IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイの特許一覧

特表2024-541659バルブシリンダ、衝撃デバイス、および方法
<>
  • 特表-バルブシリンダ、衝撃デバイス、および方法 図1
  • 特表-バルブシリンダ、衝撃デバイス、および方法 図2
  • 特表-バルブシリンダ、衝撃デバイス、および方法 図3
  • 特表-バルブシリンダ、衝撃デバイス、および方法 図4
  • 特表-バルブシリンダ、衝撃デバイス、および方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-11-08
(54)【発明の名称】バルブシリンダ、衝撃デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
   E21B 1/28 20060101AFI20241031BHJP
【FI】
E21B1/28
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2024532949
(86)(22)【出願日】2022-12-02
(85)【翻訳文提出日】2024-07-04
(86)【国際出願番号】 EP2022084165
(87)【国際公開番号】W WO2023099716
(87)【国際公開日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】21212280.8
(32)【優先日】2021-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515277780
【氏名又は名称】サンドヴィック マイニング アンド コンストラクション オーワイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ポロネン, ユハ
(72)【発明者】
【氏名】ニエミ, ヤルッコ
(72)【発明者】
【氏名】ケラ, ティーモ
【テーマコード(参考)】
2D129
【Fターム(参考)】
2D129AA04
2D129AB14
2D129BA19
2D129DB02
(57)【要約】
バルブシリンダ、岩石破壊装置の衝撃デバイス、および岩石破壊装置の液圧衝撃デバイス内のキャビテーションを防止するための方法に関する。バルブシリンダ(23)は、パーカッションピストン(19)のために配置された中心開口部(32)を備える長尺状部品である。バルブシリンダは、互いから軸方向距離を置いて位置付けられ、軸方向流体チャネル(28)を介して流体接続されている2つの圧力空間(25、27)を備える。圧力空間のうちの1つは、制御空間(25)であり、その内側にスリーブ様制御バルブ(26)を取り付けることができる。制御空間は、半径方向の溝(29)を備え、その底面(33)は、非円形であり、横方向開口部(30)が設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩石破壊装置(4、12)の液圧衝撃デバイス(8)のためのバルブシリンダ(23)であって、
前記バルブシリンダ(23)が、中心軸(Ca)を有する長尺状部品であり、
長尺状の前記バルブシリンダ(23)の前端部(Fe2)から前記長尺状バルブシリンダ(23)の後端部(Re2)まで延びる中心開口部(32)であって、前記中心開口部(32)を通してパーカッションピストン(19)が取り付け可能である、中心開口部(32)と、
前記中心開口部(32)の半径方向表面によって制限され、互いから軸方向距離を置いて位置付けられる、少なくとも2つの圧力空間(25、27)と、
前記圧力空間(25、27)を接続する複数の軸方向圧力流体チャネル(28)と
を備え、
前記圧力空間(25、27)のうちの1つが、前記バルブシリンダ(23)の後端部分(Re2)に位置付けられた制御圧力空間(25)であり、スリーブ様制御バルブ(26)を受容するように構成されており、
前記制御圧力空間(25)には、内部半径方向溝(29)が設けられ、前記内部半径方向溝(29)が、前記溝(29)に隣接する前記中心開口部(32)に対して前記溝(29)の半径方向延長部を画定する底面(33)を含み、
さらに、前記軸方向圧力流体チャネル(28)が、前記溝(29)と流体接続することなく前記半径方向溝(29)を通過する、
バルブシリンダ(23)において、
前記半径方向溝(29)の前記底面(33)の断面形状が、回転非対称であり、前記中心軸(Ca)から複数の異なる距離にある表面を含み、それにより、前記半径方向溝(29)のサイズは、円形の底面(33)を有するシンプルな溝と比較して増加し得ることを特徴とする、バルブシリンダ(23)。
【請求項2】
前記半径方向溝(29)の前記底面(33)が、複数の曲面を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項3】
前記バルブシリンダ(23)は、
前記軸方向流体チャネル(28)が、前記半径方向溝(29)の前記断面において前記中心開口部(32)の周りに均等に間隔が置かれており、それにより、前記軸方向流体チャネル(28)間に中間セクション(34)が存在することと、
前記溝(29)が、前記軸方向流体チャネル(28)において前記溝(29)の最小半径方向寸法を有し、前記中間セクション(34)において最大半径方向寸法を有することと
をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載のバルブシリンダ。
【請求項4】
前記中間セクション(34)における前記溝(29)の前記半径方向寸法が、前記中間セクション(34)の中央部において最大であり、前記中央部から前記軸方向流体チャネル(28)を有するセクション(35)に向かって連続的に減少し、これにより、前記底部(33)の前記形状が、前記中間セクション(34)において湾曲していることを特徴とする、請求項3に記載のバルブシリンダ。
【請求項5】
前記中間セクション(34)における前記溝(29)の底部(33)の形状が、円弧であることを特徴とする、請求項3または4に記載のバルブシリンダ。
【請求項6】
前記軸方向流体チャネル(28)の数が、3つであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項7】
前記溝(29)が、フライス加工技術によって作られていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項8】
前記半径方向溝(29)が、前記制御圧力空間(25)の前端部分(Re2)において位置付けられている、請求項1から7のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項9】
前記半径方向溝(29)の前記底部(33)には、前記溝(29)と前記バルブシリンダ(23)の外面との間の流体接続を提供する少なくとも1つの横方向流体チャネル(30)が設けられている、請求項1から8のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項10】
前記軸方向流体チャネル(28)は、前記中心開口部(32)の周りで間隔が置かれ、それにより、前記バルブシリンダ(23)の断面が、流体チャネルセクション(35)と、前記流体チャネルセクション(35)間の中間セクション(34)とを備え、
前記半径方向溝(29)の前記底部(33)には、各中間セクション(34)において複数の横方向流体チャネル(30)が設けられており、
前記溝(29)における前記バルブシリンダ(23)の壁の厚さ(Wt1、Wt2)が、前記流体チャネルセクション(35)と比較して前記中間セクション(34)においてより小さいことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項11】
岩石破壊装置(4、12)の衝撃デバイス(8)であって、
中心空間が設けられた本体(10)と、
前記中心空間の後部分の内側に軸方向に配置され、バルブシリンダ(23)を備えるパーカッションカートリッジ(21)と、
前記パーカッションカートリッジ(21)を貫通し、前記衝撃デバイス(8)の前端部(Fe)に向かう衝撃方向(A)に、および前記衝撃デバイス(8)の後端部(Re)に向かう逆方向(B)に移動可能なパーカッションピストン(19)と、
前記パーカッションピストン(19)を前記逆方向(B)に移動させるための液圧流体が設けられた作動圧力空間(24)と、
前記バルブシリンダ(23)の後端部(Re2)にある制御圧力空間(25)であって、前記制御圧力空間(25)において作用する液圧を制御し、それによって前記パーカッションピストン(19)の往復移動を制御するためのスリーブ様制御バルブ(26)が設けられた制御圧力空間(25)と
を備え、
前記バルブシリンダ(23)には、前記衝撃方向(A)における前記パーカッションピストン(19)の移動に応じて圧力パルスを提供するためのパイロット圧力空間(27)が設けられており、
前記バルブシリンダ(23)には、前記パイロット圧力空間(27)と前記制御圧力空間(25)とを接続するための複数の軸方向流体チャネル(28)がさらに設けられている、衝撃デバイス(8)において、
前記衝撃デバイス(8)の前記バルブシリンダ(23)が、請求項1から10のいずれか一項に記載のものであることを特徴とする、衝撃デバイス(8)。
【請求項12】
岩石破壊装置(4、12)の液圧衝撃デバイス(8)内のキャビテーションを防止する方法であって、
前記方法が、
前記衝撃デバイス(8)の制御圧力空間(25)の内面と、前記制御圧力空間(25)の内側で往復移動可能に取り付けられたスリーブ様制御バルブ(26)の外面との間の液圧空間の容積を増加させることと、
前記制御圧力空間(25)の前記内面に溝(29)を設けることであって、断面には前記制御圧力空間(25)へとおよび前記制御圧力空間(25)から液圧流体を送るために複数の横方向流体チャネル(30)が配置される、溝(29)を設けることと
を含む、方法において、
前記横方向流体チャネル(30)のところで前記衝撃デバイス(8)の外面に向かって拡張するよう前記溝(29)の底部(33)を成形することによって、前記容積を増加させ、これにより、前記溝(29)の底のラインの形状が円から逸脱することを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、岩石破壊装置の液圧衝撃デバイスのためのバルブシリンダに関する。
【0002】
本発明は、さらに、岩石破壊装置の衝撃デバイス、および岩石破壊装置の液圧衝撃デバイス内のキャビテーションを防止する方法に関する。
【0003】
本発明の分野は、独立請求項のプリアンブルにおいてより具体的に規定される。
