点を同時に満たす組立体及び方法を得ることが可能である。
【0145】
キャリパ本体の変位を簡単かつ再現可能な方法で検出することができる。
【0146】
簡単で反復可能な方法で拘束要素9の変形を検出することが可能である。
【0147】
拘束要素の変形及び/又は支持構造に対するキャリパ本体の変位を検出することに基づいて、ブレーキ作用を定量化するための方法を得ることが可能であり、この方法は、公知の解決策と比較して信頼性及び再現性が改善され、あらゆるタイプのブレーキキャリパに適合する一方で、実施が簡単である。
【0148】
ブレーキトルクに比例する量を検出することが可能である。
【0149】
キャリパ本体と支持構造の第1固定部分との間の接続を確立することが可能であり、この接続は、キャリパ本体を支持構造の第2固定部分に接続する変形可能な拘束要素上にブレーキ力を排出することによって、キャリパ本体の所定のP-P方向に沿った変位を可能にする。
【0150】
g1:第1クリアランス
g2:第2クリアランス
Imax:拘束要素の最大長
d:可動キャリパと固定サポートとの間の検出距離
1:拘束要素の検出伸び s 間隔
X-X:軸方向
R-R:径方向
C-C:円周方向
T-T:接線方向
P-P:所定方向
【国際調査報告】