【0004】
鉱山内で、およびその他の作業現場において、岩石表面に掘削孔を開け、岩石およびその他の硬い材料を破壊するために、様々なタイプの岩石破壊装置が使用されている。岩石破壊装置は、典型的には、液圧式であり、往復移動するパーカッションピストンを備えた液圧式衝撃デバイスを備える。パーカッションピストンの作動サイクルは、パイロット制御され得るスリーブ様制御バルブによって制御することができる。制御バルブは、バルブシリンダの制御空間の内側に取り付けることができる。既知の解決策は、具体的には、衝撃デバイスの構成部品の耐久性に有害な液圧キャビテーションに関連するいくつかの欠点を示している。
【発明の概要】
【0005】
本発明の課題は、新規で改良されたバルブシリンダおよび衝撃デバイス、ならびに岩石破壊装置の液圧衝撃デバイス内のキャビテーションを防止するための方法を提供することである。
【0006】
本発明によるバルブシリンダは、第1の装置の独立請求項の特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0007】
本発明による衝撃デバイスは、第2の装置の独立請求項の特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0008】
本発明による方法は、方法の独立請求項の特徴的な特徴によって特徴付けられる。
【0009】
開示された解決策の意図は、岩石破壊装置の液圧衝撃デバイスのバルブシリンダが、中心軸を有する長尺状部品であることである。バルブシリンダは、長尺状バルブシリンダの前端部から長尺状バルブシリンダの後端部まで延びる中心開口部を備える。衝撃デバイスのパーカッションピストンは、中心開口部を通して取り付け可能である。中心開口部の半径方向表面によって制限された少なくとも2つの圧力空間が存在する。圧力空間は、互いから軸方向距離を置いて位置付けられている。複数の軸方向圧力流体チャネルが、上記圧力空間を接続するように配置されている。上記圧力空間のうちの1つは、バルブシリンダの後端部分に位置付けられている制御圧力空間である。制御圧力空間は、パーカッションピストンの作動サイクルを制御するためのスリーブ様制御バルブを受容するように構成されている。制御圧力空間には、溝に隣接する中心開口部に対して、内部半径方向溝が設けられており、内部半径方向溝は、溝の半径方向延長部を画定する底面を含む。さらに、上記軸方向圧力流体チャネルは、溝と流体接続することなく軸方向において半径方向溝を通過する。上記半径方向溝の底部の断面形状は、回転非対称であり、中心軸から複数の異なる距離にある表面を含む。言い換えれば、半径方向溝内で半径方向溝の底面を形成する円周は1つだけでなく、溝底または底のラインを定める複数の異なる表面構成が存在する。
【0010】
開示された解決策の利点は、円形の底面を有するシンプルな溝と比較した場合に、半径方向溝のサイズを増加させることができることである。さらに、サイズの増加は、軸方向圧力流体チャネルが溝を拡大するための使用可能な空間を制限していても可能である。開示された解決策では、底面は、軸方向圧力流体チャネルを迂回することができる複数の好適な形状の部分から形成される。
【0011】
実施形態によれば、開示された溝の形状の目的は、溝の流体体積を増加させ、それにより、キャビテーションが発生する可能性のある動作状況を減少させることである。
【0012】
実施形態によれば、岩石破壊装置は、削岩機である。
【0013】
実施形態によれば、岩石破壊装置は、代替的に破壊ハンマーである。
【0014】
実施形態によれば、バルブシリンダは、衝撃デバイスの基体の内側に取り付け可能なカートリッジである。
【0015】
実施形態によれば、バルブシリンダは、パイロットバルブシリンダであり、その内側でスリーブ様制御バルブが、上記軸方向圧力流体チャネルを通じて送られるパイロット圧力パルスによって逆方向に向かって移動する。
【0016】
実施形態によれば、半径方向溝の底面は、複数の曲面を含む。言い換えれば、溝の底部は、湾曲した断面構成を有する。この実施形態の利点は、底面に、流体力学的に有益であることによって水力学的流れに乱れを生じさせない湾曲形状が設けられていることである。湾曲形状および湾曲表面は、平滑な流体流れを保証する。
【0017】
実施形態によれば、底面は、湾曲形状のみを含む。
【0018】
実施形態によれば、溝の底部は、少なくとも3つの異なる曲率半径R1、R2、R3を有する表面を含む。
【0019】
実施形態によれば、バルブシリンダの軸方向の流体チャネルは、半径方向溝の断面において中心開口部の周りに均等に間隔が置かれている。そして、軸方向流体チャネル間には中間セクションが存在する。溝は、軸方向流体チャネルにおいて溝の最小半径方向寸法を有し、上記中間セクションにおいて最大半径方向寸法を有する。
【0020】
実施形態によれば、先の実施形態の特徴に加えて、中間セクションにおける溝の半径方向寸法は、中間セクションの中央部において最大であり、中央部から軸方向流体チャネルを有するセクションに向かって連続的に減少し、これにより、底部の形状は、中間セクションにおいて湾曲している。
【0021】
実施形態によれば、上記中間セクションにおける溝の底部の形状は、円弧である。
【0022】
実施形態によれば、中間セクションにおける溝の底部は、上記円弧以外の任意の湾曲形状を有してもよい。その場合、半径または曲率は、例えば、連続的にまたは徐々に変化し得る。
【0023】
実施形態によれば、軸方向流体チャネルの数は3つである。言い換えれば、互いに対して120°の向きで離隔された3つの軸方向流体チャネルが存在する。軸方向流体チャネルにはチャネルセクションがあり、チャネルセクション間には中間セクションがある。合計で、3つのチャネルセクションおよび3つの中間セクションが存在する。
【0024】
実施形態によれば、いくつかの構造では、軸方向流体チャネルは、中心開口部の周りに不均一に離隔されてもよい。
【0025】
実施形態によれば、軸方向流体チャネルの数は、2~8であってもよい。
【0026】
実施形態によれば、溝は、フライス加工技術によって作られている。
【0027】
実施形態によれば、溝は、同期化された旋回運動および切削工具運動を利用して、最新のCNC旋盤によって作られている。さらなる可能性は、最新のコンピュータ数値制御旋回センタを実装することである。
【0028】
実施形態によれば、中間セクションにおける溝底は、回転サイドフライス加工カッターによって作ることができる。中間セクションの溝底は、迅速で安価に製造することができる。
【0029】
実施形態によれば、中間セクションにおける溝底は、回転エンドミルによって作ることができる。そして、底部の形状を自由に設計することができる。最新の数値制御マシニングセンタは、所望の切削工具経路を正確に実現することができる。
【0030】
実施形態によれば、半径方向溝は、制御圧力空間の前端部分に位置付けられている。
【0031】
実施形態によれば、半径方向溝の底部には、溝とバルブシリンダの外面との間の流体接続を提供する少なくとも1つの横方向流体チャネルが設けられている。言い換えれば、溝は、流体の流れを搬送することを目的とした流体経路の一部として機能している。
【0032】
実施形態によれば、軸方向流体チャネルは、中心開口部の周りで間隔が置かれ、それにより、バルブシリンダの断面は、流体チャネルセクションと、流体チャネルセクション間の中間セクションとを備える。半径方向溝の底部には、各中間セクションにおいて複数の横方向流体チャネルが設けられている。溝の底面が非円形形状であるため、溝におけるバルブシリンダの壁の公称厚さは、流体チャネルセクションと比較して中間セクションにおいて小さくてもよい。言い換えれば、バルブシリンダは、溝の断面において壁の厚さが変化し得る。
【0033】
実施形態によれば、開示された解決策は、岩石破壊装置の衝撃デバイスに関する。衝撃デバイスは、中心空間が設けられた本体と、上記中心空間の後部分の内側に軸方向に配置され、バルブシリンダを備えるパーカッションカートリッジと、パーカッションカートリッジを貫通し、衝撃デバイスの前端部に向かう衝撃方向に、また衝撃デバイスの後端部に向かう逆方向に移動可能なパーカッションピストンと、パーカッションピストンを逆方向に移動させるための液圧流体が設けられた作動圧力空間と、バルブシリンダの後端部にある制御圧力空間であって、制御圧力空間において作用する液圧を制御し、それにより、パーカッションピストンの往復移動を制御するためのスリーブ様制御バルブが設けられた制御圧力空間とを備え、バルブシリンダには、パーカッションピストンの衝撃方向における移動に応じて圧力パルスを提供するためのパイロット圧力空間が設けられており、バルブシリンダには、パイロット圧力空間と制御圧力空間とを接続するための複数の軸方向流体チャネルがさらに設けられている。さらに、衝撃デバイスのバルブシリンダは、本出願で開示された実施形態および特徴によるものである。
【0034】
実施形態によれば、開示された解決策は、岩石破壊装置の液圧衝撃デバイス内のキャビテーションを防止する方法に関する。方法は、衝撃デバイスの制御圧力空間の内面と、制御圧力空間の内側に往復移動可能に取り付けられたスリーブ様制御バルブの外面との間の液圧空間の容積を増加させることと、制御圧力空間の上記内面に溝を設けることであって、断面には制御圧力空間へとおよび制御圧力空間から液圧流体を送るために複数の横方向流体チャネルが配置される、溝を設けることと、上記横方向流体チャネルのところで衝撃デバイスの外面に向かって拡張するよう溝の底部を成形することによって、上記容積を増加させることと、を含み、これにより、横方向流体チャネルにおいてのみ壁の厚さが減少し、溝の底線の形状が円から逸脱する。
【0035】
上記の開示された実施形態は、上記の必要な特徴を有する好適な解決策を形成するために組み合わせることができる。
【0036】
いくつかの実施形態は、添付の図面でより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】液圧削岩機が設けられた削岩ユニットの概略側面図である。
図2】液圧破壊ハンマーが設けられた掘削機の概略側面図である。
図3】液圧衝撃デバイスを備える削岩機の概略断面側面図である。
図4】バルブシリンダの概略断面側面図である。
図5図4のバルブシリンダを断面E-Eで切断した、溝の底面形状を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
明確にするために、図は、開示された解決策のいくつかの実施形態を簡略化された様式で示している。図において、同様の参照番号は同様の要素を識別する。
発明を実施するための形態
【0039】
図1は、岩石表面に孔を開けることを目的とした削岩ユニット1を示す。削岩ユニット1は、典型的に、削岩リグの掘削ブーム2に取り付けられている。掘削ユニット1には、送りビーム3、および送りビーム3上に支持された削岩機4が設けられている。掘削工具5は、掘削機4に接続可能である。削岩機4は、削岩機4の前端部において、工具5を接続するためのシャンクアダプタ6を備えてもよい。工具5の反対側の端部にはドリルビット7がある。削岩機4は、岩石を破壊するための衝撃パルスを掘削工具5に提供するための衝撃デバイス8と、掘削工具5をその長手方向軸の周りで回転させるための回転デバイス9とを備える。削岩機4は、衝撃デバイス8、回転デバイス9、ならびに場合によっては必要とされる他のデバイスおよび要素を取り付けるための基体10をさらに備える。削岩機4は、送りデバイス11によって送りビーム3上で掘削または送り方向Aに、および戻り方向Bに移動することができる。削岩機4は、液圧で動作可能であり、それによって、衝撃デバイス8および回転デバイス9は、液圧システムHSに接続されている。さらに、衝撃デバイス8は、この文書に開示された解決策に従ってもよく、それによって、開示されたバルブシリンダを備えてもよい。
【0040】
図2は、掘削機14のブーム13に取り付けられ、掘削機14の液圧システムHSに接続された液圧破壊ハンマー12を開示している。破壊ハンマー12は、破壊ハンマー1に接続可能な破壊工具15に衝撃パルスを生成するための液圧衝撃デバイス8を備える。破壊工具15は、岩石破壊中に衝撃方向Aおよび戻り方向Bに移動することができる。衝撃デバイス8は、この文書に開示された解決策に従ってもよく、それにより、開示されたバルブシリンダを備えてもよい。
【0041】
図3は、本体10と、衝撃デバイス8と、回転デバイス9と、フラッシングハウジング16と、シャンクアダプタを受容するための開放空間17と、ギアハウジング18とを備える削岩機4を開示している。フラッシングハウジング16およびギアハウジング18は、本体10の前端部Feに位置付けられ、衝撃デバイス8は後端部Reに位置付けられる。シャンクアダプタは、開放空間17に取り付けることができ、その後端部は、ギアハウジング18の回転要素に接続することができ、その結果、シャンクアダプタおよびシャンクアダプタに接続可能な掘削工具が、回転デバイス9によって回転することができる。フラッシング流体は、フラッシングハウジング16を介してシャンクアダプタの軸方向フラッシングチャネルに、さらに掘削工具に送ることができる。
【0042】
衝撃デバイス8は、衝撃方向Aおよび戻り方向Bに往復移動様式で移動するように配置されるパーカッションピストン19を備える。パーカッションピストン19の前端部には、シャンクアダプタに衝突するように構成される衝撃面20がある。衝撃デバイス8は、本体10の中心空間22の後部分Re2の軸方向内側に配置されるパーカッションカートリッジ21を備える。パーカッションカートリッジ21は、パーカッションピストン19が通過するバルブシリンダ23を備える。衝撃デバイス8は、パーカッションピストン19を逆方向Bに移動させるための液圧流体が設けられた作動圧力空間24を備える。バルブシリンダ23の後端部Re2には、制御圧力空間25がある。制御圧力空間25には、制御圧力空間25において作用する液圧を制御して、それによりパーカッションピストン19の往復移動を制御するスリーブ様制御バルブ26が設けられている。制御バルブ空間25内の圧力は、衝撃方向Aにパーカッションピストン19を移動させ、なぜなら、衝撃方向Aにおけるパーカッションピストンの作動圧力領域は、作動圧力空間24におけるパーカッションピストンの作動圧力領域と比較して大きく、戻り方向Bにおいて作用するからである。作動圧力空間24では、動作中に継続的に高い圧力が広がる可能性があるが、制御圧力空間25では、パーカッションピストン19に往復移動を実行させるために、制御バルブ26によって圧力の大きさを変化させることができる。さらに、バルブシリンダ23には、衝撃方向Aにおけるパーカッションピストン19の移動に応じて圧力パルスを提供するためのパイロット圧力空間27が設けられている。バルブシリンダ23には、パイロット圧力空間27と制御圧力空間25とを接続するための複数の軸方向流体チャネル28がさらに設けられている。パイロット圧力空間27内に生成される圧力パルスは、制御バルブ26の制御面に作用し、制御バルブ26の制御位置を変化させる。
【0043】
制御圧力空間25の前端部分Fe2には、制御圧力空間25の内部半径方向溝29が設けられている。半径方向溝29の底部には、溝29と圧力ポート31との間の流体接続を提供する1つまたは複数の横方向流体チャネル30が設けられている。半径方向溝29の目的は、横方向流体チャネル30において拡大された空間を提供し、それによって、制御バルブ26が制御手段を実行するときに液圧キャビテーションを防止することである。
【0044】
図3に開示された衝撃デバイス8は、岩石破壊ハンマーにも利用することができる。その場合、回転デバイス、ギアハウジング、フラッシングハウジング、およびシャンクアダプタは存在しない。パーカッションピストンは、破壊工具の衝撃面に衝突するように配置されてもよい。
【0045】
図4は、パーカッションカートリッジのバルブシリンダ23を開示している。バルブシリンダ23は、中心軸Caを有する長尺状部品であり、長尺状バルブシリンダ23の前端部Fe2から長尺状バルブシリンダ23の後端部Re2まで延びる中心開口部32を備える。パーカッションピストンは、中心開口部32を通して取り付け可能である。中心開口部32の半径方向表面によって制限され、互いから軸方向距離を置いて位置付けられた2つの圧力空間25、27が存在する。複数の軸方向圧力流体チャネル28が、上記圧力空間25、27に接続している。制御圧力空間25は、バルブシリンダ23の後端部分Re2に位置付けられ、スリーブ様制御バルブを受容するように構成されている。制御圧力空間25には内部半径方向溝29が設けられ、内部半径方向溝29は、当該溝29に隣接する中心開口部32に対して溝29の半径方向延長部を画定する底面33を含む。上記軸方向圧力流体チャネル28は、溝29と流体接続することなく半径方向溝29を通過する。さらに、上記半径方向溝29の底部の断面形状は、回転非対称であり、中心軸から複数の異なる距離にある表面を含む。ただし、これは図4の断面図で見ることができないが図5に示されている。溝29は、1つまたは複数の横方向流体チャネル30によってバルブシリンダ23の外面に流体接続されている。
【0046】
図5は、溝29の底面33の形状を開示している。図からわかるように、底面33は、異なる半径R1、R2、およびR3を有する複数の曲面を含む。軸方向流体チャネル28は、半径方向溝29における断面内で中心開口部32の周りに均等に間隔が置かれており、それにより、軸方向流体チャネル28間に中間セクション34が存在する。溝29は、軸方向流体チャネル28の部分35において最小半径方向寸法を有し、中間セクション34において最大半径方向寸法を有する。中間セクションにおける溝29の半径方向寸法は、中央部から軸方向流体チャネル28を有するセクション35に向かって連続的に減少しており、それにより、底部33の形状は、中間セクション34において湾曲している。軸方向流体チャネル28の数は3つであってもよく、中間セクション34における溝29の底部33の形状は円弧であってもよい。溝29の底部33の形状により、溝29におけるバルブシリンダ23の壁の厚さWt1は、中間セクション34における壁の厚さWt2に比較して、流体チャネルセクション35において厚い。
【0047】
開示された拡大された溝の容積および溝の底部の形状は、軸方向流体チャネルが1つしかない場合、さらには、バルブシリンダの開放空間の周りに均等な空間ではない複数の軸方向の流体チャネルが存在する場合にも、解決策において実現することができる。
【0048】
図面および関連する説明は、本発明の概念を説明することのみを目的としている。詳細において、本発明は、特許請求の範囲内で変更することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-09-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩石破壊装置(4、12)の液圧衝撃デバイス(8)のためのバルブシリンダ(23)であって、
前記バルブシリンダ(23)が、中心軸(Ca)を有する長尺状部品であり、
長尺状の前記バルブシリンダ(23)の前端部(Fe2)から前記長尺状バルブシリンダ(23)の後端部(Re2)まで延びる中心開口部(32)であって、前記中心開口部(32)を通してパーカッションピストン(19)が取り付け可能である、中心開口部(32)と、
前記中心開口部(32)の半径方向表面によって制限され、互いから軸方向距離を置いて位置付けられる、少なくとも2つの圧力空間(25、27)と、
前記圧力空間(25、27)を接続する複数の軸方向圧力流体チャネル(28)と
を備え、
前記圧力空間(25、27)のうちの1つが、前記バルブシリンダ(23)の後端部分(Re2)に位置付けられた制御圧力空間(25)であり、スリーブ様制御バルブ(26)を受容するように構成されており、
前記制御圧力空間(25)には、内部半径方向溝(29)が設けられ、前記内部半径方向溝(29)が、前記溝(29)に隣接する前記中心開口部(32)に対して前記溝(29)の半径方向延長部を画定する底面(33)を含み、
さらに、前記軸方向圧力流体チャネル(28)が、前記溝(29)と流体接続することなく前記半径方向溝(29)を通過する、
バルブシリンダ(23)において、
前記溝(29)が、前記軸方向流体チャネル(28)の部分(35)において最小半径方向寸法を有し、前記軸方向流体チャネル(28)間の中間セクション(34)において最大半径方向寸法を有し、それにより、前記半径方向溝(29)のサイズは、部分(35)における前記最小半径方向寸法に対応する円形底面を有するシンプルな溝と比較した場合に増加することを特徴とする、バルブシリンダ(23)。
【請求項2】
前記半径方向溝(29)の前記底面(33)が、複数の曲面を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項3】
前記軸方向流体チャネル(28)の数が、3つであることを特徴とする、請求項1または2に記載のバルブシリンダ。
【請求項4】
前記溝(29)が、フライス加工技術によって作られていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項5】
前記半径方向溝(29)が、前記制御圧力空間(25)の前端部分(Re2)において位置付けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項6】
前記半径方向溝(29)の前記底部(33)には、前記溝(29)と前記バルブシリンダ(23)の外面との間の流体接続を提供する少なくとも1つの横方向流体チャネル(30)が設けられている、請求項1から5のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項7】
前記軸方向流体チャネル(28)は、前記中心開口部(32)の周りで間隔が置かれ、それにより、前記バルブシリンダ(23)の断面が、流体チャネルセクション(35)と、前記流体チャネルセクション(35)間の中間セクション(34)とを備え、
前記半径方向溝(29)の前記底部(33)には、各中間セクション(34)において複数の横方向流体チャネル(30)が設けられており、
前記溝(29)における前記バルブシリンダ(23)の壁の厚さ(Wt1、Wt2)が、前記流体チャネルセクション(35)と比較して前記中間セクション(34)においてより小さいことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブシリンダ。
【請求項8】
岩石破壊装置(4、12)の衝撃デバイス(8)であって、
中心空間が設けられた本体(10)と、
前記中心空間の後部分の内側に軸方向に配置され、バルブシリンダ(23)を備えるパーカッションカートリッジ(21)と、
前記パーカッションカートリッジ(21)を貫通し、前記衝撃デバイス(8)の前端部(Fe)に向かう衝撃方向(A)に、および前記衝撃デバイス(8)の後端部(Re)に向かう逆方向(B)に移動可能なパーカッションピストン(19)と、
前記パーカッションピストン(19)を前記逆方向(B)に移動させるための液圧流体が設けられた作動圧力空間(24)と、
前記バルブシリンダ(23)の後端部(Re2)にある制御圧力空間(25)であって、前記制御圧力空間(25)において作用する液圧を制御し、それによって前記パーカッションピストン(19)の往復移動を制御するためのスリーブ様制御バルブ(26)が設けられた制御圧力空間(25)と
を備え、
前記バルブシリンダ(23)には、前記衝撃方向(A)における前記パーカッションピストン(19)の移動に応じて圧力パルスを提供するためのパイロット圧力空間(27)が設けられており、
前記バルブシリンダ(23)には、前記パイロット圧力空間(27)と前記制御圧力空間(25)とを接続するための複数の軸方向流体チャネル(28)がさらに設けられている、衝撃デバイス(8)において、
前記衝撃デバイス(8)の前記バルブシリンダ(23)が、請求項1から7のいずれか一項に記載のものであることを特徴とする、衝撃デバイス(8)。
【請求項9】
岩石破壊装置(4、12)の液圧衝撃デバイス(8)内のキャビテーションを防止する方法であって、前記方法が、
前記衝撃デバイス(8)の制御圧力空間(25)の内面と、前記制御圧力空間(25)の内側で往復移動可能に取り付けられたスリーブ様制御バルブ(26)の外面との間の液圧空間の容積を増加させることと、
前記制御圧力空間(25)の前記内面に溝(29)を設けることであって、断面には前記制御圧力空間(25)へとおよび前記制御圧力空間(25)から液圧流体を送るために複数の横方向流体チャネル(30)が配置される、溝(29)を設けることと
を含む、方法において、
前記横方向流体チャネル(30)のところで前記衝撃デバイス(8)の外面に向かって拡張するよう前記溝(29)の底部(33)を成形することによって、前記容積を増加させ、これにより、前記溝(29)が、前記軸方向流体チャネル(28)の部分(35)において最小半径方向寸法を有し、前記軸方向流体チャネル(28)間の中間セクション(34)において最大半径方向寸法を有し、これにより、前記溝(29)の底のラインの形状が円から逸脱し、それにより、前記半径方向溝(29)のサイズが、部分(35)における前記最小半径方向寸法に対応する円形底面を有するシンプルな溝と比較して増加することを特徴とする、方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩石破壊装置(4、12)の液圧衝撃デバイス(8)のためのバルブシリンダ(23)であって、
前記バルブシリンダ(23)が、中心軸(Ca)を有する長尺状部品であり、
長尺状の前記バルブシリンダ(23)の前端部(Fe2)から長尺状の前記バルブシリンダ(23)の後端部(Re2)まで延びる中心開口部(32)であって、前記中心開口部(32)を通してパーカッションピストン(19)が取り付け可能である、中心開口部(32)と、
前記中心開口部(32)の半径方向表面によって制限され、互いから軸方向距離を置いて位置付けられる、少なくとも2つの圧力空間(25、27)と、
前記圧力空間(25、27)を接続する複数の軸方向圧力流体チャネル(28)と
を備え、
前記圧力空間(25、27)のうちの1つが、前記バルブシリンダ(23)の後端部(Re2)に位置付けられた制御圧力空間(25)であり、スリーブ様制御バルブ(26)を受容するように構成されており、
前記制御圧力空間(25)には、内部半径方向溝(29)が設けられ、前記内部半径方向溝(29)が、前記内部半径方向溝(29)に隣接する前記中心開口部(32)に対して前記内部半径方向溝(29)の半径方向延長部を画定する底面(33)を含み、
さらに、前記軸方向圧力流体チャネル(28)が、前記内部半径方向溝(29)と流体接続することなく前記内部半径方向溝(29)を通過する、
バルブシリンダ(23)において、
前記内部半径方向溝(29)が、前記軸方向圧力流体チャネル(28)の部分(35)において最小半径方向寸法を有し、前記軸方向圧力流体チャネル(28)間の中間セクション(34)において最大半径方向寸法を有し、それにより、前記内部半径方向溝(29)のサイズは、部分(35)における前記最小半径方向寸法に対応する円形底面を有するシンプルな溝と比較した場合に増加することを特徴とする、バルブシリンダ(23)。
【請求項2】
前記内部半径方向溝(29)の前記底面(33)が、複数の曲面を含むことを特徴とする、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項3】
前記軸方向圧力流体チャネル(28)の数が、3つであることを特徴とする、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項4】
前記内部半径方向溝(29)が、フライス加工技術によって作られていることを特徴とする、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項5】
前記内部半径方向溝(29)が、前記制御圧力空間(25)の前端部分において位置付けられている、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項6】
前記内部半径方向溝(29)の前記底(33)には、前記内部半径方向溝(29)と前記バルブシリンダ(23)の外面との間の流体接続を提供する少なくとも1つの横方向流体チャネル(30)が設けられている、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項7】
前記軸方向圧力流体チャネル(28)は、前記中心開口部(32)の周りで間隔が置かれ、それにより、前記バルブシリンダ(23)の断面が、流体チャネルセクション(35)と、前記流体チャネルセクション(35)間の中間セクション(34)とを備え、
前記内部半径方向溝(29)の前記底(33)には、各中間セクション(34)において複数の横方向流体チャネル(30)が設けられており、
前記内部半径方向溝(29)における前記バルブシリンダ(23)の壁の厚さ(Wt1、Wt2)が、前記流体チャネルセクション(35)と比較して前記中間セクション(34)においてより小さいことを特徴とする、請求項1に記載のバルブシリンダ。
【請求項8】
岩石破壊装置(4、12)の衝撃デバイス(8)であって、
中心空間が設けられた本体(10)と、
前記中心空間の後部分の内側に軸方向に配置され、バルブシリンダ(23)を備えるパーカッションカートリッジ(21)と、
前記パーカッションカートリッジ(21)を貫通し、前記衝撃デバイス(8)の前端部(Fe)に向かう衝撃方向(A)に、および前記衝撃デバイス(8)の後端部(Re)に向かう逆方向(B)に移動可能なパーカッションピストン(19)と、
前記パーカッションピストン(19)を前記逆方向(B)に移動させるための液圧流体が設けられた作動圧力空間(24)と、
前記バルブシリンダ(23)の後端部(Re2)にある制御圧力空間(25)であって、前記制御圧力空間(25)において作用する液圧を制御し、それによって前記パーカッションピストン(19)の往復移動を制御するためのスリーブ様制御バルブ(26)が設けられた制御圧力空間(25)と
を備え、
前記バルブシリンダ(23)には、前記衝撃方向(A)における前記パーカッションピストン(19)の移動に応じて圧力パルスを提供するためのパイロット圧力空間(27)が設けられており、
前記バルブシリンダ(23)には、前記パイロット圧力空間(27)と前記制御圧力空間(25)とを接続するための複数の軸方向流体チャネル(28)がさらに設けられている、衝撃デバイス(8)において、
前記衝撃デバイス(8)の前記バルブシリンダ(23)が、請求項1から7のいずれか一項に記載のものであることを特徴とする、衝撃デバイス(8)。
【請求項9】
岩石破壊装置(4、12)の液圧衝撃デバイス(8)内のキャビテーションを防止する方法であって、前記方法が、
前記液圧衝撃デバイス(8)の制御圧力空間(25)の内面と、前記制御圧力空間(25)の内側で往復移動可能に取り付けられたスリーブ様制御バルブ(26)の外面との間の液圧空間の容積を増加させることと、
前記制御圧力空間(25)の前記内面に溝(29)を設けることであって、断面には前記制御圧力空間(25)へとおよび前記制御圧力空間(25)から液圧流体を送るために複数の横方向流体チャネル(30)が配置される、溝(29)を設けることと
を含む、方法において、
前記横方向流体チャネル(30)のところで前記液圧衝撃デバイス(8)の外面に向かって拡張するよう前記溝(29)の底部(33)を成形することによって、前記容積を増加させ、これにより、前記溝(29)が、軸方向流体チャネル(28)の部分(35)において最小半径方向寸法を有し、前記軸方向流体チャネル(28)間の中間セクション(34)において最大半径方向寸法を有し、これにより、前記溝(29)の底のラインの形状が円から逸脱し、それにより、半径方向の前記溝(29)のサイズが、部分(35)における前記最小半径方向寸法に対応する円形底面を有するシンプルな溝と比較した場合に増加することを特徴とする、方法。
【国際調査報告】